説明

複合補強材及び補強構造体を形成する装置及び方法

【課題】
【解決手段】部材の長さに対し横方向に測定したとき、所望の断面の幾何学的形態を有する細長い複合構造部材702を形成する方法及び装置が提供される。装置は、実質的に細長い部材706が取り付けられた基部を有している。マンドレルと少なくとも部分的に相補的に係合する形態とされた1つ又はより多数のローラ728は、転がり且つ、1つ又はより多数の複合材料のプライをマンドレルに押し付ける形態とされている。マンドレルは、回転テーブル716上に配置し且つ、湾曲した細長い幾何学的形態を呈し少なくとも部分的に湾曲し又は円弧状の細長い部材を形成する形態とされている。本発明は、材料を実質的に非硬化状態に保ちつつ、樹脂含浸材料から細長い構造部材を形成することを可能にする。次に、形成された部材を外板又はその他の複合構造体と共に同時硬化させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、複合構造体の形成、より具体的には、円弧状又は湾曲した細長い幾何学的形態を呈する補強部材を有する、かかる複合構造体と関係した補剛材又はその他の補強部材の形成に関する。
【背景技術】
【0002】
複合構造体の製造において、構造部材は、外板を補強し得るよう外板にしばしば取り付けられる。かかる構造部材は、例えば、複合構造体の外板に取り付け得る形態とされたリブ、桁又はフレームを含むことができる。かかる構造部材は、また、縦桁又は補剛材としばしば称される実質的に細長い補剛部材を含むこともできる。縦桁又は補剛材は、Iビーム、C字形材(U字形材又は溝形材と称されることもある)、J字形材、Z字形材、L字形材又は角材、オメガ形状材又はハット形状材又はハット溝材としばしば称されるもののような形態を含む色々な断面の幾何学的形態を呈する形成することができる。ハットの断面幾何学的形態又は輪郭外形を呈する補剛材又は縦桁は、基本的に、1対のウェブ部材を有するキャップ部材と、画成された角度にてキャップ部材の各端部から伸びる1つのウェブ部材と、関係したウェブ部材に対して画成された角度にてウェブ部材の各々から伸びる1つのフランジ部材を有する1対のフランジ部材とを備えている。ハット補剛材の幾つかの断面の幾何学形態において、フランジ部材は、キャップ部材に対し実質的に平行となる形態とすることができる。
【0003】
複合ハット補剛材、及びその他の断面幾何学的形態を呈する補剛材を製造する現在の方法は、手にて、1度に1つずつ複合材のプライを鋳型、マンドレル又はその他の同様の製造装置上に積層し、積層構造体を形成するステップを含む。2ないし3つのプライを積層したとき、積層構造体は、圧密化し又はデバルクする必要がある。これは、従来、真空デバルキングにより実現されており、この場合、真空バッグは、積層構造体上に配置され且つ、バッグを介して構造体に真空圧を付与する。デバルクする過程を助け且つ、積層構造体を更に圧密化するため熱を付与することができることが多い。積層構造体にて行われた各真空デバルクは、時間を消費する過程である。積層構造体を形成するとき、積層構造体を形成するため層を形成したならば、多数回の真空圧密化を行う必要がある。しかし、多数回の真空デバルクが所定の積層構造体にて行われるときでさえ、積層構造体は、依然、望ましくない程、顕著な体積量を呈する。
【0004】
プライの全てが配置され、積層構造体が最初に形成されたならば(積層構造体に対し真空デバルク過程を行うステップを含む)、積層構造体は、硬化させ且つ、その後に接着剤を用いる等によって、外板構造体に取り付けることができ、又は、外板構造体と同時硬化させ(同時に硬化させ)、これにより2つの構成要素を共に接合させることができる。積層構造体を硬化させることは、従来、積層構造体を硬化鋳型内に配置し且つ、オートクレーブ又は同様の環境内のような、高圧力及び高温度に積層構造体をさらすことにより行われている。
【0005】
積層構造体が硬化鋳型内に配置されるとき、これらは依然として、顕著な体積量を呈するため、これら積層構造体は鋳型内に正しく嵌まらない。更に、積層構造体が呈する任意の残量体積は、オートクレーブ内にて行われる硬化過程中、押し出される傾向となるため、積層構造体のプライの間に許容される滑りは多少あるにしても、殆んど無く、その結果、硬化し又は部分的に硬化した積層構造体内にてプライの架橋及びプライの皺がしばしば生ずることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
オートクレーブの圧力の下、構造体に対し多数回の熱デバルクを行うことにより、体積が小さいという特徴を有する構造体を得ることが可能であるが、かかる工程は、極めて時間を消費し且つ、費用が掛かる過程である。更に、かかる過程は、高温度に反復的に繰り返すことにより、積層構造体の有効寿命を短くする可能性がある。更に、かかる老化過程は、積層構造体を合わさる外板又はその他の構造体と同時硬化する能力を妨げる可能性がある。
【0007】
体積の小さい構造体を得るという課題に加えて、複合補強構造体を手で形成する従来の過程には、その他の難点がある。例えば、細長い補強構造体を手で形成する方法は、所望の断面の幾何学的形態を呈することに加えて、構造体の長手方向軸線の周りにて曲がり又はその長手方向軸線の周りにてねじれも呈する形状体を得ることが困難である。プライを手で操作し、形成される積層構造体内に追加的な皺又は波を導入することなくかかる曲がり及び(又は)ねじれに適合することは難しいことを1つの理由として、かかる特徴の実現は難しい。更に、プライを手で操作することは、極めて時間を消費し且つ、労働集約的な過程であり、これによりかかる部品の製造コストを増大させることになる。
【0008】
個別の複合プライを手で積層する従来の過程により提供される色々な制約を伴なわずに細長い補強構造体を提供する過程を実現するため、色々な試みが為されている。例えば、押し抜き過程は、繊維強化プラスチック複合材料を含むプラスチック材料を所望の断面の幾何学的形態又は輪郭外形を呈する構造体に形成するため使用されてきた過程である。かかる過程の一例は、オーコナー(O’Conner)に対して発行された米国特許明細書5,026,447号に記載されている。オーコナーは、強化した及び熱可塑性材料の細長い本体を複数のダイを通して引っ張ることを教示している。細長い本体の一部分に対し断面の幾何学的形態を付与し得るようダイの任意の組み合わせを選ぶことができるようにダイは互いに独立的に作動させる。オーコナーの過程は、その長さに沿って異なる断面の幾何学的形態を呈することのできる細長い熱可塑性部材を製造することを多分許容するであろう。しかし、当該技術の当業者により理解されるように、押し抜き過程と関連した色々な難点がある。
【0009】
例えば、押し抜き成形は、従来、熱可塑性樹脂を利用して材料と関連付けられる。熱硬化性樹脂の使用により、材料はダイ上に蓄積され、押し抜き成形した部材の所望の断面形状を形成するとき、顕著な非効率さを生じさせる。更に、形成した材料の長手方向軸線から(すなわち、部材が1つ又は複数のダイを通して引っ張られる方向に沿って)顕著に変化する形成される部材の繊維方向を得ることはしばしば困難である。更に、過程は、複数の繊維をダイを通して引っ張り、その後、樹脂が実質的に再凝固する迄、部材を冷却するステップを含むため、かかる過程は、全体として、実質的に一定の断面の直線状又は線形部材を形成するためにのみ効果的であり、断面積が顕著に変化する部材又はその長さに沿って実質的に非直線状の断面を呈する部材を形成するには効果的でない。また、押し抜き成形にて使用されるダイは、全体として製造コストが掛かり、1つ以上の断面幾何学的形態の細長い部材を製造することが望まれるならば、多数のダイが必要であることも認識される。
【0010】
細長い熱可塑性部材を形成するその他の過程は、例えば、バハタチャラヤ(Bhattacharyya)その他の者に対して発行された米国特許明細書5,891,379号及びベルセツ(Berecz)に対して発行された米国特許明細書5,182,060号を含む。バハタチャラヤは、繊維強化したプラスチック材料を所望の形状に形成する過程であって、材料を熱可塑性樹脂又はマトリックス材料の溶融温度以上の温度まで加熱するステップを含む上記過程を開示している。加熱された材料は、溶融温度以下まで冷却されるが、依然として熱可塑性材料の再結晶温度以上の温度に保たれ、次に、複数のロール形成ダイに通して所望の形状体を製造する。次に、所定の形状の材料を更に冷却し、繊維強化したプラスチック材料は、ロール形成ダイにより付与された形状を保つようにする。ベルセツは、単方向テープ又は織ったクロスを加熱するステップと、加熱した材料を1組みのローラに通すステップと、次に、迅速に往復運動するポンチとして機能する合わさった金属ダイに通し最終的な形状体を形成するステップとを含む、熱可塑性の複合形状体を連続的に形成する過程を開示している。
【0011】
バハタチャラヤ及びベルセツによって教示された過程は、形成される部品における繊維方向の制御を従来の押し抜き過程に優るよう改良することを許容すると考えられるが、開示された過程は、所望の断面の幾何学的形態に形成する前に、材料を樹脂の溶融温度又はそれより高い温度に曝すステップを含む。当該技術の当業者により理解されるように、熱可塑性樹脂を使用することは、樹脂を溶融させ又は実質的に溶融させることが可能な点にて顕著な自由性を提供し、その後に、樹脂を再加熱して部材を再整形し/再加工し及び(又は)その他の構造体を溶融し又は実質的に溶融した樹脂材料と接触させることにより、部材を別の構造体に接着させることを可能にする。
【0012】
しかし、熱硬化性樹脂が特定の温度以上に加熱されて、樹脂が容易に流動し、これにより複合材料を特定の断面の幾何学的形態に形成するのを助けるならば、熱硬化性樹脂は、架橋結合し且つ硬化するであろうから、かかる過程は、熱硬化性材料を備える補強部材又は構造部材を形成するために有利ではない。補強部材が硬化したならば、部材のその後の再加工を行うことはできないであろう。また、部材は、同時硬化により別の構造体に接合することもできないであろう。
【0013】
例えば、ウメダ(Umeda)に対する米国特許明細書第5,043,128号には、複数の予含浸材料の炭素繊維シートを1対の整形ローラを通して加熱/プレス形成装置内に送り込むステップを含む、熱硬化性樹脂を利用して細長い複合部材を形成する過程が開示されている。加熱/プレス形成装置は、加熱ダイと、該加熱ダイと係合する形態とされたプレスポンチとを有している。材料のシートは、加熱/プレス形成装置内にて一時的に停止され且つ、ポンチにより加熱ダイに対して押し付けられる。このため、材料のシートは、連続的にプレスされ且つ加熱されて、材料のシートを熱硬化させ又は硬化して所望の形状にする。上述したように、熱硬化性樹脂を硬化させるステップを含む、構造部材を形成する過程は、その後の部材の再加工及び(又は)例えば、複合外板又はその他の構造部材との構造部材の同時的硬化を妨害する。このため、完全に硬化していない熱硬化性樹脂を備える複合材料から所望の断面の幾何学的形態を呈する構造部材を形成するために、多数のプライがマンドレル又は鋳型上に手で積層される、上述したもののような方法が依然として利用されている。
【0014】
当該技術分野における短所に鑑みて、部材を完全に硬化させずに、部材が所望の断面の幾何学的形態を呈するのを可能にする熱硬化性樹脂を備える材料にて細長い補強部材又は構造部材を形成する装置及び方法を提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の1つの形態に従い、細長い複合構造部材を形成する方法が提供される。該方法は、所望の幾何学的形態を呈する外面を有する実質的に細長いマンドレルを提供するステップを含む。予め含浸させた繊維強化材料の第一のプライをマンドレルに積層し、力を第一のプライに付与して第一のプライ内にて所望の程度の張力を確立する。第一のプライは、少なくとも1つのローラをマンドレル及び第一のプライの上を通す等のような適合可能な要領にてマンドレルに押し付ける。該少なくとも1つのローラは、マンドレルと少なくとも部分的に形状の点に相補的であるような形態とされている。
【0016】
本発明の更に別の形態に従い、細長い複合構造部材を形成する装置が提供される。該装置は、画成された軸線の周りを回転する形態とされたテーブルを有している。少なくとも1つのマンドレルは該テーブルに取り付けられ且つ、少なくとも1つの円弧状部分を有する実質的に細長い幾何学的形態を呈する。キャリッジ組立体がテーブルに隣接する位置に配置され、また、ローラがその上を転がるとき、少なくとも1つのマンドレルと少なくとも部分的に相補的に係合する形態とされた幾何学的形態を呈する少なくとも1つのローラがキャリッジ組立体と連結されている。少なくとも1つの材料分与装置は、材料の少なくとも1つのプライを少なくとも1つのマンドレルに分与する形態とされている。少なくとも1つの力付与機構が少なくとも1つの材料のプライに所望の力を加え且つ、材料が少なくとも1つのマンドレルにあり、また、少なくとも1つのローラが少なくとも1つのマンドレルに配置された少なくとも1つのプライの上を進む間に、所望の程度の張力を誘発させるような配置及び形態とされている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の上記及びその他の有利な点は、以下の詳細な説明を読み且つ、添付図面を参照することにより明らかになるであろう。
図1を参照すると、例えば、炭素繊維強化材料及び熱硬化性樹脂を含む、複合材料を使用して補剛材又は縦桁のような細長い構造材又は補強部材102(本明細書にて、単に細長い部材と称する)を形成する装置100が示されている。該装置は、マンドレル106のような成形部材の形態とされたその一部を有する基部104を備えている。フレーム110を有するキャリッジ組立体108は、例えば、相応する軌道部材114内に配置されたローラ又は摺動体112のような基部104と可動に連結されている。ローラ又は摺動体112は、軌道部材114と共に、以下により詳細に説明するように、細長い部材102を形成するとき、キャリッジ組立体108が基部104に対して長手方向に画成された軸線115に沿って動くのを許容する。
【0018】
キャリッジ組立体108はまた、マンドレル106と少なくとも部分的に相補的であり且つ、該マンドレル106上に配置された、本明細書にてローラとも称する転がり部材116を更に有している。ローラ116は、キャリッジ組立体と除去可能に連結し、細長い部材102を形成し又は異なる断面幾何学的形態の細長い部材を形成する色々な段階にてその他のローラを相互に交換することができるようにする。ローラ116は、適宜な軸受部材118を介してキャリッジ組立体108に連結し、基部104と係合したとき又はキャリッジ組立体108が該基部に対して動くとき、ローラ116が回転し又は転がるのを許容する。ローラ116は、例えば、該ローラをマンドレル106上に配置された積層材料の表面と適合させ且つ、力を該積層材料の上で均一に分配する目的のため、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような、例えば、エラストマー材料にて形成し又は被覆することができる。該積層材料は、ローラ116がその上を通るとき、細長い部材102を形成するため使用される。
【0019】
キャリッジ組立体108のフレーム110は、ローラ116が基部104に対して実質的に垂直に変位可能又は基部104に対して調節可能であるような形態とされることが望ましい。例えば、クロス部材120のようなフレーム110の一部分がフレーム110の主要部分に対し垂直に変位可能である。キャリッジ組立体108は、錘が基部104に対し、従って細長い部材102に対しローラ116を介して全体として下向きの力を加える形態ともされている。かかる力を加えるため各種の機構を使用することができる。例えば、図1に示すように、1つ又はより多数の錘122をキャリッジ組立体108に、より具体的には、クロス部材120に連結し、これら錘がかかるクロス部材120と連結されたローラ116を介して下向きの力を加えるようにすることができる。別の実施の形態において、液圧又は空気圧シリンダのようなアクチュエータをフレーム110に連結し且つ、クロス部材120又は何らかのその他の構成要素に実質的に下向きの力を加えてローラ116により圧力をマンドレル106に加えることができるようにする。
【0020】
キャリッジ組立体108は、またローラ116がその上を通る前に、細長い部材102の一部分を加熱する形態とされた加熱装置123を備えることもできる。該加熱装置123は、例えば、関係した送風機を有する抵抗加熱器と、赤外線加熱器と、超音波加熱装置と、レーザ加熱装置と、電子ビーム加熱器と又はその他の適宜な加熱装置と、を含むことができる。1つの実施の形態において、加熱装置123は、マンドレル106、ローラ116又はその双方を加熱し得る形態及び配置とすることができる。別の実施の形態において、加熱装置124は、細長い部材102の一部分を加熱し、より具体的には、以下により詳細に説明するように、形成される細長い部材102を形成し得るようマンドレル106に積層された1つ又はより多数の複合材料シートの一部分を加熱し得る形態及び向きとすることができる。かかる加熱装置123は、予含浸した材料、すなわち「プレプレグ」材料から細長い部材を形成するのに特に有用である。かかるプレプレグ材料は、Bステージ形態(非硬化状態)にて樹脂を含浸させた単方向テープ又はクロス材料を含むことができる。かかるプレプレグ材料に対し熱を加えることは、材料シートがマンドレル106の形状により容易に順応することを可能にし、また、より重要なことは、構造体がマンドレル106に形成されるとき、材料の多数の被覆シートを含む、積層構造体を圧密化するのを助ける。
【0021】
熱を加えることにより、細長い部材102を形成したとき、該細長い部材を硬化させること(「キュアオンザフライ(cure−on−the−fly)」と称される場合もある)が可能であることが認識される。しかし、本発明は、また実質的に非硬化状態にある細長い部材102を形成する能力を備えることも考えられる。換言すれば、本発明は、従来のプレプレグ材料のBステージを超えて実質的に硬化されない細長い部材を形成するステップ(「未加工」構造体又は部材を形成するステップと称される場合もある)を含む。未硬化状態の構成要素を形成する能力は、しばしば望まれるように、相応する複合外板と共に細長い部材を同時硬化させる能力を含んで、複合構造体を形成し且つ製造するときの顕著な自由度を可能にする。
【0022】
冷却装置124は、また細長い部材102、ローラ116又は装置100と関係したその他の何らかの製造装置又は構成要素を冷却させるべくキャリッジ組立体108と連結することもできる。冷却装置124は、また例えば、冷却流体をローラ116の内側部分を通して循環させるシステムである、渦流冷却器、極低温冷却器又は凝縮器及び蒸発器を利用する多相システムを含むことができる。
【0023】
次に、図1と共に図2及び図3Aないし図3Dを参照すると、細長い部材102の形態が示されている。図2において、基部104及びマンドレルは、明確化及び便宜のため、キャリッジ組立体108無しにて示されている。図2には、また細長い部材102及び関係したマンドレル106と少なくとも部分的に相補的な要領にて係合する複数のローラ116Aないし116Dも示されている。図1に関して図示し且つ、説明した特定の装置100が使用されるならば、ローラ116Aないし116Dの各々は、個別的に且つ、選択的にキャリッジ組立体108と連結し、また、細長い部材102及びマンドレル106と係合させることができる。換言すれば、第一のローラ116Aを最初にキャリッジ組立体108と共に利用し、次に、除去し且つ、第二のローラ116Bと置換することができる。ローラ116Aないし116Dは、連続的に且つ漸進的に相互に交換して、細長い部材102にて中間的な形成ステップを行うことができる。
【0024】
例えば、細長い部材102を形成するとき、材料(例えば、プレプレグ材料)のプライを積層する要領にてマンドレル106上に且つ、一方を他方の上に配置することができる。次に、中間構造体102Aを形成かるように、又は図3Aに示すように、その長さに対し実質的に横方向への中間の断面幾何学的形態を呈する構造体を形成するようマンドレル106と係合し且つ、基部104に沿って転がる形態とされたキャリッジ組立体108に第一のローラ116Aを連結することができる。次に、第一のローラ116Aをキャリッジ組立体108から除去し、第二のローラ116Bを該キャリッジ組立体と連結することができる。第二のローラ116Aは、マンドレル106と係合し、キャリッジ組立体108が基部104に対し動くとき、第一の中間構造体102Aに転がり圧力を加えて、図3Bに示すような第二の中間構造体102Bを形成する。同様に、第三のローラ116Cを使用して第三の中間構造体102Cを形成し、また、第四のローラ116Dを使用して、最終の構造体102Dを形成し又は細長い部材の長さに対し実質的に横方向に見た最終の望ましい断面幾何学的形態を呈する構造体を形成することができる。
【0025】
1つの実施の形態において、細長い部材102の形成は、プライ毎に行うことができる。換言すれば、細長い部材102の形成は、第一のプライを所望の断面幾何学的形態となるよう整形し(例えば、プライをマンドレル106に付与し且つ、ローラ116Aないし116Dをその上を通すことにより)、第二の材料のプライを付与し且つ、第二の材料のプライを所望の断面の幾何学的形態となるようにし、また、最初に整形したプライと適合可能に整形することにより行うこともできる。ローラ116Aないし116Dを使用することにより、第二の又は任意の後続のプライを整形する動作は、プライを圧密化し且つ、細長い構造体102をデバルクする作用も果たす。このように、細長い構造体の整形及びデバルクは、実質的に連続的で且つ相互に相関する過程として行われる。
【0026】
別の実施の形態において、多数のプライをマンドレル106上に配置し且つ、圧密化し、また、デバルクすると同時に、所望の断面幾何学的形態となるよう整形することができる。このように、例えば、材料の2つ又は3つのプライをマンドレル106上に配置し且つ、ローラ116Aないし116Dにより整形し、また圧密化し、その後、2つ又は3つの以上の材料のプライを整形したプライ上に配置し且つ、その後にローラ116Aないし116Dにより整形する。
【0027】
中間構造体102Aないし102C且つ、最終的に、最終構造体102Dを順次に形成するとき多数のローラ116Aないし116Dを使用することは、細長い部材を1回の工程にて又は個別のローラを1回通すときに形成されるよりも相対的に少ない量の応力を付与しつつ、材料(例えば、プレプレグ層)を操作することを可能にする。多分、より重要なことは、細長い部材を形成するために使用した多数のプレプレグ材料の層が中間構造体102Aないし102Cを形成する間、実質的に圧密化され且つ、デバルクされることである。
【0028】
例えば、使用される材料の型式、細長い部材102を形成するために利用される材料のプライ又は層の数、所定の工程の間に整形されるプライの数、及び(又は)形成される細長い部材102の所望の断面形状に依存して、より多く又はより少ないローラを使用することが可能であることが分かる。同様に、ローラの寸法の漸増的な変更は、同様のパラメータに基づいて調節することができる。
【0029】
中間構造体を形成するとき、ローラ116Aないし116Dは、それらのそれぞれの形態にて漸進的であることも分かる。換言すれば、第一のローラ116Aは、マンドレルと部分的にのみ係合し、その外側部分125Aにてその上に積層された材料は、相補的なマンドレル106の側壁127の下方に部分的にのみ伸びる。第二のローラ116Bは、マンドレル106と部分的にのみ係合している間、第一のローラ116Aが行った程度以上に係合する。同様に、第三のローラ116Cは、第二のローラ116Bが行った程度以上、マンドレル106とより完全に係合する形態とされている。最後に、第四のローラ116Dは、その外側部分125Dがマンドレル106の側壁127の下方を完全に伸びるようにマンドレル106と実質的に完全に係合する形態とされている。
【0030】
図1、図2及び図3Aないし図3Cに関して示し且つ、説明した実施の形態は、雄型マンドレル106と、相補的な雌型の幾何学的形態を呈するローラ116Aないし116Dとを有している。しかし、図4に示すように別の実施の形態において、雌型マンドレル106´は、複数の相補的な雄型ローラ116A´ないし116D´と共に利用することができ、この場合、ローラ116A´ないし116D´は、複合材料をマンドレル106´内に押し込んで細長い部材102を形成する。上述した実施の形態の場合と同様に、ローラ116A´ないし116C´は、順次に且つ、漸進的に使用して中間構造体を形成し、第四又は最後のローラ116D´を使用して細長い部材102(又は上述したように、細長い部材の個別のプライ)に最終的な断面の幾何学的形態を付与する。1つ又はより多数のローラ116A´ないし116D´は、側方向へ伸びる縮小した直径部分126を有して上方隅部128及びフラグ130又は細長い部材102の側方向へ伸びる部分を形成するのを助けることができる。
【0031】
次に、図5を参照すると、本発明の別の実施の形態に従った細長い部材202を形成する装置200が示されている。該装置は、複数のマンドレル206Aないし206Cを有する可動の基部204を備えている。キャリッジ組立体208は、静止ガントリー210と可動に連結されている。キャリッジ組立体208は、方向矢印211で示すようにガントリー210に沿って水平方向に移動する形態とされている。基部204は、また、ガントリー210及びキャリッジ組立体208の双方に対し軌道214に沿って移動する形態ともされている。基部204は、モータ及びギアボックスのような適宜な駆動機構215により軌道214に沿って作動させることができる。基部204が軌道214に沿って動くことは、色々な工具(すなわちその他の形態の基部)をその何れかの端部からガントリー210の下方に導入することを可能にする。
【0032】
マンドレル206Aないし206Cの1つ又はより多数と相補的に係合する形態とされたローラ216は、キャリッジ組立体208と除去可能に連結し、また、アクチュエータ217と連結し、ローラ216が方向矢印218で示すように実質的に垂直方向に動くことができるようにする。ローラ216は、また方向矢印219で示すように、実質的に垂直な軸線の周りにて旋回し又は回転する形態とすることもできる。ローラ216が実質的に垂直な軸線の周りにて回転することは、例えば、ローラが自由に旋回し、キャリッジ組立体208が方向211に向けて動くとき、ローラが係合するマンドレル(例えば、参照番号206B)に該ローラが全体として従動するようにすることで実現することができる。別の実施の形態において、アクチュエータを使用して、所望に応じてローラ216を実質的に垂直な軸線の周りにて作動させることができる。
【0033】
駆動機構220は、ローラ216及びその関係したアクチュエータ217を方向矢印222で示すように基部208及びガントリー210に対し側方向に動かし得る形態とすることができる。基部204に対するキャリッジ組立体208の動きを制御する能力は、細長い部材202を形成するときの顕著な自由度を許容する。例えば、同一のローラ216を使用して複数のマンドレル206Aないし206Cの各々と選択的に且つ、独立的に係合させることができる。
【0034】
更に、細長い部材202は、それらの断面の幾何学的形態に関してのみならず、画成された長手方向軸線に沿ったそれらの幾何学的形態に関しても相対的に複雑な形状体として形成することができる。例えば、上述した装置200の基部204は、第一の相対的に平坦な部分224と、傾斜部分226と、第二の相対的に平坦な部分228とを有し、傾斜部分226は、湾曲した遷移部分230、232により隣接する平坦な部分224、228と接続される。マンドレル206Aないし206Cは、全体として、基部208の外形又は幾何学的形態と適合する。このように、キャリッジ組立体208が矢印211にて示すように長手方向動くとき、ローラ216は、方向矢印218で示すように垂直方向に変位し、相応するマンドレル(例えば、参照番号208B)と係合したままでなければならない。
【0035】
その他の実施の形態において、マンドレル206Aないし206Cは、基部204の長手方向に対し横方向に(すなわち、方向矢印222で示した方向に)偏倚させることができる。かかる複雑な幾何学的形態は、図示した配置により提供される色々な自由度を通じて本発明により対応することができる。1つの実施の形態において、ローラ216は、ローラ216が回転する軸線を変更することを許容するリスト部234と連結することができることが分かる。このように、マンドレル206Bがその長手方向に対して捩れ又は回転する場合でも、ローラは、マンドレル(例えば、参照番号206B)と実質的に接触した状態に止まり、これにより、それらのそれぞれの長手方向軸線に対し同様の捩れを呈する細長い部材202を形成することを可能にする。
【0036】
上述した装置200により細長い部材202を形成するとき、ローラ216は、図1、図2、図3Aないし図3C及び図4に関して上述したのと同様の要領にて作動可能である。換言すれば、中間構造体は、複数の段付きローラ(例えば、関係したマンドレル206Aないし206Cと漸進的に係合し得るよう漸進的に形状が変化するローラ)を使用することにより、中間構造体を形成することができる。更に、マンドレル206Aないし206Cは、雄型又は雌型の何れかの構成要素とし、相応するローラ216は、必要に応じ又は所望に応じてかかるマンドレルと相補的であるよう形成することができる。また、細長い部材202は、個別のプライを一度に1つずつ整形し、又は複数のプライを同時に整形することにより形成してもよい。
【0037】
次に、図6を参照すると、本発明の別の実施の形態に従って細長い部材302を形成する装置300が示されている。該装置は、その上に取り付けられ又は配置された複数のマンドレル306Aないし306Dを有する基部304を備えている。位置決めガントリー310(又はキャリッジ組立体)が基部304と可動に連結され且つ、例えば、方向矢印311で示すように、基部304に対し長手方向に動き得る形態とされている。複合材料の複数のプライを積層し且つ、形成する装置312Aないし312Dがマンドレル306Aないし306Dの各々と関係している。装置312Aないし312Dの各々は、例えば、クロス又はテープ材料のプライを分与する形態とされた自動式材料分与装置と、複合材料のプライを所望の断面の幾何学的形態に形成する1つ又はより多数のローラとを有するものとすることができる。
【0038】
かかる自動式分与装置は、形成される細長い部材302の形態に依存して、所望に応じ又は必要なように、個別のプライが落下し且つ、フライ上に追加されるようにする切断機構、締結機構及び始動機構を有することができる。更に、自動式分与装置は、材料プライがマンドレル306Aないし306Dに分与されるとき、材料プライに張力を維持する機構を有することができる。材料プライに張力を加えることは、細長い部材302が形成されるとき、材料中に皺が生じるのを防止するため望ましい。一例としての実施の形態において、材料プライがマンドレル306Aないし306Dに配置されるとき、該プライに対し約8.9ないし66.7ニュートン(N)(約2ないし15ポンド力(Ibf))の力を加えることができる。
【0039】
装置312Aないし312Dの各々は、装置312Aないし312Dを基部304に対して動かし且つ、関係したローラを介してマンドレル306Aないし306Dに積層された任意の材料に対し圧力を加えるため、関係したアクチュエータ又は駆動機構を更に有することができる。装置312ないし312Dの各々は、基部304に取り付けられたマンドレル306ないし306Dの個々の形態に依存して、同一の補剛材又は異なる補剛材を形成するようプログラム化することができる。
【0040】
図7を参照すると、装置312Bの作用の説明を明確化するため、関係したガントリー(図6)無しにて個別の装置312Bは、その相応するマンドレル306Bの上方に配置された状態で示されている。該装置は、複合材料のプライをマンドレル306Bに分与し且つ、積層する複数のプライディスペンサ322Aないし322Dを有する自動式材料ディスペンサ320を備えている。プライディスペンサ322Aないし322Dは、幅が相違するプレプレグテープ又はクロスのような複合材料のプライを分与する形態とすることが可能であることが認識される。かかる幅が相違する材料プライを使用することにより、細長い部材302Bは、細長い部材302Bの1つの部分にて(すなわちより多くの層を含むことにより)他の部分よりも厚い厚さを呈する形態とすることが可能である。
【0041】
例えば、図7と共に図8Aを簡単に参照すると、第一のプライディスペンサ322Aは、細長い部材の断面の幾何学的形態の全「幅」又は広がりを亙って伸びるプライ330Aを分与する形態とすることができる。別のプライディスペンサ322Cは、細長い部材における断面の幾何学的形態の上方側部分332(例えば、キャップ)を横断してのみ伸びるプライ330Cを分与することができる。このように、細長い部材302Bは、所定の部分又はその一部分におけるプライの有効数を増大又は減少させることにより、予想される荷重及び付与される応力に従いプライ又は材料の配置に関して設計し且つ、特に調節することができる。更に、材料の個別のプライは、細長い部材302Bの予想される荷重及び応力状態に従って必要とされるように、実質的に任意の所望の繊維方向(又は複数の方向)を呈する形態とすることが可能であることが分かる。このように、例えば、第一のプライは、0゜の繊維方向を呈する材料にて形成し、第二のプライは、45゜の繊維方向を呈する材料にて形成し、その後も同様であるようにすることができる。勿論、その他の繊維方向及びその他のプライの形態を使用することが可能である。かかる要領にて繊維を選択的に方向決めする能力は、押し抜き成形のようなその他の形成過程に勝る顕著に有利な点である。
【0042】
図7と共に図8Bを簡単に参照すると、別の実施の形態は、互いに対して同様の幅を呈するが、互いにずらし又は横方向に変位されたプライ330Eないし330Hを含むことができる。このように、形成される細長い部材302B´は、その1つの横側部に段状の形態を有し、また、その対向する横側部に逆像の段状の形態を有する。かかる形態は、所望であるならば多数の細長い部材302B´を横に並んだ関係にて相互に係止することを可能にする。ずらし又は段状の形態は、例えば、1つのプライディスペンサ(例えば、参照番号322A)を別のディスペンサ(例えば、参照番号322B)に対し側方向に変位させることにより、プライディスペンサ322Aないし322Dを適宜に制御することを通じて形成することができる。
【0043】
別の実施の形態において、1つ又はより多数の端縁プライ切断装置341を利用して関係したマンドレル306Aないし306C上に分与された任意のプライ330Aないし330H(図8A及び図8B)の端縁(又は複数の端縁)を縁処理することができる。かかる切断装置341は、ガントリー(図7には図示せず)がマンドレル306Aないし306Cに対して長手方向に動くとき、プライ330Aの端縁を所望の幅又は側方向位置にて縁処理する形態とされたナイフ、ローリングブレード、レーザ、又はそれぞれの適宜な切断手段を含むことができる。
【0044】
図7を更に参照すると、個別の装置312Bは、形成装置340を更に備えている。形成装置340は、マンドレル306Bと少なくとも部分的に相補的に係合し、これにより実質的に連続的な要領にて細長い部材302Bの所望の断面の幾何学的形態を形成する形態とされた複数のローラ342を有することができる。ローラ342は、例えば、液圧又は空気圧シリンダのような複数のアクチュエータ344の1つに個別に連結し、ローラがマンドレル306B上に積層された複数の材料プライ上を通過するとき、ローラを通して圧力を付与することができるようにする。このように、その他の実施の形態に関して上述したように、個別に通するとき関係したマンドレル上を通るローラを相互に交換することに代えて、複数のローラ342を単一のユニットとして組み合わせ、1回通る間、マンドレル306Bに沿って互いに直ぐに従動し、細長い部材302における所望の断面の幾何学的形態又はその1つ又はより多数のプライを形成することができる。
【0045】
次に、図9を参照すると、本発明の更に別の実施の形態に従って細長い部材402を形成する装置400が図示されている。便宜さ及び明確化のため図示しないが、装置400は、互いに相対的に可動である基部、ガントリー及び(又は)キャリッジ組立体を含む、上述したもののような各種の構成要素を有することができる。該装置は、例えば、複合材料の複数のプライをマンドレル404に積層する自動式材料分与装置を備えることもできる。
【0046】
装置400は、各々所望の断面の幾何学的形態を形成し得るようマンドレル404(又はその上方に位置する材料プライ)の特定の部分と係合する形態とされた複数のローラ406を備えている。例えば、第一のローラ406Aは、材料のプライをマンドレル404の頂面に押し付ける形態とすることができる。1組みのローラ406Bは、雄型部材404の外側隅部の周りに材料のプライを形成する形態とすることができる。別の組みのローラ406Cは、材料のプライをマンドレル404の側部に押し付ける形態とすることができる。更なる組みのローラ406Dは、材料プライをマンドレル404の内側隅部に押し付ける形態とすることができ、また、最終組みのローラ406Eは、材料プライをマンドレル404の側方向に伸びる部分に押し付ける形態とすることができる。このように、複数のローラ406は、集合的に作用してマンドレル404上にて所望の断面の幾何学的形態の細長い部材402を実質的に連続的に形成する。
【0047】
図10を簡単に参照すると、マンドレル404´が雌型マンドレルとして形成され、ローラ406´がその特定の識別した部分と係合し、細長い部材402を形成する形態とされる点を除いて、図9に関して示し且つ、説明したものと同様である、装置400´の別の実施の形態が示されている。
【0048】
図11を簡単に参照すると、例えば、プロセッサ502と、記憶装置504と、1つ又はより多数の入力装置506と、1つ又はより多数の出力装置508とを有するコンピュータを備えることのできるコントローラ500と上述した装置の任意のものを作用可能に連結することができる。かかるコントローラは、例えば、コンピュータ数値制御(CNC)プログラミングを使用する等により、関係した装置100、200、300、400を制御するようプログラム化することができる。コントローラ500は、所定の装置におけるローラの垂直、ヨー、ロール、ピッチ位置及び向きとして説明することのできる、例えば、基部、キャリッジ組立体、ガントリー及びローラ装置のような、本明細書に記載した色々な装置の相対的な位置を制御する形態とすることができる。コントローラ500は、ローラが係合しようとするマンドレルに対するローラの垂直方向位置を制御するのみならず、マンドレルに対し又は該マンドレル上に積層された材料の1つ又はより多数のプライに対しローラよって加えられる圧力又は力の程度も制御する形態とすることができる。更に、コントローラ500は、マンドレルに対し又は関係した材料のプライに対し加えられる熱量、マンドレルに対する材料の位置及び自動式材料ディスペンサから供給される材料の締結、切断及び始動を制御する形態とすることができる。
【0049】
上述した実施の形態は、主として、関係したマンドレルに積層される個別のプレプレグ材料の例を使用して説明したが、非含浸の繊維材料を利用し、材料プライに適宜な樹脂又はバインダを実質的に同時に注入し又は含浸させつつ、かかる材料が関係したマンドレル上に積層されるようにすることが可能であることが分かる。例えば、次に、図12A、図12Bを参照すると、マンドレル600は、複数の開口602又は開口部が画成された有孔構造体として形成することができる。マンドレル604のプライがマンドレル600上に積層されるとき、1つ又はより多数のローラ606は、マンドレルと相補的に係合し、本明細書にて上述したようにプライを所望の断面の幾何学的形態に形成することができる。更に、1つ又はより多数の噴霧ノズル608又はその他の堆積装置は、樹脂又はバインダを積層され且つ形成されたプライ内に注入し、所要形状のプレプレグ構造体を形成することができる。形成される細長い部材は、部分的に硬化させ又はBステージとなるよう硬化させ、細長い部材がその後の時点にて関係した複合構造体と実質的に同時硬化されるようにすることができる。
【0050】
本明細書にて上記に説明した本発明の色々な一例としての実施の形態は、ハットの一例としての断面の幾何学的形態、又は細長い部材をハット溝として形成することを示している。しかし、本発明は、その他の断面の幾何学的形態の細長い部材を形成するために使用することも考えられる。例えば、少なくとも1つのC字形通路を図13Aに示すように形成し、また、少なくとも1つの構造的角度(又は同様にJ字形又はL字形断面)を図13Bに示すように形成することができ、また、所望であるならば、オメガ形状を形成するようフランジを含むこともできる、少なくとも1つの円弧状断面を呈する構造部材を図13Cに示すように形成することができる。複数の円弧状断面の形状体を図13Dに示すように単一の構造部材に形成し、又は複数の構造的角度を図13Eに示すように単一の構造部材に形成することもできる。また、例えば、細長い部材が経験するであろう予想される荷重に依存して、かかる断面の幾何学的形態の色々な特徴を所望通りに組み合わせることもできる。
【0051】
次に、図14A、図14Bを参照すると、その長さに沿って湾曲部分又は円弧状部分を呈する細長い部材702(図19A)を形成する装置701と連携し且つ、該装置と作用可能に連結されたコントローラ500を有するシステム700が示されている。該装置701は、複数のマンドレル706Aないし706Dが配置された基部704を有している。該装置701は、ガントリー708と、該ガントリー708に可動に連結されたキャリッジ組立体710とを更に有している。例えば、ガントリー708は、キャリッジ710が方向矢印714で示すようにガントリー708に対し動くことができるようキャリッジ710と関係した軸受(図示せず)と作用可能に連結された1つ又はより多数の摺動体712を備えることができる。
【0052】
基部704は、ガントリー708及びキャリッジ組立体710に対し画成された軸線718の周りにて回転し得る形態とされた回転テーブル716を備えることができる。モータ720又はその他のアクチュエータは、回転テーブル716を基部704の支持部分722に対し回転させるよう作用可能な形態とすることができる。回転テーブル716が回転すると、キャリッジ組立体710は、その関係した構成要素と共に、ガントリー708に対して動き(すなわち参照番号714で示した方向に向けて)、マンドレル706Aないし706Dの各々が順次にその下方を通るとき、マンドレル706Aないし706Dの位置を追跡する。キャリッジ組立体710は、キャリッジ組立体710と連結されたコントローラ500及びアクチュエータを使用する等により、その下方を通るマンドレル706Aないし706Dの位置を能動的に追跡し得る形態とすることができる。別の実施の形態において、キャリッジ組立体710は、形成装置726の以下の説明を通じて明らかとなるように、かかる形成装置726の1つ又はより多数の構成要素がマンドレル706ないし706Dと係合する等により、その下方を通るマンドレル706Aないし706Dの位置を能動的に追跡する形態としてもよい。
【0053】
図14に関して説明した一例としての実施の形態は、ガントリー708及びキャリッジ組立体710に対して画成された軸線718の周りにて回転する回転テーブル716を有するものとして説明したが、その他の実施の形態も本発明と共に利用可能であると考えられることが理解される。例えば、基部704は、非回転テーブルを備えることができる一方、キャリッジ710及びガントリー708又は同様の構造体は、画成された軸線718の周りを回転する等によりテーブルに対し動く形態とされる。
【0054】
マンドレル706Aないし706Dは、必ずしもそのそれぞれの長さの全体に亙って一定の曲率半径を呈する必要はないことも理解される。また、マンドレル706Aないし706Dの各々が他方の何れかのマンドレルと異なる長さ、曲率半径又はその他の幾何学的特徴を呈するようにすることも可能であることも理解される。
【0055】
材料分与装置724及び形成装置726は、キャリッジ組立体710と連結されている。回転テーブル716がガントリー708に対して回転すると、材料分与装置726は、材料の1つ又はより多数のプライをマンドレル706Aないし706Dに配置する形態とされている。形成装置726は、アクチュエータ730と連結され且つ、マンドレル706Aないし706Dに配置された材料のプライを整形する形態とされた複数のローラ728を有することができる。
【0056】
例えば、図15Aに示した概略図を参照すると、材料分与装置724及び形成装置726の一例としての作動状態が示されている。材料740(例えば、プレプレグクロスのプライ)は、供給及び張力ローラ742から1対の送り込みローラ746により作動される方向変更ローラ744上にて供給される。材料740は、切断装置748を超えて進み、該切断装置は、本発明のその他の実施の形態に関して上述したように、材料を所定の長さ、幅又はその双方に切断するために使用することができる。次に、材料740は、タックローラ750によりマンドレル706Aの一部分に配置される。
【0057】
タックローラ750(及び材料740が遭遇する後続のローラ)は、色々なローラがマンドレル740及びその下方のマンドレル706Aと相互作用することにより、材料740が整形される方法を更に理解し得るようにするため、以下に説明する第二の回転平面図と共に第一の平面図に図示されていることが理解される。
【0058】
形成装置726は、マンドレル706A上に配置された材料740(又はマンドレル706A上に配置されたそれ以前に整形された材料プライ)を整形し且つ、デバルクするために使用される複数のローラ728Aないし728Dを有している。このように、例えば、第一のローラ728Aは、マンドレル706Aと係合して材料740をマンドレル706Aの形状に全体として順応させる。第二に、1組みのローラ728Bを使用して材料をマンドレル706Aの側部754に押し付けることができる。所望であるならば、これは、ローラ728Bの回転平面図に示すように、マンドレル706Aの上方部分から底部分まで作用する多数の組みのローラ728Bにより実現することができる。別の組みのローラ728Cを使用して材料740をマンドレル706Aの内側下隅部756内に押し込むことができる。スクイージ758を使用してローラ728Aないし728Dの間の1つ又はより多数の中間位置にて材料の皺を引っ張るのを助けることができる。最後に、1組みのローラ728Dを使用して細長い部材702のフランジ部材を加圧し且つ、形成することができる。
【0059】
細長い部材702を形成する過程は、材料を形成し、整形し、及び内側から外側にデバルクするステップを含むことも理解される。換言すれば、タックローラ750は、マンドレル706A及び該マンドレルの中央に配置された材料740に圧力を加え、後続のローラ728Aないし728Dの各々が材料740の外端縁に向けて更に離れた位置にて順次に圧力を加える。かかる過程は、皺を除去し且つ、材料の積層プライ間の空隙を除去し、これにより高度に圧密化され且つ、デバルクされた複合部材を形成する点にて効率的で且つ効果的であると判断されている。
【0060】
巻き取りローラ760は、例えば、細長い部材702を形成するために使用されるプレプレグ材料の表面に配置することのできる、キャリア材料762(裏打て材とも称される)を収集するため、形成装置726と関係付ける(又はキャリッジ組立体710と独立的に連結する)ことができる。適宜なポリマー材料を含むキャリア材料762は、ロール巻きした形態のとき(すなわち供給及び張力ローラ742上にあるときのような形態のとき)、それ自体にプレプレグ材料が接着するのを防止するのみならず、材料740が整形、形成及びデバルクされる間、材料740に止まることもでき、色々なローラ750、728Aないし728Dが材料740に粘着し又はその表面の樹脂を収集し且つ蓄積させないようにする。更に、かかるキャリア材料の存在は、細長い部材702を形成する間、色々なローラ728が材料740を押し且つ該材料740を擦るとき、細長い部材702を形成するために使用した材料740を保護する作用を果たすこともできる。
【0061】
次に、図15Bを参照すると、スクラブローラとしても説明することのできる第一のローラ728Aの更なる詳細が示されている。当該実施の形態の第一のローラ728Aは、スクラブローラとして説明したが、所望であるならば、その他の又は追加的なローラ(例えば、参照番号728Bないし728D)をスクラブローラの形態とすることが可能であることが理解される。
【0062】
スクラブローラ728Aは、軸802に連結された2つのローラ半体800A、800Bを有することができる。該軸802は、キャリッジ710と連結し、アクチュエータ又はその他の力付与機構(図15Bに図示せず)は、スクラブローラ728Aを方向矢印804で示すようにマンドレル706Aに押し付けるような形態とすることができる。2つのローラ半体800A、800Bは、軸802に沿って(すなわち軸802の軸線806に沿って)軸方向に変位可能な形態とされている。アクチュエータ又は力付与機構808は、ローラ半体800A、800Bの各々と関係付けられ、また、ローラ半体800A、800Bの各々を方向矢印810で示すようにマンドレル706Aの側壁754に向けて偏倚させる形態とされている。力付与機構808は、例えば、ばね、液圧アクチュエータ又は空気圧アクチュエータを含むことができる。
【0063】
マンドレル706Aの側壁754に加えられる力の程度を調節する能力に加えて、スクラブローラ728Aの形態は、異なる断面の幾何学的形態を呈する細長い部材702を製造することも可能にする。例えば、図15Cを簡単に参照すると、細長い部材702´´は、頂面又はキャップ810が細長い部材702´´の長手方向軸線812に沿って横断するに伴い広くなる異なる断面の幾何学的形態を呈することができる。かかる細長い部材702´´は、例えば、航空機の翼の構造における翼桁として使用することができるであろう。
【0064】
図15Cに示すように、スクラブローラ728Aが細長い部材702´´に対して第一の長手方向位置812にあるとき、2つのローラ半体800A、800Bは、軸802に対して第一の軸方向に位置にある。しかし、スクラブローラ728Aが細長い部材702´´に対して第二の長手方向位置814にあるとき(スクラブローラ728Aは第二の長手方向位置814にて破線で示されている)、2つのローラ半体800A、800Bは、軸802に対して第二の軸方向位置に変位している。スクラブローラ728Aの形態は、2つのローラ半体800A、800Bが細長い部材702´´の側壁(及びその下方のマンドレル)との接触を保ち且つ、断面の幾何学的形態の変化(例えば、キャップ810の幅の変化)に関係なく、所望の量の力を保つことを可能にする。
【0065】
次に、図15Dを参照すると、概略図は、マンドレル706A(又はより具体的にはマンドレル706A上に配置された材料740)とスクラブローラ728Aとの相互作用の更なる詳細を示す。スクラブローラ728Aが方向矢印820で示した方向に向けてマンドレル706Aに対して移動すると、ローラ半体800A(明確化のため破線で図示)は、方向矢印822で示した方向に向け軸線の周りを回転する。ローラ半体800Aは、スクラブローラ728Aの力により行われるように、材料740とマンドレル706Aとの間の接触が所望の位置にて開始され、また。所望の表面積に制限されるように、所要の形状、外形及び配置とされるようにすることができる。例えば、ローラ半体800Aが回転すると、該ローラにより、材料740は参照番号824で示した位置にて最初にマンドレル706Aの表面に押し付けられる。スクラブローラ728Aの回転を考慮して、材料740をマンドレル706Aに押し付けるこの最初の位置により、スクラブローラ728Aは、材料740をマンドレル706Aに効果的に押し付けることになる。更に、スクラブローラにより行われる接触の表面積は、図15Dに斜線で示すように画成された領域826に制限することができる。スクラブローラ728Aは、材料がマンドレル706Aに押し付けられるとき、画成された領域826内にて材料740を効果的に擦り又は拭き払って材料740をより効果的に押し付け且つ整形する。また、スクラブローラにより実現される制限された接触面積は、スクラブローラ728Aが回転を続けるとき、スクラブローラ728Aが材料740が上方に且つマンドレル706Aから離れるよう持ち上がる(全体として参照番号828で示した領域におけるように)ことも防止する。
【0066】
スクラブローラ728Aにより実現される材料740とマンドレル706Aとの間の最初の押し付け又は接触位置は、スクラブローラ728Aの形状、外形及びマンドレル706Aに対する配置により決定することができることが理解される。例えば、図15Bを再度簡単に参照すると、マンドレル706A(又はその上に配置された材料)の側壁754と接触するローラ半体800A、800Bの各々の表面830は、実質的に直線状の表面(平面図で示すように)を呈し、又は湾曲し又は円弧状の凸面を呈してスクラブローラ728Aにより実現される接触及び押し付けの面積及び位置を更に制御する形態とすることができる。別の一例としての実施の形態において、例えば、細長い部材702における実際の断面の幾何学的形態に依存して、スクラブローラ728Aは、ローラ半体800A、800Bの各々が独立的な軸と連結される形態とすることができ、また、軸の各々は、図15B又は図15Cに示すように軸806に対して傾斜し又は角度を成し、スクラブローラ728Aによる接触の表面積を制御することができる。
【0067】
次に、図16Aを参照すると、一例としての実施の形態において、材料分与装置724´は、材料740A、740B又は740Cの個別のプライをマンドレル706Aに選択的に分与する形態とされた多数のディスペンサ724Aないし724Cを備えることができる。ディスペンサ724Aないし724Cの各々は、供給及び張力ローラ742Aないし742Cと、方向変更ローラ744Aないし744Cと、送り込みローラ746Aないし746Cと、切断装置748Aないし748Cと、タックローラ750Aないし750Cとを備えることができる。
【0068】
分与装置724´のディスペンサ724Aないし724Cの各々は、その他の材料の供給分と相違する特徴を呈する材料の供給分を含むことができる。例えば、第一のディスペンサ724Aは0゜の繊維方向を呈する材料740Aを含み、第二のディスペンサ724Bは45゜の繊維方向を呈する材料740Bを含み、第三のディスペンサ724Cは第一及び第二のディスペンサ724A、724Bに含まれるものと相違する繊維角度を呈する材料740Cを含むことができる。別の実施の形態において、材料の幅又は厚さは、ディスペンサ毎に変化させることができる。別の一例としての実施の形態は、ディスペンサ724Aないし724Cの各々に異なる等級型式の材料を含むことができる。かかる形態は、多数の及び異なる材料プライの複雑な組立体である細長い部材702を形成するとき顕著な自由度及び効率をもたらす。例えば、図15Aに示すように、単一のディスペンサ724のみが使用されるならば、材料740は、異なる繊維方向又はその他の相違する特徴を有する材料740を受容し得るよう供給及び張力ローラ742にて頻繁に交換しなければならないであろう。
【0069】
図16Bを簡単に参照すると、各々が関係した送り込みローラ746Aないし746Cにより作動されるような関係した方向変更ローラ744Aないし744Cの周りを通る材料740Aないし740Cのプライを分与する複数の供給及び張力ローラ742Aないし742Cを含む分与装置724´´の別の実施の形態が示されている。送り込みローラ746Aないし746Bの後に、材料740Aないし740Cのプライの各々は、共通の切断装置748を通って共通の方向変更ローラ768上を選択的に通り且つ、共通のタックローラ750の助けを受けてマンドレル706A上に積層することができる。このように、送り込みローラ746Aないし746Cの独立的な制御を通じて、材料プライ740Aないし740Cを切断装置748を通じ且つ、タックローラ750まで個別に、また、選択的に送り込み、マンドレル上に積層されるようにすることができる。図16Aに関して説明した実施の形態におけるように、材料プライ740Aないし740Cの各々は、繊維方向、材料の寸法、材料の組成又はその他の何らかの特徴に関係なく、その他のものと相違する特徴を呈することができる。
【0070】
別の実施の形態において、材料分与装置724´´は、例えば、当該技術分野の当業者により「ヌードル」として知られたフィラー接着剤又は小さいフィラー部材のようなフィラー材料を分与する形態とすることができる。例えば、装置がC字形の形状体として形成された2つの細長い構造体を背中同士を合わせた配置状態に接続してIビームを形成する形態とされるならば、かかるフィラー材料を利用することができる。当該技術分野の当業者により認識されるように、かかる構造は、2つの部材間の接続線の端縁に沿って、例えば、ヌードルにて満たされることが望ましい小さい凹部をしばしば残す。
【0071】
同様に、材料分与装置は、例えば、粘着付与剤材料又はバッギング材料を含むその他の材料を積層する形態としてもよい。粘着付与剤材料は、材料740の個別のプライに配置し、隣接するプライ間の粘着度を向上させることができる。バッギング材料は、その後に細長い部材702をマンドレル706Aから解放するため、材料740を分与する前に、材料706A上に配置することができる。このように、場合によっては、新たな細長い部材702を製造する前に、バッギング材料の新たな層をマンドレル上に供給することが望ましいことがある。
【0072】
次に、図17Aを参照すると、図14A、図14B、図15に関して説明した装置を使用することを通じて形成することができる細長い部材702が示されている。細長い部材702は、その長さの全体に亙って全体的に湾曲し又は円弧状である。上述したように、湾曲し又は円弧状の細長い部材702は、その円弧長さの全体に亙って一定の半径を呈する必要はない。実際上、本発明は、多数の曲線及び色々の複雑な幾何学的形態を呈する細長い部材702を製造することを考える。更に、図17Aを参照すると、細長い部材が細長い部材702の第一の端縁770に沿った第一の曲率半径R1と、細長い部材の第二の端縁772に沿った第二の曲率半径R2とを呈し、第二の曲率半径R2が第一の曲率半径R1よりも大きいような細長い部材の構造とされている。かかる形態は、供給及び張力ローラ742から分与される材料プライ(例えば、図15Aの材料740)はその各側部の下方に全体として直線状の端縁を呈するため、細長い部材702を製造するとき、格別な問題を招来する。このように、材料740が湾曲したマンドレル706A上に配置されると、材料は、第一の端縁770、又はより具体的には、より小さい曲率半径を呈する端縁に沿ってひだ又は皺を生ずる傾向となる。
【0073】
材料740(図15A)の皺を防止するため、材料がマンドレル706Aに付与されるとき(図15A)、所望の量の張力を材料740に付与することができる。このように、例えば、図15及び図17Aと共に図18を参照すると、分与装置724は、材料740がその上に配置される箇所にてマンドレル706Aに対し正接し又は正接状態から僅かな角度を付けた方向に向けて張力を材料740に付与する形態とすることができる。例えば1つの実施の形態において、接線がマンドレル706Aの半径方向中心線772に対して90゜であると考えるならば、張力は、半径方向中心線772に対し約89゜ないし91゜の範囲の角度にて付与することができる(方向矢印774で示すように)。かかる張力は、例えば、材料740が分与されるとき、供給及び張力ローラ742(図15A)の回転を制限し又はその他の制御をすることにより、付与することができる。例えば、材料740が供給され、また、キャリッジ710及び回転テーブル716が互いに対して動く間、ある大きさの所望の抵抗を供給及び張力ローラ742に付与し、その結果、分与された材料740に張力が生ずるようにしてもよい。
【0074】
材料740のプライが分与されるとき、織ったプレプレグ材料を使用することを考えるならば、材料がマンドレル706Aに配置され、その後に、形成装置726により整形されるとき、材料740に張力を加えると、より小さい曲率(例えば、図17AにてR1)に沿って又は該曲率半径に隣接して皺が生ずるのを防止しつつ、材料740はより大きい曲率半径(例えば、図17AにてR2)に沿って延伸される。
【0075】
換言すれば、材料が分与され且つ、マンドレル706A上に形成されるとき、材料740の幅を亙って張力勾配を発生させることができる。例えば、より大きい曲率半径(例えば、R2)を呈する材料の側端縁にて最大の張力である一方、より小さい曲率半径(例えば、R1)を呈する側端縁にて最小の張力(これは、場合によってはほぼ零とすることができる)となるように、細長い部材702を形成するために使用される材料740内に張力勾配を生じさせることができる。この勾配は、材料740の1つの端縁から他方の端縁まで厳密に直線状の勾配である必要はない。材料740の織りは、一部分、布地の受容可能な延伸量と、布地の特定の織りにより決定される材料の「変形」に依存して布地に付与する必要のある力の大きさとを決定することができる。
【0076】
一例としての実施の形態において、約133.4ないし177.9N(約30ないし40Ibf)の力を材料740に付与して材料を適宜な張力状態に置くことができる。勿論、材料に加えられる力の量は、例えば、使用される材料の型式(布地の織りを含む)、材料の幅、マンドレル706Aの曲率半径を含む多数のファクタ又はかかるファクタの組み合わせに依存する。材料740に加えられる張力に加えて、材料を弛緩させ且つ、より大きい曲率半径を呈する端縁に沿って又は該端縁に隣接して材料740を延伸させるのを容易にするのを助けるべく、熱を材料に加えることができる。しかし、材料740に加えられる熱の量及び強さは、材料740の過早の硬化を防止し得るよう選択し且つ制御することができる。
【0077】
次に、図19A及び図19Bを参照すると、湾曲し又は円弧状の細長い部材702(図17B)を形成する装置701´の別の実施の形態を含むシステム700が示されている。該装置701´は、幾つかの形態変更を加えて図14A、図14Bに示し且つ図14A、図14Bに関して説明したものと同様である。全体として、装置701´は、その上に配置されたマンドレル706´を有する基部704を備えている。装置701´は、ガントリー708と、該ガントリーに可動に連結されたキャリッジ組立体710とを更に有している。基部704は、ガントリー708及びキャリッジ組立体710に対して画成された軸線718の周りを回転し得る形態とされた回転テーブル716を有することができる。モータ720又はその他のアクチュエータは、基部704の支持部分722に対して回転テーブル716を回転させる作用可能な形態とすることができる。
【0078】
材料分与装置724´及び形成装置726´は、キャリッジ組立体710と連結されている。回転テーブル716がガントリー708に対して画成された軸線718の周りを回転すると、材料分与装置726は、1つ又はより多数の材料プライをマンドレル706´上に配置する形態とされている。形成装置726´は、アクチュエータ730に連結され且つ、マンドレル706´上に配置された材料プライを整形する形態とされた複数のローラ728を有することができる。マンドレル706´は、複数の支持構造体780により隔てた関係にて回転テーブル716に連結されている。分与装置724´及び形成装置726´は、マンドレル706´の半径方向内方に配置され且つ、マンドレルが回転テーブル716と共に回転するとき、マンドレル706´と係合し且つ、該マンドレル706´と相互作用する形態とされている。分与装置724´及び形成装置726´の形態及び向きは、回転テーブル716に対し平行であると説明することができる一方、分与装置724及び図14A、図14Bに示した形成装置726の形態及び向きは、回転テーブル716に対して直角であると説明することができる。
【0079】
図17Bを参照すると、図19A、図19Bに関して図示し且つ説明した装置701´を使用して形成可能である一例としての細長い部材702´の一部分が図示されている。該細長い部材702´は、全体として、円弧状又は湾曲しており、第一の面又は端縁782は第一の曲率半径R1´を呈し、第二の端縁又は面784は、第二の曲率半径R2´を呈し、第二の曲率半径R2´は、第一の曲率半径R1´よりも大きい。上述した実施の形態と同様に、マンドレル706´上に配置された任意の材料に力を加えて張力勾配を生じさせ且つ、小さい曲率半径(例えば、R1´)にて又はそれに隣接して材料の皺を防止することができる。
【0080】
細長い部材702´の断面の幾何学的形態は、図17Aに示した細長い部材702の曲率半径に対して全体的な曲率半径786に沿って回転されていることが理解される。同様に、湾曲した細長い部材702´は一定の曲率半径を呈する必要がないことも理解される。かかる相違した形態の細長い部材702、702´を製造する能力は、極めて特注化されたものであり且つ、複雑な構造体を相対的に容易に且つ効率的に製造することを可能にする。
【0081】
次に、図20を参照すると、本発明の別の形態に従って形成された一例としての細長い部材702´´の断面図が示されている。細長い部材702´´は、その「幅」又は断面広がりの約半分に亙って細長い部材702´´の第一の端縁772から伸びる第一の材料プライ788と、第一のプライ788と当接し且つ、細長い部材702´´の第二の端縁774まで伸びる第二の材料プライ790とを備えている。第三のプライ792が第一のプライ788及び第二のプライ790の頂部に積層状態に配置され且つ、かかるプライの当接接続部794上に橋部を形成する。所望であれば、追加的なプライを第一のプライ788、第二のプライ790及び第三のプライ792の上方に反復的なパターン(又は何らかのその他の画成されたパターン)にて配置することができる。
【0082】
積層「橋」プライにより補強された材料の隣接し且つ当接する多数のプライを使用することは、湾曲した細長い部材702´´を形成するとき更なる自由度をもたらす。例えば、皺を生じるため、又は皺を回避するのに必要な張力程度が材料の強度特性にとって有害であるため、単一の材料プライを使用して断面の幾何学的形態の全体を形成することができないような、細長い部材702´´の曲率半径であるならば、狭小な幅の別のプライを使用することができる。換言すれば、第一の曲率半径R1と第二の曲率半径R2との間を伸びるのに十分に幅の広い材料プライとなるように延伸させるのに必要な張力は、例えば、第二の曲率半径R2と第三の曲率半径R3との間を伸びるのに十分幅が広い材料となるように延伸させるのに必要なものよりも大きい。このように、側方向に隣接する多数の材料プライを使用することは、材料プライに加えられる張力及び材料プライが受ける延伸を減少させつつ、「より幅の広い」断面の幾何学的形態を呈する細長い部材702´´を製造することを可能にする。
【0083】
本発明のその他の変更例を採用することも考えられることが理解される。例えば、一例としての実施の形態は、マンドレルと、複数の相補的なローラとを含むものとして説明したが、上側セットと、下側セットという2組みの相補的なローラを使用して細長い部材を形成することができる。このように、例えば、複数の繊維を雌型組みの上側ローラ及び雄型組みの下側ローラを通して所望の断面の幾何学的形態を得ることができる。しかし、上述した一例としての実施の形態におけるように、マンドレルを使用することは、プライをより正確に配置し且つ繊維方向を制御することを可能にする。更に、色々な実施の形態をキャリッジ組立体及びガントリーを利用することに関して説明したが、ローラを配置し且つ、マンドレル上に配置された材料に対し適宜な力又は圧力を加えるため、ロボット式アームを利用することも可能であると更に考えられる。かかるロボットは、関係した1つ又は複数のローラを多数の軸線の周りにて配置可能な形態とすることができる。
【0084】
更に、細長い構造部材を形成するとき色々な材料を使用することができる。例えば、複合材テープ、布地、乾燥布地又はその色々な組み合わせ体を使用することができる。更に、適当であると考えられるならば、フィラー材料を細長い構造部材内に導入することができる。かかるフィラー材料は、例えば、発泡材、金属又はその他の非プラスチック材料を含むことができる。
【0085】
本発明は、色々な形態変更及び代替的な形態が具体化可能であるが、図面にて単に一例として特定の実施の形態を示し且つ、それについて詳細に説明した。しかし、本発明は、開示された特定の形態に限定することを意図するものではないことを理解すべきである。本発明は、特許請求の範囲により規定された本発明の精神及び範囲に属する全ての形態変更例、等価物及び代替例を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の1つの実施の形態に従った細長い複合部材を形成する装置の斜視図である。
【図2】本発明の1つの実施の形態に従った図1の装置の一部分を示す斜視図である。
【図3】3Aは、細長い部材を形成する1つの段階の間における図1の装置の部分断面図である。
【0087】
3Bは、細長い部材を形成する別の段階の間における図1の装置の部分断面図である。
3Cは、細長い部材を形成する更に別の段階の間における図1の装置の部分断面図である。
【0088】
3Dは、細長い部材を形成する更に別の段階の間における図1の装置の部分断面図である。
【図4】本発明の別の実施の形態に従った図1の装置の一部分を示す斜視図である。
【図5】本発明の別の実施の形態に従った細長い複合部材を形成する別の装置の斜視図である。
【図6】本発明の更に別の実施の形態に従った細長い複合部材を形成する別の装置の斜視図である。
【図7】図6に示した装置の一部分の拡大斜視図である。
【図8】8Aは、本発明の色々な形態に従い且つ色々な製造段階にて形成された細長い補強部材を示す断面図である。
【0089】
8Bは、本発明の色々な形態に従い且つ色々な製造段階にて形成された細長い補強部材を示す断面図である。
【図9】本発明の更なる実施の形態に従った細長い複合部材を形成する装置の斜視図である。
【図10】本発明の更なる実施の形態に従った細長い複合部材を形成する装置の斜視図である。
【図11】本発明の1つの実施の形態に従った細長い複合部材を形成する装置と共にコントローラを使用する状態を示す概略図である。
【図12】12Aは、本発明の1つの実施の形態に従った細長い複合部材を形成するときに使用されるマンドレルの斜視図である。
【0090】
12Bは、本発明の1つの実施の形態に従った細長い複合部材を形成する間における図12Aに示したマンドレルの部分断面側面図である。
【図13】13Aは、本発明に従って形成することのできる一例としての幾何学的形態を示す断面図である。
【0091】
13Bは、本発明に従って形成することのできる一例としての別の幾何学的形態を示す断面図である。
13Cは、本発明に従って形成することのできる一例としての別の幾何学的形態を示す断面図である。
【0092】
13Dは、本発明に従って形成することのできる一例としての別の幾何学的形態を示す断面図である。
13Eは、本発明に従って形成することのできる一例としての更に別の幾何学的形態を示す断面図である。
【図14】14Aは、本発明の更に別の実施の形態に従った細長い複合部材を形成するシステム及び装置の平面図である。
【0093】
14Bは、本発明の更に別の実施の形態に従った細長い複合部材を形成するシステム及び装置の立面図である。
【図15】15Aは、図14A及び図14Bに示したシステム及び装置により行われる一例としての過程の概略図である。
【0094】
15Bは、図14A、図14B及び図15Aに示した装置の色々な構成要素の詳細図である。
15Cは、図14A、図14B及び図15Aに示した装置の色々な構成要素の詳細図である。
【0095】
15Dは、図14A、図14B及び図15Aに示した装置の色々な構成要素の詳細図である。
【図16】16Aは、本発明の色々な実施の形態と共に使用することのできる材料分与装置の図である。
【0096】
16Bは、本発明の色々な実施の形態と共に使用することのできる別の材料分与装置の図である。
【図17】17Aは、図14A、14B、16A及び16Bに関して示し且つ説明したシステム及び装置を使用して形成された一例としての細長い部材の斜視図である。
【0097】
17Bは、図14A、14B、16A及び16Bに関して示し且つ説明したシステム及び装置を使用して形成された一例としての別の細長い部材の斜視図である。
【図18】図14Aに示した装置の拡大部分平面図である。
【図19】19Aは、本発明の更なる実施の形態に従った細長い複合部材を形成するシステム及び装置の平面図である。
【0098】
本発明の更なる実施の形態に従った細長い複合部材を形成するシステム及び装置の立面図である。
【図20】本発明の1つの過程に従って形成された細長い部材の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い複合構造部材を形成する方法において、
所望の幾何学的形態を呈する表面を有する細長いマンドレルに複合材料の複数のプライを積層するステップと、
複数のプライを実質的に非硬化状態に保ちつつ、複数のプライの一部分をマンドレルに実質的に同時に押し付け且つ形成し、複数のプライをマンドレルの幾何学的形態に少なくとも部分的に順応させるステップとを備える、細長い複合構造部材を形成する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、複合材料の複数のプライを積層するステップは、熱硬化性樹脂を予含浸させた繊維材料の複数のプライを積層するステップを更に備える、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、複数のプライの一部分をマンドレル上に実質的に同時に押し付け且つ形成して複数のプライをマンドレルの幾何学的形態に少なくとも部分的に順応させるステップは、少なくとも1つのローラをマンドレルの長さに沿ってマンドレル及び複数のプライ上を進めるステップを更に備え、少なくとも1つのローラは、マンドレルと形状の点にて少なくとも部分的に相補的である、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、少なくとも1つのローラをマンドレル及び複数のプライ上を進めるステップは、複数のローラをマンドレル及び複数のプライ上を順次に進めるステップを備える、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、第一のローラがマンドレルと部分的に相補的に係合し、最後のローラがマンドレルと実質的に完全に相補的に係合するような複数のローラの形態とするステップを更に備える、方法。
【請求項6】
請求項3に記載の方法において、複数のプライをマンドレルに押し付けるステップは、少なくとも1つの中間構造体と、最終構造体とを形成するステップを更に備える、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、少なくとも1つの中間構造体を形成するステップは、マンドレルの外面と部分的に順応するように複数のプライを形成するステップを備える、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、最終構造体を形成するステップは、マンドレルの外面と実質的に完全に順応するように複数のプライを形成するステップを備える、方法。
【請求項9】
請求項3に記載の方法において、長手方向軸線に沿って伸びる第一の部分と、長手方向軸線から偏倚する第二の部分とを有するようなマンドレルの形態とするステップを更に備える、方法。
【請求項10】
請求項3に記載の方法において、マンドレルを基部に連結するステップと、少なくとも1つのローラをキャリッジ組立体に連結するステップとを更に備え、少なくとも1つのローラをマンドレルの長さに沿ってマンドレル及び複数のプライ上を通すステップは、キャリッジ組立体を基部に対して動かすステップを備える、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、コンピュータ数値制御コントローラにより基部に対するキャリッジ組立体の動きを制御するステップを更に備える、方法。
【請求項12】
請求項3に記載の方法において、細長い部材の長さに対し横方向に測定したとき、ハットの断面幾何学的形態を実質的に呈すよう細長い複合構造部材を形成するステップを更に備える、方法。
【請求項13】
請求項3に記載の方法において、細長い部材の長さに対し横方向に測定したとき、少なくとも1つのC字形状体の断面幾何学的形態を実質的に呈すよう細長い複合構造部材を形成するステップを更に備える、方法。
【請求項14】
請求項3に記載の方法において、細長い部材の長さに対し横方向に測定したとき、少なくとも1つの角度の断面幾何学的形態を実質的に呈すよう細長い複合構造部材を形成するステップを更に備える、方法。
【請求項15】
請求項3に記載の方法において、細長い部材の長さに対し横方向に測定したとき、少なくとも1つの円弧状部分を有する断面の幾何学的形態を実質的に呈するよう細長い複合構造部材を形成するステップを更に備える、方法。
【請求項16】
請求項3に記載の方法において、複数のプライをマンドレルに押し付けるステップは、複数のプライを圧密化するステップを更に備える、方法。
【請求項17】
請求項3に記載の方法において、複数のプライをマンドレルに押し付ける前に、複数のプライの少なくとも一部分を加熱するステップを更に備える、方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法において、複合材料の複数のプライを細長い部材に積層し、また、複数のプライの一部分をマンドレル上に実質的に同時に押し付け且つ形成し、複数のプライをマンドレルの幾何学的形態に少なくとも部分的に順応させるステップは、
複合材料の第一のプライを積層するステップと、
第一のプライをマンドレル上に押し付け且つ形成して第一のプライをマンドレルの幾何学的形態に順応させるステップと、
第二のプライを押し付け且つ形成された第一のプライ上に積層するステップと、
第一のプライを押し付け且つ、形成された第一のプライ及びマンドレル上に押し付けて、形成し、第二のプライを第一のプライ及びマンドレルの幾何学的形態に少なくとも部分的に順応させるステップとを備える、方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法において、熱可塑性樹脂及びバインダの少なくとも一方を複数のプライ内に注入するステップを更に備える、方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法において、複数のプライの少なくとも1つのプライの幅を亙って張力勾配を誘発させるステップを更に備える、方法。
【請求項21】
細長い複合構造部材を形成する方法において、
所望の幾何学的形態を呈する外面を有する実質的に細長いマンドレルを提供するステップと、
予含浸させた繊維強化材料の第一のプライをマンドレル上に積層するステップと、
第一のプライ内に所望の量の張力を確立し得るように力を第一のプライに付与するステップと、
第一のプライ内にて所望の量の張力を維持しつつ、少なくとも1つのローラをマンドレル上に押し付けるステップを含む、適合可能な要領にて第一のプライをマンドレルに押し付け、少なくとも1つのローラは、マンドレルと形状の点にて少なくとも部分的に相補的であるステップとを備える、細長い複合構造部材を形成する方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、第二の材料のプライを第一の材料のプライ上に積層するステップと、第二のプライ内に所望の量の張力を確立し得るよう力を第二のプライに付与するステップと、第二のプライ内に所望の量の張力を維持しつつ、少なくとも1つのローラと適合可能な要領にて第二のプライを第一のプライに押し付けるステップとを更に備える、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、第二のプライを第一のプライに押し付けるステップは、第一のプライ及び第二のプライを圧密化するステップを更に備える、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、第一のプライ及び第二のプライを実質的に非硬化状態に維持するステップを更に備える、方法。
【請求項25】
請求項22に記載の方法において、予含浸させた繊維材料の第一のプライをマンドレル上に積層するステップは、第一のプライを第一の繊維の方向を呈するよう画成するステップを備え、第二の材料のプライを第一の材料のプライ上に積層するステップは、第一の繊維方向と相違する第二の繊維方向を呈するよう第二の材料のプライを画成するステップを備える、方法。
【請求項26】
請求項22に記載の方法において、予含浸させた繊維材料の第一のプライを積層するステップは、第一の幅を呈するように第一のプライを画成するステップを備え、第二の材料のプライを第一の材料のプライ上に積層するステップは、第一の幅と相違する第二の幅を呈するよう第二の材料のプライを画成するステップを備える、方法。
【請求項27】
請求項21に記載の方法において、少なくとも1つのローラをマンドレル上及び第一のプライに押し付けるステップは、複数のローラをマンドレル及び第一のプライに順次に押し付けるステップを備える、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、第一のローラがマンドレルの第一の表面積上でマンドレルと部分的に相補的に係合し、また、第二のローラがマンドレルの第二の表面積上でマンドレルと相補的に係合するような複数のローラの形態とするステップを更に備える、方法。
【請求項29】
請求項21に記載の方法において、その長さの少なくとも一部分に沿って円弧状部分を呈するようマンドレルを形成するステップを更に備える、方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、第一のプライ内に所望の量の張力を確立し得るよう第一のプライに力を付与するステップは、第一のプライの第一の側方端縁に隣接する領域に沿って第一のプライの一部分を延伸させるステップを備える、方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、第一のプライ内に所望の量の張力を確立し得るよう第一のプライに力を付与するステップは、第一のプライの第二の対向する側端縁に隣接する領域に沿って第一のプライ内に皺が形成されるのを防止するステップを更に備える、方法。
【請求項32】
請求項30に記載の方法において、第一の側端縁に隣接する第一のプライの少なくとも1つの領域に所望の量の熱を付与するステップを更に備える、方法。
【請求項33】
請求項29に記載の方法において、第一のプライ内に所望の量の張力を確立し得るよう第一のプライに力を付与するステップは、第一のプライがマンドレル上に積層される箇所である位置にてマンドレルの曲率半径に実質的に正接する方向に向けて力を付与するステップを備える、方法。
【請求項34】
請求項29に記載の方法において、第一のプライ内に所望の量の張力を確立し得るよう第一のプライに力を付与するステップは、円弧状部分を通る半径方向中心線に対し約89゜ないし91゜の方向に向けて力を付与するステップを備える、方法。
【請求項35】
請求項21に記載の方法において、マンドレルを回転テーブルに連結するステップと、少なくとも1つのローラをキャリッジ組立体に連結するステップとを更に備え、少なくとも1つのローラをマンドレル及び第一のプライの上を通すステップは、回転テーブル及びマンドレルをキャリッジ組立体の下方にて回転させるステップを更に備える、方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法において、回転テーブルが回転する間、マンドレルをキャリッジ組立体にて追跡するステップは、キャリッジ組立体を回転テーブルに対して半径方向に変位させるステップを備える、方法。
【請求項37】
請求項21に記載の方法において、細長い部材の長さに対し横方向に測定したとき、ハットの断面幾何学的形態を実質的に呈するよう細長い複合構造部材を形成するステップを更に備える、方法。
【請求項38】
請求項21に記載の方法において、細長い部材の長さに対し横方向に測定したとき、少なくとも1つのC字形状体の断面幾何学的形態を実質的に呈すよう細長い複合構造部材を形成するステップを更に備える、方法。
【請求項39】
請求項21に記載の方法において、細長い部材の長さに対し横方向に測定したとき、少なくとも1つの角度の断面幾何学的形態を実質的に呈すよう細長い複合構造部材を形成するステップを更に備える、方法。
【請求項40】
請求項21に記載の方法において、予含浸させた繊維強化材料の第一のプライを積層するステップは、熱硬化性樹脂を予含浸させた繊維強化材料の第一のプライを積層するステップを備える、方法。
【請求項41】
細長い複合構造部材を形成する装置において、
基部と、
該基部に取り付けられて、実質的に細長い幾何学的形態を呈する少なくとも1つのマンドレルと、
該基部と可動に連結されたキャリッジ組立体と、
ローラが転がるとき、少なくとも1つのマンドレルと少なくとも部分的に相補的に係合する形態とされ且つ、キャリッジ組立体と連結された少なくとも1つのローラと、
該少なくとも1つのローラを通してマンドレルに所望の力を付与する形態とされた少なくとも第一の力付与機構とを備える、細長い複合構造部材を形成する装置。
【請求項42】
請求項41に記載の装置において、基部は、画成された軸線の周りを回転し得る形態とされたテーブルを更に備え、
少なくとも1つの材料のプライを少なくとも1つのマンドレル上に分与する形態とされた少なくとも1つの材料分与装置と、
所望の力を少なくとも1つのプライに付与し且つ、材料が少なくとも1つのマンドレル上にあり、また、少なくとも1つのローラが少なくとも1つのマンドレル上に配置された少なくとも1つのプライ上を進む間、所望の量の張力を誘発させる配置及び形態とされた少なくとも第二の力付与機構とを更に備える、装置。
【請求項43】
請求項42に記載の装置において、少なくとも1つのローラは、キャリッジ組立体と連結された複数のローラを備える、装置。
【請求項44】
請求項42に記載の装置において、少なくとも1つの材料分与装置は、第一の幅を呈する第一の材料のプライと、第一の幅と異なる第二の幅を呈する少なくとも第二の材料のプライとを分与する形態とされる、装置。
【請求項45】
請求項42に記載の装置において、少なくとも1つのローラ及び少なくとも1つのマンドレルは、その長さに対し横方向に測定したとき、ハット、C字形、角度及び少なくとも1つの円弧状部分の少なくとも1つの断面の幾何学的形態を実質的に呈する細長い複合構造部材を形成するよう相補的な形態とされる、装置。
【請求項46】
請求項42に記載の装置において、キャリッジ組立体と、少なくとも1つのローラを介して少なくとも1つのマンドレルに力を付与する形態とされた少なくとも1つのローラとの間にて作用可能に連結された少なくとも1つのアクチュエータを更に備える、装置。
【請求項47】
請求項46に記載の装置において、少なくとも1つのアクチュエータは、液圧アクチュエータ及び空気圧アクチュエータの少なくとも1つを含む、装置。
【請求項48】
請求項42に記載の装置において、少なくとも1つのマンドレルは複数のマンドレルを含む、装置。
【請求項49】
請求項42に記載の装置において、キャリッジ組立体は、画成された軸線に対し半径方向に変位する形態とされる、装置。
【請求項50】
請求項49に記載の装置において、少なくとも1つのローラは、テーブルが画成された軸線の周りを回転する間、少なくとも1つのマンドレルの半径方向への偏倚を追跡する形態とされる、装置。
【請求項51】
請求項42に記載の装置において、少なくとも1つの材料のプライの少なくとも一部分を加熱する形態及び向きとされた加熱装置を更に備える、装置。
【請求項52】
請求項42に記載の装置において、材料分与装置は、
少なくとも1つの材料のプライとして分与すべき材料の供給分を有する少なくとも1つの供給ローラと、
少なくとも1つの材料のプライを少なくとも1つの供給ローラからマンドレルまで作動させる少なくとも1つの送り込み装置と、
少なくとも1つの材料のプライを少なくとも1つのマンドレルの一部分に対し押し付ける形態とされた少なくとも1つのタックローラとを更に備える、装置。
【請求項53】
請求項52に記載の装置において、材料分与装置は、少なくとも1つの材料のプライを切断する配置及び形態とされた少なくとも1つの切断装置を更に備える、装置。
【請求項54】
請求項52に記載の装置において、装置と作用可能に連結され且つ、送り込み装置を制御する形態とされたコントローラを更に備える、装置。
【請求項55】
請求項42に記載の装置において、装置と作用可能に連結され且つ、テーブルの回転を制御する形態とされたコントローラを更に備える、装置。
【請求項56】
請求項42に記載の装置において、装置と作用可能に連結され且つ、テーブルの回転を制御する形態とされたコントローラを更に備える、装置。
【請求項57】
請求項56に記載の装置において、コントローラは、プロセッサと、記憶装置と、少なくとも1つの入力装置と、少なくとも1つの出力装置とを有する、装置。
【請求項58】
請求項42に記載の装置において、少なくとも1つの第二の力付与機構は、少なくとも1つのプライが少なくとも1つのマンドレル上に配置される位置にて少なくとも1つのマンドレルに対し実質的に正接する方向に向けて所望の力を少なくとも1つのプライに付与する配置及び形態とされる、装置。
【請求項59】
請求項42に記載の装置において、少なくとも1つの第二の力付与機構は、画成された軸線を通り且つ、少なくとも1つのプライが少なくとも1つのマンドレル上に配置される位置にてマンドレルを通る半径方向中心線に対し約89゜ないし90゜の角度にて所望の力を少なくとも1つのプライに付与する配置及び形態とされる、装置。
【請求項60】
請求項42に記載の装置において、少なくとも1つの第二の力付与機構は、少なくとも1つのプライの幅を亙って張力勾配を誘発させる形態とされる、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【公表番号】特表2007−501140(P2007−501140A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522662(P2006−522662)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/024960
【国際公開番号】WO2005/011961
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(598174370)アライアント・テクシステムズ・インコーポレーテッド (19)
【氏名又は名称原語表記】Alliant Techsystems Inc.
【Fターム(参考)】