説明

認知障害および睡眠障害、肥満症ならびに他の中枢神経系障害治療のためのヒスタミン3受容体阻害剤としてのインドール誘導体

この発明は、薬理活性を有する化合物、これらの化合物を含む組成物、および該化合物および該組成物を用いる治療方法に関する。より詳細には、この発明は、特定のインドール誘導体、ならびにこれらの塩および溶媒和物に関する。これらの化合物は、Hヒスタミン受容体のアンタゴニスト活性を有する。この発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、およびヒスタミンH受容体遮断が有益である障害を治療する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2005年10月14日に出願した米国仮特許出願第60/726793号の優先権を主張し、この開示を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
この発明は、薬理活性を有する化合物、これらの化合物を含む組成物、ならびに該化合物および該組成物を用いる治療方法に関する。より詳細には、この発明は、特定のインドール誘導体、ならびにこれらの塩および溶媒和物に関する。これらの化合物は、Hヒスタミン受容体活性を変化させる。この発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、およびヒスタミンH受容体遮断が有益である障害を治療する方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
ヒスタミンは、様々な複雑な生物作用に関わる化学伝達物質である。ヒスタミンは、放出されると、細胞表面上または標的細胞内の特異的な高分子受容体と相互作用し、多くの異なる生体機能の変化を誘発する。平滑筋、血液細胞、免疫系の細胞、内分泌細胞および外分泌細胞、ならびに神経細胞を含め、各種の細胞型は、ホスファチジルイノシトールを含めた細胞内シグナルの形成、またはアデニル酸シクラーゼを調節することにより、ヒスタミンに反応する。ヒスタミンが神経伝達物質としての役割を果たしているという証明が、1970年代中後期までに確立された[(Schwartz,1975)Life Sci.17:503−518]。免疫組織化学的研究は、間脳および終脳において広範に投射している、視床下部後部の結節乳頭核におけるヒスタミン作動性細胞体を同定した[(Inagaki et al.1998)J.Comp.Neurol.273:283−300]。
【0004】
2種のヒスタミン受容体(HおよびH)は、神経細胞上のヒスタミンの生化学的作用を媒介すると報告された。最近になって、ヒスタミン受容体の第三番目のサブタイプであるヒスタミンH受容体の存在が、研究によって実証された[(Schwartz et al.1986)TIPS8:24−28]。現在、様々な研究により、ヒスタミンH受容体が、ヒトを含むいくつかの種の脳におけるヒスタミン作動性神経終末上で発見されることが実証されている[(Arrang et al.1983)Nature302:832−837]。ヒスタミン作動性神経終末上で発見されるH受容体は、自己受容体と定義され、神経細胞から放出されるヒスタミンの量を密接に制御することができる。天然化合物であるヒスタミンによりこの自己受容体を刺激することは可能であったが、知られているH受容体およびH受容体のアゴニストおよびアンタゴニストの試験によって、H受容体は明確な薬理学的プロファイルを有していることが示唆された。さらに、H受容体は、大脳皮質および脳血管を含め、末梢神経系(PNS)および中枢神経系におけるコリン作動性神経終末、セロトニン作動性神経終末、およびモノアミン神経終末上で同定された。これらの知見によって、H受容体は、ヒスタミンおよび他の神経伝達物質の放出を調節するため、独特に位置しており、H受容体を結合する化合物が神経細胞の活動の重要な媒介物質となり得ることが示唆される。
【0005】
記述したように、CNSヒスタミン作動性細胞体は、視床下部の乳頭領域の巨大細胞核中で発見され、これらの神経細胞は前脳の広い部位に拡散して投射している。覚醒の維持に関与している脳部位である視床下部後部の結節乳頭核におけるヒスタミン作動性細胞体の存在、および大脳皮質へのこれらの投射は、覚醒状態または睡眠覚醒サイクルの調節における役割を示唆している。海馬体および扁桃体などの多くの辺縁系構造物へのヒスタミン作動性投射は、自律神経調節、感情および動機性行動の制御、ならびに記憶過程などの機能における役割を示唆している。
【0006】
ヒスタミンが覚醒の状態にとって重要であるという概念は、ヒスタミン作動経路の位置により示唆されるように、他の種類の証拠により裏づけられている。視床下部後部の病変が睡眠を生じさせることはよく知られている。神経化学および電気生理学の研究により、ヒスタミン作動性神経細胞の活動は覚醒期間中が最高であり、バルビツール酸および他の催眠剤により抑制されることも示された。脳室内のヒスタミンは、ウサギにおける覚醒のEEGパターンの出現を誘発し、生理食塩水処置ラットとペントバルビタール処置ラットのいずれにおいても、自発運動活性、グルーミング、および探索行動の増加を誘発する。
【0007】
対照的に、ヒスタミン合成を招く唯一の酵素であるヒスチジンデカルボキシラーゼの高選択的阻害剤は、ラットの覚醒を害することが示された。これらのデータは、ヒスタミンが行動覚醒を調節する機能をし得るという仮説を裏づけている。睡眠覚醒のパラメータにおけるH受容体の役割が実証された[(Lin et al.1990)Brain Res.592:325−330)]。HアゴニストであるRAMHAの経口投与は、ネコにおける深い徐波睡眠を有意に増加させた。その逆に、Hのアンタゴニスト/逆アゴニストであるチオペラミドは、用量依存的に覚醒を増大させた。チオペラミドは、ラットにおいて覚醒を増加させ、徐波睡眠およびレム睡眠を減少させることも示された。これらの知見は、チオペラミドがヒスタミンの合成および放出を増加させたことを実証したin vivo研究と一致する。これらのデータは共に、選択的なHアンタゴニストまたは逆アゴニストが、覚醒状態および睡眠障害の治療において有用であり得ることを実証している。
【0008】
セロトニン、ヒスタミンおよびアセチルコリンはいずれも、アルツハイマー型(AD)の脳において減少することが実証された。ヒスタミンH受容体は、これらの神経伝達物質それぞれの放出を調節することが実証された。したがって、H受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストは、脳におけるこれらの神経伝達物質の放出を増加すると予想されることになる。ヒスタミンは覚醒および覚醒状態において重要であることが実証されたので、H受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストは、神経伝達物質の放出量を増加することを介して、覚醒および覚醒状態を高め、したがって、認知を向上し得る。したがって、AD、注意欠陥障害(ADD)、加齢性記憶障害、および他の認知障害における、H受容体に結合する化合物の使用が裏づけされることとなる。
【0009】
受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストは、他の数種の中枢神経系障害を治療するのに有用であり得る。ヒスタミンは、脳循環、エネルギー代謝、および視床下部のホルモン分泌に関与している可能性があることが示唆された。例えば、H受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストは、げっ歯類における食物摂取および体重増加に影響することが実証された。最近の証明により、てんかんの治療において、Hアンタゴニストまたは逆アゴニストの使用が可能であることが指摘された。研究により、間代性痙攣の持続時間と脳のヒスタミン量との間の逆相関性が実証された。チオペラミドは、電気誘発痙攣後の全痙攣段階の持続期間を有意に、用量依存的に減少し、電撃閾値を増加することも示された。
【0010】
受容体結合部位は、低密度ではあるが、脳の外部で検知することができる。いくつかの研究により、消化管において、ならびに呼吸器の神経細胞上で、H異種受容体の存在が明らかにされた。したがって、H受容体結合化合物は、喘息、鼻炎、気道うっ血、炎症、運動過剰および運動性低下、ならびに消化管の酸分泌などの疾患および状態の治療において有用であり得る。H受容体の末梢遮断および中央遮断は、血圧、心拍および循環器の拍出量における変化に寄与する可能性もあり、循環器疾患の治療において、ならびに肥満症、片頭痛、炎症、動揺病、疼痛、ADHD、認知症、うつ病、パーキンソン病、統合失調症、てんかん、ナルコレプシー、急性心筋梗塞、および喘息などの疾患および状態の治療において使用できる。
【0011】
各種インドール誘導体が、U.S.特許第5631381号および第6630496号Bl;WO93/25524;WO99/43672およびWO2004/099192に開示されている。
【発明の開示】
【0012】
発明の要旨
本発明は、第一の態様において、一般式:
【0013】
【化4】

[式中、スペーサーは、
【0014】
【化5】

であり、
YはCHまたはNであり、但し、YがCHの場合、nは0〜2であり、YがNの場合、nは2〜4であり、
YがCHの場合、RおよびRは一緒になって−(CH−NR11−(CH−(式中、aは1〜2である。)であり、RおよびRがYと一緒になると、フルオロ、フルオロアルキル、(C〜C)アルキル、アルコキシ、アリール、(C〜C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(このヘテロシクロアルキルは、(O、S)から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む。)および(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキルから選択される1〜3個の基で場合により置換されているピペリジン環またはピロリジン環を形成し、
YがNの場合、RおよびRは独立に(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)シクロアルキルであり;またはRおよびRは、これらが結合している窒素と一緒になって、1〜3個の(C〜C)アルキル基、フルオロアルキル基、もしくは(C〜C)シクロアルキル基で場合により置換されている、OおよびSから選択される0〜1個の追加のヘテロ原子を有する5〜7員複素環系を形成する;またはRおよびRは一緒になって−(CH)a−NR11−(CH−(式中、aは2〜3である。)であり、RおよびRがYと一緒になると、フルオロ、フルオロアルキル、(C〜C)アルキル、アルコキシ、アリール、(C〜C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(このヘテロシクロアルキルは、(O、S)から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む。)および(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキルから選択される1〜3個の基で場合により置換されているピペラジン環もしくはホモピペラジン環を形成し、
は、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル−(C〜C)アルキル、ヘテロシクロアルキル(このヘテロシクロアルキルは、(O、S)から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む。)および(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキルから選択される0〜2個の基であり、
およびRは独立に、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、アリール、CFおよびハロゲンから選択され、
は、CONR、−(CH−O−R、アルキル、フルオロアルキルまたはSONRであり、
xは1〜4であり、
およびRは独立に、水素、(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)シクロアルキルであり、またはRおよびRは、これらが結合している窒素と一緒になって、O、S、およびN(R10)から選択される0〜1個の追加のヘテロ原子を有する5〜7員複素環系(但し、得られた環は、1〜3個の(C〜C)アルキル基または(C〜C)シクロアルキル基で場合により置換されている。)を形成し、
は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルまたはアリールであり、
10は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルまたはアリールであり、
11は、(C〜C)アルキル、フルオロアルキルまたは(C〜C)シクロアルキルである。]の化合物ならびにこれらの医薬として許容可能な塩および個々の立体異性体を提供する。
【0015】
この発明は、少なくとも1種の式(1)の化合物の有効量と組み合わせて、医薬として許容可能な担体を含む医薬組成物も提供する。
【0016】
本発明は、炎症、片頭痛、動揺病、疼痛、パーキンソン病、てんかん、循環器疾患(即ち、高血圧または低血圧、急性心筋梗塞)、消化器疾患(酸分泌、運動)、注意または認識の障害を伴う中枢神経系障害(即ち、アルツハイマー型、注意欠陥障害、加齢性記憶障害、発作など)、および精神障害(即ち、うつ病、統合失調症、強迫性障害など);睡眠障害(即ち、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸、不眠症、生体リズムおよび概日リズムの障害、高傾眠および低傾眠)、および肥満症、拒食症/過食症、体温調節、ホルモン放出などの障害など、ヒスタミンH受容体の調節が治療に重要であると思われる状態を治療するための有効量の式(I)の化合物を、こうした治療を必要としている患者に投与することを含む方法も提供する。
【0017】
発明の詳細な説明
式(I)の化合物に関し、好ましくは、R−Y−R
【0018】
【化6】

であり、RはHであり、RはH、5−メトキシ、5−フルオロ、またはメチルであり、RはHであり、Rは−CHOCHまたは−(CHOCHである。
【0019】
現在好ましい化合物として、
2−メチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
−メチル−1−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−メチル−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール;
1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−メトキシ−2−メチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−メチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−ブロモ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
4−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−メトキシ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2,5−ジメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
6−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−メチル−5−フルオロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
1−[3−メトキシ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−2−メチル−1H−インドール;
1−[3−クロロ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−2−メチル−1H−インドール;
2−プロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−メトキシ−2−メチル−1−[4−(4−ピロリジン−1−イルブト−1−イニル)フェニル]−1H−インドール;
(5−メトキシ−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−イル)ピロリジン−1−イルメタノン;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロブチルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロペンチルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘキシルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘプチルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−イル)ピロリジン−1−イルメタノン;
2−(3−モルホリン−4−イルプロポキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[1,2−α]インドール;
(1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−イル)モルホリン−4−イルメタノン;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸ブチルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸イソブチルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘキシルメチルアミド;
5−メトキシ−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル)−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘキシルアミド;
1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル;
{1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−イル}メタノール;
2−メトキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−シクロヘキシルオキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−イソプロポキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−シクロペンチルオキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
{5−メトキシ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−イル}メタノール;
2−シクロプロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−プロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−シクロプロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)シクロヘキシル]−1H−インドール;
2−(2−メトキシエチル)−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
および
2−{1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−イル}エタノール
が挙げられる。
【0020】
本発明の特定化合物は、各種異性体(例えば、エナンチオマーおよびジアステレオマー)の形態で存在してよい。本発明は、純粋な形態、およびラセミ混合物を含めた混合物の両方のこのような異性体全てを意図する。エノール型および互変異性型も含まれる。
【0021】
本発明の化合物は、非溶媒和形態ならびに水和物の形態、例えば半水和物を含む、溶媒和形態で存在することができる。一般に、水、エタノール等などの医薬として許容可能な溶媒との溶媒和形態は、本発明の目的では、非溶媒和形態と同等である。
【0022】
本発明の特定化合物は、医薬として許容可能な塩、例えば酸付加塩も形成する。例えば、窒素原子は酸との塩を形成することができる。塩形成のための適当な酸の例は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、および当分野の技術者に周知の他の無機カルボン酸である。該塩は、従来の方法で遊離塩基形態を望ましい酸の十分な量と接触させ、塩を生成することにより調製される。遊離塩基形態は、水酸化物、炭酸カリウム、アンモニア、および炭酸水素ナトリウムの希水溶液などの、適当な塩基の希水溶液で該塩を処理することにより再生処理することもできる。遊離塩基形態は、それぞれの塩の形態と、極性溶媒における溶解性などの特定の物理的性質がいくらか異なるが、酸塩は、本発明の目的ではそれぞれの遊離塩基形態と同等である。(例えば、参照により本明細書に組み込む、S.M.Berge,et al.“Pharmaceutical Salts”J.Pharm.Sci.66:1−19(1977)を参照されたい。)
【0023】
この明細書および添付の特許請求の範囲全体において、下記の用語はこれらのものに属する意味を有する。
【0024】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1個の水素原子を取り除くことにより飽和炭化水素から派生する直鎖または分岐鎖の基を示す。アルキル基の代表例として、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。
【0025】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、3〜10個の炭素原子および1〜3個の環を有する脂肪族環系を示し、限定されないが、とりわけ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボミル、およびアダマンチルが挙げられる。シクロアルキル基は、置換されていなくても、または低級アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、ハロ、メルカプト、ニトロ、カルボキサルデヒド、カルボキシ、アルコキシカルボニル、およびカルボキシミドから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されていてもよい。
【0026】
「シクロアルキル」は、シスまたはトランス型を含む。さらに、置換基は、架橋二環系において、エンド位またはエクソ位のいずれか一方にあってよい。
【0027】
本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、I、Br、Cl、またはFを示す。
【0028】
本明細書で使用される「ヘテロ原子」という用語は、少なくとも1個のN、O、またはSの原子を示す。
【0029】
単独で、または組み合わせて本明細書で使用される「ヘテロシクリル」という用語は、少なくとも1個の環内にN、O、またはS原子を含む非芳香族の3〜10員環を示す。複素環は、場合により、アリール縮合していてもよい。複素環は、とりわけ、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアルキル、オキソ、アリールスルホニル、アラルキルアミノカルボニルからなる基から独立して選択される少なくとも1個の置換基で場合により置換されてもよい。
【0030】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、特定の量における特定の成分を含む生成物、ならびに特定の量における特定の成分の組み合わせから直接または間接的に得られる任意の生成物を包括することを意図する。
【0031】
本発明の化合物は、無機または有機酸由来の医薬として許容可能な塩の形態で使用することができる。「医薬として許容可能な塩」という句は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応など無く、ヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに適切であり、妥当な効果/リスク比に見合う塩を意味する。は、当技術分野でよく知られている。例えば、S.M.Berge et al.が医薬として許容可能な塩を、J.Pharmaceutical Sciences.1977,66:1 et seq.において詳しく記載している。該塩は、本発明の化合物の最終的な単離および精製中にin situで、または別段、遊離塩基の官能基を適当な有機酸と反応させることにより調製することができる。代表的酸付加塩として、限定されないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イソチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミト酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオネート、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、プトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸が挙げられる。さらに、塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物などの低級アルキルハロゲン化物;ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルの硫酸塩のようなジアルキル硫酸塩;デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物などの長鎖ハロゲン化物;ベンジルおよびフェネチルの臭化物のようなアリールアルキルハロゲン化物などの作用物質で四級化することができる。この結果、水または油に可溶性または分散性の生成物が得られる。医薬として許容可能な酸付加塩を形成するのに用いることができる酸の例として、塩酸、ヒドロブロルン酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、およびクエン酸などの有機酸が挙げられる。
【0032】
塩基付加塩は、カルボン酸含有部分を、医薬として許容可能な金属陽イオンの水酸化物、カーボネート、もしくは重炭酸塩などの適当な塩基と、あるいはアンモニアまたは有機1級、2級、もしくは3級アミンと反応させることにより、この発明の化合物の最終的な単離および精製中にin situで調製することができる。医薬として許容可能な塩として、限定されないが、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩およびアルミニウム塩などのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属に基づく陽イオンなど、無毒性4級のアンモニアおよびアミンの陽イオンとして、とりわけアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウムおよびエチルアンモニウムが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な、他の代表的有機アミンとして、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどが挙げられる。
【0033】
この発明の化合物の局所投与用剤形として、散剤、スプレー剤、軟膏剤、および吸入剤が挙げられる。該活性化合物は、必要とされることができる医薬として許容可能な担体、および任意の必要な防腐剤、緩衝剤、または噴霧剤と、滅菌条件下で混合される。眼科用製剤、眼軟膏剤、散剤、および溶液も、本発明の範囲内であると意図される。
【0034】
この発明の医薬組成物における有効成分の実際の投与量は、特定の患者、組成物、および投与方法に対して所望の治療反応を達成するのに有効である活性化合物(複数も)の量を得るために異なってよい。選択される投与量は、特定の化合物の活性、投与経路、治療する状態の重症度、ならびに治療する患者の状態および先の病歴に依存する。しかし、所望の治療効果を達成するのに必要な量より低い量で該化合物の投与を開始し、所望の効果を達成するまで徐々に増加するのは、当分野の技術の範囲内である。
【0035】
上記または他の治療において使用する場合、本発明の化合物の1種の治療有効量は、純粋な形態で、または医薬として許容可能な塩、エステル、もしくはプロドラッグの形態が存在する場合は、こうした形態で用いることができる。別法として、該化合物は、医薬として許容可能な1種または複数の賦形剤と組み合わせて、対象の化合物を含む医薬組成物として投与することができる。本発明の化合物の「治療有効量」という句は、任意の医療処置に適用できる妥当な効果/リスク比で、障害を治療するための化合物の十分な量を意味する。しかし、本発明の化合物および組成物の全1日量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医により決定されることは理解されよう。特定患者に対する特定の治療有効投与量は、治療する障害および障害の重症度;用いる特定の化合物の活性;用いる特定の組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康、性別、および食事;用いる特定の化合物の投与時間、投与経路、および排出速度;治療期間;用いる特定の化合物と組み合わせて、または同時に使用する薬物;医療技術における周知の要素などを含む様々な要素に依存する。例えば、所望の治療効果を達成するのに必要な量より低い量で該化合物の投与を開始し、所望の効果を達成するまで徐々に増加するのが、十分に当分野の技術の範囲内である。
【0036】
ヒトまたはそれより下等の動物に投与されるこの発明の化合物の全1日量は、約0.0001〜約1000mg/kg/日の範囲でよい。経口投与の目的では、より好ましい投与量は、約0.001〜約5mg/kg/日の範囲であってよい。所望であれば、有効1日量を、投与の目的で複数回用量に分けることができるので、単回用量の組成物は合計が1日量となるような量または分量を含むことになる。
【0037】
本発明は、医薬として許容可能な1種または複数の無毒性担体とともに配合された本発明の化合物を含む医薬組成物も提供する。医薬組成物は、固体または液状の形態での経口投与、非経口注射、または直腸投与のために、特別に配合することができる。
【0038】
この発明の医薬組成物は、経口で、直腸に、非経口で、大槽内に、膣内に、腹腔内に、(散剤、軟膏剤、および点滴剤により)局所的に、頬内に、または経口もしくは経鼻スプレーとして、ヒトおよび他の哺乳動物に投与することができる。本明細書で使用される「非経口で」という用語は、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下、および関節内の注射および注入を含む投与方法を示す。
【0039】
別の一態様において、本発明は、本発明の構成成分および生理学的に忍容性のある希釈剤を含む医薬組成物を提供する。本発明は、とりわけ、非経口注射、鼻腔内送達、固体または液状形態における経口投与、直腸または局所投与のための希釈剤として、本明細書で集合的に示される、生理学的に認容性のあるまたは生理学的に許容可能な無毒性の1種または複数の希釈剤、担体、助剤または媒体とともに上記のように組成物に配合される、1種または複数の化合物を含む。
【0040】
該組成物は、冠内ステント(細密な金網からなる管状器具)を介して、または生分解性ポリマーを介して、標的部位に局所送達するためにカテーテルにより送達することもできる。該化合物は、標的送達のために、抗体などのリガンドとの複合体とさせてもよい。
【0041】
非経口注射に適切な組成物は、注射可能な滅菌の溶液または分散液に再構成するために、生理学的に許容可能な、滅菌の水性または非水性の溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、および滅菌粉末を含有してもよい。適当な水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒、または媒体の例として、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロールなど)、(オリーブ油などの)植物油、オレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステル、およびこれらの適当な混合物が挙げられる。
【0042】
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などの助剤を含むこともできる。微生物の作用は、各種の抗菌剤および抗カビ剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などにより確実に予防できる。等張剤、例えば糖類、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましい場合もある。注射可能な医薬品形態の持続的吸収は、吸収を遅延させる作用物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によりもたらすことができる。
【0043】
懸濁液は、該活性化合物に加えて、懸濁剤、例としては、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれら物質の混合物などを含んでよい。
【0044】
一部の例において、該薬物の効果を持続させるために、皮下注射または筋肉内注射から薬物を緩慢に吸収させることが望ましい。これは、水溶性の乏しい結晶質または非晶質の材料の懸濁液を使用することにより実現することができる。したがって、該薬物の吸収速度は溶解速度に依存しており、言い換えると、結晶サイズおよび結晶形に依存することになる。別法として、非経口投与の薬物形態の吸収を遅延させるのには、油性媒体中に該薬物を溶解させるか、または懸濁させることにより実現する。
【0045】
注射可能なデポー形態は、ポリ乳酸−ポリグリコール酸などの生分解性ポリマー中に、該薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより作られる。ポリマーに対する薬物の割合、および用いる特定ポリマーの性質に応じて、薬物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。注射可能なデポー製剤は、体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に該薬物を混入させることにより調製することもできる。
【0046】
注射可能な製剤は、例えば、細菌保持フィルターに通してろ過することにより、または使用する直前に滅菌水もしくは他の注射可能な滅菌媒体中に溶解もしくは分散することができる滅菌固形組成物の形態中に滅菌剤を組み入れることにより滅菌できる。
【0047】
経口投与用の固体剤形として、カプセル、錠剤、丸薬、散剤、および顆粒が挙げられる。こうした固体剤形において、該活性化合物は、クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウムなど、不活性で医薬として許容可能な少なくとも1種の賦形剤または担体および/またはa)デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤;b)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、およびアカシアなどのバインダー;c)グリセロールなどの湿潤剤;d)寒天、炭酸カルシウム、バレイショデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸カルシウムなどの崩壊剤;e)パラフィンなどの溶解遅延剤;f)四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;g)セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤;h)カオリン粘土およびベントナイト粘土などの吸収剤;およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物などの潤滑剤と混合してよい。カプセル、錠剤、および丸薬の場合、該剤形は、緩衝剤を含んでもよい。
【0048】
同様の種類の固形組成物を、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量のポリエチレングリコール等などの賦形剤を使用して、ゼラチン軟カプセル剤および硬カプセル剤中の充填剤として用いてもよい。
【0049】
錠剤、糖衣錠、カプセル、丸薬、および顆粒の固体剤形は、腸溶剤皮および医薬剤形技術においてよく知られている他の剤皮などの剤皮および外殻で調製することができる。これらは場合により乳白剤を含有してもよく、これらが活性成分(複数も)だけを、または優先的に、腸管の特定部分中に、場合によっては遅延方法により放出するような組成物であってもよい。使用できる組成物の包埋の例として、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
【0050】
活性化合物は、適切な場合、1種または複数の上記賦形剤でマイクロカプセル化された形態であってもよい。
【0051】
経口投与用液剤として、医薬として許容可能な乳濁液、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルが挙げられる。液剤は、活性化合物に加えて、例えば、水または他の溶媒などの当分野で一般に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、とうもろこし油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルなどの可溶化剤および乳化剤、ならびにこれらの混合物などを含んでいてもよい。
【0052】
経口組成物は、不活性な希釈剤の他に、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤ならびに甘味剤、香味剤および香料剤などの助剤を含んでもよい。
【0053】
直腸投与または膣口投与用の組成物は、カカオ脂、ポリエチレングリコールなどの適当な非刺激性の賦形剤もしくは担体とこの発明の化合物を混合させることにより調製できる坐剤、または室温では固体であるが体温では液体であり、したがって直腸または膣腔中で溶けて活性化合物を放出する坐剤ワックスであるのが好ましい。
【0054】
本発明の化合物は、リポソームの形態で投与することもできる。当技術分野で知られているように、一般にリポソームは、リン脂質または他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒体中に分散する単層状または複層状の水和液晶により形成される。リポソームを形成することが可能な、無毒性で生理学的に許容可能であり代謝可能である任意の脂質を使用することができる。リポソームの形態における本組成物は、本発明の化合物に加え、安定剤、防腐剤、賦形剤などを含んでもよい。好ましい脂質は、別々に、または一緒に使用される、天然および合成のリン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。
【0055】
リポソームを形成する方法は、当技術分野において知られている。例えば、Prescott,Ed.Methods in Cell Biology,Volume XIV,Academic Press,New York,N.Y.(1976)p.33を参照されたい。
【0056】
本明細書で使用される「薬学上許容可能なプロドラッグ」という用語は、健全な医療判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応など無く、ヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに適切であり、妥当な効果/リスク比に相応し、使用目的に対して有効である本発明の化合物のプロドラッグ、ならびに可能であれば、本発明の化合物の両イオン型を示す。本発明のプロドラッグはインビボで、例えば、血中で加水分解により、上記式の親化合物に迅速に変換することができる。徹底的考察が、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems,V.14of the A.C.S.Symposium Series、およびEdward B.Roche,ed.Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press(1987)において提供されており、参照により本明細書に組み込む。
【0057】
哺乳動物に投与された異なる化合物がインビボで転換して形成される本発明の化合物は、本発明の範囲内に含まれることを意図する。
【0058】
本発明の化合物は、不斉中心またはキラル中心が存在する立体異性体として存在してよい。これらの立体異性体は、キラル炭素原子の周囲の置換基の配置に応じて、「R」または「S」である。本発明は、各種立体異性体、およびこれらの混合物を意図する。立体異性体として、エナンチオマーおよびジアステレオマー、ならびにエナンチオマーまたはジアステレオマーの混合物が挙げられる。本発明の化合物の個々の立体異性体は、不斉中心またはキラル中心を含む市販の出発原料から合成により調製するか、またはラセミ混合物の調製後、当分野の一般技術者によく知られている分解により調製することができる。これらの分解方法として、(1)エナンチオマーの混合物をキラル補助基へ付加させ、得られるジアステレオマーの混合物を、再結晶もしくはクロマトグラフィーにより分離し、補助基から光学的に純粋な生成物を単体分離する、または(2)キラルクロマトグラフィーカラム上で光学エナンチオマーの混合物を直接分離することが例として挙げられる。
【0059】
本発明の化合物は、非溶媒和形態、ならびに半水和物などの水和物の形態を含めた溶媒和形態で存在することができる。一般に、とりわけ水およびエタノールなどの医薬として許容可能な溶媒との溶媒和形態は、本発明の目的では非溶媒和形態と同等である。
【0060】
本発明は、下記の代表的なスキームおよび実施例により例示することができる。
【0061】
【化7】

【実施例1】
【0062】
2−メチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0063】
【化8】

【0064】
1−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−1H−インドール。1−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−1H−インドールを、Buchwald et al.J Am.Chem.Soc.2001,123,7727に従って合成した。2−メチルインドール(157mg、1.2mmol)、4−ヨードアニソール(234mg、1mmol)、ヨウ化銅(I)(2mg、0.01mmol)、トランス−1,2−ジアズニノシクロヘキサン(11.4mg、0.1mmol)、および三塩基性リン酸カリウム(446mg、2.1mmol)を、ジオキサン(1mL)中、90℃で終夜撹拌した。反応混合物をシリカパッドに通してろ過し、酢酸エチルで洗浄した。5〜20%酢酸エチル/ヘキサンを使用したSiOクロマトグラフィーにより、所望の生成物175mgを得た(収率74%)。LC−MS(C1615NO 計算値237)m/z238(M+H)。
【0065】
4−(2−メチルインドール−1−イル)フェノール。1−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−1H−インドール(175mg、0.73mmol)をジクロロメタン(2mL)中に溶解し、0℃に冷却した。三臭化ホウ素(2.19mL、1Mジクロロメタン溶液、2.19mmol)を滴下により添加し、反応物を2時間撹拌した。反応物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液の添加によりクエンチした後、ジクロロメタン、次いで酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をMgSO上で乾燥し、濃縮した。反応物を定量的に推定した。LC−MS(C1513NO 計算値223)m/z224(M+H)。
【0066】
1−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−2−メチル−1H−インドール。4−(2−メチルインドール−1−イル)フェノール(0.36mmol)を、2−ブタノン(3mL)中で、1−ブロモ−3−クロロプロパン(0.107ml、1.08mmol)および炭酸カリウム(0.15g、1.08mmol)とともに、70℃で終夜加熱した。該溶媒を蒸発させた。得られた残渣を、酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄した。水層を酢酸エチルで逆抽出した。有機抽出物をMgSO上で乾燥し、濃縮した。5〜20%酢酸エチル/ヘキサンを使用したSiOクロマトグラフィーにより、所望の生成物60mgを無色油として得た(2段階の収率56%)。LC−MS(C1818ClNO 計算値299)m/z300、302(M+H)。
【0067】
2−メチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール。1−[4−(3−クロロプロポキシ)フェニル]−2−メチル−1H−インドール(20mg、0.067mmol)をN−メチルピロリジノン(0.5mL)に溶解し、ピロリジン(0.017mL、0.2mmol)、炭酸カリウム(46mg、0.34mmol)、および触媒量のヨウ化カリウムを添加した。反応物を70℃で終夜加熱した。反応物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をMgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣を半調製用LC−MSにより精製して、所望の生成物9.6mgを得た(収率43%)。LC−MS(C2226Oの計算値:334)m/z 335(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.58〜7.53(m,1H)、7.26〜7.25(m,3H)、7.12〜6.99(m,4H)、6.37(s,1H)、4.10(t,J=6Hz,2H)、2.99〜2.90(m,6H)、2.24(s,3H)、2.22〜2.14(m,2H)、2.00〜1.90(m,6H)。
【実施例2】
【0068】
2−メチル−1−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0069】
【化9】

【0070】
2−メチル−1−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、最終段階においてピロリジンの代わりにピペリジンを使用し、実施例1に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2328Oの計算値:348)m/z 349(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.58〜7.52(m,1H)、7.23〜7.21(m,3H)、7.12〜6.99(m,4H)、6.37(s,1H)、4.09(t,J=6Hz,2H)、2.79〜2.68(m,6H)、2.27(s,3H)、2.20〜2.09(m,2H)、1.77〜1.69(m,4H)、1.56〜1.52(m,2H)。
【実施例3】
【0071】
2−メチル−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール
【0072】
【化10】

【0073】
2−メチル−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドールを、最終段階においてピロリジンの代わりに(R)−2−メチルピロリジンを使用し、実施例1に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2328Oの計算値:348)m/z 349(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.58〜7.52(m,1H)、7.26〜7.25(m,3H)、7.12〜7.00(m,4H)、6.37(s,1H)、4.16〜4.05(m,2H)、3.46〜3.39(m,1H)、3.22〜3.13(m,1H)、2.75〜2.63(m,1H)、2.57〜2.42(m,2H)、2.27(s,3H)、2.21〜1.55(m,6H)、1.25(d,J=6.3Hz,3H)。
【0074】
【化11】

【実施例4】
【0075】
1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0076】
【化12】

【0077】
1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]ピロリジン。4−ヨードフェノール(2.2g、10mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中に、N下で溶解し、水素化ナトリウム(0.48g、鉱油中に60%分散、12mmol)を数回に分けて添加した。1−(3−クロロプロピル)ピロリジン(1.77g、12mmol)およびヨウ化ナトリウム(1.8g、12mmol)を添加し、反応混合物を70℃で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。酢酸エチル溶液を1N HCl(×2)で洗浄した。酸性抽出物を2N NaOHで塩基性にし、次いで酢酸エチル(×2)で抽出した。全ての酢酸エチル抽出物を合わせ、MgSO上で乾燥し、濃縮して、黄色油2.98gを得た(粗収率90%)。LC−MS(C1318INO 計算値331)m/z332(M+H)。
【0078】
1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール。1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−ピロリジン(66mg、0.2mmol)、インドール(28mg、0.24mmol)、ヨウ化銅(I)(0.4mg、0.002mmol)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.0024mmol、0.02mmol)、およびリン酸三カリウム(89mg、0.42mmol)を、ジオキサン中、90℃で終夜撹拌した。反応混合物をセライトに通してろ過し、ジクロロメタンで洗浄した。ろ液を濃縮し、得られた残渣を半調製用LC−MSにより精製して、所望の生成物22.4mgを得た(収率35%)。LC−MS(C2124Oの計算値:320)m/z 321(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.67(d,J=6.9Hz,1H)、7.45(d,J=8.4Hz,1H)、7.40〜7.35(m,2H)、7.27(d,J=3Hz,1H)、7.22〜7.10(m,2H)、7.04〜6.99(m,2H)、6.64(d,J=3Hz,1H)、4.08(t,J=6.3Hz,2H)、2.66(t,J=7.2Hz,2H)、2.57〜2.52(m,4H)、2.09〜2.00(m,2H)、1.83〜1.78(m,4H)。
【実施例5】
【0079】
5−メトキシ−2−メチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0080】
【化13】

【0081】
5−メトキシ−2−メチル−l−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、最終段階においてインドールの代わりに5−メトキシ−2−メチルインドールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2328の計算値:364)m/z 365(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.23〜7.20(m,2H)、7.03(d,J=2.4Hz,1H)、7.02〜6.97(m,2H)、6.93(d,J=8.7Hz,1H)、6.72(dd,J=9Hz,2.4Hz,1H)、6.30(s,1H)、4.10(t,J=6Hz,2H)、3.85(s,3H)、3.03〜2.96(m,4H)、2.25(s,3H)、2.24〜2.16(m,2H)、1.99〜1.94(m,4H)。
【実施例6】
【0082】
5−メチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0083】
【化14】

【0084】
5−メチル−l−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、最終段階においてインドールの代わりに5−メチルインドールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2226Oの計算値:334)m/z 335(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.46(s,1H)、7.40〜7.33(m,2H)、7.23(d,J=3.3Hz,1H)、7.23(d,J=3.3Hz,1H)、7.04〜6.98(m,2H)、6.56(d,J=3.3Hz,1H)、4.08(t,J=6.3Hz,2H)、2.80〜2.70(m,6H)、2.17〜2.06(m,2H)、1.88〜1.84(m,4H)。
【実施例7】
【0085】
5−ブロモ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0086】
【化15】

【0087】
5−ブロモ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、最終段階においてインドールの代わりに5−ブロモインドールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2123BrNOの計算値:399)m/z 400、402(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.79(s,1H)、7.37(d,J=4.8Hz,2H)、7.29〜7.26(m,3H)、7.01(d,J=8.7Hz,2H)、6.58(d,J=3.3Hz,1H)、4.09(t,J=6.3Hz,2H)、2.92〜2.82(m,6H)、2.20〜2.11(m,2H)、1.94〜1.89(m,4H)。
【実施例8】
【0088】
4−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0089】
【化16】

【0090】
4−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、最終段階においてインドールの代わりに4−クロロインドールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2123ClNOの計算値:354)m/z 355、357(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.39〜7.30(m,4H)、7.17〜7.08(m,2H)、7.04〜6.99(m,2H)、6.75(d,J=3.3Hz,1H)、4.09(t,J=6Hz,2H)、2.97〜2.89(m,6H)、2.22〜2.13(m,2H)、1.96〜1.92(m,4H)。
【実施例9】
【0091】
5−メトキシ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0092】
【化17】

【0093】
5−メトキシ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、最終段階においてインドールの代わりに5−メトキシインドールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2226 計算値350)m/z351(M+H)。
【実施例10】
【0094】
5−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0095】
【化18】

【0096】
5−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、最終段階においてインドールの代わりに5−クロロインドールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2123ClNOの計算値:354)m/z 355、357(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.63(d,J=2.1Hz,1H)、7.37〜7.32(m,3H)、7.28(d,J=3Hz,1H)、7.14(dd,J=8.7Hz,1.8Hz,1H)、7.04〜6.99(m,2H)、6.58(d,J=3Hz,1H)、4.09(t,J=6.3Hz,2H)、2.83〜2.73(m,6H)、2.16〜2.07(m,2H)、1.90〜1.85(m,4H)。
【実施例11】
【0097】
2,5−ジメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0098】
【化19】

【0099】
2,5−ジメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、最終段階においてインドールの代わりに2,5−ジメチルインドールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2328Oの計算値:348)m/z 349(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.40(s,1H)、7.23〜7.19(m,2H)、7.04〜6.99(m,2H)、6.95〜6.90(m,2H)、6.28(s,1H)、4.10(t,J=6.3Hz,2H)、2.68(t,J=7.2Hz,2H)、2.57(m,4H)、2.43(s,3H)、2.25(s,3H)、2.12〜1.99(m,2H)、1.84〜1.80(m,4H)。
【実施例12】
【0100】
6−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0101】
【化20】

【0102】
6−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、最終段階においてインドールの代わりに6−クロロインドールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2123ClNOの計算値:354)m/z 355、357(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.57(d,J=8.4Hz,1H)、7.38(s,1H)、7.37〜7.34(m,2H)、7.26〜7.25(m,1H)、7.11(dd,J=8.4Hz,1.8Hz,1H)、7.06〜7.01(m,2H)、6.62(d,J=3.3Hz,1H)、4.10(t,J=6.3Hz,2H)、2.69(t,J=7.5Hz,2H)、2.59(m,4H)、2.12〜2.03(m,2H)、1.88〜1.78(m,4H)。
【実施例13】
【0103】
2−メチル−5−フルオロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0104】
【化21】

【0105】
2−メチル−5−フルオロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、最終段階においてインドールの代わりに5−フルオロ−2−メチルインドールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2225FNO 計算値352)m/z353(M+H)。
【実施例14】
【0106】
1−[3−メトキシ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]2−メチル−1H−インドール
【0107】
【化22】

【0108】
1−[3−メトキシ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−2−メチル−1H−インドールを、最終段階において4−ヨードフェノールおよび2−メチルインドールを使用するよりはむしろ第1段階において4−ブロモグアヤコールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2328の計算値:364)m/z 365(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.58〜7.55(m,1H)、7.14〜7.07(m,3H)、6.99(d,J=8.7Hz,1H)、6.88(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,2H)、6.83(d,J=2.4Hz,1H)、6.38(s,1H)、4.17(t,J=6.3Hz,2H)、3.83(s,3H)、3.02〜2.94(m,6H)、2.29(s,3H)、2.27〜2.20(m,2H)、1.97〜1.93(m,4H)。
【実施例15】
【0109】
1−[3−クロロ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−2−メチル−1H−インドール
【0110】
【化23】

【0111】
1−[3−クロロ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−2−メチル−1H−インドールを、最終段階において4−ヨードフェノールおよび2−メチルインドールを使用するよりはむしろ第一段階において4−ブロモ−2−クロロフェノールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2225ClNOの計算値:368)m/z 369,371(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.58〜7.54(m,1H)、7.37(d,J=2.4Hz,1H)、7.20(dd,J=8.7Hz,2.7Hz,1H)、7.11〜7.02(m,4H)、6.38(s,1H)、4.19(t,J=6.3Hz,2H)、2.88(t,J=7.2Hz,2H)、2.77(m,4H)、2.24〜2.15(m,2H)、1.91〜1.87(m,4H)。
【実施例16】
【0112】
2−プロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0113】
【化24】

【0114】
2−プロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、最終段階においてインドールの代わりに2−プロピルインドールを使用し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。2−プロピルインドールは、Kuyper et al.(J.Med.Chem.1996,39,892)に従って調製した。LC−MS(C2430Oの計算値:362)m/z 363(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.58(m,1H)、7.25〜7.21(m,2H)、7.12〜6.99(m,5H)、6.38(s,1H)、4.10(t,J=6Hz,2H)、3.01〜2.93(m,6H)、2.55(t,J=7.8Hz,2H)、2.25〜2.15(m,2H)、1.98〜1.91(m,4H)、1.66〜1.54(m,2H)、0.91(t,J=7.5Hz,3H)。
【0115】
【化25】

【実施例17】
【0116】
5−メトキシ−2−メチル−1−[4−(4−ピロリジン−1−イルブト−1−イニル)フェニル]−1H−インドール
【0117】
【化26】

【0118】
1−(4−ブロモフェニル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール、および1−(4−ヨードフェニル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インドール。5−メトキシ−2−メチルインドール(500mg、3.1mmol)および1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(877mg、3.1mmol)を、トルエン(6mL)中に溶解した。得られた溶液に、ヨウ化銅(I)(12mg、0.062mmol)、三塩基性リン酸カリウム(1.32g、6.2mmol)、およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(6.6μL、0.062mmol)を添加した。混合物を80℃で終夜加熱し、室温まで冷却し、シリカパッドに通してろ過した。得られた溶液を濃縮して得たブロモとヨードハロフェニルインドールとの混合物は、さらに精製することなく使用した(推定定量)。
【0119】
4−[4−(5−メトキシ−2−メチルインドール−1−イル)フェニル]but−3−イン−1−オール。上記インドール混合物(50mg)のトリエチルアミン(1mL)溶液に、ヨウ化銅(I)(6mg、0.03mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(17mg、0.015mmol)を添加した。3−ブチン−1−オール(15μL、0.20mmol)を添加後、得られた混合物を80℃で終夜加熱した。反応物を冷却し、シリカパッドに通してろ過した。シリカを酢酸エチルで洗浄した。濃縮することにより得た所望のアルコールを、さらに精製することなく使用した(推定定量)。
【0120】
5−メトキシ−2−メチル−1−[4−(4−ピロリジン−1−イルブト−1−イニル)フェニル]−1H−インドール。4−[4−(5−メトキシ−2−メチルインドール−1−イル)フェニル]ブト−3−イン−1−オール(60mg、0.19mmol)の塩化メチレン溶液(1mL)に、0℃で、トリエチルアミン(54μL、0.39mmol)および塩化メタンスルホニル(18μL、0.39mmol)を添加した。溶液を0℃で2時間撹拌した後、ピロリジン(163μL、1.95mmol)を添加し、反応物を室温まで終夜温めた。反応物を水でクエンチした後、有機層をMgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣をHPLCにより精製して、所望のインドール(2.8mg)を得た。LC−MS(C2426Oの計算値:358)m/z 359(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.53(d,J=8.4Hz,2H)、7.26(d,J=8.4Hz,2H)、7.03(d,J=2.4Hz,1H)、6.99(d,J=9.0Hz,1H)、6.73(dd,J=2.7,9.0Hz,1H)、6.32(s,1H)、3.85(s,3H)、2.92〜2.83(m,4H)、2.76(m,4H)、2.28(s,3H)、1.88(m,4H)。
【0121】
【化27】

【実施例18】
【0122】
(5−メトキシ−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル)−1H−インドール−2−イル)ピロリジン−1−イルメタノン
【0123】
【化28】

【0124】
1−{4−[3−(2R−メチル−ピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステルを、エチル5−メトキシインドール−2−カルボキシレートから出発し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。1−{4−[3−(2R−メチル−ピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(0.43mmol)を、THF(2.4mL)、メタノール(1.2mL)、および水(0.4mL)中に溶解し、水酸化ナトリウム(103mg、2.58mmol)を添加した。反応混合物を50℃で終夜加熱した。1N HCl溶液を、pHが7を示すまで添加し、溶媒を蒸発させた。残渣の一部(ca.0.2mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中に溶解し、ピロリジン(0.017mL、0.2mmol)、PyBrOP(0.14g、0.3mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(0.104mL、0.6mmol)を添加した。反応混合物を終夜撹拌し、次いで溶媒を蒸発させた。残渣を半調製用LC−MSにより精製して、所望の生成物およびPyBrOP系副生物を得た。残渣を、酢酸エチル、次いで10%メタノール/酢酸エチル、次いで2%トリエチルアミン/10%メタノール/酢酸エチルを使用したSiOクロマトグラフィーによりさらに精製して、所望の生成物15.1mgを得た。LC−MS(C2835の計算値:461)m/z 462(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.30(d,J=9Hz,2H)、7.17(d,J=9Hz,1H)、7.10(d,J=2.4Hz,1H)、6.97(d,J=8.7Hz,2H)、6.88(dd,J=9Hz,2.4Hz,1H)、6.76(s,1H)、4.09〜4.04(m,2H)、3.86(s,3H)、3.49(t,J=6.6Hz,2H)、3.36(t,J=6.2Hz,2H)、3.22(dt,J=2.7Hz,8.7Hz,1H)、3.07〜2.98(m,1H)、2.36〜1.65(m,12H)、1.51〜1.39(m,1H)、1.12(d,J=6Hz,3H)。
【実施例19】
【0125】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロブチルアミド
【0126】
【化29】

【0127】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロブチルアミドを、ピロリジンの代わりにシクロブチルアミンを使用し、実施例18に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2733の計算値:431)m/z 432(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.68(d,J=7.8Hz,1H)、7.29〜7.02(m,8H)、5.91(d,J=7.8Hz,1H)、4.51〜4.37(m,1H)、4.10(t,J=6.3Hz,2H)、3.25〜3.14(m,4H)、3.07〜2.98(m,1H)、2.40〜1.60(m,11H)、1.51〜1.38(m,1H)、1.12(d,J=6Hz,3H)。
【実施例20】
【0128】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロペンチルアミド
【0129】
【化30】

【0130】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロペンチルアミドを、ピロリジンの代わりにシクロペンチルアミンを使用し、実施例18に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2835 計算値445)m/z446(M+H)。
【実施例21】
【0131】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ}フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘキシルアミド
【0132】
【化31】

【0133】
1{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘキシルアミドを、ピロリジンの代わりにシクロヘキシルアミドを使用し、実施例18に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2937 計算値459)m/z460(M+H)。
【実施例22】
【0134】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘプチルアミド
【0135】
【化32】

【0136】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘプチルアミドを、ピロリジンの代わりにシクロヘプチルアミンを使用し、実施例18に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C3039 計算値473)m/z474(M+H)。
【実施例23】
【0137】
(1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−イル)ピロリジン−1−イルメタノン
【0138】
【化33】

【0139】
(1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−イル)ピロリジン−1−イルメタノンを、実施例18に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2733 計算値431)m/z432(M+H)。
【実施例24】
【0140】
2−(3−モルホリン−4−イルプロポキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[1,2−α]インドール
【0141】
【化34】

【0142】
(1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−イル)ピペリジン−1−イルメタノンを、ピロリジンの代わりにピペリジンを使用し、実施例18に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2835 計算値445)m/z446(M+H)。
【実施例25】
【0143】
(1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−イル)モルホリン−4−イルメタノン
【0144】
【化35】

【0145】
(1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−イル)モルホリン−4−イルメタノンを、ピロリジンの代わりにモルホリンを使用し、実施例18に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2733 計算値447)m/z448(M+H)。
【実施例26】
【0146】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸ブチルアミド
【0147】
【化36】

【0148】
1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸ブチルアミドを、ピロリジンの代わりにブチルアミンを使用し、実施例18に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2735 計算値433)m/z434(M+H)。
【実施例27】
【0149】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸イソブチルアミド
【0150】
【化37】

【0151】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸イソブチルアミドを、ピロリジンの代わりにイソブチルアミンを使用し、実施例18に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2735 計算値433)m/z434(M+H)。
【実施例28】
【0152】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロへキシルメチルアミド
【0153】
【化38】

【0154】
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロへキシルメチルアミドを、ピロリジンの代わりにシクロヘキシルメチルアミンを使用し、実施例18に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C3039 計算値473)m/z474(M+H)。
【実施例29】
【0155】
5−メトキシ−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘキシルアミド
【0156】
【化39】

【0157】
5−メトキシ−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘキシルアミドを、ピロリジンの代わりにシクロヘキシルアミンを使用し、実施例18に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C3039 計算値489)m/z490(M+H)。
【0158】
【化40】

【実施例30】
【0159】
1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル
【0160】
【化41】

【0161】
1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステルを、エチルインドール−2−カルボキシレートから出発し、実施例4に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2428の計算値:392)m/z 393(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.72(d,J=7.8Hz,1H)、7.43(s,1H)、7.29〜7.15(m,4H)、7.06(d,J=8.4Hz,1H)、6.99(d,J=8.7Hz,2H)、4.23(q,J=7.2Hz,2H)、4.10(t,J=6Hz,2H)、3.06〜3.01(m,4H)、2.27〜2.17(m,2H)、2.01〜1.96(m,6H)、1.26(t,J=7.2Hz,3H)。
【実施例31】
【0162】
{1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−イル}メタノール
【0163】
【化42】

【0164】
(1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(0.5g、1.27mmol)をTHF(10mL)中に溶解し、THF(10mL)中の水素化アルミニウムリチウム(1.53mL、1M THF溶液、1.53mmol)に滴下により添加した。反応物を60℃で2時間撹拌した。水(0.3mL)、2N NaOH(0.3mL)、および水(0.9mL)を添加し、溶媒を蒸発させた。得られた残渣を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン抽出物をMgSO上で乾燥し、濃縮して、白色固体0.36gを得た。該生成物の少量を半調製用LC−MSにより精製して、純粋な所望の生成物3.5mgを得た。LC−MS(C2226の計算値:350)m/z 351(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.65〜7.61(m,1H)、7.35(d,J=8.7Hz,2H)、7.16〜7.08(m,3H)、7.01(d,J=8.7Hz,2H)、6.65(s,1H)、4.64(s,2H)、4.10(t,J=6Hz,2H)、2.93〜2.86(m,6H)、2.21〜2.12(m,2H)、1.94〜1.90(m,4H)。
【実施例32】
【0165】
2−メトキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0166】
【化43】

【0167】
{1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−イル}メタノール(15mg)を、メタノール、アセトニトリル、および1N HClの混合物に溶解した。溶液を室温で2時間静置させた後、半調製用LC−MSにより精製して、所望の生成物1.1mgを得た。LC−MS(C2328の計算値:364)m/z 365(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.66〜7.61(m,1H)、7.33(d,J=9Hz,2H)、7.20〜6.75(m,5H)、6.66(s,1H)、4.40(s,2H)、4.10(t,J=6.3Hz,2H)、3.28(s,3H)、2.82〜2.71(m,6H)、2.17〜2.08(m,2H)、1.87(m,4H)。
【実施例33】
【0168】
2−シクロヘキシルオキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0169】
【化44】

【0170】
2−シクロヘキシルオキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、メタノールの代わりにシクロヘキサノールを使用し、実施例32に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2836 計算値432)m/z433(M+H)。
【実施例34】
【0171】
2−イソプロポキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0172】
【化45】

【0173】
2−イソプロポキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、メタノールの代わりにイソプロパノールを使用し、実施例32に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2532の計算値:392)m/z 393(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.63〜7.61(m,1H)、7.35〜7.32(m,2H)、7.14〜7.07(m,3H)、7.01(d,J=8.7Hz,2H)、6.64(s,1H)、4.42(s,2H)、4.10(t,J=6.3Hz,2H)、3.58〜3.48(m,1H)、2.76〜2.38(m,6H)、2.08〜2.02(m,2H)、1.83〜1.71(m,4H)、1.08(d,J=6Hz,6H)。
【実施例35】
【0174】
2−シクロペンチルオキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0175】
【化46】

【0176】
2−シクロペンチルオキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、メタノールの代わりにシクロペンタノールを使用し、実施例32に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2734 計算値418)m/z419(M+H)。
【実施例36】
【0177】
{5−メトキシ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−イル}メタノール
【0178】
【化47】

【0179】
{5−メトキシ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−イル}メタノールを、エチル5−メトキシインドール−2−カルボキシレートで出発し、実施例31に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2328の計算値:380)m/z 381(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.33(d,J=8.1Hz,2H)、7.08(s,1H)、6.99(d,J=8.4Hz,3H)、6.80(d,J=8.7Hz,1H)、6.56(s,1H)、4.61(s,2H)、4.07(m,2H)、3.85(s,3H)、2.83(m,6H)、2.14(m,2H)、1.91(m,4H)。
【0180】
【化48】

【実施例37】
【0181】
2−シクロプロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0182】
【化49】

【0183】
N−(2−ヨードフェニル)アセトアミド。2−ヨードアニリン(1.00g、4.56mmol)を、ピリジン(5mL)中に溶解し、0℃に冷却した。塩化アセチル(314μL、5.94mmol)を添加した後、反応物を0℃で1時間、次いで室温で2時間撹拌した。反応物を1N HClで希釈し、エーテルで抽出した。有機層を乾燥(MgSO)し、濃縮して得た所望のアセトアミド(推定定量)を、さらに精製することなく、次の反応において使用した。
【0184】
2−シクロプロピル−1H−インドール。N−(2−ヨードフェニル)アセトアミド(100mg、0.38mmol)のジオキサン(750mL)溶液、および1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(750mL)に、シクロプロピルアセチレン(41mL、0.49mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(35mg、0.05mmol)、およびヨウ化銅(I)(10mg、0.05mmol)を添加した。反応物を終夜80℃で撹拌した。溶液を冷却し、水と塩化メチレンとの間で分割した。有機層を乾燥(MgSO)し、濃縮して、非環化の薗頭カップリング生成物を得た。ジオキサン(750mL)および1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(750mL)を添加し、反応物を終夜90℃で撹拌した。溶液を水と塩化メチレンとの間で再度分割した。有機層を乾燥(MgSO)し、濃縮して得た所望のインドールを、さらに精製することなく使用した。
【0185】
2−シクロプロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール。2−シクロプロピル−1H−インドール(17mg、0.11mmol)および1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]ピロリジン(36mg、0.11mmol)のトルエン(0.2mL)溶液に、ヨウ化銅(0.2mg)、リン酸カリウム(47mg、0.22mmol)、およびN,N−ジメチルエチレンジアミン(1.2μL、0.11mmol)を添加した。反応物を100℃で終夜撹拌した。反応物を室温に冷却した後、シリカパッドに通してろ過した。反応物を濃縮し、分取用HPLCにより精製して、所望のインドール1.6mgを得た。LC−MS(C2423Oの計算値:360)m/z 361(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.55〜7.52(m,1H)、7.35〜7.32(m,2H)、7.10〜7.02(m,5H)、6.16(s,1H)、4.11(t,J=6.3Hz,2H)、2.70(t,J=7.5Hz,2H)、2.59(m,4H)、2.08(五重線,J=7.0Hz,1H)、1.83(m,2H)、1.64(m,4H)、0.88〜0.81(m,2H)、0.79〜0.73(m,2H)。
【実施例38】
【0186】
2−プロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0187】
【化50】

【0188】
2−プロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、第2段階において1−ペンチンを使用し、実施例37に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2430Oの計算値:362)m/z 363(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.61〜7.54(m,1H)、7.25〜7.21(m,2H)、7.09〜6.99(m,5H)、6.38(s,1H)、4.10(t,J=6Hz,2H)、3.01〜2.93(m,6H)、2.55(t,J=7.8Hz,2H)、2.25〜2.15(m,2H)、1.98〜1.93(m,4H)、1.60(六重線,J=7.5Hz,2H)、0.91(t,J=7.5Hz,3H)。
【0189】
【化51】

【実施例39】
【0190】
2−シクロプロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)シクロヘキシル]−1H−インドール
【0191】
【化52】

【0192】
4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキサノン。文献の手順による合成。Carreno,M.C.;Urbano,A.;Di Vitta C.J.Org.Chem.1998,63,8320。
【0193】
[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキシル]−(2−ヨードフェニル)アミン。2−ヨードアニリン(2.5g、10.9mmol)のジクロロメタン(160mL)溶液に、4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキサノン(2.39g、10.9mmol)および酢酸(8mL)を添加した。反応物を1時間室温で撹拌した後、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(3.47g、16.4mmol)を添加し、反応物を室温で終夜撹拌した。反応物を飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機溶液を乾燥(MgSO)し、濃縮して得た所望のアミン4.47gを、さらに精製することなく使用した。LC−MS(C1830INOSi 計算値431)m/z432(M+H)。
【0194】
[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキシル]−(2−シクロプロピルエチニルフェニル)アミン。[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキシル]−(2−ヨードフェニル)アミン(4.47g、10.4mmol)のトリエチルアミン(70mL)溶液に、ヨウ化銅(I)(198mg、1.04mmol)、次いでビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(730mg、1.04mmol)およびシクロプロピルアセチレン(1.73mL、20.8mmol)を添加した。反応物を窒素中、室温で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮した後、残渣をエーテル中に溶解し、セライトに通してろ過した。濃縮により得た粗生成物を、定量的にさらに精製することなく使用した。LC−MS(C2335NOSi 計算値369)m/z370(M+H)。
【0195】
1−[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキシル]−2−シクロプロピル−1H−インドール。[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキシル]−(2−シクロプロピルエチニルフェニル)アミン(3.84g、10.4mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(60mL)溶液に、ヨウ化銅(I)(100mg、0.525mmol)を添加した。反応物を48時間還流した後、室温に冷却し、溶媒を真空中で除去した。残渣を、水とジクロロメタンとの間で分割した。ジクロロメタンを乾燥(MgSO)し、濃縮して得た暗色残渣を、さらに精製することなく次の段階で使用した。LC−MS(C2335NOSi 計算値369)m/z370(M+H)。
【0196】
4−(2−シクロプロピルインドール−1−イル)シクロヘキサノール。上記からの粗製1−[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキシル]−2−シクロプロピル−1H−インドール(10.4mmol)を、テトラヒドロフラン(150mL)中に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(21mL、THF中1M、21mmol)を添加した。反応物を72時間撹拌した後、濃縮し、残渣を酢酸エチルと水との間で分割した。有機層を乾燥(MgSO)し、濃縮し、SiOクロマトグラフィー(10〜50%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、所望のアルコールの2個の(シス/トランス)異性体を得た(極性が高い異性体355mg、極性が低い異性体681mg)。LC−MS(C1721NO 計算値255)m/z256(M+H)。
【0197】
2−シクロプロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)シクロヘキシル]−1H−インドール。4−(2−シクロプロピルインドール−1−イル)シクロヘキサノール(25mg、0.098mmol、極性が高い異性体)のN,N’−ジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、ヨウ化ナトリウム(8mg)および水素化ナトリウム(6mg、鉱油中に60%分散、0.15mmol)を添加した。反応物を室温で5分間撹拌した後、1−(3−クロロプロピル)ピロリジン(22mg、0.15mmol)を添加し、反応物を85℃で3時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、水とジクロロメタンとの間で分割した。有機層を乾燥(MgSO)し、濃縮した。残渣を分取LCMSにより精製して、所望のアミン8.0mgを得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.50(d,J=7.2Hz,1H)、7.42(d,J=8.1Hz,1H)、7.12〜6.99(m,2H)、6.14(s,1H)、4.64〜4.53(m,3H)、3.58(t,J=6.2Hz,2H)、3.42(tt,J=3.9,10.8Hz,1H)、2.91〜2.82(m,4H)、2.42(m,2H)、2.24(m,2H)、2.00〜1.79(m,9H)、1.45(m,2H)、0.95(m,2H)、0.74(m,2H);LC−MS(C2434Oの計算値:366)m/z 367(M+H)。
【0198】
4−(2−シクロプロピルインドール−1−イル)シクロヘキサノールの極性が低い異性体から形成された生成物のスペクトルデータ
H NMR(300MHz,CDCl)δ7.56〜7.48(m,2H)、7.10〜6.96(m,2H)、6.12(s,1H)、4.58(tt,J=4.2,12.6Hz,1H)、3.65(s,1H)、3.55(t,J=6.0Hz,2H)、2.78〜2.62(m,7H)、2.15(d,J=14.7Hz,2H)、2.00〜1.83(m,8H)、1.69〜1.25(m,4H)、0.984〜0.873(m,2H)、0.764〜0.713(m,2H);LC−MS(C2434Oの計算値:366)m/z 367(M+H)。
【0199】
【化53】

【実施例40】
【0200】
2−(2−メトキシエチル)−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0201】
【化54】

【0202】
2−[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)ブト−1−イニル]フェニルアミン。2−ヨードアニリン(1.76g、8mmol)をトリエチルアミン(50mL)中に溶解し、N下に置いた。tert−ブチルブト−3−イニルオキシジメチルシラン(2.58g、14mmol)、次いでビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)(30mg、0.042mmol)およびヨウ化銅(X)(7mg、0.036mmol)を添加し、反応物を終夜室温で撹拌した。トリエチルアミンを蒸発させ、残渣をエーテルで希釈し、セライトに通してろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をSiOクロマトグラフィー(5〜20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、所望の生成物を得た。反応物を推定し定量化した。
【0203】
2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1H−インドール。2−[4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)but−1−イニル]フェニルアミン(8mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中で、ヨウ化銅(I)(5mg、0.026mmol)とともに3時間還流過熱した。溶媒を蒸発させ、残渣をエーテルで希釈し、セライトに通してろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をSiOクロマトグラフィー(5〜20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、所望の生成物0.88gを得た。H NMR(300MHz,CDCl)δ8.62(br,1H)、7.53(d,J=7.5Hz,1H)、7.27(d,J=7.8Hz,1H)、7.13〜7.03(m,2H)、6.22(s,1H)、3.92(t,J=5.7Hz,2H)、2.95(t,J=5.7Hz,2H)、0.95(s,9H)、0.08(s,6H)。
【0204】
1−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1H−インドール。2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1H−インドール(0.44g、1.6mmol)および(4−ベンジルオキシ)ヨードベンゼン(0.6g、1.92mmol)を、トルエン(1.6mL)中に溶解し、N,N−ジメチルエチレンジアミン(0.034mL、0.32mmol)、ヨウ化銅(I)(16mg、0.08mmol)、およびリン酸カリウム(0.72g、3.36mmol)を添加した。混合物を100℃で終夜加熱し、エーテルを使用し、シリカプラグに通してろ過した。ろ液を濃縮し、残渣をSiOクロマトグラフィー(0〜10%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、所望の生成物0.62gを得た。LC−MS(C2935NOSi 計算値457)m/z458(M+H)。
【0205】
2−[1−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−インドール−2−イル]エタノール。1−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1H−インドール(0.62mmol、1.35mmol)を、テトラヒドロフラン(6mL)中に、N下で溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(1.49mL、テトラヒドロフラン中1M、1.49mmol)を添加した。反応物を2時間撹拌し、次いで飽和酢酸アンモニウムでクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出し、MgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣を、酢酸エチルを使用し、シリカプラグに通した。ろ液を濃縮して、所望の生成物を得た。反応を推定し定量化した。LC−MS(C2321NO 計算値343)m/z344(M+H)。
【0206】
1−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−(2−メトキシエチル)−1H−インドール。2−[1−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−インドール−2−イル]エタノール(0.675mmol)を、テトラヒドロフラン(5mL)中に、N下で溶解し、水素化ナトリウム(81mg、鉱油中60%分散、2.03mmol)を添加した。反応物を還流加熱し、このときヨードメタン(0.42mL、6.75mmol)を添加した。反応物を3時間還流撹拌し、次いで水で慎重にクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出し、MgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣をSiOクロマトグラフィー(5〜20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、所望の生成物0.14gを得た。LC−MS(C2423NO 計算値357)m/z358(M+H)。
【0207】
4−[2−(2−メトキシエチル)インドール−1−イル]フェノール。1−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−(2−メトキシエチル)−1H−インドール(0.14g、0.39mmol)を、テトラヒドロフラン(2mL)およびメタノール(1mL)中に溶解した。触媒量のカーボン担持パラジウム(湿潤、10%無水ベース)を添加し、フラスコをNおよびHでパージした。反応物を1atmのH下で終夜撹拌した。混合物をセライトに通してろ過し、ろ液を濃縮して、所望の生成物を得た。反応物を推定し定量化した。LC−MS(C1717NO 計算値267)m/z266(M−H)。
【0208】
2−(2−メトキシエチル)−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール。4−[2−(2−メトキシエチル)インドール−1−イル)フェノール(0.39mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中に溶解し、1−(3−クロロプロピル)ピロリジン(58mg、0.39mmol)、水素化ナトリウム(19mg、鉱油中60%分散、0.47mmol)、およびヨウ化ナトリウム(59mg、0.39mmol)を添加した。反応物を70℃で1.5時間加熱し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム溶液で慎重にクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出し、MgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣をSiOクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物70mgを得た。LC−MS(C2430の計算値:378)m/z 379(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.60〜7.56(m,1H)、7.25〜7.21(m,2H)、7.10〜7.00(m,5H)、6.45(s,1H)、4.11(t,J=6.3Hz,2H)、3.57(t,J=7.2Hz,2H)、3.30(s,3H)、2.89(t,J=7.2Hz,2H)、2.74(t,J=7.5Hz,2H)、2.65(m,4H)、2.16〜2.05(m,2H)、1.90〜1.81(m,4H)。
【0209】
【化55】

【実施例41】
【0210】
2−{1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル)−1H−インドール−2−イル}エタノール
【0211】
【化56】

【0212】
2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール。2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1H−インドール(0.11g、0.4mmol)および1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]ピロリジン(0.16g、0.48mmol)を、トルエン(0.4mL)中に溶解し、N,N−ジメチルエチレンジアミン(0.017mL、0.16mmol)、ヨウ化銅(I)(30mg、0.16mmol)、およびリン酸カリウム(0.18g、0.84mmol)を添加した。反応物を100℃で終夜加熱した。ジクロロメタンを使用し、混合物をセライトに通してろ過した。ろ液を濃縮し、精製することなく次に用いた(粗生成物は一部の出発原料を含む)。LC−MS(C2942Si 計算値478)m/z479(M+H)。
【0213】
2−{1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−イル}エタノール。2−[2−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール(0.4mmol)を、テトラヒドロフラン(2mL)中に、N下で溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.44mL、テトラヒドロフラン中1M、0.44mmol)を添加した。反応物を室温で3時間撹拌し、次いで飽和塩化アンモニウムでクエンチした。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をMgSO上で乾燥し、濃縮した。残渣を半調製用LC−MSにより精製して、所望の生成物15.8mgを得た。LC−MS(C2328の計算値:364)m/z 365(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.61〜7.59(m,1H)、7.24〜7.20(m,2H)、7.13〜7.07(m,2H)、7.03〜7.00(m,3H)、6.48(s,1H)、4.09(t,J=6.3Hz,2H)、3.75(t,J=6.6Hz,2H)、2.89(t,J=6.6Hz,2H)、2.66(t,J=7.5Hz,2H)、2.60〜2.49(m,4H)、2.10〜2.01(m,2H)、1.85〜1.76(m,4H)。
【0214】
【化57】

【実施例42】
【0215】
5−メトキシ−2−メトキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0216】
【化58】

【0217】
1−(4−ベンジルオキシフェニル)−5−メトキシ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル。5−メトキシインドール−2−エチルエステル(0.59g、2.7mmol)、1−ベンジルオキシ−4−ヨードベンゼン(1g、3.23mmol)、N,N−ジメチルエチレンジアミン(0.057mL、0.54mmol)、ヨウ化銅(I)(0.1g、0.54mmol)、および三塩基性リン酸カリウム(1.2g、5.67mmol)を、トルエン中100℃で24時間加熱した。酢酸エチルを使用し、混合物をシリカプラグに通してろ過し、ろ液を濃縮した。5〜20%酢酸エチル/ヘキサンを使用したSiOクロマトグラフィーにより、一部の混合画分(0.36g)とともに所望の生成物が得られ(0.51g、収率57%)、さらに精製するために保存した。LC−MS(C2523NO 計算値401)m/z402(M+H)。
【0218】
[1−(4−ベンジルオキシフェニル)−5−メトキシ−1H−インドール−2−イル]メタノール。水素化アルミニウムリチウム(1.53mL、テトラヒドロフラン中1M、1.53mmol)を、N下、テトラヒドロフラン(5mL)で希釈し、1−(4−ベンジルオキシフェニル)−5−メトキシ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(0.51g、1.27mmol)−テトラヒドロフラン(5mL)を添加した。反応物を2時間還流撹拌し、次いで室温に冷却した。水(0.3mL)、次いで2N NaOH(0.3mL)および水(0.9mL)を慎重に添加した。溶媒を蒸発させ、残渣を水と酢酸エチルとの間で分割した。有機物を分離し、MgSO上で乾燥し、濃縮して、粗生成物0.41gを得た(収率88%)。LC−MS(C2321NO 計算値359)m/z360(M+H)。
【0219】
1−(4−ベンジルオキシフェニル)−5−メトキシ−2−メトキシメチル−1H−インドール。[1−(4−ベンジルオキシフェニル)−5−メトキシ−1H−インドール−2−イル]メタノール(0.2g、0.56mmol)を、アセトニトリル(2mL)中に溶解し、ヨードメタン(0.35mL、5.6mmol)、および酸化銀(I)(0.39g、1.68mmol)を添加した。混合物を、終夜40℃で撹拌し、次いで室温に冷却し、セライトパッドに通してろ過した。ろ液を濃縮した。3〜50%酢酸エチル/ヘキサンを使用したSiOクロマトグラフィーにより、所望の生成物0.16gを得た(収率77%)。LC−MS(C2423NO 計算値373)m/z374(M+H)。
【0220】
4−(5−メトキシ−2−メトキシメチルインドール−1−イル)フェノール。1−(4−ベンジルオキシフェニル)−5−メトキシ−2−メトキシメチル−1H−インドール(0.16g、0.43mmol)を、メタノール(3mL)およびテトラヒドロフラン(1mL)中に溶解した。カーボン担持パラジウム(0.32g、湿潤10%)およびギ酸アンモニウム(0.14g、2.14mmol)を添加し、反応物を2時間還流撹拌した。混合物を室温に冷却し、セライトパッドに通してろ過したろ液を濃縮し、該粗製材料を精製することなく引き続き用いた。LC−MS(C1717NO 計算値283)m/z284(M+H)。
【0221】
5−メトキシ−2−メトキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール。4−(5−メトキシ−2−メトキシメチルインドール−1−イル)フェノール(0.43mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド中に、N下で溶解した。1−(3−クロロプロピル)ピロリジン(74mg、0.5mmol)、水素化ナトリウム(20mg、鉱油中60%wt分散液、0.5mmol)、およびヨウ化ナトリウム(75mg、0.5mmol)を添加し、混合物を70℃で2時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をMgSO上で乾燥し、濃縮した。半調製用LC−MSにより精製することで、所望の生成物67.4mgを得た(2段階の収率40%)。LC−MS(C2430の計算値:394)m/z 395(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.34〜7.29(m,2H)、7.09(d,J=2.4Hz,1H)、7.04〜6.98(m,3H)、6.82(d,J=2.4Hz,1H)、6.58(s,1H)、4.37(s,2H)、4.10(t,J=6.3Hz,2H)、2H)、3.86(s,3H)、3.28(s,3H)、2.69〜2.64(m,2H)、2.58〜2.54(m,4H)、2.11〜2.01(m,2H)、1.83〜1.79(m,4H)。
【実施例43】
【0222】
5−メチル−2−メトキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0223】
【化59】

【0224】
5−メチル−2−メトキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、実施例42に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2430の計算値:378)m/z 379(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.42〜7.41(m,1H)、7.34〜7.29(m,2H)、7.04〜6.95(m,4H)、6.57(s,1H)、4.38(s,2H)、4.09(t,J=6.3Hz,2H)、3.27(s,3H)、2.69〜2.64(m,2H)、2.58〜2.53(m,4H)、2.44(s,3H)、2.10〜2.01(m,2H)、1.83〜1.79(m,4H)。
【実施例44】
【0225】
5−フルオロ−2−メトキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール
【0226】
【化60】

【0227】
5−フルオロ−2−メトキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドールを、実施例42に使用した方法と類似の方法により合成した。LC−MS(C2327FNの計算値:382)m/z 383(M+H);H NMR(300MHz,CDCl)δ7.34〜7.24(m,3H)、7.03〜6.99(m,3H)、6.88(td,J=9Hz,2.4Hz,1H)、6.61(s,1H)、4.36(s,2H)、4.10(t,J=6.3Hz,2H)、3.28(s,3H)、2.69〜2.64(m,2H)、2.57〜2.53(m,4H)、2.10〜2.01(m,2H)、1.83〜1.79(m,4H)。
【0228】
実施例1〜41の手順により調製された本発明の代表的な化合物は、下記手順により、ヒトH受容体を発現する細胞に対して、結合アッセイにおける評価を行った。
【0229】
細胞培養
材料
125I]ヨードプロキシファン(2000Ci/mmol)は、Amersham Bioscience(Piscataway,NJから入手した。[H]Nα−メチルヒスタミン(85Ci/mmol)は、Perkin Elmers Life Science(Boston,MA)から購入した。カルシウム3色素(Calcium 3 dye)キットは、Molecular Devices(Sunnyvale,CA)からであった。他の全ての化学品は、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)またはTocris Cookson Inc.(Ellisville,MO)のいずれかから入手した。
【0230】
RAGE方法論
ヒトヒスタミンH3受容体は、キメラG蛋白Gqαi5(Coward et al.,Anal Biochem1999;270:242−8)を含むHT1080細胞において安定に発現させた。HT1080−Gqαi5細胞を、10%ウシ胎児血清およびブラストサイジン7μg/mlを含むα改変MEM中、37℃、5%CO/95%空気中で成長させた。細胞(4.8×10)を137Cs線源から50ラドで照射し、引き続き、pFG8−HH3RAGE(Random Activation of Gene Expression;Harrington et al.,Nature Biotechnology.2001;19:440−45参照)ベクターを、電気穿孔(250V、600μF、50Ω)を介して細胞に組み込んだ。RAGEベクターpFG8−HH3は、ヒトH受容体の第1エキソン(83アミノ酸)をコードするcDNA配列を含んでいた。電気穿孔後、細胞をT75フラスコに蒔き、α改変MEM中で成長させた。該培地を、電気穿孔の48時間後、α改変MEM、10%ウシ胎児血清、ハイグロマイシンB500μg/m1、およびピューロマイシン3μg/mlと交換した。培地は、細胞の増殖中、4日毎に交換した。H3受容体を発現しているRAGE活性化細胞を同定するために、およそ10000コロニー(合計5×10〜1.5×10細胞)のプールを、所望の遺伝子について、PCRにより(RAGEベクターおよびH3受容体のエキソン2に特異的なプライマーを使用して)スクリーニングした。配列決定により確認して、適切な転写物を含んでいると判明したプールは、100細胞/ウェルのプールへサブクローニングした。陽性の100細胞/ウェルのプールを、PCRにより同定し、配列決定により確認して、引き続き0.8細胞/ウェルへサブクローンした。H3受容体を発現するクローンをPCR分析により同定した後、(FLIPRまたは放射性リガンド結合)アッセイを行い、活性化遺伝子が機能タンパク質を生成したことが確認された。RAGEライブラリーから得られた初期クローンにおけるタンパク質発現は、メトトレキセートの存在下における成長により増加した。組み込まれたRAGEベクターは、DHFR遺伝子を含んでいるので、こうした処置により、RAGE挿入を含む遺伝子座を増幅させた細胞が選択される。メトトレキセート増幅の後で得られたサブクローンに対して、HTSに最も適当なクローンを同定するため、FLIPRアッセイにおける機能活性を試験した。ヒトヒスタミンH3受容体を発現する最終的なHTI080−Ggαi5RAGEクローン(RAGE−H3)を、10%ウシ胎児血清、ピューロマイシン3μg/ml、ハイグロマイシンB500μg/ml、3.2μMメトトレキセートを含むα改変MEM中、37℃、5%CO/95%空気中で成長させた。
【0231】
膜の調製
RAGE−H3細胞(10)を、冷PBSで2回洗浄し、プレートにこすり落とし、1000×gで5分間遠心分離した。細胞を、5mM EDTA、およびプロテアーゼ阻害剤またはカクテル錠(Roche Molecular Biochemicals)を含む氷冷した10mM トリスHCl、pH7.4に再懸濁した。細胞を10分間氷上でインキュベートした後、加圧型細胞破砕装置またはポリトロン組織粉砕機でホモジナイズし、1000×gで10分間、4℃で遠心分離した。得られた上澄みを、32000×gで30分間、4℃で遠心分離した。膜ペレットを、50mM トリスHCl、pH7.4に再懸濁し、使用するまで80℃で保存した。タンパク質の濃度を、ブラッドフォード法(Bio−Rad Laboratories,CA)で決定した。
【0232】
放射性リガンド結合アッセイ
結合アッセイを、1mM EDTAを含む50mM トリスHCl、pH7.4で、96ウェルポリプロピレンプレート中で行った。反応混合物は、膜懸濁液100μL、4%DMSO 50μl、および漸増量の[125I]ヨードプロキシファン(ヒトH受容体飽和結合アッセイのための最終濃度0.0005〜1.8nM)50μLを含んでいた。反応混合物にクロベンプロピト10μMを添加することにより、非特異的結合を確定した。競合結合アッセイを、膜懸濁液(タンパク質/ウェル約20μg)100μL、[125I]ヨードプロキシファン(最終濃度約0.15nM)50μL、および試験化合物50μLを含む反応混合物中で行った。化合物をDMSO中に溶解し、次いで4%DMSOで希釈した。結合アッセイにおけるDMSOの最終最大濃度は1%であった。室温で1.5時間インキュベーションし、ブランデル細胞収穫器を使用してグラスファイバーGF/Cフィルター(Perkin Elmer,MA)上で迅速にろ過することにより反応を終結させた。フィルターを0.3%ポリエチレンイミン中に30分間予浸し、50mM氷冷トリスHCl 500ml、pH7.4で洗浄した。フィルターを乾燥し、Meltilexワックスシンチレート(Perkin Elmer,MA)に含浸し、Betaplateシンチレーションカウンター(Perkin Elmer,MA)でカウントした。
【0233】
カルシウム動員アッセイ
RAGE−H3またはHT1080mH3細胞を、ブラック384ウェルプレートに蒔き、終夜、37℃、5%CO/95%空気中でインキュベートした。培地を除去した後、カルシウム3色素(Calcium3dye)(Molecular Device,CA)を含むCsClリンガー緩衝液(136mM CsCl、5.4mM KCl、5.5mM D−グルコース、20mM Hepes、pH7.4、2.1mM MgCl,1.2mM CaCl)、およびプロベネシド(3.75mM)で60分間、製造取り扱い説明書にしたがって細胞を処理した。化合物を、0.2%ウシ血清アルブミン、および1.0%DMSOを含むCsClリンガー緩衝液で希釈した。(R)−α−メチルヒスタミン刺激によるCa2+流出の用量反応を、蛍光イメージングプレートプレートリーダー(FLIPR,Molecular Devices,CA)上で測定し、最大反応の75%を刺激する(R)−α−メチルヒスタミンの濃度を、化合物の阻害効果を試験するのに使用した。
【0234】
データ分析
Prism4.0ソフトウェアを使用して、非線形最小二乗曲線に当てはめることにより全データを分析した。[125I]ヨードプロキシファンに対するKおよびBmaxを、等式RL=RL/(K+L)[式中、RLは平衡での受容体結合リガンド濃度であり、Lは遊離リガンド濃度であり、Rtは総受容体濃度(即ち、Bmax)である。]から導き出した。競合結合実験のために、IC50値(特異的結合の50%阻害を生じさせる化合物の濃度)、およびヒル係数(nH)を、4パラメータのロジスティック式にデータを当てはめることから導き出した。見かけのK値を、Cheng−Prussof等式であるK=IC50/(1+(L/K))(式中、Lはリガンド濃度である。)を使用して算定した。FLIPRにおけるアゴニスト刺激およびアンタゴニスト阻害を、等式Y=最低値+(最高値−最低値)/(1+10^(LogEC50−X))(式中、Xは化合物の濃度の対数であり、Yは蛍光反応である。)を使用して、S字状の用量反応曲線に当てはめた。Z’値[15]を導き出し、アッセイの品質を評価した。数値は、3重または4重で実施した2〜3回の別々の実験の代表値である。
【0235】
このアッセイの結果を、下記表1に示す。
【0236】
【表1】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
次式:
【化1】

[式中、スペーサーは、
【化2】

であり、
YはCHまたはNであり、但し、YがCHの場合、nは0〜2であり、YがNの場合、nは2〜4であり、
YがCHの場合、RおよびRは一緒になって−(CH−NR11−(CH−(式中、aは1〜2である。)であり、RおよびRがYと一緒になると、フルオロ、フルオロアルキル、(C〜C)アルキル、アルコキシ、アリール、(C〜C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(このヘテロシクロアルキルは、(O、S)から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む。)および(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキルから選択される1〜3個の基で場合により置換されているピペリジン環またはピロリジン環を形成し、
YがNの場合、RおよびRは独立に(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)シクロアルキルであり;またはRおよびRは、これらが結合している窒素と一緒になって、1〜3個の(C〜C)アルキル基、フルオロアルキル基、もしくは(C〜C)シクロアルキル基で場合により置換されている、OおよびSから選択される0〜1個の追加のヘテロ原子を有する5〜7員複素環系を形成する;またはRおよびRは一緒になって−(CH−NR11−(CH−(式中、aは2〜3である。)であり、RおよびRがYと一緒になると、フルオロ、フルオロアルキル、(C〜C)アルキル、アルコキシ、アリール、(C〜C)シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル(このヘテロシクロアルキルは、(O、S)から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む。)および(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキルから選択される1〜3個の基で場合により置換されているピペラジン環もしくはホモピペラジン環を形成し、
は、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)シクロアルキル−(C〜C)アルキル、ヘテロシクロアルキル(このヘテロシクロアルキルは、(O、S)から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む。)および(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキルから選択される0〜2個の基であり、
およびRは独立に、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、アリール、CFおよびハロゲンから選択され、
は、CONR、−(CH−O−R、アルキル、フルオロアルキルまたはSONRであり、
xは1〜4であり、
およびRは独立に、水素、(C〜C)アルキルもしくは(C〜C)シクロアルキルであり、またはRおよびRは、これらが結合している窒素と一緒になって、O、S、およびN(R10)から選択される0〜1個の追加のヘテロ原子を有する5〜7員複素環系(但し、得られた環は、1〜3個の(C〜C)アルキル基または(C〜C)シクロアルキル基で場合により置換されている。)を形成し、
は、水素、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルまたはアリールであり、
10は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシ、(C〜C)アルキル−O−(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキルまたはアリールであり、
11は、(C〜C)アルキル、フルオロアルキルまたは(C〜C)シクロアルキルである。]の化合物ならびにこれらの医薬として許容可能な塩および個々の立体異性体。
【請求項2】
−Y−R
【化3】

であり、RがHであり、RがH、5−メトキシ、5−フルオロ、またはメチルであり、RがHであり、Rが−CHOCHまたは−(CHOCHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
2−メチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
−メチル−1−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−メチル−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール;
1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−メトキシ−2−メチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−メチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−ブロモ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
4−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−メトキシ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2,5−ジメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
6−クロロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−メチル−5−フルオロ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
1−[3−メトキシ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−2−メチル−1H−インドール;
1−[3−クロロ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−2−メチル−1H−インドール;
2−プロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
5−メトキシ−2−メチル−1−[4−(4−ピロリジン−1−イルブト−1−イニル)フェニル]−1H−インドール;
(5−メトキシ−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−イル)ピロリジン−1−イルメタノン;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロブチルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロペンチルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘキシルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘプチルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−イル)ピロリジン−1−イルメタノン;
2−(3−モルホリン−4−イルプロポキシ)−6,7,8,9−テトラヒドロピリド[1,2−α]インドール;
(1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−イル)モルホリン−4−イルメタノン;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸ブチルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸イソブチルアミド;
1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘキシルメチルアミド;
5−メトキシ−1−{4−[3−(2R−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル)−1H−インドール−2−カルボン酸シクロヘキシルアミド;
1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル;
{1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−イル}メタノール;
2−メトキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−シクロヘキシルオキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−イソプロポキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−シクロペンチルオキシメチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
{5−メトキシ−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−イル}メタノール;
2−シクロプロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−プロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;
2−シクロプロピル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)シクロヘキシル]−1H−インドール;
2−(2−メトキシエチル)−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール;および
2−{1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−インドール−2−イル}エタノール
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
医薬として許容可能な担体と組み合わせた、請求項1に記載の少なくとも1種の化合物を含む医薬組成物。
【請求項5】
ヒスタミンH受容体の拮抗作用が治療に重要である患者の状態を治療する方法であって、請求項1に記載の少なくとも1種の化合物の有効量を、こうした治療を必要としている患者に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2009−511605(P2009−511605A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535801(P2008−535801)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/040744
【国際公開番号】WO2007/047775
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(504156083)アサーシス, インク. (11)
【氏名又は名称原語表記】ATHERSYS, INC.
【住所又は居所原語表記】3201 Carnegie Avenue, Cleveland, OH 44115 (US)
【Fターム(参考)】