説明

親水性金属酸化物ナノ顔料と低分子量のポリアルキレングリコールとを含む水性光保護組成物;その使用

本願は、生理学的に許容可能な媒体中に
a)少なくとも一つの水性相;
b)組成物の全重量に対して1から25重量%の範囲の量の金属酸化物に基づく少なくとも一つの親水性無機ナノ顔料;
c)8000g/mol未満の分子量を有する少なくとも一つのポリアルキレングリコール
を含む光保護組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、生理学的に許容可能な媒体中に
a)少なくとも一つの水性相;
b)組成物の全重量に対して1から25重量%の範囲の量の金属酸化物に基づく少なくとも一つの親水性無機ナノ顔料;
c)8000g/mol未満の分子量を有する少なくとも一つのポリアルキレングリコール
を含む光保護組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
280nmから400nmの間の波長を有する光線が、ヒトの表皮の褐色化が可能であること、及びUV−B光線の名称で既知である280nmから320nmの間の波長を有する光線が、天然の日焼けの展開を有害にし得る皮膚火傷と紅斑を引き起こすことは周知である;それ故このUV−B光線は、遮蔽されなければならない。
【0003】
皮膚の褐色化を引き起こす320nmから400nmの間の波長を有するUV−A光線は、特に敏感肌または継続的に日光に曝される皮膚の場合、皮膚の有害な変化を導くことができることも既知である。UV−A光線は、特に皮膚の弾性を損失と、シワの出現を引き起こし、早まった老化を導くものである。それは紅斑性の反応の誘引を促進し、またはある被験者においてはこの反応を促進し、光毒性または光アレルギー性の反応の原因とさえなり得る。それ故、UV−A光線も同様に遮蔽されることが望ましい。
【0004】
皮膚の光保護を企図した数多くの化粧品組成物が今日提供されている。
【0005】
各種のタイプのサンスクリーン剤;無機粒子及び有機スクリーニング剤が現在市場に存在している。これらのスクリーニング剤は、有害な日光を吸収またはブロックできる一方で、ユーザーに無毒性であり続けなければならない。
【0006】
多かれ少なかれ有害なUV光線を選択的に吸収可能な多くの有機スクリーン剤が、化粧品の分野で今日提供されている。しかしながら、各種の理由のため、これらのスクリーニング剤は完全に満足なものであるとはいえない。
【0007】
この理由は、これらの有機スクリーニング剤の使用を避ける試みがますますなされている一方、無機金属酸化物ナノ粒子、特にナノ酸化チタン及びナノ酸化亜鉛の使用が好まれているためであり、後者はUV光線を主に散乱/反射することによってサンスクリーン剤として機能する一方、ユーザーにより大きな安全性を導くものである。これらのナノ顔料は一般的に、500nm未満、好ましくは100nm未満の単位粒子の平均径を有する。製剤で一般的に使用される金属酸化物ナノ粒子は、親水性であっても疎水性であっても良い。
【0008】
あるタイプの金属酸化物ナノ粒子、とりわけ酸化チタンのもの及び酸化亜鉛のものは、適用後に皮膚を白色化する傾向を有する。この現象は美的な観点から望ましくない。
【0009】
この望ましくない白色化の現象に加えて、金属酸化物ナノ粒子は一般的に、水性組成物中、とりわけ抗日光化粧品で最も一般的に使用されるものであるエマルションタイプのビヒクル中に製剤化するのが困難である。それらは沈降の現象を生じ、大きな凝集物を形成し、それらを含む水性製剤を不安定化する傾向を有する。
【0010】
日本国特許出願9-151110において、1000から10000000の間の分子量を有するポリアルキレングリコールを無機粒子と組み合わせて、水性ビヒクル中での凝集の現象を阻害する提案がすでになされている。しかしながらこの文献は、500nm未満の単位粒子の平均径を有する金属酸化物ナノ粒子を開示してはおらず、適用時にこれらのナノ粒子によって生ずる白色化の問題を解決することは可能ではない。
【0011】
更に本出願人は、その研究実験の間で、8000g/molより大きい平均分子量を有するポリアルキレングリコールが、水性相中で親水性金属酸化物ナノ粒子の分散性を改良できないことを見出した。
【特許文献1】日本国特許出願9-151110
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
かくして、一方で皮膚に対する白色化の現象が実質的に減少する、実際には消失することさえでき、他方で良好な安定性を示す(水性相中のナノ粒子の良好な分散性)金属酸化物ナノ粒子の基づく新規な水性抗日光製剤を求める必要性が存在する。
【0013】
本出願人は、驚くべき且つ予期せぬことに、この目的が、親水性金属酸化物ナノ粒子と8000g/mol未満の平均分子量を有するポリアルキレングリコールとの組合せを使用することによって達成できることを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かくして本発明の主題は、生理学的に許容可能な媒体中に
a)少なくとも一つの水性相;
b)組成物の全重量に対して1から25重量%の量の少なくとも一つの親水性金属酸化物ナノ粒子;
c)8000g/mol未満の平均分子量を有する少なくとも一つのポリアルキレングリコール
を含む光保護組成物である。
【0015】
本発明の別の主題は、少なくとも一つの水性相と少なくとも親水性の金属酸化物ナノ粒子とを含む光保護組成物における、前記組成物の白色化を減少するためための、及び/または前記組成物の安定性(水性相中でのナノ粒子の分散性)を改良するための、8000g/mol未満の平均分子量を有する少なくとも一つのポリアルキレングリコールの使用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
用語「生理学的に許容可能な媒体」は、皮膚、唇、毛髪、睫毛、眉毛、または爪に適用可能である非毒性の媒体を意味するように解される。本発明の組成物は、特に化粧品または皮膚科学的組成物を構成できる。
【0017】
用語「ナノ粒子」は、単位粒子の平均径が500nm未満、好ましくは100nm未満である粒子を意味するように解される。
【0018】
用語「親水性」は、1%の重量濃度で25℃で水性相に導入されると、肉眼で巨視的に均一である溶液を得ることが可能である粒子を意味するように解される。
【0019】
本発明で使用される親水性金属酸化物ナノ粒子は、好ましくは5nmから500nmの間、好ましくは10nmから100nmの間、より好ましくは15nmから50nmの間の単位粒子の平均径を有する粒子からなるパウダーである。
【0020】
これらのナノ粒子を形成する金属酸化物は、好ましくは酸化チタン、酸化亜鉛、またはそれらの混合物から選択され、処理されていても未処理でも良い。
【0021】
処理された金属酸化物ナノ粒子は一般的に、例えばCosmetics & Toiletries, 1990年2月、Vol. 105, pp. 53-64に記載されたもののような、それらを親水性とすることができる化合物で、化学的、電気的、機械化学的、及び/または機械的性質の一つ以上の表面処理に供される。例えばアミノ酸、C−Cアルカノールアミン、ケイ素酸化物(シリカ)、金属酸化物、例えばアルミナ、ナトリウムヘキサメタホスフェート、またはグリセロール、あるいはそれらの混合物が挙げられる。
【0022】
本発明に従って使用できる処理化酸化チタンナノ粒子としては、以下のもののような少なくとも一つの被覆剤で処理された酸化チタンナノ粒子が挙げられる:
−シリカ及びアルミナ、例えばTayca社製の"Microtitanium Dioxide MT 500 SA"及び"Microtitanium Dioxide MT 100 SA"の製品、及びTioxid社製の"Tioveil Fin"、"Tioveil OP"、"Tioveil MOTG"、及び"Tioveil IPM"の製品、Rhodia社製の"Mirasun TIW 60"の製品、CCIC社製の"Sunveil PW-6030A-20"の製品、またはUniquema社製の"Solaveil CT-10W"の製品;
−ナトリウムヘキサメタホスフェート、例えばTayca社製の"Microtitanium dioxide MT 150W"の製品;
−アルミナ及びグリセロール、例えばKemira社製の"UVT-M212"の製品;
−アルミナ、シリカ、及びアルギン酸、例えばTayca社製の"Microtitanium dioxide MT 100 AQ"の製品。
【0023】
未処理酸化チタンナノ顔料は、例えば"Microtitanium dioxide MT 500 B"または"Microtitanium dioxide MT 600 B"の商標名でTayca社により市販されているもの、Degussa社により"P 25"の名称で市販されているもの、Wacker社により"Oxyde de titane transparent PW"の名称で市販されているもの、Miyoshi Kasei社により"UFTR"の名称で市販されているもの、Tomen社により"ITS"の名称で市販されているもの、Tioxide社により"Tioveil AQ"の名称で市販されているものである。
【0024】
未処理酸化亜鉛ナノ粒子は、例えば以下のものである:
−Sunsmart社により"Z-cote"の名称で市販されているもの;
−Elementis社により"Nanox"の名称で市販されているもの;
−Nanophase Technologies社により"Nanoguard WCD 2025"の名称で市販されているもの。
【0025】
アルミナ、シリカ、及びグリセロールで被覆されたもの、例えばKemira社により市販されている"M 211"の製品のような、二酸化チタンと二酸化亜鉛の被覆混合物も挙げられる。
【0026】
非晶質または結晶(ルチル及び/またはアナターゼ)形態であれ、処理されているまたは未処理であれ、酸化チタンナノ粒子がとりわけ好ましく挙げられる。
【0027】
本発明に係るポリアルキレングリコールは、好ましくは1から4の炭素原子を含むアルキレン基を有するもの、特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリブチレングリコールから選択される。
【0028】
ポリエチレングリコールがとりわけ選択されるであろう。
【0029】
組成物中のポリアルキレングリコールの重量濃度は、組成物の全重量に対して好ましくは0.01%から10%、より好ましくは0.1%から5%、好適には0.2%から2.5%まで変化する。
【0030】
ポリアルキレングリコールに対する金属酸化物ナノ粒子の重量比は、好ましくは1から30、より好ましくは5から20、特に8から12まで変化する。
【0031】
本発明の好ましい形態によれば、金属酸化物を含まない組成物の水性相のイオン強度は0.1mol/l未満である。イオン強度は、媒体の伝導度を導くCDM 230伝導度測定計(Meterlab)を使用して測定され、イオン強度に関するパラメーターは、以下の関係式によって導かれる:
イオン強度(mol/l)=0.1×伝導度(ジーメンス/cm)+0.19
【0032】
更に、本発明に係る組成物は、水溶性または脂溶性または一般的に使用される化粧品溶媒に不溶性である、UV−A及び/またはUV−B領域で活性の他の更なる有機光保護剤を含むことができる。
【0033】
更なる有機光保護剤は、ケイ皮酸誘導体;アントラニレート;サリチル酸誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体;カンファー誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β−ジフェニルアクリレート誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロネート誘導体;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;特許EP 669 323及びUS 2 463 264に開示されたようなビス−ベンゾアゾリル誘導体;p−アミノ安息香酸(PABA)誘導体;特許出願US 5 237 071、US 5 166 355、GB 2 303 549、DE 197 26 184、及びEP 893 119に開示されたようなメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;特許出願EP 0 832 642、EP 1 027 883、EP 1 300 137、及びDE 10162844に開示されたようなベンゾキサゾール誘導体;特許出願WO 93/04665に特に開示されたもののようなスクリーニングポリマー及びスクリーニングシリコーン;特許出願DE 19855649に開示されたもののようなα−アルキルスチレンから由来するダイマー;特許出願EP 0 967 200、DE 19746654、DE 19755649、EP-A-1 008 586、EP 1 133 980、及びEP 133 981に開示されたような4,4−ジアリールブタジエン;並びにそれらの混合物から特に選択される。
【0034】
更なる有機光保護剤の例として、INCI名で以下に記載されたものが挙げられる:
【0035】
ケイ皮酸誘導体:
Hoffmann-LaRoche社により"Parsol MCX"の商標名で特に市販されている、エチルヘキシルメトキシシンナメート
イソプロピルメトキシシンナメート
Haarmann and Reimer社により"Neo Heliopan E 1000"の商標名で市販されている、イソアミルメトキシシンナメート
シノキセート
DEAメトキシシンナメート
ジイソプロピルメチルシンナメート
グリセリルエチルヘキサノエートジメトキシシンナメート
【0036】
ジベンゾイルメタン誘導体:
Hoffmann-LaRoche社により"Parsol 1789"の商標名で特に市販されている、ブチルメトキシジベンゾイルメタン
イソプロピルジベンゾイルメタン
【0037】
パラ−アミノ安息香酸誘導体:
PABA
エチルPABA
エチルジヒドロキシプロピルPABA
ISP社により"Escalol 507"の名称で特に市販されている、エチルヘキシルジメチルPABA
グリセリルPABA
BASF社により"Uvinul P25"の名称で市販されている、PEG−25PABA
【0038】
サリチル酸誘導体:
Rona/EM Industiries社により"Eusolex HMS"の名称で市販されている、ホモサレート
Haarmann and Reimer社により"Heliopan OS"の名称で市販されている、エチルヘキシルサリチレート
Scher社により"Dipsal"の名称で市販されているジプロピレングリコールサリチレート
Haarmann and Reimer社により"Neo Heliopan TS"の名称で市販されているTEAサリチレート
【0039】
β,β−ジフェニルアクリレート誘導体:
BASF社により"Uvinul N539"の商標名で特に市販されている、オクトクリレン
BASF社により"Uvinul N35"の商標名で特に市販されてりう、エトクリレン
【0040】
ベンゾフェノン誘導体:
BASF社により"Uvinul 400"の商標名で市販されている、ベンゾフェノン−1
BASF社により"Uvinul 500"の商標名で市販されている、ベンゾフェノン−2
BASF社により"Uvinul M40"の商標名で市販されている、ベンゾフェノン−3またはオキシベンゾン
BASF社により"Uvinul MS40"の商標名で市販されている、ベンゾフェノン−4
ベンゾフェノン−5
Norquay社により"Helisorb 11"の商標名で市販されている、ベンゾフェノン−6
American Cyanamid社により"Spectra-Sorb UV-24"の商標名で市販されている、ベンゾフェノン−8
BASF社により"Uvinul DS-49"の商標名で市販されている、ベンゾフェノン−9
ベンゾフェノン−12
n−ヘキシル2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート
【0041】
ベンジリデンカンファー誘導体
Chimex社により"Mexoryl SD"の名称で製造されている、3−ベンジリデンカンファー
Merck社により"Eusolex 6300"の名称で市販されている、4−メチルベンジリデンカンファー
Chimex社により"Mexoryl SL"の名称で製造されている、ベンジリデンカンファースルホン酸
Chimex社により"Mexoryl SO"の名称で製造されている、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート
Chimex社により"Mexoryl SX"の名称で製造されている、テレフタリリデンジカンファースルホン酸
Chimex社により"Mexoryl SW"の名称で製造されている、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー
【0042】
フェニルベンズイミダゾール誘導体:
Merck社により"Eusolex 232"の商標名で特に市販されている、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸
Haarmann and Reimer社により"Neo Heliopan AP"の商標名で市販されている、二ナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート
【0043】
フェニルベンゾトリアゾール誘導体:
Rhodia Chimie社により"Silatrizole"の名称で市販されている、ドロメトリゾールトリシロキサン
Fairmount Chemical"社により"Mixxim BB/100"の商標名で固体形態で、またはCiba Specialty Chemicals社により"Tinosorb M"の商標名で水性分散物中の微粉化形態で市販されている、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール
【0044】
トリアジン誘導体:
Ciba-Geigy社により"Tinosorb S"の商標名で市販されている、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
BASF社により"Uvinul T150"の商標名で特に市販されている、エチルヘキシルトリアゾン
Sigma 3V社により"Uvasorb HEB"の商標名で市販されている、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン
2,4,6−トリス(ジイソブチル4'−アミノベンザルマトネート)−s−トリアジン
【0045】
アントラニル酸誘導体:
Haarmann and Reimer社により"Neo Heliopan MA"の商標名で市販されている、メチルアントラニレート
【0046】
イミダゾリン誘導体:
エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオネート
【0047】
ベンザルマロネート誘導体:
Hoffmann-LaRoche社により"Parsol SLX"の商標名で市販されている、ポリシリコーン−15のような、ベンザルマロネート官能基を有するポリオルガノシロキサン
【0048】
4,4−ジアリールブタンジエン誘導体:
1,1−ジカルボキシ(2,2'−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン
【0049】
ベンゾキサゾール誘導体:
Sigma 3V社によりUvasorb K2Aの名称で市販されている、2,4−ビス[5−1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール−2−イル−(4−フェニル)イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)イミノ−1,3,5−トリアジン
並びにそれらの混合物。
【0050】
好ましい更なる有機光保護剤は、以下のものから選択される:
エチルヘキシルメトキシシンナメート
エチルヘキシルサリチレート
ホモサレート
オクトクリレン
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸
ベンゾフェノン−3
ベンゾフェノン−4
ベンゾフェノン−5
n−ヘキシル2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート
4−メチルベンジリデンカンファー
テレフタリリデンジカンファースルホン酸
二ナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート
メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール
ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
エチルヘキシルトリアゾン
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン
ドロメトリゾールトリシロキサン
ポリシリコーン−15
1,1−ジカルボキシ(2,2'−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン
2,4−ビス[5−1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール−2−イル−(4−フェニル)イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)イミノ−1,3,5−トリアジン
並びにそれらの混合物。
【0051】
本発明の水性組成物は、局所適用のために一般的に使用される全ての形態、特に水中油型エマルション(正エマルション)、油中水型エマルション(逆エマルション)、水中油中水型エマルション(多相エマルション)、または水性ゲルの形態で提供できる。
【0052】
本発明の組成物は、化粧品において通常使用される全ての添加剤を含むことができ、ケア及びメイクアップの分野、並びに抗日光製品の分野での応用が見出されよう。
【0053】
更なる光保護剤は、組成物の全重量に対して0.01から20重量%の範囲、好ましくは組成物の全重量に対して0.1から10重量%の範囲の割合で、本発明に係る組成物中に一般的に存在する。
【0054】
本発明に係る水性組成物は、脂肪物質、有機溶媒、イオン性または非イオン性の親水性または脂溶性増粘剤、軟化剤、湿潤剤、不透明化剤、安定化剤、皮膚軟化剤、シリコーン、消泡剤、香料、防腐剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両イオン性、または両性界面活性剤、活性成分、フィラー、ポリマー、噴射剤、塩基性化剤または酸性化剤、あるいは化粧品及び皮膚科学の分野で通常使用されるいずれかの他の成分を更に含むことができる。
【0055】
脂肪物質は、オイルまたはワックスあるいはそれらの混合物からなることができる。用語「オイル」は、環境温度で液体である化合物を意味するように解される。用語「ワックス」は、環境温度で固体または実質的に固体であり、一般的に35℃より高温の融点を有する化合物を意味するように解される。
【0056】
オイルとしては、鉱物オイル(流動パラフィン);植物オイル(スイートアーモンドオイル、マカダミアオイル、クロフサスグリ種オイル、またはホホバオイル);合成オイル、例えばパーヒドロスクアレン、脂肪アルコール、脂肪アミド(例えばAjimonoto社により"Eldew SL-205"の名称で市販されているイソプロピルラウロイルサルコシネート)、脂肪酸またはエステル(例えばWitco社により"Finsolv TN"または"Witconol TN"の商標名で市販されているC12−C15アルコールのベンゾエート、オクチルパルミテート、イソプロピルラノレート、カプリン酸/カプリル酸のものを含むトリグリセリド、あるいはCognis社により"Cetiol CC"の名称で市販されているジカプリリルカルボネート)、あるいはオキシエチレン化またはオキシプロピレン化脂肪エステル及びエーテル;シリコーンオイル(シクロメチコーン、ポリジメチルシロキサンまたはPDMS)、またはフッ素化オイル;あるいはポリアルキレンが挙げられる。
【0057】
ワックス状化合物としては、パラフィンワックス、カルナウバワックス、ビーズワックス、または水素化ヒマシ油が挙げられる。
【0058】
有機溶媒としては、低級アルコール及びポリオールが挙げられる。後者はグリコール及びグリコールエーテル、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、またはジエチレングリコールから選択できる。
【0059】
親水性増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、例えばカーボポール(カーボマー)及びペミュレン(アクリレート/C10−C30アルキルアクリレートコポリマー);ポリアクリルアミド、例えばSeppic社製のSepigel 305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13−14イソパラフィン/ラウレス7)及びSimulgel 600(CTFA名:アクリルアミド/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80)の名称で市販されている架橋化コポリマー;任意に架橋化及び/または中和されている、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のポリマー及びコポリマー、例えば"Hostacerin AMPS"の商標名でHoechst社により市販されているポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)(CTFA名:アンモニウムポリアクリルジメチルタウラミド);セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース;ポリサッカリド、特にゴム、例えばキサンタンゴム;並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0060】
脂溶性増粘剤としては、合成ポリマー、例えばLandec社により"Doresco IPA 13-1"の名称で市販されているポリ(C10−30アルキルアクリレート)、または変性クレー、例えばヘクトライト及びその誘導体、例えばベントンの名称で市販されている製品が挙げられる。
【0061】
活性成分としては、以下のものが挙げられる:
−単独または混合物としての、ビタミン(A,C,E,K,PP等)及びそれらの誘導体または前駆体;
−汚染及び/またはフリーラジカルヲ打ち消すための試薬;
−脱色剤及び/または色素沈着剤;
−抗グリケーション剤;
−鎮静剤;
−NOシンターゼインヒビター;
−真皮または表皮巨大分子の合成を刺激する試薬、及び/またはそれらの分解を防止する試薬;
−線維芽細胞の増殖を刺激する試薬;
−ケラチノサイトの増殖を刺激する試薬;
−筋弛緩剤;
−引き締め剤;
−つや消し剤;
−角質溶解剤;
−皮膚剥離剤;
−保湿剤;
−抗炎症剤;
−細胞のエネルギー代謝に作用する試薬;
−殺虫剤;
−サブスタンスPまたはCRGPアンタゴニスト;
−毛髪の損失を打ち消す試薬、及び/または毛髪の再生を促進する試薬;
−抗シワ剤。
【0062】
もちろん当業者は、上述の任意の更なる化合物(類)及び/またはその量を選択するのに注意を払い、本発明に係る組成物に固有に結合する有利な特性が、考慮される添加(類)によって負に影響されない、または実質的に負に影響されないようにするであろう。
【0063】
本発明に係る組成物は、当業者に周知の方法によって調製できる。それらは特に、単純なまたは複雑なエマルションの形態(O/W、W/O、O/W/O、またはW/O/W)、例えばクリーム、乳液、またはクリームゲル;水性ゲルの形態;あるいはローションの形態で提供できる。それらは任意にエアゾールに実装でき、フォームまたはスプレーの形態で提供できる。
【0064】
好ましくは本発明に係る組成物は、水中油型または油中水型エマルションの形態で提供される。
【0065】
エマルションは一般的に、単独または混合物として使用される、両性、アニオン性、カチオン性または非イオン性乳化剤から選択される少なくとも一つの乳化剤を含む。乳化剤は、得られるエマルション(W/OまたはO/W)によって適切に選択される。
【0066】
W/Oエマルションの調製のために使用できる乳化性界面活性剤としては、例えばソルビタンアルキルエステルまたはエーテル、グリセロールアルキルエステルまたはエーテル、あるいは糖アルキルエステルまたはエーテル;あるいはシリコーン界面活性剤、例えばジメチコーンコポリオール、例えばDow Corning社により"DC 5225 C"の名称で市販されているシクロメチコーンとジメチコーンコポリオールとの混合物、アルキルジメチコーンコポリオール、例えばDow Corning社により"Dow Corning 5200 Formulation Aid"の名称で市販されているラウリルメチコーンコポリオール、セチルジメチコーンコポリオール、例えばGoldschmidt社によりAbil(登録商標)EM 90の名称で市販されている製品、及びGoldschmidt社によりAbil WE 09の名称で市販されているセチルジメチコーンコポリオール、ポリグリセリル(4mol)イソステアレート、及びヘキシルラウレートの混合物が挙げられる。ポリオールアルキルエステルからなる群から有利に選択できる一つ以上の共乳化剤もまたそこに添加できる。
【0067】
ポリオールアルキルエステルとしては、ポリエチレングリコールエステル、例えばPEG−30ジポリヒドロキシステアレート、例えばICI社によりArlacel P135の名称で市販されている製品が特に挙げられる。
【0068】
グリセロール及び/またはソルビタンエステルとしては、たとえばポリグリセリルイソステアレート、例えばGoldschmidt社によりIsolan GI 34の名称で市販されている製品;ソルビタンイソステアレート、例えばICI社によりArlacel 987の名称で市販されている製品;ソルビタンとグリセロールとのイソステアレート、例えばICI社によりArlacel 986の名称で市販されている製品、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0069】
O/Wエマルションについては、乳化剤として、非イオン性乳化剤、例えば脂肪酸とグリセロールとのオキシアルキレン化(とりわけポリオキシエチレン化)エステル;脂肪酸とソルビタンとのオキシアルキレン化エステル;脂肪酸のオキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/またはオキシプロピレン化)エステル、例えばArlacel 165の名称でICI社により市販されているPEG−100ステアレート/グリセリルステアレート混合物;脂肪アルコールのオキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/またはオキシプロピレン化)エーテル;糖エステル、例えばスクロースステアレート;脂肪アルコール及び糖エーテル、特にアルキルポリグルコシド(APG)、例えばPlantaren 2000及びPlantaren 1200の名称でそれぞれHenkel社により市販されているデシルグルコシド及びラウリルグルコシド、例えばSeppic社によりMontanov 68の名称で、Goldschmidt社によりTegocare CG90の名称で、及びHenkel社によりEmulgade KE3302の名称で市販されている、任意にセテアリールアルコールとの混合物としてのセテアリールグルコシド、並びにSeppic社によりMontanov 202 の名称で市販されている、アラキジル及びベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形態のアラキジルグルコシドが挙げられる。本発明の特定の実施態様によれば、上述のアルキルポリグルコシドと対応する脂肪アルコールとの混合物は、例えば文献WO-A-92/06778に開示されたような自己乳化組成物の形態で存在できる。
【0070】
エマルションを含む場合、後者の水性相は、既知の工程に従って調製された非イオン性ベシクル分散物を含むことができる(Bangham, Standish及びWatkins, J. Mol. Biol., 13, 238 (1965), FR 2 315 991、及びFR 2 416 008)。
【0071】
本発明に係る組成物は、特に皮膚、唇、及び/または毛髪の保護及び/またはケアのため、及び/または皮膚及び/または唇のメイクアップのために、頭皮を含む皮膚、唇、および/または毛髪の数多くの処理、特に美容処理において適用される。
【0072】
本発明の別の主題は、皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉毛、及び/または頭皮の美容処理のための製品、特にケア製品、日光保護製品、及びメイクアップ製品の製造のための、上述の本発明に係る組成物の使用からなる。
【0073】
本発明に係る化粧品組成物は、例えば液体から半液体の粘稠度を有する顔及び/または身体のためのケア及び/または日光保護製品、例えばローション、乳液、比較的滑らかなクリーム、ゲル、またはクリームゲルとして使用できる。それらは任意にエアゾールに実装でき、フォームまたはスプレーの形態で提供できる。
【0074】
本発明に係る化粧品組成物は、例えばメイクアップ製品として使用できる。
【0075】
本発明に係る蒸発可能な液体ローションの形態の本発明に係る組成物は、加圧装置を使用して細かい粒子の形態で皮膚または毛髪に適用される。本発明に係る装置は当業者に周知であり、非エアゾールポンプまたは「アトマイザー」、噴射剤を含むエアゾール容器、及び噴射剤として圧縮空気を使用するエアゾールポンプを含む。後者は、特許US 4 077 441及びUS 4 850 517に開示されている(その記載の内容の完全な部分を形成する)。
【0076】
本発明に係るエアゾールに実装された組成物は一般的に、従来の噴射剤、例えばフッ化水素化化合物、ジクロロジフルオロメタン、ジフルオロメタン、ジメチルエーテル、イソブタン、n−ブタン、プロパン、またはトリクロロフルオロメタンを含む。それらは好ましくは、組成物の全重量に対して15から50重量%の範囲の量で存在する。
【0077】
本発明を説明する具体的であるがいずれの態様で制限的ではない実施例が、以下に記載される。
【実施例】
【0078】
実施例1〜4:pH5で、2.2%のポリマーの存在下で、活性材料として20%の親水性酸化チタンナノ粒子(Mirasun TiW 60)を含む水性分散物
使用されたポリマーは以下の通りである:
A:ポリアクリル酸、2000g/mol(本発明の範囲外)
B:Rohm & Haas社により"Orotan 731"の名称で供給される、ナトリウム塩の形態の無水物及びジイソブチレンコポリマー(本発明の範囲外)
C:Union Carbide社から"Sentry Polyethylene Glycol"の名称で供給される、1450g/molの重量を有するポリエチレングリコール(本発明)
【0079】
1)分散物の実施例1、2、3、および4を、以下のプロトコールに従って調製する:
2.2gのポリマーを、37グラムの脱イオン水中に1時間攪拌しながら溶解し、そのpHを適当量のクエン酸で5に調節する。親水性TiOナノ粒子(Mirasun TiW 60)の40%水性分散物50グラムに9グラムの水を導入し、pHを適当量のクエン酸で5に調節する。二つの前記水性相を30分間単純に攪拌することにより混合する。
【0080】
2)得られた水性分散物を安定性を、以下の試験方法によってその粘度を測定することにより評価する:
コーン/プレート形状(35mm、2°)を備え、温度を制御するためにサーモスタットで制御されたバスを備えたHaake RS150レオメーターを使用して、分散物の調製後24時間で粘度測定を実施する。フローモードで測定を実施し、対数的に分配された120秒の15の定常期によって、0.001から1Paの間でストレスを変化する。次いで10S−1の剪断速度に対する粘度の値を測定する。粘度が低下すると、水性相中のナノ粒子の分散物の状態はより好適となる。
【0081】
【表1】

【0082】
本発明に係るポリエチレングリコールCを使用した場合のみ、水性分散物の安定性の改良が可能であった。
【0083】
実施例5及び6:pH5で、塩の存在下で、活性材料(AM)として10%の酸化チタン(Mirasun TiW 60)を含む水性分散物
実施例1についてのものと同じ方法に従って分散物を調製し、同じ方法で流動測定も実施する。分散物の状態を顕微鏡観察によっても評価する。
【0084】
【表2】

【0085】
0.17mol/lに等しいイオン強度を有する水性分散物6は、ゼロのイオン強度を有する水性分散物5よりも不安定である。
【0086】
実施例7及び8:サンミルク
【表3】

【0087】
1)二つのサンミルクの調製方法
15分間3000rpmの攪拌速度でMoritzタイプのホモジェナイザーを使用して攪拌しながら、油性相内に水性相を迅速に導入することにより、エマルションを調製する。次いでエマルションを環境温度に冷却し、次いで600バールの圧力を使用してRannieタイプのホモジェナイザーを使用して強力な剪断に供する。白色で流体の乳液が得られる。
【0088】
実施例7については、適当量のクエン酸で事前に7に調節したpHを有する10グラムのMirasun TiW 60を、エマルションに導入する。
【0089】
実施例8については、20グラムの脱イオン水中に1時間攪拌しながら、ポリエチレングリコールを溶解する;適当量のクエン酸で事前に7に調節したpHを有する10グラムのMirasun TiW 60を、30分間単純に攪拌しながらこの溶液に導入する。次いでこの溶液を、エマルションに攪拌しながら導入する。
【0090】
2)皮膚に対する白色化の測定
30mgの各製剤を、前腕の内面の4cm×3cmの領域に適用し、10回の回転運動で指を使用して広げる。各製剤で処理された皮膚の領域を、適用後に肉眼で観察する。沈着物の明度Bを測定可能である分光比色計(Minolta社製のCM 2002)を使用して、皮膚の白色化を更に測定する。白色化の減少を、パーセンテージとして表される以下の比Rを計算することによって評価する:
R=100×(BTiO2−BTiO2+ポリマー)/(BTiO2−B素肌
【0091】
この試験によれば、少なくとも10%に等しければ、白色化の減少は有意であると考慮される。
【0092】
ポリエチレングリコールの存在下で親水性TiOナノ粒子を含む本発明に係る組成物8は、ポリエチレングリコールを含まない組成物7と比較して実質的に低い白色化を生ずることが、肉眼で観察される。
【0093】
この減少は、明度の測定と白色化の現象の計算によって確認された。
【0094】
【表4】

【0095】
実施例9〜12:各種の分子量を有するポリエチレングリコールの存在下での、活性材料として1%の親水性酸化チタンナノ粒子を含む水性ローション
使用されるTiOナノ粒子は以下の通りである:
−親水性酸化チタンナノ粒子としてRhodia社により供給される"Mitasun TiW 60"。
使用されるポリエチレングリコールは以下の通りである:
−Union Carbide社により"Sentry Polyethylene Glycol"の名称で供給される、1450g/molの重量を有するポリエチレングリコール(モル質量:1450g/mol)
−Sigma Aldrich社により"Sentry Polyethylene Glycol"の名称で供給される、1450g/molの重量を有するポリエチレングリコール(モル質量:10000g/mol)
−Sigma Aldrich社により"Sentry Polyethylene Glycol"の名称で供給される、1450g/molの重量を有するポリエチレングリコール(モル質量:400000g/mol)
【0096】
以下の4種の実施例9〜12の水性ローションを、日本国特許出願9-151110の操作例1と同じ条件下で調製した:
【0097】
【表5】

【0098】
得られた水性ローションの安定性を、実施例1〜4で上述されたのと同じ試験方法によってその粘度を測定することによって評価する。
【0099】
【表6】

【0100】
本発明に係る1450g/molの分子量を有するポリエチレングリコールを使用した場合にのみ、水性ローションの安定性の改善が可能であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的に許容可能な媒体中に
a)少なくとも一つの水性相;
b)組成物の全重量に対して1から25重量%の範囲の量の金属酸化物に基づく少なくとも一つの親水性無機ナノ顔料;
c)8000g/mol未満の平均分子量を有する少なくとも一つのポリアルキレングリコール
を含むことを特徴とする、光保護組成物
【請求項2】
前記親水性金属酸化物ナノ粒子が、500nm未満、好ましくは100nm未満の単位粒子の平均径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記親水性金属酸化物ナノ粒子が、5nmから500nmの間、好ましくは10nmから100nmの間、より好ましくは15nmから50nmの間の単位粒子の平均径を有する、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
これらのナノ粒子を形成する前記金属酸化物が、処理されたまたは未処理の酸化チタン、酸化亜鉛、またはそれらの混合物から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記親水性金属酸化物ナノ粒子が、それらを親水性にすることが可能な少なくとも一つの被覆剤で処理されたナノ粒子である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記被覆剤が、アミノ酸、C−Cアルカノールアミン、ケイ素酸化物、金属酸化物、ナトリウムヘキサメタホスフェート、グリセロール、またはそれらの混合物から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記親水性金属酸化物ナノ粒子が、非晶質または結晶(ルチルおよび/またはアナターゼ)形態で、処理されているか未処理である酸化チタンナノ粒子である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリアルキレングリコールが、1から4の炭素原子を含むアルキレン基を有するものから選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリブチレングリコールから選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコールから選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリアルキレングリコールの濃度が、好ましくは0.01%から10%、より好ましくは0.1%から5%、好適には0.2%から2.5%まで変化する、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記ポリアルキレングリコールに対する前記金属酸化物ナノ粒子の重量比が、好ましくは1から30、より好ましくは5から20、とりわけ8から12まで変化する、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記金属酸化物を含まない組成物の水性相のイオン強度が0.1mol/l未満である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
水溶性または脂溶性または一般的に使用される化粧品溶媒中に不溶性である、UV−A及び/またはUV−B領域で活性の少なくとも一つの更なる有機光保護剤を更に含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記更なる有機光保護剤が、ケイ皮酸誘導体;アントラニレート;サリチル酸誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体;カンファー誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β−ジフェニルアクリレート誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロネート誘導体;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;ビス−ベンゾアゾリル誘導体;p−アミノ安息香酸(PABA)誘導体;メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;ベンゾキサゾール誘導体;スクリーニングポリマー及びスクリーニングシリコーン;α−アルキルスチレンから由来するダイマー;4,4−ジアリールブタジエン;並びにそれらの混合物から選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記更なる有機光保護剤が、
エチルヘキシルメトキシシンナメート
エチルヘキシルサリチレート
ホモサレート
オクトクリレン
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸
ベンゾフェノン−3
ベンゾフェノン−4
ベンゾフェノン−5
n−ヘキシル2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート
4−メチルベンジリデンカンファー
テレフタリリデンジカンファースルホン酸
二ナトリウムフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホネート
メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール
ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
エチルヘキシルトリアゾン
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン
ドロメトリゾールトリシロキサン
ポリシリコーン−15
1,1−ジカルボキシ(2,2'−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエン
2,4−ビス[5−1(ジメチルプロピル)ベンゾキサゾール−2−イル−(4−フェニル)イミノ]−6−(2−エチルヘキシル)イミノ−1,3,5−トリアジン
並びにそれらの混合物
から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記更なる有機光保護剤が、組成物の全重量に対して0.01から20重量%の範囲、好ましくは組成物の全重量に対して0.1から10重量%の範囲の割合で存在する、請求項14から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
脂肪物質、有機溶媒、イオン性または非イオン性の親水性または脂溶性増粘剤、軟化剤、湿潤剤、不透明化剤、安定化剤、皮膚軟化剤、シリコーン、消泡剤、香料、防腐剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両イオン性、または両性界面活性剤、活性成分、フィラー、ポリマー、噴射剤、塩基性化剤または酸性化剤から選択される少なくとも一つの化粧品アジュバントを更に含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
単純なまたは複雑なエマルションの形態;水性ゲルの形態;あるいはローションの形態で提供されることを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
水中油型または油中水型エマルションの形態で提供されることを特徴とする、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
皮膚、唇、爪、毛髪、睫毛、眉毛、及び/または頭皮の美容処理のための製品の製造のための、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項22】
顔および/または身体のためのケア及び/または抗日光保護製品の製造のための、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項23】
メイクアップ製品の製造のための、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項24】
請求項1から23に規定された、少なくとも一つの水性相と少なくとも親水性金属酸化物ナノ粒子とを含む光保護組成物における、前記組成物の白色化を減少するための、及び/または前記組成物の安定性を改良するための、請求項1から23に規定された少なくとも一つのポリアルキレングリコールの使用。

【公表番号】特表2008−506662(P2008−506662A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520785(P2007−520785)
【出願日】平成17年6月13日(2005.6.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/007887
【国際公開番号】WO2006/005630
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】