説明

複合金属体およびその製造方法ならびに金属粒子およびその製造方法

【課題】 従来よりも電気伝導性や熱伝導性等の性能を向上させた複合金属体およびその製造方法ならびに複合金属体の材料となる金属粒子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 金属に2種類以上のカーボンナノチューブが含まれて成る複合金属体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接点、電池、電磁波シールド、導電材、摩擦材接点、摺動材等の材料として好適に用いることのできる金属材料およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属内にカーボンナノチューブを分散させた複合金属体が知られている。
特許文献1(特開2000−223004号)に示される複合金属体は、カーボンナノチューブと金属粉とを混合し、焼結してブロック状となしたものである。
【0003】
また、特許文献2(特開2004−186102号)に示すように、複合金属体に用いるカーボンナノチューブとしてはある特定の種類のものを用いるのが一般的である。
【特許文献1】特開2000−223004号公報
【特許文献2】特開2004−186102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術のように特定の種類のカーボンナノチューブを混入させた複合金属体では、その電気伝導性や熱伝導性等の性能は混入させたカーボンナノチューブの性能に依存しているので、性能に限界があるという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは従来よりも電気伝導性や熱伝導性等の性能を向上させた複合金属体およびその製造方法ならびに複合金属体の材料となる金属粒子およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる複合金属体によれば、金属に2種類以上のカーボンナノチューブが含まれて成ることを特徴としている。
この構成によれば、各カーボンナノチューブの性能に基づいて複合金属体の性能向上が図れる。例えば、熱伝導性が優れたカーボンナノチューブと、電気伝導性が優れたカーボンナノチューブとを含むことにより、熱伝導性および電気伝導性の双方の性能が優れた複合金属体とすることができる。
なお、本明細書中においてはカーボンナノチューブをCNTと省略して称する場合がある。また、カーボンナノチューブの種類とは、構造的に違うもの、および同一構造であっても直径や線長さが異なるものを含めた概念である。
【0007】
また、前記カーボンナノチューブとしては、互いの直径比が5以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする。
この構成によれば、直径比が5以上あることで、大径のカーボンナノチューブの間の金属マトリクスに小径のカーボンナノチューブが入り込みやすくなる。このため、金属マトリクスの性能の向上を図ることができると共に、大径のカーボンナノチューブどうしのネットワーク形成が確実となるので大径のカーボンナノチューブに基づく性能の向上をも図ることができる。
【0008】
また、前記カーボンナノチューブとしては、互いの線長さ比が2以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする。
この構成によれば、線長さ比が2以上あることで、長いカーボンナノチューブの間の金属マトリクスに短いカーボンナノチューブが入り込みやすくなる。このため、金属マトリクスの性能の向上を図ることができると共に、長いカーボンナノチューブどうしのネットワーク形成が確実となるので長いカーボンナノチューブに基づく性能の向上も図ることができる。
【0009】
また、複合金属体は、2種類以上のカーボンナノチューブで修飾された金属粒子を焼成または溶融することによって得られることを特徴としてもよい。
カーボンナノチューブ修飾の金属粒子を用いる場合としては、所定のカーボンナノチューブで修飾された一の金属粒子と、前記カーボンナノチューブとは異なる種類のカーボンナノチューブで修飾された他の金属粒子とを焼成または溶融することによって得られることを特徴としてもよい。
【0010】
本発明にかかる複合金属体の製造方法によれば、2種類以上のカーボンナノチューブと金属粉とを混合する工程と、該混合物を成形する工程と、該成形物を焼成または溶融する工程とを含むことを特徴としている。
また、2種類以上のカーボンナノチューブと溶融した金属とを混合させることを特徴としてもよい。
【0011】
本発明にかかる複合金属体の製造方法によれば、2種類以上のカーボンナノチューブで修飾された金属粒子を成形する工程と、該成形物を焼成または溶融する工程とを含むことを特徴としてもよい。
また、所定のカーボンナノチューブで修飾された一の金属粒子と、前記カーボンナノチューブとは異なる種類のカーボンナノチューブで修飾された他の金属粒子とを混合する工程と、該混合物を成形する工程と、該成形物を焼成または溶融する工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明にかかる金属粒子によれば、2種類以上のカーボンナノチューブで修飾されていることを特徴としている。
この構成によれば、各カーボンナノチューブの性能に基づいて性能向上を図った複合金属体の製造に用いる材料とすることができる。なお、2種類以上のカーボンナノチューブで修飾された金属粒子は、請求項1に記載した、金属に2種類以上のカーボンナノチューブが含まれて成る複合金属体の概念に含まれるものである。言い換えると、カーボンナノチューブ修飾の金属粒子単体であっても、本発明の複合金属体でもあるということである。
【0013】
前記カーボンナノチューブとしては、互いの直径比が5以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする。
このような金属粒子を用いることで、直径比が5以上あることで、大径のカーボンナノチューブの間の金属マトリクスに小径のカーボンナノチューブが入り込みやすくなる。このため、金属マトリクスの性能の向上を図ることができると共に、大径のカーボンナノチューブどうしのネットワーク形成が確実となるので大径のカーボンナノチューブに基づく性能の向上をも図ることができる複合金属体を得ることができる。
【0014】
また前記カーボンナノチューブとしては、互いの線長さ比が2以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする。
このような金属粒子を用いることで、線長さ比が2以上あることで、長いカーボンナノチューブの間の金属マトリクスに短いカーボンナノチューブが入り込みやすくなる。このため、金属マトリクスの性能の向上を図ることができると共に、長いカーボンナノチューブどうしのネットワーク形成が確実となるので長いカーボンナノチューブに基づく性能の向上も図ることができる複合金属体を得ることができる。
【0015】
本発明にかかる金属粒子の製造方法によれば、2種類以上のカーボンナノチューブを分散した電解液を電解して、カソード電極上に、カーボンナノチューブが混入した金属粒子を析出させる工程と、該析出した金属粒子をカソード電極上から分離する工程とを含むことを特徴とする。
この方法によれば、性能の向上を図った複合金属体の材料として、カーボンナノチューブが均一に分散した金属粒子が得られる。
【0016】
また、前記カーボンナノチューブとしては、互いの直径比が5以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴としてもよく、前記カーボンナノチューブとしては、互いの線長さ比が2以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、従来の単一種類のカーボンナノチューブが混入した複合金属体よりも、電気伝導性や熱伝導性といった性能の向上を図ることができる。また2種類以上のカーボンナノチューブの相互作用により、さらなる性能の向上も期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(複合金属体)
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
本発明の複合金属体の概略説明図を図1に示す。
複合金属体10は、銅などの金属に2種類のカーボンナノチューブ(CNT)が混入して構成されている。
図1に示すCNTは、大径且つ線方向の長さが長いCNT12(以下、長大CNTと称する)と、小径且つ線方向の長さが短いCNT13(以下、短小CNTと称する)の2種類である。
このため、複合金属体10全体としては、長大CNT12の性能と短小CNTの性能の双方の性能を有することとなり、単一のCNTが混入した複合金属体と比較して高性能の金属材料とすることができる
【0019】
また、複合金属体10では、長大CNT12の間の金属マトリクス14中に、短小CNT13が介在する。このため、短小CNT13は、長大CNT12のどうしの間を接続し長大CNTのネットワークも形成する。このネットワークの形成によって、長大CNT12が本来有している性能をさらに上回る性能が引き出されることが期待される。
【0020】
なお、ここでは複合金属体に混入されているCNTの種類として、直径や長さの違いによるものを例として説明したが、種類の違いとしては直径や長さの違いに限られることはなく、構造の違いであってもよい。例えば年輪状のCNT、シングルウォールCNT、カップスタック状のCNT等の形状が異なるCNTを複数種類混入させたものであってもよい。
また、CNTは2種類に限定されることはなく、2種類以上混入されていればよい。
【0021】
(複合金属体の製造方法)
上述したような、2種類以上のCNTが混入された複合金属体を製造する製造方法について説明する。製造方法については、いくつかの方法が考えられる。
【0022】
(製造方法1)
図2に複合金属体の製造方法1について示す。
まず、2種類以上のCNTと、金属粉とを混合する(ステップS100)。
次に、2種類以上のCNTと金属粉とを混合して成る混合物を所定の型に充填して成形する(ステップS102)。
成形した成形物を焼成または溶融する(ステップS104)。これにより、金属粉が結着し、2種類以上のCNTが混入した複合金属体を得ることができる。
【0023】
場合によっては、2種類以上のCNTと金属粉に加え、ステップS100においてバインダーを混合させてもよい。バインダーを用いることにより、ステップS102の成形時にCNTと金属粉との間の隙間を十分に埋めることができる。
バインダーとしては、樹脂バインダーまたは金属バインダーを用いることができる。樹脂バインダーを用いた場合には、ステップS104の焼成または溶融時に樹脂バインダーは飛散して消失する。
【0024】
(製造方法2)
図3に複合金属体の製造方法2について示す。
この方法によれば、2種類以上のCNTを用意しておき、これと溶融した金属とを混合させる(ステップS200)だけで、複合金属体を得ることができる。
ただし、この方法によればCNTをどのようにして均一に分散させるかが課題になると考えられる。
【0025】
(製造方法3)
図4に複合金属体の製造方法3について示す。
本方法は、2種類以上のCNTで修飾された金属粒子を用いて複合金属体を得る方法である。
まず、2種類以上のCNTで修飾された金属粒子を所定の型に充填して成形する(ステップS300)。
次いで、成形した成形物を焼成または溶融する(ステップS302)。これにより、金属粒子が結着し、2種類以上のCNTが混入した複合金属体を得ることができる。
この方法によれば、CNTが均一に行き渡った複合金属体を製造できる。
なお、2種類以上のCNTで修飾された金属粒子の製造方法については、後述する。
【0026】
(製造方法4)
図5に複合金属体の製造方法4について示す。
まず、1種類のCNTで修飾された金属粒子と、該金属粒子とは異なる種類のCNTで修飾された金属粒子とを混合する(ステップS400)。
次に、金属粒子が混合されて成る混合物を所定の型に充填して成形する(ステップS402)。
成形した成形物を焼成または溶融する(ステップS404)。これで、2種類以上のCNTが混入した複合金属体を得ることができる。
この方法によっても、CNTが均一に行き渡った複合金属体を製造できる。
【0027】
(金属粒子およびその製造方法)
上述した複合金属体の製造方法3と製造方法4では、CNTが修飾された金属粒子を用いて複合金属体を製造することを説明したが、以下に2種類以上のCNTで修飾された金属粒子とその製造方法について説明する。
なお、単一種類のCNTで修飾された金属粒子とその製造方法については従来から特願2003−40308等で本発明者等が提案しているので、ここでは2種類以上のCNTで修飾された金属粒子についてのみ説明する。
【0028】
本発明の金属粒子の製造方法は、2種類以上のCNTを分散した電解液を電解して、カソード電極上に、CNTが混入した金属粒子を析出させる工程と、析出した金属粒子をカソード電極上から分離する工程を含んでいる。
分離した金属粒子を回収、洗浄、乾燥することによって所要の金属粒子を得ることができる。
【0029】
電流密度や電解時間などの電解条件を調節することによって平均粒径数百nm〜数十μmの範囲の金属粒子を析出させることができる。電流密度は粒径や生産性を考慮して最適値を選択する。
例えば銅の電解液の場合、電解槽に硫酸銅水溶液と硫酸を主成分とする電解液を入れ、2種類以上のカーボンナノチューブを電解液に入れる。
電解槽中ではアノード電極として電気銅を使用し、電解中の銅イオンの補給を行う。電解液への銅イオンの補給は、銅以外の金属、例えば鉛をアノード電極として使用し、外部から銅イオンを補給しても構わない。
場合によっては、電解中の電解液は撹拌装置により撹拌されると同時に、電解液濃度および成分量も所定の比率となるように制御する。
【0030】
また、2種類以上のCNTを電解液中に分散させるために、有機化合物からなる分散剤を添加するか、あるいは超音波による振動を与えるとよい。分散剤としてはポリアクリル酸等を用いることができる。
【0031】
析出した金属粒子をカソード電極上から分離する場合、金属粒子が析出したカソード電極よりブレード等を用いて機械的に分離できる。
【0032】
析出粒子の粒径や強度、およびカソード電極からの分離性を調整するため、電解液にチオ尿素、ゼラチン、タングステン、塩化物等の有機、無機化合物を添加してもよい。
カソード電極には、析出する金属(本実施例では銅)の密着性が悪く、析出粒子を分離しやすいニオブを使用すると好適である。カソード電極としてはニオブに限られることはなく、ステンレス鋼、チタン、タンタル、白金等を使用することができる。
またカソード電極の表面は析出する金属を粒子化するため表面を粗面化しておくことが望ましい。例えば、カソード電極の表面にカソード電極とは異なる金属材料から成る微小突起を形成するとよい。
【0033】
生産される、2種類以上のCNTで修飾された金属粒子の粒径は、カソード表面の微小突起の大きさと形状、電解電流密度などが相互に関連して決まる。
なお、金属粒子の金属の種類は銅に限定されるものではない。
【0034】
上記のようにして得られる金属粒子は数百nm〜数十μmの極めて微細なものであり、しかも各金属粒子に2種類以上のCNTが混入している。したがって、これら金属粒子の集合体を焼成または溶融して得られる複合材料中には、2種類以上のCNTが均一に混入されたものとなる。
【0035】
また、電解液へのCNTの分散量、電解条件などを変えることによって、種々のCNTの混入量、粒径の金属粒子が得られるから、これら金属粒子を焼成または溶融することによって得られる複合金属体中の各CNT量も任意にコントロールすることが可能となる。
このような複合金属体は、2種類以上の各CNTの特質を生かして、摺動性が必要な軸受、高い電気伝導率が必要な電極や電気接点、高い熱伝導率の必要な放熱機構など、多様な用途に利用可能である。
【実施例1】
【0036】
以下、金属粒子の製造方法の実施例について説明する。
電解液
CuSO4・5H2O 40g/L
2SO4 100g/L
CNT(A) 2.5g/L
CNT(B) 2.5g/L
ポリアクリル酸分子量5000 0.05g/L
上記電解液を用いて、撹拌下、液温25℃、20A/dm2の電流密度で15分間電解を行った場合に、カソード電極の表面に析出した皮膜の走査型電子顕微鏡写真を図6に示す。
なお、CNT(A)とは、年輪状のもの(MWCNT)で直径が100〜300nmのものであり、CNT(B)とは、カップスタック状のもので直径が100〜200nmのものである。
図6に見られるように、粒径約10μm程度の微細な球状の銅粒に2種類のCNTが多数取り込まれた、Cu-CNT複合物が形成されている。
これら複合物は、安定してカソード電極から分離し、粒子化できた。
【実施例2】
【0037】
電解液
CuSO4・5H2O 40g/L
2SO4 100g/L
CNT(C) 0.8g/L
CNT(D) 0.5g/L
上記電解液を用いて、撹拌下、超音波発生器により超音波振動を与えつつ液温25℃、40A/dm2の電流密度で15分間電解を行った場合に、カソード電極の表面に析出した皮膜の走査型電子顕微鏡写真を図7に示す。超音波発生器として、超音波洗浄機(アズワン株式会社:US−1)を使用した。
なお、CNT(C)とは、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)で直径が100〜300nmのものであり、CNT(D)とは、カップスタック状のもので直径が100〜200nmのものである。
図7に見られるように、粒径数十μm程度の微細な球状の銅粒に2種類のCNTが多数取り込まれた、Cu-CNT複合物が形成されている。
これら複合物は、安定してカソード電極から分離し、粒子化できた。
【0038】
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の複合金属体のカーボンナノチューブの混入の様子を示す説明図である。
【図2】複合金属体の製造方法1を示すフローチャートである。
【図3】複合金属体の製造方法2を示すフローチャートである。
【図4】複合金属体の製造方法3を示すフローチャートである。
【図5】複合金属体の製造方法4を示すフローチャートである。
【図6】本発明の金属粒子の製造方法の実施例1でカソード電極上に析出した金属粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】本発明の金属粒子の製造方法の実施例2でカソード電極上に析出した金属粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0040】
10 複合金属体
12 長大CNT
13 短小CNT
14 金属マトリクス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属に2種類以上のカーボンナノチューブが含まれて成ることを特徴とする複合金属体。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブとしては、互いの直径比が5以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする請求項1記載の複合金属体。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブとしては、互いの線長さ比が2以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の複合金属体。
【請求項4】
2種類以上のカーボンナノチューブで修飾された金属粒子を焼成または溶融することによって得られることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項記載の複合金属体。
【請求項5】
所定のカーボンナノチューブで修飾された一の金属粒子と、前記カーボンナノチューブとは異なる種類のカーボンナノチューブで修飾された他の金属粒子とを焼成または溶融することによって得られることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項記載の複合金属体。
【請求項6】
2種類以上のカーボンナノチューブと金属粉とを混合する工程と、該混合物を成形する工程と、該成形物を焼成または溶融する工程とを含むことを特徴とする複合金属体の製造方法。
【請求項7】
2種類以上のカーボンナノチューブと溶融した金属とを混合させることにより複合金属体を得ることを特徴とする複合金属体の製造方法。
【請求項8】
2種類以上のカーボンナノチューブで修飾された金属粒子を成形する工程と、該成形物を焼成または溶融する工程とを含むことを特徴とする複合金属体の製造方法。
【請求項9】
所定のカーボンナノチューブで修飾された一の金属粒子と、前記カーボンナノチューブとは異なる種類のカーボンナノチューブで修飾された他の金属粒子とを混合する工程と、該混合物を成形する工程と、該成形物を焼成または溶融する工程とを含むことを特徴とする複合金属体の製造方法。
【請求項10】
前記カーボンナノチューブとしては、互いの直径比が5以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする請求項6〜請求項9のうちのいずれか1項記載の複合金属体の製造方法。
【請求項11】
前記カーボンナノチューブとしては、互いの線長さ比が2以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする請求項6〜請求項10のうちのいずれか1項記載の複合金属体の製造方法。
【請求項12】
2種類以上のカーボンナノチューブで修飾されていることを特徴とする金属粒子。
【請求項13】
前記カーボンナノチューブとしては、互いの直径比が5以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする請求項12記載の金属粒子。
【請求項14】
前記カーボンナノチューブとしては、互いの線長さ比が2以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする請求項12または請求項13記載の金属粒子。
【請求項15】
2種類以上のカーボンナノチューブを分散した電解液を電解して、カソード電極上に、カーボンナノチューブが混入した金属粒子を析出させる工程と、該析出した金属粒子をカソード電極上から分離する工程とを含むことを特徴とする金属粒子の製造方法。
【請求項16】
前記カーボンナノチューブとしては、互いの直径比が5以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする請求項15記載の金属粒子の製造方法。
【請求項17】
前記カーボンナノチューブとしては、互いの線長さ比が2以上である少なくとも2種類のカーボンナノチューブを含むことを特徴とする請求項15または請求項16記載の金属粒子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−57129(P2006−57129A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239040(P2004−239040)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000106944)シナノケンシ株式会社 (316)
【Fターム(参考)】