説明

表示装置

【課題】突然の訪問者に表示内容を知られることを回避することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】 表示部に画像を表示している状態で筐体が倒されると(S110ステップ)、表示部の表示をオフし(S120ステップ)、続いて筐体がたてられると(S130ステップ)、表示オフを維持する(S140ステップ)。このとき、表示をオンしたければ、所定の操作を実行することにより、表示をオンとすることが可能である(S150ステップ〜S160ステップ)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル画像データを表示する電子式写真立て(以下、「電子式フォトフレーム」という)に利用される表示装置に関するものであり、特に消費電力の低減、及び防犯に関する機能を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネル等を用いた薄型の表示装置が広く普及している。このような薄型表示装置は、軽量且つ設置スペースが小さいため、その設置場所や設置角度をユーザが適宜変更できるという利点を持っている。
【0003】
上記のような薄型表示装置の一つとして、電子式フォトフレームが実用化されている。電子式フォトフレームは、デジタルカメラ等の撮影装置で撮像した画像を、従来の銀塩写真の様に気軽に鑑賞できることを目的とした表示装置である。電子式フォトフレームは、例えばSD(Secure Digital)メモリカードのような外部記録媒体や、LAN(Local Area Network)等のネットワークを経由して画像データを取り込み、表示することが可能である。
【0004】
上記に関連して特許文献1においては、スタンドアロンで使用する電子式フォトフレームであり、記憶媒体からデータを読み込む手段を備え、ユーザがデジタルカメラ等で撮像して記録媒体に蓄積した画像データの展開及び表示が可能な電子式フォトフレームが開示されている。
【特許文献1】特開平9−308558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の電子式フォトフレームによれば、デジタルカメラ等で撮像した画像データを容易にフォトフレームに表示できるという利点があるが、突然の来客が来た場合に、即座にフォトフレームの表示をオフとすることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の表示装置は、画像を表示する表示手段と、筐体が倒れた状態であるか否かを検出するセンサ手段と、を備えた表示装置であって、前記センサ手段により筐体が倒れた状態であることが検出された場合に、前記表示手段の表示を禁止させ、前記センサ手段により筐体が倒れていない状態であることが検出された場合に、前記表示手段に表示を行わせることを特徴とする。
請求項2に記載の表示装置は、画像を表示する表示手段と、前記表示手段の発光量を調整する発光量調整手段と、筐体が倒れた状態であるか否かを検出するセンサ手段と、を備えた表示装置であって、前記センサ手段により筐体が倒れた状態であることが検出された場合に、前記発光量調整手段が前記表示手段の発光を停止させ、前記センサ手段により筐体が倒れていない状態であることが検出された場合に、前記発光量調整手段が前記表示手段の発光を開始させることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の表示装置は、画像を表示する表示手段と、前記表示手段の発光量を調整する発光量調整手段と、筐体が倒れた状態であるか否かを検出するセンサ手段と、を備えた表示装置であって、前記センサ手段により筐体が倒れた状態であることが検出された場合に、前記発光量調整手段が前記表示手段の発光量を減少させ、前記センサ手段により筐体が倒れていない状態であることが検出された場合に、前記発光量調整手段が前記表示手段の発光量を増加させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示装置を倒す(例えば、表示部が地面と対向するように表示装置を倒す)と同時に表示手段に何も表示されない状態となるので、突然訪問者が来ても表示装置を倒すだけで、表示手段に表示されているものを訪問者に見られることを回避することが可能である。
【0009】
又、表示装置を倒し表示手段に何も表示されない状態となると、所定の操作が施されるまで何も表示されない状態が維持される為、仮に訪問者が表示装置を起こして表示手段を見ても、表示手段に表示されていたものを見られることがない。
【0010】
更に、表示装置を倒し表示手段に何も表示されない状態となり、続いて表示装置を起こしても表示手段には何も表示されない状態が維持される為、仮に訪問者が表示装置を起こして表示手段を見ても、表示手段に表示されていたものを見られることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
〈1.内部構成について〉
図2は、本発明の第一の実施形態に係る電子式フォトフレーム1の内部構成を示すブロック図である。電子式フォトフレーム1は少なくとも、制御部11、フラッシュメモリ12、操作部13、表示部14、バックライト15、センサ部16、音声回路17、スピーカ18、通信I/F(Interface)部19、通信制御部20、電源部21、メモリスロット22、CCD(Charge Coupled Devices)カメラ23、及び時計回路24を含むように構成されている。またメモリスロット22に対して外部記録媒体であるメモリカード90を着脱可能である。
【0012】
制御部11は、電子式フォトフレーム1における画像表示処理を実施するための各装置を制御する。これにより、フラッシュメモリ12に記録されている画像や、外部より入力した画像の表示処理を統括制御する。制御部11は、例えば複数のマイクロプロセッサから構成されている。また制御部11は、各装置(例えばバックライト15等)の制御やデータの計算、加工処理等を行う中枢部分となっている。なお、制御部11が備える各機能部(図1に示す移行受付部11a〜報知部11e)の詳細については後述する。
【0013】
フラッシュメモリ12は、電子式フォトフレーム1が保持する各種データを一時的に記録する媒体である。フラッシュメモリ12は、例えば制御部11によって各種情報処理が行われる際の処理データや、表示部14に表示するための画像データ、音声メッセージ或いは文字メッセージを出力するためのメッセージデータ、電話番号やメールアドレス等の個人データ等を記録する役割を持つ。
【0014】
操作部13は、ユーザが電子式フォトフレーム1に対して、画像の切り替え指示やユーザ情報の入力指示等の各種指示を行うためのものである。操作部13により入力された指示は制御部11により受け付けられ、指示の内容に基づいて各種制御処理が行われる。操作部13は例えば、複数の操作ボタンや、表示部14に含まれるタッチパネル部材により、ユーザ操作を受け付けることが可能である。
【0015】
表示部14は、液晶パネル及びドライバ等からなるLCD(Liquid Crystal Display)モジュールであり、その背後にバックライト15を備えている。バックライト15は液晶パネルの裏側に配置されている発光装置である。バックライト15は、例えば光源に冷陰極管を用いるエッジライト方式や、蛍光ランプを液晶パネルの背面に並べる直下型方式のものを用いる。このバックライト15の光源の発光量は、後述する発光量調整部11cにより調整される。また表示部14の内部には、タッチパネル部材等の操作受付用部材が含まれており、これらの部材で受け付けた操作を操作部13へ与えることも可能である。
【0016】
センサ部16は、電子式フォトフレームの近傍に存在する移動体を検知する移動体センサを含む。移動体センサとしては例えば、人体から発生する赤外線を感知する赤外線センサ、レーザ光やLED(発光ダイオード)光等を発生してその反射光により移動体の近接を感知する光センサ、超音波を発生してその反射波により移動体の近接を感知する超音波センサ、大気の温度変化を測定することにより人体を検知する大気センサ等を用いることが可能である。またセンサ部16は、周囲の明るさを検知する照度センサ(=照度検知部)も含むように構成されている。
【0017】
音声回路17は、制御部11より与えられた音声信号のD/A変換及び増幅を行い、スピーカ18より出力する。この際、アンプのゲインを調整することにより、出力音量の変更を行うことが可能である。
【0018】
通信I/F部19は、電子式フォトフレーム1を通信ネットワークと接続するための物理的なインタフェースである。通信I/F部は例えば、IEEE802.3規格に準拠した有線LANに接続するためのLANケーブルコネクタや、IEEE802.11規格に準拠した無線LANに接続するための無線アンテナ等を備えている。また、画像データを入力するための入力インタフェースとして、シリアルケーブル接続用ソケットや、赤外線通信用の赤外線素子(IrDA)を備える形態でもよい。
【0019】
通信制御部20は、通信I/F部19により接続された外部装置、例えばメールサーバや携帯電話等と相互通信を行うための通信制御を行う。これにより、電子メールの送受信を行ったり、外部の携帯電話で撮像された画像の受信等を実施することが可能である。また通信I/F部19が無線アンテナを備える場合、無線通信網を介する無線通信の制御を行う役割も持つ。
【0020】
電源部21は、外部電源(不図示)より電力の供給を受け、電子式フォトフレーム1の各部に対して電源電圧を与える。電源部21は、外部電源より電力供給を受けるための電源コードを接続する接続端子(図5に示す電源コード接続端子21a)を備えている。この接続端子は、電子式フォトフレーム1の背面側等に設けられている。
【0021】
或いは電源部21は、電源として乾電池或いは二次電池を使用することにより、外部電源から切り離された状態で電子式フォトフレーム1の駆動を可能とする形態であってもよい。二次電池としては例えば、充電式アルカリ電池やリチウムイオンバッテリ等を用いることが可能である。
【0022】
メモリスロット22は、SDメモリカード90等の外部記録媒体を接続して情報の伝送を行うインタフェースである。SDメモリカード90には例えば、デジタルカメラで撮影した静止画や動画が記録されている。メモリスロット22は制御部11からの指示により、これらのデータをフラッシュメモリ12にコピーする。これにより、外部から入力した画像を表示部14により表示することができる。
【0023】
CCDカメラ23は、画像撮像素子としてCCDを用いた撮影部である。CCDは撮影レンズユニット(不図示)により結像された被写体の光像(光学情報)をR(赤)・G(緑)・B(青)の色成分の画像データに光電変換して出力する。なおCCDは、タイミングジェネレーター(不図示)により駆動されることにより、例えば絞りや露光時間の制御等が行われる。CCDカメラ23により得られた画像データは、フラッシュメモリ12に記録される。
【0024】
時計回路24は、現在時刻を常時カウントするための計時用回路であり、例えばユーザに対する現在時刻の通知や、後述する報知部11eにより現在時刻が画像の表示禁止時刻に該当するかどうかの判定を行う場合等に用いられる。
〈2.機能部の構成について〉
ここで、本発明の一実施形態に係る電子式フォトフレーム1の発光量調整処理及び報知処理を実施するための各機能部の関係を、図1の機能ブロック図を用いながら説明する。
【0025】
図1に示すように本発明の発光量調整処理及び報知処理は少なくとも、制御部11が備える移行受付部11a、時刻受付部11b、発光量調整部11c、表示切替部11d、及び報知部11eと、フラッシュメモリ12と、操作部13と、表示部14と、バックライト15と、センサ部16と、通信制御部20と、CCDカメラ23と、時計回路24とにより実現される。
【0026】
移行受付部11aは、操作部13からの操作を受付、その操作に基づいて表示切替部11dやフラッシュメモリ12等を制御するためのものである。
【0027】
時刻受付部11bは、操作部13から入力された時刻情報に基づいて現在時刻を計時するためのものである。
【0028】
発光量調整部11cは、バックライト15が発する光の強さを調整するためのものである。
【0029】
表示切替部11dは、表示部14に画像を表示するか否かを制御するためのものである。
〈3.電子式フォトフレームの外観について〉
ここで、本発明の第一の実施形態に係る電子式フォトフレーム1の外観を、図3の正面図、図4の上面図、及び図5の背面図を用いながら説明する。
【0030】
図3は、電子式フォトフレーム1の前面に備えられた各装置部の一例を示した正面図である。図3に示すように電子式フォトフレーム1の前面は、表示部14、センサ部16が含む光センサ16a、及びCCDカメラ23を含むように構成されている。また図4は、電子式フォトフレーム1の上面に備えられた各装置部の一例を示した上面図である。図4に示すように電子式フォトフレーム1の上面は、メモリスロット22を備えている。
【0031】
図3及び図4に示すように、本実施形態の電子式フォトフレーム1は、その左右両端部1bが本体部1aに対して所定の角度だけ前方へ傾斜している。これにより、左右両端部1bに備え付けられた光センサ部16aは、その出射光81を電子式フォトフレーム1の前部近傍において交差するようになっている。これにより、電子式フォトフレーム1の前方に近接及び離反する移動体により反射した反射光82を観測することにより、移動体を検知したり、筐体が倒れたか否かを検知することが可能である。
【0032】
また電子式フォトフレーム1はその前面に、CCDカメラ23が備え付けられている。このため、光センサ16aが移動体を検知し、且つ報知部11eにより侵入者検知の報知を行う必要があると判定された場合に、電子式フォトフレーム1の前方に存在する移動体を撮像して外部通信装置へ送信することが可能である。
【0033】
図5は、電子式フォトフレーム1の背面に備えられた各装置部の一例を示した背面図である。図5に示すように電子式フォトフレーム1の背面は、通信I/F部19が備えるLANコネクタ19a、電源部21が備える電源コード接続端子21a、及び支持用脚部25を備えている。LANコネクタ19aはLANケーブルを接続することにより、電子式フォトフレーム1をネットワークに接続するための端子である。電源コード接続端子21aは電源コード(不図示)を取り付けて商用電源から電力の供給を受けるためのものである。
【0034】
支持用脚部25は、本体部1aに回動自在に設けられ、本体部1aを背後から指示するための部材である。支持用脚部25は、本体部1aの表面の傾斜を急にしたり、又は緩やかにしたり、適宜調節可能な構成をしている。また支持用脚部25は回動することにより、本体部1aの上下の向きを変更することが可能である。
〈4.発光量調整処理及び報知処理について〉
ここで、本発明の一実施形態に係る電子式フォトフレーム1の処理を、図1〜図5のブロック図と図6のフロー図とを用いながら説明する。
【0035】
図6は、本発明に係る処理フローを示したフローチャートである。
まず、筐体がたっている状態であり且つ表示部14に何らかの画像を表示している状態で、制御部11はステップS110において、センサ部16が備える光センサ16aにより、筐体が倒れたか否かを判定する。光センサ16aは図4に示すように電子式フォトフレーム1の前面に設けられているため、例えば筐体が倒れて表示部14が地面と対向する位置になると、光センサ16aがこれを検知する。
【0036】
センサ部16により筐体が倒れたことが検出されると、制御部11は、S120ステップへ処理を進める。S120ステップでは、制御部11は、表示部14の表示をオフし、S130ステップへ処理を進める。
【0037】
制御部11は、S130ステップにおいて、センサ部16から筐体が倒れた状態から立てた状態になったことを示す信号を検出すると、S140ステップへ処理を進める。
【0038】
S140ステップでは、制御部11は、表示部14の表示オフを維持し、S150ステップへ処理を進める。S150ステップでは、制御部11は、操作部13から所定の操作があると判定すると、表示部14に画像を表示させ、処理を終了する。尚、このとき表示される画像は、S110ステップ以降を実施する前に表示部14に表示されていた画像である。
【0039】
尚、本実施例装置を以下のように実施しても良い。例えば、図6のS130ステップにおいて筐体をたててから所定時間以内は表示のオフを維持し、所定時間が経過すると自動的に表示をオンする構成としても良い。所定時間の計時は、制御部11内部にタイマを搭載することにより計時を行うことが可能である。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0040】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0041】
(A)本実施形態では、発光量調整処理及び報知処理を行う表示装置として電子式フォトフレーム1を例として説明しているが、表示部を備えたこれ以外の装置において本発明を用いる形態でもよい。例えば、カーナビ、ポータブルテレビ、PCモニタ等において用いる形態であってもよい。
【0042】
(B)本実施形態では、本発明の発光量調整処理及び報知処理に関わる電子式フォトフレーム1の各種機能部が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、各種機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】は、本発明の表示装置が備える機能部の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】は、本発明の表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】は、本発明の表示装置の外観を示す前面図である。
【図4】は、本発明の表示装置の外観を示す上面図である。
【図5】は、本発明の表示装置の外観を示す背面図である。
【図6】は、本発明の発光量調整処理及び報知処理の処理フローを示すフロー図である。
【符号の説明】
【0044】
1 電子式フォトフレーム
11 制御部
11a 移行受付部
11b 時刻受付部
11c 発光量調整部
11d 表示切替部
11e 報知部
14 表示部
15 バックライト
16 センサ部
19 通信I/F部
20 通信制御部
23 CCDカメラ
24 時計回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、筐体が倒れた状態であるか否かを検出するセンサ手段と、を備えた表示装置であって、
前記センサ手段により筐体が倒れたことが検出されると前記表示手段の表示を停止することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であり、前記表示手段の表示を停止した後に、所定の操作が施されるまで前記表示手段の表示停止を維持することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置であり、前記センサ手段により筐体が倒れたことが検出されると前記表示手段の表示を停止し、続いて前記センサ手段により筐体が倒れていない状態であることが検出されても、前記表示手段の表示停止を維持することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−198564(P2009−198564A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37338(P2008−37338)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】