説明

製袋包装機

【課題】製袋包装機の消費電流を低減することが可能な技術を提供する。
【解決手段】袋を形成し、当該袋を用いて物品を包装する製袋包装機には、包材たるフィルムをシールするシールジョーと、当該シールジョーを加熱するヒータ部201Fと、当該ヒータ部201Fを駆動するヒータ駆動部260とが設けられている。さらに、製袋包装機には、モータで発生した回生電流をヒータ部201Fに供給する回生電流供給部(モータ駆動部270)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋を形成し、当該袋を用いて物品を包装する製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から製袋包装機に関して様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1の技術では、ヒータ及びモータの通電期間がオーバーラップしないように駆動機器を動作させることによって、当該駆動機器の電力負荷の低減を図っている。また特許文献2にも、製袋包装機に関する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−155465号公報
【特許文献2】特開2007−84082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1の技術では、ヒータ及びモータの通電期間を単にずらしているだけであるため、ある瞬間での消費電流は低減されるが、トータルの消費電流は低減されない。
【0005】
そこで、本発明は上記の点に鑑みて成されたものであり、製袋包装機の消費電流を低減することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、袋を形成し、当該袋を用いて物品を包装する製袋包装機であって、包材をシールするシール機構と、前記シール機構を加熱するヒータ部と、前記ヒータ部を駆動するヒータ駆動部と、モータと、前記モータで発生する回生電流を前記ヒータ部に供給する回生電流供給部とを備える。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の製袋包装機であって、前記ヒータ駆動部は、前記ヒータ部に前記回生電流が供給されている場合には、当該ヒータ部に流す電流を低減する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、ヒータ駆動部だけではなく、モータで発生した回生電流を使用してシール機構を加熱することができるため、本製袋包装機の消費電流を低減することができる。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、効率よくシール機構を加熱することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明の実施の形態に係る製袋包装機100の機械的な構成を示す側面図である。図2は本製袋包装機100が備える横シール装置190の機械的な構成を詳細に示す側面図である。図3は本製袋包装機100の電気的な構成を主として示すブロック図である。本実施の形態に係る製袋包装機100は、袋PCを形成し、当該袋PCを用いて物品Xを包装する縦型製袋包装機である。なお、以下の説明では、本製袋包装機100の前後方向、左右方向及び上下方向を、それぞれX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向とするXYZ直交座標系を用いる。
【0011】
図1に示されるように、本実施の形態に係る製袋包装機100には、投入される物品Xを受け止めて下方へ案内するチューブ140と、包材たる長尺のフィルムFLを筒状に曲成するフォーマ150とが設けられている。
【0012】
チューブ140は、上部が漏斗形状となっており、下部が円筒形状となっている。チューブ140の上部の漏斗形状の部分は、投入された物品Xを受け止めてチューブ140の内部に導く集合シュートとして機能する。チューブ140は、内部の物品X及び外面に巻きつけられた筒状のフィルムFLを下方へ案内する。
【0013】
フォーマ150は、チューブ140が貫通する湾曲面を有しており、当該湾曲面とチューブ140との間には、供給されたフィルムFLを通過させることができる間隙が設けられている。フォーマ150は、供給されたフィルムFLを当該湾曲面に密接させた後に当該間隙を通過させることにより、フィルムFLを筒状に曲成された状態でチューブ140の外面に巻きつける。
【0014】
また、本製袋包装機100には、チューブ140に巻きつけられた筒状のフィルムFLの縦方向(長さ方向)に延びる重ね合わせ部分をシール(溶着)する縦シール装置160と、筒状のフィルムFLを下方に搬送するプルダウン装置170とが設けられている。プルダウン装置170は、チューブ140の左右両側に配置された一対のプルダウンベルト171(図中では一方のみが示されている)と、プルダウンベルト171を駆動するプルダウン用サーボモータ172とを備えている。一対のプルダウンベルト171は、図示しない真空ポンプによって筒状のフィルムFLを左右から吸引しながら、プルダウン用サーボモータ172で駆動されることによって当該フィルムFLを下方に搬送する。
【0015】
縦シール装置160は、フィルムFLの搬送に追従して走行するとともにチューブ140との間にフィルムFLを挟み込むベルト部材160aを備えている。さらに、縦シール装置160は、図3に示されるように、フィルムFLの重ね合わせ部分をシールするためにベルト部材160aを加熱するヒータ部160bと、ベルト部材160aの温度を測定する温度センサ160cとを備えている。温度センサ160cは例えば熱電対等で構成されている。
【0016】
縦シール装置160及びプルダウン装置170の下方には、筒状のフィルムFLの内部に投入された物品Xの嵩密度を高めるシェーキング装置180が配置されている。シェーキング装置180の下方には、筒状のフィルムFLを前後両側から挟み付けて、当該フィルムFLの所定位置をシールするとともに、物品Xが収容された筒状のフィルムFLの上端部をシールして袋PCを形成する横シール装置190が配置されている。
【0017】
シェーキング装置180は、横シール装置190によって底部が形成され、かつ物品Xが投入された筒状のフィルムFLを、前後一対のシャッタ部材181で挟み込んだ状態で、当該シャッタ部材181を上下に振動させることにより、物品Xの嵩密度を高める。シェーキング装置180には、一対のシャッタ部材181を開閉するシャッタ開閉用シリンダ182と、一対のシャッタ部材181を上下に振動させる振動用サーボモータ183が設けられている。なお図1では、筒状のフィルムFLがシャッタ部材181で挟み込まれていない状態を実線で示しており、筒状のフィルムFLがシャッタ部材181で挟み込まれた状態を二点鎖線で示している。
【0018】
横シール装置190は、前後一対の横シール部190F,190Bを備えており、横シール部190F,190Bが互い協同して動作することにより、筒状のフィルムFLが横方向(幅方向)にシールされて切断される。
【0019】
前方側の横シール部190F(以後、「前方側横シール部190F」と呼ぶ)は、シールジョー191F,192Fと、時計回りに回転運動するとするとともに前後方向に往復直線運動する回転軸193Fと、シールジョー191F,192Fと回転軸193Fとを連結する連結部材194Fとを備えている。また、後方側の横シール部190B(以後、「後方側横シール部190B」と呼ぶ)は、シールジョー191B,192Bと、反時計回りに回転運動するとするとともに前後方向に往復直線運動する回転軸193Bと、シールジョー191B,192Bと回転軸193Bとを連結する連結部材194Bとを備えている。
【0020】
さらに、横シール装置190には、回転軸193Fを時計回りに回転させるとともに、回転軸193Bを反時計回りに回転させる回転駆動用サーボモータ197が設けられている。また、横シール装置190には、回転軸193B,193Fを、フィルムFLの搬送方向(Z軸方向)に垂直な水平方向(X軸方向)に独立して往復直線運動させる水平駆動用サーボモータ198が設けられている。
【0021】
<横シール装置の詳細な構成>
次に、横シール装置190の構成を詳細に説明する。本実施の形態では、前方側横シール部190F及び後方側横シール部190Bは、前後対称の同等の構成を有しているため、以下では、主に前方側横シール部190Fの構成について説明する。
【0022】
図2に示されるように、前方側横シール部190Fは、連結部材194Fと、シールジョー191F,192Fと、ベース部材301,302と、回動部材311,312と、回動軸321,322とを備えている。
【0023】
連結部材194Fは、回転軸193Fの往復直線運動に追随して運動するとともに、回転軸193Fの回転運動に追随して運動する。
【0024】
連結部材194Fの両端部のシールジョー191F,192Fは、それぞれ、後方側横シール部190Bのシールジョー191B,192Bと対になって筒状のフィルムFLを挟み込み、挟み込んだ筒状のフィルムFLをシール(溶着)して切断する。シールジョー191F,192Fの内部には、筒状のフィルムFLを溶着するためのヒータ部201F,202Fがそれぞれ設けられている(図3参照)。シール機構たるシールジョー191F,192Fは、ヒータ部201F,202Fによってそれぞれ加熱される。また、シールジョー191F,192Fのいずれか一方には、当該いずれか一方の温度を測定する温度センサ203Fが内蔵されている(図3参照)。
【0025】
なお、後方側横シール部190Bのシールジョー191B,192Bの内部にも、ヒータ部201B,202Bがそれぞれ設けられており、シールジョー191B,192Bのいずれか一方には、当該いずれか一方の温度を測定する温度センサ203Bが内蔵されている(図3参照)。温度センサ203B,203Fは例えば熱電対等で構成されている。
【0026】
また、前方側横シール部190Fのシールジョー191F,192Fのそれぞれ、あるいは後方側横シール部190Bのシールジョー191B,192Bのそれぞれには、ソレノイド等によって駆動され、フィルムFLにおける横方向にシールされた部分を横方向に切断するカッタ(図示せず)が収容されている。
【0027】
ベース部材301,302は、シールジョー191F,192Fをそれぞれ保持する。ベース部材301,302は、回動軸321,322にそれぞれ結合され、回動軸321,322のまわりに連結部材194Fに対して相対的に回動可能である。
【0028】
回動部材311,312は、それぞれ、一方の端部の近傍において回動軸321,322に結合され、回動軸321,322のまわりに連結部材194Fに対して相対的に回動可能である。
【0029】
回動軸321,322は、連結部材194Fの両端部において連結部材194Fを左右(Y軸方向)に貫通するように設けられている。回動軸321,322は、連結部材194Fに対して相対的に回動可能である。
【0030】
これにより、前方側横シール部190Fでは、回動部材311,312が連結部材194Fに対して相対的に回動すれば、ベース部材301,302も連結部材194Fに対して相対的に回動し、シールジョー191F,192Fの連結部材194Fに対する角度が変化することになる。
【0031】
前方側横シール部190Fは、さらに、カム331と、カムフォロア341,342と、スプリング351,352とを備えている。カム331は、回転軸193Fの往復直線運動に追随して運動するが、回転軸193Fの回転運動に対しては追随しないように設置されている。したがって、回転軸193Fが回転したとしても、カム331は回転しない。カムフォロア341,342は、それぞれ、回動部材311,312に回転自在に取り付けられ、カム331のカム面3311に摺接する。カムフォロア341,342は、それぞれ、回動部材311,312において、回動軸321,322への結合位置よりも他方の端部よりの位置に取り付けられている。
【0032】
スプリング351,352は、連結部材194Fの側部に設けられている。スプリング351は、回動部材311の他方の端部と、連結部材194Fの回動部材311が設けられた端部とは回転軸193Fを挟んで反対側の端部とに渡って配置されており、当該スプリング351によってカムフォロア341はカム面3311に向かって付勢される。同様に、スプリング352は、回動部材312の他方の端部と、連結部材194Fの回動部材312が設けられた端部とは回転軸193Fを挟んで反対側の端部とに渡って設けられており、当該スプリング352によってカムフォロア342はカム面3311に向かって付勢される。これにより、カム面3311の形状は、連結部材194Fに対するシールジョー191F,192Fの向きを規定することになる。
【0033】
<製袋包装機の電気的構成>
次に図3を参照して、本製袋包装機100の電気的構成について詳細に説明する。図3に示されるように、本製袋包装機100には、その全体の動作を制御する制御部として機能するコントロールユニット250が設けられている。コントロールユニット250はCPUやメモリなどで構成されている。
【0034】
また、本製袋包装機100には、ヒータ駆動部260とモータ駆動部270とが設けられている。ヒータ駆動部260は、コントロールユニット250による制御により、縦シール装置160のヒータ部160bと、横シール装置190のヒータ部201B,202B及びヒータ部201F,202Fとを駆動する。コントロールユニット250は、縦シール装置160の温度センサ160cでの検出結果に基づいてヒータ駆動部260を制御する。これにより、縦シール装置160のベルト部材160aの温度が一定温度になるようにヒータ部160bが駆動される。
【0035】
同様にして、コントロールユニット250は、前方側横シール部190Fの温度センサ203Fでの検出結果に基づいてヒータ駆動部260を制御する。これにより、前方側横シール部190Fのシールジョー191F,192Fの温度が一定温度になるようにヒータ駆動部260によってヒータ部201F,202Fがそれぞれ駆動される。
【0036】
同様にして、コントロールユニット250は、後方側横シール部190Bの温度センサ203Bでの検出結果に基づいてヒータ駆動部260を制御する。これにより、後方側横シール部190Bのシールジョー191B,192Bの温度が一定温度になるようにヒータ駆動部260によってヒータ部201B,202Bがそれぞれ駆動される。
【0037】
モータ駆動部270は、MOSトランジスタやダイオードなどで構成されており、コントロールユニット250による制御により、横シール装置190の回転駆動用サーボモータ197及び水平駆動用サーボモータ198を駆動する。また、モータ駆動部270は、上述のプルダウン用サーボモータ172及び振動用サーボモータ183も駆動する。
【0038】
<シールジョーの運動軌跡>
次に図1を参照しながら、シールジョー191F,192F及びシールジョー191B,192Bの運動の軌跡について説明する。
【0039】
図1に示されるように、シールジョー191F,192Fのそれぞれは、側面視上において、位置A1から位置A2へ至る直線部分と位置A2から位置A1へと至る円弧を含む曲線部分とからなる略D字形状の閉じた軌跡GFを繰り返し描くように、回転駆動用サーボモータ197及び水平駆動用サーボモータ198によって駆動される。また、シールジョー191B,192Bのそれぞれは、側面視上において、位置B1から位置B2へ至る直線部分と位置B2から位置B1へと至る円弧を含む曲線部分とからなる略D字形状の閉じた軌跡GBを繰り返し描くように、回転駆動用サーボモータ197及び水平駆動用サーボモータ198によって駆動される。
【0040】
回転駆動用サーボモータ197及び水平駆動用サーボモータ198による駆動により、筒状のフィルムFLについての前後対称の位置にあるシールジョー191B,191Fの組みは、シールジョー191Fが軌跡GFの直線部分にあり、シールジョー191Bが軌跡GBの直線部分にあるときは、筒状のフィルムFLに追随して運動し、筒状のフィルムFLを前後両側から挟み込んで幅方向にシールするとともに、筒状のフィルムFLの切断を行う。一方で、シールジョー191B,191Fの組みは、シールジョー191Fが軌跡GFの曲線部分にあり、シールジョー191Bが軌跡GBの曲線部分にあるときは、筒状のフィルムFLから離隔して運動する。シールジョー192B,192Fの組みも同様に動作し、筒状のフィルムFLを前後両側から挟み込んで幅方向にシールするとともに、筒状のフィルムFLの切断を行う。
【0041】
なお、シールジョー191B,191Fの組み、あるいはシールジョー192B,192Fの組みが、Z軸方向に直線運動をしているときに、互いに対向して筒状のフィルムFLを適切に挟み込むことができるように、カム331のカム面3311の形状は決められている。
【0042】
<製袋包装機の包装動作>
次に、本実施の形態に係る製袋包装機100の包装動作について説明する。まず、帯状のフィルムFLはフォーマ150を介してチューブ140に巻きつけられて筒状に成形されながら、プルダウン装置170によって下方へ搬送される。そして、筒状のフィルムFLの重ね合わせ部が縦シール装置160によってシールされる。このとき、計量機などの装置から所定重量の物品Xがチューブ140を介して底部が形成された筒状のフィルムFLに投入されると、横シール装置190によって、フィルムFLにおける物品Xが投入されている部分の上方がシールされて、物品Xが封入された袋PCと同時に筒状のフィルムFLの新たな底部が形成される。そして、横シール装置190によって、フィルムFLの幅方向にシールされた部分の略中央部分が切断され、フィルムFLから袋PCが切り離される。以後、同様の動作が繰り返して行われる。これにより、袋詰め商品が順次製造される。
【0043】
<ヒータ部の駆動方法>
次に、縦シール装置160のヒータ部160b及び横シール装置190のヒータ部201B,202B及びヒータ部201F,202Fの構成及びそれらの駆動方法について詳細に説明する。本実施の形態では、ヒータ部160b、ヒータ部201B,202B及びヒータ部201F,202Fは、同様の構成を有し、同様の方法で駆動されるため、以下では、代表して、ヒータ部201Fの構成及びその駆動方法について詳細に説明する。
【0044】
図4はヒータ部201Fの構成を示す図である。図4に示されるように、ヒータ部201Fは、互いに独立して駆動されるメインヒータMH及びサブヒータSHで構成されている。メインヒータMHはヒータ駆動部260によって駆動電流IMが通電され、サブヒータSHはモータ駆動部270によって駆動電流ISが通電される。
【0045】
ここで、上述のように、シールジョー191F,192Fの位置を変化させる回転軸193F及びシールジョー191B,192Bの位置を変化させる回転軸193Bのそれぞれは、水平駆動用サーボモータ198によって駆動されることにより、前後方向に往復直線運動を行う。回転軸193B,193Fの運動方向が−X方向から+X方向、あるいは+X方向から−X方向に変化する直前には、水平駆動用サーボモータ198の回転に減速が生じる。一般的に、モータの回転にブレーキがかかり、その回転速度が低下すると、モータのコイルに蓄積されたエネルギーによって回生電流が発生する。本実施の形態に係るモータ駆動部270は、水平駆動用サーボモータ198で発生する回生電流を、自身が備えるダイオード等を通じて外部に取り出すことができ、この取り出された回生電流が、駆動電流ISとしてサブヒータSHに供給される。つまり、モータ駆動部270は、水平駆動用サーボモータ198で発生した回生電流をヒータ部201Fに供給する回生電流供給部として機能する。
【0046】
図5はメインヒータMH及びサブヒータSHの駆動方法を示す図である。ヒータ駆動部260は、水平駆動用サーボモータ198で回生電流が発生していない場合には、上述のように、温度センサ203Fでの検出結果に基づいて、シールジョー191Fの温度が一定温度となるようにメインヒータMHに駆動電流IMを供給する。そして、ヒータ駆動部260は、図5に示されるように、水平駆動用サーボモータ198で回線電流が発生してモータ駆動部270から駆動電流ISが出力されると、回生電流が発生している間、その回生電流の分だけ、メインヒータMHに流す駆動電流IMを減少させる。
【0047】
ここで、コントロールユニット250は、モータ駆動部270を通じて水平駆動用サーボモータ198を制御していることから、水平駆動用サーボモータ198で回生電流が発生するタイミングと、水平駆動用サーボモータ198で回生電流が発生しなくなるタイミングとを特定することができる。また、水平駆動用サーボモータ198に発生する回生電流の値は、事前に実験等を行うことによって求められ、コントロールユニット250に予め記憶されている。コントロールユニット250は、水平駆動用サーボモータ198で回生電流が発生するタイミングになると、メインヒータMHに供給している駆動電流IMが回生電流の分だけ減少するようにヒータ駆動部260を制御する。そして、コントロールユニット250は、水平駆動用サーボモータ198で回生電流が発生しなくなるタイミングになると、メインヒータMHに供給している駆動電流IMが増加してもとに戻るようにヒータ駆動部260を制御する。これにより、ヒータ部201Fに回生電流(駆動電流IS)が供給されている間、ヒータ駆動部260からヒータ部201Fに供給される駆動電流IMは低減する。
【0048】
なお、ヒータ部160b、ヒータ部201B,202B及びヒータ部202Fについても、それぞれメインヒータMHとサブヒータSHとを備えており、ヒータ部201Fと同様に、メインヒータMHにはヒータ駆動部260から駆動電流IMが供給され、サブヒータSHにはモータ駆動部270から回生電流が供給される。
【0049】
以上のように、本実施の形態では、縦シール装置160のベルト部材160aや横シール装置190のシールジョー191F,192F及びシールジョー191B,192Bなどのシール機構を、ヒータ駆動部260だけではなく、水平駆動用サーボモータ198で発生した回生電流を使用して加熱することができるため、本製袋包装機100の消費電流を低減することができる。
【0050】
また、ヒータ駆動部260は、ヒータ部160bやヒータ部201Fなどのヒータ部に回生電流が供給されている場合には、当該ヒータ部に流す電流を低減するため、効率よくシール機構を加熱することができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、本製袋包装機100が備える全てのヒータ部に回生電流を供給していたが、それらのうちの一部だけに回生電流を供給することによっても、本製袋包装機100の消費電流を低減することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、ベルト部材160a、シールジョー191F,192F及びシールジョー191B,192Bを加熱する際に、水平駆動用サーボモータ198で発生した回生電流を利用したが、他のモータで回生電流が発生する場合には、その回生電流を利用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態に係る製袋包装機の機械的な構成を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る横シール装置の機械的な構成を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る製袋包装機の電気的な構成を主として示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るヒータ部の構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るヒータ部の駆動方法を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
100 製袋包装機
160a ベルト部材
160b,201B,201F,202B,202F ヒータ部
198 水平駆動用サーボモータ
191B,191F,192B,192F シールジョー
260 ヒータ駆動部
270 モータ駆動部(回生電流供給部)
FL フィルム
IM,IS 駆動電流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋を形成し、当該袋を用いて物品を包装する製袋包装機であって、
包材をシールするシール機構と、
前記シール機構を加熱するヒータ部と、
前記ヒータ部を駆動するヒータ駆動部と、
モータと、
前記モータで発生する回生電流を前記ヒータ部に供給する回生電流供給部と
を備える、製袋包装機。
【請求項2】
請求項1に記載の製袋包装機であって、
前記ヒータ駆動部は、前記ヒータ部に前記回生電流が供給されている場合には、当該ヒータ部に流す電流を低減する、製袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−91021(P2009−91021A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264550(P2007−264550)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】