説明

観察測光装置および観察測光方法

【課題】標本内の発光領域を特定することができ、その特定領域から発せられる光を選択的に測光することができること。
【解決手段】観察測光装置100は、ピンホール23aが形成されたピンホール板23bと、ピンホール23aを照明するピンホール照明系24と、このピンホール照明系24によって照明されたピンホール23aのピンホール像を標本S上に投影し、そのピンホール像内の標本Sから発せられる光をピンホール23a内に集光させる投影測光光学系と、標本Sの観察像とともにピンホール像の2次ピンホール像を結像する観察光学系と、投影測光光学系およびピンホール23aを介し、ピンホール像内の標本Sから発せられた光を測光する光検出器26と、ピンホール像と標本Sとの少なくとも一方を移動させる相対移動手段と、を備え、ピンホール23aは、投影測光光学系の結像面に配設される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標本の観察像を生成するとともに、標本から発せられた光を測光する観察測光装置および観察測光方法に関し、特に標本上の部分領域から発せられる微弱光の測光に適用して好適な観察測光装置および観察測光方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、細胞生物学、分子生物学などの研究分野では、緑色蛍光蛋白質(GFP:Green Fluorescent Protein)や生物発光酵素であるルシフェラーゼ遺伝子を発現のレポーターとして働かせ、細胞内の特定部位や機能蛋白質に蛍光標識、発光標識等を付して生体細胞を観察する必要性が高まっている。特に、ルシフェラーゼ−ルシフェリン発光を利用した遺伝子の研究は、従来の励起光照射による蛍光発光を利用した遺伝子の研究に比べ、励起光照射に起因する生体細胞の損傷が生じないことから長時間にわたって遺伝子の振る舞いを観察できることで注目されている。ところが、ルシフェラーゼ−ルシフェリン発光の観測には、その発光量が微弱なことから、明るい光学系と高感度の光検出器とが必要とされる。
【0003】
従来、微弱光を測光する測光装置として、例えば特許文献1または2に開示された蛍光読み取り装置がある。この蛍光読み取り装置では、標本から発せられた微弱光である蛍光は、レンズ系で結像され、その結像位置に配置された受光ピンホールを介した後、光検出器によって検出されて測光される。この光検出器には、例えば光電子増倍管(PMT:Photomultiplier Tube)やアバランシェフォトダイオード(APD:Avalanche Photodiode)が用いられる。
【0004】
一般に、光電子増倍管は、CCDに比べて受光感度が高くS/N比に優れている。また、CCDにおける画素間の仕切りのような不感帯がなく、高い受光効率で大きな受光エリアを確保することができる。このような特性から、光電子増倍管は、CCDに比して微弱光測光用の光検出器に適しているといえる。なお、光電子増倍管を測光用の光検出器に用いた場合、CCDに比して高速測光が可能となる効果も得られる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−357549号公報
【特許文献2】特開2004−191252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ルシフェラーゼ−ルシフェリン発光を利用した研究では、標本内で発光している細胞の特定と、その細胞からの発光量の測定とが必要とされる。さらには、細胞内の発光部位の特定が要望される。しかしながら、上述した従来技術にかかる測光装置では、受光ピンホールの大きさによって標本上の測光領域を制限することができるものの、その位置は、装置機構や光学系の倍率等から推定することしかできなかった。つまり、標本上で発光している部位を直接的かつ視覚的に認識することができず、発光している細胞位置を正確に特定することが困難であった。また、測光領域を細胞の大きさに制限し、特定の細胞から発せられた光のみ測光することが困難であった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、標本内の発光領域を特定することができ、その特定領域から発せられる光を選択的に測光することができるとともに、標本から微弱光が発せられる場合にも高精度に測光することができる観察測光装置および観察測光方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる観察測光装置は、開口が形成された開口部材と、前記開口を照明する開口照明手段と、前記開口照明手段によって照明された前記開口の開口像を標本上に投影し、前記開口像内の前記標本から発せられる光を前記開口内に集光させる投影測光光学系と、前記標本の観察とともに前記開口像を観察する観察光学系と、前記投影測光光学系および前記開口を介し、前記開口像内の前記標本から発せられた光を測光する測光手段と、前記開口像と前記標本との少なくとも一方を移動させる相対移動手段と、を備え、前記開口は、前記投影測光光学系の結像面に配設されたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記観察光学系の観察光路に対して前記投影測光光学系の投影測光光路を合分岐する合分岐手段を備え、前記投影測光光学系は、前記観察光学系の一部または全部を共用して前記開口を前記標本上に投影することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記合分岐手段は、透過率および反射率の少なくとも一方が異なる複数の光分割素子と、複数の前記光分割素子のうち1つを前記観察光路上に択一的に配置する選択配置機構とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記合分岐手段は、複数の前記光分割素子として、反射率と透過率との割合が異なる少なくとも3種類の素子を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、3種類の前記光分割素子は、標本からの光を100%反射する反射素子と、標本からの光を100%透過する透過素子と、少なくとも反射と透過とを共に行わせる素子とからなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記開口照明手段は、照明光を発する光源手段と、該照明光を前記測光手段の測光光路内に導入して前記開口に導く照明光導入手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記照明光導入手段は、前記測光光路内に配置され、前記照明光を所定反射率で反射させて前記開口に導くとともに、前記標本から発せられて前記開口を通過した光を所定透過率で透過させる半透明素子であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記投影測光光学系に対して前記開口の大きさおよび形状の少なくとも一方を変更する開口切換機構を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記開口部材は、大きさおよび形状の少なくとも一方が異なる複数の前記開口を有し、前記開口切換機構は、複数の前記開口のうち1つを前記投影測光光学系の投影測光光路内に択一的に配置することを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記開口部材は、その周方向に複数の前記開口が配列された円盤状部材であり、前記開口切換機構は、前記開口部材をその周方向に回動させ、複数の前記開口のうち1つを前記投影測光光路内に択一的に配置することを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記開口は、前記開口部材上に形成された透孔または切欠であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記相対移動手段は、前記標本を保持し、該標本を前記観察光学系の観察光軸に垂直な面内で移動させる標本移動手段と、前記開口を前記投影測光光学系の投影測光光軸に垂直な面内で移動させる開口移動手段との少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記標本移動手段は、前記観察光軸に垂直な面内で前記標本を自在に移動させる電動ステージを有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記開口移動手段は、前記開口部材を介して前記開口を前記投影測光光軸に垂直な面内で移動させることを特徴とする。
【0022】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記開口部材、前記開口照明手段および前記測光手段を一体に保持する一体保持機構を備え、前記開口移動手段は、前記一体保持機構を介して前記開口を前記投影測光光軸に垂直な面内で移動させることを特徴とする。
【0023】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記相対移動手段は、前記観察光学系の観察視野内に位置する前記標本上の指定標本領域の領域位置を読取る領域位置読取手段を有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記領域位置読取手段は、前記観察光軸に対する前記標本の指定標本位置を読取る標本位置読取手段と、前記観察光軸に対する前記開口像の開口像位置を読取る開口位置読取手段との少なくとも一方を有したことを特徴とする。
【0025】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記領域位置を記憶する記憶手段と、前記領域位置読取手段が読取った前記領域位置を前記記憶手段に記憶させる位置記憶制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、あらかじめ1以上の前記領域位置を記憶した記憶手段と、前記相対移動手段によって、1以上の前記領域位置に対応する各指定標本領域を前記開口像内に順次配置させ、順次配置させるごとに該指定標本領域から発せられた光を前記測光手段に測光させるとともに、この測光結果を測光時点の前記領域位置に対応付けて前記記憶手段に記憶させる制御を1回または所定期間ごとに繰り返す測光制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0027】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、あらかじめ1以上の前記標本位置および前記開口位置の少なくとも一方を前記領域位置として記憶した記憶手段と、前記標本移動手段および/または前記開口移動手段によって、1以上の前記標本位置および/または前記開口位置の各々に前記標本および/または前記開口を順次配置させ、順次配置させるごとに前記開口像内の前記標本から発せられた光を前記測光手段に測光させるとともに、この測光結果を測光時点の前記標本位置および/または前記開口位置に対応付けて前記記憶手段に記憶させる制御を1回または所定期間ごとに繰り返す測光制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記投影測光光学系に対して前記開口の大きさおよび形状の少なくとも一方を変更する開口切換機構を備え、前記記憶手段は、あらかじめ前記領域位置ごとに、前記開口の大きさおよび形状を特定する開口情報を対応づけて記憶し、前記測光制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記領域位置に対応する前記指定標本領域を前記開口像内に配置させるごとに、該領域位置に対応付けられた前記開口情報に基づいて前記開口切換機構に前記開口を切り換えさせる制御をすることを特徴とする。
【0029】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、異なる波長域の光を抽出する複数の波長抽出フィルタを有し、複数の前記波長抽出フィルタの少なくとも1つを、非配置を含めて選択的に前記測光手段の測光光路内に配置する波長抽出手段を備え、前記記憶手段は、あらかじめ前記領域位置ごとに、前記測光光路上に配置する前記波長抽出フィルタを指定するフィルタ情報を対応付けて記憶し、前記測光制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記領域位置に対応する前記指定標本領域を前記開口像内に配置させるごとに、該領域位置に対応付けられた前記フィルタ情報に基づいて前記波長抽出手段に前記波長抽出フィルタを配置させる制御をすることを特徴とする。
【0030】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記記憶手段は、あらかじめ前記領域位置ごとに、該領域位置に対応する前記指定標本領域を識別する領域識別情報を対応付けて記憶することを特徴とする。
【0031】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、複数の前記光分割素子のうち前記標本から発せられた光を前記測光手段に対して100%配分する光分割素子を前記選択配置機構によって配置し、前記標本から発せられた光を前記測光手段に測光させる制御をする測光制御手段を備えたことを特徴とする。
【0032】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記測光制御手段は、前記測光手段に測光させない場合、複数の前記光分割素子のうち前記標本から発せられた光を前記観察像に対して100%配分する光分割素子を前記選択配置機構に配置させる制御をすることを特徴とする。
【0033】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記観察光学系は、観察視野内に配置された前記標本上の各点からの光を受光して各々平行光束に変換する対物レンズと、該対物レンズと協働して前記観察像とともに前記2次開口像を結像する結像レンズとを有することを特徴とする。
【0034】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記観察光学系による前記観察像の総合結像倍率は、2倍以上、8倍以下であることを特徴とする。
【0035】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記観察像および前記2次開口像の少なくとも一方を撮像して観察画像を生成する撮像手段を備えたことを特徴とする。
【0036】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記観察画像を表示する表示手段を備えたことを特徴とする。
【0037】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記観察画像として、前記標本に対して照射された光をもとに生成された照明観察画像と、前記標本が発した光をもとに生成された発光観察画像とを重ね合わせて前記表示手段に表示させる制御をする表示制御手段を備えたことを特徴とする。
【0038】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、所定の照明指示情報に基づいて前記開口照明手段による照明の開始および停止制御をする照明制御手段を備えたことを特徴とする。
【0039】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記標本に対して明視野照明を行う明視野照明手段および該標本を励起する励起光照明を行う励起光照明手段の少なくとも一方を備えたことを特徴とする。
【0040】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、所定の照明指示情報に基づいて前記明視野照明手段および前記励起光照明手段の少なくとも一方による照明の開始および停止制御をする照明制御手段を備えたことを特徴とする。
【0041】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記標本は、微弱光を発する自己発光体および蛍光発光体の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0042】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記測光手段は、微弱光検出素子を有し、前記標本から発せられた光を該微弱光検出素子によって検出することを特徴とする。
【0043】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記微弱光検出素子は、光電子増倍管またはアバランシェフォトダイオードであることを特徴とする。
【0044】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記標本と前記観察光学系との相対距離を変化させ、前記標本に対する前記観察光学系の焦点合わせを行う焦準機構を備えたことを特徴とする。
【0045】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、前記焦準機構は、電動焦準機構であり、所定の焦準指示情報に基づき、前記焦準機構によって前記標本に対する前記観察光学系の焦点合わせを行う制御をする焦準制御手段を備えたことを特徴とする。
【0046】
また、本発明にかかる観察測光装置は、上記の発明において、当該観察測光装置の一部または全部を遮蔽し、外部から照射される光を遮断する遮蔽手段を備えたことを特徴とする。
【0047】
また本発明にかかる観察測光方法は、標本を照明し、該標本を撮影して照明観察画像を取得する照明画像取得ステップと、前記照明観察画像をもとに、前記標本の中から測光対象とする標本領域を1以上選択し、この選択した各標本領域の領域位置を記録する標本領域選択ステップと、を含む観察測光準備ステップと、前記標本領域選択ステップで選択された各標本領域から発せられた光を順次測光するとともに、各測光結果を測光時点の前記領域位置に対応付けて記録する測光ステップを所定時間ごとに繰り返す繰り返し測光ステップと、を含むことを特徴とする。
【0048】
また、本発明にかかる観察測光方法は、上記の発明において、前記観察測光準備ステップは、前記標本領域ごとに、該標本領域から発せられた光を選択的に通過させる開口を選定し、この選定した開口の大きさおよび形状を特定する開口情報を前記領域位置に対応付けて記録する開口選定ステップを含み、前記測光ステップは、前記標本領域選択ステップで選択された前記標本領域ごとに、該標本領域の前記領域位置に対応付けられた前記開口情報が示す前記開口を順次設定し、順次設定するごとに前記標本領域から発せられた光を測光するとともに、各測光結果を測光時点の前記領域位置に対応付けて記録することを特徴とする。
【0049】
また、本発明にかかる観察測光方法は、上記の発明において、前記観察測光準備ステップは、前記標本領域ごとに、該標本領域から発せられた光の中から所定波長域の光を抽出する波長抽出フィルタを選定し、この選定した波長抽出フィルタを特定するフィルタ情報を前記領域位置に対応付けて記録するフィルタ選定ステップを含み、前記測光ステップは、前記標本領域選択ステップで選択された前記標本領域ごとに、該標本領域の前記領域位置に対応付けられた前記フィルタ情報が示す前記波長抽出フィルタを順次設定し、順次設定するごとに前記標本領域から発せられた光を測光するとともに、各測光結果を測光時点の前記領域位置に対応付けて記録することを特徴とする。
【0050】
また、本発明にかかる観察測光方法は、上記の発明において、前記繰り返し測光ステップは、前記標本に対する撮影視野全体を前記標本領域とし、該撮影視野に応じた前記開口を設定して該撮影視野内の前記標本から発せられた光を測光するとともに、この測光結果を記録する全視野測光ステップを前記所定時間ごとに繰り返すことを特徴とする。
【0051】
また、本発明にかかる観察測光方法は、上記の発明において、前記繰り返し測光ステップは、前記標本が発した光をもとに該標本を撮影して発光観察画像を取得する発光画像取得ステップを前記所定時間ごとに繰り返すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0052】
本発明にかかる観察測光装置および観察測光方法によれば、標本内の発光領域を特定することができ、その特定領域から発せられる光を選択的に測光することができるとともに、標本から微弱光が発せられる場合にも高精度に測光することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
以下、添付図面を参照して、本発明にかかる観察測光装置および観察測光方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。この実施の形態では、本発明にかかる観察測光装置が、例えばルシフェラーゼ遺伝子を含んだ生細胞など、微弱光を発する発光体を含んだ標本を観察測光対象とするものとして説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一符号を付して示している。
【0054】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態1にかかる観察測光装置100の構成を示す図である。この図に示す観察測光装置100は、大別して、標本Sを観察する観察系1と、後述する開口を照明し開口像を標本S上に作成し標本Sから発せられた光を測光する測光系2と、標本Sを保持および移動させる電動ステージ系3と、標本Sを照明する照明系4と、各部の動作制御および各種情報の処理制御等を行う制御系5と、観察測光装置100の一部を遮蔽する遮蔽部6とを備える。
【0055】
観察系1は、対物レンズ11、結像レンズ12および撮像装置13を用いて構成されている。観察光学系としての対物レンズ11および結像レンズ12は、標本Sの観察像を撮像装置13の撮像面13a上に結像させる。ここで、対物レンズ11は、無限遠補正された対物レンズであって、前側焦点位置で観察視野内に設けられた標本S上の各点からの光を受光して各々平行光束に変換する。このとき対物レンズ11は、標本S側にテレセントリックとされる。また、対物レンズ11は、標本Sからの光を高い開口数(NA)で受光する高NAかつ高倍率の対物レンズであって、例えば倍率20倍、NA0.8、焦点距離10mmである対物レンズが用いられる。
【0056】
結像レンズ12は、その前側焦点位置を対物レンズ11の後側焦点位置と一致させて設けられ、対物レンズ11が変換した平行光束を集光して撮像面13a上にテレセントリックに結像する。これによって、この観察光学系は、両側にテレセントリックな結像光学系として構成される。また、結像レンズ12は、観察光学系の総合結像倍率が例えば4倍となるように、上記に例示した対物レンズ11に対して焦点距離40mm、NA0.2のレンズ系が用いられる。なお、観察光学系の総合結像倍率は、4倍に限定して解釈する必要はなく、2倍以上、8倍以下とすることが好ましい。また、結像レンズ12は、中間像を結像するリレーレンズ系を含んだ結像レンズ系としてもよい。
【0057】
撮像装置13は、撮像素子として例えば冷却CCDを用いた撮像装置であり、その撮像面13aを結像レンズ12の焦点面上に配置して設けられる。撮像装置13は、撮像面13a上に結像される標本Sの観察像等を撮像して観察画像を生成し、画像信号として出力する。なお、撮像素子は、冷却CCDに限定されず、所望の感度有するものであればCMOS等、他の撮像素子であってもよい。
【0058】
対物レンズ11および結像レンズ12を用いて構成される観察光学系は、撮像面13a上の各画素と同等または各画素より小さいエアリーディスク(Airy Disc)を形成するように、その結像特性が設定されている。すなわち、この観察光学系は、エアリーディスク径が撮像面13a上の各画素における受光領域内に含まれるように、標本S上の各点からの光を撮像面13a上に結像する。これによって観察系1では、通常の結像特性に基づく場合よりも各画素における受光量および起電流を増大させ、S/N比を向上させることができ、標本S上の各点から発せられる微弱光を高感度に検出して撮像することができる。
【0059】
なお、対物レンズ11には、この対物レンズ11を観察光学系の観察光軸OA1方向に移動させ、標本Sとの相対距離を変化させる焦準機構14が連接されており、これによって標本Sに対する観察光学系の焦点合わせを行うことができる。
【0060】
測光系2は、対物レンズ11、波長抽出フィルタユニット21、結像レンズ22、ピンホールユニット23、ピンホール照明系24、集光レンズ25および光検出器26を用いて構成されている。ここで、対物レンズ11および結像レンズ22を用いて構成される投影測光光学系の投影測光光路は、上述した観察光学系の観察光路に対し、光路切換ユニット27によって合分岐されている。これによって投影測光光学系は、対物レンズ11を観察光学系と共用し、ピンホールユニット23に設けられたピンホール23aのピンホール像を標本S上に投影することができるとともに、標本Sから発せられた光をピンホール23a上に集光することができる。言い換えると、この投影測光光学系は、ピンホール23aと標本Sとを光学的に共役関係とし、互いに一方の像を他方の上に結像させることができる。ここで、投影測光光学系における標本Sからピンホール23aへの総合倍率は、例えば観察光学系の総合結像倍率と等しく4倍とされる。ただし、これらの倍率は、必ずしも等しくさせる必要はなく、異ならせてもよい。また、ピンホール23aは、結像レンズ22の後側焦点位置、つまり投影測光光学系の結像面(一次結像面)に配置されている。
【0061】
観察光路に対して投影測光光路を合分岐する光路切換ユニット27は、透過率および反射率の少なくとも一方が異なる複数の光分割プリズム27aと、この複数の光分割プリズム27aのうち1つを観察光路上に択一的に配置する選択配置機構27bとを用いて構成されている。図2は、その光路切換ユニット27の構成を示す図である。この図は、図1に示したII矢視方向に対応する矢視図であり、一部を断面図として示している。
【0062】
図2に示すように、光路切換ユニット27は、複数の光分割プリズム27aとして、透過率に比して反射率が高い光分割プリズム27a−1と、透過率に比して反射率が低い光分割プリズム27a−2と、透過率と反射率とが等しい光分割プリズム27a−3とを有する。より具体的には、各光分割プリズム27a−1〜27a−3の分割比(=透過率:反射率)は、例えば順に0:100、100:0および50:50とされる。ただし、ここに例示した分割比に限定して解釈する必要はない。例えば、光分割プリズム27a−3における分割比は、透過率と反射率とを厳密に等しくする必要はなく、ピンホール照明光量やCCD感度等を考慮して定めればよい。
【0063】
選択配置機構27bは、光分割プリズム27aを保持するスライダ271と、このスライダ271をY軸方向(図2における左右方向)に移動させるスライダ駆動部272とを用いて構成されている。スライダ271は、Y軸方向に貫通孔271−1〜271−3が設けられ、この各貫通孔271−1〜271−3内に各々光分割プリズム27a−1〜27a−3を嵌設して保持している。スライダ駆動部272は、スライダ271をY軸方向に所定量ごと移動させ、光分割プリズム27a−1〜27a−3のいずれかを観察光路上の観察光軸OA1上に択一的に配置する。
【0064】
ここで、分割比が0:100の光分割プリズム27a−1が配置された場合、標本Sから発せられた光はすべて反射され、結像レンズ22によって結像される。一方、分割比が100:0の光分割プリズム27a−2が配置された場合、標本Sからの光はすべて透過され、結像レンズ12によって撮像面13a上に結像される。また、分割比が50:50の光分割プリズム27a−3が配置された場合、後述するように照明されるピンホール23aからの光は、標本S上に投影され、標本S上で反射した後、その半分が光分割プリズム27a−3を透過し、結像レンズ12によって撮像面13a上に結像される。
【0065】
なお、選択配置機構27bは、スライダ271に替えてターレットを備え、このターレット上に複数の光分割プリズム27aを保持して回動させることで、複数の光分割プリズム27aのうち1つを観察光路上に択一的に配置する機構としてもよい。また、選択配置機構27bは、3つに限定されず、さらに多くの光分割プリズム27aを保持し、観察光路上に択一的に配置させることもできる。
【0066】
ピンホールユニット23は、図1に示すように、ピンホール23aおよび切欠23d(図3参照)が形成されたピンホール板23bと、このピンホール板23bを回動および移動させるピンホール駆動部23cとを用いて構成されている。ピンホール板23bは、大きさおよび形状の少なくとも一方が異なる複数の開口がピンホール23aとして形成された円盤状部材である。複数のピンホール23aは、ピンホール板23bの外縁部で周方向に配列して設けられている。図3は、そのピンホール板23bに設けられた複数のピンホール23aを例示する正面図であり、図1に示したIII矢視方向に対応する矢視図である。この図に示すようにピンホール板23bは、複数のピンホール23aが透孔として形成され、さらにこの透孔群に連設して切欠23dが形成されている。すなわち、大きさが異なる5つの円孔23aと、大きさが異なる4つの正方孔23aと、外縁部の一部を周方向に沿って切り欠いた切欠23dとを有する。なお、ピンホール23aは、円形および正方形に限らず、楕円形、矩形、その他の多角形等、任意の形状にすることができ、その形状の向きおよび大きさも任意に設定することができる。
【0067】
ピンホール駆動部23cは、ピンホール板23bをその周方向に回動自在に保持する。具体的には、ピンホール駆動部23cは、ピンホール板23bの中心部を保持し、その中心軸PA回りに回動させる。これによって各ピンホール23aおよび切欠23dは、所定の円周CR上で自在に配置変更される(図3参照)。また、ピンホール板23bは、図1に示すように、中心軸PAを投影測光光学系の投影測光光軸OA2と平行にして配置されるとともに、初期状態として円周CRが投影測光光軸OA2と交差するように配置される。ピンホール駆動部23cは、ピンホール板23bを回動させ、複数のピンホール23aのうち1つを投影測光光軸OA2上で投影測光光路内に択一的に配置する。
【0068】
また、ピンホール駆動部23cは、ピンホール板23bを投影測光光軸OA2に垂直な面内(図1におけるY−Z面内)で2次元的に移動させる。これによってピンホール駆動部23cは、投影測光光路内に配置されたピンホール23aを投影測光光学系の結像面に沿って移動させ、投影測光光学系によって投影されるピンホール23aのピンホール像を標本S上で移動させる。ここで、ピンホール駆動部23cは、ピンホール像を観察光学系の観察視野内で自在に移動可能な移動ストロークを有しており、例えば、対物レンズ11が倍率20倍で視野φ1.2mmとし、投影測光光学系における標本Sからピンホール23aへの総合倍率を4倍とすると、移動可能範囲はφ4.8mmとすればよい。なお、投影測光光軸OA2に垂直な面内とは、厳密に垂直である必要はなく略垂直である場合を含むものである。
【0069】
さらに、ピンホール駆動部23cは、例えばエンコーダを用い、回動および2次元移動させたピンホール板23bの回動位置および移動位置を検出し、この検出結果をもとに、投影測光光路内に配置したピンホール23aの、投影測光光軸OA2に対する位置を示すピンホール位置とピンホール開口径とを特定する。投影測光光学系の総合倍率が既知であることから、このピンホール位置に対応して標本S上でのピンホール像位置も決定されることになる。また、ピンホール駆動部23cは、ピンホール位置が指定された場合、そのピンホール位置に基づいて、ピンホール23aを投影測光光路内に配置することもできる。
【0070】
ピンホール照明系24は、ハロゲンランプ等を用いたランプ光源24a、拡散板24b、コンデンサレンズ24cおよび低反射ミラー24dを用いて構成されている。照明光導入手段としての低反射ミラー24dは、ピンホール板23bと集光レンズ25との間の測光光路上に配置されており、ランプ光源24aが発して拡散板24bおよびコンデンサレンズ24cを介したピンホール照明光を所定の反射率で反射させ、測光手段としての集光レンズ25および光検出器26における測光光路内に導入し、ピンホール23aに照射する。また、低反射ミラー24dは、標本Sから発せられて投影測光光学系を介すとともにピンホール23aを通過した光を所定の透過率で透過させる。
【0071】
低反射ミラー24dの反射率および透過率は、光検出器26による測光、とりわけ微弱光の測光に影響を与えない範囲に設定されるとともに、後述するピンホール23aのピンホール像の観察に支障をきたさない範囲内で設定される。具体的には、透過率に比して反射率が低く設定され、例えば反射率は1〜2%程度、透過率は98〜99%程度とされる。この理由は、撮像装置13(例えばCCDカメラ)の感度が高いため、標本S上でのピンホール像は暗くてもよく、一方光検出器26には多くの光を透過させることにある。
【0072】
なお、ランプ光源24aが発したピンホール照明光は、拡散板24bによって拡散された後、コンデンサレンズ24cによって、投影測光光路内に配置されたピンホール23aに導かれる。投影測光光学系は、このようにしてピンホール23aのピンホール像を標本S上に投影する。
【0073】
集光レンズ25は、標本Sから発せられてピンホール23aを通過した光を、低反射ミラー24dを介して受光し、光検出器26の受光エリア内に集光させる。光検出器26は、この集光された光を検出して光電変換し、検出光量に応じた測光信号を出力する。この光検出器26は、光検出素子として微弱光を高感度および高精度に検出可能な微弱光検出素子を用いた光検出器であって、その微弱光検出素子には、例えば光電子増倍管またはアバランシェフォトダイオードが用いられる。なお、これら集光レンズ25および光検出器26と、ピンホール照明系24と、ピンホールユニット23とは、一体保持機構28によって一体に保持され、ユニット化されている。
【0074】
ここで、光検出器26が検出する標本Sからの光は、波長抽出フィルタユニット21によって所定波長域の光に制限される。波長抽出フィルタユニット21は、異なる波長域の光を抽出する複数の波長抽出フィルタ21aと、この複数の波長抽出フィルタ21aの少なくとも1つを、非配置を含めて選択的に測光光路としての投影測光光路内に配置する選択配置機構21bとを備えており、投影測光光路内に配置した波長抽出フィルタ21aによって、標本Sから発せられた光の中から特定の波長域の光を選択的に透過させて抽出する。これによって光検出器26は、標本Sから発せられた光のうち、波長抽出フィルタ21aを透過した特定の波長域の光を検出して測光する。
【0075】
図4は、波長抽出フィルタユニット21の構成を示す図である。この図は、図1に示したIV矢視方向に対応する矢視図であり、一部を断面図として示している。図4に示すように、波長抽出フィルタユニット21は、複数の波長抽出フィルタ21aとして、例えば650nm以上の長波長域の光を透過させるロングウェーブパスフィルタとしての波長抽出フィルタ21a−1と、550nm以下の短波長域の光を透過させるショートウェーブパスフィルタとしての波長抽出フィルタ21a−2とを有する。
【0076】
選択配置機構21bは、波長抽出フィルタ21aを保持するスライダ211と、このスライダ211をY軸方向(図4における上下方向)に移動させるスライダ駆動部212とを用いて構成されている。スライダ211は、Y軸に沿って貫通孔211−1〜211−3が設けられ、貫通孔211−1,211−2内に各々波長抽出フィルタ21a−1,21a−2を嵌設して保持している。スライダ駆動部212は、スライダ211をY軸方向に所定量ごと移動させ、波長抽出フィルタ21a−1,21a−2および空穴としての貫通孔211−3のいずれかを投影測光光路内の投影測光光軸OA2上に択一的に配置する。
【0077】
ここで、光検出器26は、波長抽出フィルタ21a−1が配置された場合、標本Sから発せられた光のうち波長650nm以上の赤色系統の光を検出し、波長抽出フィルタ21a−2が配置された場合、波長550nm以下の緑色系統の光を検出する。また、空穴としての貫通孔211−3が配置された場合には、波長域を制限することなく、標本Sから発せられた光を検出する。
【0078】
なお、選択配置機構21bは、スライダ211に替えてターレットを備え、このターレット上に複数の波長抽出フィルタ21aを保持して回動させることで、複数の波長抽出フィルタ21aの少なくとも1つまたは空穴を投影測光光路内に択一的に配置する機構としてもよい。また、選択配置機構21bは、2つに限定されず、さらに多くの波長抽出フィルタ21aを備えることもでき、1つの貫通孔内に2つ以上の波長抽出フィルタ21aを嵌設することもできる。これによって、1つの波長抽出フィルタでは抽出し得ない波長域の光を抽出することができる。また、波長抽出フィルタユニット21は、投影測光光路内に限定されず、ピンホール板23bから光検出器26に至る測光光路内に配置させてもよい。
【0079】
電動ステージ系3は、図1に示すように、シャーレ等の容器31を介して標本Sを保持するステージ部32と、このステージ部32を観察光学系の観察光軸OA1に垂直な面内(図1におけるX−Y面内)で2次元的に移動させるステージ駆動部33とを用いて構成されている。ステージ駆動部33は、ステージ部32を移動させることで、観察光学系の観察光軸OA1および観察視野に対して標本Sを移動させるとともに、投影測光光学系によって投影されるピンホール23aのピンホール像に対して標本Sを移動させる。ここで、ステージ駆動部33は、標本Sの全領域を観察視野内に適宜移動させることができる移動ストロークを有している。なお、観察光軸OA1に垂直な面内とは、厳密に垂直である必要はなく略垂直である場合を含むものである。なお、ステージのみの駆動の場合は、開口像は観察光学系の光軸上に固定されている。
【0080】
また、ステージ駆動部33は、ステッピングモータやエンコーダ等を用い、2次元移動させた標本Sの、観察光軸OA1に対する位置を示す標本位置を特定する。さらに、ステージ駆動部33は、標本位置が指定された場合、その標本位置に基づいて、標本Sを観察視野内に配置することもできる。なお、標本Sはステージ部32上に固定して保持され、ステージ部32に対する標本Sの位置関係は、あらかじめ測定されてキャリブレーションされる。
【0081】
照明系4は、白色光等の標本照明光を発する光源装置41と、この標本照明光を一端から受光して他端から射出するファイバーライトガイド42とを用いて構成されている。照明系4は、ファイバーライトガイド42が射出する標本照明光を標本Sに対して対物レンズ11と反対側(図1における上側)から照射することで、標本Sに対して明視野照明としての透過照明を行う。
【0082】
制御系5は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)によって実現され、各部の作動を指示する指示情報等を制御系5に対して入力する入力部51と、画像情報や文字情報等を表示する表示部52と、観察画像や測光データ等を記憶する記憶部53と、各部における処理および動作を制御する制御部54とを備える。制御部54は、入力部51、表示部52および記憶部53と、観察系1、測光系2、電動ステージ系3および照明系4が備える各稼働部とに電気的に接続されている。
【0083】
制御部54は、機能別に観察測光制御部54a、記憶制御部54b、表示制御部54c、切換制御部54d、照明制御部54e、移動制御部54fおよび焦準制御部54gを備える。観察測光制御部54aは、観察系1による観察および測光系2による測光に関わる各稼働部の動作を制御する。具体的には、観察測光制御部54aは、例えば、標本Sの観察像を撮像装置13によって撮像する撮像処理、標本Sから発せられた光を光検出器26によって測光する測光処理の制御を行う。また、あらかじめ設定された各種測光条件に基づいて所定期間ごとに測光を繰り返す繰り返し測光(以下、タイムラプス測光と呼ぶ。)を行う場合に各稼働部の設定および切換等を行う制御をする。
【0084】
記憶制御部54bは、観察系1によって生成された観察画像、測光系2によって測光された測光データ、各観察画像および各測光データに対応する各種設定条件等を記憶部53に記憶させる制御を行う。また、タイムラプス測光を行うために設定されるタイムラプス測光条件を記憶部53に記憶させる制御を行う。
【0085】
表示制御部54cは、観察画像や測光データ等を画像情報あるいは文字情報として表示部52に表示させる制御を行う。その際、表示制御部54cは、各種画像情報および文字情報を適宜対応付けて表示部52に表示させる。これによって表示制御部54cは、例えば、観察画像と、この観察画像に対応する測光データとを対応付けて表示させたり、照明系4によって照明された標本Sを撮影した観察画像と、自家発光した標本Sを撮影した観察画像とを重ね合わせて表示させるなどの表示処理を表示部52に行わせることができる。また、表示制御部54cは、撮像装置13が撮像して生成する画像をライブ映像(リアルタイム表示画像)として表示部52に表示させることもできる。
【0086】
切換制御部54d、照明制御部54e、移動制御部54fおよび焦準制御部54gは、それぞれ入力部51から入力される所定の指示情報に対応した制御を行う。具体的には、切換制御部54dは、指示情報に応じてピンホール23a、波長抽出フィルタ21aおよび光分割プリズム27aを個別に切り換える制御をする。照明制御部54eは、指示情報に応じてランプ光源24a、光源装置41を個別に点灯および消灯制御し、ピンホール照明系24および照明系4による各照明の開始および停止制御をする。移動制御部54fは、指示情報に応じてピンホール23aおよび標本Sの少なくとも一方を個別に2次元移動させる制御をする。すなわち、移動制御手段54fは、指示情報に応じてピンホール板23bをY−Z移動させる制御および/もしくはステージ部32をX−Y移動させる制御を個別に行う。焦準制御部54gは、指示情報に応じて対物レンズ11を焦準移動させ、標本Sに対する観察光学系の焦点合わせを行う制御をする。これらの制御によって、利用者は、各種観察条件および測光条件の切り換え、照明の開始および停止、標本S上の観察位置および測光位置の変更、観察画像のピント合わせ等を適宜行うことができる。
【0087】
遮蔽部6は、照明系4の一部と制御系5とを除き観察測光装置100を内部に収容し、観察測光装置100に対して外部から照射される光を遮断する。これによって、遮蔽部6は暗室を形成し、この暗室内で観察測光装置100に安定かつ高精度に微弱光の測光および観察を実施させることができる。なお、遮蔽部6は、観察測光装置100の全部を内部に収容して遮光するようにしてもよい。この場合、利用者等が内部に入れるスペースを有することが好ましい。
【0088】
以上のように構成された観察測光装置100では、ピンホール照明系24からのピンホール照明光は、ピンホール23aに照射され、これを通過した後、投影測光光学系としての結像レンズ22および対物レンズ11によって標本Sに照射される。これによって標本S上には、ピンホール23aの開口形状に応じた明るいスポット像がピンホール像として結像される。さらにピンホール照明光は、標本Sによって反射され、観察光学系としての対物レンズ11および結像レンズ12によって撮像面13a上に照射される。これによって撮像面13a上には、ピンホール像の共役像である2次ピンホール像と、ピンホール像内で照明された標本Sの観察像とが結像され、この結像された各像が撮像装置13によって撮像される。このとき、波長抽出フィルタユニット21では、空穴もしくは波長抽出フィルタ21aが投影測光光路内に適宜配置され、光路切換ユニット27では、分割比が50:50である光分割プリズム27a−3が観察光路上に配置される。
【0089】
一方、測光対象としてピンホール像内の標本Sから発せられた光は、投影測光光学系によってピンホール23a上に集光され、ピンホール23aを通過した後、集光レンズ25によって光検出器26の受光エリア内に集光される。このとき、ピンホール像外の標本Sから発せられた光は、投影測光光学系によってピンホール23a外のピンホール板23b上に集光されて遮光される。これによって、光検出器26にはピンホール像内の標本Sから発せられた光のみ集光され、この集光された光のみが測光される。この場合、光路切換ユニット27では、分割比が0:100である光分割プリズム27a−1が観察光路上に配置され、標本Sからの光は、すべて結像レンズ22に向けて反射されてピンホール23a上に光量損失なく集光される。また、波長抽出フィルタユニット21では、測光対象とする波長域の光を抽出できる波長抽出フィルタ21aもしくは空穴が投影測光光路内に適宜配置される。
【0090】
また、明視野観察のためファイバーライトガイド42から標本Sに照射された標本照明光は、標本Sを透過し、観察光学系によって撮像面13a上に照射される。これによって、撮像面13a上には標本Sの明視野観察像が結像され、この明視野観察像が撮像装置13によって撮像される。このとき、光路切換ユニット27では、分割比が100:0である光分割プリズム27a−2が観察光路上に配置され、標本Sからの光はすべて撮像面13a上に結像される。また、明視野観察のためのファイバーライトガイド42からの照明をオフして標本Sの発光状態を観察する場合も同様な分割比で行う。
【0091】
つぎに、観察測光装置100によってタイムラプス測光を行う処理手順について説明する。図5は、タイムラプス測光処理手順を示すフローチャートである。また、図6−1〜図6−4は、タイムラプス測光処理手順における処理工程に応じて観察される観察像を説明する図である。なお、ここでは標本Sが、発光体として微弱光を発する複数の細胞を含み、このうちいくつかの細胞を測光対象細胞としてタイムラプス測光を行う処理手順を説明する。
【0092】
はじめに測光準備工程として、標本Sの中から測光対象細胞等を選択して記録する処理を行う。すなわち、まず光源装置41を点灯し、標本Sに対して透過照明を行い、撮像装置13によって標本Sの観察像を撮像して、図6−1に示すような明視野観察像をライブ画像として取得する(ステップS101)。この明視野観察像は、表示制御部54cによって表示部52にリアルタイム表示され、これによって利用者等は、標本Sの現在の状態を観察できる。なお、このステップS101では、光路切換ユニット27によって、分割比が50:50である光分割プリズム27a−3が観察光路上に配置される。
【0093】
つづいて、リアルタイム表示された明視野観察像をもとに、標本Sの中から測光対象細胞を選択し、この選択した測光対象細胞を特定する細胞位置を記憶部53に記憶させる(ステップS102)。このステップS102では、透過照明に加え、ランプ光源24aを点灯してピンホール照明を行い、標本S上に明るいピンホール像を投影する。そして、ピンホール駆動部23cおよびステージ駆動部33によってピンホール23aおよび標本Sを適宜移動させ、図6−2に示すように、所望の測光対象細胞上にピンホール像PIを重ね合わせる。この状態でピンホール位置および標本位置を検出し、各検出結果を測光対象細胞の細胞位置として記録する。この細胞位置の記録は、例えば利用者等が記録を指示する指示情報を入力部51から入力し、入力された指示情報に応じて記憶制御部54bがピンホール駆動部23cおよびステージ駆動部33から各々ピンホール位置および標本位置を取得して記憶部53に記憶させることで行われる。
【0094】
なお、ここではピンホール23aおよび標本Sを両方移動させて測光対象細胞とピンホール像とを重ね合わせるものとしたが、どちらか一方を所定位置に固定し、他方のみ移動させて重ね合わせることもできる。例えば、ピンホール23aを投影測光光軸上に固定配置してピンホール像を観察光軸OA1上に投影させ、ステージ駆動部33によって所望の測光対象細胞を観察光軸OA1上に移動させることで重ね合わせをすることができる。この場合、標本位置によって細胞位置が特定可能であるため、標本位置のみを細胞位置として記憶部53に記憶させるようにしてもよい。また、例えば、標本Sを観察光軸OA1に対して固定配置し、観察視野内でピンホール像を適宜移動させることで重ね合わせをすることもできる。この場合には、ピンホール位置によって細胞位置が特定可能であるため、ピンホール位置のみを細胞位置として記憶部53に記憶させてもよい。この場合の細胞の測光エリアは、対物レンズ11の視野内に限定される。
【0095】
また、ステップS102では、透過照明とピンホール照明とを同時に行うものとして説明したが、測光対象細胞を観測しやすいように一方の照明を適宜消灯させてもよい。各照明の点灯および消灯は、利用者等が各照明の開始および停止を指示する所定の指示情報を入力部51から入力し、この指示情報に応じて照明制御部54eが光源装置41およびランプ光源24aの点灯および消灯制御をすることで行われる。
【0096】
さらに、ステップS102では、選択した測光対象細胞を識別する細胞識別情報としての細胞IDを細胞位置に対応付けて記憶部53に記憶させることができる。この細胞IDは、例えば利用者等が任意に設定して入力部51から入力し、記憶制御部54bが記憶部53に記憶させることで行われる。あるいは、記憶制御部54bが細胞位置を記憶させるごとに、所定の一連の細胞IDを順次対応付けて記憶させるようにすることもできる。
【0097】
つぎに、ステップS102で選択した測光対象細胞に応じて、この測光対象細胞から発せられる光のみを選択的に測光できるようにピンホール23aを設定し、この設定したピンホール23aの大きさおよび形状を特定するピンホール情報を細胞位置に対応付けて記憶部53に記憶させる(ステップS103)。具体的には、このステップS103では、ピンホール駆動部23cによってピンホール板23bを回動させ、測光対象細胞に適した大きさおよび形状を有するピンホール23aを選択し、選択したピンホール23aを識別するピンホールIDをピンホール情報として記録する。なお、選択するピンホール23aの大きさは、測光対象細胞よりも若干大きくすることが好ましい。また、ステップS103では、透過照明を適宜消灯してピンホール像を確認するとよい。透過照明を消灯させることで、図6−3に示すように、ピンホール像PIと、このピンホール像PI内の測光対象細胞とが鮮明に観察可能となって、測光対象細胞に適したピンホール23aを確認しやすくなる。
【0098】
つづいて、ステップS102で選択した測光対象細胞に応じて、この測光対象細胞から発せられる光のうち測光すべき波長域の光を抽出するための波長抽出フィルタ21aを設定し、この設定した波長抽出フィルタ21aを特定するフィルタ情報を細胞位置に対応付けて記憶部53に記憶させる(ステップS104)。このステップS104では、あらかじめ波長抽出フィルタユニット21のスライダ211にセットされた複数の波長抽出フィルタ21aの中から、測光波長域に対応する抽出波長域を有した波長抽出フィルタ21aを選択し、選択した波長抽出フィルタ21aを識別するフィルタIDをフィルタ情報として記録する。
【0099】
その後、所望の測光対象細胞をすべて選択したか否かを判断し(ステップS105)、すべてを選択していない場合(ステップS105:No)、ステップS102からの処理手順を繰り返して測光対象細胞を順次選択する。所望の測光対象細胞をすべて選択した場合には(ステップS105:Yes)、以上の測光準備工程を終了し、以降のタイムラプス測光工程に移行する。
【0100】
なお、測光準備工程を終了した段階で、記憶部53には、図7に示すように、選択した測光対象細胞ごとに細胞ID、細胞位置、ピンホールIDおよびフィルタIDが互いに対応付けられたタイムラプス測光条件が記憶されている。以降のタイムラプス測光工程では、このタイムラプス測光条件をもとに、各測光対象細胞から発せられる光が順次測光され、その一連の測光が所定期間ごとに繰り返されるとともに、各測光結果が各測光対照細胞に逐次対応付けられ、タイムラプス測光データとして記録される。
【0101】
つぎに、そのタイムラプス測光工程の処理手順について説明する。タイムラプス測光を開始する所定の指示情報が入力部51から入力されることで、まず観察測光制御部54aは、タイムラプス測光条件に記録された測光対象細胞をステージ部32を移動させながら順次測光し、各測光結果を各測光対象細胞の細胞ID、つまり測光時点の細胞位置に対応付けて記録する(ステップS106)。このステップS106では、観察測光制御部54aは、ランプ光源24aおよび光源装置41を消灯し、ピンホール照明および透過照明も停止させるとともに、光路切換ユニット27によって、分割比が0:100である光分割プリズム27a−1を観察光路上に配置する。また、観察測光制御部54aは、測光対象細胞ごとに、その細胞位置に対応付けられたピンホールIDおよびフィルタIDが示すピンホール23aおよび波長抽出フィルタ21aを、それぞれピンホールユニット23および波長抽出フィルタユニット21によって順次設定する。
【0102】
タイムラプス測光条件に記録された各測光対象細胞を一通り測光し終わった後、観察測光制御部54aは、観察視野全体の測光、つまり観察視野内に位置する標本S全体から発せられる光の測光を行い、この測光結果をタイムラプス測光データに記録する(ステップS107)。このステップS107では、観察測光制御部54aは、ピンホールユニット23によって、観察視野全体に対応する切欠23dを投影測光光軸OA2上に配置する。これは、ピンホール板23bを開放することに相当する。
【0103】
つづいて、観察測光制御部54aは、標本Sが発した光をもとに撮像装置13によって標本像を撮像して発光観察画像を取得し、この取得した発光観察画像を記録する(ステップS108)。このとき観察測光制御部54aは、光路切換ユニット27によって、分割比が100:0である光分割プリズム27a−2を観察光路上に配置する。また、観察測光制御部54aは、直前のステップS106,S107で取得した測光結果に対応付けて発光観察画像を記憶部53に記憶させる。つまり、観察測光制御部54aは、各測光対象細胞を一通り測光する測光サイクルごとに発光観察画像を取得するとともに、取得した発光観察画像をその測光サイクルで検出した測光データに対応付けて記録する。なお、このステップS108では、発光観察画像として、例えば図6−4に示すように暗い背景中で発光した細胞の観察像である発光観察像が撮像される。
【0104】
その後、観察測光制御部54aは、各測光対象細胞の測光つまり測光サイクルを所定回数繰り返したか否かを判断し(ステップS109)、所定回数繰り返していない場合(ステップS109:No)、インターバルの時間として所定時間待機し(ステップS110)、ステップS106からの処理を繰り返す。一方、所定回数繰り返した場合には(ステップS109:Yes)、観察測光制御部54aは、一連のタイムラプス測光を終了する。なお、タイムラプス測光終了後、タイムラプス測光データは、制御部54によって適宜解析処理され、表示制御部54cによって表示部52に適宜表示される。
【0105】
ここで、上述した測光準備工程およびタイムラプス測光工程における各部の設定状態を図8にまとめて示す。この図の測光準備工程における工程「A1」〜「A4」は、それぞれ図5に示したステップS101〜S104に対応し、タイムラプス測光工程における工程「B1」〜「B3」は、それぞれステップS106〜S108に対応する。また、図8中の「↑」は、直前の工程の設定内容に等しいことを示している。
【0106】
なお、上述した測光準備工程では、利用者等が明視野観察像のライブ画像をもとに測光対象細胞の選択を行うものとして説明したが、明視野観察像を撮像した観察画像を画像処理することによって測光対象細胞を選定するようにしてもよい。また、選定した測光対象細胞に対して適切なピンホール23aを画像処理によって設定するようにしてもよい。
【0107】
以上説明したように、本実施の形態にかかる観察測光装置100は、ピンホール23aが形成されたピンホール板23bを有し、このピンホール板23bによって光の通過領域を制限するピンホールユニット23と、ピンホール23aを照明するピンホール照明系24と、ピンホール照明系24によって照明されたピンホール23aのピンホール像を標本S上に投影する投影測光光学系と、標本Sの観察像とともにピンホール像の2次ピンホール像を結像する観察光学系と、投影測光光学系およびピンホール23aを介し、ピンホール像内の標本Sから発せられた光を測光する光検出器26と、を備えている。このため、観察測光装置100では、標本S内の発光領域を特定することができ、その特定領域から発せられる光を選択的に測光することができる。また、光検出器26が微弱光を高感度および高精度に検出可能な微弱光検出素子を用いた光検出器であるため、標本Sから微弱光が発せられる場合にも高精度に測光をすることができる。
【0108】
ここまで、本発明を実施する最良の形態を実施の形態として説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。
【0109】
例えば、上述した実施の形態では、標本Sが自家発光する発光体を含み、この発光体から発せられる光を測光および観察するものとして説明したが、標本Sが蛍光体を含む場合には、励起光照射に応じてその蛍光体から発せられる蛍光を測光および観察することもできる。この場合、観察測光装置100は、例えば図9に示すように、励起光照射のための落射蛍光装置7を備えるとよい。
【0110】
落射蛍光装置7は、励起光源71、励起光投光管72および蛍光キューブ73を用いて構成されている。励起光源71は、水銀ランプ、キセノンランプ、レーザ等が用いられ、標本Sが有する蛍光体に応じた所定の励起光を発する。励起光投光管72は、集光レンズ72a、明るさ絞り作りレンズ72b、明るさ絞りAS、視野絞りFSおよび投光レンズ72cをこの順に配置して備える。蛍光キューブ73は、標本Sを励起する励起光を選択的に透過させる励起フィルタ73aと、標本Sから発せられた蛍光を選択的に透過させる吸収フィルタ73bと、励起光を反射させて蛍光を透過させるダイクロイックミラー73cとを一体に備える。ここで、励起フィルタ73aは、励起光源71から発せられる光の中から所定の励起光を抽出するバンドパスフィルタであり、吸収フィルタ73bは、標本Sから発せられる蛍光に応じた所定のカットオフ波長を有するロングウェーブパスフィルタである。
【0111】
落射蛍光装置7は、対物レンズ11と光路切換ユニット27との間の観察光軸OA1上に蛍光キューブ73が設けられ、励起光源71が発した励起光を、励起光投光管72を介してダイクロイックミラー73cで反射させ、対物レンズ11を介して標本S上に照射させる。励起光源71の点灯および消灯、つまり落射蛍光装置7による励起光照明の開始および停止は、入力部51から入力される所定の照明指示情報をもとに、照明制御部54eによって制御される。なお、落射蛍光装置7では、蛍光キューブ73として、励起光および蛍光の少なくとも一方に対する光学特性が異なる複数の蛍光キューブを備え、そのうち1つを、非配置も含めて選択的に観察光軸OA1上に挿脱配置させることもできる。
【0112】
また、上述した実施の形態では、光路切換ユニット27を対物レンズ11と結像レンズ12との間の観察光路上に設けるものとしたが、結像レンズ12と撮像装置13との間の観察光路上に設けることもできる。この場合、対物レンズ11に加えて結像レンズ12を観察光学系と投影測光光学系とで共用することとなる。また、光路切換ユニット27では、透過光路上に観察光学系を構成し、反射光路上に投影測光光学系を構成したが、かかる構成関係を入れ換えてもよい。つまり、透過光路上に投影測光光学系を構成し、反射光路上に観察光学系を構成することもできる。ただし、その場合には、上述した光分割プリズム27a−1と27a−2との作用関係も入れ換えて解釈する必要がある。さらに、光路切換ユニット27では、キューブ状の光分割プリズム27aを用いるものとしたが、板状の光分割素子あるいは反射ミラーを用いることもできる。
【0113】
また、上述した実施の形態では、円盤状のピンホール板23bにピンホール23aを形成し、ピンホール板23bをピンホール駆動部23cによって回動することでピンホール23aを投影測光光路内に配置するものとしたが、ピンホール駆動部23cによってピンホール板23bをその板面方向に2次元移動させることでピンホール23aを投影測光光路内に配置させることもできる。この場合、ピンホール駆動部23cは、ピンホール像を観察光学系の観察視野内で自在に移動可能な移動ストロークに加えて、ピンホール板23b上のすべてのピンホール23aを投影測光光路内に配置可能な移動ストロークを有するものとする。また、ピンホール駆動部23cは、投影測光光軸OA2に対してピンホール板23bを2次元移動させるものとしたが、一体保持機構28の全体、つまりピンホールユニット23、ピンホール照明系24、集光レンズ25および光検出器26を一体に投影測光光軸OA2に対して2次元移動させるようにしてもよい。
【0114】
また、上述した実施の形態では、ピンホール照明系24では、低反射ミラー24dを測光光路上に固定配置して設けるものとしたが、挿脱自在に配置させることもできる。この場合、ピンホール像を標本S上に投影するときに低反射ミラー24dを測光光路内に挿入配置し、標本Sから発せられる光を測光するときに低反射ミラー24dを測光光路上から取り除くとよい。これによって、低反射ミラー24dによる反射損失をなくすことができ、標本Sから発せられる微弱光の測光を一層高感度に行うことができる。また、このように挿脱配置を行う場合には、低反射ミラー24dに替えて全反射ミラーもしくは所定反射率のミラーを用いることができる。その反射率は、撮像装置13によって撮像される2次ピンホール像の明るさ等に応じて適宜設定するとよい。さらに、ピンホール照明系24では、ピンホール照明光を発する光源としてランプ光源24aを配置するものとしたが、ファイバーライトガイド等を用いてピンホール照明光を導入するようにしてもよい。この場合、拡散板24bは適宜取り除くことができる。
【0115】
また、上述した実施の形態では、焦準機構14は、対物レンズ11を標本Sに対して移動させて焦点合わせをするものとしたが、ステージ部32とともに標本SをZ軸方向に移動させて焦点合わせを行うようにしてもよい。あるいは、対物レンズ11とステージ部32とをそれぞれ移動させて焦点合わせを行うようにしてもよい。
【0116】
また、上述した実施の形態では、標本Sに対する明視野照明系として、透過照明系である照明系4を備えるものとしたが、落射照明系を備えるようにしてもよい。さらに、ここまで観察測光装置100が倒立型であるものとして説明したが、正立型とすることもできる。また、ここまで観察光路と測光光路とを標本Sに対して同じ側に設け、観察光路と測光光路とを光路切換ユニット27によって合分岐するものとして説明したが、観察光路と測光光路とを標本Sに対して互いに反対側に設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の実施の形態にかかる観察測光装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した光路切換ユニットの構成を示す図である。
【図3】図1に示したピンホール板を示す図である。
【図4】図1に示した波長抽出フィルタユニットの構成を示す図である。
【図5】タイムラプス測光処理手順を示すフローチャートである。
【図6−1】標本の明視野観察像を示す図である。
【図6−2】標本の明視野観察像と2次ピンホール像とを示す図である。
【図6−3】2次ピンホール像を示す図である。
【図6−4】標本の発光観察像を示す図である。
【図7】タイムラプス測光データを示す図である。
【図8】タイムラプス測光にかかる各工程の設定状態を示す図である。
【図9】観察測光装置に搭載可能な落射蛍光装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0118】
1 観察系
2 測光系
3 電動ステージ系
4 照明系
5 制御系
6 遮蔽部
7 落射蛍光装置
11 対物レンズ
12 結像レンズ
13 撮像装置
13a 撮像面
14 焦準機構
21 波長抽出フィルタユニット
21a 波長抽出フィルタ
21b 選択配置機構
22 結像レンズ
23 ピンホールユニット
23a ピンホール
23b ピンホール板
23c ピンホール駆動部
23d 切欠
24 ピンホール照明系
24a ランプ光源
24b 拡散板
24c コンデンサレンズ
24d 低反射ミラー
25 集光レンズ
26 光検出器
27 光路切換ユニット
27a 光分割プリズム
27b 選択配置機構
28 一体保持機構
31 容器
32 ステージ部
33 ステージ駆動部
41 光源装置
42 ファイバーライトガイド
51 入力部
52 表示部
53 記憶部
54 制御部
54a 観察測光制御部
54b 記憶制御部
54c 表示制御部
54d 切換制御部
54e 照明制御部
54f 移動制御部
54g 焦準制御部
71 励起光源
72 励起光投光管
72a 集光レンズ
72b 明るさ絞り作りレンズ
72c 投光レンズ
73 蛍光キューブ
73a 励起フィルタ
73b 吸収フィルタ
73c ダイクロイックミラー
100 観察測光装置
211,271 スライダ
211−1〜211−3,271−1〜271−3 貫通孔
212,272 スライダ駆動部
OA1 観察光軸
OA2 投影測光光軸
PA 中心軸
PI ピンホール像
S 標本

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が形成された開口部材と、
前記開口を照明する開口照明手段と、
前記開口照明手段によって照明された前記開口の開口像を標本上に投影し、前記開口像内の前記標本から発せられる光を前記開口内に集光させる投影測光光学系と、
前記標本の観察とともに前記開口像を観察する観察光学系と、
前記投影測光光学系および前記開口を介し、前記開口像内の前記標本から発せられた光を測光する測光手段と、
前記開口像と前記標本との少なくとも一方を移動させる相対移動手段と、
を備え、前記開口は、前記投影測光光学系の結像面に配設されたことを特徴とする観察測光装置。
【請求項2】
前記観察光学系の観察光路に対して前記投影測光光学系の投影測光光路を合分岐する合分岐手段を備え、
前記投影測光光学系は、前記観察光学系の一部または全部を共用して前記開口を前記標本上に投影することを特徴とする請求項1に記載の観察測光装置。
【請求項3】
前記合分岐手段は、透過率および反射率の少なくとも一方が異なる複数の光分割素子と、複数の前記光分割素子のうち1つを前記観察光路上に択一的に配置する選択配置機構とを有することを特徴とする請求項2に記載の観察測光装置。
【請求項4】
前記合分岐手段は、複数の前記光分割素子として、反射率と透過率との割合が異なる少なくとも3種類の素子を有することを特徴とする請求項3に記載の観察測光装置。
【請求項5】
3種類の前記光分割素子は、標本からの光を100%反射する反射素子と、標本からの光を100%透過する透過素子と、少なくとも反射と透過とを共に行わせる素子とからなることを特徴とする請求項4に記載の観察測光装置。
【請求項6】
前記開口照明手段は、照明光を発する光源手段と、該照明光を前記測光手段の測光光路内に導入して前記開口に導く照明光導入手段とを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項7】
前記照明光導入手段は、前記測光光路内に配置され、前記照明光を所定反射率で反射させて前記開口に導くとともに、前記標本から発せられて前記開口を通過した光を所定透過率で透過させる半透明素子であることを特徴とする請求項6に記載の観察測光装置。
【請求項8】
前記投影測光光学系に対して前記開口の大きさおよび形状の少なくとも一方を変更する開口切換機構を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項9】
前記開口部材は、大きさおよび形状の少なくとも一方が異なる複数の前記開口を有し、
前記開口切換機構は、複数の前記開口のうち1つを前記投影測光光学系の投影測光光路内に択一的に配置することを特徴とする請求項8に記載の観察測光装置。
【請求項10】
前記開口部材は、その周方向に複数の前記開口が配列された円盤状部材であり、
前記開口切換機構は、前記開口部材をその周方向に回動させ、複数の前記開口のうち1つを前記投影測光光路内に択一的に配置することを特徴とする請求項9に記載の観察測光装置。
【請求項11】
前記開口は、前記開口部材上に形成された透孔または切欠であることを特徴とする請求項9または10に記載の観察測光装置。
【請求項12】
前記相対移動手段は、前記標本を保持し、該標本を前記観察光学系の観察光軸に垂直な面内で移動させる標本移動手段と、前記開口を前記投影測光光学系の投影測光光軸に垂直な面内で移動させる開口移動手段との少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項13】
前記標本移動手段は、前記観察光軸に垂直な面内で前記標本を自在に移動させる電動ステージを有することを特徴とする請求項12に記載の観察測光装置。
【請求項14】
前記開口移動手段は、前記開口部材を介して前記開口を前記投影測光光軸に垂直な面内で移動させることを特徴とする請求項12または13に記載の観察測光装置。
【請求項15】
前記開口部材、前記開口照明手段および前記測光手段を一体に保持する一体保持機構を備え、
前記開口移動手段は、前記一体保持機構を介して前記開口を前記投影測光光軸に垂直な面内で移動させることを特徴とする請求項12〜14のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項16】
前記相対移動手段は、前記観察光学系の観察視野内に位置する前記標本上の指定標本領域の領域位置を読取る領域位置読取手段を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項17】
前記領域位置読取手段は、前記観察光軸に対する前記標本の指定標本位置を読取る標本位置読取手段と、前記観察光軸に対する前記開口像の開口像位置を読取る開口位置読取手段との少なくとも一方を有したことを特徴とする請求項16に記載の観察測光装置。
【請求項18】
前記領域位置を記憶する記憶手段と、
前記領域位置読取手段が読取った前記領域位置を前記記憶手段に記憶させる位置記憶制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項16または17に記載の観察測光装置。
【請求項19】
あらかじめ1以上の前記領域位置を記憶した記憶手段と、
前記相対移動手段によって、1以上の前記領域位置に対応する各指定標本領域を前記開口像内に順次配置させ、順次配置させるごとに該指定標本領域から発せられた光を前記測光手段に測光させるとともに、この測光結果を測光時点の前記領域位置に対応付けて前記記憶手段に記憶させる制御を1回または所定期間ごとに繰り返す測光制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項16〜18のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項20】
あらかじめ1以上の前記標本位置および前記開口位置の少なくとも一方を前記領域位置として記憶した記憶手段と、
前記標本移動手段および/または前記開口移動手段によって、1以上の前記標本位置および/または前記開口位置の各々に前記標本および/または前記開口を順次配置させ、順次配置させるごとに前記開口像内の前記標本から発せられた光を前記測光手段に測光させるとともに、この測光結果を測光時点の前記標本位置および/または前記開口位置に対応付けて前記記憶手段に記憶させる制御を1回または所定期間ごとに繰り返す測光制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項17に記載の観察測光装置。
【請求項21】
前記投影測光光学系に対して前記開口の大きさおよび形状の少なくとも一方を変更する開口切換機構を備え、
前記記憶手段は、あらかじめ前記領域位置ごとに、前記開口の大きさおよび形状を特定する開口情報を対応づけて記憶し、
前記測光制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記領域位置に対応する前記指定標本領域を前記開口像内に配置させるごとに、該領域位置に対応付けられた前記開口情報に基づいて前記開口切換機構に前記開口を切り換えさせる制御をすることを特徴とする請求項19または20に記載の観察測光装置。
【請求項22】
異なる波長域の光を抽出する複数の波長抽出フィルタを有し、複数の前記波長抽出フィルタの少なくとも1つを、非配置を含めて選択的に前記測光手段の測光光路内に配置する波長抽出手段を備え、
前記記憶手段は、あらかじめ前記領域位置ごとに、前記測光光路内に配置する前記波長抽出フィルタを指定するフィルタ情報を対応付けて記憶し、
前記測光制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記領域位置に対応する前記指定標本領域を前記開口像内に配置させるごとに、該領域位置に対応付けられた前記フィルタ情報に基づいて前記波長抽出手段に前記波長抽出フィルタを配置させる制御をすることを特徴とする請求項19〜21のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項23】
前記記憶手段は、あらかじめ前記領域位置ごとに、該領域位置に対応する前記指定標本領域を識別する領域識別情報を対応付けて記憶することを特徴とする請求項19〜22のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項24】
複数の前記光分割素子のうち前記標本から発せられた光を前記測光手段に対して100%配分する光分割素子を前記選択配置機構によって配置し、前記標本から発せられた光を前記測光手段に測光させる制御をする測光制御手段を備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の観察測光装置。
【請求項25】
前記測光制御手段は、前記測光手段に測光させない場合、複数の前記光分割素子のうち前記標本から発せられた光を前記観察像に対して100%配分する光分割素子を前記選択配置機構に配置させる制御をすることを特徴とする請求項24に記載の観察測光装置。
【請求項26】
前記観察光学系は、観察視野内に配置された前記標本上の各点からの光を受光して各々平行光束に変換する対物レンズと、該対物レンズと協働して前記観察像とともに前記2次開口像を結像する結像レンズとを有することを特徴とする請求項1〜25のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項27】
前記観察光学系による前記観察像の総合結像倍率は、2倍以上、8倍以下であることを特徴とする請求項1〜26のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項28】
前記観察像および前記2次開口像の少なくとも一方を撮像して観察画像を生成する撮像手段を備えたことを特徴とする請求項1〜27のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項29】
前記観察画像を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項28に記載の観察測光装置。
【請求項30】
前記観察画像として、前記標本に対して照射された光をもとに生成された照明観察画像と、前記標本が発した光をもとに生成された発光観察画像とを重ね合わせて前記表示手段に表示させる制御をする表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項29に記載の観察測光装置。
【請求項31】
所定の照明指示情報に基づいて前記開口照明手段による照明の開始および停止制御をする照明制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜30のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項32】
前記標本に対して明視野照明を行う明視野照明手段および該標本を励起する励起光照明を行う励起光照明手段の少なくとも一方を備えたことを特徴とする請求項1〜31のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項33】
所定の照明指示情報に基づいて前記明視野照明手段および前記励起光照明手段の少なくとも一方による照明の開始および停止制御をする照明制御手段を備えたことを特徴とする請求項32に記載の観察測光装置。
【請求項34】
前記標本は、微弱光を発する自己発光体および蛍光発光体の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜33のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項35】
前記測光手段は、微弱光検出素子を有し、前記標本から発せられた光を該微弱光検出素子によって検出することを特徴とする請求項1〜34のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項36】
前記微弱光検出素子は、光電子増倍管またはアバランシェフォトダイオードであることを特徴とする請求項35に記載の観察測光装置。
【請求項37】
前記標本と前記観察光学系との相対距離を変化させ、前記標本に対する前記観察光学系の焦点合わせを行う焦準機構を備えたことを特徴とする請求項1〜36のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項38】
前記焦準機構は、電動焦準機構であり、
所定の焦準指示情報に基づき、前記焦準機構によって前記標本に対する前記観察光学系の焦点合わせを行う制御をする焦準制御手段を備えたことを特徴とする請求項37に記載の観察測光装置。
【請求項39】
当該観察測光装置の一部または全部を遮蔽し、外部から照射される光を遮断する遮蔽手段を備えたことを特徴とする請求項1〜38のいずれか一つに記載の観察測光装置。
【請求項40】
標本を照明し、該標本を撮影して照明観察画像を取得する照明画像取得ステップと、
前記照明観察画像をもとに、前記標本の中から測光対象とする標本領域を1以上選択し、この選択した各標本領域の領域位置を記録する標本領域選択ステップと、
を含む観察測光準備ステップと、
前記標本領域選択ステップで選択された各標本領域から発せられた光を順次測光するとともに、各測光結果を測光時点の前記領域位置に対応付けて記録する測光ステップを所定時間ごとに繰り返す繰り返し測光ステップと、
を含むことを特徴とする観察測光方法。
【請求項41】
前記観察測光準備ステップは、前記標本領域ごとに、該標本領域から発せられた光を選択的に通過させる開口を選定し、この選定した開口の大きさおよび形状を特定する開口情報を前記領域位置に対応付けて記録する開口選定ステップを含み、
前記測光ステップは、前記標本領域選択ステップで選択された前記標本領域ごとに、該標本領域の前記領域位置に対応付けられた前記開口情報が示す前記開口を順次設定し、順次設定するごとに前記標本領域から発せられた光を測光するとともに、各測光結果を測光時点の前記領域位置に対応付けて記録することを特徴とする請求項40に記載の観察測光方法。
【請求項42】
前記観察測光準備ステップは、前記標本領域ごとに、該標本領域から発せられた光の中から所定波長域の光を抽出する波長抽出フィルタを選定し、この選定した波長抽出フィルタを特定するフィルタ情報を前記領域位置に対応付けて記録するフィルタ選定ステップを含み、
前記測光ステップは、前記標本領域選択ステップで選択された前記標本領域ごとに、該標本領域の前記領域位置に対応付けられた前記フィルタ情報が示す前記波長抽出フィルタを順次設定し、順次設定するごとに前記標本領域から発せられた光を測光するとともに、各測光結果を測光時点の前記領域位置に対応付けて記録することを特徴とする請求項40または41に記載の観察測光方法。
【請求項43】
前記繰り返し測光ステップは、前記標本に対する撮影視野全体を前記標本領域とし、該撮影視野に応じた前記開口を設定して該撮影視野内の前記標本から発せられた光を測光するとともに、この測光結果を記録する全視野測光ステップを前記所定時間ごとに繰り返すことを特徴とする請求項40〜42のいずれか一つに記載の観察測光方法。
【請求項44】
前記繰り返し測光ステップは、前記標本が発した光をもとに該標本を撮影して発光観察画像を取得する発光画像取得ステップを前記所定時間ごとに繰り返すことを特徴とする請求項40〜43のいずれか一つに記載の観察測光方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−58249(P2008−58249A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−238287(P2006−238287)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】