説明

表面処理をしたネジ山付きのパイプ

石油の抽出工業に対するネジ付きの金属製のパイプは処理された表面を有するネジ山が切られた端の部分をもち、該処理された金属表面は粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの範囲の値をもち、乾燥腐食防止被膜の均一な層(7)および乾燥潤滑剤被膜の第2の均一な層(8)によって覆われている。別法として、該層(8、9)は一緒にされて固体潤滑剤の粒子の分散物を含む乾燥腐食防止被膜の一つの均一な層(9)になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネジ山付きのパイプ、特に石油およびガス抽出工業に使用されるパイプ・セグメント(pipe segment)をつなぎ合わせてストリング(string、ケーシング・ストリング)にするためのネジ山付きの継ぎ手をつくるのに特に適したパイプであって、腐蝕耐性および焼付き耐性を増加させるためにネジ山の部分に表面保護材が取り付けられているパイプに関する。さらに本発明は、腐蝕耐性および焼付き耐性を増加させるために、ネジ山の切られたパイプに対し乾式の表面保護を行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
油田においては,、予め定められた長さの金属のパイプを使用してこれをつなぎ合わせ、抽出すべき石油またはガスの貯留層または貯留池が存在する深さまで到達するストリングをつくることは普通に行われている技術である。
【0003】
この抽出法では、ボーリングを行う際内枠をつくって次々に油井を包み込む必要があり、これは金属の管を用いて行われ、いわゆる油井のケーシング(casing)と呼ばれる。ひとたび所望の深さに達したら,いわゆるチュービング(tubing)と呼ばれる直径の小さい金属パイプのストリングを取り付け、気体または液体状の炭化水素を表面にポンプで汲み上げる。ケーシングおよびチュービングの両方のストリングはパイプ・セグメントからつくられ、これをネジが切られた連結材を用いて互いに継ぎ合わせる。
【0004】
組み立て操作の間、主要な問題は滑らせて接触させるネジの部分およびパイプの他の表面に焼付きが生じることである。焼付きを避けながら連結材の組み立て操作を行うために、オスネジおよびメスネジの機素の表面にドープまたはグリースを使用することが一般的慣行になっている。この操作に通常使用されるドープはその組成物の中にPbまたはCuのような重金属の小さい粒子を含んでいる。他方、これらの金属は健康および環境に対して危険であり、好ましくは使用を避けるべきであろう。
【0005】
上記のような危険に加えて、ドープを使用すると必然的に他の操作が必要になる。即ち連結材のクリーニングおよドーピングであるが、これらの操作は石油産業においてはしばしば悪環境条件下において行わなければならない。これらの望ましくない余分な仕事は費用および時間がかかる仕事である。
【0006】
ドープを使用する際の他の潜在的な危険性は、いわゆるオーバードーピング(overdoping、過剰な機械油の添加)である。即ち連結材のネジの部分にドープが過剰に添加される可能性が現実には存在し、その結果連結材を組み立てる際パイプ・セグメントのネジが切られた端を通して過剰なドープを吸い出すことができなくなる。このようにして捕捉されたドープは連結材の内部に高圧を及ぼし、或る状況においては、ネジ山が切られた部分のパイプ・セグメントに可塑的な変形を起こさせ、継ぎ手のオス部材が潰れることさえある。ひとたびこのような事態が起こると、連結材はもはや効力を失い、パイプ・セグメントおよび/またはスリーブを取り替えなければならない。
【0007】
石油産業のためのネジによる連結材の磨損の問題を主として解決するいくつかの表面処理法が当業界には知られている。しかしこのような解決法は、パイプのネジが切られた部分に乾燥被膜を使用することによって油田における組み立て操作の際の高い焼付き耐性、および高い腐蝕耐性の両方を保証する問題を解決する方法ではない。高い腐蝕耐性をもつ特徴は損傷を受けない方法でパイプを輸送し保管するために必要である。
【0008】
特許文献1には、固体潤滑剤の粒子の分散物を含む樹脂を使用する被覆方法が記載されている。固体のフォスフェート層の上に沈積させた有機性の樹脂を使用する同様な解決法は特許文献2に記載されている。しかし、この両方の文献にはそこに開示された解決法によって腐蝕を防止する方法は与えられていない。同様に特許文献3にも腐蝕の防止方法は開示されていない。また、該特許では連結材の組み立てを行うのにオイルを使用しているから、この方法は乾式法ではなく、オイルを添加するという望ましくない余分な仕事が加わると考えられる。
【0009】
特許文献4では、焼付きを防ぐためにオイル、増稠剤、および添加剤の混合物を使用している。従ってこのような混合物は調節された粘度をもつ湿式被膜として被覆されるから、この被覆法は乾式法ではない。
【0010】
特許文献5には、連結体を腐蝕から保護するための防錆用の被膜が記載されている。この防錆用の被膜は層の中に防錆剤を含むオイルから成っている。しかしこのような層は乾燥した潤滑剤の被膜の上に被覆され、油田において連結体を組み立てる前にこれを除去する必要がある。これによって望ましくない余分な操作が導入される。
【特許文献1】米国特許第4,414,247号明細書。
【特許文献2】米国特許第6,027,145号明細書。
【特許文献3】米国特許第4,692,988号明細書。
【特許文献4】PCT出願国際公開第02/18522号パンフレット。
【特許文献5】PCT出願国際公開第A01/16516号パンフレット。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の概要
本発明の主な目的は、今日普通に見られる最も広い範囲に亙る環境および操作条件下において、優れた組み立て特性および腐蝕耐性を有するパイプに対するネジ山が切られた継ぎ手を作るのに適合した、ネジ山が切られた部分をもつ一定の長さのネジ付きのパイプ・セグメントにより上記の欠点を取り除き、本発明のパイプ・セグメントからつくられた継ぎ手を数回にわたり組み立てたり分解したりした後も最適の性能が保証されるようにすることである。
【0012】
本発明の他の目的は、上記のタイプのパイプ・セグメントのネジ山が切られた部分の表面処理法を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、上記タイプのパイプ・セグメントによって構成された連結材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に従えば上記の目的、および下記の説明によってさらに明確になる他の目的は、実質的に円筒形の壁を有する中央部分、および少なくとも一つのネジ山が切られた端の部分を有する一定の長さをもった石油抽出工業用のパイプ・セグメントであって、ネジ山が切られた端の部分の少なくとも表面は表面の粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの範囲の値をもち、該表面は乾燥腐蝕防止被膜の第1の均一な層によって覆われており、該第1の層は乾燥潤滑剤被膜の第2の均一な層で覆われていることを特徴とするパイプ・セグメントによって達成される。
【0015】
本発明の他の態様に従えば、上記欠点は、上記の特徴を有する石油またはガス抽出工業用の金属パイプのネジ山が切られた端の部分を製造する方法において、
(a)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍においてパイプの金属の表面の粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの間の値をもつようにし、
(b)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍において金属の表面の上に乾燥腐蝕防止用被膜の第1の均一な層を取り付け、
(c)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍において腐蝕防止被膜の第1の均一な層の上に乾燥潤滑剤の被膜の第2の均一な層(8)を取り付ける工程を含んで成る方法によって克服される。
【0016】
本発明のさらに他の他の態様に従えば、上記欠点は、上記の特徴を有する石油またはガス抽出工業用の金属パイプのネジ山が切られた端の部分を製造する方法において、
(a)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍においてパイプの金属の表面の粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの間の値をもつようにし、
(b)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍においてパイプの金属の表面の上に固体潤滑剤の粒子の分散物を含む乾燥腐蝕防止被膜の第1の均一な層を取り付ける工程を含んで成る方法によって克服される。
【0017】
一好適具体化例においては、乾燥腐蝕防止被膜の第1の層はZnの粒子を含むエポキシ樹脂であり、その厚さは10〜20μm、好ましくは10〜15μmの範囲にある。
【0018】
他の好適具体化例においては、乾燥潤滑剤被膜の第2の層は無機性の結合剤、および固体潤滑剤の粒子の混合物からなり、該粒子の1種はMoSであり、その厚さは10〜20μmである。
【0019】
これらの新規特徴のために、このパイプ・セグメントは表面の調整またはオイルまたはグリースの添加を必要としないで組み立てることができる。管セグメントの連結によってつくられるネジ山の上に乾燥潤滑剤被膜および乾燥腐蝕防止層を使用することにより、連結を行うためのネジ山の部分の腐蝕によってパイプがその一体性を失う危険を生じることなく、パイプを油田に輸送し保管することができる。本発明方法によって処理されたパイプによってつくられる連結体は、腐蝕防止層を除去せずに、またオイルまたはグリースを添加せずに油田において組み立てることができるという利点をさらにもっている。
【0020】
本発明の重要な特徴の一つは、ネジによる連結体を構成するオス部材およびメス部材の少なくとも一つの表面を処理し、表面の粗さとして2.0μm<Ra<6.0μmの範囲の値を得ることである。この表面の仕上げの値は次の被膜の付着に対しては必須である。乾燥腐蝕防止被膜の層を同じパイプの金属の処理された表面の上に沈積させる。次にこの腐蝕防止被膜層の上に乾燥潤滑剤の被膜を沈積させる。別法として、固体潤滑剤の粒子の分散物を含む乾燥腐蝕防止被膜の単一の層をパイプの処理された表面の上に被覆することができる。
【0021】
本発明の他の特定の具体化例に従えば、所望の金属表面の粗さはいくつかの方法、例えば吹き付加工、フォスフェート層の被覆、または他の同等な機械的または化学的方法で達成することができる。
【0022】
本発明の好適具体化例の説明
次に、添付図面を参照し本発明を限定しない好適具体化例により本発明のパイプを説明する。
【0023】
連結は、端の部分にネジ山をもった外側の截頭円錐面を備えたオスの機素として作用する管1、いわゆる「ピン」、並びにボックスの部分に対応する内側の截頭円錐面を備えたメスの機素2、いわゆる「ボックス」を含んでなり、これは一般にパイプまたは連結用のスリーブに対応している。オスの機素1は外側のネジ山3を有し、メスの機素2は内側のネジ山4をもっている。図2にはパイプ1のネジ山が切られた部分5の拡大図が示されており、この部分にはネジ山の表面に保護層6が備えられている。
【0024】
メスの機素2のネジ山が切られた部分は完全に同様な形をしているか、或いは保護層なしでつくられ、保護層を備えたオスの機素に連結することができる。
【0025】
保護層6の組成の拡大図が図3に示されており、ネジ山が切られた表面に対しては比表面粗さ(specific surface roughness)Raは2〜6μmである。Znの粒子を含むエポキシ樹脂を含んで成る腐蝕防止被膜の第1の層7がネジ山の金属の上に沈積させられている。これらの粒子は純度99%のZnからつくられることが有利である。この層7は厚さが10〜20μmである。乾燥した潤滑剤の被膜から成る第2の層8は、無機性の結合剤の中にMoSおよび他の固体の潤滑剤の混合物を含んで成っており、その厚さは10〜20μmであり、乾燥腐蝕防止被膜7の表面の上に沈積させられている。乾燥腐蝕防止被膜7は、噴霧、刷毛塗り、浸漬、または被膜の厚さを制御し得る他の任意の方法で被覆することができる。乾燥潤滑剤被膜8は、乾燥腐蝕防止被膜7が十分に乾燥した後に、噴霧、刷毛塗り、浸漬、または被膜の厚さを制御し得る他の任意の方法で被覆することができる。
【0026】
本発明の他の好適な具体化例を図4に示す。ここでは前に説明した図3の具体化例の乾燥腐蝕防止被膜の層7および乾燥潤滑剤被膜の層8が組み合わされて固体の潤滑剤の粒子の分散物を有する乾燥腐蝕防止被膜の層9になっている。この層の厚さは10〜20μmの間の値である。この固体の潤滑剤の粒子の分散物を含む乾燥した腐蝕防止用の被膜の層は、噴霧、刷毛塗り、浸漬、または皮膜の厚さを制御し得る他の任意の方法で被覆することができる。
【0027】
本発明に従ってつくられたパイプから成るパイプ連結体の二つの異なった例について行った試験の結果を次に説明する。
【0028】
(a)連結体Aはパイプの外径が139.70mmであり、「Premium connection」として知られるタイプの市販品であって、金属と金属との密封部およびトルク・ショールダー(torque shoulder)を有している。
【0029】
表面の調整: 砂吹き付け、Ra=3.60μm。
【0030】
乾燥腐蝕防止被膜7はZnを含むエポキシ含有樹脂であり、乾燥潤滑剤被膜8はMoSおよび固体の潤滑剤を有する無機性の結合剤から成っている。
【0031】
組み立て/分解の回数は5回であり、それぞれ分解を行った後にクリーニングおよび焼付きの検査を行ない、トルク・ターン・グラフ(torque turn graph)および摩擦係数の評価を行った。
【0032】
この場合、試験の結果として密封部およびネジのいずれに対しても焼付きはなく、連結体は非常に安定な組み立て挙動をもっていた。これらの結果は図5のグラフの曲線に対応し、この場合曲線はショールダー・トルク、即ちオス機素の先端がメス機素の肩に接触するのに必要なモーメントを全体を組み立てるモーメントと比較した値を示す。
【0033】
(b)連結体Bはパイプの外径が88.90mmであり、「Premium connection」として知られるタイプの市販品であって、金属対金属の密封部およびトルク・ショールダーを有している。
【0034】
表面の調整: 砂吹き付け、Ra=3.90μm。
【0035】
乾燥腐蝕防止被膜7はZnを含むエポキシ樹脂であり、乾燥潤滑剤被膜8はMoSおよび固体の潤滑剤を有する無機性の結合剤から成っている。
【0036】
組み立て/分解のサイクルは10回であり、それぞれ分解を行った後にクリーニングおよび焼付きの検査を行ない、トルク・ターン・グラフおよび摩擦係数の評価を行った。
【0037】
この場合、試験の結果として密封部およびネジのいずれに対しても焼付きはなく、連結体は非常に安定な組み立て挙動をもっていた。これらの結果は図5と同様な図6のグラフの曲線に対応している。
【0038】
本発明の表面処理は、ネジの先端の包絡面が円筒形または截頭円錐形をしたどのようなタイプのネジおよびどのようなタイプの継ぎ手、或いは両方の組み合わせにも適用することができる。本発明の連結体は、どのようなタイプの連結体にも適用することができるが、特にメスの部材がパイプの端の部分に作られている場合、或いは二つのオスのパイプをつなぐために両端において二つのメスの部材を有するスリーブを用いる場合に適用することができる。
【0039】
上記の説明から、本発明は冒頭に述べたすべての目的を達成し得ることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明による二つのパイプ・セグメントを具備した、石油およびガス抽出工業に使用されるタイプの組み立てられた連結体の長手軸に沿った断面図。
【図2】長手軸に沿った図1の連結体の詳細を示す拡大された断面図。
【図3】本発明のパイプのネジ山の近傍における表面の詳細をさらに大きな尺度で示す拡大図。
【図4】本発明の他の具体化例による本発明のパイプのネジ山の近傍における表面の詳細をさらに大きな尺度で示す拡大図。
【図5】本発明によるパイプから構成された第1の連結体Aに対する組み立て/分解サイクルの関数としてのショールダー・トルクの変動を示す図。ここで100%は組み立てた際のトルクを示す。
【図6】本発明によるパイプから構成された第2の連結体Bに対する組み立て/分解サイクルの関数としてのショールダー・トルクの変動を示す図。ここで100%は組み立てた際のトルクを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に円筒形の壁を有する中央部分、および少なくとも一つのネジ山が切られた端の部分(3、4)を有する一定の長さをもった石油抽出工業用のパイプ・セグメント(1)であって、ネジ山が切られた端の部分(3、4)の少なくとも表面は表面の粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの範囲の値をもち、該表面は乾燥腐蝕防止被膜の第1の均一な層(7)によって覆われており、該第1の層(7)は乾燥潤滑剤被膜の第2の均一な層(8)で覆われていることを特徴とするパイプ・セグメント。
【請求項2】
該第1の層(7)はZn粒子を含むエポキシ樹脂からつくられていることを特徴とする請求項1記載のパイプ・セグメント。
【請求項3】
該第1の層(7)は10〜20μmの範囲の厚さをもっていることを特徴とする請求項2記載のパイプ・セグメント。
【請求項4】
該第2の層(8)は無機性の結合剤、および固体潤滑剤の粒子の混合物からつくられ、該粒子の1種は二硫化モリブデンであることを特徴とする請求項1記載のパイプ・セグメント。
【請求項5】
該第2の層(8)は10〜20μmの間の厚さをもっていることを特徴とする請求項4記載のパイプ・セグメント。
【請求項6】
該ネジ山の切られた端の部分は円錐形または截頭円錐形の外被をもっていることを特徴とする請求項1記載のパイプ・セグメント。
【請求項7】
該ネジ山の切られた端の部分は円筒形の外被をもっていることを特徴とする請求項1記載のパイプ・セグメント。
【請求項8】
連結剤のオス部材としてパイプにネジ山が切られていることを特徴とする請求項6または7記載のパイプ・セグメント。
【請求項9】
連結剤のメス部材としてパイプにネジ山が切られていることを特徴とする請求項6または7記載のパイプ・セグメント。
【請求項10】
実質的に円筒形の壁を有する中央部分、および少なくとも一つのネジ山が切られた端の部分(3、4)を有する一定の長さをもった石油またはガス抽出工業用のパイプ・セグメント(1、2)であって、ネジ山が切られた端の部分(3、4)の少なくとも表面は表面の粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの範囲の値をもち、該表面は固体潤滑剤の粒子の分散物を含む乾燥腐蝕防止被膜の第1の均一な層(9)によって覆われていることを特徴とするパイプ・セグメント。
【請求項11】
均一な層(9)は二硫化モリブデンの粒子の分散物を含んでいることを特徴とする請求項10記載のパイプ・セグメント。
【請求項12】
それぞれオスのネジ山とメスのネジ山が取り付けられているオスおよびメスのネジ山が切られたパイプ部材からつくられた石油またはガス抽出工業用のネジ付きのパイプの継ぎ手であって、該パイプ部材の少なくとも一つは請求項1〜11のいずれか一項に記載された特徴を有するネジ山が切られた部分をもっているパイプの継ぎ手。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか一項に記載された特徴をもつ石油抽出工業用の金属パイプのネジ山が切られた端の部分をつくる方法において、
(a)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍においてパイプの金属の表面の粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの間の値をもつようにし、
(b)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍において金属の表面の上に乾燥腐蝕防止用被膜の第1の均一な層(7)を取り付け、
(c)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍において腐蝕防止被膜の第1の均一な層(7)の上に乾燥潤滑剤の被膜の第2の均一な層(8)を取り付ける工程を含んで成ることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれか一項に記載された特徴をもつ石油またはガス抽出工業用の金属パイプのネジ山が切られた端の部分をつくる方法において、
(a)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍においてパイプの金属の表面の粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの間の値をもつようにし、
(b)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍においてパイプの金属の表面の上に固体潤滑剤の粒子の分散物を含む乾燥腐蝕防止被膜の第1の均一な層(9)を取り付ける工程を含んで成ることを特徴とする方法。
【請求項15】
金属の表面の粗さ(Ra)は摩耗材の吹き付けによって達成されることを特徴とする請求項13または14記載の方法。
【請求項16】
金属の表面の粗さ(Ra)は金属表面の上にフォスフェート層を沈積させることによって達成されることを特徴とする請求項13または14記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に円筒形の壁を有する中央部分、および表面保護材で被覆された少なくとも一つのネジ山が切られた端の部分(3、4)を有する金属からつくられた一定の長さをもった石油抽出工業用のパイプ・セグメント(1)であって、ネジ山が切られた端の部分(3、4)の少なくとも金属の表面は表面の粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの範囲の値をもち、該表面保護材はZn粒子を含むエポキシ樹脂からつくられた乾燥腐蝕防止被膜の第1の均一な層(7)、および該第1の層(7)を覆う乾燥潤滑剤被膜の第2の均一な層(8)によって構成されていることを特徴とするパイプ・セグメント。
【請求項2】
該第1の層(7)は10〜20μmの範囲の厚さをもっていることを特徴とする請求項1記載のパイプ・セグメント。
【請求項3】
該第2の層(8)は無機性の結合剤、および固体潤滑剤の粒子の混合物からつくられ、該粒子の1種は二硫化モリブデンであることを特徴とする請求項1記載のパイプ・セグメント。
【請求項4】
該第2の層(8)は10〜20μmの間の厚さをもっていることを特徴とする請求項3記載のパイプ・セグメント。
【請求項5】
該ネジ山の切られた端の部分は円錐形または截頭円錐形の外被をもっていることを特徴とする請求項1記載のパイプ・セグメント。
【請求項6】
該ネジ山の切られた端の部分は円筒形の外被をもっていることを特徴とする請求項1記載のパイプ・セグメント。
【請求項7】
連結剤のオス部材としてパイプにネジ山が切られていることを特徴とする請求項5または6記載のパイプ・セグメント。
【請求項8】
連結剤のメス部材としてパイプにネジ山が切られていることを特徴とする請求項5または6記載のパイプ・セグメント。
【請求項9】
実質的に円筒形の壁を有する中央部分、および表面保護材で被覆された少なくとも一つのネジ山が切られた端の部分(3、4)を有する金属からつくられた一定の長さをもった石油またはガス抽出工業用のパイプ・セグメント(1、2)であって、ネジ山が切られた端の部分(3、4)の少なくとも金属の表面は表面の粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの範囲の値をもち、該表面保護材は固体潤滑剤の粒子の分散物を含む乾燥腐蝕防止被膜からつくられた一つの均一な層(9)によって構成されていることを特徴とするパイプ・セグメント。
【請求項10】
均一な層(9)は二硫化モリブデンの粒子の分散物を含んでいることを特徴とする請求項9記載のパイプ・セグメント。
【請求項11】
それぞれオスのネジ山とメスのネジ山が取り付けられているオスおよびメスのネジ山が切られたパイプ部材からつくられた石油またはガス抽出工業用のネジ付きのパイプの継ぎ手であって、該パイプ部材の少なくとも一つは請求項1〜10のいずれか一項に記載された特徴を有するネジ山が切られた部分をもっているパイプの継ぎ手。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載された特徴をもつ石油抽出工業用の金属パイプのネジ山が切られた端の部分をつくる方法において、
(a)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍においてパイプの金属の表面の粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの間の値をもつようにし、
(b)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍において金属の表面の上に乾燥腐蝕防止用被膜の第1の均一な層(7)を取り付け、
(c)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍において腐蝕防止被膜の第1の均一な層(7)の上に乾燥潤滑剤の被膜の第2の均一な層(8)を取り付ける工程を含んで成ることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項に記載された特徴をもつ石油またはガス抽出工業用の金属パイプのネジ山が切られた端の部分をつくる方法において、
(a)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍においてパイプの金属の表面の粗さ(Ra)が2.0〜6.0μmの間の値をもつようにし、
(b)ネジ山が切られた部分の少なくとも近傍においてパイプの金属の表面の上に固体潤滑剤の粒子の分散物を含む乾燥腐蝕防止被膜の第1の均一な層(9)を取り付ける工程を含んで成ることを特徴とする方法。
【請求項14】
金属の表面の粗さ(Ra)は摩耗材の吹き付けによって達成されることを特徴とする請求項12または13記載の方法。
【請求項15】
金属の表面の粗さ(Ra)は金属表面の上にフォスフェート層を沈積させることによって達成されることを特徴とする請求項12または13記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2006−502355(P2006−502355A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−542486(P2004−542486)
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011238
【国際公開番号】WO2004/033951
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(504415946)テナリス・コネクシヨンズ・アクチエンゲゼルシヤフト (15)
【Fターム(参考)】