表示装置、及び、表示方法
【課題】低輝度領域が少ない特定画像においても、液晶表示が備えるバックライトが消費する電力を減らす技術を提供する。
【解決手段】画面に表示させる画像が、マークを含んだ特定画像であると判定した場合に、特定画像におけるマーク以外の領域をマーク以下の明るさで照明するようにバックライトを制御するため、特定画像においても、特定画像の機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【解決手段】画面に表示させる画像が、マークを含んだ特定画像であると判定した場合に、特定画像におけるマーク以外の領域をマーク以下の明るさで照明するようにバックライトを制御するため、特定画像においても、特定画像の機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の画像を液晶画面に表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題を背景に省エネルギー技術が重要とされ、省エネルギー技術を採用した、テレビ、携帯端末、パソコン、カーナビゲーション装置などの液晶表示装置が注目されている。
【0003】
このような液晶表示装置に採用される省エネルギー技術には、例えば、バックライトを効率よく制御して、消費電力を大幅に減らす技術があり、例えば、特許文献1に、その表示領域に対応するバックライトを構成する複数のLEDを、表示する画像の輝度に合わせて点灯させ、比較的暗い低輝度領域に対応するLEDは消灯させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−251331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、例えば、カーナビゲーション画像などは基本的には低輝度領域が少ないイラストで構成されており、液晶表示装置にこのような低輝度領域が少ない特定画像を表示する場合においては、バックライトを一定の明るさに制御するため、消費電力を減らすことは困難である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、低輝度領域が少ない特定画像においても、液晶表示装置が備えるバックライトが消費する電力を減らす技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、画像を表示する表示装置であって、液晶の画面を有する表示手段と、前記画面を複数の光源で照明するバックライトと、前記画面に表示させる画像が、マークを含んだ特定画像か否かを判定する判定手段と、前記特定画像であると判定した場合に、前記特定画像における前記マークの領域以外の領域を前記マークの領域以下の明るさで照明するように前記バックライトを制御するバックライト制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記表示装置は、車両に搭載されるものであり、前記特定画像は、カーナビゲーション画像であり、かつ、前記マークは前記カーナビゲーション画像に含まれる自車位置マークであることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の表示装置において、前記カーナビゲーション画像のうち、前記自車位置マークを中心にした一定の範囲の領域以外の外部領域を、黒い画像に設定する画像制御手段、をさらに備え、前記バックライト制御手段は、前記黒い画像を前記マークの領域よりも暗く照明するように前記バックライトを制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の表示装置において、前記画像制御手段は、前記外部領域に目的地までのルートラインが含まれる場合は、前記ルートラインを含む前記外部領域を前記黒い画像に設定することを禁止することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項3に記載の表示装置において、前記カーナビゲーション画像は、前記画面に表示した際に常に上が北の方角となる地図画像であり、前記画像制御手段は、前記自車位置マークが示す進行方向に前記外部領域が存在する場合は、前記進行方向に存在する前記外部領域を前記黒い画像に設定することを禁止することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項2に記載の表示装置において、前記カーナビゲーション画像を、縮小するとともに、縮小することによって前記カーナビゲーション画像のサイズが前記画面の表示サイズに不足する領域へ黒い画像を設定する画像制御手段、をさらに備え、前記バックライト制御手段は、前記黒い画像を前記マークの領域よりも暗く照明するように前記バックライトを制御することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の表示装置において、前記画像制御手段は、前記自車位置マークから離れるほど縮小率を高くすることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記特定画像は、複数の機能のいずれかを選択するためのメニュー画像であり、前記マークは、複数の機能にそれぞれ対応する選択マークであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の表示装置において、前記特定画像における前記マーク以下の明るさで照明される領域が明るくなるように、表示される前記特定画像の明るさを補正する補正手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項10の発明は、液晶の画面に画像を表示する表示方法であって、前記画面に表示させる前記画像が、マークを含んだ特定画像か否かを判定する工程と、前記特定画像であると判定した場合に、前記特定画像における前記マークの領域以外の領域を前記マークの領域以下の明るさで照明するように、前記画面を照明するバックライトを制御する工程と、を備えたことを特徴とする
【発明の効果】
【0017】
請求項1ないし10の発明によれば、画面に表示させる画像が、マークを含んだ特定画像であると判定した場合に、特定画像におけるマークの領域以外の領域をマークの領域以下の明るさで照明するようにバックライトを制御するため、特定画像においても、特定画像の機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0018】
また、請求項3の発明によれば、カーナビゲーション画像のうち、自車位置マークを中心にした一定の範囲の領域以外の外部領域を、黒い画像に設定するとともに、黒い画像をマークの領域よりも暗く照明するようにバックライトを制御するため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0019】
また、請求項4の発明によれば、外部領域に目的地までのルートラインが含まれる場合は、ルートラインを含む外部領域を黒い画像に設定することを禁止するため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0020】
また、請求項5の発明によれば、カーナビゲーション画像は、画面に表示した際に常に上が北の方角となる地図画像であり、自車位置マークが示す進行方向に外部領域が存在する場合は、進行方向に存在する外部領域を黒い画像に設定することを禁止するため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0021】
また、請求項6の発明によれば、カーナビゲーション画像を、縮小するとともに、縮小することによってカーナビゲーション画像のサイズが画面の表示サイズに不足する領域へ黒い画像を設定するとともに、黒い画像をマークの領域よりも暗く照明するようにバックライトを制御するため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0022】
また、請求項7の発明によれば、自車位置マークから離れるほど縮小率を高くするため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0023】
また、請求項8の発明によれば、請求項1に記載の表示装置において、特定画像は、複数の機能のいずれかを選択するためのメニュー画像であり、マークは、複数の機能にそれぞれ対応する選択マークであるため、メニュー画像においても、メニュー画像の機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0024】
また、請求項9の発明によれば、請求項1ないし8のいずれかに記載の表示装置において、特定画像におけるマーク以下の明るさで照明される領域が明るくなるように、表示される特定画像の明るさを補正するため、特定画像においても、特定画像の機能を発揮しつつ、消費電力を減らすとともに、マーク以下の明るさの領域の画像を見やすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、表示部を示す図である。
【図2】図2は、車載装置のシステム構成図である。
【図3】図3は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図4】図4は、車載装置が実行する制御の内容を示すフローチャート図である。
【図5】図5は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図6】図6は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図7】図7は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図8】図8は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図9】図9は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図10】図10は、表示部を示す図である。
【図11】図11は、表示部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下で説明する技術は、表示部を搭載した種々の表示装置に適用されるものであるが、便宜上、車載装置について具体的に説明する。以下、添付図面を参照しながら、車載装置に搭載される表示部の構造、車載装置の構成、及び、車載装置の制御に分けて説明を行う。
【0027】
<代表の実施の形態>
<車載装置に搭載の表示部の構造>
車両に搭載される表示装置である車載装置が備える表示部の構造を、図1に基づいて説明する。表示部6は、カラーフィルタ1、液晶層2、TFT(Thin Film Transistor)3、及び、バックライト4などから構成される。
【0028】
カラーフィルタ1は、3原色(RGB)が画素ごとに印刷されたフィルムである。液晶層2は、外部電圧などが加わると分子配列が変わる、所謂、液晶シャッターである。TFT3は、マトリクス状に配置された電極を制御し、マトリクス状の狙いのセルへ電圧を加えて、当該セルに対応する液晶層2の液晶の分子配列を変えることによって、バックライトの光をカラーフィルタ1側へ透過させる薄膜トランジスタである。バックライト4は、光源となる複数の発光ダイオード(LED(Light Emitting Diode))5を直列に並べて備えている。表示部6の画面は、カラーフィルタ1、液晶層2及びTFT3によって構成され、この画面がバックライト4によって照明される。
【0029】
これらを積層させた表示部6のTFT3やバックライト4を、車載装置の制御部が制御することによって、表示部6の画面に画像が表示される。
【0030】
なお、バックライト4のタイプは、簡易構造のエッジライトタイプであり、薄い表示部が要求される車載装置に最適な構造であるといえる。エッジライトタイプのバックライトは、複数のLED5が矩形を成す表示部の一辺に直列に備わるため、光が表示部6において、その一辺と対向する辺に向かうほど弱くなるのを防ぐ、つまり、表示部6において光が均一になるようにする偏光板などが備わっている。
【0031】
<車載装置の構成>
次に、車載装置の構成を図2に基づいて説明する。車載装置10は、制御部11、画像調整部13、不揮発性記憶部18、GPSアンテナ19、TVチューナ20、及び、表示部6などを、データ通信可能なバスNに電気的に接続して構成している。
【0032】
制御部11は、CPUや制御プログラムなどが記憶されているROMなどから構成されるマイコンである。例えば、制御部11が備える特定画像判定部12が特定画像判定機能を発揮する。その機能は、特定画像判定部12が、表示部6へ表示させる画像が特定の画像であるか否かを判定する機能である。特定画像判定機能の詳細については後述する。
【0033】
画像調整部13は、LSI(Large Scale Integration)である。例えば、画像調整部13が備える画像分析部14、輝度基準判定部15、光量判定部17、及び、画像補正部16が、画像分析機能、輝度基準判定機能、光量判定機能、及び、画像補正機能を発揮する。
【0034】
画像分析機能は、画像分析部14が、表示部6へ表示させる画像を分析する機能であり、輝度基準判定機能は、輝度基準判定部15が、入力される画像の輝度基準を判定する機能であり、画像補正機能は、画像補正部16が、輝度基準や発光量に基づいて、画像を補正する機能であり、光量判定機能は、光量判定部17が、バックライト4により発光させる量を判定する機能である。画像分析機能、輝度基準判定機能、光量判定機能、及び画像補正機能の詳細については後述する。
【0035】
不揮発性記憶部18は、EEPROMなどのフラッシュメモリであり、カーナビゲーションに関するデータなどを記憶している。カーナビゲーションに関するデータとは、例えば、地図画像、自車位置マーク、及び、方角マークなどのデータである。
【0036】
GPSアンテナ19は、車載装置10を搭載する車両が地球上のどこに位置しているかを示すGPSデータをGPS衛星から受信するアンテナである。
【0037】
TVチューナ20は、デジタルTV放送のデータを受信して、所定のデータに復調させるなどの機能を発揮する装置である。
【0038】
表示部6は、前述した、バックライト4、TFT3などを備えている。更に、表示部6は、ユーザ操作を表示画面において受け付けるタッチパネル7を備えている。
【0039】
<車載装置の制御>
車載装置10の制御部11は、表示部6のタッチパネル7により、TVモード設定のユーザ操作を受け付けると、TVチューナ20により受信したTVデータを画像調整部13と協働して、表示部6へ表示する。
【0040】
また、車載装置10の制御部11は、表示部6のタッチパネル7により、カーナビモード設定のユーザ操作を受け付けると、不揮発性記憶部18に記憶されている地図画像などを、GPSアンテナ19から受信したGPSデータに基づいて読み出して、表示部6へ表示する。
【0041】
また、車載装置10の制御部11は、TVモード設定やカーナビモード設定を選択するマークなどを表示するメニュー画面を表示部6へ表示させることによって、ユーザに対して選択可能にしている。
【0042】
更に、車載装置10の制御部11は、メニュー画面において、消費電力を低減させるエコモードを、ユーザに対して選択可能にしている。制御部11は、エコモードがユーザにより選択されない場合は、図3に示すように、バックライト4を構成する複数のLED5の全てを光らせる制御を実行する。
【0043】
なお、図3に示すように、21個のLED5において、左から1個目を5−1、左から2個目を5−2、左から3個目を5−3というように、以降、アドレスを付して説明する。
【0044】
一方、制御部11は、エコモードがユーザにより選択された場合は、図4に示す制御を所定の周期で、車載装置の電源がユーザによって切られるか、エコモード設定をオフにされるまで実行する。
【0045】
以降、制御部11が、エコモードがユーザにより選択されたことによって、図4に示す制御を実行する場合を説明する。
【0046】
ステップS1において、制御部11の特定画像判定部は、表示部6へ表示させる画像が特定の性質を有数する特定画像であるか否かを判定する。画像が特定画像であると判定する場合(ステップS1においてYesの場合)は、ステップS2へ移行する。画像が特定画像であると判定しない場合(ステップS1においてNoの場合)は、ステップS3へ移行する。
【0047】
なお、特定画像とは、例えば、TVデータに基づく動画や、DVDなどに収録されたデータに基づく動画などに含まれる低輝度領域が多い画像(明部から暗部までの段階的な明るさを有する階調画像)ではなく、自車位置マークを含むカーナビ画像などの階調表現の少ないイラストで構成され、低輝度領域が少ない画像を言う。換言すれば、特定画像は、明部から暗部までの段階的な明るさを殆ど有さない非階調画像であるともいえる。以降、特定画像の例として自車位置マークを含むカーナビ画像について説明する。
【0048】
ステップS2において、画像調整部13の画像分析部14は、図5に示すように、カーナビ画像G2に含まれる自車位置マークJがカーナビ画像G2のどの位置に存在するかを判定し、自車位置マークJを中心にした一定の範囲の領域Mを定めるとともに、一定の範囲の領域M以外の外部領域S1及び外部領域S2についても定める。この一定の範囲の領域Mは、ナビゲーションの案内用の地図画像を含む領域であるため、以下、「ナビ案内領域」Mという。画像分析部14は、ナビ案内領域M外に定めた外部領域S1及び外部領域S2を黒い画像に設定する。画像分析部14は、外部領域S1及び外部領域S2を、ナビ案内領域Mを挟むような位置、つまり、ナビ案内領域Mの左右双方の外側となる位置とする。なお、黒い画像とは、輝度が比較的低い一定値(理想的には輝度=0)の画素のみで構成される画像を示す。
【0049】
但し、画像分析部14は、外部領域に目的地までのルートラインRが含まれる場合は、その外部領域を黒い画像に設定するのを禁止する。また、表示部6へ表示する際に北の方角が常にその上となる地図画像、つまり、ノースアップ画像の表示モードをユーザが設定している場合において、自車位置マークJが示す進行方向に外部領域が存在する場合は、進行方向に存在する外部領域を黒い画像に設定することを禁止する。
【0050】
このような禁止処理をすることによって、車載装置の消費電力を減少させつつ、ユーザのカーナビ利用に対する利便性を低下させないようにすることができる。次に、ステップS3へ移行する。
【0051】
ステップS3において、画像調整部13の輝度基準判定部15は、入力された画像における画素の平均(平均輝度)を導出する。次に、ステップS4へ移行する。
【0052】
ステップ4において、画像調整部13の光量判定部17は、入力画像が特定画像の場合は、特定画像、つまり、カーナビ画像G2に含まれる領域の種別に基づいてバックライト4を構成する複数のLEDの発光量を判定する。つまり、光量判定部17は、図5に示すように、カーナビ画像G2のうちナビ案内領域Mに対応するLED5−1からLED5−18までを一定量に発光させると判定する。また、光量判定部17は、カーナビ画像G2のうち黒い画像となる外部領域S2及び外部領域S3に対応するLED5−1からLED5−3及びLED5−19からLED5−21を発光させないと判定する。
【0053】
光量判定部17は、入力画像が特定画像でない場合は、通常の、つまり、画面に照明される光が均一になるよう発光させると判定する。次に、ステップS5へ移行する。
【0054】
ステップS5において、画像調整部13の画像補正部16は、輝度基準判定部15が導出した平均輝度に基づいて、画像の輝度を調整(補正)する。
【0055】
画像補正部16は、入力画像が特定画像の場合は、ナビ案内領域Mの画像における全ての画素に対し、その平均輝度を基準に輝度が低い場合は、その低さに応じて所定割合(%)輝度を高くし、または、平均輝度を基準に輝度が高い場合は、その高さに応じて所定割合(%)輝度を低くする補正を行う(以後、この補正を平均輝度補正という)。
【0056】
画像補正部16は、入力画像が特定画像でない場合は、入力画像にその平均輝度補正を行う。
【0057】
このように、画像に対して平均輝度補正をすることによって、平均輝度を基準に、暗すぎる部分が明るく、かつ、明るすぎる部分が暗くなり、画像全体として看者に対し落ち着いた印象を与えることができ、結果、看者に対し看やすくすることができる。
【0058】
なお、画像補正部16は、特定画像、つまり、カーナビ画像G2の場合において、外部領域については黒い画像のままにするため、補正は行わない。次に、ステップS6へ以降する。
【0059】
ステップS6において、制御部11は、入力画像が特定画像の場合に、画像調整部13の画像補正部16が補正した特定画像、つまり、黒い画像とを含むカーナビ画像G2を表示部6へ表示するためにTFT3を制御する。つまり、制御部11は、TFT3を制御することによって、カラーフィルタ1における1画素ごとに充てられたRGBの3原色の何れかにバックライトの光を透過させて、表示部6においてカーナビ画像G2が表示されるようにする。
【0060】
制御部11は、入力画像が特定画像でない場合は、画像補正部16が補正した画像に従ってTFT3を制御する。次に、ステップS7へ以降する。
【0061】
ステップS7において、制御部11は、画像調整部13の光量判定部17が判定した発光量に基づいて、バックライト4を構成する複数のLEDを制御する。
【0062】
制御部11は、入力画像が特定画像の場合は、図5に示すように、カーナビ画像G2のうちナビ案内領域Mに対応するLED5−1からLED5−18までを一定量に発光させるとともに、カーナビ画像G2のうち外部領域S1及び外部領域S2に対応するLED5−1からLED5−3及びLED5−19からLED5−21を発光させない。
【0063】
制御部11は、入力画像が特定画像でない場合は、画面に照明される光が均一になるように、バックライト4を制御する。次に、リターンへ以降する。
【0064】
このように、車載装置10が、特定画像であるカーナビ画像に含まれる、マークである自車位置マークJを中心にした一定の範囲の領域M以外の外部領域を黒い画像に設定するとともに、バックライト4の複数の光源のうちその黒い画像に対応するものについては発光させないようにしているため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0065】
<変形例>
以上、本発明の代表の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記代表の実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では代表の実施の形態の変形例について説明する。もちろん、以下で説明する変形例を適宜組み合わせても良い。
【0066】
<変形例1>
上記代表の実施の形態においては、ナビ案内領域Mの左右双方の外側に外部領域S1,S2を定めていたが、図6に示すように、ナビ案内領域Mの左右の一方の外側のみに外部領域S3を定めるようにしてもよい。画像分析部14は、定めた外部領域S3を黒い画像に設定する。
【0067】
この場合、画像調整部13の光量判定部17は、図6に示すように、カーナビ画像G3のうち一定の領域Mに対応するLED5−1からLED5−13までを一定量に発光させると判定する。また、光量判定部17は、カーナビ画像G3のうち外部領域S3に対応するLED5−14からLED5−21を発光させないと判定する。
【0068】
また、ステップS7において、制御部11は、図6に示すように、カーナビ画像G3のうち一定の領域Mに対応するLED5−1からLED5−13までを一定量に発光させるとともに、カーナビ画像G3のうち外部領域S2及び外部領域S3に対応するLED5−14からLED5−21までを発光させない。
【0069】
これにより、上記代表の実施の形態と同様の効果、つまり、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らす効果が得られる。
【0070】
<変形例2>
上記代表の実施の形態においては、自車位置マークJを中心にした一定の範囲の地図画像の領域がナビ案内領域Mとして定められていたが、より広範囲の地図画像を一定の範囲に収まるように縮小させたものをナビ案内領域Mとして定めてもよい。画像分析部14は、このようにしてナビ案内領域Mを定めるとともに、このナビ案内領域M以外の外部領域S4及び外部領域S5についても定める。
【0071】
また、この場合において、画像分析部14は、ナビ案内領域Mの縮小率を、自車位置マークJから離れるほどに高くするものであっても良い。
【0072】
これにより、ナビ画像において重要な表示である自車位置マークJ及びその付近の画像は詳細に表示されるとともに、それよりは重要性が比較的低い画像の情報量を小さくするため、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0073】
<変形例3>
上記代表の実施の形態においては、図8に示すように、ナビ案内領域Mの外側の外部領域S1,S2を黒い画像に設定していたが、黒い画像にせずに地図画像としてもよい。この場合、画像分析部14は、ナビ案内領域Mの左右双方の外側に外部領域S6,S7を定めるが、これら外部領域S6及び外部領域S7を黒い画像に設定せずにそのままにする。
【0074】
この場合、画像調整部13の画像補正部16は、外部領域S6及び外部領域S7に含まれる全ての画素の輝度を所定割合(%)で高くして、ナビ案内領域Mより明るくする。
【0075】
また、画像調整部13の光量判定部17は、図8に示すように、カーナビ画像G5のうち一定の領域Mに対応するLED5−5からLED5−17までを一定量に発光させると判定する。また、光量判定部17は、カーナビ画像G5のうち外部領域S6に対応するLED5−1からLED5−4及びLED5−18からLED5−21までを発光させないと判定する。
【0076】
また、ステップS7において、制御部11は、図6に示すように、カーナビ画像G5のうち一定の領域Mに対応するLED5−5からLED5−17までを一定量に発光させるとともに、カーナビ画像G5のうち外部領域S2及び外部領域S3に対応するLED5−1からLED5−4及びLED5−18からLED5−21までを発光させない。
【0077】
これにより、カーナビ画像G5は一部が黒く設定されたり、縮小されることがないため、カーナビ画像G5がユーザに提供する案内情報を減少させないようにできる。更に、外部領域S6及び外部領域S7に応じたバックライト4を構成するLEDを発光させずに電力消費量を減らすことができるとともに、対応するLEDが発光しない外部領域S6及び外部領域S7の画像の輝度を一定の領域Mよりも所定%高くして、外部領域の画像の情報を見えるようにする。
【0078】
なお、光量判定部17は、一定の領域Mと外部領域に対応するLEDをカーナビ画像G5に含まれる自車位置マークJが最も明るく、かつ、自車位置マークJから離れる方向に向かって、徐々にLEDが暗くなっていくように光量を判定しても良い。この場合、画像補正部16は、光量判定部17が発光量を徐々に暗くするのと反比例するように、カーナビ画像G5の輝度を徐々に高くして行く。
【0079】
制御部11は、バックライト4を構成するLEDを発光させる又は発光させないという単純制御だけではなく、LEDごとに制御電流のデューティ比を異ならせることによって、LEDごとの発光量を制御することができるため、上記に説明した自車位置マークJから離れる方向に向かって徐々にLEDを暗くすることができる。
【0080】
これにより、ナビ画像において重要な表示である自車位置マークJ及びその付近の画像は明るく表示されるとともに、それよりは重要性が比較的低い画像はそれと比べて暗くなるものの、ユーザに提供するカーナビ情報を表示させることができる、つまり、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0081】
<変形例4>
上記代表の実施の形態においては、特定画像の例として自車位置マークを含むカーナビ画像について説明したが、特定画像は、種々の機能をユーザが選択可能にする、つまり、複数の機能にそれぞれ対応する選択マークが表示されたメニュー画像であっても良い。
【0082】
この場合、画像調整部13の画像分析部14は、図9に示すように、メニュー画像G6に含まれる選択マークIがメニュー画像G6のどの位置に存在するかを判定し、選択マークIを中心にした一定の領域を定めるとともに、一定の領域以外の外部領域ついても定める。図9に示すようなメニュー画像G6の場合は、大小複数の選択マークが複数存在するため、全ての選択マークごとに一定の領域を設定すると、最終的にバックライト4を構成する複数のLED全てを発光させる制御をしなければならなくなる。
【0083】
従って、メニュー画像G6の場合は、メイン選択マークとそれ以外の選択マークであるサブ選択マークを定義し、画像分析部14は、メイン選択マークIを中心にした一定の領域Mを定める。メイン選択マークは、例えば、最も大きいサイズのマークに定義したり、メニュー画面の目的を直接的に達成する選択マークに定義する。図9で検討すると、最も大きいサイズのマークは、「50音・名称マーク」や「主要施設マーク」などが該当し、メニュー画面の目的を直接的に達成するマークは、メニュー画面の目的が目的地設定であるためで、目的地設定を行うための「50音・名称マーク」や「主要施設マーク」などが該当する。
【0084】
この定義によれば、画像分析部14は、図9に示すように、一定の領域M1から一定の領域M5を定めるとともに、一定の領域以外の外部領域S8から外部領域S13についても定める。
【0085】
また、画像調整部13の光量判定部17は、図9に示すように、メニュー画像G6のうち一定の領域M1から一定の領域M5に対応するLED5−2からLED5−4まで、LED5−6からLED5−8まで、LED5−10からLED5−12まで、LED5−14からLED5−16まで、並びに、LED5−18からLED5−20までを一定量に発光させると判定する。また、光量判定部17は、メニュー画像G6のうち外部領域S8から外部領域S13に対応するLED5−1、LED5−5、LED5−9、LED5−13、LED5−17、並びに、LED5−21を発光させないと判定する。
【0086】
なお、前述したように、光量判定部17は、一定の領域Mと外部領域に対応するLEDの光量を、メニュー画像G6に含まれる選択マークIが最も明るく、かつ、選択マークI外部領域に向かって、徐々にLEDが暗くなっていくように光量を判定しても良い。この場合、画像補正部16は、光量判定部17が発光量を徐々に暗くするのと反比例するように、メニュー画像G6の輝度を徐々に高くして行く。
【0087】
これにより、メニュー画像G6において重要な表示である選択マークI及びその付近の画像は明るく表示されるとともに、それよりは重要性が比較的低い画像はそれと比べて暗くなるものの、ユーザに提供するメニュー情報を表示させることができる、つまり、メニュー画像の選択肢提示機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0088】
<変形例5>
上記代表の実施の形態において、表示部のバックライトは、複数の発光ダイオードであるLEDを直列に並べて備えた光源であって、複数のLEDが矩形を成す表示部の一辺に直列に備わるエッジライトタイプであると説明したが、図10に示すような、複数の蛍光灯5Xが表示部6Xの表示方向の逆、つまり、背面に配置される直下型のバックライトでも良い。
【0089】
この場合の表示部6Xの構造を、図10に基づいて説明する。表示部6Xは、カラーフィルタ1X、液晶層2X、TFT3X、及び、バックライト4Xなどから構成される。
【0090】
カラーフィルタ1Xは、3原色(RGB)が画素ごとに印刷されたフィルムである。液晶層2Xは、外部電圧などが加わると分子配列が変わる、所謂、液晶シャッターである。TFT3Xは、マトリクス状に配置された電極を制御し、マトリクス状の狙いのセルへ電圧を加えて、当該セルに対応する液晶層2Xの液晶の分子配列を変えることによって、光源であるバックライトの光をカラーフィルタ1X側へ透過させる薄膜トランジスタである。バックライト4Xは、複数の蛍光灯5Xを直列に並べて備えた光源である。
【0091】
これらを積層させた表示部6XのTFT3Xやバックライト4Xを、車載装置の制御部が、列を成す蛍光灯5Xを前述したLED制御のようにすることによって、画像を表示させることができる。
【0092】
<変形例6>
上記代表の実施の形態において、表示部のバックライトは、複数のLEDを直列に並べて備えた光源であって、複数のLEDが矩形を成す表示部の一辺に直列に備わるエッジライトタイプであると説明したが、図11に示すような、複数のLEDがマトリクス状に配列されたバックライトが表示部6Yの表示方向の逆、つまり、背面に配置される直下型のバックライトでも良い。
【0093】
この場合の表示部6Yの構造を、図11に基づいて説明する。表示部6Yは、カラーフィルタ1Y、液晶層2Y、TFT3Y、及び、バックライト4Yなどから構成される。
【0094】
カラーフィルタ1Yは、3原色(RGB)が画素ごとに印刷されたフィルムである。液晶層2Yは、外部電圧などが加わると分子配列が変わる、所謂、液晶シャッターである。TFT3Yは、マトリクス状に配置された電極を制御し、マトリクス状の狙いのセルへ電圧を加えて、当該セルに対応する液晶層2Yの液晶の分子配列を変えることによって、光源であるバックライトの光をカラーフィルタ1Y側へ透過させる薄膜トランジスタであるである。バックライト4Xは、複数の蛍光灯5Xを直列に並べて備えた光源である。
【0095】
これらを積層させた表示部6YのTFT3Yやバックライト4Yを、車載装置の制御部が、マトリクス状に配列されたLED5Yを前述したLED制御のようにすることによって、画像を表示させることができる。
【0096】
更に、この構成によれば、代表の実施の形態のような列のみを制御するのではなく、マトリクスにおけるセルのみを制御することもできる。従って、前述した一定の領域をマークを中心に所定の大きさの円の内部とすることもできる。
【0097】
<変形例7>
上記代表の実施の形態における、ステップS3においては、画像調整部13の輝度基準判定部15は、平均輝度を導出していたが、ヒストグラムデータを導出するようにしてもよい。ヒストグラムデータとは、輝度のレベル別に画像内の画素数を集計したデータで、このデータをグラフに表すと輝度に応じた画素分布が視覚的にわかるデータである。
【0098】
この場合は、ステップS5において、画像調整部13の画像補正部16は、輝度基準判定部15が導出したヒストグラムデータに基づいて、データの分布が理想的な分布になるように、つまり、ヒストグラムデータを輝度に応じた画素分布にした場合に、白トビ、黒ツブレが無く、階調が豊かで程よくコントラストが付いている分布になるように輝度補正(以降、ヒストグラム補正という)を行う。
【0099】
このように、画像に対してヒストグラム補正をすることによって、理想的な輝度に応じた画素分布に近づくので、暗すぎる部分が明るく、かつ、明るすぎる部分が暗くなり、画像全体として看者に対し落ち着いた印象を与えることができ、結果、看者に対し看やすくすることができる。
【0100】
<変形例8>
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されても良い。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されても良い。
【0101】
更に、各実施例の制御を説明するフローチャート図における各処理は、便宜上、一の系列で示しているが、細分化された各処理を各制御部がマルチタスク制御機能により並列に処理するものであっても良い。
【符号の説明】
【0102】
1 カラーフィルタ
2 液晶層
4 バックライト
6 表示部
7 タッチパネル
10 車載装置
11 制御部
12 特定画像判定部
13 画像調整部
14 画像分析部
15 輝度基準判定部
16 画像補正部
17 光量判定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の画像を液晶画面に表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題を背景に省エネルギー技術が重要とされ、省エネルギー技術を採用した、テレビ、携帯端末、パソコン、カーナビゲーション装置などの液晶表示装置が注目されている。
【0003】
このような液晶表示装置に採用される省エネルギー技術には、例えば、バックライトを効率よく制御して、消費電力を大幅に減らす技術があり、例えば、特許文献1に、その表示領域に対応するバックライトを構成する複数のLEDを、表示する画像の輝度に合わせて点灯させ、比較的暗い低輝度領域に対応するLEDは消灯させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−251331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、例えば、カーナビゲーション画像などは基本的には低輝度領域が少ないイラストで構成されており、液晶表示装置にこのような低輝度領域が少ない特定画像を表示する場合においては、バックライトを一定の明るさに制御するため、消費電力を減らすことは困難である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、低輝度領域が少ない特定画像においても、液晶表示装置が備えるバックライトが消費する電力を減らす技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、画像を表示する表示装置であって、液晶の画面を有する表示手段と、前記画面を複数の光源で照明するバックライトと、前記画面に表示させる画像が、マークを含んだ特定画像か否かを判定する判定手段と、前記特定画像であると判定した場合に、前記特定画像における前記マークの領域以外の領域を前記マークの領域以下の明るさで照明するように前記バックライトを制御するバックライト制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記表示装置は、車両に搭載されるものであり、前記特定画像は、カーナビゲーション画像であり、かつ、前記マークは前記カーナビゲーション画像に含まれる自車位置マークであることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の表示装置において、前記カーナビゲーション画像のうち、前記自車位置マークを中心にした一定の範囲の領域以外の外部領域を、黒い画像に設定する画像制御手段、をさらに備え、前記バックライト制御手段は、前記黒い画像を前記マークの領域よりも暗く照明するように前記バックライトを制御することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の表示装置において、前記画像制御手段は、前記外部領域に目的地までのルートラインが含まれる場合は、前記ルートラインを含む前記外部領域を前記黒い画像に設定することを禁止することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項3に記載の表示装置において、前記カーナビゲーション画像は、前記画面に表示した際に常に上が北の方角となる地図画像であり、前記画像制御手段は、前記自車位置マークが示す進行方向に前記外部領域が存在する場合は、前記進行方向に存在する前記外部領域を前記黒い画像に設定することを禁止することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、請求項2に記載の表示装置において、前記カーナビゲーション画像を、縮小するとともに、縮小することによって前記カーナビゲーション画像のサイズが前記画面の表示サイズに不足する領域へ黒い画像を設定する画像制御手段、をさらに備え、前記バックライト制御手段は、前記黒い画像を前記マークの領域よりも暗く照明するように前記バックライトを制御することを特徴とする。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項6に記載の表示装置において、前記画像制御手段は、前記自車位置マークから離れるほど縮小率を高くすることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記特定画像は、複数の機能のいずれかを選択するためのメニュー画像であり、前記マークは、複数の機能にそれぞれ対応する選択マークであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の表示装置において、前記特定画像における前記マーク以下の明るさで照明される領域が明るくなるように、表示される前記特定画像の明るさを補正する補正手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項10の発明は、液晶の画面に画像を表示する表示方法であって、前記画面に表示させる前記画像が、マークを含んだ特定画像か否かを判定する工程と、前記特定画像であると判定した場合に、前記特定画像における前記マークの領域以外の領域を前記マークの領域以下の明るさで照明するように、前記画面を照明するバックライトを制御する工程と、を備えたことを特徴とする
【発明の効果】
【0017】
請求項1ないし10の発明によれば、画面に表示させる画像が、マークを含んだ特定画像であると判定した場合に、特定画像におけるマークの領域以外の領域をマークの領域以下の明るさで照明するようにバックライトを制御するため、特定画像においても、特定画像の機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0018】
また、請求項3の発明によれば、カーナビゲーション画像のうち、自車位置マークを中心にした一定の範囲の領域以外の外部領域を、黒い画像に設定するとともに、黒い画像をマークの領域よりも暗く照明するようにバックライトを制御するため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0019】
また、請求項4の発明によれば、外部領域に目的地までのルートラインが含まれる場合は、ルートラインを含む外部領域を黒い画像に設定することを禁止するため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0020】
また、請求項5の発明によれば、カーナビゲーション画像は、画面に表示した際に常に上が北の方角となる地図画像であり、自車位置マークが示す進行方向に外部領域が存在する場合は、進行方向に存在する外部領域を黒い画像に設定することを禁止するため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0021】
また、請求項6の発明によれば、カーナビゲーション画像を、縮小するとともに、縮小することによってカーナビゲーション画像のサイズが画面の表示サイズに不足する領域へ黒い画像を設定するとともに、黒い画像をマークの領域よりも暗く照明するようにバックライトを制御するため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0022】
また、請求項7の発明によれば、自車位置マークから離れるほど縮小率を高くするため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0023】
また、請求項8の発明によれば、請求項1に記載の表示装置において、特定画像は、複数の機能のいずれかを選択するためのメニュー画像であり、マークは、複数の機能にそれぞれ対応する選択マークであるため、メニュー画像においても、メニュー画像の機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0024】
また、請求項9の発明によれば、請求項1ないし8のいずれかに記載の表示装置において、特定画像におけるマーク以下の明るさで照明される領域が明るくなるように、表示される特定画像の明るさを補正するため、特定画像においても、特定画像の機能を発揮しつつ、消費電力を減らすとともに、マーク以下の明るさの領域の画像を見やすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、表示部を示す図である。
【図2】図2は、車載装置のシステム構成図である。
【図3】図3は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図4】図4は、車載装置が実行する制御の内容を示すフローチャート図である。
【図5】図5は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図6】図6は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図7】図7は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図8】図8は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図9】図9は、表示画像及びバックライトを示す図である。
【図10】図10は、表示部を示す図である。
【図11】図11は、表示部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下で説明する技術は、表示部を搭載した種々の表示装置に適用されるものであるが、便宜上、車載装置について具体的に説明する。以下、添付図面を参照しながら、車載装置に搭載される表示部の構造、車載装置の構成、及び、車載装置の制御に分けて説明を行う。
【0027】
<代表の実施の形態>
<車載装置に搭載の表示部の構造>
車両に搭載される表示装置である車載装置が備える表示部の構造を、図1に基づいて説明する。表示部6は、カラーフィルタ1、液晶層2、TFT(Thin Film Transistor)3、及び、バックライト4などから構成される。
【0028】
カラーフィルタ1は、3原色(RGB)が画素ごとに印刷されたフィルムである。液晶層2は、外部電圧などが加わると分子配列が変わる、所謂、液晶シャッターである。TFT3は、マトリクス状に配置された電極を制御し、マトリクス状の狙いのセルへ電圧を加えて、当該セルに対応する液晶層2の液晶の分子配列を変えることによって、バックライトの光をカラーフィルタ1側へ透過させる薄膜トランジスタである。バックライト4は、光源となる複数の発光ダイオード(LED(Light Emitting Diode))5を直列に並べて備えている。表示部6の画面は、カラーフィルタ1、液晶層2及びTFT3によって構成され、この画面がバックライト4によって照明される。
【0029】
これらを積層させた表示部6のTFT3やバックライト4を、車載装置の制御部が制御することによって、表示部6の画面に画像が表示される。
【0030】
なお、バックライト4のタイプは、簡易構造のエッジライトタイプであり、薄い表示部が要求される車載装置に最適な構造であるといえる。エッジライトタイプのバックライトは、複数のLED5が矩形を成す表示部の一辺に直列に備わるため、光が表示部6において、その一辺と対向する辺に向かうほど弱くなるのを防ぐ、つまり、表示部6において光が均一になるようにする偏光板などが備わっている。
【0031】
<車載装置の構成>
次に、車載装置の構成を図2に基づいて説明する。車載装置10は、制御部11、画像調整部13、不揮発性記憶部18、GPSアンテナ19、TVチューナ20、及び、表示部6などを、データ通信可能なバスNに電気的に接続して構成している。
【0032】
制御部11は、CPUや制御プログラムなどが記憶されているROMなどから構成されるマイコンである。例えば、制御部11が備える特定画像判定部12が特定画像判定機能を発揮する。その機能は、特定画像判定部12が、表示部6へ表示させる画像が特定の画像であるか否かを判定する機能である。特定画像判定機能の詳細については後述する。
【0033】
画像調整部13は、LSI(Large Scale Integration)である。例えば、画像調整部13が備える画像分析部14、輝度基準判定部15、光量判定部17、及び、画像補正部16が、画像分析機能、輝度基準判定機能、光量判定機能、及び、画像補正機能を発揮する。
【0034】
画像分析機能は、画像分析部14が、表示部6へ表示させる画像を分析する機能であり、輝度基準判定機能は、輝度基準判定部15が、入力される画像の輝度基準を判定する機能であり、画像補正機能は、画像補正部16が、輝度基準や発光量に基づいて、画像を補正する機能であり、光量判定機能は、光量判定部17が、バックライト4により発光させる量を判定する機能である。画像分析機能、輝度基準判定機能、光量判定機能、及び画像補正機能の詳細については後述する。
【0035】
不揮発性記憶部18は、EEPROMなどのフラッシュメモリであり、カーナビゲーションに関するデータなどを記憶している。カーナビゲーションに関するデータとは、例えば、地図画像、自車位置マーク、及び、方角マークなどのデータである。
【0036】
GPSアンテナ19は、車載装置10を搭載する車両が地球上のどこに位置しているかを示すGPSデータをGPS衛星から受信するアンテナである。
【0037】
TVチューナ20は、デジタルTV放送のデータを受信して、所定のデータに復調させるなどの機能を発揮する装置である。
【0038】
表示部6は、前述した、バックライト4、TFT3などを備えている。更に、表示部6は、ユーザ操作を表示画面において受け付けるタッチパネル7を備えている。
【0039】
<車載装置の制御>
車載装置10の制御部11は、表示部6のタッチパネル7により、TVモード設定のユーザ操作を受け付けると、TVチューナ20により受信したTVデータを画像調整部13と協働して、表示部6へ表示する。
【0040】
また、車載装置10の制御部11は、表示部6のタッチパネル7により、カーナビモード設定のユーザ操作を受け付けると、不揮発性記憶部18に記憶されている地図画像などを、GPSアンテナ19から受信したGPSデータに基づいて読み出して、表示部6へ表示する。
【0041】
また、車載装置10の制御部11は、TVモード設定やカーナビモード設定を選択するマークなどを表示するメニュー画面を表示部6へ表示させることによって、ユーザに対して選択可能にしている。
【0042】
更に、車載装置10の制御部11は、メニュー画面において、消費電力を低減させるエコモードを、ユーザに対して選択可能にしている。制御部11は、エコモードがユーザにより選択されない場合は、図3に示すように、バックライト4を構成する複数のLED5の全てを光らせる制御を実行する。
【0043】
なお、図3に示すように、21個のLED5において、左から1個目を5−1、左から2個目を5−2、左から3個目を5−3というように、以降、アドレスを付して説明する。
【0044】
一方、制御部11は、エコモードがユーザにより選択された場合は、図4に示す制御を所定の周期で、車載装置の電源がユーザによって切られるか、エコモード設定をオフにされるまで実行する。
【0045】
以降、制御部11が、エコモードがユーザにより選択されたことによって、図4に示す制御を実行する場合を説明する。
【0046】
ステップS1において、制御部11の特定画像判定部は、表示部6へ表示させる画像が特定の性質を有数する特定画像であるか否かを判定する。画像が特定画像であると判定する場合(ステップS1においてYesの場合)は、ステップS2へ移行する。画像が特定画像であると判定しない場合(ステップS1においてNoの場合)は、ステップS3へ移行する。
【0047】
なお、特定画像とは、例えば、TVデータに基づく動画や、DVDなどに収録されたデータに基づく動画などに含まれる低輝度領域が多い画像(明部から暗部までの段階的な明るさを有する階調画像)ではなく、自車位置マークを含むカーナビ画像などの階調表現の少ないイラストで構成され、低輝度領域が少ない画像を言う。換言すれば、特定画像は、明部から暗部までの段階的な明るさを殆ど有さない非階調画像であるともいえる。以降、特定画像の例として自車位置マークを含むカーナビ画像について説明する。
【0048】
ステップS2において、画像調整部13の画像分析部14は、図5に示すように、カーナビ画像G2に含まれる自車位置マークJがカーナビ画像G2のどの位置に存在するかを判定し、自車位置マークJを中心にした一定の範囲の領域Mを定めるとともに、一定の範囲の領域M以外の外部領域S1及び外部領域S2についても定める。この一定の範囲の領域Mは、ナビゲーションの案内用の地図画像を含む領域であるため、以下、「ナビ案内領域」Mという。画像分析部14は、ナビ案内領域M外に定めた外部領域S1及び外部領域S2を黒い画像に設定する。画像分析部14は、外部領域S1及び外部領域S2を、ナビ案内領域Mを挟むような位置、つまり、ナビ案内領域Mの左右双方の外側となる位置とする。なお、黒い画像とは、輝度が比較的低い一定値(理想的には輝度=0)の画素のみで構成される画像を示す。
【0049】
但し、画像分析部14は、外部領域に目的地までのルートラインRが含まれる場合は、その外部領域を黒い画像に設定するのを禁止する。また、表示部6へ表示する際に北の方角が常にその上となる地図画像、つまり、ノースアップ画像の表示モードをユーザが設定している場合において、自車位置マークJが示す進行方向に外部領域が存在する場合は、進行方向に存在する外部領域を黒い画像に設定することを禁止する。
【0050】
このような禁止処理をすることによって、車載装置の消費電力を減少させつつ、ユーザのカーナビ利用に対する利便性を低下させないようにすることができる。次に、ステップS3へ移行する。
【0051】
ステップS3において、画像調整部13の輝度基準判定部15は、入力された画像における画素の平均(平均輝度)を導出する。次に、ステップS4へ移行する。
【0052】
ステップ4において、画像調整部13の光量判定部17は、入力画像が特定画像の場合は、特定画像、つまり、カーナビ画像G2に含まれる領域の種別に基づいてバックライト4を構成する複数のLEDの発光量を判定する。つまり、光量判定部17は、図5に示すように、カーナビ画像G2のうちナビ案内領域Mに対応するLED5−1からLED5−18までを一定量に発光させると判定する。また、光量判定部17は、カーナビ画像G2のうち黒い画像となる外部領域S2及び外部領域S3に対応するLED5−1からLED5−3及びLED5−19からLED5−21を発光させないと判定する。
【0053】
光量判定部17は、入力画像が特定画像でない場合は、通常の、つまり、画面に照明される光が均一になるよう発光させると判定する。次に、ステップS5へ移行する。
【0054】
ステップS5において、画像調整部13の画像補正部16は、輝度基準判定部15が導出した平均輝度に基づいて、画像の輝度を調整(補正)する。
【0055】
画像補正部16は、入力画像が特定画像の場合は、ナビ案内領域Mの画像における全ての画素に対し、その平均輝度を基準に輝度が低い場合は、その低さに応じて所定割合(%)輝度を高くし、または、平均輝度を基準に輝度が高い場合は、その高さに応じて所定割合(%)輝度を低くする補正を行う(以後、この補正を平均輝度補正という)。
【0056】
画像補正部16は、入力画像が特定画像でない場合は、入力画像にその平均輝度補正を行う。
【0057】
このように、画像に対して平均輝度補正をすることによって、平均輝度を基準に、暗すぎる部分が明るく、かつ、明るすぎる部分が暗くなり、画像全体として看者に対し落ち着いた印象を与えることができ、結果、看者に対し看やすくすることができる。
【0058】
なお、画像補正部16は、特定画像、つまり、カーナビ画像G2の場合において、外部領域については黒い画像のままにするため、補正は行わない。次に、ステップS6へ以降する。
【0059】
ステップS6において、制御部11は、入力画像が特定画像の場合に、画像調整部13の画像補正部16が補正した特定画像、つまり、黒い画像とを含むカーナビ画像G2を表示部6へ表示するためにTFT3を制御する。つまり、制御部11は、TFT3を制御することによって、カラーフィルタ1における1画素ごとに充てられたRGBの3原色の何れかにバックライトの光を透過させて、表示部6においてカーナビ画像G2が表示されるようにする。
【0060】
制御部11は、入力画像が特定画像でない場合は、画像補正部16が補正した画像に従ってTFT3を制御する。次に、ステップS7へ以降する。
【0061】
ステップS7において、制御部11は、画像調整部13の光量判定部17が判定した発光量に基づいて、バックライト4を構成する複数のLEDを制御する。
【0062】
制御部11は、入力画像が特定画像の場合は、図5に示すように、カーナビ画像G2のうちナビ案内領域Mに対応するLED5−1からLED5−18までを一定量に発光させるとともに、カーナビ画像G2のうち外部領域S1及び外部領域S2に対応するLED5−1からLED5−3及びLED5−19からLED5−21を発光させない。
【0063】
制御部11は、入力画像が特定画像でない場合は、画面に照明される光が均一になるように、バックライト4を制御する。次に、リターンへ以降する。
【0064】
このように、車載装置10が、特定画像であるカーナビ画像に含まれる、マークである自車位置マークJを中心にした一定の範囲の領域M以外の外部領域を黒い画像に設定するとともに、バックライト4の複数の光源のうちその黒い画像に対応するものについては発光させないようにしているため、カーナビゲーション画像においても、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0065】
<変形例>
以上、本発明の代表の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記代表の実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では代表の実施の形態の変形例について説明する。もちろん、以下で説明する変形例を適宜組み合わせても良い。
【0066】
<変形例1>
上記代表の実施の形態においては、ナビ案内領域Mの左右双方の外側に外部領域S1,S2を定めていたが、図6に示すように、ナビ案内領域Mの左右の一方の外側のみに外部領域S3を定めるようにしてもよい。画像分析部14は、定めた外部領域S3を黒い画像に設定する。
【0067】
この場合、画像調整部13の光量判定部17は、図6に示すように、カーナビ画像G3のうち一定の領域Mに対応するLED5−1からLED5−13までを一定量に発光させると判定する。また、光量判定部17は、カーナビ画像G3のうち外部領域S3に対応するLED5−14からLED5−21を発光させないと判定する。
【0068】
また、ステップS7において、制御部11は、図6に示すように、カーナビ画像G3のうち一定の領域Mに対応するLED5−1からLED5−13までを一定量に発光させるとともに、カーナビ画像G3のうち外部領域S2及び外部領域S3に対応するLED5−14からLED5−21までを発光させない。
【0069】
これにより、上記代表の実施の形態と同様の効果、つまり、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らす効果が得られる。
【0070】
<変形例2>
上記代表の実施の形態においては、自車位置マークJを中心にした一定の範囲の地図画像の領域がナビ案内領域Mとして定められていたが、より広範囲の地図画像を一定の範囲に収まるように縮小させたものをナビ案内領域Mとして定めてもよい。画像分析部14は、このようにしてナビ案内領域Mを定めるとともに、このナビ案内領域M以外の外部領域S4及び外部領域S5についても定める。
【0071】
また、この場合において、画像分析部14は、ナビ案内領域Mの縮小率を、自車位置マークJから離れるほどに高くするものであっても良い。
【0072】
これにより、ナビ画像において重要な表示である自車位置マークJ及びその付近の画像は詳細に表示されるとともに、それよりは重要性が比較的低い画像の情報量を小さくするため、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0073】
<変形例3>
上記代表の実施の形態においては、図8に示すように、ナビ案内領域Mの外側の外部領域S1,S2を黒い画像に設定していたが、黒い画像にせずに地図画像としてもよい。この場合、画像分析部14は、ナビ案内領域Mの左右双方の外側に外部領域S6,S7を定めるが、これら外部領域S6及び外部領域S7を黒い画像に設定せずにそのままにする。
【0074】
この場合、画像調整部13の画像補正部16は、外部領域S6及び外部領域S7に含まれる全ての画素の輝度を所定割合(%)で高くして、ナビ案内領域Mより明るくする。
【0075】
また、画像調整部13の光量判定部17は、図8に示すように、カーナビ画像G5のうち一定の領域Mに対応するLED5−5からLED5−17までを一定量に発光させると判定する。また、光量判定部17は、カーナビ画像G5のうち外部領域S6に対応するLED5−1からLED5−4及びLED5−18からLED5−21までを発光させないと判定する。
【0076】
また、ステップS7において、制御部11は、図6に示すように、カーナビ画像G5のうち一定の領域Mに対応するLED5−5からLED5−17までを一定量に発光させるとともに、カーナビ画像G5のうち外部領域S2及び外部領域S3に対応するLED5−1からLED5−4及びLED5−18からLED5−21までを発光させない。
【0077】
これにより、カーナビ画像G5は一部が黒く設定されたり、縮小されることがないため、カーナビ画像G5がユーザに提供する案内情報を減少させないようにできる。更に、外部領域S6及び外部領域S7に応じたバックライト4を構成するLEDを発光させずに電力消費量を減らすことができるとともに、対応するLEDが発光しない外部領域S6及び外部領域S7の画像の輝度を一定の領域Mよりも所定%高くして、外部領域の画像の情報を見えるようにする。
【0078】
なお、光量判定部17は、一定の領域Mと外部領域に対応するLEDをカーナビ画像G5に含まれる自車位置マークJが最も明るく、かつ、自車位置マークJから離れる方向に向かって、徐々にLEDが暗くなっていくように光量を判定しても良い。この場合、画像補正部16は、光量判定部17が発光量を徐々に暗くするのと反比例するように、カーナビ画像G5の輝度を徐々に高くして行く。
【0079】
制御部11は、バックライト4を構成するLEDを発光させる又は発光させないという単純制御だけではなく、LEDごとに制御電流のデューティ比を異ならせることによって、LEDごとの発光量を制御することができるため、上記に説明した自車位置マークJから離れる方向に向かって徐々にLEDを暗くすることができる。
【0080】
これにより、ナビ画像において重要な表示である自車位置マークJ及びその付近の画像は明るく表示されるとともに、それよりは重要性が比較的低い画像はそれと比べて暗くなるものの、ユーザに提供するカーナビ情報を表示させることができる、つまり、カーナビゲーション画像の案内機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0081】
<変形例4>
上記代表の実施の形態においては、特定画像の例として自車位置マークを含むカーナビ画像について説明したが、特定画像は、種々の機能をユーザが選択可能にする、つまり、複数の機能にそれぞれ対応する選択マークが表示されたメニュー画像であっても良い。
【0082】
この場合、画像調整部13の画像分析部14は、図9に示すように、メニュー画像G6に含まれる選択マークIがメニュー画像G6のどの位置に存在するかを判定し、選択マークIを中心にした一定の領域を定めるとともに、一定の領域以外の外部領域ついても定める。図9に示すようなメニュー画像G6の場合は、大小複数の選択マークが複数存在するため、全ての選択マークごとに一定の領域を設定すると、最終的にバックライト4を構成する複数のLED全てを発光させる制御をしなければならなくなる。
【0083】
従って、メニュー画像G6の場合は、メイン選択マークとそれ以外の選択マークであるサブ選択マークを定義し、画像分析部14は、メイン選択マークIを中心にした一定の領域Mを定める。メイン選択マークは、例えば、最も大きいサイズのマークに定義したり、メニュー画面の目的を直接的に達成する選択マークに定義する。図9で検討すると、最も大きいサイズのマークは、「50音・名称マーク」や「主要施設マーク」などが該当し、メニュー画面の目的を直接的に達成するマークは、メニュー画面の目的が目的地設定であるためで、目的地設定を行うための「50音・名称マーク」や「主要施設マーク」などが該当する。
【0084】
この定義によれば、画像分析部14は、図9に示すように、一定の領域M1から一定の領域M5を定めるとともに、一定の領域以外の外部領域S8から外部領域S13についても定める。
【0085】
また、画像調整部13の光量判定部17は、図9に示すように、メニュー画像G6のうち一定の領域M1から一定の領域M5に対応するLED5−2からLED5−4まで、LED5−6からLED5−8まで、LED5−10からLED5−12まで、LED5−14からLED5−16まで、並びに、LED5−18からLED5−20までを一定量に発光させると判定する。また、光量判定部17は、メニュー画像G6のうち外部領域S8から外部領域S13に対応するLED5−1、LED5−5、LED5−9、LED5−13、LED5−17、並びに、LED5−21を発光させないと判定する。
【0086】
なお、前述したように、光量判定部17は、一定の領域Mと外部領域に対応するLEDの光量を、メニュー画像G6に含まれる選択マークIが最も明るく、かつ、選択マークI外部領域に向かって、徐々にLEDが暗くなっていくように光量を判定しても良い。この場合、画像補正部16は、光量判定部17が発光量を徐々に暗くするのと反比例するように、メニュー画像G6の輝度を徐々に高くして行く。
【0087】
これにより、メニュー画像G6において重要な表示である選択マークI及びその付近の画像は明るく表示されるとともに、それよりは重要性が比較的低い画像はそれと比べて暗くなるものの、ユーザに提供するメニュー情報を表示させることができる、つまり、メニュー画像の選択肢提示機能を発揮しつつ、消費電力を減らすことができる。
【0088】
<変形例5>
上記代表の実施の形態において、表示部のバックライトは、複数の発光ダイオードであるLEDを直列に並べて備えた光源であって、複数のLEDが矩形を成す表示部の一辺に直列に備わるエッジライトタイプであると説明したが、図10に示すような、複数の蛍光灯5Xが表示部6Xの表示方向の逆、つまり、背面に配置される直下型のバックライトでも良い。
【0089】
この場合の表示部6Xの構造を、図10に基づいて説明する。表示部6Xは、カラーフィルタ1X、液晶層2X、TFT3X、及び、バックライト4Xなどから構成される。
【0090】
カラーフィルタ1Xは、3原色(RGB)が画素ごとに印刷されたフィルムである。液晶層2Xは、外部電圧などが加わると分子配列が変わる、所謂、液晶シャッターである。TFT3Xは、マトリクス状に配置された電極を制御し、マトリクス状の狙いのセルへ電圧を加えて、当該セルに対応する液晶層2Xの液晶の分子配列を変えることによって、光源であるバックライトの光をカラーフィルタ1X側へ透過させる薄膜トランジスタである。バックライト4Xは、複数の蛍光灯5Xを直列に並べて備えた光源である。
【0091】
これらを積層させた表示部6XのTFT3Xやバックライト4Xを、車載装置の制御部が、列を成す蛍光灯5Xを前述したLED制御のようにすることによって、画像を表示させることができる。
【0092】
<変形例6>
上記代表の実施の形態において、表示部のバックライトは、複数のLEDを直列に並べて備えた光源であって、複数のLEDが矩形を成す表示部の一辺に直列に備わるエッジライトタイプであると説明したが、図11に示すような、複数のLEDがマトリクス状に配列されたバックライトが表示部6Yの表示方向の逆、つまり、背面に配置される直下型のバックライトでも良い。
【0093】
この場合の表示部6Yの構造を、図11に基づいて説明する。表示部6Yは、カラーフィルタ1Y、液晶層2Y、TFT3Y、及び、バックライト4Yなどから構成される。
【0094】
カラーフィルタ1Yは、3原色(RGB)が画素ごとに印刷されたフィルムである。液晶層2Yは、外部電圧などが加わると分子配列が変わる、所謂、液晶シャッターである。TFT3Yは、マトリクス状に配置された電極を制御し、マトリクス状の狙いのセルへ電圧を加えて、当該セルに対応する液晶層2Yの液晶の分子配列を変えることによって、光源であるバックライトの光をカラーフィルタ1Y側へ透過させる薄膜トランジスタであるである。バックライト4Xは、複数の蛍光灯5Xを直列に並べて備えた光源である。
【0095】
これらを積層させた表示部6YのTFT3Yやバックライト4Yを、車載装置の制御部が、マトリクス状に配列されたLED5Yを前述したLED制御のようにすることによって、画像を表示させることができる。
【0096】
更に、この構成によれば、代表の実施の形態のような列のみを制御するのではなく、マトリクスにおけるセルのみを制御することもできる。従って、前述した一定の領域をマークを中心に所定の大きさの円の内部とすることもできる。
【0097】
<変形例7>
上記代表の実施の形態における、ステップS3においては、画像調整部13の輝度基準判定部15は、平均輝度を導出していたが、ヒストグラムデータを導出するようにしてもよい。ヒストグラムデータとは、輝度のレベル別に画像内の画素数を集計したデータで、このデータをグラフに表すと輝度に応じた画素分布が視覚的にわかるデータである。
【0098】
この場合は、ステップS5において、画像調整部13の画像補正部16は、輝度基準判定部15が導出したヒストグラムデータに基づいて、データの分布が理想的な分布になるように、つまり、ヒストグラムデータを輝度に応じた画素分布にした場合に、白トビ、黒ツブレが無く、階調が豊かで程よくコントラストが付いている分布になるように輝度補正(以降、ヒストグラム補正という)を行う。
【0099】
このように、画像に対してヒストグラム補正をすることによって、理想的な輝度に応じた画素分布に近づくので、暗すぎる部分が明るく、かつ、明るすぎる部分が暗くなり、画像全体として看者に対し落ち着いた印象を与えることができ、結果、看者に対し看やすくすることができる。
【0100】
<変形例8>
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されても良い。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されても良い。
【0101】
更に、各実施例の制御を説明するフローチャート図における各処理は、便宜上、一の系列で示しているが、細分化された各処理を各制御部がマルチタスク制御機能により並列に処理するものであっても良い。
【符号の説明】
【0102】
1 カラーフィルタ
2 液晶層
4 バックライト
6 表示部
7 タッチパネル
10 車載装置
11 制御部
12 特定画像判定部
13 画像調整部
14 画像分析部
15 輝度基準判定部
16 画像補正部
17 光量判定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示装置であって、
液晶の画面を有する表示手段と、
前記画面を複数の光源で照明するバックライトと、
前記画面に表示させる画像が、マークを含んだ特定画像か否かを判定する判定手段と、
前記特定画像であると判定した場合に、前記特定画像における前記マークの領域以外の領域を前記マークの領域以下の明るさで照明するように前記バックライトを制御するバックライト制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記表示装置は、車両に搭載されるものであり、
前記特定画像は、カーナビゲーション画像であり、かつ、前記マークは前記カーナビゲーション画像に含まれる自車位置マークであることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置において、
前記カーナビゲーション画像のうち、前記自車位置マークを中心にした一定の範囲の領域以外の外部領域を、黒い画像に設定する画像制御手段、
をさらに備え、
前記バックライト制御手段は、前記黒い画像を前記マークの領域よりも暗く照明するように前記バックライトを制御することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表示装置において、
前記画像制御手段は、前記外部領域に目的地までのルートラインが含まれる場合は、前記ルートラインを含む前記外部領域を前記黒い画像に設定することを禁止することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項3に記載の表示装置において、
前記カーナビゲーション画像は、前記画面に表示した際に常に上が北の方角となる地図画像であり、
前記画像制御手段は、前記自車位置マークが示す進行方向に前記外部領域が存在する場合は、前記進行方向に存在する前記外部領域を前記黒い画像に設定することを禁止することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項2に記載の表示装置において、
前記カーナビゲーション画像を、縮小するとともに、縮小することによって前記カーナビゲーション画像のサイズが前記画面の表示サイズに不足する領域へ黒い画像を設定する画像制御手段、
をさらに備え、
前記バックライト制御手段は、前記黒い画像を前記マークの領域よりも暗く照明するように前記バックライトを制御することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の表示装置において、
前記画像制御手段は、前記自車位置マークから離れるほど縮小率を高くすることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の表示装置において、
前記特定画像は、複数の機能のいずれかを選択するためのメニュー画像であり、
前記マークは、複数の機能にそれぞれ対応する選択マークであることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の表示装置において、
前記特定画像における前記マーク以下の明るさで照明される領域が明るくなるように、表示される前記特定画像の明るさを補正する補正手段、
をさらに備えることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
液晶の画面に画像を表示する表示方法であって、
前記画面に表示させる前記画像が、マークを含んだ特定画像か否かを判定する工程と、
前記特定画像であると判定した場合に、前記特定画像における前記マークの領域以外の領域を前記マークの領域以下の明るさで照明するように、前記画面を複数の光源で照明するバックライトを制御する工程と、
を備えたことを特徴とする表示方法。
【請求項1】
画像を表示する表示装置であって、
液晶の画面を有する表示手段と、
前記画面を複数の光源で照明するバックライトと、
前記画面に表示させる画像が、マークを含んだ特定画像か否かを判定する判定手段と、
前記特定画像であると判定した場合に、前記特定画像における前記マークの領域以外の領域を前記マークの領域以下の明るさで照明するように前記バックライトを制御するバックライト制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記表示装置は、車両に搭載されるものであり、
前記特定画像は、カーナビゲーション画像であり、かつ、前記マークは前記カーナビゲーション画像に含まれる自車位置マークであることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置において、
前記カーナビゲーション画像のうち、前記自車位置マークを中心にした一定の範囲の領域以外の外部領域を、黒い画像に設定する画像制御手段、
をさらに備え、
前記バックライト制御手段は、前記黒い画像を前記マークの領域よりも暗く照明するように前記バックライトを制御することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表示装置において、
前記画像制御手段は、前記外部領域に目的地までのルートラインが含まれる場合は、前記ルートラインを含む前記外部領域を前記黒い画像に設定することを禁止することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項3に記載の表示装置において、
前記カーナビゲーション画像は、前記画面に表示した際に常に上が北の方角となる地図画像であり、
前記画像制御手段は、前記自車位置マークが示す進行方向に前記外部領域が存在する場合は、前記進行方向に存在する前記外部領域を前記黒い画像に設定することを禁止することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項2に記載の表示装置において、
前記カーナビゲーション画像を、縮小するとともに、縮小することによって前記カーナビゲーション画像のサイズが前記画面の表示サイズに不足する領域へ黒い画像を設定する画像制御手段、
をさらに備え、
前記バックライト制御手段は、前記黒い画像を前記マークの領域よりも暗く照明するように前記バックライトを制御することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の表示装置において、
前記画像制御手段は、前記自車位置マークから離れるほど縮小率を高くすることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の表示装置において、
前記特定画像は、複数の機能のいずれかを選択するためのメニュー画像であり、
前記マークは、複数の機能にそれぞれ対応する選択マークであることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の表示装置において、
前記特定画像における前記マーク以下の明るさで照明される領域が明るくなるように、表示される前記特定画像の明るさを補正する補正手段、
をさらに備えることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
液晶の画面に画像を表示する表示方法であって、
前記画面に表示させる前記画像が、マークを含んだ特定画像か否かを判定する工程と、
前記特定画像であると判定した場合に、前記特定画像における前記マークの領域以外の領域を前記マークの領域以下の明るさで照明するように、前記画面を複数の光源で照明するバックライトを制御する工程と、
を備えたことを特徴とする表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−215206(P2011−215206A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80715(P2010−80715)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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