説明

複数種類の具材を包容する加工食品の製造方法

【課題】本格的な米飯や惣菜をファーストフード感覚で手軽に喫食できる具材入り加工食品を提供するための、複数種類の具材を混ざらずに包容できる加工食品を簡便に製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】小麦粉、油脂及び水を混練して生地を作り、該生地から、仕切り形成領域を有する台生地素地を作る工程と、該台生地素地の仕切り形成領域を折り曲げて、上面に仕切りが一体に形成された台生地を形成する工程と、該台生地上に複数の具材を、仕切りによりそれぞれ分離されるように載せる工程と、具材を載せた台生地上に蓋生地を載せ、前記台生地の端部と該蓋生地の端部を合せて接合する工程と、このように接合された台生地、具材及び蓋生地を加熱する工程とを具備し、前記台生地素地の仕切り形成領域は、該台生地素地の外周縁に中央部に向かう切欠きを有することを特徴とする、複数種類の具材を包容する加工食品の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の具材を包容する加工食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米飯を手軽に喫食できるように成形加工された食品としておにぎりがある。おにぎりは和食のファーストフードとも言えるが、近年の食品に対する嗜好の変化からファーストフードにおいても品質の向上が求められており、混ぜご飯や炒飯など、様々な趣向を凝らしたおにぎりが販売されている。なかには、おこわやドライカレーライスを成形したものもあり、さらにはハムや目玉焼きなどの大型の具材を、成形された米飯の外部に配置し、海苔などによって固定したものまで販売されている。
【0003】
しかし、もちもちとした食感を魅力とするおこわなどは、おにぎりに成形される際に握り固められることによって、本来有する食感が損なわれてしまう。また、炒飯やドライカレーライスなどはパラパラとした食感を魅力とするものであるが、これをおにぎりに成形した場合、そのままでは食べる際にポロポロとこぼれやすくなってしまうため、ある程度の粘り気を持たさなければならない。さらに、具材を海苔などによって米飯に固定した場合、食している最中に米飯と具材が分離してしまい、非常に食べにくいなどの問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題に鑑み、本発明は、食品が本来有する食感を損ねることなく、本格的な米飯や惣菜をファーストフード感覚で手軽に喫食できる具材入り加工食品を提供するための、複数種類の具材を混ざらずに包容できる加工食品を簡便に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の方法に従えば、小麦粉、油脂及び水を混練して生地を作り、該生地から、仕切り形成領域を有する台生地素地を作る工程と、該台生地素地の仕切り形成領域を折り曲げて、上面に仕切りが一体に形成された台生地を形成する工程と、該台生地上に複数の具材を、仕切りによりそれぞれ分離されるように載せる工程と、具材を載せた台生地上に蓋生地を載せ、前記台生地の端部と該蓋生地の端部を合せて接合する工程と、このように接合された台生地、具材及び蓋生地を加熱する工程とを具備し、前記台生地素地の仕切り形成領域は、該台生地素地の外周縁に中央部に向かう切欠きを有することを特徴とする、複数種類の具材を包容する加工食品の製造方法が提供される。
【0006】
本発明の加工食品に包容される具材は、おこわ、混ぜご飯、ドライカレー、炒った糒、餅、サツマイモを混ぜた餅及びおはぎからなる群から選択された一種又は二種以上の米飯であってよく、或いは、揚物、詰物、煮物、焼物および練物からなる群から選択された一種又は二種以上の惣菜であってもよい。また、ケチャップ、ソース、マヨネーズなどの調味料、香辛料などであってもよい。また、ピクルスや漬物などのような具材であってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小麦粉を含む混練加熱物によって米飯および惣菜等の複数種類の具材を混ざらずに包容する加工食品を簡便に製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の複数種類の具材を包容する加工食品の製造方法は、(1)小麦粉、油脂及び水を混練して生地を作り、該生地から、仕切り形成領域を有する台生地素地を作る工程と、(2)該台生地素地の仕切り形成領域を折り曲げて、上面に仕切りが一体に形成された台生地を形成する工程と、(3)該台生地上に複数の具材を、仕切りによりそれぞれ分離されるように載せる工程と、(4)具材を載せた台生地上に蓋生地を載せ、前記台生地の端部と該蓋生地の端部を合せて接合する工程と、(5)このように接合された台生地、具材及び蓋生地を加熱する工程とを具備し、前記台生地素地の仕切り形成領域は、該台生地素地の外周縁に中央部に向かう切欠きを有することを特徴とする。
【0009】
また、他の態様において、前記台生地素地は複数のパーツから構成され、夫々の台生地素地パーツは、仕切り形成領域、及び任意に、該夫々の台生地素地パーツを結合するための糊代部及び係合切欠き部を有する。
【0010】
さらに他の態様において、前記台生地素地は、互いに交差する複数の仕切り形成領域を有する。ここで、該台生地素地の複数の仕切り形成領域は、該台生地素地の外周縁に中央部に向かう切欠きを有し、且つ、複数の仕切り形成領域が交差する領域が透孔であることを特徴とする。
【0011】
本発明の加工食品の製造方法では、台生地素地が仕切り形成領域を有し、この仕切り形成領域を折り曲げるだけで、仕切りを一体に有する台生地を形成することができる。ここで、仕切りは仕切り形成領域が重なった構造を有するが、焼成される際に重複する仕切り形成領域が融合し、一枚の壁状に形成され、台生地と一体の強固な仕切りを形成することができる。
【0012】
また、台生地素地の仕切り形成領域が、その外周縁の部分において、中央部に向かって切欠きを有することにより、該仕切り形成領域を折り曲げて仕切りを一体に有する台生地を形成した際、仕切りの両側の上部の角が出っ張らず、台生地の内側に向かって切り込まれた形状とすることができる。このため、蓋生地をのせた際に仕切りの角の部分が邪魔にならず、台生地と蓋生地の接着をスムーズにすることができる。このような切欠きのない台生地素地を折り曲げて仕切りを形成し、その後、仕切りの両側の出っ張っている個所を切り取るようにしても目的の台生地を作ることができるが、そのようにすると手間がかかり、作業が煩雑となるため好ましくない。本発明のように、台生地素地自体の形状を工夫することにより、仕切り付の台生地を作った時に、仕切りの両側を切る手間がかからないようにすることができる。
【0013】
本発明の方法で用いられる台生地の形状は、任意の形状であってよく、収容される具材や、その種類数及び量によって適する形状が選択される。例えば、円、楕円、矩形、三角形、ハート型及び星型等の形状が好適である。
【0014】
また、前記台生地と一体に形成された仕切りは、台生地素地から台生地を作るときに形成される高さに限らず、該仕切りを上方に伸ばすことによって、所望の高さに調節することができる。台生地素地から台生地を作る際に仕切りの厚さが2倍程度になるため、ここを延ばして高さを適宜変化させることができる。
【0015】
本発明の加工食品に収容される具材は、複数種類の米飯又は惣菜等から選択される。米飯としては白米飯の外に、味付け調理米飯、例えばチャーハン、カレーピラフ、五目飯等を利用してもよい。ご飯を調理したものであれば何れのものでも良いが、例えばおこわ、混ぜご飯、ドライカレー、糒、餅、サツマイモを混ぜた餅及びおはぎから成る群から選択された一種または二種以上であることが好ましい。なお糒は、適切に調理したものを使用すればよい。惣菜としては、例えば掻揚げ及びフライ等の揚物、佃煮や豆の煮物、蒲焼等の焼物、ソーセージ等の詰物、マッシュポテト及び果実のペースト等の練物、ハンバーク等の挽き肉料理から成る群から選択された一種又は二種で以上であることが好ましい。豆は、煮物の他に、水煮を使った種々の料理等として用いてもよい。
【0016】
本発明の製造方法では、原料を混練して作った生地から台生地素地を形成するが、その際に、原料を混連して作った生地を一定の厚さに延ばし、シート状にした生地を抜き型で抜いて所望の形状の台生地素地を得ることができる。本発明の台生地素地の形状は特殊であるが、型を用いることにより、極めて簡便に所望の形状の台生地素地を作成することが可能である。台生地素地は、焼成後の厚さが具材の食感を損なわず、且つ、形体が崩れない程度の厚さであることが好ましく、例えば焼成後の厚さが約0.5mm〜3mmとなるようにすることが好ましい。
【0017】
またさらに、台生地素地を折り曲げて台生地を形成する際には、台生地素地の下に折目のついた折型を当てて折り曲げることができる。折型を用いることにより、柔らかく扱いが難しい生地であっても、簡便に手際よく、整った形状に折り曲げることが可能である。
【0018】
以下に、本発明で用いられる台生地素地及び台生地の形状を、図を参照して説明する。
図1に第一の態様における台生地素地の形状を示す。本態様において、台生地素地は、円の中心線と平行して該円を分断する帯状の仕切り形成領域4を有する略円形状である。図中の点線は山折れ線を意味し、一点鎖線は谷折れ線を意味する。図2に示すように、点線2を山折れし、一点鎖線3を谷折れすることによって、点線2の部分、即ち、仕切り形成領域4の長手方向の中心線が上方に向かって折り曲げられて、仕切り4’が形成され、図3に示すように仕切り4’を一体に有する台生地を形成することができる。
【0019】
次いで、台生地上に仕切り4’の両側の具材収容部1a及び1bでそれぞれ異なる具材を載せ、該具材の上から前記生地より成る蓋生地をのせ、台生地及び蓋生地の端部を合せて接合し、しかる後加熱することによって、本発明の加工食品を製造することができる。
【0020】
図4は、第一の態様における台生地素地を用いて製造した加工食品の断面図である。前記仕切り形成領域4により仕切り4’が形成され、具材収容部1aには例えば米飯が収容され、具材収容部1bには例えば惣菜が収容される。
【0021】
この第一の態様においては、仕切り形成領域4は、前記台生地素地を任意の割合で分断するように配置されてよい。例えば、仕切り形成領域4は、図1に示すように台生地素地を等分に分断するように、該台生地素地の中心線上に配置されてもよい。或いは、図5に示すように、仕切り形成領域14は、台生地素地を例えば6:4の割合で分断するように配置されてもよい。収容する具材に依存して適切な割合を適宜選択することができる。
【0022】
本発明の第二の態様として、台生地素地は、図6に示すように、平行に配置された2つの仕切り形成領域24a及び24bを有するように形成される。図7に、このような台生地を用いて製造した加工食品の断面図を示す。仕切り形成領域24a及び24bから成る仕切り24’a及び24’bによって、具材収容部20a、20b及び20cが形成される。この3つの具材収容部には、それぞれ異なる具材を収容することができ、より多くの種類の具材を一度に食することができる。中央の具材収容部20cには調味料や香辛料など、比較的少量の具材を収容してもよい。例えば、一方の具材収容部20aにハンバーグなどの具材27を収容し、中央の具材収容部20cにはケチャップ、ソース、マヨネーズ等の調味料29を収容し、もう一方の具材収容部20bには米飯等26を収容してもよい。
【0023】
さらに、本発明の第三の態様においては、台生地素地が複数のパーツから構成され、台生地が円形状に形成される。本態様では、半円の直線部に平行して帯状の仕切り形成領域34aが付加し、さらに該仕切り形成領域に糊代部31aが付加した形状を有する第一の台生地素地(a)と、半円をその直線部と直交して等分に分断する帯状の仕切り形成領域34bを有する略半円形状の第二の台生地素地(b)を形成する。ここで、前記第一の生地の糊代部31aは、中央部分に係合切欠き部39を有する。
【0024】
上記第一及び第二の台生地素地のそれぞれの仕切り形成領域(34a,34b)を長手方向の中心線が上方に向かって突出するように折り曲げて仕切りを一体に有する台生地を形成する。次いで、第一の台生地の糊代部31aが第二の台生地の上になるように、第一と第二の台生地を組み合わせる。このとき、前記糊代部31aの中央部分に係合切欠き部39があることによって、第一の台生地と第二の台生地が都合よく組みあい、堅固に密着させることが可能である。図9に示すように、円が仕切り34’a,34’bによって3つに分けられた台生地が得られる。この台生地を用いることにより、3つの具材収容部が得られ、この3つの具材収容部にそれぞれ異なる具材を収容することができ、より多くの種類の具材を一度に食することができる。
【0025】
また、本態様の他の実施形態として、図8(c)に示すように、前記第二の台生地素地は、その直線部分に、前記仕切り形成領域以外の領域に、糊代部31bをさらに有する形状とする。第二の台生地も糊代部31bを具備することによって、第一と第二の台生地の結合をより強固にすることができる。
【0026】
さらに、本発明の第四の態様においては、互いに交差する複数の仕切り形成領域を有する台生地素地を用いて、円を四等分した台生地を形成する。本態様では、図10に示すように、円の中心点を通って該円を十字型に分断する帯状の仕切り形成領域(44a,44b,44c及び44d)を有し、且つ、該仕切り形成領域が交差する領域が透孔49である。
【0027】
上記4つの仕切り形成領域をそれぞれ長手方向の中心線が上方に向かって突出するように折り曲げることで、図11に示すように円を4等分に区切る仕切り(44’a,44’b,44’c及び44’d)を一体に有する台生地が形成される。このとき、4つの仕切り形成領域が交差した中心の四角形が透孔であるため、4つの仕切りをちょうど中心で、重複なく合わせることができる。この台生地を用いることにより、4つの具材収容部が得られ、この4つの具材収容部にそれぞれ異なる具材を収容することができ、より多くの種類の具材を一度に食することができる。
【0028】
さらに、本発明の第五の態様においては、互いに交差する複数の仕切り形成領域を有する台生地素地を用いて、四角形状の台生地を形成する。本態様では、図12に示すように、四角形の内部に、各辺に平行して帯状の仕切り形成領域(54b,54c,54d及び54e)を有し、且つ、該仕切り形成領域が交差する領域が透孔59とする。
【0029】
上記4つの仕切り形成領域をそれぞれ長手方向の中心線が上方に向かって突出するように折り曲げることで、図13に示すように、四角形の内部に、各辺と平行する仕切り(54’b,54’c,54’d及び54’e)を一体に有する台生地が形成される。このとき、4つの仕切り形成領域が交差した四隅の四角形が透孔であるため、それぞれの仕切りを重複なく合わせることができる。この台生地を用いることにより、例えば中央の具材収容部50aに主菜を入れ、周辺の具材収容部(50b,50c,50d及び50e)に同じであるか又はそれぞれ異なる具材を収容することができる。
【0030】
また他の実施形態において、図14に示すように、仕切り54’’b及び54’’dを倒し、この部分の仕切りをなくすことによって、台生地の四隅にも具材をもれなく収容することができる。
【0031】
図15は、第五の態様に従って製造された焼成後の加工食品の断面図である。各具材収容部(50a,50b,50d)にそれぞれ異なる具材が収容されており、例えば中央の具材収容部50aには米飯56が収容され、左右の具材収容部50b及び50dにはそれぞれ異なる惣菜57及び58が収容される。
【0032】
上記の各態様では、台生地に具材を載せた後、該具材の上から前記生地より成る蓋生地をのせ、台生地及び蓋生地の端部を合せて接合し、しかる後加熱する。蓋生地は、上記で混練した生地を適切な厚さに延ばし、仕切り形成領域を折り曲げた後の台生地の形状に合わせた形状に成形する。この蓋生地を、具材を載せた台生地上にのせ、台生地及び蓋生地の端部を合せて接合する。接合は、生地の間に糊状物質を挟んで接着してもよく、或いは生地を押圧して接着させてもよい。生地の周縁を例えばフォークなどで押さえることによって形良く接合してもよい。
【0033】
また成形した生地に、卵黄を塗布して焼成することによって良好な焼き色、艶等を付与することができる。焼成する際の温度、時間等の条件は、適宜選択すればよいが、例えばオーブンなどで230℃乃至250℃で約23分乃至28分焼成してもよい。
【0034】
本発明で用いられる生地は、小麦粉、油脂、水等を混練して作り、パイ生地、麺生地、菓子生地等の生地であってよい。例えば、圧延した生地に油脂を塗布するなどした後、折り畳んで多層状の生地層を形成し、これを適宜の形に切断して得られるパイ生地や、生地原料の中にバターを切り込んで混ぜ合わせたものを圧延もしくは展延し、これを折り畳んだ後、適宜の形に切断して得られるパイ生地を用いてもよい。
【0035】
生地の原料には小麦粉の他に、水、油脂、食塩等の調味料、添加剤などを加えることができるが、これに限定されるものではなく、適宜の材料を用いることができる。小麦粉は、薄力粉、中力粉、強力粉を適宜の割合で用いることができるが、強力粉が多すぎる場合は生地が固くなり、反対に、強力粉が少なすぎる場合は水分が多くなるため生地が脆くなってしまう。従って、原料の割合を適切にし、具材の食感を損ねず、且つ、成形された形体が崩れることなく喫食可能な程度の強度を持たせる配合にすることが好ましい。一つの態様において、加熱後の生地部分は、薄力粉と強力粉との和100重量部に対して、強力粉50乃至70重量部含み、また、薄力粉と強力粉との和100重量部に対して、油脂20重量部乃至25重量部含む。
【0036】
生地に用いる油脂は、バター、マーガリン、及び植物油などを用いることができる。具材の風味を損なわないためには植物油が好ましく、特に、綿花油、オリーブ油、クリスコ(商品名)、ダイズ油などが好ましい。植物油はまた、動物性油脂と比較して健康的であるため、植物油を使用することによって健康面に配慮した加工食品を製造することができる。油脂の量は、多過ぎると食感が脂っこくなるだけでなく、カロリー過多になり、反対に、油脂が少な過ぎる場合は生地が脆くなってしまう。生地に適切な油分を含ませることによって、焼成した生地の食感を具材に適したものに調節することができ、また、形体を崩れ難くすることができる。
【0037】
生地に加える水の配合量は、小麦粉や油脂などの配合量や、温度、湿度、更には焼成時の加熱温度や加熱時間などの条件に依存する。混練して作られた生地は、耳たぶ程度の固さを有することが好ましい。
【0038】
さらに、生地を作る際に、塩、砂糖、醤油、または他の調味料を混入させ、具材に合わせた適切な風味をつけてもよい。或いは、焼成後に調味料を振り掛けるなどして適切な風味をつけてもよい。
【0039】
本発明の加工食品の大きさは、略円形状の場合、例えば米飯を包含する場合は直径15乃至18cmとし、惣菜を包含する場合は直径13乃至14cmとしてもよい。包容体のサイズを一定とすることで、含有されるカロリーを一定にすることができ、また、個々にカロリー計算する手間を省くことができる。
【0040】
本発明の方法によれば、生地を所定の形状に形成して折り曲げるだけで、仕切りを一体に有する台生地を極めて簡便に形成することができ、複数具材を包容する加工食品を簡便に製造することが可能である。このような本発明の方法に従って製造された加工食品は、仕切りを有することにより、複数の具材が混合することを防ぎ、具材の食感や風味を損なわずに維持することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第一の態様における台生地の形状を示す図。
【図2】第一の態様における台生地を折り曲げる途中の斜視図。
【図3】第一の態様における台生地を折り曲げた斜視図。
【図4】第一の態様における加工食品の断面図。
【図5】第一の態様における台生地の他の実施形態の形状を示す図。
【図6】第二の態様における台生地の形状を示す図。
【図7】第二の態様における加工食品の断面図。
【図8】第三の態様における台生地の形状を示す図。
【図9】第三の態様における台生地を折り曲げた斜視図。
【図10】第四の態様における台生地の形状を示す図。
【図11】第四の態様における台生地を折り曲げた斜視図。
【図12】第五の態様における台生地の形状を示す図。
【図13】第五の態様における台生地を折り曲げた斜視図。
【図14】第五の態様における台生地を折り曲げた他の実施形態を示す斜視図。
【図15】第五の態様における加工食品の断面図。
【符号の説明】
【0042】
1…具材収容部、2…山折れ線、3…谷折れ線、4…仕切り形成領域、4’…仕切り、5…蓋、6…米飯、7…惣菜、30…具材収容部、31…糊代部、34…仕切り形成領域、34’…仕切り、39…係合切欠き部、49…透孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦粉、油脂及び水を混練して生地を作り、該生地から、仕切り形成領域を有する台生地素地を作る工程と、
該台生地素地の仕切り形成領域を折り曲げて、上面に仕切りが一体に形成された台生地を形成する工程と、
該台生地上に複数の具材を、仕切りによりそれぞれ分離されるように載せる工程と、
具材を載せた台生地上に蓋生地を載せ、前記台生地の端部と該蓋生地の端部を合せて接合する工程と、
このように接合された台生地、具材及び蓋生地を加熱する工程とを具備し、
前記台生地素地の仕切り形成領域は、該台生地素地の外周縁に中央部に向かう切欠きを有することを特徴とする、複数種類の具材を包容する加工食品の製造方法。
【請求項2】
前記台生地素地は複数のパーツから構成され、夫々の台生地素地パーツが、仕切り形成領域、該夫々の台生地素地パーツを結合するための糊代部及び係合切欠き部を有することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
小麦粉、油脂及び水を混練して生地を作り、該生地から、互いに交差する複数の仕切り形成領域を有する台生地素地を作る工程と、
該台生地素地の仕切り形成領域を折り曲げて、互いに交差する複数の仕切りが上面に一体に形成された台生地を形成する工程と、
該台生地上に複数の具材を、仕切りによりそれぞれ分離されるように載せる工程と、
具材を載せた台生地上に蓋生地を載せ、前記台生地の端部と該蓋生地の端部を合せて接合する工程と、
このように接合された台生地、具材及び蓋生地を加熱する工程とを具備し、
前記台生地素地の仕切り形成領域は、該台生地素地の外周縁に中央部に向かう切欠きを有し、且つ、複数の仕切り形成領域が交差する領域が透孔であることを特徴とする、複数種類の具材を包容する加工食品の製造方法。
【請求項4】
前記台生地が円形状であり、前記台生地素地が、円の中心線と平行して該円を分断する帯状の仕切り形成領域を有し、該仕切り形成領域を長手方向の中心線が上方に向かって突出するように折り曲げることによって、仕切りを一体に有する台生地を形成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記仕切り形成領域が、前記台生地素地を任意の割合で分断するように配置されることを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記台生地素地が、2つの平行に配置された仕切り形成領域を有し、前記台生地が一体に形成された2つの仕切りを有することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
第一の台生地が半円形状であり、該第一の台生地を形成するための台生地素地が、その直線部に平行して帯状の仕切り形成領域、及び、中央に切欠き部を備える糊代部を有し、第二の台生地が半円形状であり、該第二の台生地を形成するための台生地素地が、その直線部と直交して等分に分断する帯状の仕切り形成領域を有し、夫々の仕切り形成領域を長手方向の中心線が上方に向かって突出するように折り曲げることによって、仕切りを一体に有する台生地をそれぞれ形成し、夫々の台生地を組み合わせることを特徴とする、請求項2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記第二の台生地素地が、その直線部分において、前記仕切り形成領域以外の領域にさらに糊代部を有する、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記台生地が円形状であり、この台生地を形成するための台生地素地が、円の中心点を通って該円を十字型に分断する帯状の仕切り形成領域を有し、該仕切り形成領域を長手方向の中心線が上方に向かって突出するように折り曲げることによって仕切りを形成することを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
【請求項10】
前記台生地が四角形状であり、この台生地を形成するための台生地素地が、四角形の各辺に平行して帯状の仕切り形成領域を有し、該仕切り形成領域を長手方向の中心線が上方に向かって突出するように折り曲げることによって仕切りを形成することを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
【請求項11】
前記台生地の形状が、円、楕円、矩形、三角形、ハート型及び星型から成る群から選択される、請求項1〜3の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項12】
前記台生地と一体に形成された仕切りの高さが、該仕切りを上方に伸ばして所望の高さに調節されることを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の製造方法。
【請求項13】
前記生地を一定の厚さに延ばし、抜き型で抜いて所望の形状の台生地素地を得ることを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記台生地素地の下に折目のついた折型を当てて折り曲げ、台生地を形成することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−100695(P2009−100695A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276765(P2007−276765)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(504162925)
【Fターム(参考)】