説明

複合顔料及びその調製方法

本発明は、少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤を含む少なくとも1つの層によって少なくとも一部が覆われている基材を含む複合顔料に関する。複合顔料は、基材と、少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤と、場合により、少なくとも1種の固体無機UV遮蔽剤、少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤、及び/又は、少なくとも1種の着色顔料を、ハイブリダイザー法等の機械化学的融合法にかけるステップを含む方法によって調製することができる。複合顔料は、化粧品組成物の成分として有利に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤を含む少なくとも1つの層によって少なくとも一部が覆われている基材を含む複合顔料、並びに、複合顔料の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品におけるニーズの多様性に応じて、化粧品中に使用される顔料等の粉末状成分の様々な研究開発が行われている。特に、化粧品用の粉体については、表面処理剤又は複合粉体が多種類提案されている。例えば、特開平06-001709は、無機UV遮蔽剤の微粒子によって覆われている芯粒子を含む複合顔料を開示している。
【0003】
無機UV遮蔽剤の微粒子をベースとした複合顔料では、UVB領域(260〜320nmの波長)については良好なUV遮蔽効果を得ることができる。しかし、無機UV遮蔽剤をベースとするこうした複合顔料で得られるUV遮蔽効果は、UVA領域(320〜400nmの波長)では不十分である。
【0004】
一方、固体有機UV遮蔽剤の微粒子を含有する複合顔料は、まだ提案されていない。
【0005】
固体有機UV遮蔽剤の微粒子は、容易に凝集することがあり、分散性が弱い。したがって、固体有機UV遮蔽剤の微粒子を一次粒子の形態で化粧品中に一様に分散させるのは、多くの場合困難である。そのため、固体有機UV遮蔽剤の微粒子を含有する化粧品のUV遮蔽特性を高めるのは難しい。
【0006】
更に、固体有機UV遮蔽剤の微粒子が皮膚上の毛穴から皮膚に入り込む場合があり、毛穴では皮膚のバリア特性が強くないために、皮膚に有害な作用を及ぼしかねない。また固体有機UV遮蔽剤は皮膚と容易に接触することがあるので、UV遮蔽剤が刺激性であるとき、この接触も皮膚に有害な作用を及ぼしかねないというリスクがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平06-001709
【特許文献2】特開2003-128788
【特許文献3】米国特許第4,617,390号
【特許文献4】米国特許第6,225,467号
【特許文献5】WO 2004/085412
【特許文献6】WO 06/035000
【特許文献7】WO 06/034982
【特許文献8】WO 06/034991
【特許文献9】WO 06/035007
【特許文献10】WO 2006/034992
【特許文献11】WO 2006/034985
【特許文献12】米国特許第5240975号
【特許文献13】EP-669,323
【特許文献14】米国特許第2,463,264号
【特許文献15】米国特許第5,237,071号
【特許文献16】米国特許第5,166,355号
【特許文献17】GB-2,303,549
【特許文献18】DE-197,26,184
【特許文献19】EP-893,119
【特許文献20】WO 93/04665
【特許文献21】DE-19855649
【特許文献22】欧州特許第0 293 795号
【特許文献23】特開平02-295912
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Cosmetics & Toiletries、1990年2月、105巻、53〜64頁
【非特許文献2】「Symmetrical Triazine Derivatives」、IP.COM Journal、IP.COM INC、WEST HENRIETTA, NY, US (2004年9月20日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、固体有機UV遮蔽剤をベースとしながら、良好なUV遮蔽効果を実現することのできる新規な複合顔料を提供することである。特に、本発明は、(UVB領域のみならずUVA領域における)広いUV遮蔽特性を有し、UV遮蔽効果が高められている、固体有機UV遮蔽剤をベースとした複合顔料を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の別の目的は、固体有機UV遮蔽剤の微粒子が皮膚上の毛穴から皮膚に浸透するリスク、及び、固体有機UV遮蔽剤が刺激性であるとき、皮膚と容易に接触して皮膚に影響を及ぼすリスクを軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的は、少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤を含む少なくとも1つの層によって少なくとも一部が覆われている基材を含む複合顔料によって実現することができる。
【0012】
前記層は、少なくとも1種の固体無機UV遮蔽剤を含むことが好ましい。固体無機UV遮蔽剤は、炭化ケイ素、被覆又は非被覆金属酸化物、及び、これらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
【0013】
前記層は、少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤及び/又は少なくとも1種の着色顔料を更に含むことが可能である。追加のUV遮蔽剤材料は、アントラニル酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、液体ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ショウノウ誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、液体トリアジン誘導体、液体ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロン酸誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ビス-ベンゾアゾリル誘導体、p-アミノ安息香酸(PABA)及びその誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン、α-アルキルスチレン由来ダイマー、4,4-ジアリールブタジエン、オクトクリレン及びその誘導体、グアイアズレン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、フラボノイド、ビフラボノイド、オリザノール及びその誘導体、キナ酸及びその誘導体、フェノール、レチノール、システイン、芳香族アミノ酸、芳香族アミノ酸残基含有ペプチド、並びに、これらの混合物からなる群から選択されてもよい。着色顔料は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、マンガン紫、ウルトラマリンブルー、水酸化クロム水和物(chromium hydrate)、第二鉄青(ferric blue)、アルミニウム粉末、銅粉末、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、レーキ、真珠箔顔料、及び、これらの混合物から選択されるものでよい。
【0014】
基材は、0.1μm〜30μmの範囲の平均直径を有するものでよい。一方、上記層は、0.03μm〜10μmの厚さを有するものでよい。
【0015】
基材は、少なくとも1種の無機材料及び/又は少なくとも1種の有機材料を含むものでよい。無機材料は、マイカ、合成マイカ、タルク、セリサイト、窒化ホウ素、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ヒドロキシアパタイト、シリカ、ケイ酸塩、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化マグネシウム、オキシ塩化ビスマス、カオリン、ハイドロタルサイト、粘土鉱物(mineral clay)、合成粘土、酸化鉄、及び、これらの混合物からなる群から選択されるものでよい。一方、有機材料は、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクタム、ポリ(ブチレン)スクシネート、多糖類、ポリペプチド、ポリビニルアルコール、ポリビニル樹脂、フルオロポリマー、蝋、アミドスルホン酸多価金属塩、アシル化アミノ酸、及び、これらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
【0016】
固体有機UV遮蔽剤は、ベンゾトリアゾール誘導体、オキサニリド誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、ビニル基含有アミド、ケイ皮酸アミド、及び、スルホン化ベンゾイミダゾールから選択されるものでよい。
【0017】
基材対固体有機UV遮蔽剤の重量比は、100:1〜100:500でよい。
【0018】
本発明による複合顔料は、基材と、少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤と、場合により、少なくとも1種の固体無機UV遮蔽剤、少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤、及び/又は、少なくとも1種の着色顔料を機械化学的融合法にかけるステップを含む方法によって調製することができる。
【0019】
本発明による複合顔料は、化粧品組成物中に含めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
鋭意検討の結果、本発明者らは、(UVB領域のみならずUVA領域においても)広いUV遮蔽特性を示し、UV遮蔽効果が高められている新しい複合顔料を得ることは可能であることを発見した。
【0021】
本発明による新しい複合顔料は、少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤を含む少なくとも1つの層によって少なくとも一部が覆われている基材を含む。前記基材及び前記層は、複合顔料の、それぞれ芯及びコーティング層として機能する。
【0022】
本発明によれば、固体有機UV遮蔽剤の使用により、UVA領域においてより良好なUV遮蔽効果を得ることが可能である。更に、固体有機UV遮蔽剤の一次粒子の形態での化粧品への分散性を向上させることが可能であるので、化粧品のUV遮蔽特性を高めることもできる。
【0023】
本発明による複合顔料はまた、固体有機UV遮蔽剤の微粒子が皮膚上の毛穴から皮膚に浸透するリスク、及び、固体有機UV遮蔽剤の微粒子が刺激性のとき、皮膚と容易に接触するリスクが軽減されている。
【0024】
固体有機UV遮蔽剤の粒子は、基材上にしっかりと接着されるので、UV遮蔽剤は皮膚上の毛穴から皮膚に浸透することがない。加えて、固体有機UV遮蔽剤が刺激性であっても、固体有機UV遮蔽剤粒子は基材上にしか存在しないため、多量の固体有機UV遮蔽剤粒子が皮膚と直接接触することはない。したがって、本発明による複合顔料は、固体有機UV遮蔽剤粒子の凝集物よりも安全である。
【0025】
更に、本発明による複合顔料では、固体有機UV遮蔽剤の粒子が基材上にしっかりと固定されるため、皮膚上で容易に広がらないような高い摩擦係数を有し、不快な使用感を与える単体の固体有機UV遮蔽剤粒子を減らすことが可能であるので、より良好な使用感という効果が示されることにもなる。
【0026】
以下では、本発明による複合顔料を構成する要素のそれぞれについて詳述する。
【0027】
(基材)
本発明に使用する基材は限定されない。言い換えれば、いかなる形状及び/又はいかなる材料のいかなる基材も本発明に使用することができる。
【0028】
基材は、直径が0.1μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜20μm、より好ましくは0.1μm〜10μmの範囲にある粒子の形態であることが好ましい。
【0029】
アスペクト比が少なくとも5である、好ましくは10より大きい、より好ましくは20より大きい、より好ましくは50より大きい板の形態の基材を使用することが可能である。アスペクト比は、アスペクト比=長さ/厚さの式に従って、平均厚さ及び平均長さから求めることができる。
【0030】
板状基材を本発明に使用する場合、板状基材は、長さが0.3μm〜30μm、好ましくは0.5μm〜20μm、より好ましくは1μm〜10μm、より好ましくは2μm〜5μmの範囲であることが好ましい。
【0031】
上述の寸法は、走査型電子顕微鏡で得た画像において選択した100の基材の寸法の平均を算出することにより得られる。
【0032】
基材の材料は限定されない。材料は、少なくとも1種の無機材料及び/又は少なくとも1種の有機材料でよい。
【0033】
無機材料及び/又は有機材料は、多孔質のものでよい。材料の多孔度は、BET法により、0.05m2/g〜1,500m2/g、より好ましくは0.1m2/g〜1,000m2/g、より好ましくは0.2m2/g〜500m2/gの比表面積を特徴とするものでよい。しかし、固体無機材料及び/又は固体有機材料を使用することが好ましい。
【0034】
好ましくは、無機材料は、マイカ、合成マイカ、タルク、セリサイト、窒化ホウ素、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ヒドロキシアパタイト、シリカ、ケイ酸塩、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化マグネシウム、オキシ塩化ビスマス、カオリン、ハイドロタルサイト、粘土鉱物(mineral clay)、合成粘土、酸化鉄、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。特に、天然マイカ、合成マイカ、セリサイト、カオリン、タルク、及び、これらの混合物が好ましい。
【0035】
好ましくは、有機材料は、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクタム、ポリ(ブチレン)スクシネート、多糖、ポリペプチド、ポリビニルアルコール、ポリビニル樹脂、フルオロポリマー、蝋、アミドスルホン酸多価金属塩、アシル化アミノ酸、及び、これらの混合物からなる群から選択されるものでよい。フルオロポリマーとして、例えば、PTFEを使用することができる。アミドスルホン酸多価金属塩として、例えば、N-ラウロイルタウリンカルシウムを使用することができる。アシル化アミノ酸として、ラウロイルリシンを使用することができる。特に、Nylon(登録商標)等のポリアミド、ポリ乳酸等のポリヒドロキシアルカノエート、ポリメチルメタクリレート等のポリ(メタ)アクリレート、シリコーン、及び、これらの混合物が好ましい。
【0036】
基材の材料として使用するシリコーンは、有機ポリシロキサンの部類に入る限り、限定はしない。基材のシリコーン材料を、三次元構造の架橋ポリシロキサンにしてもよい。
【0037】
本発明の一実施形態では、三次元構造の架橋ポリシロキサンは、式(I):SiO2及び式(II):R1SiO1.5の単位を含み、R1は、ケイ素原子に直接連結している炭素原子を有する有機基を含む。有機基は、反応性有機基及び非反応性有機基から選択することができる。有機基は、非反応性有機基であることが好ましい。
【0038】
非反応性有機基は、メチル基、エチル基、プロピル基、若しくはブチル基等のC1〜C4アルキル基、又はフェニル基でよい。非反応性有機基は、メチル基であることが好ましい。
【0039】
反応性有機基は、エポキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、アルケニル基、メルカプトアルキル基、アミノアルキル基、ハロアルキル基、グリセロキシ基、ウレイド基、及びシアノ基から選択することができる。好ましくは、反応性有機基は、エポキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、アルケニル基、メルカプトアルキル基、及びアミノアルキル基から選択することができる。反応性有機基は一般に、2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を含む。
【0040】
使用できるエポキシ基の中でも、限定はしないが、2-グリシドキシエチル基、3-グリシドキシプロピル基、又は2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピル基を挙げることができる。
【0041】
使用できる(メタ)アクリロイルオキシ基の中でも、限定はしないが、3-メタクリロイルオキシプロピル基又は3-アクリロイルオキシプロピル基を挙げることができる。
【0042】
使用できるアルケニル基の中でも、限定はしないが、ビニル基、アリル基、又はイソプロペニル基を挙げることができる。
【0043】
使用できるメルカプトアルキル基の中でも、限定はしないが、メルカプトプロピル基又はメルカプトエチル基を挙げることができる。
【0044】
使用できるアミノアルキル基の中でも、限定はしないが、3-[(2-アミノエチル)アミノ]プロピル基、3-アミノプロピル基、又はN,N-ジメチルアミノプロピル基を挙げることができる。
【0045】
使用できるハロアルキル基の中でも、限定はしないが、3-クロロプロピル基又はトリフルオロプロピル基を挙げることができる。
【0046】
使用できるグリセロキシ基の中でも、限定はしないが、3-グリセロキシプロピル基又は2-グリセロキシエチル基を挙げることができる。
【0047】
使用できるウレイド基の中でも、限定はしないが、2-ウレイドエチル基を挙げることができる。
【0048】
使用できるシアノ基の中でも、限定はしないが、シアノプロピル基又はシアノエチル基を挙げることができる。
【0049】
式(II)の単位において、R1は、メチル基を表すことが好ましい。
【0050】
本発明の一実施形態では、有機シリコーン材料は、30/70〜50/50の範囲の単位(I)/単位(II)モル比に従って単位(I)及び(II)を含む。本発明の別の実施形態では、単位(I)/単位(II)比は、35/65〜45/55の範囲をとってよい。
【0051】
有機シリコーン材料の粒子は、
(a)少なくとも1種の加水分解触媒、及び場合により少なくとも1種の界面活性剤の存在下、水性媒質に、式SiX4の化合物(III)及び式RSiY3の化合物(IV)[式中、X及びYは、互いに独立に、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4アルコキシ基を含むアルコキシエトキシ基、C2〜C4アシルオキシ基、C1〜C4アルキル基を含むN,N-ジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、及び水素原子から選択され、Rは、ケイ素原子に直接連結している炭素原子を含む有機基である]を導入する段階と、
(b)段階(a)の結果得られる混合物を、30℃〜85℃の間の温度で、少なくとも1種の重合触媒、及び場合により少なくとも1種の界面活性剤を含有する水溶液と少なくとも2時間接触させる段階と
を含む方法に従って得ることができる。
【0052】
段階(a)は、加水分解反応に相当し、段階(b)は、縮合反応に相当する。
【0053】
段階(a)において、化合物(III)の化合物(IV)に対するモル比は、一般に、30/70〜50/50の範囲である。本発明の一実施形態では、化合物(III)の化合物(IV)に対するモル比は、35/65〜45/45の範囲である。本発明の別の実施形態では、化合物(III)の化合物(IV)に対するモル比は、40/60である。化合物(III)及び(IV)の総重量に対する水の重量比は、10/90〜70/30の範囲でよい。化合物(III)及び(IV)を導入する順序は、一般に、その加水分解の速度に応じて決まる。加水分解反応の温度は、一般に0〜40℃の範囲であり、化合物の時期尚早な縮合を防ぐために、30℃を超えないことが普通である。
【0054】
化合物(III)及び(IV)のX及びY基については、限定はしないが、以下の基を挙げることができる。
メトキシ基やエトキシ基等のC1〜C4アルコキシ基、
メトキシエトキシ基やブトキシエトキシ基等の、C1〜C4アルコキシ基を含むアルコキシエトキシ基、
アセトキシ基やプロピオニルオキシ基等のC2〜C4アシルオキシ基、
ジメチルアミノ基やジエチルアミノ基等の、C1〜C4アルキル基を含むN,N-ジアルキルアミノ基、及び
塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子。
【0055】
この開示に従って使用することのできる式(III)の化合物の中でも、限定はしないが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシエトキシシラン、トリブトキシエトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラプロピオキシシラン、テトラ(ジメチルアミノ)シラン、テトラ(ジエチルアミノ)シラン、シランテトラオール、クロロシラントリオール、ジクロロジシラノール、テトラクロロシラン、又はクロロトリヒドロシランを挙げることができる。本発明の一実施形態では、式(III)の化合物は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、及びこれらの混合物から選択される。
【0056】
式(III)の化合物からは、重合反応の後、式(I)の単位が生成される。
【0057】
式(IV)の化合物からは、重合反応の後、式(II)の単位が生成される。
【0058】
式(IV)の化合物のR基は、式(II)の化合物のR1基について述べた意味を有する。
【0059】
無反応性有機基Rを含む式(IV)の化合物の例の中でも、限定はしないが、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリブトキシエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリプロピオキシシラン、メチルトリ(ジメチルアミノ)シラン、メチルトリ(ジエチルアミノ)シラン、メチルシラントリオール、メチルクロロジシラノール、メチルトリクロロシラン、又はメチルトリヒドロシランを挙げることができる。
【0060】
反応性有機基Rを含む式(IV)の化合物の例として、限定はしないが、以下のものを挙げることができる。
エポキシ基を有するシラン、例えば、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(2-グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、又は(2-グリシドキシエチル)ジメチルメトキシシラン、
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシラン、例えば、(3-メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシランや(3-アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、
アルケニル基を有するシラン、例えば、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、イソプロペニルトリメトキシシラン、
メルカプト基を有するシラン、例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシランやメルカプトエチルトリメトキシシラン、
アミノアルキル基を有するシラン、例えば、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-[(2-アミノエチル)アミノ]プロピル)トリメトキシシラン、(N,N-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(N,N-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、
ハロアルキル基を有するシラン、例えば、(3-クロロプロピル)トリメトキシシランやトリフルオロプロピルトリメトキシシラン、
グリセロキシ基を有するシラン、例えば、(3-グリセロキシプロピル)トリメトキシシランやジ(3-グリセロキシプロピル)ジメトキシシラン、
ウレイド基を有するシラン、例えば、(3-ウレイドプロピル)トリメトキシシラン、(3-ウレイドプロピル)メチルジメトキシシランや(3-ウレイドプロピル)ジメチルメトキシシラン、及び
シアノ基を有するシラン、例えば、シアノプロピルトリメトキシシラン、シアノプロピルメチルジメトキシシラン、シアノプロピルジメチルメトキシシラン。
【0061】
本発明の一実施形態では、反応性有機基Rを含む式(IV)の化合物は、エポキシ基を有するシラン、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシラン、アルケニル基を有するシラン、メルカプト基を有するシラン、及びアミノアルキル基を有するシランから選択される。
【0062】
本発明の別の実施形態では、化合物(III)及び(IV)を、それぞれ、テトラエトキシシラン及びメチルトリメトキシシランにすることができる。
【0063】
加水分解触媒及び重合触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アミン(アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム等)等の塩基性触媒、又はクエン酸、酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルスルホン酸等の有機酸、若しくは塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸から選択される酸性触媒を別個に使用することができる。存在する場合、使用する界面活性剤は、非イオン性若しくはアニオン性界面活性剤又は2者の混合物でよい。ドデシル-ベンゼンスルホン酸ナトリウムをアニオン性界面活性剤として使用することができる。加水分解の終了は、水に不溶性である反応物(III)及び(IV)の消失並びに均質な液体層の生成によって示される。
【0064】
縮合段階(b)では、加水分解段階と同じ触媒、又は、上述のものから選択される別の触媒を使用することができる。
【0065】
この方法の終了時に、微細有機シリコーン粒子の水懸濁液が得られるが、場合により、引き続いて粒子を媒質から分離してもよい。したがって、上述の方法は、液体媒質から粒子を分離することを目的とした、段階(b)から得られる生成物を例えば膜フィルターで濾過する追加の段階、場合により続いて濾液を遠心分離する段階、次いで粒子を乾燥させる段階を含んでよい。当然、他の分離方法を用いてもよい。
【0066】
本発明の一実施形態では、シリコーン材料から製造された基材は、椀状等、凹型の表面を有する粒子の形態でよい。
【0067】
上述の方法に従って得られる凹型粒子の形状及びその寸法は、特に、段階(b)において生成物を接触させるのに使用した方法に応じて決まる。
【0068】
やや塩基性のpH、及び段階(a)の結果得られる混合物に冷えた条件下で重合触媒を導入する場合では、底の丸い「椀」の形状を有する中空部分球体が得られるのに対し、やや酸性のpH、及び段階(a)の結果得られる混合物に熱い重合触媒を滴下して導入する場合では、蹄鉄形状の横断面を有する中空部分球体が得られる。
【0069】
基材の調製の詳細については、参照により本明細書に組み込まれる特開2003-128788に記載されている。
【0070】
本発明に従って使用することのできる凹型粒子の中でも、限定はしないが、以下のものが挙げられる。
竹本油脂の架橋有機シリコーンTAK-110 (架橋メチルシラノール/シリケートポリマー)からなる、椀形状、幅2.5μm、高さ1.2μm、厚さ150nmの粒子(竹本油脂によりNLK-506の名称で販売されている粒子)、
竹本油脂の架橋有機シリコーンTAK-110 (架橋メチルシラノール/シリケートポリマー)からなる、椀形状、幅2.5μm、高さ1.5μm、厚さ350nmの粒子、
竹本油脂の架橋有機シリコーンTAK-110 (架橋メチルシラノール/シリケートポリマー)からなる、椀形状、幅0.7μm、高さ0.35μm、厚さ100nmの粒子、及び
竹本油脂の架橋有機シリコーンTAK-110 (架橋メチルシラノール/シリケートポリマー)からなる、椀形状、幅7.5μm、高さ3.5μm、厚さ200nmの粒子。
【0071】
基材は、コーティングされていても、されていなくてもよい。基材は、コーティングされていることがより好ましい。基材のコーティング剤の材料は、限定されないが、アミノ酸、N-アシルアミノ酸、アミド、シリコーン、変性シリコーン等の有機材料が好ましい。有機材料として、ラウロイルリシン及びアクリル変性シリコーンを挙げることもできる。
【0072】
(基材上の層)
基材は、少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤を含む少なくとも1つの層によって少なくとも部分的に覆われている。前記層は、コーティング層と呼ぶ場合もある。基材の表面の10%以上がコーティング層によって覆われていることが好ましい。基材の表面の50%以上がコーティング層によって覆われていることがより好ましい。より好ましくは、基材の80%以上がコーティング層によって覆われている。基材の全表面がコーティング層によって覆われていることが最も好ましい。
【0073】
コーティング層の厚さは、基材の大きさ等のいくつかの要素に応じて様々でよい。通常、コーティング層の厚さは、0.001μm〜20μm、好ましくは0.01μm〜15μm、より好ましくは0.03μm〜10μm、最も好ましくは0.1μm〜5μmの範囲でよい。
【0074】
基材上に2重以上のコーティング層が存在する場合、コーティング層の厚さ及び組成は、互いに同じものでもよいし、又は異なってもよい。
【0075】
コーティング層は、固体有機UV遮蔽剤以外に、少なくとも1種の固体無機UV遮蔽剤、少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤、及び少なくとも1種の着色顔料等の任意の追加材料を含んでもよい。追加材料は、追加材料と固体有機UV遮蔽剤の合計重量に対して1〜50重量%の範囲の量で存在してよい。
【0076】
(固体有機UV遮蔽剤)
上述のように、本発明による複合顔料は、基材を覆う少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤を含む少なくとも1つのコーティング層を有する。2種以上の固体有機UV遮蔽剤を使用する場合、それらは同じものでも異なってもよく、同じものであることが好ましい。
【0077】
本発明に使用する固体有機UV遮蔽剤は、UV-A及び/若しくはUV-B領域、好ましくはUV-A領域において、又はUV-A及びUV-B領域において活性を有するものでよい。固体有機UV遮蔽剤は、親水性かつ/又は親油性のものでよい。固体有機UV遮蔽剤は、水やエタノール等の、化粧品中に一般に使用される溶媒に不溶性であることが適切である。用語「固体」とは、1気圧25℃での固体を意味する。
【0078】
固体有機UV遮蔽剤は、その一次粒子径が1nm〜5μm、好ましくは10nm〜1μm、より好ましくは10nm〜100nmの範囲をとるような微粒子の形態であることが好ましい。
【0079】
微粒子の形態の固体有機UV遮蔽剤を使用すると、本発明による複合顔料は、微粒子が凝集せず、基材上に広がるので、透明又はクリアな外観を示し得るという効果を有する。固体有機UV遮蔽剤の単体微粒子は、容易に凝集し得ることに留意すべきである。
【0080】
固体有機UV遮蔽剤の材料は、有機である限り限定はしない。2種以上の固体有機UV遮蔽剤を使用する場合、固体有機UV遮蔽剤の材料は、互いに同じものでも、異なってもよい。
【0081】
固体有機UV遮蔽剤は、ベンゾトリアゾール誘導体、オキサニリド誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、ビニル基含有アミド、ケイ皮酸アミド、及びスルホン化ベンゾイミダゾールからなる群から選択されるものでよい。
【0082】
オキサニリドUV吸収剤の好ましい一部類は、次式を有するものである。
【0083】
【化1】

【0084】
式中、R1及びR2は、独立にC1〜C18アルキル又はC1〜C18アルコキシである。好ましい式(1)の化合物は、N-(2-エトキシフェニル)-N’-(2-エチルフェニル)-エタンジアミドである。
【0085】
トリアジン化合物の好ましい一部類は、次式を有するものである。
【0086】
【化2】

【0087】
式中、R3、R4及びR5は、独立にH、OH、C1〜C18アルコキシ、NH2、R6がC1〜C18アルキルであるNH-R6若しくはN(R6)2、R6がC1〜C18アルキルであるOR6、それぞれのフェニル、フェノキシ、アニリノ、若しくはピロロ部分が、OH、カルボキシ、CO-NH2、C1〜C18アルキル、若しくはアルコキシから選択される1、2又は3個の置換基で場合により置換されているフェニル、フェノキシ、アニリノ、若しくはピロール、C1〜C18カルボキシアルキル、C5〜C8シクロアルキル、メチリデンショウノウ基、基-(CH=CH)mC(=O)-OR6[式中、mは0又は1であり、R6は、上記と同じ意味を有する]、又は基
【0088】
【化3】

【0089】
又はその対応するアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノ-、ジ-若しくはトリ-C1〜C4アルキルアンモニウム塩、モノ-、ジ-若しくはトリ-C2〜C4アルカノールアンモニウム塩、若しくはC1〜C18アルキルエステルである。
【0090】
好ましい式(2)の化合物は、式
【0091】
【化4A】

【0092】
【化4B】

【0093】
【化4C】

【0094】
【化4D】

【0095】
【化4E】

【0096】
【化4F】

【0097】
のうちの1つを有するもの、並びに2,4,6-トリス(ジイソブチル-4’-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン及び2,4-ビス(ジイソブチル-4-アミノベンザルマロネート)-6-(4’-アミノベンジリデンショウノウ)-s-トリアジンである。特に、Ciba-Geigyにより「Tinosorb S」の商標で市販されているビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンが好ましい。
【0098】
特に好ましい式(2)の化合物は、次式を有するものである。
【0099】
【化5】

【0100】
式中、個々の基R7は、同じものでも異なってもよく、それぞれ、水素;アルカリ金属;R8が水素又は有機基であるアンモニウム基N(R8)4;C1〜C20アルキル;又は1〜10個のエチレンオキシド単位を含んでおり、その末端OH基がC1〜C3アルコールでエーテル化されていてもよい、ポリオキシエチレン基である。
【0101】
式(30)の化合物に関して、R7は、アルカリ金属であるとき、カリウム、又は特にナトリウムであることが好ましく、R7は、R8がその先述の意味を有する基N(R8)4であるとき、モノ-、ジ-若しくはトリ-C1〜C4アルキルアンモニウム塩、モノ-、ジ-若しくはトリ-C2〜C4アルカノールアンモニウム塩、又はそのC1〜C20アルキルエステルであることが好ましく、R7は、C1〜C20アルキル基であるとき、C6〜C12アルキル基、より好ましくはC8〜C9アルキル基、特に3,5,5-トリメチルペンチル基であることが好ましく、又は2-エチルヘキシル基であることが最も好ましく、R7は、ポリオキシエチレン基であるとき、この基が2〜6個のエチレンオキシド単位を含んでいることが好ましい。
【0102】
不溶性トリアゾール有機UV吸収剤の好ましい一部類は、次式を有するものである。
【0103】
【化6】

【0104】
式中、T1は、C1〜C18アルキル、又は好ましくは水素であり、T2は、水素、ヒドロキシル、又はフェニルで場合により置換されているC1〜C18アルキル、好ましくはα,α-ジメチルベンジルである。
【0105】
不溶性トリアゾール有機UV吸収剤の別の好ましい一部類は、次式を有するものである。
【0106】
【化7】

【0107】
式中、T2は、その先述の意味を有する。
【0108】
不溶性トリアゾール有機UV吸収剤の更に別の好ましい一部類は、次式を有するものである。
【0109】
【化8】

【0110】
式中、T2は、その先述の意味を有し、t-ブチルであることが好ましい。
【0111】
不溶性ビニル基含有アミド有機UV吸収剤の好ましい一部類は、次式を有するものである。
R9-(Y)m-CO-C(R10)=C(R11)-N(R12)(R13) (34)
式中、R9は、C1〜C18アルキル、好ましくはC1〜C5アルキル、又はOH、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、若しくはR6がその先述の意味を有するCO-OR6から選択される1、2若しくは3個の置換基で場合により置換されているフェニルであり;R10、R11、R12及びR13は、同じものでも異なってもよく、それぞれ、C1〜C18アルキル、好ましくはC1〜C5アルキル、又は水素であり;YはN又はOであり;mは、その先述の意味を有する。
【0112】
好ましい式(34)の化合物は、4-オクチル-3-ペンテン-2-オン、エチル-3-オクチルアミノ-2-ブタノエート、3-オクチルアミノ-1-フェニル-2-ブテン-1-オン、及び3-ドデシルアミノ-1-フェニル-2-ブテン-1-オンである。
【0113】
不溶性ケイ皮酸アミド有機UV吸収剤の好ましい一部類は、次式を有するものである。
【0114】
【化9】

【0115】
式中、R14は、ヒドロキシ又はC1〜C4アルコキシ、好ましくはメトキシ若しくはエトキシであり;R15は、水素又はC1〜C4アルキル、好ましくはメチル若しくはエチルであり;R16は、-(CONH)m-フェニルであり、mは、その先述の意味を有し、フェニル基は、OH、C1〜C18アルキル、C1〜C18アルコキシ、又はR6がその先述の意味を有するCO-OR6から選択される1、2又は3個の置換基で場合により置換されている。R16は、フェニル、4-メトキシフェニル、又はフェニルアミノカルボニル基であることが好ましい。
【0116】
不溶性スルホン化ベンゾイミダゾール有機UV吸収剤の好ましい一部類は、次式を有するものである。
【0117】
【化10】

【0118】
式中、Mは、水素、又はアルカリ金属、好ましくはナトリウム、アルカリ土類金属、例えば、マグネシウムやカルシウム、又は亜鉛である。
【0119】
式(1)〜(35)の化合物において、C1〜C18アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-アミル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、テトラデシル、ヘキシデシル、又はオクタデシルでよく、C1〜C18アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、n-ヘキソキシ、n-ヘプトキシ、n-オキトキシ、イソオクトキシ、n-ノノキシ、n-デコキシ、n-ウンデコキシ、n-ドデコキシ、テトラデコキシ、ヘキサデコキシ、又はオクタデコキシを包含し、メトキシ及びエトキシが好ましい。
【0120】
C1〜C18カルボキシアルキルは、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピル、カルボキシイソプロピル、カルボキシブチル、カルボキシイソブチル、カルボキシブチル、カルボキシアミル、カルボキシヘキシル、カルボキシヘプチル、カルボキシオクチル、カルボキシイソオクチル、カルボキシノニル、カルボキシデシル、カルボキシウンデシル、カルボキシドデシル、カルボキシテトラデシル、カルボキシヘキサデシル、及びカルボキシオクタデシルを包含し、カルボキシメチルが好ましい。
【0121】
C5〜C8シクロアルキルは、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロオクチルを包含する。
【0122】
式(1)〜(35)の化合物は知られている。式(30)の化合物については、米国特許第4,617,390号に、その製造と共に記載されている。
【0123】
固体有機UV遮蔽剤は、ベンゾトリアゾール誘導体、特に、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、例えば、Rhodia Chimieにより「Silatrizole」の商標で、又はL’Orealにより「Mexoryl XL」の商標で市販されている、以下に表すよう等ロメトリゾールトリシロキサンであることが好ましい。
【0124】
【化11】

【0125】
固体有機UV遮蔽剤は、本発明による複合顔料中に、基材対固体有機UV遮蔽剤の重量比が100:1〜100:500、好ましくは100:5〜100:400、より好ましくは100:10〜100:200、より好ましくは100:10〜100:100、より好ましくは100:10〜100:50、より好ましくは100:10〜100:30になるような割合で使用することができる。
【0126】
(固体無機UV遮蔽剤)
上述のように、コーティング層は、少なくとも1種の固体無機UV遮蔽剤を更に含んでもよい。2種以上の固体無機UV遮蔽剤を使用する場合、それらは同じものでも異なってもよく、同じものであることが好ましい。
【0127】
本発明に使用する固体無機UV遮蔽剤は、UV-A及び/又はUV-B領域、好ましくはUV-B領域において、又はUV-A及びUV-B領域において活性を有するものでよい。固体無機UV遮蔽剤と固体有機UV遮蔽剤の活性UV遮蔽領域は、包括的なUV防御を実現するために、互いに相補的であることが好ましい。例えば、固体無機UV遮蔽剤が少なくともUV-B領域において活性を有し、固体有機UV遮蔽剤が少なくともUV-B領域において活性を有することが好ましい。固体無機UV遮蔽剤は、親水性かつ/又は親油性のものでよい。固体無機UV遮蔽剤は、水やエタノール等の、化粧品中に一般に使用される溶媒に不溶性であることが適切である。用語「固体」とは、1気圧25℃での固体を意味する。
【0128】
固体無機UV遮蔽剤は、その一次粒子径が1nm〜5μm、好ましくは10nm〜1μm、より好ましくは10nm〜100nm、より好ましくは10nm〜20nmの範囲をとるような微粒子の形態であることが好ましい。
【0129】
無機UV遮蔽剤は、炭化ケイ素、被覆又は非被覆金属酸化物、及び、これらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
【0130】
無機UV遮蔽剤は、被覆又は非被覆金属酸化物で構成された顔料(平均一次粒径:一般に5nm〜100nm、好ましくは10nm〜50nm)、例えば、すべてそれ自体がよく知られたUV光防護剤である、酸化チタン(非晶質又はルチル型及び/若しくはアナターゼ形態の結晶質)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、又は、酸化セリウムで構成された顔料から選択されることが好ましい。
【0131】
顔料は、被覆又は非被覆のいずれでもよい。被覆顔料とは、例えば、Cosmetics & Toiletries、1990年2月、105巻、53〜64頁に記載のもの等の化合物、例えば、アミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪族アルコール、アニオン性界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄、若しくはアルミニウム塩、金属アルコキシド(チタン若しくはアルミニウムアルコキシド)、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、又はヘキサメタリン酸ナトリウムを用いた、化学的、電子的、機械化学的、及び/又は機械的性質の1種若しくはそれ以上の表面処理にかけられている顔料である。
【0132】
知られているように、シリコーンは、線状又は環状で、分枝又は架橋した構造を含む、分子量が変化し得る有機ケイ素ポリマー又はオリゴマーであり、適切な官能性シランを重合及び/又は重縮合させて得られ、本質的に、ケイ素原子が酸素原子によって相互に結合(シロキサン結合)しており、場合により、置換炭化水素基が前記ケイ素原子に炭素原子によって直接結合している主単位の繰返しから構成される。
【0133】
用語「シリコーン」は、その調製に必要なシラン、特にアルキルシランも包含する。
【0134】
本発明に適する顔料の被覆に使用するシリコーンは、アルキルシラン、ポリジアルキルシロキサン、及びポリアルキルヒドロシロキサンからなる群から選択されることが好ましい。シリコーンは、オクチルトリメチルシラン、ポリジメチルシロキサン、及びポリメチルヒドロシロキサンからなる群から選択されることが更により好ましい。
【0135】
酸化金属で構成された顔料は、当然、シリコーンで処理される前に、他の表面剤(surfacing agent)、特に、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、又は、これらの混合物で処理されていてもよい。
【0136】
被覆顔料は、より詳細には、以下の酸化チタンである。
池田物産からの製品「Sunveil」等、シリカで被覆されているもの、
池田物産からの製品「Sunveil F」等、シリカ及び酸化鉄で被覆されているもの、
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 500 SA」及び「Microtitanium Dioxide MT 100 SA」、Tioxideの製品「Tioveil」、Rhodiaの製品「Mirasun TiW 60」等、シリカ及びアルミナで被覆されているもの、
石原産業の製品「Tipaque TTO-55 (B)」及び「Tipaque TTO-55 (A)」、Kemiraの製品「UVT 14/4」等、アルミナで被覆されているもの、
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 100 T、MT 100 TX、MT 100 Z又はMT-01」、Uniqemaの製品「Solaveil CT-10 W」及び「Solaveil CT 100」、Merckの製品「Eusolex T-AVO」等、アルミナ及びステアリン酸アルミニウムで被覆されているもの、
テイカの製品「MT-100 AQ」等、シリカ、アルミナ及びアルギン酸で被覆されているもの、
テイカの製品「MT-100 TV」等、ステアリン酸アルミニウムで被覆されているもの、一次粒径は15nm、
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 100 S」等、アルミナ及びラウリン酸アルミニウムで被覆されているもの、
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 100 F」等、酸化鉄及びステアリン酸鉄で被覆されているもの、
テイカの製品「BR351」等、酸化亜鉛及びステアリン酸亜鉛で被覆されているもの、
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 600 SAS」、「Microtitanium Dioxide MT 500 SAS」、及び「Microtitanium Dioxide MT 100 SAS」等、シリカ及びアルミナで被覆され、シリコーンで処理されたもの、
チタン工業の製品「STT-30-DS」等、シリカ、アルミナ、及びステアリン酸アルミニウムで被覆され、シリコーンで処理されたもの、
Kemiraの製品「UV-Titan X 195」等、シリカで被覆され、シリコーンで処理されたもの、
石原産業の製品「Tipaque TTO-55 (S)」又はKemiraの製品「UV Titan M 262」等、アルミナで被覆され、シリコーンで処理されたもの、
チタン工業の製品「STT-65-S」等、トリエタノールアミンで被覆されているもの、
石原産業の製品「Tipaque TTO-55 (C)」等、ステアリン酸で被覆されているもの、又は
テイカの製品「Microtitanium Dioxide MT 150 W」等、ヘキサメタリン酸ナトリウムで被覆されているもの。
【0137】
シリコーンで処理された他の酸化チタン顔料は、オクチルトリメチルシランで処理され、その個々の粒子の平均サイズが25〜40nmであるTiO2、例えば、Degussa Silicesにより「T 805」の商標で市販されているもの、ポリジメチルシロキサンで処理され、その個々の粒子の平均サイズが21nmであるTiO2、例えば、Cardreにより「70250 Cardre UF TiO2SI3」の商標で市販されているもの、ポリジメチルヒドロシロキサンで処理され、その個々の粒子の平均サイズが25nmであるアナターゼ/ルチルTiO2、例えば、Color Techniquesにより「Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobic」の商標で市販されているものであることが好ましい。
【0138】
非被覆酸化チタン顔料は、例えば、テイカにより「Microtitanium Dioxide MT500B」又は「Microtitanium Dioxide MT600B」の商標で、Degussaにより「P 25」の商標で、Wackerにより「Oxyde de titane transparent PW」の商標で、三好化成により「UFTR」の商標で、Tomenにより「ITS」の商標で、またTioxideにより「Tioveil AQ」の商標で市販されている。
【0139】
非被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、
Sunsmartにより「Z-cote」の商標で市販されているもの、
Elementisにより「Nanox」の商標で市販されているもの、
Nanophase Technologiesにより「Nanogard WCD 2025」の商標で市販されているもの
である。
【0140】
被覆酸化亜鉛顔料は、例えば、
東芝により「Oxide Zinc CS-5」の商標で市販されているもの(ポリメチルヒドロシロキサンで被覆されているZnO)、
Nanophase Technologiesにより「Nanogard Zinc Oxide FN」の商標で(C12〜C15アルキルベンゾエートであるFinsolv TN中40%分散液として)市販されているもの、
大東化成により「Daitopersion Zn-30」及び「Daitopersion Zn-50」の商標で市販されているもの(シリカ及びポリメチルヒドロシロキサンで被覆されている亜鉛ナノオキシドを30%又は50%含む、オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン/シクロポリメチルシロキサン分散液)、
ダイキン工業により「NFD Ultrafine ZnO」の商標で市販されているもの(ペルフルオロアルキルのリン酸エステル及びペルフルオロアルキルエチルをベースとしたコポリマーで被覆されている、シクロペンタシロキサン分散液としてのZnO)、
信越化学工業により「SPD-Z1」の商標で市販されているもの(シリコーングラフトアクリルポリマーで被覆されているZnOをシクロジメチルシロキサンに分散させたもの)、
ISPにより「Escalol Z100」の商標で市販されているもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセンコポリマー/メチコン混合物に分散させたアルミナ処理ZnO)、及び
冨士色素により「Fuji ZnO-SMS-10」の商標で市販されているもの(シリカ及びポリメチルシルセスキオキサンで被覆されているZnO)、
Elementisにより「Nanox Gel TN」の商標で市販されているもの(ヒドロキシステアリン酸重縮合物を含有するC12〜C15アルキルベンゾエートに55%で分散させたZnO)である。
【0141】
非被覆酸化セリウム顔料は、例えば、Rhone-Poulencにより「Colloidal Cerium Oxide」の商標で市販されている。
【0142】
非被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaudにより「Nanogard WCD 2002 (FE 45B)」、「Nanogard Iron FE 45 BL AQ」、「Nanogard FE 45R AQ」、若しくは「Nanogard WCD 2006 (FE 45R)」の商標で、又はMitsubishiにより「TY-220」の商標で市販されている。
【0143】
被覆酸化鉄顔料は、例えば、Arnaudにより「Nanogard WCD 2008 (FE 45B FN)」、「Nanogard WCD 2009 (FE 45B 556)」、「Nanogard FE 45 BL 345」、若しくは「Nanogard FE 45 BL」の商標で、又はBASFにより「Oxyde de fer transparent」の商標で市販されている。
【0144】
金属酸化物の混合物、特に、池田物産により「Sunveil A」の商標で市販されている、シリカで被覆されている二酸化チタンとシリカで被覆されている二酸化セリウムの等重量混合物を含めて、二酸化チタンと二酸化セリウムの混合物、また二酸化チタンの、アルミナ、シリカ及びシリコーンで被覆されている二酸化亜鉛との混合物、例えば、Kemiraにより市販されている製品「M 261」、又はアルミナ、シリカ及びグリセロールで被覆されている二酸化亜鉛との混合物、例えば、Kemiraにより市販されている製品「M 211」も挙げることができる。
【0145】
被覆物は、顔料を基材上に固定する結合剤として機能することがあるので、被覆顔料が好ましい。特に、テイカの製品「MT-100 TV」等、ステアリン酸アルミニウムで被覆されている酸化チタンが好ましい。
【0146】
微粒子の形態の固体無機UV遮蔽剤を使用すると、本発明による複合顔料は、微粒子が凝集せず、基材上に広がるので、白色の外観でなく透明又はクリアな外観を示し得るという効果を有する。固体無機UV遮蔽剤の単体微粒子は、容易に凝集して、皮膚に白色の外観を与えることに留意すべきである。
【0147】
更に、微粒子の形態の固体無機UV遮蔽剤を使用する場合、本発明による複合顔料は、固体有機UV遮蔽剤が存在することで、固体無機UV遮蔽剤の粒子をコーティング層中に十分に分散させることができ、そのため、固体無機UV遮蔽剤をコーティング層中に一次粒子の形態で存在させることができるという付加的な効果も有する。一方、上記の場合において、固体有機UV遮蔽剤の粒子も、固体無機UV遮蔽剤が存在することでコーティング層中に十分に分散させることができ、そのため、固体有機UV遮蔽剤もコーティング層中に一次粒子の形態で存在させることができる。したがって、好ましくはUVB領域における固体無機UV遮蔽剤並びに固体有機UV遮蔽剤によるUV遮蔽効果を高めることができる。
【0148】
固体無機UV遮蔽剤は、本発明による複合顔料中に、基材対固体無機UV遮蔽剤の重量比が100:1〜100:500、好ましくは100:5〜100:400、より好ましくは100:10〜100:200、より好ましくは100:10〜100:100、より好ましくは100:10〜100:50、より好ましくは100:10〜100:30になるような割合で使用することができる。
【0149】
(追加のUV遮蔽剤)
上述のように、コーティング層は、少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤を更に含んでよい。2種以上の追加UV遮蔽剤を使用する場合、それらは同じものでも異なってもよく、同じものであることが好ましい。
【0150】
本発明に使用する追加のUV遮蔽剤は、UV-A及び/又はUV-B領域において活性を有するものでよい。追加のUV遮蔽剤は、親水性かつ/又は親油性のものでよい。追加のUV遮蔽剤は、液体の形態の有機物質から製造されたものであることが好ましい。用語「液体」とは、1気圧25℃での液体を意味する。
【0151】
追加のUV遮蔽剤は、アントラニル酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、液体ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ショウノウ誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、液体トリアジン誘導体、液体ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロン酸誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ビス-ベンゾアゾリル誘導体、p-アミノ安息香酸(PABA)及びその誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン、α-アルキルスチレン由来ダイマー、4,4-ジアリールブタジエン、オクトクリレン及びその誘導体、グアイアズレン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、フラボノイド、ビフラボノイド、オリザノール及びその誘導体、キナ酸及びその誘導体、フェノール、レチノール、システイン、芳香族アミノ酸、芳香族アミノ酸残基含有ペプチド、及び、これらの混合物からなる群から選択されるものでよい。
【0152】
追加のUV遮蔽剤の例として、以下にそのINCI名で示すもの及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0153】
アントラニル酸誘導体:Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan MA」の商標で市販されているアントラニル酸メンチル。
【0154】
ジベンゾイルメタン誘導体:特にHoffmann-La Rocheにより「Parsol 1789」の商標で市販されているブチルメトキシジベンゾイルメタン;及びイソプロピルジベンゾイルメタン。
【0155】
液体ケイ皮酸誘導体:特にHoffmann-La Rocheにより「Parsol MCX」の商標で市販されているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル;メトキシケイ皮酸イソプロピル;メトキシケイ皮酸イソプロポキシ;Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan E 1000」の商標で市販されているメトキシケイ皮酸イソアミル;シノキサート(2-エトキシエチル-4-メトキシシンナメート);DEAメトキシシンナメート;メチルケイ皮酸ジイソプロピル;及びジメトキシケイヒ酸エチルヘキサン酸グリセリル。
【0156】
サリチル酸誘導体:Rona/EM Industriesにより「Eusolex HMS」の商標で市販されているホモサレート(サリチル酸ホモメンチル);Haarmann and Reimerにより「Neo Heliopan OS」の商標で市販されているサリチル酸エチルヘキシル;グリコールサリチレート;サリチル酸ブチルオクチル;サリチル酸フェニル;Scherにより「Dipsal」の商標で市販されているジプロピレングリコールサリチレート;及びHaarmann and Reimerにより「Neo Heliopan TS」の商標で市販されているTEAサリチレート。
【0157】
ショウノウ誘導体、特にベンジリデンショウノウ誘導体:Chimexにより「Mexoryl SD」の商標で製造されている3-ベンジリデンショウノウ;Merckにより「Eusolex 6300」の商標で市販されている4-メチルベンジリデンショウノウ;Chimexにより「Mexoryl SL」の商標で製造されているベンジリデンショウノウスルホン酸;Chimexにより「Mexoryl SO」の商標で製造されているメト硫酸ショウノウベンザルコニウム;Chimexにより「Mexoryl SX」の商標で製造されているテレフタリリデンジショウノウスルホン酸;及びChimexにより「Mexoryl SW」の商標で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ。
【0158】
ベンゾフェノン誘導体:BASFにより「Uvinul 400」の商標で市販されているベンゾフェノン-1(2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン);BASFにより「Uvinul D50」の商標で市販されているベンゾフェノン-2(テトラヒドロキシベンゾフェノン);BASFにより「Uvinul M40」の商標で市販されているベンゾフェノン-3(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)又はオキシベンゾン;BASFにより「Uvinul MS40」の商標で市販されているベンゾフェノン-4(ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸);ベンゾフェノン-5(ナトリウムヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホネート);Norquayにより「Helisorb 11」の商標で市販されているベンゾフェノン-6(ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン);American Cyanamidにより「Spectra-Sorb UV-24」の商標で市販されているベンゾフェノン-8;BASFにより「Uvinul DS-49」の商標で市販されているベンゾフェノン-9(二ナトリウムジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホネート);ベンゾフェノン-12、及びn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート。
【0159】
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体:特にBASFにより「Uvinul N539」の商標で市販されているオクトクリレン;及び特にBASFにより「Uvinul N35」の商標で市販されているエトクリレン。
【0160】
液体トリアジン誘導体:Sigma 3Vにより「Uvasorb HEB」の商標で市販されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;2,4,6-トリス(ジネオペンチル4’-アミノベンンザルマロネート)-s-トリアジン;及び米国特許第6,225,467号、WO 2004/085412(化合物6及び9を参照されたい)、又は文書「Symmetrical Triazine Derivatives」、IP.COM Journal、IP.COM INC、WEST HENRIETTA, NY, US (2004年9月20日)に記載の対称トリアジン遮断剤、特に、2,4,6-トリス(ビフェニル)-1,3,5-トリアジン(特に、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン)、及びWO 06/035000、WO 06/034982、WO 06/034991、WO 06/035007、WO 2006/034992及びWO 2006/034985でも取り上げられている2,4,6-トリス(ターフェニル)-1,3,5-トリアジン。
【0161】
液体ベンゾトリアゾール誘導体、特にフェニルベンゾトリアゾール誘導体:分枝状及び線状の2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノ、及びUSP 5240975に記載のもの。
【0162】
ベンザルマロン酸誘導体:4’-メトキシベンザルマロン酸ジネオペンチル、及びベンザルマロン酸官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えば、Hoffmann-LaRocheにより「Parsol SLX」の商標で市販されているポリシリコーン-15。
【0163】
ベンゾイミダゾール誘導体、特にフェニルベンゾイミダゾール誘導体:特にMerckにより「Eusolex 232」の商標で市販されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、及びHaarmann and Reimerにより「Neo Heliopan AP」の商標で市販されているフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
【0164】
イミダゾリン誘導体:エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート。
【0165】
ビス-ベンゾアゾリル誘導体:EP-669,323及び米国特許第2,463,264号に記載されているような誘導体。
【0166】
パラ-アミノ安息香酸及びその誘導体:PABA(p-アミノ安息香酸)、エチルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ペンチルジメチルPABA、特にISPにより「Escalol 507」の商標で市販されているエチルヘキシルジメチルPABA、グリセリルPABA、及びBASFにより「Uvinul P25」の商標で市販されているPEG-25 PABA。
【0167】
メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体:固体形態がFairmount Chemicalにより「Mixxim BB/100」の商標で、又は水性分散液中の微粉化形態がCiba Specialty Chemicalsにより「Tinosorb M」の商標で市販されているメチルレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、並びに米国特許第5,237,071号、同第5,166,355号、GB-2,303,549、DE-197,26,184及びEP-893,119に記載されているような誘導体。
【0168】
ベンゾオキサゾール誘導体:Sigma 3VによりUvasorb K2Aの商標で市販されている2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン。
【0169】
遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン:WO 93/04665に記載のシリコーン。
【0170】
α-アルキルスチレン由来ダイマー:DE-19855649に記載のダイマー。
【0171】
4,4-ジアリールブタジエン誘導体:1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
【0172】
オクトクリレン及びその誘導体:オクトクリレン。
【0173】
グアイアズレン及びその誘導体:グアイアズレン及びグアイアズレンスルホン酸ナトリウム。
【0174】
ルチン及びその誘導体:ルチン及びグルコシルルチン。
【0175】
フラボノイド:ロブスチン(イソフラボノイド)、ゲニステイン(フラボノイド)、テクトクリシン(フラボノイド)及びヒスピドン(フラボノイド)。
【0176】
ビフラボノイド:ランセオラチンA、ランセオラチンB及びヒプナンビフラボノイドA。
【0177】
オリザノール及びその誘導体:Γ-オリザノール。
【0178】
キナ酸及びその誘導体:キナ酸。
【0179】
フェノール:フェノール。
【0180】
レチノール:レチノール。
【0181】
システイン:L-システイン。
【0182】
芳香族アミノ酸残基含有ペプチド:トリプトファン、チロシン又はフェニルアラニンを有するペプチド。
【0183】
好ましい有機UV遮断剤は、以下のものから選択される。
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル、オクトクリレン、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、4-メチルベンジリデンショウノウ、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、エチルヘキシルトリアゾン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジネオペンチル4’-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジイソブチル4’-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(ターフェニル)-1,3,5-トリアジン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ポリシリコーン-15、4’-メトキシベンザルマロン酸ジネオペンチル、1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、及び、これらの混合物。
【0184】
より好ましい有機UV遮蔽剤は、メトキシケイ皮酸エチルヘキシルである。
【0185】
追加のUV遮蔽剤は、本発明による複合顔料中に、基材対追加のUV遮蔽剤の重量比が100:1〜100:500、好ましくは100:5〜100:400、より好ましくは100:10〜100:200、より好ましくは100:10〜100:100、より好ましくは100:10〜100:50、より好ましくは100:10〜100:30になるような割合で使用することができる。
【0186】
(着色顔料)
上述のように、コーティング層は更に少なくとも1種の着色顔料を含んでよい。
【0187】
用語「着色顔料」は、不溶性であり、無機又は有機の粒子を含む組成物を着色するものである、白色又は有色の任意の形状の無機又は有機の粒子を意味すると理解すべきである。
【0188】
着色顔料を使用する場合、本発明の複合顔料は、着色顔料が凝集せず、基材上に広がるので、彩度の高いよりクリアな外観をもたらし得るという効果を有する。非拘束の着色顔料は、容易に凝集して、彩度の低いくすんだ外観を肌に与えることを留意すべきである。
【0189】
顔料は、白色又は有色の無機及び/又は有機顔料でよい。
【0190】
使用することのできる無機顔料の中でも、限定はしないが、場合により表面処理されている二酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、並びに亜鉛、(黒色、黄色、若しくは赤色)酸化鉄又は酸化クロム、マンガン紫、ウルトラマリンブルー、水酸化クロム水和物、及び第二鉄青(ferric blue)、又はアルミニウム粉末や銅粉末等の金属粉末を挙げることができる。顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、及びこれらの組合せ等の金属酸化物で構成されたナノ顔料から選択することもできる。用語「ナノ顔料」とは、1nm〜500nmの範囲の平均粒径、例えば10nm〜100nmの範囲の粒径を有する顔料を意味すると理解される。
【0191】
使用することのできる有機顔料の中でも、限定はしないが、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料及びレーキ、例えば、コチニールカルミン系及びバリウム、ストロンチウム、カルシウム、又はアルミニウム系のレーキを挙げることができる。例えば、Red 202 (カルシウムビス[2-(3-カルボキシ-2-ヒドロキシナフチルアゾ)-5-メチルベンゼンスルホネート)は、D&Cタイプの顔料として使用することができる。
【0192】
着色顔料は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、マンガン紫、ウルトラマリンブルー、水酸化クロム水和物、第二鉄青、アルミニウム粉末、銅粉末、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、レーキ、真珠箔顔料、及び、これらの混合物から選択されることが好ましい。
【0193】
用語「真珠箔顔料」は、特定の貝によってその貝殻の中で産出され、又は、そうでなく合成された粒子等、任意の形状の虹色に輝く粒子を意味すると理解すべきである。
【0194】
真珠光沢剤(pearlescent agent)は、二酸化チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆されているマイカ等の白色真珠光沢剤;酸化チタンでコーティングされているマイカを酸化鉄で被覆したもの、酸化チタンでコーティングされているマイカを第二鉄青又は酸化クロムで被覆したもの、酸化チタンでコーティングされているマイカを上述の種類の有機顔料で被覆したもの等の有色真珠光沢剤;及びオキシ塩化ビスマスを主体とした真珠光沢剤から選択することができる。
【0195】
着色顔料は、本発明による複合顔料中に、基材対着色顔料の重量比が100:1〜100:500、好ましくは100:5〜100:400、より好ましくは100:10〜100:200、より好ましくは100:10〜100:100、より好ましくは100:10〜100:50、より好ましくは100:10〜100:30になるような割合で使用することができる。
【0196】
(複合顔料の調製方法)
本発明による複合顔料は、基材と、少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤と、場合により、少なくとも1種の固体無機UV遮蔽剤、少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤、及び/若しくは、少なくとも1種の着色顔料を、機械化学的融合法にかけることにより調製できる。
【0197】
機械化学的融合法とは、多数の対象に、衝撃力、摩擦力、剪断力等の機械的な力をかけて、対象間に融合を引き起こす方法を意味する。
【0198】
機械化学的融合法は、例えば、日本のホソカワミクロン株式会社により市販されているメカノフュージョンシステム等の、回転する室と、掻き板を有する固定された内部部品とを含む装置によって実施することができる。
【0199】
機械化学的融合法としてハイブリダイザー法を使用することが好ましい。
【0200】
ハイブリダイザー法は、1980年代に開発された。ハイブリダイザー法は、多数の粒子に機械的な強い力をかけて、機械化学的反応を引き起こし、複合粒子を生成する機械化学的融合法の一部類である。
【0201】
ハイブリダイザー法によれば、機械的力は、10cm〜1mの直径を有することができ、かつ1,000rpm〜100,000rpmの速度で回転することができる高速ローターによって付与する。したがって、ハイブリダイザー法は、そのような高速ローターを使用する機械化学的融合法であると定義することができる。ハイブリダイザー法は、空気中又は乾燥条件下で実施する。したがって、ローターの回転が高速であるために、ローター付近に高速空気流を発生させることができる。しかし、いくつかの液体材料は、固体材料と共にハイブリダイザー法にかけることができる。用語「ハイブリダイザー法」は、技術用語として使用されている。
【0202】
ハイブリダイザー法は、例えば日本の奈良機械製作所により市販されているハイブリダイゼーションシステムを使用して実施することができ、このシステムでは、少なくとも2種の粒子、通常は芯粒子と微粒子を、乾燥条件下にある室中に複数の刃を有する高速ローターを備えたハイブリダイザーに供給し、粒子を室に分散させ、粒子に機械及び熱エネルギー(例えば、圧縮、摩擦、及び剪断応力)を、1〜10分、好ましくは1〜5分等の比較的短い時間付与する。結果として、一方の種類の粒子(例えば、微粒子)が他方の種類の粒子(例えば、芯粒子)上に包埋又は固定されて、複合粒子が形成される。粒子は、振盪等の静電処理にかけて、一方の種類の粒子が広がって他方の種類の粒子を覆っている「オーダード ミクスチャー」を生成させておくことが好ましい。ハイブリダイザー法は、日本の徳寿工作所により市販されているシータ・コンポーザを使用して実施することもできる。
【0203】
本発明によれば、基材と、固体有機UV遮蔽剤と、場合により必要に応じて固体無機UV遮蔽剤、追加のUV遮蔽剤及び着色顔料等の追加の材料とを、そのようなハイブリダイザーに供給して、複合顔料を生成することができる。ハイブリダイザー法は、約8,000rpm(100m/秒)で回転するローターを約5分間使用して実施することができる。
【0204】
本発明による複合顔料に固体有機UV遮蔽剤と任意の固体無機UV遮蔽剤、追加のUV遮蔽剤と着色顔料を使用する場合、これら材料は、基材対固体有機UV遮蔽剤及び任意の固体無機UV遮蔽剤、追加のUV遮蔽剤及び着色顔料の重量比が100:1〜100:500、好ましくは100:5〜100:400、より好ましくは100:10〜100:200、より好ましくは100:10〜100:100、より好ましくは100:10〜100:50、より好ましくは100:10〜100:30になるような割合で使用することができる。
【0205】
ハイブリダイザー法では、基材が、少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤と、場合により固体無機UV遮蔽剤、追加のUV遮蔽剤、及び、着色顔料を含む少なくとも1つの層によって少なくとも一部覆われている複合顔料を得ることができる。
【0206】
更に、ハイブリダイザー法では、基材上に、固体有機UV遮蔽剤と、場合により固体無機UV遮蔽剤、追加のUV遮蔽剤、及び、着色顔料を規則正しく並べる(例えば、一様に被覆する)ことができ、基材の表面と、固体有機UV遮蔽剤、場合により固体無機UV遮蔽剤、追加のUV遮蔽剤、及び、着色顔料とを含む層との接着を強くする。
【0207】
ハイブリダイザー法は、例えばビーズミルやジェットミルを使用する他の方法とはまったく異なることに留意すべきである。実際に、ビーズミルは、芯粒子の微粉砕又は凝集を引き起こし、ジェットミルでは、芯粒子が微粉砕され、芯粒子の微粒子によるコーティングが一様でなくなる。
【0208】
必要に応じて、追加のUV遮蔽剤及び/又は着色材料によって複合顔料を更にコーティングする追加の方法を実施してもよい。この追加の方法の結果として、本発明による複合顔料は、UV遮蔽剤及び/又は着色材料を含む、好ましくはUV遮蔽剤及び/又は着色材料からなる別の層でコーティングされていてもよい。
【0209】
(化粧品組成物)
上述のような複合顔料は、本発明による組成物中に、組成物の総重量の0.01重量%〜99重量%、好ましくは0.1重量%〜50重量%、より好ましくは1重量%〜30重量%の量で存在してよい。
【0210】
好ましくは、本発明による複合顔料は、皮膚、毛髪、爪等のケラチン物質に適用される化粧品組成物中に使用し、UVシールド効果、及び場合により着色効果を提供することができるが、それは、透明又はクリアな外観、及び場合によりより透明又はクリアな着色等の良好な着色効果と共に伴う可能性のある、良好なUV遮蔽効果を、ケラチン物質に影響を及ぼすリスクなしに示し得るからである。
【0211】
本発明による化粧品組成物は、フィラー及び油を更に含んでもよい。
【0212】
本明細書では、用語「フィラー」とは、いかなる温度で組成物が製造されても組成物の媒質に不溶性である、任意の形状の無色の天然又は合成粒子を意味すると理解すべきである。したがって、フィラーは、上述のような着色顔料とは異なる。
【0213】
フィラーは、無機でも有機でもよく、任意の結晶学的形態(例えば、シート状晶、立方晶、六方晶、斜方晶等)のどんな形状でもよい(例えば、小板状、球状、及び長円状)。適切な追加のフィラーの例としては、その限りでないが、タルク;マイカ;シリカ;カオリン;Nylon(登録商標)等のポリアミドの粉末;ポリ-β-3-アラニン粉末;ポリエチレン粉末;ポリウレタン粉末、例えば、東色によりPlastic Powder D-400の名称で販売されている、ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリメチロールヘキシルラクトンコポリマーで構成された粉末;テトラフルオロエチレンポリマー(Teflon(登録商標))で構成された粉末;ラウロイルリシン;デンプン;窒化ホウ素;高分子中空微小球、例えば、ポリ(塩化ビニリデン)/アクリロニトリルの微小球、例えばExpancel(登録商標) (Nobel Industrie)、及びアクリル酸コポリマーの微小球;シリコーン樹脂粉末、例えば、シルセスキオキサン粉末(例えば、欧州特許第0 293 795号で開示されているシリコーン樹脂粉末、及び東芝のTospearls(登録商標));ポリ(メタクリル酸メチル)粒子;沈降炭酸カルシウム;炭酸マグネシウム;塩基性炭酸マグネシウム;ヒドロキシアパタイト;中空シリカ微小球;ガラスミクロカプセル;セラミックミクロカプセル;8〜22個の炭素原子、例えば12〜18個の炭素原子を含む有機カルボン酸から得られる金属石けん、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、及びミリスチン酸マグネシウム;硫酸バリウム;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0214】
フィラーは、組成物中に、組成物の総重量の0.1重量%〜80重量%、例えば、1重量%〜25重量%、又は3重量%〜15重量%の範囲の量で存在してよい。
【0215】
用語「油」は、周囲温度(25℃)で液体である脂肪物質を意味すると理解される。
【0216】
本発明の組成物中に使用することのできる油として、例えば、ペルヒドロスクアレン(又はスクアラン)等の動物由来の炭化水素油;植物由来の炭化水素油、例えば、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、例えば、Stearineries Duboisにより市販されているものやDynamit NobelによりMiglyol 810、812及び818の商標で市販されているもの、又は植物由来の油、例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、キュウリ油、ブドウ種子油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アンズ油、マカダミアナッツ油、アララ油(arara oil)、コリアンダー油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、シアバター油;合成油;シリコーン油、例えば、周囲温度で液体又はペーストである、線状又は環状シリコーン鎖を含む揮発性又は不揮発性のポリメチルシロキサン(PDMS);フッ素化油、例えば、一部が炭化水素及び/又はシリコーンであるもの、例えば、特開平02-295912に記載のもの;ジカプリリルエーテル(CTFA名)等のエーテル;C12〜C15脂肪族アルコール安息香酸エステル(FinetexのFinsolv TN)等のエステル;安息香酸2-フェニルエチル(ISPのX-Tend 226)等の安息香酸アリールアルキル誘導体;N-ラウロイルサルコシンイソプロピル(味の素のエルデュウSL-205)等のアミド化油、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0217】
油性相は、例えば、脂肪族アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール)、脂肪酸(ステアリン酸)、又は蝋(パラフィン蝋、ポリエチレン蝋、カルナウバ蝋、蜜蝋)から選択される1種若しくはそれ以上の脂肪物質も含んでよい。油性相は、親油性ゲル化剤、界面活性剤、又はここでも有機若しくは無機粒子を含んでよい。
【0218】
油性相は、組成物の総重量の1〜70重量%の油に相当し得ることが好ましい。
【0219】
本発明による組成物は、少なくとも1種の追加の従来の化粧品成分を更に含んでもよく、追加化粧品成分は、例えば、親水性又は親油性のゲル化剤及び/又は増粘剤、界面活性剤、抗酸化剤、香料、保存剤、中和剤、日焼け止め剤、ビタミン、保湿剤、セルフタンニング化合物、しわ抑制活性剤、緩和剤、親水性又は親油性活性剤、汚染及び/又はフリーラジカル除去剤、金属イオン封鎖剤、皮膜形成剤、皮膚収縮解消活性剤(dermo-decontracting active agent)、皮膚鎮静剤(soothing agent)、真皮又は表皮高分子の合成を刺激し、かつ/又はその分解を防止する薬剤、抗糖化剤(antiglycation agent)、刺激を除去する薬剤、鱗状化解消剤(desquamating agent)、色素沈着解消剤(depigmenting agent)、色素沈着抑制剤(antipigmenting agent)、色素沈着促進剤(propigmenting agent)、NO合成酵素阻害剤、線維芽細胞及び/若しくはケラチノサイトの増殖及び/又はケラチノサイトの分化を刺激する薬剤、微小循環に作用する薬剤、細胞のエネルギー代謝に作用する薬剤、ヒーリング剤(healing agent)、並びにこれらの混合物から選択することができる。
【0220】
本発明による組成物は、様々な形態、例えば、懸濁液、分散液、溶液、ゲル、水中油(O/W)、油中水(W/O)、及び多重(例えば、W/O/W、ポリオール/O/W、O/W/O)乳濁液等の乳濁液、クリーム、フォーム、スティック、小胞分散液、例えばイオン性及び/又は非イオン性脂質の分散液、二相及び多相ローション、スプレー、粉末、ペーストにすることができる。組成物は無水でもよく、例えば、無水のペースト又はスティックにすることができる。組成物は、洗い流さない組成物にしてもよい。
【0221】
一実施形態によれば、本発明による組成物は、液体又は固体の油性組成物や粉末状組成物等の無水組成物の形態でもよい。
【0222】
別の実施形態によれば、本発明による組成物は、例えば、コンパクトパウダー、ローション、セラム、乳液、クリーム、ベースファンデーション、化粧下地(undercoat)、メーキャップベースコート、ファンデーション、粉おしろい、頬紅、リップスティック、リップクリーム、アイシャドウ、アイライナー、ルースパウダー、コンシーラー、ネイルコート、マスカラ、日焼け止め等の形態にすることができる。
【0223】
当業者は、使用する成分の性質、例えば、成分の媒体への溶解性、及び組成物について構想される用途を考慮に入れながら、自身の一般知識に基づき、適切な処方並びにその調製方法を選択することができる。
【0224】
(実施例)
本発明について、実施例としてより詳細に述べるつもりであるが、しかし、本発明の範囲を限定しないものと解釈すべきである。
【0225】
(実施例1〜5並びに比較例1及び2)
日本の株式会社奈良機械製作所により市販されている、乾燥条件にある室中に複数の刃を有する高速ローターを備えたハイブリダイザーを使用して、表1及び2に示す成分をハイブリダイザー法にかけて、複合顔料を得た。
【0226】
詳細には、実施例1〜5並びに比較例1及び2それぞれについて、表1及び2に示す成分を、プラスチック製袋に入れて短時間手で振盪することにより、表1及び2に示す混合比(表1及び2の数字は重量部による)で混合した。混合物をハイブリダイザーに投入し、ローターを8,000rpm (線速度100m/s)で5分間回転させた。
【0227】
【表1】

【0228】
【表2】

NLK: メチルシラノール/シリケートクロスポリマーの椀様粒子、日本の竹本油脂株式会社により市販されているNLK 506
Mica*: 板の形態の合成マイカ
PMMA: ポリメチルメタクリレートの球状粒子
POL: 多孔質CaCO3とヒドロキシアパタイトの複合材の粒子、日本の丸尾カルシウム株式会社により市販されているPoronex C
TiO2: 日本のテイカ株式会社により市販されているMT-100 TV
OMC: メトキシケイ皮酸エチルヘキシル
Mexoryl: ドロメトリゾールトリシロキサン
【0229】
[粒子径変化の測定]
実施例1〜5並びに比較例1及び2について、ハイブリダイザー法の前後の粒子径の変化をMASTERSIZER 2000(Malvern Industries Ltd.、英国)によって測定した。ハイブリダイザー法の前の粒子径は、上記の手による振盪後にUV遮蔽剤が広がって芯粒子を覆っている「混合物」の粒子径に相当する。結果を表3に示す。表3において、[混合物]は、ハイブリダイザー法にまだかけていない、表1及び表2に示す成分の混合物を意味する。
【0230】
【表3】

【0231】
表3から、実施例1〜5並びに比較例1及び2で使用した芯粒子それぞれの粒子径が、ハイブリダイザー法等の機械化学的融合法における機械的応力により48〜8%縮小することは明白である。
【0232】
TWCファンデーション
表4に示す成分を混合することにより、上記ハイブリダイズ法の前の上記「混合物」又は上記ハイブリダイズ法によって得られた複合顔料を含有する2ウェイケーキ(TWC)ファンデーションを、実施例1〜5並びに比較例1及び2それぞれについて調製した。
【0233】
【表4】

【0234】
表4において、「混合物」は、まだハイブリダイザー法にかけていない、表1及び表2に示す成分の混合物を意味し、「複合顔料」は、表1及び表2に示す成分でのハイブリダイザー法によって得られた複合顔料を意味する。
【0235】
[UVA及びUVB吸光度の決定]
V-550紫外可視分光光度計(日本分光、日本)を使用して、TWCファンデーションのUV波吸光度を以下のとおりに測定した。
【0236】
透明なプラスチックシート上に貼り付けた両面テープの10cm2の粘着性表面範囲上に、TWCファンデーション6.0mgを指で均等に広げた。TWCファンデーションを別の透明プラスチックシートで覆って、この粉末サンプルを間に挟んだ。この試験シートをV-550シートセルホルダーにセットし、吸光度を260nm〜400nmで測定した。0.6mg/cm2の粉末サンプルによる、260nm〜320nm及び320nm〜400nmの範囲での吸光度を平均したものを、それぞれUVB及びUVAの吸光度の値に使用した。
【0237】
結果を表5及び表6に示す。表5及び表6において、[混合物]は、まだハイブリダイザー法にかけていない表1及び2に示す成分の混合物を含有するTWCファンデーションを意味し、[複合顔料]は、表1及び表2に示す成分でのハイブリダイザー法によって得られた複合顔料を含有するTWCファンデーションを意味する。
【0238】
【表5】

比率(%):(UV吸光度[複合顔料])/(UV吸光度[混合物])×100
【0239】
【表6】

比率(%):(UV吸光度[複合顔料])/(UV吸光度[混合物])×100
【0240】
表5及び表6から、実施例1〜5の複合顔料を含む化粧品が、比較例1及び2の複合顔料を含む化粧品と比べてより良好又は同等なUV遮蔽効果を有すること、並びに実施例1〜5のUV遮蔽効果が、特にUVA領域において、比較例1及び2と比べて一般に高められていることは明白である。
【0241】
特に、TiO2とMexorylの組合せを含有する複合顔料を含む実施例1〜4は、UVA及びUVB両方の領域、特にUVA領域においてUV遮蔽効果の著しい向上を示す。これは、実施例1〜4で使用した複合顔料では、芯粒子上にUV遮蔽剤が程よく分散しているためであるといえる。
【0242】
(実施例6〜8)
実施例6〜8では表7に示す成分(表7の数字は重量部による)を使用したことを除き、実施例1を繰り返して、実施例6〜8の複合顔料を得た。
【0243】
【表7】

NLK: メチルシラノール/シリケートクロスポリマーの椀様粒子、日本の竹本油脂株式会社により市販されているNLK 506
Ca(b): ブロックの形態のCaCO3粒子、オーストラリアのOmyaにより市販されているOmyapure 35LM-OG
Ca(p): 日本の株式会社ニューライム及び東色ピグメント株式会社によりLDR CAとして市販されている花弁型の多孔質CaCO3
TiO2: 日本のテイカ株式会社により市販されているMT-100 TV
Red: レッド202
Mexoryl: ドロメトリゾールトリシロキサン
【0244】
リップスティック
基剤、表8に示す成分を、三シリンダーローラーによって、着色顔料(レッド202)がリップスティックの0.1重量%となるような、実施例6〜8による複合顔料、又はまだハイブリダイザー法にかけていない表7に示す成分の混合物と90℃で混合することにより、リップスティックを調製した。
【0245】
【表8】

【0246】
[色の測定]
DATACOLOR 600 (Applied Color Systems Inc.、米国)を使用して、実施例6〜8によるリップスティックそれぞれの色(L*,a*,b*)を以下のとおりに測定した。
【0247】
アルミ皿(25mm(L)×23mm(W)×4mm(D))にリップスティック2.5gを流し込み、冷却してペーストを固めた。試験サンプルのL*、a*及びb*をペーストの上部から測定した。
【0248】
結果を表9〜11に示す。表9〜11において、[混合物]は、まだハイブリダイザー法にかけていない表7に示す成分の混合物を含有するリップスティックを意味し、[複合顔料]は、表7に示す成分でのハイブリダイザー法によって得られた複合顔料を含有するリップスティックを意味する。
【0249】
【表9】

【0250】
【表10】

【0251】
【表11】

【0252】
表9〜11から、実施例6〜8の複合顔料を含む化粧品が、複合顔料に対応する成分の単純な混合物を含む化粧品と比べて、より高いa*値及びb*値を有することは明白である。
【0253】
したがって、本発明による複合顔料を含む化粧品では、複合顔料に対応する成分の単純な混合物を含む従来の化粧品と比べて、彩度のより高いより良質な色を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤を含む少なくとも1つの層によって少なくとも一部が覆われている基材を含む複合顔料。
【請求項2】
少なくとも1つの層が、少なくとも1種の固体無機UV遮蔽剤を含む、請求項1に記載の複合顔料。
【請求項3】
少なくとも1つの層が、少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤を更に含む、請求項1又は2に記載の複合顔料。
【請求項4】
少なくとも1つの層が、少なくとも1種の着色顔料を更に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の複合顔料。
【請求項5】
基材が、0.1μm〜30μmの範囲の平均直径を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の複合顔料。
【請求項6】
少なくとも1つの層が、0.03μm〜10μmの厚さを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の複合顔料。
【請求項7】
基材が、少なくとも1種の無機材料及び/又は少なくとも1種の有機材料を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の複合顔料。
【請求項8】
無機材料が、マイカ、合成マイカ、タルク、セリサイト、窒化ホウ素、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、ヒドロキシアパタイト、シリカ、ケイ酸塩、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化マグネシウム、オキシ塩化ビスマス、カオリン、ハイドロタルサイト、粘土鉱物、合成粘土、酸化鉄、及び、これらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項7に記載の複合顔料。
【請求項9】
有機材料が、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクタム、ポリ(ブチレン)スクシネート、多糖類、ポリペプチド、ポリビニルアルコール、ポリビニル樹脂、フルオロポリマー、蝋、アミドスルホン酸多価金属塩、アシル化アミノ酸、及び、これらの混合物からなる群から選択されるものである、請求項7又は8に記載の複合顔料。
【請求項10】
少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤が、ベンゾトリアゾール誘導体、オキサニリド誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、ビニル基含有アミド、ケイ皮酸アミド、及び、スルホン化ベンゾイミダゾールから選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の複合顔料。
【請求項11】
少なくとも1種の固体無機UV遮蔽剤が、炭化ケイ素、被覆又は非被覆金属酸化物、及び、これらの混合物からなる群から選択される、請求項2から10のいずれか一項に記載の複合顔料。
【請求項12】
少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤材料が、アントラニル酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、液体ケイ皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ショウノウ誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、液体トリアジン誘導体、液体ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロン酸誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ビス-ベンゾアゾリル誘導体、p-アミノ安息香酸(PABA)及びその誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン、α-アルキルスチレン由来ダイマー、4,4-ジアリールブタジエン、オクトクリレン及びその誘導体、グアイアズレン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、フラボノイド、ビフラボノイド、オリザノール及びその誘導体、キナ酸及びその誘導体、フェノール、レチノール、システイン、芳香族アミノ酸、芳香族アミノ酸残基含有ペプチド、並びに、これらの混合物からなる群から選択される、請求項3から11のいずれか一項に記載の複合顔料。
【請求項13】
少なくとも1種の着色顔料が、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、マンガン紫、ウルトラマリンブルー、水酸化クロム水和物、第二鉄青、アルミニウム粉末、銅粉末、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、レーキ、真珠箔顔料、及び、これらの混合物から選択される、請求項4から12のいずれか一項に記載の複合顔料。
【請求項14】
前記基材対固体有機UV遮蔽剤の重量比が100:1〜100:500である、請求項1から13のいずれか一項に記載の複合顔料。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の複合顔料の調製方法であって、
基材と、
少なくとも1種の固体有機UV遮蔽剤と、
場合により、少なくとも1種の固体無機UV遮蔽剤、少なくとも1種の追加のUV遮蔽剤、及び/又は、少なくとも1種の着色顔料を
機械化学的融合法にかけるステップを含む方法。
【請求項16】
請求項1から14のいずれか一項に記載の複合顔料又は請求項15に記載の方法によって調製した複合顔料を含む化粧品組成物。

【公表番号】特表2013−501078(P2013−501078A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506022(P2012−506022)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【国際出願番号】PCT/JP2009/064084
【国際公開番号】WO2011/016139
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】