説明

記録再生装置及びプログラム

【課題】コンテンツデータを可搬記録媒体から読み取って記録手段に記録する処理と読み取ったコンテンツデータを再生する処理とを同時に実行可能な記録再生装置において、適切な記録速度でコンテンツデータの記録を行うことで記録エラー発生に伴う再生エラーの発生を防止しつつ、より短時間でコンテンツデータの記録を行うことができる技術を提供する。
【解決手段】制御装置29は、トラックaをN倍速(高倍速)によって読み取る場合におけるトラックaの読取時間がトラックa−1の再生時間未満か否かを判定し(S103)、肯定判定の場合、トラックaに対する読取速度をN倍速(高倍速)に設定し(S104)、否定判定の場合、トラックaに対する読取速度をn倍速(低倍速)に設定する(S105)。そして制御装置29は、設定された読取速度で各トラックの記録再生を行う(S108)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツデータを可搬記憶媒体から読み取って記録手段に記録する処理と、読み取ったコンテンツデータを再生する処理とを並行して実行可能な記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば音楽CD(Compact Disc、登録商標)等から楽曲データを読み取ってハードディスク等に記録し、この記録された楽曲データを再生する装置が実用化されている。そして、このような装置は、例えば車載用ナビゲーション装置やカーオーディオ装置といった形態で実現されている。
【0003】
特に車両内という環境では、音楽CDから楽曲を録音中であっても乗員が何らかの音楽を聴きたいというニーズが強いため、このような装置は音楽CDの楽曲を再生しながら同時に録音する機能を備えることがある。また、音楽CDの楽曲を録音する際、録音時間短縮のため、音楽CDに記憶されているPCMデータの再生速度の数倍(例えば、2倍速、4倍速等)で楽曲データを読み取ることで高速録音が行われることが一般的である。
【0004】
しかし、録音速度(即ち、読取速度)を高速化するほど録音エラーが発生する可能性が高まる傾向にあることが知られている。その理由の一つとして振動が挙げられる。高倍速での録音中は、CDドライブやハードディスクドライブを通常より高速で駆動するため動作が不安定となる。そこに振動が加わることで、CDドライブでの読み取りエラーやハードディスクドライブでの書き込みエラーが発生し易くなり、その結果、録音エラーとなる。このような振動による録音エラーは、振動環境が劣悪な車載用ナビゲーション装置やカーオーディオ装置において特に問題となる。
【0005】
他にも理由が挙げられる。例えば車載用ナビゲーション装置では、ナビゲーション機能に用いるデータ(例えば地図データ等)及び音楽CD等から録音する楽曲データの記憶媒体としてハードディスクを共用することがある。このようにハードディスクを複数の機能で共用する場合、ハードディスクへ楽曲データを記録している時に他の機能によるハードディスクへのアクセスが発生することで、楽曲データを記録するためのアクセスが阻害されることがある。その結果、高倍速での録音ができなくなり録音エラーとなる。
【0006】
上述のような録音エラーが発生するリスクは録音速度を下げることで回避できるが、それでは録音を早く終えたいというユーザの要望を満たすことができなくなる。
特許文献1には、音楽CDのダビング時にエラーが発生した場合の処理の一例が開示されている。特許文献1に記載のダビング装置は、高倍速でダビング中にエラーが発生した場合、エラーが発生したトラックの先頭に戻り、ダビング速度を落としてダビングを再開する。
【特許文献1】特開2001−210009号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のようなエラー発生時における処理は、録音と再生とを同時に行う場合では次のような問題がある。即ち、音楽CDから録音中のトラックと再生中のトラックとが同一である場合、録音エラーが発生したことで録音のためのデータ読取位置がトラックの先頭に戻ると、楽曲の再生が中断され、再生位置が当該楽曲の先頭に戻ってしまういわゆる音飛びが発生する。このような音飛びが発生するとユーザに違和感を与えてしまう。
【0008】
このような問題は、楽曲データを対象とした録音同時再生処理に限らず、動画データ(映画やプロモーションビデオ等)を対象とした録画同時再生処理の場合であっても同様に発生する。即ち、録画と再生を同時進行中に録画エラーが発生することで、再生中の動画にいわゆるコマ落ち等が発生するおそれがある。
【0009】
本発明はこのような問題に鑑みなされている。その目的とするところは、コンテンツデータ(例えば楽曲データ、動画データ等)を可搬記録媒体(例えば音楽CD、DVD−ROM等)から読み取って記録手段(例えばハードディスク等)に記録する処理と読み取ったコンテンツデータを再生する処理とを同時に実行可能な記録再生装置において、適切な記録速度でコンテンツデータの記録を行うことで記録エラー発生に伴う再生エラー(例えば、音飛び、コマ落ち等)の発生を防止しつつ、より短時間でコンテンツデータの記録を行うことができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の記録再生装置は、各コンテンツデータの読取時間(即ち、記録時間)と当該コンテンツデータの前のコンテンツデータの再生時間との関係に基づいて各コンテンツデータに対する読取速度を設定することを特徴とする。
【0011】
具体的には、上記の記録再生装置は、コンテンツデータを記録するための記録手段と、コンテンツデータを再生するための再生手段と、複数のコンテンツデータを記憶している可搬記憶媒体からコンテンツデータを等倍速から所定の高倍速までの読取速度によって読み取り可能な読取手段と、制御手段と、各コンテンツデータに対する読取速度を設定する読取速度設定手段とを備える。
【0012】
このうち、制御手段は、読取手段を介して可搬記憶媒体からコンテンツデータを所定の読込順で読み込み、この読み込んだコンテンツデータを読取手段が読み取った読取速度で順次記録手段に記録する処理と、読み込んだコンテンツデータを再生手段によって等倍速で順次再生する処理とを並行して実行可能に構成されている。
【0013】
読取速度設定手段は、各コンテンツデータを高倍速によって読み取る場合における各コンテンツデータの読取時間が当該コンテンツデータの1つ前の読込順のコンテンツデータの再生時間未満か否かを判定し、肯定判定の場合、当該コンテンツデータに対する読取速度を高倍速に設定し、否定判定の場合、当該コンテンツデータに対する読取速度を等倍速より高くかつ高倍速より低い所定の低倍速に設定する。そして制御手段は、読取速度設定手段によって設定された読取速度で読取手段を介して可搬記憶媒体から各コンテンツデータを読み込む。
【0014】
なお、ここでいうコンテンツデータとは、例えば音楽CDの楽曲データであれば、TOC(table of contents)データで区分される1楽曲(トラック)単位のデータのように、機能や内容的に区分された個々のデータを指す。
【0015】
例えば、記録再生装置がN倍速による記録同時再生実行中に、a番目のコンテンツデータの記録とa−1番目のコンテンツデータの再生とが同時に開始された場合を想定する。ここで、a番目のコンテンツデータの読取時間(再生時間の1/N)がa−1番目のコンテンツデータの再生時間未満であれば、a−1番目のコンテンツデータの再生が終了する前にa番目のコンテンツデータの記録が終了するので記録中のコンテンツデータと再生中のコンテンツデータとが同一になることがない。反対にa番目のコンテンツデータの読取時間(再生時間の1/N)がa−1番目のコンテンツデータの再生時間以上であると、a番目のコンテンツデータの記録が終了する前にa−1番目のコンテンツデータの記録が終了し記録中であるa番目のコンテンツデータの再生に移行するので、記録中のコンテンツデータと再生中のコンテンツデータとが同一になる。もし、記録中のコンテンツデータと再生中のコンテンツデータとが同一であるときに振動等によって記録エラーが発生すると、データの読み取りが当該コンテンツデータの先頭からリトライされ、音飛び等の再生エラーが生じる。
【0016】
なお、a−1番目のコンテンツデータの再生途中でa番目のコンテンツデータの記録が開始された場合であっても、a番目のコンテンツデータの読取時間(再生時間の1/N)がa−1番目のコンテンツデータの再生時間より短ければ、再生コンテンツデータと記録コンテンツデータとが同一になる可能性は低くなる。
【0017】
そこで、本発明の記録再生装置では、あるコンテンツデータの高倍速による読取時間がその1つ前の読込順のコンテンツデータの再生時間未満である場合、当該コンテンツデータの読取速度が高倍速に設定される。この場合、高倍速によるコンテンツデータ記録中に再生が当該コンテンツデータに追いつくことがないので、たとえ記録エラーが発生して当該コンテンツデータの先頭から記録をやり直した場合でも、再生位置は当該コンテンツデータより前であるので、再生エラーは発生しない。つまり、あるコンテンツデータの高倍速による読取時間がその1つ前の読込順のコンテンツデータの再生時間未満である場合は、当該コンテンツデータに対する読取速度が高倍速に設定されることで、再生エラーの発生を回避しつつ短時間でコンテンツデータを記録することができる。
【0018】
一方、あるコンテンツデータの高倍速による読取時間がその1つ前の読込順のコンテンツデータの再生時間以上である場合、当該コンテンツデータの読取速度が低倍速に設定される。この場合、高倍速によるコンテンツデータ記録中であっても再生が当該コンテンツデータに追いつく可能性がある。よって、予め読取速度を低倍速に設定することで記録エラーが発生するリスクを下げ、これにより再生エラーの発生を回避することができる。なお、低倍速の読取速度の適切な値は、実験等によって取得して記録再生装置に予め登録しておけばよく、記録再生装置が設置される環境に応じて想定される強度のエラー要因(例えば振動等)に対して、記録エラーが発生しない程度でなるべく高速に設定されることが望ましい。
【0019】
このように、本発明の記録再生装置によれば、読取速度設定手段がコンテンツデータの読取時間と当該コンテンツデータの前のコンテンツデータの再生時間との関係に基づき各コンテンツデータに対して適切な読取速度を設定し、制御手段が設定された読取速度によって各コンテンツデータの記録を行うことで、記録エラー発生に伴う再生エラー(例えば、音飛び、コマ落ち等)の発生を防止しつつ、より短時間でコンテンツデータの記録を行うことができる。
【0020】
ところで、上記の記録再生装置では、例えば、記録媒体読込順がa番目のコンテンツデータのN倍速による読取時間(再生時間の1/N)がa−1番目コンテンツデータの再生時間以上であると判定されると、a番目のコンテンツデータの読取速度がN倍速より低い速度に設定されてコンテンツデータの記録が実施されることになる。つまり、このようなコンテンツデータの読取時間と再生時間の関係が成り立つ場合は、高倍速によるコンテンツデータ記録中に再生が当該コンテンツデータに追いつく可能性があるため、予め読取速度を低倍速に設定することで記録エラーが発生するリスクを下げ、再生エラーの発生を回避する。しかしながら、読取速度が低倍速に設定されるため、高倍速で読み取る場合と比較して、コンテンツデータの記録時間が長くなってしまう。
【0021】
そこで、上記のようなコンテンツデータの読取時間と再生時間の関係が成り立つ場合には、予め指定されている当初のコンテンツデータの読込順を変更することによって、変更後の読込順における各コンテンツデータの高倍速による読取時間が、当該コンテンツの1つ前の読込順のコンテンツデータの再生時間未満となるような読込順にすればよい。これにより、各コンテンツデータを高倍速で記録している最中に再生が当該コンテンツデータに追いかないようにできる。
【0022】
具体的には、請求項2に記載の記録再生装置のように構成すればよい。すなわち、読取速度設定手段は、当初の前記所定の読込順を、各コンテンツデータの高倍速による読取時間が当該コンテンツデータの1つ前の読込順のコンテンツデータの再生時間未満となるような読込順に変更する。そして、この変更した読込順における最初のコンテンツに対する読取速度を等倍速より高くかつ高倍速より低い所定の低倍速に設定し、以降のコンテンツに対する読取速度を高倍速に設定する。そして、制御手段は、読取速度設定手段によって変更された読込順、及び設定された読取速度で読取手段を介して可搬記憶媒体から各コンテンツデータを読み込む。
【0023】
このように構成された記録再生装置によれば、予め指定されている当初の読込順では高倍速によるコンテンツデータ記録中に再生が当該コンテンツデータに追いつく可能性がある場合であっても、読込順を変更することにより、高倍速によるコンテンツデータ記録中に再生が当該コンテンツに追いつかないようにすることができる。すなわち、各コンテンツデータを高倍速で記録することができるので、再生エラーの発生を回避しつつ、より短時間でコンテンツデータを記録することができる。
【0024】
なお、変更後の読込順における最初のコンテンツデータは、記録と再生が同時に開始されるため、記録と再生とが必ず重なるコンテンツデータである。そこで、最初のコンテンツデータに対する記録速度は低倍速であるn倍に設定される。これにより、振動等による記録エラーが発生するリスクを下げ、再生エラーの発生を回避する。
【0025】
ところで、車両に搭載される機器には、車両の走行に伴い振動が頻繁に加わる。特に、CDドライブやハードディスクドライブといったディスク状の記憶媒体を搭載した機器は振動に対して弱く、強い振動が加われば容易に読取エラーや書き込みエラーが発生するため、このような機器にとって車両は過酷な環境である。
【0026】
そこで、上述した記録再生装置は、請求項3に記載のように車両に搭載されることで、その効果を最大限に発揮することができる。
また、上述した記録再生装置が車両に搭載されることを前提とするならば、請求項4に記載の記録再生装置のようにナビゲーション機能を併せて備えた形態で実現されることが考えられる。この記録再生装置のように、ナビゲーション機能に用いるデータ及び可搬記憶媒体から記録するコンテンツデータの記憶媒体として同一の記録手段を共用する場合、記録手段へコンテンツデータを記録しているときにナビゲーション機能による記録手段へのアクセスが発生することで、コンテンツデータを記録するためのアクセスが阻害され、記録エラーが発生することがある。このような事態に備えて、請求項4に記載の記録再生装置は、記録エラー発生に伴う再生エラーの発生を防止しつつ、より短時間でコンテンツデータの記録を行うことができる。
【0027】
以上で説明したような記録再生装置における制御手段、読取速度設定手段、判定手段の各手段の機能をコンピュータシステムにて実現するには、請求項5に記載のようにコンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えればよい。このようなプログラムは、例えば光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードすることにより、上述の各手段としての機能を実現できる。また、ネットワークを介してロードして起動することにより用いることもできる。したがって、機能アップ等を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[AVNシステム1の構成の説明]
図1は記録再生装置の一実施形態としてのAVN(Audio Visual Navigation)システ
ム1の概略構成を示すブロック図である。AVNシステム1は、CD・MD再生、TV・FM/AMラジオ受信といったAV機能とナビゲーション機能を一体化したシステムであり、近年における車載システムの主流となるものである。
【0029】
このAVNシステム1は車両に搭載され、車両の現在位置を検出する位置検出器21と、ユーザからの各種指示を入力するための操作スイッチ群22と、各種データを記憶するためのハードディスク23、AVNシステム1とは別の装置から情報を入力したり別の装置に情報を出力したりすることが可能な外部情報入出力部24と、CDドライブ25と、地図や各種情報の表示を行うための表示部26と、各種の音声を出力するためのオーディオアンプ27及びスピーカ37と、音声入力するためのマイクロフォン28と、MDドライブ30と、ラジオ放送信号を受信するためのFM/AMチューナ31と、テレビ放送信号を受信するためのTVチューナ32と、上述した位置検出器21,操作スイッチ群22,ハードディスク23,外部情報入出力部24,CDドライブ25,マイクロフォン28,MDドライブ30,FM/AMチューナ31,TVチューナ32からの入力に応じて各種処理を実行し、外部情報入出力部24,表示部26,オーディオアンプ27,CDドライブ25,MDドライブ30,FM/AMチューナ31,TVチューナ32等制御する制御装置29と、を備えている。
【0030】
位置検出器21は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電
波をGPSアンテナを介して受信し、車両の位置,方位,速度等を検出するGPS受信機21aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ21bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ21cとを備えている。そして、これら各センサ等21a〜21cは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。
【0031】
操作スイッチ群22としては、表示部26と一体に構成され、表示画面上に設置されるタッチパネル及び表示部26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等が用いられる。なお、タッチパネルと表示部26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0032】
外部情報入出力部24は、図示しないアンテナが接続され、そのアンテナを介して図示しないVICS(登録商標)センタから交通情報を受信する。この受信した交通情報は制御装置29へ送られて案内経路を設定する際等に利用される。また、携帯電話等の移動通信端末を介してインターネットと接続し、各種情報を取得することができるように構成されている。
【0033】
CDドライブ25は、図示しないCD−ROMに記憶された各種データを入力するための装置である。このCDドライブ25にてデータ入力する対象のCD−ROMとしては、例えば地図データ(道路の形状データ、道路の幅員データ、道路の規制データ、地形データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)等が記憶されたいわゆる地図CDや、楽曲データが記憶されたいわゆる音楽CDなどがある。また、CDドライブ25は、音楽CDの再生速度と同等の等倍速から所定の高倍速までの任意の読取速度(例えば、1倍、2倍、4倍、8倍)でデータを読み取り可能である。なお、ここでは説明の便宜上CDドライブ25として説明するが、記憶媒体の種類に応じたドライブを用いることの一例であり、記憶媒体がDVD−ROMであれば、それに対応したドライブを用いる。したがって、このCDドライブ25に加えてDVDドライブを追加したり、あるいはCDドライブ25に替えて、例えばDVD−ROM及びCD−ROMの両方からのデータ読込が可能なDVD/CDドライブを用いることが考えられる。
【0034】
CDドライブ25を介して音楽CDから読み出された楽曲データは、ハードディスク23に格納することができる。また、CDドライブ25を介して地図CDから読み出された地図データや施設ガイド・各種案内のための音声データ等も、このハードディスク23に記憶させることができる。
【0035】
表示部26は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,CRTなどがあるが、その何れを用いてもよい。表示部26の表示画面には、位置検出器21にて検出した車両の現在位置とCDドライブ25より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。
【0036】
オーディオアンプ27は音声を増幅するためのものであり、その増幅された音声は、スピーカ37から出力される。スピーカ37は、例えば2個、4個、5個など複数から構成され、車両内に配置されている。そして、ハードディスク23に記憶された施設のガイドや各種案内の音声データに基づいて制御装置29が実行する処理の結果としてのガイド音声等や、ハードディスク23に記憶された楽曲データに基づいて制御装置29が再生した楽音信号を出力することができる。また、FM/AMチューナ31,TVチューナ32を介して受信した放送信号に基づく音声も出力することができる。
【0037】
マイクロフォン28は、利用者が音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号を出力するものである。利用者はこのマイクロフォン28に様々な音声を入力することにより、AVNシステム1を操作することができる。
【0038】
制御装置29は、図示しないCPU、ROM,RAM等のメモリ、エンコーダ、デコーダ、D/Aコンバータ、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどから構成されており、メモリに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。
【0039】
例えば、ナビゲーション関連の処理としては、位置検出器21からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、ハードディスク23から読み込んだ現在位置付近の地図等を表示部26に表示する表示処理や、ハードディスク23に格納された地点データと、操作スイッチ群22の操作に従って設定された目的地とに基づいて、現在位置から目的地までの最適な経路を算出し、その算出した経路を案内する経路案内処理等を行う。
【0040】
また、音楽CDの録音再生関連の処理としては、CDドライブ25を介して音楽CDから読み出した楽曲データをハードディスク23に記録する録音処理や、操作スイッチ群22の操作に従って選択された対象となる楽曲データをハードディスク23から読み出して再生し、再生した楽音信号をオーディオアンプ27に出力する再生処理を実行する。
【0041】
また、制御装置29は、録音処理と再生処理とを並行して実行可能である。この場合、制御装置29は、CDドライブ25を制御して音楽CDから楽曲データを読み込む。そして、この読み込んだ楽曲データをエンコーダによってハードディスク23に記憶できるフォーマットに圧縮し、これをハードディスク23に書き込む。この書き込みと同時に、ハードディスク23に録音した楽曲データを読み出し、この楽曲データをデコーダによってデコードした後にD/Aコンバータによってアナログ信号に変換してオーディオアンプ27へ伝送する。オーディオアンプ27へ伝送されたアナログ信号は、オーディオアンプ27にて増幅された後、スピーカ37から発音される。これにより、音楽CDを録音しながら同時に再生することができる。なお、このようなデータの流れを実現する場合には、ハードディスク23への読み書きのためのバスと、エンコーダ、デコーダへのバスに対するトラフィックが高くなるため、相当高速なバスが不可欠となる。また、この構成であれば、録音する曲と、再生する曲を別々にすることもできる。
【0042】
以上、実施形態のAVNシステム1の概略構成について説明したが、本実施形態におけるAVNシステム1の構成と特許請求の範囲に記載した構成との対応は次のとおりである。本実施形態におけるハードディスク23が特許請求の範囲における記録手段に相当する。また、オーディオアンプ27及びスピーカ37が再生手段に相当する。また、CDドライブ25が読取手段に相当する。また、制御装置29が制御手段及び読取速度設定手段に相当する。
【0043】
以下、制御装置29で実行される処理のうち、音楽CDの録音同時再生時において1楽曲(トラック)ごとに読取速度を設定するための処理に関して説明する。制御装置29は、トラックごとに読取速度を切り換えて録音同時再生を行うことができる。なお、録音同時再生時における読取速度として、高倍速であるN倍速(例えば4倍速)と、低倍速(ただし、等倍速より高速)であるn倍速(低倍速、例えば2倍速)との2種類の読取速度が用意されている。
【0044】
[読取速度設定処理]
図2は、実施形態のAVNシステム1の制御装置29が実行する読取速度設定処理の手順を示すフローチャートである。この読取速度設定処理は、音楽CDに対する録音同時再生の開始に先行して実行される。
【0045】
まず、音楽CDがCDドライブ25に挿入されたり、音楽CDがCDドライブ25に挿入された状態で、操作スイッチ群22を介して録音同時再生を開始するための指示が入力されたりした場合、制御装置29は、音楽CDからTOCデータを読み出す(ステップ101。以下、単にS101と表記する。他のステップについても同様。)。このTOCデータには、CD上に記録されている曲数や演奏時間といった管理情報が記録されており、制御装置29は、ここから音楽CDに記録されている各トラックの再生時間とその順序を読み取る。
【0046】
次に、カウンタaの値(=a)を、録音再生を開始するトラック番号(読込順を示す番号)+1にセットする(S102)。そして、S101において読み出したTOCデータにおける各トラックの再生時間に基づいて、N倍速でデータを読み取る場合のa番目のトラック(トラックa)の読取時間(即ち、再生時間/N)と、a−1番目のトラック(トラックa−1)の再生時間とを比較し、「トラックaの再生時間/N<トラックa−1の再生時間」であるか否かを判定する(S103)。
【0047】
ここで、「トラックaの再生時間/N<トラックa−1の再生時間」であると判定した場合(S103:YES)、トラックaに対する読取速度をN倍速に設定し(S104)、S106へ移行する。つまり、トラックaのN倍速による読取時間がトラックa−1の再生時間未満である場合、トラックaをN倍速で録音中に再生がトラックaに追いつくことがない。そこで、この場合はトラックaに対する読取速度を高倍速であるN倍に設定することで、再生エラー(音飛び)の発生を回避しつつ短時間で楽曲データを録音することができる。
【0048】
一方、S103において、「トラックaの再生時間/N<トラックa−1の再生時間」でないと判定した場合(S103:NO)、トラックaに対する読取速度をn倍速に設定し(S105)、S106へ移行する。つまり、トラックaのN倍速による読取時間がトラックa−1の再生時間以上である場合、N倍速によるトラックaをN倍速で録音中であっても再生がトラックaに追いつく可能性がある。そこで、この場合はトラックaに対する読取速度を低倍速であるn倍に予め設定することで録音エラーが発生するリスクを下げ、これにより再生エラー(音飛び)の発生を回避することができる。なお、n倍速の読取速度の適切な値は、実験等によって取得して制御装置29のメモリ等に予め登録しておけばよく、AVNシステム1が設置される車両に応じて想定される強度のエラー要因(例えば振動等)に対して、録音エラーが発生しない程度でなるべく高速に設定されることが望ましい。
【0049】
なお、録音再生の対象となる最初のトラック(開始トラック)は、録音と再生が同時に開始されるため、録音トラックと再生トラックとが必ず重なるトラックである。そこで、本実施形態においては、開始トラックに対する読取速度は低倍速であるn倍に設定される。これにより、振動等による録音エラーが発生するリスクを下げ、再生エラー(音飛び)の発生を回避することができる。
【0050】
次に、トラックaが録音再生の対象となる最後のトラック(最終トラック)であるか否かを判定する(S106)。ここで、トラックaが最終トラックではない判定した場合(S106:NO)、S107でカウンタaを1つカウントアップ(a=a+1)してS103の処理へ戻る。
【0051】
一方、トラックaが最終トラックであると判定した場合(S106:YES)、S104及びS105において設定した各トラックに対する記録速度に基づいて、順次録音再生を開始する(S108)。
【0052】
[読込順の変更を伴う読取速度設定処理]
図3(a)は、録音再生の対象となるトラックの一例であるトラックA〜D間の読取時間と再生時間との関係、及びこの関係に基づき上述の「読取速度設定処理」(図2参照)において設定されると読取速度を示す説明図である。
【0053】
図3(a)に示す読込順(A→B→C→D)においては、トラックA〜Dの各トラック間において、高倍速(N倍速)による各トラックの読取時間が当該トラックの1つ前の読込順のトラックの再生時間より大きくなっている。このようなケースでは、上述の「読取速度設定処理」(図2参照)によって全てのトラックの読取速度が低倍速であるn倍速に設定されることになり、録音に時間が掛かってしまう。
【0054】
このようなケースにおいて、あるトラックの高倍速による読取時間が当該トラックの1つ前の読込順のトラックの再生時間より大きい関係が成り立つトラック同士について、その読込順を入れ替える手順を順次繰り返すことで、図3(b)に示すような読込順(D→C→B→Aの順)に変更すると、トラックA〜Dの各トラック間において、各トラックの高倍速による読取時間が当該トラックの1つ前の読込順のトラックの再生時間未満となる関係が成り立つ。この場合、開始トラックDを除く全てのトラックA〜Cに対する読取速度を高倍速にしても、各トラックを録音中において再生が当該トラックに追いつくことがないため、トラックA〜Cの読取速度を高倍速に設定することができ、録音時間が最短となる。
【0055】
そこで、本実施形態のAVNシステム1においては、上記「読取速度設定処理」を実行する代わりに、図4に示す「読込順の変更を伴う読取速度設定処理」を実行するように構成してもよい。この「読込順の変更を伴う読取速度設定処理」は、上述の「読取速度設定処理」(図2参照)と同様に、音楽CDに対する録音同時再生の開始に先行して実行される。
【0056】
まず、音楽CDがCDドライブ25に挿入されたり、音楽CDがCDドライブ25に挿入された状態で、操作スイッチ群22を介して録音同時再生を開始するための指示が入力されたりした場合、制御装置29は、音楽CDからTOCデータを読み出す(S201)。このTOCデータには、CD上に記録されている曲数や演奏時間といった管理情報が記録されており、制御装置29は、ここから音楽CDに記録されている各トラックの再生時間とその順序を読み取る。
【0057】
次に、カウンタaの値(=a)を、録音再生を開始するトラック番号(読込順を示す番号)+1にセットする(S202)。そして、S201において読み出したTOCデータにおける各トラックの再生時間に基づいて、N倍速でデータを読み取る場合の読込順がa番目のトラック(トラックa)の読取時間(即ち、再生時間/N)と、読込順がa−1番目のトラック(トラックa−1)の再生時間とを比較し、「トラックaの再生時間/N<トラックa−1の再生時間」であるか否かを判定する(S203)。
【0058】
ここで、「トラックaの再生時間/N<トラックa−1の再生時間」でないと判定した場合(S203:NO)、すなわち、トラックaの読取時間がトラックa−1の再生時間以上である場合、トラックaとトラックa−1との間でトラック番号(すなわち、読込順)を入れ替える(S204)。つまり、トラックaのN倍速による読取時間がトラックa−1の再生時間以上である場合、N倍速によるトラックaをN倍速で録音中であっても再生がトラックaに追いつく可能性がある。そこで、この場合はトラックaとトラックa−1との間で、読込順を入れ替えることで、この2者のトラック間では、N倍速によってトラックを録音中に再生が当該トラックに追いつかないようにできる。
【0059】
次に、S205ではカウンタaの値を、録音再生を開始するトラック番号+1に再びセットし、S203の処理へ戻る。これにより、2つのトラック間で読込順を入れ替えた後、変更後の読込順に沿って、再度最初から読取時間と再生時間との関係を判定する。
【0060】
一方、S203において、「トラックaの再生時間/N<トラックa−1の再生時間」であると判定した場合(S203:YES)、トラックaが録音再生の対象となる最後のトラック(最終トラック)であるか否かを判定する(S206)。ここで、トラックaが最終トラックではない判定した場合(S206:NO)、S207でカウンタaを1つカウントアップ(a=a+1)してS203の処理へ戻る。
【0061】
以降、S203〜S207の処理を順次繰り返すことにより、トラックの読込順が当初のものから、各トラック間において高倍速による読取時間が当該トラックの1つ前の読込順のトラックの再生時間未満となる関係が成り立つような読込順へと徐々に変更される。例えば、図3(a)に示すようなケースでは、上記S203〜S205の処理を繰り返すことで、当初の読込順から図3(b)に示す読込順に変更される。
【0062】
そして、S206においてトラックaが最終トラックであると判定した場合(S206:YES)、開始トラックに対する読取速度を低倍速であるn倍速に設定し、以降の全てのトラックに対する読取速度を高倍速であるN倍速に設定する(S208)。
【0063】
つまり、変更後の読込順では、各トラック間において、N倍速による読取時間が当該トラック1つ前の読込順の再生時間未満となる関係が成り立つので、各トラック(開始トラックを除く)をN倍速で録音中に再生が当該トラックに追いつくことがない。よって、開始トラックを除く全てのトラックに対する読取速度を高倍速であるN倍速に設定することで、再生エラー(音飛び)の発生を回避しつつ最短時間で楽曲データを録音することができる。
【0064】
なお、開始トラックは、録音と再生が同時に開始されるため、録音トラックと再生トラックとが必ず重なるトラックである。よって、ここでは、開始トラックに対する読取速度は低倍速であるn倍に設定される。これにより、振動等による録音エラーが発生するリスクを下げ、再生エラー(音飛び)の発生を回避することができる。
【0065】
S208において各トラックに対する読取速度を設定した後、この設定した各トラックに対する読取速度によって、S203〜S207の処理において変更した読込順に基づいて順次録音再生を開始する(S209)。
【0066】
[効果]
上記実施形態のAVNシステム1によれば、以下のような効果を奏する。
制御装置29が、音楽CDのトラックの読取時間と当該トラックの前のトラックの再生時間との関係に基づき各トラックに対して適切な読取速度を設定し、この設定した読取速度によって各トラックの録音を行うことで、録音エラー発生に伴う再生エラー(音飛び)の発生を防止しつつ、より短時間でコンテンツデータの記録を行うことができる。特に、振動環境が苛酷な車両に搭載されることを前提とするAVNシステム1においては、その効果を最大限に発揮することができる。
【0067】
また、音楽CDのトラックの読取時間と当該トラックの前のトラックの再生時間との関係に基づき各トラックの読込順を当初のものから変更することで、各トラックの読取を高倍速にて行うことができ、最短時間で録音を完了することができる。
【0068】
また、本実施形態のAVNシステム1は、ナビゲーション機能に用いるデータ及び音楽CDから録音するする楽曲データの記憶媒体としてハードディスク23を共用している。したがって、ハードディスク23へ楽曲データを録音しているときにナビゲーション機能によるハードディスク23へのアクセスが発生することで、楽曲データを録音するためのアクセスが阻害され、録音エラーが発生することがある。このような事態に備えて、録音エラー発生に伴う再生エラー(音飛び)の発生を防止しつつ、より短時間で楽曲データの記録を行うことができる。
【0069】
なお、CD再生中はユーザによる操作でトラックアップ/ダウンが可能であるが、本実施形態においては、再生エラーを回避するために録音トラックと再生トラックを同一にさせないといった観点から、録音中のトラックについてはトラックアップ/ダウン操作の選択対象から除外する。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り様々な態様にて実施することが可能である。
【0071】
例えば、上記実施形態では録音再生制御、即ち記録再生対象として楽曲データを想定して説明したが、楽曲コンテンツの代わりに動画コンテンツ(例えば、映画やプロモーションビデオ等)や、音声コンテンツ(例えば小説を読み上げたものやラジオドラマ等)、テキストコンテンツ(例えばニュース記事や小説等)を記録・再生(表示)してもよい。このような場合であっても、記録制御と再生制御を並行して実行する際に記録速度を可変にすることの有意性があるからである。
【0072】
なお、動画等がコンテンツデータとなる場合には、可搬記憶媒体としてDVD−ROM等を使用することが考えられる。したがって、当然ながらCDドライブ25に替えて、あるいはCDドライブ25と共にDVDドライブを用意すればよい。あるいは、CD−ROM及びDVD−ROMの両方に対してデータの読み出しが可能なCD/DVDマルチドライブ等を用いてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、車載システムとして実現した一例を示したが、本発明は車載システムに限定されることなく、種々のシステムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】記録再生装置の一実施形態としてのAVNシステム1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態のAVNシステム1の制御装置29が実行する読取速度設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】(a)は、録音時間が長く掛かる事例における読取速度と再生時間の関係の示す図であり、(b)は、最短時間で録音ができるように読取時間と再生時間の関係に基づいてトラックの読込順を変更した事例を示す図である。
【図4】実施形態のAVNシステム1の制御装置29が実行する[読込順の変更を伴う読取速度設定処理]の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
1…AVNシステム、21…位置検出器、21a…GPS受信機、21b…ジャイロスコープ、21c…距離センサ、22…操作スイッチ群、23…ハードディスク、24…外部情報入出力部、25…CDドライブ、26…表示部、27…オーディオアンプ、28…マイクロフォン、29…制御装置、30…MDドライブ、31…FM/AMチューナ、32…TVチューナ、37…スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツデータを記録するための記録手段と、
コンテンツデータを再生するための再生手段と、
複数のコンテンツデータを記憶している可搬記憶媒体から前記コンテンツデータを等倍速から所定の高倍速までの読取速度によって読み取り可能な読取手段と、
前記読取手段を介して前記可搬記憶媒体から前記コンテンツデータを所定の読込順で読み込み、この読み込んだコンテンツデータを前記読取手段が読み取った読取速度で順次前記記録手段に記録する処理と、前記読み込んだコンテンツデータを前記再生手段によって等倍速で順次再生する処理とを並行して実行可能な制御手段と、
前記各コンテンツデータに対する前記読取速度を設定する読取速度設定手段とを備え、
前記読取速度設定手段は、前記各コンテンツデータを前記高倍速によって読み取る場合における各コンテンツデータの読取時間が当該コンテンツデータの1つ前の読込順のコンテンツデータの再生時間未満か否かを判定し、肯定判定の場合、当該コンテンツデータに対する読取速度を前記高倍速に設定し、否定判定の場合、当該コンテンツデータに対する読取速度を等倍速より高くかつ前記高倍速より低い所定の低倍速に設定し、
前記制御手段は、前記読取速度設定手段によって設定された読取速度で前記読取手段を介して前記可搬記憶媒体から前記各コンテンツデータを読み込むこと
を特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
コンテンツデータを記録するための記録手段と、
コンテンツデータを再生するための再生手段と、
複数のコンテンツデータを記憶している可搬記憶媒体から前記コンテンツデータを等倍速から所定の高倍速までの読取速度によって読み取り可能な読取手段と、
前記読取手段を介して前記可搬記憶媒体から前記コンテンツデータを所定の読込順で読み込み、この読み込んだコンテンツデータを前記読取手段が読み取った読取速度で順次前記記録手段に記録する処理と、前記読み込んだコンテンツデータを前記再生手段によって等倍速で順次再生する処理とを並行して実行可能な制御手段と、
当初の前記所定の読込順を、各コンテンツデータの前記高倍速による読取時間が当該コンテンツデータの1つ前の読込順のコンテンツデータの再生時間未満となるような読込順に変更し、この変更した読込順における最初のコンテンツに対する読取速度を等倍速より高くかつ前記高倍速より低い所定の低倍速に設定し、以降のコンテンツに対する前記読取速度を前記高倍速に設定する読取速度設定手段とを備え、
前記制御手段は、前記読取速度設定手段によって変更された読込順、及び設定された読取速度で前記読取手段を介して前記可搬記憶媒体から前記各コンテンツデータを読み込むこと
を特徴とする記録再生装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の記録再生装置において、
車両に搭載されること
を特徴とする記録再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の記録再生装置において、
前記記録手段は、地図情報を記録可能であり、
前記制御手段は、更に前記記録手段に記録された地図情報に基づくナビゲーション処理を並行して実行可能であること
を特徴とする記録再生装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の記録再生装置が備える制御手段及び読取速度設定手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−172808(P2007−172808A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202186(P2006−202186)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】