説明

試料容器を備えた自動分析装置、及び試料容器の洗浄方法

本発明は、試料容器を少なくとも2つの工程により洗浄する自動分析装置及び試料容器の洗浄法である。まず、試料容器の開口部近傍と洗浄容器の排出孔近傍を接触し、液溜可能な洗浄空間である器部を形成する。この器部の表面は、試料容器の表面を含むが、開口部は含まない。この器部に洗浄液を注入し、所定量の洗浄液を溜め、試料容器の一部(開口部は含まない箇所)を洗浄する。次に、所定量の洗浄液が器部に溜まっている状態において、試料容器と洗浄容器に所定の隙間を形成する。溜まっていた洗浄液は隙間から流出し、開口部を洗浄し、洗浄容器の排出孔中へ排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、試料容器を備えた自動分析装置、及び試料容器の洗浄方法に関する。例えば、核酸捕捉固相を内蔵する核酸捕捉チップを備えた核酸抽出装置、及び核酸捕捉チップの洗浄方法に関する。
【背景技術】
特開平11−266864号公報では、シリカ含有の固相を内蔵した核酸捕捉用チップを用いて核酸抽出を自動化する方法が記載されている。この方法では、チップ内に洗浄液を吸引し、核酸を結合した固相及びチップ内を洗浄し、その廃液を吐出する。この際、チップの外壁に洗浄液が付着する。
洗浄後に実施される溶離工程において使用する溶離試薬の量は微量である。この為、洗浄液がチップに残留し溶離試薬に混ざると、溶離液濃度を変え、核酸の回収率を乱す。
また、チップ外壁に付着した洗浄液は、時間の経過とともにチップ先端に集まって液玉となる。この液玉は、核酸捕捉用チップの移動時に飛び散り、コンタミネーションの原因となる。
本発明の目的は、コンタミネーションの発生を防止し、効率的に試料容器を洗浄することである。
【発明の開示】
本発明は、試料容器を少なくとも2つの工程により洗浄する自動分析装置及び試料容器の洗浄法である。まず、試料容器の開口部近傍と洗浄容器の排出孔近傍を接触し、液溜可能な洗浄空間である器部を形成する。この器部の表面は、試料容器の表面を含むが、開口部は含まない。この器部に洗浄液を注入し、所定量の洗浄液を溜め、試料容器の一部(開口部は含まない箇所)を洗浄する。次に、所定量の洗浄液が器部に溜まっている状態において、試料容器と洗浄容器に所定の隙間を形成する。溜まっていた洗浄液は隙間から流出し、開口部を洗浄し、洗浄容器の排出孔中へ排出される。
本発明では、開口部以外を先に洗浄し、次に開口部近傍を洗浄する。この為、開口部近傍の試料汚れが、洗浄液を介して試料容器全体に拡散しない。また、洗浄液の容量と隙間の形状を規定すると、隙間から流出する洗浄液の流れを調節できる。この流れの制御により、開口部近傍が凹凸等の存在する洗い難い構造であっても、洗浄液がその特定箇所に常に届く。この為、洗い難い構造の試料容器であっても、毎回確実に洗浄できる。
また、本発明は、外部と隔離された排出孔に試料を吐出し、その後、試料容器と排出孔を洗浄する自動分析装置及び洗浄法である。まず、試料容器の開口部近傍と洗浄容器の排出孔付近を接触し、液溜可能な器部を形成する。この際、器部と隔離された排出孔中に思料容器の開口部が配置される。次に、試料容器内の試料を排出孔へ排出し、また、器部に洗浄液を注入する。尚、試料排出と洗浄液注入の手順は順不同である。次に、試料容器と洗浄容器に隙間を形成し、溜まっていた洗浄液を排出孔へ流す。隙間から流出する洗浄液流は、開口部と排出孔を洗浄する。
本発明では、外部と隔離された領域である排出孔へ試料を吐出する。この隔離領域は、洗浄液にて隔離された状態を維持しつつ洗浄される。吐出により生じた試料の飛沫は、隔離領域内部にのみ存在し外部へ拡散しない為、試料飛沫の飛散による汚染の危険性を回避できる。この為、例えば、試料容器に固相等の流体抵抗が存在し、試料の吐出を阻害する場合でも、高圧により強制的に吐出できる。
以下、上記及びその他の本発明の新規な特徴と効果について、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、一実施例における洗浄部の概略図である。第2図は、一実施例の洗浄工程における洗浄部動作a〜fの説明図である。第3図は、一実施例における液体分注用流路の概略図である。第4図は、一実施例におけるノズルからチップを取り外す動作の説明図である。第5図は、一実施例における核酸捕捉用チップの概略図である。第6図は、一実施例における核酸精製用装置の平面図である。第7図は、一実施例における核酸精製用装置の外観概略図である。第8図は、一実施例における電気系の構成を示すブロックダイヤグラムである。第9図は、一実施例における洗浄工程のフロー図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明に基づく一実施例である核酸精製用装置を、第1図〜第9図を参照して説明する。
第6図は核酸精製用装置の平面図、第7図は核酸精製用装置の外観概略図を示す。核酸の精製用装置100は、水平方向(X方向)に移動可能な2本のアーム16,33を具備する。一方のアーム16は、分注ノズル36(図示せず)を保持するノズルホルダー17を、アーム16の長さ方向に沿って水平方向(Y方向)に移動可能に備えている。他方のアーム33は、試薬吐出ノズル39(図示せず)を保持するノズルホルダー34を、アーム33の長さ方向に沿って水平方向(Y方向)に移動可能に備えている。試薬吐出ノズル39は、ディスポチップの装着可能なノズルと、ディスポチップを使用せず、直接試薬吐出が可能なディスペンサノズルの、複数のノズルが設置されている。ノズルホルダー17,34は、対応するアーム16,33に対し、いずれも上下方向(Z方向)に動作できる。
本体架台の作業面5には、未使用の多数の分注用チップ15を載置した2個のチップラック14a,14bが所定エリアにセットされる。これらのチップラック14a,14bは、第3図に示すように、各分注用チップ15を挿入し得る穴を有しており、分注用チップの先端が作業面5又はチップラック底面に接触しないような高さを持った箱形をなす。各チップラック14aは最大96本、14bは最大48本までの分注用チップ15を保持できる。
また、作業面5には、未使用の多数の核酸捕捉用チップ31を載置したチップラック30が所定エリアにセットされる。チップラック30の形状は、先のチップラック14と同様である。この例ではチップラック30上に最大96本までの核酸捕捉用チップ31を保持できる。
作業面5には、検体ラック12が所定エリアにセットされる。検体ラック12は、処理対象となる検体、すなわち核酸を含有する試料を収容できる。本実施例では、各検体ラック12は最大48本の検体容器13を保持できる。
また、作業面5には、未使用の処理容器24a,24bを多数保持した容器ラック23a,23bが所定エリアにセットされる。容器ラック23a,23bは、各々最大64本までの処理容器24を保持できる。さらに容器ラック23a,23bは温度調節機能を持ち、処理容器24a,24bを加熱,冷却することが可能である。加熱により、核酸捕捉用担体から核酸を効率良く溶離できる。また、冷却により、溶離した核酸を含む溶液の蒸発を防ぎ、一定時間保存できる。作業面5には、未使用の精製品用容器26を多数保持した容器保存ラック25が所定エリアにセットされる。この精製品用容器26は、精製処理がなされた核酸含有液を試料別に回収するものである。本実施例では、容器ラック25は、大型の精製品用容器26aを最大8本、小型の製製品容器26bを最大96本、1ラック内に96個の穴を持つ容器26cを最大2個保持できる。
また、作業面5には、第5図に示すチップ外し器27aが設けられている。チップ外し器27aは、分注ノズル36に接続された分注用チップ15及び核酸捕捉用チップ31をノズルから取り外す。また、分注ノズル36のホームポジションとなる。
また、作業面5には、洗浄部18,28が設けられる。洗浄部18は、核酸捕捉用チップ31からの不要な液を排出する機能を兼ね備える。
第1図に、洗浄部18の詳細を示す。洗浄部18は、洗浄水注入口101と、貯水槽102,洗浄槽103,廃液孔104,バイパス流路105から構成されている。
洗浄水注入口101は、本洗浄部へ洗浄液を注入する流路であり、洗浄液給水用ポンプ(図示せず)に接続されている。
貯水槽102は、核酸捕捉用チップ先端に付着する液玉を除去するために、一時的に洗浄液を溜める部分である。貯水槽102の下部には洗浄液排出用の流路が設けてあり、この流路から洗浄槽103へ洗浄液を供給する。この流路は特に開閉弁を必要とせず、本流路の断面積と、洗浄液注入口101からの試薬供給量の相互バランスで、貯水槽102の液面高さが定まるようになっている。
洗浄槽103は、核酸捕捉用チップ31の外部を洗浄し、排液を処理する容器である。洗浄槽103の内部側面は、略直方体形状であり、その断面積は、核酸捕捉用チップ31の外径より大きい。洗浄槽103の底部は、下に細くなるテーパ状であり、先端に排出孔104が存在する。洗浄槽103は、核酸捕捉チップ31をその内部側面と接触することなく挿入できる。核酸捕捉用チップ31のテーパ部が、洗浄槽103のテーパ状の底面と接触すると、廃液孔104への洗浄液の排出を防止できる。これにより、洗浄層103内に洗浄液を溜めることができる。この際、核酸捕捉チップ31の先端部48は、排出孔104に入った状態となっている。
廃液孔104は、廃液を洗浄部外へ排出できる排出孔であり、その断面積は先端部48より大きい円である筒形状である。これにより、核酸捕捉用チップ31を洗浄槽103に挿入した際、先端部48は廃液孔104中に収まる。
バイパス流路105は、その一端が洗浄槽103の内部と繋がり、他端が廃液孔104と繋がる流路である。洗浄槽103内の余分な洗浄試薬は、本流路により廃液孔104へ排出される。本流路の配置により、洗浄槽103内に溜まる洗浄試薬の液量を規定できる。また、試料の吸引排出される先端部48の近傍は試料汚染の可能性が高い。しかし、満杯時の洗浄液量高さが、予想される汚染箇所以上となる様にすれば、チップの汚染を確実に洗浄できる。
また、架台100には、洗浄液ボトル19,溶離液ボトル20,希釈液ボトル21、及び結合促進剤ボトル22等の各種試薬容器が配置されている(図示せず)。洗浄液ボトル19は、核酸捕捉用チップ31内の固相を洗浄する洗浄液を収容する。溶離液ボトル20は、固相に結合された核酸を溶出させるための溶離液を収容する。希釈液ボトル21は、希釈液を収容し、結合促進剤ボトル22は、固相への核酸の結合を促進する結合促進物質の溶液を収容する。
第3図により、分注ノズル36の周辺構造を説明する。分注ノズル36は、吸引・吐出・攪拌用,試薬吐出用、及びエア吐出用のポンプと接続している。シリンジポンプ10は、分注用チップ15及び核酸捕捉用チップ31における吸引・吐出・攪拌を行うポンプである。シリンジポンプ80は、固相洗浄用試薬を核酸捕捉用チップ31に吐出するポンプであり、複数接続されている。シリンジポンプ以外にも、ベローズポンプ,ペリスタポンプ等、送液機能を有するポンプも利用できる。吐出用ポンプ87は、核酸捕捉用チップ31の固相内の残液をチップ外部に排出するためのポンプである。また、吐出用ポンプ87とチップを繋ぐ流路には、大気開放用の弁82と、外部からの物質の侵入を防ぐ為のフィルタ86が接続されている。
第4図により、分注ノズル36への分注用チップ15及び核酸捕捉用チップ31の着脱を説明する。
チップの装着は、チップラック14a,14b,30上において、ノズルを降下してチップをノズルの先端に嵌合し達成される。また、チップの除去は、チップ外し器27aを利用する。チップ外し器27aは、所定高さ位置に板状部材を有している。この板状部材には、チップ頭部52,54の外径よりも小さく、且つ分注ノズル36の外径より大きな幅のスリット55が形成されている。チップの除去は、スリット55の位置する高さよりも各チップの頭部52,54が低い状態でノズル36をスリット内に侵入するように水平移動させる。次いで、ノズルホルダー17を上昇させて、頭部52,54を板状部材の下面に当接させる。そして、ノズルホルダーの更なる上昇によりチップ15,31が分注ノズル36から抜け落ちる。抜け落ちたチップは、チップ廃棄口50(図示せず)に落下し、回収箱(図示せず)内に回収される。試薬分注用のチップ廃棄はチップ外し器27bを用いて同様に行われる。
第8図により、核酸精製用装置の電気系の構成を説明する。動作制御部としてのパーソナルコンピュータ(PC)60には、操作条件及び検体情報を入力するための操作パネルとしてのキーボード61,入力情報や警告情報等を表示するための表示装置としてのCRT62,装置の各機構部を制御する機構制御部65等が接続される。機構制御部65は、4つのステッピングモータ71〜74,2つのACサーボモータ75及び76,ベローズポンプ80、及び2つの電磁弁81及び82を制御する。ステッピングモータ71は、シリンジポンプのシリンジ10を駆動し、吸排動作を行わせる。ステッピングモータ72は、シリンジポンプ80のシリンジ32を駆動し、吸排動作を行わせる。ステッピングモータ73は、ノズルホルダー17を水平方向及び上下方向に移動させる。ステッピングモータ74は、ノズルホルダー34を水平方向及び上下方向に移動させる。ACサーボモータ75はアーム16を水平移動させ、ACサーボモータ76はアーム33を水平移動させる。そして、核酸精製装置の各機構は、所定のプログラムに従って動作する。
第5図により、核酸捕捉用チップ31の構成を説明する。
核酸捕捉用チップ31は、頭部54が分注用ノズル36の先端に気密に嵌合される内径を有する。下方は、先端部48に向けて徐々に内径が細くなるように形成され、先端部48の先端に試料を吸引吐出する開口が存在する。先端部48に向けての傾きは、洗浄槽103の底面とほぼ同様の角度になっている。この為、洗浄槽103下部に核酸捕捉用チップ31を押し付けることにより、廃液孔104への洗浄液流出を防止できる。
チップは、透明もしくは半透明な合成樹脂からなる。チップの先端側には、固相が流出することを防止するための円板状の阻止部材40bを圧入により挿入し、頭部54の側には円板状の阻止部材40aを設ける。これらの阻止部材40a,40bは、液体及び気体が容易に通過し得る多数の孔を有するが、その孔は固相の流出を阻止できる大きさである。阻止部材40a,40bの材質としては、ポリプロピレンを用いる。この材質は、タンパク質や核酸等の非特異吸着を少なくできるので、核酸の精製度や収率への影響が小さい。阻止部材40aは、チップ31への挿入を容易にするための突起状の挿入用補助ガイド37を下面側に複数個有する。阻止部材40aと40bによって挟まれた部屋には、固相としてフリントガラス(和光純薬工業製)の粉末44を充填する。このフリントガラスは核酸捕捉効果を有するシリカ含有量が大きい。
核酸捕捉チップ31において、固相を内蔵する内部空間の断面は、試料の吸引排出用の開口より大きいことが望ましい。吸引排出時のデッドボリューム(固相に触れない試料)を低減できる為である。また、吸引排出する先端部は細いことが望ましい。円錐形状の試料容器底部に残った試料を吸引排出できる為である。また、試料を吸引排出する開口の肉厚は薄いことが望ましい。開口近傍に付着する試料液玉や洗浄液液玉が小さくなり、コンタミネーションの発生を低減できる為である。また、固相は、チップ長軸方向に対して厚みを持つ、厚みの薄い平板形状(例えば円盤形状)が望ましい。固相の目詰まりを減らし、且つ固相体積を増大できる為である。この為、核酸捕捉用チップ31の先端は、固相を内蔵する大きな円柱部と、開口を備える小さな円柱を組み合わせた様な形状となっている。その長軸方向断面は、略凸形状であり、先端に開口が存在する。このため、開口からの試料の吸引排出により、略凸形状の谷部が試料により汚染される場合がある。
次に、第6図により、核酸の精製操作を説明する。
核酸含有試料の精製操作を開始する前に、核酸を抽出する検体を検体容器13に入れて検体ラックにより保持し、装置100上の検体エリアにセットする。分注チップ15を有するチップラック14a,核酸捕捉用チップ31を有するチップラック30,試薬分注用チップ94を有するチップラック91,各ディスペンサ試薬ボトル19a,19b,19c,19d,19e(図示せず)、処理容器24a,24b及び精製品用容器26a,26b,26cを、それぞれ所定の場所にセットした後、精製用装置100による操作を開始する。
まず、第1試薬(分解酵素液、具体的にはProK)を反応容器に注入する。具体的には、ノズルホルダー34を動作させ、試薬吐出ノズル39をチップラック91上へ移動し、第1番目の試薬分注用チップ94を試薬吐出ノズル39に嵌合する。次に、取り付けた試薬分注用チップ94を第1試薬等の試薬を収めた試薬ボトル92上へ移動し、該ボトル内へ降下させる。次に、シリンジポンプ32に吸引動作させることにより分注用チップ15内に所定量の第1試薬を吸入する。次に、容器24a上に移動した後、分注用チップ15内に吸引した試薬を容器24a内に吐出する。そして、試薬分注用チップ94をチップ外し器27bへ移動させ、使用した試薬分注用チップ94を取り外す。
次に、反応容器において第1試薬と核酸含有試料を混合する。これにより核酸を溶出させる。具体的には、ノズルホルダー17を動作して、分注攪拌ノズル36をチップラック14a上へ移動し、第1番目の分注用チップ15を分注攪拌ノズル36に嵌合する。分注攪拌ノズル36を検体ラック12上の第1番目の検体容器13まで移動し、分注用チップ15を検体容器内に降下する。シリンジポンプ10の吸引動作により分注用チップ15内に所定量の検体を吸入する。検体を吸入した分注用チップ15を容器ラック23a上の第1番目の処理容器24a上へ移動し、その処理容器24aへ分注用チップ15内の検体の全量を吐出する。その吐出後に再び吐出液の全量を同じ分注用チップ15内に吸入し、更に第1番目の処理容器24aへ吐出することを1回以上行う。これにより第一試薬と検体を混合する。
次に、第2試薬(溶解試薬、具体的には塩酸グアニジン溶液)と、反応容器中の混合試料を混合する。これにより、核酸を溶出させる。具体的には、アーム16,ノズルホルダー17を動作し、分注用チップ15を待機位置であるチップ外し器27aの位置へ移動させる。次にアーム33,ノズルホルダー34を動作させ、試薬吐出ノズル39を前述の試料が吐出してある容器24aへ移動する。次にシリンジポンプ32を動作させ、ディスペンサ試薬である第2試薬を規定量吐出する。次に再びアーム33,ノズルホルダー34を動作させ、待機位置であるチップ外し器27bの位置へ移動する。次に待機していた分注用チップ15を再び容器ラック23a上の第1番目の処理容器24a上へ移動し、処理容器24a内の試料すべてを分注用チップ15内へ吸引し、更に第1番目の処理容器24aへ吐出することを1回以上行う。これにより核酸含有試料と第2試薬を混合する。その後、分注ノズル36をチップ外し器27aまで移動し、上述した取り外し動作に従って、分注ノズル36から使用済みの分注用チップ15を取り外す。次いで、分注ノズル36を洗浄部18の位置に戻し、分注ノズル36から純水を所定量吐出させた後、分注ノズル36の先端に少量の空気を吸入する。
次に、第3試薬(結合促進剤、主成分はジエチレングリコールジメチルエーテル)と、反応容器中の混合試料を混合する。これにより溶出させた核酸を、核酸捕捉用担体に結合する状態へ変化させる。具体的には、アーム33,ノズルホルダー34を動作し、試薬吐出ノズル39を前述の試料が吐出してある容器24aへ移動する。次に、ディスペンサ試薬である第3試薬を規定量吐出する。次に再びアーム33,ノズルホルダー34を動作させ、待機位置であるチップ外し器27bの位置へ移動する。次に待機していた分注用チップ15を再び容器ラック23a上の第1番目の処理容器24a上へ移動し、処理容器24a内の試料すべてを分注用チップ15内へ吸引し、更に第1番目の処理容器24aへ吐出することを1回以上行う。これにより核酸含有試料と第3試薬を混合する。次に試薬分注用チップ94をチップ外し器27bへ移動させ、使用した試薬分注用チップ94を取り外す。
次に、核酸捕捉チップ内の固相に核酸を捕捉する。具体的には、ノズルホルダー34を動作し、分注攪拌ノズル36をチップラック30上へ移動し、第1番目の核酸捕捉用チップを分注攪拌ノズル36に嵌合する。その後、分注ノズル36は、核酸捕捉用チップ31を結合した状態で、容器ラック23a上の第1番目の処理容器24aの位置へ移動する。核酸捕捉用チップ31を降下し、そのチップ内に、第1番目の処理容器に入っている検体と第1,第2,第3試薬の混合液の全量を、シリンジポンプ10の吸引動作により核酸捕捉用チップ31内に吸入する。これにより混合液が、チップ31内の固相としてのガラス粉末44の表面に接触する。次いで、吸入した混合液を第1番目の処理容器24内に吐出して戻し、吐出された混合液を再び同一の核酸捕捉用チップ31内に吸入する。この混合液の吐出と吸入を複数回繰り返すことにより固相表面と混合液との接触数を増大し、固相による核酸の吸着効率を高める。所定回数の吸排の後に最終的に第1番目の核酸捕捉用チップ31内へ混合液の全量を吸入し、該チップ31を洗浄部29へ移動する。
次に、核酸捕捉用チップ31を洗浄する。以下、洗浄方法について、第2図及び第9図を参照して説明する。第2図のaとbはチップ内部洗浄を示し、cはチップ外部洗浄を示し、dはチップ先端洗浄をし、eとfは液玉除去を示す。第9図は、洗浄工程を示すフロー図である。尚、チップ内部洗浄は第4試薬(第1洗浄試薬、主成分は塩酸グアニジンとジエチレングリコールジメチルエーテル),第5試薬(第2洗浄試薬、主成分はエタノール)を用いて、計2回実施される。第4試薬により主にたんぱく質を除去し、第5試薬により第4試薬で洗浄できないたんぱく質以外の不純物を除去する。つまり、第2図のaとbの手順を洗浄液を変更して2度実施したの後に、c以降の手順を実施する。
まず、核酸捕捉用チップ31内の試料を排出し、その後、核酸捕捉用チップ31内を第4試薬で満たす(a)。具体的には、まず、核酸捕捉用チップ31を洗浄槽103に挿入する。この時、核酸捕捉用チップ31の先端部48は廃液孔104内に挿入される。また、核酸捕捉用チップ31は、洗浄槽103底面と密着して固定させる。これにより、洗浄槽103と廃液孔104は分離される。
次に、核酸吸着工程後のチップ内に溜まった試料を、シリンジポンプ10の吐出動作により洗浄部29内へ排出する。
次に、流路開閉電磁弁83を駆動し、洗浄液流路と核酸捕獲用チップ31と接続する。同時に空気切替弁82を駆動し、チップ内とチップ外を物理的に接続し、開放する。これにより核酸捕捉用チップ31内の圧力は、常に、チップ外の圧力と同等となる。
次に、シリンジポンプ80を駆動し、第4試薬をチップ内に注入する。チップ内の圧力が上昇しないため、シリンジポンプ80で吐出された洗浄液は核酸捕捉用チップ31の先端の開口からは排出されず、チップ内に溜まる。このとき、チップ内の洗浄液面は固相配置位置より高くなり、固相は洗浄液に浸った状態となる。
そして、空気切替弁82を駆動し、チップ内とチップ外を結ぶ流路を遮断する。
次に、核酸捕捉試料チップに保持された第4試薬を排出する(b)。具体的には、以下の手順を実行する。
まず、エア吐出用ポンプ87を駆動し、チップ内の圧力を上げる。チップ内の洗浄液は、頭部(上方)から先端部(下方)に向けて一方向に流動し、固相を通過し、先端部から排出される。この時、チップの先端からはエアブロー吐出により、試料,洗浄液等が廃液孔104内に飛散する。しかし、チップと洗浄槽103底面が密着している為、洗浄槽103上方に飛沫が飛散せず、他の検体に対するコンタミネーションは発生しない。これにより、チップ内壁及び固相表面を洗浄し、核酸捕捉用チップ31から残液をすべて排出できる。
また、エアブロー吐出は、試料,洗浄液の排出を行うだけでなく、核酸捕捉用担体部分の乾燥を促進する。風圧による液排出との相乗効果により、チップ内の液体を効率良く除去できる。
試薬の粘性の高い場合は、まず空気切替弁82を駆動し、核酸捕捉用チップ31を介して、シリンジポンプ10を大気と接続する。この状態にて、シリンジポンプ10を駆動し、空気を吸引する。その後、再び空気切替弁82を駆動し、大気と遮断する。そして、シリンジポンプ10を駆動し、チップ内の残試薬を押し出す。この繰り返しにより、チップ内壁や固相等に付着した残液を確実に廃棄できる。
2回目の洗浄工程は、第5試薬(第2洗浄液)を用い、1回目の洗浄と同様に実施する。これにより、第4試薬で洗浄できないたんぱく質以外の不純物を除去できる。
次に、核酸捕捉試料チップ31の外部を洗浄する(c)。チップ外部に残留した第4試薬は、後の溶離工程に置く影響を及ぼすため、本工程で十分に洗浄しておく必要がる。具体的には、チップと洗浄槽103の底面が密着した状態において、洗浄液注入口101より第5試薬(第2洗浄液)を貯水槽102に注入する。この洗浄液は、チップ外部の洗浄にのみ利用する為、チップ内部の洗浄には不適であるが安価な滅菌水等を使用できる。
注入された洗浄液は、洗浄槽103と繋がる連通流路106を通って洗浄槽103内に流れ出る。連通流路106は、洗浄液注入口101より断面積が小さい為、貯水槽102は一定量の洗浄液を貯水する。洗浄槽103内に流れ出た洗浄液は、廃液孔104が核酸捕捉用チップ31により閉塞されている為、洗浄槽103に溜まる。これにより、チップ先端部48を除くチップ外壁、つまり汚染度の低い箇所を洗浄できる。この段階では、汚染度の高いチップ先端部48と洗浄液が触れない為、チップ先端部48の汚染が拡散しない。
洗浄水は、バイパス流路105の位置まで溜まり、その位置を越えた洗浄水はバイパス流路105を経由して廃液孔104へ排出される。バイパス流路105の位置を、予想される汚染部位より上すれば、チップ外部の汚染は確実に除去できる。
次に、核酸捕捉用チップ31の先端部48を洗浄する(d)。前工程で洗浄しない箇所を集中的に洗浄する。具体的には、洗浄槽103と接触している核酸捕捉用チップ31を上方に移動し、所定の隙間を設ける。上方への移動量は、例えば0.5mm程度である。チップの外部洗浄に使用された洗浄液は、この隙間から、廃液孔104へ排出される。隙間が小さい為、洗浄水はチップから飛び出し、チップの形状に沿って廃液孔104へ流れ落ちる。この洗浄水の飛び出し方は、溜まっている洗浄水の量、隙間の形状により調整できる。これにより、核酸捕捉用チップ31の先端部48を洗浄できる。特に、略凸形状の段差部分等の洗浄が困難な場所も確実に洗浄できる。本実施例で用いた断面が略凸形状のチップ以外においても、洗浄水の飛び出し方を調整すれば、確実に洗浄できる。
また、チップと接していた洗浄槽103の一部や、廃液孔104の内部を洗浄できる。これにより、エアブローにより廃液孔104中に飛散していた飛沫等も除去できる。この為、エアブローによる飛沫の、廃液孔外への飛散によるコンタミネーションを回避できる。
次に、チップ先端部48に付着している液玉を除去する(e及びf)。これにより、チップ移動時の飛散を防止できる。具体的には、再度、洗浄液を注入し、貯水槽102に洗浄水を貯水する。貯水槽102内の水位を保つ為、注水用のポンプの駆動は継続させる。そして、水位を維持した状態で、核酸捕捉用チップ31を貯水槽102内に挿入し、チップ先端部48を洗浄液面に着水させる(e)。
次に、核酸捕捉用チップ31を上方に移動させる(f)。移動速度は、比較的遅い方が望ましい。例えば、1秒間に1〜2mm程度の速度である。これにより、核酸捕捉用チップ31の先端に付着した液玉が、表面張力により洗浄液面に捕捉される為、液玉を効率的に除去できる。核酸抽出処置においては、極微量の試薬を用いる。特に、後工程の抽出工程では、微量の抽出液を用いて核酸を抽出する。この為、洗浄液であっても、コンタミネーションすれば反応溶液の容量を乱し、抽出精度を悪化させる。また、チップ先端部48に付着した液玉は、核酸捕捉用チップ31の移動により、飛散し、コンタミネーションの要因となる。しかし、液玉工程により、上述のコンタミネーションは回避できる。尚、核酸捕捉用チップ31の高さを固定し、洗浄液注入用ポンプにより液面高さを上下しても、同様の効果を得る。つまり、核酸捕捉用チップ31と洗浄液面を相対的に移動し、接触させれば良い。
また、洗浄液注入口101から注入された洗浄液は貯水槽102で一時的に溜められた後、洗浄槽103を通って廃液孔104に排出される。これにより、貯水槽102,洗浄槽103,廃液孔104を洗浄できる。
次に、固相に捕捉さている核酸を溶離し、核酸を保存容器内へ回収する。具体的には、洗浄の終了した核酸捕捉用チップ31を、液受け部28へ移動し、待機する。核酸の溶離工程に当り、試薬ノズル39は反応容器24bの位置へ移動する。シリンジポンプ32を動作させディスペンサ試薬である第6試薬(溶離液、主成分はTrisBuffer)を吸引し、更にシリンジポンプ32の押出し動作により、1回分の量の溶離液を第1番目の処理容器24b内に吐出する。残りの量の溶離液を保有している試薬分注ノズル39は、チップ外し部27bへ移動し、待機する。
次に、核酸捕捉用チップ31を容器ラック23b上の第1番目の処理容器24bへ移動し、第1番目の処理容器24b内の溶離液を核酸捕捉用チップ31内に吸入する。これにより溶離液が固相に接触し、固相表面に吸着されていた核酸を溶離液中に溶出させる。チップ31内に吸入した溶離液を元の処理容器24bへ吐出した後、再度同一チップ31内に吸入する操作を所定回数繰り返す。そして、試薬分注ノズル39が第2番目の処理容器24bへ移動し、次の1回分の溶離液を該当処理容器内へ吐出する。続いて、核酸捕捉用チップ31を第2番目の処理容器24bへ移動し、処理容器24b内の溶離液を核酸捕捉用チップ31内に吸入し、上述したと同様の核酸溶出操作を実行する。溶離工程を繰り返し、核酸捕捉用担体に吸着した核酸を確実に溶出する。上記工程の終了後、核酸捕捉用チップ31を、チップ外し器27aの位置へ移動し、チップを取り外す。
次に、ノズルホルダー17を駆動し、分注攪拌ノズル36をチップラック14b上へ移動し、分注用チップ15を分注攪拌ノズル36に嵌合する。次いで前工程で回収した溶離液を収めた反応容器24bの1列目へ移動する。次いで反応容器内の溶離液を分注用チップ15内に吸引する。次いで分注用チップ精製品用容器26の位置へ移動する。シリンジポンプ32の押出し動作により、分注用チップ15内にあった溶離液を第1番目の精製品用容器26内に吐出する。これにより精製品容器26には、固相から溶出された核酸を含む溶離液が回収される。続いて、分注用チップ15を第2番目の処理容器24bへ移動し、処理容器24b内の溶離液を分注用チップ15内に吸入し、上述したものと同様の核酸溶出操作を実行した後、核酸を含む溶離液を第1番目の精製品用容器26内に回収する。溶離液の吐出を終了した分注用チップ15aは、チップ外し器27aへ移動し、分注ノズル36から使用済みの分注用チップ15を取り外す。分注用チップを外した分注ノズル36は、洗浄部29へ移動し、ノズル先端から水を吐出した後、ノズル先端に微量の空気を吸入し、その位置で待機する。以上で、第1番目の検体に対する核酸の精製操作が終了する。このあと、精製用装置100は、第2番目以降の検体に対し核酸精製操作を続行するが、その操作は上述した例の繰り返しである。
本実施例によれば、核酸捕捉チップ31の上下動作、及び洗浄液の注入制御により、試料及び試薬の飛散を防止し、チップを確実に洗浄できる。これにより、コンタミネーションを防止し、洗浄効率の高い核酸精製用装置を提供できる。また、装置構成も簡便であり、コスト低減を達成できる。
本実施例は核酸精製装置であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、生化学自動分析装置,免疫自動分析装置,尿自動分析装置等のチップを利用する自動分析装置に応用できる。
【産業上の利用可能性】
コンタミネーションの発生を防止し、効率的に試料容器を洗浄できる自動分析装置及び洗浄法を提供できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸自動抽出装置であって、
核酸捕捉物質を内蔵し、核酸含有溶液を吸引及び/又は排出する核酸捕捉チップと、
核酸捕捉チップを動かす移動機構と、
洗浄容器と、
核酸捕捉チップを洗うチップ洗浄液を洗浄容器へ注入する洗浄液注入機構とを備え、
洗浄容器はチップ洗浄液を排出する廃液孔を備え、
核酸捕捉チップにより廃液孔を閉塞する。
【請求項2】
請求項1記載の核酸自動分析装置であって、
核酸捕捉チップにより廃液孔が閉塞された洗浄容器にチップ洗浄液を溜め、核酸捕捉チップから核酸含有溶液を排出する。
【請求項3】
請求項1記載の核酸自動分析装置であって、
核酸捕捉チップにより廃液孔が閉塞された洗浄容器にチップ洗浄液を溜め、その後、核酸捕捉チップを廃液孔から切り離し、溜められたチップ洗浄液を廃液孔へ流して核酸捕捉チップを洗浄する。
【請求項4】
請求項3記載の核酸自動分析装置であって、
核酸捕捉チップを洗浄した後に核酸捕捉チップ先端を洗浄液に接触させ、その後に離す。
【請求項5】
以下の構成を含む自動分析装置;
試料を吸引及び/又は排出する開口部を有する試料容器を洗浄する洗浄液を供給する洗浄液供給機構;
洗浄液を排出する排出孔を有する洗浄容器;
試料容器及び/又は洗浄容器を動かし、
試料容器と洗浄容器を接触させ、洗浄液を保持できる液溜空間を形成し、
試料容器と洗浄容器に所定の隙間を設け、液溜空間に保持された所定量の洗浄液を排出孔へ流す移動機構。
【請求項6】
請求項5記載の自動分析装置であって、
開口部が、先端に開口を有する凸形状である。
【請求項7】
請求項6記載の自動分析装置であって、
試料容器が、核酸捕捉物質を内蔵する核酸捕捉チップである。
【請求項8】
請求項6記載の自動分析装置であって、
洗浄容器が、液溜空間に注入された洗浄液を排出する液面位置決め孔を有する。
【請求項9】
請求項5記載の自動分析装置であって、
試料容器内の圧力を制御するポンプを有し、
該ポンプが、試料容器と洗浄容器の接触した状態において、開口部から試料を吐出する。
【請求項10】
請求項5記載の自動分析装置であって、
移動機構が、液溜空間に保持された所定量の洗浄液を排出孔へ流した後に、試料容器の開口部を洗浄液と接触させる。
【請求項11】
以下の構成を含む自動分析装置;
試料を排出する開口部を有する試料容器を洗浄する洗浄液を供給する洗浄液供給機構;
洗浄液を排出する排出孔を有する洗浄容器;
試料容器及び/又は洗浄容器を動かし、
試料容器と洗浄容器を接触させ、洗浄液を保持できる液溜空間を形成し、
また、試料容器と洗浄容器を離し、液溜空間に保持された洗浄液を排出孔へ流す移動機構;
試料容器内の圧力を制御し、試料容器と洗浄容器の接触した状態において開口部から排出孔に試料を排出するポンプ。
【請求項12】
請求項11記載の自動分析装置であって、
試料容器が、試料の排出を妨げる流体抵抗を備える。
【請求項13】
請求項11記載の自動分析装置であって、
試料容器が、核酸吸着物質を備える。
【請求項14】
請求項11記載の自動分析装置であって、
試料容器が、石英ウールを備える。
【請求項15】
請求項11記載の自動分析装置であって、
排出孔が、開口部を挿入できる孔形状である。
【請求項16】
請求項11記載の自動分析装置であって、
洗浄容器が、液溜空間に注入された洗浄液を排出する液面位置決め孔を有する。
【請求項17】
請求項11記載の自動分析装置であって、
移動機構が、液溜空間に保持された洗浄液を排出孔へ流した後に、試料容器の開口部を洗浄液と接触させる。
【請求項18】
以下の手順を含む、試料を吸引及び/又は排出する開口部を含む試料容器の洗浄法;
洗浄容器の排出孔を試料容器により閉塞し、洗浄容器に洗浄液を注入し、開口部を含まない試料容器表面を洗浄し、試料容器と排出孔を離し、設けられた所定の隙間から所定量の洗浄液を排出孔へ流し、開口部を含む試料容器表面を洗浄する。
【請求項19】
請求項18記載の洗浄法であって、
開口部が、先端に開口を有する凸形状である洗浄法。
【請求項20】
請求項18記載の洗浄法であって、
試料容器が、核酸捕捉物質を内蔵する核酸捕捉チップである。
【請求項21】
請求項18記載の洗浄法であって、
洗浄容器の排出孔を試料容器により閉塞した状態において、試料容器内の試料を開口部から排出孔へ移す。
【請求項22】
請求項18記載の洗浄法であって、以下の手順を含む方法;
開口部を洗浄液と接触し、その後に離し、開口部近傍に付いた洗浄液を減らす。
【請求項23】
以下の手順を含む、試料を排出する開口部を含む試料容器の洗浄法;
試料容器により洗浄容器の排出孔を閉塞し、試料容器内の試料を排出孔内へ移し、洗浄容器に洗浄液を注入し、試料容器と排出孔を離し、設けられた隙間から洗浄液を排出孔へ流す。
【請求項24】
請求項23記載の洗浄法であって、
試料容器が、試料の排出を妨げる流体抵抗を備える。
【請求項25】
請求項23記載の方法であって、
試料容器が、核酸吸着物質を備える。
【請求項26】
請求項23記載の方法であって、
試料容器が、石英ウールを備える。
【請求項27】
請求項23記載の方法であって、
排出孔が、開口部を挿入できる孔形状である。
【請求項28】
請求項23記載の方法であって、以下の手順を含む方法;
開口部を洗浄液と接触し、その後に離し、開口部近傍に付いた洗浄液を減らす。

【国際公開番号】WO2004/063755
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【発行日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−566252(P2004−566252)
【国際出願番号】PCT/JP2003/000062
【国際出願日】平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】