説明

認証モジュール、電子機器及びインタリーブ信号の復元方法

【課題】復元モジュールを搭載する認証モジュール(被搭載モジュール)やその認証モジュールを実装する電子機器を小型化し、認証モジュール及び電子機器の製造コストを軽減することを可能とする。
【解決手段】共通復元部121は、入力されたインタリーブ信号を構成する各構成データの書き込み及び読み出しが行われるメモリ部121aと、インタリーブ信号が入力された場合、当該入力されたインタリーブ信号の各構成データを、インタリーブ信号の異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の書き込み順のアドレス情報に従ってメモリ部121aに順次書き込む処理を行うとともに、メモリ部121aに書き込まれた各構成データを、異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の読み出し順のアドレス情報に従ってメモリ部121aから順次読み出す処理を行うメモリアクセス制御部121bと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インタリーブされた信号を復元する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線電波(搬送波)に乗せた送信信号に発生する通信誤り(通信エラー)を分散させることが可能なインタリーブ信号を用いたインタリーブ信号送受信システムが知られている。
【0003】
具体的には、この種のインタリーブ信号送受信システムとしては、リモコン装置などのインタリーブ信号送信機側で、コマンドやIDなどから構成される送信信号を所定の信号フォーマットでインタリーブしたインタリーブ信号を無線電波に乗せて送信し、テレビジョン受信機などのインタリーブ信号受信機側で、受信した無線電波から抽出されたインタリーブ信号を復元するようなテレビジョンシステムが知られている。
【0004】
また、上述の信号フォーマットとしては、認証能力は高いが通信エラーにさほど強くないなどの特性を有する信号フォーマットや、認証能力は低いが通信エラーに強いなどの特性を有する信号フォーマットなど、それぞれ異なる利点を有する複数の信号フォーマットが提供されている。
【0005】
このため、従来では、上述のようなテレビジョンシステムにおいて、リモコン装置(インタリーブ信号送信機)側で、通信環境の状態に応じて最適な信号フォーマットを選択するようにし、また、テレビジョン受信機(インタリーブ信号受信機)側で、異なる信号フォーマットでインタリーブされた複数種類のインタリーブ信号を復元できるように、異なる信号フォーマット毎にそれぞれ専用の復元処理を行う復元モジュールを認証モジュールなどの被搭載モジュールに搭載するようなものも知られている。
【0006】
なお、特許文献1には、上述のような通信環境の状態に応じて、送信信号の信号フォーマット(通信モード)を適切に選択する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−43330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来のインタリーブ信号送受信システムにあっては、上述した如く、インタリーブ信号受信機側において、対応する信号フォーマットの種別数に合わせて複数の復元モジュールを搭載する形態を採っているため、復元モジュールを搭載する認証モジュール(被搭載モジュール)や、その認証モジュールを実装する電子機器が大型化してしまうなどの不都合があった。特に、インタリーブ信号受信機側で対応する信号フォーマットの数が増加するに連れて、上記不都合が顕著に現われるものとなっていた。
【0009】
また、上述のように認証モジュール(被搭載モジュール)及び電子機器が大型化することにより、それら認証モジュール及び電子機器の製造コストが増大するなどの不都合もあった。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、復元モジュールを搭載する認証モジュール(被搭載モジュール)やその認証モジュールを実装する電子機器を小型化し、認証モジュール及び電子機器の製造コストを軽減することが可能な認証モジュール、電子機器及びインタリーブ信号の復元方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、認証モジュールが、入力されたインタリーブ信号を構成する各構成データの書き込み及び読み出しが行われるメモリ手段と、前記インタリーブ信号が入力された場合、当該入力されたインタリーブ信号の各構成データを、前記インタリーブ信号の異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の書き込み順のアドレス情報に従って前記メモリ手段に順次書き込む処理を行うとともに、前記メモリ手段に書き込まれた各構成データを、前記異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の読み出し順のアドレス情報に従って前記メモリ手段から順次読み出す処理を行い、前記読み出し処理により読み出した複数の構成データを復元信号として出力する制御を行うメモリアクセス制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、異なる信号フォーマットでインタリーブされた複数種類のインタリーブ信号を同一の復元モジュールで復元できるので、復元モジュールを搭載する認証モジュール(被搭載モジュール)やその認証モジュールを実装する電子機器(テレビジョン受信機など)を小型化することができ、上記認証モジュール(被搭載モジュール)及び上記電子機器(テレビジョン受信機など)の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本実施形態のテレビジョンシステムの構成、及び、リモコン装置とテレビジョン受信機の機能構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、信号フォーマット(A)のインタリーブ信号を説明するための図である。
【図3】図3は、信号フォーマット(B)のインタリーブ信号を説明するための図である。
【図4】図4は、リモコン装置におけるインタリーブ信号の送信時の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、テレビジョン受信機におけるインタリーブ信号の受信時の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、図5のステップS12の復元処理の詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、信号フォーマット(A)のインタリーブ信号を復元する様子を説明するための概念図である。
【図8】図8は、図7の復元方法により復元された復元信号(A)の正しい場合と正しくない場合の一構成例を示す図である。
【図9】図9は、復元信号(A)が正しい場合に、エラー判定部から出力されるIDデータ及びコマンドデータの一構成例を示す図である。
【図10】図10は、信号フォーマット(B)のインタリーブ信号を復元する様子を説明するための概念図である。
【図11】図11は、図10の復元方法により復元された復元信号(B)の正しい場合と正しくない場合の一構成例を示す図である。
【図12】図12は、復元信号(B)が正しい場合に、エラー判定部から出力されるIDデータ及びコマンドデータの一構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0015】
なお、本発明は、入力されたインタリーブ信号を復元して出力する復元モジュールを備えた認証モジュール、その認証モジュールを備えた電子機器、及び、その認証モジュールにおけるインタリーブ信号の復元方法に適用されるものであるが、以下の実施形態では、テレビジョンシステムに本発明を適用した場合について説明する。
【0016】
まず、本発明を適用したテレビジョンシステムの各種構成について説明する。
【0017】
図1は、本実施形態のテレビジョンシステムの構成、及び、リモコン装置とテレビジョン受信機の機能構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、このテレビジョンシステム1は、電波、ケーブル等を介して受信した信号に基づいて画像を再生する機能を有するテレビジョン受信機(インタリーブ信号受信機)10と、そのテレビジョン受信機10の動作を離れたところから操作するためのリモコン装置(インタリーブ信号送信機)20とを主体に構成される。
(リモコン装置の構成)
【0019】
本実施形態のリモコン装置20は、テレビジョン受信機10に送信するID、コマンド、誤り検出符号等から構成される送信信号を、通信環境の状態に応じて複数の信号フォーマットの中から選択した最適な信号フォーマットのインタリーブ信号として送信する機能を有するものであり、図1の例では、操作入力部21、環境検知部22、インタリーブ信号生成部23、無線信号送信部24、電源部25等を備えている。
【0020】
ここで、操作入力部21は、テレビジョン受信機10を待機状態から稼働状態にするための電源をオン又はオフするための電源ボタンや、「1」〜「12」などのチャンネルを選択指定するためのチャンネルボタンや、スピーカから発声される音量を調節するための音量ボタンなどの各種操作ボタンからの操作信号を入力して、後段のインタリーブ信号生成部23に出力するものである。
【0021】
環境検知部22は、一定時間経過毎などの予め定められたタイミングで、リモコン装置20(即ち、テレビジョン受信機10)の周辺の通信環境の状態を検知し、当該検知された通信環境の状態に応じて、複数の信号フォーマット(後述の信号フォーマット(A)や信号フォーマット(B))の中から最適な信号フォーマットを選択するための選択信号(後述の選択信号(A)や選択信号(B))を後段のインタリーブ信号生成部23に出力する。
【0022】
より具体的には、この環境検知部22は、リモコン装置20の周辺に存在する各種機器から送信される外界信号を受信するなどにより、リモコン装置20(テレビジョン受信機10)の周辺にテレビジョン受信機10と同種の他の機器が存在するような環境状態を検知した場合に、他の機器の誤動作を防止することが可能な信号フォーマット(A)を選択するための選択信号(A)をインタリーブ信号生成部23に出力する。
【0023】
また、環境検知部22は、外界信号を受信するなどにより、リモコン装置20(テレビジョン受信機10)の周辺のノイズが強く、通信エラーが発生する可能性が高いような環境状態を検知した場合に、通信エラーに強い信号フォーマット(B)を選択するための選択信号(B)をインタリーブ信号生成部23に出力する。
【0024】
インタリーブ信号生成部23は、操作入力部21及び環境検知部22から入力した信号に基づいて、信号フォーマット(A)又は信号フォーマット(B)のインタリーブ信号を生成する。
【0025】
より具体的には、このインタリーブ信号生成部23では、環境検知部22から所定のタイミングで入力される選択信号(A)又は選択信号(B)を更新保持しており、操作入力部21から操作信号を入力した場合に、そのとき保持している選択信号(A)又は選択信号(B)に対応した信号フォーマット(A)又は信号フォーマット(B)を選択し、該選択した信号フォーマットのインタリーブ信号を生成する。
【0026】
図2は、インタリーブ信号生成部23において生成される信号フォーマット(A)のインタリーブ信号の構成を説明するための図であり、図3は、インタリーブ信号生成部23において生成される信号フォーマット(B)のインタリーブ信号の構成を説明するための図である。
【0027】
より具体的には、図2(a)が、信号フォーマット(A)のインタリーブ信号が生成される前、即ち、並び替え(インタリーブ)される前の送信信号(元信号)を示し、図2(b)が、信号フォーマット(A)のインタリーブ信号、即ち、図2(a)に示した送信信号(元信号)を並び替えた(インタリーブした)信号の一構成例を示している。
【0028】
また、図3(a)が、信号フォーマット(B)のインタリーブ信号が生成される前、即ち、並び替え(インタリーブ)される前の送信信号(元信号)を示し、図3(b)が、信号フォーマット(B)のインタリーブ信号、即ち、図3(a)に示した送信信号(元信号)を並び替えた(インタリーブした)信号の一構成例を示している。
【0029】
図2及び図3に示すように、本実施形態のインタリーブ信号生成部23では、信号フォーマット(A)又は信号フォーマット(B)のインタリーブ信号を生成する際に、まず、図2(a)又は図3(a)に示すようなインタリーブされる前の状態である送信信号(元信号)を生成する。その後、その生成した送信信号(元信号)のID、コマンド、誤り検出符号等の各データを、異なる信号フォーマット((A)、(B))間で共通に設定されている特定のデータ並び替え規則に従って並び替えることにより、図2(b)又は図3(b)に示すようなインタリーブ信号を生成する。
【0030】
具体的には、上記特定のデータ並び替え規則としては、図2(a)又は図3(a)に示すようなインタリーブされる前の送信信号(元信号)を構成するID、コマンド、誤り検出符号等の各データの並び替え後の配置を、異なる信号フォーマット間で共通に設定している。
【0031】
例えば、図2(b)、図3(b)の例では、図2(a)、図3(a)に示すようなインタリーブされる前の送信信号(元信号)の、先頭(1番目)のデータ(ID0)の並び替え後の配置として、先頭(1番目)の配置が割り当てられ、2番目のデータ(ID1)の並び替え後の配置として、9番目の配置が割り当てられ、3番目のデータ(ID2)として、17番目の配置が割り当てられる、などのデータ並び替え規則が設定されている場合を示している。
【0032】
なお、図2(b)に示すような信号フォーマット(A)のインタリーブ信号は、同図2(b)に示すように、IDのデータを長く、即ち、IDの種類を多く設定し、同種のID及びコマンドのデータをそれぞれ一つずつ使用する態様となっており、これにより、認証能力は高いが通信エラーにさほど強くないなどの特性を有するものである。
【0033】
また、図3(b)に示すような信号フォーマット(B)のインタリーブ信号は、同図3(b)に示すように、IDのデータを短く、即ち、IDの種類を少なく設定し、同種のID及びコマンドのデータをそれぞれ複数回使用する態様となっており、これにより、認証能力は低いが通信エラーに強いなどの特性を有するものである。
【0034】
また、本実施形態のインタリーブ信号生成部23では、異なる信号フォーマット(A)、信号フォーマット(B)の種別に関係なく、インタリーブされる前の送信信号(元信号)の共通のデータ構造として、所定数のデータ(IDやコマンドなどのデータ)に対して、誤り検出符号が1つ付加される態様を採っている。
【0035】
図2(a)の送信信号(元信号)の例では、ID0〜ID20の計21種類のIDが所定の番号順に並び、その後に、C0〜C2の計3種類のコマンドが所定の番号順に並んでおり、且つ、3つのID及び3つのコマンド毎にそれぞれ対応付けられた誤り検出符号が該当する3つのID及び3つのコマンドの後ろに1つずつ付加された態様となっている。
【0036】
また、図3(a)の送信信号(元信号)の例では、ID0〜ID2の計3種類のIDが所定の番号順に並び、その後に、C0〜C2の計3種類のコマンドが所定の番号順に並んでおり、且つ、それら3つのID及び3つのコマンド毎にそれぞれ対応付けられた誤り検出符号が1つずつ付加されたものが、計4回繰り返された態様となっている。
【0037】
なお、図2及び図3の例では、3つのID(「ID0、ID1、ID2」など)や3つのコマンド(「C0、C1、C2」など)に対して、誤り検出符号が1つずつ付加される態様を採っているが、これに限定されることなく、2つや4つ以上のID及びコマンドに対して誤り検出符号が1つずつ付加されるような態様としても良い。
【0038】
ここで、「ID」とは、正規のリモコン装置20からの信号であるか否かの認証を行うための識別子を示すデータであり、「コマンド」とは、テレビジョン受信機10の動作命令(制御内容)を示すデータであり、「誤り検出符号」とは、上述のIDやコマンドなどのデータの誤り(エラー)を検出するための符号である。
【0039】
また、インタリーブ信号生成部23は、今回生成したインタリーブ信号の信号フォーマットが、以前に生成したインタリーブ信号の信号フォーマットと異なる場合、即ち、信号フォーマットが変更された場合に、信号フォーマットが変更された旨を通知するものであって、後述のテレビジョン受信機10に備わるレジスタ125のレジスタ設定を変更するための変更信号を無線信号送信部24に出力する。
【0040】
即ち、本実施形態のテレビジョンシステム(インタリーブ信号送受信システム)1では、テレビジョン受信機(インタリーブ受信機)10側に設けられる後述の共通復元部(復元モジュール)121において、異なる信号フォーマットでインタリーブされた複数種類のインタリーブ信号のいずれの信号も後述の共通の復元処理(図5のステップS12の処理)で復元できるようにするために、リモコン装置(インタリーブ送信機)20側で、インタリーブされる前の送信信号(元信号)を、異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定のデータ並び替え規則に従って並び替えしたインタリーブ信号を生成するのが前提となっている。
【0041】
また、図1に戻って、無線信号送信部24は、インタリーブ信号生成部23が生成したインタリーブ信号を、Bluetooth(登録商標)などの無線通信モジュールを用いて無線電波(搬送波)により送信するものである。
【0042】
また、この無線信号送信部24は、インタリーブ信号生成部23から上述の変更信号を入力すると、該入力した変更信号を上述の無線通信モジュールを用いて無線電波により送信するものでもある。
【0043】
電源部25は、乾電池や蓄電池などの電源から各構成要素部(21〜24)の動作に必要な電力を供給する部分である。
(テレビジョン受信機の構成)
【0044】
(テレビジョン受信機の構成)
本実施形態のテレビジョン受信機10は、リモコン装置20から送信された無線電波に乗ったインタリーブ信号を復元する機能を有するものであり、図1の例では、無線信号受信部11、認証モジュール12、コマンド実行部13、制御対象部14等を備えている。
【0045】
ここで、無線信号受信部11は、Bluetoothなどの無線通信モジュール(無線通信手段)を用いて、リモコン装置20の無線信号送信部24から送信された無線電波を受信し、該受信した無線電波からインタリーブ信号を抽出して後段の認証モジュール12に出力するものである。
【0046】
認証モジュール12は、共通復元部(復元モジュール)121、エラー判定部122、ID判定部123、コマンド判定部124、レジスタ125等を備えており、これら各構成要素部121〜125により、入力したインタリーブ信号の復元処理、エラー判定処理、ID判定処理、コマンド判定処理等の認証処理を行うものである。
【0047】
ここで、共通復元部121は、無線信号受信部11から入力したインタリーブ信号(図2(b)、図3(b)参照)を、インタリーブされる前の送信信号(元信号)(図2(a)、図3(a)参照)に復元する処理を行うものである。
【0048】
本実施形態の共通復元部121は、インタリーブ信号を構成する1ビット単位の各構成データ(ID、コマンド、誤り検出符号等)を記憶する1ビット単位のメモリセルを行と列の2次元格子状に配置して構成されたメモリ部121a(図7(a)参照)と、データバス、制御線、アドレスバス等(図7(a)参照)を介してメモリ部121aに対する構成データの書き込み及び読み出しを行うメモリアクセス制御部121bとを主体に構成される。
【0049】
ここで、本実施形態のメモリアクセス制御部121bは、インタリーブ信号が入力された場合、当該入力されたインタリーブ信号の各構成データを、インタリーブ信号の異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の書き込み順のアドレス情報に従ってメモリ部121aに順次書き込む処理を行うとともに、メモリ部121aに書き込まれた各構成データを、異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の読み出し順のアドレス情報に従ってメモリ部121aから順次読み出す処理を行うとともに、そのメモリアクセス制御により読み出した複数の構成データを復元信号(即ち、インタリーブされる前の送信信号(元信号))として出力する処理を実行するものである。
【0050】
ここで、上記特定の書き込み順のアドレス情報とは、入力されたインタリーブ信号を構成する先頭から最後尾までの各構成データを、それぞれどのアドレスのメモリセルに書き込むのかを指定するための第1のアドレス情報のことである。
【0051】
また、上記特定の読み出し順のアドレス情報とは、上記第1のアドレス情報に基づいて各メモリセルに書き込まれた各構成データを、どのアドレスのメモリセルから順次読み出すのかを指定するための第2のアドレス情報のことである。即ち、上記特定の書き込み順のアドレス情報及び特定の読み出し順のアドレス情報は、上述のデータ並び替え規則に対応して設定されるものである。
【0052】
具体的には、本実施形態では、入力されたインタリーブ信号の各構成データをメモリ部121aに書き込む場合、メモリ部121aの縦方向、即ち、列方向に順次書き込むようになっているため(図7(b)、図10(b)等参照)、上記第1のアドレス情報としては、最左列の上端のメモリセルのアドレス(1)から同じ列の下端のメモリセルのアドレス(8)まで、次いで、左から二番目の列の上端のメモリセルのアドレス(9)から同じ二番目の列の下端のメモリセルのアドレス(16)まで、・・・、最右列の上端のメモリセルのアドレス(25)から同じ最右列の下端のメモリセルのアドレス(32)まで(「1→2→3→4→5→6→7→8→9→10→・・・・・→29→30→31→32」)という、書き込み順のアドレスが設定されている(図7(a)のアドレス参照)。
【0053】
また、本実施形態では、メモリ部121aの各メモリセルに書き込まれた各構成データを読み出す場合、横方向、即ち、行方向に順次読み出すようになっているため(図7(d)、図10(d)等参照)、上記第2のアドレス情報としては、最上行の左端のメモリセルのアドレス(1)から同じ行の右端のメモリセルのアドレス(25)まで、次いで、上から二番目の行の左端のメモリセルのアドレス(2)から同じ二番目の行の右端のメモリセルのアドレス(26)まで、・・・、最下行の左端のメモリセルのアドレス(8)から同じ最下行の右端のメモリセルのアドレス(32)まで(「1→9→17→25→2→10→18→26→3→・・・・・→8→16→24→32」)という、読み出し順のアドレスが設定されている(図7(a)のアドレス参照)。
【0054】
なお、本実施形態の共通復元部121は、IC(Integrated Circuit)やLSI(Large Integrated Circuit)などの電子回路を集積した集積回路で実現される。
【0055】
エラー判定部122は、誤り検出符号を用いて、共通復元部121で復元されたデータにエラーが有るか否かを判定し、所定の条件をクリアしている場合に、後段のID判定部123に所定の条件をクリアしたIDデータを出力し、且つ、後段のコマンド判定部124に所定の条件をクリアしたコマンドデータを出力する。
【0056】
より具体的には、このエラー判定部122は、信号フォーマット(A)の信号に対するエラー判定処理を実行する信号フォーマット(A)用のエラー判定部122aと、信号フォーマット(B)の信号に対するエラー判定処理を実行する信号フォーマット(B)用のエラー判定部122bとを備えている。
【0057】
具体的には、信号フォーマット(A)用のエラー判定部122aは、4ビット単位のエラーチェックなどの所定のエラーチェックを行って、複数種類のID及びコマンドのいずれにもエラーがない場合に、入力したIDデータをID判定部123に出力するとともに、ID判定部123から正規のIDデータである旨の通知信号を入力した場合に、入力したコマンドデータをコマンド判定部124に出力する。
【0058】
他方、信号フォーマット(A)用のエラー判定部122aは、上記エラーチェックの結果、複数種類のID及びコマンドの少なくともいずれか一つにエラーが生じていた場合には、IDデータ及びコマンドデータにエラーが有って正常なデータを受信できなかったものとして、エラー処理を実行する。即ち、ID判定部123へのIDデータの出力、及び、コマンド判定部124へのコマンドデータの出力を行わず、それらデータを破棄する。
【0059】
また、信号フォーマット(B)用のエラー判定部122bは、4ビット単位のエラーチェックなどの所定のエラーチェックを行って、それぞれ複数個ある同種のID及びコマンドの両者においてそれぞれ少なくとも一つエラーのない正常なものがあった場合に、その正常なIDデータをID判定部123に出力するとともに、ID判定部123から正規のIDデータである旨の通知信号を入力した場合に、正常なコマンドデータをコマンド判定部124に出力する。
【0060】
他方、信号フォーマット(B)用のエラー判定部122bは、上記エラーチェックの結果、それぞれ複数個ある同種のID及びコマンドの両者においてそれぞれ少なくとも一つもエラーのない正常なものがなかった場合には、IDデータ及びコマンドデータにエラーが有って正常なデータを受信できなかったものとして、エラー処理を実行する。即ち、ID判定部123へのIDデータの出力、及び、コマンド判定部124へのコマンドデータの出力を行わず、それらデータを破棄する。
【0061】
ID判定部123は、エラー判定部122から入力したIDデータが登録されている正規のIDデータと一致した場合に、前段のエラー判定部122に上述の通信信号を出力する。
【0062】
コマンド判定部124は、エラー判定部122から入力したコマンドデータが登録されている正規のコマンドデータと一致した場合に、そのコマンドデータを後段のコマンド実行部13に出力する。
【0063】
レジスタ125は、無線信号受信部11を介して、上述のリモコン装置20の無線信号送信部24から送信された変更信号を入力した場合、レジスタ設定を変更する。
【0064】
具体的には、エラー判定部122に対して、今回処理するインタリーブ信号の信号フォーマット((A)又は(B))に対応した信号フォーマット(A)用のエラー判定部122a又は信号フォーマット(B)用のエラー判定部122bを選択する信号を出力するとともに、ID判定部123に対して、今回処理するインタリーブ信号の信号フォーマット((A)又は(B))に対応した信号フォーマット(A)用のID判定部123a又は信号フォーマット(B)用のID判定部123bを選択する信号を出力する。
【0065】
コマンド実行部13は、入力したコマンドを実行する。より具体的には、入力したコマンドが、電源ONを指示するコマンドであれば、電源部143に対してテレビジョン受信機10の各構成部分への電力の供給を行わせる。また、入力したコマンドが、音量調節を指示するコマンドであれば、音声出力部142に対して音量調節を指示する。
【0066】
制御対象部14は、コマンド実行部13で実行されるコマンドにより制御される被制御部のことであり、例えば、LEDディスプレイなどを用いてテレビ画像を表示する表示部141や、スピーカなどでテレビ音声を再生出力する音声出力部142や、商業用電源から、各構成要素部(11〜13、141、142等)に必要な電力を供給する電源部143などを備えている。
【0067】
次に、上記説明したテレビジョンシステム1におけるインタリーブ信号の送受信時の処理動作について説明する。
【0068】
図4は、リモコン装置20におけるインタリーブ信号送信時の処理手順を示すフローチャートである。
【0069】
図4に示すように、リモコン装置20では、ステップS1の操作待受けにおいて、操作入力部21が、ユーザによる電源ボタン、チャンネルボタン、音量ボタン等の各種操作ボタンの押下入力を検知すると、当該検知した押下入力に対応した操作信号をインタリーブ信号生成部23に出力する。
【0070】
続いて、ステップS2において、インタリーブ信号生成部23が、環境検知部22から一定時間毎に入力される選択信号(A)又は選択信号(B)に基づいて、信号フォーマット(A)又は信号フォーマット(B)のいずれか一方を選択し、該選択した信号フォーマットの形式でインタリーブされたインタリーブ信号(図2(b)、図3(b)等参照)を生成して無線信号送信部24に出力する。
【0071】
なお、上記ステップS2において、インタリーブ信号生成部23は、今回生成したインタリーブ信号の信号フォーマットが、以前に生成したインタリーブ信号の信号フォーマットと異なる場合、即ち、信号フォーマットが変更された場合には、無線信号送信部24に対して上述した変更信号(信号フォーマットが変更された旨を通知する信号)を出力する。
【0072】
続いて、ステップS3において、上記インタリーブ信号を入力した無線信号送信部24が、当該入力したインタリーブ信号を無線通信モジュール(無線通信手段)を用いて無線電波を用いて送信する。
【0073】
また、上記ステップS3において、無線信号送信部24は、インタリーブ信号生成部23から上述の変更信号を入力した場合には、上述した変更信号(レジスタ125のレジスタ設定を変更する信号)を無線電波により送信する。
【0074】
図5は、テレビジョン受信機10におけるインタリーブ信号受信時の処理手順を示すフローチャートである。
【0075】
図5に示すように、テレビジョン受信機10では、ステップS11の信号受信待受けにおいて、無線信号受信部11が、リモコン装置(インタリーブ信号送信機)20から送信された無線電波を受信すると、当該受信した無線電波に乗せられたインタリーブ信号(図2(b)、図3(b)等参照)を抽出し、認証モジュール12の共通復元部121に出力する。
【0076】
続いて、ステップS12において、共通復元部121が、異なる信号フォーマット間で共通の復元処理を実行する。
【0077】
図6は、上記ステップS12の復元処理の詳細を示すフローチャートである。
【0078】
図6に示すように、この復元処理では、まず、ステップS121において、入力されたインタリーブ信号を構成するID、コマンド、誤り検出符号等の各構成データを、異なる信号フォーマット((A)、(B))間で共通に設定されている特定の書き込み順のアドレス情報(上述の第1のアドレス情報)に従ってメモリ部121aに順次書き込む処理を行う。
【0079】
続いて、ステップS122において、上記ステップS121の処理でメモリ部121aに書き込まれた各構成データを、異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の読み出し順のアドレス情報(上述の第2のアドレス情報)に従ってメモリ部121aから順次読み出す処理を行う。
【0080】
その後、図5に戻って、ステップS13において、エラー判定部122が、レジスタ125のレジスタ設定に基づいて信号フォーマット別のエラー判定処理を行う。また、このエラー判定処理の結果、正常な信号データ(ID及びコマンド)を受信できていた場合に、正常な信号データをID判定部123に出力する。
【0081】
続いて、ステップS14において、ID判定部123が、レジスタ125のレジスタ設定に基づいて信号フォーマット別のID判定処理を行う。即ち、ID判定部123が、入力したIDデータが予め登録されているIDと一致するか否かを判定し、一致した場合に、エラー判定部122に対して正規のIDであることを示すOK信号を出力する。すると、エラー判定部122が、コマンド判定部124にコマンドデータを出力する。
【0082】
続いて、ステップS15において、コマンド判定部124が、入力したコマンドデータが予め登録されているコマンドと一致するか否かを判定し、一致した場合に、コマンド実行部13にコマンドデータを出力する。
【0083】
続いて、ステップS16において、コマンド実行部13が、入力したコマンドを実行する。
【0084】
なお、上記ステップS13の処理において、正常なIDデータ及びコマンドデータを受信できなかった場合には、処理をステップS17に移行して、エラー処理を実行する。具体的には、このときのエラー処理としては、エラー判定部122が、後段のID判定部123及びコマンド判定部124にそれぞれ入力したIDデータ及びコマンドデータを出力せずに、それらデータを破棄する処理を実行する。
【0085】
また、上記ステップS14の処理において、入力したIDデータが予め登録されているIDデータと一致しなかった場合には、処理をステップS17に移行して、エラー処理を実行する。具体的には、このときのエラー処理としては、ID判定部123がエラー判定部122に対してIDデータが正規のIDでないことを示すNG信号を出力する。そして、そのNG信号を入力したエラー判定部122が、コマンド判定部124に入力したコマンドデータを出力せずに、それらデータを破棄する処理を実行する。
【0086】
更に、上記ステップS15の処理において、入力したコマンドデータが予め登録されているコマンドデータと一致しなかった場合には、処理をステップS17に移行して、エラー処理を実行する。具体的には、このときのエラー処理としては、コマンド判定部124が入力したコマンドデータの破棄処理を実行する。
【0087】
次に、上記図5の認証処理(ステップS12〜ステップS15)の具体的な処理として、図2(b)に示す信号フォーマット(A)のインタリーブ信号の認証処理を行う場合と、図3(b)に示す信号フォーマット(B)のインタリーブ信号の認証処理を行う場合について、図2及び図3に加えて、図7〜図12を用いて以下に説明する。
【0088】
まず、図2(b)に示す信号フォーマット(A)のインタリーブ信号の認証処理について説明する。
【0089】
ステップS12の処理において、共通復元部121が、無線信号受信部11から図2(b)に示すような信号フォーマット(A)のインタリーブ信号を入力すると、まず、図7(a)に示すような空状態のメモリ部121aに対して、図7(b)に示すように、縦方向(点線矢印の方向)に入力したインタリーブ信号の先頭の構成データ(ID0)(図2(b)参照)から順番に各構成データを書き込む処理を行う。
【0090】
そして、図7(c)に示すように、全ての構成データの書き込みが完了すると、共通復元部121は、続いて、図7(d)に示すように、横方向(点線矢印の方向)でメモリ部121aに書き込まれた各構成データを順番に読み出す。図7(e)に示すように、全ての構成データの読み出しが完了すると、図2(a)に示すような復元信号(A)、即ち、インタリーブ前の送信信号(元信号)が得られる。
【0091】
そして、共通復元部121は、復元信号(A)をエラー判定部122に出力する。
【0092】
その後、ステップS13の処理において、信号フォーマット(A)用のエラー判定部122aが、誤り検出符号を用いて入力した復元信号(A)のエラーチェックを行う。
【0093】
具体的には、このエラーチェックにおいて、図8(a)に示すように、ID及びコマンドの各データの一つでもエラー(NG)が検出された場合には、信号フォーマット(A)用のエラー判定部122aは、IDデータ、又は、コマンドデータが正常でない、即ち、正常な復元信号を得られなかったものとして、ステップS17において、エラー処理を実行する。
【0094】
他方、上記エラーチェックにおいて、図8(b)に示すように、ID及びコマンドの各データのいずれにもエラー(NG)がなかった場合、即ち、全て正常(OK)であった場合にのみ、信号フォーマット(A)用のエラー判定部122aは、図9(a)に示すような復元信号(A)から抽出したIDのみからなるIDデータを、ID判定部123に出力する。
【0095】
その後、ステップS14の処理において、信号フォーマット(A)用のID判定部123aが、入力したIDデータ(図9(a))が予め登録されている正規のIDと一致するか否かを確認する。
【0096】
ここで、登録されている正規のIDと一致したと判定された場合、信号フォーマット(A)用のID判定部123aが信号フォーマット(A)用のエラー判定部122aにOK信号を出力する。これにより、OK信号を入力した信号フォーマット(A)用のエラー判定部122aが、図9(b)に示すような復元信号(A)から抽出したコマンドのみからなるコマンドデータを、コマンド判定部124に出力する。
【0097】
続いて、ステップS15の処理において、コマンド判定部124が、入力したコマンドデータ(図9(b))が予め登録されている正規のコマンドと一致するか否かを確認する。ここで、登録されている正規のコマンドと一致したと判定された場合、コマンド判定部124は、コマンド実行部13にコマンドデータを出力する。これにより、続く、ステップS16の処理において、コマンド実行部13が、入力したコマンドを実行する。
【0098】
次に、図3(b)に示す信号フォーマット(B)のインタリーブ信号の認証処理について説明する。
【0099】
ステップS12の処理において、共通復元部121が、無線信号受信部11から図3(b)に示すような信号フォーマット(B)のインタリーブ信号を入力すると、まず、図10(a)に示すような空状態のメモリ部121aに対して、図10(b)に示すように、縦方向(点線矢印の方向)に入力したインタリーブ信号の先頭の構成データ(ID0)(図2(b)参照)から順番に各構成データの書き込み処理を行う。
【0100】
そして、図10(c)に示すように、全てのデータの書き込みが完了すると、共通復元部121は、続いて、図10(d)に示すように、横方向(点線矢印の方向)でメモリ部121aに書き込まれた各構成データを順番に読み出す。図10(e)に示すように、全てのデータの読み出しが完了すると、図3(a)に示すような復元信号(B)が得られる。
【0101】
そして、共通復元部121は、復元信号(B)をエラー判定部122に出力する。
【0102】
その後、ステップS13の処理において、信号フォーマット(B)用のエラー判定部122bが、誤り検出符号を用いて入力した復元信号(B)のエラーチェックを行う。
【0103】
具体的には、このエラーチェックにおいて、図11(a)に示すように、複数繰り返されるまとまったID(ID0〜ID2)及びまとまったコマンド(C0〜C2)の両者において、それぞれ一つも正常(OK)なのものが検出されなかった場合には、信号フォーマット(B)用のエラー判定部122bは、IDデータ及びコマンドデータが正常でない、即ち、正常な復元信号を得られなかったものとして、ステップS17において、エラー処理を実行する。
【0104】
他方、上記エラーチェックにおいて、図11(b)に示すように、複数繰り返されるまとまったID(ID0〜ID2)及びまとまったコマンド(C0〜C2)の両者において、それぞれ少なくとも一つ正常(OK)なものが検出された場合には、信号フォーマット(B)用のエラー判定部122bは、図12(a)に示すような復元信号(B)から抽出したIDのみからなるIDデータを、ID判定部123に出力する。
【0105】
その後、ステップS14の処理において、信号フォーマット(B)用のID判定部123bが、入力したIDデータ(図12(a))が予め登録されている正規のIDと一致するか否かを確認する。
【0106】
ここで、登録されている正規のIDと一致したと判定された場合、信号フォーマット(B)用のID判定部123bが信号フォーマット(B)用のエラー判定部122bにOK信号を出力する。これにより、OK信号を入力した信号フォーマット(B)用のエラー判定部122bが、図12(b)に示すような復元信号(B)から抽出したコマンドのみからなるコマンドデータを、コマンド判定部124に出力する。
【0107】
続いて、ステップS15の処理において、コマンド判定部124が、入力したコマンドデータ(図12(b))が予め登録されている正規のコマンドと一致するか否かを確認する。ここで、登録されている正規のコマンドと一致したと判定された場合、コマンド判定部124は、コマンド実行部13にコマンドデータを出力する。これにより、続く、ステップS16の処理において、コマンド実行部13が、入力したコマンドを実行する。
【0108】
即ち、上記説明してきた実施形態によれば、異なる信号フォーマットでインタリーブされた複数種類のインタリーブ信号を同一の復元モジュールで復元できるので、復元モジュールを搭載する認証モジュール(被搭載モジュール)やその認証モジュールを実装する電子機器(テレビジョン受信機など)を小型化することができ、上記認証モジュール(被搭載モジュール)及び上記電子機器(テレビジョン受信機など)の製造コストを低減することができる。
【0109】
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前記した実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載により表される技術的思想の範囲内において種々の変更、改変を行うことが可能である。
【0110】
例えば、上記した実施形態では、共通復元部121のメモリアクセス制御部121bが、入力されたインタリーブ信号の各構成データをメモリ部121aの縦方向(列方向)に順次書き込み、メモリ部121aの各メモリセルに書き込まれた各構成データを横方向(行方向)で順次読み出すような形態について説明したが、これ以外にも、入力されたインタリーブ信号の各構成データをメモリ部121aの横方向(行方向)に順次書き込み、メモリ部121aの各メモリセルに書き込まれた各構成データを縦方向(列方向)で順次読み出すような形態としても良い。
【0111】
また、共通復元部121において、入力されたインタリーブ信号の先頭の構成データから最後尾の構成データまでそれぞれ予め指定されたメモリセルのアドレスに従って書き込みを行い、書き込まれた各構成データを予め指定されたメモリセルのアドレスから読み出すように構成すれば良いので、上記したような縦方向(列方向)又は横方向(行方向)のように連続したメモリセルに対して順次書き込み/読み出しをするためのアドレス指定以外のアドレス指定方法であっても良い。
【0112】
また、上記した実施形態では、環境検知部22が、テレビジョン受信機10の周辺に同種の機器が存在するような環境であることを検知した場合に、信号フォーマット(A)を選択するための選択信号(A)を後段のインタリーブ信号生成部23に出力し、テレビジョン受信機10の周辺のノイズが強く、通信エラーが発生する可能性が高いことを検知した場合に、信号フォーマット(B)を選択するための選択信号(B)を後段のインタリーブ信号生成部23に出力する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、テレビジョン受信機10の周辺のノイズが強く、通信エラーが発生する可能性が高いことを検知した場合に、信号フォーマット(B)を選択するための選択信号(B)を後段の信号生成部23に出力し、上記通信エラーが発生する可能性が高いことが検知されない場合(通常状態)には、信号フォーマット(A)を選択するための選択信号(A)を後段のインタリーブ信号生成部23に出力するような形態としても良い。
【0113】
また、上記した実施形態では、無線信号送信部24は、インタリーブ信号生成部23が生成した信号を、Bluetoothなどの所定の無線通信手段により送信する場合について説明したが、これ以外にも、例えば、無線LANや赤外線などのその他の無線通信手段を用いることも可能である。
【0114】
また、上記した実施形態では、エラー判定部122からID判定部123にIDデータのみが出力され、また、コマンド判定部124にコマンドデータのみが出力される形態について説明したが、これ以外にも、例えば、エラー判定部122からIDデータ及びコマンドデータが後段のID判定部123に出力され、ID判定部123において正規のIDである認証がとれた場合に、ID判定部123からコマンド判定部124にコマンドデータが出力されるような形態としても良い。
【0115】
また、上記した実施形態では、2種類の信号フォーマット(A)及び信号フォーマット(B)のインタリーブ信号を共通に復元可能な共通復元部121について説明したが、これ以外にも、例えば、3種類以上の信号フォーマットに対応可能な共通復元部121とすることも可能である。
【0116】
また、上記した実施形態では、インタリーブ信号送受信システムとしてテレビジョンシステム1である場合であり、インタリーブ信号送信機としてリモコン装置に適用し、インタリーブ信号受信機としてテレビジョン受信機に適用する場合について説明したが、これ以外にも、例えば、インタリーブ信号送信機としては、携帯電話機、パーソナルコンピュータ(PC)等の他の装置であっても良く、また、インタリーブ信号受信機としては、録画装置、DVDプレーヤ等の他の装置であっても良い。
【0117】
その他、上記した実施形態における装置構成、機能構成、及び、インタリーブ信号のデータ構成などは単なる例として記載したものであり、本発明はこれらにより限定されない。
【符号の説明】
【0118】
1 テレビジョンシステム(インタリーブ信号送受信システム)
10 テレビジョン受信機(インタリーブ信号受信機)
11 無線信号受信部
12 認証モジュール
121 共通復元部(復元モジュール)
121a メモリ部(メモリ手段)
121b メモリアクセス制御部(メモリアクセス制御手段)
122 エラー判定部(エラー判定手段)
122a 信号フォーマット(A)用のエラー判定部
122b 信号フォーマット(B)用のエラー判定部
123 ID判定部(ID判定手段)
123a 信号フォーマット(A)用のID判定部
123b 信号フォーマット(B)用のID判定部
124 コマンド判定部(コマンド判定手段)
125 レジスタ
13 コマンド実行部
14 制御対象部
141 表示部
142 音声出力部
143 電源部
20 リモコン装置(インタリーブ信号送信機)
21 操作入力部
22 環境検知部
23 インタリーブ信号生成部
24 無線信号送信部
25 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたインタリーブ信号を構成する各構成データの書き込み及び読み出しが行われるメモリ手段と、
前記インタリーブ信号が入力された場合、当該入力されたインタリーブ信号の各構成データを、前記インタリーブ信号の異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の書き込み順のアドレス情報に従って前記メモリ手段に順次書き込む処理を行うとともに、前記メモリ手段に書き込まれた各構成データを、前記異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の読み出し順のアドレス情報に従って前記メモリ手段から順次読み出す処理を行い、前記読み出し処理により読み出した複数の構成データを復元信号として出力する制御を行うメモリアクセス制御手段と、
を備えたことを特徴とする認証モジュール。
【請求項2】
前記メモリ手段は、1ビット単位の前記各構成データを記憶する1ビット単位のメモリセルを行と列の2次元格子状に配置して構成されており、
前記メモリアクセス制御手段は、
前記入力されたインタリーブ信号の各構成データを、所定数の構成データ毎に、前記行又は列のいずれか一方向の所定数のメモリセル単位で順次書き込む処理を繰り返し行い、
全ての構成データの書き込みが終了した後、前記メモリセルに書き込まれた各構成データを、前記一方向とは異なる他方向の所定数のメモリセル単位で順次読み出す処理を繰り返し行うことを特徴とする請求項1に記載の認証モジュール。
【請求項3】
前記複数種類のインタリーブ信号は、インタリーブされる前の信号を、異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定のデータ並び替え規則に従って並び替えされた信号であることを特徴とする請求項1又は2に記載の認証モジュール。
【請求項4】
復元モジュールから出力された復元信号を入力した場合、所定のレジスタ手段の設定に基づき、当該入力した復元信号に対して前記信号フォーマット別のエラー判定処理を実行するエラー判定手段と、
前記エラー判定手段の判定により、正しいデータが得られたと判定された場合、前記レジスタ手段の設定に基づき、前記復元信号に含まれるIDデータに対して前記信号フォーマット別のID判定処理を実行するID判定手段と、
前記ID判定手段の判定により、正規のIDであると判定された場合、前記復元信号に含まれるコマンドデータに対してコマンド判定処理を実行するコマンド判定手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の認証モジュール。
【請求項5】
入力されたインタリーブ信号を構成する各構成データの書き込み及び読み出しが行われるメモリ手段と、
前記インタリーブ信号が入力された場合、当該入力されたインタリーブ信号の各構成データを、前記インタリーブ信号の異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の書き込み順のアドレス情報に従って前記メモリ手段に順次書き込む処理を行うとともに、前記メモリ手段に書き込まれた各構成データを、前記異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の読み出し順のアドレス情報に従って前記メモリ手段から順次読み出す処理を行い、前記読み出し処理により読み出した複数の構成データを復元信号として出力する制御を行うメモリアクセス制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
入力されたインタリーブ信号を復元する処理を行う認証モジュールで実行されるインタリーブ復元方法であって、
前記インタリーブ信号を入力する入力工程と、
前記入力工程により入力されたインタリーブ信号の各構成データを、前記インタリーブ信号の異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の書き込み順のアドレス情報に従って前記メモリ手段に順次書き込む処理を行うとともに、前記メモリ手段に書き込まれた各構成データを、前記異なる信号フォーマット間で共通に設定されている特定の読み出し順のアドレス情報に従って前記メモリ手段から順次読み出す処理を行うメモリアクセス制御工程と、
前記メモリアクセス制御工程により順次読み出された複数の構成データを復元信号として出力する復元信号出力工程と、
を含むことを特徴とするインタリーブ信号の復元方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−135235(P2011−135235A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291487(P2009−291487)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】