説明

複素環で置換された縮合ピラゾール誘導体およびその使用

この記載は、新しい複素環で置換された縮合ピラゾール誘導体、その製造方法、疾患の処置および/または予防のための、単独または組合せにおけるその使用、および、疾患の処置および/または予防用の、特に心血管障害の処置および/または予防用の医薬の製造におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、新規の複素環で置換された縮合ピラゾール誘導体、それらの製造方法、疾患の処置および/または予防のための、単独または組合せにおけるそれらの使用、および、疾患の処置および/または予防用の、特に心血管障害の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳動物細胞における最も重要な細胞の伝達システムの1つは、環状グアノシン一リン酸(cGMP)である。内皮から放出され、ホルモン的および機械的シグナルを伝達する一酸化窒素(NO)と共に、それは、NO/cGMPシステムを形成する。グアニル酸シクラーゼは、グアノシン三リン酸(GTP)からのcGMPの生合成を触媒する。今日までに開示されたこのファミリーの代表例は、構造的特徴およびリガンドのタイプの両方に従って、2つのグループに分類できる:ナトリウム利尿ペプチドにより刺激され得る粒子性グアニル酸シクラーゼ、および、NOにより刺激され得る可溶性グアニル酸シクラーゼ。可溶性グアニル酸シクラーゼは2個のサブユニットからなり、恐らくヘテロ二量体毎に1個のヘムを含有し、それは調節部位の一部である。後者は、活性化メカニズムにとって中心的に重要なものである。NOは、ヘムの鉄原子に結合でき、かくして、この酵素の活性を顕著に増加させる。一方、ヘムを含まない調製物は、NOにより刺激され得ない。一酸化炭素(CO)もヘムの中心鉄原子に結合できるが、COによる刺激は、NOによるものよりも顕著に少ない。
【0003】
cGMPの産生、および、それに起因するホスホジエステラーゼ、イオンチャネルおよびタンパク質キナーゼの調節を介して、グアニル酸シクラーゼは、様々な生理的過程において、特に、平滑筋細胞の弛緩および増殖において、血小板の凝集および接着において、神経のシグナル伝達において、上述の過程の欠陥に起因する障害において、重要な役割を果たす。病的条件下では、NO/cGMP系は抑制されることがあり、例えば、高血圧、血小板活性化、細胞増殖の増加、内皮の機能不全、アテローム性動脈硬化、狭心症、心不全、心筋梗塞、血栓症、卒中および性機能不全を導き得る。
【0004】
NOから独立した、生物におけるcGMPシグナル伝達経路に影響を与えることを目的とするそのような障害の可能な処置方法は、予測される高い有効性および少ない副作用のために、有望なアプローチである。
【0005】
有機硝酸塩などの、それらの効果がNOをベースとする化合物は、今日まで、可溶性グアニル酸シクラーゼの治療的刺激に専ら使用されてきた。NOは、生物変換により産生され、ヘムの中心鉄原子に結合することにより、可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。副作用の他に、耐性の発生がこの処置様式の重大な欠点の1つである。
【0006】
例えば、3−(5'−ヒドロキシメチル−2'−フリル)−1−ベンジルインダゾール [YC-1, Wu et al., Blood 84 (1994), 4226; Muelsch et al., Brit. J. Pharmacol. 120 (1997), 681]、脂肪酸 [Goldberg et al., J. Biol. Chem. 252 (1977), 1279]、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート [Pettibone et al., Eur. J. Pharmacol. 116 (1985), 307]、イソリキリチゲニン(isoliquiritigenin)[Yu et al., Brit. J. Pharmacol. 114 (1995), 1587] および様々な置換ピラゾール誘導体(WO98/16223)などの、可溶性グアニル酸シクラーゼを直接(即ち、事前のNO放出を伴わずに)刺激するいくつかの物質が、近年記載された。
【0007】
さらなる複素環により置換された縮合ピラゾール誘導体は、とりわけ、WO98/16507、WO98/23619およびWO00/06569に、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激因子として記載されている。しかしながら、これらの化合物は、例えば、それらの肝臓での挙動、それらの薬物動態的挙動、それらの用量−活性関係および/またはそれらの代謝経路などの、それらのインビボの特性に関して欠点を有することが判明した。
【0008】
ある種の複素環により置換されたインダゾール類、および、緑内障および多発性硬化症における電位依存性ナトリウムチャネルの遮断のためのそれらの使用は、WO01/57024で特許請求されている。さらに、WO2005/030121は、複素環により置換された縮合ピラゾール誘導体を、腫瘍障害の処置のために特許請求している。
【0009】
A. Straub et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 11, 781-784 (2001) は、化合物1−(2−フルオロベンジル)−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンの穏やかな血管弛緩効果を報告している。様々な1−ベンジル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−1H−インダゾール誘導体が、G. Corsi et al., J. Med. Chem. 19 (6), 778-783 (1976) から知られている。
【0010】
本発明の目的は、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激因子として作用し、先行技術から知られている化合物と比較して、改善された治療的プロフィールを有する新規物質を提供することであった。
【0011】
この目的は、ここに記載する本発明の化合物により達成される。これらの化合物は、3位である種のNH−酸性複素環に結合している縮合ピラゾールコア構造を特徴とする。
【発明の開示】
【0012】
特に、本発明は、一般式(I)
【化1】

[式中、
Aは、CH、CRまたはNを表し、
Dは、AがNである場合、CH、CRまたはNを表し、AがCHまたはCRである場合、CHまたはCRを表し、
は、フェニル、ピリジル、フリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリルまたはイソオキサゾリルを表し、これらは各々、ハロゲン、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチルおよび(C−C)−アルキニルからなる群からの2個までの同一または異なる置換基により置換されていてもよいか、
または、
(C−C)−シクロアルキルを表し、これは、フッ素および(C−C)−アルキルからなる群からの2個までの同一または異なる置換基により置換されていてもよく、
は、式
【化2】

{式中、
*は、ピラゾール環への結合点を表し、
Xは、OまたはSを表し、
は、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルを表し、
ここで、(C−C)−アルキルは、5個までのフッ素により、そして、(C−C)−シクロアルキル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アシルオキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−アシルアミノ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、5員または6員の複素環および式−C(=O)−NRの基(式中、RおよびRは、相互に独立して、水素または(C−C)−アルキルを表す)からなる群からの2個までの同一または異なる置換基により置換されていてもよく、
は、(C−C)−アルキルを表し、これは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノまたは3個までのフッ素により置換されていてもよく、
は、上記Rの意味を有し、
は、水素または(C−C)−アルキルを表すか、
または、
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、スピロ結合した(spiral-linked)3員ないし6員のシクロアルキル環を形成している}
の基を表し、
は、ハロゲン、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、(C−C)−アルコキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される置換基を表し、
そして、
nは、0、1または2の数を表し、
ここで、置換基Rが1個より多く存在するならば、その意味は同一であっても異なっていてもよい]
の化合物、並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物に関する。
【0013】
本発明による化合物は、式(I)の化合物並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、式(I)に包含される後述の式の化合物並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、および、式(I)に包含される例示的実施態様として後述する化合物並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物(式(I)に包含される後述の化合物が、まだ塩、溶媒和物および塩の溶媒和物ではない場合に)である。
【0014】
本発明による化合物は、それらの構造次第で、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。従って、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの各々の混合物に関する。立体異性的に純粋な構成分は、そのようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、既知方法で単離できる。
本発明による化合物が互変異性体で存在できるならば、本発明は、全ての互変異性体を含む。
【0015】
本発明の目的上、好ましいは、本発明による化合物の生理的に許容し得る塩である。しかしながら、それら自体は医薬適用に適さないが、例えば本発明による化合物の単離または精製に使用できる塩も包含される。
【0016】
本発明による化合物の生理的に許容し得る塩には、無機酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
【0017】
本発明による化合物の生理的に許容し得る塩には、また、常套の塩基の塩、例えば、そして、好ましくは、アルカリ金属塩(例えばナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアまたは1個ないし16個のC原子を有する有機アミン(例えば、そして、好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジン)から誘導されるアンモニウム塩も含まれる。
【0018】
溶媒和物は、本発明の目的上、固体または液体状態で溶媒分子との配位により錯体を形成している本発明による化合物の形態を表す。水和物は、配位が水と起こる、溶媒和物の特別な形態である。本発明に関して好ましい溶媒和物は水和物である。
【0019】
本発明は、また、本発明による化合物のプロドラッグも包含する。用語「プロドラッグ」は、それら自体は生物学的に活性であっても不活性であってもよいが、それらの体内残存時間中に(例えば代謝的または加水分解的に)本発明による化合物に変換される化合物を包含する。
【0020】
本発明に関して、置換基は、断りの無い限り以下の意味を有する:
(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−アルキルは、本発明に関して、1個ないし8個、1個ないし6個、および、1個ないし4個の炭素原子を各々有する、直鎖または分枝鎖のアルキルラジカルである。好ましいのは、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルラジカルである。以下のラジカルは、例として、そして好ましいものとして言及し得る:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、1−エチルプロピル、n−ペンチルおよびn−ヘキシル。
【0021】
(C−C)−アルキニルは、本発明に関して、2個ないし4個の炭素原子および三重結合を有する直鎖または分枝鎖のアルキニルラジカルである。好ましいのは、2個ないし4個の炭素原子を有する直鎖アルキニルラジカルである。以下のラジカルは、例として、そして好ましいものとして言及し得る:エチニル、n−プロプ−1−イン−1−イル、n−プロプ−2−イン−1−イル、n−ブト−1−イン−1−イル、n−ブト−2−イン−1−イルおよびn−ブト−3−イン−1−イル。
【0022】
(C−C)−アルコキシは、本発明に関して、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシラジカルである。以下のラジカルは、例として、そして好ましいものとして言及し得る:メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシおよびtert−ブトキシ。
【0023】
(C−C)−アルコキシカルボニルは、本発明に関して、カルボニル基を介して結合している、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシラジカルである。以下のラジカルは、例として、そして好ましいものとして言及し得る:メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニル。
【0024】
モノ−(C−C)−アルキルアミノおよびモノ−(C−C)−アルキルアミノは、本発明に関して、1個ないし4個および1個ないし3個の炭素原子を各々有する直鎖または分枝鎖のアルキル置換基を有するアミノ基である。以下のラジカルは、例として、そして好ましいものとして言及し得る:メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノおよびtert−ブチルアミノ。
【0025】
ジ−(C−C)−アルキルアミノおよびジ−(C−C)−アルキルアミノは、本発明に関して、1個ないし4個および1個ないし3個の炭素原子を各々有する2個の同一かまたは異なる直鎖または分枝鎖のアルキル置換基を有するアミノ基である。以下のラジカルは、例として、そして好ましいものとして言及し得る:N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N,N−ジイソプロピルアミノ、N−n−ブチル−N−メチルアミノおよびN−tert−ブチル−N−メチルアミノ。
【0026】
(C−C)−アシル[(C−C)−アルカノイル]は、本発明に関して、1位に二重結合した酸素原子を有し、1位を介して結合している、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルラジカルである。以下のラジカルは、例として、そして好ましいものとして言及し得る:ホルミル、アセチル、プロピオニル、n−ブチリルおよびイソブチリル。
【0027】
(C−C)−アシルアミノは、本発明に関して、1個ないし4個の炭素原子を有し、カルボニル基を介して窒素原子に結合している直鎖または分枝鎖のアシル置換基を有するアミノ基である。以下のラジカルは、例として、そして好ましいものとして言及し得る:ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミド、n−ブチルアミドおよびイソブチルアミド。
【0028】
(C−C)−アシルオキシは、本発明に関して、1位に二重結合した酸素原子を有し、さらなる酸素原子を介して1位で結合している、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルラジカルである。以下のラジカルは、例として、そして好ましいものとして言及し得る:アセトキシ、プロピオンオキシ、n−ブチルオキシおよびイソブチルオキシ。
【0029】
(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−シクロアルキルおよび(C−C)−シクロアルキルは、本発明に関して、3個ないし7個、3個ないし6個および5個ないし7個の環の炭素原子を各々有する単環式飽和シクロアルキル基である。以下のラジカルは、例として、そして好ましいものとして言及し得る:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル。
【0030】
5員または6員の複素環は、本発明に関して、N、OおよびSからなる群からの1個または2個の環のヘテロ原子を含有し、環の炭素原子を介して、または、必要に応じて、環の窒素原子を介して結合している、全部で5個または6個の環の原子を有する飽和複素環である。好ましいのは、NおよびOからなる群からの1個または2個の環のヘテロ原子を有する5員または6員の複素環である。言及し得る例は:ピロリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニルおよびチオモルホリニルである。好ましいのは、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルである。
【0031】
ハロゲンは、本発明に関して、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。好ましいのは、塩素またはフッ素である。
【0032】
本発明による化合物中のラジカルが置換されているならば、断りの無い限り、そのラジカルは、一置換または多置換されていてよい。本発明に関して、1個より多く存在する全てのラジカルは、相互に独立した意味を有する。1個、2個または3個の同一または異なる置換基による置換が好ましい。1個の置換基による置換がことさら特に好ましい。
【0033】
本発明に関して、好ましいのは、式中、
AがNを表す、
式(I)の化合物である。
【0034】
本発明に関して、また、好ましいのは、式中、
DがCHを表す、
式(I)の化合物である。
【0035】
本発明に関して、同様に、好ましいのは、式中、
が、フェニルまたはチエニルを表し、その各々は、フッ素、塩素、シアノ、メチルおよびトリフルオロメチルからなる群からの2個までの同一または異なる置換基により置換されていてもよいか、
または、
シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを表し、その各々は、フッ素およびメチルからなる群からの2個までの同一または異なる置換基により置換されていてもよい、
式(I)の化合物である。
【0036】
本発明に関して、特に好ましいのは、式中、
Aが、Nを表し、
Dが、CHを表し、
が、フェニルまたはチエニルを表し、その各々は、フッ素、塩素、シアノ、メチルおよびトリフルオロメチルからなる群からの同一かまたは異なる置換基により一置換または二置換されているか、または、シクロヘプチルを表し、
が、式
【化3】

{式中、
*は、ピラゾール環への結合点を表し、
Xは、OまたはSを表し、
は、水素または(C−C)−アルキルを表し、
ここで、(C−C)−アルキルは、5個までのフッ素により、そして、(C−C)−シクロアルキル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、アセトキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、アセチルアミノ、(C−C)−アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノおよび式−C(=O)−NRの基(式中、RおよびRは、相互に独立して、水素または(C−C)−アルキルを表す)からなる群からの2個までの同一または異なる置換基により置換されていてもよく、
は、上記Rの意味を有し、
そして、Rは、水素を表す}
の基を表し、
が、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、アミノ、メトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される置換基を表し、
そして、
nが0または1の数を表す、
式(I)の化合物、並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0037】
本発明に関して、ことさら特に好ましいのは、式中、
Aが、Nを表し、
Dが、CHを表し、
が、フェニルを表し、それは、フッ素により一置換または二置換されており、
が、式
【化4】

{式中、
*は、ピラゾール環への結合点を表し、
そして、
は、水素または(C−C)−アルキルを表し、これは、3個までのフッ素により置換されていてもよい}
の基を表し、
そして、
nが、0の数を表す、
式(I)の化合物、並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0038】
ラジカルの各々の組合せまたは好ましい組合せにおいて特別に示されるラジカルの定義は、また、それらのラジカルについて示される特定の組合せに拘わらず、所望により他の組合せのラジカルの定義によっても置き換えられる。
2個またはそれ以上の上述の好ましい範囲の組合せがことさら特に好ましい。
【0039】
本発明は、さらに、本発明による式(I)の化合物の製造方法を提供し、それは、以下のいずれかを特徴とする。
[A]式(II)
【化5】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物を、先ず、ヒドロキシルアミンで、式(III)
【化6】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
のN'−ヒドロキシアミジンに変換し、次いで、これを、
【0040】
[A−1]塩基の存在下、ホスゲン、ホスゲン誘導体、例えばジホスゲンまたはトリホスゲン、N,N−カルボニルジイミダゾールまたは式(IV)
【化7】

(式中、Tは、(C−C)−アルキルを表す)
のクロロホルメートにより、式(I−A)
【化8】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換するか、
または、
【0041】
[A−2]塩基の存在下、チオホスゲンまたはN,N'−チオカルボニルジイミダゾールにより、式(I−B)
【化9】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換するか、
または、
【0042】
[A−3]先ず、N,N'−チオカルボニルジイミダゾールにより、次いで、三フッ化ホウ素により、式(I−C)
【化10】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換する、
あるいは、
【0043】
[B]式(V)
【化11】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有し、
そして、Tは、メチルまたはエチルを表す)
の化合物を、先ず、ヒドラジンにより式(VI)
【化12】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換し、次いで、これを、
【0044】
[B−1]ホスゲン、ホスゲン誘導体、例えばジホスゲンまたはトリホスゲン、または、N,N'−カルボニルジイミダゾールにより、式(I−D)
【化13】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換するか、
または、
【0045】
[B−2]式(VII)
【化14】

(式中、R5Aは、上記Rの意味を有するか、または、2,4−ジメトキシベンジルを表す)
のイソシアネートにより、式(VIII)
【化15】

(式中、A、D、R、R、R5Aおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換し、次いで、塩基を利用して、式(I−E)
【化16】

(式中、A、D、R、R、R5Aおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に環化し、
【0046】
5Aが2,4−ジメトキシベンジルを表す変法では、次いで、対応する式(I−E)の化合物を、塩基の存在下、式(IX)
【化17】

(式中、R4Aは、請求項1ないし請求項3のいずれかに示すRの意味を有するが、水素を表さず、
そして、Xは、脱離基、例えばハロゲン、メシレート、トシレートまたはトリフレートを表す)
の化合物により、式(X)
【化18】

(式中、A、D、R、R、R4Aおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換し、次いで、2,4−ジメトキシベンジル基を、酸を利用して除去し、式(I−F)
【化19】

(式中、A、D、R、R、R4Aおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物を得る、
または、
【0047】
[C]式(XI)
【化20】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物を、先ず、式(XII)
【化21】

(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物と結合させ、式(XIII)
【化22】

(式中、A、D、R、R、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、これを、塩化ホスホリルにより、式(I−G)
【化23】

(式中、A、D、R、R、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に環化し、
得られる本発明による化合物を、必要に応じて、適切な(i)溶媒および/または(ii)酸もしくは塩基により、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換する。
【0048】
工程(II)→(III)、(III)→(I−A)、(III)→(I−B)、(VI)→(I−D)、(VI)+(VII)→(VIII)および(I−E)+(IX)→(X)用の不活性溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油留分などの炭化水素類、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼンまたはクロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素類、または、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N'−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、N−メチルピロリドン(NMP)またはアセトニトリルなどの他の溶媒である。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましいのは、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、トルエン、キシレンまたはこれらの溶媒の混合物を使用することである。
【0049】
工程(V)→(VI)は、好ましくは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなどのアルコール中、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル中、または、溶媒としてのこれらの混合物中で実施する。好ましいのは、メタノールとテトラヒドロフランの混合物を使用することである。
【0050】
工程(VIII)→(I−E)は、好ましくは、水中、または、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルホキシドなどの溶媒中で実施する。
【0051】
工程(III)→(I−A)、(III)→(I−B)、(VIII)→(I−E)および(I−E)+(IX)→(X)に適する塩基は、常套の無機または有機塩基である。これらには、好ましくは、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムまたは炭酸セシウム、アルカリ金属水素化物、例えば、水素化ナトリウムまたは水素化カリウム、アミド類、例えば、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはリチウムジイソプロピルアミド、有機アミン類、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO(登録商標))または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)が含まれる。好ましいのは、炭酸セシウム、水素化ナトリウムまたはピリジンを使用することである。
【0052】
上述の反応は、一般的に、関連する反応パートナーの反応性に応じて、0℃ないし+140℃の温度範囲で実施する。これらの反応は、大気圧、加圧または減圧(例えば、0.5ないし5bar)で実施できる。一般に、これらの反応は、大気圧で実施する。
【0053】
連続反応(III)→(I−C)は、文献に記載の方法と同様に実施する[Y. Kohara et al., J. Heterocycl. Chem. 37, 1419 (2000) 参照]。
【0054】
工程(X)→(I−F)における2,4−ジメトキシベンジル保護基の除去に適するのは、特に、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸または硫酸などの酸である。この反応は、好ましくは、トルエンまたは酢酸中、+20℃ないし+120℃の温度範囲で実施する。
【0055】
工程(XI)+(XII)→(XIII)の不活性溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油留分などの炭化水素類、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレンまたはクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、または、酢酸エチル、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N'−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリルまたはピリジンなどの他の溶媒である。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましいのは、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルまたはこれらの溶媒の混合物である。
【0056】
工程(XI)+(XII)→(XIII)のアミド形成に適する縮合剤は、例えば、カルボジイミド類、例えば、N,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、または、ホスゲン誘導体、例えば、N,N'−カルボニルジイミダゾール、または、1,2−オキサゾリウム化合物、例えば、2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム−3−サルフェート、または、2−tert−ブチル−5−メチルイソオキサゾリウムパークロレート、または、アシルアミノ化合物、例えば、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、または、イソブチルクロロホルメート、プロパンホスホン酸無水物(PPA)、ジエチルシアノホスホネート、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホリルクロリド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(Py−BOP)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、または、O−(1H−6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TCTU)であり、必要に応じて、1−ヒドロキシルベンゾトリアゾール(HOBt)、または、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)などのさらなる補助剤と、また、塩基として、アルカリ金属炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムまたは重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウム、または、有機塩基、例えば、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミン類、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジンまたはN,N−ジイソプロピルエチルアミンと組み合わせる。好ましいのは、DCCまたはEDCであり、各場合でHOBtおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンと組み合わせる。
【0057】
工程(XI)+(XII)→(XIII)は、一般的に、−20℃ないし+60℃、好ましくは、0℃ないし+40℃の温度範囲で実施する。この反応は、大気圧、加圧または減圧下で実施できる(例えば0.5ないし5bar)。一般に、この反応は、大気圧で実施する。
【0058】
工程(XIII)→(I−G)の環化は、過剰の塩化ホスホリルの中で、さらなる溶媒を用いずに、または、炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンまたはシクロヘキサン、または、ハロゲン化炭化水素、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレンまたはクロロベンゼンを、不活性溶媒として使用して、実施できる。
【0059】
式(II)の化合物は、式(XIV)
【化24】

(式中、A、D、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物を、不活性溶媒中、塩基の存在下、式(XV)
【化25】

(式中、Rは、上記の意味を有し、
そして、Xは、脱離基、例えば、ハロゲン、メシレート、トシレートまたはトリフレートを表す)
の化合物と反応させることにより、製造できる。
【0060】
工程(XIV)+(XV)→(II)のための不活性溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンまたは鉱油留分などの炭化水素類、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼンまたはクロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素類、または、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N'−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトン、アセトニトリルまたはピリジンなどの他の溶媒である。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましいのは、ジメチルホルムアミドを使用することである。
【0061】
工程(XIV)+(XV)→(II)に適する塩基は、常套の無機または有機塩基である。これらには、好ましくは、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ土類金属炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムまたは炭酸セシウム、アルカリ金属アルコキシド、例えば、ナトリウムtert−ブトキシドまたはカリウムtert−ブトキシド、アルカリ金属水素化物、例えば、水素化ナトリウムまたは水素化カリウム、アミド類、例えば、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはカリウムビス(トリメチルシリル)アミドまたはリチウムジイソプロピルアミド、有機金属化合物、例えば、ブチルリチウムまたはフェニルリチウム、または、有機アミン類、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたはピリジンが含まれる。好ましいのは、炭酸セシウムを使用することである。
【0062】
工程(XIV)+(XV)→(II)は、一般的に、0℃ないし+100℃、好ましくは+20℃ないし+50℃の温度範囲で実施する。この反応は、大気圧、加圧または減圧下で実施できる(例えば0.5ないし5bar)。一般に、この反応は、大気圧で実施する。
【0063】
式(XIV)の化合物は、文献から知られているか、または、文献から知られている方法と同様に製造できる[例えば、WO00/06569;G.M. Shutske et al., J. Heterocycl. Chem. 34, 789 (1997); H. Salkowski, Chem. Ber. 17, 506 (1884), ibid., 22, 2139 (1889); M.M. Abdel-Khalik et al., Synthesis, 1166 (2000)]。AがNを表し、DがCHを表し、nが0を表す式(XIV)の化合物は、また、2−フルオロピリジン(XVI)
【化26】

から、トリフルオロ酢酸エステルによりアシル化し、続いてヒドラジンと縮合し、式(XVII)
【化27】

の3−(トリフルオロメチル)ピラゾロピリジンを得、続いて(XVII)をアンモニアと反応させることにより、得ることもできる(反応スキーム1参照)。
【0064】
式(V)の化合物は、文献から知られているか、または、文献から知られている方法と同様に製造できる[例えば、WO 00/06569; Corsi et al., J. Med. Chem. 19, 778, 781 (1976); H. Harada et al., Chem. Pharm. Bull. 43, 1912 (1995); K. Rehse et al., Arch. Pharm. 337, 311 (2004) 参照]。例えば、AがNを表し、DがCHを表し、nが0を表す式(V)の化合物は、式(XVIII)
【化28】

(式中、Rは上記の意味を有する)
のヒドラジン誘導体を、式(XIX)
【化29】

(式中、Tは上記の意味を有する)
のシアノピルビン酸エステルのナトリウム塩と反応させ、式(XX)
【化30】

(式中、RおよびTは、上記の意味を有する)
の5−アミノピラゾール−3−カルボン酸エステルを得、続いて(XX)を3−ジメチルアミノアクロレインと縮合することにより得ることができる(例えば、WO00/06569に記載の製造方法を参照)。
【0065】
同様に、例えば、ヒドラジン誘導体(XVIII)をテトラシアノエチレンと反応させて式(XXI)
【化31】

(式中、Rは上記の意味を有する)
の5−アミノピラゾール−3,4−ジカルボニトリルを得、続いて(XXI)をトリエチルオルトホルメートおよびアンモニアと反応させることにより、AおよびDがNを表し、nが1を表し、Rが4−アミノを表す式(II)の化合物を得ることも可能である[反応スキーム4参照;例えば、F. Gatta et al., J. heterocycl. Chem. 26, 613 (1989) 参照]。
【0066】
式(XI)の化合物は、式(V)の化合物から、エステル加水分解により得ることができる。
式(IV)、(VII)、(IX)、(XII)、(XV)、(XVI)、(XVIII)および(XIX)の化合物は、購入できるか、文献から知られているか、または、文献から知られている方法と同様に製造できる。
【0067】
本発明による化合物の製造は、下記の合成スキームにより例示説明できる:
スキーム1
【化32】

[(a):1.LDA、THF;2.CFCOEt;3.ヒドラジン水和物;(b):aq.NH;(c):R−CH−X、塩基;(d):ヒドロキシルアミン]。
【0068】
スキーム2
【化33】

[(e):イソブチルクロロホルメート;(f):N,N'−チオカルボニルジイミダゾール;(g):1.N,N'−チオカルボニルジイミダゾール;2.BFxOEt]。
【0069】
スキーム3
【化34】

[(h):ヒドラジン水和物;(i):N,N'−カルボニルジイミダゾール;(k):R−NCO、式中、R=RまたはR=2,4−ジメトキシベンジル;(l):aq.NaOH;(m)(R=2,4−ジメトキシベンジル):R4A−X、塩基;(n)(R=2,4−ジメトキシベンジル):HSO/HOAcまたはp−トルエンスルホン酸、トルエン]。
【0070】
スキーム4
【化35】

[(o):テトラシアノエチレン;(p):1.HC(OEt);2.NH;(q):ヒドロキシルアミン;(r):イソブチルクロロホルメート]。
【0071】
スキーム5
【化36】

[(s):NaOH、水/ジオキサン;(t):HOBt、DCC、iPrEtN;(u):POCl]。
【0072】
本発明による化合物は、価値ある薬理特性を有し、ヒトおよび動物における障害の予防および処置に使用できる。
【0073】
本発明による化合物は、さらなる処置選択肢をもたらし、薬学を拡大する。先行技術から知られている物質と比較して、本発明による化合物は、驚くべきことに、改善された治療的プロフィールを有する。本発明による化合物の利点は、特に、経口投与後のそれらの血漿濃度の増加である。
【0074】
本発明による化合物は、血管弛緩、血小板凝集の阻害、血圧の低下および冠血流の増加を導く。これらの効果は、可溶性グアニル酸シクラーゼの直接刺激および細胞内cGMPの増加により媒介される。さらに、本発明による化合物は、例えば、EDRF(内皮由来弛緩因子)、NO供給源、プロトポルフィリンIX、アラキドン酸またはフェニルヒドラジン誘導体などの、cGMP濃度を高める物質の効果を増強する。
【0075】
従って、本発明による化合物は、心血管障害の処置用、例えば、高血圧および心不全、安定および不安定狭心症、肺高血圧、末梢および心臓の血管障害、不整脈の処置用、血栓塞栓性障害および虚血、例えば心筋梗塞、卒中、一過性および虚血性の発作、末梢血流の障害、再灌流障害の処置用、血栓溶解治療、経皮経管的血管形成術(PTA)、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)、バイパス術後の再狭窄の予防用、動脈硬化症、喘息性障害、並びに、前立腺肥大、勃起不全、女性の性機能不全および失禁などの泌尿器系の疾患、骨粗鬆症、緑内障並びに胃不全麻痺の処置用の医薬において用いることができる。
【0076】
本発明による化合物は、さらに、一次および二次レイノー現象、微小循環の障害、跛行、末梢および自律神経ニューロパシー、糖尿病性微小血管障害、糖尿病性網膜症、四肢の糖尿病性潰瘍、壊疽、CREST症候群、エリテマトーデス、爪真菌症、リウマチ性障害の処置、並びに創傷治癒の促進に使用できる。
【0077】
本発明による化合物は、さらに、急性および慢性肺疾患、例えば、呼吸促迫症候群(ALI、ARDS)および慢性閉塞性気道疾患(COPD)の処置、並びに、急性および慢性腎不全の処置に適する。
【0078】
本発明で説明する化合物は、また、NO/cGMP系の撹乱を特徴とする中枢神経系の疾患を制御するための有効成分でもある。それらは、特に軽度認知障害、加齢関連学習および記憶障害、加齢関連記憶喪失、血管性認知症、頭蓋大脳外傷、卒中、卒中後に生じる認知症(「卒中後認知症」)、外傷後の頭蓋大脳外傷、一般的な集中障害、学習記憶に問題のある小児の集中障害、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、ピック症候群を含む前頭葉の変性を伴う認知症、パーキンソン病、進行性核麻痺、大脳皮質基底核変性症を伴う認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、多発性硬化症、視床変性、クロイツフェルト−ヤコブ型認知症、HIV認知症、認知症を伴う統合失調症またはコルサコフ精神病などの症状/疾患/症候群に関連して生じるもののような、認知障害後の知覚力、集中力、学習力または記憶力の改善に特に適する。それらは、また、不安、緊張および抑鬱状態などの中枢神経系の障害、CNS関連性機能不全および睡眠障害の処置、および、食物、刺激物および嗜癖性物質の摂取の病的撹乱の制御にも適する。
【0079】
本発明による化合物は、さらに、脳血流の制御にも適し、従って、偏頭痛の制御に有効な物質である。それらは、また、卒中などの脳梗塞(脳卒中)、脳虚血および頭蓋脳外傷の後遺症の予防および制御にも適する。本発明による化合物は、同様に、疼痛状態の制御にも用いることができる。
【0080】
加えて、本発明による化合物は、抗炎症効果を有し、従って、抗炎症剤として用いることができる。
【0081】
本発明は、さらに、障害、特に上述の障害の処置および/または予防のための、本発明による化合物の使用に関する。
【0082】
本発明は、さらに、障害、特に上述の障害の処置および/または予防用の医薬を製造するための、本発明による化合物の使用に関する。
【0083】
本発明は、さらに、少なくとも1種の本発明による化合物の有効量を使用することによる、障害、特に上述の障害の処置および/または予防方法に関する。
【0084】
本発明による化合物は、単独で、または、必要であれば、他の有効成分と組み合わせて用いることができる。本発明は、さらに、特に上述の障害の処置および/または予防のための、少なくとも1種の本発明による化合物および1種またはそれ以上のさらなる有効成分を含む医薬に関する。好ましく言及し得る、適する組合せの有効成分の例は、以下のものである:
・有機硝酸塩およびNO供給源、例えば、ニトロプルシドナトリウム、ニトログリセリン、一硝酸イソソルビド、二硝酸イソソルビド、モルシドミンまたはSIN−1および吸入NO;
・環状グアノシン一リン酸(cGMP)の分解を阻害する化合物、例えば、ホスホジエステラーゼ(PDE)1、2および/または5の阻害剤、特にシルデナフィル、バルデナフィルおよびタダラフィルなどのPDE5阻害剤;
・例えば、そして好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝血剤または線維素溶解促進性物質の群からの、抗血栓活性を有する物質;
・例えば、そして好ましくは、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンAIIアンタゴニスト、ACE阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害剤、アルファ−受容体遮断薬、ベータ−受容体遮断薬、鉱質コルチコイド受容体アンタゴニストおよび利尿剤の群からの、血圧を下げる有効成分;および/または、
・例えば、そして好ましくは、甲状腺受容体アゴニスト、コレステロール合成阻害剤、例えば、そして好ましくは、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤またはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、CETP阻害剤、MTP阻害剤、PPAR−アルファ、PPAR−ガンマおよび/またはPPAR−デルタアゴニスト、コレステロール吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤、ポリマー性胆汁酸吸着剤、胆汁酸再吸収阻害剤およびリポタンパク質(a)アンタゴニストの群からの、脂質代謝を改変する有効成分。
【0085】
抗血栓活性を有する物質は、好ましくは、血小板凝集阻害剤、抗凝血剤または線維素溶解促進性物質の群からの化合物を意味する。
【0086】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、血小板凝集阻害剤、例えば、そして好ましくは、アスピリン、クロピドグレル、チクロピジンまたはジピリダモールと組み合わせて投与する。
【0087】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、トロンビン阻害剤、例えば、そして好ましくは、キシメラガトラン、メラガトラン、ビバリルジンまたはクレキサン(clexane)と組み合わせて投与する。
【0088】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、GPIIb/IIIaアンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、チロフィバンまたはアブシキシマブと組み合わせて投与する。
【0089】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、Xa因子阻害剤、例えば、そして好ましくは、リバロキサバン(rivaroxaban)(BAY59−7939)、DU−176b、アピキサバン(apixaban)、オタミキサバン(otamixaban)、フィデキサバン(fidexaban)、ラザキサバン(razaxaban)、フォンダパリナックス、イドラパリナックス、PMD−3112、YM−150、KFA−1982、EMD−503982、MCM−17、MLN−1021、DX9065a、DPC906、JTV803、SSR−126512またはSSR−128428と組み合わせて投与する。
【0090】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、ヘパリンまたは低分子量(LMW)ヘパリン誘導体と組み合わせて投与する。
【0091】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、ビタミンKアンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、クマリンと組み合わせて投与する。
【0092】
血圧を下げる物質は、好ましくは、カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンAIIアンタゴニスト、ACE阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、レニン阻害剤、アルファ−受容体遮断薬、ベータ−受容体遮断薬、鉱質コルチコイド受容体アンタゴニストおよび利尿剤の群からの化合物を意味する。
【0093】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、カルシウム拮抗薬、例えば、そして好ましくは、ニフェジピン、アムロジピン、ベラパミルまたはジルチアゼムと組み合わせて投与する。
【0094】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、アルファ−1−受容体遮断薬、例えば、そして好ましくは、プラゾシンと組み合わせて投与する。
【0095】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、ベータ−受容体遮断薬、例えば、そして好ましくは、プロプラノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、アルプレノロール、オクスプレノロール、ペンブトロール、ブプラノロール、メチプラノロール、ナドロール、メピンドロール、カラザロール(carazalol)、ソタロール、メトプロロール、ベタキソロール、セリプロロール、ビソプロロール、カルテオロール、エスモロール、ラベタロール、カルベジロール、アダプロロール(adaprolol)、ランジオロール、ネビボロール、エパノロールまたはブシンドロールと組み合わせて投与する。
【0096】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、アンジオテンシンAIIアンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、ロサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタンまたはエンブサルタン(embusartan)と組み合わせて投与する。
【0097】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、ACE阻害剤、例えば、そして好ましくは、エナラプリル、カプトプリル、リシノプリル、ラミプリル、デラプリル、ホシノプリル、キノプリル(quinopril)、ペリンドプリルまたはトランドプリル(trandopril)と組み合わせて投与する。
【0098】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、エンドセリンアンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、ボセンタン、ダルセンタン(darusentan)、アンブリセンタンまたはシタキセンタン(sitaxsentan)と組み合わせて投与する。
【0099】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、レニン阻害剤、例えば、そして好ましくは、アリスキレン、SPP−600またはSPP−800と組み合わせて投与する。
【0100】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、鉱質コルチコイド受容体アンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、スピロノラクトンまたはエプレレノンと組み合わせて投与する。
【0101】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、利尿剤、例えば、そして好ましくは、フロセミドと組み合わせて投与する。
【0102】
脂質代謝を改変する物質は、好ましくは、CETP阻害剤、甲状腺受容体アゴニスト、コレステロール合成阻害剤、例えばHMG−CoAレダクターゼ阻害剤またはスクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、MTP阻害剤、PPAR−アルファ、PPAR−ガンマおよび/またはPPAR−デルタアゴニスト、コレステロール吸収阻害剤、ポリマー性胆汁酸吸着剤、胆汁酸再吸収阻害剤、リパーゼ阻害剤およびリポタンパク質(a)アンタゴニストの群からの化合物を意味する。
【0103】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、CETP阻害剤、例えば、そして好ましくは、トルセトラピブ(CP529414)、JJT−705またはCETPワクチン(Avant)と組み合わせて投与する。
【0104】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、甲状腺受容体アゴニスト、例えば、そして好ましくは、D−チロキシン、3,5,3'−トリヨードサイロニン(T3)、CGS23425またはアキシチロム(axitirome)(CGS26214)と組み合わせて投与する。
【0105】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、スタチン類のクラスからのHMG−CoAレダクターゼ阻害剤、例えば、そして好ましくは、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチンまたはピタバスタチンと組み合わせて投与する。
【0106】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、スクアレン合成阻害剤、例えば、そして好ましくは、BMS−188494またはTAK−475と組み合わせて投与する。
【0107】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、ACAT阻害剤、例えば、そして好ましくは、アバシミブ(avasimibe)、メリナミド、パクチミブ(pactimibe)、エフルシミブ(eflucimibe)またはSMP−797と組み合わせて投与する。
【0108】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、MTP阻害剤、例えば、そして好ましくは、インプリタピド(implitapide)、BMS−201038、R−103757またはJTT−130と組み合わせて投与する。
【0109】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、PPAR−ガンマアゴニスト、例えば、そして好ましくは、ピオグリタゾンまたはロシグリタゾンと組み合わせて投与する。
【0110】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、PPAR−デルタアゴニスト、例えば、そして好ましくは、GW501516またはBAY68−5042と組み合わせて投与する。
【0111】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、コレステロール吸収阻害剤、例えば、そして好ましくは、エゼチミブ、チクエシド(tiqueside)またはパマクエシドと組み合わせて投与する。
【0112】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、リパーゼ阻害剤、例えば、そして好ましくは、オーリスタットと組み合わせて投与する。
【0113】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、ポリマー性胆汁酸吸着剤、例えば、そして好ましくは、コレスチラミン、コレスチポール、コレソルバム(colesolvam)、コレスタゲル(CholestaGel)またはコレスチミドと組み合わせて投与する。
【0114】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、胆汁酸再吸収阻害剤、例えば、そして好ましくは、ASBT(=IBAT)阻害剤、例えば、AZD−7806、S−8921、AK−105、BARI−1741、SC−435またはSC−635と組み合わせて投与する。
【0115】
本発明の好ましい実施態様では、本発明による化合物を、リポタンパク質(a)アンタゴニスト、例えば、そして好ましくは、ゲンカベン(gemcabene)カルシウム(CI−1027)またはニコチン酸と組み合わせて投与する。
【0116】
本発明は、さらに、少なくとも1種の本発明による化合物を、通常は1種またはそれ以上の、不活性、非毒性の医薬的に適する補助剤と共に含む医薬、および上述の目的でのそれらの使用に関する。
【0117】
本発明による化合物は、全身的および/または局所的に作用できる。この目的で、それらを、例えば、経口で、非経腸で、肺に、鼻腔に、舌下に、舌に、頬側に、直腸に、皮膚に、経皮で、結膜に、耳経路に、またはインプラントもしくはステントとしてなど、適する方法で投与できる。
本発明による化合物は、これらの投与経路に適する投与形で投与できる。
【0118】
経口投与に適するのは、先行技術に準じて機能し、本発明による化合物を迅速におよび/または改変された様式で送達し、本発明による化合物を結晶形および/または不定形および/または溶解形で含有する投与形、例えば、錠剤(非被覆または被覆錠剤、例えば、腸溶性被覆、または、不溶であるか、もしくは遅れて溶解し、本発明による化合物の放出を制御する被覆を有するもの)、口中で迅速に崩壊する錠剤、またはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥剤、カプセル剤(例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセル剤)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、粉末剤、乳剤、懸濁剤、エアゾル剤または液剤である。
【0119】
非経腸投与は、吸収段階を回避して(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内に)、または吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)、行うことができる。非経腸投与に適する投与形は、なかんずく、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤または滅菌粉末剤形態の注射および点滴用製剤である。
【0120】
他の投与経路に適するのは、例えば、吸入用医薬形態(なかんずく、粉末吸入器、噴霧器)、点鼻薬、液またはスプレー;舌に、舌下にまたは頬側に投与するための錠剤、フィルム/オブラートまたはカプセル剤、坐剤、耳または眼用製剤、膣用カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えば、パッチ)、ミルク、ペースト、フォーム、散布用粉末剤(dusting powder)、インプラントまたはステントである。
【0121】
経口または非経腸投与、特に経口投与が好ましい。
【0122】
本発明による化合物は、上述の投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性、医薬的に適する補助剤と混合することにより、それ自体既知の方法で行うことができる。これらの補助剤には、とりわけ、担体(例えば微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール類)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定化剤(例えば抗酸化剤、例えばアスコルビン酸など)、着色料(例えば無機色素、例えば酸化鉄など)および味および/または臭気の矯正剤が含まれる。
【0123】
非経腸投与で、約0.001ないし1mg/体重kg、好ましくは約0.01ないし0.5mg/体重kgの量を投与するのが、有効な結果を得るために有利であると一般的に証明された。経口投与では、投与量は、約0.01ないし100mg/体重kg、好ましくは約0.01ないし20mg/体重kg、ことさら特に好ましくは約0.1ないし10mg/体重kgである。
【0124】
それにも拘わらず、必要に応じて、特に、体重、投与経路、有効成分に対する個体の応答、製剤の性質および投与を行う時間または間隔に応じて、上述の量から逸脱することが必要であり得る。従って、上述の最小量より少なくても十分な場合があり得、一方上述の上限を超えなければならない場合もある。大量に投与する場合、これらを1日に亘る複数の個別投与量に分割するのが望ましいことがある。
【0125】
以下の例示的実施態様は、本発明を例示説明する。本発明は、これらの実施例に限定されない。
下記の試験および実施例における百分率のデータは、断りの無い限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度のデータは、各場合で体積を基準とする。
【実施例】
【0126】
A.実施例
略号:
【表1】

【0127】
LC/MSおよびHPLCの方法:
方法1(LC/MS):
装置:HPLC Agilent series 1100 を備えた Micromass Quattro LCZ; カラム: Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208−400nm。
【0128】
方法2(LC/MS):
MS装置タイプ:Micromass ZQ; HPLC 装置タイプ: Waters Alliance 2795; カラム: Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0129】
方法3(LC/MS):
MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:HP 1100 series; UV DAD; カラム: Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0130】
方法4(LC/MS):
MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:HP 1100 series; UV DAD; カラム: Phenomenex Gemini 3μ 30 mm x 3.00 mm;移動相A:水1l+50%強度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0131】
方法5(分取HPLC):
カラム:Grom-Sil 120 ODS-4HE, 10 μm, 250 mm x 30 mm;移動相A:水中の0.1%ギ酸、移動相B:アセトニトリル;流速:50ml/分;グラジエント:0−3分10%B、3−27分10%→95%B、27−34分95%B、34−38分10%B。
【0132】
方法6(LC/MS):
装置:HPLC Agilent series 1100を備えた Micromass Platform LCZ; カラム: Thermo Hypersil GOLD 3μ 20 mm x 4 mm;移動相A:水1l+50%強度ギ酸0.5ml、移動相B:アセトニトリル1l+50%強度ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→5.5分10%A;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm。
【0133】
方法7(分析用HPLC):
装置:DAD 検出を備えたHP 1100;カラム:Kromasil 100 RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;移動相A:HClO(70%強度)5ml/水1l、移動相B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B→0.5分2%B→4.5分90%B→9分90%B→9.2分2%B→10分2%B;流速:0.75ml/分;カラム温度:30℃;UV検出:210nm。
【0134】
方法8(分析用HPLC):
装置:DAD 検出を備えたHP 1100;カラム:Kromasil 100 RP-18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;移動相A:HClO(70%強度)5ml/水1l、移動相B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B→0.5分2%B→4.5分90%B→6.5分90%B→6.7分2%B→7.5分2%B;流速:0.75ml/分;カラム温度:30℃;UV検出:210nm。
【0135】
出発物質および中間体:
実施例1A
1−(2−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化37】

【0136】
段階a):
3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
【化38】

−75℃で、2−フルオロピリジン(2.00g、20.6mmol)を、新たに製造したTHF(60ml)中のLDA(22.7mmol)の溶液に添加する。溶液をこの温度で4時間撹拌する。トリフルオロ酢酸エチル(18.4g、130mmol)を、次いで迅速に添加し、内部温度は約40℃に上昇する。混合物をもう一度−75℃に冷却し、次いで、ヒドラジン水和物(28.9g、577mmol)を添加する。続いて、反応混合物を70℃で6時間加熱する。次いで、揮発性成分を減圧下で除去する。水(300ml)を残渣に添加し、激しく撹拌しながら、混合物を短時間加熱して沸騰させる。混合物を室温に冷まし、吸引濾過する。残渣を酢酸エチル(300ml)に取り、硫酸ナトリウムで乾燥し、活性炭で脱色する。濃縮し、表題化合物50g(理論値の55%)を僅かに黄色がかった固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.43 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.34 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.72 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H), 14.67 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.60 分.; MS (ESIpos): m/z = 188 [M+H]+.
【0137】
段階b):
1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化39】

33%強度の水性アンモニア溶液(10ml)中、3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(500mg、2.67mmol)を、マイクロ波中、140℃で10分間加熱する。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を70℃で酢酸エチル100mlおよびtert−ブチルメチルエーテル20mlによりトリチュレートする。不溶性成分をその温度で吸引濾過し、濾液を濃縮する。乾燥により、表題化合物346mg(理論値の90%)を明るいベージュ色の結晶として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.47 (dd, J = 8.2, 4.5 Hz, 1H), 8.46 (dd, J = 8.2, 1.5 Hz, 1H), 8.73 (dd, J = 4.5, 1.5 Hz, 1H), 15.02 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 1.30 分.; MS (ESIpos): m/z = 145 [M+H]+.
【0138】
段階c):
1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化40】

アルゴン下、炭酸セシウム(437mg、1.34mmol)を、DMF5ml中の1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(200mg、88%純度、1.22mmol)および2−フルオロ臭化ベンジル(253mg、1.34mmol)の溶液に添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌する。後処理に、1N塩酸1.5mlおよびDMSO3mlを添加する。得られる溶液を、分取HPLC(方法5)により直接精製する。これにより、表題化合物250mg(理論値の81%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.88 (s, 2H), 7.16-7.27 (m, 2H), 7.31-7.44 (m, 2H), 7.55 (dd, 1H), 8.51 (dd, 1H), 8.81 (dd, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.38 分.; MS (ESIpos): m/z = 253 [M+H]+.
【0139】
段階d):
1−(2−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化41】

ヒドロキシルアミン塩酸塩689mg(9.911mmol)を、DMSO25mlに溶解し、トリエチルアミン1.381ml(1.003g、9.911mmol)を撹拌しながら添加する。添加後、混合物を10分間撹拌し、形成される沈殿を濾過する。1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル500mg(1.982mmol)を濾液に少しずつ添加し、反応混合物を75℃で16時間撹拌する。混合物を冷却し、次いで水20mlを添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を高真空下で乾燥する。これにより、粗生成物718mgを得、それをこれ以上精製せずに次の反応に使用する。
LC/MS (方法 1): Rt = 1.82 分.; MS (ESIpos): m/z = 286 [M+H]+.
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 5.33 (s, 2H), 5.80 (s, 2H), 7.00-7.10 (m, 3H), 7.18-7.28 (m, 2H), 8.48-8.50 (m, 1H), 8.57-8.59 (m, 1H).
【0140】
実施例2A
1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボヒドラジド
【化42】

エチル1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシレート[WO03/095451、実施例2Aに従い製造]500mg(1.671mmol)を、メタノール3mlおよびTHF1.5mlの混合物中に溶解する。ヒドラジン一水和物1.625ml(1.672g、33.411mmol)を滴下して添加し、混合物を65℃で4時間加熱する。冷却後、反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、残渣を高真空下で乾燥する。これにより、粗生成物540mgを得、これ以上精製せずに次の反応に使用する。
LC/MS (方法 2): Rt = 1.47 分.; MS (ESIpos): m/z = 286 [M+H]+.
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 4.51 (s, 2H), 5.80 (s, 2H), 7.11-7.25 (m, 3H), 7.33-7.41 (m, 2H), 8.54 (dd, J = 8.1 および 1.5, 1H), 8.66 (dd, J = 4.4 および 1.5, 1H), 9.72 (br. s, 1H).
【0141】
実施例3A
2,4−ジメトキシベンジルイソシアネート
【化43】

2,4−ジメトキシベンジルアミン368mg(2.200mmol)を、ジクロロメタン25mlに溶解し、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液15mlを添加する。トリホスゲン652mg(2.200mmol)を少しずつ、0℃に冷却した反応混合物に添加し、反応混合物を0℃で30分間撹拌する。有機相を分離し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣(437mg)をこれ以上精製せずに次の反応に使用する[表題化合物の製造には、B.M. Trost, D.R. Fandrick, Org. Lett. 2005, 7, 823-826も参照]。
【0142】
実施例4A
N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−{[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]カルボニル}ヒドラジンカルボキサミド
【化44】

1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボヒドラジド600mg(2.057mmol、実施例2Aの粗生成物)を、ジクロロメタン6mlに溶解し、2,4−ジメトキシベンジルイソシアネート437mg(2.263mmol、実施例3Aの粗生成物)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌する。形成した沈殿を濾過し、少量のジクロロメタンで洗浄し、高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物825mg(理論値の84%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.74 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 4.12 (d, J = 5.62, 2H), 5.83 (s, 2H), 6.47 (dd, J = 8.3 および 2.2, 1H), 6.52 (d, J = 2.2, 1H), 6.66 (br. s, 1H), 7.12-7.26 (m, 4H), 7.33-7.39 (m, 1H), 7.42-7.45 (m, 1H), 7.98 (s, 1H), 8.55 (dd, J = 8.1 および 1.2, 1H), 8.69 (dd, J = 4.4 および 1.5, 1H), 10.14 (s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.98 分.; MS (ESIpos): m/z = 479 [M+H]+.
【0143】
実施例5A
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化45】

N−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−{[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]カルボニル}ヒドラジンカルボキサミド806mg(実施例4A、1.686mmol)を、2%水性水酸化ナトリウム溶液24mlに懸濁し、還流下で16時間加熱する。冷却後、1N塩酸を使用して反応混合物をpH3に酸性化する。形成される沈殿を濾過し、乾燥し、次いで酢酸エチルでトリチュレートする。固体を濾過し、高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物318mg(理論値の37%、LC/MSによると純度91%)。濾液を1N水性水酸化ナトリウム溶液で抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、残渣を高真空下で乾燥する。これにより、さらに表題化合物288mg(理論値の36%、LC/MSによると純度97%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.63 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 5.20 (s, 2H), 5.69 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 8.5 および 2.4, 1H), 6.49 (d, J = 2.4, 1H), 6.59 (d, J = 8.5, 1H), 6.90-6.98 (m, 2H), 7.10-7.17 (m, 1H), 7.27-7.33 (m, 1H), 7.39-7.42 (m, 1H), 8.52 (dd, J = 8.1 および 1.5, 1H), 8.66 (dd, J = 4.6 および 1.5, 1H), 12.18 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.33 分.; MS (ESIpos): m/z = 461 [M+H]+.
【0144】
実施例6A
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−メチル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化46】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン100mg(実施例5A、0.217mmol)を、DMF3mlに溶解する。炭酸セシウム142mg(0.434mmol)およびヨードメタン62mg(0.434mmol)を溶液に添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌する。後処理に、水を添加し、混合物をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物109mg(理論値の99%、LC/MSによると純度94%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.51 (s, 3H), 3.61 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 5.22 (s, 2H), 5.70 (s, 2H), 6.28-6.30 (m, 1H), 6.49 (d, J = 2.5, 1H), 6.63 (d, J = 8.6, 1H), 6.92-6.98 (m, 2H), 7.12-7.17 (m, 1H), 7.27-7.33 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.1 および 4.4, 1H), 8.54 (dd, J = 8.1 および 1.5, 1H), 8.69 (dd, J = 4.4 および 1.5, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.55 分.; MS (ESIpos): m/z = 475 [M+H]+.
【0145】
実施例7A
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−エチル−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化47】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン100mg(実施例5A、0.197mmol)を、DMF3mlに溶解する。炭酸セシウム142mg(0.434mmol)およびヨードエタン68mg(0.434mmol)を溶液に添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌する。後処理に、水を添加し、混合物をジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物77mg(理論値の65%、LC/MSによると、純度83%)。
LC/MS (方法 2): Rt = 2.51 分.; MS (ESIpos): m/z = 489 [M+H]+.
【0146】
実施例8A
2−{[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]カルボニル}−N−イソプロピルヒドラジンカルボキサミド
【化48】

1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボヒドラジド200mg(0.686mmol、実施例2Aの粗生成物)を、ジクロロメタン2mlに溶解し、イソプロピルイソシアネート64mg(0.754mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌する。形成された沈殿を濾過し、高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物180mg(理論値の70%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.06 (d, J = 6.6, 6H), 3.67-3.79 (m, 1H), 5.82 (s, 2H), 6.20 (d, J = 7.6, 1H), 7.13-7.44 (m, 5H), 7.76 (s, 1H), 8.54 (d, J = 8.1, 1H), 8.69 (d, J = 3.9, 1H), 10.01 (s, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 1.87 分.; MS (ESIpos): m/z = 371 [M+H]+.
【0147】
実施例9A
1−(2,3−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化49】

【0148】
段階a):
1−(2,3−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化50】

実施例1A/段階c)と同様に、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(90mg、0.62mmol)および2,3−ジフルオロ臭化ベンジル(142mg、0.69mmol)から、表題化合物127mg(理論値の75%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.93 (s, 2H), 7.12-7.23 (m, 2H), 7.43 (dd, 1H), 7.55 (dd, 1H), 8.51 (dd, 1H), 8.81 (dd, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.29 分.; MS (ESIpos): m/z = 271 [M+H]+.
【0149】
段階b):
1−(2,3−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化51】

実施例1A/段階d)と同様に、1−(2,3−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(58mg、0.22mmol)から、表題化合物65mgを粗生成物として得、それをこれ以上精製せずに次の反応に使用する。
LC/MS (方法 3): Rt = 2.15 分.; MS (ESIpos): m/z = 304 [M+H]+.
【0150】
実施例10A
1−(2,5−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化52】

【0151】
段階a):
1−(2,5−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化53】

実施例1A/段階c)と同様に、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(100mg、0.69mmol)および2,5−ジフルオロ臭化ベンジル(158mg、0.76mmol)により、表題化合物150mg(理論値の80%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.88 (s, 2H), 7.20-7.35 (m, 3H), 7.56 (dd, 1H), 8.52 (dd, 1H), 8.81 (dd, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.44 分.; MS (ESIpos): m/z = 271 [M+H]+.
【0152】
段階b):
1−(2,5−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化54】

実施例1A/段階d)と同様に、1−(2,5−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(75mg、0.28mmol)から、表題化合物84mgを粗生成物として得、それをこれ以上精製せずに次の反応に使用する。
LC/MS (方法 3): Rt = 2.12 分.; MS (ESIpos): m/z = 304 [M+H]+.
【0153】
実施例11A
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化55】

【0154】
段階a):
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化56】

実施例1A/段階c)と同様に、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(100mg、0.69mmol)および2,6−ジフルオロ臭化ベンジル(158mg、0.63mmol)から、表題化合物161mg(理論値の86%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.88 (s, 2H), 7.12-7.20 (m, 2H), 7.46-7.58 (m, 2H), 8.49 (dd, 1H), 8.82 (dd, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.20 分.; MS (ESIpos): m/z = 271 [M+H]+.
【0155】
段階b):
1−(2,6−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化57】

実施例1A/段階d)と同様に、1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(90mg、0.33mmol)から、表題化合物100mgを粗生成物として得、それをこれ以上精製せずに次の反応に使用する。
LC/MS (方法 1): Rt = 1.84 分.; MS (ESIpos): m/z = 304 [M+H]+.
【0156】
実施例12A
1−[(5−クロロ−2−チエニル)メチル]−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化58】

【0157】
段階a):
1−[(5−クロロ−2−チエニル)メチル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化59】

実施例1A/段階c)と同様に、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(100mg、90%純度、0.62mmol)および2−クロロ−5−(クロロメチル)チオフェン(125mg、0.75mmol)から、表題化合物130mg(理論値の74%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.97 (s, 2H), 7.01 (d, 1H), 7.12 (d, 1H), 7.56 (dd, 1H), 8.51 (dd, 1H), 8.82 (dd, 1H).
【0158】
段階b):
1−[(5−クロロ−2−チエニル)メチル]−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化60】

実施例1A/段階d)と同様に、1−[(5−クロロ−2−チエニル)メチル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(57mg、0.21mmol)から、表題化合物60mgを粗生成物として得、それをこれ以上精製せずに次の反応に使用する。
LC/MS (方法 1): Rt = 2.00 分.; MS (ESIpos): m/z = 308 [M+H]+.
【0159】
実施例13A
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−プロピル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化61】

実施例5Aの4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(300mg、0.65mmol)を、DMF(2.5ml)に懸濁し、水素化ナトリウム(鉱油中60%、78mg、1.96mmol)を添加する。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで1−ヨードプロパン(421mg、2.48mmol)を添加する。室温で20時間撹拌した後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。残渣を分取HPLCにより精製し、表題化合物241mg(理論値の74%)を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 0.92 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.79 (tq, J = 7.5, 6.9 Hz, 2H), 3.63 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.82 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 5.23 (s, 2H), 5.70 (s, 2H), 6.27 (dd, J = 8.3, 2.2 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.91-6.99 (m, 2H), 7.12-7.18 (m, 1H), 7.27 7.34 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.53 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.69 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.69 分.; MS (ESIpos): m/z = 503 [M+H]+.
【0160】
実施例14A
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−イソブチル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化62】

実施例13Aと同様に、4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例5A;300mg、0.65mmol)および1−ヨード−2−メチルプロパン(456mg、2.48mmol)から表題化合物を合成する。粗生成物を分取HPLCにより精製し、表題化合物241mg(理論値の72%)を白色結晶として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 0.94 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 2.12-2.25 (m, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.68 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 5.23 (s, 2H), 5.70 (s, 2H), 6.28 (dd, J = 8.3, 2.2 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.58 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.90-6.99 (m, 2H), 7.12-7.18 (m, 1H), 7.27-7.34 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.52 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.69 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.84 分.; MS (ESIpos): m/z = 517 [M+H]+.
【0161】
実施例15A
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−イソプロピル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化63】

実施例13Aと同様に、表題化合物を4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例5A;300mg、0.65mmol)および2−ヨードプロパン(421mg、2.48mmol)から合成する。粗生成物を分取HPLCにより精製し、表題化合物249mg(理論値の74%)を無色油状物として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.41 (d, J = 6.6 Hz, 6H), 3.63 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 4.47 (sept, J = 6.6 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 5.70 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 8.3, 2.2 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.58 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.89-6.99 (m, 2H), 7.12-7.18 (m, 1H), 7.27-7.34 (m, 1H), 7.43 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.56 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.69 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.72 分.; MS (ESIpos): m/z = 503 [M+H]+.
【0162】
実施例16A
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(2−フルオロエチル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化64】

実施例13Aと同様に、表題化合物を4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例5A;300mg、0.65mmol)および1−ブロモ−2−フルオロエタン(314mg、2.48mmol)から合成する。粗生成物を分取HPLCにより合成し、表題化合物250mg(理論値の76%)を白色結晶として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.61 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 4.18 (dt, J = 26.9, 4.8 Hz, 2H), 4.81 (dt, J = 47.2, 4.8 Hz, 2H), 5.24 (s, 2H), 5.71 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 8.3, 2.2 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.92-7.00 (m, 2H), 7.13-7.19 (m, 1H), 7.28-7.35 (m, 1H), 7.43 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.56 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.45 分.; MS (ESIpos): m/z = 507 [M+H]+.
【0163】
実施例17A
2−(2,2−ジフルオロエチル)−4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化65】

実施例13Aと同様に、4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例5A;300mg、0.65mmol)および2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタン(358mg、2.48mmol)から表題化合物を合成する。粗生成物を分取HPLCにより精製し、表題化合物273mg(理論値の76%)を白色結晶として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.60 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 4.33 (dt, J = 15.0, 3.5 Hz, 2H), 5.24 (s, 2H), 5.72 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 8.3, 2.2 Hz, 1H), 6.45 (tt, J = 54.8, 3.5 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.93-7.01 (m, 2H), 7.13-7.19 (m, 1H), 7.28-7.35 (m, 1H), 7.44 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.54 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.55 分.; MS (ESIpos): m/z = 525 [M+H]+.
【0164】
実施例18A
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化66】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例5A;100mg、0.22mmol)を、DMF(3.0ml)に懸濁し、炭酸セシウム(156mg、0.48mmol)および2,2,2−トリフルオロエチルトリクロロメチルスルホネート(122mg、0.43mmol)を添加する。室温で20時間撹拌した後、混合物をさらに3時間60℃に温める。次いで、混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。粗生成物を分取HPLCにより精製し、表題化合物119mg(理論値の99%)をベージュ色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.58 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 4.81 (q, J = 9.1 Hz, 2H), 5.24 (s, 2H), 5.72 (s, 2H), 6.28 (dd, J = 8.3, 2.2 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.96-7.02 (m, 2H), 7.16 (dd, J = 10.3, 8.3 Hz, 1H), 7.29-7.35 (m, 1H), 7.46 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.47 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.71 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.87 分.; MS (ESIpos): m/z = 543 [M+H]+.
【0165】
実施例19A
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(2−ヒドロキシエチル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化67】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例5A;50%純度、500mg、0.54mmol)をDMF(2.0ml)に懸濁し、水素化ナトリウム(鉱油中60%、65mg、1.63mmol)を添加する。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、2−ヨードエタノール(354mg、2.06mmol)を添加する。室温で20時間撹拌した後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。粗生成物を分取HPLCにより精製し、表題化合物199mg(理論値の73%)を明るいベージュ色の固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.63 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.75-3.80 (m, 2H), 3.90 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 4.90 (br. s, 1H), 5.23 (s, 2H), 5.70 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 8.3, 2.2 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.88-6.99 (m, 2H), 7.15 (dd, J = 10.3, 8.3 Hz, 1H), 7.27-7.34 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.55 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.55 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.69 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.29 分.; MS (ESIpos): m/z = 505 [M+H]+.
【0166】
実施例20A
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(3−ヒドロキシプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化68】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例5A;50%純度、500mg、0.54mmol)をDMF(2.5ml)に懸濁し、水素化ナトリウム(鉱油中60%、65mg、1.63mmol)を添加する。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、3−ヨード−1−プロパノール(388mg、2.06mmol)を添加する。室温で20時間撹拌した後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。粗生成物を分取HPLCにより精製し、表題化合物163mg(理論値の55%)を明るいベージュ色の固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.93 (tt, J = 7.1, 6.2 Hz, 2H), 3.51 (dt, J = 6.2, 5.0 Hz, 2H), 3.63 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.92 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 4.59 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 5.70 (s, 2H), 6.29 (dd, J = 8.3, 2.2 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.90-6.99 (m, 2H), 7.15 (dd, J = 10.3, 8.3 Hz, 1H), 7.27-7.34 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.54 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.69 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.36 分.; MS (ESIpos): m/z = 519 [M+H]+.
【0167】
実施例21A
4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(3−モルホリン−4−イルプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化69】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例5A;250mg、0.54mmol)を、DMF(2ml)に懸濁し、水素化ナトリウム(鉱油中60%、65mg、1.63mmol)を添加する。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、4−(3−クロロプロピル)モルホリン(338mg、2.06mmol)およびテトラ−n−ブチルアンモニウムヨージド(762mg、2.06mmol)を添加する。反応混合物を室温で20時間撹拌する。次いで、混合物を氷水中に撹拌し、酢酸エチルで抽出する。有機相の濃縮後、残渣を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物300mg(理論値の94%)を白色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.92 (五重線, J = 6.8 Hz, 2H), 2.30-2.37 (m, 6H), 3.53 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 3.61 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.90 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 5.23 (s, 2H), 5.70 (s, 2H), 6.28 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.91-6.99 (m, 2H), 7.15 (dd, J = 10.3, 8.3 Hz, 1H), 7.27-7.34 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.1, 4.7 Hz, 1H), 8.53 (dd, J = 8.1, 1.4 Hz, 1H), 8.69 (dd, J = 4.7, 1.4 Hz, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.57 分.; MS (ESIpos): m/z = 588 [M+H]+.
【0168】
実施例22A
3−{4−(2,4−ジメトキシベンジル)−3−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}プロパンニトリル
【化70】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例5A;194mg、0.42mmol)を、水酸化カリウム(4.2mg、0.075mmol)およびアクリロニトリル(2.0ml)と共に室温で2日間撹拌する。次いで、エタノール(4ml)を添加し、混合物を還流で加熱する。混合物を未溶解の残渣から吸引濾過する。濾液中に、さらなる生成物画分が沈殿する。この画分を吸引濾過し、全部で193mg(理論値の89%)の表題化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 3.09 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.63 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 4.14 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 5.24 (s, 2H), 5.71 (s, 2H), 6.26 (dd, J = 8.6, 2.2 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.91-7.00 (m, 2H), 7.13-7.19 (m, 1H), 7.27-7.35 (m, 1H), 7.43 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.62 (dd, J = 8.1, 1.2 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 4.4, 1.2 Hz, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.50 分.; MS (ESIpos): m/z = 514 [M+H]+.
【0169】
実施例23A
1−(3−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化71】

【0170】
段階a):
1−(3−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化72】

実施例1A/段階c)と同様に、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(90mg、0.62mmol)および3−フルオロ臭化ベンジル(130mg、0.69mmol)から、表題化合物115mg(理論値の73%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.88 (s, 2H), 7.10-7.19 (m, 3H), 7.40 (q, 1H), 7.54 (dd, 1H), 8.51 (dd, 1H), 8.81 (dd, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.44 分.; MS (ESIpos): m/z = 253 [M+H]+.
【0171】
段階b):
1−(3−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化73】

実施例1A/段階d)と同様に、1−(3−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(57mg、0.23mmol)から、表題化合物64mgを粗生成物として得、それをこれ以上精製せずに次の反応に使用する。
LC/MS (方法 3): Rt = 2.09 分.; MS (ESIpos): m/z = 286 [M+H]+.
【0172】
実施例24A
1−(2,4−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化74】

【0173】
段階a):
1−(2,4−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化75】

実施例1A/段階c)と同様に、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(90mg、0.62mmol)および2,4−ジフルオロ臭化ベンジル(142mg、0.69mmol)により、表題化合物124mg(理論値の73%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.85 (s, 2H), 7.10 (dt, 1H), 7.29 (dt, 1H), 7.47 (q, 1H), 7.54 (dd, 1H), 8.50 (dd, 1H), 8.80 (dd, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.29 分.; MS (ESIpos): m/z = 271 [M+H]+.
【0174】
段階b):
1−(2,4−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化76】

実施例1A/段階d)と同様に、1−(2,4−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(68mg、0.25mmol)から、表題化合物76mgを粗生成物として得、それをこれ以上精製せずに次の反応に使用する。
LC/MS (方法 3): Rt = 2.15 分.; MS (ESIpos): m/z = 304 [M+H]+.
【0175】
実施例25A
1−(5−クロロ−2−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化77】

【0176】
段階a):
1−(5−クロロ−2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化78】

実施例1A/段階c)と同様に、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(110mg、0.76mmol)および5−クロロ−2−フルオロ臭化ベンジル(188mg、0.84mmol)から表題化合物154mg(理論値の70%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.87 (s, 2H), 7.31 (dd, 1H), 7.46-7.51 (m, 2H), 7.55 (dd, 1H), 8.51 (dd, 1H), 8.81 (dd, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.59 分.; MS (ESIpos): m/z = 287 [M+H]+.
【0177】
段階b):
1−(5−クロロ−2−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化79】

実施例1A/段階d)と同様に、1−(5−クロロ−2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(64mg、0.22mmol)から、表題化合物71mgを粗生成物として得、それをこれ以上精製せずに次の反応に使用する。
LC/MS (方法 4): Rt = 2.25 分.; MS (ESIpos): m/z = 320 [M+H]+.
【0178】
実施例26A
1−(2−フルオロ−3−メチルベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化80】

【0179】
段階a):
1−(2−フルオロ−3−メチルベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化81】

実施例1A/段階c)と同様に、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(90mg、0.62mmol)および2−フルオロ−3−メチル臭化ベンジル(139mg、0.69mmol)から、表題化合物120mg(理論値の72%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 2.21 (s, 3H), 5.85 (s, 2H), 7.05 (t, 1H), 7.12 (t, 1H), 7.26 (t, 1H), 7.53 (dd, 1H), 8.50 (dd, 1H), 8.80 (dd, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.43 分.; MS (ESIpos): m/z = 267 [M+H]+.
【0180】
段階b):
1−(2−フルオロ−3−メチルベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化82】

実施例1A/段階d)と同様に、1−(2−フルオロ−3−メチルベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル(51mg、0.19mmol)から、表題化合物57mgを粗生成物として得、それをこれ以上精製せずに次の反応に使用する。
LC/MS (方法 4): Rt = 2.25 分.; MS (ESIpos): m/z = 300 [M+H]+.
【0181】
実施例27A
1−(シクロヘプチルメチル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化83】

【0182】
段階a):
1−(シクロヘプチルメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル
【化84】

1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル290mg(2.012mmol;実施例1A/段階b)をDMF5mlに溶解し、シクロヘプチルメチルメタンスルホネート419mg(2.012mmol)および炭酸セシウム656mg(2.012mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌する。続いて、さらに200mgのシクロヘプチルメチルメタンスルホネート(0.969mmol)および炭酸セシウム320mg(0.982mmol)を添加し、反応混合物を室温でさらに2日間撹拌する。さらに180mgのシクロヘプチルメチルメタンスルホネート(0.872mmol)および炭酸セシウム282mg(0.865mmol)を添加し、反応混合物を室温でさらに2日間撹拌する。次いで水を添加し、反応混合物をジクロロメタンで3回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮する。残渣をクロマトグラフィー的にシリカゲルで精製する(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル5:1→2:1)。これにより、表題化合物433mg(理論値の85%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.17-1.73 (m, 12H), 2.22-2.28 (m, 1H), 3.98 (d, J = 6.4, 2H), 7.51 (dd, J = 8.1, 4.4, 1H), 8.48 (dd, J = 8.1, 1.5, 1H), 8.76-8.77 (m, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.82 分.; MS (ESIpos): m/z = 255 [M+H]+.
【0183】
段階b):
1−(シクロヘプチルメチル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド
【化85】

ヒドロキシルアミン塩酸塩383mg(5.504mmol)を、ジメチルスルホキシド25mlに溶解し、トリエチルアミン0.767ml(557mg、5.504mmol)を撹拌しながら添加する。添加終了後、混合物を10分間撹拌し、形成された沈殿を濾過する。1−(シクロヘプチルメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボニトリル280mg(1.101mmol)を少しずつ濾液に添加し、反応混合物を75℃で16時間撹拌する。混合物を冷却し、次いで水25mlを添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を高真空下で乾燥する。これにより、粗生成物387mgを得、それをこれ以上精製せずに次の反応に使用する。
LC/MS (方法 2): Rt = 2.13 分.; MS (ESIpos): m/z = 288 [M+H]+.
【0184】
実施例28A
4−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキシイミドアミド
【化86】

【0185】
段階a):
5−アミノ−3,4−ジシアノ−1−(2−フルオロベンジル)ピラゾール
【化87】

エタノール20ml中の2−フルオロベンジルヒドラジン1.0g(7.14mmol)を0℃に冷却し、テトラシアノエチレン1.005g(7.85mmol)を添加する。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで1時間還流で加熱する。冷却後、反応混合物を分取HPLC(方法5)により精製する。これにより、表題化合物772mg(理論値の45%)を得る。
LC/MS (方法 1): Rt = 2.01 分.; MS (ESIneg): m/z = 240 [M-H]-
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.32 (s, 2H), 7.08 (t, 1H), 7.16-7.29 (m, 2H), 7.40 (m, 1H), 7.47 (s, 2H).
【0186】
段階b):
4−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボニトリル
【化88】

5−アミノ−3,4−ジシアノ−1−(2−フルオロベンジル)ピラゾール772mg(3.20mmol)を、トリエチルオルトホルメート15mlに溶解し、混合物を還流下で終夜加熱する。過剰のトリエチルオルトホルメートをロータリーエバポレーターで除去し、残渣を室温でNH溶液10ml(7N、メタノール中)と1時間撹拌する。揮発性成分をロータリーエバポレーターで除去し、残渣をジエチルエーテルでトリチュレートする。固体を吸引濾過し、高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物650mg(理論値の56%)を、74%の純度(LC/MSによる)で得る。生成物をこれ以上精製せずに次の段階に使用する。
LC/MS (方法 2): Rt = 1.72 分.; MS (ESIneg): m/z = 267 [M-H]-
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.67 (s, 2H), 7.08-7.31 (m, 3H), 7.39 (m, 1H), 7.5-8.2 (br, 2H), 8.37 (s, 1H).
【0187】
段階c):
4−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキシイミドアミド
【化89】

ヒドロキシルアミン塩酸塩130mg(1.86mmol)をDMSO5mlに溶解し、トリエチルアミン260μl(1.86mmol)を添加する。10分後、形成された沈殿を吸引濾過する。4−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボニトリル100mg(0.37mmol)を濾液に添加する。反応混合物を75℃で終夜撹拌し、次いで冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物110mg(理論値の98%)を得、それをこれ以上精製せずに次の反応段階に使用する。
LC/MS (方法 6): Rt = 2.75 分.; MS (ESIpos): m/z = 302 [M+H]+.
【0188】
実施例29A
N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキサミド
【化90】

【0189】
段階a):
1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボン酸
【化91】

エチル1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシレート10.0g(33.41mmol;WO03/095451、実施例2Aに従い製造)を、ジオキサン/水(1:1)500mlに溶解し、1N水性水酸化ナトリウム溶液50ml(50mmol)を添加する。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで1N塩酸で酸性化すると、生成物が沈殿する。生成物を濾過し、高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物8.71g(理論値の96%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.84 (s, 2H), 7.14-7.18 (m, 1H), 7.21-7.26 (m, 2H), 7.35-7.41 (m, 1H), 7.45 (dd, J = 8.1, 4.6 Hz, 1H), 8.49 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.69 (dd, J = 4.4, 1.2 Hz, 1H), 13.40 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.69 分.; MS (ESIpos): m/z = 272 [M+H]+.
【0190】
段階b):
N−(2−アミノ−2−オキソエチル)−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキサミド
【化92】

1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボン酸500mg(1.84mmol)をジクロロメタン2mlに懸濁する。N−エチルジイソプロピルアミン1.67g(12.9mmol)を、次いでグリシンアミド塩酸塩305mg(2.77mmol)、HOBt374mg(2.77mmol)およびDCC570mg(2.77mmol)を添加する。混合物を室温で20時間撹拌し、次いでジクロロメタンおよび水で希釈し、相を分離する。有機相を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物409mg(理論値の68%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.86 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 5.84 (s, 2H), 7.09 (br. s, 1H), 7.12-7.27 (m, 3H), 7.33-7.45 (m, 3H), 8.39 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 8.57 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.68 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.51 分.; MS (ESIpos): m/z = 328 [M+H]+.
【0191】
実施例:
実施例1
3−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化93】

1−(2−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド718mg(1.980mmol、実施例1Aの粗生成物)を、DMF10mlに溶解し、ピリジン0.176ml(172mg、2.178mmol)を添加する。0℃で、2−エチルヘキシルクロロホルメート0.431ml(402mg、1.980mmol、95%純度)を滴下して添加し、混合物を0℃で40分間撹拌する。水20mlを添加し、反応混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮する。残渣をキシレン(異性体混合物)25mlに取り、還流下で16時間加熱する。次いで、混合物を室温に冷却し、形成された沈殿を濾過する。かくして、生成物92mgを単離する。濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、キシレン(異性体混合物)10mlを残渣に添加し、混合物を還流下でさらに16時間加熱する。冷却後に形成される沈殿を濾過し、さらに201mgの生成物を得る。かくして、全部で293mg(理論値の48%)の標的化合物を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 5.88 (s, 2H), 7.04-7.18 (m, 3H), 7.26-7.36 (m, 2H), 8.50 (dd, J = 8.1 および 1.5, 1H), 8.68 (dd, J = 4.5 および 1.5, 1H), 12.67 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.15 分.; MS (ESIpos): m/z = 312 [M+H]+.
【0192】
実施例2
3−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,2,4−チアジアゾール−5(4H)−オン
【化94】

1−(2−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド518mg(1.720mmol、実施例1Aの粗生成物)を、THF10mlに溶解し、N,N'−チオカルボニルジイミダゾール409mg(2.064mmol、90%純度)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌する。さらにN,N'−チオカルボニルジイミダゾール204mg(1.030mmol)を添加し、反応混合物を室温で45分間撹拌する。水50mlを添加し、混合物を酢酸エチル、ジクロロメタンおよびTHFの混合物で抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、残渣を高真空下で乾燥する。次いで、アルゴン雰囲気下、残渣を乾燥THF10mlに溶解し、三フッ化ホウ素/ジエチルエーテレート1.09ml(1.221g、8.600mmol)を添加する。室温で16時間撹拌した後、水20mlを添加し、形成された沈殿を濾過する。固体をジクロロメタンでトリチュレートし、濾過し、高真空下で乾燥する。これにより、標的化合物250mg(理論値の44%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 5.87 (s, 2H), 7.12-7.26 (m, 3H), 7.34-7.40 (m, 1H), 7.45-7.48 (m, 1H), 8.63 (dd, J = 8.1 および 1.4, 1H), 8.72 (dd, J = 4.5 および 1.4, 1H), 13.71 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 3): Rt = 2.38 分.; MS (ESIpos): m/z = 328 [M+H]+.
【0193】
実施例3
5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン
【化95】

1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボヒドラジド239mg(0.838mmol、実施例2Aの粗生成物)を、THF5mlに溶解し、N,N'−カルボニルジイミダゾール163mg(1.003mmol)を添加し、混合物を還流下で1.5時間加熱する。混合物の冷却後、水10mlを添加し、混合物をジクロロメタンで3回抽出する。合わせた有機相を1N塩酸で2回、そして飽和水性塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。有機相をロータリーエバポレーターで濃縮し、残渣を高真空下で乾燥する。次いで、残渣を酢酸エチルでトリチュレートし、残っている沈殿を濾過し、高真空下で乾燥する。これにより、標的化合物129mg(理論値の49%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.84 (s, 2H), 7.15-7.30 (m, 3H), 7.35-7.41 (m, 1H), 7.47 (dd, J = 8.2 および 4.5, 1H), 8.44-8.46 (m, 1H), 8.74-8.76 (m, 1H), 12.81 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.87 分.; MS (ESIpos): m/z = 312 [M+H]+.
【0194】
実施例4
5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−メチル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化96】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−メチル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン109mg(0.216mmol、実施例6A)を、トルエン3mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸5mgと共に、還流下で16時間加熱する。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、グラジエント20:80→95:5)により精製する。これにより、表題化合物28mg(理論値の40%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.41 (s, 3H), 5.81 (s, 2H), 7.11-7.25 (m, 3H), 7.33-7.44 (m, 2H), 8.52 (dd, J = 8.1 および 1.4, 1H), 8.70 (dd, J = 4.4 および 1.4, 1H), 12.39 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 3): Rt = 2.06 分.; MS (ESIpos): m/z = 325 [M+H]+.
【0195】
実施例5
2−エチル−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化97】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−エチル−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン76mg(0.129mmol、実施例7A、83%純度)を、トルエン3mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸5mgと共に、還流下で16時間加熱する。冷却後、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、グラジエント20:80→95:5)により精製する。これにより、表題化合物31mg(理論値の71%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.30 (t, J = 7.2, 3H), 3.80 (q, J = 7.2, 2H), 5.82 (s, 2H), 7.11-7.26 (m, 3H), 7.32-7.44 (m, 2H), 8.54 (dd, J = 8.1 および 1.5, 1H), 8.70 (dd, J = 4.4 および 1.5, 1H), 12.37 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.05 分.; MS (ESIpos): m/z = 339 [M+H]+.
【0196】
実施例6
5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−4−イソプロピル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化98】

2−{[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]カルボニル}−N−イソプロピルヒドラジンカルボキサミド50mg(0.135mmol、実施例8A)を、2%強度水性水酸化ナトリウム溶液1mlに懸濁し、混合物を還流下で72時間加熱する。冷却後、反応混合物を1N塩酸で酸性化し、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去する。残渣を分取HPLC(移動相:アセトニトリル/水、0.1%トリフルオロ酢酸を含む、グラジエント20:80→95:5)により精製する。これにより、表題化合物7mg(理論値の15%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.41 (d, J = 6.8, 6H), 5.10 (sept, J = 6.8, 1H), 5.81 (s, 2H), 7.15-7.26 (m, 2H), 7.31-7.42 (m, 3H), 8.48-8.50 (m, 1H), 8.70-8.72 (m, 1H), 12.10 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.02 分.; MS (ESIpos): m/z = 353 [M+H]+.
【0197】
実施例7
3−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−チオン
【化99】

1−(2−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド650mg(1.980mmol、実施例1Aの粗生成物)を、アセトニトリル20mlに溶解し、N,N'−チオカルボニルジイミダゾール842mg(4.360mmol)および1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン950μl(985mg、7.928mmol)を添加する。反応混合物を室温で24時間撹拌する。後処理に、反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮し、残渣を酢酸エチルに取る。溶液を5%強度クエン酸で3回、そして飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残渣をジクロロメタンでトリチュレートする。沈殿を濾過し、高真空下で乾燥する。これにより、標的化合物417mg(理論値の64%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.81 (s, 2H), 7.07-7.22 (m, 3H), 7.28-7.33 (m, 1H), 7.41-7.44 (m, 1H), 8.39-8.41 (m, 1H), 8.69-8.70 (m, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.01 分.; MS (ESIpos): m/z = 328 [M+H]+.
【0198】
実施例8
3−[1−(2,3−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化100】

1−(2,3−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド65mg(0.21mmol、実施例9Aの粗生成物)を、DMF1.3mlに溶解し、ピリジン19μl(0.24mmol)を添加する。0℃で、イソブチルクロロホルメート28μl(0.21mmol)を滴下して添加する。反応混合物を先ず0℃で40分間撹拌し、次いで200℃でマイクロ波オーブン中で2時間撹拌する。冷却後、反応混合物を分取HPLC(方法5)により直接精製する。これにより、表題化合物37mg(理論値の52%)を得る。
LC/MS (方法 1): Rt = 2.26 分.; MS (ESIpos): m/z = 330 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 5.92 (s, 2H), 7.05 (dd, 1H), 7.17 (dd, 1H), 7.41 (dd, 1H), 7.50 (dd, 1H), 8.47 (dd, 1H), 8.77 (dd, 1H), 13.35 (br. s, 1H).
【0199】
実施例9
3−[1−(2,5−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化101】

1−(2,5−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド84mg(0.28mmol、実施例10Aの粗生成物)を、DMF1.7mlに溶解し、ピリジン25μl(0.31mmol)を添加する。0℃で、イソブチルクロロホルメート36μl(37.8mg、0.28mmol)を滴下して添加する。反応混合物を0℃で40分間撹拌し、次いで、水20mlを添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮する。残渣をキシレン4mlおよび1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート200μlに溶解し、200℃で、マイクロ波オーブン中、2時間撹拌する。冷却後、反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮する。残渣をDMSOに溶解し、分取HPLC(方法5)により精製する。これにより、表題化合物60mg(理論値の66%)を得る。
LC/MS (方法 2): Rt = 2.03 分.; MS (ESIpos): m/z = 330 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 5.86 (s, 2H), 7.11-7.17 (m, 1H), 7.20-7.27 (m, 1H), 7.28-7.35 (m, 1H), 7.50 (dd, 1H), 8.46 (dd, 1H), 8.77 (dd, 1H), 13.32 (br. s, 1H).
【0200】
実施例10
3−[1−(2,6−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化102】

1−(2,6−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド100mg(0.33mmol、実施例11Aの粗生成物)を、DMF2mlに溶解し、ピリジン29μl(28.7mg、0.36mmol)を添加する。0℃で、イソブチルクロロホルメート43μl(45mg、0.33mmol)を滴下して添加する。反応混合物を0℃で40分間撹拌し、次いで水20mlを添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮する。残渣をキシレン10mlに溶解し、還流下で3日間撹拌する。冷却後、反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮する。残渣をDMSOに溶解し、分取HPLC(方法5)により精製する。これにより、表題化合物47mg(理論値の43%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 5.87 (s, 2H), 7.11-7.18 (m, 2H), 7.44-7.52 (m, 2H), 8.44 (dd, 1H), 8.77 (dd, 1H), 13.30 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.99 分.; MS (ESIpos): m/z = 330 [M+H]+.
【0201】
実施例11
3−{1−[(5−クロロ−2−チエニル)メチル]−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化103】

実施例9と同様に、1−[(5−クロロ−2−チエニル)メチル]−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド(60mg、0.20mmol;実施例12Aの粗生成物)から、表題化合物42mg(理論値の65%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 5.94 (s, 2H), 7.00 (d, 1H), 7.08 (d, 1H), 7.50 (dd, 1H), 8.46 (dd, 1H), 8.79 (dd, 1H), 13.38 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.12 分.; MS (ESIpos): m/z = 334 [M+H]+.
【0202】
実施例12
5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化104】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン53mg(0.114mmol;実施例5Aの粗生成物、97%純度)を、トルエン2mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸5mgと共に、還流下で16時間加熱する。冷却後、形成される沈殿を濾過し、1N水性水酸化ナトリウム溶液に取る。未溶解成分を濾過し、濾液を酢酸エチルで抽出する。抽出物を1N塩酸で酸性化し、形成される沈殿を濾過し、残渣を高真空下で乾燥する。これにより、表題化合物13mg(理論値の36%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.81 (s, 2H), 7.11-7.17 (m, 2H), 7.21-7.26 (m, 1H), 7.33-7.42 (m, 2H), 8.49-8.51 (m, 1H), 8.68-8.69 (m, 1H), 11.85 (s, 1H), 12.18 (s, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 1.74 分.; MS (ESIpos): m/z = 311 [M+H]+.
【0203】
実施例13
5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−プロピル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化105】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−プロピル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例13A;205mg、0.41mmol)を、濃硫酸(1.5ml)と氷酢酸(4.0ml)の混合物中で、50℃で4時間温める。次いで、混合物を氷水中に撹拌し、飽和炭酸ナトリウム溶液でアルカリ性にし、酢酸エチルで抽出する。有機相を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物112mg(理論値の78%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 0.90 (t, J = 7.5 Hz, 3H), 1.75 (tq, J = 7.5, 6.8 Hz, 2H), 3.72 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 5.82 (s, 2H), 7.10-7.17 (m, 2H), 7.20-7.26 (m, 1H), 7.32-7.39 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.52 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H), 12.37 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.08 分.; MS (ESIpos): m/z = 353 [M+H]+.
【0204】
実施例14
5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−イソブチル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化106】

表題化合物を、実施例13と同様に、4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−イソブチル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例14A;209mg、0.405mmol)から合成する。生成物を分取HPLCにより精製し、表題化合物100mg(理論値の67%)を白色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 0.92 (d, J = 6.6 Hz, 6H), 2.07-2.20 (m, 1H), 3.58 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 5.82 (s, 2H), 7.10-7.18 (m, 2H), 7.20-7.26 (m, 1H), 7.32-7.39 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.51 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H), 12.38 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.37 分.; MS (ESIpos): m/z = 367 [M+H]+.
【0205】
実施例15
5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−イソプロピル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化107】

表題化合物を、実施例13と同様に、4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−イソプロピル−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例15A;205mg、0.408mmol)から合成する。生成物を分取HPLCにより精製し、表題化合物108mg(理論値の75%)を白色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.36 (d, J = 6.6 Hz, 6H), 4.39 (sept, J = 6.6 Hz, 1H), 5.82 (s, 2H), 7.09-7.15 (m, 2H), 7.20-7.26 (m, 1H), 7.32-7.39 (m, 1H), 7.43 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.55 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H), 12.34 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.10 分.; MS (ESIpos): m/z = 353 [M+H]+.
【0206】
実施例16
2−(2−フルオロエチル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化108】

表題化合物を、実施例13と同様に、4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(2−フルオロエチル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例16A;215mg、0.424mmol)から合成する。生成物を分取HPLCにより精製し、表題化合物62mg(理論値の41%)を白色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 4.08 (dt, J = 26.7, 4.7 Hz, 2H), 4.76 (dt, J = 47.2, 4.7 Hz, 2H), 5.83 (s, 2H), 7.10-7.17 (m, 2H), 7.20-7.27 (m, 1H), 7.32-7.39 (m, 1H), 7.43 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.54 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.71 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H), 12.49 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.85 分.; MS (ESIpos): m/z = 357 [M+H]+.
【0207】
実施例17
2−(2,2−ジフルオロエチル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化109】

表題化合物を合成し、実施例13と同様に、4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(2,2−ジフルオロエチル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例17A;239mg、0.456mmol)から合成する。生成物を分取HPLCにより精製し、表題化合物107mg(理論値の63%)を白色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 4.23 (dt, J = 15.2, 3.5 Hz, 2H), 5.83 (s, 2H), 6.39 (tt, J = 58.4, 3.5 Hz, 1H), 7.10-7.17 (m, 2H), 7.20-7.26 (m, 1H), 7.33-7.39 (m, 1H), 7.44 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.53 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.71 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H), 12.63 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.98 分.; MS (ESIpos): m/z = 375 [M+H]+.
【0208】
実施例18
5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化110】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例18A;179mg、0.33mmol)を、濃硫酸(1.0ml)と氷酢酸(3.0ml)の混合物中で、40℃で5時間温める。次いで、混合物を氷水中に撹拌し、飽和炭酸ナトリウム溶液でアルカリ性にし、酢酸エチルで抽出する。有機相を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物77mg(理論値の59%)を白色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 4.70 (q, J = 9.1 Hz, 2H), 5.84 (s, 2H), 7.10-7.19 (m, 2H), 7.23 (dd, J = 10.3, 8.3 Hz, 1H), 7.32-7.40 (m, 1H), 7.46 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.48 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.72 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H), 12.75 (s, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 2.31 分.; MS (ESIpos): m/z = 393 [M+H]+.
【0209】
実施例19
2−{3−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}酢酸エチル
【化111】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(3−ヒドロキシエチル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例19A;210mg、0.42mmol)を、濃硫酸(0.5ml)と氷酢酸(4.0ml)の混合物中、40℃で5時間温める。さらなる硫酸(0.5ml)の添加後、混合物を40℃でさらに5時間撹拌する。次いで、混合物を氷水に撹拌し、飽和炭酸ナトリウム溶液でアルカリ性にし、酢酸エチルで抽出する。有機相を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物83mg(理論値の50%)を白色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.97 (s, 3H), 4.00 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 4.34 (t, J = 5.2 Hz, 2H), 5.81 (s, 2H), 7.10-7.18 (m, 2H), 7.23 (dd, J = 10.3, 8.3 Hz, 1H), 7.32-7.39 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.53 (dd, J = 8.1, 1.4 Hz, 1H), 8.69 (dd, J = 4.4, 1.4 Hz, 1H), 12.42 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 4): Rt = 2.20 分.; MS (ESIpos): m/z = 397 [M+H]+.
【0210】
実施例20
3−{3−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}プロピルアセテート
【化112】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(3−ヒドロキシプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例20A;130mg、0.25mmol)を、濃硫酸(0.5ml)と氷酢酸(2.0ml)の混合物中で、40℃で5時間温める。次いで混合物を氷水に撹拌し、飽和炭酸ナトリウム溶液でアルカリ性にし、酢酸エチルで抽出する。有機相を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物75mg(理論値の73%)を固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.99 (s, 3H), 2.03 (tt, J = 6.6, 6.4 Hz, 2H), 3.82 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 4.07 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 5.80 (s, 2H), 7.10-7.15 (m, 2H), 7.23 (dd, J = 10.3, 8.3 Hz, 1H), 7.32-7.38 (m, 1H), 7.39 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.55 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.67 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H), 12.40 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.92 分.; MS (ESIpos): m/z = 411 [M+H]+.
【0211】
実施例21
5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(3−ヒドロキシプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化113】

3−{3−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}プロピルアセテート(実施例20;60mg、0.15mmol)を、メタノール(9.0ml)に、5.4Mナトリウムメトキシド溶液(3.0ml)を添加して溶解し、室温で20時間撹拌する。次いで濃塩酸を使用してpH7に調節する。沈殿した塩を水の添加により溶解し、混合物を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物40mg(理論値の74%)を白色結晶として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.88 (tt, J = 7.1, 6.3 Hz, 2H), 3.49 (dt, J = 6.3, 4.9 Hz, 2H), 3.82 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 4.57 (t, J = 4.9 Hz, 1H), 5.82 (s, 2H), 7.10-7.17 (m, 2H), 7.23 (dd, J = 10.3, 8.3 Hz, 1H), 7.23-7.39 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.1, 4.5 Hz, 1H), 8.53 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 4.5, 1.5 Hz, 1H), 12.38 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 1.78 分.; MS (ESIpos): m/z = 369 [M+H]+.
【0212】
実施例22
5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(2−ヒドロキシエチル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化114】

2−{3−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}酢酸エチル(実施例19;70mg、0.18mmol)を、メタノール(9.0ml)に、5.4Mナトリウムメトキシド溶液(3.0ml)を添加して溶解し、室温で20時間撹拌する。次いで濃塩酸を使用してpH7に調節する。沈殿した塩を水の添加により溶解し、混合物を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物56mg(理論値の89%)を明黄色結晶として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.62-3.69 (m, 2H), 3.80 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 5.74 (s, 2H), 6.17 (br. s, 1H), 7.07-7.14 (m, 2H), 7.22 (dd, J = 10.3, 8.3 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 7.8, 4.4 Hz, 1H), 7.30-7.37 (m, 1H), 8.57 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H), 8.61 (dd, J = 7.8, 1.5 Hz, 1H), 12.35 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.59 分.; MS (ESIpos): m/z = 355 [M+H]+.
【0213】
実施例23
5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(3−モルホリン−4−イルプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン
【化115】

4−(2,4−ジメトキシベンジル)−5−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−2−(3−モルホリン−4−イルプロピル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(実施例21A;220mg、0.37mmol)を、氷酢酸(3.0ml)に溶解し、濃硫酸(0.8ml)を添加する。混合物を室温で20時間撹拌し、次いで40℃で8時間撹拌する。次いで、混合物を氷水に添加し、飽和炭酸ナトリウム溶液でアルカリ性にし、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物39mg(理論値の22%)を白色固体として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.88 (五重線, J = 6.9 Hz, 2H), 2.31-2.37 (m, 6H), 3.53 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 3.80 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 5.82 (s, 2H), 7.10-7.17 (m, 2H), 7.23 (dd, J = 10.3, 8.3 Hz, 1H), 7.33-7.39 (m, 1H), 7.42 (dd, J = 8.1, 4.7 Hz, 1H), 8.52 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 4.7, 1.5 Hz, 1H), 12.35 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 1): Rt = 1.45 分.; MS (ESIpos): m/z = 438 [M+H]+.
【0214】
実施例24
3−{3−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}プロパンアミド
【化116】

3−{4−(2,4−ジメトキシベンジル)−3−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル}プロパンニトリル(実施例22A;155mg、0.30mmol)を、氷酢酸(3.0ml)に溶解し、濃硫酸(1.0ml)を添加する。溶液を40℃で5時間加熱し、次いで水で希釈し、冷却しながら、濃水酸化ナトリウム水溶液を使用してpH6.5に調節する。生成物を分取HPLCにより精製し、表題化合物35mg(理論値の30%)を黄色の結晶性生成物として得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 3.32 (s, 2H), 3.93 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 5.80 (s, 2H), 6.89 (br. s, 1H), 7.10-7.15 (m, 2H), 7.20-7.26 (m, 1H), 7.32-7.37 (m, 1H), 7.40 (dd, J = 7.8, 4.4 Hz, 1H), 7.52 (br. s, 1H), 8.56 (dd, J = 8.1, 1.2 Hz, 1H), 8.68 (dd, J = 4.4, 1.2 Hz, 1H), 12.36 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1.49 分.; MS (ESIpos): m/z = 382 [M+H]+.
【0215】
実施例25
3−[1−(3−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化117】

1−(3−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド64mg(0.22mmol、実施例23Aの粗生成物)を、DMF1.4mlに溶解し、ピリジン20μl(0.25mmol)を添加する。0℃で、イソブチルクロロホルメート29μl(0.22mmol)を滴下して添加する。反応混合物を先ず0℃で40分間、次いで200℃で、マイクロ波オーブン中、2時間撹拌する。冷却後、反応混合物を分取HPLC(方法5)により精製する。これにより、表題化合物41mg(理論値の59%)を得る。
LC/MS (方法 1): Rt = 2.23 分.; MS (ESIpos): m/z = 312 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.84 (s, 2H), 7.08-7.18 (m, 3H), 7.38 (q, 1H), 7.50 (dd, 1H), 8.48 (dd, 1H), 8.77 (dd, 1H), 13.36 (br. s, 1H).
【0216】
実施例26
3−[1−(2,4−ジフルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化118】

実施例25で記載したのと同じ方法を使用して、1−(2,4−ジフルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド76mg(0.25mmol、実施例24Aの粗生成物)から、表題化合物36mg(理論値の43%)を得る。
LC/MS (方法 1): Rt = 2.27 分.; MS (ESIpos): m/z = 330 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.84 (s, 2H), 7.05 (dt, 1H), 7.25-7.39 (m, 2H) 7.50 (dd, 1H), 8.46 (dd, 1H), 8.77 (dd, 1H), 13.33 (br. s, 1H).
【0217】
実施例27
3−[1−(5−クロロ−2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化119】

1−(5−クロロ−2−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド64mg(0.22mmol、実施例25Aの粗生成物)を、DMF1.4mlに溶解し、ピリジン20μl(0.25mmol)を添加する。0℃で、イソブチルクロロホルメート29μl(0.22mmol)を滴下して添加する。反応混合物を0℃で40分間撹拌し、次いで水を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮する。残渣をキシレン3mlおよび1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート200μlに溶解し、200℃で、マイクロ波オーブン中、2時間撹拌する。次いで、反応混合物をロータリーエバポレーターで濃縮する。得られた残渣をDMSOに溶解し、分取HPLC(方法5)により精製する。これにより、表題化合物44mg(理論値の57%)を得る。
LC/MS (方法 1): Rt = 2.33 分.; MS (ESIpos): m/z = 346 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.88 (s, 2H), 7.30 (t, 1H), 7.41 (dd, 1H), 7.44-7.52 (m, 2H), 8.46 (dd, 1H), 8.78 (dd, 1H), 13.33 (br. s, 1H).
【0218】
実施例28
3−[1−(2−フルオロ−3−メチルベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化120】

実施例27で記載したのと同じ方法を使用して、1−(2−フルオロ−3−メチルベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド57mg(0.19mmol、実施例26Aの粗生成物)から、表題化合物22mg(理論値の36%)を得る。
LC/MS (方法 1): Rt = 2.31 分.; MS (ESIpos): m/z = 326 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 2.22 (s, 3H), 5.85 (s, 2H), 6.97-7.05 (m, 2H), 7.22 (m, 1H), 7.49 (dd, 1H), 8.46 (dd, 1H), 8.78 (dd, 1H), 13.32 (br. s, 1H).
【0219】
実施例29
3−[1−(シクロヘプチルメチル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化121】

1−(シクロヘプチルメチル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミドアミド316mg(1.101mmol、実施例27Aの粗生成物)を、DMF10mlに溶解し、ピリジン0.098ml(96mg、1.211mmol)を添加する。0℃で、2−エチルヘキシルクロロホルメート0.228ml(223mg、1.101mmol、95%純度)を滴下して添加し、混合物を0℃で40分間撹拌する。次いで、水20mlを添加し、反応混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮する。残渣をキシレン25ml(異性体混合物)に取り、還流下で2日間加熱する。混合物を室温に冷却し、ロータリーエバポレーターで濃縮する。残渣をシリカゲル(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル2:1)のクロマトグラフィーにより精製する。これにより、表題化合物130mg(理論値の38%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 1.22-1.39 (m, 4H), 1.43-1.63 (m, 8H), 2.26-2.32 (m, 1H), 4.42 (d, J = 7.3, 2H), 7.45 (dd, J = 8.1, 4.4, 1H), 8.43 (dd, J = 8.1, 1.5, 1H), 8.68 (dd, J = 4.4, 1.5, 1H), 13.3 (br. s, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 2.41 分.; MS (ESIpos): m/z = 314 [M+H]+.
【0220】
実施例30
3−[4−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−イル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン
【化122】

4−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)−N'−ヒドロキシ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキシイミドアミド110mg(0.37mmol、実施例28Aの粗生成物)を、DMF2.2mlに溶解し、ピリジン32μl(0.40mmol)を添加する。0℃で、イソブチルクロロホルメート47μl(0.37mmol)を滴下して添加する。反応混合物を0℃で40分間撹拌し、次いで、さらに1当量のイソブチルクロロホルメートを添加し、混合物を0℃でさらに30分間撹拌する。次いで、反応混合物を、200℃で、マイクロ波オーブン中、さらに2時間撹拌する(LC/MSによると、依然として多量の出発物質が存在する)。冷却後、酢酸エチルを混合物に添加する。有機相を重炭酸ナトリウム溶液で2回、水で3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去する。上記の通り、残渣をもう一度イソブチルクロロホルメートで処理し、次いで混合物をマイクロ波オーブン中で2時間加熱する。次いで、反応混合物を分取HPLC(方法5)により直接精製する。これにより、依然として僅かに混入物のある画分を得、そこから所望の化合物がいくらか沈殿する。この固体を濾過し、高真空下で乾燥する。それにより、表題化合物6mg(理論値の5%)を得る。
LC/MS (方法 4): Rt = 2.01 分.; MS (ESIpos): m/z = 328 [M+H]+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 5.68 (s, 2H), 7.11-7.28 (m, 3H), 7.48 (m, 1H), 7.70 (br. s, 1H), 8.35 (br. s, 1H), 8.36 (s, 1H), 13.5 (br. s, 1H).
【0221】
実施例31
2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン
【化123】

塩化ホルホリル10ml中の実施例29Aの化合物215mg(0.66mmol)を、還流下で40時間撹拌する。次いで、混合物を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製する。これにより、表題化合物47mg(理論値の22%)を得る。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 4.30 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 5.84 (s, 2H), 7.12-7.20 (m, 2H), 7.24 (dd, J = 10.3, 8.3 Hz, 1H), 7.32-7.40 (m, 1H), 7.46 (dd, J = 8.1, 4.4 Hz, 1H), 8.58 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 8.70 (dd, J = 4.4, 1.5 Hz, 1H), 9.17 (t, J = 5.6 Hz, 1H).
LC/MS (方法 2): Rt = 1. 92 分.; MS (ESIpos): m/z = 310 [M+H]+.
【0222】
B. 薬理活性の評価
本発明による化合物の薬理効果を、以下のアッセイで示すことができる:
B−1. インビトロの血管弛緩効果
首への打撃によりウサギを気絶させ、失血させる。大動脈を取り出し、付着している組織を除き、幅1.5mmの環に分ける。輪を、Krebs-Henseleit 溶液(37℃であり、カルボゲン(carbogen)でガス処理され、以下の組成を有する(各場合でmM表記):NaCl:119;KCl:4.8;CaClx2HO:1;MgSOx7HO:1.4;KHPO:1.2;NaHCO:25;グルコース:10)を有する5mlの器官浴中で、当初張力下に置く。Statham UC2 セルで収縮力を検出し、A/D変換器 (DAS-1802 HC、Keithley Instruments, Munich)で増幅およびデジタル化し、チャートレコーダーで並行して記録する。増大する濃度のフェニレフリンを累積的に浴に添加することにより、収縮を誘導する。数回の対照サイクルの後、さらなる実施毎に増大する用量で被験物質を添加し、達成される収縮の高さを、最後の先行するもので達した収縮の高さと比較する。対照値の高さを50%まで低減するのに必要な濃度をこれから算出する(IC50値)。標準的適用量は5μlであり、浴溶液中のDMSOの割合は、0.1%に相当する。
【0223】
本発明による化合物の代表的なIC50値を、下表に示す:
【表2】

【0224】
B−2.組換えグアニル酸シクラーゼレポーター細胞株に対する効果
本発明による化合物の細胞活性を、F. Wunder et al., Anal. Biochem. 339, 104-112 (2005) に記載の通りに、組換えグアニル酸シクラーゼレポーター細胞株を使用して測定する。
【0225】
B−3.静脈内および経口投与後の薬物動態パラメーターの決定
被験物質を、動物(例えば、マウス、ラット、イヌ)に液剤として静脈投与する;液剤または懸濁剤として、胃管を介して経口投与を実施する。物質の投与後、血液サンプルを動物から予め定めた時点で採取する。血液をヘパリン処理し、次いで、遠心分離により血漿を得る。物質を血漿中でLC/MS−MSにより分析的に定量する。かくして決定された血漿濃度/時間曲線から、有効な薬物動態のコンピュータープログラムを使用して、AUC、Cmax、T1/2(半減期)およびCL(クリアランス)などの薬物動態パラメーターを算出する。
【0226】
C. 医薬組成物の例示的実施態様
本発明による化合物は、以下の方法で医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
本発明による化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、トウモロコシデンプン(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP25)10mg(BASFより、Ludwigshafen, Germany)およびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg。直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
本発明による化合物、ラクトースおよびスターチの混合物を、5%強度PVP水溶液(m/m)で造粒する。顆粒を乾燥させ、ステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を常套の打錠機で打錠する(錠剤の形状について、上記参照)。打錠のためのガイドラインの打錠力は、15kNである。
【0227】
経口投与できる懸濁剤:
組成:
本発明による化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel(登録商標) (FMCのキサンタンガム、Pennsylvania, USA) 400mgおよび水99g。
経口懸濁剤10mlは、本発明による化合物100mgの単回用量に相当する。
製造:
Rhodigel をエタノールに懸濁し、本発明による化合物を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。Rhodigel の膨潤が完了するまで、混合物を約6時間撹拌する。
【0228】
経口投与できる液剤:
組成:
本発明による化合物500mg、ポリソルベート2.5gおよびポリエチレングリコール400 97g。経口液剤20gは、本発明による化合物100mgの単回用量に相当する。
製造:
本発明による化合物を、ポリエチレングリコールおよびポリソルベートの混合物に撹拌しながら懸濁する。本発明による化合物が完全に溶解するまで、混合過程を継続する。
【0229】
i.v.溶液:
本発明による化合物を、生理的に耐容される溶媒(例えば、等張塩水、5%グルコース溶液および/または30%PEG400溶液)に飽和溶解度より低い濃度で溶解する。溶液を濾過滅菌し、無菌のパイロジェンを含まない注射容器に満たすのに使用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
Aは、CH、CRまたはNを表し、
Dは、AがNである場合、CH、CRまたはNを表し、AがCHまたはCRである場合、CHまたはCRを表し、
は、フェニル、ピリジル、フリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリルまたはイソオキサゾリルを表し、これらは各々、ハロゲン、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチルおよび(C−C)−アルキニルからなる群からの2個までの同一または異なる置換基により置換されていてもよいか、
または、
(C−C)−シクロアルキルを表し、これは、フッ素および(C−C)−アルキルからなる群からの2個までの同一または異なる置換基により置換されていてもよく、
は、式
【化2】

{式中、
*は、ピラゾール環への結合点を表し、
Xは、OまたはSを表し、
は、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルを表し、
ここで、(C−C)−アルキルは、5個までのフッ素により、そして、(C−C)−シクロアルキル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アシルオキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、(C−C)−アシルアミノ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、5員または6員の複素環および式−C(=O)−NRの基(式中、RおよびRは、相互に独立して、水素または(C−C)−アルキルを表す)からなる群からの2個までの同一または異なる置換基により置換されていてもよく、
は、(C−C)−アルキルを表し、これは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノまたは3個までのフッ素により置換されていてもよく、
は、上記Rの意味を有し、
は、水素または(C−C)−アルキルを表すか、
または、
およびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、スピロ結合した3員ないし6員のシクロアルキル環を形成している}
の基を表し、
は、ハロゲン、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、(C−C)−アルコキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される置換基を表し、
そして、
nは、0、1または2の数を表し、
ここで、置換基Rが1個より多く存在するならば、その意味は同一であっても異なっていてもよい]
の化合物、または、その塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項2】
式中、
Aが、Nを表し、
Dが、CHを表し、
が、フェニルまたはチエニルを表し、その各々は、フッ素、塩素、シアノ、メチルおよびトリフルオロメチルからなる群からの同一かまたは異なる置換基により一置換または二置換されているか、または、シクロヘプチルを表し、
が、式
【化3】

{式中、
*は、ピラゾール環への結合点を表し、
Xは、OまたはSを表し、
は、水素または(C−C)−アルキルを表し、
ここで、(C−C)−アルキルは、5個までのフッ素により、そして、(C−C)−シクロアルキル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、アセトキシ、アミノ、モノ−(C−C)−アルキルアミノ、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、アセチルアミノ、(C−C)−アルコキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノおよび式−C(=O)−NRの基(式中、RおよびRは、相互に独立して、水素または(C−C)−アルキルを表す)からなる群からの2個までの同一または異なる置換基により置換されていてもよく、
は、上記Rの意味を有し、
そして、Rは、水素を表す}
の基を表し、
が、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、アミノ、メトキシおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される置換基を表し、
そして、
nが0または1の数を表す、
請求項1に記載の式(I)の化合物、または、その塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項3】
式中、
Aが、Nを表し、
Dが、CHを表し、
が、フェニルを表し、それは、フッ素により一置換または二置換されており、
が、式
【化4】

{式中、
*は、ピラゾール環への結合点を表し、
そして、
は、水素または(C−C)−アルキルを表し、これは、3個までのフッ素により置換されていてもよい}
の基を表し、
そして、
nが、0の数を表す、
請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物、または、その塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物の製造方法であって、
[A]式(II)
【化5】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を、先ず、ヒドロキシルアミンで、式(III)
【化6】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
のN'−ヒドロキシアミジンに変換し、次いで、これを、
[A−1]塩基の存在下、ホスゲン、ホスゲン誘導体、例えばジホスゲンまたはトリホスゲン、N,N−カルボニルジイミダゾールまたは式(IV)
【化7】

(式中、Tは、(C−C)−アルキルを表す)
のクロロホルメートにより、式(I−A)
【化8】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換するか、
または、
[A−2]塩基の存在下、チオホスゲンまたはN,N'−チオカルボニルジイミダゾールにより、式(I−B)
【化9】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換するか、
または、
[A−3]先ず、N,N'−チオカルボニルジイミダゾールにより、次いで、三フッ化ホウ素により、式(I−C)
【化10】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換する、
あるいは、
[B]式(V)
【化11】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有し、
そして、Tは、メチルまたはエチルを表す)
の化合物を、先ず、ヒドラジンにより式(VI)
【化12】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換し、次いで、これを、
[B−1]ホスゲン、ホスゲン誘導体、例えばジホスゲンまたはトリホスゲン、または、N,N'−カルボニルジイミダゾールにより、式(I−D)
【化13】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換するか、
または、
[B−2]式(VII)
【化14】

(式中、R5Aは、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のRの意味を有するか、または、2,4−ジメトキシベンジルを表す)
のイソシアネートにより、式(VIII)
【化15】

(式中、A、D、R、R、R5Aおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換し、次いで、塩基を利用して、式(I−E)
【化16】

(式中、A、D、R、R、R5Aおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に環化し、
5Aが2,4−ジメトキシベンジルを表す変法では、次いで、対応する式(I−E)の化合物を、塩基の存在下、式(IX)
【化17】

(式中、R4Aは、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のRの意味を有するが、水素を表さず、
そして、Xは、脱離基、例えばハロゲン、メシレート、トシレートまたはトリフレートを表す)
の化合物により、式(X)
【化18】

(式中、A、D、R、R、R4Aおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に変換し、次いで、2,4−ジメトキシベンジル基を、酸を利用して除去し、式(I−F)
【化19】

(式中、A、D、R、R、R4Aおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物を得る、
あるいは、
[C]式(XI)
【化20】

(式中、A、D、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物を、先ず、式(XII)
【化21】

(式中、RおよびRは、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物と結合させ、式(XIII)
【化22】

(式中、A、D、R、R、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、これを、塩化ホスホリルにより、式(I−G)
【化23】

(式中、A、D、R、R、R、Rおよびnは、各々上記の意味を有する)
の化合物に環化する、
のいずれかを特徴とし、
得られる本発明による化合物を、必要に応じて、適切な(i)溶媒および/または(ii)酸もしくは塩基により、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換する、方法。
【請求項5】
疾患の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
心不全、狭心症、高血圧、肺高血圧、虚血、血管障害、血栓塞栓性障害および動脈硬化症の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項7】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物を、不活性、非毒性の医薬的に適する補助剤と組み合わせて含む医薬。
【請求項8】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物を、有機硝酸塩、NO供給源、cGMP−PDE阻害剤、抗血栓活性を有する物質、血圧を下げる物質および脂質代謝を改変する物質からなる群から選択されるさらなる活性化合物と組み合わせて含む、医薬。
【請求項9】
心不全、狭心症、高血圧、肺高血圧、虚血、血管障害、血栓塞栓性障害および動脈硬化症の処置および/または予防のための、請求項7または請求項8に記載の医薬。
【請求項10】
少なくとも1種の請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物または請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の医薬の有効量の投与による、ヒトおよび動物の心不全、狭心症、高血圧、肺高血圧、虚血、血管障害、血栓塞栓性障害および動脈硬化症の処置および/または予防方法。

【公表番号】特表2009−534435(P2009−534435A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506948(P2009−506948)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003342
【国際公開番号】WO2007/124854
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】