説明

認証用バーコード付与方法

【課題】身元確認等の認証を行うために使用されるバーコードを付与する認証用バーコード付与方法を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、認証装置100が、被認証者の発信者番号を含むバーコード要求信号を、被認証者の携帯電話200から通信回線を通して受信するステップと、認証装置が、被認証者の発信者番号が顧客データベースに記録されているか否かを判定し、発信者番号が記録されていなかったときには、発信者番号が記録されていないことを示すメッセージを被認証者の携帯電話に通信回線を通して送信するステップと、認証装置が、発信者番号が記録されていたときに被認証者に固有のバーコードを生成するステップと、認証装置が、バーコードを被認証者の携帯電話に通信回線を通して送信すると共に、バーコードをバーコードデータベースに記憶するステップと、を備えているバーコード付与方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は認証用バーコード付与方法に関し、より詳細には、認証に利用される認証用バーコードを付与する認証用バーコード付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
個人の身元確認等の認証は、印鑑、付与されたパスワード、カードに設けられたエンボスまたは磁気テープ等を照合することによって行われていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに対し、本発明は、従来とは全く異なった方式で個人の身元確認等の認証を行うために使用されるバーコードを付与する認証用バーコード付与方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、
認証要求者の顧客である被認証者に付与されると共に記憶される前記被認証者に固有の認証用バーコードであって、前記被認証者が携帯電話に表示することによって前記認証要求者に提示され、前記提示された認証用バーコードが記憶されていたとき前記被認証者が認証される、携帯電話に表示される認証用バーコードを被認証者に付与するバーコード付与方法であって、
認証装置が、前記被認証者の発信者番号を含むバーコード要求信号を、被認証者の携帯電話から通信回線を通して受信するステップと、
前記認証装置が、前記被認証者の発信者番号が顧客データベースに記録されているか否かを判定し、前記被認証者の前記発信者番号が顧客データベースに記録されていなかったときには、前記被認証者が前記発信者番号が顧客データベースに記録されていないことを示すメッセージを前記被認証者の携帯電話に通信回線を通して送信するステップと、
前記認証装置が、前記被認証者の発信者番号が前記顧客データベースに記録されていたときに前記被認証者に固有のバーコードを生成するステップと、
前記認証装置が、該バーコードを前記被認証者の携帯電話に通信回線を通して送信すると共に、該バーコードをバーコードデータベースに記憶するステップと、を備えている、
バーコード付与方法が提供される。
【発明の効果】
【0005】
以上のように、本発明によれば、従来とは全く異なった方式で個人の身元確認等の認証を行うことができる認証方法等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態である認証装置を備えている認証システムを示すブロック図である。
【図2】バーコードの表示例を示す図面である。
【図3】認証装置が被認証者にバーコードを付与する際の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】認証装置がバーコードの判定を行って被認証者を認証する際の処理動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施形態で用いる表示部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、図面に沿って本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明の実施形態である認証装置100を備えている認証システムを示すブロック図であり、図2は、バーコードの表示例を示す図面であり、図3は、この認証装置100が識別標識となるバーコードを付与する際の処理動作を示すフローチャートであり、図4は、この認証装置100がバーコードの判定を行って顧客の認証を行う際の処理動作を示すフローチャートである。
【0009】
まず、図1に沿って、認証装置100の構成を説明する。認証装置100は、顧客管理用サーバであり、被認証者である顧客から要求に応じてこの顧客に認証用(身元確認用)バーコードを付与するバーコード付与手段110を備えている。バーコード付与手段110は、顧客データベース(DB)112と、バーコード生成手段114と、バーコード伝送手段116とを備えている。
【0010】
顧客データベース(顧客DB)112には、登録済み顧客の氏名と、携帯電話番号とを含む顧客情報が収容されている。また、バーコード生成手段114は、バーコード送受信端末である顧客の携帯電話200の発信装置(バーコード要求手段)202から電話回線(通信回線)を通してバーコード要求信号を受け、このバーコード要求信号に含まれる当該顧客の発信者番号、即ち、携帯電話番号に基づいて顧客データベース112を検索し、当該発信者番号を発見した場合にはバーコード、詳細には、バーコードに対応する信号(バーコード信号)を生成するように構成されている。このバーコードは、当該顧客が特定の店舗300で使用するためのものであり、顧客および店舗に対して一意的に生成される。即ち、バーコードは、当該顧客が、特定の店舗でしか使用できない固有のバーコードとなる。
【0011】
さらに、バーコード伝送手段116は、バーコード生成手段114が生成したバーコード、詳細には、バーコード信号を顧客およびバーコードデータベース122に伝送するように構成されている。この顧客へのバーコードの伝送は、通信回線を介して、顧客の携帯電話200の受信装置(バーコード受信手段)204にバーコード、詳細には、バーコード信号を伝送することによって行われる。バーコード信号は、例えば、GIF形式、JPEG形式に圧縮した画像フォーマットとして伝送されるのが好ましい。
【0012】
この実施形態では、携帯電話200は、伝送されたバーコード信号を記憶し、これに対応したバーコード400を、その場であるいはその後の呼び出しに応じて、液晶表示画面などの表示部206に表示できるように構成されている(図2)。携帯電話の所有者である顧客は、この認証システムの加盟者(店舗等)で買い物等を行う際、付与されたバーコード400を携帯電話の表示部206に表示させ、このバーコード400と自らが所有する携帯電話の番号(発信者番号)との組み合わせを、身元を確認させる手段(ID)として使用する。尚、表示部206には、バーコード400に加えて、登録の有効期限402や他のメッセージ404等を表示させるて利便性を向上させてもよい。
【0013】
尚、バーコードデータベース122には、バーコード信号と共に、当該バーコードを付与された顧客の発信者番号(携帯電話番号)も伝送され、両者が組み合わせて(対応付けられて)収容されるように構成されている。
【0014】
認証装置100は、さらに、顧客が買い物等をした店舗から送られてきた顧客のバーコード、詳細には、バーコード信号等に基づいて、当該顧客に認証を付与する即ち顧客の身元確認を行うバーコード判定装置120を備えている。
【0015】
バーコード判定装置120は、バーコードデータベース122と、バーコード照合手段124とを備えている。上述したように、バーコードデータベース122には、バーコード伝送手段116から伝送されたバーコード、詳細には、バーコード信号が、このバーコードが付与された顧客の発信者番号(携帯電話番号)と組み合わせて記憶されている。
【0016】
また、バーコード照合手段124は、認証要求者である店舗300のバーコード読取り装置302で読みとられバーコード確認手段304から送られてきたバーコード信号と携帯電話番号との組み合わせを、バーコードデータベース122に記憶されているバーコード信号とこのバーコードが付与された顧客の発信者番号(携帯電話番号)と組み合わせと照合して、店舗300から送られてきたバーコード信号と携帯電話番号との組み合わせが、適正であるか否かを判定するように構成されている。
【0017】
詳細には、店舗300から通信回線を介して送られてきたバーコード信号と携帯電話番号との組み合わせと同一の組み合わせが、バーコードデータベース122中に存在しているときには、店舗300から送られてきたバーコード信号と携帯電話番号との組み合わせが適正、即ち、当該店舗で買い物等をした顧客(バーコード使用者)は、顧客データベース112に登録された適正な使用者であると判定するように構成されている。そして、バーコード照合手段124は、店舗300のバーコード確認手段304に、当該店舗で買い物等をした顧客(バーコード使用者)が、適正な使用者である旨の信号、又は、適正な使用者でない旨の信号を伝送するように構成されている。
【0018】
次に、図3に沿って、認証装置100が認証用のバーコードを付与する際の作動(認証付与方法)を説明する。図3において、「S」は、認証装置100が実行する各処理のステップを示している。
【0019】
まず、この認証装置100による認証用のバーコードの付与を求める顧客が、認証装置100に対して通信回線を介してバーコード要求信号を発する。この実施形態では、顧客が携帯電話200から認証装置100に対して、電話をかけることにより、バーコード要求信号が、認証装置100に伝送されるように構成されている。顧客の携帯電話200のバーコード要求手段(発信装置)202からのバーコード要求信号には、当該携帯電話200の発信者番号(携帯電話番号)を示す信号が含まれているので、認証装置100に設けられたバーコード付与手段110のバーコード生成手段114が、顧客からのバーコード要求信号を受信することにより、発信者番号を受信することになる(S1)。
【0020】
次に、認証装置100では、バーコード生成手段114が、受信した顧客の発信者番号が顧客データベース112内に存在しているか否かを判定する(S2)ことによって、バーコードの付与を求める顧客が会員登録済みの顧客であるか否かをチェックする。受信した顧客の発信者番号が顧客データベース112内に存在していない場合には、登録済み顧客ではないので、作動を終了する。このとき、登録済みでは無い旨の、または、登録を促すメッセージを顧客側に返送するように構成してもよい。
【0021】
受信した顧客の発信者番号が顧客データベース112内に存在していた場合には、バーコード生成手段114が、当該顧客の特定の店舗300用のバーコード信号を生成し、バーコード伝送手段116に出力する(S3)。バーコード伝送手段116は、バーコード信号を、通信回線を介して、顧客の携帯電話200の受信装置(バーコード受信手段)204に伝送するとともに、バーコード判定手段120のバーコードデータベース122にも送る(S4)。このとき、バーコードデータベース122には、バーコード信号と共に、当該バーコードを発行された顧客の発信者番号(携帯電話番号)も伝送され、両者が組み合わせとして記録される(S4)。
【0022】
この実施形態の認証システムでは、携帯電話200は、伝送されたバーコード信号を記憶し、これに対応したバーコード400を、その場であるいはその後の呼び出しに応じて、表示部206に表示できるように構成されているので、携帯電話200の所有者である顧客は、この認証システムの加盟者(店舗300等)で買い物等を行う際、受信した(付与された)バーコード400を携帯電話の表示部206に表示させ、このバーコード400と自らが所有する携帯電話200の番号(発信者番号)とを組み合わせて、身元を確認させる手段(ID)として使用することになる。
【0023】
次に、図4に沿って、認証装置100が付与されたバーコードに基づいて認証を行う際の作動(認証方法)を説明する。図4において、「S」は、認証装置100が実行する各処理のステップを示している。
【0024】
この認証装置100による認証を求める顧客は、この認証システムの加入店300で買い物をする際、上述のようにして予め取得したバーコード400を、自らの携帯電話200の表示部206に表示させ(図3)、店舗300側のバーコード読取装置302に読取らせてバーコード確認手段304に入力させる。さらに、顧客は、当該携帯電話200の番号(発信者番号)を、バーコード確認手段304に、例えば、これに接続されたキーボードなど(図示せず)を介して、入力する。このようにして店舗300側で入力されたバーコード400に対応するバーコード信号と発信者番号との組み合わせが、認証装置100に送られ、顧客の身元確認、即ち、認証に使用される。
【0025】
認証装置100のバーコード照合手段124は、店舗300のバーコード読取り装置302で読みとられ、バーコード確認手段304から送られてきたバーコード、詳細には、バーコード信号と発信者番号との組み合わせを受信する(S10)。このときもバーコード信号は、例えば、GIF形式、JPEG形式に圧縮した画像フォーマットとして伝送されるのが好ましいが、他の方法で伝送されてもよい。
【0026】
バーコード照合手段124は、バーコードデータベース122に記憶されているバーコード信号とこのバーコードが付与された顧客の発信者番号(携帯電話番号)と組み合わせを検索して、店舗300から送られてきたバーコード信号と携帯電話番号との組み合わせが、バーコードデータベース122に存在しているか否かを判定する(S12)。存在していない場合には、正当な使用ではないと判断し、当該顧客は認証されていない旨の信号を確認手段304に送信する(S14)。又、存在している場合には、正当な使用である判断し、当該顧客が認証されている旨の認証信号をバーコード確認手段304に送信することによって、当該顧客の認証を行う(S16)。
【0027】
この認証システムは、例えば、買い物額に応じてキャッシュバック等を行う会員サービスのための顧客認証や、レンタルビデオ店の会員認証などの顧客管理に利用できるが、認証が必要とされるの他の種々の用途にも利用できる。
【0028】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲に内で種々の変更、変形が可能である。例えば、上記認証システムでは、認証が行われる店舗300が1つである場合を例に本発明を説明したが、このような店舗は複数であってもよい。この場合には、バーコード要求信号に、どの店舗で用いるバーコードを認証付与を要求するかを示す信号を含めるのがよい。また、バーコード要求信号に応答して、例えば図5に示すような、このシステムで認証を受けることができる店舗の選択肢A106、B108、C410、D412、E414を表示する画面を、顧客の携帯電話200の表示部206に送り、顧客に選択をさせるようにしてもよい。
【0029】
また、上記実施形態では、顧客データベース112は、登録済みの顧客名簿であったが、認証システムの利用形態によっては、電話会社の全ての加入者を含むもの、即ち、電話帳をデータベース化したものであってもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、バーコード送受信端末が単一の携帯電話200である場合を例にしたが、バーコード装置受信端末が、電話回線に接続されたパソコン等であってもよい。この場合、発信者信号は、パソコンが接続された固定電話の電話番号となる。さらに、この態様では、認証装置からダウンロードしたバーコード信号を、一旦、パソコンで受信し、バーコードを表示可能な表示部を備えた携帯電話または他の携帯端末に入力することになる。また、この態様においては、パソコンからのバーコード要求信号に、顧客が所有する携帯電話の電話番号を示す信号を含ませることにより、バーコード信号を顧客の所有する携帯電話で直接ダウンロードさせ、パソコンをバーコード要求手段として、携帯電話をバーコード受信手段として使用することもできる。
【0031】
また、上記実施形態は、バーコードと発信者番号(携帯電話番号)の組み合わせで本人確認を行い認証を行うように構成されているが、バーコード生成手段が生成したバーコード(バーコード信号)のみに基づいて、または、バーコード信号とパスワード等の他の暗号或いは信号とを組み合わせて、確認、認証を行うように構成してもよい。
【0032】
さらに、顧客データベース112に、顧客の信用情報も記憶させる等などしておき、バーコード照合手段が、店舗からの確認要請に応答して、バーコード等の照合を行う際にこの信用情報も併せて確認して店舗側に通知するように構成してもよい。このように構成すると、本発明の認証システムに、例えば、クレジットカードのような機能を持たせることもできる。
【0033】
さらに、上記実施形態では、店舗300が顧客に提示されたバーコードを認証装置100側に照会しているが、店舗300側に、バーコードデータベースと連動するデータベースを設けておく構成としてもよい。このような構成により、店舗300は、バーコードの照会を行うたびに、認証装置100との間で信号の送受信を行う必要がなく、自店舗内での照会が可能となる。
【0034】
更に、上記実施形態は、認証を求める顧客が携帯電話にバーコード表示し、これを店舗で読取らせるものであるが、認証を求める顧客(被認証者)が通信回線を使って、付与されたバーコード(バーコード信号)等を店舗(認証要求者)側に送り、店舗がバーコードとしてこれを読み取って、認証装置に対して照会を行う構成としてもよい。このような構成は、店舗が、銀行、クレジット会社等であり、これら銀行等で顧客が決済や発注を行う場合に対応できる。
【0035】
又、バーコード要求信号、および、バーコード信号等は、インターネットなどのネットワークを介して、伝送されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0036】
100:認証装置
110:バーコード付与手段
112:顧客データベース(DB)
114:バーコード生成手段
116:バーコード伝送手段
120:バーコード判定装置
122:バーコードデータベース
124:バーコード照合手段
200:バーコード送受信端末(携帯電話機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証要求者の顧客である被認証者に付与されると共に記憶される前記被認証者に固有の認証用バーコードであって、前記被認証者が携帯電話に表示することによって前記認証要求者に提示され、前記提示された認証用バーコードが記憶されていたとき前記被認証者が認証される、携帯電話に表示される認証用バーコードを被認証者に付与するバーコード付与方法であって、
認証装置が、前記被認証者の発信者番号を含むバーコード要求信号を、被認証者の携帯電話から通信回線を通して受信するステップと、
前記認証装置が、前記被認証者の発信者番号が顧客データベースに記録されているか否かを判定し、前記被認証者の前記発信者番号が顧客データベースに記録されていなかったときには、前記被認証者が前記発信者番号が顧客データベースに記録されていないことを示すメッセージを前記被認証者の携帯電話に通信回線を通して送信するステップと、
前記認証装置が、前記被認証者の発信者番号が前記顧客データベースに記録されていたときに前記被認証者に固有のバーコードを生成するステップと、
前記認証装置が、該バーコードを前記被認証者の携帯電話に通信回線を通して送信すると共に、該バーコードをバーコードデータベースに記憶するステップと、を備えている、
バーコード付与方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−225146(P2010−225146A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53354(P2010−53354)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【分割の表示】特願2009−70369(P2009−70369)の分割
【原出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(500208689)株式会社 ジェネス (3)
【Fターム(参考)】