説明

表裏面測定プローブ、表裏面測定装置および表裏面測定方法

【課題】被測定物の表裏面形状にかかわらず、1つのプローブで被測定物の表裏面を高精度に測定できる表裏面測定プローブ、表裏面測定装置および表裏面測定方法を提供する。
【解決手段】プローブ本体10と、両端に接触子22,23を有する検出軸20と、この検出軸20をプローブ本体10に対して検出軸20の軸方向へ移動可能に支持するガイド機構30と、検出軸20を軸方向へ移動させる駆動機構40と、検出軸20と同軸上において、検出軸20の移動位置を検出する位置検出手段50とを備える表裏面測定プローブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表裏面測定プローブ、表裏面測定装置および表裏面測定方法に関する。例えば、レンズの表面および裏面の形状などを測定するための表裏面測定プローブ、表裏面測定装置および表裏面測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レンズを金型によって転写、製造する場合、金型の精度や位置ずれなどによっては、製造されたレンズの表面と裏面との光軸がずれ、目的とする光学特性が得られない場合がある。
そのため、従来、レンズの表裏面形状を評価する方法として、2本のプローブを用いてレンズを表裏面から挟み込み、これらを接触させた状態において、プローブとレンズとを相対移動させ、この移動によるプローブの軸方向の変位量を求めることにより、レンズの表裏面形状を測定するもの(例えば、特許文献1参照)、あるいは、1本のプローブを用いてレンズの表面を測定したのち、レンズを反転させてレンズの裏面を測定するもの(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
【0003】
しかし、特許文献1記載の方法では、2本のプローブを必要とするため、装置が複雑化するうえ、プローブごとの誤差によって高精度測定が期待できないなどの課題がある。
また、特許文献2記載の方法では、レンズを反転させたときの回転系の誤差により、正確な測定が期待できないという課題がある。
【0004】
これらの課題を解決することを目的として、特許文献3の形状測定機が提案されている。
この形状測定機は、レンズをその光軸を中心として回転させる回転機構と、レンズの光軸に対して直交する方向へ延びるように配置されたプローブと、このプローブの先端をレンズに接触させた状態において、プローブをレンズの光軸方向およびこれに直交する方向へ移動させる相対移動機構とを備える。
【0005】
このような構成において、回転機構によりレンズを回転させるとともに、プローブの先端をレンズの表面に接触させる。この状態において、相対移動機構を動作させ、プローブをレンズの光軸方向およびこれに直交する方向へ移動させると、プローブはレンズの表面から裏面にならってレンズの光軸方向へ移動されるから、レンズの表面から裏面にわたるプローブの移動量を求めれば、この移動量からレンズの表裏面形状を求めることができる。
【0006】
【特許文献1】特開平11−160038号公報
【特許文献2】特開2002−71344号公報
【特許文献3】特開2005−337908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献3に記載された形状測定機においては、レンズを反転させることなく、先端に1つの接触子を有する1本のプローブを用いて、レンズの表裏面を測定するものであるため、プローブをレンズの光軸に対して直交して配置し、このプローブの先端接触子をレンズに接触付勢した状態で測定を行う必要がある。そのため、レンズの表裏面が凸面であれば測定可能であるが、レンズの表裏面が凹面などでは測定不能になる場合がある。
【0008】
また、特許文献3に記載の形状測定機では、プローブ以外の回転機構を用いて、レンズの表面および裏面を交互に測定する必要があり、回転機構の回転精度が測定結果に加味されるうえ、ワーク(レンズ)のセッティングによってはレンズの光軸が動いてしまい、光軸中心に回転・測定を行うことが不可能である。
【0009】
本発明の目的は、被測定物の表裏面形状にかかわらず、1つのプローブで被測定物の表裏面を高精度に測定できる表裏面測定プローブ、表裏面測定装置および表裏面測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の表裏面測定プローブは、プローブ本体と、両端に接触子を有する検出軸と、 この検出軸を前記プローブ本体に対して検出軸の軸方向へ移動可能に支持するガイド機構と、前記検出軸を軸方向へ移動させる駆動機構と、前記検出軸と同軸上において、前記検出軸の移動位置を検出する位置検出手段とを備えた、ことを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、検出軸の両端に接触子を有しているから、この両端の接触子を利用して被測定物の表裏面の形状などを測定できる。つまり、検出軸の一方の接触子が被測定物の表面に対向した状態において、駆動機構の作動により検出軸を軸方向へ進退させながら、検出軸の一方の接触子を被測定物の表面に接触させ、被測定物の表面形状を測定する。こののち、表裏面測定プローブと被測定物とを、その姿勢のまま相対移動させて、検出軸の他方の接触子を被測定物の裏面に対向させる。この状態において、駆動機構の作動により検出軸を軸方向へ進退させながら、検出軸の他方の接触子を被測定物の裏面に接触させ、被測定物の裏面形状を測定する。
従って、被測定物を反転させることなく、1本のプローブを用いて被測定物の表裏面を測定することができる。しかも、検出軸が被測定物の表裏面に対向した状態(例えば、略直交した状態)で、軸方向へ進退しながら測定が行われるため、被測定物の表裏面の形状にかかわらず、高精度な測定が期待できる。
また、1回の段取りで、かつ、座標系も変えずに、1つのプローブで被測定物の表裏面を測定できる。とくに、本発明では、プローブ本体に対してガイド機構を介して検出軸が軸方向へ移動可能に支持され、この検出軸と同軸上において、検出軸の移動位置を検出する位置検出手段が設けられているから、アッベ誤差を排除できる。このことからも、被測定物の表裏面を高精度に測定できる。
【0012】
本発明の表裏面測定プローブにおいて、前記位置検出手段は、前記検出軸と同軸上に設けられたスケール部材と、このスケール部材に対向して前記プローブ本体に固定された検出器とを含んで構成されている、ことが好ましい。
ここで、位置検出手段としては、光電式、静電容量式、磁気式などいずれの検出方式でもよい。
このような構成によれば、検出軸の軸上にスケール部材を配置するとともに、プローブ本体に検出器をスケール部材に対向して配置すればよいから、簡単にしかも狭いスペースでも配置できる。
【0013】
本発明の表裏面測定プローブにおいて、前記駆動機構は、前記検出軸の略中央位置において前記プローブ本体に設けられ、前記ガイド機構は、前記駆動機構を挟んで前記検出軸の両側位置において前記プローブ本体と前記検出軸との間に設けられている、ことが好ましい。
このような構成によれば、検出軸の略中央位置に駆動機構が、この駆動機構を挟んだ検出軸の両側にガイド機構が配置されているから、つまり、駆動機構およびガイド機構が、検出軸の長手方向中央を中心とした対称構造に構成されている。また、このような構成にすることによって、通常の1つの接触子(触針)をもった検出軸のガイドに比べ、検出軸の保持スパンを広げることができ、つまり、駆動機構を挟んだ検出軸の両側に離れてガイド機構が配置されているから、検出軸の保持スパンを広げることができる。そのため、検出軸の安定した移動が期待でき、検出軸の一方の接触子を用いた測定と、検出軸の他方の接触子を用いた測定とで同じ運動性能を保つことができる。
【0014】
本発明の表裏面測定装置は、上述した表裏面測定プローブと、被測定物を載置するテーブルと、前記表裏面測定プローブと前記テーブルとを、前記表裏面測定プローブの検出軸方向およびこれに直交する少なくとも1軸方向へ相対移動させる相対移動機構とを備えた、ことを特徴とする。
このような構成によれば、表裏面測定プローブとテーブルとを、表裏面測定プローブの検出軸方向およびこれに直交する少なくとも1軸方向へ相対移動させる相対移動機構を備えているから、この相対移動機構により、表裏面測定プローブと被測定物とを、その姿勢のまま相対移動させて、検出軸の他方の接触子を被測定物の裏面に対向させることができる。従って、1つのプローブで被測定物の表裏面を高精度に測定できる。
【0015】
本発明の表裏面測定方法は、上述したいずれかの表裏面測定プローブを用いて被測定物の表裏面を測定する表裏面測定方法であって、前記表裏面測定プローブの一方の接触子を前記被測定物の表面に接触させつつ、前記表裏面測定プローブと前記被測定物とを前記検出軸方向に対して直交する少なくとも1軸方向へ相対移動させながら前記被測定物の表面形状を測定する表面形状測定工程と、前記表裏面測定プローブと前記被測定物とをその姿勢のまま前記検出軸方向およびこれに直交する1軸方向へ相対移動させたのち、前記表裏面測定プローブの他方の接触子を前記被測定物の裏面に接触させつつ、前記表裏面測定プローブと前記被測定物とを前記検出軸方向に対して直交する少なくとも1軸方向へ相対移動させながら前記被測定物の裏面形状を測定する裏面形状測定工程と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、上述した表裏面測定プローブによる効果に加え、被測定物を回転させる回転機構を必要としないため、回転機構を用いたことによる問題も発生することがなく、被測定物の表裏面を高精度に測定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
<全体構成の説明(図1および図2参照)>
図1は、本実施形態に係る表裏面測定装置を示す正面図、図2は、同表裏面測定装置の側面図である。
本実施形態に係る表裏面測定装置は、基台1と、被測定物を載置するテーブルとしてのXYステージ2と、このXYステージ2を水平面内の互いに直交するXおよびY軸方向へ変位させるX軸駆動機構3およびY軸駆動機構4と、基台1の上面に跨って設けられた門形フレーム5と、この門形フレーム5のクロスレール5Aに設けられたZ軸スライダ6と、このZ軸スライダ6をXおよびY軸方向に対して直交するZ軸方向へ変位させるZ軸駆動機構7と、Z軸スライダ6の下端に取り付けられた表裏面測定プローブ9とを含んで構成されている。
【0017】
XYステージ2は、上面に被測定物を載置する平坦な載置面2Aを有し、その載置面2Aと平行な面内において互いに直交するXおよびY軸方向へ移動可能に設けられている。
X軸駆動機構3およびY軸駆動機構4は、例えば、ボールねじ軸と、このボールねじ軸に螺合されたナット部材とを有する送りねじ機構によって構成されている。
Z軸駆動機構7も、X軸駆動機構3やY軸駆動機構4と同様に、例えば、ボールねじ軸と、このボールねじ軸に螺合されたナット部材とを有する送りねじ機構によって構成されている。
なお、これら X軸駆動機構3およびY軸駆動機構4、門形フレーム5、Z軸スライダ6、Z軸駆動機構7などは、表裏面測定プローブ9とテーブルとしてのXYステージ2とを、表裏面測定プローブの検出軸方向(X軸方向)およびこれに直交する方向(Y軸方向、Z軸方向)へ相対移動させる相対移動機構を構成している。
【0018】
<表裏面測定プローブ9の説明(図3〜図5参照)>
表裏面測定プローブ9は、図3に示すように、ブラケット8に取り付けられたプローブ本体10と、両端に接触子22,23を有する検出軸20と、この検出軸20をプローブ本体10に対して検出軸20の軸方向へ移動可能に支持するガイド機構30と、検出軸20を軸方向へ移動させる駆動機構40と、検出軸20と同軸上において検出軸20の移動位置を検出する位置検出手段50とを含んで構成されている。
【0019】
プローブ本体10は、ブラケット8に着脱可能(または一体)に取り付けられ、X方向に貫通した貫通孔11を有している。
検出軸20は、プローブ本体10の貫通孔11に相当する長さで貫通孔11の孔径より小さい直径を有する円柱状の検出軸本体21と、この検出軸本体21の両端に着脱可能(または一体的)にかつ検出軸本体21と同軸上に連結された一対の接触子22,23を有する。接触子22,23は、検出軸本体21の両端から突出されたスタイラス24と、このスタイラスの先端に球状に形成された接触球25とを有する。
【0020】
ガイド機構30は、駆動機構40を挟んで検出軸20の両側位置において、プローブ本体10と検出軸本体21との間に配置されている。これらのガイド機構30は、図4に示すように、円筒形状のリテーナ31と、このリテーナ31の所定位置に回転可能に保持された複数のボール32とを有するボールガイドによって構成されている。なお、ガイド機構30については、ボールガイドに限らず、プローブ本体10の貫通孔11と検出軸本体21との隙間にエアーを噴出するエアーガイドなどでもよい。
【0021】
駆動機構40は、検出軸20の略中央位置において、プローブ本体10に設けられている。駆動機構40としては、ボイスコイルモータやリニアモータなどを利用できる。
例えば、リニアモータの場合、プローブ本体10側に固定子としてのコイルを配置し、可動子としてのマグネットを検出軸20側に配置した構成でもよい。要は、検出軸20に対して、検出軸20の軸方向へ推力を付与できる機構であれば、どのような機構であってもよい。
【0022】
位置検出手段50は、図5に示すように、検出軸20の中心軸上に検出軸20の軸方向に沿って設けられたスケール部材51と、このスケール部材51に僅かな隙間を隔ててかつ対向してプローブ本体10に固定された検出器52とを含んで構成されている。具体的には、検出軸20の外周面の一部に検出軸20の軸中心に達する深さを有する凹溝が検出軸20の軸方向に沿って形成され、この凹溝の内底面にスケール部材51が配置され、このスケール部材51に対向して検出器52がプローブ本体10に固定されている。ここでは、これらの検出原理については、特に問わない。例えば、光電式、静電容量式、磁気式などいずれの検出原理、方式であってもよく、要は、検出軸20の移動位置を高精度に検出できる構造であればよい。なお、図5において、53は検出軸20が回転するのを規制する回転止めである。
【0023】
<レンズの表裏面形状測定の説明(図6および図7参照)>
最初に、被測定物Wの表面Waの測定を行う。
まず、図6に示すように、被測定物Wの表面Waに対して、表裏面測定プローブ9の一方の接触子22を対向させたのち、駆動機構40を動作させる。すると、検出軸20が進出し、一方の接触子22が被測定物Wの表面Waに接触される。このとき、検出軸20の移動位置が位置検出手段50によって検出されるから、この検出値から被測定物Wの表面形状(接触子22が接触した位置の座標)を求めることができる。
また、必要に応じて、Z軸駆動機構7を駆動させたり、更に、X軸駆動機構3およびY軸駆動機構4を駆動させれば、被測定物Wの表面Waを面領域で測定することができる。
【0024】
次に、被測定物Wの裏面Wbの測定を行う。
図7に示すように、表裏面測定プローブ9と被測定物Wとを、その姿勢のまま検出軸20の軸方向および検出軸20に対して直交する1軸方向へ相対移動(ここでは、X軸駆動機構3およびZ軸駆動機構7の駆動によりX軸方向およびZ軸方向へ相対移動)させて、表裏面測定プローブ9の他方の接触子23を被測定物Wの裏面Wbに対向させたのち、駆動機構40を作動させる。すると、検出軸20が後退し、他方の接触子23が被測定物Wの裏面Wbに接触される。このとき、検出軸20の移動位置が位置検出手段50によって検出されるから、この検出値から被測定物Wの裏面形状(接触子23が接触した位置の座標)を求めることができる。
また、同様にして、Z軸駆動機構7を駆動させたり、更に、X軸駆動機構3およびY軸駆動機構4を駆動させれば、被測定物Wの裏面Wbを面領域で測定することができる。
【0025】
<実施形態の効果>
本実施形態の表裏面測定装置によれば、表裏面測定プローブ9と被測定物Wを載置するXYステージ2とを、表裏面測定プローブ9の検出軸方向およびこれに直交する方向へ相対移動させる相対移動機構とを備え、表裏面測定プローブ9は検出軸20の両端に接触子22.23を有した構造であるから、これら接触子22,23を被測定物Wの表面および裏面に対向させた状態において、検出軸20を軸方向へ進退させながら、被測定物Wの表面Waおよび裏面Wbの形状などを測定できる。従って、被測定物Wを反転させることなく、1本のプローブ9を用いて被測定物Wの表裏面を測定することができ、しかも、検出軸20が被測定物Wの表裏面に対して略直交した状態で、軸方向へ進退しながら測定が行われるため、被測定物Wの表裏面形状が凹面などであっても、高精度な測定が期待できる。また、1回の段取りで、かつ、座標系も変えずに、1つのプローブで被測定物Wの表裏面を測定できる。
【0026】
とくに、プローブ本体10に対してガイド機構30を介して検出軸20が軸方向へ移動可能に支持され、この検出軸20と同軸上において、検出軸20の移動位置を検出する位置検出手段50が設けられているから、アッベ誤差を排除できる。そのため、被測定物Wの表裏面を高精度に測定できる。
【0027】
位置検出手段50は、検出軸20の同軸上に設けられたスケール部材51と、このスケール部材51に対向してプローブ本体10に固定された検出器52とを含んで構成されているから、検出軸20の軸中心にスケール部材51を軸方向に沿って配置するとともに、プローブ本体10に検出器52をスケール部材51に対向して配置すればよいから、簡単にしかも狭いスペースでも配置できる。
【0028】
駆動機構40は、検出軸20の略中央位置においてプローブ本体10に設けられ、ガイド機構30は、駆動機構40を挟んで検出軸20の両側位置においてプローブ本体10と検出軸20との間に配置されているから、つまり、駆動機構40およびガイド機構30が、検出軸20の長手方向中央を中心とした対称構造に構成され、通常のプローブに比べガイド機構の保持スパンを広く(長く)できるため、検出軸20の安定した移動が期待でき、検出軸20の一方の接触子22を用いた測定と、検出軸20の他方の接触子23を用いた測定とで同じ運動性能を保つことができる。
【0029】
<変形例>
本発明は、前述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
前記実施形態では、XYステージ2をX軸方向およびY軸方向へ移動可能に構成したが、XYステージ2と表裏面測定プローブ9とを、水平面内の互いに直交するXおよびY軸方向へ相対変位可能に構成してもよい。例えば、ステージ2をY軸方向へ変位可能に構成するとともに、表裏面測定プローブ9をX軸およびZ軸方向へ移動可能に構成するようにしてもよい。
【0030】
前記実施形態では、ステージ2と表裏面測定プローブ9とが、X,Y,Z軸方向へ相対移動する三次元の測定装置を対象としたが、例えば、表裏面測定プローブ9がZ軸方向へ移動可能で、ステージ2がX,Y軸方向のいずれか一軸方向へ移動可能な構成、つまり、二次元の測定装置であってもよい。
【0031】
前記実施形態では、被測定物としてレンズを測定する場合について説明したが、これに限られない。表面と裏面との形状精度などが要求される被測定物全般に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、レンズなどの表裏面形状などを測定する測定機に利用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る表裏面測定装置の一実施形態を示す正面図。
【図2】同上実施形態の側面図。
【図3】同上実施形態の表裏面測定プローブを示す断面図。
【図4】図3のVI−VI線断面図。
【図5】図3のV−V線断面図。
【図6】同上実施形態において、被測定物の表面を測定している状態を示す図。
【図7】同上実施形態において、被測定物の裏面を測定している状態を示す図。
【符号の説明】
【0034】
2…XYステージ(テーブル)、
3…X軸駆動機構(相対移動機構)、
4…Y軸駆動機構(相対移動機構)、
6…Z軸スライダ(相対移動機構)、
7…Z軸駆動機構(相対移動機構)、
9…表裏面測定プローブ、
10…プローブ本体、
20…検出軸、
22,23…接触子、
30…ガイド機構、
40…駆動機構、
50…位置検出手段、
51…スケール部材、
52…検出器、
W…被測定物、
Wa…表面、
Wb…裏面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブ本体と、
両端に接触子を有する検出軸と、
この検出軸を前記プローブ本体に対して検出軸の軸方向へ移動可能に支持するガイド機構と、
前記検出軸を軸方向へ移動させる駆動機構と、
前記検出軸と同軸上において、前記検出軸の移動位置を検出する位置検出手段とを備えた、ことを特徴とする表裏面測定プローブ。
【請求項2】
請求項1に記載の表裏面測定プローブにおいて、
前記位置検出手段は、前記検出軸と同軸上に設けられたスケール部材と、このスケール部材に対向して前記プローブ本体に固定された検出器とを含んで構成されている、ことを特徴とする表裏面測定プローブ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の表裏面測定プローブにおいて、
前記駆動機構は、前記検出軸の略中央位置において前記プローブ本体に設けられ、
前記ガイド機構は、前記駆動機構を挟んで前記検出軸の両側位置において前記プローブ本体と前記検出軸との間に設けられている、ことを特徴とする表裏面測定プローブ。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の表裏面測定プローブと、
被測定物を載置するテーブルと、
前記表裏面測定プローブと前記テーブルとを、前記表裏面測定プローブの検出軸方向およびこれに直交する少なくとも1軸方向へ相対移動させる相対移動機構とを備えた、ことを特徴とする表裏面測定装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の表裏面測定プローブを用いて被測定物の表裏面を測定する表裏面測定方法であって、
前記表裏面測定プローブの一方の接触子を前記被測定物の表面に接触させつつ、前記表裏面測定プローブと前記被測定物とを前記検出軸方向に対して直交する少なくとも1軸方向へ相対移動させながら前記被測定物の表面形状を測定する表面形状測定工程と、
前記表裏面測定プローブと前記被測定物とをその姿勢のまま前記検出軸方向およびこれに直交する1軸方向へ相対移動させたのち、前記表裏面測定プローブの他方の接触子を前記被測定物の裏面に接触させつつ、前記表裏面測定プローブと前記被測定物とを前記検出軸方向に対して直交する少なくとも1軸方向へ相対移動させながら前記被測定物の裏面形状を測定する裏面形状測定工程と、を備えることを特徴とする表裏面測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−122138(P2010−122138A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297716(P2008−297716)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】