説明

認証対象装置及び無線認証システム

【課題】本発明は、認証対象装置と携帯無線装置との間で行われる無線認証において送受信される信号の秘匿性を高める認証対象装置及び無線認証システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の無線認証システムは、認証対象装置と携帯無線装置との間で所定の時間間隔Aで無線信号の送受信を行うことにより認証を行うものであって、前記認証対象装置は前記時間間隔AのB倍(ただし、Bは自然数)の時間間隔毎に異なるチャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信できるように乱数を生成し、前記認証対象装置は、前記チャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号を分割して得られる分割チャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信する、ものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線認証を行うべき認証対象装置の間で無線通信を行う認証対象装置、及び携帯無線装置と認証対象装置とを含んで構成される無線認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ワイヤレスキー(携帯無線装置)から受信する電波の受信強度が所定値以上であり、かつその無線通信を利用して送受信する信号を基にワイヤレスキーとの認証に成功したと判定した場合にロックを解除し、ワイヤレスキーから受信する電波の受信強度が所定値未満である場合やワイヤレスキーとの上記認証に失敗したと判定した場合にロックする、無線認証機能を備えた認証対象装置が提案されている(例えば、特許文献1)。実用化されている認証対象装置の一例としては、ワイヤレスキーと無線認証を行ってドア鍵の施錠または解錠を行う自動車、または、ワイヤレスキーと無線認証を行って操作キーによる受付を拒否または許可する携帯電話、等が挙げられる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−143806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今後、様々な電子機器に上記無線認証機能が搭載されることが想定されるが、認証対象装置と携帯無線装置との間で無線認証を行う上で、信号の送受信における秘匿性の高さが求められている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、認証対象装置と携帯無線装置との間で行われる無線認証において送受信される信号の秘匿性を高める認証対象装置及び無線認証システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の無線認証システムは、認証対象装置が記時間間隔AのB倍(ただし、Bは自然数)の時間間隔毎に異なるチャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信できるように乱数を生成し、前記認証対象装置が、前記チャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号を分割して得られる分割チャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信する、ものである。
【0007】
また、本発明の認証対象装置は、時間間隔AのB倍(ただし、Bは自然数)の時間間隔毎に異なるチャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信できるように乱数を生成し、前記時間間隔AのB倍の時に前記チャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号を分割して得られる分割チャレンジ信号を前記時間間隔Aで前記携帯無線装置へ送信する、ものである。
【0008】
また、本発明の無線認証システムにおける携帯無線装置は、時間間隔AのB倍毎に認証対象装置から受信するチャレンジ信号を暗号化して生成されるレスポンス信号を分割して得られる分割レスポンス信号を、認証対象装置へ送信する、ものである。
【0009】
また、本発明の無線認証システムにおける認証対象装置は、時間間隔AのB倍の時にチャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号をB等分に分割して得られる分割チャレンジ信号を生成し、前記チャレンジ信号の最後部を含む分割チャレンジ信号から順番に前記携帯無線装置へ送信する、ものである。
【0010】
また、本発明の無線認証システムにおける認証対象装置は、時間間隔AのB倍の時にチャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号をB等分に分割して得られる分割チャレンジ信号を生成し、前記チャレンジ信号の最前部を含む分割チャレンジ信号から順番に前記携帯無線装置へ送信する、ものである。
【0011】
また、本発明の無線認証システムにおける認証対象装置は、時間間隔AのB倍の時にチャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号をB等分に分割して得られる分割チャレンジ信号を生成し、予め決定した順番に基づいて前記分割チャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信する、ものである。
【0012】
また、本発明の無線認証システムにおける認証対象装置は、時間間隔AのB倍の時にチャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号をB等分に分割して得られる分割チャレンジ信号を生成し、前記チャレンジ信号に含まれる送信順序情報に基づいて前記分割チャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信する、ものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の認証対象装置及び無線認証システムによれば、認証対象装置と携帯無線装置との間で行われる無線認証において送受信される信号の秘匿性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置について説明する。まず、携帯無線装置1(例えば、ワイヤレスキー)と認証対象装置21とを含んで構成される無線認証システムによる処理の概念について説明する。図1に、無線認証システムによるロック及びロック解除の処理の概念図を示す。図1では、無線認証システムの利用者が携帯無線装置1を所持しており、利用者の移動と共に携帯無線装置もまた移動するものとする。
【0015】
携帯無線装置1及び認証対象装置21は、大きく分けて2つの処理を実行する。一つは、無線認証プロトコルに則った信号の送受信により相手装置を認証する処理であり、もう一つは、相手装置から受信した電波の受信強度を計測する処理である。図1に示す認証対象装置21(図1では、携帯電話)を中心とする円は、その内部に位置する携帯無線装置1から電波を受信したときにはその受信強度が所定値以上になり、他方、外部に位置する携帯無線装置1から電波を受信したときにはその受信強度が所定値未満となる、境界を示している。認証対象装置21は、携帯無線装置1との認証に失敗した場合、または、携帯無線装置1から受信した電波の受信強度が所定値未満である場合(図1(a)に示す携帯無線装置1が円の外部に位置する場合)、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対して制限を施す。一方、認証対象装置21は、携帯無線装置1との認証に成功し、かつ、携帯無線装置1から受信した電波の受信強度が所定値以上である場合(図1(b)に示す携帯無線装置1が円の内部に位置する場合)、認証対象装置21に備わる機能に施されている制限を解除する。なお、図1(a)と(b)とで受信強度の所定値を異ならせて、機能制限する範囲よりも、その制限を解除する範囲を狭くするようにしてもよい。
【0016】
上記の携帯無線装置及び認証対象装置を含んで構成される無線認証システムによって、認証対象装置は、当該認証対象装置と対に設定されている携帯無線装置が所定の範囲内に存在しない場合には、制限がかけられた状態になるため、第3者による認証対象装置の利用を制限(禁止)することができる。また、携帯無線装置が、当該携帯無線装置と対に設定されている認証対象装置が所定の範囲内から範囲外に移動したときなどに警報音を出力することによって、認証対象装置の置き忘れや認証対象装置の盗難を防止することができる。以降、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置による処理について詳細に説明する。
【0017】
[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]
まず、いずれの認証対象装置とも無線認証を行っていない携帯無線装置1が一台の認証対象装置21と無線認証を開始し、無線認証を継続する一連の処理について、説明する。図2に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置によるサーチモード時のシーケンスを示す。携帯無線装置1は、当該携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置のうち、一台でも無線認証を行っていない認証対象装置がある場合、無線認証を行っていない認証対象装置から送信されてくる信号を受信すべく、ある周期Tでサーチチャネルのキャリアセンスを繰り返す(携帯無線装置1は、図2における「○」で示す時点で、サーチチャネルのキャリアセンスを実施している。)。一方、認証対象装置21は、少なくとも携帯無線装置1のキャリアセンス周期T以上の期間、サーチ要求信号を送信する(図2におけるサーチ要求信号を表す太矢印の幅が、キャリアセンス周期T以上の期間に対応)。携帯無線装置1と同期がとれていない認証対象装置21は、携帯無線装置1のキャリアセンスT以上の期間、サーチ要求信号を送信することによって、携帯無線装置1にサーチ要求信号を受信させることができるようにしている。認証対象装置21は、そのサーチ要求信号を受信した携帯無線装置1から送信されるサーチ信号を受信するまで、サーチ要求信号を定期的に送信し続ける。
【0018】
携帯無線装置1は、認証対象装置21からのサーチ要求信号を受信することがなければ、サーチチャネルのキャリアセンスを繰り返す。一方、携帯無線装置1は、キャリアセンス実行時に、無線通信圏内にいる認証対象装置21からサーチ要求信号を受信すると、認証対象装置21にサーチ信号を送信する。そして、認証対象装置21は、サーチ信号を受信し、サーチ応答を携帯無線装置1に送信する。サーチ応答を受信した携帯無線装置1は、自機(携帯無線装置1)を識別する識別符号を含むキーID信号を認証対象装置21に送信する。そのキーID信号を受信した認証対象装置21は、そのキーID信号に含まれる識別符号と、自機(認証対象装置21)がデータとして予め記憶している識別符号(この識別符号は、無線認証を行う上で認証対象装置と対になる携帯無線装置の識別符号である。)と、が一致するか否かを判定し、一致していれば自機(認証対象装置21)を識別する識別符号を含む端末ID信号を携帯無線装置1に送信する。
【0019】
端末ID信号を受信した携帯無線装置1は、以後、認証対象装置21との間でチャレンジアンドレスポンス方式を用いた信号の送受信を行う。すなわち、端末ID信号を受信した携帯無線装置1は、チャレンジリクエスト信号を認証対象装置21に送信する。チャレンジリクエスト信号を受信した認証対象装置21は、8byteの乱数を発生させて生成したチャレンジ信号を携帯無線装置1に送信するとともに、そのチャレンジ信号を携帯無線装置1と共通の暗号化処理によって暗号化した暗号化信号を記憶する。チャレンジ信号を受信した携帯無線装置1は、このチャレンジ信号に対して認証対象装置21と共通の暗号化処理を行って生成したレスポンス信号を認証対象装置21に送信する。レスポンス信号を受信した認証対象装置21は、そのレスポンス信号と、チャレンジ信号を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号と、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定し、認証に成功した旨を知らせるACK信号を携帯無線装置1に送信する。
【0020】
キーID信号以後の信号を所定の時間、相手側装置から受信できなければ、認証対象装置21はサーチ要求信号の送信を再度開始し、一方携帯無線装置1は認証対象装置21から送信されてくるサーチ要求信号のキャリアセンスを再度開始する。上述したシーケンスのうち、認証対象装置21がサーチ要求信号の送信を開始してから携帯無線装置1がACK信号を受信するまでの期間をサーチモードと称する(なお、認証対象装置21がサーチ要求信号の送信を開始してから携帯無線装置1が端末ID信号を受信するまでの期間をサーチモード、携帯無線装置1がチャレンジリクエスト信号を送信してから携帯無線装置1がACK信号を受信するまでの期間を初期認証モード、とそれぞれ称されることがある。)。また、ACK信号を送信または受信した以降、認証対象装置21及び携帯無線装置1は、後述する認証モードに遷移することになる。
【0021】
ところで、認証対象装置21は、上述のシーケンスで示した各種信号の送受信を行うと共に、携帯無線装置1から受信した各種信号のうち、一部の信号(または全ての信号)の受信強度を計測する、または、認証対象装置21から受信した信号の受信強度を計測する携帯無線装置1からその受信強度を通知されている。レスポンス信号を受信した認証対象装置21は、携帯無線装置1との認証に成功したと判定した場合、そのレスポンス信号を受信するまでに計測したまたは通知された信号の受信強度が所定値未満であれば、ACK信号を携帯無線装置1に送信して認証モードに遷移するものの、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対する制限を継続する。一方、認証対象装置21は、そのレスポンス信号を受信するまでに計測したまたは通知された信号の受信強度が所定値以上であれば、ACK信号を携帯無線装置1に送信して認証モードに遷移し、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対する制限を解除する。
【0022】
続いて、認証対象装置21がサーチモードにおいてレスポンス信号を送信した以後のシーケンスについて、説明する。図3に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置による認証モード時のシーケンスを示す。携帯無線装置1及び認証対象装置21は、相手装置との同期をとるために、携帯無線装置1が、レスポンス信号を認証対象装置21に送信した時点を起点として計時を開始し、一方、認証対象装置21が、レスポンス信号を携帯無線装置1から受信した時点を起点として計時を開始するものとする。なお、認証対象装置21は、携帯無線装置1から受信する各種信号のフレーム同期に合わせて、計時時刻を補正するものとする。
【0023】
携帯無線装置1は、計時を開始してから2Tの周期で、認証対象装置21から送信される信号のキャリアセンスを繰り返す(携帯無線装置1は、図3における「○」で示す時点で、認証チャネルのキャリアセンスを実施している。)。認証モードに遷移した認証対象装置21は、以後、携帯無線装置1がキャリアセンスするタイミングに合わせて、任意の要求信号を携帯無線装置1に送信する。また、携帯無線装置1は、計時を開始してからTの周期で、サーチチャネルのキャリアセンスを実施する場合がある。携帯無線装置1によるサーチチャネルのキャリアセンスは、携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置が複数台携帯無線装置1に登録されており、一台でも無線認証を行っていない認証対象装置がある場合、無線認証を行っていない認証対象装置から送信されてくる信号を受信するために、実施される。なお、認証チャネルのキャリアセンスを実施するタイミングとサーチチャネルのキャリアセンスを実施するタイミングとが重複する場合があるが、このような場合、携帯無線装置1は、認証チャネルのキャリアセンスを先に行い、認証対象装置からの電波を検出できない場合にサーチチャネルのキャリアセンスを行う、という処理で対応する。
【0024】
認証対象装置21は、レスポンス信号を受信してから時間2Tが経過したとき、その時点までに8byteの乱数を発生させて生成しておいたチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信するとともに、その8byteのチャレンジ信号と、そのチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1と共通の暗号化処理によって暗号化した8byteの暗号化信号と、を記憶する。チャレンジ信号(Full)を受信した携帯無線装置1は、このチャレンジ信号(Full)と、このチャレンジ信号(Full)に対して認証対象装置21と共通の暗号化処理を行って生成した8byteのレスポンス信号と、を記憶するとともに、そのレスポンス信号のうちの、先頭から1byte(レスポンス信号1/8)を認証対象装置21に送信する。レスポンス信号(1/8)を受信した認証対象装置21は、そのレスポンス信号(1/8)と、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号のうちの先頭から1byteと、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定する。
【0025】
さらに、認証対象装置21は、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信してから16Tが経過したときに、記憶しておいた8byteのチャレンジ信号のうちの、1byte目の終わりからの1byte(チャレンジ信号2/8)を携帯無線装置1に送信する。チャレンジ信号(2/8)を受信した携帯無線装置1は、記憶しておいた8byteのレスポンス信号のうちの、1byte目の終わりからの1byte(レスポンス信号2/8)を認証対象装置21に送信する。レスポンス信号(2/8)を受信した認証対象装置21は、そのレスポンス信号(2/8)と、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号のうちの、1byte目の終わりからの1byteと、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定する。同様に、認証対象装置21は、チャレンジ信号(2/8)を携帯無線装置1に送信してから16Tが経過したときに、記憶しておいた8byteのチャレンジ信号のうちの、2byte目の終わりからの1byte(チャレンジ信号3/8)を携帯無線装置1に送信する。チャレンジ信号3/8を受信した携帯無線装置1は、記憶しておいた8byteのレスポンス信号のうちの、2byte目の終わりからの1byte(レスポンス信号3/8)を認証対象装置21に送信する。レスポンス信号(3/8)を受信した認証対象装置21は、そのレスポンス信号(3/8)と、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号のうちの、2byte目の終わりからの1byteと、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定する。
【0026】
図3では、認証対象装置21が、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信してからチャレンジ信号(2/8)を携帯無線装置1に送信するまでの16Tの期間をブロック1と称している。以後、認証対象装置21が、チャレンジ信号(n/8)(n=2、3・・・7)を携帯無線装置1に送信してからチャレンジ信号((n+1)/8)を携帯無線装置1に送信するまでの16Tの期間をブロックnと称している。さらに、認証対象装置21が、チャレンジ信号(8/8)を携帯無線装置1に送信してから、再度8byteの乱数を発生させて生成したチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信するまでの16Tの期間をブロック8と称している。ブロック8において、認証対象装置21は、チャレンジ信号(8/8)を携帯無線装置1に送信してから16T経過したとき、その時点までに再度8byteの乱数を発生させて生成しておいたチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信するとともに、その8byteのチャレンジ信号と、そのチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1と共通の暗号化処理によって暗号化した8byteの暗号化信号と、を記憶する。そして、ブロック1、2・・・nそれぞれの期間に応じた、チャレンジ信号(n/8)及びレスポンス信号(n/8)が送受信される。以降、認証対象装置21は、128T毎に、上述の処理を繰り返す。なお、ブロックの順番nに合わせて、8byteのチャレンジ信号、及びレスポンス信号のうちの(n−1)の終わりからの1byteを、チャレンジ信号(n/8)、及びレスポンス信号(n/8)とするように説明したが、ブロックの順番nに合わせない構成であっても構わない。例えば、8byteのチャレンジ信号、及びレスポンス信号の最後からの1byteをチャレンジ信号(1/8)及びレスポンス信号(1/8)とし、以下チャレンジ信号、及びレスポンス信号の最後からの1byte単位でチャレンジ信号(n/8)及びレスポンス信号(n/8)としてもよいし、予めお互いの間で決められたランダムな順序(例えば、8、3、2、5、7、6、1、4)を決めておき、または、チャレンジ信号(Full)に順番を表す情報を載せてその順序を共有化しておき、その順序に対応する1byteをチャレンジ信号(n/8)及びレスポンス信号(n/8)としてもよいし、「最後から・・・」と「先頭から・・・」を交互に入れ替えるようにしてもよい。これにより、携帯無線装置1及び認証対象装置21間の信号の送受信における秘匿性が高まる。
【0027】
各ブロックn(n=1、2、・・・8)において、チャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信した認証対象装置21は、その後携帯無線装置から受信するレスポンス信号(n/8)の受信強度を計測する、または、認証対象装置21から受信した信号の受信強度を計測する携帯無線装置1からレスポンス信号を用いてその受信強度を通知されている。レスポンス信号(n/8)を受信した認証対象装置21は、携帯無線装置1との認証に成功したと判定した場合、そのレスポンス信号(n/8)から計測したまたは通知された信号の受信強度が所定値未満であれば、認証モードを維持するものの、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対する制限を継続する。一方、認証対象装置21は、そのレスポンス信号(n/8)から計測したまたは通知された信号の受信強度が所定値以上であれば、認証モードを維持し、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対する制限を解除する。なお、認証対象装置21は、ブロック1からブロック8においてそれぞれ計測したまたは通知された信号の受信強度に基づいて、総合的に受信強度が所定値以上か未満かを判定するようにしてもよい。例えば、ブロック1〜8における受信強度の最大値(または最小値)や平均化した数値を算出し、その数値が受信強度の所定値以上か未満かを判定する手法が考えられる。また、認証対象装置21は、そのレスポンス信号(n/8)の受信強度を計測する機能と、携帯無線装置1からレスポンス信号(n/8)を用いてその受信強度を取得する機能と、を有している場合には、それぞれの機能から得た受信強度のうちの、大きいもの(または小さいもの)が、所定値以上か未満かを判定するようにしてもよい。
【0028】
ところで、認証モードに遷移した認証対象装置21は、以後、携帯無線装置1がキャリアセンスするタイミング(周期2T)に合わせて、任意の要求信号を携帯無線装置1に送信すると説明した。この「任意の要求信号」には、例えば、報知機能が設けられた携帯無線装置1に報知を要求する信号(この信号を送信する具体的なタイミングとしては、認証対象装置が当該認証対象装置に備わる機能の少なくとも一部に対して制限を加えるとき)、LEDが設けられた携帯無線装置1にそのLEDの点灯を要求する信号(この信号を送信する具体的なタイミングとしては、認証対象装置が携帯電話である場合、その携帯電話が音声電話の着信や電子メールの受信を検出したとき)、表示機能が設けられた携帯無線装置1に文字列や画像を表示することを要求する信号(この信号を送信する具体的なタイミングとしては、認証対象装置が携帯電話である場合、その携帯電話が着信した音声電話の相手先の情報や受信した電子メールの相手先の情報を携帯無線装置に送信し、携帯無線装置に表示させるとき)、または、携帯無線装置1に受信強度の測定を要求する信号(この信号を送信する具体的なタイミングとしては、認証対象装置21が計測する、または携帯無線装置1から通知される受信強度が通信可能な限界の数値に極めて近く、受信強度を検出する頻度を大きくするために、レスポンス信号の受信周期16Tのタイミングに加えて、さらに別のタイミングで受信強度を検出したいとき)、などが挙げられる。
【0029】
この「任意の要求信号」を、認証対象装置21は、ブロック1からブロック8のいずれかの期間に送信することになる。認証対象装置21は、例えば、ブロック1の期間に任意の要求信号を携帯無線装置1に送信すると、記憶しておいた8byteのチャレンジ信号のうちの、先頭からの1byte(チャレンジ信号1/8)を付与した任意の要求信号(1/8)を携帯無線装置1に送信する。任意の要求信号(1/8)を受信した携帯無線装置1は、その任意の要求信号(1/8)に付与されている1byteと、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた信号のうちの、先頭からの1byteと、を比較し照合する。携帯無線装置1は、それらの信号が一致していれば、その要求に応じた処理を実行できるか否かを判定し、実行できると判定した場合には、その任意の要求信号(1/8)に応答する旨を通知するACK信号(1/8)を認証対象装置21に送信する。なお、携帯無線装置1は、ACK信号(1/8)を認証対象装置21に送信する際には、記憶しておいた8byteのレスポンス信号のうちの、先頭からの1byteを付与したACK信号(1/8)を送信する。ACK信号(1/8)を受信した認証対象装置21は、そのACK信号(1/8)に付与されている1byteと、チャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号のうちの、先頭からの1byteと、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1が要求した処理を実行するものと判定する。認証対象装置21が、他のブロックにおいて任意の要求信号を送信する場合も、任意の要求信号及びACKに付与される信号が、そのブロックに対応する1byteに変わる点を除いて、同様である。
【0030】
続いて、認証対象装置21が認証モードにおいてレスポンス信号を受信できない場合のシーケンスについて、説明する。図4に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置による認証モード時のシーケンスの他例を示す。認証対象装置21は、16Tの周期で、チャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信するが、それらのチャレンジ信号に対する携帯無線装置1からのレスポンス信号(n/8)を受信できない場合、最初のチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信した時点から2T後に、同じチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を再送する(図3及び図4では、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(n/8)再送1と表記している。)。認証対象装置21は、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(n/8)再送1に対する携帯無線装置1からのレスポンス信号(n/8)を受信することができれば、最初のチャレンジ信号(n/8)を携帯無線装置1に送信してから16Tが経過したときに、チャレンジ信号(n+1)/8を携帯無線装置1に送信する。
【0031】
一方、認証対象装置21は、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(n/8)再送1を送信した後、それらのチャレンジ信号に対する携帯無線装置1からのレスポンス信号(n/8)を受信できない場合、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(n/8)再送1を送信した時点から2T後に、同じチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を再送する(図3及び図4では、チャレンジ信号(Full)再送2またはチャレンジ信号(n/8)再送2と表記している。)。認証対象装置21は、チャレンジ信号(Full)再送2またはチャレンジ信号(n/8)再送2に対する携帯無線装置1からのレスポンス信号(n/8)を受信することができれば、最初のチャレンジ信号(n/8)を携帯無線装置1に送信してから16Tが経過したときに、チャレンジ信号(n+1)/8を携帯無線装置1に送信する。
【0032】
さらに、認証対象装置21は、チャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信した後、チャレンジ信号(Full)再送1またはチャレンジ信号(n/8)再送1を送信した後、及びチャレンジ信号(Full)再送2またはチャレンジ信号(n/8)再送2を送信した後、いずれのチャレンジ信号に対しても携帯無線装置1からのレスポンス信号(n/8)を受信できない場合、サーチ要求信号の送信を開始し、サーチモードに遷移する。そして、認証対象装置21は、認証対象装置21に備わる機能の少なくとも一部に対する制限を加える、または、既に制限を加えた状態であればその制限を継続することになる。他方、携帯無線装置1は、認証対象装置21から最初のチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を受信すべき時点から4T経過すると(つまり、認証対象装置21が一連の3度のチャレンジ信号の送信にかかる時間経過すると)、2T間隔の認証対象装置21に対する認証チャネルのキャリアセンスを中止し、同時点ではサーチチャネルのキャリアセンスを行うことになる。
【0033】
なお、携帯無線装置1は、認証対象装置21からのチャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を受信できたものの、認証対象装置21が、携帯無線装置1から送信されたレスポンス信号(n/8)を受信できない場合もある。携帯無線装置1は、レスポンス信号(n/8)を送信した後、認証対象装置21からのチャレンジ信号(Full)再送1、再送2またはチャレンジ信号(n/8)再送1、再送2を受信すれば、レスポンス信号(n/8)を再送することになる。
【0034】
認証対象装置21は、以上のようなシーケンスによって携帯無線装置1との間で無線認証を行い、認証対象装置21に備わる各種機能の一部または全てに対して制限を加え、またはその制限を解除する。
【0035】
[二台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]
次に、1台の携帯無線装置が複数台の認証対象装置との間で無線認証を行う場合のシーケンスについて、説明する。上述した[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]では、認証対象装置21は、前回チャレンジ信号(n/8)を携帯無線装置1に送信してから1ブロック分の16Tが経過したときに、チャレンジ信号((n+1)/8)を携帯無線装置1に送信する処理を基本とするシーケンスについて説明した。[二台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]では、上記一つのブロックの期間に別の認証対象装置22と無線認証を行う処理について説明する。
【0036】
本発明の実施の形態の携帯無線装置が2台の認証対象装置と無線認証を行う場合の処理の概要について説明する。図5に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証の概要を説明するシーケンスを示す。[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]で説明したように、認証モードに遷移した認証対象装置21には、チャレンジ信号(Full)またはチャレンジ信号(n/8)を送信する機会を、再送する2度の機会を含む、3度確保しておけばよい。これは、1ブロック分の16Tの期間を一つのフレームとしてみたときに、一台の認証対象装置21に4Tの区間をタイムスロットとして割り当てることを意味する(図5では、認証対象装置21にタイムスロットSL1を割り当てている)。このため、二台目の認証対象装置22には、認証対象装置21に割り当てたタイムスロットSL1と重複しない、別のタイムスロットSL2を割り当てることによって、携帯無線装置1は、時分割多重方式(TDM:Time Division Multiplexing)により、複数の認証対象装置と無線通信を行うことができる。以下、本発明の実施の形態の携帯無線装置が2台の認証対象装置と無線認証を行う場合の処理の詳細について説明する。
【0037】
図6に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスを示す。図6において、認証対象装置21は、[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]で説明したシーケンスによって、既に認証モードに遷移している。一方、認証対象装置22は、サーチモードにあり、サーチ要求信号の送信を開始する。
【0038】
携帯無線装置1は、当該携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置のうち、一台でも無線認証を行っていない認証対象装置22がある場合、無線認証を行っていない認証対象装置22から送信されてくる信号を受信すべく、周期Tでサーチチャネルのキャリアセンスを繰り返す。一方、認証対象装置22は、少なくとも携帯無線装置1のキャリアセンス周期T以上の期間、サーチ要求信号を送信する。携帯無線装置1と同期がとれていない認証対象装置22は、携帯無線装置1のキャリアセンスT以上の期間、サーチ要求信号を送信することによって、携帯無線装置1にサーチ要求信号を受信させることができるようにしている。認証対象装置22は、そのサーチ要求信号を受信した携帯無線装置1から送信されるサーチ信号を受信するまで、サーチ要求信号を定期的に送信し続ける。
【0039】
例えば、図6に示すように、認証対象装置22がサーチ要求信号を送信する期間が、認証対象装置21がチャレンジ信号(2/8)を再送する時点と重複したとき、携帯無線装置1は、認証チャネルのキャリアセンスを先に行い、認証対象装置からの電波を検出できない場合にサーチチャネルのキャリアセンスを行う、という処理で対応するため、ここでは、認証対象装置21が再送するチャレンジ信号(2/8)が携帯無線装置1によって受信されるため、認証対象装置22が送信するサーチ要求信号は、携帯無線装置1によって受信されない。
【0040】
また、例えば、図6に示すように、認証対象装置22がサーチ要求信号を送信する期間が、携帯無線装置1がサーチチャネルのキャリアセンスを行う時点と重複した場合、認証対象装置22が送信するサーチ要求信号は、携帯無線装置1によって受信される。サーチ要求信号を受信した携帯無線装置1は、サーチ信号を認証対象装置22に送信し、以後、携帯無線装置1及び認証対象装置22は、図2において説明したサーチモード時のシーケンスに則って、認証対象装置22がチャレンジ信号を送信するまでの処理を行う。なお、携帯無線装置1がサーチ要求信号を受信してから認証対象装置22がチャレンジ信号を送信するまでの処理にかかる時間は、時間間隔Tに比べて極めて短いため、図6において、その処理についてのシーケンスは省略している。
【0041】
認証対象装置22からチャレンジ信号を受信した携帯無線装置1は、次の処理を行って、認証対象装置22との間で認証モードによる無線認証を開始する。すなわち、携帯無線装置1は、認証対象装置22からチャレンジ信号を受信すると、認証対象装置22に計時を開始させたい時点よりも時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置22に送信する。認証対象装置22に計時を開始させたい時点の候補は、任意のブロックの開始時刻から「4T」後(タイムスロット一つ分の時間間隔)、「8T」後(タイムスロット二つ分の時間間隔)、及び「12T」後(タイムスロット三つ分の時間間隔)になる。携帯無線装置1は、この計時を開始させたい時点の候補のうちの、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点を選択し、その時点の時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置22に送信する。図6では、携帯無線装置1は、ブロック2の開始時刻から「6T」後にレスポンス信号を認証対象装置22に送信することによって、ブロック2の開始時刻から「8T」後にチャレンジ信号(Full)を認証対象装置22から受信することができる。一方、レスポンス信号を受信した認証対象装置22は、そのレスポンス信号と、チャレンジ信号を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号と、を比較し照合する。認証対象装置22は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定し、認証に成功した旨を知らせるACK信号を携帯無線装置1に送信する。そして、認証対象装置22は、レスポンス信号を携帯無線装置1から受信した時点を起点として計時を開始し、計時を開始してから時間2Tが経過したとき、8byteの乱数を発生させて生成したチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信する。携帯無線装置1及び認証対象装置22による以降の処理は、携帯無線装置1及び認証対象装置21による処理と同様であるため、省略する。
【0042】
携帯無線装置1は、認証対象装置22からチャレンジ信号(Full)を受信すると、他の認証対象装置に計時を開始させたい時点の候補のうちの、任意のブロックの開始時刻から「8T」後の時点は、いずれかの認証対象装置に無線認証を行わせている時点として記憶する。以降、認証対象装置21、22以外の別の認証対象装置23からサーチ要求信号からチャレンジ信号までのサーチモードにおける一連の信号を受信した場合、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点である、任意のブロックの開始時刻から「4T」後の時点、及び「12T」後の時点のいずれかを選択し、その時点の時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置22に送信することになる。
【0043】
なお、図6では、携帯無線装置1は、任意のブロックの開始時刻から「8T」後に認証対象装置22にチャレンジ信号(Full)を送信させるシーケンスについて説明したが、任意のブロックの開始時刻から「4T」後または「12T」後に認証対象装置22にチャレンジ信号(Full)を送信させる場合には、さらに別の処理を追加する必要がある。図7に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスを示す。
【0044】
任意のブロックの開始時刻から「4T」後にチャレンジ信号を認証対象装置22に送信させる場合を考える。携帯無線装置1は、任意のブロックの開始時刻から「4T」後にチャレンジ信号を認証対象装置22に送信させるために、当該ブロックの開始時刻から「2T」後にレスポンス信号を認証対象装置22に送信する必要があるが、図7に示すように、携帯無線装置1は、認証モードにある認証対象装置21からブロック2の開始時刻に送信されるチャレンジ信号(2/8)を受信できない場合、ブロック2の開始時刻から「2T」後に再送されるチャレンジ信号(2/8)再送1を受信するために認証チャネルのキャリアセンスを行う必要があるため、ブロック2の開始時刻から「2T」後にレスポンス信号を認証対象装置22に送信することができない。このため、携帯無線装置1は、図7に示すブロック3のように、認証モードにある認証対象装置21からブロック3の開始時刻に送信されるチャレンジ信号(2/8)を受信できた場合に、ブロック3の開始時刻から「2T」後にレスポンス信号を認証対象装置22に送信する。
【0045】
また、認証対象装置21及び認証対象装置22にそれぞれ、区間4Tのタイムスロットを連続して割り当てた場合、携帯無線装置1は、図8の本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスの他例に示すようは、次の処理を実行する場合がある。すなわち、携帯無線装置1は、あるタイムスロットSL1を割り当てられた認証対象装置21から任意のブロック(図8では、ブロック8)の開始時刻に送信されるチャレンジ信号(n/8)、及び当該ブロックの開始時刻から「2T」後に送信されるチャレンジ信号(n/8)再送1を受信できない場合、当該ブロックの開始時刻から「4T」後に再送されるチャレンジ信号(n/8)再送2を受信するために認証チャネルのキャリアセンスを行う必要がある。他方、携帯無線装置1は、タイムスロットSL1に連続するタイムスロットSL2を割り当てられた認証対象装置22から、当該ブロックの開始時刻から「4T」後に送信されるチャレンジ信号を受信するために認証チャネルのキャリアセンスを行う必要がある。この結果、携帯無線装置1は、複数の認証対象装置にそれぞれ連続するタイムスロットを割り当てた場合、それらのタイムスロットの境界(境界は、ブロックの開始時刻から、「4T」、「8T」、「12T」及び「16T」の時点。なお、ブロックの開始時刻から「16T」の時点は、次のブロックの開始時刻と一致する。)で、複数の認証対象装置それぞれがチャレンジ信号またはチャレンジ信号再送2を重複して受信する場合がある。
【0046】
図8では、携帯無線装置1は、ブロック8の開始時刻から「4T」後に、認証対象装置21から送信されるチャレンジ信号(8/8)再送2を受信し、認証対象装置22から送信されるチャレンジ信号(6/8)を受信しない場合を示している。この後、チャレンジ信号(6/8)に対するレスポンス信号(6/8)を受信できなかった認証対象装置22は、チャレンジ信号(6/8)を送信してから2T経過したときに、チャレンジ信号(6/8)再送1を送信し、チャレンジ信号(6/8)再送1を受信した携帯無線装置1からレスポンス信号(6/8)を受信することになる。
【0047】
このように、複数の認証対象装置にそれぞれ連続するタイムスロットを割り当てた場合であっても、携帯無線装置1は、複数の認証対象装置からのチャレンジ信号が重複しない時点(図8における、ブロックの開始時刻から、「2T」、「6T」、「10T」及び「14T」の時点。)において、一度はキャリアセンスを実行するため、一台の携帯無線装置と二台の認証対象装置との間での無線認証を実施することができる。なお、図8では、あるブロックの開始時刻「0」から「4T」までのタイムスロットSL1と当該ブロックの開始時刻「4T」から「8T」までのタイムスロットSL2とをそれぞれ、認証対象装置21及び認証対象装置22に割り当てる場合について説明したが、当該ブロックの開始時刻「8T」から「12T」までのタイムスロットと当該ブロックの開始時刻「12T」から「16T」までのタイムスロットとを割り当てる場合、及び、当該ブロックの開始時刻「12T」から「16T」までのタイムスロットと次のブロックの開始時刻「0」から「4T」までのタイムスロットを割り当てる場合についても同様である。
【0048】
以上のように、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置によれば、認証モード期間中に複数の認証対象装置から電波が出力されるタイミングを重複しないように制御することによって、携帯無線装置は、複数の認証対象装置から送信される信号を確実に受信することができる。
【0049】
また、複数の認証対象装置に連続するタイムスロットを割り当てない(すなわち、少なくとも一つのタイムスロットの間隔を空けた複数のタイムスロットを複数の認証対象装置に割り当てる)ことによって、携帯無線装置が、認証対象装置からのチャレンジ信号(n/8)の再送を受信することができる機会をより多く確保できるため、無線認証の精度を上げることができる。一方、複数の認証対象装置に連続するタイムスロットを割り当てる場合であっても、複数の認証対象装置に連続するタイムスロットを割り当てない場合と比べて、より多くの複数の認証対象装置と携帯無線装置との間での無線認証を実施することができる。
【0050】
[三台目以降の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]
続いて、三台目及び四台目の認証対象装置と携帯無線装置とによる無線認証について説明する。図9に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び3台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスを示す。図9において、認証対象装置21及び認証対象装置22は、[二台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]で説明したシーケンスによって、既に認証モードに遷移している。一方、認証対象装置23は、サーチモードにあり、サーチ要求信号の送信を開始する。
【0051】
携帯無線装置1は、当該携帯無線装置1と対に設定されている認証対象装置のうち、一台でも無線認証を行っていない認証対象装置23がある場合、無線認証を行っていない認証対象装置23から送信されてくる信号を受信すべく、周期Tでサーチチャネルのキャリアセンスを繰り返す。一方、認証対象装置23は、少なくとも携帯無線装置1のキャリアセンス周期T以上の期間、サーチ要求信号を送信する。認証対象装置23は、そのサーチ要求信号を受信した携帯無線装置1から送信されるサーチ信号を受信するまで、サーチ要求信号を定期的に送信し続ける。
【0052】
例えば、図9に示すように、認証対象装置23がサーチ要求信号を送信する期間が、認証対象装置22がチャレンジ信号(Full)を送信する時点と重複したとき、携帯無線装置1は、認証チャネルのキャリアセンスを先に行い、認証対象装置からの電波を検出できない場合にサーチチャネルのキャリアセンスを行う、という処理で対応するため、ここでは、認証対象装置22が送信するチャレンジ信号(8/8)が携帯無線装置1によって受信されるため、認証対象装置23が送信するサーチ要求信号は、携帯無線装置1によって受信されない。認証対象装置23がサーチ要求信号を送信する期間が、認証対象装置21及び認証対象装置22がチャレンジ信号(n/8)を送信する時点または再送する時点と重複したときも同様に、認証対象装置23が送信するサーチ要求信号は、携帯無線装置1によって受信されない。
【0053】
また、例えば、図9に示すように、認証対象装置23がサーチ要求信号を送信する期間が、携帯無線装置1がサーチチャネルを行う時点と重複した場合、または携帯無線装置1が認証チャネルのキャリアセンス後のサーチチャネルキャリアセンスを行う時点と重複した場合、認証対象装置23が送信するサーチ要求信号は、携帯無線装置1によって受信される。サーチ要求信号を受信した携帯無線装置1は、サーチ信号を認証対象装置23に送信し、以後、携帯無線装置1及び認証対象装置23は、図2において説明したサーチモード時のシーケンスに則って、認証対象装置23がチャレンジ信号を送信するまでの処理を行う。なお、携帯無線装置1がサーチ要求信号を受信してから認証対象装置23がチャレンジ信号を送信するまでの処理にかかる時間は、時間間隔Tに比べて極めて短いため、図9において、その処理についてのシーケンスは省略している。
【0054】
認証対象装置23からチャレンジ信号を受信した携帯無線装置1は、次の処理を行って、認証対象装置23との間で認証モードによる無線認証を開始する。すなわち、携帯無線装置1は、認証対象装置23からチャレンジ信号を受信すると、認証対象装置23に計時を開始させたい時点よりも時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置23に送信する。携帯無線装置1は、この計時を開始させたい時点の候補である任意のブロックの開始時刻から「4T」後、「8T」後及び「12T」後のうちの、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点である「4T」後の時点または「12T」の時点のいずれかを選択し、その時点の時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置23に送信する。図9の場合、携帯無線装置1は、ブロック3の開始時刻から「4T」後の時点を選択したものとする。携帯無線装置1は、ブロック3の開始時刻から「2T」後にレスポンス信号を認証対象装置23に送信することによって、ブロック3の開始時刻から「4T」後にチャレンジ信号(Full)を認証対象装置23から受信することができる。一方、レスポンス信号を受信した認証対象装置23は、そのレスポンス信号と、チャレンジ信号を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号と、を比較し照合する。認証対象装置23は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定し、認証に成功した旨を知らせるACK信号を携帯無線装置1に送信する。そして、認証対象装置23は、レスポンス信号を携帯無線装置1から受信した時点を起点として計時を開始し、計時を開始してから時間2Tが経過したとき、その時点までに8byteの乱数を発生させて生成しておいたチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信する。携帯無線装置1及び認証対象装置23による以降の処理は、携帯無線装置1及び認証対象装置21、及び携帯無線装置1及び認証対象装置22による処理と同様であるため、省略する。
【0055】
携帯無線装置1は、認証対象装置23からチャレンジ信号(Full)を受信すると、他の認証対象装置に計時を開始させたい時点の候補のうちの、任意のブロックの開始時刻から「4T」後の時点は、認証対象装置に無線認証を行わせている時点として記憶する。以降、認証対象装置21、22、23以外の別の認証対象装置24からサーチ要求信号からチャレンジ信号までのサーチモードにおける一連の信号を受信した場合、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点である、任意のブロックの開始時刻から「12T」後の時点を選択し、その時点の時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置22に送信することになる。
【0056】
以上のように、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置によれば、タイムスロットの数と同数の認証対象装置と携帯無線装置との間での無線認証を実施することができる。これにより、従来の携帯無線装置が一台の認証対象装置に対して行っていたキャリアセンスの頻度と同数のキャリアセンスの頻度で、最大4台の認証対象装置と無線認証を行うことができるため、電池起動のキーの低消費電力実現に効果がある。
【0057】
さらに、携帯無線装置1は、予め当該携帯無線装置1と対になるものとして登録されていた認証対象装置全てとの間で認証モードによる無線認証を開始した場合、以降、認証対象装置からサーチ要求信号が送信されることはないため、周期Tのサーチチャネルのキャリアセンスを中止し、周期2Tの認証チャネルのキャリアセンスのみを実行するようにしてもよい。これにより、キャリアセンスに伴う携帯無線装置1による電力消費を低減することができる。
【0058】
[認証対象装置が認証モードからサーチモードに遷移する場合の無線認証]
続いて、携帯無線装置1と無線認証を行っていた複数の認証対象装置のうちのいずれか一台が、認証モードからサーチモードに遷移する場合の処理について説明する。図10に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び3台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスの他例を示す。
【0059】
携帯無線装置1は、認証対象装置に無線認証を行わせている時点として記憶しておいた、任意のブロックの開始時刻から「4T」後の時点、「8T」後の時点、または「16T」(「16T」は、ブロックの開始時刻に一致する。)の時点から、チャレンジ信号(n/8)、チャレンジ信号(n/8)の再送またはチャレンジ信号(n/8)の再々送のいずれも受信しないまま、4T経過すると、認証対象装置に無線認証を行わせている時点として記憶しておいた「4T」後の時点、「8T」後の時点、または「16T」のうちの該当するものを、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点として記憶する。図10では、携帯無線装置1は、任意のブロックの開始時刻から「8T」後の時点を、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点として記憶する。以降、認証対象装置21、23以外の別の認証対象装置からサーチ要求信号からチャレンジ信号までのサーチモードにおける一連の信号を受信した場合、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点である、任意のブロックの開始時刻から「8T」後の時点、または「12T」後の時点のいずれかを選択し、その時点の時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置22に送信することになる。
【0060】
以上のように、ある認証対象装置が認証モードからサーチモードに遷移する度に、その認証対象装置に割り当てられていたタイムスロットを未割り当ての状態に設定することによって、携帯無線装置1は、その時々の認証対象装置との無線認証状況に応じて、タイムスロットの割り当てを絶えず更新することができる。
【0061】
なお、ある認証対象装置が認証モードからサーチモードに遷移する度に、タイムスロットの割り当てを制御する処理について説明したが、認証対象装置による認証モードからサーチモードへの遷移をこの処理のトリガとする必要は、必ずしも無い。例えば、携帯無線装置1は、認証対象装置に無線認証を行わせている時点として記憶しておいた「4T」後の時点、「8T」後の時点、または「16T」のうちの一つを選択し、その選択した時点から4Tの期間、チャレンジ信号(n/8)、チャレンジ信号(n/8)の再送またはチャレンジ信号(n/8)の再々送のいずれかを認証対象装置21、22、23から受信していても、レスポンス信号(n/8)を送信しないことによって、認証対象装置21、22、23をサーチモードに遷移させる。さらに、携帯無線装置1は、認証対象装置に無線認証を行わせている時点として記憶しておいた「4T」後の時点、「8T」後の時点、または「16T」のうちの該当するものを、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点として記憶する。
【0062】
このようなタイムスロットの割り当てを制御する処理によって、携帯無線装置が主体的にタイムスロットの割り当てを制御することができる。この結果、携帯無線装置1は、例えば図10のように認証モードによる無線認証を行う認証対象装置が3台から2台に減った場合、図10では2台の認証対象装置21、23に連続して割り当てているタイムスロットを、連続するタイムスロットを割り当てないようにタイムスロットの割り当てを制御することによって、携帯無線装置が、認証対象装置からのチャレンジ信号(n/8)の再送を受信することができる機会をより多く確保でき、無線認証の精度を上げることができる。
【0063】
[タイムスロットの個数より多い認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]
ここでは、携帯無線装置1が、タイムスロットの個数よりも多い認証対象装置との間で無線認証を行う場合の処理について説明する。これまで、携帯無線装置1は、周期Tにてサーチチャネルのキャリアセンスを、周期2Tにて認証チャネルのキャリアセンスを実行する場合について説明してきたが、ここでは、周期Tにて認証チャネルのキャリアセンスを実行する。すなわち、携帯無線装置1は、認証チャネルのキャリアセンスを先に行い、認証対象装置からの電波を検出できない場合にサーチチャネルのキャリアセンスを行う、という処理を周期Tにて実行する。
【0064】
携帯無線装置1が周期Tにて認証チャネル及びサーチチャネルのキャリアセンスを行うことによって、図11に示す、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び5台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスのように、5台から8台の認証対象装置とさらに無線認証を行うことができる。すなわち、任意のブロックの開始時刻から「4T」、「8T」、「12T」、「16T」後の時点をそれぞれ始点とする4Tの期間のタイムスロットにおいて4台の認証対象装置と無線認証を行い、さらに、「1T」、「5T」、「9T」、「13T」後の時点をそれぞれ始点とする4Tの期間のタイムスロットにおいてさらに別の4台の認証対象装置と無線認証を行う。以下、5台から8台の認証対象装置とさらに無線認証を行う携帯無線装置による処理について、詳細に説明する。
【0065】
図11において、認証対象装置21、認証対象装置22、認証対象装置23及び認証対象装置24は、[三台目以降の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]で説明したシーケンスによって、既に認証モードに遷移している。一方、認証対象装置25は、サーチモードにあり、サーチ要求信号の送信を開始する。
【0066】
携帯無線装置1は、無線認証を行っていない認証対象装置25から送信されてくる信号を受信すべく、周期Tでサーチチャネル及び認証チャネルのキャリアセンスを繰り返す。一方、認証対象装置25は、少なくとも携帯無線装置1のキャリアセンス周期T以上の期間、サーチ要求信号を送信する。認証対象装置25は、そのサーチ要求信号を受信した携帯無線装置1から送信されるサーチ信号を受信するまで、サーチ要求信号を定期的に送信し続ける。
【0067】
例えば、図11に示すように、認証対象装置25がサーチ要求信号を送信する期間が、認証対象装置21がチャレンジ信号(3/8)を送信する時点と重複したとき、携帯無線装置1は、認証チャネルのキャリアセンスを先に行い、認証対象装置からの電波を検出できない場合にサーチチャネルのキャリアセンスを行う、という処理で対応するため、ここでは、認証対象装置21が送信するチャレンジ信号(3/8)が携帯無線装置1によって受信されるため、認証対象装置25が送信するサーチ要求信号は、携帯無線装置1によって受信されない。認証対象装置25がサーチ要求信号を送信する期間が、認証対象装置21〜認証対象装置24がチャレンジ信号(n/8)を送信する時点または再送する時点と重複したときも同様に、認証対象装置25が送信するサーチ要求信号は、携帯無線装置1によって受信されない。
【0068】
また、例えば、図11に示すように、認証対象装置25がサーチ要求信号を送信する期間が、携帯無線装置1が認証チャネルのキャリアセンス後のサーチチャネルキャリアセンスを行う時点と重複した場合、認証対象装置25が送信するサーチ要求信号は、携帯無線装置1によって受信される。サーチ要求信号を受信した携帯無線装置1は、サーチ信号を認証対象装置25に送信し、以後、携帯無線装置1及び認証対象装置25は、図2において説明したサーチモード時のシーケンスに則って、認証対象装置25がチャレンジ信号を送信するまでの処理を行う。なお、携帯無線装置1がサーチ要求信号を受信してから認証対象装置25がチャレンジ信号を送信するまでの処理にかかる時間は、時間間隔Tに比べて極めて短いため、図11において、その処理についてのシーケンスは省略している。
【0069】
認証対象装置25からチャレンジ信号を受信した携帯無線装置1は、次の処理を行って、認証対象装置25との間で認証モードによる無線認証を開始する。すなわち、携帯無線装置1は、認証対象装置25からチャレンジ信号を受信すると、認証対象装置25に計時を開始させたい時点よりも時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置23に送信する。携帯無線装置1は、この計時を開始させたい時点の候補である任意のブロックの開始時刻から「1T」後、「5T」後、「9T」後、及び「13T」後の時点のうちのいずれかを選択し、その時点の時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置25に送信する。図11の場合、携帯無線装置1は、ブロック3の開始時刻から「9T」後の時点を選択したものとする。携帯無線装置1は、ブロック3の開始時刻から「7T」後にレスポンス信号を認証対象装置25に送信することによって、ブロック3の開始時刻から「9T」後にチャレンジ信号(Full)を認証対象装置25から受信することができる。一方、レスポンス信号を受信した認証対象装置25は、そのレスポンス信号と、チャレンジ信号を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号と、を比較し照合する。認証対象装置25は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定し、認証に成功した旨を知らせるACK信号を携帯無線装置1に送信する。そして、認証対象装置25は、レスポンス信号を携帯無線装置1から受信した時点を起点として計時を開始し、計時を開始してから時間2Tが経過したとき、その時点までに8byteの乱数を発生させて生成しておいたチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信する。携帯無線装置1及び認証対象装置25による以降の処理は、携帯無線装置1及び認証対象装置21〜25による処理と同様であるため、省略する。
【0070】
携帯無線装置1は、認証対象装置25からチャレンジ信号(Full)を受信すると、他の認証対象装置に計時を開始させたい時点の候補のうちの、任意のブロックの開始時刻から「9T」後の時点は、認証対象装置に無線認証を行わせている時点として記憶する。以降、認証対象装置21、22、23、24、25以外の別の認証対象装置26からサーチ要求信号からチャレンジ信号までのサーチモードにおける一連の信号を受信した場合、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点である、任意のブロックの開始時刻から「1T」後、「5T」後、及び「13T」後の時点を選択し、その時点の時間間隔2T前に、レスポンス信号を認証対象装置26に送信することになる。
【0071】
以上のように、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置によれば、タイムスロットの個数よりも多い認証対象装置と携帯無線装置との間での無線認証を実施することができる。これにより、従来の携帯無線装置が一台の認証対象装置に対して行っていたキャリアセンスの頻度の2倍のキャリアセンスの頻度で、最大8台の認証対象装置と無線認証を行うことができるため、電池起動のキーの低消費電力実現に効果がある。
【0072】
[本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の構成]
次に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の構成について説明する。図12に、本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の機能ブロック図を示す。本発明の実施の形態の携帯無線装置1は、無線部11、スロット割当記憶部12、タイマ13、無線制御部14を含んで構成される。また、本発明の認証対象装置2は、無線認証部20、駆動部30、駆動制御部40を含んで構成される。
【0073】
携帯無線装置1において、無線部11は、アンテナを介して、400MHz帯特定小電力無線、RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)で使用される短距離通信用の電波やUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)等を用いて、ペアリング処理により当該携帯無線装置1と対に設定した認証対象装置2の識別コードが含まれる電波の送受信を行う。
【0074】
無線制御部14は、所定の通信プロトコル(すなわち、上記[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]、[二台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]、[三台目以降の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]、[認証対象装置が認証モードからサーチモードに遷移する場合の無線認証]、[タイムスロットの個数より多い認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]にて説明した通信プロトコル)に基づき、無線部11に送受信させる信号を制御する。無線制御部14には、増幅回路、変調回路、復調回路、エンコード回路、デコード回路などの回路が含まれる。また、無線制御部14は、無線通信で使用される電波の受信強度(例えば、復調回路に入力される電波の電圧レベルやS/N比、デコード回路によりデコードされたデータの誤り率などを基に算出される)を計測するとともに、その受信強度が予め設定された閾値(認証エリアおよび非認証エリアを区分けするための数値)以上か未満かを判別する。
【0075】
スロット割当記憶部12には、認証モードにある認証対象装置の識別符号と、所定の通信プロトコルに基づいて設定した、認証対象装置にチャレンジ信号(n/8)またはチャレンジ信号(Full)を送信させる時点(「1T」、「4T」、「5T」、「8T」、「9T」、「12T」、「13T」、「16T」)と、を対応付けて記憶している。無線部11は、スロット割当記憶部12に記憶された識別符号と、認証対象装置がチャレンジ信号(n/8)またはチャレンジ信号(Full)を送信する時点とを参照して、各タイムスロットにおいて該当する認証対象装置2と無線認証を行う。
【0076】
タイマ13は、無線部11が無線認証を最初に開始した一台目の認証対象装置2にレスポンス信号を送信した時点から計時を開始する。
【0077】
認証対象装置2の無線認証部20において、無線部201は、アンテナを介して、400MHz帯特定小電力無線、RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)で使用される短距離通信用の電波やUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線)等を用いて、ペアリング処理により認証対象装置2と対に設定した携帯無線装置1の識別コード信号が含まれる電波の送受信を行う。
【0078】
無線制御部203は、所定の通信プロトコル(すなわち、上記[一台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]、[二台目の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]、[三台目以降の認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]、[認証対象装置が認証モードからサーチモードに遷移する場合の無線認証]、[タイムスロットの個数より多い認証対象装置と携帯無線装置による無線認証]にて説明した通信プロトコル)に基づき、無線部201に送受信させる信号を制御する。無線制御部203には、増幅回路、変調回路、復調回路、エンコード回路、デコード回路などの回路が含まれる。また、無線制御部203は、無線通信で使用される電波の受信強度(例えば、復調回路に入力される電波レベルの電圧やS/N比、デコード回路によりデコードされたデータの誤り率などを基に算出される)を計測するとともに、その受信強度が予め設定された閾値(認証エリアおよび非認証エリアを区分けするための数値)以上か未満かを判別する。無線制御部203は、携帯無線装置1との認証に失敗した場合、または、携帯無線装置1から受信した電波の受信強度が所定値未満である場合、使用制限要求信号を駆動制御部40に出力して、認証対象装置2に備わる機能の少なくとも一部に対して制限を施す。一方、無線制御部203は、携帯無線装置1との認証に成功し、かつ、携帯無線装置1から受信した電波の受信強度が所定値以上である場合、使用制限解除信号を駆動制御部40に出力し、認証対象装置21に備わる機能に施されている制限を解除する。
【0079】
タイマ202は、無線部201が携帯無線装置1からレスポンス信号を受信した時点から計時を開始する。また、タイマ202は、携帯無線装置1から受信する各種信号のフレーム同期に合わせて、計時時刻を携帯無線装置1のタイムに合わせて補正するものとする。
【0080】
駆動制御部40は、無線制御部203から使用制限要求信号を通知されている期間中、認証対象装置2により実行可能な各種駆動部30に対して、その機能の実行に制限を加える。
【0081】
なお、本発明の携帯無線装置の一形態としては、ワイヤレスキーが考えられるが、ワイヤレスキーに限るものではなく、携帯電話、PDA、無線カードなどの電子機器が一機能として本発明の携帯無線装置を含む形態であっても構わない。
【0082】
(第2実施形態)
これまで説明した本発明の第1実施形態では、携帯無線装置1は、サーチモードにある認証対象装置からチャレンジ信号を受信すると、いずれの認証対象装置にも無線認証を行わせていない時点である任意のブロックの開始時刻から「4T」後の時点、「8T」後の時点、または「12T」後の時点のいずれかを選択し、その時点の時間間隔2T前に、レスポンス信号を当該認証対象装置に送信するものであった。つまり、レスポンス信号が、チャレンジアンドレスポンス方式による認証における一つの工程としての機能と、携帯無線装置1と認証対象装置の間での同期をとる機能と、を兼ねている。この構成では、携帯無線装置1は、チャレンジ信号を受信してから最先のタイミングでレスポンス信号を認証対象装置に送信する場合であっても、チャレンジ信号を受信してからレスポンス信号を送信するまでに16Tかかる場合がある。
【0083】
さらに、サーチモードにある認証対象装置にレスポンス信号を携帯無線装置1が送信する時点と、認証モードにある別の認証対象装置から各種信号を携帯無線装置1が受信する時点と、が重複する場合がある。例えば、携帯無線装置1が、図7に示すように、ブロック2の開始時刻から「2T」後に再送されるチャレンジ信号(2/8)再送1を受信するために認証チャネルのキャリアセンスを行う時点と、ブロック2の開始時刻から「2T」後にレスポンス信号を認証対象装置22に送信する時点とが重複した結果、ブロック3の開始時刻(あるいは、ブロック3以降のブロックの開始時刻)から「2T」後にレスポンス信号を認証対象装置22に送信する場合である。この場合には、携帯無線装置1は、認証モードにある別の認証対象装置から各種信号を受信する時点と重複しなくなるまで、サーチモードにある認証対象装置にレスポンス信号を送信することができないため、当該レスポンス信号を送信するまでにさらに時間がかかることが想定される。
【0084】
このように、携帯無線装置1がチャレンジ信号を受信してからレスポンス信号を送信するまでの時間が長くなると、認証対象装置がサーチモードから認証モードに遷移するまでの時間が長くなり、その結果、認証対象装置のロックが解除されるまでに時間を要するために認証対象装置の使い勝手が悪くなる場合がある。
【0085】
そこで、本発明の第2実施形態では、第1実施形態においてレスポンス信号が備えていた、携帯無線装置1と認証対象装置の間での同期をとる機能を、別の信号(後述する認証タイミング指定信号に相当する。)に持たせることによって、認証対象装置がサーチモードから認証モードに遷移するまでにかかる上述の時間を発生しないようにする構成について説明する。図13に、本発明の第2実施形態の携帯無線装置及び認証対象装置による認証モード時のシーケンスを示す。図13のシーケンスにおいて、携帯無線装置1が認証対象装置21からチャレンジ信号を受信するまでの処理は、図2のシーケンスと同様の処理であるため、説明を省略する。
【0086】
携帯無線装置1は、認証対象装置21からチャレンジ信号を受信すると、本発明の第1実施形態のように所定の時点になるまでレスポンス信号の送信を停止するのではなく、レスポンス信号を即、認証対象装置21に送信する。レスポンス信号を受信した認証対象装置21は、そのレスポンス信号と、チャレンジ信号を携帯無線装置1に送信したときに記憶しておいた暗号化信号と、を比較し照合する。認証対象装置21は、それらの信号が一致していれば、携帯無線装置1との認証に成功したと判定し、認証に成功した旨を知らせるACK信号を携帯無線装置1に送信し、認証モードに遷移する。この構成により、認証対象装置21がサーチモードから認証モードに遷移するまでにかかる時間が発生しない。
【0087】
さらに、認証対象装置21は、ACK信号を携帯無線装置1に送信すると、携帯無線装置1から送信されてくる認証タイミング指定信号を受信するまで、認証チャネルのキャリアセンスを継続する(認証対象装置21は、図13における「□」で示す期間で、サーチチャネルのキャリアセンスを実施している。)。一方、携帯無線装置1は、まだ他の認証対象装置と認証モードによる無線認証を行っていない場合には、任意の時点で認証タイミング指定信号を認証対象装置21に送信し、既に他の認証対象装置と認証モードによる無線認証を行っている場合には、任意のブロック開始時刻から2Tの周期に重複しない時点で認証タイミング指定信号を認証対象装置21に送信する。
【0088】
なお、認証対象装置21は、携帯無線装置1から送信されてくる認証タイミング指定信号を受信するまで、認証チャネルのキャリアセンスを継続するよう説明したが、キャリアセンスに伴う消費電力を軽減するために、ある周期で認証チャネルのキャリアセンスを繰り返すようにしてもよい。例えば、認証対象装置21は、レスポンス信号を受信した時点を起点として計時を開始し、0.25Tの周期(なお、この周期は、携帯無線装置1と認証モードにある他の認証対象装置とが信号を送受信する周期2Tと重複しないことが好ましい。)でキャリアセンスを繰り返す。一方、携帯無線装置1は、レスポンス信号を認証対象装置21に送信した時点を起点として計時を開始し、その周期のタイミングに合わせて認証タイミング指定信号を認証対象装置21に送信する。
【0089】
認証タイミング指定信号を受信した認証対象装置21は、認証タイミング指定信号を受信した旨を知らせるACK信号を携帯無線装置1に送信すると、次のタイミングでチャレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信する。すなわち、認証対象装置21は予め、認証タイミング指定信号を受信した時点からAT経過後に(Aは、自然数。)、チャンレジン信号(Full)を携帯無線装置1に送信するよう取り決められており、認証対象装置21は、認証タイミング指定信号を受信した時点からAT経過後に、チャンレジン信号(Full)を携帯無線装置1に送信する。このとき、携帯無線装置1は、既に他の認証対象装置と認証モードによる無線認証を行っている場合には、認証タイミング指定信号を認証対象装置21に送信した時点からAT経過した時点が、任意のブロックの開始時刻から「4T」後の時点、「8T」後の時点、または「12T」後の時点のいずれかに一致するように、認証タイミング指定信号を送信する必要がある。
【0090】
または、携帯無線装置1は、認証タイミング指定信号にAT後にチャレンジ信号(Full)を送信することを要求する制御信号を搭載させておき、その認証タイミング指定信号を受信した認証対象装置21は、その制御信号を参照し、認証タイミング指定信号を受信した時点からAT経過後に、チャンレンジ信号(Full)を携帯無線装置1に送信する。このとき、携帯無線装置1は、既に他の認証対象装置と認証モードによる無線認証を行っている場合には、認証タイミング指定信号を認証対象装置21に送信した時点からAT経過した時点が、任意のブロックの開始時刻から「4T」後の時点、「8T」後の時点、または「12T」後の時点のいずれかに一致するように、認証タイミング指定信号を送信する必要がある。なお、「A」を、「(A0)T」、「(A0+16)T」、または「(A0+32)T」(ただし、A0は、0<A0<16Tの自然数。)と設定することによって、携帯無線装置1は、認証対象装置21にチャレンジ信号(Full)を送信させるブロックを指定し、そのブロックの開始時刻から「4T」後の時点、「8T」後の時点、または「12T」後の時点のいずれかに、認証対象装置21にチャレンジ信号(Full)を送信させるようにしてもよい。このとき、携帯無線装置1は、どのブロックにおいて認証対象装置21にチャレンジ信号(Full)を送信させるかを、認証対象装置21との間での通信状況や電波状況、あるいは乱数、等によって設定するようにしてもよい。
【0091】
一方、認証対象装置21は、所定の時間内に認証タイミング指定信号を携帯無線装置1から受信できない場合は、サーチモードに遷移してサーチ要求信号の送信を開始する。
【0092】
以上、本発明の第2実施形態の携帯無線装置及び認証対象装置によれば、第1実施形態においてレスポンス信号が備えていた、携帯無線装置1と認証対象装置の間での同期をとる機能を、認証タイミング指定信号に持たせることによって、認証対象装置がサーチモードから認証モードに遷移するまでにかかる上述の時間を発生しないようにすることができる。この結果、認証対象装置は、携帯無線装置1が近くにある場合、当該認証対象装置のロックが即座に解除されるため、認証対象装置の使い勝手を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の認証対象装置及び無線認証システムによれば、認証対象装置と携帯無線装置との間で行われる無線認証において送受信される信号の秘匿性を高めることができるという効果を奏し、無線認証を行うべき認証対象装置の間で無線通信を行う携帯無線装置に関する分野において有用である。また、無線認証の用途に限らず、複数の無線通信機器で通信タイミングを同期させる無線通信システムの分野においても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】無線認証システムによるロック及びロック解除の処理の概念図
【図2】本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置によるサーチモード時のシーケンス
【図3】本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置による認証モード時のシーケンス
【図4】本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置による認証モード時のシーケンスの他例
【図5】本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証の概要を説明するシーケンス
【図6】本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンス
【図7】本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンス
【図8】本発明の実施の形態の携帯無線装置及び2台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンスの他例
【図9】本発明の実施の形態の携帯無線装置及び3台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンス
【図10】本発明の実施の形態の携帯無線装置及び3台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンス
【図11】本発明の実施の形態の携帯無線装置及び5台の認証対象装置による無線認証を説明するシーケンス
【図12】本発明の実施の形態の携帯無線装置及び認証対象装置の機能ブロック図
【図13】本発明の第2実施形態の携帯無線装置及び認証対象装置による認証モード時のシーケンス
【符号の説明】
【0095】
1 携帯無線装置
11 無線部
12 スロット割当記憶部
13 タイマ
14 無線制御部
2、21、22、23、24、25 認証対象装置
20 無線認証部
201 無線部
202 タイマ
203 無線制御部
30 駆動部
40 駆動制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証対象装置と携帯無線装置との間で所定の時間間隔Aで無線信号の送受信を行うことにより認証を行う無線認証システムであって、
前記認証対象装置は前記時間間隔AのB倍(ただし、Bは自然数)の時間間隔毎に異なるチャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信できるように乱数を生成し、
前記認証対象装置は、前記チャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号を分割して得られる分割チャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信する
ことを特徴とする無線認証システム。
【請求項2】
携帯無線装置は、時間間隔AのB倍毎に認証対象装置から受信するチャレンジ信号を暗号化して生成されるレスポンス信号を分割して得られる分割レスポンス信号を、認証対象装置へ送信する請求項1記載の無線認証システム。
【請求項3】
認証対象装置は、時間間隔AのB倍の時にチャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号をB等分に分割して得られる分割チャレンジ信号を生成し、前記チャレンジ信号の最後部を含む分割チャレンジ信号から順番に前記携帯無線装置へ送信する請求項1または2記載の無線認証システム。
【請求項4】
認証対象装置は、時間間隔AのB倍の時にチャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号をB等分に分割して得られる分割チャレンジ信号を生成し、前記チャレンジ信号の最前部を含む分割チャレンジ信号から順番に前記携帯無線装置へ送信する請求項1または2記載の無線認証システム。
【請求項5】
認証対象装置は、時間間隔AのB倍の時にチャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号をB等分に分割して得られる分割チャレンジ信号を生成し、予め決定した順番に基づいて前記分割チャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信する請求項1または2記載の無線認証システム。
【請求項6】
認証対象装置は、時間間隔AのB倍の時にチャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号をB等分に分割して得られる分割チャレンジ信号を生成し、前記チャレンジ信号に含まれる送信順序情報に基づいて前記分割チャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信する請求項1または2記載の無線認証システム。
【請求項7】
携帯無線装置との間で所定の時間間隔Aで無線信号の送受信を行うことにより認証を行う認証対象装置であって、
前記時間間隔AのB倍(ただし、Bは自然数)の時間間隔毎に異なるチャレンジ信号を前記携帯無線装置へ送信できるように乱数を生成し、
前記時間間隔AのB倍の時に前記チャレンジ信号を送信してから前記時間間隔AのB倍へ至るまでの期間、前記チャレンジ信号を分割して得られる分割チャレンジ信号を前記時間間隔Aで前記携帯無線装置へ送信する
ことを特徴とする認証対象装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−259183(P2008−259183A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55989(P2008−55989)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【分割の表示】特願2007−180005(P2007−180005)の分割
【原出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】