説明

試料、試料作製方法及び試料作製装置

【課題】より明瞭な観察又は分析を可能にする試料、試料作製方法及び試料作製装置を提供すること。
【解決手段】試料作製方法は、一方の側に切欠部30aを有し、試料20を支持する支持基板30を作製する支持基板作製工程と、試料20のコンタクト側が支持基板の一方の側を向き、平面投影面において試料20の一部が切欠部30aの断面に重なるように試料20と支持基板30とを接合する接合工程と、試料20の面10b側(基板側)から集束イオンビームを照射して、切欠部と重なった部分において、コンタクトの延在方向に沿うように試料に薄膜領域20aを形成する照射工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種装置で観察又は分析するための試料、該試料を作製する方法及び該試料を作製する装置に関する。特に、本発明は、例えば透過型電子顕微鏡やエネルギー分散型X線分光装置で半導体素子の一部を観察又は分析するための試料、試料作製方法及び試料作製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子における不良箇所や欠陥は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM;Transmission Electron Microscope)を用いて観察される。そこで、TEMで観察するための半導体素子の試料は、集束イオンビーム(FIB;Focused Ion Beam)を用いて作製することができる。
【0003】
図7に、半導体素子のTEM観察用試料を作製する背景技術に係る試料作製方法を説明するための概略工程図を示す。図8に、図7(a)又は図7(b)の状態における半導体素子又は試料の概略部分断面図を示す。観察対象となる半導体素子50は、半導体基板54と、半導体基板54上に形成された絶縁層55と、半導体基板54上に形成されたコンタクト56を有する。コンタクト56は、上面である第1面50a方向に向かって延在している。
【0004】
背景技術に係る試料作製方法を説明する。まず、半導体素子50を切削線52で切断し(図7(a))、ターゲット領域51を含むように試料60を切り出す(図7(b))。図7において、ターゲット領域51は、半導体素子50及び試料60の面上にチェック柄で図示してある。次に、試料60を点線62で切削し、ターゲット領域51を薄化する(図7(c)。次に、試料60をCリング等の保持機構(キャリア)72に、半導体素子50の第1面50aを上にして貼り付ける(図7(d))。次に、ターゲット領域51をTEM観察できるように、ターゲット領域51をFIBによって0.1μm〜0.2μm程度に薄膜化又は薄片化する(図7(e))。背景技術においては、このように作製した試料60を用いてターゲット領域51の断面構造をTEMによって観察する。
【0005】
特許文献1及び特許文献2には、TEM観察用の試料作製方法が開示されている。
【0006】
特許文献1に記載の試料作製方法は、半導体基板の厚さ方向の一方側の部分のうち、平面から見て観察対象部分を含む所定領域を除く領域を厚さ方向に所定寸法削り取ることによって観察対象部分を含む凸状部を半導体基板の厚さ方向の一方側に形成する第1工程と、半導体基板をその厚さ方向にエッチングすることによって観察対象部分を含む凸状部の部分を透過型電子顕微鏡で観察可能な程度に薄膜化する第2工程と、を含む。
【0007】
特許文献2に記載の無機物極薄片の作製方法は、基板上に所定の厚さの第1の無機物薄膜を形成し、該第1の無機物薄膜の一端辺部に第1の無機物よりも硬質の第2の無機物粉末もしくは線状無機物を付着し、該硬質の第2の無機物粉末もしくは線状無機物が付着された第1の無機物薄膜の前面に垂直にイオンビーム照射し、その後に当該第1の無機物薄膜の裏面側からイオンビームを10〜20度の範囲の角度に傾斜させて照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−39926号公報
【特許文献2】特開平8−209340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以下の分析は、本発明の観点から与えられる。
【0010】
図7に示す工程においては、特許文献1に記載の試料作製方法と同様にして、試料60は、半導体素子50の上面50a側からFIBによってエッチングされている。すなわち、FIBによるエッチングは、コンタクト56側からコンタクト56の延在方向(矢印方向)に沿って行われることになる。図9に、背景技術に係る試料作製方法によって作製した試料のTEM写真を示す。図9に示す矢印は、FIB処理方向を示している。コンタクト56がタングステン(W)のように絶縁層55より硬い金属である場合、コンタクト56が存在する箇所は、エッチングレートが遅くなるので、その下の半導体基板54にはカーテニング57が発生してしまう。ここで、カーテニング(加工筋ともいう)とは、コンタクト57下方の部分が十分にエッチングされずに厚く残ってしまうことをいう。図9において、半導体基板54に存在する筋状の黒い領域がカーテニング57であり、他の領域より厚い領域であることを示している。すなわち、図9は、ターゲット領域51における半導体基板54の厚さにばらつきが生じていることを示している。カーテニング57が発生すると、TEM像においては黒くなってしまうので、ターゲット領域51を観察しにくくなる弊害が生じる。また、エネルギー分散型X線分光分析(EDS;Energy-Dispersive X-ray Spectroscopy)においては、濃度はターゲット領域51の厚さに依存することになるので、濃度プロファイルを測定すると、カーテニング57によって厚くなった領域は、実際よりもその濃度が濃くみえてしまう。
【0011】
また、特許文献2に記載の無機物極薄片の作製方法においては、構成上、試料の裏側から0度の角度でイオンビームを照射することはできない。また、特許文献2に記載の無機物極薄片の作製方法のように、試料に対して10〜20度の角度からイオンビームを照射すると試料にダメージが発生してしまうことがある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1視点によれば、基板と、基板の一方の側に形成されたコンタクトと、を有する試料に対して、一方の側の反対側から集束イオンビームを照射する照射工程を含む試料作製方法が提供される。
【0013】
本発明の第2視点によれば、基板と、基板の一方の側に形成されたコンタクトと、を有する半導体素子を切削し、試料を切り出す第2切削工程と、試料の少なくとも一部を薄化する第3切削工程と、一方の側に切欠部を有し、試料を支持する支持基板を作製する支持基板作製工程と、支持基板の一方の側から、試料のコンタクトの側を支持基板の一方の側に向けて、試料の一部と切欠部とが重なるように試料と支持基板とを接合する接合工程と、切欠部と重複する試料の一部が残存するように、少なくとも試料を切削する第1切削工程と、試料を保持機構に取り付ける取付工程と、を含む工程を自動的に実施する試料作製装置が提供される。
【0014】
本発明の第3視点によれば、基板と、基板の一方の側に形成された絶縁層と、絶縁層を貫通するコンタクトと、少なくとも一部が薄膜化され、基板、絶縁層及びコンタクトを含む薄膜領域と、を備える試料が提供される。コンタクトは、薄膜領域に沿って延在する。基板は、薄膜領域を上側にしたときにコンタクトよりも上方に存在する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、基板側からエッチングすることにより、エッチングレートを一定にすることができる。これにより、カーテニングの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の試料作製方法の一実施形態を説明するための概略工程図。
【図2】本発明の試料作製方法の一実施形態を説明するための概略工程図。
【図3】本発明の試料作製方法の一実施形態を説明するための概略工程図。
【図4】図1の状態における半導体素子又は試料の概略部分断面図。
【図5】図3(k)の状態における試料20の概略部分断面図。
【図6】本発明の試料作製方法によって作成した試料のTEM写真。
【図7】半導体素子のTEM観察用試料を作製する背景技術に係る試料作製方法を説明するための概略工程図。
【図8】図7(a)又は図7(b)の状態における半導体素子又は試料の概略部分断面図。
【図9】背景技術に係る試料作製方法によって作製した試料のTEM写真。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上記各視点の好ましい形態を以下に記載する。
【0018】
上記第1視点の好ましい形態によれば、試料作製方法は、照射工程の前に、一方の側に切欠部を有し、試料を支持する支持基板を作製する支持基板作製工程と、試料のコンタクト側が支持基板の一方の側を向き、平面投影面において試料の一部が切欠部の断面に重なるように試料と支持基板とを接合する接合工程と、をさらに含む。照射工程において、切欠部と重なった部分において、コンタクトの延在方向に沿うように試料に薄膜領域を形成する。
【0019】
上記第1視点の好ましい形態によれば、試料作製方法は、接合工程の後、かつ照射工程の前に、切欠部と重複する試料の一部が残存するように、少なくとも試料を切削する第1切削工程をさらに含む。
【0020】
上記第1視点の好ましい形態によれば、試料作製方法は、接合工程の前に、基板の一方の側に形成された絶縁層と、絶縁層を貫通して延在するコンタクトと、を有する半導体素子を切削し、試料を切り出す第2切削工程と、接合工程において切欠部と重複する部分を薄化するように試料を切削する第3切削工程と、第1切削工程の後に、試料を保持機構に取り付ける取付工程と、をさらに含む。
【0021】
上記第3視点の好ましい形態によれば、薄膜領域は、集束イオンビームを基板の側から照射することによって形成される。
【0022】
本発明の試料作製方法の一形態について説明する。図1〜図3に、本発明の試料作製方法の一実施形態を説明するための概略工程図を示す。図1は、被観察体10から試料20を切り出し、試料20を一次的に成形する工程を示す概略工程図である。図2は、試料20のFIB処理に使用するダミー基板30を形成する工程を示す概略工程図である。図3は、一次的に成形した試料20とダミー基板30を用いて試料20を2次的に成形する工程を示す概略工程図である。図1に示す形態においては、被観察体10は半導体素子である。図4に、図1の状態における半導体素子又は試料の概略部分断面図を示す。半導体素子10は、半導体基板14と、半導体基板14上に形成された絶縁層15と、半導体基板14上に形成され、絶縁層15を貫通するコンタクト16と、を有する。コンタクト16は、半導体基板14から、上面である第1面10aに向かって延在している。
【0023】
試料20の一次成形について説明する。まず、半導体素子10を切削線12で切削機構(例えばダイサー)で切断し(図1(a))、ターゲット領域11を含むように試料20を切り出す(図1(b);第2切削工程)。図1〜図3において、ターゲット領域11は、半導体素子10及び試料20の面にチェック柄で図示してある。このとき、試料20における第1面10aは上向き(上面)となっている。また、試料20におけるターゲット領域11の位置は、後のFIB処理により観察箇所をTEM観察できるように、試料20の側面寄りとなるようにする。
【0024】
次に、FIB処理によりターゲット領域11をTEM観察用薄膜処理できるように、例えば点線で示す切削線13に沿って、切削機構(例えばダイサー)で試料20を薄化する(図1(c);第3切削工程)。例えば、ターゲット領域11を含む部分がTEMの電子透過方向に対して例えば20μm〜30μm厚となるように試料20を切削機構で切削する。
【0025】
次に、試料を支持する支持基板30の成形について説明する。まず、支持基板の平板状の母材31を例えば点線32に沿って切削し(図2(d))、母材31に溝部又は凹部(以下「溝部」という)31aを形成する(図2(e))。次に、溝部31aに垂直な例えば点線33に沿って母材31を薄く切削し、支持基板30を形成する(図2(f);支持基板作製工程)。これにより、支持基板30は、片側の中央部分に切欠部30aを有する平板状となる。図2においては、母材31に溝部31aを形成した後に、母材31をスライスしているが、母材31をスライスした後に、切欠部30aを形成してもよい。
【0026】
次に、試料20の二次成形について説明する。まず、図2(f)において作製した支持基板30(図3(g))に、図1(c)において作製した試料20を重ね合わせて、接着剤等で支持基板30と試料20とを接合する(図3(h);接合工程)。このとき、平面投影面において、試料20のターゲット領域11と支持基板30の切欠部30aの断面が重複するようにする。すなわち、ターゲット領域11は、支持基板30に掛からないようにする。試料20の第1面10a(コンタクト16側)は、支持基板30の方を向いている。支持基板30の切欠部30aが形成されている側において、試料20と支持基板30とは重複している。
【0027】
次に、例えば点線22に沿って試料20及び支持基板30、又は試料20のみを切削する。(図3(i)及び(j);第1切削工程)。このとき、第1面10aとは反対側の第2面10b側からの後のFIB処理によってターゲット領域11をTEM観察用薄膜処理できるように、ターゲット領域11に沿うように試料20を切削する。これにより、ターゲット領域11は、切欠部30aと重複する部分に残存する。なお、図3においては、切削面であっても、第1面10aと反対側の面を第2面10bと表記している。
【0028】
次に、支持基板30をCリング等の保持機構(キャリア)35に貼り付ける(図3(k);取付工程)。このとき、支持基板30に対して試料20が上側になるようにする。これにより、試料20の第2面10bは上向きとなる。また、ターゲット領域11と支持基板30の切欠部30aがTEMの電子透過方向に重なるようにする。また、ターゲット領域11をFIB処理できる位置に試料20を配置する。
【0029】
図5に、図3(k)の状態における試料20の概略部分断面図を示す。次に、ターゲット領域11をTEM観察できるように、第2面10bから(図5に示す矢印方向から)FIB処理して、ターゲット領域11に例えば0.1μm〜0.2μm厚の薄膜領域20aを形成する(図3(l);照射工程)。このとき、FIB処理は、図1(a)に示す半導体素子10の下面方向から施すことになる。すなわち、半導体基板15側からFIBを照射することになる。FIBの照射方向は、半導体基板15面に対して0°〜180°であると好ましい。これにより、カーテニングの発生を抑制することができる。図1〜図3に示す形態においては、FIBの照射方向は、半導体基板15面に対して90°により近くなるようにすると好ましい。なお、本発明において、寸法は、Å単位であれば、例えばTEMや走査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)によって測定することができ、nmやμm単位であれば、例えばエリプソメータを用いて測定することができる。
【0030】
これにより、試料20の薄膜領域20aは、切欠部30aと重なった部分に形成される。試料20の薄膜領域20aは、薄膜化された半導体基板14、絶縁層15及びコンタクト16を有すると共に、コンタクト16に沿うように形成される。半導体基板14は、薄膜領域20aを上側にしたときに、絶縁層15及びコンタクト16よりも上方に位置する。コンタクト16は、薄膜領域20aを上側にしたときに半導体基板14から下方を向くように延在している。
【0031】
本発明の試料作製方法においては、半導体素子10の下面方向からFIB処理を施すことになる。これにより、試料20におけるエッチングレートを一定にすることができる。また、薄膜領域20aにおける半導体基板14にカーテニングが発生することを防止することができる。
【0032】
次に、本発明の試料作製装置の一実施形態について説明する。試料作製装置は、図1(a)、図1(b)、図2(d)、図2(e)、及び図3(h)に示す工程において、被観察体である半導体素子10、支持基板30、母材31、及び試料20を切削する切削機構(例えばダイサー)と、図3(h)に示す工程において、試料20と支持基板30とを接合する接合機構と、図3(k)及び図3(l)において試料20を保持する保持機構(キャリア)35と、を備える。試料作製装置は、図1(a)〜図1(c)、図2(d)〜図2(f)及び図3(g)〜図3(l)に示す工程を所定の条件に基づいて自動的に実施することができると好ましい。
【0033】
本発明の試料作製方法によって得られた試料は、半導体基板にカーテニングを有していない。これにより、本発明の試料によれば、より明瞭な観察又は分析を実施することができるようになる。
【0034】
なお、本発明において、コンタクトとは、絶縁層を貫通する金属配線であればよく、例えばビア、スルーホールと呼ばれるものも含むものとする。また、本発明におけるコンタクトの材料は、特に限定されるものではないが、本発明は、コンタクトが絶縁層よりも硬い材料のときに有用であり、例えばタングステンのようにより硬い金属を用いる場合に特に有用である。
【実施例】
【0035】
図6に、本発明の試料作製方法によって作成した試料のTEM写真を示す。試料20は、上述の実施形態と同様に、半導体基板14と、絶縁層15と、コンタクト16と、を有する。図6に示す矢印は、FIB処理の方向を示している。背景技術係る試料作製方法によれば、図9に示すように、半導体基板54にはカーテニングが発生することになるが、本発明の試料作製方法によれば、図6に示すように、半導体基板14にはカーテニングは確認されていない。これにより、本発明によれば、試料をより明確に観察又は分析することが可能となる。
【0036】
本発明の試料、試料作製方法及び試料作製装置は、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、上記実施形態に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の請求の範囲の枠内において、種々の開示要素の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
【0037】
本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
【符号の説明】
【0038】
10 被観察体(半導体素子)
10a 第1面
10b 第2面
11 ターゲット領域
12 切削線
14 半導体基板
15 絶縁層
16 コンタクト
17 切削線
20 試料
20a 薄膜領域
22 切削線
30 支持基板
30a 切欠部
31 母材
31a 溝部又は凹部
35 保持機構
50 被観察体(半導体素子)
50a 第1面
50b 第2面
51 ターゲット領域
52 切削線
54 半導体基板
55 絶縁層
56 コンタクト
57 カーテニング
60 試料
62 切削線
72 保持機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の一方の側に形成されたコンタクトと、を有する試料に対して、前記一方の側の反対側から集束イオンビームを照射する照射工程を含むことを特徴とする試料作製方法。
【請求項2】
前記照射工程の前に、
一方の側に切欠部を有し、前記試料を支持する支持基板を作製する支持基板作製工程と、
前記試料の前記コンタクト側が前記支持基板の前記一方の側を向き、平面投影面において前記試料の一部が前記切欠部の断面に重なるように前記試料と前記支持基板とを接合する接合工程と、をさらに含み、
前記照射工程において、前記切欠部と重なった部分において、前記コンタクトの延在方向に沿うように前記試料に薄膜領域を形成することを特徴とする請求項1に記載の試料作製方法。
【請求項3】
前記接合工程の後、かつ前記照射工程の前に、
前記切欠部と重複する前記試料の一部が残存するように、少なくとも前記試料を切削する第1切削工程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の試料作製方法。
【請求項4】
前記接合工程の前に、
前記基板の前記一方の側に形成された絶縁層と、前記絶縁層を貫通して延在する前記コンタクトと、を有する半導体素子を切削し、前記試料を切り出す第2切削工程と、
前記接合工程において前記切欠部と重複する部分を薄化するように前記試料を切削する第3切削工程と、
前記第1切削工程の後に、前記試料を保持機構に取り付ける取付工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の試料作製方法。
【請求項5】
基板と、前記基板の一方の側に形成されたコンタクトと、を有する半導体素子を切削し、試料を切り出す第2切削工程と、
前記試料の少なくとも一部を薄化する第3切削工程と、
一方の側に切欠部を有し、前記試料を支持する支持基板を作製する支持基板作製工程と、
前記支持基板の前記一方の側から、前記試料の前記コンタクトの側を前記支持基板の前記一方の側に向けて、前記試料の一部と前記切欠部とが重なるように前記試料と前記支持基板とを接合する接合工程と、
前記切欠部と重複する前記試料の一部が残存するように、少なくとも前記試料を切削する第1切削工程と、
前記試料を保持機構に取り付ける取付工程と、
を含む工程を自動的に実施することを特徴とする試料作製装置。
【請求項6】
基板と、
前記基板の一方の側に形成された絶縁層と、
前記絶縁層を貫通するコンタクトと、
少なくとも一部が薄膜化され、前記基板、前記絶縁層及び前記コンタクトを含む薄膜領域と、を備え、
前記コンタクトは、前記薄膜領域に沿って延在し、
前記基板は、前記薄膜領域を上側にしたときに前記コンタクトよりも上方に存在することを特徴とする試料。
【請求項7】
前記薄膜領域は、集束イオンビームを前記基板の側から照射することによって形成されたことを特徴とする請求項6に記載の試料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−38888(P2011−38888A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186016(P2009−186016)
【出願日】平成21年8月10日(2009.8.10)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】