説明

複合体粒子、樹脂組成物および樹脂成形体

【課題】液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種と架橋構造を有する高分子化合物とが複合していない場合に比べ、樹脂中における分散性に優れた複合体粒子を提供する。
【解決手段】液状のリン酸エステルおよびイオン液体(液状難燃剤)から選択される少なくとも1種と、架橋高分子と、が複合した(より望ましくは、架橋高分子の表面に液状難燃剤が表面処理された、または、架橋高分子の内部に液状難燃剤が含浸した)複合体粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合体粒子、樹脂組成物および樹脂成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂成形体の形成に用いられる樹脂組成物としては、種々のものが提供されている。
例えば、難燃剤としてリン酸エステルを用いた、ゴム強化スチレン系樹脂組成物および該組成物を用いた樹脂成形品が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
また、樹脂とゴムと難燃剤とを含むポリ乳酸樹脂組成物について開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−200131号公報
【特許文献2】特開2008−101084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種と架橋構造を有する高分子化合物とが複合していない場合に比べ、樹脂中における分散性に優れた複合体粒子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
即ち、請求項1に係る発明は、
液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種と、架橋構造を有する高分子化合物と、が複合した複合体粒子である。
【0006】
請求項2に係る発明は、
前記架橋構造を有する高分子化合物の表面に、前記液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種が表面処理された請求項1に記載の複合体粒子である。
【0007】
請求項3に係る発明は、
前記架橋構造を有する高分子化合物の内部に、前記液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種が含浸した請求項1に記載の複合体粒子である。
【0008】
請求項4に係る発明は、
樹脂中に、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の複合体粒子を混合し分散させた樹脂組成物である。
【0009】
請求項5に係る発明は、
請求項4に記載の樹脂組成物を成形した樹脂成形体である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種と架橋構造を有する高分子化合物とが複合していない場合に比べ、樹脂中における分散性に優れた複合体粒子が提供される。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種が架橋構造を有する高分子化合物の表面に表面処理されていない場合に比べ、樹脂中における分散性に優れた複合体粒子が提供される。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種が架橋構造を有する高分子化合物の内部に含浸されていない場合に比べ、樹脂中における分散性に優れた複合体粒子が提供される。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種と架橋構造を有する高分子化合物とが複合していない場合に比べ、混練性に優れた樹脂組成物が提供される。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種と架橋構造を有する高分子化合物とが複合していない場合に比べ、耐衝撃性および難燃性のバラツキが抑制された樹脂成形体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る樹脂成形体を備える電子・電気機器の部品の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の複合体粒子、樹脂組成物および樹脂成形体の望ましい実施形態について説明する。
≪複合体粒子≫
本実施形態に係る複合体粒子は、液状のリン酸エステルおよびイオン液体(以下、両者を指して「液状難燃剤」と称す)から選択される少なくとも1種と、架橋構造を有する高分子化合物(以下、単に「架橋高分子」と称す)と、が複合したことを特徴とする。
【0017】
液状のリン酸エステルやイオン液体(液状難燃剤)は樹脂成形体に含有させることで樹脂成形体に難燃性が付与される化合物であり、且つ樹脂成形体の形成に用いられる樹脂(いわゆるマトリクス樹脂)に対して可塑効果を有している。また、架橋構造を有する高分子化合物(架橋高分子)、中でも特にガラス転移温度(Tg)が室温(25℃)以下である架橋高分子や、あるいは、低分子化合物、オリゴマー化合物または架橋高分子と相溶性の高い高分子化合物を分散した高分子化合物(架橋高分子)は、樹脂成形体に含有させることで樹脂成形体に耐衝撃性が付与される化合物である。
【0018】
本実施形態に係る複合体粒子を樹脂中に添加した場合、液状難燃剤と複合化していない架橋高分子を樹脂中に添加した場合に比べて、液状難燃剤の可塑効果によって、架橋高分子自体の樹脂への相溶性が高められ、樹脂中に良好に分散されるものと推察される。その結果、本実施形態に係る複合体粒子を樹脂中に添加して混練し樹脂組成物を製造する際にはその混練性に優れるものと推察される。
また、前記の通り、液状難燃剤は樹脂成形体に難燃性を付与し得る化合物であり、一方架橋高分子は樹脂成形体に耐衝撃性を付与し得る化合物である。そのため、本実施形態に係る複合体粒子を樹脂中に添加して成形した樹脂成形体では、優れた難燃性と優れた耐衝撃性とが得られ、且つ樹脂中に本実施形態に係る複合体粒子が良好に分散しているため、耐衝撃性や難燃性のバラツキが効果的に抑制されるものと推察される。
【0019】
また、本実施形態に係る複合体粒子を樹脂中に添加した場合、液状難燃剤と複合化していない架橋高分子を樹脂中に添加した場合に比べて、上記可塑効果が強くなり過ぎることが抑制されるため、樹脂組成物の粘性が下がり過ぎることによる樹脂成型体の成形性の低下が効果的に抑制されるものと推察される。
【0020】
ここで、液状のリン酸エステルおよびイオン液体(液状難燃剤)から選択される少なくとも1種と、架橋高分子と、を複合化する態様としては、具体的には以下の2通りの態様が挙げられる。
【0021】
・表面処理
前記架橋高分子の表面に、前記液状のリン酸エステルおよびイオン液体(液状難燃剤)から選択される少なくとも1種が表面処理された複合体粒子が挙げられる。
架橋高分子の表面を液状難燃剤によって表面処理することにより、この複合体粒子は架橋高分子の表面が液状難燃剤によって被覆された状態となる。
【0022】
架橋高分子の表面に液状難燃剤を表面処理する方法としては、特に限定されるものではないが、以下の方法が挙げられる。例えば、架橋高分子と液状難燃剤とをそれぞれドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、温度およびスクリューの回転数を調整して押出することにより表面処理が行われる。該押出機としては、二軸押出機(例えば、東洋精機製のラボプラストミル、JSW日本製鋼所製のTEXシリーズ)、単軸押出機等が挙げられる。
またその他、架橋高分子と液状難燃剤とを遊星ボールミルへ投入し、処理時間を調整して混合することにより表面処理が行われる。該遊星ボールミルとしては、(株)レッチェ製PMシリーズ、三庄インダストリー(株)製遊星ミルギャラクシーシリーズ、フリッチュ・ジャパン(株)製遊星ボールミルシリーズ等が挙げられる。
【0023】
・含浸
前記架橋高分子の内部に、前記液状のリン酸エステルおよびイオン液体(液状難燃剤)から選択される少なくとも1種が含浸した複合体粒子が挙げられる。
即ちこの複合体粒子は架橋高分子の網目構造の該網目の隙間に液状難燃剤が浸透して含まれた状態となる。
【0024】
架橋高分子の内部に液状難燃剤を含浸させる方法としては、特に限定されるものではないが、以下の方法が挙げられる。例えば、架橋高分子と液状難燃剤とを、真空状態とした容器内で攪拌し混合することにより含浸が行われる。
【0025】
以下、本実施形態に係る複合体粒子の各成分について説明する。
【0026】
<液状難燃剤>
・リン酸エステル
本実施形態に用いられるリン酸エステルは、
一般式 : (RO)PO
〔式中、Rは脂肪族基または芳香族環を示し、該脂肪族基はOH基等の置換基を、該芳香族環はOH基やアルキル基等の置換基を有してもよい。〕
であらわされる化学構造を有する化合物である。
【0027】
上記リン酸エステルの具体例としては、脂肪族リン酸エステル(例えば、トリメチルフォスフェート、トリエチルホスフェート等)、芳香族リン酸エステル(例えば、トリフェニルホスフェート等)、芳香族縮合リン酸エステル等が挙げられる。
中でも、特に芳香族縮合リン酸エステルが好適に用いられる。
【0028】
前記芳香族縮合リン酸エステルとしては、例えば、ペンタエリスリトールジホスフェートや、下記一般式(I)、(II)で表わされるリン酸エステル化合物が挙げられる。
【0029】
【化1】



【0030】
式(I)中、Q、Q、QおよびQはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Q、Q、QおよびQはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表し、m1、m2、m3およびm4はそれぞれ独立に、0以上3以下の整数を示し、m5およびm6はそれぞれ独立に、0以上2以下の整数を表し、n1は、0以上10以下の整数を表す。
【0031】
【化2】



【0032】
式(II)中、Q、Q10、Q11およびQ12はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1以上6以下のアルキル基を表し、Q13は、水素原子またはメチル基を表し、m7、m8、m9およびm10はそれぞれ独立に、0以上3以下の整数を表し、m11は0以上4以下の整数を表し、n2は、0以上10以下の整数を表す。
【0033】
本実施形態においては、例えば、ビスフェノールA型、ビフェニレン型、イソフタル型などの芳香族縮合リン酸エステルが好適に使用される。また、芳香族縮合リン酸エステルとして、大八化学社製PX−200、PX−201、PX−202、CR−733S、CR−741、CR747などの市販品を用いてもよい。
【0034】
・イオン液体
本実施形態に用いられるイオン液体は、室温(25℃)以上200℃以下の温度で液体となる、イオンのみ(アニオンおよびカチオン)から構成される溶融塩である。蒸気圧がない(不揮発性)、高耐熱性、不燃性、化学的に安定である等の特徴を有する。
カチオン(陽イオン)の種類としては、イミダゾリウムなどの環状アミジンイオン系やピリジニウム系、アンモニウム系、スルホニウム系、ホスホニウム系の有機カチオンが挙げられる。
これらカチオンに組み合わせるアニオン(陰イオン)としては、Cl、Br、AlCl、AlCl、NO、BF、PF、CHCOO、CFCOO、CFSO、(CFSO、(CFSO、AsF、SbF、F(HF)n、CFCFCFCFSO、(CFCFSO、CFCFCFCOO、CHCOO−CHSO、SCN、CHCHSO、HOSO、HCOなどが挙げられる。
【0035】
<架橋高分子>
耐衝撃改質剤として機能する前記架橋高分子としては、例えば、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム、ポリブタジエンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとの複合ゴム、およびこれらにエチレン性不飽和結合を有する単量体をグラフト重合させてなるグラフト共重合体等が挙げられる。また、この他にも、3次元架橋高分子、難溶性の多糖類、多孔質構造を有する高分子化合物等が挙げられる。
【0036】
・ポリオルガノシロキサンゴム
前記ポリオルガノシロキサンゴムとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジプロピルシロキサン、ポリジブチルシロキサン、ポリジペンチルシロキサン等のポリジアルキルシロキサンが挙げられる。
上記の中でもポリジアルキルシロキサンが望ましい。更に、前記ジアルキルシロキサンの2つのアルキル部分の炭素数は、それぞれ独立に1以上6以下が望ましい。
【0037】
・ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
前記ポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとしては、例えば、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸プロピル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル等のポリ(メタ)アクリル酸アルキルが挙げられる。
ポリ(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル部分の炭素数は、1以上6以下が望ましい。
なお、本明細書中において、「(メタ)アクリレート」はアクリレートまたはメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸またはメタクリル酸を表す。
【0038】
・複合ゴム
前記複合ゴムとしては、前記において列挙したポリオルガノシロキサンゴムと前記において列挙したポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとを複合したゴムが挙げられる。尚、前記ポリオルガノシロキサンゴム成分は1種のみであっても2種以上であってもよく、また前記ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分も1種のみであっても2種以上であってもよい。
【0039】
また、上記複合ゴムにおける前記ポリオルガノシロキサンゴム成分の比率は、5質量%以上80質量%以下であることが好ましく、5質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
【0040】
・グラフト共重合体
前記ポリオルガノシロキサンゴムや前記ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム、前記複合ゴムに対しエチレン性不飽和結合を有する単量体をグラフト重合させてなるグラフト共重合体において、該エチレン性不飽和結合を有する単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物等が挙げられる。
上記の中でも、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンが好ましい。更に、前記メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルのアルキル部分の炭素数は、それぞれ独立に1以上6以下が好ましい。
前記エチレン性不飽和結合を有する単量体は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
【0041】
上記グラフト共重合体は、特に限定されることなく従来公知の方法によって製造し得る。例えば、前記複合ゴムのコアに対し前記エチレン性不飽和結合を有する単量体をグラフト重合してシェルとして形成したコア−シェル構造を有するグラフト共重合体である場合には、以下のごとく製造される。
ポリオルガノシロキサン成分のラテックス中にポリアルキル(メタ)アクリレート成分を含む混合液を仕込み、この混合液をラジカル重合反応させることによって、複合ゴム成分(コア)を得る。次いで、この複合ゴム成分に、前記エチレン性不飽和結合を有する単量体を含む混合液を一括、あるいは滴下により添加し、複合ゴム成分にグラフト重合反応させてシェルを形成することによりグラフト共重合体が得られる。
【0042】
尚、前記グラフト共重合体としては市販品を用いてもよく、例えば、「EXL2603」,「KM−330」(ローム&ハース社製、商品名)、「MR−01」,「MR−02」(カネカ社製、商品名)、「メタブレンS−2001」,「S−2006」,「S−2030」,「S−2100」,「SRK−200」,「SX−006」,「SX−005」,「W−300A」,「W−450A」,「W−341」,「E−901」,「C−223A」,「C−323A」,「C−215A」,「C−201A」,「C−202」,「C−102」,「C−140A」,「C−132」,「F−410」,「H−602」(いずれも三菱レイヨン社製、商品名)等が挙げられる。
【0043】
・3次元架橋高分子
3次元の架橋構造を有する高分子化合物としては、1種または2種以上のモノマーと、架橋剤とからなる(共)重合体が挙げられ、上記モノマーとしては下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
【0044】
【化3】



【0045】
〔上記一般式(1)におけるR、R、R、およびRは、水素原子または一価の有機基を表す。尚、R、R、R、およびRは全て同一の構造であっても異なる構造であってもよい。〕
【0046】
上記一般式(1)では、付加重合により高分子化合物が得られやすいことから、特にR、R、R、およびRの内、少なくとも2個以上は水素原子であることが好ましく、また水素原子以外の構造の場合は、同一の炭素原子と結合している方が好ましい。
【0047】
上記一般式(1)で示される構造を有するモノマーとしては、エチレン、プロピレン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のアクリルアミド類、N−ビニルアセトアミド等のビニルアミド類、N,N−ジエチルアリルアミン等のアリルアミン類、2,4−ジメチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン等の脂肪族不飽和炭化水素類、スチレン、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジルメタクリレート等の芳香族類を側鎖に有する不飽和炭化水素類、n−酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ビニルヘキサネート、ビニルオクタネート、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1−メチルエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、オクタデシルアクリレート、オクタデシルメタクリレート、等が挙げられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いられる。
【0048】
また架橋剤としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBAAm)やエチレングリコールジメタクリレート(EDMA)等が挙げられ、開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)や過酸化ベンゾイル(BPO)、過硫酸塩などが挙げられる。
【0049】
・難溶性の多糖類
難溶性の多糖類としては、セルロース、セルロースファイバー、セルロースパウダー、キチン、キトサンなどが挙げられる。具体例としては、旭化成せんい(株)製セルロース微粒子や東亜化成(株)製VIVAPUR、VITACEL、ARBOCELなどが挙げられる。
【0050】
・多孔質構造を有する高分子化合物
多孔質構造を有する高分子化合物としては、上記架橋高分子を架橋剤にて架橋することなく、多孔質化した汎用メンブレンおよびフィルムが挙げられ、具体的には住友電工ファインポリマー(株)製ポアフロンメンブレン(PTFE)、日東電工(株)製TEMISHシリーズ、三菱樹脂(株)製ダイアラミー、三菱樹脂(株)製ダイアホイル、日本合成化学工業(株)製ニチゴーポリエスター、アルケマ社製Kynar、アルケマ社製Kynar Flex、Westran製PVDFメンブレンなどが挙げられる。
【0051】
本実施形態に係る複合体粒子において、上記液状難燃剤(液状のリン酸エステル、イオン液体)と架橋高分子との含有比率(質量比)は、1:10乃至100:1であることが望ましく、更には1:9乃至99:1であることがより望ましい。尚、前記「表面処理」による方法で複合する場合の液状難燃剤と架橋高分子との含有比率は、1:2乃至1:10であることが望ましく、前記「含浸」による方法で複合する場合の液状難燃剤と架橋高分子との含有比率は、10:1乃至1:10が望ましい。
【0052】
≪樹脂組成物≫
本実施形態に係る樹脂組成物は、本実施形態に係る複合体粒子を樹脂中に混合し分散させたことを特徴とする。
尚、本実施形態に係る樹脂組成物において、上記複合体粒子の含有率は1質量%以上50質量%以下であることが望ましく、更には10質量%以上30質量%以下であることがより望ましい。
【0053】
<樹脂>
本実施形態に係る樹脂組成物における樹脂(いわゆるマトリクス樹脂)としては、熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0054】
・熱可塑性樹脂
上記熱可塑性樹脂としては、従来公知の樹脂が用いられる。具体的には、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリーレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリールケトン樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、液晶樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリパラバン酸樹脂、芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルおよびシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂、ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂、シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等が挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂やポリ乳酸樹脂が望ましい。
【0055】
ここで、ポリカーボネート(以下「PC」ともいう)系樹脂としては、例えば、芳香族ポリカーボネート、ポリオルガノシロキサン含有芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、脂環式ポリカーボネートなどが挙げられる。上記の中でも、芳香族ポリカーボネートが望ましい。
【0056】
また、上記ポリカーボネート系樹脂は、ポリカーボネート系樹脂の少なくとも1種と、スチレン系樹脂の少なくとも1種と、を組み合わせたアロイ樹脂として用いてもよい。
上記スチレン系樹脂としては、例えば、GPPS樹脂(一般ポリスチレン樹脂)、HIPS樹脂(耐衝撃性ポリスチレン)、SBR樹脂(スチレンブタジエンゴム)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体)などが挙げられる。上記の中でも、HIPS樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等が望ましい。
【0057】
ポリカーボネート/スチレン系アロイ樹脂の市販品としては、帝人化成社製のPC/ABSアロイ樹脂である「TN7300」、出光興産社製のPC/HIPSアロイ樹脂である「NN2710AS」、UMGABS社製のPC/ABSアロイ樹脂である「ZFJ61」、SABIC社製のPC/ABSアロイ樹脂である「C6600」等が挙げられる。
【0058】
・生分解性樹脂
上記熱可塑性樹脂の中でも生分解性樹脂が好適に用いられる。生分解性樹脂としては、生分解性を有している樹脂であればよく、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリエチレンサクシネート、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、デンプン変性樹脂、セルロース変性樹脂等が用いられる。中でも、ポリ乳酸、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシ吉草酸との共重合体、ポリブチレンサクシネートから選択される1種が望ましく、更にはポリ乳酸がより望ましい。
【0059】
本実施形態に係る樹脂組成物中における上記樹脂(マトリクス樹脂)の含有量は、全樹脂組成物に対して3質量%以上90質量%以下であることが望ましい。
【0060】
<その他成分>
本実施形態に係る樹脂組成物は、更にその他の成分を含んでいてもよい。樹脂組成物中における上記その他成分の含有量は0質量%以上10質量%以下であることが望ましく、0質量%以上5質量%以下であることがより望ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まない形態を意味する。
該その他の成分としては、例えば、各種顔料、改質剤、ドリップ防止剤、相溶化剤、帯電防止剤、酸化防止剤、耐候剤、耐加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミナ、ボロンナイトライド等)等が挙げられる。また、本実施形態に係る樹脂組成物は、その他の成分として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を、例えば0.1質量%以上1質量%以下含んでいてもよい。
【0061】
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態に係る樹脂組成物は、少なくとも、前述の本実施形態に係る複合体粒子を前記樹脂中に添加し、更に例えば前記その他の成分等を用いて、溶融混練することにより製造される。
ここで、溶融混練の手段としては公知の手段を用いることができ、例えば、二軸押出し、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
【0062】
≪樹脂成形体≫
本実施形態に係る樹脂成形体は、前述の本実施形態に係る樹脂組成物を成形することにより得られる。例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーテイング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などの成形方法により本実施形態に係る樹脂組成物を成形し、本実施形態に係る樹脂成形体が得られる。
【0063】
前記射出成形は、例えば、日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX70000、東芝機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
この際、シリンダ温度としては、170℃以上280℃以下とすることが望ましく、180℃以上270℃以下とすることがより望ましい。また、金型温度としては、40℃以上110℃以下とすることが望ましく、50℃以上110℃以下とすることがより望ましい。
【0064】
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いられる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。
【0065】
図1は、本実施形態に係る成形体を備える電子・電気機器の部品の一例である画像形成装置を、前側から見た外観斜視図である。
図1の画像形成装置100は、本体装置110の前面にフロントカバー120a,120bを備えている。これらのフロントカバー120a,120bは、操作者が装置内を操作するよう開閉自在となっている。これにより、操作者は、トナーが消耗したときにトナーを補充したり、消耗したプロセスカートリッジを交換したり、装置内で紙詰まりが発生したときに詰まった用紙を取り除いたりする。図1には、フロントカバー120a,120bが開かれた状態の装置が示されている。
【0066】
本体装置110の上面には、用紙サイズや部数等の画像形成に関わる諸条件が操作者からの操作によって入力される操作パネル130、および、読み取られる原稿が配置されるコピーガラス132が設けられている。また、本体装置110は、その上部に、コピーガラス132上に原稿を搬送する自動原稿搬送装置134を備えている。更に、本体装置110は、コピーガラス132上に配置された原稿画像を走査して、その原稿画像を表わす画像データを得る画像読取装置を備えている。この画像読取装置によって得られた画像データは、制御部を介して画像形成ユニットに送られる。なお、画像読取装置および制御部は、本体装置110の一部を構成する筐体150の内部に収容されている。また、画像形成ユニットは、着脱自在なプロセスカートリッジ142として筐体150に備えられている。プロセスカートリッジ142の着脱は、操作レバー144を回すことによって行われる。
【0067】
本体装置110の筐体150には、トナー収容部146が取り付けられており、トナー供給口148からトナーが補充される。トナー収容部146に収容されたトナーは現像装置に供給されるようになっている。
【0068】
一方、本体装置110の下部には、用紙収納カセット140a,140b,140cが備えられている。また、本体装置110には、一対のローラで構成される搬送ローラが装置内に複数個配列されることによって、用紙収納カセットの用紙が上部にある画像形成ユニットまで搬送される搬送経路が形成されている。なお、各用紙収納カセットの用紙は、搬送経路の端部近傍に配置された用紙取出し機構によって1枚ずつ取り出されて、搬送経路へと送り出される。また、本体装置110の側面には、手差しの用紙供給部136が備えられており、ここからも用紙が供給される。
【0069】
画像形成ユニットによって画像が形成された用紙は、本体装置110の一部を構成する筐体152によって支持された相互に接触する2個の定着ロールの間に順次移送された後、本体装置110の外部に排紙される。本体装置110には、用紙供給部136が設けられている側と反対側に用紙排出部138が複数備えられており、これらの用紙排出部に画像形成後の用紙が排出される。
【0070】
画像形成装置100において、例えば、フロントカバー120a,120b、プロセスカートリッジ142の外装、筐体150、および筐体152に、本実施形態に係る樹脂成形体が用いられている。
【実施例】
【0071】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0072】
〔表面処理された複合体粒子(A−1)の作製〕
・縮合リン酸エステル(化合物名:1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−
キシレニルホスフェート)、液状難燃剤、大八化学製、PX−200)
・架橋性高分子(化合物名:アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸アルキル
−ジメチルシロキサン共重合物(重合比10:20:50:20(質量比)、
耐衝撃性改質剤、三菱レイヨン社製、SRK200)
上記縮合リン酸エステルと架橋性高分子とを1:4(質量比)の比率で、二軸押出機(東洋精機ラボプラストミル、Φ25mm)を用いてドライブレンドし、上記押出機の根元供給口から供給して、バレル温度110℃、スクリュー回転数30rpmの条件で、押出しを実施した。押出機の先端から吐出された「液状難燃剤が表面処理された架橋性高分子複合体」をペレット状にカッティングして複合体粒子(A−1)を得た。
【0073】
〔表面処理された複合体粒子(A−2)の作製〕
上記複合体粒子(A−1)の作製において、縮合リン酸エステルと架橋性高分子との比率を1:2(質量比)に変更した以外は、同様の方法により複合体粒子(A−2)を得た。
【0074】
〔含浸させた複合体粒子(B−1)の作製〕
・イオン液体(化合物名:1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタン
スルフォネート、液状難燃剤、シグマアルドリッチ)
・架橋性高分子(化合物名:ポリフッ化ビニリデン、
Westran PVDFメンブレン(粉砕したもの))
上記イオン液体と架橋性高分子とを1:1(質量比)の比率で、真空状態の容器内で攪拌し混合して、イオン液体を架橋性高分子へ含浸させ、複合体粒子(B−1)を得た。
【0075】
〔含浸させた複合体粒子(B−2)の作製〕
・縮合リン酸エステル(化合物名:1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−
キシレニルホスフェート)、液状難燃剤、大八化学製、PX−200)
・架橋性高分子(化合物名:アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸アルキル
−ジメチルシロキサン共重合物(重合比10:20:50:20(質量比)、
耐衝撃性改質剤、三菱レイヨン社製、SRK200)
上記縮合リン酸エステルと架橋性高分子とを1:2(質量比)の比率で、真空状態の容器内で攪拌し混合して、縮合リン酸エステルを架橋性高分子へ含浸させ、複合体粒子(B−2)を得た。
【0076】
(樹脂組成物および樹脂成形体の作製)
実施例においては上記より得た複合体粒子を用い、且つ下記表1に示す組成により、下記の方法にて樹脂組成物を調製し且つ樹脂成形体を成形した。
また、比較例においては下記表1に示す組成により、下記の方法にて樹脂組成物を調製し且つ樹脂成形体を成形した。
−樹脂組成物および樹脂成形体の作製方法−
ドライブレンドした下記表1に示す材料を、二軸押出機(東洋精機ラボプラストミル、Φ25mm)を用いて押出機の根元供給口から供給し、シリンダ温度を下記表1に記載の温度とし、且つスクリュー回転数30rpmの条件として、押出しを実施した。押出機の先端から吐出された溶融樹脂を冷却水にて冷却、固化した組成物をペレット状にカッティングして樹脂組成物を得た。
こうして得た樹脂組成物を80℃で4時間以上乾燥したものを日精樹脂工業製NEX50にて表1に記載のシリンダ温度と同じ温度にて射出成形し、JIS−K7139(2007年)で既定された多目的試験片、およびUL94 第5版(2006年6月2日までの改訂を含む)8.3項に既定された試験片を作製した。
【0077】
−評価−
(1)耐衝撃性
ISO179に従い耐衝撃試験装置(東洋精機製、DG−5)にてシャルピー耐衝撃強度を測定し、50本の試験片について測定したときの上下限値の差から、以下の基準によりバラツキ度合いを評価した。
○:上下限値の差が1以下
×:上下限値の差が1を超える
【0078】
(2)難燃性
UL94 第5版(2006年6月2日までの改訂を含む)に定められている評価基準に従い、厚み1.6mmの試験片を用いて難燃性を評価した。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>notVの順に低下する。V−2以上であれば良好な難燃性を有しているといえる。
また、50本の試験片について測定したときの総燃焼時間の上下限値の差から、以下の基準によりバラツキ度合いを評価した。
○:上下限値の差が20以下
×:上下限値の差が20を超える
【0079】
(3)加工性/混練性
二軸押出機(東洋精機ラボプラストミル、Φ25mm)にて、前記で得た樹脂組成物(樹脂ペレット)をドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、表1に示す設定シリンダ温度でスクリュー回転数70rpmの条件で、押出しを実施した。この際の、トルクリミットを超えない領域(100N・mを超えない範囲)での吐出量を測定し、以下の基準により評価した。
○:吐出量が1.5kg以上
×:吐出量が1.5kg未満
【0080】
(4)加工性/流動性
80℃で4時間以上乾燥させた樹脂ペレットを、JIS K7210(2007年)に従い、MVR(東洋精機製、型式F−F01)を測定した。この値が大きいほど、高い流動性を示し、成形加工性が優れる。尚、PBS、PLAは190℃/2.16kgの条件で測定を行い、一方PC/ABSは、250℃/2.16kgの条件で測定を行い、それぞれ以下の基準により評価した。
○:MVRが10cm/10min以上25cm/10min以下
×:MVRが10cm/10min未満、または25cm/10minを超える
【0081】
【表1】

【0082】
尚、上記表1における各化合物は以下の通りである。
・PBS:ポリブチレンサクシネート、昭和高分子株式会社製、ビオノーレ
・PC/ABS:ポリカーボネートとアクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体とのアロイ樹脂、SABIC製、C6600
・PLA:ポリ乳酸、ユニチカ株式会社製、テラマックTE4000
・縮合リン酸エステル:1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)、大八化学、PX−200
・イオン液体:1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタン、シグマアルドリッチ
・架橋性高分子a:三菱レイヨン製、SRK200
・架橋性高分子b:Westran PVDFメンブレン(粉砕したもの)
【0083】
【表2】

【符号の説明】
【0084】
100 画像形成装置
110 本体装置
120a、120b フロントカバー
136 用紙供給部
138 用紙排出部
142 プロセスカートリッジ
150、152 筐体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種と、架橋構造を有する高分子化合物と、が複合した複合体粒子。
【請求項2】
前記架橋構造を有する高分子化合物の表面に、前記液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種が表面処理された請求項1に記載の複合体粒子。
【請求項3】
前記架橋構造を有する高分子化合物の内部に、前記液状のリン酸エステルおよびイオン液体から選択される少なくとも1種が含浸した請求項1に記載の複合体粒子。
【請求項4】
樹脂中に、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の複合体粒子を混合し分散させた樹脂組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の樹脂組成物を成形した樹脂成形体。

【図1】
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【公開番号】特開2011−201974(P2011−201974A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68908(P2010−68908)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】