診断または処理されるべき組織に位置決めすることを容易にするカテーテル設計
例えば、心房細動を診断および処理するために用いられるカテーテル。このカテーテル(10)は、近位部分(16)および遠位部分(18)を有するカテーテルャフト(14)を備える。この遠位部分は、診断または処理されるべき組織(20)を有する身体の腔中に挿入されるよう適合され、そして上記近位部分から遠隔に配置される。この遠位部分は、湾曲され得るか、または真直ぐであり得、作動領域(38、38’)を有する外側周縁壁(26、26’)を備え、そしてこの遠位部分は、この作動領域に沿った断面形態を有する。この断面形態は、診断および処置されるべき組織に対してこの作動領域を付勢するように適合されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2003年1月21日に出願された米国仮出願第60/441,824号(’824出願)に対する優先権を主張する。この’824出願は、本明細書中に完全に提示されるかのように、本明細書によって参考として援用される。本出願は、2003年1月17日に出願された、仮出願ではない米国出願第10/347,034号(’034出願)に関連する。この’034出願は、本明細書中に完全に提示されるかのように、本明細書によって参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
(a.発明の分野)
本発明は、組織、特にヒト心臓組織を診断および処置するためのカテーテルに関する。特に、本発明は、作動領域を有する遠位部分を備えるカテーテルに関し、そしてこの遠位部分は、診断または処置されるべき組織にこの作動領域を位置決めすることを容易にするように設計されている。
【背景技術】
【0003】
(b.背景技術)
カテーテルは、多年の間、医療手順のために使用されている。カテーテルは、そうでなければ、より侵襲的な手順なくしては接近不能である身体内の特定の位置に配置されながら、検査、診断および処置するための医療手順のために用いられ得る。これらの手順の間に、カテーテルは、身体の表面近傍の脈管中に挿入され、そして検査、診断、および処置のために身体内の特定の位置に導かれる。例えば、1つの手順は、ヒト身体内の選択された位置に電気的刺激を伝達するためにカテーテルを利用する。別の手順は、ヒト身体内で電気的活動の種々の形態をモニターするための感知電極を備えたカテーテルを利用する。
【0004】
カテーテルはまた、ヒト心臓に関する医療手順のために用いられることが増えている。代表的には、このカテーテルは、患者の脚、頸部、または腕中の動脈または静脈中に挿入され、そしてときには、脈管中を、ガイドワイヤまたは導入器の支援で、このカテーテルの遠位先端部が、心臓における医療手順のための所望の位置に到達するまで辿る。
【0005】
代表的なヒト心臓は、右心室、右心房、左心室、および左心房を含む。右心房は、上大静脈および下大動脈と流体連絡している。房室中隔は、右心房を右心室から分離する。房室中隔内に含まれた三尖弁は、右心房と右心室との間の連絡を提供する。
【0006】
正常な心臓では、心臓筋肉(心筋)の収縮と弛緩が、電気−化学的信号が、右心房の壁中に配置された特有の細胞の束を含む洞房(SA)結節から、房室(AV)結節まで、そして次に、His−Purkinjeシステムを含む良好に規定された経路に沿って、心筋を通って左心室および右心室まで、連続的に通過するとき、組織化された様式で起こる。このAV結節は、右心房中の心房中隔中の冠状静脈洞の開口の近傍にある。上記SA結節の各細胞膜は、この細胞膜が定期的に機能停止し、そしてナトリウムイオンの流入を可能にし、それによってSA結節細胞を脱分極させるように、経時的に、ナトリウムイオンを徐々に漏らすような特徴的な傾向を有している。SA結節細胞は、周辺の心房筋肉細胞と連絡し、その結果、このSA結節細胞の脱分極は、隣接する心房筋肉細胞を脱分極させる。これは、心房収縮期を生じ、ここで、心房は収縮して空になり、そして血液を心室に充填する。SA結節からのこの心房の脱分極は、AV結節によって検出され、これは、次に、短い伝導遅延の後、His束およびPurkinje線維を経由して心室中に脱分極インパルスを連絡する。このHis−Purkinjeシステムは、AV結節で開始し、そして膜の心房内中隔に沿って、三尖弁に向かい、房室中隔を通り、そして膜の心室内中隔に続く。心室内中隔のほぼ中央で、このHis−Purkinjeシステムは、右分岐および左分岐に分かれ、これらは、心室内中隔の筋肉部分の頂上をまたぐ。
【0007】
しばしば、異常なリズムが心臓中で生じ、これは、一般に不整脈と称されている。例えば、一般的な不整脈は、Wolff−Parkinson−White症候群(W−P−W)である。W−P−Wの原因は、一般に、異常な伝導経路、または心房筋肉組織を
心室筋肉組織に直接接続し、それ故、正常のHis−Purkinjeシステムをバイパスする経路の存在であると考えられている。これらの経路は、通常、心房と心室とを接続する線維組織中に位置する。
【0008】
その他の異常不整脈は、しばしば、心房中で生じ、これは、心房不整脈と称される。最も一般的な心房不整脈の3つは、異所性心房頻脈、心房細動および心房粗動である。心房細動は、顕著な患者不快、そして死亡さえ引き起こし得る。なぜなら、以下を含む多くの関連する問題のためである:患者に不快および苦悶を引き起こす不規則心拍;心臓血行動態を損ない、種々のレベルのうっ血性心不全を生じる、同調的な房室収縮の損失;および血栓塞栓症の可能性を増大する血流の停滞。
【0009】
過去において、これらの問題を軽減するための努力は、薬理学的処理の重要な用法を含んでいる。薬理学的処理はしばしば有効であるが、いくつかの状況では、薬物治療は、限られた有効性のみを有し、そして頻繁に、目まい、吐気、視覚問題、およびその他の困難のような副作用で悩まされる。
【0010】
特定タイプの心臓不整脈の処理のための、ますます一般的になりつつある医療手順は、カテーテルアブレーションである。従来のカテーテルアブレーション手順では、エネルギー供給源が、心臓組織と接触して配置され、この組織を加熱し、そして電気的に不活性または非収縮性である永久的な瘢痕または損傷を生成する。1つの手順の間、これら損傷は、心臓内で不整脈と一般に関連する現存する伝導経路を中断するように設計される。アブレーションの特定の領域は、基礎となる不整脈のタイプに依存する。1つの共通のアブレーション手順は、房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)を処理する。迅速または遅延AV結節経路のアブレーションは、Singer,Iら、「Catheter Ablation for Arrhythmias」、Clinical Manual of Electrophysiology、421〜431頁(1993)中に開示されている。心臓内の特定位置をアブレーションするための電極カテーテルの使用もまた、例えば、米国特許第4,641,649号、同第5,228,442号、同第5,231,995号、同第5,263,493号、および同第5,281,217号に開示されている。
【0011】
経中隔アプローチおよび逆行性アプローチの両方を利用して、W−P−Wに関連する付属経路をアブレーションするためにシースを備えたカテーテルアブレーションを用いる別の医療手順は、Saul,J.Pら、「Catheter Ablation of Accessory Atrioventricular Pathways in Young Patients:Use of long vascular sheaths, the transseptal approach and a retrograde left posterior parallel approach」、Journal of the American College of Cardiology、21巻、no.3、571〜583頁(1993年3月1日)に論議されている。その他のカテーテルアブレーション手順は、Swartz,J.F.,「Radiofrequency Endocardial Catheter Ablation of Accessory Atrioventricular Pathway Atrial Insertion Sites」、Circulation、87巻、no.2、487〜499頁(1993年2月)に開示されている。
【0012】
心臓内または心臓近傍の特定位置のアブレーションは、カテーテルアブレーションの正確な配置を必要とする。カテーテルアブレーションの正確な位置決めは、心臓の生理学のため、特に、心臓がアブレーション手順を通じて拍動し続けるために特に困難である。一般に、カテーテルの配置の選択は、電気生理学的指針および蛍光透視法の組み合わせによって決定される(冠状静脈洞、高位右心房、および右心室のような既知の解剖学的構造中またはそれらに配置される放射線不透過性診断カテーテルによってマークされる、心臓の既知の特徴に関係するカテーテルの配置)。
【0013】
心房不整脈の処理のために心臓中の特定位置にアブレーションカテーテルを導くために案内導入器を用いるアブレレーション手順は、例えば、米国特許第5,427,119号、同第5,497,774号、同第5,564,440号、同第5,575,766号、同第5,628,316号、および同第5,640,955号に開示されている。これらの手順の間に、アブレーション損傷が、医療手順の要素として心臓中に生成される。
【0014】
心臓組織をアブレーションし、そして永久的な損傷を生成するために必要なエネルギーは、多くの異なる供給源から提供され得る。当初は、直流が利用されたが、レーザー、マイクロ波、超音波、およびその他の形態エネルギーがまた、アブレーション手順を実施するために利用されている。しかし、DC電流の使用にともなう問題のため、高周波(RF)が、アブレーション手順のためのエネルギーの好ましい供給源になった。アブレーションのためのRFエネルギーの使用は、例えば、米国特許第4,945,912号、同第5,242,441号、同第5,246,438号、同第5,281,213号、同第5,281,218号、および同第5,293,868号に開示されている。左心房中のW−P−Wの処理のための経中隔シース内に含まれるアブレーションカテーテルを用いたRFエネルギーの使用は、Swartz,J.F.ら、「Radiofrequency Endocardial Catheter Ablation of Accessory Atrioventricular Pathway Atrial Insertion Sites」、Circulation、87巻、487〜499頁(1993)に開示されている。Tracey,C.N.「Radio Frequency Catheter Ablation of Ectopic Atrial Tachycardia Using Paced Activation Sequence Mapping」、J.Am.Coll.Cardiol.21巻、910〜917頁(1993)もまた参照のこと。
【0015】
高周波アブレーションカテーテルに加え、熱アブレーションカテーテルが開示されている。熱アブレーション手順の間に、カテーテルの遠位端に固定された加熱要素が、熱伝導性流体を加熱し、この流体は、次いで、ヒト組織と接触し、組織の温度を、この組織をアブレーションするために十分な時間の間上昇させる。熱移動を用いる熱アブレーションのための方法およびデバイスは、米国特許第5,433,708号中に開示されている。カテーテルに固定され、そして開口部を有するバルーン内に位置決めされる熱電極を利用し、バルーンが、カテーテルからバルーン中に導入された加熱伝導性流体をアブレーションされるべき組織との接触のためにバルーンから逃れるようにする、別の熱アブレーション手順が、米国特許第5,505,730号に開示されている。
【0016】
従来のアブレーション手順は、アブレーションカテーテルの先端部に固定された単一の遠位電極を利用する。しかし、ますます、心臓アブレーション手順は、カテーテル本体に固定された複数電極を利用する。これらのアブレーションカテーテルは、しばしば、例えば、米国特許第4,892,102号、同第5,228,442号、同第5,327,905号、同第5,354,297号、同第5,487,385号、および同第5,582,609号中に開示されるような、遠位先端部電極および複数のリング電極を含む。
【0017】
従来のアブレーション先端部電極を用い、心臓内に直線状の損傷を形成するために、「ドラッグ焼却」のような手順の利用を必要とする。本明細書で用いられるとき、用語「直線状損傷」は、真直ぐであるか、または湾曲しているかいずれかの、電気の伝導をブロックする細長い、連続的な損傷を意味する。「ドラッグ焼却」手順の間、アブレーションエネルギーが先端部電極に供給されながら、先端部電極は、アブレーションされるべき組織を横切って引かれ、アブレーションのラインを生成する。あるいは、アブレーションの一連の点が、先端部電極を心臓組織を横切る増分距離で移動させることにより生成されたライン中に形成される。これら手順の有効性は、心臓組織に対するアブレーションカテーテルの先端部電極の位置および接触圧、アブレーションカテーテルの先端部電極が上記組織に対して配置される時間、アブレーション手順の間に生成される熱の結果として生成される凝塊の量、を含む多くの変数、および拍動する心臓、特に、常軌を逸して拍動する心臓に関連するその他の変数に依存する。心臓組織の連続するトラックがアブレーションされなければ、アブレーションされない組織または不完全にアブレーションされた組織は電気的に活性なままであり得、不整脈を引き起こす迷走回路の継続を許容する。
【0018】
心臓組織の直線状損傷が、単一のアブレーション手順の間に形成される場合、より有効なアブレーションが達成され得ることが発見された。アブレーションカテーテルの使用による心臓中の直線状損傷の生成は、例えば、米国特許第5,487、385号、同第5,582,609号、および同第5,676,662号に開示されている。心房不整脈の処置のために心房中に形成される特定の一連の直線状損傷は、米国特許第5,575,766号に開示されている。
【0019】
これらのアブレーション手順を実施するために一般に用いられるアブレーションカテーテルは、心臓組織とアブレーションカテーテルの電極との物理的接触によって、選択された位置で電気的に不活性な組織、または非収縮性組織を生成する。しかし、隣接するリング電極を有する従来の先端部電極は、完全な直線状損傷を生成するために十分な組織をアブレーションするために大量のエネルギーが必要であるため、このタイプの手順を実施することはできない。また、従来のリング電極アブレーションは、損傷中にホールまたはギャップを残し得、これは、それにそって所望されない回路が走り得る経路を提供し得る。
【0020】
一対の相互に巻かれたらせん電極を含む心臓における使用のためのアブレーションカテーテルが、米国特許第5,334,193号に開示されている。このらせんに巻かれた電極は、カテーテル本体の遠位先端部から約8センチメートルの距離に亘り、カテーテル本体の表面に固定されている。その他のらせん電極は、米国特許第4,161,952号、同第4,776,334号、同第4,860,769号、同第4,934,049号、同第5,047,026号、同第5,542,928号、およびWO 95/10319に開示されている。
【0021】
従来のアブレーション手順の間、アブレーションエネルギーは、アブレーションさるべき組織の温度を上昇するために、組織の表面に対して配置されたカテーテル上の電極によって、心臓組織に直接送達される。組織温度におけるこの上昇はまた、電極の周辺の血液の温度上昇を引き起こし、これは、しばしば、電極上に凝塊の形成をもたらし、これは、アブレーション電極の効率を減少する。電極と血液との間の直接接触で、組織アブレーションを標的としたエネルギーのいくらかは血液中に散逸する。
【0022】
効率的かつ有効なアブレーションを達成するため、従来のアブレーションカテーテルに共通である血液の凝固は避けられるべきである。この凝固問題は、直線状アブレーション損傷またはトラックが生成されるとき、特に重要であり得る。なぜなら、このような直線状アブレーション手順は、慣習的に、単一位置のみをアブレーションするアブレーション手順より多くの時間がかかるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
いくつかの事例では、迷走電気的信号は、肺静脈を下り、そして心臓の左心房中への経路を見出す。これらの事例では、1つ以上の肺静脈の開口またはその近傍で周縁損傷を生成することが有利であり得る。望ましくは、このような周縁損傷は、左心房から肺動脈を電気的に絶縁し、迷走信号を、肺動脈を下り、かつ左心房中に走ることから完全にブロックする。現存する設計に伴う問題を避けながら、組織中にこのような周縁損傷を形成するための遠位部分を有するカテーテルを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0024】
(発明の簡単な要旨)
ヒト心臓および肺静脈内の組織を含む組織を診断および処理するための改良されたカテーテルを提供することが開示された発明の目的である。この目的およびその他の目的は、本発明によって開示されるアブレーションカテーテルによって提供される。
【0025】
本発明は、1つの形態は、組織をアブレーションするためのカテーテルであって、そして近位部分および遠位部分を有するカテーテルシャフトを含む。この遠位部分は、アブレーションされるべき組織を有する本体の腔中に挿入されるように適合され、そして上記近位部分から遠隔に配置される。上記遠位部分は、作動領域を有する外部周縁壁を備え、そしてこの遠位部分は、上記作動領域に沿った断面形態を有している。この断面形態は、アブレーションされるべき組織に対して上記作動領域を付勢するように適合されている。1つの形態では、上記作動領域に沿った断面形態は、平坦化された外部周縁壁を有する。このような断面形態は、多角形形態を含む。本明細書で用いられるとき、「多角形形態」は、湾曲した線セグメントまたは湾曲した側面を含み得る。従って、D形状、三角形、または矩形の断面形態は、その用語が本明細書で用いられるように、すべて多角形形態である。平坦化された外部周縁壁を有する断面形態はまた、例えば、楕円形の形態を含み得る。
【0026】
別の形態では、本発明は、組織を診断および処理するためのカテーテルである。このカテーテルは、近位部分および遠位部分を有するカテーテルシャフトを備える。この遠位部分は、湾曲しているかまたは真直ぐであり得、作動領域および少なくとも1つの管腔を備える。この作動領域は、長軸方向軸を有し、そして少なくとも1の管腔が、ワイヤ、光ファイバー、および種々の機能目的のための流体を保持するように適合されている。本発明のこの形態では、上記遠位部分は、上記作動領域の長軸方向軸を含む少なくとも1つの平面の周りで非対称である断面形態を有する。
【0027】
本発明のより詳細な説明が、以下の説明および特許請求の範囲に提供され、そして添付の図面に示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(発明の詳細な説明)
一般に、本発明は、アブレーションカテーテル10に関し、これは、アブレーションカテーテルアセンブリ12の一部を構成し得、ここで、このアブレーションカテーテル10は、近位部分16、およびこのアブレーションカテーテル10内に取り付けられた多孔性伝導体(例えば、メッシュまたは織物)24(例えば、図3〜5を参照のこと)または24’(例えば、図8を参照のこと)から出るエネルギー22を用いて組織20(例えば、図11を参照のこと)をアブレーションするための特有の遠位部分18(例えば、図1〜3を参照のこと)または18’(例えば、図6〜8を参照のこと)を有するカテーテルシャフト14を備え、および/またはこのアブレーションカテーテル10の遠位部分は、このカテーテルを、アブレーションされるべき組織20に対してこのカテーテルの作動領域38(例えば、図2および3を参照のこと)または38’(例えば、図6を参照のこと)の平坦化された外部周縁壁26、26’(例えば、図13〜15を参照のこと)を所望の配向に付勢するように適合されている、断面形態を有し得る。本明細書で用いられるとき、「平坦化された」外部周縁壁は、単なる「平らな」外部周縁壁より多くを包含する。例えば、いくらか卵形または楕円形形態は、本明細書で用いられるようなこの用語の意味内にある少なくとも1つの平坦化された壁を有する。カテーテルシャフト14は、多くの異なるポリマー(例えば、ポリウレタン、ポリプロピレン、配向ポリプロピレン、ポリエチレン、結晶化ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなど)から構築され得る。
【0029】
図1は、本発明の第1の実施形態によるアブレーションカテーテル10を有するアブレーションカテーテルアセンブリ12を下方向に見る等尺性の図である。この第1の実施形態では、アブレーションカテーテル10の遠位部分18は湾曲している(図2〜5もまた参照のこと)。図1に描写されるように、このアブレーションカテーテル10は、内部案内導入器28および外部案内導入器30と組み合わせて用いられ得る。あるいは、単一の案内導入器が用いられ得るか、若しくは、1つ以上の案内導入器の代わりに、予め湾曲された経中隔シースが用いられ得る。一般に、この案内導入器、これらの案内導入器、または予め湾曲された経中隔シースは、アブレーションされるべき組織20でアブレーションカテーテル10の配置を容易にするような形態である。従って、例えば、この案内導入器、またはこれらの案内導入器、または予め湾曲された経中隔シースは、心臓32およびその複雑な生理機能を通じて航海し、アブレーションされるべき特異的組織に到達することを可能にする。図6〜8は、本発明によりアブレーションカテーテル10の第2の実施形態を描写する。
【0030】
図1〜8に示されるように、本発明によるアブレーションカテーテル10は、湾曲した遠位部分18(例えば、図1〜3を参照のこと)、または真直ぐな遠位部分18’(例えば、図6〜8を参照のこと)を有し得る。この遠位部分は、湾曲または真直ぐにかかわらず、1つ以上の管腔34、36を含み、ワイヤ、光ファイバー、または種々の機能的目的のための流体(例えば、伝導性流体または放射線不透過性流体)、および組織の実際のアブレレーションを実施する作動領域38(例えば、図2および3を参照のこと)または38’(例えば、図6を参照のこと)を保持する。これら管腔に存在し得るワイヤは、例えば、この遠位部分の支持を提供するか、またはこの遠位部分の位置決め能力を増大する金属性または非金属製ワイヤ(例えば、形状保持ワイヤ40(例えば、図3および4を参照のこと)または形状記憶ワイヤ若しくは超弾性ワイヤ)を含み得る。これらワイヤはまた、上記遠位部分から診断用電気的信号を、またはこの遠位部分に治療用エネルギーを伝導するために用いられ得る。両方の実施形態では、複数のポートホール44〜48(図2〜5および図6〜8)が、作動領域38(例えば、図2を参照のこと)または38’(例えば、図6を参照のこと)のポートホール中央線42(例えば、図2を参照のこと)または42’(例えば、図6および7を参照のこと)に沿って延びる。これらのポートホールは、最近位または第1のポートホール44(例えば、図3を参照のこと)または44’(例えば、図6を参照のこと)、最遠位または最後のポートホール46(例えば、図2および3を参照のこと)または46’(例えば、図6および7を参照のこと)、および複数の中間ポートホール48(例えば、図2〜5を参照のこと)または48’(例えば、図6〜8を参照のこと)を含む。上記ポートホールの中央線42、42’は、遠位部分の外部周縁壁50(例えば、図3〜5を参照のこと)または50’(例えば、図6および7を参照のこと)に沿って、作動領域を規定するアブレーションカテーテルの部分の長軸方向軸52(例えば、図12を参照のこと)、52’(例えば、図13および14を参照のこと)、または52’’(例えば、図15を参照のこと)に平行に延びる。
【0031】
図1〜5に示されるように、アブレーションカテーテル10の第1の実施形態では、上記遠位部分18は、第1の湾曲部分54、第2の湾曲部分56、および第3の湾曲部分58を備え、これらは、ともに、この実施形態では、単一のコンポーネントを備えるが、一緒に接続された別個の片を備え得る。アブレーション電極であり得る、丸い先端部60が図2および3中に明りょうに見られる。代表的には、編組みシャフトであるカテーテルシャフト14は、アブレーションされるべき組織に隣接する、カテーテルシャフト14の遠位部分18の位置から、アブレーションされるべき組織を含む身体の外側であるカテーテルシャフト14の近位部分16までの遠回り経路に従う「真直ぐ」なセクション62(例えば、図2を参照のこと)を備える。この真直ぐなセクション62は、遠位部分18に接続される。この第1の実施形態では、第3の湾曲部分58が作動領域38を備える。図2および3中に良好に有利に示されるように、第1の実施形態では、作動領域38は、ポートホール中央線42に沿って、外部周縁壁50の半径方向頂端に沿ってある。この遠位部分18の作動領域38は、アブレーションされるべき組織20(例えば、肺静脈の内部壁)に対して配置される複数のポートホール44〜48を含む部分である。
【0032】
図3および4は、図1および2に描写されるアブレーションカテーテル10の第1の実施形態の第1の改変物を描写する。この第1の実施形態の第1の改変物では、アブレーションカテーテル10は、外部周縁壁50に隣接する第1の管腔34、および内部周縁壁64に隣接する第2の管腔36を含む2管腔の遠位部分18を有する実質的な電極アブレーションカテーテルである。図3は、図2の直線3−3に沿ってとったアブレーションカテーテルの遠位部分18の断片図であり、ここで、アブレーションカテーテル壁の部分が取り除かれ、2管腔の遠位部分18の内部特徴を示す。図4は、図3の直線4−4に沿ってとった拡大断片等尺性の図であり、アブレーションカテーテル壁の部分が取り除かれている。図3および4に明りょうに示されるように、この第1の実施形態の第1の改変物は、複数のポートホール44〜48に亘り第1の管腔34の内側に取り付けられ、それによって、多孔性流体分与多岐管を形成する多孔性伝導体24(例えば、金属メッシュまたは織物電極)を備える。図3および4の実施形態における第2の管腔36は、形状保持ワイヤ40を含む(例えば、NitinolまたはNiTiワイヤ)。上記第1の管腔34は、アブレーションカテーテルの使用の間、伝導性流体媒体66(例えば、高張生理食塩水)を運搬するように適合されている。この伝導性流体媒体は、例えば、図11中に見られ得る。電気配線68は、アブレーションエネルギー22を多孔性伝導体24に供給する。この電気配線68は、アブレーションカテーテル10の遠位部分18で多孔性伝導体24に接続される1つの端部、および図1に描写されるアブレーションカテーテルアセンブリ12の近位部分16で公知の様式でエネルギー供給源(示さず)に接続されるその対向する端部を有する。
【0033】
図5は、本発明によるアブレーションカテーテルの第1の実施形態の第2の改変物を描写する。この第2の改変物では、アブレーションカテーテルの遠位部分は、第1の管腔34のみを有する。この第1の実施形態の特定の改変物では、アブレーションカテーテルの遠位部分は、潜在的に1つ以上の厚化領域70に起因する所望の形態を十分に保持する材料から製造されるか、またはこのアブレーションカテーテルの遠位部分は特定の形態を保持する必要がないかのいずれかであり得る。
【0034】
図6〜8は、本発明の第2の実施形態によるアブレーションカテーテル10の遠位部分18’の断片図を描写し、ここで、このアブレーションカテーテル10は、再び、実質的な電極アブレーションカテーテルである。この第2の実施形態によるアブレーションカテーテルの作動領域38’は真直ぐである。本発明によるアブレーションカテーテルの遠位部分の第2の実施形態の断片の等尺性の図である図8では、内部周縁壁64’の部分が除去されてポートホール48’の上の位置にある多孔性伝導体24’を示す。本発明によるアブレーションカテーテル10の遠位部分18’のこの第2の実施形態では、このアブレーションカテーテル10は、伝導性流体媒体が、アブレーションカテーテルの近位部分からアブレーションカテーテルの遠位部分まで流れ得る少なくとも1つの管腔を有する。この伝導性流体媒体は、多孔性伝導体24’を通って流れ得、そして以下にさらに論議されるように、複数のポートホール44’〜48’を通ってアブレーションカテーテル10の遠位部分18’を出る。アブレーション電極であり得る丸い先端部60もまた、図6〜8に見られ得る。
【0035】
多孔性伝導体24(例えば、図3〜5を参照のこと)または24’(例えば、図8を参照のこと)は、それが形成された後アブレーションカテーテル10に取り付けられ得るか(例えば、結合または摩擦により適合)、またはアブレーションカテーテル10は、多孔性伝導体の周りに形成され得る。多孔性伝導体が、形成されたアブレーションカテーテル中に取り付けられる場合、テーパー状のマンドレルが、この多孔性伝導体を、適切な管腔の内部形態に配置し、そしてそれに一致させるために用いられ得る。これらポートホールは、多孔性伝導体が取り付けられる前または後に形成され得る(例えば、成形また穿孔)。この多孔性伝導体は、多孔性伝導体が取り付けられる管腔の全内部表面または全部よりは少ない内部表面に重層され得る。
【0036】
残りの図9〜19は、使用、例えば、肺静脈中の組織をアブレーションする本発明によるアブレーションカテーテル10を描写する。図9および10は、心臓32の多くの主要なコンポーネントを読み手に向けて示す。詳細には、図9および10の上左手部分で開始し、そして反時計方向に心臓の周縁の周りに作業して、心臓の以下の部分が描写される:上大静脈72、右心房74、下大静脈76、右心室78、左心室80、左下肺静脈82、左上肺静脈84、左心房86、右上肺静脈88、右下肺静脈90、左肺動脈92、大動脈のアーチ94、および右肺動脈96。
【0037】
第1の実施形態によるアブレーションカテーテル10の遠位部分18は、例えば、右静脈系が以下のように最初に接近され得る「Seldinger技法」のような公知の手順を用いて、左上肺静脈84の開口98に隣接して配置される(図9を参照のこと)。(大腿静脈のような)末梢静脈がニードルで刺され、この穿刺創傷は、開創器で、案内導入器または経中隔シースを収容するに十分なサイズに開創される。少なくとも1つの止血バルブを備えた案内導入器または経中隔シース(図1を参照のこと)は、相対的止血を維持しながら開創された穿刺創傷内に静止される。案内導入器または経中隔シースを適所において、アブレーションカテーテル10が案内導入器または経中隔シースの止血バルブを通って導入され、そして末梢静脈に沿って、大静脈の領域中(例えば、下大静脈76)、および右心房74中に進行される。そこから、このアブレーションカテーテル10は、その案内導入器または経中隔シースとともに、心房間中隔中のホールを通ってさらに進行され、これを、医者は、アブレーションカテーテル10を案内導入器または経中隔シース、および左心房86中に挿入する前になし得る。一旦案内導入器または経中隔シースが、左心房86中に入ると、それは、図9および10に描写される個々の位置に進行される。アブレーションカテーテル10は、上記遠位部分18の作動領域が、案内導入器または経中隔シースから延びるまで、または案内導入器または経中隔シースが退却され、アブレーションカテーテル10の遠位部分18を剥き出し得るまで進行され得る。図10では、第1の実施形態によるアブレーションカテーテル10の遠位部分18は、左上肺静脈84の開口98の近傍にある。
【0038】
アブレーションカテーテル10の遠位部分18は、図10に描写されるよう左上肺静脈84の開口98の近傍にある間、多孔性伝導体24(例えば、図3〜5を参照のこと)は、活性化されて所望の損傷を生成する。図11に示されるように、アブレーションカテーテルの活性化の間に、伝導性流体媒体66は、第1の管腔34を通り、多孔性伝導体24を超え、そしてポートホール44〜48から出て流れている。この多孔性伝導体24は、アブレーションカテーテルが活性であるとき、アブレーションエネルギー22(例えば、高周波またはRFエルネギー)を、この伝導性流体媒体66を経由して組織20に送達する。この多孔性伝導体24から出るRFエネルギー22は、第1の管腔34中に含まれる伝導性流体媒体66を通り、ポートホール44〜48を通り、そして隣接する組織20中に通過する。従って、アブレーションカテーテル10が、多孔性コンダクター24を通り、そしてポートホール44〜48から出て流れる伝導性流体媒体66と作動しているとき、アブレーションエネルギー22は、ポートホール44〜48を通じて組織20に直接送達される。この実施形態では、損傷は、RFエネルギー22によって組織20中に形成される。損傷形成はまた、アブレーションエネルギー22が組織の表面の下に送達されている間、組織20の表面を対流により冷却する伝導性流体媒体66によって容易または促進され得る。これは、形成される凝塊の量をまた低減しながら、組織20の表面への過剰な損傷を阻害する。このRFエネルギー22は、上記伝導性流体媒体66が組織20の表面を対流によって冷却しながら、隣接組織20中に伝導される。
【0039】
アブレーションカテーテルが十分な損傷を形成するために、組織の温度を、適切な長さの時間の間少なくとも50〜60℃まで上げることが所望される。従って、十分なRFエネルギーが多孔性伝導体に供給されなければならず、所望の持続時間の間隣接する組織で損傷形成する温度を生成する。この伝導性流体媒体の流速が適切に調節されるとき、この伝導性流体媒体は、淀みまたは再循環を避けるに、かつカテーテルと組織との間のギャップから血液を押して離すに十分な速度で流れる。この流速は、この伝導性流体媒体の蒸発を避けるか、または最小にするに十分高くあるべきである。なぜなら、このような蒸発は、組織へのアブレーションエネルギーの送達を阻害し得るからである。先に述べたように、アブレーションカテーテルの遠位部分は、多孔性伝導体から、伝導性流体媒体を通り、かつ組織中へのアブレーションエネルギーの直接伝導により損傷を形成する。
【0040】
多孔性伝導体およびポートホールを通って流れる伝導性流体媒体は、血液がアブレーションカテーテルの遠位部分中に流れることを防ぎ、そしてポートホールに隣接する領域から血液を押す。これは、患者に対して所望されない影響を有し得る凝塊の形成を防ぐ。上で述べたように、この伝導性流体媒体は、電極が伝導性流体媒体を過熱すること、および第1の管腔中で蒸気を生成することを防ぐ速度で流される。この伝導性流体媒体が沸騰すると、蒸気を形成し、隣接組織中に所望の損傷を形成するアブレーションカテーテルの能力は、大いに低減されるか、または阻害される。なぜなら、アブレーションエネルギーは、不十分な量で、組織に到達することが出来ないかもしれないからである。従って、第1の管腔を通り、多孔性伝導体を通り、およびポートホールからの伝導性流体媒体の流れは、蒸発を防ぐには十分であるが、カテーテルと組織開口部との間のギャップを流れ、この多孔性伝導体が、隣接組織に十分なエネルギーを送達し得、所望の損傷を形成することを禁止するようには多くないように管理または調節される。このカテーテルと組織との間のギャップが大きくなり過ぎると、アブレーションエネルギーの所望されない量が、組織よりもむしろ血液に通過し得る。また、伝導性流体媒体が、速すぎる流速でポートホールから出て流れる場合、患者血液の組成は、患者の血液と混合されている過剰量の伝導性流体媒体によって悪く影響され得る。
【0041】
この伝導性流体媒体の所望の流速は、例えば、第1の管腔を通って伝導性流体媒体を押す圧力を調節すること、第1の管腔のサイズを変更すること、第1の管腔の内部壁上の仕上げを変更すること、ポートホールのサイズまたは分布を変更すること、ポートホールの断面形態を変更すること、ポートホール間の間隔100(図7)を改変すること、および/または最初のポートホールと最後のポートホールとの間のポートホール直径の勾配を、このような勾配が存在するときはいつでも変更することによって達成される。伝導性流体媒体の流速を調節するとき考慮され得る別の因子は、多孔性伝導体の形態である。例えば、ギャップまたはポアのサイズは、アブレーションカテーテルの遠位部分を通る満足な流速を確立することを試みるときに調節され得る。この多孔性伝導体は、ポートホールからの伝導性流体媒体の流れを有意に制限し得る。約10〜50マイクロメートルのメッシュギャップサイズを持つ金属メッシュ電極は、例えば、伝導性流体媒体の所望の流速を許容し得る。アブレーションカテーテルの遠位部分の特異的な形態はまた、伝導性流体媒体の流速に影響し得る。例えば、アブレーションカテーテルの第1の実施形態では(例えば、図1〜3を参照のこと)、遠位部分18の作動領域38の湾曲の半径は、伝導性流体媒体66のポートホール44〜48から出て流れる傾向に影響する。
【0042】
図12は、本発明の第1の実施形態の第3の改変物によるアブレーションカテーテル10の作動領域の一部分の断片等尺図である。この改変物では、アブレーションカテーテル10は、円形の断面および一定厚みの壁(カテーテル壁が厚化領域70を有する図5と比較のこと)を有するが、これらの壁は、変化するか、または可変の厚みであり得る。これは、伝統的な軸対称の丸い突出部である。図12では、アブレーションカテーテルは、所望の損傷を生成するために配置され、アブレーションカテーテルの作動領域は、例えば、肺静脈の長軸方向軸102の周りに延びるかまたはそれを取り囲む。この位置にあるアブレーションカテーテルは、アブレーションカテーテルの作動領域の長軸方向軸52は、肺静脈の長軸方向軸102を取り囲む。静脈の内部解剖学は、大いに変動し、そしてアブレーションカテーテルの作動領域を、肺静脈の長軸方向軸102がカテーテルシャフト14の長軸方向軸104と正確に整列されるように整列することは困難であるので、ポートホール44〜48が、所望され得るように肺静脈の内部表面20に対して直接的であるように静止しない可能性がある。
【0043】
図12に示されるように、これは、不規則表面上に配置されるとき、作動領域が転がるか、または移動する可能性があり、これは、伝導性流体媒体およびRFエネルギーが、図12上の矢印106、108よって示されるようにポートホールを非対称的に出て、そしてこれらポートホールを所望されるより容易に出ることを許容する。これは、次に、アブレーションカテーテル10のより効果的でない操作に至り得る。換言すれば、アブレーションカテーテルを出る伝導性流体媒体66が通るポートホール44〜48が、正確にかつ連続して肺静脈(例えば、図12中に示される左上肺静脈84)の内部表面に対して押されるとき、より良好な損傷が形成され得る。その一方、アブレーションカテーテルの外部周縁壁50(例えば、図3〜5)が、図12に示されるように、所定の角度で肺静脈の内部表面に静止するとき、伝導性流体媒体およびRFエネルギーが対称的かつ容易に、アブレーションカテーテル10と、肺静脈84の内部壁を含む組織20と間の領域から逃れる機会を提示し、より低い性質の損傷を生成する。従って、アブレーションカテーテルの遠位部分の作動領域を、アブレーションされるべき組織に対して付勢されるような形態とすることが所望される。
【0044】
図13〜19は、アブレーションカテーテルの作動領域の長軸方向軸の周りで完全に軸対象ではない断面形態を描写する。これらの断面形態は、外部周縁壁、そしてそれ故カテーテルの作動領域(例えば、存在する場合ポートホール)をアブレーションされるべき組織に対して正面から配置する好適な配向に向かって付勢する。この外側周縁壁が、肺静脈の開口または内部壁に対して付勢されるとき、アブレーションカテーテルの作動領域は、手術の間に配置するのが簡単で、そしてより安定である。1つ以上のポートホールが存在し、そして伝導性流体媒体がこれらのポートホールを通って流れる場合、伝導性流体媒体の分岐は改善され、そして血液は、アブレーションされるべき組織からより効率的に隔離され得る。
【0045】
図13および14にそれぞれ描写される第1の実施形態の第4および第5の改変物では、アブレーションカテーテルの作動領域は、D形状断面を有する。第1の実施形態の第4の改変物(多孔性伝導体が存在しない)を描写する図13に示されるように、この断面形態を有するアブレーションカテーテルが、最初、アブレーションされるべき組織(図13中の点線)と接触するとき、図13に描写される2つの湾曲した矢印110、112の方向に付勢され、全外部周縁壁26にトルクを与え、そしてアブレーションされるべき組織20(図13および14中の実線)と直接接触するように回転する。このアブレーションカテーテルの遠位部分の作動領域のこの断面形態は、それ故、処理または診断されるべき組織20に対して外部周縁壁26を配向することを支援する。描写された実施形態では、ポートホール44〜48は、この外部周縁壁26を通過する。従って、この外部周縁壁26がアブレーションされるべき組織20に対して付勢されるとき、これらポートホールは最良に配向されて所望の損傷を達成する。第1の実施形態の第5の改変物を描写する図14では、D形状の断面形態が再び示されるが、内部周縁壁64の一部分は除去されて多孔性伝導体24をポートホールの上のアブレーションカテーテルの管腔中の位置に示す。図13および14に描写された形態について、少なくとも1.5:1および好ましくは2.2:1のアスペクト比が良好に作動することが見出された。
【0046】
図15は、診断または処理される(例えば、アブレーションされる)組織20に対してカテーテルの外部周縁壁26’を付勢し得るカテーテルの遠位部分の作動領域に対する別の可能な断面形態である、第1の実施形態の第6の改変体を描写する。図15に示されるように、この作動領域が、最初に組織20(図15中の点線)に接触するとき、外部周縁壁26’は、組織20に対してできるだけ完全には静止しないかも知れない。しかし、図15中に描写される三角形の断面形態は、ここで再び、図15中に描写される2つの湾曲した矢印110’、112’の方向に外側周縁壁26’を付勢し、組織20に対して全外部周縁壁26’にトルクを与え、そして回転し、カテーテル10の遠位部分18を図15に実線で描写される方向に向かって駆動する。この外部周縁壁を組織に対して付勢するその他の形態が可能であり、そして実質的に平坦化された外部周縁壁を有する任意の形態を含む。例えば、矩形の断面形態、および少なくとも1つの平坦化外部周縁壁を含むその他の複数側面の断面形態もまた、組織20に対してこの外部周縁壁を付勢し得る。先に暗示されたように、(例えば、図13〜15に描写されるような)これらの配向付勢形態は、これら図面に描写された一連のポートホール44〜48のような流体分与多岐管とともにまたはなしで用いられ得る。
【0047】
図16〜19は、肺静脈アブレーションの間で用いられている図13および14中に最良に有利に示される断面形態を有するアブレーションカテーテルを示す。図16〜19に示されるように、肺静脈84の開口98は、種々の不規則形状を有し得る。図16では、肺静脈84の側壁は実質的に平行であるが、これらの壁は、開口98に隣接しては平行のままではなく、ここで、肺静脈は、左心房86に接続される。図16に示されるように、付勢する断面形態(例えば、この図ならびに図13および14に描写されるD形状形態)をもつ第3の湾曲したセクション58を有するカテーテルは、作動領域の長軸方向軸52’の周り、およびカテーテルシャフト14の長軸方向軸104の周りでよじれ得、それによって、アブレーションカテーテルの遠位部分の外部周縁壁26が、アブレーションされるべき組織20に対して静止されることをより良好に確実にする。図17は、肺静脈84、開口98、および左心房86についてのなお別の可能な解剖学を描写する。この図では、肺静脈の側壁は、開口近傍で分かれる。遠位部分の作動領域は、再び、開口98の近傍で作動領域の断面形態により肺静脈の内部壁に対して付勢される。図18および19は、ヒト心臓の解剖学における可能な改変物のさらなる図を提供し、そして、再び、アブレーションカテーテルの遠位部分の作動領域は、アブレーションされるべき組織20に対して付勢される。明りょうに、多くの心臓が存在すると同じ多くの心臓の解剖学が存在する。
【0048】
アブレーションカテーテルとアブレーションされるべき組織との間の接触を増大する平坦化された外部周縁壁26、26’を有する、図13〜19に描写される特有の断面形態は、多孔性伝導体24のような実質的電極を採用するアブレーションカテーテルとの使用に制限されない。図13〜19に描写される断面形態は、多孔伝導体以外(例えば、平坦ワイヤ電極およびコイル状ワイヤ電極)のアブレーションエネルギーを生成するアブレーションカテーテルと用いられ得る。これらの付勢形態は、実際の電極(例えば、伝統的なリング電極)、または実質的な電極、または選択された組織に対して正確に配向される必要があるその他のエネルギー供給源を含む、診断または治療電極を有するカテーテルの性能を増大する。
【0049】
図13〜19は、アブレーションカテーテルアセンブリと組み合わせて説明されているけれども、これらの図に示されかつ上で論議された組織に対してカテーテルの作動領域を付勢するための特有の断面形態はまた、診断カテーテルまたは組織をアブレーションしないその他のカテーテルと用いられ得る。
【0050】
本発明の好ましい実施形態がある程度詳細に上記に記載されているが、当業者が、本発明の思想または範囲から逸脱することなく開示された実施形態に対し多くの改変をなし得る。例えば、上に記載の多孔性伝導体は、別の電気的要素と用いられ得る。このような実施形態では、メッシュまたは織物は、エネルギーを分与しないかも知れず、それによって、例えば、流体分与多岐管の受動部分を備える。対照的に、上記の多孔性伝導体は、両者とも、流体分与多岐管の一部および分配物エネルギーを備える。また、図面は、複数の円形ポートホールを含むカテーテルの遠位部分を開示するが、ポートホールは円形である必要はなく、そして単一の細長いポートホールが、描写された複数のポートホールの代わりに用いられ得る。すべての方向への参照(例えば、上(upper)、下(lower)、上方、下方、左、右、左方、右方、頂、底、上(above)、下(below)、垂直、水平、時計方向、および反時計方向)は、本発明の読み手の理解を支援するための識別目的のためのみに用いられ、そして本発明の位置、配向、または使用に関して特に制限を生成しない。上記の説明に含まれ、または添付の図面に示されるすべての事項は、例示に過ぎず、そして制限的ではないことが意図される。詳細または構造における変更は、添付の請求項で規定されるような本発明の思想から逸脱することなくなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態によるアブレーションカテーテルを備えるアブレーションカテーテルアセンブリの等尺性の図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態によるアブレーションカテーテルの遠位部分の断片図であり、ここで、このカテーテルの作動領域は湾曲している。
【図3】図3は、図2の直線3−3に沿ってとった、本発明の第1の実施形態の第1の改変物によるアブレーションカテーテルの断片図であり、ここで、このアブレーションカテーテル壁の片は、2管腔遠位部分の内部特徴を示すために取り除かれている。
【図4】図4は、図3の直線4−4に沿ってとった、拡大された断片の等尺性図であり、アブレーションカテーテル壁の片は、2管腔遠位部分の形態を示すために取り除かれており、多孔性伝導体のセクションが第1の管腔中で複数のポートホールの上にあり、そして形状保持ワイヤが第2の管腔中にある。
【図5】図5は、図4と同様であるが、本発明の第1の実施形態の第2の改変物によるアブレーションカテーテルを描写し、遠位部分は、多孔性伝導体を保持する単一の管腔を有している。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態によるアブレーションカテーテルの遠位部分の断片図であり、ここで、このアブレーションカテーテルの作動領域は、真直ぐである。
【図7】図7は、図6に描写されたアブレーションカテーテルの一部分の拡大された断片図である。
【図8】図8は、図6および7に描写されるアブレーションカテーテルの遠位部分の等尺性の図であり、複数のポートホールの上に配置された多孔性伝導体を示すために内部周縁壁の一部分が取り除かれている。
【図9】図9は、心臓の等尺性の図であり、心房および心室の一部分は、左上肺静脈に隣接する左心房中の、例えば、図1〜4中に描写されるアブレーションカテーテル(または図5中に描写されたアブレーションカテーテル)の位置決めを示すために取り除かれている。
【図10】図10は、図9と同様であるが、左上肺静脈の開口の近傍位置にあるアブレーションカテーテルを描写する。
【図11】図11は、図5と類似の等尺性の図であるが、ここで、アブレーションカテーテルの作動領域は、アブレーションされるべき組織に対する位置にあり、そしてここで、伝導性流体媒体が第1の管腔内に存在し、そしてここで、RFエネルギーは、多孔性伝導体によって組織に供給されている。
【図12】図12は、図11と類似であるが、本発明の第1の実施形態の第3の改変物によるアブレーションカテーテルの遠位部分の作動領域のセクションを描写し、ここで、この作動領域は、一定の壁の厚みを持つ円形断面を有する。
【図13】図13は、図12と類似であるが、本発明の第1の実施形態の第4の改変物によるアブレーションカテーテルの遠位部分の作動領域のセクションを描写し、ここで、この作動領域は、一定の壁の厚みを持つD形状断面を有する。
【図14】図14は、図13に描写される実施形態に類似であるが、本発明の第1の実施形態の第5の改変物によるアブレーションカテーテルの遠位部分のセクションを描写し、ここで、この遠位部分は、ポートホールの上の位置における多孔性伝導体を示すように、内部周縁壁の一部分が取除かれている。
【図15】図15は、図13と類似であるが、本発明の第1の実施形態の第6の改変物によるアブレーションカテーテルの遠位部分のセクションを描写し、ここで、この遠位部分の作動領域は、三角形の断面を有する。
【図16】図16は、肺静脈の一部分および左心房の一部分の種々の断片の断面図を描写し、図13または図14に描写されるアブレーションカテーテルの実施形態のセクションが、肺静脈の開口または内部壁に対する場所にある。
【図17】図17は、肺静脈の一部分および左心房の一部分の種々の断片の断面図を描写し、図13または図14に描写されるアブレーションカテーテルの実施形態のセクションが、肺静脈の開口または内部壁に対する場所にある。
【図18】図18は、肺静脈の一部分および左心房の一部分の種々の断片の断面図を描写し、図13または図14に描写されるアブレーションカテーテルの実施形態のセクションが、肺静脈の開口または内部壁に対する場所にある。
【図19】図19は、肺静脈の一部分および左心房の一部分の種々の断片の断面図を描写し、図13または図14に描写されるアブレーションカテーテルの実施形態のセクションが、肺静脈の開口または内部壁に対する場所にある。
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2003年1月21日に出願された米国仮出願第60/441,824号(’824出願)に対する優先権を主張する。この’824出願は、本明細書中に完全に提示されるかのように、本明細書によって参考として援用される。本出願は、2003年1月17日に出願された、仮出願ではない米国出願第10/347,034号(’034出願)に関連する。この’034出願は、本明細書中に完全に提示されるかのように、本明細書によって参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
(a.発明の分野)
本発明は、組織、特にヒト心臓組織を診断および処置するためのカテーテルに関する。特に、本発明は、作動領域を有する遠位部分を備えるカテーテルに関し、そしてこの遠位部分は、診断または処置されるべき組織にこの作動領域を位置決めすることを容易にするように設計されている。
【背景技術】
【0003】
(b.背景技術)
カテーテルは、多年の間、医療手順のために使用されている。カテーテルは、そうでなければ、より侵襲的な手順なくしては接近不能である身体内の特定の位置に配置されながら、検査、診断および処置するための医療手順のために用いられ得る。これらの手順の間に、カテーテルは、身体の表面近傍の脈管中に挿入され、そして検査、診断、および処置のために身体内の特定の位置に導かれる。例えば、1つの手順は、ヒト身体内の選択された位置に電気的刺激を伝達するためにカテーテルを利用する。別の手順は、ヒト身体内で電気的活動の種々の形態をモニターするための感知電極を備えたカテーテルを利用する。
【0004】
カテーテルはまた、ヒト心臓に関する医療手順のために用いられることが増えている。代表的には、このカテーテルは、患者の脚、頸部、または腕中の動脈または静脈中に挿入され、そしてときには、脈管中を、ガイドワイヤまたは導入器の支援で、このカテーテルの遠位先端部が、心臓における医療手順のための所望の位置に到達するまで辿る。
【0005】
代表的なヒト心臓は、右心室、右心房、左心室、および左心房を含む。右心房は、上大静脈および下大動脈と流体連絡している。房室中隔は、右心房を右心室から分離する。房室中隔内に含まれた三尖弁は、右心房と右心室との間の連絡を提供する。
【0006】
正常な心臓では、心臓筋肉(心筋)の収縮と弛緩が、電気−化学的信号が、右心房の壁中に配置された特有の細胞の束を含む洞房(SA)結節から、房室(AV)結節まで、そして次に、His−Purkinjeシステムを含む良好に規定された経路に沿って、心筋を通って左心室および右心室まで、連続的に通過するとき、組織化された様式で起こる。このAV結節は、右心房中の心房中隔中の冠状静脈洞の開口の近傍にある。上記SA結節の各細胞膜は、この細胞膜が定期的に機能停止し、そしてナトリウムイオンの流入を可能にし、それによってSA結節細胞を脱分極させるように、経時的に、ナトリウムイオンを徐々に漏らすような特徴的な傾向を有している。SA結節細胞は、周辺の心房筋肉細胞と連絡し、その結果、このSA結節細胞の脱分極は、隣接する心房筋肉細胞を脱分極させる。これは、心房収縮期を生じ、ここで、心房は収縮して空になり、そして血液を心室に充填する。SA結節からのこの心房の脱分極は、AV結節によって検出され、これは、次に、短い伝導遅延の後、His束およびPurkinje線維を経由して心室中に脱分極インパルスを連絡する。このHis−Purkinjeシステムは、AV結節で開始し、そして膜の心房内中隔に沿って、三尖弁に向かい、房室中隔を通り、そして膜の心室内中隔に続く。心室内中隔のほぼ中央で、このHis−Purkinjeシステムは、右分岐および左分岐に分かれ、これらは、心室内中隔の筋肉部分の頂上をまたぐ。
【0007】
しばしば、異常なリズムが心臓中で生じ、これは、一般に不整脈と称されている。例えば、一般的な不整脈は、Wolff−Parkinson−White症候群(W−P−W)である。W−P−Wの原因は、一般に、異常な伝導経路、または心房筋肉組織を
心室筋肉組織に直接接続し、それ故、正常のHis−Purkinjeシステムをバイパスする経路の存在であると考えられている。これらの経路は、通常、心房と心室とを接続する線維組織中に位置する。
【0008】
その他の異常不整脈は、しばしば、心房中で生じ、これは、心房不整脈と称される。最も一般的な心房不整脈の3つは、異所性心房頻脈、心房細動および心房粗動である。心房細動は、顕著な患者不快、そして死亡さえ引き起こし得る。なぜなら、以下を含む多くの関連する問題のためである:患者に不快および苦悶を引き起こす不規則心拍;心臓血行動態を損ない、種々のレベルのうっ血性心不全を生じる、同調的な房室収縮の損失;および血栓塞栓症の可能性を増大する血流の停滞。
【0009】
過去において、これらの問題を軽減するための努力は、薬理学的処理の重要な用法を含んでいる。薬理学的処理はしばしば有効であるが、いくつかの状況では、薬物治療は、限られた有効性のみを有し、そして頻繁に、目まい、吐気、視覚問題、およびその他の困難のような副作用で悩まされる。
【0010】
特定タイプの心臓不整脈の処理のための、ますます一般的になりつつある医療手順は、カテーテルアブレーションである。従来のカテーテルアブレーション手順では、エネルギー供給源が、心臓組織と接触して配置され、この組織を加熱し、そして電気的に不活性または非収縮性である永久的な瘢痕または損傷を生成する。1つの手順の間、これら損傷は、心臓内で不整脈と一般に関連する現存する伝導経路を中断するように設計される。アブレーションの特定の領域は、基礎となる不整脈のタイプに依存する。1つの共通のアブレーション手順は、房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)を処理する。迅速または遅延AV結節経路のアブレーションは、Singer,Iら、「Catheter Ablation for Arrhythmias」、Clinical Manual of Electrophysiology、421〜431頁(1993)中に開示されている。心臓内の特定位置をアブレーションするための電極カテーテルの使用もまた、例えば、米国特許第4,641,649号、同第5,228,442号、同第5,231,995号、同第5,263,493号、および同第5,281,217号に開示されている。
【0011】
経中隔アプローチおよび逆行性アプローチの両方を利用して、W−P−Wに関連する付属経路をアブレーションするためにシースを備えたカテーテルアブレーションを用いる別の医療手順は、Saul,J.Pら、「Catheter Ablation of Accessory Atrioventricular Pathways in Young Patients:Use of long vascular sheaths, the transseptal approach and a retrograde left posterior parallel approach」、Journal of the American College of Cardiology、21巻、no.3、571〜583頁(1993年3月1日)に論議されている。その他のカテーテルアブレーション手順は、Swartz,J.F.,「Radiofrequency Endocardial Catheter Ablation of Accessory Atrioventricular Pathway Atrial Insertion Sites」、Circulation、87巻、no.2、487〜499頁(1993年2月)に開示されている。
【0012】
心臓内または心臓近傍の特定位置のアブレーションは、カテーテルアブレーションの正確な配置を必要とする。カテーテルアブレーションの正確な位置決めは、心臓の生理学のため、特に、心臓がアブレーション手順を通じて拍動し続けるために特に困難である。一般に、カテーテルの配置の選択は、電気生理学的指針および蛍光透視法の組み合わせによって決定される(冠状静脈洞、高位右心房、および右心室のような既知の解剖学的構造中またはそれらに配置される放射線不透過性診断カテーテルによってマークされる、心臓の既知の特徴に関係するカテーテルの配置)。
【0013】
心房不整脈の処理のために心臓中の特定位置にアブレーションカテーテルを導くために案内導入器を用いるアブレレーション手順は、例えば、米国特許第5,427,119号、同第5,497,774号、同第5,564,440号、同第5,575,766号、同第5,628,316号、および同第5,640,955号に開示されている。これらの手順の間に、アブレーション損傷が、医療手順の要素として心臓中に生成される。
【0014】
心臓組織をアブレーションし、そして永久的な損傷を生成するために必要なエネルギーは、多くの異なる供給源から提供され得る。当初は、直流が利用されたが、レーザー、マイクロ波、超音波、およびその他の形態エネルギーがまた、アブレーション手順を実施するために利用されている。しかし、DC電流の使用にともなう問題のため、高周波(RF)が、アブレーション手順のためのエネルギーの好ましい供給源になった。アブレーションのためのRFエネルギーの使用は、例えば、米国特許第4,945,912号、同第5,242,441号、同第5,246,438号、同第5,281,213号、同第5,281,218号、および同第5,293,868号に開示されている。左心房中のW−P−Wの処理のための経中隔シース内に含まれるアブレーションカテーテルを用いたRFエネルギーの使用は、Swartz,J.F.ら、「Radiofrequency Endocardial Catheter Ablation of Accessory Atrioventricular Pathway Atrial Insertion Sites」、Circulation、87巻、487〜499頁(1993)に開示されている。Tracey,C.N.「Radio Frequency Catheter Ablation of Ectopic Atrial Tachycardia Using Paced Activation Sequence Mapping」、J.Am.Coll.Cardiol.21巻、910〜917頁(1993)もまた参照のこと。
【0015】
高周波アブレーションカテーテルに加え、熱アブレーションカテーテルが開示されている。熱アブレーション手順の間に、カテーテルの遠位端に固定された加熱要素が、熱伝導性流体を加熱し、この流体は、次いで、ヒト組織と接触し、組織の温度を、この組織をアブレーションするために十分な時間の間上昇させる。熱移動を用いる熱アブレーションのための方法およびデバイスは、米国特許第5,433,708号中に開示されている。カテーテルに固定され、そして開口部を有するバルーン内に位置決めされる熱電極を利用し、バルーンが、カテーテルからバルーン中に導入された加熱伝導性流体をアブレーションされるべき組織との接触のためにバルーンから逃れるようにする、別の熱アブレーション手順が、米国特許第5,505,730号に開示されている。
【0016】
従来のアブレーション手順は、アブレーションカテーテルの先端部に固定された単一の遠位電極を利用する。しかし、ますます、心臓アブレーション手順は、カテーテル本体に固定された複数電極を利用する。これらのアブレーションカテーテルは、しばしば、例えば、米国特許第4,892,102号、同第5,228,442号、同第5,327,905号、同第5,354,297号、同第5,487,385号、および同第5,582,609号中に開示されるような、遠位先端部電極および複数のリング電極を含む。
【0017】
従来のアブレーション先端部電極を用い、心臓内に直線状の損傷を形成するために、「ドラッグ焼却」のような手順の利用を必要とする。本明細書で用いられるとき、用語「直線状損傷」は、真直ぐであるか、または湾曲しているかいずれかの、電気の伝導をブロックする細長い、連続的な損傷を意味する。「ドラッグ焼却」手順の間、アブレーションエネルギーが先端部電極に供給されながら、先端部電極は、アブレーションされるべき組織を横切って引かれ、アブレーションのラインを生成する。あるいは、アブレーションの一連の点が、先端部電極を心臓組織を横切る増分距離で移動させることにより生成されたライン中に形成される。これら手順の有効性は、心臓組織に対するアブレーションカテーテルの先端部電極の位置および接触圧、アブレーションカテーテルの先端部電極が上記組織に対して配置される時間、アブレーション手順の間に生成される熱の結果として生成される凝塊の量、を含む多くの変数、および拍動する心臓、特に、常軌を逸して拍動する心臓に関連するその他の変数に依存する。心臓組織の連続するトラックがアブレーションされなければ、アブレーションされない組織または不完全にアブレーションされた組織は電気的に活性なままであり得、不整脈を引き起こす迷走回路の継続を許容する。
【0018】
心臓組織の直線状損傷が、単一のアブレーション手順の間に形成される場合、より有効なアブレーションが達成され得ることが発見された。アブレーションカテーテルの使用による心臓中の直線状損傷の生成は、例えば、米国特許第5,487、385号、同第5,582,609号、および同第5,676,662号に開示されている。心房不整脈の処置のために心房中に形成される特定の一連の直線状損傷は、米国特許第5,575,766号に開示されている。
【0019】
これらのアブレーション手順を実施するために一般に用いられるアブレーションカテーテルは、心臓組織とアブレーションカテーテルの電極との物理的接触によって、選択された位置で電気的に不活性な組織、または非収縮性組織を生成する。しかし、隣接するリング電極を有する従来の先端部電極は、完全な直線状損傷を生成するために十分な組織をアブレーションするために大量のエネルギーが必要であるため、このタイプの手順を実施することはできない。また、従来のリング電極アブレーションは、損傷中にホールまたはギャップを残し得、これは、それにそって所望されない回路が走り得る経路を提供し得る。
【0020】
一対の相互に巻かれたらせん電極を含む心臓における使用のためのアブレーションカテーテルが、米国特許第5,334,193号に開示されている。このらせんに巻かれた電極は、カテーテル本体の遠位先端部から約8センチメートルの距離に亘り、カテーテル本体の表面に固定されている。その他のらせん電極は、米国特許第4,161,952号、同第4,776,334号、同第4,860,769号、同第4,934,049号、同第5,047,026号、同第5,542,928号、およびWO 95/10319に開示されている。
【0021】
従来のアブレーション手順の間、アブレーションエネルギーは、アブレーションさるべき組織の温度を上昇するために、組織の表面に対して配置されたカテーテル上の電極によって、心臓組織に直接送達される。組織温度におけるこの上昇はまた、電極の周辺の血液の温度上昇を引き起こし、これは、しばしば、電極上に凝塊の形成をもたらし、これは、アブレーション電極の効率を減少する。電極と血液との間の直接接触で、組織アブレーションを標的としたエネルギーのいくらかは血液中に散逸する。
【0022】
効率的かつ有効なアブレーションを達成するため、従来のアブレーションカテーテルに共通である血液の凝固は避けられるべきである。この凝固問題は、直線状アブレーション損傷またはトラックが生成されるとき、特に重要であり得る。なぜなら、このような直線状アブレーション手順は、慣習的に、単一位置のみをアブレーションするアブレーション手順より多くの時間がかかるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
いくつかの事例では、迷走電気的信号は、肺静脈を下り、そして心臓の左心房中への経路を見出す。これらの事例では、1つ以上の肺静脈の開口またはその近傍で周縁損傷を生成することが有利であり得る。望ましくは、このような周縁損傷は、左心房から肺動脈を電気的に絶縁し、迷走信号を、肺動脈を下り、かつ左心房中に走ることから完全にブロックする。現存する設計に伴う問題を避けながら、組織中にこのような周縁損傷を形成するための遠位部分を有するカテーテルを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0024】
(発明の簡単な要旨)
ヒト心臓および肺静脈内の組織を含む組織を診断および処理するための改良されたカテーテルを提供することが開示された発明の目的である。この目的およびその他の目的は、本発明によって開示されるアブレーションカテーテルによって提供される。
【0025】
本発明は、1つの形態は、組織をアブレーションするためのカテーテルであって、そして近位部分および遠位部分を有するカテーテルシャフトを含む。この遠位部分は、アブレーションされるべき組織を有する本体の腔中に挿入されるように適合され、そして上記近位部分から遠隔に配置される。上記遠位部分は、作動領域を有する外部周縁壁を備え、そしてこの遠位部分は、上記作動領域に沿った断面形態を有している。この断面形態は、アブレーションされるべき組織に対して上記作動領域を付勢するように適合されている。1つの形態では、上記作動領域に沿った断面形態は、平坦化された外部周縁壁を有する。このような断面形態は、多角形形態を含む。本明細書で用いられるとき、「多角形形態」は、湾曲した線セグメントまたは湾曲した側面を含み得る。従って、D形状、三角形、または矩形の断面形態は、その用語が本明細書で用いられるように、すべて多角形形態である。平坦化された外部周縁壁を有する断面形態はまた、例えば、楕円形の形態を含み得る。
【0026】
別の形態では、本発明は、組織を診断および処理するためのカテーテルである。このカテーテルは、近位部分および遠位部分を有するカテーテルシャフトを備える。この遠位部分は、湾曲しているかまたは真直ぐであり得、作動領域および少なくとも1つの管腔を備える。この作動領域は、長軸方向軸を有し、そして少なくとも1の管腔が、ワイヤ、光ファイバー、および種々の機能目的のための流体を保持するように適合されている。本発明のこの形態では、上記遠位部分は、上記作動領域の長軸方向軸を含む少なくとも1つの平面の周りで非対称である断面形態を有する。
【0027】
本発明のより詳細な説明が、以下の説明および特許請求の範囲に提供され、そして添付の図面に示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(発明の詳細な説明)
一般に、本発明は、アブレーションカテーテル10に関し、これは、アブレーションカテーテルアセンブリ12の一部を構成し得、ここで、このアブレーションカテーテル10は、近位部分16、およびこのアブレーションカテーテル10内に取り付けられた多孔性伝導体(例えば、メッシュまたは織物)24(例えば、図3〜5を参照のこと)または24’(例えば、図8を参照のこと)から出るエネルギー22を用いて組織20(例えば、図11を参照のこと)をアブレーションするための特有の遠位部分18(例えば、図1〜3を参照のこと)または18’(例えば、図6〜8を参照のこと)を有するカテーテルシャフト14を備え、および/またはこのアブレーションカテーテル10の遠位部分は、このカテーテルを、アブレーションされるべき組織20に対してこのカテーテルの作動領域38(例えば、図2および3を参照のこと)または38’(例えば、図6を参照のこと)の平坦化された外部周縁壁26、26’(例えば、図13〜15を参照のこと)を所望の配向に付勢するように適合されている、断面形態を有し得る。本明細書で用いられるとき、「平坦化された」外部周縁壁は、単なる「平らな」外部周縁壁より多くを包含する。例えば、いくらか卵形または楕円形形態は、本明細書で用いられるようなこの用語の意味内にある少なくとも1つの平坦化された壁を有する。カテーテルシャフト14は、多くの異なるポリマー(例えば、ポリウレタン、ポリプロピレン、配向ポリプロピレン、ポリエチレン、結晶化ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなど)から構築され得る。
【0029】
図1は、本発明の第1の実施形態によるアブレーションカテーテル10を有するアブレーションカテーテルアセンブリ12を下方向に見る等尺性の図である。この第1の実施形態では、アブレーションカテーテル10の遠位部分18は湾曲している(図2〜5もまた参照のこと)。図1に描写されるように、このアブレーションカテーテル10は、内部案内導入器28および外部案内導入器30と組み合わせて用いられ得る。あるいは、単一の案内導入器が用いられ得るか、若しくは、1つ以上の案内導入器の代わりに、予め湾曲された経中隔シースが用いられ得る。一般に、この案内導入器、これらの案内導入器、または予め湾曲された経中隔シースは、アブレーションされるべき組織20でアブレーションカテーテル10の配置を容易にするような形態である。従って、例えば、この案内導入器、またはこれらの案内導入器、または予め湾曲された経中隔シースは、心臓32およびその複雑な生理機能を通じて航海し、アブレーションされるべき特異的組織に到達することを可能にする。図6〜8は、本発明によりアブレーションカテーテル10の第2の実施形態を描写する。
【0030】
図1〜8に示されるように、本発明によるアブレーションカテーテル10は、湾曲した遠位部分18(例えば、図1〜3を参照のこと)、または真直ぐな遠位部分18’(例えば、図6〜8を参照のこと)を有し得る。この遠位部分は、湾曲または真直ぐにかかわらず、1つ以上の管腔34、36を含み、ワイヤ、光ファイバー、または種々の機能的目的のための流体(例えば、伝導性流体または放射線不透過性流体)、および組織の実際のアブレレーションを実施する作動領域38(例えば、図2および3を参照のこと)または38’(例えば、図6を参照のこと)を保持する。これら管腔に存在し得るワイヤは、例えば、この遠位部分の支持を提供するか、またはこの遠位部分の位置決め能力を増大する金属性または非金属製ワイヤ(例えば、形状保持ワイヤ40(例えば、図3および4を参照のこと)または形状記憶ワイヤ若しくは超弾性ワイヤ)を含み得る。これらワイヤはまた、上記遠位部分から診断用電気的信号を、またはこの遠位部分に治療用エネルギーを伝導するために用いられ得る。両方の実施形態では、複数のポートホール44〜48(図2〜5および図6〜8)が、作動領域38(例えば、図2を参照のこと)または38’(例えば、図6を参照のこと)のポートホール中央線42(例えば、図2を参照のこと)または42’(例えば、図6および7を参照のこと)に沿って延びる。これらのポートホールは、最近位または第1のポートホール44(例えば、図3を参照のこと)または44’(例えば、図6を参照のこと)、最遠位または最後のポートホール46(例えば、図2および3を参照のこと)または46’(例えば、図6および7を参照のこと)、および複数の中間ポートホール48(例えば、図2〜5を参照のこと)または48’(例えば、図6〜8を参照のこと)を含む。上記ポートホールの中央線42、42’は、遠位部分の外部周縁壁50(例えば、図3〜5を参照のこと)または50’(例えば、図6および7を参照のこと)に沿って、作動領域を規定するアブレーションカテーテルの部分の長軸方向軸52(例えば、図12を参照のこと)、52’(例えば、図13および14を参照のこと)、または52’’(例えば、図15を参照のこと)に平行に延びる。
【0031】
図1〜5に示されるように、アブレーションカテーテル10の第1の実施形態では、上記遠位部分18は、第1の湾曲部分54、第2の湾曲部分56、および第3の湾曲部分58を備え、これらは、ともに、この実施形態では、単一のコンポーネントを備えるが、一緒に接続された別個の片を備え得る。アブレーション電極であり得る、丸い先端部60が図2および3中に明りょうに見られる。代表的には、編組みシャフトであるカテーテルシャフト14は、アブレーションされるべき組織に隣接する、カテーテルシャフト14の遠位部分18の位置から、アブレーションされるべき組織を含む身体の外側であるカテーテルシャフト14の近位部分16までの遠回り経路に従う「真直ぐ」なセクション62(例えば、図2を参照のこと)を備える。この真直ぐなセクション62は、遠位部分18に接続される。この第1の実施形態では、第3の湾曲部分58が作動領域38を備える。図2および3中に良好に有利に示されるように、第1の実施形態では、作動領域38は、ポートホール中央線42に沿って、外部周縁壁50の半径方向頂端に沿ってある。この遠位部分18の作動領域38は、アブレーションされるべき組織20(例えば、肺静脈の内部壁)に対して配置される複数のポートホール44〜48を含む部分である。
【0032】
図3および4は、図1および2に描写されるアブレーションカテーテル10の第1の実施形態の第1の改変物を描写する。この第1の実施形態の第1の改変物では、アブレーションカテーテル10は、外部周縁壁50に隣接する第1の管腔34、および内部周縁壁64に隣接する第2の管腔36を含む2管腔の遠位部分18を有する実質的な電極アブレーションカテーテルである。図3は、図2の直線3−3に沿ってとったアブレーションカテーテルの遠位部分18の断片図であり、ここで、アブレーションカテーテル壁の部分が取り除かれ、2管腔の遠位部分18の内部特徴を示す。図4は、図3の直線4−4に沿ってとった拡大断片等尺性の図であり、アブレーションカテーテル壁の部分が取り除かれている。図3および4に明りょうに示されるように、この第1の実施形態の第1の改変物は、複数のポートホール44〜48に亘り第1の管腔34の内側に取り付けられ、それによって、多孔性流体分与多岐管を形成する多孔性伝導体24(例えば、金属メッシュまたは織物電極)を備える。図3および4の実施形態における第2の管腔36は、形状保持ワイヤ40を含む(例えば、NitinolまたはNiTiワイヤ)。上記第1の管腔34は、アブレーションカテーテルの使用の間、伝導性流体媒体66(例えば、高張生理食塩水)を運搬するように適合されている。この伝導性流体媒体は、例えば、図11中に見られ得る。電気配線68は、アブレーションエネルギー22を多孔性伝導体24に供給する。この電気配線68は、アブレーションカテーテル10の遠位部分18で多孔性伝導体24に接続される1つの端部、および図1に描写されるアブレーションカテーテルアセンブリ12の近位部分16で公知の様式でエネルギー供給源(示さず)に接続されるその対向する端部を有する。
【0033】
図5は、本発明によるアブレーションカテーテルの第1の実施形態の第2の改変物を描写する。この第2の改変物では、アブレーションカテーテルの遠位部分は、第1の管腔34のみを有する。この第1の実施形態の特定の改変物では、アブレーションカテーテルの遠位部分は、潜在的に1つ以上の厚化領域70に起因する所望の形態を十分に保持する材料から製造されるか、またはこのアブレーションカテーテルの遠位部分は特定の形態を保持する必要がないかのいずれかであり得る。
【0034】
図6〜8は、本発明の第2の実施形態によるアブレーションカテーテル10の遠位部分18’の断片図を描写し、ここで、このアブレーションカテーテル10は、再び、実質的な電極アブレーションカテーテルである。この第2の実施形態によるアブレーションカテーテルの作動領域38’は真直ぐである。本発明によるアブレーションカテーテルの遠位部分の第2の実施形態の断片の等尺性の図である図8では、内部周縁壁64’の部分が除去されてポートホール48’の上の位置にある多孔性伝導体24’を示す。本発明によるアブレーションカテーテル10の遠位部分18’のこの第2の実施形態では、このアブレーションカテーテル10は、伝導性流体媒体が、アブレーションカテーテルの近位部分からアブレーションカテーテルの遠位部分まで流れ得る少なくとも1つの管腔を有する。この伝導性流体媒体は、多孔性伝導体24’を通って流れ得、そして以下にさらに論議されるように、複数のポートホール44’〜48’を通ってアブレーションカテーテル10の遠位部分18’を出る。アブレーション電極であり得る丸い先端部60もまた、図6〜8に見られ得る。
【0035】
多孔性伝導体24(例えば、図3〜5を参照のこと)または24’(例えば、図8を参照のこと)は、それが形成された後アブレーションカテーテル10に取り付けられ得るか(例えば、結合または摩擦により適合)、またはアブレーションカテーテル10は、多孔性伝導体の周りに形成され得る。多孔性伝導体が、形成されたアブレーションカテーテル中に取り付けられる場合、テーパー状のマンドレルが、この多孔性伝導体を、適切な管腔の内部形態に配置し、そしてそれに一致させるために用いられ得る。これらポートホールは、多孔性伝導体が取り付けられる前または後に形成され得る(例えば、成形また穿孔)。この多孔性伝導体は、多孔性伝導体が取り付けられる管腔の全内部表面または全部よりは少ない内部表面に重層され得る。
【0036】
残りの図9〜19は、使用、例えば、肺静脈中の組織をアブレーションする本発明によるアブレーションカテーテル10を描写する。図9および10は、心臓32の多くの主要なコンポーネントを読み手に向けて示す。詳細には、図9および10の上左手部分で開始し、そして反時計方向に心臓の周縁の周りに作業して、心臓の以下の部分が描写される:上大静脈72、右心房74、下大静脈76、右心室78、左心室80、左下肺静脈82、左上肺静脈84、左心房86、右上肺静脈88、右下肺静脈90、左肺動脈92、大動脈のアーチ94、および右肺動脈96。
【0037】
第1の実施形態によるアブレーションカテーテル10の遠位部分18は、例えば、右静脈系が以下のように最初に接近され得る「Seldinger技法」のような公知の手順を用いて、左上肺静脈84の開口98に隣接して配置される(図9を参照のこと)。(大腿静脈のような)末梢静脈がニードルで刺され、この穿刺創傷は、開創器で、案内導入器または経中隔シースを収容するに十分なサイズに開創される。少なくとも1つの止血バルブを備えた案内導入器または経中隔シース(図1を参照のこと)は、相対的止血を維持しながら開創された穿刺創傷内に静止される。案内導入器または経中隔シースを適所において、アブレーションカテーテル10が案内導入器または経中隔シースの止血バルブを通って導入され、そして末梢静脈に沿って、大静脈の領域中(例えば、下大静脈76)、および右心房74中に進行される。そこから、このアブレーションカテーテル10は、その案内導入器または経中隔シースとともに、心房間中隔中のホールを通ってさらに進行され、これを、医者は、アブレーションカテーテル10を案内導入器または経中隔シース、および左心房86中に挿入する前になし得る。一旦案内導入器または経中隔シースが、左心房86中に入ると、それは、図9および10に描写される個々の位置に進行される。アブレーションカテーテル10は、上記遠位部分18の作動領域が、案内導入器または経中隔シースから延びるまで、または案内導入器または経中隔シースが退却され、アブレーションカテーテル10の遠位部分18を剥き出し得るまで進行され得る。図10では、第1の実施形態によるアブレーションカテーテル10の遠位部分18は、左上肺静脈84の開口98の近傍にある。
【0038】
アブレーションカテーテル10の遠位部分18は、図10に描写されるよう左上肺静脈84の開口98の近傍にある間、多孔性伝導体24(例えば、図3〜5を参照のこと)は、活性化されて所望の損傷を生成する。図11に示されるように、アブレーションカテーテルの活性化の間に、伝導性流体媒体66は、第1の管腔34を通り、多孔性伝導体24を超え、そしてポートホール44〜48から出て流れている。この多孔性伝導体24は、アブレーションカテーテルが活性であるとき、アブレーションエネルギー22(例えば、高周波またはRFエルネギー)を、この伝導性流体媒体66を経由して組織20に送達する。この多孔性伝導体24から出るRFエネルギー22は、第1の管腔34中に含まれる伝導性流体媒体66を通り、ポートホール44〜48を通り、そして隣接する組織20中に通過する。従って、アブレーションカテーテル10が、多孔性コンダクター24を通り、そしてポートホール44〜48から出て流れる伝導性流体媒体66と作動しているとき、アブレーションエネルギー22は、ポートホール44〜48を通じて組織20に直接送達される。この実施形態では、損傷は、RFエネルギー22によって組織20中に形成される。損傷形成はまた、アブレーションエネルギー22が組織の表面の下に送達されている間、組織20の表面を対流により冷却する伝導性流体媒体66によって容易または促進され得る。これは、形成される凝塊の量をまた低減しながら、組織20の表面への過剰な損傷を阻害する。このRFエネルギー22は、上記伝導性流体媒体66が組織20の表面を対流によって冷却しながら、隣接組織20中に伝導される。
【0039】
アブレーションカテーテルが十分な損傷を形成するために、組織の温度を、適切な長さの時間の間少なくとも50〜60℃まで上げることが所望される。従って、十分なRFエネルギーが多孔性伝導体に供給されなければならず、所望の持続時間の間隣接する組織で損傷形成する温度を生成する。この伝導性流体媒体の流速が適切に調節されるとき、この伝導性流体媒体は、淀みまたは再循環を避けるに、かつカテーテルと組織との間のギャップから血液を押して離すに十分な速度で流れる。この流速は、この伝導性流体媒体の蒸発を避けるか、または最小にするに十分高くあるべきである。なぜなら、このような蒸発は、組織へのアブレーションエネルギーの送達を阻害し得るからである。先に述べたように、アブレーションカテーテルの遠位部分は、多孔性伝導体から、伝導性流体媒体を通り、かつ組織中へのアブレーションエネルギーの直接伝導により損傷を形成する。
【0040】
多孔性伝導体およびポートホールを通って流れる伝導性流体媒体は、血液がアブレーションカテーテルの遠位部分中に流れることを防ぎ、そしてポートホールに隣接する領域から血液を押す。これは、患者に対して所望されない影響を有し得る凝塊の形成を防ぐ。上で述べたように、この伝導性流体媒体は、電極が伝導性流体媒体を過熱すること、および第1の管腔中で蒸気を生成することを防ぐ速度で流される。この伝導性流体媒体が沸騰すると、蒸気を形成し、隣接組織中に所望の損傷を形成するアブレーションカテーテルの能力は、大いに低減されるか、または阻害される。なぜなら、アブレーションエネルギーは、不十分な量で、組織に到達することが出来ないかもしれないからである。従って、第1の管腔を通り、多孔性伝導体を通り、およびポートホールからの伝導性流体媒体の流れは、蒸発を防ぐには十分であるが、カテーテルと組織開口部との間のギャップを流れ、この多孔性伝導体が、隣接組織に十分なエネルギーを送達し得、所望の損傷を形成することを禁止するようには多くないように管理または調節される。このカテーテルと組織との間のギャップが大きくなり過ぎると、アブレーションエネルギーの所望されない量が、組織よりもむしろ血液に通過し得る。また、伝導性流体媒体が、速すぎる流速でポートホールから出て流れる場合、患者血液の組成は、患者の血液と混合されている過剰量の伝導性流体媒体によって悪く影響され得る。
【0041】
この伝導性流体媒体の所望の流速は、例えば、第1の管腔を通って伝導性流体媒体を押す圧力を調節すること、第1の管腔のサイズを変更すること、第1の管腔の内部壁上の仕上げを変更すること、ポートホールのサイズまたは分布を変更すること、ポートホールの断面形態を変更すること、ポートホール間の間隔100(図7)を改変すること、および/または最初のポートホールと最後のポートホールとの間のポートホール直径の勾配を、このような勾配が存在するときはいつでも変更することによって達成される。伝導性流体媒体の流速を調節するとき考慮され得る別の因子は、多孔性伝導体の形態である。例えば、ギャップまたはポアのサイズは、アブレーションカテーテルの遠位部分を通る満足な流速を確立することを試みるときに調節され得る。この多孔性伝導体は、ポートホールからの伝導性流体媒体の流れを有意に制限し得る。約10〜50マイクロメートルのメッシュギャップサイズを持つ金属メッシュ電極は、例えば、伝導性流体媒体の所望の流速を許容し得る。アブレーションカテーテルの遠位部分の特異的な形態はまた、伝導性流体媒体の流速に影響し得る。例えば、アブレーションカテーテルの第1の実施形態では(例えば、図1〜3を参照のこと)、遠位部分18の作動領域38の湾曲の半径は、伝導性流体媒体66のポートホール44〜48から出て流れる傾向に影響する。
【0042】
図12は、本発明の第1の実施形態の第3の改変物によるアブレーションカテーテル10の作動領域の一部分の断片等尺図である。この改変物では、アブレーションカテーテル10は、円形の断面および一定厚みの壁(カテーテル壁が厚化領域70を有する図5と比較のこと)を有するが、これらの壁は、変化するか、または可変の厚みであり得る。これは、伝統的な軸対称の丸い突出部である。図12では、アブレーションカテーテルは、所望の損傷を生成するために配置され、アブレーションカテーテルの作動領域は、例えば、肺静脈の長軸方向軸102の周りに延びるかまたはそれを取り囲む。この位置にあるアブレーションカテーテルは、アブレーションカテーテルの作動領域の長軸方向軸52は、肺静脈の長軸方向軸102を取り囲む。静脈の内部解剖学は、大いに変動し、そしてアブレーションカテーテルの作動領域を、肺静脈の長軸方向軸102がカテーテルシャフト14の長軸方向軸104と正確に整列されるように整列することは困難であるので、ポートホール44〜48が、所望され得るように肺静脈の内部表面20に対して直接的であるように静止しない可能性がある。
【0043】
図12に示されるように、これは、不規則表面上に配置されるとき、作動領域が転がるか、または移動する可能性があり、これは、伝導性流体媒体およびRFエネルギーが、図12上の矢印106、108よって示されるようにポートホールを非対称的に出て、そしてこれらポートホールを所望されるより容易に出ることを許容する。これは、次に、アブレーションカテーテル10のより効果的でない操作に至り得る。換言すれば、アブレーションカテーテルを出る伝導性流体媒体66が通るポートホール44〜48が、正確にかつ連続して肺静脈(例えば、図12中に示される左上肺静脈84)の内部表面に対して押されるとき、より良好な損傷が形成され得る。その一方、アブレーションカテーテルの外部周縁壁50(例えば、図3〜5)が、図12に示されるように、所定の角度で肺静脈の内部表面に静止するとき、伝導性流体媒体およびRFエネルギーが対称的かつ容易に、アブレーションカテーテル10と、肺静脈84の内部壁を含む組織20と間の領域から逃れる機会を提示し、より低い性質の損傷を生成する。従って、アブレーションカテーテルの遠位部分の作動領域を、アブレーションされるべき組織に対して付勢されるような形態とすることが所望される。
【0044】
図13〜19は、アブレーションカテーテルの作動領域の長軸方向軸の周りで完全に軸対象ではない断面形態を描写する。これらの断面形態は、外部周縁壁、そしてそれ故カテーテルの作動領域(例えば、存在する場合ポートホール)をアブレーションされるべき組織に対して正面から配置する好適な配向に向かって付勢する。この外側周縁壁が、肺静脈の開口または内部壁に対して付勢されるとき、アブレーションカテーテルの作動領域は、手術の間に配置するのが簡単で、そしてより安定である。1つ以上のポートホールが存在し、そして伝導性流体媒体がこれらのポートホールを通って流れる場合、伝導性流体媒体の分岐は改善され、そして血液は、アブレーションされるべき組織からより効率的に隔離され得る。
【0045】
図13および14にそれぞれ描写される第1の実施形態の第4および第5の改変物では、アブレーションカテーテルの作動領域は、D形状断面を有する。第1の実施形態の第4の改変物(多孔性伝導体が存在しない)を描写する図13に示されるように、この断面形態を有するアブレーションカテーテルが、最初、アブレーションされるべき組織(図13中の点線)と接触するとき、図13に描写される2つの湾曲した矢印110、112の方向に付勢され、全外部周縁壁26にトルクを与え、そしてアブレーションされるべき組織20(図13および14中の実線)と直接接触するように回転する。このアブレーションカテーテルの遠位部分の作動領域のこの断面形態は、それ故、処理または診断されるべき組織20に対して外部周縁壁26を配向することを支援する。描写された実施形態では、ポートホール44〜48は、この外部周縁壁26を通過する。従って、この外部周縁壁26がアブレーションされるべき組織20に対して付勢されるとき、これらポートホールは最良に配向されて所望の損傷を達成する。第1の実施形態の第5の改変物を描写する図14では、D形状の断面形態が再び示されるが、内部周縁壁64の一部分は除去されて多孔性伝導体24をポートホールの上のアブレーションカテーテルの管腔中の位置に示す。図13および14に描写された形態について、少なくとも1.5:1および好ましくは2.2:1のアスペクト比が良好に作動することが見出された。
【0046】
図15は、診断または処理される(例えば、アブレーションされる)組織20に対してカテーテルの外部周縁壁26’を付勢し得るカテーテルの遠位部分の作動領域に対する別の可能な断面形態である、第1の実施形態の第6の改変体を描写する。図15に示されるように、この作動領域が、最初に組織20(図15中の点線)に接触するとき、外部周縁壁26’は、組織20に対してできるだけ完全には静止しないかも知れない。しかし、図15中に描写される三角形の断面形態は、ここで再び、図15中に描写される2つの湾曲した矢印110’、112’の方向に外側周縁壁26’を付勢し、組織20に対して全外部周縁壁26’にトルクを与え、そして回転し、カテーテル10の遠位部分18を図15に実線で描写される方向に向かって駆動する。この外部周縁壁を組織に対して付勢するその他の形態が可能であり、そして実質的に平坦化された外部周縁壁を有する任意の形態を含む。例えば、矩形の断面形態、および少なくとも1つの平坦化外部周縁壁を含むその他の複数側面の断面形態もまた、組織20に対してこの外部周縁壁を付勢し得る。先に暗示されたように、(例えば、図13〜15に描写されるような)これらの配向付勢形態は、これら図面に描写された一連のポートホール44〜48のような流体分与多岐管とともにまたはなしで用いられ得る。
【0047】
図16〜19は、肺静脈アブレーションの間で用いられている図13および14中に最良に有利に示される断面形態を有するアブレーションカテーテルを示す。図16〜19に示されるように、肺静脈84の開口98は、種々の不規則形状を有し得る。図16では、肺静脈84の側壁は実質的に平行であるが、これらの壁は、開口98に隣接しては平行のままではなく、ここで、肺静脈は、左心房86に接続される。図16に示されるように、付勢する断面形態(例えば、この図ならびに図13および14に描写されるD形状形態)をもつ第3の湾曲したセクション58を有するカテーテルは、作動領域の長軸方向軸52’の周り、およびカテーテルシャフト14の長軸方向軸104の周りでよじれ得、それによって、アブレーションカテーテルの遠位部分の外部周縁壁26が、アブレーションされるべき組織20に対して静止されることをより良好に確実にする。図17は、肺静脈84、開口98、および左心房86についてのなお別の可能な解剖学を描写する。この図では、肺静脈の側壁は、開口近傍で分かれる。遠位部分の作動領域は、再び、開口98の近傍で作動領域の断面形態により肺静脈の内部壁に対して付勢される。図18および19は、ヒト心臓の解剖学における可能な改変物のさらなる図を提供し、そして、再び、アブレーションカテーテルの遠位部分の作動領域は、アブレーションされるべき組織20に対して付勢される。明りょうに、多くの心臓が存在すると同じ多くの心臓の解剖学が存在する。
【0048】
アブレーションカテーテルとアブレーションされるべき組織との間の接触を増大する平坦化された外部周縁壁26、26’を有する、図13〜19に描写される特有の断面形態は、多孔性伝導体24のような実質的電極を採用するアブレーションカテーテルとの使用に制限されない。図13〜19に描写される断面形態は、多孔伝導体以外(例えば、平坦ワイヤ電極およびコイル状ワイヤ電極)のアブレーションエネルギーを生成するアブレーションカテーテルと用いられ得る。これらの付勢形態は、実際の電極(例えば、伝統的なリング電極)、または実質的な電極、または選択された組織に対して正確に配向される必要があるその他のエネルギー供給源を含む、診断または治療電極を有するカテーテルの性能を増大する。
【0049】
図13〜19は、アブレーションカテーテルアセンブリと組み合わせて説明されているけれども、これらの図に示されかつ上で論議された組織に対してカテーテルの作動領域を付勢するための特有の断面形態はまた、診断カテーテルまたは組織をアブレーションしないその他のカテーテルと用いられ得る。
【0050】
本発明の好ましい実施形態がある程度詳細に上記に記載されているが、当業者が、本発明の思想または範囲から逸脱することなく開示された実施形態に対し多くの改変をなし得る。例えば、上に記載の多孔性伝導体は、別の電気的要素と用いられ得る。このような実施形態では、メッシュまたは織物は、エネルギーを分与しないかも知れず、それによって、例えば、流体分与多岐管の受動部分を備える。対照的に、上記の多孔性伝導体は、両者とも、流体分与多岐管の一部および分配物エネルギーを備える。また、図面は、複数の円形ポートホールを含むカテーテルの遠位部分を開示するが、ポートホールは円形である必要はなく、そして単一の細長いポートホールが、描写された複数のポートホールの代わりに用いられ得る。すべての方向への参照(例えば、上(upper)、下(lower)、上方、下方、左、右、左方、右方、頂、底、上(above)、下(below)、垂直、水平、時計方向、および反時計方向)は、本発明の読み手の理解を支援するための識別目的のためのみに用いられ、そして本発明の位置、配向、または使用に関して特に制限を生成しない。上記の説明に含まれ、または添付の図面に示されるすべての事項は、例示に過ぎず、そして制限的ではないことが意図される。詳細または構造における変更は、添付の請求項で規定されるような本発明の思想から逸脱することなくなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態によるアブレーションカテーテルを備えるアブレーションカテーテルアセンブリの等尺性の図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態によるアブレーションカテーテルの遠位部分の断片図であり、ここで、このカテーテルの作動領域は湾曲している。
【図3】図3は、図2の直線3−3に沿ってとった、本発明の第1の実施形態の第1の改変物によるアブレーションカテーテルの断片図であり、ここで、このアブレーションカテーテル壁の片は、2管腔遠位部分の内部特徴を示すために取り除かれている。
【図4】図4は、図3の直線4−4に沿ってとった、拡大された断片の等尺性図であり、アブレーションカテーテル壁の片は、2管腔遠位部分の形態を示すために取り除かれており、多孔性伝導体のセクションが第1の管腔中で複数のポートホールの上にあり、そして形状保持ワイヤが第2の管腔中にある。
【図5】図5は、図4と同様であるが、本発明の第1の実施形態の第2の改変物によるアブレーションカテーテルを描写し、遠位部分は、多孔性伝導体を保持する単一の管腔を有している。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態によるアブレーションカテーテルの遠位部分の断片図であり、ここで、このアブレーションカテーテルの作動領域は、真直ぐである。
【図7】図7は、図6に描写されたアブレーションカテーテルの一部分の拡大された断片図である。
【図8】図8は、図6および7に描写されるアブレーションカテーテルの遠位部分の等尺性の図であり、複数のポートホールの上に配置された多孔性伝導体を示すために内部周縁壁の一部分が取り除かれている。
【図9】図9は、心臓の等尺性の図であり、心房および心室の一部分は、左上肺静脈に隣接する左心房中の、例えば、図1〜4中に描写されるアブレーションカテーテル(または図5中に描写されたアブレーションカテーテル)の位置決めを示すために取り除かれている。
【図10】図10は、図9と同様であるが、左上肺静脈の開口の近傍位置にあるアブレーションカテーテルを描写する。
【図11】図11は、図5と類似の等尺性の図であるが、ここで、アブレーションカテーテルの作動領域は、アブレーションされるべき組織に対する位置にあり、そしてここで、伝導性流体媒体が第1の管腔内に存在し、そしてここで、RFエネルギーは、多孔性伝導体によって組織に供給されている。
【図12】図12は、図11と類似であるが、本発明の第1の実施形態の第3の改変物によるアブレーションカテーテルの遠位部分の作動領域のセクションを描写し、ここで、この作動領域は、一定の壁の厚みを持つ円形断面を有する。
【図13】図13は、図12と類似であるが、本発明の第1の実施形態の第4の改変物によるアブレーションカテーテルの遠位部分の作動領域のセクションを描写し、ここで、この作動領域は、一定の壁の厚みを持つD形状断面を有する。
【図14】図14は、図13に描写される実施形態に類似であるが、本発明の第1の実施形態の第5の改変物によるアブレーションカテーテルの遠位部分のセクションを描写し、ここで、この遠位部分は、ポートホールの上の位置における多孔性伝導体を示すように、内部周縁壁の一部分が取除かれている。
【図15】図15は、図13と類似であるが、本発明の第1の実施形態の第6の改変物によるアブレーションカテーテルの遠位部分のセクションを描写し、ここで、この遠位部分の作動領域は、三角形の断面を有する。
【図16】図16は、肺静脈の一部分および左心房の一部分の種々の断片の断面図を描写し、図13または図14に描写されるアブレーションカテーテルの実施形態のセクションが、肺静脈の開口または内部壁に対する場所にある。
【図17】図17は、肺静脈の一部分および左心房の一部分の種々の断片の断面図を描写し、図13または図14に描写されるアブレーションカテーテルの実施形態のセクションが、肺静脈の開口または内部壁に対する場所にある。
【図18】図18は、肺静脈の一部分および左心房の一部分の種々の断片の断面図を描写し、図13または図14に描写されるアブレーションカテーテルの実施形態のセクションが、肺静脈の開口または内部壁に対する場所にある。
【図19】図19は、肺静脈の一部分および左心房の一部分の種々の断片の断面図を描写し、図13または図14に描写されるアブレーションカテーテルの実施形態のセクションが、肺静脈の開口または内部壁に対する場所にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシャフトを備えるアブレーションカテーテルであって、該カテ−テルシャフトが、
近位部分、および遠位部分を備え、該遠位部分が、アブレーションされるべき組織を有する身体の腔中に挿入されるように適合され、かつ、該近位部分から遠隔に配置され、該遠位部分が、作動領域を有する外部周縁壁を備え、ここで、該遠位部分が、該作動領域に沿って断面形態を有し、そしてここで該断面形態が、該作動領域をアブレーションされるべき組織に対して付勢するように適合されている、アブレーションカテーテル。
【請求項2】
前記作動領域の前記断面形態が、平坦化された外部周縁壁を含む、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項3】
前記作動領域の前記断面形態が、矩形である、請求項2に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項4】
前記作動領域の前記断面形態が、楕円形である、請求項2に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項5】
前記作動領域の前記断面形態が、多角形形態である、請求項2に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項6】
前記多角形形態が、D形状形態、三角形形態、および矩形形態からなる群から選択される、請求項5に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項7】
前記作動領域の前記断面形態が、少なくとも1.5:1のアスペクト比を有するD形状形態である、請求項2に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項8】
組織を診断および処理するためのカテーテルであって、該カテーテルは、近位部分および遠位部分を有するカテーテルシャフトを備え、ここで、該遠位部分が、
長軸方向軸を有する作動領域;および
ワイヤ、光ファイバー、および種々の機能的目的のための流体を保持するように適合された少なくとも1つの管腔を備え、
そして、ここで、該遠位部分が、該作動領域の長軸方向軸を含む少なくとも1つの平面の周りで非対称である、断面形態を有する、カテーテル。
【請求項9】
前記遠位部分が湾曲している、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記遠位部分が真直ぐである、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記遠位部分の断面形態が、前記組織に対して配向されるよう適合されている、平坦化された外側周縁壁を規定する、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記遠位部分の断面形態が、多角形である、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記遠位部分の断面形態が、三角形である、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記作動領域が、前記平坦化された外側周縁壁を通る複数のポートホールを含む、請求項12または13に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記断面形態が、D形状の断面形態である、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記D形状の断面形態が、少なくもと1.5:1のアスペクト比を有する、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記D形状の断面形態が、2.2:1のアスペクト比を有する、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記作動領域が、前記平坦化された外側周縁壁を通る複数のポートホールを含む、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項1】
カテーテルシャフトを備えるアブレーションカテーテルであって、該カテ−テルシャフトが、
近位部分、および遠位部分を備え、該遠位部分が、アブレーションされるべき組織を有する身体の腔中に挿入されるように適合され、かつ、該近位部分から遠隔に配置され、該遠位部分が、作動領域を有する外部周縁壁を備え、ここで、該遠位部分が、該作動領域に沿って断面形態を有し、そしてここで該断面形態が、該作動領域をアブレーションされるべき組織に対して付勢するように適合されている、アブレーションカテーテル。
【請求項2】
前記作動領域の前記断面形態が、平坦化された外部周縁壁を含む、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項3】
前記作動領域の前記断面形態が、矩形である、請求項2に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項4】
前記作動領域の前記断面形態が、楕円形である、請求項2に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項5】
前記作動領域の前記断面形態が、多角形形態である、請求項2に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項6】
前記多角形形態が、D形状形態、三角形形態、および矩形形態からなる群から選択される、請求項5に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項7】
前記作動領域の前記断面形態が、少なくとも1.5:1のアスペクト比を有するD形状形態である、請求項2に記載のアブレーションカテーテル。
【請求項8】
組織を診断および処理するためのカテーテルであって、該カテーテルは、近位部分および遠位部分を有するカテーテルシャフトを備え、ここで、該遠位部分が、
長軸方向軸を有する作動領域;および
ワイヤ、光ファイバー、および種々の機能的目的のための流体を保持するように適合された少なくとも1つの管腔を備え、
そして、ここで、該遠位部分が、該作動領域の長軸方向軸を含む少なくとも1つの平面の周りで非対称である、断面形態を有する、カテーテル。
【請求項9】
前記遠位部分が湾曲している、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記遠位部分が真直ぐである、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記遠位部分の断面形態が、前記組織に対して配向されるよう適合されている、平坦化された外側周縁壁を規定する、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記遠位部分の断面形態が、多角形である、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記遠位部分の断面形態が、三角形である、請求項12に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記作動領域が、前記平坦化された外側周縁壁を通る複数のポートホールを含む、請求項12または13に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記断面形態が、D形状の断面形態である、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記D形状の断面形態が、少なくもと1.5:1のアスペクト比を有する、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記D形状の断面形態が、2.2:1のアスペクト比を有する、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記作動領域が、前記平坦化された外側周縁壁を通る複数のポートホールを含む、請求項15に記載のカテーテル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2006−518606(P2006−518606A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518471(P2005−518471)
【出願日】平成16年1月20日(2004.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/001460
【国際公開番号】WO2004/064893
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(505273109)セント ジュード メディカル ダイグ ディビジョン インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月20日(2004.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/001460
【国際公開番号】WO2004/064893
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(505273109)セント ジュード メディカル ダイグ ディビジョン インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】
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