説明

記録再生装置

【課題】
サムネイル画像数の制約無しに、サムネイル画像の一覧を高速表示できるようにする。
【解決手段】
CPU(40)は、シーンの記録が開始されると、バッファメモリ(16)に格納される先頭フレーム(の圧縮符号化データ)をデコーダ(22)に読み出し、伸長する。リサイズ回路(30)及びエンコーダ(32)が、先頭フレームから圧縮されたサムネイル画像を生成し、RAM(44)に一時的に格納する。記録媒体(20)のイジェクトの際に、記録媒体(20)に記録済みのサムネイル画像を読み出し、RAM(44)に記憶されるサムネイル画像とまとめて、記録媒体(20)の記録済み領域の直後に代表画像ブロックとして記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録再生装置に関し、動画像とその代表画像を記録媒体に記録再生する記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD,DVD−R,DVD−RW等の光ディスクでは、データは、ディスクの内周側から外周側に向けてらせん状につながった1本のトラックに書き込まれ、または書込み可能に構成されている。この1本のトラックは、所定長さのデータが書き込み可能な複数のセクタが連続配置された構成からなる場合もある。
【0003】
光ディスク駆動装置では、光ピックアップは、回転している光ディスクの、光ピックアップの焦点位置を通過するセクタにデータを読み書きする。光ピックアップは、アクチュエータにより光ディスクの半径方向に移動可能であり、らせん状のトラックに追従するように制御される。
【0004】
近年、光ディスクはデジタルビデオカメラ等の記録媒体としても採用されている。ビデオカメラでは、記録済みの画像の一覧をサムネイル画像で代表的に表示することが一般的である。光ディスクは、一般的には追加記録が可能な状態にあるが、ファイナライズ処理を適用することで、追加記録が不可能な状態になり、記録内容が確定する。
【0005】
ファイナライズ処理により記録内容が確定するので、ファイナライズ処理に付随して、サムネイル画像の一覧からなるメニュー画面を生成し、光ディスクに記録しておけばよい。しかし、ファイナライズされていない中間状態では、このようなメニュー画面を、新たな画像の記録の都度、生成して光ディスクに記録するのは無駄である。そこで、従来、ファイナライズ処理前の光ディスクで記録画像の一覧を確認する際には、各記録画像の先頭画像を代表画像となるサムネイル画像として読み込み、これらのサムネイル画像を一覧表示するようにしている。しかし、この方法は、光ディスクの記録画像を走査して、各先頭画像を読み出すことになるので、時間がかかる。
【0006】
特許文献1には、各記録画像データのサムネイル画像データを、記録トラックの連続するセクタ上に連続して記録することが記載されている。
【特許文献1】特開2006−302352号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の技術では、サムネイルの一覧表示を高速化できるが、サムネイル画像データを記録するためのディスク領域(サムネイル記録領域)を予め確保しておかなければならない。予め確保されたサムネイル記録領域よりも広い領域を必要とする数のサムネイル画像を記録出来なかった。即ち、記録可能な画像数が制限される。
【0008】
また逆に、実際のサムネイル画像数がサムネイル記録領域の容量よりも少ない場合、サムネイル記録領域が無駄になる。
【0009】
本発明は、このような不都合を解消し、サムネイル画像のような代表画像の一覧を高速に表示できる記録再生装置を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る記録再生装置は、画像入力手段と、記録媒体に信号を記録再生する記録再生手段と、ユーザが操作する操作手段操作手段と、前記画像入力手段によって入力された画像を、前記操作手段による記録開始の指示から記録終了の指示までの間を1つのシーンとして前記記録再生手段により前記記録媒体に記録させる制御手段と、前記記録媒体に記録される各シーンの代表画像を生成する代表画像生成手段と、前記代表画像生成手段により生成される前記代表画像を一時的に記憶するメモリとを具備し、前記制御手段は、前記操作手段による前記記録媒体のイジェクト操作及び電源オフの何れかに応じて、前記記録媒体に記録済みの代表画像と前記メモリに記憶される代表画像とをまとめて前記記録媒体の記録済み領域に続けて代表画像ブロックとして記録するように前記記録再生手段を制御し、前記メモリに記憶される代表画像を前記メモリから削除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、代表画像の数に制限なく、記録媒体に記録された動画像の代表画像の一覧を高速表示できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の第1実施例の概略構成ブロック図である。
【0014】
本実施例のビデオカメラ10は、画像入力手段としてのカメラ部12と、カメラ部12からの映像信号を所定形式に変換するエンコーダ14を具備する。ディスクアクセス用のバッファメモリ16と、記録媒体20への書き込み読み出しを行う、記録再生手段としてのディスクアクセス部18を備えている。記録媒体20は、DVD−Rのような追加記録型の光ディスクからなる。また、記録媒体20から読み出された動画像データを復号するデコーダ22を具備する。映像表示手段として、液晶表示パネル(LCD)26とLCD26を制御するLCD制御装置24を備えている。
【0015】
本実施例では、外部出力端子28から映像信号を外部に出力可能である。CPU40は、CPUバス48を介して、RAM44、ROM46、操作部42およびその他のブロックに接続し、各ブロックを制御する。操作部42は、ユーザによる各種の操作キー又は摘みなどからなり、その操作がCPU40に供給される。CPU40は、詳細は後述するが、これらの操作によるユーザからの指示に応じて、種々の処理を各部に実行させる。
【0016】
本実施例の動画像記録動作を説明する。カメラ部12は、被写体の光学像を電気画像信号に変換する撮像素子を具備し、一定周期(30フレーム/秒又は60フィールド/秒等)の画像信号をデジタルデータ化して出力する。
【0017】
ユーザが操作部42により映像記録の開始をCPU40に指示すると、CPU40は、エンコーダ14にカメラ部12の出力画像データの符号化を指示する。エンコーダ14はカメラ部12からの画像データを圧縮符号化し、符号化画像データをバッファメモリ16に書き込む。CPU40からの制御に従い、ディスクアクセス部18は、バッファメモリ16の記憶データを逐次、読み出し、記録媒体20に記録する。このようにして、ビデオカメラ10は、被写体を示す一連の画像からなる動画像を圧縮符号化して、記録媒体20に記録できる。
【0018】
本明細書では、記録開始からその終了までに記録される1つの動画像又はその単位をシーンと呼び、複数のシーンと、それらの管理情報をまとめたものをタイトルと呼ぶ。1つのタイトルに複数のシーンが含まれうるが、1つのタイトルには1つの管理情報しか存在しない。管理情報は、対応するタイトルに含まれる全シーンの記録媒体20上の記録位置を示すアドレスなどを格納する。記録媒体20のイジェクト時、電源切断時、又はシーン数が99を超えたときなどにタイトルが閉じられ、そのタイトルの管理情報がCPU40により生成され記録媒体20に記録される。このとき、同時に、管理情報のバックアップも記録媒体20に記録される。
【0019】
本実施例のサムネイル画像の生成・記録手順を説明する。CPU40は、シーンの記録が開始されると、バッファメモリ16に格納される先頭フレーム(の圧縮符号化データ)をデコーダ22に読み出す。デコーダ22は、先頭フレームの圧縮符号化データを復号化する。リサイズ回路30は、デコーダ22により復号化された先頭フレームのサイズを縮小して、代表画像としてのサムネイル画像を生成する。リサイズ回路30が代表画像生成手段として機能する。エンコーダ32は、リサイズ回路30からのサムネイル画像をJPEG方式で圧縮符号化する。圧縮符号化されたサムネイル画像データは、バス48を介してRAM44に一時的に格納される。
【0020】
このような処理により、RAM44には、各シーンに1つのサムネイル画像データが蓄積される。ただし、後述するように、記録媒体20のイジェクトの際と電源オフ時には、RAM44に記憶されるサムネイル画像データは記録媒体20に書き出される。従って、RAM44には、記録媒体20の直前の装填(又は電源オン)からイジェクト(又は電源オフ)までに記録媒体20に記録されたシーンのサムネイル画像データが蓄積される。
【0021】
ユーザが操作部42により記録媒体20のイジェクトをCPU40に指示すると、CPU40は、ディスクアクセス部18を制御して、記録媒体20に記録済みのタイトルの末尾にサムネイル画像ブロックが記録されているか否かを順に調べる。複数のサムネイル画像をまとめて記録した領域をサムネイル画像ブロック(代表画像ブロック)という。このサムネイル画像ブロックは、後述する更新処理により、このサムネイル画像ブロックよりも前に記録された全シーンのサムネイル画像データを含む。
【0022】
ディスクアクセス部18は、検出したサムネイル画像ブロックをRAM44に書き込む。CPU40は、記録媒体20からこのように読み出されたサムネイル画像ブロックの全サムネイル画像データと、装填(又は電源オン)以後にRAM44に記憶されたサムネイル画像データとを纏めて、記録媒体20に追記する。これにより、記録媒体20に記録される最後のタイトルの後ろに、全記録シーンのサムネイル画像からなる新たなサムネイル画像ブロックが記録される。RAM44に蓄積記憶されていたサムネイル画像データは、削除される。
【0023】
このようなサムネイル画像ブロックの更新処理により、記録媒体20の装填時には、記録媒体20の追加記録可能位置の直前に、全記録シーンのサムネイル画像がまとめて記録されていることになる。勿論、RAM44にサムネイル画像データが格納されていない場合には、サムネイル画像ブロックは更新されない。サムネイル画像ブロックが更新された場合、CPU40は、更新されたサムネイル画像ブロックのサムネイル画像のアドレスを含む中間管理情報TMP_FSをサムネイル画像ブロックの後に記録する。
【0024】
再生モードで記録媒体20が装填されていると、CPU40は、記録媒体20に記録される画像の一覧をサムネイルで表示する。即ち、サムネイル画像の一覧が表示される。この一覧表示のために、CPU40は、ディスクアクセス部18を制御し、記録媒体20の最新の中間管理情報TMP_FSを探索する。発見した中間管理情報TMP_FSに記録される各サムネイル画像のアドレスを参照して、記録媒体20から全サムネイル画像(又は、一覧表示で一度に表示する数のサムネイル画像)の圧縮データを読み出す。
【0025】
記録媒体20から読み出されたサムネイル画像の圧縮データは、ディスクアクセス部18及びバッファメモリ16を介してデコーダ34に供給される。デコーダ34は各サムネイル画像の圧縮データを伸長し、リサイズ回路36は、デコーダ34からのサムネイル画像データを表示サイズにリサイズし、バッファ38に格納する。バッファ38には、LCD26での表示用のフレームメモリが設定されており、そのフレームメモリに、1画面に表示する数の、リサイズされたサムネイル画像が格納される。図2は、サムネイル画像の一覧表示例を示す。図2に示す例では、フレームメモリに6つのサムネイル画像が格納され、一画面に同時に6つのサムネイル画像が表示される。
【0026】
記録モードから記録媒体20をイジェクトせずに再生モードに変更した場合、RAM44には、記録媒体20にまだ記録されていないサムネイル画像が格納されている。そこで、本実施例では、記録媒体20に記録済みのサムネイル画像をLCD26の画面に表示し終えると、続けて、RAM44のサムネイル画像を一覧表示する。このために、CPU40は、RAM44に未記録のサムネイル画像(圧縮データ)が格納されているか否かを調べる。未記録のサムネイル画像(圧縮データ)がある場合、その未記録のサムネイル画像(圧縮データ)をデコーダ34に供給する。デコーダ34は、RAM44からのサムネイル画像(圧縮データ)を復号化し、リサイズ回路36が、復号化されたサムネイル画像を表示サイズにリサイズし、バッファ38のフレームメモリに格納する。一覧表示のために記録媒体20から読み出したサムネイル画像で一覧表示分に満たない場合には、その空き分に、RAM44からのサムネイル画像を補充する。
【0027】
CPU40はLCD制御装置24により、バッファ38のフレームメモリに格納される一覧形式のサムネイル画像をLCD26に表示させる。
【0028】
図3に示すようなユーザ操作例の場合の動作を説明する。図3に示す操作例では、ユーザが記録開始ボタンを押下して1つ目のシーンの記録が開始され(S1)、記録終了ボタンの押下でそのシーンの記録が終了する(S2)。ユーザのイジェクト操作により、記録媒体20がイジェクトされる(S3)。記録媒体20が再びセットされる(S4)。記録開始ボタンが押下されて2つ目のシーンの記録が開始され(S5)、記録終了ボタンの押下で2つ目のシーンの記録が終了する(S6)。記録開始ボタンの押下で3つ目のシーンの記録が開始され(S7)、記録終了ボタンの押下で3つ目のシーンの記録が終了する(S8)。ユーザのイジェクト操作により、記録媒体20がイジェクトされる(S9)。記録媒体20が再びセットされ(S10)、ファイナライズされる(S11)。
【0029】
図4(a)〜(f)は、図3に示す操作例に対する記録媒体20の記録内容の変遷を示す。図4で、斜線部分は未記録である。記録媒体20が一層記録式のDVD−Rである場合、図4の左端が最内周、右端が最外周に相当する。ただし、最内周の領域のさらに内周部には、RMD(Recording Management Data)が配置される固定領域があるが、ここでは図示していない。RMDには、ディスク媒体のどこまでが記録済みかを示すLRA(Last Recorded Address)が格納されており、ディスクアクセス部18は記録媒体20が挿入されると、このRMDを読み込んで、LRAを取得する。
【0030】
図4(a)は、ステップS2の終了時の状態の物理イメージを示す。1つ目のシーンをVOB66として記録している。最内周にある予約領域60は、UDF(Universal Disc Format)をファイナライズ時に書き込む領域として確保されている。その次の予約領域62はVMG(ビデオマネージャー)用に確保され、その次の予約領域64はVTSI(ビデオタイトルセットインフォメーション)用に確保されている。これらUDF、VMG及びVTSIの実際の容量がどの程度になるかはシーンの記録状況によって変動する。しかし、それぞれの最大容量は予め定めた最大ファイル数又は最大シーン数から算出され、UDF予約領域60、VMG予約領域62及びVTSI予約領域64は、それぞれの最大容量分になっている。
【0031】
UDFは、記録媒体に記録されるファイルを管理しているファイルシステム情報であり、UDF規格で定義されている。UDFはDVD等で用いられる一般的なファイルシステムである。VMGは、DVDビデオ全体の制御情報及びタイトルメニューなどを含む管理情報である。VMGはVTSIの管理情報であり、1枚のディスクに対して1つ存在する。VTSIは、各タイトルに含まれる全てのシーンのアドレスと記録時間などを含む管理情報であり、タイトルが複数ある場合にはVTSIも複数存在する。これらの管理情報のうち、UDFとVMGはディスク全体の内容にかかわるので、ファイナライズしてディスクの内容が確定するまでディスクには書き込まない。VTSIは、シーンの記録を行う毎に内容を更新する必要があるので、続けてシーンが記録される可能性がある段階ではディスクには書き込まない。
【0032】
ステップS1において領域66にシーン1のVOBの記録が開始されると同時に、シーン1のサムネイル画像も生成されている。しかし、先に説明したように、このサムネイル画像は、RAM44に格納されているだけで、記録媒体20には書き込まれない。さらに、VTSIのアドレスなどを格納する中間管理情報TMP_FSも生成されるが、この時点では、中間管理情報TMP_FSは、RAM44に格納するだけで、記録媒体20には書き込まれない。再生時などには、RAM44に格納される中間管理情報TMP_FSを参照して、各VTSIのアドレスなどを取得する。
【0033】
図4(b)は、ステップS3の終了時の状態を示す。記録媒体20のイジェクト時にはタイトルが閉じられ、このタイトルの管理情報がVTSI予約領域64に記録され、そのバックアップとして、同じデータからなるVTSI_BUPが領域68に記録される。
【0034】
記録媒体20に記録された全シーンのサムネイル画像が、VTSI_BUP領域68の後に記録される。この時点では、記録媒体20に先に書き込まれているサムネイル画像ブロックは存在しない。従って、RAM44に格納されているVOB領域66のサムネイル画像Thum01だけが、サムネイル画像ブロックとしての領域70に記録される。
【0035】
UDFとVMGは記録媒体20に書き込まれないので、中間管理情報TMP_FSを、Thum01の記録領域70の後の領域72に書き込む。このとき、VMGとVTSIのアドレスと同様に、サムネイル画像Thum01(領域70)のアドレスも領域72の中間管理情報TMP_FS(領域72)に格納する。中間管理情報TMP_FSは、記録媒体20の記録済み領域の末尾に記録される固定長のデータであり、これにより、RMDに格納されるLRAから読み出しアドレスが算出できる。こうすることによって、再度、記録媒体20がセットされたときに、継続して記録又は再生が可能となる。
【0036】
図4(c)は、ステップS6の終了時の状態を示す。2つ目のタイトル用のVTSIを記録するための予約領域74を確保し、2つ目のシーンのVOBを領域76に記録している。ステップS2と同様、2つ目のシーンのVOBの記録開始と同時にそのサムネイル画像Thum02も生成されるが、このサムネイル画像Thum02は、この時点ではRAM44に格納されるだけで、記録媒体20には書き込まれない。
【0037】
図4(d)は、ステップS8の終了時の状態を示す。3つ目のシーンのVOBが領域78に記録されている。記録媒体20のイジェクトを行わずに続けて記録を行う場合、1つ目のシーンのVOB(領域76)と2つ目のシーンのVOB(領域78)は、同一のタイトルに含まれる。このタイトルのVTSIとそのバックアップはまだ書き込まれない。中間管理情報TMP_FSも、まだ記録されない。ステップS6と同様、VOB(領域78)の記録開始と同時にシーン3のサムネイル画像Thum03も生成されるが、このサムネイル画像Thum03は、この時点ではRAM44に格納されるだけで、記録媒体20には書き込まれない。
【0038】
図4(e)は、ステップS9の終了時の状態を示す。タイトルが閉じられるので、シーン2、3を含むタイトルに対するVTSIが予約領域74に記録され、そのバックアップとして同じデーからなるVTSI_BUPが領域80に記録される。そして、先に説明した手順でサムネイル画像も記録される。即ち、記録媒体20に記録済みの最外周側のサムネイル画像ブロック(領域70)に記録されるサムネイル画像Thum01を、VTSI_BUPの記録領域80の後の領域82に書き込む。領域82に続けて、RAM44に格納されているサムネイル画像Thum02,Thum03を記録媒体20の領域84に書き込む。これらまとめて記録された3つのサムネイル画像が、新たなサムネイル画像ブロックを構成する。
【0039】
ファイナライズするまでUDFとVMGは書き込まれないので、VTSIとThum01,Thum02,Thum03のアドレスを示す中間管理情報TMP_FSが領域84に続く領域86に書き込まれる。このとき、書き込まれる中間管理情報TMP_FS(領域86)には、先に領域72に記録された中間管理情報TMP_FSに含まれる1つ目のタイトルに関する中間管理情報も含まれる。従って、記録媒体20の再挿入時には、領域86に記録される中間管理情報TMP_FSだけを読み込めば、記録媒体20上の全タイトルにアクセス出来る。
【0040】
図4(f)は、ステップS11のファイナライズ処理後の状態を示す。最後にファイナライズを行うことで、記録媒体20の内容が確定する。即ち、確定したUDF情報を予約領域60に書き込み、VMG情報を予約領域62に書き込む。こうすることによって、DVD-Video規格に則って再生可能な光ディスクが出来上がる。
【0041】
図4(f)に示す記録状態では、サムネイル画像Thum01、Thum02、Thum03が一個所にまとめて、続けて記録されている。そのため、これらを読み出すためにシーク動作がほとんど発生せず、一覧表示を高速に行うことができる。
【0042】
本実施例ではまた、記録媒体20のイジェクト時だけでなく、電源の切断時にも、イジェクト時と同様に、RAM44のサムネイル画像で記録媒体20のサムネイル画像ブロックを更新する。図3に示すフローチャートで、ステップS3,S9を電源の切断とし、ステップS4,S10を電源の投入とした場合、ステップS2、S3、S6、S8、S9及びS11の終了時の状態は、それぞれ図4(a)〜(f)に示したものと同様となる。
【実施例2】
【0043】
記録媒体20に記録されるサムネイル画像の更新(記録媒体20への書き込み)と同時に、シーンの管理情報も更新(記録媒体20への書き込み)をしてもよい。
【0044】
例えば、サムネイル画像の一覧表示では、図5に例示するように、各シーンのサムネイル画像に記録日時及び記録時間などの管理情報も表示するのが一般的であり、便利である。ファイナライズ前の段階で、記録シーンの管理情報も記録媒体20上で更新するようにすれば、TMP_FSから各VTSIをたどることなく、高速に表示可能になる。必要な管理情報が記録媒体の一箇所に記録されているので、シークが発生せずに高速に読み出せるからである。
【0045】
図3に示す操作例に即して、記録媒体20の記録イメージの変遷を説明する。シーン管理情報を更新するように変更した場合、ステップS1、S2の後の記録イメージは、図4に示すものと変わらない。図6(a)は、シーン管理情報を更新するように変更した場合の、ステップS3終了時の記録媒体20の記録イメージを示し、図6(b)は、ステップS9終了時の記録イメージを示す。図6で、斜線部分は未記録部分を示す。
【0046】
図6(a)に示すように、実施例1と同様に、記録媒体20のイジェクト時にタイトルが閉じられるので、VTSI情報が記録媒体20の領域94に記録され、そのバックアップとして同じデータからなるVTSI_BUPが領域98に記録される。
【0047】
VTSI情報を領域94に記録するために、CPU40は、シーン1のVOB(領域96)のアドレス、記録日時及び記録時間などの管理情報を記録媒体20から読み込み、RAM44に格納する。CPU40は、管理情報生成手段として機能する。そして、RAM44に格納されたこの管理情報をTMP_VMG情報としてサムネイル画像Thum01の記録領域100の後の領域102に書き込む。また、このとき、記録媒体20に記録された全シーンのサムネイル画像を、VTSI_BUP(領域98)の後の領域100に記録する。
【0048】
ファイナライズするまでUDFとVMGを記録媒体20に書き込まないので、VTSIのアドレスを示す中間管理データとしてTMP_FSをTMP_VMG(領域102)の後の領域104に書き込む。また、VMGとVTSIのアドレスと同様に、領域100に記録されるサムネイル画像のアドレス、及び管理情報TMP_VMG(領域102)のアドレスも、中間管理情報TMP_FS(領域104)に格納する。
【0049】
ステップS5からステップS8までに対する記録媒体20の記録イメージは、図4の対応する図と同じである。
【0050】
ステップS9における記録媒体のイジェクト操作により、タイトルが閉じられるので、図6(b)に示すように、VTSIが領域106に記録され、そのバックアップとして同じデータからなるVTSI_BUPが領域112に記録される。記録媒体20に記録された全シーンのサムネイル画像Thum01,Thum02,Thum03を、VTSI_BUP(領域112)の後の領域114,116,118に連続的に記録する。領域114に記録されるサムネイル画像Thum01は、領域100に記録されるサムネイル画像Thum01と同じ内容なので、先に説明したように、領域100に記録されるサムネイル画像Thum01のコピーが記録媒体20の領域114に書き込まれる。他のサムネイル画像Thum02,Thum03は、通常の手順で作成され、記録される。
【0051】
実施例1と異なり、本実施例では、この後に、管理情報TMP_VMGをThum03の記録領域118の後の領域120,122に記録する。第1の管理情報TMP_VMG(領域120)は、領域102に記録される管理情報TMP_VMGと同じ内容からなるので、領域102から管理情報TMP_VMGを読み込み、記録媒体20の領域120に記録する。領域122に記録される管理情報TMP_VMGは、通常の手順で作成される。
【0052】
実施例1と同様に、ファイナライズするまでUDFとVMGは、記録媒体20に書き込まれない。そこで、VTSI、各サムネイル画像Thum01,Thum02,Thum03及びTMP_VMG(領域120,122)のアドレスを示す中間管理情報TMP_FSが、領域122に続く領域124に書き込まれる。書き込まれる中間管理情報TMP_FSは、領域104の中間管理情報TMP_FSに含まれる1つ目のタイトルに関する中間管理情報を含む。従って、記録媒体20の再挿入時には、領域124の中間管理情報TMP_FSだけを読み込めば、記録媒体20上の全タイトルにアクセス出来る。
【0053】
このように、本実施例では、各シーンの記録日時と記録時間等を格納するTMP_VMGが領域120,122にまとめて記録されている。これらのファイルを読み込むことによって、VTSI(領域894,106)を読み込まなくても、各シーンの記録日時と記録時間等を取得出来る。従って、一覧表示で各シーンの記録日時と記録時間も表示するためには領域120,122の中間管理情報TMP_VMGを読み込めばよい。シーク動作がほとんど発生しないので、一覧表示を高速に行うことが出来る。
【0054】
ファイナライズでUDFとVMGが記録媒体20に記録されるのは、実施例1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図3】本実施例のユーザ操作例のフローチャートである。
【図4】本実施例における記録媒体20の記録イメージ図である。
【図6】第2実施例における記録媒体20の記録イメージ図である。
【図2】実施例1のインデックス画面例である。
【図5】実施例2のインデックス画面例である。
【符号の説明】
【0056】
10 ビデオカメラ
12 カメラ
14 エンコーダ
16 バッファメモリ
18 ディスクアクセス部
20 記録媒体
22 デコーダ
24 LCD制御装置
26 液晶表示パネル(LCD)
28 外部端子
30 リサイズ回路
32 エンコーダ
34 デコーダ
36 リサイズ回路
38 バッファメモリ
40 CPU
42 操作部
44 RAM
46 ROM
48 CPUバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像入力手段(12)と、
記録媒体に信号を記録再生する記録再生手段(18)と、
ユーザが操作する操作手段(42)と、
前記画像入力手段によって入力された画像を、前記操作手段による記録開始の指示から記録終了の指示までの間を1つのシーンとして前記記録再生手段により前記記録媒体に記録させる制御手段(40)と、
前記記録媒体に記録される各シーンの代表画像を生成する代表画像生成手段(30、32)と、
前記代表画像生成手段により生成される前記代表画像を一時的に記憶するメモリ(44)
とを具備し、
前記制御手段は、前記操作手段による前記記録媒体のイジェクト操作及び電源オフの何れかに応じて、前記記録媒体に記録済みの代表画像と前記メモリに記憶される代表画像とをまとめて前記記録媒体の記録済み領域に続けて代表画像ブロックとして記録するように前記記録再生手段を制御し、前記メモリに記憶される代表画像を前記メモリから削除する
ことを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
更に、前記代表画像の管理情報を生成する管理情報生成手段を有し、
前記制御手段は、前記管理情報生成手段により生成された管理情報を、前記代表画像ブロックに続けて記録する
ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
【請求項3】
更に、
前記記録媒体から前記記録再生手段により前記代表画像ブロックの代表画像を読み込む読み込み手段と、
前記読み込み手段により読み込まれた代表画像を一覧表示する表示手段
とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−238339(P2009−238339A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85280(P2008−85280)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】