説明

被計量物供給装置

【課題】 被計量物の排出時間の短縮を図り、かつ定量性の向上を図ることができる計量装置の被計量物供給装置を提供する。
【解決手段】 上下方向に延在するように設けられた円筒状の筒体1と、筒体1の下端の開口部1aの開閉に用いる一対のカットゲート2、3と、一対のカットゲート2、3を開閉駆動するためのサーボモータ10と、一方のカットゲート2の両外側に一端が固定され、他端が回動自在に支持される第1軸2a及び第2軸2bと、他方のカットゲート3の両外側に一端が固定され、他端が回動自在に支持される第3軸3a及び第4軸3bと、互いに逆方向に回動するように第1軸2aと第3軸3aとを連結する第1連結部4aと、互いに逆方向に回動するように第2軸2bと第4軸3bとを連結する第2連結部4bとを備え、サーボモータ10によって第1軸2aを回動することにより一対のカットゲート2、3の開閉動作を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体あるいは粒体状の被計量物(樹脂ペレット、穀物、肥料等)を計量ホッパあるいは袋等の容器に供給する被計量物供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉体あるいは粒体からなる被計量物を袋等の容器に充填する装置として、パッカースケールと呼ばれる計量装置がある。この種の計量装置では、被計量物の種類や使用目的等によって、様々な方式のものが提案されている。
【0003】
このような計量装置では、計量ホッパあるいは袋に被計量物が供給されて、その被計量物の重量が計量される。この計量ホッパあるいは袋へ被計量物を供給するための供給装置として、例えば、上端開口部から被計量物が供給される筒状シュート(筒体)の下端開口部にカットゲートを設けた構成の供給装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1には、計量ホッパの上方に配置され、一対のカットゲートを有し、各々のカットゲートには駆動用のシリンダが個別に取り付けられた構成の供給装置(投入ホッパ)が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、計量ホッパの上方に配置され、サーボモータで駆動される1つのカットゲート(供給ゲート)が設けられた構成の供給装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭48−111166号公報
【特許文献2】特開2004−85282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の計量装置では、供給装置のカットゲートが開かれている間、筒状シュート内の被計量物が自重によって落下し排出される。計量装置において、計量速度のより高速化を図る上で、供給装置の被計量物の排出時間の短縮が望まれている。
【0008】
上記の特許文献1の構成では、一対のカットゲートを各々のシリンダで開閉駆動するようにしているが、シリンダは動作速度が遅いため、所定量の被計量物を排出するために要する排出時間の短縮を図ることができない。
【0009】
また、特許文献2の構成では、1つのカットゲートを開閉駆動するため、カットゲートを開閉するのに要する時間が長くなり、所定量の被計量物を排出するために要する排出時間の短縮を図ることができない。また、カットゲートを開くときには、そのカットゲートを開きはじめる片側の方から被計量物が徐々に排出されはじめ、また、カットゲートを閉じるときには開き始めたときの片側の方からの被計量物の排出が最後まで続き、良好な定量性が得られない。
【0010】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、被計量物の排出時間の短縮を図ることができ、かつ定量性の向上を図ることができる計量装置の被計量物供給装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のある形態(aspect)に係る被計量物供給装置は、上下方向に延在するように設けられ、内部に粉粒体からなる被計量物が充填される円筒状の筒体と、前記筒体の下端の開口部の開閉に用いられ、前記開口部を開いたときに前記筒体内に充填されている被計量物を前記開口部から連続して落下させ、前記開口部を閉じるときに前記連続して落下している被計量物の流れを両側から横断するようにして断ち切って前記開口部を閉じるための一対のカットゲートと、前記一対のカットゲートを開閉駆動するためのモータと、前記一対のうちの一方のカットゲートの両外側にそれぞれの一端が固定されるとともに、それぞれの他端が回動自在に支持され、第1の水平軸上に配置される第1軸及び第2軸と、前記一対のうちの他方のカットゲートの両外側にそれぞれの一端が固定されるとともに、それぞれの他端が回動自在に支持され、前記第1の水平軸と平行な第2の水平軸上に配置される第3軸及び第4軸と、互いに逆方向に回動するように前記第1軸と前記第3軸とを連結する第1連結部と、互いに逆方向に回動するように前記第2軸と前記第4軸とを連結する第2連結部とを備え、前記第1軸〜第4軸のうちのいずれか1つの軸が前記モータに連結され、前記モータによって前記連結された軸が一方向に回動されることにより前記一対のカットゲートが前記開口部を開き、前記連結された軸が前記一方向とは逆方向に回動されることにより前記一対のカットゲートが前記開口部を閉じるように構成されている。
【0012】
この構成によれば、被計量物の排出口となる筒体の下端の開口部を一対のカットゲートにより開閉することにより、1個のカットゲートのみで構成される場合に比べて、各カットゲートの開閉動作範囲を小さくすることができる。さらに、一対のカットゲートをモータによって開閉駆動するようにしているので、カットゲートの開閉動作を高速で行うことができる。以上のように、各カットゲートの開閉動作範囲を小さくし、かつモータによって高速に開閉動作させることにより、所定量の被計量物を排出するために要する排出時間を大幅に短縮することが可能になる。また、一対のカットゲートを用い、かつ、それをモータによって高速に開閉動作させることによって、筒体内において粉粒体面が均等に降下するマスフローで排出することが可能となり、定量性の向上を図ることができる。
【0013】
さらに、一対のカットゲートの両外側に配置される第1連結部及び第2連結部の2つの連結部によって一対のカットゲートがそれぞれ逆方向に回動するように連結されているため、一対の各々のカットゲートの全体の開閉を正確かつスムーズに行うことができるとともに、単一のモータによって一対のカットゲートの開閉を同時に行うことができる。
【0014】
また、前記第1連結部及び前記第2連結部は、それぞれリンク機構によって構成されていてもよい。
【0015】
この構成によれば、例えば第1連結部及び第2連結部を歯車で構成した場合における、歯車の摩耗や、粉・埃などの歯車への噛み込み等の問題を無くすことができる。
【0016】
また、前記一対のカットゲートを開き始めてから全開状態を経て閉じ終わるまでの間に、前記筒体内の被計量物がマスフローで排出されるように前記一対のカットゲートの開閉動作を行わせるよう構成されるとともに、所望の排出量に応じて前記一対のカットゲートを開き始めてから全開状態を経て閉じ終わるまでの時間(開閉時間)を設定するように構成されていてもよい。
【0017】
このように、筒体内の被計量物がマスフローで排出されるので、定量性が良好であり、カットゲートの開閉時間を設定することによって所望の排出量を排出することができる。
【0018】
また、前記一方のカットゲートから離れて、前記第1軸を回動自在に支持する第1軸受部と、前記一方のカットゲートから離れて、前記第2軸を回動自在に支持する第2軸受部と、前記他方のカットゲートから離れて、前記第3軸を回動自在に支持する第3軸受部と、前記他方のカットゲートから離れて、前記第4軸を回動自在に支持する第4軸受部とを有するように構成され、前記筒体及び前記一対のカットゲートの周囲を囲み、かつ複数の貫通孔が形成された隔壁をさらに備え、前記隔壁の外側の領域には、前記第1軸受部、前記第2軸受部、前記第3軸受部、前記第4軸受部、前記第1連結部、前記第2連結部及び前記モータが配置されており、前記隔壁に形成された各貫通孔には、前記第1〜第4軸が非接触状態で貫通するよう構成されていてもよい。
【0019】
この構成によれば、被計量物が充填される筒体及び被計量物を排出させる一対のカットゲートを隔壁で囲み、隔壁の外側の領域に、第1軸受部、第2軸受部、第3軸受部、第4軸受部、第1連結部、第2連結部及びモータが配置されているため、第1軸受部、第2軸受部、第3軸受部、第4軸受部、第1連結部、第2連結部等から生じる異物(摩耗粉など)が被計量物へ混入するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上に説明した構成を有し、被計量物の排出時間の短縮を図ることができ、かつ定量性の向上を図ることができる計量装置の被計量物供給装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)は、本発明の実施形態の一構成例の被計量物供給装置を用いた計量装置において同被計量物供給装置を正面から見た概略図であり、(b)は、同被計量物供給装置を側面から見た概略図であり、(c)は、同被計量物供給装置を上方から見た概略図であり、(d)は、同被計量物供給装置の一部分の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0023】
(実施形態)
図1(a)は、本発明の実施形態の一構成例の被計量物供給装置を正面から見た概略図であり、図1(b)は、同被計量物供給装置を側面から見た概略図であり、図1(c)は、同被計量物供給装置を上方から見た概略図であり、図1(d)は、同被計量物供給装置の一部分の概略図である。なお、以下では、説明の便宜上、例えば図1(c)に示すように、「前」、「後」、「左」及び「右」を決めている。
【0024】
この被計量物供給装置は、鉛直方向(上下方向)に立設する円筒状の筒体1と、この筒体1の下端の開口部1aを開閉するための一対のカットゲート2、3と、一対のカットゲート2、3をギヤボックス9等を介して開閉駆動するためのサーボモータ(例えばACサーボモータ)10と、サーボモータ10を制御する制御器11等を備えている。
【0025】
ここでは、筒体1の上端には、さらに上部筒体50が接続されており、上部筒体50の上方から供給される被計量物が上部筒体50及び筒体1内に充填される。また、この被計量物供給装置の下方には、被計量物供給装置から供給される被計量物の重量を計量した後、排出するための計量ホッパ51が配設される。被計量物は、例えば、樹脂ペレット、穀物等の粒体(粒状物)あるいは粉体である。
【0026】
カットゲート2、3は、筒体1の下端の開口部1aを開閉可能なように配設されている。筒体1の下端の開口部1aは、閉じた状態のときのカットゲート2、3の形状に合わせて、被計量物がこぼれないように形成されている。このカットゲート2、3は、開いたときに筒体1内に充填されている被計量物を下端開口部1aから連続して落下させ、閉じるときに連続して落下している被計量物の流れを両側から横断するようにして断ち切って下端開口部1aを閉じるための部材である。
【0027】
一方のカットゲート2は、前後方向の断面が円弧状の底部21と、底部21の右端縁部に接続されるとともに上方へ延びて第1軸2aの一端に接続される側板部22aと、底部21の左端縁部に接続されるとともに上方へ延びて第2軸2bの一端に接続される側板部22bとを有している。第1軸2a及び第2軸2bのそれぞれの他端は、第1軸受部5a、第2軸受部5bによって回動自在に支持されている。ここで、第1、第2軸受部5a、5bは、カットゲート2から離れて第1、第2軸2a、2bを回動自在に支持し、第1、第2軸受部5a、5bとカットゲート2との間に隔壁12が設けられている。
【0028】
同様に、他方のカットゲート3も、前後方向の断面が円弧状の底部31と、底部31の右端縁部に接続されるとともに上方へ延びて第3軸3aの一端に接続される側板部32aと、底部31の左端縁部に接続されるとともに上方へ延びて第4軸3bの一端に接続される側板部32bとを有している。第3軸3a及び第4軸3bのそれぞれの他端は、第3軸受部6a、第4軸受部6bによって回動自在に支持されている。ここで、第3、第4軸受部6a、6bは、カットゲート3から離れて第3、第4軸3a、3bを回動自在に支持し、第3、第4軸受部6a、6bとカットゲート3との間に隔壁12が設けられている。
【0029】
なお、第1軸2a及び第2軸2bは同一の第1の水平軸上に配置され、第3軸3a及び第4軸3bは第1の水平軸と平行な第2の水平軸上に配置される。第1〜第4軸受部5a、5b、6a、6bは、それぞれベアリングによって構成されている。
【0030】
一方のカットゲート2の右側の第1軸2aと、他方のカットゲート3の右側の第3軸3aとは、リンク機構で構成される第1連結部4aによって互いに逆方向に回動するように連結されている。また、一方のカットゲート2の左側の第2軸2bと、他方のカットゲート3の左側の第4軸3bとは、リンク機構で構成される第2連結部4bによって互いに逆方向に回動するように連結されている。
【0031】
具体的には、図1(d)に示すように、第2連結部4bは、一端が第2軸2bに固定された第1リンク41と、一端が第4軸3bに固定された第2リンク42と、一端が第1リンク41の他端と回動自在に連結され、他端が第2リンク42の他端と回動自在に連結された第3リンク43とによって構成されている。この第2連結部4bの第3リンク43は、第2軸2bと第4軸3bとが逆方向に回動するように第1リンク41及び第2リンク42と連結されている。同様に、第1連結部4aは、一端が第1軸2aに固定された第1リンク41と、一端が第3軸3aに固定された第2リンク42と、一端が第1リンク41の他端と回動自在に連結され、他端が第2リンク42の他端と回動自在に連結された第3リンク43とによって構成されている。この第1連結部4aの第3リンク43は、第1軸2aと第3軸3aとが逆方向に回動するように第1リンク41及び第2リンク42と連結されている。なお、図1(d)は、第2軸2b及び第4軸3bと第2連結部4bとを図1(a)における左側から見た図である。この図1(d)において、第1軸2a及び第3軸3aと第1連結部4aとに対応する部分を括弧書きの符号で記載しているが、これらを図1(a)における右側から見た場合には、図1(d)とは左右が逆の位置関係になる。
【0032】
また、第1軸2aは、第1連結部4aからさらに右側に延伸され、カップリング7を介して駆動軸8に接続されている。なお、本例では、第1軸2aを駆動軸8に接続するようにしているが、第1〜第4軸2a、2b、3a、3bのうちのいずれか1つの軸を駆動軸8に接続するように構成されていればよい。また、駆動軸8は、本例では、ギヤボックス9を介してサーボモータ10に接続されているが、サーボモータ10のモータ軸に直結されるように構成されていてもよい。
【0033】
また、筒体1及び一対のカットゲート2、3の周囲を囲み、かつ複数の貫通孔H1〜H4が形成された隔壁12が配設されている。すなわち、隔壁12によってその内側と外側の領域に区画されている。そして、隔壁12の内側の領域には、筒体1及び一対のカットゲート2、3が配置され、隔壁12の外側の領域には、第1軸受部5a、第2軸受部5b、第3軸受部6a、第4軸受部6b、第1連結部4a、第2連結部4b、ギヤボックス9、サーボモータ10及び制御器11等が配置されている。また、隔壁12に形成された各貫通孔H1〜H4は、第1〜第4軸2a、2b、3a、3bが非接触状態で貫通するよう構成されている。
【0034】
第1〜第4軸受部5a、5b、6a、6bと、ギヤボックス9及びサーボモータ10と、隔壁12とは、水平板14上に固定されている。また、水平板14の下方には、計量ホッパ51の本体の周囲を囲むように隔壁13が設けられている。
【0035】
以上の構成により、駆動軸8の回動によって、図1(b)に示すカットゲート2の第1軸2aが例えば右回りに所定角度回動することにより、カットゲート2が矢印aの方向へ回動してカットゲート2が開かれる。また、このとき同時に、第1軸2aに接続される第1連結部4aによってカットゲート3の第3軸3aが左回りに所定角度回動することにより、カットゲート3が矢印bの方向へ回動してカットゲート3が開かれる。さらに、このとき同時に、カットゲート2、3とともに第2、第4軸2b、3bが回動する。カットゲート2、3が閉じられる場合は、駆動軸8が上記の場合とは逆に回動することにより、逆の動作が行われる。制御器11により、カットゲート2、3を開くあるいは閉じるようにサーボモータ10が制御されており、それに応じて駆動軸8が駆動される。
【0036】
すなわち、カットゲート2、3は、それぞれの底部21、31が円弧を描くように揺動し、開いた状態から閉じた状態となるときには、2つの底部21、31が筒体62内から自重落下する被計量物の流れを両側から横断するようにして断ち切って、下端開口部1aを閉じる(下端開口部1aに蓋をする)。カットゲート2、3が閉じた状態のときには筒体1の下端開口部1aは塞がれて筒体1内の被計量物は排出されず、開いた状態のときに筒体1の下端開口部1aが開放され、この開放されている間、筒体1内の被計量物が下方へ排出される。
【0037】
この被計量物供給装置のカットゲート2、3の下方には、筒体1から排出される被計量物を受け取る計量ホッパ51が配設されている。計量ホッパ51は、筒体1から供給される被計量物を一時保持し、その被計量物の重量を計量した後、同被計量物を下方へ排出するように構成されている。計量ホッパ51から排出される被計量物は例えば包装機(図示せず)へ供給されて袋詰めされる。
【0038】
カットゲート2、3の開閉動作は、前述のように制御器11によって制御される。制御器11では、予め設定された第1の所定時間の間、カットゲート2、3を開いて筒体1内の被計量物を排出して計量ホッパ51へ供給する。すなわち、カットゲート2、3が開かれている間、筒体1内の被計量物は下部のものから自重のみによって自然に落下して排出される。
【0039】
本実施形態では、筒体1の下端開口部1aの開閉手段を一対のカットゲート2、3で構成したことにより、1個のカットゲートのみで構成される場合に比べて、下端開口部1aを開閉するための各カットゲート2、3の開閉動作範囲を小さくすることができる。そしてさらに、一対のカットゲート2、3をサーボモータ10によって開閉駆動するようにしているので、カットゲート2、3の開閉動作を高速で行うことができる。以上のように、各カットゲート2、3の開閉動作範囲を小さくし、かつサーボモータ10によって高速に開閉動作させることにより、所定量の被計量物を排出するために要する排出時間を大幅に短縮することが可能になる。例えば、筒体1の直径を300mmとし、被計量物として樹脂ペレットを筒体1内に充填している状態のときに、約25kgの樹脂ペレットを排出させる場合に、カットゲート2、3の開閉時間(開きはじめてから全開状態を経て閉じ終わるまでの時間)が約0.4秒という非常に短い時間で排出させることができる。
【0040】
また、一対のカットゲート2、3を用い、かつ、それをサーボモータ10によって高速に開閉動作させることによって、筒体1内において粉粒体面が均等に降下する状態となるマスフローで排出することが可能となり、定量性の向上を図ることができる。したがって、所望の排出量に応じて一対のカットゲート2、3を開き始めてから全開状態を経て閉じ終わるまでの時間を、予め制御器11に設定しておくことで、所望の排出量を排出することができる。
【0041】
また、カットゲート2、3の右外側面に固定された第1軸2aと第3軸3aとが第1連結部4aによって互いに逆方向に回動するように連結され、カットゲート2、3の左外側面に固定された第2軸2bと第4軸3bとが第2連結部4bによって互いに逆方向に回動するように連結されていることにより、各カットゲート2、3の全体の開閉を正確かつスムーズに行うことができるとともに、単一のサーボモータ10によって一対のカットゲート2、3の開閉を同時に行うことができる。
【0042】
また、第1連結部4a及び第2連結部4bのそれぞれを歯車等で構成することも可能であるが、本実施形態のようにリンク機構によって構成することにより、例えば歯車で構成した場合に比べ、歯車の摩耗や、粉・埃などの歯車への噛み込み等の問題を無くすことができる。
【0043】
また、被計量物が充填される筒体1及び被計量物を排出させる一対のカットゲート2、3を隔壁12で囲み、隔壁12の外側の領域に、第1〜第4軸受部5a、5b、6a、6bと、第1、第2連結部4a、4bと、ギヤボックス9及びサーボモータ10等が配置されているため、第1〜第4軸受部5a、5b、6a、6b及び第1、第2連結部4a、4b等から生じる異物(摩耗粉など)が被計量物へ混入するのを防止することができる。
【0044】
また、本実施形態では、被計量物供給装置から排出される被計量物が、計量ホッパ51へ供給されるように構成したが、これに限られない。例えば、被計量物供給装置から排出される被計量物が、ファネルを介して袋へ供給されるように構成されていてもよい。この場合、例えば、袋を支持してその袋に供給される被計量物の重量を計量する計量手段が設けられてあってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、被計量物の排出時間の短縮を図ることができ、かつ定量性の向上を図ることができる計量装置の被計量物供給装置等として有用である。
【符号の説明】
【0046】
1 筒体
1a 筒体の下端の開口部
2,3 カットゲート
10 サーボモータ
11 制御器
12 隔壁
2a 第1軸
2b 第2軸
3a 第3軸
3b 第4軸
4a 第1連結部
4b 第2連結部
5a 第1軸受部
5b 第2軸受部
6a 第3軸受部
6b 第4軸受部
H1〜H4 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延在するように設けられ、内部に粉粒体からなる被計量物が充填される円筒状の筒体と、
前記筒体の下端の開口部の開閉に用いられ、前記開口部を開いたときに前記筒体内に充填されている被計量物を前記開口部から連続して落下させ、前記開口部を閉じるときに前記連続して落下している被計量物の流れを両側から横断するようにして断ち切って前記開口部を閉じるための一対のカットゲートと、
前記一対のカットゲートを開閉駆動するためのモータと、
前記一対のうちの一方のカットゲートの両外側にそれぞれの一端が固定されるとともに、それぞれの他端が回動自在に支持され、第1の水平軸上に配置される第1軸及び第2軸と、
前記一対のうちの他方のカットゲートの両外側にそれぞれの一端が固定されるとともに、それぞれの他端が回動自在に支持され、前記第1の水平軸と平行な第2の水平軸上に配置される第3軸及び第4軸と、
互いに逆方向に回動するように前記第1軸と前記第3軸とを連結する第1連結部と、
互いに逆方向に回動するように前記第2軸と前記第4軸とを連結する第2連結部とを備え、
前記第1軸〜第4軸のうちのいずれか1つの軸が前記モータに連結され、前記モータによって前記連結された軸が一方向に回動されることにより前記一対のカットゲートが前記開口部を開き、前記連結された軸が前記一方向とは逆方向に回動されることにより前記一対のカットゲートが前記開口部を閉じるように構成された、
被計量物供給装置。
【請求項2】
前記第1連結部及び前記第2連結部は、それぞれリンク機構によって構成された、
請求項1に記載の被計量物供給装置。
【請求項3】
前記一対のカットゲートを開き始めてから全開状態を経て閉じ終わるまでの間に、前記筒体内の被計量物がマスフローで排出されるように前記一対のカットゲートの開閉動作を行わせるよう構成されるとともに、所望の排出量に応じて前記一対のカットゲートを開き始めてから全開状態を経て閉じ終わるまでの時間を設定するように構成された、
請求項1または2に記載の被計量物供給装置。
【請求項4】
前記一方のカットゲートから離れて、前記第1軸を回動自在に支持する第1軸受部と、
前記一方のカットゲートから離れて、前記第2軸を回動自在に支持する第2軸受部と、
前記他方のカットゲートから離れて、前記第3軸を回動自在に支持する第3軸受部と、
前記他方のカットゲートから離れて、前記第4軸を回動自在に支持する第4軸受部とを有するように構成され、
前記筒体及び前記一対のカットゲートの周囲を囲み、かつ複数の貫通孔が形成された隔壁をさらに備え、
前記隔壁の外側の領域には、前記第1軸受部、前記第2軸受部、前記第3軸受部、前記第4軸受部、前記第1連結部、前記第2連結部及び前記モータが配置されており、
前記隔壁に形成された各貫通孔には、前記第1〜第4軸が非接触状態で貫通するよう構成されている、
請求項1〜3のいずれかに記載の被計量物供給装置。

【図1】
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【公開番号】特開2013−18558(P2013−18558A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150748(P2011−150748)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】