説明

角筒状曲面カートンの製造方法および製造装置

【課題】
製造能力の向上と高速化に伴う製造コストが嵩まず、かつ製品の仕上がりに優れる角筒状曲面カートンの製造方法及び製造装置の提供にある。
【解決手段】ブランク3を二つのブランクマガジン10から取り出す給紙部40と、接着剤を塗布する接着剤塗布部41と、ブランクを間欠回転運動するターレット式巻付け装置20の2個の柱状マンドレル21にセットする搬送・セット部42と、以下1/4づつ回転してブランクの巻付け圧着部43と、筒状仮容器形成部44と、この筒状仮容器2を、間欠回転運動を行うターレット式成形装置31の2個のアーム31に受渡す筒状仮容器抜取り・受渡し部45と、さらに1/4づつ回転して、筒状仮容器の押込み成形部と、角筒状曲面カートン成形部と、角筒状曲面カートン排出部とでなる製造装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角筒状の各側面が三次元に湾曲した紙またはプラスチック製の角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置に関するものであり、特に、仕上がりの安定化と高速化による低コスト化と大量生産が可能な角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば天面および底面にリクローズ性(再封性)を持たせた差込みを有する紙製またはプラスチック製の角筒状容器が知られ、特に、プラスチック製では、化粧品や衣類、あるいは玩具等を収納し、店頭陳列で内容物が見えるようにしたクリアケースなどがある。
【0003】
ところが上記角筒状容器の、特に各側面を三次元に湾曲にして、デザイン的効果を高め、店頭陳列などで従来の角筒状容器と差別化したいという要望があるが、その湾曲の程度に限度があったり、製造コストが嵩んで実用には程遠いものであった。
【0004】
それは、例えば雄型と雌型でなる装置で製函するトップロードカートニングシステムでは、雄型でカートンブランクを雌型に入れ込んで製函し、その後その雄型で雌型からカートンを取り出し、最後にカートンから雄型を抜いてカートンを排出する方法であるが、これが上記要望の三次元に湾曲した側面のカートン(容器)の場合、容器側面の凹凸で雄型を容器から抜くことができないため、容器側面の湾曲の形状は、凹凸の少ないものに限定され、また、このシステムでは、雄型が邪魔して三次元に湾曲した側面の罫線を雌型で十分に押すことができないので、成形後の罫線で反発し、凹部が凸部となったりして形状が安定しないという問題があった。
【0005】
また、例えばサック貼りされたカートンを起函して、内容物を充填し、その後フラップを折り曲げて製函するエンドロードカートニングシステムでは、角筒体の各側面が湾曲した容器の製函が可能であるが、最終的に不必要な罫線(捨て罫)が残るため、美粧性が損なわれるという問題と、その罫線(捨て罫)により容器形状が不安定になり、さらに罫線を十分に押すことができないので成形後の罫線で反発し、形状が不安定になるという問題があった。
【0006】
また、例えば側面が負圧とするための多数の小孔を有し、内側に湾凹した角錐体を雄型とし、この雄型に予め中空円錐形状に成形した仮容器を挿入し、上記湾凹した側面に雌型である押さえ体で押圧する中空角錐状紙容器の製造装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかし、この方式では、前記の中空円錐形状の仮容器に反発しない程度の折り筋目を付与することは可能であるが、形状が角錐形状のもののみで角筒状の容器には不可能で、かつ側面が三次元に湾曲している容器では、雄型を抜くことができないという問題点があった。
【0008】
上記方式の問題点を解消するものとして、本願発明者らが提案した、例えば、図2に示すような紙またはプラスチックシートでなるの角筒状曲面カートン用フランク(3)の貼合せ片(52)に接着剤を塗布し、これを、例えば、図11(a)および図11(b)に示すように、円柱状の支持体(7)に巻付けて円筒状仮容器(2)とし、図11(c)に示すように、この円筒状仮容器(2)の外側から角筒体の各側面に該当する、内面(32
a)が三次元に湾曲している雌型(32)を、各側面毎に同時に押し当て、押し込み方向(P)への押し込みで成形し、例えば、図1に示すように、各側面(4)が三次元に湾曲している角筒状曲面カートン(1)とするその製造方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
以下に、上記先行技術文献を示す。
【特許文献1】特公平3−39824号公報
【特許文献2】特開2004−160965号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の角筒状曲面カートンの製造方法においては、各工程へのブランク(3)や円筒状仮容器(2)等資材の供給や移載は往復運動となり、それらの装置が元の位置に戻らないと次の資材の供給ができず、製函能力が向上しないという問題があった。また、円柱状の支持体(7)への巻き付け部が固定式でその型が1個でなるので、ブランク(2)の移載、支持体(7)への巻き付け、貼り合わせ圧着、円筒状仮容器(2)の移載の一連の動作が終了しないと次の資材(ブランク)を移載することができず、このことも製函能力が向上しない理由でもあった。
【0011】
さらにまた、円柱状の支持体(7)から図11(c)に示す成形部へ受け渡す際に、ブランク(3)の上部のフラップを摘んで移載していたが、湾曲している雌型(32)との位置ずれが起き易く、製品の仕上がりに劣るという問題点があった。
【0012】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、紙またはプラスチックでなり、角筒状の各側面が三次元に湾曲した角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置において、製造能力の向上と高速化に伴う製造コストが嵩まない、かつ製品の仕上がりに優れる角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、角筒体の各側面が三次元に湾曲している角筒状曲面カートンの製造方法であって、前記角筒体の各側面板が、その側端に連設する貼合せ片を含め、曲線でなる罫線を介してそれぞれが連設し、天面および底面に再封用フラップが、もしくは天面に再封用フラップが底面には封緘用フラップがそれぞれ折り線を介して連設している紙シートもしくはプラスチックシートでなるブランクを、複数のブランクマガジンからそれぞれ1枚づつ取り出して、取り出されたブランクの貼合せ片に接着剤を塗布し、該接着剤が塗布された複数のブランクを搬送し、所定の角度で間欠回転運動を行うターレット式巻付け装置の一辺に突出する複数の柱状マンドレルにセットし、該ターレット式巻付け装置が所定の角度で回転した位置でセットされたブランクを柱状マンドレルに巻付け前記貼合せ片を圧接着せしめ、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で貼合せ片の圧接着を繰り返し、さらに所定の角度でした位置で該圧接着をせしめて筒状仮容器とし、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で圧接着を繰り返して筒状仮容器を完成せしめ、さらに所定の角度で回転した位置で筒状仮容器を柱状マンドレルから抜き取り、該抜き取られた筒状仮容器の筒内に、前記ターレット式巻付け装置と同期して所定の角度で間欠回転運動を行うターレット式成形装置の一辺に突出する複数のアームを挿入して受渡し、該ターレット式成形装置が所定の角度で回転した位置で、受渡された筒状仮容器の外側から角筒体の各側面に該当する、内面が三次元に湾曲している雌型を該各側面に同時に押し当て押し込み成形し、もしくはさらに所定の角度で回
転した位置で押し込み成形を繰り返し、さらに所定の角度で回転した位置で、押し当て押し込み成形をせしめて角筒状曲面カートンとし、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で押し当て押し込み成形を繰り返し角筒状曲面カートンを完成せしめ、さらに所定の角度で回転した位置で、角筒状曲面カートンを排出することを特徴とする角筒状曲面カートンの製造方法としたものである。
【0014】
また、請求項2の発明では、前記ターレット式成形装置の一辺に突出するアームは、細長の2枚の板が開閉する可動式でなり、受渡し時には閉じたままで、筒状仮容器の筒内に挿入された時には開いて該筒状仮容器を保持することを特徴とする請求項1記載の角筒状曲面カートンの製造方法としたものである。
【0015】
また、請求項3の発明では、前記ブランクマガジンからブランクを取り出す給紙部と、取り出されたブランクに接着剤を塗布する接着剤塗布部とが、ブランクの搬送方向に対し水平面で左右に可動せしめ、かつ前記給紙部と接着剤塗布部および前記接着剤が塗布されたブランクを搬送し柱状マンドレルにセットする搬送・セット部とが、上下方向に可動せしめることを特徴とする請求項1記載の角筒状曲面カートンの製造方法としたものである。
【0016】
また、請求項4の発明では、前記巻付け圧着された筒状仮容器をターレット式巻付け装置の柱状マンドレルからターレット式成形装置のアームに受け渡す際に、前記柱状マンドレルを回転可能にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造方法としたものである。
【0017】
また、請求項5の発明では、前記柱状マンドレルの形状が、角R柱状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造方法としたものである。
【0018】
また、請求項6の発明では、前記柱状マンドレルもしくはアームに回転量の制御可能な回転機構を施してなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造方法としたものである。
【0019】
また、請求項7の発明では、前記内面が三次元に湾曲している雌型の凸部に、板状加圧部材を付加してなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造方法としたものである。
【0020】
また、請求項8の発明では、角筒体の各側面が三次元に湾曲している角筒状曲面カートンの製造装置であって、前記角筒体の各側面板が、その側端に連設する貼合せ片を含め、曲線でなる罫線を介してそれぞれが連設し、天面および底面に再封用フラップが、もしくは天面に再封用フラップが底面には封緘用フラップがそれぞれ折り線を介して連設している紙シートもしくはプラスチックシートでなるブランクを、複数のブランクマガジンからそれぞれ1枚づつ取り出す給紙部と、
給紙されたブランクの貼合せ片に接着剤を塗布する接着剤塗布部と、
前記接着剤が塗布された複数のブランクを搬送し、所定の角度で間欠回転運動を行うターレット式巻付け装置の一辺に突出する複数の柱状マンドレルにセットする搬送・セット部と、
前記ターレット式巻付け装置が所定の角度で回転した位置で柱状マンドレルにセットされたブランクを巻付け前記貼合せ片を圧接着せしめる巻付け圧着部と、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で貼合せ片の圧接着を繰り返す巻付け圧着部と、
さらに前記ターレット式巻付け装置が所定の角度で回転した位置で、ブランクの圧接着を完成せしめて筒状仮容器とする筒状仮容器形成部と、もしくはさらに所定の角度で回転
した位置で圧接着を繰り返して筒状仮容器を完成せしめる筒状仮容器形成部と、
さらに所定の角度で回転した位置で、筒状仮容器を柱状マンドレルから抜き取り、該抜き取られた筒状仮容器の筒内に、前記ターレット式巻付け装置と同期して所定の角度で間欠回転運動を行うターレット式成形装置の一辺に突出する複数のアームを挿入して受け渡す筒状仮容器抜取り・受渡し部と、
前記ターレット式成形装置が所定の角度で回転した位置で、受渡された筒状仮容器の外側から角筒体の各側面に該当する、内面が三次元に湾曲している雌型を該各側面に同時に押し当て押し込み成形する押込み成形部と、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で押し込み成形を繰り返す押込み成形部と、
さらに1/4回転した位置で、押し込み成形をせしめて角筒状曲面カートンとする角筒状曲面カートン成形部と、もしくは押し込み成形を繰り返し角筒状曲面カートンを完成せしめる角筒状曲面カートン成形部と、
さらに所定の角度で回転した位置で、角筒状曲面カートンを排出するカートン排出部と、
を具備していることを特徴とする角筒状曲面カートンの製造装置としたものである。
【0021】
また、請求項9の発明では、前記ターレット式成形装置の一辺に突出するアームは、細長の2枚の板が開閉する可動式でなり、受渡し時には閉じたままで、前記筒状仮容器の筒内に挿入された時には開いて該筒状仮容器を保持する機構でなることを特徴とする請求項8記載の角筒状曲面カートンの製造装置としたものである。
【0022】
また、請求項10の発明では、前記給紙部と接着剤塗布部とは、ブランクの搬送方向に対し水平面で左右に可動し、かつ前記給紙部と接着剤塗布部および搬送・セット部とは、上下方向に可動する機構でなることを特徴とする請求項8記載の角筒状曲面カートンの製造装置としたものである。
【0023】
また、請求項11の発明では、前記筒状仮容器抜取り・受渡し部の柱状マンドレルが回転可能な回転機構を備えてなることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造装置としたものである。
【0024】
また、請求項12の発明では、前記柱状マンドレルの形状が、角R柱状でなることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造装置としたものである。
【0025】
また、請求項13の発明では、前記ターレット式巻付け装置の柱状マンドレルもしくはターレット式成形装置のアームに回転量の制御可能な回転機構を具備してなることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造装置としたものである。
【0026】
さらにまた、請求項13の発明では、前記内面が三次元に湾曲している雌型の凸部に、板状加圧部材が付加されていることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造装置としたものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
【0028】
即ち、上記請求項1および請求項8に係る発明によれば、複数のブランクマガジンから角筒状曲面カートン用ブランクを供給する工程と、そのブランクに接着剤を塗布した後、所定の角度で間欠回転運動を行うターレット式巻付け装置の複数の柱状マンドレルにセットし巻付け圧接着せしめる工程と、もしくはこの巻付け圧接着せしめを繰り返す工程と、
圧接着をせしめて筒状仮容器とする工程と、もしくは圧接着を繰り返し完成せしめて筒状仮容器とする工程と、この筒状仮容器を柱状マンドレルから抜き取り、前記ターレット式巻付け装置と同期して所定の角度で間欠回転運動を行うターレット式成形装置のアームに筒状仮容器を受け渡す工程と、この筒状仮容器の外側から内面が三次元に湾曲している雌型で押し込み成形する工程と、もしくはこの押し込み成形を繰り返す工程と、押し込み成形をせしめて角筒状曲面カートンとする工程と、もしくは押し込み成形を繰り返し角筒状曲面カートンの成形を完成せしめる工程と、この角筒状曲面カートンを抜き取り排出する工程とを有する角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることによって、前記一連の工程での動きを各工程に分散されるので、各工程での時間が短縮され、角筒状曲面カートンの製造能力を向上させることを可能にし、よって製品当たりのエネルギー消費量の削減と製造コストの低減に寄与する角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0029】
また、上記請求項2および請求項9に係る発明によれば、所定の角度で間欠回転運動を行うターレット式成形装置の一辺に突出するアームを、細長の2枚の板が開閉する可動式とし、筒状仮容器の筒内に挿入された後に開いて、この筒状仮容器を内側から保持するので、従来のようなフラップを摘んで成形部へ移載し、成形する雌型との位置ズレを防止し、最終製品の仕上がりにばらつき等のない角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0030】
また、上記請求項3および請求項10に係る発明によれば、給紙部と接着剤塗布部とが、ブランクの搬送方向に対し水平面で左右に可動し、かつ給紙部と接着剤塗布部および搬送・セット部とが、上下方向に可動するようにすることによって、角筒状曲面カートン(製品)の形状あるいはサイズが異なるものを製造する際に、給紙部と接着剤塗布部および搬送・セット部を、それぞれ左右または上下方向に可動調整を行って、柱状マンドレルにセットできるようになり、それにより次工程の巻付け圧着部において圧着する位置(圧着バーの位置など)を変える必要のないシンプルで容易に切替え製造を可能にする角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0031】
また、上記請求項4および請求項11に係る発明によれば、巻付け圧着された筒状仮容器をターレット式巻付け装置の一辺に突出する柱状マンドレルからターレット式成形装置の一辺に突出するアームに受け渡す際に、前記柱状マンドレルを回転可能にすることによって、角筒状曲面カートンのサイズや形状の変更の場合でも、常に同じ向きでターレット式成形装置に受け渡すことが可能となり、よって雌型(金型)の待機角度を変更する必要のないシンプルな機構の角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0032】
また、上記請求項5および請求項12に係る発明によれば、柱状マンドレルの形状を、角R柱状とし、この角R柱状のマンドレルにブランクの側面板の位置を基準に巻き付けることで、常にこの巻付け圧着部は一定の面に位置するようになり、よって圧着部での圧着バー等圧着部材の角度を製品(角筒状曲面カートン)の形状に合わせて変更する必要がなく、かつ柱状マンドレル(角R柱状の)に巻付けられた筒状仮容器の形状も常に一定の角度で巻付けられるので、この柱状マンドレルを回転させる必要がなく、成形金型(雌型)の待機角度の変更の必要もない角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0033】
また、上記請求項6および請求項13に係る発明によれば、柱状マンドレル、もしくはアームに回転量の制御が可能な回転機構を施すことによって、筒状仮容器の回転位置調整を行い、常に筒状仮容器の角度が同じ状態でターレット式成形装置に供給することが可能となり、角筒状曲面カートンの形状変更による成形金型(雌型)の待機角度を変更する必
要のないシンプルな角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0034】
さらにまた、上記請求項7および請求項14に係る発明によれば、内面が三次元に湾曲している雌型の凸部に、さらに凸部になるように板状加圧部材を付加することによって、この凸部の部分がより強い加圧となり、これによりブランクの曲線でなる罫線の接線方向へ働く折り曲がりを阻止する力を防止することができ、よって出来上がりの角筒状曲面カートンに罫線部のつぶれや座屈のない所望の曲面を有する角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0035】
従って本発明は、角筒状の各側面が三次元に湾曲した紙またはプラスチック製の角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置で、特に、仕上がりの安定化と高速化による低コスト化と大量生産が可能な角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置として、優れた実用上の効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0037】
本発明は、角筒体の各側面が三次元に湾曲している紙またはプラスチックでなる容器で、デザイン的効果を高めた角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置に関するものであり、その角筒状曲面カートンの事例として、例えば、図1の斜視図に示すように、天面および底面に再封用差込み部(5)を有し、各四つの側面(4)が三次元に湾曲している角筒状曲面カートン(1)がある。
【0038】
上記請求項1に係る発明は、例えば、図2の展開図に示すように、まず、略縦長方形状の前面板(50)の左側に左側面板(51)と貼合せ片(52)が波状の曲線でなる罫線(a、b)を介して順に連設し、右側には前記左側面板(51)と対称形の右側面板(53)と前記前面板(50)と対称形の裏面板(54)が波状の曲線でなる罫線(c、d)を介して順に連設し、前記前面板(50)の上側に正方形状の天面蓋板(55)と差込み片(56)が折り線(e、f)を介して順に連設し、前記前面板(50)の下側には正方形状の底面蓋板(57)と差込み片(58)が折り線(g、h)を介して順に連設し、前記左側面板(51)と右側面板(53)の上側にフラップ(59、60)が折り線(i、j)を介してそれぞれ連設し、前記左側面板(51)と右側面板(53)の下側にはフラップ(61、62)が折り線(k、l)を介して連設している紙製のブランク(3)とする。
【0039】
上記で得られたブランク(3)を、例えば、図3の上面図に示すように、二つのブランクマガジン(10)から同時にそれぞれ1枚づつ取り出し、続いてその取り出されたブランク(3)の貼合せ片(52)に接着剤を塗布し、この接着剤が塗布された2枚のブランク(3)を搬送し、1/4回転、すなわち90°づつ反時計回りに間欠回転運動を行うターレット式巻付け装置(20)の四角形状のコーナーがカットされた一辺に突出する2個の柱状マンドレル(21)にセットする。
【0040】
続いて、このターレット式巻付け装置(20)が反時計回りに1/4回転、すなわち90°回転した位置で、上記でセットされたブランク(3)を柱状マンドレル(21)に巻付けて、既に接着剤が塗布された貼合せ片を圧接着せしめ、さらに反時計回りに1/4回転した位置で、圧接着を完成せしめて筒状仮容器(2)とし、さらに反時計回りに1/4回転した位置で、筒状仮容器を柱状マンドレル(21)から抜き取り、この抜き取られた筒状仮容器(2)の筒内に、ターレット式巻付け装置(20)と同期して1/4回転づつ間欠回転運動を行うターレット式成形装置(30)の四角形状のコーナーがカットされた
一辺に突出する2個のアーム(31)を挿入して受渡す。
【0041】
上記ターレット式巻付け装置(20)とターレット式成形装置(30)の1/4回転、すなわち90°づつ間欠回転する運動は両者とも同期している。
【0042】
続いて、例えば、図4の上面図に示すように、ターレット式成形装置(30)が反時計回りに1/4回転、すなわち90°回転した位置で、受渡された筒状仮容器(2)の外側から角筒体の4つの各側面に該当する、内面が三次元に湾曲している雌型(32)を4つの各側面に同時に押し当て押し込んで成形し、さらに1/4回転した位置で、押し当て押し込み成形を完成せしめて角筒状曲面カートン(1)とし、さらに1/4回転した位置で、角筒状曲面カートン(1)をアーム(31)から抜き取り排出する角筒状曲面カートン(1)の製造方法である。
【0043】
上記ターレット式巻付け装置(20)およびターレット式成形装置(30)の間欠回転の角度を、各工程で行われるべき操作・作業の必要時間等によって変更することができ、例えば、図示しないが、6角形状の辺を有するターレット式巻付け装置およびターレット式成形装置とし、それぞれが1/6回転、即ち60°づつ間欠回転運動するようにし、ターレット式巻付け装置における巻付け圧着工程と筒状仮容器形成工程を1/6回転、即ち60°回転した位置で2回づつ繰り返し筒状仮容器の形成をより確実にする製造方法とすることもできる。また、これに伴いターレット式成形装置における押込み成形工程と角筒状曲面カートン成形工程を1/6回転、即ち60°回転した位置で2回づつ繰り返し角筒状曲面カートンの成形をより確実にする製造方法とすることもできる。
【0044】
また、上記請求項8に係る発明は、上記請求項2に係る発明の角筒状曲面カートンの製造方法を搭載した製造装置であり、例えば、図3に示すように、紙シートもしくはプラスチックシートでなる角筒状曲面カートン用のブランク(3)を、二つのブランクマガジン(10)からそれぞれ1枚づつ取り出す給紙部(40)と、
給紙されたブランク(3)の貼合せ片(52)に接着剤を塗布する接着剤塗布部(41)と、
接着剤が塗布された2枚のブランク(3)を搬送し、1/4回転、すなわち90°づつ間欠回転運動を行うターレット式巻付け装置(20)の一辺に突出する2個の柱状マンドレル(21)にセットする搬送・セット部(42)と、
ターレット式巻付け装置(20)が反時計回りに1/4回転した位置で、柱状マンドレル(21)にセットされたブランク(3)を巻付け貼合せ片(図示せず)の部分を圧接着せしめる巻付け圧着部(43)と、
さらに前記ターレット式巻付け装置(20)が1/4回転した位置で、ブランク(3)の圧接着を完成せしめて筒状仮容器(2)とする筒状仮容器形成部(44)と、
さらに1/4回転した位置で、筒状仮容器(2)を柱状マンドレル(21)から抜き取り、抜き取られた筒状仮容器(2)の筒内に、前記ターレット式巻付け装置(20)と同期して反時計回りに1/4回転づつ間欠回転運動を行うターレット式成形装置(30)の一辺に突出する2個のアーム(31)を挿入して筒状仮容器(2)を受け渡す筒状仮容器抜取り・受渡し部(45)と、
例えば、図4に示すように、ターレット式成形装置(30)が1/4回転した位置で、受渡された筒状仮容器(2)の外側から角筒体の各側面に該当する、内面が三次元に湾曲している雌型(32)を該各側面に同時に押し当て押し込み成形する押込み成形部(46)と、
さらに1/4回転した位置で、押し込み成形を完成せしめて角筒状曲面カートン(1)とする角筒状曲面カートン成形部(47)と、
さらに1/4回転した位置で、角筒状曲面カートン(1)を排出するカートン排出部(48)と、
を具備している角筒状曲面カートンの製造装置である。
【0045】
上記ターレット式巻付け装置(20)とターレット式成形装置(30)の1/4回転、すなわち90°づつ間欠回転する運動は両者とも同期している。
【0046】
また、上記ターレット式巻付け装置(20)およびターレット式成形装置(30)の間欠回転の角度を、各工程で行われるべき操作・作業の必要時間等によって変更することができ、例えば、図示しないが、6角形状の辺を有するターレット式巻付け装置およびターレット式成形装置とし、それぞれが1/6回転、即ち60°づつ間欠回転運動するようにし、ターレット式巻付け装置における巻付け圧着部と筒状仮容器形成部での工程を1/6回転、即ち60°回転した位置で2回づつ繰り返し行って筒状仮容器の形成をより確実にする製造装置とすることもできる。また、これに伴いターレット式成形装置における押込み成形部(46)での工程と角筒状曲面カートン成形部での工程を、1/6回転、即ち60°回転した位置で2回づつ繰り返し行って角筒状曲面カートンの成形をより確実にする製造装置とすることもできる。
【0047】
このように、二つのブランクマガジン(10)から角筒状曲面カートン用ブランク(3)を同時に供給する工程と、そのブランク(3)に接着剤を塗布した後、間欠回転運動を行うターレット式巻付け装置(20)の2個の柱状マンドレル(21)にセットし巻付け圧接着せしめる工程と、圧接着を完成せしめて筒状仮容器(2)とする工程と、この筒状仮容器(2)を柱状マンドレル(21)から抜き取り、同じ間欠回転運動を行うターレット式成形装置(30)のアーム(31)に筒状仮容器(2)を受け渡す工程と、この筒状仮容器(2)の外側から内面が三次元に湾曲している雌型(32)で押し込み成形する工程と、押し込み成形を完成せしめて角筒状曲面カートン(1)とする工程と、この角筒状曲面カートン(1)を抜き取り排出する工程とでなり、これら一連の工程での動きを各工程に分散するので、各工程での時間が極端に短縮され、製造能力を向上させ、よって製品当たりのエネルギー消費量の削減と製造コストの低減に寄与する角筒状曲面カートンの製造方法とするものである。
【0048】
また、上記請求項2および請求項9に係る発明では、図4に示すターレット式巻付け装置(20)の柱状マンドレル(21)から筒状仮容器(2)を抜き取り、この抜き取られた筒状仮容器(2)の筒内に、1/4回転、すなわち90°づつ間欠回転運動を行うターレット式成形装置(30)の一辺に突出する2個のアーム(31)は、例えば、図5(a)の部分斜視図に示すように、細長の2枚の板が開閉する可動式でなり、受渡し時には、図5(b)に示すように、アーム(31)は閉じたままで受け渡され、筒状仮容器(2)の筒内に挿入された後には、図5(c)に示すように、アーム(31)が開いて筒状仮容器(2)を所定の位置にしっかりと保持し、図5(d)に示すように、筒状仮容器(2)をアーム(31)に保持した状態で、柱状マンドレル(21)から受け渡されるようにするものである。
【0049】
このように、アーム(31)が開いて筒状仮容器(2)を所定の位置にしっかりと保持することによって、成形する雌型(32)と筒状仮容器(2)の位置ズレを防止し、最終製品の仕上がりにばらつき等のない角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0050】
また、上記請求項3および請求項10に係る発明では、例えば、図3に示すように、ブランクマガジン(10)から柱状マンドレル(21)へのブランク(3)の搬送を、ブランクマガジン(10)からブランク(3)を取り出す給紙部(40)と、取り出されたブランク(3)に接着剤を塗布する接着剤塗布部(41)と、接着剤が塗布されたブランク(3)を搬送し柱状マンドレル(21)にセットする搬送・セット部(42)の3部で構
成し、この給紙部(40)と接着剤塗布部(41)とを、ブランク(3)の搬送方向(P)に対し水平面で左右方向(Q)に可動せしめ、かつ給紙部(40)と接着剤塗布部(41)および搬送・セット部(42)とを、上下方向(図示せず)に可動せしめる角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とするものである。
【0051】
このように、給紙部(40)と接着剤塗布部(41)とが、左右方向(Q)に、かつ給紙部(40)と接着剤塗布部(41)および搬送・セット部(42)とが、上下方向に可動するようにすることによって、角筒状曲面カートン(製品)の形状あるいはサイズが異なるものを製造する際に、給紙部と接着剤塗布部および搬送・セット部を、それぞれ左右または上下方向に可動調整を行って、柱状マンドレル(21)にセットできるようになり、それにより次工程の巻付け圧着部(43)で圧着する位置を変える必要のないシンプルで容易に切替え製造を可能にする角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0052】
上記製品の形状やサイズが異なった場合の製造に関し、さらに具体的に説明すると、例えば、図3に示す給紙部(40)と接着剤塗布部(41)でブランク(3)を左右方向(P)に移動調整を行って、例えば、図6に示すように、貼り合わせの位置を基準として柱状マンドレル(21)にブランク(3)をセットすると、ブランク(3)が正方形の場合でも、長方形の場合でも、巻付け圧着部における圧着位置(圧着バー(22)の位置)が常に柱状マンドレル(21)の真上にくるようになり、よって圧着バー(22)の位置調整等を必要としない角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0053】
また、上記請求項4および請求項11に係る発明は、例えば、図4に示すように、筒状仮容器(2)をターレット式巻付け装置(20)の柱状マンドレル(21)からターレット式成形装置(30)のアーム(31)に受け渡す筒状仮容器抜取り・受渡し部(45)で、柱状マンドレル(21)を回転可能にする角筒状曲面カートンの製造方法およびその回転機構を備えた製造装置である。
【0054】
このように、筒状仮容器抜取り・受渡し部(45)のターレット式巻付け装置(20)の柱状マンドレル(21)を回転可能な機構とすることによって、ブランクのサイズや形状の変更の場合でも、常に同じ向きでターレット式成形装置(30)に受け渡すことが可能となり、よって、例えば、図7(a)の側断面図に示すように、正方形の角筒状曲面カートン(1)とする場合でも、図7(b)に示すように、長方形の角筒状曲面カートン(1)とする場合でも、筒状仮容器(2)に対する4方向からの雌型(32)の待機角度(α)が同じとなり、その角度(α)を変更する必要のないシンプルな機構の角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0055】
また、上記請求項5および請求項12に係る発明は、例えば、図8(a)および図8(b)の側断面概略図に示すように、柱状マンドレル(21)の断面形状が、正方形および長方形の角R柱状でなる角筒状曲面カートンの製造方法および製造装置とするものである。
【0056】
このように、柱状マンドレル(21)を、角R柱状とすることによって、この正方形または長方形の角R柱状のマンドレル(21)にブランク(3)の側面板の位置を基準に巻き付けることで、常にこの巻付け圧着部での接着部(38)は一定の面、即ち図面では…面に位置するようになり、よって圧着部での圧着バー(22)の角度を、雌型(32)で押し込み成形する角筒状曲面カートン(1)の形状(正方形または長方形)に合わせて変更する必要がなく、かつ角R柱状の柱状マンドレル(21)に巻付けられた筒状仮容器(3)の形状も常に一定の角度で巻付けられるので、この柱状マンドレル(21)を回転さ
せる必要がなく、4方向の雌型(32)の待機角度の変更の必要もない角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0057】
また、上記請求項6および請求項13に係る発明は、例えば、図3に示すように、筒状仮容器成形部(44)での柱状マンドレル(21)、もしくは、例えば、図4に示すように、筒状仮容器抜取り・受渡し部(45)でのアーム(31)に回転量の制御可能な回転機構を施してなる角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置である。
【0058】
このように、筒状仮容器成形部(44)での柱状マンドレル(21)もしくは筒状仮容器抜取り・受渡し部(45)でのアーム(31)に回転制御可能な回転機構を設けることによって、例えば、図9(a)の側断面概略図に示すように、正方形状の角筒状曲面カートン(1)とする場合の雌型(32)の待機角度(α)と、例えば、図9(b)に示すように、長方形状の角筒状曲面カートン(1)とする場合の柱状マンドレル(21)もしくはアーム(31)を回転させると、長方形状の角筒状曲面カートン(1)とする場合の雌型(32)の待機角度(α)は同様とすることができ、よって、角筒状曲面カートンの形状変更による成形雌型(32)の待機角度(α)の変更を必要としない容易でシンプルな角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0059】
さらにまた、上記請求項7および請求項14に係る発明は、例えば、図10の斜視図に示すように、内面が三次元に湾曲している雌型(32)の凸部に、さらに凸部になるように板状加圧部材(33)を付加する角筒状曲面カートンの製造方法および板状加圧部材(33)を付加した雌型(32)とする角筒状曲面カートンの製造装置である。
【0060】
このように、雌型(32)の凸部に板状加圧部材(33)を付加することによって、この凸部の部分がより強い加圧となり、これにより例えば、図2に示すブランク(3)の曲線でなる罫線(a、b、c、d)の接線方向へ働く折り曲がりを阻止する力を防止することができ、よって出来上がりの角筒状曲面カートンにこの罫線(a、b、c、d)部のつぶれや座屈のない所望の曲面を有する角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置とすることができる。
【0061】
以下に、上記発明の角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置により得られる角筒状曲面カートンを構成する材料等について説明する。
【0062】
まず、上記角筒状曲面カートンに使用する紙シートとしては、例えば坪量250〜350g/m2 程度のコートボール、ノーコートボールあるいはアイボリー、カード、特殊マニラ等マニラボールなどが挙げられ、少なくとも表面が印刷適性に優れ、かつ美粧性を有するものが好適に用いられる。このような紙シートの場合の貼合せ片に塗布される接着剤としては、一般的には、例えばエチレン−酢酸ビニルコポリマー、アタクチックポリプロピレン、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー等をベースポマーとし、これに粘着付与剤やワックス等を添加したホットメルト接着剤が塗布時の作業性(パートコートおよび乾燥固着性等)や圧着後の接着性能の点から好適に用いられ、熱溶融された接着剤を貼合せ片にノズルを有するアプリケーター等によってパートコートで接着剤の塗布層とすることができる。
【0063】
また、角筒状曲面カートンに使用するプラスチックシートとしては、例えば厚みが0.2mm〜0.5mmの範囲のポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)等が挙げられ、白色顔料入りの不透明なものでもよいが、透明なプラスチックシートとすると、デザイン的効果を有し美粧性に優れたプラスチック製のクリアケースとすることができる。このようなプラスチックシートの場合の貼合せ片に塗布される接着剤としては、上記ホットメルト接着剤を用いることもできるが、塗
布(パートコート)時や接着時の作業性を考慮して、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、アクリル樹脂、ニトロセルロース、塩素化ポリプロピレン等溶液あるいはエマルジョンタイプのヒートシールコーティング材が好適に用いられ、グラビアコート、ロールコートなどのパートコートで得られ、ヒートシール等で圧着貼合わせで成すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置で得られる角筒状曲面カートンの一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の角筒状曲面カートンの製造方法およびその製造装置で得られる角筒状曲面カートンの一実施の形態を示すブランクの展開図である。
【図3】本発明の角筒状曲面カートンの製造装置のうちの一部の一実施の形態を示す上面図である。
【図4】本発明の角筒状曲面カートンの製造装置のうちの他の一部の一実施の形態を示す上面図である。
【図5】本発明の角筒状曲面カートンの製造装置のうちの筒状仮容器抜取り・受渡し部の一事例を示すもので、(a)は、抜取り前の状態を示し、(b)は、筒状仮容器にアームが挿入された状態を示し、(c)は、筒状仮容器をアームで保持した状態を示し、(d)は、拭取り後の状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の角筒状曲面カートンの製造装置のうちの搬送・セット部および巻付け圧着部の一事例を説明する概略側断面図である。
【図7】本発明の角筒状曲面カートンの製造装置のうちの押込み成形部の一事例で、(a)は、角筒状曲面カートンの断面形状が正方形の場合の概略側断面図であり、(b)は、角筒状曲面カートンの断面形状が長方形の場合の概略側断面図である。
【図8】本発明の角筒状曲面カートンの製造装置のうちの巻付け圧着部の他の一事例で、(a)は、角筒状曲面カートンの断面形状が正方形の場合の概略側断面図であり、(b)は、角筒状曲面カートンの断面形状が長方形の場合の概略側断面図である。
【図9】本発明の角筒状曲面カートンの製造装置のうちの押込み成形部の他の一事例で、(a)は、角筒状曲面カートンの断面形状が正方形の場合の概略側断面図であり、(b)は、角筒状曲面カートンの断面形状が長方形の場合の概略側断面図である。
【図10】本発明の角筒状曲面カートンの製造装置のうちの押込み成形部に用いる成形金型の一事例の状態を示す斜視図である。
【図11】従来の角筒状曲面カートンの製造工程の一事例を説明する斜視図であり、(a)は、ブランクを円筒状の仮容器とする工程で、(b)は、得られた円筒状仮容器で、(c)は、円筒状仮容器を雌型で押し込む装置である。
【符号の説明】
【0065】
1‥‥角筒状曲面カートン
2‥‥円筒状仮容器
2a‥‥角筒状仮容器
3‥‥ブランク
4‥‥側面
5‥‥再封用差込み部
7‥‥円柱状支持体
10‥‥ブランクマガジン
20‥‥ターレット式巻付け装置
21‥‥柱状マンドレル
22‥‥圧着バー
30‥‥ターレット式成形装置
31‥‥アーム
32‥‥雌型
32a‥‥雌型の内面
38‥‥接着部
40‥‥給紙部
41‥‥接着剤塗布部
42‥‥搬送・セット部
43‥‥巻付け圧着部
44‥‥筒状仮容器成形部
45‥‥筒状仮容器抜取り・受渡し部
46‥‥押込み成形部
47‥‥角筒状曲面カートン成形部
48‥‥カートン排出部
50‥‥前面板
51‥‥左側面板
52‥‥貼合せ片
53‥‥右側面板
54‥‥裏面板
55‥‥天面蓋板
56‥‥天面蓋板の差込み片
57‥‥底面蓋板
58‥‥底面蓋板の差込み片
59‥‥左上側フラップ
60‥‥右上側フラップ
61‥‥左下側フラップ
62‥‥右下側フラップ
10‥‥角筒状曲面容器の製造装置
a、b、c、d‥‥曲線でなる罫線
e、f、g、h、i、j、k、l‥‥折り線
α‥‥雌型の待機角度
P‥‥ブランクの搬送方向
Q‥‥ブランクの左右への可動方向
R‥‥押し込み方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角筒体の各側面が三次元に湾曲している角筒状曲面カートンの製造方法であって、前記角筒体の各側面板が、その側端に連設する貼合せ片を含め、曲線でなる罫線を介してそれぞれが連設し、天面および底面に再封用フラップが、もしくは天面に再封用フラップが底面には封緘用フラップがそれぞれ折り線を介して連設している紙シートもしくはプラスチックシートでなるブランクを、複数のブランクマガジンからそれぞれ1枚づつ取り出して、取り出されたブランクの貼合せ片に接着剤を塗布し、該接着剤が塗布された複数のブランクを搬送し、所定の角度で間欠回転運動を行うターレット式巻付け装置の一辺に突出する複数の柱状マンドレルにセットし、該ターレット式巻付け装置が所定の角度で回転した位置でセットされたブランクを柱状マンドレルに巻付け前記貼合せ片を圧接着せしめ、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で貼合せ片の圧接着を繰り返し、さらに所定の角度でした位置で該圧接着をせしめて筒状仮容器とし、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で圧接着を繰り返して筒状仮容器を完成せしめ、さらに所定の角度で回転した位置で筒状仮容器を柱状マンドレルから抜き取り、該抜き取られた筒状仮容器の筒内に、前記ターレット式巻付け装置と同期して所定の角度で間欠回転運動を行うターレット式成形装置の一辺に突出する複数のアームを挿入して受渡し、該ターレット式成形装置が所定の角度で回転した位置で、受渡された筒状仮容器の外側から角筒体の各側面に該当する、内面が三次元に湾曲している雌型を該各側面に同時に押し当て押し込み成形し、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で押し込み成形を繰り返し、さらに所定の角度で回転した位置で、押し当て押し込み成形をせしめて角筒状曲面カートンとし、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で押し当て押し込み成形を繰り返し角筒状曲面カートンを完成せしめ、さらに所定の角度で回転した位置で、角筒状曲面カートンを排出することを特徴とする角筒状曲面カートンの製造方法。
【請求項2】
前記ターレット式成形装置の一辺に突出するアームは、細長の2枚の板が開閉する可動式でなり、受渡し時には閉じたままで、筒状仮容器の筒内に挿入された時には開いて該筒状仮容器を保持することを特徴とする請求項1記載の角筒状曲面カートンの製造方法。
【請求項3】
前記ブランクマガジンからブランクを取り出す給紙部と、取り出されたブランクに接着剤を塗布する接着剤塗布部とが、ブランクの搬送方向に対し水平面で左右に可動せしめ、かつ前記給紙部と接着剤塗布部および前記接着剤が塗布されたブランクを搬送し柱状マンドレルにセットする搬送・セット部とが、上下方向に可動せしめることを特徴とする請求項1記載の角筒状曲面カートンの製造方法。
【請求項4】
前記巻付け圧着された筒状仮容器をターレット式巻付け装置の柱状マンドレルからターレット式成形装置のアームに受け渡す際に、前記柱状マンドレルを回転可能にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造方法。
【請求項5】
前記柱状マンドレルの形状が、角R柱状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造方法。
【請求項6】
前記柱状マンドレルもしくはアームに回転量の制御可能な回転機構を施してなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造方法。
【請求項7】
前記内面が三次元に湾曲している雌型の凸部に、板状加圧部材を付加してなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造方法。
【請求項8】
角筒体の各側面が三次元に湾曲している角筒状曲面カートンの製造装置であって、前記角筒体の各側面板が、その側端に連設する貼合せ片を含め、曲線でなる罫線を介してそれ
ぞれが連設し、天面および底面に再封用フラップが、もしくは天面に再封用フラップが底面には封緘用フラップがそれぞれ折り線を介して連設している紙シートもしくはプラスチックシートでなるブランクを、複数のブランクマガジンからそれぞれ1枚づつ取り出す給紙部と、
給紙されたブランクの貼合せ片に接着剤を塗布する接着剤塗布部と、
前記接着剤が塗布された複数のブランクを搬送し、所定の角度で間欠回転運動を行うターレット式巻付け装置の一辺に突出する複数の柱状マンドレルにセットする搬送・セット部と、
前記ターレット式巻付け装置が所定の角度で回転した位置で柱状マンドレルにセットされたブランクを巻付け前記貼合せ片を圧接着せしめる巻付け圧着部と、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で貼合せ片の圧接着を繰り返す巻付け圧着部と、
さらに前記ターレット式巻付け装置が所定の角度で回転した位置で、ブランクの圧接着を完成せしめて筒状仮容器とする筒状仮容器形成部と、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で圧接着を繰り返して筒状仮容器を完成せしめる筒状仮容器形成部と、
さらに所定の角度で回転した位置で、筒状仮容器を柱状マンドレルから抜き取り、該抜き取られた筒状仮容器の筒内に、前記ターレット式巻付け装置と同期して所定の角度で間欠回転運動を行うターレット式成形装置の一辺に突出する複数のアームを挿入して受け渡す筒状仮容器抜取り・受渡し部と、
前記ターレット式成形装置が所定の角度で回転した位置で、受渡された筒状仮容器の外側から角筒体の各側面に該当する、内面が三次元に湾曲している雌型を該各側面に同時に押し当て押し込み成形する押込み成形部と、もしくはさらに所定の角度で回転した位置で押し込み成形を繰り返す押込み成形部と、
さらに1/4回転した位置で、押し込み成形をせしめて角筒状曲面カートンとする角筒状曲面カートン成形部と、もしくは押し込み成形を繰り返し角筒状曲面カートンを完成せしめる角筒状曲面カートン成形部と、
さらに所定の角度で回転した位置で、角筒状曲面カートンを排出するカートン排出部と、
を具備していることを特徴とする角筒状曲面カートンの製造装置。
【請求項9】
前記ターレット式成形装置の一辺に突出するアームは、細長の2枚の板が開閉する可動式でなり、受渡し時には閉じたままで、前記筒状仮容器の筒内に挿入された時には開いて該筒状仮容器を保持する機構でなることを特徴とする請求項8記載の角筒状曲面カートンの製造装置。
【請求項10】
前記給紙部と接着剤塗布部とは、ブランクの搬送方向に対し水平面で左右に可動し、かつ前記給紙部と接着剤塗布部および搬送・セット部とは、上下方向に可動する機構でなることを特徴とする請求項8記載の角筒状曲面カートンの製造装置。
【請求項11】
前記筒状仮容器抜取り・受渡し部の柱状マンドレルが回転可能な回転機構を備えてなることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造装置。
【請求項12】
前記柱状マンドレルの形状が、角R柱状でなることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造装置。
【請求項13】
前記ターレット式巻付け装置の柱状マンドレルもしくはターレット式成形装置のアームに回転量の制御可能な回転機構を具備してなることを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造装置。
【請求項14】
前記内面が三次元に湾曲している雌型の凸部に、板状加圧部材が付加されていることを
特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項記載の角筒状曲面カートンの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−334924(P2006−334924A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−162403(P2005−162403)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】