説明

表示装置及び電子機器

【課題】DFD方式の3次元表示装置において、明るく高品位な表示を行う。
【解決手段】表示装置は、光源(500)と、光源よりも観察者(900)に近い側に配置されると共に観察者から見て互いに異なる奥行き位置に配置された第1及び第2の表示パネルを備え、第1及び第2の表示パネルの各々の表示領域に2次元像を表示し、表示される2次元像の輝度或い透過度を第1及び第2の表示パネル毎にそれぞれ独立に変化させることにより3次元立体像を表示する表示装置である。第1の表示パネル(100)は、観察者から見て、第2の表示パネル(200)よりも奥側に配置されており、当該第1の表示パネルの表示領域(100a)に、(i)第1カラーフィルタを夫々有する複数の第1画素部(111)と、(ii)複数の第1画素部よりも光源光を透過する透過度が高い複数の光透過部(310)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば特殊な眼鏡を用いずに立体表示を行う表示装置及び電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の表示装置として、DFD(Depth-Fused 3-D)方式の3次元表示装置が知られている(例えば非特許文献1、特許文献1参照)。DFD方式の3次元表示装置は、例えば前後に配置された2つの表示面に2次元像を表示し、この2つの表示面に表示される2次元像の、輝度或いは透過度を表示面毎に変化させて3次元立体像を表示するものである。
【0003】
【非特許文献1】インターネットホームページ、NTTサイバーコミュニケーション総合研究所 デジタルパンフ 「大画面メガネなし3D表示技術」、http://www.ntt.co.jp/cclab/pamph/sp/sp05.html
【特許文献1】特開2000−214413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなDFD方式の3次元表示装置が、例えば、2つの表示面として前後に配置された2枚の透過型の液晶表示パネルを含んで構成される場合、バックライトとしての光源からの光は、2枚の液晶表示パネルを順に透過して観察者に到達することとなるため、観察者に近い側の液晶表示パネルによる表示画像は、観察者から遠い側(即ち、光源に近い側)の液晶表示パネルによる表示画像よりも明るさが低下してしまうという技術的問題点がある。この結果、この表示装置によって表示される3次元立体像の明るさが低下してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えば、DFD方式の3次元表示装置であって、明るく高品位な表示を行うことが可能な表示装置、及び該表示装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の表示装置は上記課題を解決するために、光源と、該光源よりも観察者に近い側に配置されると共に前記観察者から見て互いに異なる奥行き位置に配置された第1及び第2の表示パネルを備え、該第1及び第2の表示パネルの各々の表示領域に2次元像を表示し、該表示される2次元像の輝度或い透過度を前記第1及び第2の表示パネル毎にそれぞれ独立に変化させることにより3次元立体像を表示する表示装置であって、前記第1の表示パネルは、前記観察者から見て、前記第2の表示パネルよりも奥側に配置されており、当該第1の表示パネルの表示領域に、(i)第1カラーフィルタを夫々有する複数の第1画素部と、(ii)該複数の第1画素部よりも前記光源光を透過する透過度が高い複数の光透過部とを備える。
【0007】
本発明の表示装置によれば、その動作時には、観察者から見て、表示領域が互いに重なり合うように、互いに異なる奥行き位置に配置された例えば透過型液晶表示パネルから夫々なる第1及び第2の表示パネルに、観察者から見て互いに重なり合うと共に輝度或いは透過度が互いに異なる2次元像を表示することで、3次元立体像を表示する。即ち、本発明の表示装置は、DFD方式の3次元表示装置として構成されている。
【0008】
本発明では、第1の表示パネルには、第1カラーフィルタを夫々有する複数の第1画素部が配列されており、例えば、第2の表示パネルには、第2カラーフィルタを夫々有する複数の第2画素部が配列されている。第1の表示パネルは、観察者から見て、第2の表示パネルよりも奥側(即ち、光源に近い側)に配置されている。
【0009】
本発明では特に、第1の表示パネルは、当該第1の表示パネルの表示領域に、複数の第1画素部に加えて、複数の第1画素部よりも光源光を透過する透過度が高い複数の光透過部を備える。複数の光透過部は、第1の表示パネルの表示領域に、例えば、複数の第1画素部と共に市松模様状に配置され、第1の表示パネルの表示領域におけるカラーフィルタが設けられない無色透明な透明部分として形成される。よって、光源からの光源光が第1の表示パネルを透過する透過度或いは透過率を高めることができる。即ち、光源からの光源光が光透過部を透過することにより、光源光が第1の表示パネルを透過して第2の表示パネルに到達する光の量を増大させることができる。従って、第2の表示パネルによって表示される2次元像の明るさを高めることができる。これにより、本発明の表示装置によって表示される3次元立体像の明るさを高めることができる。
【0010】
以上説明したように、本発明の表示装置によれば、観察者から見て、第2の表示パネルよりも奥側に配置された第1の表示パネルの表示領域に、複数の第1画素部よりも光源光を透過する透過度が高い複数の光透過部が設けられているので、第2の表示パネルによって表示される2次元像の明るさを高めることができ、この結果、明るく高品位な3次元立体像を表示することが可能となる。
【0011】
本発明の表示装置の一態様では、前記複数の第1画素部と前記複数の光透過部とは、市松模様状に配置されている。
【0012】
この態様によれば、第1の表示パネルによって表示される2次元画像の画質が、複数の光透過部に起因して劣化してしまうことを抑制或いは防止できる。よって、より一層高品位な3次元立体像を表示することが可能となる。
【0013】
上述した複数の第1画素部と複数の光透過部とが市松模様状に配置されている態様では、前記第2の表示パネルは、当該第2の表示パネルの表示領域に、第2カラーフィルタを夫々有する複数の第2画素部を備え、前記第1の表示パネルの表示領域における前記複数の第1画素部の各々が形成される領域は、前記第2の表示パネルの表示領域における前記複数の第2画素部の各々が形成される領域よりも小さくてもよい。
【0014】
この場合には、例えば、第1の表示パネルの表示領域における複数の第1画素部の各々が形成される領域(即ち、第1画素領域)及び複数の光透過部の各々が形成される領域は、第2の表示パネルの表示領域における複数の第2画素部の各々が形成される領域(第2画素領域)よりも小さい、例えば第2画素領域の面積の1/2倍の面積を有する。よって、第1の表示パネルによって表示される2次元画像の画質が、複数の光透過部に起因して劣化してしまうことをより一層抑制或いは防止できる。従って、より一層高品位な3次元立体像を表示することが可能となる。
【0015】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の表示装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
【0016】
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の表示装置を具備してなるので、高品位な3次元立体像を表示することが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル、広告用表示パネル、遊戯機器用表示パネルなどの各種電子機器を実現できる。
【0017】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る表示装置について、図1から図5を参照して説明する。
【0019】
先ず、本実施形態に係る表示装置の全体構成について、図1を参照して説明する。ここに図1は、本実施形態に係る表示装置の全体構成を概略的に示す模式図である。
【0020】
図1において、本実施形態に係る表示装置1は、DFD方式の3次元表示装置として構成されており、第1の液晶パネル100と、第2の液晶パネル200と、バックライト500とを備えている。尚、第1の液晶パネル100は、本発明に係る「第1の表示パネル」の一例であり、第2の液晶パネル200は、本発明に係る「第2の表示パネル」の一例であり、バックライト500は、本発明に係る「光源」の一例である。
【0021】
第1の液晶パネル100及び第2の液晶パネル200は、それぞれ、透過型の液晶カラー表示パネルとして構成されており、観察者900から見て各々の表示領域100a及び200aが互いに重なり合うように互いに異なる奥行き位置に配置されている。第1の液晶パネル100は、観察者900から見て、第2の液晶パネル200よりも奥側(即ち、バックライト500に近い側)に配置されている。
【0022】
バックライト500は、例えば、冷陰極管、発光ダイオード等の白色の光源光を出射する光源を含んでなり、第1の液晶パネル100に対して光源光を照射するように構成されている。
【0023】
尚、ここでは図示を省略するが、一対の偏光板が、第1の液晶パネル100及び第2の液晶パネル200を挟み込むように配置されている。即ち、一対の偏光板のうち一方の偏光板は、バックライト500と第1の液晶パネル100との間に配置され、一対の偏光板のうち他方の偏光板は、第2の液晶パネル200と観察者900との間に配置されている。
【0024】
表示装置1は、その動作時には、第1の液晶パネル100の表示領域100aと第2の液晶パネル200の表示領域200aとに2次元像をそれぞれ表示し、この2つの表示領域100a及び200aに表示する2次元像の、輝度或いは透過度を表示領域100a及び200a毎に変化させることで、3次元像を表示することができる。尚、表示装置1は、上述したようにDFD方式の3次元表示装置として構成されており、その表示原理或いは表示方法は、上述した非特許文献1或いは特許文献1に記載の表示原理或いは表示方法と概ね同様である。
【0025】
即ち、表示装置1によれば、その動作時には、例えば、表示したい3次元像を、第1の液晶パネル100の表示領域100a及び第2の液晶パネル200の表示領域200aの各々に、観察者900から見て互いに重なり合うような投影像として表示させる。更に、この際、表示したい3次元像の奥行き位置に応じて、表示領域100aに表示された2次元像と表示領域200aに表示された2次元像との間の輝度或いは透過度の割合を変化させる。これにより奥行き位置の互いに異なる表示領域100aに表示された2次元像と表示領域200aに表示された2次元像とが、観察者900によって1つの3次元像として知覚されることになる。
【0026】
次に、本実施形態に係る第1及び第2の液晶パネルの全体構成について、図2及び図3を参照して説明する。ここに図2は、本実施形態に係る第1の液晶パネルの全体構成を示す平面図であり、図3は、図2のH−H’線断面図である。
【0027】
図2及び図3において、第1の液晶パネル100は、互いに対向して配置されたTFTアレイ基板10及び対向基板20を備えている。TFTアレイ基板10及び対向基板20の各々は、例えば無色透明なガラス基板からなる。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、表示領域100aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により相互に接着されている。
【0028】
図2において、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路11及び外部回路接続端子12がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域よりも内側に、サンプリング回路7が額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、走査線駆動回路14は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域の内側に、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。また、TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で接続するための上下導通端子16が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
【0029】
TFTアレイ基板10上には、外部回路接続端子12と、データ線駆動回路11、走査線駆動回路104、上下導通端子106等とを電気的に接続するための引回配線90が形成されている。
【0030】
図3において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)や走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成されている。画像表示領域100aには、画素スイッチング用TFTや走査線、データ線等の配線の上層に複数の画素電極9aが後述するサブ画素部毎に設けられている。画素電極9a上には、配向膜が形成されている。他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上に、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば遮光性金属膜等から形成されており、対向基板20上の画像表示領域10a内で、例えば格子状等にパターニングされている。そして、遮光膜23上に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向してベタ状に形成されている。対向電極21上には配向膜が形成されている。また、液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0031】
尚、第1の液晶パネル100は、対向基板20側から入射された入射光をTFTアレイ基板10側から出射光として出射する透過型の液晶パネルとして構成されている。よって、図1において、表示装置1では、第1の液晶パネル100は、その対向基板20側が第2の液晶パネル200(或いはバックライト500)に対向するように配置されている。
【0032】
更に、ここでは図示を省略するが、本実施形態では、対向基板20上に、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のカラーフィルタが所定のパターンでサブ画素部毎に設けられており、第1の液晶パネル100におけるカラー表示が可能となる。尚、カラーフィルタは、TFTアレイ基板10側に設けられてもよい。
【0033】
尚、第2の液晶パネル200は、上述した第1の液晶パネル100と概ね同様に構成されている。但し、後に詳細に説明するように、本実施形態では特に、第1の液晶パネル100が複数の光透過部310を有しており、第2の液晶パネル200がそのような光透過部を有していない点で、第1の液晶パネル100の構成と第2の液晶パネル200の構成とは互いに異なる。
【0034】
次に、本実施形態に係る第2の液晶パネルの表示領域における構成について、図4を参照して説明する。ここに図4は、本実施形態に係る第2の液晶パネルの表示領域における構成を示す模式的な平面図である。
【0035】
図4において、第2の液晶パネル200(図1参照)の表示領域200aには、サブ画素部211r、211g及び211bをそれぞれ含む複数の表示画素部210が、マトリクス状に配列されている。
【0036】
サブ画素部211rは、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3原色のうち赤色に相当する光を出射可能なように、赤色のカラーフィルタを有し、サブ画素部211gは、3原色のうち緑色に相当する光を出射可能なように、緑色のカラーフィルタを有し、サブ画素部211bは、3原色のうち青色に相当する光を出射可能なように、青色のカラーフィルタを有している。サブ画素部211(即ち、サブ画素部211r、211g及び211b)の各々には、画素電極及び該画素電極をスイッチング制御するための画素スイッチング用TFTが形成されている。画素スイッチング用TFTは、画素電極に電気的に接続されており、第2の液晶パネル200の動作時に画素電極をスイッチング制御する。第2の液晶パネル200の動作時に、サブ画素部211r、211g及び211bにおいて、カラーフィルタを介して赤色、緑色及び青色に相当する光が出射されることで、表示画素部210毎にカラー表示を行うことが可能となる。
【0037】
尚、複数の表示画素部210の各々において、サブ画素部211r、211g及び211bは、この順にX方向に沿って配列されている。
【0038】
次に、本実施形態に係る第1の液晶パネルの表示領域における構成について、図5を参照して説明する。ここに図5は、本実施形態に係る第1の液晶パネルの表示領域における構成を示す模式的な平面図である。
【0039】
図5において、第1の液晶パネル100(図1参照)の表示領域100aには、サブ画素部111r、111g及び111bと光透過部310とをそれぞれ含む複数の表示画素部110が、マトリクス状に配列されている。尚、サブ画素部111r、111g及び111bの各々は、本発明に係る「第1画素部」の一例である。
【0040】
サブ画素部111rは、赤色、緑色及び青色の3原色のうち赤色に相当する光を出射可能なように、赤色のカラーフィルタを有し、サブ画素部111gは、3原色のうち緑色に相当する光を出射可能なように、緑色のカラーフィルタを有し、サブ画素部111bは、3原色のうち青色に相当する光を出射可能なように、青色のカラーフィルタを有している。サブ画素部111(即ち、サブ画素部111r、111g及び111b)の各々には、画素電極9a(図2参照)及び該画素電極9aをスイッチング制御するための画素スイッチング用TFTが形成されている。画素スイッチング用TFTは、画素電極9aに電気的に接続されており、第1の液晶パネル100の動作時に画素電極をスイッチング制御する。第1の液晶パネル100の動作時に、サブ画素部111r、111g及び111bにおいて、カラーフィルタを介して赤色、緑色及び青色に相当する光が出射されることで、表示画素部110毎にカラー表示を行うことが可能となる。
【0041】
光透過部310は、バックライト500(図1参照)によって照射された光源光を透過する透過度が、サブ画素部111r、111g及び111bよりも高くなるように、第1の液晶パネル100における無色透明な部分として構成されている。言い換えれば、光透過部310は、サブ画素部111r、111g及び111bとは異なり、第1の液晶パネル100におけるカラーフィルタが設けられていない無色透明な部分として形成されている。
【0042】
本実施形態では特に、第1の液晶パネル100がこのような光透過部310を備えているので、バックライト500からの光源光が第1の液晶パネル100を透過する透過度を高めることができる。よって、バックライト500からの光源光が光透過部310を透過することにより、光源光が第1の液晶パネル100を透過して第2の液晶パネル200に到達する光の量を増大させることができる。即ち、仮に、第1の液晶パネル100が、図4を参照して上述した第2の液晶パネル200と同様に構成され、光透過部310を有していない場合と比較して、バックライト500からの光源光が第1の液晶パネル100を透過して第2の液晶パネル200に照射される量を増大させることができる。従って、第2の液晶パネル200によって表示される2次元像の明るさを高めることができる。これにより、表示装置1によって表示される3次元像の明るさを高めることができる。
【0043】
尚、光透過部310は、液晶を有さないように構成してもよい。即ち、光透過部310は、第1の液晶パネル100におけるカラーフィルタ及び液晶が設けられていない無色透明な部分として形成されてもよい。この場合、光透過部310が液晶を有さない分だけ、光透過部310の透過度を高めることができ、光源光が第1の液晶パネル100を透過して第2の液晶パネル200に到達する光の量をより一層増大させることができる。尚、この場合、サブ画素部111においてTFTアレイ基板10及び対向基板20間で液晶を保持すると共に、光透過部310においてTFTアレイ基板10及び対向基板20間で液晶を保持しないようにするために、サブ画素部111と光透過部310とを互いに隔てる隔壁を設けるとよい。
【0044】
更に、図5に示すように、本実施形態では特に、複数のサブ画素部111と複数の光透過部310とは、市松模様状に配置されている。即ち、表示領域100aにマトリクス状に配列された複数の表示画素部110の各々において、3つのサブ画素部111(即ち、サブ画素部111r、111g及び111b)と3つの光透過部310とが市松模様状に配置されている。言い換えれば、表示領域100aにおいて、X方向に沿ってサブ画素部111と光透過部310とが交互に配置されると共に、Y方向に沿ってサブ画素部111と光透過部310とが交互に配置されている。よって、仮に複数の光透過部310が表示領域100aにおいて例えばストライプ状に配置された場合と比較して、第1の液晶パネル100によって表示される2次元像の画質が、複数の光透過部310に起因して劣化してしまうことを抑制或いは防止できる。従って、表示装置1によって表示される3次元像の画質を向上させることができる。
【0045】
尚、複数の光透過部310は、表示領域100aにおいて例えばストライプ状に配置されてもよい。この場合にも、光透過部310によって、光源光が第1の液晶パネル100を透過して第2の液晶パネル200に到達する光の量を増大させることができる。
【0046】
尚、本実施形態の変形例として、複数の光透過部310は、第1の液晶パネル100にそれぞれ開口された複数の開口部として構成されてもよい。即ち、光透過部310は、第1の液晶パネル100を構成するTFTアレイ基板10及び対向基板20の各々における光透過部310を形成すべき領域に設けられた開口部によって構成されてもよい。この場合にも、光透過部310によって、光源光が第1の液晶パネル100を透過して第2の液晶パネル200に到達する光の量を増大させることができる。尚、第1の変形例では、サブ画素部111においてTFTアレイ基板10及び対向基板20間で液晶を保持するために、サブ画素部111と開口部として構成される光透過部310とを互いに隔てる隔壁を設けるとよい。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置1によれば、観察者900から見て、第2の液晶パネル200よりも奥側に配置された第1の液晶パネル100の表示領域100aに、複数のサブ画素部111よりもバックライト500からの光源光を透過する透過度が高い複数の光透過部310が設けられているので、第2の液晶パネル200によって表示される2次元像の明るさを高めることができる。この結果、本実施形態に係る表示装置1によれば、明るく高品位な3次元像を表示することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る表示装置について、図4及び図6を参照して説明する。ここに図6は、第2実施形態に係る第1の液晶パネルの表示領域における構成を示す模式的な平面図である。尚、図6において、図1から図5に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0048】
図6に示すように、第2実施形態に係る表示装置は、上述した第1実施形態における複数の表示画素部110に代えて複数の表示画素部120を備える点で、上述した第1実施形態に係る表示装置1と異なり、その他の点については、上述した第1実施形態に係る表示装置1と概ね同様に構成されている。
【0049】
図6において、複数の表示画素部120は、表示領域100aにマトリクス状に配列されている。複数の表示画素部120の各々は、サブ画素部121(即ち、サブ画素部121r、121g及び121b)と光透過部320とを含んで構成されている。
【0050】
サブ画素部121は、図4を参照して上述した第2の液晶パネル200の表示領域200aに配列されたサブ画素部211よりも小さいサイズを有するように構成されている点で、上述した第1実施形態におけるサブ画素部111と異なり、その他の点については、上述した第1実施形態におけるサブ画素部111と概ね同様に構成されている。
【0051】
光透過部320は、図4を参照して上述した第2の液晶パネル200の表示領域200aに配列されたサブ画素部211よりも小さいサイズを有するように構成されている点で、上述した第1実施形態における光透過部310と異なり、その他の点については、上述した第1実施形態における光透過部310と概ね同様に構成されている。
【0052】
即ち、本実施形態では特に、第1の液晶パネル100の表示領域100aにおける複数のサブ画素部121の各々が形成される領域及び複数の光透過部320の各々が形成される領域は、第2の液晶パネル200の表示領域200aにおける複数のサブ画素部211の各々が形成される領域よりも小さい。
【0053】
より具体的には、図4及び図6において、サブ画素部121は、そのX方向に沿う長さがサブ画素部211のX方向に沿う長さと同じになるように構成されると共に、そのY方向に沿う長さL121がサブ画素部211のY方向に沿う長さL211の1/2倍となるように構成されている。つまり、1つのサブ画素部121が形成される領域の面積が、1つのサブ画素部211が形成される領域の面積の1/2倍となるように形成されている。言い換えれば、第1の液晶パネル100における表示画素部120が、第2の液晶パネル200における表示画素部210と互いに同じ平面サイズを有するように形成されている。
【0054】
よって、第1の液晶パネル100によって表示される2次元像の画質が、複数の光透過部320に起因して劣化してしまうことを抑制或いは防止できる。従って、第2実施形態に係る表示装置によって表示される3次元像の画質を向上させることができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る表示装置について、図7を参照して説明する。ここに図7は、第3実施形態に係る第1の液晶パネルの表示領域における構成を示す模式的な平面図である。尚、図7において、図1から図5に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0055】
図7に示すように、第3実施形態に係る表示装置は、上述した第1実施形態における第1液晶パネル100の表示領域100aにおける構成が上述した第1実施形態に係る表示装置1と異なり、その他の点については、上述した第1実施形態に係る表示装置1と概ね同様に構成されている。
【0056】
図7において、本実施形態では、第1の液晶パネル100の表示領域100aには、複数の表示画素部130と複数の光透過部330とが市松模様状に配置されている。
【0057】
複数の表示画素部130の各々は、サブ画素部131r、131g及び131rを含んでいる。サブ画素部131rは、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3原色のうち赤色に相当する光を出射可能なように、赤色のカラーフィルタを有し、サブ画素部131gは、3原色のうち緑色に相当する光を出射可能なように、緑色のカラーフィルタを有し、サブ画素部131bは、3原色のうち青色に相当する光を出射可能なように、青色のカラーフィルタを有している。サブ画素部131(即ち、サブ画素部131r、131g及び131b)の各々には、画素電極9a及び該画素電極をスイッチング制御するための画素スイッチング用TFTが形成されている。画素スイッチング用TFTは、画素電極に電気的に接続されており、第1の液晶パネル100の動作時に画素電極をスイッチング制御する。第1の液晶パネル100の動作時に、サブ画素部131r、131g及び131bにおいて、カラーフィルタを介して赤色、緑色及び青色に相当する光が出射されることで、表示画素部130毎にカラー表示を行うことが可能となる。
【0058】
光透過部330は、バックライト500(図1参照)によって照射された光源光を透過する透過度が、表示画素部130よりも高くなるように、第1の液晶パネル100における無色透明な部分として構成されている。言い換えれば、光透過部330は、表示画素部130(言い換えれば、サブ画素部131r、131g及び131b)とは異なり、第1の液晶パネル100におけるカラーフィルタが設けられていない無色透明な部分として形成されている。
【0059】
本実施形態では特に、第1の液晶パネル100がこのような光透過部330を備えているので、バックライト500からの光源光が第1の液晶パネル100を透過する透過度を高めることができる。よって、バックライト500からの光源光が光透過部330を透過することにより、光源光が第1の液晶パネル100を透過して第2の液晶パネル200に到達する光の量を増大させることができる。従って、第2の液晶パネル200によって表示される2次元像の明るさを高めることができる。これにより、表示装置1によって表示される3次元像の明るさを高めることができる。
【0060】
更に、本実施形態では特に、上述したように、複数の表示画素部130と複数の光透過部330とは、市松模様状に配置されている。よって、仮に複数の光透過部330が表示領域100aにおいて例えばストライプ状に配置された場合と比較して、第1の液晶パネル100によって表示される2次元像の画質が、複数の光透過部330に起因して劣化してしまうことを抑制或いは防止できる。従って、表示装置1によって表示される3次元像の画質を向上させることができる。
【0061】
以上説明したように、第3実施形態に係る表示装置によれば、観察者900から見て、第2の液晶パネル200よりも奥側に配置された第1の液晶パネル100の表示領域100aに、複数の表示画素部130よりもバックライト500からの光源光を透過する透過度が高い複数の光透過部330が設けられているので、第2の液晶パネル200によって表示される2次元像の明るさを高めることができる。この結果、第3実施形態に係る表示装置によれば、明るく高品位な3次元像を表示することが可能となる。
<電子機器>
次に、上述した表示装置を電子機器の一例である携帯電話に適用する場合について、図8を参照して説明する。ここに図8は、本発明の電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【0062】
図8において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302のほか、受話口1304、送話口1306とともに、上述した表示装置1を表示部1005として備えるものである。よって、携帯電話1300によれば、表示部1005において高品位な3次元像を表示することができる。
【0063】
尚、図8を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0064】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う表示装置、及び該表示装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】第1実施形態に係る表示装置の全体構成を概略的に示す模式図である。
【図2】第1実施形態に係る第1の液晶パネルの全体構成を示す平面図である。
【図3】図2のH−H’線断面図である。
【図4】第1実施形態に係る第2の液晶パネルの表示領域における構成を示す模式的な平面図である。
【図5】第1実施形態に係る第1の液晶パネルの表示領域における構成を示す模式的な平面図である。
【図6】第2実施形態に係る第1の液晶パネルの表示領域における構成を示す模式的な平面図である。
【図7】第3実施形態に係る第1の液晶パネルの表示領域における構成を示す模式的な平面図である。
【図8】本発明の表示装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
100…第1の液晶パネル、100a…表示領域、111、111r、111g、111b…サブ画素部、200…第2の液晶パネル、200a…表示領域、210…表示画素部、211、211r、211g、211b…サブ画素部、310…光透過部、500…バックライト、900…観察者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、該光源よりも観察者に近い側に配置されると共に前記観察者から見て互いに異なる奥行き位置に配置された第1及び第2の表示パネルを備え、該第1及び第2の表示パネルの各々の表示領域に2次元像を表示し、該表示される2次元像の輝度或い透過度を前記第1及び第2の表示パネル毎にそれぞれ独立に変化させることにより3次元立体像を表示する表示装置であって、
前記第1の表示パネルは、前記観察者から見て、前記第2の表示パネルよりも奥側に配置されており、当該第1の表示パネルの表示領域に、(i)第1カラーフィルタを夫々有する複数の第1画素部と、(ii)該複数の第1画素部よりも前記光源光を透過する透過度が高い複数の光透過部と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数の第1画素部と前記複数の光透過部とは、市松模様状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2の表示パネルは、当該第2の表示パネルの表示領域に、第2カラーフィルタを夫々有する複数の第2画素部を備え、
前記第1の表示パネルの表示領域における前記複数の第1画素部の各々が形成される領域は、前記第2の表示パネルの表示領域における前記複数の第2画素部の各々が形成される領域よりも小さい
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置を具備してなることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−103866(P2009−103866A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274744(P2007−274744)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】