説明

調節可能グレースケール回路を有するディスプレイ

【課題】調節可能グレースケール回路を有するディスプレイを提供する。
【解決手段】本装置は、ピクセルデータを受け取り、かつ第1の組の参照電圧に基づいて第1の組のグレースケール電圧を生成してピクセル回路を駆動して、上記ピクセルデータに基づいて第1の周期にそれぞれ異なるグレースケールレベルを表示し、第2の異なる組の参照電圧に基づいて第2の組のグレースケール電圧を生成してピクセル回路を駆動して、第2の周期に共通グレースケールレベルを表示する回路を備える。例えば、共通グレースケールレベルは黒レベルであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2004年11月24日出願の台湾専利出願第93136205号の優先権を主張し、その内容は引用により本出願に導入される。
【0002】
本発明は調節可能グレースケール回路を有するディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
図1を参照すると、いくつかの実施形態では、液晶ディスプレイ10はピクセル回路14のアレイ12を備え、これらピクセル回路14は1つ以上のゲートドライバ16と1つ以上のデータドライバ18により調節可能である。各ピクセル回路14は1つ以上の薄膜トランジスタ(TFT)20、蓄積キャパシタCST22、および(図示しない)液晶を備える。液晶セルはCLC25により表される、有効キャパシタンスを有する。キャパシタCST22およびCLC25は第1のノード21および第2のノード23に接続される。いくつかの例では、第1のノード21はトランジスタ20に接続され、第2のノード23は参照電圧Vcomに接続される。TFT20はゲート24を備え、ゲート24はゲート線26に接続される。ゲート線26はゲートドライバ16に接続される。ゲートドライバ16がゲート線26を駆動してTFT20をオンにすると、データドライバ18は、同時に、データ線28を電圧信号で駆動する。この電圧信号はキャパシタCST22およびCLC25を通過する。
【0004】
第1のノード21および第2のノード23は、液晶セルの2つの側に配置された2つの(図示しない)透明電極にそれぞれ接続される。キャパシタCST22およびCLC25により保持される電圧によって液晶セルに印加される電圧が決まり、これにより液晶セル内の液晶分子の配向の変化量が制御され、また、液晶セルを通過することができる光の量が決まる。データ線28の電圧は場合によって「グレースケール電圧」と呼ばれるが、それは、この電圧によりピクセル回路14により示されるグレースケールレベルが決まるからである。
【0005】
ディスプレイ10の各ピクセルは、赤色、緑色および黄色を表示する3つのサブピクセルを含む。各サブピクセルはピクセル回路14を備える。これら3つのサブピクセルのグレースケールレベルを制御することにより、各ピクセルは広範囲の色とグレースケールレベルを表示することが可能である。
【0006】
液晶セルに印加される電圧と液晶セルの透過率の関係は非線形であることが可能である。図2は、蓄積キャパシタ22の第1のノード21に印加された(データ線28で受けた)グレースケール電圧Vと液晶セルの透過率の関係を表す曲線150を示すグラフである。この曲線150はV=Vcom(この電圧はキャパシタ22の第2のノード23に印加された参照電圧である)に関してほぼ対称である。グレースケール電圧がVcom(キャパシタの両端でゼロ電圧差)に等しい場合、高透過率が得られる。グレースケール電圧がVref1より高いか、Vref2より低い場合は、透過率はゼロに近い。Vref1−VcomはVcom−Vref2にほぼ等しい。液晶セルの透過率は液晶セルに印加された絶対電圧差により影響され、電圧差の極性(正の極性は上部電極の電圧が下部電極の電圧よりも大きいことをいい、負の極性は上部電極の電圧が下部電極の電圧よりも小さいことをいう)によらない。いくつかの例では、液晶セルに印加される電圧は極性が交代(すなわち、データ線28の電圧がVcom+ΔVとVcom−ΔVの間で交代)して液晶セルにかかるストレスを低減する。
【0007】
データドライバ18(図1)はディスプレイコントローラ30からピクセルデータを受取り、ディスプレイコントローラ30は(図示しない)ホスト装置、例えばホストコンピュータからイメージまたはビデオ信号を受け取る。ディスプレイ10が最初に電源投入されると、ピクセル回路14のTFT20からの漏れ電流のせいで、ディスプレイコントローラ30からのピクセルデータを受け取る前にデータドライバ18がピクセル回路14を駆動してしまうことがある。電力を最初にデータドライバ18に供給すると、データドライバ18の初期状態はデータドライバ18毎に異なることがある。その理由は、データドライバ18はディスプレイ10をオフにする前に表示されていた前のイメージフレームに関連する残存電圧を有することがあるからである。ディスプレイのバックライトモジュールをオンにしない場合でさえも、ディスプレイから周辺光が反射されることがあり、そのためデータドライバ18が残存電圧を用いてピクセル回路14を駆動して、ディスプレイ10はディスプレイコントローラ30が初期化される前に短時間垂直のグレーストライプを示すことが起き得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一態様において、一般に、本発明の装置は、ピクセルデータを受取り、かつ第1の組の参照電圧に基づいて第1の組のグレースケール電圧を生成してピクセル回路を駆動して、上記ピクセルデータに基づいて第1の周期にそれぞれ異なるグレースケールレベルを表示するとともに、第2の異なる組の参照電圧に基づいて第2の組のグレースケール電圧を生成してピクセル回路を駆動して、第2の周期に共通グレースケールレベルを表示する回路を備える。
【0009】
本装置の実装は下記の特徴の1つまたは複数を備えていてもよい。上記回路は第1および第2の組のグレースケール電圧を用いてデータ線を駆動する1つまたは複数のデータドライバを備え、これらデータ線はピクセル回路に接続される。上記回路は第1の周期と第2の周期を切り換えられるスイッチに接続された分圧器を備える。分圧器は直列に接続された抵抗要素を含む。スイッチをオンにすると、分圧器は第1の入力電圧を提供する第1のノードと第2の入力電圧を提供する第2のノードの間に電気的経路を実現し、分圧器は第1の入力電圧と第2の入力電圧の電圧差を分圧して第1の組の参照電圧を生成する。いくつかの例では、第1の入力電圧は第2の入力電圧よりも高く、スイッチは第1のノードと分圧器の間に、スイッチをオフにすると分圧器が第1の入力電圧に等しい参照電圧を出力するように、接続される。いくつかの例では、第1の入力電圧は第2の入力電圧よりも高く、スイッチは第2のノードと分圧器の間に、スイッチをオフにすると分圧器が第2の入力電圧に等しい参照電圧を出力するように、接続される。いくつかの例では、スイッチは、分圧器の第1の部分と第2の部分の間に、スイッチをオフにすると分圧器の第1の部分は第1の入力電圧に等しい参照電圧を出力し、かつ分圧器の第2の部分は第2の入力電圧に等しい参照電圧を出力するように、接続される。第2の入力電圧は接地電圧を含む。共通グレースケールレベルは黒レベルを含む。上記回路は第1のスイッチと第2のスイッチの間に接続され、第1のスイッチおよび第2のスイッチの一方は第1の周期内にオンにされ、かつ第1のスイッチおよび第2のスイッチの双方が第2の周期内にオフにされる。第1のスイッチがオンにされ、第2のスイッチがオフにされると、分圧器は第1の電圧差を分圧して第1の組の値を有する第1の組の参照電圧を生成し、そして第1のスイッチがオフにされ、第2のスイッチがオンにされると、分圧器は第2の電圧差を分圧して第2の組の値を有する第2の組の参照電圧を生成する。上記回路は各ピクセル回路に対してピクセルデータを受け取り、このピクセルデータに基づいて参照電圧の一つを選択し、そして選択された参照電圧を用いてピクセル回路を駆動する。本装置は、ディスプレイに上記回路を含む、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、電界発光ディスプレイ、および表面伝導電子発光体ディスプレイのうちの少なくとも1つを備える。
【0010】
他の態様では、一般に、本装置は参照電圧を生成する回路を供え、この回路は、第1の状態においては、使用するグレースケール電圧を生成してピクセル回路を駆動し、それぞれ異なるグレースケールレベルを表示し、第2の状態においては、グレースケール電圧を生成し、ピクセル回路を駆動して、共通グレースケールレベルを表示する。
【0011】
本装置の実装は下記の特徴の1つまたは複数を備えていてもよい。上記回路は第1および第2の組のグレースケール電圧を用いて、ピクセル回路に接続されたデータ線を駆動する1つまたは複数のデータドライバを備えていてもよい。上記回路は、電圧供給がデータドライバになされた後、かつデータドライバがホスト装置から送られたデータ信号を受け取る前の周期の間は第2の状態で動作する。上記回路が第1の状態で動作するときは、データドライバはホスト装置からのデータ信号に基づいて各ピクセル回路に対してグレースケール電圧を出力してピクセル回路にグレースケールの個々のレベルのうちの1つを表示させる。上記回路はスイッチに接続された分圧器を備え、このスイッチは分圧器を通って電流が流れるか否かを制御する。この場合、分圧器を通って電流が流れるか否かによって上記回路により生成される参照電圧が影響を受ける。
【0012】
他の態様では、一般に、本装置は、(a)ピクセルに関連する、受け取られたピクセルデータに基づいて1組のアナロググレースケール電圧から選択されたアナロググレースケール電圧を用いてピクセルをグレースケールレベルに駆動し、かつ(b)異なる周期の間にアナログ電圧をそこから選択することが可能な異なるグレースケール電圧の数を変更する回路を備える。
【0013】
本装置の実装は下記の特徴の1つまたは複数を備えていてもよい。ある周期の間、アナロググレースケール電圧は、データドライバがピクセルを駆動してデジタルピクセルデータに無関係に共通グレースケールを表示するような値を有する。この共通グレースケールレベルは黒レベルを含む。上記ある周期は、電圧供給がデータドライバになされた後、かつデータドライバがホスト装置からのデータ信号を受け取る前の周期を含む。ある周期の間、上記アナロググレースケール電圧の組は全て共通の値を有する。ある周期の間、上記アナロググレースケール電圧の組は2つの共通の値を有する。
【0014】
他の態様では、一般に、本装置は、ピクセル回路のアレイと制御可能参照電圧生成器を備え、第1の周期の間に第1の組の参照電圧を、第2の周期の間に第2の組の参照電圧を生成する。制御可能参照電圧生成器は第1の周期と第2の周期で切り換えられるスイッチに接続された分圧器を備え、この分圧器は第1の周期の間に参照電圧を分圧して第1の組の参照電圧を生成する。上記ディスプレイは1つまたは複数のデータドライバを備えてホスト装置からピクセルデータを受け取り、かつ第1の組の参照電圧に基づいて第1の組のグレースケール電圧を生成して上記ピクセル回路を駆動し、ピクセルデータに従って第1の周期の間にそれぞれ異なるグレースケールレベルを表示し、そして第2のセットのグレースケール電圧を第2の組の参照電圧に基づいて生成してピクセル回路を駆動し、第2の周期の間に共通グレースケールレベルを表示する。
【0015】
本装置の実装は下記の特徴の1つまたは複数を備えていてもよい。この共通グレースケールレベルは黒レベルを含む。上記ピクセル回路は液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、電界発光ディスプレイ、および表面伝導電子発光体ディスプレイのうちの少なくとも1つを備える。
【0016】
他の態様では、一般に、本方法は、さもないとピクセルに異なるグレースケールレベルを表示させるピクセルデータが受け取られているときに、ディスプレイのピクセルに、共通グレースケールレベルを表示させることを含む。
【0017】
本方法の実施は下記の特徴の1つまたは複数を備えていてもよい。本方法は、ディスプレイの1つまたは複数のデータドライバにより使用される参照電圧を制御してピクセルによって表示するグレースケールを制御するグレースケール電圧を生成することを含み、上記制御は、第1の周期の間に、参照電圧を1つまたは複数の値に設定してピクセルに、ホスト装置から1つまたは複数のデータドライバに送られたピクセルデータとは独立に、共通グレースケールレベルを表示させることを含む。参照電圧を1つまたは複数の値に設定することは、参照電圧を接地参照電圧よりも高い共通の値に設定することを含む。参照電圧を1つまたは複数の値に設定することは、参照電圧を接地参照電圧よりも低い共通の値に設定することを含む。参照電圧を1つまたは複数の値に設定することは、参照電圧を、一方が接地参照電圧よりも高く、他方が接地参照電圧よりも低い2つの共通の値に設定することを含む。本方法は、第2の周期の間に、参照電圧を別個の値に設定してピクセルにホスト装置から1つまたは複数のデータドライバに送られたピクセルデータに基づいてグレースケールの異なるレベルを表示させることを含む。本方法は、第2の周期の間に、第1の入力電圧と第2の入力電圧の間の電圧差を分圧して参照電圧生成することを含む。いくつかの例では、本方法は、第1の周期の間に、参照電圧を第2の入力電圧より高い第1の入力電圧と等しく設定することを含む。いくつかの例では、本方法は、第1の周期の間に、参照電圧を第1の入力電圧より低い第2の入力電圧と等しく設定する。いくつかの例では、本方法は、第1の周期の間に、参照電圧のいくつかを第1の入力電圧に等しく、他の参照電圧を第2の入力電圧に等しく設定することを含む。本方法は、参照電圧の組を1つまたは複数の特定の値に設定してピクセルに黒イメージを表示させることを含む。参照電圧を制御することは、スイッチを制御して電流が分圧器を通って流れるか否かを決定することを含む。スイッチを制御することは、第1の周期の間にスイッチをオフにして電流が分圧器を通って流れないようにすることを含む。本方法は第1の入力電圧と第2の入力電圧の電圧差を分圧して参照電圧を生成することを含む。
【0018】
他の態様では、一般に、本方法は、ディスプレイのピクセル回路を駆動するのに用いられるグレースケール電圧を制御することによりディスプレイに均一なグレースケールレベルを有するイメージを生成することを含む。この場合、グレースケール電圧の制御はホスト装置からディスプレイに送られるピクセルデータとは独立している。
【0019】
本方法の実施は下記の特徴を備えていてもよい。すなわち、イメージは黒イメージを含む。
【0020】
他の態様では、一般に、本方法は、信号線にグレースケール電圧を印可し;ディスプレイの各ピクセルに対して、信号線の1つを選択し、選択された信号線のグレースケール電圧を用いてピクセルに対してグレースケールレベルを決定し;そして第1の周期の間に、信号線に印可されたグレースケール電圧を制御してピクセルに共通グレースケール電圧を表示させることを含む。
【0021】
本方法の実施は下記の特徴の1つまたは複数を備えていてもよい。すなわち、イメージは黒イメージを含む。グレースケール電圧を制御することは1つまたは複数のスイッチを制御してグレースケール電圧の値に影響を与えることを含む。本方法は、分圧器を用いて信号線に印可されるグレースケール電圧を生成することを含む。グレースケール電圧を制御することは、1つまたは複数のスイッチを制御して分圧器を入力電圧に対して接続または切断することを含む。1つまたは複数のスイッチを制御することは、分圧器を第1の入力電圧に接続し、かつ分圧器を第2の入力電圧から切断して分圧器の出力が第1の入力電圧に等しくすることを含む。本方法は、第2の周期の間に、信号線に印可されたグレースケール電圧を制御してピクセルに異なるグレースケールレベルを表示させることを含む。信号線の1つを選択することはホスト装置から送られたピクセルデータに基づいて信号線の1つを選択することを含む。
【0022】
他の態様では、一般に、本方法は、ディスプレイの1つまたは複数のデジタル−アナログ装置により用いられる参照電圧を制御してディスプレイのピクセルにより示されるグレースケールレベルを決定するためのアナロググレースケール電圧を生成することにより、ある周期の間に、ディスプレイに黒イメージを生成することを含む。
【0023】
本方法の実施は下記の特徴の1つまたは複数を備えていてもよい。すなわち、上記ある周期は、電圧供給がデータドライバになされた後、かつデータドライバがホスト装置からのデータ信号を受け取る前の周期を含む。黒イメージを生成することは、電圧供給がデータドライバになされた後、かつデータドライバがホスト装置からのデータ信号を受け取る前の周期の間に黒イメージを生成することを含む。
【0024】
上述の回路を用いて共通のグレースケールイメージまたは黒イメージを生成する利点は、ホスト装置(例えば、ホストコンピュータ)は共通グレースケールイメージまたは黒イメージを生成するために余分の信号を送る必要がないことである。共通グレースケールイメージまたは黒イメージは回路の1つまたは複数のスイッチを単にオンまたはオフにすることにより生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
グレースケール電圧を生成するのに用いられる参照電圧を制御することにより、データドライバ18を制御して1つまたは複数のグレースケール電圧をピクセルデータの値とは無関係に制御することが可能である。これにより、ディスプレイ10は全てのピクセルにおいて黒イメージのような共通のグレースケールを示す。黒イメージは通常のイメージフレームの間に示すことで動画におけるぶれを低減することが可能であり、あるいはコントローラ30が初期化される前に示すことで、ディスプレイ10が最初に電源投入されたときに、ディスプレイ10が均一な黒イメージを示すようにすることが可能である。
【0026】
図3を参照すると、一つの実施例では、データドライバ18はバッファ98とデジタル−アナログコンバータ100を備える。バッファ98はシリアルデジタルピクセルデータ102をディスプレイコントローラ30から受け取り、このシリアルデジタルピクセルデータ102をパラレルデータ103に変換する。デジタル−アナログコンバータ100はパラレルデータ103を受取り、データ線28を駆動するのに用いられるアナロググレースケール電圧104を出力する。デジタル−アナログコンバータ100もガンマ電圧Vγ1〜Vγ10と呼ばれる参照電圧をガンマ回路106から受取り、ガンマ回路106では、ガンマ電圧を用いてデジタルピクセルデータ102とアナロググレースケール電圧104の間の対応付け(マッピング)が決定される。
【0027】
図4を参照すると、いくつかの実施例では、ガンマ回路106は分圧器108とスイッチ110を備える。分圧器108の一端139は入力電圧Vrefを受け取るノード140に接続され、分圧器108の他端142はスイッチ110に接続される。いくつかの実施例では、スイッチ110は、ノード142に接続されたドレーン112と、接地されたソース114と、リセット信号148により制御されるゲート116を有するN型MOSFETトランジスタ144である。
【0028】
分圧器108は直列に接続された抵抗器R1〜R12を有するレジスタラダーを備える。リセット信号148が高(ハイ)であるとき、トランジスタ144はオンになり、分圧器108とスイッチ10を介してノード140から接地に電流経路がもたらされる。分圧器108は入力電圧Vrefを分圧して、抵抗器の比率に基づいて決定される10個の異なる値を持つ10個のガンマ電圧Vγ1〜Vγ10を生成する。リセット信号が低(ロウ)であるとき、トランジスタ144はオフになり、ドレーン112を「フロート」にする。分圧器108は入力電圧Vrefに接続されているので、ドレーン112は高に引き上げられ、ガンマ電圧Vγ1〜Vγ10はすべてVrefに等しくなる。従って、リセット信号148を用いてスイッチ110を制御し、Vref電圧を分圧器の他端に印加することにより、ガンマ電圧を制御して10個の別個の値または唯一の共通の値を得るようにすることが可能である。
【0029】
図5を参照すると、デジタル−アナログコンバータ100はレジスタラダーを有するもう一つの分圧器を備え、ガンマ電圧Vγ1〜Vγ10をさらに分圧してグレースケール電圧を生成する。この実施例では、分圧器120は128個のグレースケール電圧V0〜V63およびV63’〜V0’を生成する。分圧器120は抵抗器122を有するレジスタラダーを備え、その抵抗値を選択してピクセルデータ102とグレースケール電圧との間の所定のマッピングを作製する。いくつかの実施例では、この所定のマッピングは液晶セルの非線形応答を相殺して、ディスプレイ10に示されるイメージが、看者に感知されるときに、正確なグレースケールを有するようにする。
【0030】
スイッチ110をオンにする(リセット信号148が高である)と、グレースケール電圧V0〜V63およびV63’〜V0’はVγ1〜Vγ10の範囲内で128個の別個の値を持つことになる。これにより、データドライバ18がピクセル回路を128個の別個のグレースケール電圧で駆動することが可能になる。これら128個のグレースケール電圧は64個の正の極性のグレースケール電圧と64個の負の極性のグレースケール電圧を含み、ディスプレイ10がグレースケールの64個の別個のレベルを有するイメージを示すことが可能になる。ディスプレイに示すことができるグレースケールレベルの数は別個のグレースケール電圧の個数の半分であるが、その理由は液晶セルにグレースケール電圧Vcom+ΔVおよびVcom−ΔVを印加すると同じグレースケールレベルが生じるからである(図2参照)。抵抗器122の抵抗値は、ピクセル回路14にV0を印加するとピクセル回路14にV0’を印加したのと同じ輝度が得られるように、選定される。同様に、V1またはV1’をピクセル回路14に印加すると同じ輝度が得られる。
【0031】
スイッチ110をオフにする(リセット信号148が低である)と、ガンマ回路はすべてVrefに等しい共通の値を有するので、グレースケール電圧V0〜V127もすべてVrefに等しい共通の値を有する。ピクセルデータの値には無関係に、データドライバ18はピクセル回路14を共通のグレースケール電圧、すなわちVrefを用いて駆動するので、ディスプレイ10は共通のグレースケールレベルを有するイメージを示す。この実施例では、Vrefの値は、Vrefをキャパシタ22の第1のノード21に印加すると液晶セルの透過率がゼロ(またはゼロに近く)なるように、選定される。従って、スイッチ110をオフにすると、ディスプレイ10は均一な黒イメージを示す。
【0032】
図6は、デジタルピクセルデータ102とアナロググレースケール電圧104の関係を示す図表130である。この実施例では、ピクセルデータ102は6−ビット二値データであり、デジタルピクセルデータ00H、01H、02Hはグレースケール電圧V0、V1およびV2にそれぞれ対応する。いくつかの実施例では、交互極性のグレースケール電圧を用いてピクセルを駆動して液晶セルにかかるストレスを低減している。従って、例えば、ピクセルデータが00Hであるとすると、データドライバ16はデータ線28をV0とV127を交互に用いて駆動することになる。他の実施例としては、ピクセルデータが05Hであるとすると、データドライバ16はデータ線28をV5およびV122を交互に用いて駆動する。
【0033】
図7を参照すると、いくつかの実施例では、ガンマ回路170は、スイッチ制御信号発生器172により制御される、スイッチA 174、スイッチB 175、スイッチC 176およびスイッチD 178のような、1つより多いスイッチを備えていてもよい。電圧レギュレータ160は電力供給電圧VAAを受取り、ノード140に電圧Vrefを生成する。スイッチA 174はノード140と第1のレジスタラダー142の間に接続される。スイッチB 175は第1のレジスタラダー142とノード146の間に接続され、ノード146は電圧Vbを受け取る。スイッチC 176は第1のレジスタラダー142と第2のレジスタラダー144の間に接続される。スイッチD 178は第2のレジスタラダー144と接地電圧に接続されたノード162の間に接続される。
【0034】
スイッチA、CおよびDをオンにすると、ノード140からスイッチA、第1のレジスタラダー142、スイッチCおよび第2のレジスタラダー144を介して接地までの電気経路が確立される。第1のレジスタラダー142はノード146から切断される。第1および第2のレジスタラダー142および144はVrefと接地の間の電圧差を分圧し、第1のレジスタラダー142が5つの別個のガンマ電圧:Vγ1〜Vγ5を生成し、第2のレジスタラダー144が5個の別個のガンマ電圧:Vγ6〜Vγ10を生成するようにする。ここで、ガンマ電圧の範囲はVrefと第1および第2のレジスタラダー142および144における抵抗値によって決まる。
【0035】
10個の別個のガンマ電圧Vγ1〜Vγ10は、デジタル−アナログコンバータ100の分圧器120によりさらに分圧されると、128個の別個のグレースケール電圧を生成する。これらのグレースケール電圧を用いてピクセル回路14を駆動して64個の別個のグレースケールレベルを表示することが可能である。
【0036】
同様に、スイッチB、CおよびDをオンにし、スイッチAをオフにすると、電気経路がノード146から接地に確立される。第1のレジスタラダー142はノード140から切断される。第1および第2のレジスタラダー142および144はVbと接地の間の電圧差を分圧し、第1及び第2のレジスタラダー142および144が10個の別個のガンマ電圧:Vγ1〜Vγ10を生成するようにする。ここで、ガンマ電圧の範囲はVbによって決まる。10個の別個のガンマ電圧Vγ1〜Vγ10は、デジタル−アナログコンバータ100の分圧器120によりさらに分圧されると、128個の別個のグレースケール電圧を生成する。これらのグレースケール電圧を用いて64個の別個のグレースケールレベルを表示することが可能である。
【0037】
スイッチAまたはスイッチBを選択的にオンにすることにより、2つのガンマプロフィールを得ることができる。例えば、これにより、ユーザーはデジタルピクセルデータとピクセルの輝度の間の異なるマッピングを選択することが可能になる。
【0038】
スイッチBおよびDをオフにし、スイッチAおよびCをオンにすると、第1および第2のレジスタラダー142および144はVrefにフロートして、全てのガンマ電圧Vγ1〜Vγ10がVrefに等しくなる。グレースケール電圧V0〜V127はVγ1〜Vγ10から導かれるので、V0〜V127はすべてVrefに等しくなる。この場合、ピクセルデータ102の値とは無関係に、データドライバ18はVrefをグレースケール電圧として用いてピクセル回路14を駆動し、ディスプレイ10が均一な黒イメージを有するイメージを示すようにする。
【0039】
同様に、スイッチAおよびDをオフにし、スイッチBおよびCをオンにすると、ガンマ電圧Vγ1〜Vγ10はすべてVbに等しくなる。いくつかの実施例では、Vbは、Vbをキャパシタ22の第1のノード21に印加すると液晶セルの透過率がゼロ(またはゼロに近く)なるように、選定される。従って、スイッチAおよびDをオフにし、スイッチBおよびCをオンにすると、ピクセルデータ102の値とは無関係に、データドライバ18はVbをグレースケール電圧として用いてピクセル回路14を駆動し、ディスプレイ10が均一な黒イメージを有するイメージを示すようにする。
【0040】
スイッチAおよびBをオフにし、スイッチCおよびDをオンにすると、第1および第2のレジスタラダー142および144は接地にフロートし、ガンマ電圧Vγ1〜Vγ10は、すべて接地電圧に等しくなる。その結果、グレースケール電圧はすべて接地電圧に等しくなる。この場合、ピクセルデータ102の値とは無関係に、データドライバ18は接地電圧をグレースケール電圧として用いてピクセル回路14を駆動し、ディスプレイ10が均一な黒イメージを有するイメージを示すようにする。
【0041】
スイッチBおよびCをオフにし、スイッチAおよびDをオンにすると、第1のレジスタラダー142はVrefにフロートし、第2のレジスタラダー144は接地にフロートする。ガンマ電圧Vγ1〜Vγ5はVrefに等しくなる。グレースケール電圧V0〜V63はVrefに等しくなり、グレースケール電圧V64〜V127は接地電圧に等しくなる。ピクセルデータ102の値とは無関係に、データドライバ18はVrefおよび接地電圧を交互に用いてピクセル回路14を駆動し、ディスプレイ10が均一な黒イメージを有するイメージを示すようにする。
【0042】
同様に、スイッチAおよびCをオフにし、スイッチBおよびDをオンにすると、ガンマ電圧Vγ1〜Vγ5はVbに等しくなり、ガンマ電圧Vγ6〜Vγ10は接地電圧に等しくなる。グレースケール電圧V0〜V63はVbに等しく、グレースケール電圧V64〜V127は接地電圧に等しくなる。電圧VcomはVbおよび接地電圧がVcomに対して対称であるように調整される。ピクセルデータ102とは無関係に、データドライバ18はVbおよび接地電圧を交互に用いてピクセル回路14を駆動し、ディスプレイ10が均一な黒イメージを有するイメージを示すようにする。
【0043】
図8を参照すると、いくつかの実施例では、ガンマ電圧180は電圧Vref1、Vref2、...、およびVrefnから選択することができるスイッチ182を備え、スイッチ182を制御することにより異なるガンマプロフィールを選択することが可能である。スイッチ182もオフにしてレジスタラダー142および144を接地にフロートさせることが可能である。
【0044】
ガンマ電圧106(図4)、170(図7)または180(図8)のスイッチまたは複数のスイッチを制御することにより、ディスプレイ10がグレースケールのさまざまなグレースケールを示すか、または均一な黒イメージを決定することが可能である。いくつかの実施例では、これらスイッチはゲートドライバ16がゲート線26を駆動するとき、およびデータドライバ18がデータ線28を駆動するときに制御するタイミングコントローラにより制御される。
【0045】
黒イメージを表示することはディスプレイ10上の残存イメージを消すのに有用である。いくつかの実施例では、ビデオがディスプレイ10に30フレーム/秒で表示され、各フレームは33.3msを占める。ゲートドライバ16はゲート線26を連続的に駆動してピクセル列を活性化してグレースケール電圧をデータドライバ18から受け取るので、ディスプレイ10の部分(例えば、アレイ12の上部)は新しいフレームのイメージを示すが、ディスプレイ10の残りの部分(例えば、アレイ12の下部)は古いフレームのイメ−ジを示し、一方、ディスプレイ10の残りの部分(例えば、アレイ12の下部)は古いフレームのイメージを示す。速く移動する物体を含むビデオがディスプレイ10に示されるときは、新旧フレームの部分を同時に示すと移動する物体の縁で触れが生じることがある。
【0046】
このぶれ効果を低減する一つの方法は2つのイメージフレームの間に黒イメージを挿入することである。以下の説明は図3および4のガンマ回路を例として用いる。図9を参照すると、いくつかの実施例では、フレーム周期T=33.3msが2つの部分に分割される。フレーム周期190の(T=0とt=T/2の間のような)第1半分192の間、リセット信号148が引き上げられてスイッチ110をオンにし、ガンマ回路106に別個のガンマ電圧の全域を出力させ、ピクセル回路14が場合によってグレースケールレベルの全域を出力することができるようにする。ゲートドライバ16はディスプレイ10のピクセルの各列を連続的に活性化するにつれて、ホスト装置から送られたピクセルデータ102に基づいて、ディスプレイ10に正常イメージが示される。
【0047】
フレーム周期190の(t=T/2およびt=Tの間のような)第2半分194の間、リセット信号148が引き下げられてスイッチ110をオフにし、ガンマ回路106に共通の値Vrefを有するガンマ電圧を出力させる。ゲートドライバ16がピクセルの各列を連続的に活性化するにつれて、ピクセルはVrefに等しいグレースケール電圧を用いて駆動され、ピクセルの列を暗くさせる。ゲートドライバ16はピクセルの第1の列から最後の列を連続的に駆動してディスプレイ10に均一な黒イメージを表示させる。
【0048】
各ピクセルは正常なグレースケールレベル(すなわち、正常イメージのピクセルのグレースケール)をフレーム周期190の第1半分192に対して表示しフレーム周期190の第2半分194に対して黒レベルを表示する。各新しいフレームはピクセルの列が連続的に駆動されて新しいフレームに従ってグレースケールレベルを表示する際に黒のバックグラウンドで開始する。従って、イメージ中の移動物体の縁のぶれを低減することが可能である。
【0049】
ガンマ回路106、170または180のスイッチまたは複数のスイッチを制御することにより、電力供給がデータドライバになされた後の周期の間およびコントローラ30が適切に初期化される前ににグレーストライプまたはバンドが生じるのを防止することができる。
【0050】
図10を参照すると、タイミング図200はディスプレイ10用電力供給電圧、デジタルピクセルデータ102を含むディスプレイインターフェース信号204、リセット信号148およびバックライトモジュール用電力供給電圧208の相対的タイミングを示す。時間t0において、電力供給電圧202は予め設定された値Vccに到達する。時間t1において、低電圧差信号であることができ、デジタルピクセルデータ102を含む、ディスプレイインターフェース信号204は依然として低レベルである。ディスプレイインターフェース信号204は時間t2までは活性化されない。これは、正しいピクセルデータ102が時間t2を過ぎるまではデータドライバ18に到達しないことを意味する。
【0051】
ディスプレイをオンにした後、リセット信号148は時刻t2の後の短い周期t3まで低に保たれる。時間t3前は、ガンマ電圧はすべてVrefに等しく、グレースケール電圧はすべてVrefに等しいので、ディスプレイ10は黒イメージを示す。リセット信号148が時間t3において高に引き上げられると、データドライバ18は10個の別個のガンマ電圧Vγ1〜Vγ10から導かれる別個のグレースケール電圧を用いてピクセル回路14を駆動し、ディスプレイ10がグレースケールの別個のレベルを有するイメージを示すことを可能にする。時間t3の直ぐ後で、時間t4において、バックライトモジュール用電力供給208をオンにする。時間t2、t3および54も同時に進行することができる。
【0052】
図10に示されるタイミングシーケンスを用いて、ディスプレイ10は、電源投入されたときに、最初に均一な黒イメージを示し、次いでホスト装置から送られたピクセルデータに関連する正しいイメージに、ディスプレイ10に垂直グレーストライプまたはバンドを表示することなく、移行する。
【0053】
図11はスイッチD 178のみを用いるガンマ回路170(図7)の例を示す。電圧レギュレータ160は入力電圧VAAを調節して調節された電圧Vrefを生成するツェナダイオード210を備える。スイッチ制御信号発生器172は電力供給電圧Vccをピン2において受け取る遅延回路212を備え、予め設定された周期の後にピン1において電力供給電圧を出力する。ピン1における出力は離船と信号148として用いられる。
【0054】
電力供給VAAがガンマ回路170になされると、リセット信号148は最初低であり、スイッチ178はオフになるので、グレースケール電圧Vγ1〜Vγ10は、すべて最初はVrefに等しい。遅延回路212により決定された遅延周期の後、リセット信号148は高になり、スイッチ178はオンになるので、第1および第2のレジスタラダー142および144は電圧Vrefを分圧して10個の別個のガンマ電圧Vγ1〜Vγ10を生成する。
【0055】
さまざまな変形を上述の実施例に施すことができる。例えば、図7のガンマ回路170はスイッチA〜Dをすべて備えている必要はない。ガンマ回路170は、また、スイッチA〜Dの任意の組合せを備えていてもよい。追加のスイッチを使用することも可能である。黒イメージを正常フレームに上述の方法以外の方法、例えば、2005年10月21日出願の米国特許出願第11/256、661号明細書、発明の名称「液晶ディスプレイおよびその駆動方法」(引用により本明細書に導入される)に記載された方法を用いて挿入することができる。他のタイプのスイッチ、例えばp型MOSFETトランジスタを使用することも可能である。
【0056】
ガンマ回路の数、グレースケール電圧の数、およびディスプレイに示すことが可能なグレースケールレベルの数は上述の数とは異なっていてもよい。データドライバは1つより多いデジタル−アナログコンバータを有していてもよい。ディスプレイ10は、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード、電界発光ディスプレイまたは表面伝導電子発光ディスプレイのような、他のタイプのディスプレイであってもよい。追加の信号処理および制御回路をディスプレイに追加することも可能である。ガンマ回路のスイッチまたは複数のスイッチの遅延周期は固定されていても、プログラム可能であってもよい。分圧器の抵抗値およびガンマ電圧を分圧してグレースケール電圧を生成するためのレジスタラダーの構成は上述のものと異なっていてもよい。初期化の際に強制的に出現させられるイメージはすべて黒である必要はなく、他の所定のイメージであってもよい。
【0057】
蓄積キャパシタCST22はかならずしもキャパシタCLC25と同じ参照電圧、Vcom、に接続している必要はない。例えば、蓄積キャパシタCST22の一方のノードはTFT20に接続されていてもよく、蓄積キャパシタCST22の他方のノードは他の走査線26または接地電圧に接続されていてもよい。
【0058】
図2は「正常白」ディスプレイの透過率の図であり、このディスプレイにおいては、液晶セルの電極に電圧が印加されないときに、光が液晶セルを透過することが可能である。「正常黒」ディスプレイも使用することが可能であり、このディスプレイでは液晶セルは、液晶セルの電極に電圧が印加されないときは光が液晶セルを透過するのを阻止する。
【0059】
スイッチはユーザーの指令に応答して異なるガンマプロフィールを選択するように制御することが可能である。スイッチはまたディスプレイに示されたイメージまたはビデオの内容に基づいて自動的に制御されるようにすることも可能である。例えば、ディスプレイが主としてテキストまたは静止イメージを示すならば、一つのガンマプロフィールを選択肢、ディスプレイがビデオを示すときはもう一つのガンマプロフィールを選択することが可能である。また、スイッチはディスプレイの環境に基づいて自動的に制御されるようにすることも可能である。例えば、ディスプレイは周辺光を検知するセンサを備える。ディスプレイにイメージがユーザーにとって快適な輝度で明瞭に示されるように周辺光レベルに基づいて異なるガンマプロフィールを選択することが可能である。周辺光の色調に基づいて異なるガンマプロフィールを選択して、ディスプレイに示されたイメージがユーザーに正確な色で感知されるようにすることも可能である(例えば、日光、発熱等電球または蛍光灯からの周辺光はディスプレイでは同じイメージをユーザーに違って感じさせることがある)。
【0060】
いくつかの実施例について上述のように説明したが、他の実装および応用例も添付の特許請求の範囲内に入る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】液晶ディスプレイの概略図である。
【図2】グラフである。
【図3】概略図である。
【図4】概略図である。
【図5】概略図である。
【図6】図表である。
【図7】概略図である。
【図8】概略図である。
【図9】タイミング図である。
【図10】タイミング図である。
【図11】概略図である。
【符号の説明】
【0062】
1、2 ピン
10 ディスプレイ
14 ピクセル回路
16 ゲートドライバ
18 データドライバ
20 TFT
21 第1のノード
22、25 キャパシタ
26 ゲート線
28 データ線
30 コントローラ
98 バッファ
100 デジタル−アナログコンバータ
102 シリアルデジタルピクセルデータ
102 ピクセルデータ
102 デジタルピクセルデータ
103 パラレルデータ
104 アナロググレースケール電圧
106、170、180 ガンマ電圧
108 分圧器
110 スイッチ
112 ドレーン
114 ソース
116 ゲート
120 分圧器
122 抵抗器
130 一端
140 ノード
142 第1のレジスタラダー
144 第2のレジスタラダー
146、162 ノード
148 リセット信号
160 電圧レギュレータ
170 ガンマ回路
172 スイッチ制御信号発生器
174 スイッチA
175 スイッチB
176 スイッチC
178 スイッチD
182 スイッチ
190 フレーム周期
192 第1半分
194 第2半分
200 タイミング図
202 電力供給電圧
204 ディスプレイインターフェース信号
208 バックライトモジュール用電力供給電圧
210 ツェナダイオード
212 遅延回路
R1〜R12 抵抗器
V0〜V63、V63’〜V0’グレースケール電圧
AA 電力供給電圧
Vcc 電力供給電圧
Vγ1〜Vγ10 ガンマ電圧
Vref 入力電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセルデータを受け取り、かつ
第1の組の参照電圧に基づいて第1の組のグレースケール電圧を生成してピクセル回路を駆動して、上記ピクセルデータに基づいて第1の周期にそれぞれ異なるグレースケールレベルを表示し、
第2の異なる組の参照電圧に基づいて第2の組のグレースケール電圧を生成してピクセル回路を駆動して、第2の周期に共通グレースケールレベルを表示する
回路を備える装置。
【請求項2】
前記共通グレースケールレベルは黒レベルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回路は、前記第1および第2の組のグレースケール電圧を用いてデータ線を駆動する1つまたは複数のデータドライバを備え、前記データ線は前記ピクセル回路に接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記回路は前記第1の周期と前記第2の周期を切り換えられるスイッチに接続された分圧器を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記分圧器は、直列に接続された抵抗要素を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記スイッチをオンにすると、前記分圧器は第1の入力電圧を提供する第1のノードと第2の入力電圧を提供する第2のノードの間に電気的経路を実現し、前記分圧器は前記第1の入力電圧と前記第2の入力電圧の電圧差を分圧して第1の組の参照電圧を生成する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
ディスプレイに上記回路を含む、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、電界発光ディスプレイ、および表面伝導電子発光体ディスプレイのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
参照電圧を生成する回路を供え、前記回路は、
第1の状態においては、使用するグレースケール電圧を生成してピクセル回路を駆動し、それぞれ異なるグレースケールレベルを表示し、
第2の状態においては、グレースケール電圧をピクセル回路を駆動し、共通グレースケールレベルを表示し、
前記回路は、前記グレースケール電圧を用いて、前記ピクセル回路に接続されたデータ線を駆動する1つまたは複数のデータドライバを備える、装置。
【請求項9】
前記共通グレースケールレベルは黒レベルを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記回路は、電圧供給が前記データドライバになされた後、かつ前記データドライバがホスト装置から送られたデータ信号を受け取る前の周期の間は前記第2の状態で動作する、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記回路が前記第1の状態で動作するときは、前記データドライバはホスト装置からのデータ信号に基づいて各ピクセル回路に対してグレースケール電圧を出力して、前記ピクセル回路に前記異なるグレースケールの個々のレベルのうちの1つを表示させる、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記回路はスイッチに接続された分圧器を備え、前記スイッチは前記分圧器を通って電流が流れるか否かを制御し、前記分圧器を通って電流が流れるか否かによって前記回路により生成される前記参照電圧が影響を受ける、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
ピクセルに関連する、受け取られたピクセルデータに基づいて1組のアナロググレースケール電圧から選択されたアナロググレースケール電圧を用いてピクセルをグレースケールレベルに駆動し、かつ異なる周期の間にアナログ電圧をそこから選択することが可能な異なるグレースケール電圧の数を変更する回路を備え、
ある周期の間、前記アナロググレースケール電圧は、前記データドライバがピクセルを駆動してデジタルピクセルデータに無関係に共通グレースケールを表示するような値を有する、装置。
【請求項14】
前記ある周期は、電圧供給が前記データドライバになされた後、かつ前記データドライバがホスト装置からのデータ信号を受け取る前の周期を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
ある周期の間、前記アナロググレースケール電圧の組は全て共通の値を有する、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
ピクセル回路のアレイ;
制御可能参照電圧生成器であって、第1の周期の間に第1の組の参照電圧を、第2の周期の間に第2の組の参照電圧を生成し、第1の周期と第2の周期で切り換えられるスイッチに接続された分圧器を備え、前記分圧器は第1の周期の間に参照電圧を分圧して第1の組の参照電圧を生成する、前記制御可能参照電圧生成器;および
1つまたは複数のデータドライバを備えてホスト装置からピクセルデータを受け取り、かつ
前記第1の組の参照電圧に基づいて前記第1の組のグレースケール電圧を生成して前記ピクセル回路を駆動し、前記ピクセルデータに従って前記第1の周期の間にそれぞれ異なるグレースケールレベルを表示し、そして
前記第2の組のグレースケール電圧を前記第2の組の参照電圧に基づいて生成して前記ピクセル回路を駆動し、前記第2の周期の間に共通グレースケールレベルを表示する、ディスプレイ。
【請求項17】
さもないとピクセルに異なるグレースケールレベルを表示させるピクセルデータが受け取られているときに、ディスプレイのピクセルに、共通グレースケールレベルを表示させることを含む、方法。
【請求項18】
前記ディスプレイの1つまたは複数のデータドライバにより使用される参照電圧を制御して前記ピクセルによって表示するグレースケールを制御するグレースケール電圧を生成することを含み、
前記制御は、
第1の周期の間に、参照電圧を1つまたは複数の値に設定してピクセルに、ホスト装置から1つまたは複数のデータドライバに送られたピクセルデータとは独立に、共通グレースケールレベルを表示させること、および
第2の周期の間に、参照電圧を別個の値に設定してピクセルにホスト装置から1つまたは複数のデータドライバに送られたピクセルデータに基づいてグレースケールの異なるレベルを表示させることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記参照電圧の組を制御することは、スイッチを制御して電流が、第1の入力電圧と第2の入力電圧の間の電圧差を分圧して参照電圧生成する分圧器を通って、流れるか否かを決定することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ディスプレイのピクセル回路を駆動するのに用いられるグレースケール電圧を制御することにより前記ディスプレイに均一なグレースケールレベルを有するイメージを生成することを含み、前記グレースケール電圧の制御はホスト装置からディスプレイに送られるピクセルデータとは独立している、方法。
【請求項21】
信号線にグレースケール電圧を印可し;
ディスプレイの各ピクセルに対して、前記信号線の1つを選択し、前記選択された信号線のグレースケール電圧を用いてピクセルに対してグレースケールレベルを決定し;
第1の周期の間に、信号線に印可されたグレースケール電圧を制御してピクセルに共通グレースケール電圧を表示させ;かつ
第2の周期の間に、信号線に印可されたグレースケール電圧を制御してピクセルに異なるグレースケールレベルを表示させることを含む、方法。
【請求項22】
前記グレースケール電圧を制御することは1つまたは複数のスイッチを制御して前記グレースケール電圧の値に影響を与えることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
さらに、分圧器を用いて前記信号線に印加される前記グレースケール電圧を生成することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記信号線の一つを選択することは、前記信号線の一つをホスト装置から送られたピクセルデータに基づいて選択することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
ディスプレイの1つまたは複数のデジタル−アナログ装置により用いられる参照電圧を制御して前記ディスプレイのピクセルにより示されるグレースケールレベルを決定するためのアナロググレースケール電圧を生成することにより、ある周期の間に、ディスプレイに黒イメージを生成することを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−154814(P2006−154814A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−336631(P2005−336631)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(599142729)奇美電子股▲ふん▼有限公司 (19)
【Fターム(参考)】