説明

表示装置

【課題】本来の解像度及びリフレッシュレートで忠実に複数の映像を1つの画面に表示する。
【解決手段】表示装置1は、画素パネル2を第1領域2A及び第2領域2Bに分割し、第1領域2Aに対して第1データドライブ回路5A、第1ゲートドライブ回路6A、及び第1信号制御部7Aを設けると共に、第2領域2Bに対して第2データドライブ回路5B、第2ゲートドライブ回路6B、及び第2信号制御部7Bを設ける。両データドライブ回路5A、5Bは表示対象の映像が規定する解像度で各領域2A、2Bにデータ信号を供給し、両ゲートドライブ回路6A、6Bは表示対象の映像に応じたリフレッシュレートで映像フレーム書き替え用の走査信号を供給するので、表示装置1は領域2A、2Bごとに独立して映像を忠実に表示する処理を行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの画面に複数の映像を本来の解像度及びリフレッシュレートで同時表示できるようにした表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1つの画面に複数の映像を表示可能にした表示装置が存在する。例えば、特許文献1では、2つのソースドライブを設けることで1つの画面を水平方向に二分割し、分割した領域ごとに別々の映像を同時に表示できるようにした表示装置が開示されている。なお、表示装置が表示対象となる複数の映像を取得するためには、表示装置に複数のチューナを内蔵すること、映像出力装置(コンピュータ、DVDプレーヤ、セットトップボックス等)と接続するための接続端子を複数設けることなどが必要である。
【特許文献1】特開平9−62230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
昨今は、表示装置の画面サイズの大型化が進行すると共に、高画質ハイビジョン放送(HDTV)の開始等に伴い画面の解像度も向上している。そのため、1つの画面に複数映像を表示することは、画面サイズ及び解像度の点において実質的に充分対応可能になっており、今後の更なる画面サイズ及び解像度の拡大を考慮すれば、ユーザ側からも1つの画面に複数映像を表示する要望が増えるものと考えられる。
【0004】
しかし、一画面での複数映像表示を行うにあたり、特許文献1に係る表示装置を用いた場合、主に2つの問題が生じる。即ち、特許文献1に係る表示装置は、単に1つの画面を水平方向に二分割して表示する構成に留まるため、分割された各領域の水平解像度は、元の画面の水平解像度の半分になる。そのため、元の1つの画面で表示していた映像を分割した領域に収まるように表示すると、水平方向の画素データを間引く必要あるため、分割した領域で表示された映像は、オリジナルの映像に比べて垂直方向に伸びて縦長に変形した画像になると云う問題がある。
【0005】
また、特許文献1に係る表示装置では、所定のリフレッシュレート(垂直走査周波数)で映像フレームの書き替え処理を行うゲートドライブは1つであるため、分割した領域ごとにリフレッシュレートを相異させることができない。そのため、各領域に相異するリフレッシュレートの映像を表示しようとしても、一方の映像のリフレッシュレートを他方の映像のリフレッシュレートに合わせる必要があるため、リフレッシュレートの合わない方の映像にちらつきが発生するなど、良好な表示を行えないと云う問題が生じる。よって、特許文献1に係る表示装置では、解像度及びリフレッシュレートが相異する映像を出力する複数の映像出力装置を接続した場合、各映像出力装置から出力される映像の両方を良好に表示できない。
【0006】
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、1つの画面を区分けした領域ごとに専用の処理回路を設けることで、1つの画面で複数映像を良好に表示できるようにした表示装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、映像が有する解像度を変更することなく複数の映像を忠実に表示可能にした表示装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、オリジナルのリフレッシュレートで複数の映像を表示可能にした表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る表示装置は、複数の画素を格子状に配列した画素パネルと、該画素パネルにデータ信号を供給するデータドライブ回路と、前記画素パネルに走査信号を供給するゲートドライブ回路と、該ゲートドライブ回路及び前記データドライブ回路にクロック信号を供給する信号制御部とを備え、前記画素パネルに映像を表示する表示装置において、前記画素パネルを区分けしたそれぞれの領域にデータ信号を供給する複数のデータドライブ回路と、前記領域のそれぞれに走査信号を供給する複数のゲートドライブ回路と、前記複数のデータドライブ回路及び前記複数のゲートドライブ回路のそれぞれにクロック信号を供給する複数の信号制御部とを備え、前記領域のそれぞれに映像を表示することを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、画素パネルの区分けした複数の領域に対応して複数のデータドライブ回路、複数のゲートドライブ回路、及び複数の信号制御部を設けるので、領域ごとに表示対象となる映像の仕様及び規格に応じた専用の表示処理が行えるようになると共に、各データドライブ回路、各ゲートドライブ回路、及び各信号制御部が協働して画素パネル全体で1つの映像を表示する処理も行える。そのため、複数の映像を1つの画素パネルに同時表示することから、1つの画素パネルで1つの映像を全画面的に表示することまでをスムーズに行えるようになる。なお、本発明の表示装置には、テレビジョン装置、コンピュータ用のディスプレイ装置、画素パネルを用いたプロジェクタ(フロントプロジェクション方式とリアプロジェクション方式の両方を含む)等が該当する。
【0009】
また、本発明に係る表示装置は、前記複数のデータドライブ回路のそれぞれは、前記領域で表示する対象の映像が有する解像度に応じたデータ信号を供給することを特徴とする。
本発明にあっては、各データドライブ回路のそれぞれは、対応する領域での表示対象となる映像が有する解像度でデータ信号の供給を行うため、画素パネルの区分けした領域に表示される映像は本来の解像度で表示可能となる。そのため、1つの画面に複数の映像を表示した場合でも、映像が変形(例えば、縦長に変形)することなく、本来の解像度で映像を表示できる。
【0010】
さらに、本発明に係る表示装置は、前記信号制御部のそれぞれは、前記領域で表示する対象の映像に係るリフレッシュレートに応じてクロック信号を供給するようにしてあり、前記複数のデータドライブ回路のそれぞれは、供給されたクロック信号に基づいた時期にデータ信号を供給するようにしてあり、前記複数のゲートドライブ回路のそれぞれは、供給されたクロック信号に基づいた時期に走査信号を供給することを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、各信号制御部は、各映像に適したリフレッシュレートに応じて各データドライブ回路及び各ゲートドライブ回路へクロック信号を供給すると共に、各データドライブ回路及び各ゲートドライブ回路は、供給されたクロック信号に基づいてデータ信号及び走査信号を供給するため、各領域で表示される映像は、その映像に合致したリフレッシュレートで映像フレームが書き替えられる。従って、1つの画面に複数の映像を表示した場合でも、ちらつき等の不具合が生じることなく、各映像を忠実に表示できる。
【0012】
本発明に係る表示装置は、複数の画素を格子状に配列した画素パネルと、該画素パネルにデータ信号を供給するデータドライブ回路と、前記画素パネルに走査信号を供給するゲートドライブ回路と、該ゲートドライブ回路及び前記データドライブ回路にクロック信号を供給する信号制御部とを備え、前記画素パネルに映像を表示する表示装置において、前記画素パネルの相異する領域のそれぞれへデータ信号を供給するように前記データドライブ回路を複数部分に分割する手段と、前記領域のそれぞれに走査信号を供給する複数のゲートドライブ回路と、前記データドライブ回路の複数部分及び前記複数のゲートドライブ回路のそれぞれにクロック信号を供給する複数の信号制御部とを備え、前記領域のそれぞれに映像を表示することを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、データドライブ回路を、画素パネルの各領域に応じて複数部分に分割すると共に、各領域に対応して複数のゲートドライブ回路及び複数の信号制御部を設けるので、データドライブ回路を分割する範囲に応じて、画素パネルの区分けする領域の水平方向の大きさを柔軟に変更可能となる。そのため、表示対象となる映像のサイズに合致するようにデータドライブ回路を分割して、画素パネルの表示領域をできるだけ有効に使用した表示処理が行える。
【0014】
また、本発明に係る表示装置は、複数の画素を格子状に配列した画素パネルと、該画素パネルにデータ信号を供給するデータドライブ回路と、前記画素パネルに走査信号を供給するゲートドライブ回路と、該ゲートドライブ回路及び前記データドライブ回路にクロック信号を供給する信号制御部とを備え、前記画素パネルに映像を表示する表示装置において、前記画素パネルの相異する領域のそれぞれへデータ信号を供給するように前記データドライブ回路を複数部分に分割する手段と、前記画素パネルの相異する領域のそれぞれへ走査信号を供給するように前記ゲートドライブ回路を複数部分に分割する手段と、前記データドライブ回路の複数部分及び前記ゲートドライブ回路の複数部分のそれぞれにクロック信号を供給する複数の信号制御部とを備え、前記領域のそれぞれに映像を表示することを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、データドライブ回路及びゲートドライブ回路を、画素パネルの各領域に応じて複数部分に分割すると共に、各領域に対応して複数の信号制御部を設けるので、データドライブ回路及びゲートドライブ回路のそれぞれを分割する範囲に応じて、画素パネルの区分けする領域の水平及び垂直方向の大きさを一段と柔軟に変更できる。従って、様々なサイズの複数の映像を各領域で表示する場合でも、表示対象の映像サイズに応じて画素パネルを区分けする領域をフレキシブルに最適な大きさに変更して、複数映像を一画面で良好に表示できる。
【0016】
本発明に係る表示装置は、各領域に表示する映像に係る映像信号の入力を受け付ける複数の入力受付部を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、映像信号を受け付ける複数の入力受付部を備えるので、表示対象の映像に係る映像信号を同時に外部から複数取得でき、表示対象の映像ソースの取得が容易になる。また、複数の入力受付部を介して、解像度及びリフレッシュレートが相異する映像を出力する複数の映像出力装置を組み合わせて接続することが可能となり、様々な映像出力装置に対して出力映像を忠実に再現表示できる。このように複数の入力受付部を設けた構成の表示装置は、コンピュータ用のディスプレイ装置、及びプロジェクタ等の映像出力装置に対して好適となる。
【0017】
また、本発明に係る表示装置は、前記領域で表示可能な解像度を前記入力受付部を通じて出力する手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、区分けした各領域で表示可能な解像度を、入力受付部を通じて外部へ出力するので、その入力受付部に接続される外部の映像出力装置(コンピュータ、DVDプレーヤ等)は、表示に最適な映像サイズを予め把握できるようになる。そのため、外部の映像出力装置が、出力する映像信号の映像サイズを変更可能であれば、把握した内容に合致する映像サイズで映像信号を出力すれば、領域に収まるように映像をスムーズに表示可能となる。なお、入力受付部と画素パネルの領域は対応付けを固定してもよく、この場合は、その入力受付部で受け付けた映像信号の映像は、対応付けられた領域で表示されるようになるため、領域内に収まるように映像を確実に表示できる。
【0018】
さらに、本発明に係る表示装置は、前記画素パネルで表示可能な最大解像度を前記入力受付部を通じて出力する手段を備えることを特徴とする。
本発明は、画素パネルで表示可能な最大解像度を入力受付部を通じて外部へ出力するので、その入力受付部に接続された外部の映像出力装置が出力する映像を全画面的に表示する場合、その映像出力装置は予め全画面的に表示可能な最大解像度を把握可能となる。従って、把握した最大解像度に合わせて映像信号を出力することで、全画面的な表示を行うときも、画素パネルの表示範囲に収まるように映像表示をスムーズに行える。
【発明の効果】
【0019】
本発明にあっては、画素パネルを区分けした領域ごとにデータドライブ回路、ゲートドライブ回路、及び信号制御部を設けるので、複数の映像を一画面で同時表示すること、及び全画面的に一映像を表示することの両方を良好に行える。
また、本発明にあっては、各データドライブ回路は、映像が有する解像度でデータ信号の供給を行うため、各映像を本来の解像度で各領域に表示できる。
さらに、本発明にあっては、表示対象の映像に適したリフレッシュレートに応じたクロック信号に基づいて各データドライブ回路及び各ゲートドライブ回路はデータ信号及び走査信号を供給するので、映像に適したリフレッシュレートで各領域の映像フレームを書き換えることができ、ちらつき等の不具合の発生を防止できる。
【0020】
本発明にあっては、データドライブ回路を複数部分に分割するので、分割する範囲に応じて画素パネルの区分けする領域の水平方向の大きさを柔軟に変更でき、表示対象の映像サイズに合わせて1画面内に複数の映像を表示できる。
また、本発明にあっては、データドライブ回路及びゲートドライブ回路を複数部分に分割するので、分割する範囲に応じて画素パネルの区分けする領域の水平及び垂直方向の大きさを柔軟に変更でき、複数映像をサイズに応じて一画面内に収めた表示を行える。
【0021】
本発明にあっては、映像信号を受け付ける複数の入力受付部を備えるので、複数の映像信号を外部から同時に受け付けてスムーズに各領域で映像を表示できる。
また、本発明は、区分けした各領域で表示可能な解像度を入力受付部を通じて外部へ出力するので、その入力受付部に接続される外部の映像出力装置は最適な映像サイズを予め把握でき、出力する映像信号の映像サイズを事前に調整してスムーズに良好な表示を行える。
さらに、本発明は、本発明は、画素パネルで表示可能な最大解像度を入力受付部を通じて外部へ出力するので、全画面的に映像を表示する場合の映像サイズを外部の映像出力装置は事前に把握でき、全画面的な表示もスムーズに行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置1の内部構成を示している。第1実施形態の表示装置1は映像表示用の画素パネル2を二つ区分けした第1領域2A及び第2領域2Bのそれぞれに別個の映像を、映像本来の解像度及びリフレッシュレートを表示可能にしたことが特徴である。
【0023】
表示装置1は、画素パネル2の第1領域2A及び第2領域2Bへデータ信号を供給する第1データドライブ回路5A及び第2データドライブ回路5B、表示する映像を書き換えるための走査信号(順次走査信号)を供給する第1ゲートドライブ回路6A及び第2ゲートドライブ回路6Bを有する。また、表示装置1は、両データドライブ回路5A、5B及び両ゲートドライブ回路6A、6Bへ各種信号を供給する第1信号制御部7A及び第2信号制御部7Bを有する。さらに表示装置1は、第1信号制御部7A及び第2信号制御部7Bと、第1インタフェース9A及び第2インタフェース9Bとの間に映像信号の出力先の切替を行う切替部8を設ける一方、表示装置1の内部を全体的に制御するCPU10を設けている。以下、表示装置1の上述した各部分を説明する。
【0024】
画素パネル2は、多数の画素3を格子状に配列して表示用の画面を形成している。なお、図1は、図示のために画素3の実際の数を省略して概略的に示したものであり、第1実施形態の画素パネル2は、水平方向(X方向)に1920個、垂直方向(Y方向)に1200個の画素3を配置して、W−UXGA(Wide Ultra eXtended Graphics Array)の解像度の画面を形成している(図2(a)(b)参照)。また、画素パネル2は、水平方向(X方向)に延びるゲート線(アドレス線)と、垂直方向(Y方向)に延びるデータ線(ソース線)Da1、Da2・・・、Db1、Db2・・・とを各画素3に接続しているが、水平方向においてはゲート線を水平方向の半分となる箇所で左側ゲート線Ga1、Ga2・・・と右側ゲート線Gb1、Gb2・・・に分断して、水平方向に区分けした第1領域2A(X方向で0〜959の範囲)及び第2領域2B(X方向で960〜1919の範囲)を形成している。
【0025】
また、第1データドライブ回路5Aは、上述した画素パネル2の第1領域2Aに含まれる各データ線Da1、Da2・・・へ表示対象の映像に係るデータ信号を供給(出力)する処理を行う。第1データドライブ回路5Aは、出力用のデータ信号を第1信号制御部7Aから受け取ると共に、データ信号の出力開始、出力間隔の時期(タイミング)を、第1信号制御部7Aから送られる水平方向用の制御信号及びクロック信号に基づき特定している。このように第1データドライブ回路5Aは、第1領域2Aに対して専用の処理を行うので、第1領域2Aで表示される映像が有する解像度でデータ信号の出力を行えると共に、リフレッシュレートに応じた水平走査周波数でデータ信号を出力できる仕様になっている。
【0026】
第2データドライブ回路5Bは、処理対象を画素パネル2の第2領域2Bにしており、構成及び処理内容は、上述した第1データドライブ回路5Aと同様である。よって、第2データドライブ回路5Bは、第1データドライブ回路5Aとは別個独立して、表示対象の映像が有する解像度でデータ信号の出力を行えると共に、リフレッシュレートに応じた水平走査周波数でデータ信号を出力できる仕様になっている。
【0027】
第1ゲートドライブ回路6Aは、画素パネル2の第1領域2Aに含まれる左側ゲート線Ga1、Ga2・・・のそれぞれに、表示する映像のフレーム書き替え用の走査信号を生成して供給(出力)する処理を行う。第1ゲートドライブ回路6Aは、走査信号の出力開始、出力間隔の時期(タイミング)を、第1信号制御部7Aから送られる垂直方向用の制御信号及びクロック信号に基づき特定している。このように第1ゲートドライブ回路6Aは、第1領域2Aに対して専用の処理を行うので、第1領域2Aで表示される映像に応じたリフレッシュレートで映像フレームの書き替えを行える仕様になっている。
【0028】
第2ゲートドライブ回路6Bは、処理対象を画素パネル2の第2領域2Bにしており、構成及び処理内容は、上述した第1ゲートドライブ回路6Aと同様である。よって、第2ゲートドライブ回路6Bは、第1ゲートドライブ回路6Aと別個独立して、表示対象の映像に応じたリフレッシュレートで映像フレームの書き替えを行える仕様になっている。
【0029】
また、第1信号制御部7Aは、第1データドライブ回路5Aへ第1領域2Aで表示する映像に係るデータ信号を供給すると共に、その映像に応じた水平方向用のクロック信号及び制御信号を供給している。また、第1信号制御部7Aは、第1ゲートドライブ回路6Aへ第1領域2Aで表示する映像に応じたリフレッシュレートに対応した垂直用のクロック信号及び制御信号を供給している。なお、第1信号制御部7Aは、CPU10からの制御指示に基づき第1領域2Aで表示する映像に合ったクロック信号及び制御信号を生成して出力する処理を行っており、また、第1データドライブ回路5Aへ供給するデータ信号は、切替部8から受け取った映像信号に基づき生成している。
【0030】
第2信号制御部7Bは、上述した第1信号制御部7Aと同様の処理を行うものであり、第2データドライブ回路5Bへ第2領域2Bで表示する映像に係るデータ信号を供給すると共に、その映像に応じた水平方向用のクロック信号及び制御信号を供給する。また、第2信号制御部7Bは、第2ゲートドライブ回路6Bへは第1領域2Bで表示する映像に応じたリフレッシュレートに対応した垂直用のクロック信号及び制御信号を供給する。
【0031】
切替部8は、第1インタフェース9A及び第2インタフェース9Bから送られた映像信号を第1信号制御部7A及び第2信号制御部7Bへ出力するものであり、両インタフェース9A、9Bから受け付けた映像信号の出力先を各信号制御部7A、7Bの何れにも切り替えられる内部回路を有する。なお、切替部8は、CPU10からの制御指示に基づき出力先の切替を行っている。
【0032】
第1インタフェース9Aは、外部の映像出力装置(第1実施形態ではコンピュータが該当)が接続される接続端子(入力受付部)に相当し、双方向で信号を送受できる規格(例えばDVI(Digital Visual Interface),HDMI(High Definition Multimedia
Interface)等)に対応している。そのため、第1インタフェース9Aは、コンピュータが出力する映像信号の入力を受け付けることに加えて、CPU10から第1インタフェース9Aを通じてコンピュータへ各種情報及び信号等を出力することも可能にすると共に、コンピュータから送られる各種情報及び信号等をCPU10へ伝える処理も行う。また、第2インタフェース9Bは、上述した第1インタフェース9Aと同等の構成であり、上記とは別の外部の映像出力装置(第1実施形態ではDVDプレーヤが該当)を接続している。
【0033】
CPU10は、画素パネル2の第1領域2A及び第2領域2Bのそれぞれに映像を表示するための制御、並びに、第1領域2Aと第2領域2Bとを合わせた範囲で1つの映像を全画面的に表示するための制御等を行うものであり、このような表示をスムーズに行うために様々な制御処理を行っている。先ず、CPU10は、第1インタフェース9A及び第2インタフェース9Bに対して外部の映像出力装置が接続されたか否かを検出する。また、接続を検出した場合、CPU10は、接続が検出されたインタフェース9A、9Bを通じて、各領域2A、2Bで表示可能な解像度(第1実施形態では960×1200)及び全画面表示を行うときの最大解像度(第1実施形態では1920×1200)を出力する制御処理を行う。
【0034】
このように、各領域2A、2Bの解像度及び画素パネル2の最大解像度を先ず出力することで、外部のコンピュータ及びDVDプレーヤは、表示装置1で良好に表示できる解像度の数値を予め把握でき、出力する映像の解像度を調整できる場合は、解像度を把握した数値に調整して映像信号を出力することが可能となり、表示装置1で良好に映像を表示するための処理をスムーズに行える。なお、外部のコンピュータ及びDVDプレーヤは、相異する解像度及びリフレッシュレートの映像信号(アナログ又はデジタルの映像信号)を出力する装置であり、映像信号を出力する際には、その映像信号が規定する解像度及びリフレッシュレートを通知するソース情報も出力する仕様になっている。
【0035】
また、CPU10は、外部のコンピュータ及びDVDプレーヤから出力されたソース情報を各インタフェース9A、9Bを通じて受け取ると、そのソース情報に応じて切替部8の出力先を切り替えるための制御指示を切替部8へ送出すると共に、出力先に応じた各信号制御部7A、7Bでソース情報に合致した水平方向用と垂直方向用のクロック信号及び制御信号を生成するように制御指示を各信号制御部7A、7Bへ送出する。なお、CPU10は、基本的に第1インタフェース9Aで受け付けた映像信号の映像を第1領域2Aで表示し、第2インタフェース9Bで受け付けた映像信号の映像を第2領域2Bで表示するように切替部8の出力先を制御するが、上記とは出力先を逆にするように切替部8を制御することも勿論可能である。さらに、CPU10は、全画面的に表示を行う場合は、一方のインタフェース(例えば、第1インタフェース9A)で受け付ける映像信号の一部分の出力先を第1信号制御部7Aにすると共に、他部分の出力先を第2信号制御部7bにするように切替部8を制御する。
【0036】
図2(a)は、2つの映像(第1映像E1、第2映像E2)を1つの画面に同時表示した状態を示している。第1領域2Aに表示されている第1映像E1は、図1に示すコンピュータから出力された映像信号に基づくものであり、第2領域2Bに表示されている第2映像E2は、DVDプレーヤから出力された映像信号に基づくものである。
【0037】
第1映像E1は、解像度がSVGAサイズ(800×600)、リフレッシュレートが80Hzであるため、第1信号制御部7Aを通じて行われるCPU10の制御に基づいて、第1データドライブ回路5AはSVGAサイズのデータ信号を第1領域2Aに供給すると共に、第1ゲートドライブ回路6Aは80Hzのリフレッシュレートで走査信号を第1領域2Aに供給して映像フレームを書き替えている。また、第2映像E2は、解像度がVGAサイズ(640×480)、リフレッシュレートが70Hzであるため、第2信号制御部7Bを通じて行われるCPU10の制御に基づいて、第2データドライブ回路5BはVGAサイズのデータ信号を第2領域2Bに供給すると共に、第2ゲートドライブ回路6Bは70Hzのリフレッシュレートで走査信号を第2領域2Bに供給して映像フレームを書き替えている。そのため、表示装置1は、1つの画素パネル2で、解像度及びリフレッシュレートが相異する2つの映像を忠実に同時表示することが可能になる。なお、図2(a)に示す2つの映像(第1映像E1、第2映像E2)の表示は一例であり、他の解像度の映像も勿論表示可能である。
【0038】
図2(b)は、第2領域2Bの画素サイズ(水平方向の画素数960)を超えるXGAサイズ(1280×768)の第2映像E2′を第2領域2Bに表示した状態を示している。この場合、第2データドライブ回路5Bは、第2映像E2′の第2領域2Bで対応できる範囲のデータ信号(水平方向の960画素分のデータ信号)を供給する。また、第2コンピュータPC2がユーザから水平方向のスクロール操作を受け付けた場合、第2コンピュータPC2はスクロール操作に応じた量をCPU10へ通知し、CPU10は通知された量だけデータ信号の範囲をシフトする制御指示を第2信号制御部7Bへ送出することで、第2データドライブ回路5Bも水平方向にシフトした範囲のデータ信号を供給して、図2(b)では表示されない範囲を水平方向にスクロール表示可能にしている。
【0039】
また、図3は、UXGAサイズ(1600×1200)の映像E3を全画面的に表示した状態を示している。映像E3は、図1に示すコンピュータから出力された映像信号に基づくものであり、CPU10の制御に基づき切替部8は、第1インタフェース9Aで受け付けた映像信号を、映像の左範囲(水平方向の0から799画素分)と、右範囲(水平方向の800から1599画素分)とに分割し、左範囲の映像信号を第1信号制御部7Aへ送ると共に、右範囲の映像信号を第2信号制御部7Bへ送る。また、CPU10は、第1領域2A及び第2領域2Bを映像E3に応じた同一のリフレッシュレート(85Hz)で同期して走査信号を供給するように、第1信号制御部7A及び第2信号制御部7Bを通じて第1ゲートドライブ回路6A及び第2ゲートドライブ回路6Bを制御する。このような制御により、第1領域2A及び第2領域2Bを合わせた範囲で映像E3は、ちらつき等が生じることなく良好に表示される。
【0040】
上述した構成の表示装置1は、コンピュータ用のディスプレイ装置、及び画素パネルを用いたプロジェクタ等に対して適用可能である。なお、第1実施形態の表示装置1は、上記内容に限定されるものではなく、種々の変形例が存在する。
【0041】
図4は、第1実施形態の変形例に係る表示装置11の内部構成を示している。変形例の表示装置11は、テレビジョン装置に該当しチューナ14を内蔵していることが特徴である。チューナ14は切替部18と接続されており、チューナ14が受信した放送内容に係る映像信号も切替部18に入力されている。また、表示対象となる映像の入力元をチューナ14、第1インタフェース19A、第2インタフェース19Bから最大2つを選択できる操作を受け付ける操作部20aを設けており、ユーザが選択した映像入力元をCPU20へ通知するようになっている。CPU20は、操作部20aからの通知に基づき切替部18の制御を行って、画素パネル22の第1領域22A、及び第2領域22Bに対応する入力元を切り替えて、チューナ14が取得した放送映像、第1インタフェース19Aで受け付けた映像、及び第2インタフェース19Bで受け付けた映像を適宜表示可能にしている。
【0042】
図5は、別の変形例の表示装置21の内部構成を示している。変形例の表示装置21は1つの画面に3つの映像を同時表示可能にした構成であり、画素パネル22に含まれるゲート線及びデータ線を3つ(奇数)の領域に分断することで、画素パネル22内に左上の第1領域22A、右上の第2領域22B、及び下半分の第3領域22Cを形成している。表示装置21は、各領域22A〜22C用に第1データドライブ回路25A〜第3データドライブ回路25C、第1ゲートドライブ回路26A〜第3ゲートドライブ回路26C、及び第1信号制御部27A〜第3信号制御部27Cを設けている。また、切替部28には第1インタフェース29Aから第3インタフェース29Cまでが接続されており、出力先を計3個の各信号制御部27A〜27Cのいずれかに切替可能になっている。
【0043】
表示装置21は、CPU30の制御により3通りの表示形態を可能にしている。1つ目は各領域22A〜22Cに映像を表示して計3個の映像を同時表示する形態である。2つ目は第1領域22A及び第2領域22Bを合わせた範囲で1つの映像を表示すると共に、第3領域22Cで他の映像を表示することで、計2個の映像を同時表示する形態である。3つ目は、全領域22A〜22Cを合わせた範囲で1つの映像を全画面的に表示する形態である。このような3種類の表示形態を行う場合でも、各領域22A〜22Cにはそれぞれ専用のデータドライブ回路25A〜25C及びゲートドライブ回路26A〜26Cが存在するので、領域ごとに本来の解像度及びリフレッシュレートで映像を表示できる。なお、図5の表示装置21においても、図4の表示装置11のようにチューナを含ませた構成にすることは勿論可能である。
【0044】
図6は、さらに別の変形例の表示装置31の内部構成を示している。表示装置31は1つの画面に4つの映像を同時表示可能にした構成であり、画素パネル32に含まれるゲート線及びデータ線を4つの領域に分断し、左上の第1領域32A、右上の第2領域32B、左下の第3領域32C、及び右下の第4領域32Dを形成している。また、表示装置31は、各領域32A〜32D用に第1データドライブ回路35A〜第4データドライブ回路35D、第1ゲートドライブ回路36A〜第4ゲートドライブ回路36D、及び第1信号制御部37A〜第4信号制御部37Dを設けている。また、切替部38は第1インタフェース39A〜第4インタフェース39Dを接続し、CPU40の制御に基づき出力先を各信号制御部37A〜37Dのいずれにも切替可能にしている。
【0045】
このような構成にすることで、表示装置31は、図1の表示装置1及び図5の表示装置21に比べて更に多様な表示形態を可能にしている。例えば、画素パネル32が7680×4320の解像度を有する場合、アナログ又はデジタルの映像に関わらず第1領域32AにW−UXGAサイズの映像、第2領域32bにUXGAサイズの映像、第3領域32CにSXGAサイズの映像、第4領域32DにHD−TV2サイズの映像を、それぞれ相異するリフレッシュレートで表示できる。なお、図6の表示装置31では、できるだけ解像度の大きい画素パネル(できればQXGA以上)を用いることが、様々な解像度の映像を良好に表示する点で好適である。また、図6の表示装置31も、図4の表示装置11のようにチューナを含ませた構成にすることが可能である。
【0046】
図7は、本発明の第2実施形態に係る表示装置41を示している。第2実施形態の表示装置41は、基本的な構成は図1に示す第1実施形態の表示装置1と同様であるが、第1領域42A及び第2領域42Bのサイズを水平方向で可変にしていることが特徴である。各領域42A、42Bのサイズを可変にするため、第2実施形態の表示装置41は、画素パネル42と、データ信号を供給するデータドライブ回路45の構成を第1実施形態と相異させている。
【0047】
図8は、画素パネル42(解像度はW−UXGA)の一部の詳細を示している。画素パネル42は、水平方向に伸びる各ゲート線Gn−1、Gn、Gn+1・・・に分断スイッチ44を各画素43の間ごとに設けている。各ゲート線Gn−1、Gn、Gn+1・・・に設けられた分断スイッチ44は、垂直方向(Y方向)で同一箇所に位置するものが連動してオン/オフが切り替わる構成になっており、オン/オフの切替はデータドライブ回路45から送られる切替信号(図7中の黒太矢印が相当)により行われる。なお、分断スイッチ44は、通常の状態ではオン(接続状態)になっており、切替信号が送られた先の分断スイッチ44のみがオフとなって、各ゲート線Gn−1、Gn、Gn+1・・・を分断スイッチ44で左右に分断し、それにより水平方向でサイズが可変する第1領域42A及び第2領域42Bが形成される(図8は、データ線Dnとデータ線Dn+1の間の分断スイッチ44をオフにした状態を示す)。
【0048】
また、データドライブ回路45は、画素パネル45の水平方向の画素分に対応してデータ信号を供給できる構成になっており、内部を水平方向で第1部分45aと第2部分45bに分割すると共に、両部分45a、45bの分割範囲の境界45c(分割する手段に相当)を第1信号制御部47A及び第2信号制御部47Bから送られる制御信号に基づき左右に移動するようにしている。デフォルト状態では、第1部分45aは画素パネル45の水平方向の0〜959画素分の範囲に対応すると共に、第2部分45bは水平方向の960〜1919画素分の範囲に対応しているが、境界45cの移動により対応部分が変化する。
【0049】
なお、データドライブ回路45の第1部分45aには第1信号制御部47Aから第1領域42A用のデータ信号、制御信号及びクロック信号が送られ、第2部分45bには第2信号制御部47Bから第2領域42B用のデータ信号、制御信号及びクロック信号が送られる。そのため、第1部分45aは丁度、第1実施形態の図1の表示装置1における第1データドライブ回路5Aに相当し、第2部分45bは第2データドライブ回路5Bに相当する関係になっている。よって、各部分45a、45bは、各領域42A、42Bでの表示対象の映像が有する解像度でデータ信号の出力を行えると共に、リフレッシュレートに応じた水平走査周波数でデータ信号を出力できる。
【0050】
さらに、データドライブ回路45は、境界45cの位置に対応する箇所の画素パネル42内の分断スイッチ44へ切替信号を出力する分断回路部45dを設けている。分断回路部45dは、第1信号制御部47A及び第2信号制御部47Bからの制御信号に基づいて切替信号の出力制御等を行っている。このようなデータドライブ回路45の処理により、画素パネル42に対して範囲を可変にした第1領域42Aと第2領域42Bを形成する。
【0051】
また、CPU50は、データドライブ回路45が上述したような処理を行うために、第1インタフェース49A及び第2インタフェース49Bで受け付けた外部の映像出力装置からのソース情報に基づいて、デフォルト状態の第1領域42A及び第2領域42Bで各映像が表示可能か否かを判断する。表示できると判断した場合、CPU50は、データドライブ回路45の境界45cを移動させずに且つ、境界45cがデフォルトの位置で分断回路部45dから切替信号を出力する指示を含ませた制御信号を第1信号制御部47A及び第2信号制御部47Bを経由してデータドライブ回路45へ送る。
【0052】
一方、表示できないと判断した場合、CPU50は各映像が領域42A、42B内に収まるように境界45cの移動する位置を特定し、その特定した位置に境界45cを移動させる指示と、その移動先の位置で分断回路部45dから切替信号を出力する指示を含ませた制御信号を各信号制御部47A、47Bを経由してデータドライブ回路45へ送る処理を行う。なお、表示装置41は、上述した箇所以外は第1実施形態と同様であり、切替部48はCPU50の制御に従い出力先の切替等を行い、第1ゲートドライブ回路46A及び第2ゲートドライブ回路46Bは制御信号に基づき所定のリフレッシュレートで走査信号を第1領域42A及び第2領域42Bへ供給する。
【0053】
図9は、XGAサイズの第1映像E4を画素パネル42の第1領域42Aに表示すると共に、SVGAサイズの第2映像E5を第2領域42Bに表示した状態を示している。このような表示を行うために、CPU50はデフォルトの画素パネル42を均等に分割した状態から、両インタフェース49A、49Bで受け付けたソース情報に基づきデータドライブ回路45の境界45cを水平方向の1023画素と1024画素の間に移動させると共に、その位置で分断回路部45dから切替信号を出力させる制御を行っている。
【0054】
また、表示装置41で1つの映像を全画面的に表示する処理は、図1の表示装置1における処理と同様に、第1領域42Aと第2領域42Bとを合わせた範囲に1つの映像を表示することが可能である。また、別の全画面表示の仕方としては、境界45cを右端に移動させて画素パネル42を第1領域42Aのみの状態にすると共に、第1部分45aのみで1つの映像分のデータ信号を供給して全画面表示を行うことも可能である。さらに、上記とは逆に、境界45cを左端に移動させて第2部分45bのみで全画面的な表示を行うことも勿論可能である。なお、第2実施形態の表示装置41も種々の変形例が存在し、例えば、図4の表示装置11のようにチューナを含ませる構成にすることも可能である。
【0055】
図10は、第2実施形態の変形例の表示装置51を示している。表示装置51は、映像を表示する各領域52A〜52Dのサイズを垂直及び水平の両方向で可変にして、一画面に4つの映像を良好に同時表示にしたことが特徴である。
【0056】
図11は、表示装置51に用いられる画素パネル52の一部分の詳細を示している。画素パネル52は、図8の画素パネル42と同様に水平方向に延出する各ゲート線Gn−2、Gn−2、Gn・・・に分断スイッチ54を設けると共に、垂直方向に延出する各データ線Dn−2、Dn−2、Dn・・・にも垂直分断スイッチ64を各画素53の間に設けている。分断スイッチ54は、垂直方向(Y方向)の同一箇所に位置するスイッチが連動(オン)と、非連動(オフ)とを切り替えられるように各ゲート線間に連動切替スイッチ54aを設けている。また、各垂直分断スイッチ64も、水平方向(X方向)で同一箇所に位置するスイッチが連動(オン)と、非連動(オフ)とを切り替えられるように各データ線間に垂直連動切替スイッチ64aを設けている。
【0057】
分断スイッチ54及び連動切替スイッチ54aのオン/オフの切替は、矩形状の画素パネル52の上側(長辺の一辺側)に位置する第1データドライブ回路55及び下側(長辺の他辺側)に位置する第2データドライブ回路65からそれぞれ出力される切替信号により行われる。また、垂直分断スイッチ64及び垂直連動切替スイッチ64aのオン/オフの切替は、画素パネル52の左側(短辺の一辺側)に位置する第1ゲートドライブ回路56及び右側(短辺の他辺側)に位置する第2ゲートドライブ回路66からそれぞれ出力される切替信号により行われる。
【0058】
なお、図11は、ゲート線Gnとゲート線Gn+1の間の垂直分断スイッチ64が全て連動された状態(垂直連動切替スイッチ64aの全てがオン)で、ゲート線Gnとゲート線Gn+1の間で且つデータDnからデータ線Dn+2までの2個の連動切替スイッチ54aをオフ(非連動)にして、ゲート線Gn以上で且つデータ線Dnとデータ線Dn+1の間の分断スイッチ54をオフにすると共に、ゲート線Gn+1以下で且つデータ線Dn+1とデータ線Dn+2の間の分断スイッチ54をオフにした状態を示す。このように各スイッチ54、54a、64の切替を行うことで、2本の垂直境界線Ka1、Ka2(図中波線で示す)及び1本の水平境界線Kb(図中、波線で示す)で区分けされた計4個の領域(52A〜52D)が形成されている。
【0059】
画素パネル52の上側に位置して、第1信号制御部57A及び第2信号制御部57Bから各種信号が送られる第1データドライブ回路55は、図7に示す表示装置41におけるデータドライブ回路45と同じ構成であり、移動可能な境界55cで内部を第1部分55aと第2部分55bに分割すると共に、切替信号を供給する分断回路部55dを内蔵する。また、画素パネル52の下側に位置して、第3信号制御部57C及び第4信号制御部57Dから各種信号が送られる第2データドライブ回路65は、上述した第1データドライブ回路55と同じ構成であり、移動可能な境界65cで内部を第1部分65aと第2部分65bに分割すると共に、切替信号を供給する分断回路部65dを内蔵する。
【0060】
一方、画素パネル52の左側に位置して、第1信号制御部57A及び第3信号制御部57Cから垂直方向に対する第1領域52A用及び第3領域52C用の制御信号及びクロック信号が送られる第1ゲートドライブ回路56は、垂直方向に移動可能な境界56c(分割する手段に相当)で内部を第1部分56aと第2部分56bに分割しており、画素パネル52内の垂直分断スイッチ64へ切替信号を送る分断回路部56dを内蔵している。このような構成により第1ゲートドライブ回路56の第1部分56aは丁度、第1実施形態の変形例に係る図6の表示装置31における第1ゲートドライブ回路36Aに相当し、第2部分56bは第3ゲートドライブ回路36Cに相当する関係になり、各部分56a、56bは、各領域52A、52Cでの表示対象の映像に応じたリフレッシュレートで走査信号を供給できる仕様になっている。
【0061】
また、画素パネル52の右側に位置して、第2信号制御部57B及び第4信号制御部57Dから垂直方向に対する第2領域52B用及び第4領域52D用の制御信号及びクロック信号が送られる第2ゲートドライブ回路66は、上述した第1ゲートドライブ回路56と同様の構成であり、移動可能な境界66cで内部を第1部分66aと第2部分66bに分割すると共に、切替信号を供給する分断回路部66dを内蔵している。そのため、第1部分66aは丁度、図6の表示装置31における第2ゲートドライブ回路36Bに相当し、第2部分66bは第4ゲートドライブ回路36Dに相当した関係になり、各部分66a、66bは、各領域52B、52Dでの表示対象の映像に応じたリフレッシュレートで走査信号を供給できる。
【0062】
表示装置51のその他の部分は、図6に示す第1実施形態の変形例に係る表示装置31と同等の構成であり、計4個のインタフェース59A〜59Dを切替部58に接続し、CPU60の制御に基づいて各インタフェース59A〜59Dを受け付けた映像信号を各信号制御部57A〜57Dへ出力する。また、CPU60は、各インタフェース59A〜59Dで受け付けるソース情報に基づいて、図7の表示装置41のデータドライブ回路45に対して行う制御処理(区分けする境界の位置制御等を含む)を、図10における第1データドライブ回路55、第2データドライブ回路65、第1ゲートドライブ回路56、及び第2ゲートドライブ回路66のそれぞれに対して行う。
【0063】
表示装置51は、CPU60が各回路55、56、65、66へ制御を行うことで、画素パネル52内の各領域52A〜52Cのサイズを様々に変更できる。例えば、図10(a)に示すように、各領域52A〜52Dを分ける1本の垂直境界線Ka及び1本の水平境界線Kb(図中波線で示す)で各領域52A〜52Dのサイズを可変にできる。また、図10(b)に示すように、連動切替スイッチ54aを適宜オフに切り替えることで、2本の垂直境界線Ka1、Ka2及び1本の水平境界線Kbで各領域52A〜52Dのサイズを可変にでき、さらには、図10(c)に示すように、垂直切替スイッチ64aを適宜オフに切り替えることで、1本の垂直境界線Ka及び2本の水平境界線Kb1、Kb2で各領域52A〜52Dのサイズを可変にできる。
【0064】
よって、変形例の表示装置51は、表示対象の映像サイズに応じて各領域52A〜52Dのサイズを柔軟に変更して、各画像の全範囲を表示することが可能になる。なお、表示装置51も、図4の表示装置11のようにチューナを含ませる構成にすることが可能である。また、図12(b)に示すように1本の垂直境界線Ka及び1本の水平境界線Kbのみで区分けを行う場合は、図11に示す連動切替スイッチ54a及び垂直連動切替スイッチ64aを省略した構成にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は各領域に収まる2つの映像を表示した状態を示す概略図、(b)は表示された映像の一部が第2領域から外れた状態を示す概略図である。
【図3】1つの映像を表示した状態を示す概略図である。
【図4】変形例に係る表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】1つの画面に3つの映像を表示可能にした表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図6】1つの画面に4つの映像を表示可能にした表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図8】画素パネルの部分的な詳細を示す概略図である。
【図9】第1領域及び第2領域の範囲を変更して、2つの映像を表示した状態を示す概略図である。
【図10】第2実施形態の変形例に係る表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図11】変形例の画素パネルの部分的な詳細を示す概略図である。
【図12】(a)は十字状の境界線で区分けした状態を示す概略図、(b)は2本の垂直境界線及び1本の水平境界線で区分けした状態を示す概略図、(c)は1本の垂直境界線及び2本の水平境界線で区分けした状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0066】
1、11、21、31、41、51 表示装置
2、12、22、32、42、52 画素パネル
2A、12A、22A、32A、42A、52A 第1領域
2B、12B、22B、32B、42B、52B 第2領域
3、43、53 画素
5A、15A、25A、35A、55 第1データドライブ回路
5B、15B、25B、35B、65 第2データドライブ回路
6A、16A、26A、36A、46A、56 第1ゲートドライブ回路
6B、16B、26B、36B、46B、66 第2ゲートドライブ回路
7A、17A、27A、37A、47A、57A 第1信号制御部
7B、17B、27B、37B、47B、57B 第2信号制御部
8、18、28、38、48、58 切替部
9A、19A、29A、39A、49A、59A 第1インタフェース
9B、19B、29B、39B、49B、59B 第2インタフェース
10、20、30、40、50、60 CPU
14 チューナ
44、54 分断スイッチ
45 データドライブ回路
45a、55a、56a、65a、66a 第1部分
45b、55b、56b、65b、66b 第2部分
45c、55c、56c、65c、66c 境界
45d、55d、56d、65d、66d 分断回路部
64 垂直分断スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を格子状に配列した画素パネルと、該画素パネルにデータ信号を供給するデータドライブ回路と、前記画素パネルに走査信号を供給するゲートドライブ回路と、該ゲートドライブ回路及び前記データドライブ回路にクロック信号を供給する信号制御部とを備え、前記画素パネルに映像を表示する表示装置において、
前記画素パネルを区分けしたそれぞれの領域にデータ信号を供給する複数のデータドライブ回路と、
前記領域のそれぞれに走査信号を供給する複数のゲートドライブ回路と、
前記複数のデータドライブ回路及び前記複数のゲートドライブ回路のそれぞれにクロック信号を供給する複数の信号制御部とを備え、
前記領域のそれぞれに映像を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数のデータドライブ回路のそれぞれは、前記領域で表示する対象の映像が有する解像度に応じたデータ信号を供給する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記信号制御部のそれぞれは、前記領域で表示する対象の映像に係るリフレッシュレートに応じてクロック信号を供給するようにしてあり、
前記複数のデータドライブ回路のそれぞれは、供給されたクロック信号に基づいた時期にデータ信号を供給するようにしてあり、
前記複数のゲートドライブ回路のそれぞれは、供給されたクロック信号に基づいた時期に走査信号を供給する請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
複数の画素を格子状に配列した画素パネルと、該画素パネルにデータ信号を供給するデータドライブ回路と、前記画素パネルに走査信号を供給するゲートドライブ回路と、該ゲートドライブ回路及び前記データドライブ回路にクロック信号を供給する信号制御部とを備え、前記画素パネルに映像を表示する表示装置において、
前記画素パネルの相異する領域のそれぞれへデータ信号を供給するように前記データドライブ回路を複数部分に分割する手段と、
前記領域のそれぞれに走査信号を供給する複数のゲートドライブ回路と、
前記データドライブ回路の複数部分及び前記複数のゲートドライブ回路のそれぞれにクロック信号を供給する複数の信号制御部とを備え、
前記領域のそれぞれに映像を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
複数の画素を格子状に配列した画素パネルと、該画素パネルにデータ信号を供給するデータドライブ回路と、前記画素パネルに走査信号を供給するゲートドライブ回路と、該ゲートドライブ回路及び前記データドライブ回路にクロック信号を供給する信号制御部とを備え、前記画素パネルに映像を表示する表示装置において、
前記画素パネルの相異する領域のそれぞれへデータ信号を供給するように前記データドライブ回路を複数部分に分割する手段と、
前記画素パネルの相異する領域のそれぞれへ走査信号を供給するように前記ゲートドライブ回路を複数部分に分割する手段と、
前記データドライブ回路の複数部分及び前記ゲートドライブ回路の複数部分のそれぞれにクロック信号を供給する複数の信号制御部とを備え、
前記領域のそれぞれに映像を表示することを特徴とする表示装置。
【請求項6】
各領域に表示する映像に係る映像信号の入力を受け付ける複数の入力受付部を備える請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
前記領域で表示可能な解像度を前記入力受付部を通じて出力する手段を備える請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記画素パネルで表示可能な最大解像度を前記入力受付部を通じて出力する手段を備える請求項6又は請求項7に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−298769(P2007−298769A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−126944(P2006−126944)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】