説明

誘導電動機制御装置、誘導電動機制御方法

【課題】安価に構成でき、スター・デルタの切換えに伴う突入電流の発生を抑制可能な誘導電動機制御装置を提供する。
【解決手段】誘導電動機300の三相コイルをスター結線とするための第1のスイッチ110、111、112と、三相コイルをデルタ結線とするための第2のスイッチ120、121、122と、誘導電動機300を駆動するための電源の電源電圧を昇圧した昇圧電圧を生成する昇圧回路150、151、152と、電源電圧または昇圧電圧が三相コイルに印加されるよう、電源電圧または昇圧電圧を選択する第3のスイッチ160、161、162、170、171、172、180、181、182と、スター結線された三相コイルに電源電圧が印加された後に昇圧電圧が印加され、その後、デルタ結線された三相コイルに電源電圧が印加されるよう、第1〜3のスイッチを制御する制御回路210と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導電動機制御装置、誘導電動機制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導電動機、特にかご形誘導電動機の起動には、スター・デルタ起動方式が広く採用されている。この起動方式は、ブロワー、ポンプ、ターボブロアや、スタート初期はソフトに回して最終的にトルクが欲しいもの、例えば冷凍機とかコンプレッサなどに多く利用されており、経済的ではあるが、スターの57.7%の電圧が理論上固定化されていて、デルタ結線に移行する時の電圧差が大きく、電気的、機械的トラブルの要因となっている。特に電動機始動回路として使用した場合、スターからデルタへの切り換わり時の突入電流が、デルタ回路ヘ直に入れた場合の電流をはるかに越えた大電流が流れることがある。又、それによる機械的衝撃も、デルタ回路ヘ直に入れた場合の始動トルクの数倍もの停動トルクによる衝撃が、電源電圧の再投入により回転上昇途中で発生することが避けられず、機械的破損や寿命の短縮が避けられない。
【0003】
こういった問題に対して例えば特許文献1には、誘導電動機が所定の速度まで加速された後にスター結線からデルタ結線に切り換わる際に、誘導電動機のコイルがいったん電源から切り離されるオープンサーキットトランジション方式では、コイル内の残留電圧の位相と電源電圧の位相とが一致するわけではないので、両者の位相差によっては過大な突入電流が発生することがあり、電磁接触器の接点の溶着、電源電圧の異常降下、過電流遮断器のトリップなどのトラブルが発生しやすいため、コイルが電源から切り離されることがない、クローズドサーキットトランジション方式を用いた制御回路が示されている。
【0004】
すなわち、この特許文献1の誘導電動機のスターデルタ起動装置においては、誘導電動機の各コイルに挿入される起動抵抗の抵抗値を、スター結線状態から過渡デルタ結線状態に移る時点を適切に設定する条件の下で、誘導電動機が過渡デルタ結線状態において、最大トルク発生速度下における起動抵抗が挿入されないデルタ結線状態で、持つべきトルクに対する起動抵抗が挿入された誘導電動機の過渡デルタ結線ヘの切換え時におけるトルク比を、1/4〜1/3の間の値、又は1/3前後の値とし、スター結線からデルタ結線ヘの切換え時に発生する突入電流の値を抑制しながら、十分な加速トルクを持たせて誘導電動機を円滑にかつ確実に起動させることができるようにしている。
【0005】
また特許文献2には、スター結線とデルタ結線のコイル切換えの際、電源側から見た電動機インピーダンスが1/3に急変することになるため、電源からの電流が3倍となり、場合によっては電力変換器が許容できる電流容量の限界範囲を超えることが生じるから、スター結線とデルタ結線のコイル切換えを無段階にシームレスに行うため、電子スイッチにより、スター結線とデルタ結線とを一定の比率で交互に切換えるようにした、スター・デルタ制御装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−116164号公報
【特許文献1】特開2001−339990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特許文献1に示されたクローズドサーキットトランジション方式は、起動抵抗をコイルに接続したり切り離したりしながらスター結線からデルタ結線に切換えるため、コイルが電源から切り離されることがなく、過大な突入電流が発生することがないという利点があるが、容量が大きくなると抵抗も大容量のものが必要になり、それだけ高価になる。
【0008】
また特許文献2に示されたスター・デルタ制御装置は、スター結線とデルタ結線とを一定の比率で交互に切換えるための制御回路が複雑で高価にならざるを得ず、また、インバータを用いた方式そのものが高価であると共に寿命が短い。また、インバータには数%のロスがあるため、寿命を7年程度としてその間のロスを金額換算すると、新たなインバータ制御装置を購入できる程の額になってコスト的にも問題となる。
【0009】
そのため本発明においては、安価に構成でき、スター・デルタの切換えに伴う突入電流の発生を抑制可能な誘導電動機制御装置を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一つの側面に係る誘導電動機制御装置は、誘導電動機の三相コイルをスター結線とするための第1のスイッチと、前記三相コイルをデルタ結線とするための第2のスイッチと、前記誘導電動機を駆動するための電源の電源電圧を昇圧した昇圧電圧を生成する昇圧回路と、前記電源電圧または前記昇圧電圧が前記三相コイルに印加されるよう、前記電源電圧または前記昇圧電圧を選択する第3のスイッチと、スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加された後に前記昇圧電圧が印加され、その後、デルタ結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されるよう、前記第1〜3のスイッチを制御する制御回路と、を備え、前記昇圧回路は、スター結線された前記三相コイルに前記昇圧電圧が印加された際の前記三相コイルの電圧が、スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加された際の前記三相コイルの電圧より高く、且つデルタ結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加された際の前記三相コイルの電圧より低くなるよう、前記電源電圧を昇圧すること、を特徴とする。
【0011】
上記課題を解決するため本発明の一つの側面に係る誘導電動機制御方法は、
三相電源に接続された誘導電動機におけるコイルをスター結線とデルタ結線とに切換えて制御する誘導電動機制御方法において、
前記誘導電動機コイルのスター結線状態で、前記スター結線状態における前記コイルの電圧とデルタ結線状態における前記コイルの電圧との中間電圧を前記誘導電動機コイルに印加し、前記誘導電動機が一定回転数で回転する状態に達した時点で前記中間電圧の印加の停止とデルタ結線ヘの切換えを行って、スター結線状態において前記誘導電動機を加速した後デルタ結線に切換えるようにしたことを特徴とする。
【0012】
そしてこの誘導電動機制御方法を実施する装置は、
三相電源に接続された誘導電動機と、該誘導電動機のコイルをスター結線とする第1のスイッチ及びデルタ結線とする第2のスイッチと、前記第1のスイッチと第2のスイッチとを切換え、前記誘導電動機をスター結線で起動してデルタ結線で駆動する制御手段とを有した誘導電動機制御装置において、
前記三相電源の各相に対応して設けられ、前記スター結線状態における前記コイルの電圧とデルタ結線状態における前記コイルの電圧との中間電圧となる電圧を前記スター結線状態のコイルに印加する昇圧トランスと、前記第1のスイッチによるスター結線状態で前記昇圧トランスにより昇圧された電圧を前記誘導電動機の対応するコイルに印加するよう動作し、前記誘導電動機がスター結線における定格回転数に達した状態で前記昇圧トランスを切り離す複数のスイッチ群とが設けられ、前記制御手段は、前記スイッチ群を制御して、スター結線状態で前記昇圧トランスにより昇圧した電圧を前記誘導電動機コイルに印加し、前記誘導電動機が一定回転数で回転する状態で前記昇圧トランスを切り離して前記第2のスイッチでデルタ結線状態に移行するよう制御することを特徴とする。
【0013】
このようにスター結線状態において、スター結線状態におけるコイルの電圧とデルタ結線状態におけるコイルの電圧との中間電圧を誘導電動機コイルに印加し、それによって誘導電動機を加速した後デルタ結線に切換えることで、誘導電動機コイルへの印加電圧は中間電圧の存在でスター・デルタ切換え時の電圧差が小さくなり、それだけスムーズにスター・ デルタの切換えをおこなうことができる。また、この中間電圧の印加を昇圧トランスで行うことで、トランスはインバータに比較して安価で長寿命であり、構成も簡単にできるから、誘導電動機制御装置そのものを安価に提供することができる。
【0014】
そして昇圧トランスによる中間電圧の印加と切り離しを行うため、前記複数のスイッチ群は、前記三相電源の各相と前記誘導電動機の対応するコイルとの間に接続された第3のスイッチと、前記それぞれの昇圧トランスにおける一次側の一端と前記三相電源の各相との間に設けられた第4のスイッチと、前記それぞれの昇圧トランスにおける一次側他端の互いに結合された結合点と前記一次側他端との間に接続された第5のスイッチとからなり、前記昇圧トランスにおける昇圧側は、前記第3のスイッチと誘導電動機コイル間に接続することで、非常に簡単な構成で中間電圧の印加と切り離しを行うことができる。なお、これらスイッチ群は、通常のリレーなどで構成することで安価で長寿命とすることができるが、半導体素子を用いて構成しても良いことは勿論である。
【0015】
また、前記スター結線状態における前記コイルの電圧とデルタ結線状態における前記コイルの電圧との中間電圧の印加は、スター結線後に前記誘導電動機コイルの電流が一定値となった状態で行うようにし、そのため、前記誘導電動機コイルに流れる電流の検知手段と誘導電動機回転数の検知手段とを有し、前記制御手段は、前記第1のスイッチによるスター結線状態で、前記電流検知手段からの誘導電動機電流が一定値状態に達した信号を受けて前記昇圧トランスで昇圧した電圧を前記誘導電動機コイルに印加し、前記誘導電動機回転数検知手段からの誘導電動機回転数が一定値状態に達した信号を受けて前記誘導電動機コイルへの昇圧トランスからの昇圧電圧印加を停止させ、前記第2のスイッチによるデルタ結線状態に移行させるよう、前記スイッチ群のON/OFFを制御するよう構成されていることで、誘導電動機のコイルに流れる電流、回転数で昇圧電圧のコイルへの印加、デルタ結線ヘの移行を行うから、スター結線、加速、デルタ結線ヘの移行の切換えに伴う突入電流を生じさせず、切換えを確実に効率よく行うことができる。
【0016】
さらに、前記スター結線状態における前記コイルの電圧とデルタ結線状態における前記コイルの電圧との中間電圧の生成を昇圧トランスで行い、前記誘導電動機の始動時における前記三相電源の誘導電動機コイルへの接続を、前記昇圧トランスの一部を経由させることで前記昇圧トランスの一部をリアクトルとして動作させ、前記三相電源の電圧降下が回復した後、前記中間電圧を前記誘導電動機コイルに印加し、そのため、前記三相電源の電圧検知手段を有し、前記制御手段は、前記誘導電動機の始動に伴う第1のスイッチによるスター結線状態で、前記三相電源を前記昇圧トランスの一部を経由して前記誘導電動機コイルに接続させ、前記電圧検知手段による前記三相電源の電圧降下回復信号を受けて前記昇圧トランスの一部経由を停止して前記三相電源を直接前記誘導電動機コイルに接続させ、前記電圧検知手段による前記三相電源の電圧降下の再度の回復信号を受けて前記昇圧トランスで昇圧した電圧を前記誘導電動機コイルに印加する状態に移行するよう、前記スイッチ群のON/OFFを制御するよう構成されていることで、誘導電動機コイルに最初に印加される電圧は、昇圧トランスの一部を経由してリアクトルが接続されたと同じ状態で低い電圧が印加され、次の三相電源が直接スター結線状態の誘導電動機コイルに印加される状態、昇圧された電圧が印加される状態、デルタ結線による電圧が印加される状態、と、順次高い電圧が4段階で印加されるようになる。そのため、例えば三相電源が発電機の場合、スター結線からデルタ結線に直接移行すると定格電流の3倍位の容量の発電機が必要となるが、本実施形態ではそれぞれの段階における電圧降下は1/4であるから、定格電流の1倍か1.1倍の程度の小容量の発電機で済み、経済的にスター・デルタの切換えを行うことができる。また、複数の誘導電動機がたまたま同時に始動するようなことがあっても、それぞれの突入電流が小さいから、問題を生じることがない。
【発明の効果】
【0017】
安価に構成でき、かつ、スター・デルタの切換えに伴う突入電流の発生を抑制可能な誘導電動機制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態である誘導電動機制御装置の構成を示す図である。
【図2】実施例1において誘導電動機制御装置が実行するフロー図の一例である。
【図3】実施例1における誘導電動機制御装置の動作を説明するためのタイミングチャートの一例である。
【図4】実施例2において誘導電動機制御装置が実行するフロー図の一例である。
【図5】実施例2における誘導電動機制御装置の動作を説明するためのタイミングチャートの一例である。
【図6】本発明の一実施形態ある始動器100の構成を示す図である。
【図7】コイル150の詳細を示す図である。
【図8】始動器100の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】コイル150に流れる電流を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施形態ある始動器500の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0020】
図1に示す誘導電動機制御装置は、三相電源に接続された誘導電動機におけるコイル(三相コイル)を、スター結線とデルタ結線とに切換えるに際し、スター結線状態で、スター結線状態におけるコイルの電圧とデルタ結線状態におけるコイルの電圧との中間電圧を誘導電動機コイルに印加し、それによって誘導電動機を加速し、その後、デルタ結線に切換えるようにしたものである。
【0021】
このようにすることで、誘導電動機コイルへの印加電圧は中間電圧の存在でスター・デルタ切換え時の電圧差が小さくなり、それだけスムーズにスター・デルタの切換えをおこなうことができる。また、この中間電圧の印加を昇圧トランスと複数のスイッチ群で行うようにしたから、トランスはインバータに比較して安価で長寿命であり、構成も簡単にできるから、誘導電動機制御装置そのものを安価に提供することができる。
【0022】
そして中間電圧の印加は、スター結線後に誘導電動機コイルの電流が一定状態となった状態でおこない、デルタ結線ヘの移行は、誘導電動機が一定回転数状態になった状態で行うようにして、スター結線、加速、デルタ結線ヘの移行の切換えに伴う突入電流を生じさせず、切換えを確実に効率よく行えるようにしている。
【0023】
また、スター結線状態にしたときに初期始動として、三相電源から誘導電動機コイルへの電圧印加を昇圧トランスの一部を経由させ、リアクトルを間に入れた状態として、スター結線状態におけるコイル電圧よりさらに低い電圧を印加できるようにしている。このようにすると、スター結線による電圧印加前に低い電圧を誘導電動機に印加することになり、その後、三相電源が直接スター結線状態の誘導電動機コイルに印加される状態、三相電源を昇圧した中間電圧を印加する状態、デルタ結線による電圧が印加される状態、と、順次高い電圧へ4段階で印加できるようになる。そのため、例えば三相電源が発電機の場合でも、それぞれの段階における電圧降下は1/4であるから、定格電流の1倍か1.1倍の程度の小型の容量の発電機で済み、経済的にスター・デルタの切換えを行うことができる。
【0024】
==実施例1==
図1は、本発明の一実施形態である誘導電動機制御装置の構成を示すブロック図であり、図2は誘導電動機制御装置が実行するフロー図、図3は誘導電動機制御装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。図3のタイミングチャートは説明のため、時問間隔は実際のものとは異なっており、最上段に記した「始動(スター)」はスター結線により誘導電動機を始動する期間を、「加速(スター昇圧)」はスター結線状態で誘導電動機のコイルに昇圧した電圧を印加し、加速する期間を、「運転(デルタ)」はデルタ結線として運転状態であることを示している。(1)の「PB」は誘導電動機をプッシュボタンにより始動することを示しており、タイムチャートでは誘導電動機の停止までの間動作しているように描いたが、実際には回路的にON信号のみが自己保持される形式のものが好ましく、そのように動作させればよいからプッシュボタンにはこだわらない。
【0025】
(2)から(5)は図1におけるSW1からSW5のON/OFF状態を,(7)は始動時の誘導電動機の電流が一定状態となるImを越えた状態で信号を発することを示していて、これは予め試運転時などに誘導電動機の電流が一定状態Imとなるまでの時間を測定しておき、タイマーによって図示したような信号を発してスイッチを切り換えるようにしてもよい。(8)は誘導電動機(モータ)の回転数が一定状態となるNを越えた状態で信号を発することを示していて、これも予め試運転時などに誘導電動機の回転数が一定回転数Nとなるまでの時間を測定しておき、タイマーによって図示したような信号を発してスイッチを切り換えるようにしてもよい。
【0026】
なお、誘導電動機の電流が一定状態Imとなるまでの時間を測定するタイマーは、スター結線された三相コイルに電源電圧が印加されてから計時を開始するタイマーであり、図1では図示しないが、例えば、制御回路22の内部に設けられる。また、誘導電動機の回転数が一定回転数Nとなるまでの時間を測定するタイマーは、スター結線された三相コイルに昇圧電圧が印加されてから計時を開始するタイマーであり、図1では図示しないが、例えば、制御回路22の内部に設けられる。
【0027】
図1において10は、誘導電動機のスター・デルタ切換えを制御する制御装置であり、12は昇圧トランス(Ta、Tb、Tc)18に三相電源36を接続するための複数のスイッチSW4a、SW4b、SW4cからなる第4のスイッチ、14は三相電源36を誘導電動機(モータ)30のコイル(巻線)に接続するためのSW3a、SW3b、SW3cからなる第3のスイッチ、16は昇圧トランス(Ta、Tb、Tc)18の昇圧電圧を誘導電動機(モータ)30の負荷に応じ、例えばデルタ結線状態における誘導電動機(モータ)30のコイル電圧の70%または75%に切換えるための昇圧電圧切換え用のタップスイッチで、このタップスイッチ16は負荷が一定であれば特に切り換える必要はない。20は昇圧トランス(Ta、Tb、Tc)18の三相電源36とは逆側の端を互いに結合している結合点ヘの断・接を切換えるSW5a、SW5b、SW5cからなる第5のスイッチ、22はスター・デルタ切換えを制御する制御手段たる制御回路、24は誘導電動機30のコイルに流れる電流を検出する電流検出器、32は誘導電動機30のコイルをデルタ結線するための第2のスイッチ(SW2)、34は同じくスター結線するための第1のスイッチ(SW1)、38は三相電源36の電圧を検出する電圧検出器、40は誘導電動機(モータ)30の回転数を検出する回転数検出器である。なお、制御回路22は、例えば、後述する図2や図4のような処理を実行するシーケンサーであり、第1のスイッチ(SW1)34〜第5のスイッチ(SW5)20のオン、オフを制御する。また、昇圧トランス(Ta、Tb、Tc)18は、いわゆる単巻トランスである。さらに、誘導電動機(モータ)30のコイルは、三相コイルに相当する。
【0028】
このうち昇圧トランス(T)18は、図示したように途中のタップが第4のスイッチ(SW4)12を介して三相電源36の各相と接続され、他端は第5のスイッチ(SW5)20を介して各相が結合されて、この第5のスイッチ(SW5)20の逆側端が昇圧側として第3のスイッチ(SW3)14と誘導電動機(モータ)30との間に接続されている。また、第4のスイッチ(SW4)12、第3のスイッチ(SW3)14、第5のスイッチ(SW3)20は、前記したようにそれぞれ複数のスイッチを有してスイッチ群を構成している。なお、これらスイッチ群は、通常のリレーなどで構成することで安価で長寿命とすることができるが、サイリスタなどの半導体素子を用いて構成しても良いことは勿論である。また、昇圧トランス(T)18、第4のスイッチ(SW4)12、第5のスイッチ(SW5)20は、昇圧回路に相当する。さらに、制御装置10、電流検出器24、電圧検出器38、回転数検出器40が誘導電動機制御装置に相当する。
【0029】
誘導電動機(モータ)30のスター・デルタ切換えを制御する制御装置10は、図2のフロー図に示されたステップS10で処理がスタートし、ステップS12、すなわち図3の時間tで(1)で示したPBがONされると、図2のステップS14、図3の(2)、(4)に示したようにスター結線用の第1のスイッチ(SW1)34、第3のスイッチ(SW3)14がONされる。そのため誘導電動機(モータ)30は、スター結線状態で始動される。そしてその間に図2のステップS16、図3の時間tで昇圧トランス(T)18に三相電源36からの電圧を印加するための第4のスイッチ(SW4)12がONされる。
【0030】
すると制御回路22は、図2のステップS18で電流検出器24で誘導電動機(モータ) 30のコイルに流れる電流を検出し、ステップS20でその電流が、予め定めた誘導電動機(モータ)30におけるスター結線時の一定電流Im以上になったか、すなわち前記したようにタイマーを用いる場合はその時問になったか否かを判断し、達していない場合(タイマーに設定した時間になっていない場合)はステップS18に戻り、越えている場(タイマーに設定した時間になった場合)は図3(7)に示したように時間tで信号を発し、ステップS22に進む。
【0031】
そして制御回路22は、この図2のステップS22で、図3における(4)、(6)に
示したように、図1における誘導電動機(モータ)30を直接スター結線とする第3のスイッチ(SW3)14をOFFし、昇圧トランス(T)18の一端を互いに結合する第5のスイッチ(SW5)20をONとする。そのため三相電源36は、昇圧トランス(T)18を介して誘導電動機(モータ) 30に接続されることになり、昇圧された電圧が誘導電動機(モータ) 30に印加され、誘導電動機(モータ) 30は加速される。このときの昇圧トランス(T)18の昇圧電圧は、誘導電動機(モータ)30のスター結線状態におけるコイル電圧とデルタ結線状態におけるコイルの電圧との中間の電圧、すなわちスター結線状態におけるコイル電圧の2割り増し、デルタ結線状態におけるコイルの電圧の7割程度の電圧となるよう昇圧トランス(T)18の巻線比を決定する。
【0032】
この状態で制御回路22は、図2のステップS24で図1の回転数検出器40により誘導電動機(モータ)30の回転数を検出し、ステップS26でその回転数が、スター結線状態における一定回転数Nで回転する状態に達したか、すなわち前記したようにタイマーを用いる場合はその時間になったか否かを判断し、達していない場合(タイマーに設定した時間になっていない場合)はステップS24に戻って同じことを繰り返し、達している場合(タイマーに設定した時間になった場合)は図3の(8)に示したように時間tで信号を発し、ステップS28に進む。
【0033】
そしてこのステップS28で、図3の(2)、(6)に示したように、スター結線用の第1のスイッチ(SWI)34、昇圧トランス(T)18の端部を互いに結合する第5のスイッチ(SW5)20をオフし、図3の(3)、(4)に示したように、デルタ結線用の第2のスイッチ(SW2)32、三相電源36を直接誘導電動機(モータ)30に接続するための第3のスイッチ(SW3)14をONし、デルタ結線に切換える。
【0034】
そのため誘導電動機(モータ)30はデルタ結線で駆動され、運転状態となる。なお、その後、図2のステップS30で昇圧トランス(T)18に三相電源36を接続するための第4のスイッチ(SW4)12がOFFされ、誘導電動機(モータ)30を停止する場合は図2のステップS32、図2の(1)における時間 tでPBがOFFされ、誘導電動機(モータ)30が停止してステップS34で処理が終了する。
【0035】
このようにして誘導電動機(モータ)30のスター・デルタを切換えることで、誘導電動機コイルへの印加電圧は中間電圧の存在でスター・デルタ切換え時の電圧差が小さくなリ、またスター結線状態でスター状態より高圧の電圧が印加されることで誘導電動機(モータ)30は加速され、それだけスムーズにスター・デルタの切換えをおこなうことができる。また、この中間電圧の印加を昇圧トランスで行うことで、トランスはインバータに比較して安価で長寿命であり、構成も簡単にできるから、誘導電動機制御装置そのものを安価に提供することができる。
【0036】
==実施例2==
次に、誘導電動機のスター・デルタ切換えの制御方法の実施例2について説明する。なお、この実施例2は、スター結線状態にしたときに初期始動として、三相電源から誘導電動機コイルへの電圧印加を昇圧トランス18の一部を経由させ、リアクトルを間に入れた状態として、スター結線状態におけるコイル電圧よりさらに低い電圧を印加するものである。このようにすると、スター結線による電圧印加前に低い電圧を誘導電動機(モータ)30に印加することになり、その後、三相電源を直接スター結線された誘導電動機コイルに印加する状態、三相電源を昇圧した中間電圧をスター結線された誘導電動機コイルに印加する状態、デルタ結線による電圧が印加される状態、と、順次高い電圧ヘ4段階で印加できるようになる。
【0037】
この実施例2については、図1の制御ブロック図をそのまま用い、図4に示したフロー図と図5に示したタイムチャートに従って説明する。なお、図5のタイミングチャートは説明のため、時間間隔は実際のものとは異なっており、最上段に記した「初期」はスター結線状態で、前記した昇圧トランス18の一部をリアクトルとして利用して、低い電圧を印加する始動初期の状態を、「始動(スター)」はこの昇圧トランス18の一部をリアクトルとすることを止め、スター結線により誘導電動機を始動する期間を、「加速(スター昇圧)」はスター結線状態で誘導電動機のコイルに昇圧した電圧を印加し、加速する期間を、「運転(デルタ)」はデルタ結線として運転状態であることを示している。(11)の「PB」は誘導電動機を始動するためのプッシュボタンであり、前記したように回路的にON信号のみが自己保持される形式のものが好ましい。(12)から(15)は図1におけるSW1から SW5のON/OFF状態を、(17)、(18)は初期始動時、スター結線による始動時の三相電源36の電圧降下が回復し、電圧V (三相電源36の本来の電圧)となった状態で信号を発することを示していて、これは予め試運転時などに誘導電動機の電圧降下が回復してVとなるまでの時間を測定しておき、タイマーによって図示したような信号を発してスイッチを切り換えるようにしてもよい。(19)は誘導電動機(モータ)の回転数が一定状態となるNを越えた状態で信号を発することを示していて、これも予め試運転時などに誘導電動機の回転数が一定回転数Nとなるまでの時間を測定しておき、タイマーによって図示したような信号を発してスイッチを切り換えるようにしてもよい。
【0038】
前記した実施例1のスター・デルタ切換え制御方法では、誘導電動機(モータ)30の始動に当たってスター結線した誘導電動機(モータ)30に直接三相電源36から電圧を印加したが、この場合、値は低いが突入電流が生じる。そのため、例えば自家発電機で誘導電動機(モータ)30を駆動する場合、誘導電動機(モータ)30の定格電流より大きな電流容量の自家発電機を備える必要があるが、この実施例2のスター・デルタ切換え制御方法では、前記したように定格電流の1倍か1.1倍程度の小型の容量の発電機で経済的にスター・デルタの切換えを行うことができる。
【0039】
図4のフロー図に示されたステップS40で処理がスタートし、ステップS42、すなわち図5の時間 tで(1)で示したPBがONされると、図4のステップS44、図5の(12)、(15)に示したように、スター結線用の第 1のスイッチ(SWI)34、第4のスイッチ(SW4)12がONされる。そのため誘導電動機(モータ)30のコイルには、三相電源36から第4のスイッチ(SW4)12、昇圧トランス(T)18を経由して電圧が印加され、昇圧トランス(T)18における電源入力端から昇圧側端までのコイルがリアクトルとして働き、電圧降下が生じてその分、低い電圧が印加される。
【0040】
この電圧は、デルタ結線時のコイル電圧の40%程度となるようにすると、誘導電動機 (モータ)30は回転しない状態の場合もありうるが、この場合、誘導電動機(モータ)30のコイルに接続したことによる電圧降下は短時間で回復するから、ステップS46で制御回路22は、図1の電圧検出器38で三相電源36の電圧を監視し、ステップS48で初期始動電圧降下が回復して所定の電圧Vになったどうか、すなわち前記したように夕イマーを用いる場合はその時間になったか否かを判断する。回復していない場合(タイマーに設定した時間になっていない場合)はステップS46に戻って電圧の監視を続けるが、回復した場合(タイマーに設定した時間になった場合)はステップS50に進む。
【0041】
このステップS50で制御回路22は、図5(17)に示したように、初期始動電圧Vが回復したとして時間 tで信号を出力し、第3のスイッチ(SW3)14をON、第4のスイッチ(SW4)をOFFしてスター結線状態の誘導電動機(モータ)30のコイルに三相電源36の電圧をそのまま印加し、スター結線状態での始動状態とする。そしてこの状態で制御回路22は、図1の電圧検出器38で三相電源36の電圧を監視し、ステップS52で、スター結線状態としたことにより生じた始動電圧降下が回復して所定の電圧Vになったかどうか、すなわち前記したようにタイマーを用いる場合はその時間になったか否かを判断し、回復していない場合(タイマーに設定した時間になっていない場合)は監視を続け、回復した場合(タイマーに設定した時間になった場合)はステップS54に進む。
【0042】
このステップS54で制御回路22は、図5(18)に示したように、始動電圧がVに回復したとして時間 tで信号を出力し、(14)、(15)に示したように、図1における誘導電動機(モータ)30を直接スター結線とする第3のスイッチ(SW3)14をOFFし、第4のスイッチ(SW4)と昇圧トランス(T)18の一端を互いに結合する第5のスイッチ(SW5)20をONとする。そのため三相電源36は、昇圧トランス(T) 18を介して誘導電動機(モータ)30に接続されることになり、昇圧された電圧が誘導電動機(モータ)30に印加され、誘導電動機(モータ) 30は加速される。このときの昇圧トランス(T)18の昇圧電圧は、誘導電動機(モータ)30のスター結線状態におけるコイル電圧とデルタ結線状態におけるコイルの電圧との中間の電圧、すなわち前記したように、スター結線状態におけるコイル電圧の2割り増し、デルタ結線状態におけるコイル電圧の7割程度の電圧とする。
【0043】
この状態で制御回路22は、図4のステップS56で図1の回転数検出器40により誘
導電動機(モータ)30の回転数を検出し、ステップS58でその回転数が、スター結線状態における一定回転数状態の回転数Nに達したか否か、すなわち前記したようにタイマーを用いる場合はその時間になったか否かを判断し、達していない場合(タイマーに設定した時間になっていない場合)はステップS56に戻って同じことを繰り返し、達している場合(タイマーに設定した時間になった場合)は図5の(19)に示したように、時間tで信号を発し、ステップS60に進む。
【0044】
そしてこのステップS28で、図 5の(12)、(66)に示したように、スター結線用の第1のスイッチ(SW1)34、昇圧トランス(T)18の端部を互いに結合する第5のスィッチ(SW5)20をオフし、図 5の(13)、(14)に示したように、デルタ結線用の第2のスイッチ(SW2)32、三相電源36を直接誘導電動機(モータ)30に接続するための第3のスイッチ(SW3)14をONし、デルタ結線に切換える。
【0045】
そのため誘導電動機(モータ)30はデルタ結線で駆動され、運転状態となる。なおその後、図2のステップS62で昇圧トランス(T)18に三相電源36を接続するための第4のスィッチ(SW4)12がOFFされ、誘導電動機(モータ)30を停止する場合は図4のステップS64、図5の(1)における時間 tl0でPBがOFFされて、誘導電動機(モータ)30が停止してステップS66で処理が終了する。
【0046】
このようにして誘導電動機(モータ)30のコイルへの印加電圧をステップS44で示した初期始動電圧、ステップS50で示したスター結線始動電圧、ステップS54で示したスター結線状態における昇圧電圧、ステップS60で示したデルタ結線電圧、と4段階で徐々に印加電圧を上げていくと共に、ステップS48、ステップS52で判断したようにそれぞれの段階における電圧降下が回復したか否かを判断して次のステップに移行している。そのため、前記したように例えば三相電源36が発電機の場合、スター結線からデルタ結線に直接移行すると定格電流の3倍位の容量の発電機が必要となるが、本実施形態ではそれぞれの段階における電圧降下は1/4であり、定格電流の1倍か1.1倍の程度の小型の容量の発電機で済み、経済的にスター・デルタの切換えを行うことができる。
【0047】
誘導電動機制御装置は、簡単な構成でコスト的に安価に、長寿命に構成でき、かつ、切換えに伴う突入電流を生じさせずに効率よくスター・デルタの切換えが可能であるから、誘導電動機制御方法と装置として、大きな効果を呈する。
【0048】
==始動器の第1の実施形態==
本発明の一実施形態である始動器の構成について説明する。図6は、始動器の第1の実施形態である始動器100の構成を示す図である。始動器100(誘導電動機制御装置)は、三相電源の電圧が入力され、かご形の誘導電動機(以下、単にモータとする)300を始動するための機器であり、スイッチ110〜112,120〜122,130〜133,160〜162,170〜172,180〜182、コイル150〜152、タイマー200、及び制御回路210を含んで構成される。また、モータ300は、三相コイルL1〜L3を含む三相モータである。
【0049】
スイッチ110〜112は、三相コイルL1〜L3をスター結線とするためのスイッチである。スイッチ110〜112の全てがオンとなると、三相コイルL1〜L3はスター結線される。また、スイッチ110〜112は、制御回路210の制御に基づいてオン、オフするリレースイッチである。なお、以下、特に記載しないが、本実施形態の他のスイッチもスイッチ110〜112と同様に、制御回路210によりオン、オフが制御されるリレースイッチである。
【0050】
スイッチ120〜122は、モータ300の三相コイルL1〜L3をデルタ結線するためのスイッチである。スイッチ120〜122の全てがオンとなると、三相コイルL1〜L3はデルタ結線される。なお、本実施形態では、三相コイルL1とスイッチ120とが接続されるノードをノードA、三相コイルL2とスイッチ121とが接続されるノードをノードB、三相コイルL3とスイッチ122とが接続されるノードをノードCとする。また、スイッチ110〜112は、第1のスイッチに相当し、スイッチ120〜122は、第2のスイッチに相当する。
【0051】
スイッチ130には、三相電源のU相の電圧Vuが印加され、スイッチ131には、三相電源のV相の電圧Vvが印加され、スイッチ132には、三相電源のW相の電圧Vwが印加される。
【0052】
コイル150は、電圧Vuを昇圧した昇圧電圧を端子Taに生成する。コイル150は、一方の端子Ta(第1端子)と他方の端子Tb(第2端子)との間に、タップ端子(以下、単にタップと称する)t0と、タップt10とを有する。また、端子Taはスイッチ170に接続され、端子Tbはスイッチ160に接続される。タップt0(第3端子)は、スイッチ130に接続され、タップt0と端子Tbとの間に設けられたタップt10(第4端子)は、スイッチ180に接続される。なお、図6では、始動器100の構成を容易に理解できるよう、便宜上コイル150は簡略化されて描かれているが、実際のコイル150は、例えば図7に示すような単巻変圧器400の鉄心410に巻かれている。なお、本実施形態コイル150は、例えば、端子Taからタップt0まではN1回巻かれ、タップt0からタップt10まではN2回巻かれていることとする。
【0053】
スイッチ160の一端は、端子Tbに接続され、他端は、スイッチ161,162に接続される。このため、スイッチ160〜162がオンとなると、コイル150〜152はスター結線される。つまり、スイッチ160〜162の夫々が接続されるノードは、いわゆる中性点となる。コイル150〜152がスター結線された状態では、コイル150〜152は、タップt0の電圧を昇圧する昇圧コイルとして動作する。このため、タップt0に電圧Vuが印加されると、端子Taには、電圧Vuを昇圧した昇圧電圧が生成される。なお、スイッチ160〜162は、第4のスイッチに相当する。
【0054】
コイル151は、三相電源のV相の電圧Vvを昇圧した昇圧電圧を端子Tcに生成する。コイル152は、三相電源のW相の電圧Vwを昇圧した昇圧電圧を端子Teに生成する。コイル151,152は、コイル150と同様であるため、コイル151,152の詳細な説明は省略する。
【0055】
スイッチ170は、コイル150の端子TaとノードAとを接続し、スイッチ171は、コイル151の端子TcとノードBとを接続し、スイッチ172は、コイル152の端子TeとノードCとを接続する。なお、スイッチ170〜172は、第5のスイッチに相当する。
【0056】
スイッチ180は、コイル150のタップt10とノードAとを接続し、スイッチ181は、コイル151のタップt11とノードBとを接続し、スイッチ182は、コイル152のタップt12とノードCとを接続する。なお、スイッチ180〜182は、第6のスイッチに相当する。また、スイッチ160〜162,170〜172,180〜182は第3のスイッチに相当する。
【0057】
タイマー200は、例えば、スイッチ130〜132がオンされ、タップt0〜t2に電源Vu,Vv、Vwの夫々が印加されてからの時間を計時する。
【0058】
制御回路210(制御回路)は、モータ300を始動させるための始動信号が入力されると、所定のタイミングで、前述したスイッチのオン、オフを制御するシーケンサーである。なお、始動信号は、例えば、始動器100の操作部(不図示)に設けられ、モータ300を始動するための始動スイッチ(不図示)を利用者がオンすることにより発生する。また、制御回路210は、まず、三相コイルL1〜L3をスター結成させるとともに、その間において三相コイルL1〜L3に印加される電圧を徐々に増加させる。その後、制御回路210は、三相コイルL1〜L3をデルタ結線してモータ300を駆動する。
【0059】
具体的には、制御回路210は、始動信号が入力されるとスイッチ110〜112及びスイッチ180〜182をオンした後に、スイッチ130〜132をオンする。なお、以下、スイッチ110〜112,130〜132,180〜182がオンした状態を第1状態とする。
【0060】
その後、タイマー200の計時する時間が所定の時間T1となると、制御回路210は、オンされているスイッチ110〜112,130〜132,180〜182に加え、スイッチ170〜172をオンする。なお、以下、スイッチ110〜112,130〜132,170〜172,180〜182がオンした状態を第2状態とする。
【0061】
そして、タイマー200の計時する時間が所定の時間T2(>T1)となると、制御回路210は、オンされているスイッチ110〜112,130〜132,170〜172,180〜182のうち、スイッチ180〜182をオフした後、スイッチ160〜162をオンする。なお、以下、スイッチ110〜112,130〜132,160〜162,170〜172がオンした状態を第3状態とする。
【0062】
さらに、タイマー200の計時する時間が所定の時間T3(>T2)となると、制御回路210は、オンされているスイッチ110〜112,130〜132,160〜162,170〜172のうち、スイッチ110〜112,160〜162をオフした後、スイッチ120〜122,180〜182をオンする。なお、以下、スイッチ120〜122,130〜132,170〜172,180〜182がオンした状態を第4状態とする。
【0063】
また、時間T1〜T3となった際の制御回路210のスイッチに対する一連の制御は、十分短い時間で実行される。
【0064】
==始動器100の動作==
ここで、始動器100の動作について、図8に示すフローチャートを参照しつつ説明する。なお、図8のフローチャートにおける各処理の主体は制御回路210である。また、始動スイッチ(不図示)がオンされる前の初期状態では、始動器100の全てのスイッチはオフしていることとする。
【0065】
まず、利用者が始動スイッチ(不図示)をオンすると、始動信号は制御回路210に入力される(S100)。この結果、制御回路210は、スイッチ110〜112,180〜182をオンした後、スイッチ130〜132をオンする(S101)。
【0066】
ここで、タップt0から、タップt10までにはコイル150の一部(巻数N2の巻線)が存在する。したがって、スイッチ130,180がオンとなると、電圧Vuに応じた電流は、前述のコイル150の巻線の一部を介してノードAに供給されることとなる。なお、スイッチ131,181がオンとなる際にノードB、スイッチ132,182がオンとなる際にノードCに供給される電流も同様である。このため、処理101が実行されると、スター結線された三相コイルL1〜L3は、いわゆるリアクトル始動されることとなる。なお、本実施形態では、モータ300がリアクトル始動されている際(処理:S101)の三相コイルL1〜L3の電圧が、例えば電源電圧の29%となるよう、タップt0〜t2、及びタップt10〜12の位置が定められていることとする。
【0067】
また、前述のように、スイッチ130がオンとなりタップt0に電源電圧Vuが印加されると、タイマー200は時間の計時を開始する。そして、タイマー200が計時する時間が時間T1となると(S102:YES)、制御回路210は、スイッチ170〜172を更にオンする(S103)。
【0068】
スイッチ170がオンとなると、例えば、図9に示すように、コイル150には、タップt0、コイル150、タップt10、スイッチ180を順次経由してノードAへ流れる電流Iaに加え、タップt0、コイル150、端子Ta、スイッチ170を順次経由してノードAへ流れる電流Ibが新たに発生する。電流Ibは、電流Iaとは逆向きに流れる。また、電流Ibは、コイル150において、巻数N1の巻線、巻数N2の巻線の夫々のアンペアターンが等しくなるような電流値となる。つまり、スイッチ170がオンとなると、鉄心410の磁場はゼロとなるような電流Ibが流れるため、コイル150のリアクタンス成分はほぼゼロとなり、ノードAの電圧は電圧Vuとなる。この結果、処理S103が実行されると、スター結線された三相コイルL1〜L3には、電源電圧が印加されることとなる。スター結線された三相コイルL1〜L3に電源電圧が印加されると、三相モータL1〜L3の電圧は、電源電圧の約58%となる。このように、処理S103が実行されると、モータ300の三相コイルL1〜L3の電圧は、電源電圧の29%から58%へと増加するため、モータ300の回転速度は上昇する。
【0069】
また、タイマー200が計時する時間が時間T2(>T1)となると(S104:YES)、制御回路210は、オンされているスイッチ110〜112,130〜132,170〜172,180〜182のうち、スイッチ180〜182をオフした後、スイッチ160〜162をオンする(S105)。前述のように、例えば、スイッチ160がオンとなり、タップt0に電圧Vuが印加されていると、端子Taには電源電圧より高い昇圧電圧が生成される。したがって、処理105においては、スター結線された三相コイルL1〜L3に電源電圧より高い昇圧電圧が印加されることとなる。このため、モータ300の三相コイルL1〜L3の電圧は、電源電圧の58%から更に増加するため、モータ300の回転速度は上昇する。なお、スター結線された三相コイルL1〜L3に昇圧電圧が印加された際の三相コイルL1〜L3の電圧は、電源電圧の58%の値より高く、且つ電源電圧の100%の値より低くなるよう、タップt0〜t2の位置が設計されていることとする。具体的には、本実施形態では、スター結線された三相コイルL1〜L3に昇圧電圧が印加されると、三相コイルL1〜L3の電圧は、例えば電源電圧の70%となるよう、タップt0〜t2の位置が定められている。
【0070】
また、タイマー200が計時する時間が時間T3(>T2)となると(S106:YES)、制御回路210は、オンされているスイッチ110〜112,130〜132,160〜162,170〜172のうち、スイッチ110〜112,160〜162をオフした後、スイッチ120〜122,180〜182をオンする(S107)。
【0071】
スイッチ110〜112がオフされ、スイッチ120〜122がオンされると、三相コイルL1〜L3はデルタ結線となる。また、処理S103の際と同様に、スイッチ160〜162がオフされ、スイッチ170〜172、180〜182がオンされると、ノードA〜Cの電圧は夫々、電圧Vu,Vv,Vwとなる。したがって、処理S107が実行されると、デルタ結線された三相コイルL1〜L3は、電源電圧(100%)が印加されることとなる。そして、処理S107が実行されると、始動器100は、モータ300を電源電圧で駆動し続ける。
【0072】
このように、始動器100を用いることにより、三相コイルL1〜L3に印加される電圧は、電源電圧の約29%、約58%、約70%、100%と徐々に高くなる。このため、始動器100は、始動電流、特に突入電流を抑制しつつ、モータ300の加速をスムーズに実行することが可能となる。
【0073】
==始動器の第2の実施形態==
図10は、始動器の第2の実施形態である始動器500の構成を示す図である。始動器500(誘導電動機制御装置)は、スイッチ110〜112,120〜122,130〜133,160〜162,170〜172,180〜182、コイル150〜152、タイマー200、電圧検出器250、電流検出器260、回転数検出器270、及び制御回路280を含んで構成される。
なお、始動器500において、図6に示した始動器100と同じ符号の付されているブロックは同じである。このため、ここでは、電圧検出器250、電流検出器260、回転数検出器270、制御回路280について説明する。
【0074】
電圧検出器250は、電圧Vu,Vv,Vwのレベルを検出し、夫々のレベルを示す電圧信号を制御回路280に出力する。
電流検出器260は、ノードA,B,Cの夫々に供給される電流Ix,Iy,Izを検出し、夫々の電流値を示す電流信号を制御回路280に出力する。
回転数検出器270は、モータ300の回転数を検出し、回転数を示す回転数信号を制御回路280に出力する。
制御回路280は、モータ300を始動させるための始動信号が入力されると、所定の条件で、始動器500に含まれるスイッチを制御するシーケンサーである。
【0075】
具体的には、制御回路280は、始動信号が入力されると始動器500に含まれるスイッチの状態を、前述の第1状態とする。
その後、制御回路280は、タイマー200の計時する時間が所定の時間T1となるか、電圧Vu,Vv,Vwのレベルが所定の電圧V1となるか、電流Ix,Iy,Izの電流値が所定の電流値I1となるか、モータ300の回転数が所定の回転数N1となると、スイッチの状態を、前述の第2状態とする。なお、ここでは、制御回路280が、スイッチの状態を第2状態とする際に満たすべき条件を条件1とする。
【0076】
そして、制御回路280は、タイマー200の計時する時間が所定の時間T2(>T1)となるか、電圧Vu,Vv,Vwのレベルが所定の電圧V2となるか、電流Ix,Iy,Izの電流値が所定の電流値I2となるか、モータ300の回転数が所定の回転数N2(>N1)となると、スイッチの状態を前述の第3状態とする。なお、ここでは、制御回路280が、スイッチの状態を第3状態とする際に満たすべき条件を条件2とする。
【0077】
そして、制御回路280は、タイマー200の計時する時間が所定の時間T3(>T2)となるか、電圧Vu,Vv,Vwのレベルが所定の電圧V3となるか、電流Ix,Iy,Izの電流値が所定の電流値I3となるか、モータ300の回転数が所定の回転数N3(>N2)となると、スイッチの状態を前述の第4状態とする。なお、ここでは、制御回路280が、スイッチの状態を第4状態とする際に満たすべき条件を条件3とする。
【0078】
このような始動器500は、図6に示した始動器100と同様に動作する。具体的には、始動信号が入力されると、三相コイルL1〜L3はスター結線されるとともに、モータ300はリアクトル始動される。そして、条件1が満たされると、モータ300には電源電圧が印加される。そして、条件2が満たされると、モータ300には昇圧電圧が印加される。さらに、条件3が満たされると、三相コイルL1〜L3はデルタ結線され、モータ300には電源電圧が印加される。このため、始動器500を用いた場合も、モータ300の始動電流を抑制しつつ、モータ300の加速をスムーズに実行することが可能となる。
【0079】
以上、本発明の一実施形態である始動器100,500について説明した。例えば、始動器100では、スター結線されている三相コイルL1〜L3に電源電圧を印加された後に、昇圧電圧が印加されるよう、制御回路210は、スイッチ160〜162,170〜172,180〜182を制御する。さらに、その後、制御回路210は、三相コイルL1〜L3をデルタ結線として、三相コイルL1〜L3に電源電圧が印加されるよう、スイッチ110〜112,120〜122,160〜162,170〜172,180〜182を制御する。なお、スター結線されている三相コイルL1〜L3に昇圧電圧が印加される際の三相コイルL1〜L3の電圧は、例えば、電源電圧の70%となるよう設計されている。このため、本実施形態では、モータ300の三相コイルL1〜L3の電圧は、58%、70%、100%と3段階に増加する。例えば、スター結線の三相コイルに電源電圧を印加した後に、デルタ結線の三相コイルに電源電圧を印加してモータを始動する一般的なスター・デルタ始動の場合と比較すると、本実施形態では、三相コイルL1〜L3の突入電流を抑制しつつ、モータ300の回転数を緩やかに上昇させることができる。この結果、三相電源の電源電圧Vu,Vv,Vwの低下も抑制可能であるため、例えば発電機等からの電源が供給される場合でも、容量の大きい発電機を用いる必要が無い。さらに、始動器100は、特許文献1、2に開示された技術のように、高価な抵抗やインバータ等が必要ないため安価に構成できる。
【0080】
また、例えば、タップt10は、タップt0と、端子Tbとの間に設けられている。このため、端子Taと三相コイルL1とを接続するスイッチ170と、タップt10と三相コイルL1とを接続するスイッチ180がオンされると、図9に例示すように、電流Ia、Ibの流れる方向は逆向きとなる。さらに、コイル150のタップt0から端子Taまでのアンペアターンと、タップt0からタップt10までのアンペアターンとが等しくなるように電流Ia,Ibはコイル150に流れる。このように、昇圧電圧を生成する一般的な構成のコイル150を用いつつ、タップt10と、タップt10と三相コイルL1とを接続するスイッチ180とを設けることにより、三相コイルL1〜L3に電源電圧を印加することが可能となる。
【0081】
また、制御回路210は、始動信号が入力されるとスイッチ110〜112及びスイッチ180〜182をオンした後に、スイッチ130〜132をオンする。その後、制御回路210は、オンされているスイッチ110〜112,130〜132,180〜182に加え、スイッチ170〜172をオンする。このため、始動器100は、モータ300を始動する際に、スター結線された三相コイルL1〜L3に電源電圧の58%の電圧を印加する前に、電源電圧の29%の電圧を印加し、モータ300をリアクトル始動することができる。このように、本実施形態では、モータ300の三相コイルL1〜L3の電圧は、電源電圧の29%、50%、70%、100%と4段階に増加する。このため、モータ300の始動電流を減少させつつ、スムーズにモータ300を始動できる。さらに、昇圧電圧のレベルは、タップt0の位置に基づいて自由に定められる。また、リアクトル始動する際の三相モータL1の電圧は、タップt10の位置に基づいて自由に定められる。このため、リアクトル始動の際と、三相コイルL1〜L3に昇圧電圧を印加する際の三相コイルL1〜L3の電圧は、タップt0、t10の位置を変化させることにより所望のレベルに調整することができる。この結果、始動器100が駆動するモータに適した電圧を自由に設定でき、使用するモータに応じて始動電流等を最適化できる。
【0082】
また、始動器100には、タップt0に電源電圧が印加されてからの時間、すなわち、スイッチ130がオンされてからの時間を計時するタイマー200が設けられている。そして、制御回路210は、タイマー200が計時する時間が、時間T1となると、リアクトル始動から、スター結線された三相コイルL1〜L3に電源電圧が印加されるよう、スイッチを制御する。つまり、制御回路210は、モータ300が始動されてから所定の時間T1が経過すると、確実にモータ300を加速することができる。
【0083】
また、制御回路210は、タイマー200が計時する時間が、時間T2となると、スター結線された三相コイルL1〜L3に昇圧電圧が印加されるよう、スイッチを制御する。このため、制御回路210は、モータ300を適切なタイミングで更に加速することができる。
【0084】
また、制御回路210は、タイマー200が計時する時間が、時間T3となると、スター結線された三相コイルL1〜L3がデルタ結線に変更され、電源電圧が印加されるよう、スイッチを制御する。このため、制御回路210は、モータ300を4つの段階を適切なタイミングで切り替えつつ加速することができる。
【0085】
さらに、図1に示す誘導電動機制御装置は、誘導電動機(モータ)30の三相コイルをスター結線とするための第1のスイッチ(SW1)34と、三相コイルをデルタ結線とするための第2のスイッチ(SW2)32とを備える。さらに、本実施形態の誘導電動機制御装置は、誘導電動機(モータ)30を駆動するための三相電源36の電源電圧を昇圧した昇圧電圧を生成する昇圧トランス(T)18、第4のスイッチ12(SW4)、第5のスイッチ(SW5)20と、電源電圧または昇圧電圧が三相コイルに印加されるよう、電源電圧または昇圧電圧を選択する第3スイッチ14と、制御回路22とを備える。なお、制御回路22は、スター結線された三相コイルに電源電圧が印加された後に前述の昇圧電圧が印加され、その後、デルタ結線された三相コイルに電源電圧が印加されるよう、第1のスイッチ(SW1)34〜第3のスイッチ(SW3)14を制御する。また、昇圧トランス(T)18、第4のスイッチ(SW4)12、及び第5のスイッチ(SW5)20は、スター結線された三相コイルに昇圧電圧が印加された際の三相コイルの電圧が、スター結線された三相コイルに電源電圧が印加された際の三相コイルの電圧より高く、且つデルタ結線された三相コイルに電源電圧が印加された際の三相コイルの電圧より低くなるよう、電源電圧を昇圧する。そして、本実施形態の誘導電動機制御装置では、スター結線された三相コイルに電源電圧が印加された後に前述の昇圧電圧が印加されている。したがって、本実施形態では、三相コイルの電圧は、まず、電源電圧の約58%の電圧となる。そして、三相コイルの電圧は、電源電圧の約58%より高く、且つ電源電圧の100%より低い電圧となった後に、電源電圧の100%となる。このため、三相コイルの電圧を、電源電圧の約58%の電圧から直ちに電源電圧の100%の電圧とする場合と比較すると、スムーズにスター・デルタの切換えをおこなうことができる。この結果、本実施形態の誘導電動機制御装置では、スター結線からデルタ結線に切り換わる際の突入電流の発生を抑制できる。さらに、本実施形態の誘導電動機制御装置は、特許文献1、2に開示された技術のように、高価な抵抗やインバータ等が必要ないため安価に構成できる。
【0086】
また、本実施形態の制御回路22は、スター結線された三相コイルに電源電圧が印加されてからの時間を計時するタイマーを含んでおり、タイマーが所定時間を計時すると、例えば、図3のtに示すように、第3のスイッチ(SW3)14をオフし三相コイルに昇圧電圧を印加させる。このため、制御回路22は、スター結線された三相コイルに電源電圧が印加されてから所定時間が経過すると、確実に誘導電動機(モータ)30を加速することができる。
【0087】
また、本実施形態の誘導電動機制御装置には、誘導電動機30の三相コイルに流れる電流値を検出する電流検出器24が設けられている。そして、制御回路22は、電流検出器22で検出される電流が一定電流Im以上になると、例えば、図3のtに示すように、スター結線された三相コイルに昇圧電圧を印加すべく第3のスイッチ(SW3)14をオフする。このため、本実施形態では、所望の始動電流(Im)となると、直ちに三相コイルの電圧を増加させ、誘導電動機(モータ)30を加速することができる。
【0088】
また、本実施形態の誘導電動機制御装置には、三相電源36の電圧のレベルを検出する電圧検出器38が設けられている。そして、制御回路22は、電圧検出器38で検出される電圧が、例えば始動電圧Vとなると、図5のtに示すように、スター結線された三相コイルに昇圧電圧を印加すべく第3のスイッチ(SW3)14をオフする。このため、本実施形態では、所望の始動電圧Vとなると、直ちに三相コイルの電圧を増加させ、誘導電動機(モータ)30を加速することができる。
【0089】
また、本実施形態の制御回路22は、スター結線された三相コイルに昇圧電圧が印加されてからの時間を計時するタイマーを含んでおり、タイマーが所定時間を計時すると、例えば、図3のtに示すように、第1のスイッチ(SW1)をオフし、第2のスイッチ(SW2)及び第3のスイッチ(SW3)14をオンする。つまり、制御回路22は、スター結線された三相コイルに昇圧電圧が印加されてから所定時間が経過すると、必ず三相モータをデルタ結線に変更する。このため、本実施形態では、確実に三相モータをデルタ結線に変更し、三相モータに100%の電源電圧を印加することができる。
【0090】
また、本実施形態では、制御回路22には、スター結線された三相コイルに電源電圧が印加されてからの時間を計時するタイマー(第1タイマー)と、スター結線された三相コイルに昇圧電圧が印加されてからの時間を計時するタイマー(第2タイマー)とが含まれていても良いこととしたが、これに限られるものでは無い。例えば、何れか一方のみが含まれる構成でも良い。また、2つのタイマーの異なるタイマーを設けることなく、例えば一つのタイマーが、スター結線された三相コイルに電源電圧が印加されてからの時間と、スター結線された三相コイルに昇圧電圧が印加されてからの時間とを計時することとしても良い。
【0091】
また、本実施形態の誘導電動機制御装置には、誘導電動機(モータ)30の回転数を検出する回転数検出器40が設けられている。そして、制御回路22は、回転数検出器40で検出される回転数が、例えばNとなると、図3のtに示すように、三相モータをスター結線からデルタ結線に変更すべく、第1のスイッチ(SW1)をオフし、第2のスイッチ(SW2)及び第3のスイッチ(SW3)14をオンする。このため、本実施形態では、誘導電動機(モータ)30が所望の回転数となると、確実に三相モータをデルタ結線に変更し、三相モータに100%の電源電圧を印加することができる。
【0092】
また、第3のスイッチ(SW3)14の一端は電源電圧が印加され、他端は三相モータに接続されている。第4のスイッチ(SW4)12の一端は電源電圧が印加され、他端は、昇圧トランス(T)18の入力側の端子に接続されている。昇圧トランス(T)18の昇圧電圧が生成される出力側の端子は、第3のスイッチ(SW3)14の他端に接続されている。第5のスイッチ(SW5)20の一端は、昇圧トランス(T)18の3つの端子のうち、前述の2つの端子と異なる端子に接続される。昇圧トランス(T)18は、第4のスイッチ(SW4)12がオンされると、電源電圧が供給され、第5のスイッチ(SW5)20がオンされると、電源電圧を昇圧する。このように、本実施形態では、昇圧トランス(T)18を用いて昇圧電圧を生成しているが、例えば、一般的な複巻トランスを用いて電源電圧より高い昇圧電圧を発生させても良い。但し、本実施形態のように、単巻トランスである昇圧トランス(T)18を用いることにより、複巻トランスを用いる場合よりも、誘導電動機制御装置の低コスト化、小型化が可能となる。
【0093】
また、本実施形態では、例えば、図4の処理S44に示すように、スター結線された三相コイルに電源電圧が印加される前に、スター結線された三相コイルに電源電圧より低い電圧が印加されるよう第1のスイッチ(SW1)34及び第4のスイッチ(SW4)12をオンし、第2のスイッチ(SW2)32、第3のスイッチ(SW3)14、及び第5のスイッチ(SW5)20をオフしている。このような処理をスター結線された三相コイルに電源電圧を印加する処理(S50)の前に入れることにより、より緩やかに三相コイルの電圧を変化させることができる。この結果、誘導電動機(モータ)30の回転を徐々に上昇させることができる。
【0094】
また、本実施形態では、スター結線された三相コイルに昇圧電圧が印加された際の三相コイルの電圧(約75%)が、スター結線された三相コイルに電源電圧が印加された際の三相コイルの電圧(約58%)と、電源電圧(100%)との中間の電圧となるよう電源電圧を昇圧している。このため、スター結線時の変化と、スター結線からデルタ結線に移行する際の三相コイルの電圧の変化幅は、ほぼ同じであり、緩やかに三相コイルの電圧を変化させることができる。
【0095】
なお、上記実施例は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0096】
例えば、制御回路22,210,280はシーケンサーであることとしたが、マイコン及びメモリを含んで構成されることとしても良い。この場合には、マイコンがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、図2、図5、または図8に示されるフローチャートを実行し、スイッチのオン、オフを制御する。
【0097】
また、例えば、実施例1では、スター結線された三相コイルの電圧が、電源電圧の約58%から、例えば75%、そして100%との様に、3段階で三相コイルの電圧が変化している。例えば、スター結線された三相コイルの電圧が、電源電圧の例えば90%とするための昇圧電圧を生成する昇圧トランス、スイッチ等を、昇圧トランス(T)18等とは別に更に設けることとしても良い。そして、制御回路22は、三相コイルの電圧が例えば電源電圧の75%となる昇圧電圧をスター結成された三相コイルに印加した後に、三相コイルの電圧が電源電圧の75%より高く、かつ100%より低い、例えば90%の電圧となる昇圧電圧を三相コイルに印加しても良い。つまり、昇圧トランス等の数を増加させることにより、三相コイルの電圧を、電源電圧の58%から100%まで更に細かいステップで変化させることが可能である。このような構成とすることにより、より突入電流を抑制可能である。
【符号の説明】
【0098】
10 制御装置
12 第4のスイッチ(SW4)
14 第3のスイッチ(SW3)
16 タップスイッチ
18 昇圧トランス
20 第5のスイッチ(SW5)
22,210,280 制御回路
24,260 電流検出器
30,300 誘導電動機(モータ)
32 デルタ結線用第2のスイッチ(SW2)
34 スター結線用第1のスイッチ(SWI)
36 三相電源
38,250 電圧検出器
40,270 回転数検出器
100,500 始動器
110〜112,120〜122,130〜132,160〜162,170〜172,180〜182 スイッチ
150〜152 コイル
200 タイマー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導電動機の三相コイルをスター結線とするための第1のスイッチと、
前記三相コイルをデルタ結線とするための第2のスイッチと、
前記誘導電動機を駆動するための電源の電源電圧を昇圧した昇圧電圧を生成する昇圧回路と、
前記電源電圧または前記昇圧電圧が前記三相コイルに印加されるよう、前記電源電圧または前記昇圧電圧を選択する第3のスイッチと、
スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加された後に前記昇圧電圧が印加され、その後、デルタ結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されるよう、前記第1〜3のスイッチを制御する制御回路と、
を備え、
前記昇圧回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記昇圧電圧が印加された際の前記三相コイルの電圧が、スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加された際の前記三相コイルの電圧より高く、且つデルタ結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加された際の前記三相コイルの電圧より低くなるよう、前記電源電圧を昇圧すること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の誘導電動機制御装置であって、
前記昇圧回路は、
第1端子と第2端子との間に設けられた第3端子に前記電源電圧が印加されるコイルであり、
前記第3のスイッチは、
オンされると前記第1端子に前記昇圧電圧が生成されるよう前記コイルに直列接続される前記第4のスイッチと、
前記1端子と前記三相コイルとの間に接続される第5のスイッチと、
前記コイルの前記第3端子及び前記第2端子の間に設けられる第4端子と前記三相コイルとの間に接続される第6のスイッチと、
を含み、
前記制御回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されるよう、前記第1〜第6のスイッチのうち前記第1のスイッチ、前記第5のスイッチ、及び前記第6のスイッチをオンし、
スター結線された前記三相コイルに前記昇圧電圧が印加されるよう、オンしている前記第1のスイッチ、前記第5のスイッチ、及び前記第6のスイッチのうち前記第6のスイッチをオフするとともに、前記第4のスイッチをオンし、
デルタ結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されるよう、オンしている前記第1のスイッチ、前記第4のスイッチ、及び前記第5のスイッチのうち前記第1及び第4のスイッチをオフするとともに、前記第2及び第6のスイッチをオンすること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の誘導電動機制御装置であって、
前記制御回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧より低い電圧が印加されるよう、前記第1〜第6のスイッチのうち前記第1及び第6のスイッチをオンした後に、スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されるよう、オンしている前記第1及び第6のスイッチに加え前記第5のスイッチをオンすること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の誘導電動機制御装置であって、
第3端子に前記電源電圧が印加されてからの時間を計時するタイマーを更に備え、
前記制御回路は、
前記タイマーが所定の第1時間を計時すると、スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されるよう、オンしている前記第1及び第6のスイッチに加え前記第5のスイッチをオンすること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の誘導電動機制御装置であって、
前記制御回路は、
前記タイマーが前記所定の第1時間より長い所定の第2時間を計時すると、スター結線された前記三相コイルに前記昇圧電圧が印加されるよう、オンしている前記第1のスイッチ、前記第5のスイッチ、及び前記第6のスイッチのうち、前記第6のスイッチをオフするとともに、前記第4のスイッチをオンすること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の誘導電動機制御装置であって、
前記制御回路は、
前記タイマーが前記所定の第2時間より長い所定の第3時間を計時すると、デルタ結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されるよう、オンしている前記第1のスイッチ、前記第4のスイッチ、及び前記第5のスイッチのうち、前記第1及び第4のスイッチをオフするとともに、前記第2及び第6のスイッチをオンすること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の誘導電動機制御装置であって、
前記制御回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されてからの時間を計時する第1タイマーを含み、
前記第1タイマーが所定時間を計時すると、スター結線された前記三相コイルに前記昇圧電圧が印加されるよう前記第3のスイッチを制御すること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載の誘導電動機制御装置であって、
前記三相コイルに流れる電流値を検出する電流検出器を更に備え、
前記制御回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されてから前記電流検出器で検出される電流値が所定値となると、スター結線された前記三相コイルに前記昇圧電圧が印加されるよう前記第3のスイッチを制御すること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項9】
請求項1に記載の誘導電動機制御装置であって、
前記電源電圧のレベルを検出する電圧検出器を更に備え、
前記制御回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されてから前記電圧検出器で検出される電圧レベルが所定レベルとなると、スター結線された前記三相コイルに前記昇圧電圧が印加されるよう前記第3のスイッチを制御すること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項10】
請求項7に記載した誘導電動機制御装置であって、
前記制御回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記昇圧電圧が印加されてからの時間を計時する第2タイマーを含み、
前記制御回路は、
前記第2タイマーが所定時間を計時すると、デルタ結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されるよう前記第1〜第3のスイッチを制御すること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項11】
請求項8または請求項9に記載の誘導電動機制御装置であって、
前記制御回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記昇圧電圧が印加されてからの時間を計時するタイマーを含み、
前記タイマーが所定時間を計時すると、デルタ結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されるよう前記第1〜第3のスイッチを制御すること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項12】
請求項7〜9に記載した誘導電動機制御装置であって、
前記誘導電動機の回転数を検出する回転数検出器を更に備え、
前記制御回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記昇圧電圧が印加されてから前記回転数検出器で検出される回転数が所定の回転数となると、デルタ結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されるよう前記第1〜第3のスイッチを制御すること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項13】
請求項1に記載の誘導電動機制御装置であって、
前記第3のスイッチは、
一端に前記電源電圧が印加され、他端が前記三相モータに接続され、
前記昇圧回路は、
一端に前記電源電圧が印加される第4のスイッチと、
第1端子に前記第4のスイッチの他端が接続され、第2端子に前記第3のスイッチの他端が接続される単巻トランスと、
オンされると前記単巻トランスが前記第1端子の電圧を昇圧して前記第2端子から出力できるよう、前記単巻トランスの第3端子に一端が接続される第5のスイッチと、
を含み、
前記単巻トランスは、
前記第4及び第5のスイッチがオンとなると前記第2端子から前記昇圧電圧を出力し、
前記制御回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加された後に前記昇圧電圧が印加され、さらにデルタ結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加されるよう前記第1〜5のスイッチを制御すること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項14】
請求項13に記載の誘導電動機制御装置であって、
前記制御回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加される前に、スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧より低い電圧が印加されるよう前記第1及び4のスイッチをオンし、前記第2、3、5のスイッチをオフすること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項15】
請求項1〜14に記載の誘導電動機制御装置であって、
前記昇圧回路は、
スター結線された前記三相コイルに前記昇圧電圧が印加された際の前記三相コイルの電圧が、スター結線された前記三相コイルに前記電源電圧が印加された際の前記三相コイルの電圧と、前記電源電圧との中間の電圧となるよう前記電源電圧を昇圧すること、
を特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項16】
三相電源に接続された誘導電動機におけるコイルをスター結線とデルタ結線とに切換えて制御する誘導電動機制御方法において、
前記誘導電動機コイルのスター結線状態で、前記スター結線状態における前記コイルの電圧とデルタ結線状態における前記コイルの電圧との中間電圧を前記誘導電動機コイルに印加し、前記誘導電動機が一定回転数で回転する状態に達した時点で前記中間電圧の印加の停止とデルタ結線ヘの切換えを行って、スター結線状態において前記誘導電動機を加速した後デルタ結線に切換えるようにしたことを特徴とする誘導電動機制御方法。
【請求項17】
前記スター結線状態における前記コイルの電圧とデルタ結線状態における前記コイルの電圧との中間電圧の印加は、スター結線後に前記誘導電動機コイルの電流が一定値となった状態で行うことを特徴とする請求項16に記載した誘導電動機制御方法。
【請求項18】
前記スター結線状態における前記コイルの電圧とデルタ結線状態における前記コイルの電圧との中間電圧の生成を昇圧トランスで行い、前記誘導電動機の始動時における前記三相電源の誘導電動機コイルへの接続を、前記昇圧トランスの一部を経由させることで前記昇圧トランスの一部をリアクトルとして動作させ、前記三相電源の電圧降下が回復した後、前記中間電圧を前記誘導電動機コイルに印加することを特徴とする請求項17に記載した誘導電動機制御方法。
【請求項19】
三相電源に接続された誘導電動機と、該誘導電動機のコイルをスター結線とする第1のスイッチ及びデルタ結線とする第2のスイッチと、前記第1のスイッチと第2のスイッチとを切換え、前記誘導電動機をスター結線で起動してデルタ結線で駆動する制御手段とを有した誘導電動機制御装置において、
前記三相電源の各相に対応して設けられ、前記スター結線状態における前記コイルの電圧とデルタ結線状態における前記コイルの電圧との中間電圧となる電圧を前記スター結線状態のコイルに印加する昇圧トランスと、前記第1のスイッチによるスター結線状態で前記昇圧トランスにより昇圧された電圧を前記誘導電動機の対応するコイルに印加するよう動作し、前記誘導電動機がスター結線における定格回転数に達した状態で前記昇圧トランスを切り離す複数のスイッチ群とが設けられ、前記制御手段は、前記スイッチ群を制御して、スター結線状態で前記昇圧トランスにより昇圧した電圧を前記誘導電動機コイルに印加し、前記誘導電動機が一定回転数で回転する状態で前記昇圧トランスを切り離して前記第12のスイッチでデルタ結線状態に移行するよう制御することを特徴とする誘導電動機制御装置。
【請求項20】
前記複数のスイッチ群は、前記三相電源の各相と前記誘導電動機の対応するコイルとの間に接続された第3のスイッチと、前記それぞれの昇圧トランスにおける一次側の一端と前記三相電源の各相との間に設けられた第4のスィッチと、前記それぞれの昇圧トランスにおける一次側他端の互いに結合された結合点と前記一次側他端との間に接続された第5のスイッチとからなり、前記昇圧トランスにおける昇圧側は、前記第3のスィッチと誘導電動機コイル間に接続されていることを特徴とする請求項19に記載した誘導電動機制御装置。
【請求項21】
前記誘導電動機コイルに流れる電流の検知手段と誘導電動機回転数の検知手段とを有し、前記制御手段は、前記第1のスイッチによるスター結線状態で、前記電流検知手段からの誘導電動機電流が一定値状態に達した信号を受けて前記昇圧トランスで昇圧した電圧を前記誘導電動機コイルに印加し、前記誘導電動機回転数検知手段からの誘導電動機回転数が一定値状態に達した信号を受けて前記誘導電動機コイルへの昇圧トランスからの昇圧電圧印加を停止させ、前記第2のスイッチによるデルタ結線状態に移行させるよう、前記スイッチ群のON/OFFを制御するよう構成されていることを特徴とする請求項20に記載した誘導電動機制御装置。
【請求項22】
前記三相電源の電圧検知手段を有し、前記制御手段は、前記誘導電動機の始動に伴う第1のスイッチによるスター結線状態で、前記三相電源を前記昇圧トランスの一部を経由して前記誘導電動機コイルに接続させ、前記電圧検知手段による前記三相電源の電圧降下回復信号を受けて前記昇圧トランスの一部経由を停止して前記三相電源を直接前記誘導電動機コイルに接続させ、前記電圧検知手段による前記三相電源の電圧降下の再度の回復信号を受けて前記昇圧トランスで昇圧した電圧を前記誘導電動機コイルに印加する状態に移行するよう、前記スイッチ群のON/OFFを制御するよう構成されていることを特徴とする請求項21に記載した誘導電動機制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−193702(P2010−193702A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278811(P2009−278811)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(300052028)
【Fターム(参考)】