認証システム、認証サーバ、証明方法およびプログラム
【課題】訪問者の個人情報を不要に公開することなく、訪問者の身元を容易に証明する。
【解決手段】訪問者用端末100が、音声を認識した際、訪問者を識別可能な識別情報を認証サーバ300へ送信し、応対者用端末200が、認識した音声を音声データとして認証サーバ300へ送信し、認証サーバ300が、識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データをデータベース上で参照可能にし、応対者用端末200から送信されてきた音声データを、データベース上で参照可能になっている音声データの中から検索し、検索された音声データとあらかじめ対応付けられている訪問者情報を応対者用端末200へ送信し、その後、音声データの参照を不可能し、応対者用端末200が、認証サーバ300から送信されてきた訪問者情報を表示する。
【解決手段】訪問者用端末100が、音声を認識した際、訪問者を識別可能な識別情報を認証サーバ300へ送信し、応対者用端末200が、認識した音声を音声データとして認証サーバ300へ送信し、認証サーバ300が、識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データをデータベース上で参照可能にし、応対者用端末200から送信されてきた音声データを、データベース上で参照可能になっている音声データの中から検索し、検索された音声データとあらかじめ対応付けられている訪問者情報を応対者用端末200へ送信し、その後、音声データの参照を不可能し、応対者用端末200が、認証サーバ300から送信されてきた訪問者情報を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身元を確認・証明するための認証システム、認証サーバ、認証方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
訪問する訪問者が訪問先で当該訪問者を応対する応対者に対して、当該訪問者の身元を証明しなければならない場面がよくある。不特定の応対者に対して訪問者が身元を証明するには、訪問者が所持する身分証明書などを応対者に対して提示するしかない。
【0003】
しかし、応対者は提示された身分証明書が信用できるものであるかどうかを判断できないため、訪問者の身元が正しいのかどうかを判断することができない。
【0004】
また、訪問者は、自己申告でしか自分の身元を証明することができない。
【0005】
身元を証明する確実な方法として生体認証があるが、この方法を用いる場合、重要な生体情報を不特定多数に対して公開しなければならない。
【0006】
そこで、訪問者が訪問予定を予め登録し、訪問先で登録した内容と一致するかどうかを生体情報を用いて認証を行うシステムが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、訪問者の認証のための情報を訪問先の受付側へあらかじめ送信しておき、受付時に受付側で当該情報を用いて訪問者の認証を行う技術が考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
また、ユーザの生体情報をデータベースに事前に格納しておき、当該データベースのうちユーザから指定された照合部分に格納されている生体情報のみを用いてユーザの認証を行う技術が考えられている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−114923号公報
【特許文献2】特開2003−108751号公報
【特許文献3】特開2007−11885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムにおいては、以下のような問題点がある。
【0011】
郵便物の配送などでは住所しか分からない、もしくは住所情報も不完全な状態で配送される場合があり、訪問先を一意に特定することが難しい。訪問先を特定できている場合であっても、訪問先が利用するシステムを知っていて、そのシステムで訪問予約するか、訪問先が使用している可能性のあるシステム全てに予約をしなければならない。また、あらかじめ登録しておく必要があるため、訪問者や訪問先の急な変更に対応することができないおそれがある。
【0012】
また、特許文献2に記載された技術においても、あらかじめ予約をしなければならなく、その手間がかかってしまうという問題点がある。また、生体情報などの認証のために秘密にされるべき生体情報等の個人情報を受付側が保持することになるため、不必要に個人情報が流出するおそれがある。
【0013】
また、訪問者が訪問先を特定できない状況では、不特定の訪問者が、不特定の応対者に対して身元を証明するような場面でも、容易に活用できる認証方法が必要である。
【0014】
また、特許文献3に記載された技術においては、ユーザは認証を行うシステムが設けられた場所以外では、認証を受けることができないという問題点がある。
【0015】
本発明は、上述した課題を解決する認証システム、認証サーバ、証明方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の認証システムは、
訪問する訪問者が所持する訪問者用端末と、前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末と、前記訪問者を認証する認証サーバとから構成された認証システムにおいて、
前記訪問者用端末は、所定の音声を認識した際、前記訪問者を識別可能な識別情報を前記認証サーバへ送信し、
前記応対者用端末は、前記音声を認識した際、該認識した音声を音声データとして前記認証サーバへ送信し、前記認証サーバから送信されてきた前記訪問者についての情報である訪問者情報を表示し、
前記認証サーバは、前記訪問者用端末から送信されてきた識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にし、前記応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能になっている音声データの中から検索し、該検索された音声データとあらかじめ対応付けられている前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信し、その後、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の認証サーバは、
訪問する訪問者を認証する認証サーバであって、
前記訪問者を識別可能な識別情報と、前記訪問者の音声を示す音声データと、前記訪問者についての情報である訪問者情報とをあらかじめ対応付けて格納するデータベースと、
前記訪問者が所持する訪問者用端末から送信されてきた識別情報と対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする参照可否設定部と、
前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて前記参照可否設定部によって参照可能にされた音声データの中から検索する認証部と、
該認証部が検索した音声データと前記データベースにて対応付けられて格納されている前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する送信部とを有し、
前記参照可否設定部は、前記送信部が前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする。
【0018】
また、本発明の証明方法は、
訪問する訪問者が所持する訪問者用端末と、前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末と、前記訪問者を認証する認証サーバとから構成された認証システムにおいて前記訪問者の身元を証明する証明方法であって、
前記訪問者用端末が、所定の音声を認識する処理と、
前記訪問者用端末が、前記音声を認識した際、前記訪問者を識別可能な識別情報を前記認証サーバへ送信する処理と、
前記応対者用端末が、前記音声を認識する処理と、
前記応対者用端末が、前記音声を認識した際、該認識した音声を音声データとして前記認証サーバへ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末から送信されてきた識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする処理と、
前記認証サーバが、前記応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能になっている音声データの中から検索する処理と、
前記認証サーバが、前記検索された音声データとあらかじめ対応付けられている前記訪問者についての情報である訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする処理と、
前記応対者用端末が、前記認証サーバから送信されてきた前記訪問者情報を表示する処理とを有する。
【0019】
また、本発明のプログラムは、
訪問する訪問者を認証する認証サーバに実行させるためのプログラムであって、
前記訪問者が所持する訪問者用端末から送信されてきた識別情報と対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする手順と、
前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能にされた音声データの中から検索する手順と、
該検索した音声データと前記データベースにて対応付けられて格納されている前記訪問者についての情報である訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する手順と、
前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明においては、訪問する訪問者が所持する訪問者用端末が、音声を認識した際、訪問者を識別可能な識別情報を認証する認証サーバへ送信し、訪問者が訪問する訪問先で訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末が、認識した音声を音声データとして認証サーバへ送信し、認証サーバが、訪問者用端末から送信されてきた識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データをデータベース上で参照可能にし、応対者用端末から送信されてきた音声データを、データベース上で参照可能になっている音声データの中から検索し、検索された音声データとあらかじめ対応付けられている訪問者情報を応対者用端末へ送信し、その後、音声データの参照を不可能し、応対者用端末が、認証サーバから送信されてきた訪問者情報を表示する構成としたため、訪問者の個人情報を不要に公開することなく、訪問者の身元を容易に証明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の認証システムの第1の実施の形態を示す図である。
【図2】図1に示した訪問者用端末の内部構成の一例を示す図である。
【図3】図1に示した応対者用端末の内部構成の一例を示す図である。
【図4】図1に示した認証サーバの内部構成の一例を示す図である。
【図5】図4に示したデータベースの内部構造を示す図である。
【図6】第1の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法を説明するためのシーケンス図である。
【図7】応対者用端末の表示部への訪問者情報の表示の一例を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における訪問者用端末の内部構成の一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態における応対者用端末の内部構成の一例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態における認証サーバの内部構成の一例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の認証システムの第1の実施の形態を示す図である。
【0023】
本形態は図1に示すように、訪問者用端末100と、応対者用端末200と、認証サーバ300とから構成されている。
【0024】
訪問者用端末100は、訪問する訪問者が所持する端末である。また、訪問者用端末100は、通信機能を有する。
【0025】
応対者用端末200は、訪問者の訪問先で訪問者を応対する応対者が所持する端末である。また、応対者用端末200は、通信機能を有する。
【0026】
認証サーバ300は、応対者用端末200から送信されてきた音声データに基づいて訪問者の認証を行う。また、認証サーバ300は、認証を行った後、当該訪問者についての訪問者情報を応対者用端末200へ送信する。
【0027】
図2は、図1に示した訪問者用端末100の内部構成の一例を示す図である。
【0028】
図1に示した訪問者用端末100には図2に示すように、音声認識部101と、通信部102とが設けられている。なお、図2には、図1に示した訪問者用端末100が有する構成要素のうち、本発明に関わる構成要素のみを示した。
【0029】
音声認識部101は、外部から入力された音声を認識し、音声データとして通信部102へ出力する。
【0030】
通信部102は、音声認識部101から出力された音声データを認証サーバ300へ送信する。また、通信部102は、訪問者用端末100を識別できる、訪問者用端末100にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報を認証サーバ300へ送信するものであっても良い。
【0031】
図3は、図1に示した応対者用端末200の内部構成の一例を示す図である。
【0032】
図1に示した応対者用端末200には図3に示すように、音声認識部201と、通信部202と、表示部203とが設けられている。なお、図3には、図1に示した応対者用端末200が有する構成要素のうち、本発明に関わる構成要素のみを示した。
【0033】
音声認識部201は、外部から入力された音声を認識し、音声データとして通信部202へ出力する。
【0034】
通信部202は、音声認識部201から出力された音声データを認証サーバ300へ送信する。また、通信部202は、認証サーバ300から送信されてきた訪問者情報を表示部203へ出力する。
【0035】
表示部203は、通信部202から出力された訪問者情報を表示する。なお、表示部203は、情報を認識可能に表示できるものであれば良く、例えば一般的なディスプレイであっても良い。
【0036】
図4は、図1に示した認証サーバ300の内部構成の一例を示す図である。
【0037】
図1に示した認証サーバ300には図4に示すように、データベース301と、参照可否設定部302と、認証部303と、送信部304とが設けられている。なお、図4には、図1に示した認証サーバ300が有する構成要素のうち、本発明に関わる構成要素のみを示した。
【0038】
データベース301は、訪問者に関わる情報があらかじめ格納(登録)されている。
【0039】
図5は、図4に示したデータベース301の内部構造を示す図である。
【0040】
図4に示したデータベース301には図5に示すように、許可情報と、識別情報と、音声データと、訪問者情報とが対応付けられて格納されている。この識別情報、音声データおよび訪問者情報はあらかじめ格納された情報である。また、許可情報は、参照可否設定部302によって設定される情報である。
【0041】
許可情報は、当該許可情報と対応付けられた識別情報、音声データおよび訪問者情報が参照可能かどうかを示す情報である。図5においては、参照可能である場合、「可」を示し、参照不可能である場合は、「否」を示す。ここで参照可能とは、応対者用端末200から送信されてきた音声データに基づいて認証部303が声紋認証を行う際に参照できることを示す。つまり、参照情報が「否」である識別情報と音声データと訪問者情報との対応付けの情報を用いた認証は、認証部303はできないものである。
【0042】
識別情報は、当該識別情報と対応付けられた音声データの音声を発する訪問者を識別できる情報である。例えば、名前等の所定のキーワードであっても良いし、訪問者が所持する訪問者用端末100にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報であっても良い。
【0043】
音声データは、当該音声データと対応付けられた訪問者情報が示す訪問者が発する音声データである。この音声データは、当該訪問者の声紋情報が含まれており、これを用いて認証部303が声紋認証を行う。
【0044】
訪問者情報は、訪問者用端末100を所持する訪問者についての情報である。どのような情報であるかは規定しないが、訪問者の身元が証明できる情報である。例えば、図5に示すように、訪問者の氏名や所属する会社名が格納されているものであっても良い。また、訪問者の顔写真のデータが含まれているものであっても良い。
【0045】
図5に示した対応付けを例に挙げて説明すると、許可情報「可」と、識別情報「A」と、音声データ「a」と、訪問者情報「山田太郎、○○急便」とが対応付けられて格納されている。これは、音声データ「a」の音声を発する訪問者を識別する識別情報が「A」であり、訪問者情報が「山田太郎、○○急便」であり、この対応付けが参照可能であることを示している。また、許可情報「否」と、識別情報「B」と、音声データ「b」と、訪問者情報「日本二郎、××運輸」とが対応付けられて格納されている。これは、音声データ「b」の音声を発する訪問者を識別する識別情報が「B」であり、訪問者情報が「日本二郎、××運輸」であり、この対応付けが参照不可能であることを示している。また、許可情報「否」と、識別情報「C」と、音声データ「c」と、訪問者情報「関東三郎、△△株式会社」とが対応付けられて格納されている。これは、音声データ「c」の音声を発する訪問者を識別する識別情報が「C」であり、訪問者情報が「関東三郎、△△株式会社」であり、この対応付けが参照不可能であることを示している。また、許可情報「可」と、識別情報「D」と、音声データ「d」と、訪問者情報「東京花子、□□電力」とが対応付けられて格納されている。これは、音声データ「d」の音声を発する訪問者を識別する識別情報が「D」であり、訪問者情報が「東京花子、□□電力」であり、この対応付けが参照可能であることを示している。
【0046】
また、参照可否設定部302は、訪問者用端末100から送信されてきた識別情報に基づいて、データベース301に格納された対応付けを参照可能にするか不可能にするかを設定する。具体的には、訪問者用端末100から送信されてきた識別情報と一致する識別情報と対応付けられた「許可情報」を「可」に設定する。また、「可」となっている「許可情報」を所定のタイミングで「否」へ設定(更新)する。この所定のタイミングとは、当該「許可情報」が「可」になってから、あらかじめ設定された時間が経過した後であっても良いし、訪問者用端末100から所定の信号が送信されてきたタイミングであっても良く、ここでは特に規定しない。
【0047】
認証部303は、応対者用端末200から送信されてきた音声データを、データベース301に格納され、且つ参照可能(「許可情報」が「可」)になっている対応付けから検索する。つまり、応対者用端末200から送信されてきた音声データと一致する音声データをデータベース301から検索することにより、訪問者の声紋認証を行う。
【0048】
送信部304は、認証部303にて検索された音声データと対応付けられた訪問者情報を応対者用端末200へ送信する。
【0049】
以下に、第1の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法について説明する。
【0050】
図6は、第1の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法を説明するためのシーケンス図である。場面としては、訪問者用端末100を所持した訪問者が応対者用端末200を所持した応対者を訪問する場面である。また、訪問者が発する音声を訪問者用端末100と応対者用端末200とが認識できる位置に訪問者用端末100と応対者用端末200とが存在する場面である。
【0051】
まず、訪問者が音声を発することにより、訪問者用端末100の音声認識部101によって当該音声が認識されると(ステップS1)、訪問者の識別情報が通信部102から認証サーバ300へ送信される(ステップS2)。この音声とは、例えば、訪問者が応対者へ自分の名前を名乗った音声であっても良い。その場合、特別に言葉を発する必要はなくなる。
【0052】
また、ここで送信される識別情報は上述したように、訪問者が発した言葉(キーワード)であっても良いし、訪問者用端末100の訪問者用端末識別情報であっても良く、訪問者を識別できるものであれば良い。ただし、この識別情報は、データベース301に格納されている「識別情報」と同じものでなければならない。また、識別情報は複数であっても良い。例えば、訪問者の氏名とキーワードとの組み合わせや、訪問者の氏名と訪問者用端末識別情報との組み合わせであっても良い。このとき、これらの組み合わせはデータベース301にあらかじめ格納されている必要がある。組み合わせを利用することにより、検索範囲を絞ることが可能となる。
【0053】
訪問者用端末100から認証サーバ300へ識別情報が送信されると、当該識別情報に基づいて参照可否設定部302によってデータベース301に当該識別情報と対応付けられて格納されている「許可情報」が「可」に設定される(ステップS3)。これにより、当該識別情報と対応付けられた音声データが参照可能になる。例えば、訪問者用端末100から送信されてきた識別情報が「A」である場合、データベース301に格納された、「A」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定される。図5は、「A」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定された場合を示している。また、図5に示した例では、他の訪問者用端末から「D」という識別情報が送信されてきており、「D」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定されている。
【0054】
一方、応対者用端末200の音声認識部201にて音声が認識されると(ステップS4)、認識された音声が音声データとして通信部202から認証サーバ300へ送信される(ステップS5)。このとき、ステップS4で認識される音声は、ステップS1で訪問者用端末100によって認識される音声と同じものである。
【0055】
応対者用端末200から認証サーバ300へ音声データが送信されると、当該音声データに基づいて認証部303にて声紋認証が行われる(ステップS6)。
【0056】
このステップS6の処理について、具体的に説明する。
【0057】
応対者用端末200からから音声データが送信されてくると、認証部303にてデータベース301に格納されている、「可」となっている「許可情報」と対応付けられている音声データの中から、応対者用端末200からから送信されてきた音声データと一致するものが検索される。例えば、図5に示した例では、許可情報が「可」となっている対応付けは、音声データが「a」であるものと音声データが「d」であるものとである。そのため、応対者用端末200からから送信されてきた音声データが「a」である場合、その2組の対応付けから音声データが「a」であるものが検索される。
【0058】
音声データが「a」である対応付けが検索されると、送信部304によってその対応付けの(音声データが「a」と対応付けられた)訪問者情報がデータベース301から読み出され、応対者用端末200へ送信される(ステップS7)。
【0059】
認証サーバ300から訪問者情報が応対者用端末200へ送信されると、応対者用端末200の表示部203に当該訪問者情報が表示される(ステップS8)。
【0060】
図7は、応対者用端末200の表示部203への訪問者情報の表示の一例を示す図である。
【0061】
図3に示した表示部203には図7に示すように、データベース301に格納された訪問者情報(図5参照)が表示される。ここでは、「氏名:山田太郎、会社名:○○急便」と表示されている。このように、表示部203には認証サーバ300から送信されてきた訪問者の身元が証明できる情報が表示される。上述したように図7に示した情報以外でも、認証サーバ300から訪問者の顔写真のデータが送信されてきた場合、当該顔写真が表示されても良い。
【0062】
この表示部203に表示された訪問者情報を応対者が参照することにより、応対者が訪問者の身元を確認することができる。訪問者の立場からすると、表示部203に表示された訪問者情報で訪問者の身元を証明することができる。
【0063】
その後、参照可否設定部302によって、データベース301に格納されている、ステップS3にて「可」に設定された許可情報が「否」に設定される(ステップS9)。この「否」への設定のタイミングは上述したように、当該許可情報が「可」になってから、あらかじめ設定された時間が経過した後であっても良いし、訪問者用端末100から所定の信号が送信されてきたタイミングであっても良く、ここでは特に規定しない。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。認証システムの構成は、図1に示したものと同じである。
【0064】
図8は、第2の実施の形態における訪問者用端末100の内部構成の一例を示す図である。
【0065】
第2の実施の形態における訪問者用端末100には図8に示すように、音声認識部101と、通信部102と、位置情報取得部103とが設けられている。
【0066】
音声認識部101は、図2に示したものと同じものである。
【0067】
通信部102は、図2に示したものの機能に加え、位置情報取得部103から出力された訪問者用端末100の位置情報を認証サーバ300へ送信する。
【0068】
位置情報取得部103は、訪問者用端末100が存在する位置情報を取得する。また、位置情報取得部103は、取得した位置情報を通信部102へ出力する。位置情報取得部103が訪問者用端末100が存在する位置情報を取得する方法はここでは規定しない。例えば、訪問者用端末100にGPS(Global Positioning System)機能を設け、当該機能により取得するものであっても良い。
【0069】
図9は、第2の実施の形態における応対者用端末200の内部構成の一例を示す図である。
【0070】
第2の実施の形態における応対者用端末200には図9に示すように、音声認識部201と、通信部202と、表示部203と、位置情報取得部204とが設けられている。
【0071】
音声認識部201は、図3に示したものと同じものである。
【0072】
表示部203は、図3に示したものと同じものである。
【0073】
通信部202は、図3に示したものの機能に加え、位置情報取得部204から出力された応対者用端末200の位置情報を認証サーバ300へ送信する。
【0074】
位置情報取得部204は、応対者用端末200が存在する位置情報を取得する。また、応対者用端末200は、取得した位置情報を通信部202へ出力する。位置情報取得部204が応対者用端末200が存在する位置情報を取得する方法はここでは規定しない。例えば、図8に示した位置情報取得部103と同様に、応対者用端末200にGPS機能を設け、当該機能により取得するものであっても良い。
【0075】
図10は、第2の実施の形態における認証サーバ300の内部構成の一例を示す図である。
【0076】
第2の実施の形態における認証サーバ300には図10に示すように、データベース301と、参照可否設定部302と、認証部303と、送信部304と、範囲判断部305とが設けられている。
【0077】
データベース301は、図4に示したものと同じものである。
【0078】
参照可否設定部302は、図4に示したものと同じものである。
【0079】
認証部303は、図4に示したものと同じものである。
【0080】
送信部304は、図4に示したものの機能に加え、範囲判断部305の判断結果に基づいて、訪問者情報を応対者用端末200へ送信する。具体的には、範囲判断部305が、訪問者用端末100が応対者用端末200から所定の距離範囲に存在すると判断した場合のみ、訪問者情報を応対者用端末200へ送信する。
【0081】
範囲判断部305は、訪問者用端末100から識別情報とともに訪問者用端末100の位置情報が送信され、応対者用端末200から音声データとともに応対者用端末200の位置情報が送信されてきた場合、訪問者用端末100の位置情報と、訪問者用端末100から送信されてきた識別情報により参照可能になった音声データを送信してきた応対者用端末200の位置情報とに基づいて、訪問者用端末100が応対者用端末200から所定の距離範囲に存在するかどうかを判断する。
【0082】
以下に、第2の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法について説明する。
【0083】
図11は、第2の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法を説明するためのシーケンス図である。場面としては、訪問者用端末100を所持した訪問者が応対者用端末200を所持した応対者を訪問する場面である。また、訪問者が発する音声を訪問者用端末100と応対者用端末200とが認識できる位置に訪問者用端末100と応対者用端末200とが存在する場面である。
【0084】
まず、訪問者が音声を発することにより、訪問者用端末100の音声認識部101によって当該音声が認識されると(ステップS11)、訪問者の識別情報と位置情報取得部103によって取得された訪問者用端末100の位置情報とが通信部102から認証サーバ300へ送信される(ステップS12)。このとき、位置情報取得部103による訪問者用端末100の位置情報の取得のタイミングは任意である。例えば、所定の周期で取得しておくものであっても良いし、ステップS11の音声が認識されたタイミングで取得されるものであっても良い。
【0085】
ここで送信される識別情報は第1の実施の形態と同様に、訪問者が発した言葉(キーワード)であっても良いし、訪問者用端末100の訪問者用端末識別情報であっても良く、訪問者を識別できるものであれば良い。ただし、この識別情報は、データベース301に格納されている「識別情報」と同じものでなければならない。また、識別情報は複数であっても良い。例えば、訪問者の氏名とキーワードとの組み合わせや、訪問者の氏名と訪問者用端末識別情報との組み合わせであっても良い。このとき、これらの組み合わせはデータベース301にあらかじめ格納されている必要がある。組み合わせを利用することにより、検索範囲を絞ることが可能となる。
【0086】
訪問者用端末100から認証サーバ300へ識別情報と位置情報とが送信されると、当該識別情報に基づいて参照可否設定部302によってデータベース301に当該識別情報と対応付けられて格納されている「許可情報」が「可」に設定される(ステップS13)。これにより、当該識別情報と対応付けられた音声データが参照可能になる。例えば、訪問者用端末100から送信されてきた識別情報が「A」である場合、データベース301に格納された、「A」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定される。図5は、「A」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定された場合を示している。また、図5に示した例では、他の訪問者用端末から「D」という識別情報が送信されてきており、「D」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定されている。
【0087】
一方、応対者用端末200の音声認識部201にて音声が認識されると(ステップS14)、認識された音声が音声データとして通信部202から認証サーバ300へ送信される(ステップS15)。このとき、ステップS14で認識される音声は、ステップS11で訪問者用端末100によって認識される音声と同じものである。また、位置情報取得部204によって取得された応対者用端末200の位置情報が通信部202から認証サーバ300へ送信される。このとき、位置情報取得部204による応対者用端末200の位置情報の取得のタイミングは任意である。例えば、所定の周期で取得しておくものであっても良いし、ステップS14の音声が認識されたタイミングで取得されるものであっても良い。
【0088】
応対者用端末200から認証サーバ300へ音声データと位置情報とが送信されると、当該音声データに基づいて認証部303にて声紋認証が行われる(ステップS16)。
【0089】
このステップS16の具体的な処理は、第1の実施の形態におけるステップS6の処理と同じである。
【0090】
続いて、検索された音声データと対応付けられた識別情報を送信した訪問者用端末(この場合、訪問者用端末100)が、検索された音声データを送信した応対者用端末(この場合、応対者用端末200)からあらかじめ設定された距離範囲に存在するかどうかが範囲判断部305によって判断される(ステップS17)。これは、ステップS12にて訪問者用端末100から送信されてきた訪問者用端末100の位置情報と、ステップS15にて応対者用端末200から送信されてきた応対者用端末200の位置情報とに基づいて判断されるものである。
【0091】
ステップS17にて、訪問者用端末100が応対者用端末200からあらかじめ設定された距離範囲に存在すると範囲判断部305によって判断された場合、検索された音声データと対応付けられた訪問者情報がデータベース301から送信部304によって読み出され、応対者用端末200へ送信される(ステップS18)。
【0092】
認証サーバ300から訪問者情報が応対者用端末200へ送信されると、応対者用端末200の表示部203に当該訪問者情報が表示される(ステップS19)。
【0093】
その後、参照可否設定部302によって、データベース301に格納されている、ステップS13にて「可」に設定された許可情報が「否」に設定される(ステップS20)。この「否」への設定のタイミングは上述したように、当該許可情報が「可」になってから、あらかじめ設定された時間が経過した後であっても良いし、訪問者用端末100から所定の信号が送信されてきたタイミングであっても良く、ここでは特に規定しない。
【0094】
なお、上述した認証サーバ300の処理は、目的に応じて作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したプログラムを認証サーバ300にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを認証サーバ300に読み込ませ、実行するものであっても良い。認証サーバ300にて読取可能な記録媒体とは、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、認証サーバ300に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは認証サーバ300内のCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【0095】
以上説明した本発明においては、以下の効果を有する。
【0096】
第1の効果は、訪問者の声紋認証を行うのを、訪問者が自分の身元を証明したいときに限定できることにある。
【0097】
その理由は、訪問者が自分の名前を名乗り、自分の名前を周囲に対して明らかにすることを契機として訪問者の声紋認証を許可し、その場合のみ応対者からの認証要求で認証が行なえるためである。
【0098】
第2の効果は、訪問者、応対者ともに、認証のための特別な行動をせずに、認証ができることにある。
【0099】
その理由は、認証に使用するのが音声という通常の会話で必ず使用されるものであり、また、通常会話の中で最初のうちに行なわれる名前を名乗るという行為を音声認識で検知して、それを契機に認証を行なうためである。
【0100】
第3の効果は、話者が変わった場合にでも、会話の中でリアルタイムに認証できることにある。
【0101】
その理由は、訪問者、応対者、認証サーバ間の通信手段を別にすることで、訪問者とは関係なく、応対者側から好きなタイミングで認証サーバへ認証要求でき、音声認識することで、名前を名乗ったのを検知して認証を行なうためである。
【0102】
なお、本発明は、訪問による配送、料金の徴収、サービスなどの業務での認証といった用途に適用できる。また、電話などの通信手段を利用した会話などで、通話相手を認証する用途にも適用可能である。
【符号の説明】
【0103】
100 訪問者用端末
101,201 音声認識部
102,202 通信部
103,204 位置情報取得部
200 応対者用端末
203 表示部
300 認証サーバ
301 データベース
302 参照可否設定部
303 認証部
304 送信部
305 範囲判断部
【技術分野】
【0001】
本発明は、身元を確認・証明するための認証システム、認証サーバ、認証方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
訪問する訪問者が訪問先で当該訪問者を応対する応対者に対して、当該訪問者の身元を証明しなければならない場面がよくある。不特定の応対者に対して訪問者が身元を証明するには、訪問者が所持する身分証明書などを応対者に対して提示するしかない。
【0003】
しかし、応対者は提示された身分証明書が信用できるものであるかどうかを判断できないため、訪問者の身元が正しいのかどうかを判断することができない。
【0004】
また、訪問者は、自己申告でしか自分の身元を証明することができない。
【0005】
身元を証明する確実な方法として生体認証があるが、この方法を用いる場合、重要な生体情報を不特定多数に対して公開しなければならない。
【0006】
そこで、訪問者が訪問予定を予め登録し、訪問先で登録した内容と一致するかどうかを生体情報を用いて認証を行うシステムが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
また、訪問者の認証のための情報を訪問先の受付側へあらかじめ送信しておき、受付時に受付側で当該情報を用いて訪問者の認証を行う技術が考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
また、ユーザの生体情報をデータベースに事前に格納しておき、当該データベースのうちユーザから指定された照合部分に格納されている生体情報のみを用いてユーザの認証を行う技術が考えられている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−114923号公報
【特許文献2】特開2003−108751号公報
【特許文献3】特開2007−11885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載されたシステムにおいては、以下のような問題点がある。
【0011】
郵便物の配送などでは住所しか分からない、もしくは住所情報も不完全な状態で配送される場合があり、訪問先を一意に特定することが難しい。訪問先を特定できている場合であっても、訪問先が利用するシステムを知っていて、そのシステムで訪問予約するか、訪問先が使用している可能性のあるシステム全てに予約をしなければならない。また、あらかじめ登録しておく必要があるため、訪問者や訪問先の急な変更に対応することができないおそれがある。
【0012】
また、特許文献2に記載された技術においても、あらかじめ予約をしなければならなく、その手間がかかってしまうという問題点がある。また、生体情報などの認証のために秘密にされるべき生体情報等の個人情報を受付側が保持することになるため、不必要に個人情報が流出するおそれがある。
【0013】
また、訪問者が訪問先を特定できない状況では、不特定の訪問者が、不特定の応対者に対して身元を証明するような場面でも、容易に活用できる認証方法が必要である。
【0014】
また、特許文献3に記載された技術においては、ユーザは認証を行うシステムが設けられた場所以外では、認証を受けることができないという問題点がある。
【0015】
本発明は、上述した課題を解決する認証システム、認証サーバ、証明方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の認証システムは、
訪問する訪問者が所持する訪問者用端末と、前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末と、前記訪問者を認証する認証サーバとから構成された認証システムにおいて、
前記訪問者用端末は、所定の音声を認識した際、前記訪問者を識別可能な識別情報を前記認証サーバへ送信し、
前記応対者用端末は、前記音声を認識した際、該認識した音声を音声データとして前記認証サーバへ送信し、前記認証サーバから送信されてきた前記訪問者についての情報である訪問者情報を表示し、
前記認証サーバは、前記訪問者用端末から送信されてきた識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にし、前記応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能になっている音声データの中から検索し、該検索された音声データとあらかじめ対応付けられている前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信し、その後、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の認証サーバは、
訪問する訪問者を認証する認証サーバであって、
前記訪問者を識別可能な識別情報と、前記訪問者の音声を示す音声データと、前記訪問者についての情報である訪問者情報とをあらかじめ対応付けて格納するデータベースと、
前記訪問者が所持する訪問者用端末から送信されてきた識別情報と対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする参照可否設定部と、
前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて前記参照可否設定部によって参照可能にされた音声データの中から検索する認証部と、
該認証部が検索した音声データと前記データベースにて対応付けられて格納されている前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する送信部とを有し、
前記参照可否設定部は、前記送信部が前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする。
【0018】
また、本発明の証明方法は、
訪問する訪問者が所持する訪問者用端末と、前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末と、前記訪問者を認証する認証サーバとから構成された認証システムにおいて前記訪問者の身元を証明する証明方法であって、
前記訪問者用端末が、所定の音声を認識する処理と、
前記訪問者用端末が、前記音声を認識した際、前記訪問者を識別可能な識別情報を前記認証サーバへ送信する処理と、
前記応対者用端末が、前記音声を認識する処理と、
前記応対者用端末が、前記音声を認識した際、該認識した音声を音声データとして前記認証サーバへ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末から送信されてきた識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする処理と、
前記認証サーバが、前記応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能になっている音声データの中から検索する処理と、
前記認証サーバが、前記検索された音声データとあらかじめ対応付けられている前記訪問者についての情報である訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする処理と、
前記応対者用端末が、前記認証サーバから送信されてきた前記訪問者情報を表示する処理とを有する。
【0019】
また、本発明のプログラムは、
訪問する訪問者を認証する認証サーバに実行させるためのプログラムであって、
前記訪問者が所持する訪問者用端末から送信されてきた識別情報と対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする手順と、
前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能にされた音声データの中から検索する手順と、
該検索した音声データと前記データベースにて対応付けられて格納されている前記訪問者についての情報である訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する手順と、
前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明においては、訪問する訪問者が所持する訪問者用端末が、音声を認識した際、訪問者を識別可能な識別情報を認証する認証サーバへ送信し、訪問者が訪問する訪問先で訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末が、認識した音声を音声データとして認証サーバへ送信し、認証サーバが、訪問者用端末から送信されてきた識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データをデータベース上で参照可能にし、応対者用端末から送信されてきた音声データを、データベース上で参照可能になっている音声データの中から検索し、検索された音声データとあらかじめ対応付けられている訪問者情報を応対者用端末へ送信し、その後、音声データの参照を不可能し、応対者用端末が、認証サーバから送信されてきた訪問者情報を表示する構成としたため、訪問者の個人情報を不要に公開することなく、訪問者の身元を容易に証明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の認証システムの第1の実施の形態を示す図である。
【図2】図1に示した訪問者用端末の内部構成の一例を示す図である。
【図3】図1に示した応対者用端末の内部構成の一例を示す図である。
【図4】図1に示した認証サーバの内部構成の一例を示す図である。
【図5】図4に示したデータベースの内部構造を示す図である。
【図6】第1の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法を説明するためのシーケンス図である。
【図7】応対者用端末の表示部への訪問者情報の表示の一例を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における訪問者用端末の内部構成の一例を示す図である。
【図9】第2の実施の形態における応対者用端末の内部構成の一例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態における認証サーバの内部構成の一例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の認証システムの第1の実施の形態を示す図である。
【0023】
本形態は図1に示すように、訪問者用端末100と、応対者用端末200と、認証サーバ300とから構成されている。
【0024】
訪問者用端末100は、訪問する訪問者が所持する端末である。また、訪問者用端末100は、通信機能を有する。
【0025】
応対者用端末200は、訪問者の訪問先で訪問者を応対する応対者が所持する端末である。また、応対者用端末200は、通信機能を有する。
【0026】
認証サーバ300は、応対者用端末200から送信されてきた音声データに基づいて訪問者の認証を行う。また、認証サーバ300は、認証を行った後、当該訪問者についての訪問者情報を応対者用端末200へ送信する。
【0027】
図2は、図1に示した訪問者用端末100の内部構成の一例を示す図である。
【0028】
図1に示した訪問者用端末100には図2に示すように、音声認識部101と、通信部102とが設けられている。なお、図2には、図1に示した訪問者用端末100が有する構成要素のうち、本発明に関わる構成要素のみを示した。
【0029】
音声認識部101は、外部から入力された音声を認識し、音声データとして通信部102へ出力する。
【0030】
通信部102は、音声認識部101から出力された音声データを認証サーバ300へ送信する。また、通信部102は、訪問者用端末100を識別できる、訪問者用端末100にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報を認証サーバ300へ送信するものであっても良い。
【0031】
図3は、図1に示した応対者用端末200の内部構成の一例を示す図である。
【0032】
図1に示した応対者用端末200には図3に示すように、音声認識部201と、通信部202と、表示部203とが設けられている。なお、図3には、図1に示した応対者用端末200が有する構成要素のうち、本発明に関わる構成要素のみを示した。
【0033】
音声認識部201は、外部から入力された音声を認識し、音声データとして通信部202へ出力する。
【0034】
通信部202は、音声認識部201から出力された音声データを認証サーバ300へ送信する。また、通信部202は、認証サーバ300から送信されてきた訪問者情報を表示部203へ出力する。
【0035】
表示部203は、通信部202から出力された訪問者情報を表示する。なお、表示部203は、情報を認識可能に表示できるものであれば良く、例えば一般的なディスプレイであっても良い。
【0036】
図4は、図1に示した認証サーバ300の内部構成の一例を示す図である。
【0037】
図1に示した認証サーバ300には図4に示すように、データベース301と、参照可否設定部302と、認証部303と、送信部304とが設けられている。なお、図4には、図1に示した認証サーバ300が有する構成要素のうち、本発明に関わる構成要素のみを示した。
【0038】
データベース301は、訪問者に関わる情報があらかじめ格納(登録)されている。
【0039】
図5は、図4に示したデータベース301の内部構造を示す図である。
【0040】
図4に示したデータベース301には図5に示すように、許可情報と、識別情報と、音声データと、訪問者情報とが対応付けられて格納されている。この識別情報、音声データおよび訪問者情報はあらかじめ格納された情報である。また、許可情報は、参照可否設定部302によって設定される情報である。
【0041】
許可情報は、当該許可情報と対応付けられた識別情報、音声データおよび訪問者情報が参照可能かどうかを示す情報である。図5においては、参照可能である場合、「可」を示し、参照不可能である場合は、「否」を示す。ここで参照可能とは、応対者用端末200から送信されてきた音声データに基づいて認証部303が声紋認証を行う際に参照できることを示す。つまり、参照情報が「否」である識別情報と音声データと訪問者情報との対応付けの情報を用いた認証は、認証部303はできないものである。
【0042】
識別情報は、当該識別情報と対応付けられた音声データの音声を発する訪問者を識別できる情報である。例えば、名前等の所定のキーワードであっても良いし、訪問者が所持する訪問者用端末100にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報であっても良い。
【0043】
音声データは、当該音声データと対応付けられた訪問者情報が示す訪問者が発する音声データである。この音声データは、当該訪問者の声紋情報が含まれており、これを用いて認証部303が声紋認証を行う。
【0044】
訪問者情報は、訪問者用端末100を所持する訪問者についての情報である。どのような情報であるかは規定しないが、訪問者の身元が証明できる情報である。例えば、図5に示すように、訪問者の氏名や所属する会社名が格納されているものであっても良い。また、訪問者の顔写真のデータが含まれているものであっても良い。
【0045】
図5に示した対応付けを例に挙げて説明すると、許可情報「可」と、識別情報「A」と、音声データ「a」と、訪問者情報「山田太郎、○○急便」とが対応付けられて格納されている。これは、音声データ「a」の音声を発する訪問者を識別する識別情報が「A」であり、訪問者情報が「山田太郎、○○急便」であり、この対応付けが参照可能であることを示している。また、許可情報「否」と、識別情報「B」と、音声データ「b」と、訪問者情報「日本二郎、××運輸」とが対応付けられて格納されている。これは、音声データ「b」の音声を発する訪問者を識別する識別情報が「B」であり、訪問者情報が「日本二郎、××運輸」であり、この対応付けが参照不可能であることを示している。また、許可情報「否」と、識別情報「C」と、音声データ「c」と、訪問者情報「関東三郎、△△株式会社」とが対応付けられて格納されている。これは、音声データ「c」の音声を発する訪問者を識別する識別情報が「C」であり、訪問者情報が「関東三郎、△△株式会社」であり、この対応付けが参照不可能であることを示している。また、許可情報「可」と、識別情報「D」と、音声データ「d」と、訪問者情報「東京花子、□□電力」とが対応付けられて格納されている。これは、音声データ「d」の音声を発する訪問者を識別する識別情報が「D」であり、訪問者情報が「東京花子、□□電力」であり、この対応付けが参照可能であることを示している。
【0046】
また、参照可否設定部302は、訪問者用端末100から送信されてきた識別情報に基づいて、データベース301に格納された対応付けを参照可能にするか不可能にするかを設定する。具体的には、訪問者用端末100から送信されてきた識別情報と一致する識別情報と対応付けられた「許可情報」を「可」に設定する。また、「可」となっている「許可情報」を所定のタイミングで「否」へ設定(更新)する。この所定のタイミングとは、当該「許可情報」が「可」になってから、あらかじめ設定された時間が経過した後であっても良いし、訪問者用端末100から所定の信号が送信されてきたタイミングであっても良く、ここでは特に規定しない。
【0047】
認証部303は、応対者用端末200から送信されてきた音声データを、データベース301に格納され、且つ参照可能(「許可情報」が「可」)になっている対応付けから検索する。つまり、応対者用端末200から送信されてきた音声データと一致する音声データをデータベース301から検索することにより、訪問者の声紋認証を行う。
【0048】
送信部304は、認証部303にて検索された音声データと対応付けられた訪問者情報を応対者用端末200へ送信する。
【0049】
以下に、第1の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法について説明する。
【0050】
図6は、第1の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法を説明するためのシーケンス図である。場面としては、訪問者用端末100を所持した訪問者が応対者用端末200を所持した応対者を訪問する場面である。また、訪問者が発する音声を訪問者用端末100と応対者用端末200とが認識できる位置に訪問者用端末100と応対者用端末200とが存在する場面である。
【0051】
まず、訪問者が音声を発することにより、訪問者用端末100の音声認識部101によって当該音声が認識されると(ステップS1)、訪問者の識別情報が通信部102から認証サーバ300へ送信される(ステップS2)。この音声とは、例えば、訪問者が応対者へ自分の名前を名乗った音声であっても良い。その場合、特別に言葉を発する必要はなくなる。
【0052】
また、ここで送信される識別情報は上述したように、訪問者が発した言葉(キーワード)であっても良いし、訪問者用端末100の訪問者用端末識別情報であっても良く、訪問者を識別できるものであれば良い。ただし、この識別情報は、データベース301に格納されている「識別情報」と同じものでなければならない。また、識別情報は複数であっても良い。例えば、訪問者の氏名とキーワードとの組み合わせや、訪問者の氏名と訪問者用端末識別情報との組み合わせであっても良い。このとき、これらの組み合わせはデータベース301にあらかじめ格納されている必要がある。組み合わせを利用することにより、検索範囲を絞ることが可能となる。
【0053】
訪問者用端末100から認証サーバ300へ識別情報が送信されると、当該識別情報に基づいて参照可否設定部302によってデータベース301に当該識別情報と対応付けられて格納されている「許可情報」が「可」に設定される(ステップS3)。これにより、当該識別情報と対応付けられた音声データが参照可能になる。例えば、訪問者用端末100から送信されてきた識別情報が「A」である場合、データベース301に格納された、「A」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定される。図5は、「A」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定された場合を示している。また、図5に示した例では、他の訪問者用端末から「D」という識別情報が送信されてきており、「D」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定されている。
【0054】
一方、応対者用端末200の音声認識部201にて音声が認識されると(ステップS4)、認識された音声が音声データとして通信部202から認証サーバ300へ送信される(ステップS5)。このとき、ステップS4で認識される音声は、ステップS1で訪問者用端末100によって認識される音声と同じものである。
【0055】
応対者用端末200から認証サーバ300へ音声データが送信されると、当該音声データに基づいて認証部303にて声紋認証が行われる(ステップS6)。
【0056】
このステップS6の処理について、具体的に説明する。
【0057】
応対者用端末200からから音声データが送信されてくると、認証部303にてデータベース301に格納されている、「可」となっている「許可情報」と対応付けられている音声データの中から、応対者用端末200からから送信されてきた音声データと一致するものが検索される。例えば、図5に示した例では、許可情報が「可」となっている対応付けは、音声データが「a」であるものと音声データが「d」であるものとである。そのため、応対者用端末200からから送信されてきた音声データが「a」である場合、その2組の対応付けから音声データが「a」であるものが検索される。
【0058】
音声データが「a」である対応付けが検索されると、送信部304によってその対応付けの(音声データが「a」と対応付けられた)訪問者情報がデータベース301から読み出され、応対者用端末200へ送信される(ステップS7)。
【0059】
認証サーバ300から訪問者情報が応対者用端末200へ送信されると、応対者用端末200の表示部203に当該訪問者情報が表示される(ステップS8)。
【0060】
図7は、応対者用端末200の表示部203への訪問者情報の表示の一例を示す図である。
【0061】
図3に示した表示部203には図7に示すように、データベース301に格納された訪問者情報(図5参照)が表示される。ここでは、「氏名:山田太郎、会社名:○○急便」と表示されている。このように、表示部203には認証サーバ300から送信されてきた訪問者の身元が証明できる情報が表示される。上述したように図7に示した情報以外でも、認証サーバ300から訪問者の顔写真のデータが送信されてきた場合、当該顔写真が表示されても良い。
【0062】
この表示部203に表示された訪問者情報を応対者が参照することにより、応対者が訪問者の身元を確認することができる。訪問者の立場からすると、表示部203に表示された訪問者情報で訪問者の身元を証明することができる。
【0063】
その後、参照可否設定部302によって、データベース301に格納されている、ステップS3にて「可」に設定された許可情報が「否」に設定される(ステップS9)。この「否」への設定のタイミングは上述したように、当該許可情報が「可」になってから、あらかじめ設定された時間が経過した後であっても良いし、訪問者用端末100から所定の信号が送信されてきたタイミングであっても良く、ここでは特に規定しない。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。認証システムの構成は、図1に示したものと同じである。
【0064】
図8は、第2の実施の形態における訪問者用端末100の内部構成の一例を示す図である。
【0065】
第2の実施の形態における訪問者用端末100には図8に示すように、音声認識部101と、通信部102と、位置情報取得部103とが設けられている。
【0066】
音声認識部101は、図2に示したものと同じものである。
【0067】
通信部102は、図2に示したものの機能に加え、位置情報取得部103から出力された訪問者用端末100の位置情報を認証サーバ300へ送信する。
【0068】
位置情報取得部103は、訪問者用端末100が存在する位置情報を取得する。また、位置情報取得部103は、取得した位置情報を通信部102へ出力する。位置情報取得部103が訪問者用端末100が存在する位置情報を取得する方法はここでは規定しない。例えば、訪問者用端末100にGPS(Global Positioning System)機能を設け、当該機能により取得するものであっても良い。
【0069】
図9は、第2の実施の形態における応対者用端末200の内部構成の一例を示す図である。
【0070】
第2の実施の形態における応対者用端末200には図9に示すように、音声認識部201と、通信部202と、表示部203と、位置情報取得部204とが設けられている。
【0071】
音声認識部201は、図3に示したものと同じものである。
【0072】
表示部203は、図3に示したものと同じものである。
【0073】
通信部202は、図3に示したものの機能に加え、位置情報取得部204から出力された応対者用端末200の位置情報を認証サーバ300へ送信する。
【0074】
位置情報取得部204は、応対者用端末200が存在する位置情報を取得する。また、応対者用端末200は、取得した位置情報を通信部202へ出力する。位置情報取得部204が応対者用端末200が存在する位置情報を取得する方法はここでは規定しない。例えば、図8に示した位置情報取得部103と同様に、応対者用端末200にGPS機能を設け、当該機能により取得するものであっても良い。
【0075】
図10は、第2の実施の形態における認証サーバ300の内部構成の一例を示す図である。
【0076】
第2の実施の形態における認証サーバ300には図10に示すように、データベース301と、参照可否設定部302と、認証部303と、送信部304と、範囲判断部305とが設けられている。
【0077】
データベース301は、図4に示したものと同じものである。
【0078】
参照可否設定部302は、図4に示したものと同じものである。
【0079】
認証部303は、図4に示したものと同じものである。
【0080】
送信部304は、図4に示したものの機能に加え、範囲判断部305の判断結果に基づいて、訪問者情報を応対者用端末200へ送信する。具体的には、範囲判断部305が、訪問者用端末100が応対者用端末200から所定の距離範囲に存在すると判断した場合のみ、訪問者情報を応対者用端末200へ送信する。
【0081】
範囲判断部305は、訪問者用端末100から識別情報とともに訪問者用端末100の位置情報が送信され、応対者用端末200から音声データとともに応対者用端末200の位置情報が送信されてきた場合、訪問者用端末100の位置情報と、訪問者用端末100から送信されてきた識別情報により参照可能になった音声データを送信してきた応対者用端末200の位置情報とに基づいて、訪問者用端末100が応対者用端末200から所定の距離範囲に存在するかどうかを判断する。
【0082】
以下に、第2の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法について説明する。
【0083】
図11は、第2の実施の形態における訪問者の身元を証明する証明方法を説明するためのシーケンス図である。場面としては、訪問者用端末100を所持した訪問者が応対者用端末200を所持した応対者を訪問する場面である。また、訪問者が発する音声を訪問者用端末100と応対者用端末200とが認識できる位置に訪問者用端末100と応対者用端末200とが存在する場面である。
【0084】
まず、訪問者が音声を発することにより、訪問者用端末100の音声認識部101によって当該音声が認識されると(ステップS11)、訪問者の識別情報と位置情報取得部103によって取得された訪問者用端末100の位置情報とが通信部102から認証サーバ300へ送信される(ステップS12)。このとき、位置情報取得部103による訪問者用端末100の位置情報の取得のタイミングは任意である。例えば、所定の周期で取得しておくものであっても良いし、ステップS11の音声が認識されたタイミングで取得されるものであっても良い。
【0085】
ここで送信される識別情報は第1の実施の形態と同様に、訪問者が発した言葉(キーワード)であっても良いし、訪問者用端末100の訪問者用端末識別情報であっても良く、訪問者を識別できるものであれば良い。ただし、この識別情報は、データベース301に格納されている「識別情報」と同じものでなければならない。また、識別情報は複数であっても良い。例えば、訪問者の氏名とキーワードとの組み合わせや、訪問者の氏名と訪問者用端末識別情報との組み合わせであっても良い。このとき、これらの組み合わせはデータベース301にあらかじめ格納されている必要がある。組み合わせを利用することにより、検索範囲を絞ることが可能となる。
【0086】
訪問者用端末100から認証サーバ300へ識別情報と位置情報とが送信されると、当該識別情報に基づいて参照可否設定部302によってデータベース301に当該識別情報と対応付けられて格納されている「許可情報」が「可」に設定される(ステップS13)。これにより、当該識別情報と対応付けられた音声データが参照可能になる。例えば、訪問者用端末100から送信されてきた識別情報が「A」である場合、データベース301に格納された、「A」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定される。図5は、「A」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定された場合を示している。また、図5に示した例では、他の訪問者用端末から「D」という識別情報が送信されてきており、「D」である識別情報と対応付けられた許可情報が「可」に設定されている。
【0087】
一方、応対者用端末200の音声認識部201にて音声が認識されると(ステップS14)、認識された音声が音声データとして通信部202から認証サーバ300へ送信される(ステップS15)。このとき、ステップS14で認識される音声は、ステップS11で訪問者用端末100によって認識される音声と同じものである。また、位置情報取得部204によって取得された応対者用端末200の位置情報が通信部202から認証サーバ300へ送信される。このとき、位置情報取得部204による応対者用端末200の位置情報の取得のタイミングは任意である。例えば、所定の周期で取得しておくものであっても良いし、ステップS14の音声が認識されたタイミングで取得されるものであっても良い。
【0088】
応対者用端末200から認証サーバ300へ音声データと位置情報とが送信されると、当該音声データに基づいて認証部303にて声紋認証が行われる(ステップS16)。
【0089】
このステップS16の具体的な処理は、第1の実施の形態におけるステップS6の処理と同じである。
【0090】
続いて、検索された音声データと対応付けられた識別情報を送信した訪問者用端末(この場合、訪問者用端末100)が、検索された音声データを送信した応対者用端末(この場合、応対者用端末200)からあらかじめ設定された距離範囲に存在するかどうかが範囲判断部305によって判断される(ステップS17)。これは、ステップS12にて訪問者用端末100から送信されてきた訪問者用端末100の位置情報と、ステップS15にて応対者用端末200から送信されてきた応対者用端末200の位置情報とに基づいて判断されるものである。
【0091】
ステップS17にて、訪問者用端末100が応対者用端末200からあらかじめ設定された距離範囲に存在すると範囲判断部305によって判断された場合、検索された音声データと対応付けられた訪問者情報がデータベース301から送信部304によって読み出され、応対者用端末200へ送信される(ステップS18)。
【0092】
認証サーバ300から訪問者情報が応対者用端末200へ送信されると、応対者用端末200の表示部203に当該訪問者情報が表示される(ステップS19)。
【0093】
その後、参照可否設定部302によって、データベース301に格納されている、ステップS13にて「可」に設定された許可情報が「否」に設定される(ステップS20)。この「否」への設定のタイミングは上述したように、当該許可情報が「可」になってから、あらかじめ設定された時間が経過した後であっても良いし、訪問者用端末100から所定の信号が送信されてきたタイミングであっても良く、ここでは特に規定しない。
【0094】
なお、上述した認証サーバ300の処理は、目的に応じて作製された論理回路で行うようにしても良い。また、処理内容を手順として記述したプログラムを認証サーバ300にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを認証サーバ300に読み込ませ、実行するものであっても良い。認証サーバ300にて読取可能な記録媒体とは、フロッピーディスク(登録商標)、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、認証サーバ300に内蔵されたROM、RAM等のメモリやHDD等を指す。この記録媒体に記録されたプログラムは認証サーバ300内のCPU(不図示)にて読み込まれ、CPUの制御によって、上述したものと同様の処理が行われる。ここで、CPUは、プログラムが記録された記録媒体から読み込まれたプログラムを実行するコンピュータとして動作するものである。
【0095】
以上説明した本発明においては、以下の効果を有する。
【0096】
第1の効果は、訪問者の声紋認証を行うのを、訪問者が自分の身元を証明したいときに限定できることにある。
【0097】
その理由は、訪問者が自分の名前を名乗り、自分の名前を周囲に対して明らかにすることを契機として訪問者の声紋認証を許可し、その場合のみ応対者からの認証要求で認証が行なえるためである。
【0098】
第2の効果は、訪問者、応対者ともに、認証のための特別な行動をせずに、認証ができることにある。
【0099】
その理由は、認証に使用するのが音声という通常の会話で必ず使用されるものであり、また、通常会話の中で最初のうちに行なわれる名前を名乗るという行為を音声認識で検知して、それを契機に認証を行なうためである。
【0100】
第3の効果は、話者が変わった場合にでも、会話の中でリアルタイムに認証できることにある。
【0101】
その理由は、訪問者、応対者、認証サーバ間の通信手段を別にすることで、訪問者とは関係なく、応対者側から好きなタイミングで認証サーバへ認証要求でき、音声認識することで、名前を名乗ったのを検知して認証を行なうためである。
【0102】
なお、本発明は、訪問による配送、料金の徴収、サービスなどの業務での認証といった用途に適用できる。また、電話などの通信手段を利用した会話などで、通話相手を認証する用途にも適用可能である。
【符号の説明】
【0103】
100 訪問者用端末
101,201 音声認識部
102,202 通信部
103,204 位置情報取得部
200 応対者用端末
203 表示部
300 認証サーバ
301 データベース
302 参照可否設定部
303 認証部
304 送信部
305 範囲判断部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
訪問する訪問者が所持する訪問者用端末と、前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末と、前記訪問者を認証する認証サーバとから構成された認証システムにおいて、
前記訪問者用端末は、所定の音声を認識した際、前記訪問者を識別可能な識別情報を前記認証サーバへ送信し、
前記応対者用端末は、前記音声を認識した際、該認識した音声を音声データとして前記認証サーバへ送信し、前記認証サーバから送信されてきた前記訪問者についての情報である訪問者情報を表示し、
前記認証サーバは、前記訪問者用端末から送信されてきた識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にし、前記応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能になっている音声データの中から検索し、該検索された音声データとあらかじめ対応付けられている前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信し、その後、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする認証システム。
【請求項2】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記認証サーバは、前記検索を声紋認証を用いて行うことを特徴とする認証システム。
【請求項3】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記訪問者用端末は、前記識別情報として、前記訪問者の音声を音声データとして前記認証サーバへ送信し、
前記認証サーバは、前記訪問者用端末から送信されてきた音声データと一致する音声データを前記データベース上で参照可能にすることを特徴とする認証システム。
【請求項4】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記訪問者用端末は、前記識別情報として、前記訪問者用端末を識別するために該訪問者用端末にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報を前記認証サーバへ送信し、
前記認証サーバは、前記訪問者用端末から送信されてきた訪問者用端末識別情報とあらかじめ対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にすることを特徴とする認証システム。
【請求項5】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記訪問者用端末は、前記識別情報とともに、当該訪問者用端末の位置情報を前記認証サーバへ送信し、
前記応対者用端末は、前記音声データとともに、当該応対者用端末の位置情報を前記認証サーバへ送信し、
前記認証サーバは、前記訪問者用端末の位置情報と、該訪問者用端末から送信されてきた前記識別情報により参照可能になった音声データを送信してきた応対者用端末の位置情報とに基づいて、前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在すると判断した場合のみ、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信することを特徴とする認証システム。
【請求項6】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記認証サーバは、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、あらかじめ設定された時間が経過した際、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする認証システム。
【請求項7】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記認証サーバは、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、所定の信号が前記訪問者用端末から送信されてきた際、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする認証システム。
【請求項8】
訪問する訪問者を認証する認証サーバであって、
前記訪問者を識別可能な識別情報と、前記訪問者の音声を示す音声データと、前記訪問者についての情報である訪問者情報とをあらかじめ対応付けて格納するデータベースと、
前記訪問者が所持する訪問者用端末から送信されてきた識別情報と対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする参照可否設定部と、
前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて前記参照可否設定部によって参照可能にされた音声データの中から検索する認証部と、
該認証部が検索した音声データと前記データベースにて対応付けられて格納されている前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する送信部とを有し、
前記参照可否設定部は、前記送信部が前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする認証サーバ。
【請求項9】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記認証部は、前記検索を声紋認証を用いて行うことを特徴とする認証サーバ。
【請求項10】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記参照可否設定部は、前記訪問者用端末から前記音声データが送信されてきた場合、該送信されてきた音声データと一致する音声データを前記データベース上で参照可能にすることを特徴とする認証サーバ。
【請求項11】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記参照可否設定部は、前記訪問者用端末を識別するために該訪問者用端末にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報が前記訪問者用端末から送信されてきた場合、該訪問者用端末識別情報とあらかじめ対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にすることを特徴とする認証サーバ。
【請求項12】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記訪問者用端末から前記識別情報とともに当該訪問者用端末の位置情報が送信され、前記応対者用端末から前記音声データとともに当該応対者用端末の位置情報が送信されてきた場合、前記訪問者用端末の位置情報と、該訪問者用端末から送信されてきた前記識別情報により参照可能になった音声データを送信してきた応対者用端末の位置情報とに基づいて、前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在するかどうかを判断する範囲判断部を有し、
前記送信部は、前記範囲判断部が前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在すると判断した場合のみ、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信することを特徴とする認証サーバ。
【請求項13】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記参照可否設定部は、前記送信部が前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、あらかじめ設定された時間が経過した際、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする認証サーバ。
【請求項14】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記参照可否設定部は、前記送信部が前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、所定の信号が前記訪問者用端末から送信されてきた際、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする認証サーバ。
【請求項15】
訪問する訪問者が所持する訪問者用端末と、前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末と、前記訪問者を認証する認証サーバとから構成された認証システムにおいて前記訪問者の身元を証明する証明方法であって、
前記訪問者用端末が、所定の音声を認識する処理と、
前記訪問者用端末が、前記音声を認識した際、前記訪問者を識別可能な識別情報を前記認証サーバへ送信する処理と、
前記応対者用端末が、前記音声を認識する処理と、
前記応対者用端末が、前記音声を認識した際、該認識した音声を音声データとして前記認証サーバへ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末から送信されてきた識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする処理と、
前記認証サーバが、前記応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能になっている音声データの中から検索する処理と、
前記認証サーバが、前記検索された音声データとあらかじめ対応付けられている前記訪問者についての情報である訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする処理と、
前記応対者用端末が、前記認証サーバから送信されてきた前記訪問者情報を表示する処理とを有する証明方法。
【請求項16】
請求項15に記載の証明方法において、
前記認証サーバが、前記検索を声紋認証を用いて行う処理を有することを特徴とする証明方法。
【請求項17】
請求項15に記載の証明方法において、
前記訪問者用端末が、前記識別情報として、前記訪問者の音声を音声データとして前記認証サーバへ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末から送信されてきた音声データと一致する音声データを前記データベース上で参照可能にする処理とを有することを特徴とする証明方法。
【請求項18】
請求項15に記載の証明方法において、
前記訪問者用端末が、前記識別情報として、前記訪問者用端末を識別するために該訪問者用端末にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報を前記認証サーバへ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末から送信されてきた訪問者用端末識別情報とあらかじめ対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする処理とを有することを特徴とする証明方法。
【請求項19】
請求項15に記載の証明方法において、
前記訪問者用端末が、前記識別情報とともに、当該訪問者用端末の位置情報を前記認証サーバへ送信する処理と、
前記応対者用端末が、前記音声データとともに、当該応対者用端末の位置情報を前記認証サーバへ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末の位置情報と、該訪問者用端末から送信されてきた前記識別情報により参照可能になった音声データを送信してきた応対者用端末の位置情報とに基づいて、前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在するかどうかを判断する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在すると判断した場合のみ、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する処理とを有することを特徴とする証明方法。
【請求項20】
請求項15に記載の証明方法において、
前記認証サーバが、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、あらかじめ設定された時間が経過した際、該音声データの参照を不可能にする処理を有することを特徴とする証明方法。
【請求項21】
請求項15に記載の証明方法において、
前記認証サーバが、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、所定の信号が前記訪問者用端末から送信されてきた際、該音声データの参照を不可能にする処理を有することを特徴とする証明方法。
【請求項22】
訪問する訪問者を認証する認証サーバに、
前記訪問者が所持する訪問者用端末から送信されてきた識別情報と対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする手順と、
前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能にされた音声データの中から検索する手順と、
該検索した音声データと前記データベースにて対応付けられて格納されている前記訪問者についての情報である訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する手順と、
前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項23】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記検索を声紋認証を用いて行う手順を実行させるためのプログラム。
【請求項24】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者用端末から前記音声データが送信されてきた場合、該送信されてきた音声データと一致する音声データを前記データベース上で参照可能にする手順を実行させるためのプログラム。
【請求項25】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者用端末を識別するために該訪問者用端末にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報が前記訪問者用端末から送信されてきた場合、該訪問者用端末識別情報とあらかじめ対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする手順を実行させるためのプログラム。
【請求項26】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者用端末から前記識別情報とともに当該訪問者用端末の位置情報が送信され、前記応対者用端末から前記音声データとともに当該応対者用端末の位置情報が送信されてきた場合、前記訪問者用端末の位置情報と、該訪問者用端末から送信されてきた前記識別情報により参照可能になった音声データを送信してきた応対者用端末の位置情報とに基づいて、前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在するかどうかを判断する手順と、
前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在すると判断した場合のみ、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項27】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、あらかじめ設定された時間が経過した際、該音声データの参照を不可能にする手順を実行させるためのプログラム。
【請求項28】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、所定の信号が前記訪問者用端末から送信されてきた際、該音声データの参照を不可能にする手順を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
訪問する訪問者が所持する訪問者用端末と、前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末と、前記訪問者を認証する認証サーバとから構成された認証システムにおいて、
前記訪問者用端末は、所定の音声を認識した際、前記訪問者を識別可能な識別情報を前記認証サーバへ送信し、
前記応対者用端末は、前記音声を認識した際、該認識した音声を音声データとして前記認証サーバへ送信し、前記認証サーバから送信されてきた前記訪問者についての情報である訪問者情報を表示し、
前記認証サーバは、前記訪問者用端末から送信されてきた識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にし、前記応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能になっている音声データの中から検索し、該検索された音声データとあらかじめ対応付けられている前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信し、その後、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする認証システム。
【請求項2】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記認証サーバは、前記検索を声紋認証を用いて行うことを特徴とする認証システム。
【請求項3】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記訪問者用端末は、前記識別情報として、前記訪問者の音声を音声データとして前記認証サーバへ送信し、
前記認証サーバは、前記訪問者用端末から送信されてきた音声データと一致する音声データを前記データベース上で参照可能にすることを特徴とする認証システム。
【請求項4】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記訪問者用端末は、前記識別情報として、前記訪問者用端末を識別するために該訪問者用端末にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報を前記認証サーバへ送信し、
前記認証サーバは、前記訪問者用端末から送信されてきた訪問者用端末識別情報とあらかじめ対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にすることを特徴とする認証システム。
【請求項5】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記訪問者用端末は、前記識別情報とともに、当該訪問者用端末の位置情報を前記認証サーバへ送信し、
前記応対者用端末は、前記音声データとともに、当該応対者用端末の位置情報を前記認証サーバへ送信し、
前記認証サーバは、前記訪問者用端末の位置情報と、該訪問者用端末から送信されてきた前記識別情報により参照可能になった音声データを送信してきた応対者用端末の位置情報とに基づいて、前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在すると判断した場合のみ、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信することを特徴とする認証システム。
【請求項6】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記認証サーバは、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、あらかじめ設定された時間が経過した際、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする認証システム。
【請求項7】
請求項1に記載の認証システムにおいて、
前記認証サーバは、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、所定の信号が前記訪問者用端末から送信されてきた際、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする認証システム。
【請求項8】
訪問する訪問者を認証する認証サーバであって、
前記訪問者を識別可能な識別情報と、前記訪問者の音声を示す音声データと、前記訪問者についての情報である訪問者情報とをあらかじめ対応付けて格納するデータベースと、
前記訪問者が所持する訪問者用端末から送信されてきた識別情報と対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする参照可否設定部と、
前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて前記参照可否設定部によって参照可能にされた音声データの中から検索する認証部と、
該認証部が検索した音声データと前記データベースにて対応付けられて格納されている前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する送信部とを有し、
前記参照可否設定部は、前記送信部が前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする認証サーバ。
【請求項9】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記認証部は、前記検索を声紋認証を用いて行うことを特徴とする認証サーバ。
【請求項10】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記参照可否設定部は、前記訪問者用端末から前記音声データが送信されてきた場合、該送信されてきた音声データと一致する音声データを前記データベース上で参照可能にすることを特徴とする認証サーバ。
【請求項11】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記参照可否設定部は、前記訪問者用端末を識別するために該訪問者用端末にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報が前記訪問者用端末から送信されてきた場合、該訪問者用端末識別情報とあらかじめ対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にすることを特徴とする認証サーバ。
【請求項12】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記訪問者用端末から前記識別情報とともに当該訪問者用端末の位置情報が送信され、前記応対者用端末から前記音声データとともに当該応対者用端末の位置情報が送信されてきた場合、前記訪問者用端末の位置情報と、該訪問者用端末から送信されてきた前記識別情報により参照可能になった音声データを送信してきた応対者用端末の位置情報とに基づいて、前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在するかどうかを判断する範囲判断部を有し、
前記送信部は、前記範囲判断部が前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在すると判断した場合のみ、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信することを特徴とする認証サーバ。
【請求項13】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記参照可否設定部は、前記送信部が前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、あらかじめ設定された時間が経過した際、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする認証サーバ。
【請求項14】
請求項8に記載の認証サーバにおいて、
前記参照可否設定部は、前記送信部が前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、所定の信号が前記訪問者用端末から送信されてきた際、該音声データの参照を不可能にすることを特徴とする認証サーバ。
【請求項15】
訪問する訪問者が所持する訪問者用端末と、前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末と、前記訪問者を認証する認証サーバとから構成された認証システムにおいて前記訪問者の身元を証明する証明方法であって、
前記訪問者用端末が、所定の音声を認識する処理と、
前記訪問者用端末が、前記音声を認識した際、前記訪問者を識別可能な識別情報を前記認証サーバへ送信する処理と、
前記応対者用端末が、前記音声を認識する処理と、
前記応対者用端末が、前記音声を認識した際、該認識した音声を音声データとして前記認証サーバへ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末から送信されてきた識別情報とあらかじめ対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする処理と、
前記認証サーバが、前記応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能になっている音声データの中から検索する処理と、
前記認証サーバが、前記検索された音声データとあらかじめ対応付けられている前記訪問者についての情報である訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする処理と、
前記応対者用端末が、前記認証サーバから送信されてきた前記訪問者情報を表示する処理とを有する証明方法。
【請求項16】
請求項15に記載の証明方法において、
前記認証サーバが、前記検索を声紋認証を用いて行う処理を有することを特徴とする証明方法。
【請求項17】
請求項15に記載の証明方法において、
前記訪問者用端末が、前記識別情報として、前記訪問者の音声を音声データとして前記認証サーバへ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末から送信されてきた音声データと一致する音声データを前記データベース上で参照可能にする処理とを有することを特徴とする証明方法。
【請求項18】
請求項15に記載の証明方法において、
前記訪問者用端末が、前記識別情報として、前記訪問者用端末を識別するために該訪問者用端末にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報を前記認証サーバへ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末から送信されてきた訪問者用端末識別情報とあらかじめ対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする処理とを有することを特徴とする証明方法。
【請求項19】
請求項15に記載の証明方法において、
前記訪問者用端末が、前記識別情報とともに、当該訪問者用端末の位置情報を前記認証サーバへ送信する処理と、
前記応対者用端末が、前記音声データとともに、当該応対者用端末の位置情報を前記認証サーバへ送信する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末の位置情報と、該訪問者用端末から送信されてきた前記識別情報により参照可能になった音声データを送信してきた応対者用端末の位置情報とに基づいて、前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在するかどうかを判断する処理と、
前記認証サーバが、前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在すると判断した場合のみ、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する処理とを有することを特徴とする証明方法。
【請求項20】
請求項15に記載の証明方法において、
前記認証サーバが、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、あらかじめ設定された時間が経過した際、該音声データの参照を不可能にする処理を有することを特徴とする証明方法。
【請求項21】
請求項15に記載の証明方法において、
前記認証サーバが、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、所定の信号が前記訪問者用端末から送信されてきた際、該音声データの参照を不可能にする処理を有することを特徴とする証明方法。
【請求項22】
訪問する訪問者を認証する認証サーバに、
前記訪問者が所持する訪問者用端末から送信されてきた識別情報と対応付けられてデータベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする手順と、
前記訪問者が訪問する訪問先で該訪問者を応対する応対者が所持する応対者用端末から送信されてきた音声データを、前記データベースに格納されて参照可能にされた音声データの中から検索する手順と、
該検索した音声データと前記データベースにて対応付けられて格納されている前記訪問者についての情報である訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する手順と、
前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、該音声データの参照を不可能にする手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項23】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記検索を声紋認証を用いて行う手順を実行させるためのプログラム。
【請求項24】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者用端末から前記音声データが送信されてきた場合、該送信されてきた音声データと一致する音声データを前記データベース上で参照可能にする手順を実行させるためのプログラム。
【請求項25】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者用端末を識別するために該訪問者用端末にあらかじめ付与された訪問者用端末識別情報が前記訪問者用端末から送信されてきた場合、該訪問者用端末識別情報とあらかじめ対応付けられて前記データベースに格納されている音声データを該データベース上で参照可能にする手順を実行させるためのプログラム。
【請求項26】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者用端末から前記識別情報とともに当該訪問者用端末の位置情報が送信され、前記応対者用端末から前記音声データとともに当該応対者用端末の位置情報が送信されてきた場合、前記訪問者用端末の位置情報と、該訪問者用端末から送信されてきた前記識別情報により参照可能になった音声データを送信してきた応対者用端末の位置情報とに基づいて、前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在するかどうかを判断する手順と、
前記訪問者用端末が前記応対者用端末から所定の距離範囲に存在すると判断した場合のみ、前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信する手順とを実行させるためのプログラム。
【請求項27】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、あらかじめ設定された時間が経過した際、該音声データの参照を不可能にする手順を実行させるためのプログラム。
【請求項28】
請求項22に記載のプログラムにおいて、
前記訪問者情報を前記応対者用端末へ送信した後、所定の信号が前記訪問者用端末から送信されてきた際、該音声データの参照を不可能にする手順を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−182076(P2010−182076A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−24832(P2009−24832)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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