説明

製紙機械におけるキャリパ・プロファイル不良回復装置及び方法

製紙機械におけるキャリパ・プロファイル不良回復装置及び方法は、プロセス制御システム(100)において、1つ以上のアクチュエータ(114〜136)について1つ以上の設定点変更を決定するステップを含む。1つ以上の設定点変更を決定するステップは、第1動作モードで動作しているときは設定点変更を増大させるか又はその頻度を高めるステップと、第2モードで動作しているときには設定点変更を減少させるか又はその頻度を低めるステップとを含む。また、1つ以上の設定点変更を前記1つ以上のアクチュエータ(114〜126)に出力するステップも含む。更に、平半紙(108)が破断し、製紙機械(102)に掛け直した後に、第1モードに入るステップも含むことができる。また、(i)第1モードに入って以来指定の時間量が経過した後、又は(ii)第1モードに入り、平半紙(108)のキャリパ・プロファイルが、所望のキャリパ・プロファイルの指定閾値以内となった後に、第2モードに入るステップを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、制御システムに関し、更に特定すれば、製紙機械におけるキャリパ・プロファイル(caliper profile)不良回復装置及び方法に関する。
【従来技術】
【0002】
平半紙(sheet paper)及びその他の紙製品を製造するための様々なシステムが入手可能であり、そして用いられている。製造される平半紙は、乾燥重量、水分、及びキャリパ(厚さ)というような多数の特性を有することが多く、製造プロセスの間、これらの特性(characteristics)を監視して制御する。製紙機械におけるこれら及びその他のシート固有性(sheet properties)の制御は、通常、シート固有性を目標又は所望値にできるだけ近づけて維持するようにしている。
【0003】
製造プロセスの間、生産する平半紙が裂けたり、破れることは珍しくない。これが発生した場合、平半紙は製紙機械に掛け直され(rethread)、そして製紙機械の動作を再開することが一般的である。しかしながら、掛け直し後のある時間期間中に製紙機械によって生産される平半紙は、使用できないか又は販売できないことが殆どである。これは、平半紙における破断が、製紙機械の制御を混乱させたり、又は妨害することが多いので、破断の後に生産される平半紙のシート固有性は、目標又は所望値に近くないからである。その結果、破断が原因で生ずる外乱が解消され、紙固有値が目標又は所望値に又はその付近に戻るまで、製紙機械を動作させる必要がある。この結果、通常、時間及び材料双方の損失が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定的な一例として、キャリパ、即ち、平半紙の厚さを制御するには、平半紙を二重反転ロールの間に通すことが多い。2つのロールの間の空間を「ニップ」(nip)と呼ぶことが多い。ロールによって平半紙に加えられる圧力は、通例、ロールの温度を変化させることによって制御する。例えば、ロールを加熱すると、通例、ロールの直径が膨張し、ニップのサイズが減少し、平半紙に加わる圧力が上昇する。このため、平半紙を圧縮し、その厚さが減少する。ロールの温度を制御することにより、ロールが平半紙に加える圧力を制御し、これによって平半紙の厚さに対する制御をし易くすることができる。しかしながら、平半紙の破断が発生すると、ロールの温度が著しく変化する場合がある。平半紙を製紙機械において掛け直すとき、平半紙の厚さは、目標又は所望のキャリパ値から離れてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、製紙機械におけるキャリパ・プロファイル不良回復装置及び方法を提供する。
第1実施形態では、本方法は、プロセス制御システムにおいて1つ以上のアクチュエータについて1つ以上の設定点変更を決定するステップを含む。1つ以上の設定点変更を決定するステップは、第1動作モードで動作しているときは設定点変更を増大させるか、又はその頻度を高めるステップと、第2モードで動作しているときには設定点変更を減少させるか、又はその頻度を低めるステップとを含む。また、本方法は、1つ以上の設定点変更を前記1つ以上のアクチュエータに出力するステップも含む。
【0006】
特定的な実施形態では、本方法は、更に、半紙が破断し、製紙機械に掛け直した後に、第1モードに入るステップを含む。別の特定的な実施形態では、本方法は、(i)第1モードに入って以来指定の時間量が経過した後、又は(ii)第1モードに入り、平半紙のキャリパ・プロファイルが、所望のキャリパ・プロファイルの指定閾値以内となった後に、第2モードに入るステップを含む。
【0007】
第2実施形態では、装置は、プロセス制御システムにおける1つ以上のアクチュエータについて1つ以上の設定点変更を決定するように動作可能な制御則ユニットを含む。制御則ユニットは、第1動作モードで動作しているときは設定点変更を増大させるか又はその変更頻度を増大し、第2モードで動作しているときには設定点変更を減少させるか又はその変更頻度を低めることによって、1つ以上の設定点変更を決定するように動作可能である。また、本装置は、1つ以上の設定点変更を1つ以上のアクチュエータに出力するように動作可能なインターフェースも含む。
【0008】
第3実施形態では、コンピュータ・プログラムをコンピュータ読み取り可能媒体上に記憶しており、該プログラムは、プロセッサによって実行するように動作可能である。このコンピュータ・プログラムは、プロセス制御システムにおける1つ以上のアクチュエータについて1つ以上の設定点変更を決定するコンピュータ読み取り可能プログラム・コードを含む。1つ以上の設定点変更を決定するコンピュータ読み取り可能プログラム・コードは、第1動作モードで動作しているときは設定点変更を増大させるか、又はその頻度を高めるコンピュータ読み取り可能プログラム・コードと、第2モードで動作しているときには設定点変更を減少させるか、又はその頻度を低めるコンピュータ読み取り可能プログラム・コードとを含む。また、コンピュータ・プログラムは、1つ以上の設定点変更を1つ以上のアクチュエータに出力するコンピュータ読み取り可能プログラム・コードも含む。
【0009】
第4実施形態では、システムは、平半紙を生産するように動作可能な製紙機械を含む。製紙機械は、複数のアクチュエータを含む。また、本システムは、アクチュエータの1つ以上について、1つ以上の設定点変更を決定するように動作可能なコントローラも含む。コントローラは、第1動作モードで動作しているときは設定点変更を増大させるか、又はその頻度を高め、第2モードで動作しているときには設定点変更を減少させるか、又はその頻度を低めることによって、1つ以上の設定点変更を決定するように動作可能である。
他の技術的特徴は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から、当業者には容易に明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本開示によるプロセス制御システムの一例を示す図である。
【図2】本開示によるプロセス制御システムのコントローラの一例を示す図である。
【図3】本開示によるプロセス制御システムのコントローラにおける破断回復制御ユニットの一例を示す図である。
【図4】本開示によるプロセス制御システムのコントローラにおける巻取防止ユニットの一例を示す図である。
【図5】本開示によるプロセス制御システムにおいて、破断回復及びその他の機能を支援するグラフィカル・ユーザ・インターフェースの一例を示す図である。
【図6】本開示による製紙機械における破断回復方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明によるプロセス制御システム100の一例を示す。図1に示すプロセス制御システム100の実施形態は、例示のために過ぎない。プロセス制御システム100の他の実施形態も、本開示の範囲から逸脱することなく、用いることができる。
【0012】
この実施形態例では、プロセス制御システム100は、製紙機械102、コントローラ104、及びネットワーク106を含む。製紙機械102は、紙製品を生産するために用いられる種々の構成部品を含む。この例では、種々の構成部品は、平半紙108を生産し、リール110において収集するために用いることができる。
【0013】
図1に示すように、製紙機械102は、ヘッドボックス112を含む。これは、パルプ懸濁液(pulp suspension)を機械全域に均一に、連続移動ワイヤ・スクリーン又はメッシュ上に分布させる。ヘッドボックスに入るパルプ懸濁液は、例えば、0.2〜3%の木繊維及び/又はその他の固体を含有することができ、懸濁液の残りは水である。ヘッドボックス112は、希釈アクチュエータ114の配列を含むことができ、平判全体にわたって希釈水をパルプ懸濁液に散布することができる。希釈水は、得られる平半紙108の交差方向基準重量(cross direction basis weight)の均一性を、平判全域において確実に高めるのに役立てるために用いることができる。また、ヘッドボックス112は、スライス・リップ・アクチュエータ(slice lip actuator)116の配列も含むことができ、これは、パルプ懸濁液がヘッドボックス112から移動ワイヤ・スクリーン又はメッシュ上に出ていくスライス開口を制御する。また、スライス・リップ・アクチュエータ116の配列は、平半紙108の交差方向基準重量を制御するためにも用いることができる。
【0014】
スチーム・アクチュエータ118の配列は、熱蒸気を生成する。熱蒸気は、平半紙108を貫通し、蒸気の潜熱を平半紙108内に放出することにより、平半紙108の温度を上昇させる。温度上昇により、平半紙108からの脱水が一層容易に行うことができるようになる。再湿潤シャワー・アクチュエータ120の配列が、水の小さな液滴を平半紙108の表面上に追加する(空気噴霧してもよい)。再湿潤シャワー・アクチュエータ120の配列は、平半紙108の交差方向水分プロファイルを制御し、平半紙108の過剰乾燥を低減又は防止し、又は平半紙108におけるいずれの乾燥条痕をも補正するために用いることができる。
【0015】
次いで、平半紙108を、二重反転ロールの数個のニップ間に通過させる。誘導加熱アクチュエータの配列が、機械全域にわたって鉄ロールの外殻面を加熱する。ロール表面が局在的に加熱すると、ロールの直径が局在的に膨張し、したがってニップ圧力が上昇し、このため平半紙108を局在的に圧縮する。誘導加熱アクチュエータ122の配列は、したがって、平半紙108の交差方向キャリパ(厚さ)プロファイルを制御するために用いることができる。
【0016】
2つの更に別のアクチュエータ124〜126が図1に示されている。厚いストック・フロー・アクチュエータ(stock flow actuator)124は、流入してヘッドボックス112において受け取られるパルプの一貫性を制御する。蒸気流アクチュエータ126は、乾燥シリンダから平半紙108に転移する熱の量を制御する。アクチュエータ124〜126は、例えば、パルプ及び蒸気の流れをそれぞれ制御する弁を表すことができる。これらのアクチュエータは、平半紙108の機械方向乾燥重量及び水分を制御するために用いることができる。
【0017】
これは、紙製品を生産するために用いることができる製紙機械102の一種の簡単な説明を表す。この種の製紙機械102に関する更なる詳細は、当技術分野では周知であり、本開示の理解のためには必要でない。また、これは、プロセス制御システム100において用いることができる製紙機械102の1つの具体的な形式も表す。紙製品を生産するための他の又は追加の任意の構成部品を含む他の機械又はデバイスも、用いることができる。更に、追加の構成部品は、平半紙の厚さ、滑らかさ、及び光沢を改善するためのスーパーカレンダ(supercalender)のように、平半紙108を更に処理するために用いることもできる。加えて、本発明は、紙製品を生産するシステムと共に用いることには限定されず、プラスチック、繊維、金属箔又はシート、あるいはその他の又は付加的な素材というような、他の品目又は素材を生成するシステムと共に用いることもできる。
【0018】
コントローラ104は、製紙機械102の動作を制御することができる。例えば、コントローラ104は、製紙機械102内にある種々のアクチュエータの動作を制御することができる。コントローラ104は、製紙機械102の少なくとも一部の動作を制御するためにハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその組み合わせを含む。例えば、コントローラ104は、1つ以上のプロセッサ128、プロセッサ128が用いるデータ及び命令を格納することができる1つ以上のメモリ130、並びに外部構成機器との通信を容易にする1つ以上のインターフェース132を含むことができる。コントローラ104の一実施形態例を図2に示す。これについては以下で説明する。
【0019】
実施形態によっては、製紙機械102が2つのスキャナ134〜136も含むこともあり、これらの各々が1組のセンサを含むことができる。スキャナ134〜136は、平半紙108を走査し、平半紙108の1つ以上の特性を測定することができる。例えば、スキャナ134〜136は、平半紙108の重量、水分、キャリパ(厚さ)、光沢、滑らかさ、あるいはその他の又は追加のいずれの特性をも測定するセンサを搭載することができる。スキャナ134〜136の各々は、センサの集合又は配列のように、平半紙108の1つ以上の特性を測定又は検出するのに適した1又は複数の構造であれば、任意のものでよい。また、スキャナ134〜136の各々は、システム100内における適した場所であればどこにでも配置することができる。走査センサ集合は、シート固有性を測定する特定的な一実施形態を表す。他の実施形態では、固定のセンサ集合又は配列を用いることも含むことができる。これらの実施形態の各々は、交差方向プロファイルを表す測定値の1つ以上の配列を生成することができる。システム100における交差方向(CD)とは、システム100における機械方向(MD)に垂直である。
【0020】
ネットワーク106は、コントローラ104及び製紙機械102に結合されている。ネットワーク106は、システム100の構成機器間における信号の伝達を容易にする。例えば、ネットワーク106は、制御信号をコントローラ104から製紙機械102内にあるアクチュエータに伝達することができる。また、ネットワーク106は測定データをスキャナ134〜136からコントローラ104に伝達することもできる。ネットワーク106は、通信ネットワーク又は空気制御信号チューブのネットワークのように、プロセス制御システム100の種々の構成機器間において信号を伝達するのに適した形式の1つ又は複数のネットワークであれば、いずれでもよい。
【0021】
動作の一態様では、平半紙108は、製紙機械102の動作中に裂けることや破れることもあり、平半紙108を製紙機械102に掛け直さなければならない。この製紙機械102の動作における中断のために、外乱や、コントローラ104による製紙機械102の制御の妨害が生ずる場合がある。例えば、製紙機械102の動作を再開した直後に生産される平半紙108のキャリパは、所望又は目標のキャリパ値から離れていることが多い。このため、一般に、製紙機械102をある時間期間動作させて、平半紙108のキャリパを補正させるようにしなければならない。この期間中に生産される平半紙108は、使用不可能又は販売不可能であることが多い。
【0022】
本発明においては、コントローラ104は、少なくとも2つの異なる制御方針(control strategy)を支援する破断回復制御メカニズムを実装する。1つの方針は、製紙機械102の正常動作即ち定常動作の間に用いることができ、この場合、製紙機械102のキャリパ制御は概ね控えめにする。これが意味するのは、誘導加熱アクチュエータ122の設定点の変更を小さくするか又は変更頻度を少なくするということが考えられる。別の方針は、平半紙108における破断から回復するときに用いることができ、この場合、製紙機械102のキャリパ制御は一層積極的となる。これが意味するのは、誘導加熱アクチュエータ122の設定点変更を大きくするか又は変更頻度を多くする、ということということが考えられる。方針が積極的である程、コントローラ104が平半紙108のキャリパ・プロファイルに対するシート破断の影響を一層素早く解消するのを促進することができる。控えめな方の方針では、製紙機械102に対する便益が殆ど又は全くない過剰な制御行為、又は過剰な調節を、コントローラ014が抑制又は防止し易くすることができる。これらの制御方針間で切り換えるために、切換方針を用いることができ、切換によって生ずる過剰な過渡的影響を殆どなくすか、又は全く生じないようにすることができる。このように、コントローラ104は、平半紙108の交差方向キャリパ・プロファイルの回復高速化等の、平半紙108における破断からの回復を早めるのを促進することができる。
【0023】
また、コントローラ104は、巻取防止メカニズム(anti-windup mechanism)及びファストバック(fastback)誤差制限メカニズムも設けることができる。巻取防止メカニズムは、コントローラ104が、プロファイル値がその意図する目標を飛び越えるような仕方で、プロファイル値を調節するのを防止するのに役立つことがでできる。実施形態によっては、ユーザには、コントローラ104が提供する巻取防止のレベルを選択する選択肢が与えられる。また、アクチュエータ位置、即ち、アクチュエータの最大又は最小位置に「設定点」を長時間維持し易くするために、調整可能な巻取防止保護を用いることもできる。これは、破断回復を加速するのに役立つことができる。
【0024】
図1はプロセス制御システム100の一例を示すが、図1には種々の変更を行うこともできる。例えば、紙製品又はその他の製品を生産するために、他のシステムを用いることもできる。また、プロセス制御システム100は、任意数の製紙機械102、コントローラ104、及びネットワーク106でも含むことができ、製紙機械102は、いずれの数のアクチュエータ及びセンサ又はスキャナでも含むことができる。加えて、図1は、破断回復制御メカニズム及び巻取防止メカニズムを用いることができる動作環境の1つを示す。これらのメカニズムの各々は、他の適したシステムであれば、任意のシステムにおいて用いることができる。
【0025】
図2は、本開示によるプロセス制御システムのコントローラ104の一例を示す。図2に示すコントローラ104は、例示のために過ぎない。本願の範囲から逸脱することなく、コントローラ104の他の実施形態も用いることができる。また、説明を容易にするために、コントローラ104は、図1のプロセス制御システム100において動作するように記載する。コントローラ104は、他のいずれのデバイスにおいても、そして他のいずれのシステムにおいても用いることができる。
【0026】
図2に示すように、破断回復制御モジュール200は、概略的には、種々の入力を受け取り、1つ以上のアクチュエータに合わせて設定点の変更、即ち「デルタ」を計算する。入力は、誤差プロファイルを含むとよい。これは、図2では誤差信号E(k)と呼ばれている。また、入力は、過去のアクチュエータ設定点変化も含むことが好ましい。これは、図2ではアクチュエータ履歴信号CT(k)と呼ばれている。加えて、入力は、1つ以上の調整パラメータも含むことができる。これらには、利得、時定数、及びモードを含むことができる。モード(値あるいは0又は1のような)は、破断回復制御モジュール200が高速モード又は低速モードのどちらで動作するとよいかを示すことができる。
【0027】
破断回復制御モジュール200は、1つ以上のアクチュエータの設定点に対する所望の変化を表す出力C(k)を生成する。これらの出力値を、巻取防止ユニット202によって処理する。巻取防止ユニット202は、巻取防止ユニット202が提供する巻取防止保護の度合いを特定する調整パラメータのような、種々の入力を受け取ることができる。これらの入力を用いて、巻取防止ユニット202は、実際のアクチュエータ設定点の変化を計算することができる。次いで、巻取防止ユニット202は、出力値COUT(k)を供給する。これは、実際のアクチュエータ設定点の変化を表す。
【0028】
実施形態によっては、破断回復制御モジュール200及び巻取防止ユニット202を実装するコードが読み取り可能であって、モジュール状であってもよい。また、これらのユニットの機能性は、コントローラ104における他のユニット又はモジュールと一貫性があるとよい。加えて、これらのユニット(図5に示すもののような)と関連のあるユーザ・インターフェースの表示が、コントローラ104と関連する別の表示と一貫性があるとよい。
【0029】
図2に示す構成要素の各々は、適したハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその組み合わせの任意のもので構成可能である。これらの構成要素の各々は、例えば、コントローラの中にあるプロセッサ上で実行するソフトウェア構成要素とすることができる。
図2は、プロセス制御システムにおけるコントローラ104の一例を示すが、図2には種々の変更を行うこともできる。例えば、コントローラ104は、他の又は追加のいずれの入力でも受け取り、これを用いて動作することができる。また、コントローラ104はいずれの数の制御ユニットでも含むことができる。
【0030】
図3は、本開示によるプロセス制御システムにおける破断回復制御モジュール200の一例を示す。図3に示す破断回復制御モジュール200は、例示に過ぎない。本開示の範囲から逸脱することなく、破断回復制御モジュール200の別の実施形態を用いることもできる。また、説明を容易にするために、破断回復制御モジュール200は、図1におけるプロセス制御システム100のコントローラ104において動作することができる。破断回復制御モジュール200は、他の任意のデバイス及び他の任意のシステムにおいても用いることができる。
【0031】
この例では、破断回復制御モジュール200は、制御ロジック・ユニット302、利得ユニット304、及びモード・セレクタ306を含む。図3に示す構成要素の各々は、適したハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその組み合わせであればいずれを用いて構成してもよい。
制御ロジック・ユニット302は、概略的に、1つ以上のアクチュエータに合わせて設定点を選択するために用いられるロジックを実行する。例えば、制御ロジック・ユニット302は、FVDTAlphaコントローラにおいて用いられるのと同じロジックであってもよい。制御ロジック・ユニット302によって出力される設定点変更を、CS(k)で示し、「遅い」設定点変更を表すことにする。即ち、破断回復制御モジュール200が低速又は定常モードで動作しているときに出力された設定点変更である。
【0032】
利得ユニット304は、制御ロジック・ユニット302が出力する「低速」設定点変更を処理し、変更率を高めることによって、1つ以上のアクチュエータの動作を一層素早く変化させる「高速」設定点変化を形成する。これをCF(k)で示す。実施形態によっては、利得ユニット304が提供する利得が固定利得であってもよい。特定的な実施形態では、利得ユニット304の利得は、高速モードに対する「アルファ利得」調整パラメータの低速モードに対する「アルファ利得」調整パラメータの比率に基づいている。
【0033】
モード・セレクタ306は、破断回復制御モジュール200が「低速」又は「高速」設定点変更のどちらを出力するかを制御する。例えば、シート破断後における平半紙108の掛け直しのときには、破断回復制御モジュール200は高速モードで動作し、モード・セレクタ306は「高速」設定点変更を出力する。一旦測定プロファイルがあるレベルに落ちついたならば、又は指定の期間が経過したなら、破断回復制御モジュール200は低速モードに切り換わり、モード・セレクタ306は「低速」設定点変更を出力する。
【0034】
実施態様に応じて、破断回復制御モジュール200は、以下の入力を受けることができる。すなわち、各アクチュエータの現在の位置又は設定点、アクチュエータの設定点変更から観察したプロセス全体の時間遅延、制御則の連続実行間の平均時間(制御処置間における平均測定値及び測定回数を考慮に入れるとよい)、各アクチュエータについての正及び負の誤差双方に対するプロセス利得及び時定数である。また、破断回復制御モジュール200は、入力として、α_fast調整係数及びα_slow調整係数も(アクチュエータ毎に正及び負の誤差双方について)受けることもできる。加えて、モード入力が、「高速」又は「低速」のどちらの設定点変更を出力すればよいか決定する。破断回復制御モジュール200は、次いで、アクチュエータ毎に所望の設定点変更を出力することができる。
【0035】
特定的な実施形態では、制御ロジック・ユニット302は、調整パラメータ入力として以下の値を受け取る。
・E(k) (現在の誤差プロファイル)
・CT(k) (設定点変更履歴)
【数1】

制御ロジックユニット302の出力は、次のように定義することができる。
【数2】

【0036】
利得ユニット304は、調整パラメータ入力として、以下の値(高速コントローラ・モード用「アルファ利得」調整パラメータ)を受け取ることができる。
【数3】

利得ユニット304の出力は、次のように定義することができる。
【数4】

ここで、αSは、低速コントローラ・モードに対する所望の閉ループ時定数(秒単位)を表し、αfは、高速コントローラ・モードに対する所望の閉ループ定数(秒単位)を表す。また、ρ=θ-Ts/τは、連続時定数τから計算した離散時定数を表す。図3における種々のユニットの出力には、Cf(k)(高速コントローラ・モードにおける所望の設定点変更)、Cs(k)(低速コントローラ・モードにおける所望の設定点変更)、及びC(k)(選択した設定点変更)が含まれる。
【0037】
図3は、プロセス制御システムのコントローラにおける破断回復制御モジュール200の一例を示すが、図3には種々の変更を行うこともできる。例えば、破断回復制御モジュール200は、3以上の動作モードを支援するように構成することができる。
【0038】
図4は、本開示によるプロセス制御システムのコントローラにおける巻取防止ユニット202の一例を示す。図4に示す巻取防止ユニット202は、例示のために過ぎない。本開示の範囲から逸脱することなく、巻取防止ユニット202の他の実施形態も用いることができる。また、説明を容易にするために、巻取防止ユニット202は、図1におけるプロセス制御システム100のコントローラ104において動作するように記載する。巻取防止ユニット202は、他のいずれのデバイスにおいても、そして他のいずれのシステムにおいても用いることができる。
【0039】
この例では、巻取防止ユニット202は、巻取防止保護モジュール402、設定点平滑モジュール404、設定点維持モジュール406、及び2つの時間遅延モジュール408〜410を含む。概略的に、巻取防止保護モジュール402は、C(k)の値を破断回復制御モジュール200から受ける。次いで、巻取防止保護モジュール402は、C(k)の値を処理して、出力値Uc(k)を求める。例えば、巻取防止保護モジュール402は、設定点平滑モジュール404及び設定点維持モジュール406の以前の出力に基づいて、C(k)の値を集成することにより、出力値Uc(k)を求めることができる。特定的な一例として、巻取防止保護モジュール402は、以下の関数を用いて、出力値Uc(k)を発生することができる。
【数5】

【0040】
ここで、C(k)は、破断回復制御モジュール200からの設定点配列を表し、Us(k)は、設定点平滑後で設定点維持前における設定点配列を表し、UOUT(k)は、位置フィードバックが利用可能な場合に、現在における「真の」設定点配列又は位置配列を表す。また、pは、定数パラメータを表し、0≦p≦1である。pの値は、ユーザが指定するパラメータを表すことができ、これによって、巻取防止ユニット202が備える巻取防止保護の度合いを、ユーザが操作することが可能となる。この例では、pは巻取防止特性多項式の離散時間極である。pが0に等しいとき、これは巻取防止の標準的な実施態様と同等と考えればよい。pが1に等しいとき、これは理論的設定点を近似し、理論的設定点とは、制約がない場合の設定点のことである。設定点平滑を動作不能にすると、これは理論的設定点と同等となる。
【0041】
巻取防止のこの実施態様では、巻取防止方式において慣例的に用いられる種々の制約(UMAX、UMIN等のような)に関する明示的な知識は必要はない。この実施態様は、平滑後のプロファイルUS(k)と現在の設定点プロファイルUOUT(k)との間における加重差から、この知識を暗示的に内包することができる。このように、この実施態様は、標準的な巻取防止や理論的設定点の使用のいずれにおいても考慮されない、折曲限界のような制約も考慮に入れる。
【0042】
設定点平滑モジュール404は、概略的に、アクチュエータに供給する設定点を滑らかにする機能を実行する。これは、Uc(k)信号における過渡現象によって生ずる影響を低減するのに役立つことができる。滑らかにした設定点値をUS(k)で示す。設定点維持モジュール406は、US(k)信号を処理して、アクチュエータ設定点が物理的な折曲限界制約を違反する危険性を最小に抑える。遅延モジュール408〜410は、設定点平滑モジュール404及び設定点維持モジュール406からの遅延出力を巻取防止保護モジュール402に確実に供給する。
【0043】
図4に示す構成要素の各々は、適したハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はその組み合わせであればいずれを用いてもよい。
図4は、プロセス制御システムのコントローラにおける巻取防止ユニット202の一例を示すが、図4には種々の変更を行うこともできる。例えば、巻取防止保護モジュール202は、ユーザが定めた巻取防止保護のレベルを用意するために適しているのであれば、他の任意の方法で動作することができる。
【0044】
図5は、本開示によるプロセス制御システムにおいて、破断回復及びその他の機能を支援するグラフィカル・ユーザ・インターフェース500の一例を示す。即ち、グラフィカル・ユーザ・インターフェース500は、コントローラ104における種々のユニット及びモジュールのコンフィギュレーションを設定するために用いることができる。図5に示すグラフィカル・ユーザ・インターフェース500は、例示のために過ぎない。本開示の範囲から逸脱することなく、グラフィカル・ユーザ・インターフェース500の別の実施形態も用いることができる。また、説明を容易にするために、グラフィカル・ユーザ・インターフェース500は、図1のプロセス制御システム100の中にあるコントローラ104において動作するものとする。グラフィカル・ユーザ・インターフェース500は、他の任意のデバイスにおいても、また他の任意のシステムにおいても用いることができる。
【0045】
グラフィカル・ユーザ・インターフェース500の一例は、特に、破断回復制御モジュール200及び巻取防止ユニット202のコンフィギュレーション(環境設定)を設定するために用いることができる。例えば、グラフィカル・ユーザ・インターフェース500は、特に、破断回復制御モジュール200の動作をユーザに設定させるコンフィギュレーション・エリア502を含む。この例では、コンフィギュレーション・エリア502は、多数のタブから形成され、ユーザがコンフィギュレーションに異なる制御則を選択できるようにした制御則選択エリア504を含む。また、コンフィギュレーション・エリア502は、ユーザが選択した制御則のコンフィギュレーションを設定することができる制御則コンフィギュレーション・エリア506も含む。
【0046】
破断回復制御モジュール200を制御則選択エリア504において(「混成キャリパ」(Hybrid Caliper)タブを選択することによって)を選択すると、図5に示す情報を制御則コンフィギュレーション・エリア506に呈示することができる。制御則コンフィギュレーション・エリア506は、ここでは、ユーザに調整パラメータを設定させ、更に切り換えモードを高速制御から低速制御に選択させる(自動的に又は手動で)。自動切り換えでは、ユーザは、高速制御モードから低速制御モードに切り換える前に経過する最小時間量を指定する切り換えタイマを設定することができる。手動切り換えでは、ユーザが選択することができるスイッチが設けられる。
【0047】
また、グラフィカル・ユーザ・インターフェース500は、巻取防止コンフィギュレーション・エリア508も含む。巻取防止コンフィギュレーション・エリア508は、ユーザに巻取防止ユニット202を動作可能又は動作不法にさせる。動作可能にした場合、ユーザは、調整パラメータ(「ラムダ」で示す)を設定することによって、巻取防止ユニット202が用意する巻取防止の量を指定することもできる。
【0048】
図5は、プロセス制御システムにおいて破断回復及びその他の機能を支援するグラフィカル・ユーザ・インターフェース500の一例を示すが、これは種々の変更を行うことができる。例えば、グラフィカル・ユーザ・インターフェース500の配置や内容は、例示に過ぎない。また、グラフィカル・ユーザ・インターフェース500の種々のパラメータやその他の内容も、一例に過ぎない。その他の又は追加のいずれのパラメータでも、ユーザがグラフィカル・ユーザ・インターフェース500を用いることによって、設定することができる。
【0049】
図6は、本開示による製紙機械における破断回復方法600の一例を示す。説明を容易にするために、図6における方法600は、図1のシステム100において動作するコントローラ104に関して説明する。しかしながら、方法600は、他の任意のデバイスにおいても、そして他の任意のシステムにおいても用いることができる。
【0050】
ステップ602において、製紙機械102を用いて平半紙108を生産する。これには、例えば、コントローラ104が、定常状態即ち低速動作モードにある間に製紙機械102におけるアクチュエータを制御することを含むことができる。次いで、平半紙108は、ステップ604において破断し、ステップ606において平半紙108を製紙機械102に掛け直す。
【0051】
この時点で、ステップ608においてコントローラ104を高速動作モードに入れる。これは、コントローラ104がシート破断を検出し、次いで、製紙機械の動作再開を検出したときのように、自動的に行うことができる。また、これは、ユーザがコントローラ104を高速動作モードに入れる選択肢を選択したときのように、手動で行うこともできる。製紙機械102の動作が再開し、ステップ160においてシート破断の影響を素早く低減又は解消するようにコントローラ104が製紙機械102を動作させる。これには、例えば、コントローラ104が製紙機械102におけるアクチュエータに対する設定点変更を一層急速に又は急進的に行うことを含むことができる。
【0052】
最終的に、シート破断の影響が低減され(キャリパ・プロファイルが所望のプロファイルの閾値以内に収まったときのように)、あるいは指定した時間期間が経過して、ステップ612においてコントローラは定常状態即ち低速動作モードに入る。次いで、コントローラ104は、ステップ614において製紙機械102を動作させ続けて、低速動作モードにある間、平半紙108を生産する。
このように、コントローラ104の動作は、平半紙108の破断を考慮して変更することができる。コントローラ104は、平半紙108を製紙機械102において掛け直した直後に、一層急進的又は急速に設定点変更を行うことができる。コントローラ104は、シート破断の影響が低下した後では、設定点変更を少なく又は小さくすることができる。
【0053】
図6は、製紙機械における破断回復方法600の一例を示すが、種々の変更を行うこともできる。例えば、一連のステップとして示したが、図6に示す種々のステップは重複すること、又は並行して実行することもできる。
【0054】
実施形態によっては、以上に説明した種々の機能を、コンピュータ・プログラムによって実現又は支援する場合もある。コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能プログラムから形成され、コンピュータ読み取り可能媒体に具体化されている。「コンピュータ読み取り可能プログラム・コード」という句は、任意の種類のコンピュータ・コードも含み、ソース・コード、オブジェクト・コード、及び実行可能コードを含む。「コンピュータ読み取り可能媒体」という句は、リード・オンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ハード・ディスク・ドライブ、コンパクト・ディスク(CD)、ディジタル・ビデオ・ディスク(DVD)、又はその他の任意種類のメモリというような、コンピュータによるアクセスが可能な媒体であれば、いずれの種類でも含む。
【0055】
本特許文書全体において用いられているある種の単語及び句の定義を明記しておくと、便利なこともあるであろう。「結合」(couple)という用語及びその派生語は、2つ以上の要素間におけるあらゆる直接的又は間接的な伝達を指し、これらの要素が物理的に互いに接触しているか否かを問わない。「含む」(include)及び「備えている」(comprise)という用語ならびにその派生語は、限定ではない包含を意味する。「又は」(or)という用語は、包含的であり、「及び/又は」を意味する。「関連のある」(associated with)及び「それと関連のある」(associated therewith)、ならびにその派生語は、含む、内部に含む、相互接続する、内蔵する、内部に収容されている、接続する、結合する、連通する、協同する、交互配置する、平置する、近接する、結束する(be bound to or with)、有する、固有性を有する等を意味する場合がある。「コントローラ」という用語は、少なくとも1つの動作を制御するのであれば、いずれのデバイス、システム、又はその一部をも意味する。いずれの特定のコントローラと関連のある機能性であっても、内部(locally)又は外部(remotely)を問わず、集中又は分散することができる。
【0056】
以上、本開示ではある種の実施形態及び全体的に関連のある方法について説明したが、これらの実施形態及び方法の変形や代替は当業者には明白であろう。したがって、実施形態例についてのこれまでの説明は、本開示を定義するのでも、制約するのでもない。以下の特許請求の範囲に定めた、本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、その他の変更、交換、及び変形も可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス制御システム(100)における1つ以上のアクチュエータ(114〜126)について1つ以上の設定点変更を決定するステップであって、
第1動作モードで動作しているときは設定点変更を増大させるか又はその変更頻度を高めるステップと、
第2モードで動作しているときには設定点変更を減少させるか又はその変更頻度を低めるステップと
を含む、決定ステップと、
前記1つ以上の設定点変更を前記1つ以上のアクチュエータ(114〜126)に出力するステップと
からなることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記プロセス制御システム(100)は、平半紙(108)を生産するように動作可能な製紙機械(102)を備えており、該方法はさらに、
前記平半紙(108)が破断し、前記製紙機械(102)に掛け直した後に、第1モードに入るステップ
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、該方法は更に、前記第1モードに入ってから所定の期間が経過した後に、前記第1モードに入るステップを備えていることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2記載の方法において、前記1つ以上のアクチュエータ(114〜126)は、前記平半紙(108)のキャリパ・プロファイルを調節するように動作可能な1つ以上の誘導加熱アクチュエータ(122)を含み、該方法はさらに、
前記第1モードに入り、前記平半紙(108)のキャリパ・プロファイルが、所望のキャリパ・プロファイルの所定の閾値以内となった後に、前記第2モードに入るステップ
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、該方法はさらに、
グラフィカル・ユーザ・インターフェース(500)をユーザに提供するステップと、
前記グラフィカル・ユーザ・インターフェース(500)を用いて、
前記第1モードから前記第2モードへの移行を手動又は自動のどちらで行うかを指定するステップ、
第1モードから第2モードに自動的に切り換える前に必要とする時間長を指定するステップ、及び
前記第1モードから前記第2モードへの移行を行うときに手動で指示するステップ
の内少なくとも1つを、ユーザに行わせるステップと
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、前記1つ以上の設定点変更を出力するステップは、巻き込み防止保護を備えるために前記1つ以上の設定点変更を処理し、前記1つ以上の処理した設定点変更を前記1つ以上のアクチュエータ(114〜126)に出力するステップを備えていることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法において、巻取防止保護のレベルはユーザにより指定されることを特徴とする方法。
【請求項8】
装置において、
プロセス制御システム(100)における1つ以上のアクチュエータ(114〜126)について1つ以上の設定点変更を決定するように動作可能な制御モジュール(200)であって、
第1動作モードで動作しているときは設定点変更を増大させるか又はその変更頻度を高め、
第2モードで動作しているときには設定点変更を減少させるか又はその変更頻度を低める
ことによって前記1つ以上の設定点変更を決定するように動作可能な制御モジュールと、
前記1つ以上の設定点変更を前記1つ以上のアクチュエータ(114〜126)に出力するように動作可能なインターフェース(132)と
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置において、前記プロセス制御システム(100)は、平半紙(108)を生産するように動作可能な製紙機械(102)を備えており、
前記制御モジュール(200)はさらに、前記平半紙(108)が破断し、前記製紙機械(102)に掛け直した後に、第1モードに入るように動作可能である
ことを特徴とする装置。
【請求項10】
コンピュータ読み取り可能媒体上に具体化され、プロセッサによって実行するように動作可能なコンピュータ・プログラムであって、
プロセス制御システム(100)における1つ以上のアクチュエータ(114〜126)について1つ以上の設定点変更を決定するコンピュータ読み取り可能プログラム・コードであって、
第1動作モードで動作しているときは設定点変更を増大させるか又はその変更頻度を高めるコンピュータ読み取り可能プログラム・コードと、
第2モードで動作しているときには設定点変更を減少させるか又はその変更頻度を低めるコンピュータ読み取り可能プログラム・コードと
を備えているコンピュータ読み取り可能プログラム・コードと、
前記1つ以上の設定点変更を前記1つ以上のアクチュエータ(114〜126)に出力するコンピュータ読み取り可能プログラム・コードと
を備えていることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
【請求項11】
システムであって、
平半紙(108)を生産するように動作可能であり、複数のアクチュエータ(113〜126)を備えている製紙機械(102)と、
前記アクチュエータ(114〜126)の1つ以上について、1つ以上の設定点変更を決定するように動作可能なコントローラ(104)であって、
第1動作モードで動作しているときは設定点変更を増大させるか又はその変更頻度を高め、
第2モードで動作しているときには設定点変更を減少させるか又はその変更頻度を低める
ことによって、前記1つ以上の設定点変更を決定するように動作可能なコントローラ(104)と
を備えていることを特徴とするシステム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図1】
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【公表番号】特表2010−500660(P2010−500660A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523915(P2009−523915)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/075138
【国際公開番号】WO2008/019301
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(508322831)ハネウェル・アスカ・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】