説明

表示装置

【課題】表示パネルの故障を、その故障の原因の種別に拘らず正確に検知する技術を提供する。
【解決手段】表示装置1は、第1画像を映し出すことが可能な表示パネル2と、表示パネル2によって映し出された第1画像を撮影する外部カメラ3と、外部カメラ3によって撮影された第1画像に基づいて、表示パネル2の故障を検知する故障検知部4と、を備える。表示装置1は、故障検知部4による検知結果に基づいて、表示パネル2のうち第1画像を正常に映し出すことが可能な矩形領域としての表示可能領域Lを算出して特定する表示可能領域算出部6と、補助表示可能領域算出部8によって算出された表示可能領域Lに表示パネル2が第1画像を縮小して表示するように表示パネル2を制御する表示パネル制御部7と、を更に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、特許文献1は、液晶表示装置の故障に関連した技術を開示している。液晶表示装置は、一般に、表示パネル、複数のソースドライバ、複数のゲートドライバ、各ドライバへスタート信号を出力するタイミング制御部、バックライトなどから構成されている。そして、何れかのソースドライバが故障した際は、その故障したソースドライバを特定すると共に、表示パネル上で表示可能な領域を判定し、その領域に、本来表示パネル全体で表示すべき画像を縮小表示させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−107933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の技術では、ドライバの故障にしか対応することができない。
【0005】
本願発明の目的は、表示パネルの故障を、その故障の原因の種別に拘らず正確に検知する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の観点によれば、第1画像を映し出すことが可能な表示パネルと、前記表示パネルによって映し出された前記第1画像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段によって撮影された前記第1画像に基づいて、前記表示パネルの故障を検知する故障検知手段と、を備えた表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本願発明によれば、前記表示パネルに映し出された最終的な前記第1画像に基づいて前記表示パネルの故障を検知しているので、前記表示パネルの故障を、その故障の原因の種別に拘らず正確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、表示装置の機能ブロック図である。(第1実施形態)
【図2】図2は、表示装置の斜視図である。(第2実施形態)
【図3】図3は、表示装置の機能ブロック図である。(第2実施形態)
【図4】図4は、表示装置の制御フローである。(第2実施形態)
【図5】図5は、正常動作時における表示パネルの正面図である。(第2実施形態)
【図6】図6は、異常発生時における表示パネルの正面図である。(第2実施形態)
【図7】図7は、表示装置の機能ブロック図である。(第3実施形態)
【図8】図8は、表示装置の制御フローである。(第3実施形態)
【図9】図9は、異常発生時における表示パネルの正面図である。(第3実施形態)
【図10】図10は、異常発生時における表示パネルの正面図である。(第4実施形態)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
先ず、図1を参照しつつ、本願発明の第1実施形態を説明する。
【0010】
図1に示すように、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置といった表示装置1は、表示パネル2と、外部カメラ3(撮影手段)と、故障検知部4(故障検知手段)と、を備えて構成されている。
【0011】
表示パネル2は、第1画像を映し出すものである。
【0012】
外部カメラ3は、表示パネル2によって映し出された第1画像を撮影するものである。外部カメラ3は、例えば、CCDカメラやCMOSカメラ(裏面照射型を含む)である。
【0013】
故障検知部4は、外部カメラ3によって撮影された第1画像に基づいて、表示パネル2の故障を検知するものである。
【0014】
以上の構成によれば、表示パネル2に映し出された最終的な第1画像に基づいて表示パネル2の故障を検知しているので、表示パネル2の故障を、その故障の原因の種別に拘らず正確に検知することができる。
【0015】
(第2実施形態)
次に、図2〜6を参照しつつ、第2実施形態を説明する。
【0016】
図2及び図3に示すように、表示装置1は、表示パネル2と、外部カメラ3と、制御部5(制御手段)と、を備えて構成されている。
【0017】
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備えて構成されている。そして、ROMに記憶されている制御プログラムがCPUによって読み込まれ、CPU上で実行されることで、制御プログラムは、CPUなどのハードウェアを、故障検知部4、表示可能領域算出部6(表示可能領域算出手段)、表示パネル制御部7(表示パネル制御手段)として機能させる。
【0018】
表示パネル2は、制御部5又は表示パネル制御部7からの制御信号に基づいて、所望の第1画像を映し出す。本実施形態において、第1画像は、図5に示すように、コンパクトカーの写真である。
【0019】
外部カメラ3は、表示パネル2によって映し出された第1画像を撮影して画像データを生成し、生成した画像データを制御部5の故障検知部4に出力する。外部カメラ3は、図2に示すように、表示パネル2の上縁に着脱可能に設けられた後付けのカメラである。
【0020】
故障検知部4は、外部カメラ3から入力された画像データに基づいて、表示パネル2の故障を検知し、その検知結果を表示可能領域算出部6に出力する。ここで、「検知結果」とは、表示パネル2の故障の発生箇所の位置情報を含む。
【0021】
表示可能領域算出部6は、故障検知部4からの検知結果に基づいて、表示パネル2のうち第1画像を正常に映し出すことが可能な矩形領域としての表示可能領域L(図6参照)を算出して特定し、表示可能領域データを生成する。表示可能領域算出部6は、生成した表示可能領域データを表示パネル制御部7に出力する。なお、「正常に映し出す」とは、「縮尺を変えて映し出す」ことを含むものとする。
【0022】
表示パネル制御部7は、表示可能領域算出部6から入力された表示可能領域データに基づいて、表示パネル2の表示可能領域Lに表示パネル2が第1画像を縮小して表示するように表示パネル2を制御する。
【0023】
次に、図4等を参照しつつ、表示装置1の作動を説明する。
【0024】
表示装置1の電源を投入すると(S300)、制御部5は、表示パネル2に第1画像を表示する(S310)。次に、外部カメラ3は、表示パネル2に映し出された第1画像を撮影して画像データを生成し(S320)、生成した画像データを制御部5の故障検知部4に出力する。すると、故障検知部4は、外部カメラ3から入力された画像データについて、故障検知処理を行う(S330)。具体的には、故障検知部4は、公知の画像処理アルゴリズムを利用して、画像データの中で、電気的な故障により定常的に黒又は白のままとなっている画素や、環境的な原因により保護ガラスが汚れていたり傷が着いていたりして第1画像のまま表示されていない画素などを特定する。或いは、故障検知部4は、制御部5が表示パネル2に表示している第1画像を制御部5から別途取得し、その第1画像と、外部カメラ3によって撮影された第1画像を比較することで異常な画素を特定することとしてもよい。
【0025】
故障検知部4による故障検知処理を終え(S330)、故障検知部4によって故障が検知されたら(S340:YES)、制御部5は、その故障について対応可能か判定する(S350)。もし、故障検知部4によって故障が全く検知されなかったら(S340:NO)、処理をS310に戻す。また、もし、故障検知部4によって検知された故障が表示パネル2の全体にわたって広範囲に分布していたら、もはや表示パネル2は全く使用することができないので、制御部5は対応不可と判定し(S350:NO)、第1アラームを出力した上で(S360)、処理を終了する(S370)。「第1アラームを出力する」とは、例えば、「表示装置1に外付けしたアラームランプを点滅させる」や「表示装置1が内蔵しているスピーカから警告音を発する」などを意味する。もし、故障検知部4によって検知された故障が表示パネル2の極一部であったなら、表示パネル2は残された部分を利用するかたちで継続して表示パネル2を使用することができるので、制御部5は対応可能と判定する(S350:YES)。この判定(S350:YES)を受けて、故障検知部4は、故障検知処理の検知結果を表示可能領域算出部6に出力する。
【0026】
表示可能領域算出部6は、故障検知部4による検知結果に基づいて、表示パネル2のうち第1画像を正常に映し出すことが可能な矩形領域としての表示可能領域L(図6参照)を算出して特定し、表示可能領域データを生成する(S380)。表示可能領域算出部6は、この算出に際し、現在の表示可能領域を参酌することができる。図5には、表示パネル2の全体にわたって第1画像が映し出されている。そして、故障検知部4による故障検知処理の結果、図6に示すように表示パネル2の左上に何らかの異常Dが検知されたとする。この場合、表示可能領域算出部6は、図6に示すように、異常箇所を避けるように表示可能領域Lを算出して特定する。そして、表示可能領域算出部6は、算出した表示可能領域Lを表示可能領域データとして表示パネル制御部7に出力する。
【0027】
表示パネル制御部7は、表示可能領域算出部6から入力された表示可能領域データに基づいて、表示パネル2の表示可能領域Lに表示パネル2が第1画像を縮小して表示するように表示パネル2を制御する(S400)。
【0028】
そして、制御部5は、表示パネル2に異常が検出されたとして、第2アラームを出力する(S420)。「第2アラームを出力」とは、「第1アラームの出力」よりも若干控えめなアラームの出力であって、例えば、「表示装置1が内蔵しているスピーカから特別なメロディーを出力する」などを意味する。そして、制御部5は、処理をS320に戻す。
【0029】
以上に本願発明の好適な第2実施形態を説明したが、上記第2実施形態は、要するに、以下の特長を有している。
【0030】
表示装置1は、故障検知部4による検知結果に基づいて、表示パネル2のうち第1画像を正常に映し出すことが可能な矩形領域としての表示可能領域Lを算出して特定する表示可能領域算出部6と、補助表示可能領域算出部8によって算出された表示可能領域Lに表示パネル2が第1画像を縮小して表示するように表示パネル2を制御する表示パネル制御部7と、を更に備える。以上の構成によれば、表示パネル2に第1画像を正常に表示させることができる。
【0031】
(第3実施形態)
次に、図7〜9を参照しつつ、本願発明の第3実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第2実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第2実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0032】
本実施形態において、表示装置1の制御部5は、補助表示可能領域算出部8(補助表示可能領域算出手段)を更に備えている。
【0033】
補助表示可能領域算出部8は、表示パネル2のうち、表示可能領域Lを除いた領域であって、第1画像と同一の又は異なる画像としての第2画像を正常に映し出すことが可能な矩形領域としての補助表示可能領域Mを算出して特定する。
【0034】
そして、表示パネル制御部7は、補助表示可能領域算出部8によって算出された補助表示可能領域算出部8に表示パネル2が第2画像を表示するように表示パネル2を制御する。ここで、「第2画像」とは、表示可能領域Lに縮小表示される第1画像と関連性のある画像であってもよいし、例えば天気予報などの全く関連性のない画像であってもよい。或いは、第1アラームや第2アラームを体現する画像であってもよい。本実施形態において、第2画像は、天気予報情報を含んだ画像である。
【0035】
次に、図8等を参照しつつ、表示装置1の作動を説明する。
【0036】
図8に示すように表示可能領域算出部6が表示可能領域Lの算出を終えると(S380)、補助表示可能領域算出部8は、表示パネル2のうち、表示可能領域Lを除いた領域であって、第2画像を正常に映し出すことが可能な矩形領域としての補助表示可能領域Mを算出する(S390)。図9に示す例では、補助表示可能領域Mを表示可能領域Lの左側に確保している。
【0037】
そして、表示パネル制御部7は、表示パネル2の表示可能領域Lに表示パネル2が第1画像を縮小して表示するように表示パネル2を制御する(S400)。また、表示パネル制御部7は、図9に示すように、表示パネル2の補助表示可能領域Mに表示パネル2が第2画像を表示するように表示パネル2を制御する(S410)。
【0038】
以上に本願発明の好適な第3実施形態を説明したが、上記第3実施形態は、要するに、以下の特長を有している。
【0039】
表示装置1は、表示パネル2のうち、表示可能領域Lを除いた領域であって、第1画像と同一の又は異なる画像としての第2画像を正常に映し出すことが可能な矩形領域としての補助表示可能領域Mを算出して特定する補助表示可能領域算出部8を更に備える。表示パネル制御部7は、補助表示可能領域算出部8によって算出された補助表示可能領域Mに表示パネル2が第2画像を表示するように表示パネル2を制御する。以上の構成によれば、表示パネル2によって視聴者に伝達される情報量を高いレベルに維持することが可能となる。
【0040】
(第4実施形態)
次に、図10を参照しつつ、本願発明の第4実施形態を説明する。ここでは、本実施形態が上記第2実施形態と異なる点を中心に説明し、重複する説明は適宜省略する。また、上記第2実施形態の各構成要素に対応する構成要素には原則として同一の符号を付すこととする。
【0041】
上記第3実施形態では、補助表示可能領域算出部8は、補助表示可能領域Mを1つ算出して特定していた。しかし、これに代えて、補助表示可能領域算出部8は、図10に示すように補助表示可能領域Mを複数(図では2つ)算出して特定してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 表示装置
2 表示パネル
3 外部カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像を映し出すことが可能な表示パネルと、
前記表示パネルによって映し出された前記第1画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって撮影された前記第1画像に基づいて、前記表示パネルの故障を検知する故障検知手段と、
を備えた、
表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記故障検知手段による検知結果に基づいて、前記表示パネルのうち前記第1画像を正常に映し出すことが可能な矩形領域としての表示可能領域を算出して特定する表示可能領域算出手段と、
前記表示可能領域算出手段によって算出された前記表示可能領域に前記表示パネルが前記第1画像を縮小して表示するように前記表示パネルを制御する表示パネル制御手段と、
を更に備えた、
表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示装置であって、
前記表示パネルのうち、前記表示可能領域を除いた領域であって、前記第1画像と同一の又は異なる画像としての第2画像を正常に映し出すことが可能な矩形領域としての補助表示可能領域を算出して特定する補助表示可能領域算出手段と、
を更に備え、
前記表示パネル制御手段は、前記補助表示可能領域算出手段によって算出された前記補助表示可能領域に前記表示パネルが前記第2画像を表示するように前記表示パネルを制御する、
表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の表示装置を備えた液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1〜3の何れかに記載の表示装置を備えた有機EL表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−173442(P2012−173442A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34156(P2011−34156)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】