説明

要求仕様に準拠していることを検証するための方法、テストシステム及び装置

通信機器が1つ以上の要求仕様に準拠していることを検証するための方法が開示される。方法は、テストシステムと通信機器との間にリンクを確立するステップであって、1つ以上のベアラ及び1つ以上の制御チャネルを設定するステップを有するステップと、テストシステム及び通信機器を含むテストループを閉じるステップであって、通信機器のテストループ機能を有効化するステップを有するステップと、テストループのダウンリンクでテストシステムから通信機器へデータを送信するステップと、データを通信機器で受信するステップと、特定のイベントの発生後にデータの少なくとも一部を通信機器のアップリンク送信装置に転送するステップと、通信機器からテストシステムへのテストループのアップリンクでの送信を、テストシステムで検証するステップ、とを有する。対応するテストシステム及びテストループ機能装置もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して必要使用に準拠していることを検証する技術に関する。より具体的には、本発明は、通信機器がアップリンク伝送およびダウンリンク受信の少なくとも一方に関する要求仕様に準拠していることの検証に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の標準化の過程では、要求仕様が与えられることが多い。要求仕様は通信機器の要求試験をサポートし、またそのような適合性試験活動に用いられるために作成される。要求試験の目的は、通信機器が関連する通信規格に準拠していることを示すことであり、それは要求仕様を満足することを実証することによって示される。通常、様々な要求(又は試験)仕様は、関連する規格について、例えば、制御信号に関して、正しいデータ転送に関して、また所定の状況下における所定の制限内での性能に関してといったような、異なる側面をカバーしている。
【0003】
通信機器の要求試験を実行するための一般的な方法は、その通信機器をテストツール(テストシステム)に接続し、テストシステムに通信機器の機能性の様々な側面を開始させることである。そしてテストシステムはその通信機器が要求仕様に準拠してタスクを実行することを検証する。
【0004】
端末通信機器が要求試験を受ける際、試験の自動化を可能とするとともに試験結果の再現性を実現するための一般的な必要条件は、その端末通信機器がある特定のテスト機能を有することである。
【0005】
通信規格の所定の側面に関して試験する際には、移動体側から発生する(MO)データ転送が必要である。移動体を送信元とする(Mobile Originated)データとは、端末通信機器から通信ネットワークへ伝送されるべきデータのことであり、例えば、UTRA(UMTS地上無線アクセス)における無線リンクのアップリンク(UL)で伝送されるデータである。そのようなシナリオの試験を可能にするには、アップリンクにおけるMOデータ転送のきっかけを与えるとともに発生させる(すなわち、試験を受ける機器によるデータ伝送の)ための、端末通信機器におけるテスト機能が必要である。
【0006】
そのため、端末通信機器における特定のテスト機能は、データをループバックするように適合された機能を有することができる。例えば、そのような機能は、テストシステムによって端末通信機器に伝送されたデータを、同一のデータをテストシステムに伝送することによって返すように適合されてもよい。
【0007】
データをループバックするためのこの方法は、例えば3GPP(第3世代パートナシッププロジェクト)仕様TS 34.109、”端末ロジックテストインタフェース;特殊適合性試験機能”に規定されるUTRAに関する移動体通信技術のような様々な通信技術に関して適合性を試験するために一般的に用いられている。
【0008】
本発明の実施の目的に関連のある通信規格の例は、GPRS (General Packet Radio Service)、UMTS (Universal Mobile Telecommunication Standard) 、及びUMTS LTE (UMTS - Long Term Evolution)である。以下の、既存の要求試験方法および機器に関して生じる課題並びに本発明によるこの課題の解決方法は、UMTS LTEに焦点を合わせて説明する。しかし、本技術分野に属する当業者には容易に理解されるように、本発明はこの通信規格に決して限定されず、他の通信に関する要求試験にも同様に適用可能であることを強調しておく。
【0009】
なお、本明細書における3GPP仕様の参照は、2008年5月6日に3GPPのホームページにおいて公開されているバージョンの仕様に対する参照であると理解されるべきであることに留意されたい。
【0010】
UMTS LTEについての3GPP規格は、アップリンクで伝送するための待機データを有する場合に端末通信機器がどのように振る舞うべきかを規定している。そのような振る舞いを検証するには、アップリンクでの伝送のきっかけを与えたり伝送するためのデータを生成するための特定のテスト機能が必要である。上述したTS 34.109において、ダウンリンク(DL)でテストシステムから受信したデータがアップリンクで返されるようにループバックを実行する、UTRAについてのテスト機能が規定されている。TS 34.109に規定されるテスト機能では、ダウンリンクで受信された各データユニットが直ちにアップリンクで返される。さらに、これらのテスト機能は、双方向無線ベアラ上のダウンリンクで受信されたデータユニットが同一無線ベアラ上で送信するためのアップリンクへ直ちに転送されることに基づいている。
【0011】
所定のシナリオについての端末の振る舞いを検証することを可能にするためには、ダウンリンクで送信されたデータが端末においてアップリンクで送信可能となるタイミングを(例えばテストシステムから)制御するための手段が必要となる。そのようなシナリオは、端末がアップリンクでの送信待ちデータを有する際に無線リンク障害が発生した後のコネクション再確立であってよい(例えば、ftp://www.3gpp.org/tsg_ran/WG5_Test_ex-T1/TSGR5_39_KansasCity/Tdoc/R5-081618.zipから入手可能な)R5-081618, TS 36.523-1のための3GPP RAN5ワークプランを参照。なお、R5-081618はTS 36.523-1、”エヴォルブドユニバーサル地上無線アクセス(E-UTRA)及びエヴォルブドパケットコア(EPC);ユーザ端末(UE)適合仕様;パート1:プロトコル適合仕様”に含まれる予定である。)
【0012】
同様に、所定のモビリティシナリオ、例えば異なる無線アクセス技術(RAT)間でのハンドオーバについての端末通信機器の振る舞いを検証することを可能にする必要がある(例えば上述のR5-081618を参照)。
【0013】
そのようなシナリオについての端末の振る舞いの検証を可能にするために、テストシステムはテスト手順における所定のイベント及び動作のタイミング関係を制御可能である必要がある。
【0014】
3GPP仕様TS 23.401、”エヴォルブドユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)アクセスのための汎用パケット無線サービス(GPRS)拡張”及びTS 24.301、”エヴォルブドパケットシステム(EPS)用ノンアクセスストラタム(NAS)プロトコル”;ステージ3”は、設定されたフィルタ機構(UL TFT-アップリンクトラフィックフローテンプレート)に基づいて必要なQoS(サービス品質)を達成するために、サービスデータフロー(SDF)をEPSベアラにどのようにマッピングすべきかに関して、端末の振る舞いを規定している。UL TFTは、他の通信規格にも適用可能なより汎用的な用語で言えばパケットフィルタリングの一例である。UL TFTは例えば、様々なサービスデータフローについて、サービスのタイプ、ポート番号、等を指定することができる。UL TFTを通じてどのようにアップリンクIP(インターネットプロトコル)パケットフローが正しいベアラ(例えば正しいPDP(パケットデータプロトコル)コンテキスト)にマッピングされるかについての同様の機能が、TS 23.060、”汎用パケット無線サービス(GPRS);サービス解説;ステージ2”及びTS 24.008、”移動無線インタフェースレイヤ3仕様;コアネットワークプロトコル;ステージ3”に記載されている。
【0015】
上述したTS 34.109に規定されるようなテストループは、端末機器による正しいUL TFTの取扱いを検証するために必要なループバック機能を提供しない。そのため、UL TFT機能に関して端末の正しい振る舞いをテストすることを可能にするための手段が必要である。同一無線アクセス技術内でUL TFTの取扱いをテストする必要がある。新たなEPSベアラ又はPDPコンテキストが有効化されるか、端末が同一RAT内に留まっている間にEPSベアラ又はPDPコンテキストが解放されるか変更される場合である。さらに、端末が無線アクセス技術間でハンドオーバされる際のUL TFTの処理をテストする必要がある。例えば、E-UTRAからUTRAへのハンドオーバ後、EPSベアラはPDPコンテキストで置き換えられる。そのため、UL TFTに関し、この状況を正しく処理できることを検証する必要がある。
【0016】
従って、テスト手順における所定のイベントと動作とのタイミング関係を制御する必要があるようなシナリオの要求試験を可能とする方法、装置及びシステムが必要とされている。さらに、パケットフィルタリングが適用されるようなシナリオの要求試験を可能とする方法、装置及びシステムも必要とされている。
【発明の概要】
【0017】
なお、本明細書において「含む/有する」という語が用いられる場合、説明された機能、整数(integer)、ステップ又は構成部品の存在を特定するものとして解釈されるが、他の機能、整数、ステップ、構成部品の1つ又は複数、又はそれらグループ存在や付加を排除するものではないことを強調しておく。
【0018】
本発明の一目的は、上述した問題点の少なくともいくつかを取り除くとともに、要求仕様への準拠を検証するための改良された方法、テストシステム及び装置を提供することである。
【0019】
本発明の第1の見地によれば、この目的は、通信機器が1つ以上の要求仕様に準拠していることを検証するための方法によって実現される。この方法は、テストシステムと前記通信機器の間でリンクを確立するステップであって、1つ以上のベアラ及び1つ以上の制御チャネルを設定するステップを有するステップと、前記テストシステムと前記通信機器を含むテストループを閉じるステップであって、前記通信機器のテストループ機能を起動するステップを有するステップと、前記テストループのダウンリンクにおいて、前記テストシステムから前記通信機器へデータを送信するステップと、前記データを前記通信機器で受信するステップと、特定のイベントが発生した後に、前記データの少なくとも一部を前記通信機器のアップリンク送信部へ転送するステップと、前記テストシステムで、前記通信機器から前記テストシステムへの前記テストループのアップリンク(116)における送信を検証するステップとを有する。一部の実施形態では、前記アップリンクにおける送信を検証する前記ステップが、前記アップリンク送信部へ転送された前記データが、前記通信機器によって前記アップリンクで正しく送信されていることを検証するステップを有してもよい。
【0020】
一部の実施形態では、前記特定のイベントが、前記データの受信からの特定量の時間経過、前記テストシステムから前記通信機器への特定コマンドの送信、前記テストシステム及び前記通信機器の少なくとも一方でなされるテストオペレータ動作の登録、の1つ以上であってよい。
【0021】
一部の実施形態では、前記特定のイベントは前記リンクの切断であってよい。そのような実施形態では、前記方法はさらに、前記通信機器によってリンク再確立手順が正しく実行されていることを前記テストシステムで検証するステップを有してもよい。
【0022】
一部の実施形態において、前記方法は、前記ダウンリンクで前記データを送信した後であって、前記特定のイベントが発生するよりも前に、前記リンクを切断するステップと、前記通信機器によってリンク再確立手順が正しく実行されていることを前記テストシステムで検証するステップとをさらに有してもよい。
【0023】
一部の実施形態において、前記リンクは無線リンクであってよく、前記ベアラは無線ベアラであってよい。
【0024】
一部の実施形態において、前記方法はさらに、前記ダウンリンクで前記データを送信する前記ステップの後、前記特定のイベントが発生するよりも前に、前記テストシステムから前記通信機器にセルハンドオーバコマンドを送信することによって、システム内セルハンドオーバイベントをシミュレートするステップと、前記通信機器によってシステム内セルハンドオーバ手順が正しく実行されていることを前記テストシステムで検証するステップとをさらに有してもよい。
【0025】
一部の実施形態において、前記方法はさらに、前記ダウンリンクで前記データを送信する前記ステップの後、前記特定のイベントが発生するよりも前に、前記テストシステムから前記通信機器に無線アクセス技術ハンドオーバコマンドを送信することによって、無線アクセス技術ハンドオーバイベントをシミュレートするステップと、前記通信機器によって無線アクセス技術ハンドオーバ手順が正しく実行されていることを前記テストシステムで検証するステップとをさらに有してもよい。
【0026】
一部の実施形態では、前記テストループ機能を起動する前記ステップが、前記テストシステムから前記通信機器へ、前記特定のイベントを規定するインジケータを送信するステップを有してもよい。
【0027】
一部の実施形態では、前記テストシステムと前記通信機器との間で前記リンクを確立する前記ステップが、1つ以上のアップリンクパケットフィルタを設定するステップをさらに有してよく、前記テストループの前記ダウンリンクにおいて前記テストシステムから前記通信機器にデータを送信する前記ステップが、異なるサービスデータフローに関連付けられた複数のデータユニットを送信するステップと、前記複数のデータユニットの各々に、関連付けられている前記サービスデータフローを表す情報を含めるステップとを有してよく、さらに、前記アップリンクにおける送信を検証する前記ステップが、前記データユニットの各々が、前記1つ以上のアップリンクパケットフィルタに従って個々のデータユニットに関連付けられたサービスデータフローに対応する正しいベアラ上で前記通信機器によって送信されることを検証するステップとを有してよい。
【0028】
本発明の第2の見地は、プログラム命令を有するコンピュータプログラムが格納されるコンピュータ読み取り可能な媒体を有するコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムは、通信機器が1つ以上の要求仕様に準拠していることを検証するために前記通信機器に接続可能なテストシステムのデータ処理部に読み込み可能であり、前記コンピュータプログラムが前記データ処理部によって実行される際、前記テストシステムが少なくとも以下のステップを実行するように適合されている。テストシステムと前記通信機器の間でリンクを確立するステップであって、1つ以上のベアラ及び1つ以上の制御チャネルを設定するステップを有するステップと、前記テストシステムと前記通信機器を含むテストループを閉じるステップであって、前記通信機器のテストループ機能を起動するステップを有するステップと、前記テストループのダウンリンクにおいて、前記テストシステムから前記通信機器へデータを送信するステップと、前記通信機器から前記テストシステムへの前記テストループのアップリンクにおける送信を検証するステップ。前記テストループ機能を起動する前記ステップは、特定のイベントを規定するインジケータを前記テストシステムから前記通信機器へ送信するステップを有し、前記特定のイベントが、前記通信機器が前記データの少なくとも一部を前記通信機器の送信部へ転送するタイミングを制御するためのものであることを特徴とする。
【0029】
本発明の第3の見地は、プログラム命令を有するコンピュータプログラムが格納されるコンピュータ読み取り可能な媒体を有するコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムは、テストシステムのデータ処理部に読み込み可能であり、前記コンピュータプログラムが前記データ処理部によって実行される際、前記通信機器のテストループ機能が少なくとも以下のステップを実行するように適合されている。前記通信機器のテストループ機能の起動の一部として、前記テストシステムから特定のイベントを規定するインジケータを受信するステップと、前記テストループのダウンリンクにおいて前記テストシステムからデータを受信するステップと、前記データの少なくとも一部を、前記特定のイベントが発生した後に前記通信機器の送信部に転送するステップ。
【0030】
本発明の第4の見地は、通信機器に接続可能であり、前記通信機器が1つ以上の要求仕様に準拠していることを検証するためのテストシステムである。テストシステムは送信器と、受信器と、処理回路とを有する。この処理回路は、前記送信器を通じて、前記テストシステムと前記通信機器の間でリンクを確立し、前記送信器及び前記受信器を通じて、前記テストシステムと前記通信機器を含むテストループを閉じるように適合され、前記確立は1つ以上のベアラ及び1つ以上の制御チャネルを設定するステップを有し、前記ループの閉鎖は前記前記通信機器のテストループ機能を起動するステップを有する。前記送信器は前記テストループのダウンリンクにおいて前記テストシステムから前記通信機器へデータを送信するように適合され、前記受信器及び前記処理回路は前記テストループのアップリンクにおける前記通信機器から前記テストシステムへの送信を検証するように適合される。前記処理回路はさらに、前記送信器を通じて、特定のイベントを規定するインジケータを前記テストループ機能の起動の一部として前記テストシステムから前記通信機器へ送信するように適合され、前記特定のイベントが、前記通信機器が前記データの少なくとも一部を前記通信機器の送信部へ転送するタイミングを制御するためのものであることを特徴とする。
【0031】
本発明の第5の見地は通信機器に組み込むためのテストループ機能部である。テストループ機能部はテスト制御機能部と、前記テストループのダウンリンクにおいて前記テストシステムから送信されるデータを受信するように適合されるとともに、前記データの少なくとも一部を前記通信機器のアップリンク送信装置に転送するように適合されたループバック機能部とを有する。前記テスト制御機能部は、前記テストシステムから、前記テストループ機能部の起動の一部として、特定のイベントを規定するインジケータを前記テストシステムから受信し、前記特定のイベントが発生後まで前記ループバック機能による前記アップリンク送信部への前記データの転送を延期することを特徴とする。
【0032】
本発明の第6の見地は、本発明の第5の見地に係るテストループ機能部を有する通信機器である。
【0033】
本発明の第7の見地は、本発明の第4の見知に係るテストシステムと第6の見地に係る通信機器とを少なくとも有する、要求仕様を検証するための装置である。
【0034】
一部の実施形態において、本発明の第2〜第7の見地は、本発明の第1の見地に関して上述したような様々な機能のいずれかと同一もしくは対応する追加機能を有しうる。
【0035】
本願においてテストループと呼ぶものは、通信機器のテストループ機能を有する。通信機器はテスト対象である。テストループはさらに、前記通信機器のテストを自動化するように適合されたテストシステムを有する。
【0036】
本発明の一部の実施形態の利点は、テスト手順における所定のイベントと動作(action)とのタイミング関係を制御する必要のあるシナリオのテストが可能になることである。
【0037】
本発明の一部の実施形態の利点は、MOデータ転送を用いるシナリオに関して端末通信機器が準拠していることの検証が可能になることである。
【0038】
本発明の一部の実施形態の別の効果は、前記端末においてデータが送信待ちであることに起因してコネクション再確立を行うべきシナリオをテストしてもよいことである。
【0039】
本発明の一部の実施形態の別の効果は、パケットフィルタリングが適用されるシナリオにおいても要求試験が可能なことである。
【0040】
本発明の一部の実施形態の別の効果は、システム間ハンドオーバが発生するシナリオをテストしてもよいことである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一部の実施形態に係る方法のステップの例を示す信号フロー図である。
【図2】本発明の一部の実施形態に係るテストシステムの一例と、通信機器に含まれる装置の一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一部の実施形態に係るテストシステムの一例と、通信機器に含まれる装置の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一部の実施形態に係る方法のステップの例を示す信号フロー図である。
【図5】IPv4ヘッダフィールドの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の更なる目的、特徴及び利点は、以下の、添付図面を参照した本発明の実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
以下、本発明の実施形態を説明する。実施形態では、1つ以上の要求仕様の準拠をテストするのに好適な方法及び装置を説明する。
【0043】
先に言及した、TS 34.109で規定されるテスト機能は、アップリンクにおけるデータ転送の起動やタイミングの制御をできるようにはしていない。それに対し、ダウンリンクで受信された個々のデータユニットは、端末通信機器のテスト機能によって、アップリンクでの送信のために直ちに戻される。さらに、双方向無線ベアラ上のダウンリンクで受信されたデータユニットは、同一無線ベアラ上のアップリンクで送信するために直ちに転送される。TS 34.109で規定されているようなデータのループバックについてのタイミングは、所定の状況内で、端末がループバック遅延を一定に保たなければならないと制限されている。テストシステムはループバック遅延を制御不能であり、ループバック遅延は最大遅延値として単純に規定されている。
【0044】
所定のシナリオについての端末の振る舞いを検証することを可能にするためには、ダウンリンクで送信されたデータが端末においてアップリンクで送信可能となるタイミングを(例えばテストシステムから)制御するための手段が必要となる。そのようなシナリオは、(例えば無線リンク不良による)無線リンク切断後に、端末がアップリンクで送信するための待ちデータを有するために接続を再確立する場合であってよい。別の例示的なシナリオは、別の無線アクセス技術や、同じ無線アクセス技術内の別のセルへハンドオーバした後に待ちデータが存在する場合であってもよい。
【0045】
そのようなシナリオにおいて正しい振る舞いを検証可能とするには、リンクの切断(又はハンドオーバ)と、アップリンクでのデータ送信を開始させるタイミングとの関係を制御可能とすることが非常に重要である。
【0046】
無線アクセス技術(RAT)ハンドオーバの場合には、RATハンドオーバの前後でデータ送信が継続していることを検証可能とすることもまた重要である。そのため、RATハンドオーバを通じて位置可能なテストループを提供しなくてはならない。つまり、そのテストループは、無線アクセスシステムの変更によってキャンセルされてはならない。この目的のために、無線アクセス透過テストループモードが必要となる。
【0047】
図1は、本発明の一部の実施形態に係る方法のステップと、テストシステム100及びテスト下の通信機器110の間のやりとりの例を示す信号フロー図である。
【0048】
テストシステム100は、ダウンリンクで通信機器110へデータを送信するように構成され、通信機器110はテストシステム100へアップリンクで送信するために、ダウンリンクで受信したデータを戻すように構成される。通信機器110はさらに、所定のイベントが発生した後でのみ、アップリンクでの送信用にデータを戻すように構成される。これにより、テスト手順における所定イベントと動作の相対的なタイミングの制御が可能になる。例えば、テストシステムは、特定のイベントが発生する前にリンクの切断を開始させてもよく、それによって通信機器はリンクが切断されている際に通信機器が送信待ちデータを有するであろうことを確実にすることができる。それにより、テストシステムは、コネクション再確立手順を検証することの可能性およびコネクションが再確立された後でデータが適切に送信されることを確実にできる。
【0049】
ステップ101で、テストシステムは無線リンクを確立し、テストに用いられる(1つ又は複数の)及び制御チャネルを設定する。
【0050】
ステップ102において、テストシステムは通信機器の専用テストループ機能の起動を開始させ、通信機器は起動の開始にステップ111で応答する。ステップ102及び111における起動は、テストループを閉じるステップを有してもよい。起動はまたテストループ機能を設定するステップを有してもよい。あるいは、テストループ機能が部分的もしくは全体的に事前設定(pre-configured)されていてもよい。
【0051】
ステップ103において、テストシステムはダウンリンクで通信機器にデータ(例えばIPパケット又はレイヤ2データユニット)を送信し、通信機器はそのデータをステップ112で受信する。ステップ112で、通信機器に受信されたデータは通信機器によって様々な処理、例えば、周知な機器内受信データ処理を受けてもよい。ステップ112の後(例えばステップ116及び107に関連して)、データの受信及び受信データの処理が通信機器によって正しく実行されているかどうかの検証が行われてもよい。
【0052】
専用テストループ機能は、ダウンリンクで受信したデータの全て又は一部を、アップリンクの無線ベアラ上で送信するために転送するように構成される(ステップ114)。しかし、専用テストループ機能はさらに、特定のイベントが発生した後でのみ、アップリンクで送信するためのデータを転送するように構成される(ステップ113)。
【0053】
特定のイベントは、データが受信されてから特定量の時間が経過したことであってよい。これはテストループ機能におけるタイマとして実現されてよい。時間は事前設定されてもよいし、ステップ102及び111の起動の一部として(例えばテストシステムによって)設定されてもよい。時間はまた、ステップ102及び111でテスト機能が起動されるより前に、又は起動後に、テストシステム及び通信機器の一方又は両方に特定のコマンドを入力することによって設定されてもよい。
【0054】
特定のイベントは、テストシステムから通信機器への特定のコマンド送信(ステップ105)や、テストシステム(ステップ105)及び通信機器の少なくとも一方に対してテストオペレータが実行する(キーの押下のような)動作の登録といった、他のイベントであってもよい。特定のイベントはまた、ステップ101で確立された無線リンクの切断(104)であってもよい。
【0055】
イベントのタイプ(経過時間、コマンド、オペレータ動作、リンク切断など)は、事前設定されていてもよいし、ステップ102及び111における起動の一部として(例えばテストシステムによって)設定されてもよい。テストシステムは通信システムへ、イベントの種類および経過時間の量の少なくとも一方を規定するインジケータを送信してもよい。これはステップ102及び111でテスト機能が起動されるより前に、又は起動後に、テストシステム及び通信機器の一方又は両方に特定のコマンドを入力することによって設定されてもよい。
【0056】
特定の経過時間を用いた方法は、通信機器の実装に与える影響が少ない。
【0057】
ステップ114で通信機器がアップリンク送信用にデータを転送し終わった後、そのデータはステップ116でアップリンクで送信され、ステップ107でテストシステムに受信される。ステップ107でテストシステムがこのデータを受信する際、テストシステムはデータを検証することができる。検証は、データが本当に正しいのかを検証することなしに、アップリンク送信が行われたことを単に検証するステップを有するものであってもよいし、アップリンクでデータが正しく送信されているかのを検証するステップをさらに有してもよい。
【0058】
上述の通り、検証は正しいダウンリンク受信および処理の少なくとも一方の間接的な検証を追加構成もしくは代替構成として有してもよい。そのような検証は、戻された(UL)データを介して実行されるため、間接的な検証である。テストシステムは戻されたULデータをDLで送信したデータと比較する。例えば、戻されたULデータがDLで送信したデータと同一であれば、DLデータの受信及び処理が正しく実行されたことの検証としてもよい。別の例は、テストシステムが誤ったヘッダ情報を用いてDLデータを送信するものである。そして、通信機器はそのデータを受け付けてはならず、ULにおいてデータが全く戻されないことで通信機器の正しい動作が検証されてもよい。
【0059】
テストセッションが完了すると、テストシステムはステップ108でテストループの終了(開放)を開始し、通信機器はステップ117で終了開始に応答する。ステップ109で、無線リンクは切断される。
【0060】
特定のイベントが発生する前に、テストシステムはテストシステムとテスト下の通信機器104との間の無線リンクの切断を開始してもよい。
【0061】
通信機器におけるテストループ機能がアップリンクでの送信用にダウンリンクで受信したデータを戻し終えると(ステップ114)、無線リンクは切断されてよい。通信機器が切断され、通信機器はアップリンク送信用の待機データを有しているため、コネクションを再確立するための手順がステップ115で開始される。
【0062】
テストシステムはステップ106で、通信機器がコネクション再確立手順を正しく実行していることを検証する。
【0063】
ステップ104における切断は、例えば、無線リンク障害をシミュレートしてもよい。あるいは、または更に、テストシステムは、特定のイベント発生前にシステム内の他のセル又は他のRATへのハンドオーバをシミュレートし、対応する処理を通信機器が正しく実行することを検証してもよい。この場合、特定のイベントは上述した例のいずれかを有してもよいし、自身におけるハンドオーバを有してもよい。
【0064】
上述の通り、通信機器におけるテストループ機能は、ダウンリンク上で受信したデータの一部又は全部を戻すように構成されてよい。例えば、ダウンリンクで送信されたデータの一部が(例えばアップリンクの振る舞いをテストするために)アップリンクを対象とし、その後戻されるとともに、ダウンリンクで送信されたデータの一部が他の何らかの目的(例えばダウンリンク受信をテストするために)を対象とし、戻されない。さらに、データがパケット(例えばIPパケット)としてダウンリンクで送信される場合、パケットのペイロードのみがアップリンクでの送信用に戻されてもよい。(ヘッダ情報のような)パケットの他の中身は、アップリンクでの送信前に除去されても、追加されても、変更されてもよい。例えば、ペイロードの全体又は一部を繰り返したり、切り詰めたり中断したりすることにより、ペイロードのサイズを変更することもできる。さらに、例えばヘッダが変更されるかペイロードのサイズが変更されるかの少なくとも一方によって、パケット全体のサイズが変更されてもよい。
【0065】
上述の通り、テストループ機能は部分的もしくは全体的に事前設定されてよい。関連するシナリオの各々について、専用の事前設定されたテストループ機能が存在していてもよい。あるいは、ステップ102及び111における起動の一部として、特定のシナリオについて設定される1つ(又は2、3の)テストループ機能が存在してもよい。
【0066】
リンク及びベアラを無線リンク及び無線ベアラとして説明してきたが、本発明の実施形態は有線通信システムに対しても同様に適用可能である。
【0067】
本発明の一部の実施形態は、経過時間と、他のイベント開始事項とを1つの方法の中で組み合わせて用いる。例えば、データは、イベントが開始された(105)直後に、しかし遅くとも特定量の時間経過時にステップ114で転送されてもよい。
【0068】
TS 34.109(図5.1.1)において、UEテストループ機能は双方向無線ベアラ用のデータのループバックを提供するように規定されている。
【0069】
図2は、本発明の一部の実施形態に係る、テストシステム200の一例と、通信機器300に含まれるテストループ機能装置310の一例とを示すブロック図である。
【0070】
テストシステム200及び通信機器300は例えば、テストシステム100及び通信機器110に対応してよく、テストシステム200及び装置310は図1に関して説明したような方法のステップを実行するように適合されていてよい。
【0071】
テストシステムは送信器201、受信器202、及び処理回路(例えば中央処理装置-CPU)203を有する。これらのエンティティは図1のテストシステム100に関して説明したような方法のステップを実行するように適合されてよい。
【0072】
テストループ機能装置310はテスト制御部(TC)311及びループバック(LB)機能部312を有する。
【0073】
本発明の実施形態によれば、LB機能部312は1つ以上の無線ベアラループバック(RB LB)エンティティ(不図示)を含んでよい。TS 34.109(図5.1.1)には、いくつかの無線ベアラループバック(RB LB)エンティティ(DL/UL RBペア毎に1つ)を有するループバック機能部が示されている。各RB LBエンティティは1つのダウンリンク無線ベアラ(又は制御チャネル)から受信したデータの全て又は一部をアップリンク無線ベアラに戻すように構成されてよい。あるいは、RB LBエンティティ任意のダウンリンク無線ベアラ(又は制御チャネル)から受信したデータの全て又は一部を、設定されたアップリンク無線ベアラのいずれかに、おそらくは何らかのマッピング規則に基づいて戻すように構成されてよい。
【0074】
TC機能部311はLB機能部312を制御するために用いられる。TC機能部は通信機器300のユーザインタフェースを通じて、無線機器300外部のインタフェースで受信されたメッセージを通じて、又はテスト中の無線インタフェース(例えばE-UTRA無線インタフェース)を通じて、コマンドを受信することができる。後者の利点は、テストすべき全ての機器に対して特殊な外部インタフェースを必須とする必要がないことである。この手法を用いた場合、例えば、UTRA/E-UTRA仕様に準拠した内蔵PCモジュールに、適合性テストのためだけに追加の外部インタフェース(例えばUSB)を持たせる必要がない。TC機能部は、テストループ機能の起動(activation)及び停止(de-activeation)、RB LBエンティティの確立及び設定、テストループの閉じ(closing)及び開放(opening)、及びイベント/遅延時間設定についての制御を提供する。LB機能部は、ダウンリンクデータを受信し、そのデータの一部又は全部をアップリンクでの送信用に転送するように適合される。データの転送はTC機能部の制御下で行われてよい。
【0075】
ループバックポイントは通信機器のアクセス機能より上位に、すなわちノンアクセスストラタムに存在する。
【0076】
テストシステム200及び通信機器300は、本技術分野で一般的に知られているように、入力/出力インタフェースをさらに有することができる。これらのインタフェースは例えば、キーやディスプレイを有し、テストを実行、制御及び監視する際にテストオペレータが用いることができる。
【0077】
図3は、本発明の一部の実施形態に係る、テストシステム220の一例と、通信機器320に含まれるテストループ機能装置330の一例とを示すブロック図である。
【0078】
テストシステム220及び通信機器320は例えば、図4のテストシステム400及び通信機器410に対応してよく、テストシステム220及び装置330は図4に関して説明するような方法のステップを実行するように適合されていてよい。
【0079】
テストシステムは送信器221、受信器222、及び処理回路(例えば中央処理装置-CPU)223を有する。これらのエンティティは図4のテストシステム400に関して説明するような方法のステップを実行するように適合されてよい。
【0080】
通信機器320に含まれてよいテストループ機能装置330は、図2の対応する構成311及び312と同様のテスト制御部(TC)331及びループバック(LB)機能部332を有する。通信機器320はさらに、ベアラマッピング部333を有している。ベアラマッピング部333は対応するパケットフィルタに従って、アップリンクで送信すべきデータを個々のベアラにマッピングするように構成されてよい。パケットフィルタは特定のサービスデータフローに関連付けられたデータをどのベアラにマッピングすべきかを指定する。例えばパケットフィルタは、テスト中の無線又は有線インタフェースによって特定されるレイヤ3制御メッセージを通じてテストシステムによって設定されてもよい。例えば、UTRA、E-UTRA及びGPRSについて、パケットフィルタはレイヤ3制御メッセージで送信されるUL TFT情報によって設定されてもよい。
【0081】
ベアラマッピング部333が用いられる場合には、LB機能部332に複数の無線ベアラループバック(RB LB)エンティティは必要ない。これは、そのような実装では全てのDLループバックデータがUE LB機能332で終端され、全てのULループバックデータがベアラマッピング部333に直ちに転送され、ベアラマッピング部333が正しい無線ベアラへのさらなる分配を処理するからである。
【0082】
ループバック機能は通信機器のアクセス機能より上位に、すなわちノンアクセスストラタムに存在する。これにより、ベアラマッピングのループバック機能テストを、例えばリンク切断もしくはハンドオーバイベント後に行うことが可能になる。つまり、ループバックポイントがSDF(又はPDPコンテキスト)とベアラとの間のマッピングを処理する機能よりも上位に存在する。
【0083】
複数のSDF(又はPDPコンテキスト)が確立されている状況では、どのパケットフィルタにも関連付けられていない一般に1つのベアラが存在する。そのため、どのパケットフィルタからも出力されない全てのパケットをこのベアラ上で送信しなければならない。しかし、どのパケットフィルタにも明示的に関連付けられていないことは、パケットフィルタ(例えば、他のベアラに関連付けられたパケットフィルタの補集合)であるとも見ることができる。そのため、本願が異なるサービスデータフローに関連付けられているデータユニットについて述べる場合(データユニットに関連付けられているサービスデータフローを表す情報を各データユニットが有する)、および1つ以上のアップリンクパケットフィルタに従って、データユニットの各々が、個々のデータユニットに関連付けられているサービスデータフローに対応する正しいベアラ上で送信されているかを検証する場合、上述した、1つのベアラがどのパケットフィルタにも関連付けられていない状況が包含されている。
【0084】
LB機能部は受信したIPパケットのヘッダフィールドのいくつかを、アップリンクでの送信前に変更する機能を有してもよい。これは、ヘッダに挿入する前にIPチェックサムを計算することを含みうる。図5はIPv4ヘッダフィールドを示している。一例として、上述したようにIPパケットのサイズが増加又は減少されるとすると、IPヘッダフィールド”パケット長(Total Length)”および”ヘッダチェックサム”が更新される。
【0085】
図4は本発明のいくつかの実施形態に係る例示的な方法の行程と、テストシステム400およびテスト下にある通信機器410とのやりとりを示す信号フロー図である。
【0086】
図4に示すテスト方法は、1つの無線アクセス技術内および/又は(例えば無線リンクが確立された際にUL TFTによって設定されるような)RATハンドオーバ後のパケットフィルタに関する通信機器の振る舞いを検証するために特に有用である。
【0087】
テストシステム400はダウンリンクでデータを通信機器410に送信するように構成され、通信行きはダウンリンクで受信したデータをアップリンクでテストシステム400に返すように構成される。
【0088】
ステップ401で、テストシステムは無線リンクを確立するとともに、1つ以上の無線ベアラ、1つ以上の制御チャネル、およびテストに用いるべき1つ以上のパケットフィルタを設定する。
【0089】
ステップ402で、テストシステムは通信機器の専用テストループ機能の有効化を開始し、通信機器は有効化の開始にステップ411で応答する。ステップ402および411での有効化はテストループの閉じ(closing)を含んでもよい。有効化はさらに、テストループ機能の設定を含んでもよい。あるいは、テストループ機能はその一部又は全部を事前設定されていてもよい。
【0090】
ステップ403で、テストシステムはデータ(例えばIPパケット)を、ダウンリンクで通信機器に送信し、通信機器はデータをステップ412で受信する。ステップ412において、通信機器によって受信されたデータはまた、通信機器によって様々な処理を受けてもよい。例えばそのような内部機器受信データ処理は周知である。ダウンリンクで送信される各パケットは、IPパケットが異なるサービスデータフローを表すことをシミュレートするヘッダ情報を含んでいる。ステップ412の後(例えばステップ416および407に関連して)、データの受信および受信データの処理が通信機器によって正しく実行されていることの検証が行われてもよい。
【0091】
専用テストループ機能は、ダウンリンクで受信したデータの全て又は一部を、アップリンクの無線ベアラ上で送信するために転送するよう構成される(ステップ414)。アップリンクでの送信のためにデータが戻されると、通信機器はパケットフィルタ設定に基づいて複数のIPパケットを異なるベアラにマッピングする。
【0092】
ステップ414で、通信機器がアップリンクでの送信用に転送した後、ステップ416でその同じデータがアップリンクで送信され、ステップ407でテストシステムによって受信される。ステップ407でテストシステムがデータを受信すると、テストシステムはデータを検証することができる。検証は、データが実際に正しいことの検証を行わずに、アップリンク送信が行われたことを検証することを単に含むものであってもよいし、データがアップリンクで正しく送信されたことの検証をさらに含んでもよい。ステップ407における検証は、IPパケットの各々が、テストシステムによって設定されたパケットフィルタ設定およびIPヘッダ情報に従って正しいアップリンクベアラ上で送信されているかの検証を含んでもよい。
【0093】
上述したように、正しいDL受信および/又は処理の間接的な検証をさらに、あるいは代替物として含んでもよい。そのような検証は、戻された(UL)データを介して実行されるため、間接的なものである。テストシステムは戻されたULデータをDLで送信したデータと比較する。例えば、戻されたULデータがDLで送信したデータと同一なら、これをDLデータの受信および処理が正しく行われたこととの検証としてもよい。別の例は、テストシステムが誤ったヘッダ情報を用いてDLデータを送信するものである。そして、通信機器はそのデータを受け付けてはならず、通信機器の正しい動作はULで戻されるデータがないことをもって検証することができる。
【0094】
テストセッションが完了すると、テストシステムはステップ408でテストループの無効化(開放)を開始し、通信機器は無効化の開始にステップ417で応答する。ステップ409で、無線リンクが切断される。
【0095】
通信機器410は、特定のイベントが発生した後にのみアップリンク送信用にデータを戻すように構成されてもよい。これにより、テスト手順における所定のイベントと動作の相対的なタイミングの制御が可能になる。例えば、テストシステムは、特定のイベントが発生する前にリンクの切断を開始することができ、それによってリンクが切断された際に通信機器が送信待ちのデータを有することを確実にすることができる。それにより、テストシステムはコネクション再確立手順およびコネクション再確立後にデータが正しく送信されることの検証を行えることを確実にすることが可能となる。
【0096】
そのため、専用テストループ機能は、特定のイベントが発生した後(ステップ413)でのみ、ダウンリンクで受信したデータの全部又は一部をアップリンクの無線ベアラ上で送信するために転送する(ステップ414)ように、必要に応じて構成されてもよい。
【0097】
特定のイベントは、データが受信された時刻からの、所定時間の経過であってよい。これは、テストループ機能内のタイマとして実現することができる。この時間は、予め設定されてもよいし、ステップ402および411での有効化の一部として(例えばテストシステムによって)設定されてもよい。また、時間は、ステップ402および411でテスト機能が有効化される前又は後にテストシステムおよび通信機器の少なくとも一方で入力される特定のコマンドによって設定されてもよい。
【0098】
特定のイベントは、テストシステムから通信機器への特定のコマンドの送信(ステップ405)や、テストオペレータによってテストシステム(ステップ405)及び通信機器の少なくとも一方で実行される(キーの押下のような)動作の登録のような他のイベントであってもよい。特定のイベントは、ステップ401で確立された無線リンクの切断(404)であってもよい。
【0099】
イベントの形式(経過時間、コマンド、オペレータの動作、リンク切断、等)は、予め設定されていても良いし、ステップ402および411での有効化の一部として(例えばテストシステムによって)設定されてもよい。テストシステムは、イベントの形式及び/又は経過時間量を規定するインジケータを通信システムへ送信することができる。これはさらに、ステップ402および411でテスト機能が有効化される前又は後にテストシステムおよび通信機器の少なくとも一方で入力される特定のコマンドによって設定されてもよい。
【0100】
特定の経過時間を用いるこの手法は、通信機器の実施に与える影響が少なくて済む。
【0101】
特定のイベントが発生する前に、テストシステムはステップ404で、テストシステムとテスト下にある及び通信機器の間の無線リンクの切断を開始することができる。通信機器におけるテストループ機能がダウンリンクで受信したデータをアップリンクでの送信用に戻す(ステップ414)と、無線リンクは切断される。通信機器は切断され、アップリンクで送信するための待ちデータを有するので、コネクションを再確立するための手順がステップS415において開始される。
【0102】
ステップ406でテストシステムは、通信機器がコネクション再確立手順を正しく実行していることを検証する。
【0103】
ステップ404における切断は、例えば、無線リンク故障をシミュレートしてよい。あるいは、又はさらに、テストシステムは、特定のイベントが発生する前に、他のシステム内セル又は他のRATへのハンドオーバをシミュレートし、対応する手順を通信機器が正しく実行していることを検証してもよい。この場合、特定のイベントは上述した例のいずれか、又は自身によるハンドオーバを有することができる。
【0104】
既に述べたように、通信機器におけるテストループ機能は、ダウンリンクで受信したデータの一部又は全部を返すように設定されてよい。例えば、ダウンリンクで送信されたデータのいくつかが(例えばアップリンクの振る舞いをテストするために)アップリンクについて意図され、その後戻され、その一方でダウンリンクで送信されたデータのいくつかは別の目的(例えばダウンリンク受信のテスト)が意図され、戻されない。さらに、ダウンリンクでデータがパケット(例えばIPパケット)として送信される場合、パケットのペイロードだけがアップリンクでの送信用に返されてもよい。(ヘッダ情報のような)パケットの他の内容は、アップリンクでの送信前に除去、追加又は変更がなされてもよい。例えばペイロードの全体又は一部を繰り返したり、ペイロードを切り詰めたり区切ったり得ることによってペイロードのサイズもまた変更されてよい。さらに、例えば、ヘッダの変更及び/又はペイロードの大きさの変更がある場合、パケット全体の大きさが変更されてもよい
【0105】
上述したように、テストループ機能は一部又は全部が予め設定されていてよい。個々の関連するシナリオについて、専用且つ予め設定されたテストループ機能が存在していてもよい。あるいは、ステップ402および411での有効化の一部として、特定のシナリオについて設定された1つ(又は2,3の)テストループ機能が存在していてもよい。
【0106】
リンク及びベアラを無線リンク及び無線ベアラとして説明してきたが、本発明の実施形態は有線通信システムにも同様に適用可能である。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態は、同一の解決手法において経過時間と他のイベント開始の随意的な代替物を組み合わせる。例えば、データはイベント開始(405)の直後であって、遅くとも特定量の時間経過後までにステップ414で転送されてもよい。
【0108】
例えば無線アクセス技術ハンドオーバが発生した後に、通信機器の振る舞いをパケットフィルタ処理について検証することが望まれる場合、以下の手順を方法に加えることができる。
【0109】
テストシステムは、対応するハンドオーバコマンドを通信機器に送信する(ステップ404’)ことにより、無線アクセス技術の変更を開始することができる。あるいは、又はさらに、テストシステムは他のシステム内セルへのハンドオーバをシミュレートしてもよい。このようにしてハンドオーバ手順が開始され、ステップ415’において通信機器が応答する。テストシステムはステップ406’において、通信機器がハンドオーバ手順を正しく実行していることを検証する。
【0110】
ステップ403’で、テストシステムは追加データ(例えばIPパケット)を、ダウンリンクで通信機器に送信し、通信機器はデータをステップ412’で受信する。ステップ412’において、通信機器によって受信されたデータはまた、通信機器によって様々な処理を受けてもよい。例えばそのような内部機器受信データ処理は周知である。ここでも、ダウンリンクで送信される各パケットは、IPパケットが異なるサービスデータフローを表すことをシミュレートするヘッダ情報を含んでいる。
【0111】
専用テストループ機能は、追加データの全て又は一部を、アップリンクの無線ベアラ上で送信するために転送する(ステップ414’)。アップリンクでの送信のために追加データが戻されると、通信機器はパケットフィルタ設定に基づいて複数のIPパケットを異なるベアラにマッピングする。
【0112】
ステップ414’で、通信機器がアップリンクでの送信用に追加データを転送した後、ステップ416’でその同じ追加データがアップリンクで送信され、ステップ407’でテストシステムによって受信される。ステップ407’でテストシステムが追加データを受信すると、テストシステムは追加データを検証することができる。検証は、追加データが実際に正しいことの検証を行わずに、アップリンク送信が行われたことを検証することを単に含むものであってもよいし、追加データがアップリンクで正しく送信されたことの検証をさらに含んでもよい。ステップ407’における検証は、追加データのIPパケットの各々が、テストシステムによって設定されたパケットフィルタ設定およびIPヘッダ情報に従って正しいアップリンクベアラ上で送信されているかの検証、すなわち、ハンドオーバ後であってもベアラマッピングが正しいことの検証を含んでもよい。
【0113】
本発明の実施形態は、通信機器が移動端末発データに関するシナリオに準拠しているかの検証を可能にする。これは、例えば、通信機器において送信用のデータが待機している際にコネクションを再確立するためのシナリオに適用可能である。エンドユーザが期待するであろうサービス品質の補償を可能とするための標準化された振る舞いに通信機器が準拠していることを保証するため、そのようなシナリオへの準拠の検証は重要である。
【0114】
本発明の実施形態はさらに、(例えばE-UTRANとE-UTRAとの間の)RATハンドオーバや、セルハンドオーバのような、移動性がある状況の間のデータ継続性のテストも可能にする。
【0115】
本発明の実施形態はさらに、(例えばE-UTRANとE-UTRAとの間の)RATハンドオーバや、セルハンドオーバのような、移動性がある状況の間のパケットフィルタ(例えばUE UL TFT)機能及び機能データ継続性のテストも可能にする。
【0116】
説明した本発明の実施形態及びその等価物は、ソフトウェア、ハードウェア又はそれらの組み合わせによって実現することができる。それらは、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、中央処理装置(CPU)、コプロセッサユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような、通信機器に関連する、あるいは統合された汎用的な回路又は他のプログラマブルなハードウェアによって、あるいは例えば特定用途向け集積回路(ASIC)のような特別な回路によって実行されてよい。そのような形態の全ては、本発明の範囲に含まれることが意図されている。
【0117】
本発明は、本発明の実施形態のいずれかに従った回路/ロジックを備える電子装置又は本発明の実施形態のいずれかに従った方法を実行する電子装置によって実施されてよい。電子装置は例えば、ポータブル又はハンドヘルド移動体無線通信機器、移動体無線端末、携帯電話機、コミュニケータ、電子手帳、スマートフォン、コンピュータ、ノートブック、又は携帯ゲーム機であってよい。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は例えばディスケットやCD-ROMのようなコンピュータ読み取り可能な媒体を有する。コンピュータ読み取り可能な媒体は、プログラム命令を有するコンピュータプログラムを格納していてよい。コンピュータプログラムは、例えば移動体端末又はテストシステムが備えるデータ処理部に読み込まれてよい。データ処理部に読み込まれると、コンピュータプログラムはデータ処理部に関連づけもしくは統合されたメモリに格納されてよい。いくつかの実施形態によれば、コンピュータプログラムは、データ処理部に読み込まれて実行される際に、例えば図1〜図4のいずれかに示される方法に従った方法手順をデータ処理部に実行させる。
【0119】
本発明を様々な実施形態に関して説明してきた。しかし、本技術分野に属する当業者は、依然として本発明の範囲に含まれる、説明された実施形態の数多くの変形物を認めるであろう。例えば、ここで説明した方法の実施形態は、所定の順序で実行される方法手順を通じた例示的な方法を示している。しかし、イベントの順序が本発明の範囲内で別の順序で実行されてよいことが理解される。さらに、順番に実行されるものとして説明されていても、いくつかの方法手順は並列に実行されてよい。
【0120】
同様に、本発明の実施形態の説明において、機能ブロックを特定のユニットに分割した区切りは、本発明をいかなる意味においても限定しない。これらの区切りは単なる例示である。ここで1つのユニットとして説明される機能ブロックが2つ以上のユニットに分割されてもよい。同様に、ここで2つ以上のユニットとして実施されるものとして説明された機能ブロックが、本発明の範囲内で1つのユニットとして実装されてもよい。
【0121】
ある実施形態の機能は、様々な実用的な組み合わせにおいて他の実施形態の機能と組み合わせられてもよい。
【0122】
従って、説明された実施形態における制限は単なる例示を目的としたものであり、いかなる意味においても限定を目的としたものではないことを理解されたい。本発明の範囲は発明の詳細な説明ではなく添付の特許請求の範囲によって規定され、請求項の範囲に含まれる全ての派生物は本発明に包含されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機器が1つ以上の要求仕様に準拠していることを検証するための方法であって、
テストシステムと前記通信機器との間にリンクを確立するステップ(101)であって、1つ以上のベアラ及び1つ以上の制御チャネルを設定するステップを有するステップと、
前記テストシステム及び前記通信機器を含むテストループを閉じるステップ(102,111)であって、前記通信機器のテストループ機能を有効化するステップを有するステップと、
前記テストループのダウンリンクで前記テストシステムから前記通信機器へデータを送信するステップ(103)と、
前記データを前記通信機器で受信するステップ(112)と、
特定のイベントの発生後(113,105)に前記データの少なくとも一部を前記通信機器のアップリンク送信装置に転送するステップ(114)と、
前記通信機器から前記テストシステムへの前記テストループのアップリンク(116)での送信を、前記テストシステムで検証するステップ(107)、とを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記アップリンクでの送信を検証する前記ステップが、前記アップリンク送信装置へ転送された前記データが前記通信機器によって前記アップリンクで正しく送信されていることを検証するステップを有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記特定のイベントが前記データの前記受信からの所定時間経過であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記特定のイベントが前記テストシステムから前記通信機器への特定のコマンド送信(105)であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記特定のイベントが、前記テストシステム及び前記通信機器の少なくとも一方で実行されるテストオペレータ動作の登録(105)であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記特定のイベントが、前記リンクの切断(104,105)であり、
前記通信機器によってリンク再確立手順が正しく実行されていること(115)を前記テストシステムで検証するステップ(106)をさらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記ダウンリンクで前記データを送信する前記ステップの後で、前記特定のイベントが発生する前に、前記リンクを切断するステップ(104)と、
前記通信機器によってリンク再確立手順が正しく実行されていること(115)を前記テストシステムで検証するステップ(106)とをさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記リンクが無線リンクであり、前記ベアラが無線ベアラであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記リンクが無線リンク、前記ベアラが無線ベアラであり、
前記方法が、
前記ダウンリンクで前記データを送信する前記ステップの後で、前記特定のイベントが発生する前に、セルハンドオーバコマンドを前記テストシステムから前記通信機器へ送信することによってシステム内セルハンドオーバをシミュレートするステップと、
前記通信機器によってシステム内セルハンドオーバ手順が正しく実行されていることを前記テストシステムで検証するステップとをさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記リンクが無線リンク、前記ベアラが無線ベアラであり、
前記方法が、
前記ダウンリンクで前記データを送信する前記ステップの後で、前記特定のイベントが発生する前に、無線アクセス技術ハンドオーバコマンドを前記テストシステムから前記通信機器へ送信することによって無線アクセス技術ハンドオーバをシミュレートするステップと、
前記通信機器によって無線アクセス技術ハンドオーバ手順が正しく実行されていることを前記テストシステムで検証するステップとをさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記テストループ機能を有効化する前記ステップが、前記特定のイベントを規定するインジケータを前記テストシステムから前記通信機器へ送信するステップを有することを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記テストシステムと前記通信機器との間で前記リンクを確立する前記ステップが、1つ以上のアップリンクパケットフィルタを設定するステップをさらに有し、
前記テストループのダウンリンクで前記テストシステムから前記通信機器へデータを送信する前記ステップが、異なるサービスデータフローに関連付けられたデータユニットを送信するステップと、前記データユニットの各々に、前記データユニットに関連付けられた前記サービスデータフローを表す情報を含めるステップとを有し、
前記アップリンクでの送信を検証する前記ステップが、前記データユニットの各々が、前記1つ以上のアップリンクパケットフィルタに従い、前記データユニットの各々に関連付けられた前記サービスデータフローに対応する正しいベアラ上で前記通信機器によって送信されていることを検証するステップを有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータプログラムはプログラム命令を有し、通信装置が1つ以上の要求仕様に準拠していることを検証するために前記通信装置と接続可能なテストシステムのデータ処理部に読み込まれることが可能であって、前記データ処理部によって前記コンピュータプログラムが実行された際に前記テストシステムに少なくとも、
テストシステムと前記通信機器との間にリンクを確立するステップであって、1つ以上のベアラ及び1つ以上の制御チャネルを設定するステップを有するステップと、
前記テストシステム及び前記通信機器を含むテストループを閉じるステップであって、前記通信機器のテストループ機能を有効化するステップを有するステップと、
前記テストループのダウンリンクで前記テストシステムから前記通信機器へデータを送信するステップと、
前記通信機器から前記テストシステムへの前記テストループのアップリンクでの送信を検証するステップとを有し、
前記テストループ機能を有効化する前記ステップが、特定のイベントを規定するインジケータを前記テストシステムから前記通信機器へ送信するステップを有し、前記特定のイベントが、前記データの少なくとも一部を前記通信機器が前記通信機器のアップリンク送信装置にいつ転送するかを制御するためのものであることを特徴とする、方法の各工程を実行させる、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項14】
前記コンピュータプログラムが前記データ処理部によって実行された際に、前記テストシステムに、
前記データを前記ダウンリンクで送信する前記ステップの後で、前記特定のイベントが発生する前に、前記リンクを切断するステップと、
リンク再確立手順が前記通信機器によって正しく実行されていることを検証するステップと、をさらに実行させるように適合されていることを特徴とする請求項13記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項15】
コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータプログラムはプログラム命令を有し、通信装置のデータ処理部に読み込まれることが可能であって、前記データ処理部によって前記コンピュータプログラムが実行された際、前記通信機器のテストループ機能に、
前記通信機器のテストループ機能の有効化の一部として、特定のイベントを規定するインジケータをテストシステムから受信するステップと、
前記テストループのダウンリンクで前記テストシステムからデータを受信するステップと、
前記特定のイベントの発生後に、前記データの少なくとも一部を前記通信機器のアップリンク送信装置に転送するステップとを少なくとも実行させるように適合されている有することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項16】
通信機器に接続可能であって、前記通信機器が1つ以上の要求仕様に準拠していることを検証するためのテストシステムであって、
送信器(201,221)と、受信器(202,222)と、処理回路(203,223)とを有し、
前記処理回路が、
前記送信器を介して前記テストシステムと前記通信機器との間でリンクを確立し、この確立には1つ以上のベアラ及び1つ以上の制御チャネルの設定を含み、
前記送信器及び前記受信器を介して前記テストシステムと前記通信機器を含むテストループを閉じ、この閉じには前記通信機器のテストループ機能の有効化を含み、
前記送信器が、前記テストループのダウンリンクでデータを前記テストシステムから前記通信機器へ送信するように適合され、
前記受信器及び前記処理回路は前記通信機器から前記テストシステムへの前記テストループのアップリンクでの送信を検証するように適合され、
前記処理回路が、
前記送信器を介して、前記テストシステムから前記通信機器へ、特定のイベントを規定するインジケータを前記テストループ機能の前記有効化の一部として送信するように適合され、
前記特定のイベントが、前記データの少なくとも一部を前記通信機器が前記通信機器のアップリンク送信装置にいつ転送するかを制御するためのものであることを特徴とするテストシステム。
【請求項17】
前記処理回路がさらに、前記データが前記通信機器によって前記アップリンクで正しく送信されていることを検証するように適合されることを特徴とする請求項16記載のテストシステム。
【請求項18】
前記処理回路がさらに、
前記送信器が前記ダウンリンクで前記データを送信した後、前記特定のイベントが発生する前に、前記リンクを切断し、
前記通信機器によってリンク再確立手順が正しく実行されていることを検証する、ように適合されることを特徴とする請求項16又は請求項17記載のテストシステム。
【請求項19】
前記リンクが無線リンク、前記ベアラが無線ベアラであり、
前記処理回路がさらに、
前記送信器が前記ダウンリンクで前記データを送信した後、前記特定のイベントが発生する前に、前記送信器を介してセルハンドオーバコマンドを前記通信機器へ送信することによってシステム内セルハンドオーバをシミュレートし、
前記通信機器によってシステム内セルハンドオーバ手順が正しく実行されていることを検証するように適合されることを特徴とする請求項16又は請求項17記載のテストシステム。
【請求項20】
前記リンクが無線リンク、前記ベアラが無線ベアラであり、
前記処理回路がさらに、
前記送信器が前記ダウンリンクで前記データを送信した後、前記特定のイベントが発生する前に、前記送信器を介して無線アクセス技術オーバコマンドを前記通信機器へ送信することによって無線アクセス技術ハンドオーバをシミュレートし、
前記通信機器によって無線アクセス技術ハンドオーバ手順が正しく実行されていることを検証するように適合されることを特徴とする請求項16又は請求項17記載のテストシステム。
【請求項21】
前記データが、異なるサービスデータフローに関連付けられたデータユニットを有し、前記処理回路がさらに、
前記送信器を介して1つ以上のアップリンクパケットフィルタを設定し、
前記データユニットの各々に、前記データユニットに関連付けられた前記サービスデータフローを表す情報を含め、
前記データユニットの各々が、前記1つ以上のアップリンクパケットフィルタに従い、前記データユニットの各々に関連付けられた前記サービスデータフローに対応する正しいベアラ上で前記通信機器によって送信されていることを検証する、ように適合されることを特徴とする請求項16乃至請求項20のいずれか1項に記載のテストシステム。
【請求項22】
通信機器に組み込むためのテストループ機能装置であって、
テスト制御機能部(311,331)と、
テストシステムから前記テストループのダウンリンクで送信されたデータを受信するとともに、前記データの少なくとも一部を前記通信装置のアップリンク送信装置に転送するように適合されたループバック機能部(312,332)とを有し、
前記テスト制御機能部が、
前記テストループ機能装置の有効化の一部として、特定のイベントを規定するインジケータを前記テストシステムから受信し、
前記特定のイベントが発生する後まで、前記ループバック機能部による前記アップリンク送信装置への前記データの転送を延期させるように適合されることを特徴とするテストループ機能装置。
【請求項23】
請求項22記載の前記テストループ機能装置(310,330)を有する通信機器。
【請求項24】
前記データが、異なるサービスデータフローに関連付けられたデータユニットを有し、前記通信機器がさらに、前記データユニットの各々を、1つ以上のアップリンクパケットフィルタに従い、前記データユニットの各々に関連付けられた前記サービスデータフローに対応する正しいベアラにマッピングするように適合されたベアラマッピング部(333)を有することを特徴とする請求項23記載の通信機器。
【請求項25】
請求項16乃至請求項21のいずれか1項に記載のテストシステムと、請求項23又は請求項24記載の前記通信機器(110,300,320)とを少なくとも有することを特徴とする、要求仕様を検証するための装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−521545(P2011−521545A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507907(P2011−507907)
【出願日】平成21年5月6日(2009.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055455
【国際公開番号】WO2009/135864
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】