説明

調製品、特に化粧用調製品、並びにその製造方法および使用方法

ケラチン物質上に使用するために、特に、肌および肌の付属物を装飾し、着色し、その外観を改善し、ケアーするための、液体またはペースト形態にあることが好ましい、調製品、特に化粧用調製品が記載されている。この調製品は、水を含まず、60℃より高い滴点を持つ少なくとも一種類のワックスおよび液体シリコーン化合物を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌に、半粘膜に、粘膜に、並びに毛髪、睫毛および眉毛などのケラチン物質に使用するための、特に、外観を装飾、着色および改善するため、並びに肌および肌の付属物を手入れするための、好ましくは液体またはペースト形態にある調製品、特に化粧用調製品に関する。この種の調製品は、例えば、メイクアップのため、特に、毛髪や睫毛に用いられる。そのような調製品は「マスカラ」と称される。
【背景技術】
【0002】
基本的に、適切な修正および着色がなされた本発明による調製品は、メイクアップ、コンシーラー、カムフラージュ、アイシャドー、アイライナー、リップライナー、ルージュ、リップルージュ、リップグロス、日焼け防止剤、日焼け止め、一時的なタトゥー、サーファーのための日焼け効果のある日焼け止めなどとして使用することもできる。「ブロック・マスカラ」または「ケーク・マスカラ」と称されるものの形態、湿ったブラシにより物質がそこから取られる調製品の固体形態、O/WまたはW/O型エマルジョンの形態にある「エマルジョン・マスカラ」の形態、もしくは溶媒系マスカラの形態にあるマスカラ調製品が知られている。ブラシや物質を湿らすために水が利用できない場合、および別の一般名称、すなわち、「スプリット・マスカラ」が、代わりの使用形態により、製品とユーザに関して、重大な微生物由来のリスクが確実に引き起こされ得ることを示す場合、「ブロック・マスカラ」を使用するのは難しい。
【0003】
関連するタイプにより、連続相を分散相と緊密な関係に維持するために、「エマルジョン・マスカラ」に乳化剤を少なくとも一種類、常に使用しなければならない。そのような製品に関する欠点は、一般に、睫毛上でその製品を乾燥させた後、水、雨、汗および特に極わずかにアルカリ性の涙液などの環境からの水分のため、その製品は再び溶解することがあり、それによって、そのような調製品の耐久性が低下してしまうことである。水溶性ポリマーまたは水中に分散させられるポリマーの使用にも、その有害な影響が伴う。そのようなポリマー含有製品の例が非特許文献1に見られる。他の例が、非特許文献2および3などの化粧品の文献における標準的な研究に見られる。少なくとも一種類のワックスおよび一種類の擬ラテックス(pseudo-latex)を含有する、ポリマー系のエマルジョン・マスカラにも言及すべきである。エマルジョンを安定に維持するために、乳化剤を含ませなければならない。公知の従来の乳化剤は、炎症を引き起こすために、使用するのが不都合なことが多々ある。この種の組成物に関する欠点は、睫毛または毛髪上で乾燥させた後、それらの組成物が、裂けたり剥がれ落ちたりし得る脆いコーティングを形成することである。ヘアマスカラの場合、そのような効果は確かに望ましいことがある。何故ならば、一時的な毛髪の着色の形態にあるそのような調製品は、ブラッシングで落とすことによって、後で容易に除去できるからである。しかしながら、微細な粒子が睫毛から剥がれ落ちた場合、それらは、目に入ることがあり、機械的刺激を生じたり、または目の下の領域を着色したりする(「パンダ目効果」と称されるもの)。
【0004】
エマルジョン・マスカラに関するさらに別の欠点は、それらが、塗布されて乾燥した後、マット状であることである。しかしながら、睫毛を特に強調するために、塗布した層が輝くことは有益である。
【0005】
水をわずかしかまたは全く含有しない、溶媒系マスカラ調製品も知られている。エタノール、プロパン−1−オール、プロパン−2−オール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンなどの極性溶媒は、そのにおい、肌と粘膜へのひどい刺激性の影響および環境上の適合性の欠如のために、自然の成り行きで度外視される。エタノールは、せいぜい15体積%未満の量でしか使用できない。非極性のイソパラフィンはすでに、過去において明らかに使用されてきた。しかしながら、そのうちのいくつかに関して、それらの不利になる点は、それらを化粧品用途から排除する芳香族化合物を含むこと、並びに、この種の調製品の製造には、特別な予防措置が勧められる低沸点のイソパラフィンの可燃性である。しかしながら、排他的にまたは主に高沸点のC11/C12イソパラフィンを選択すれば、肌と毛髪に非常に良好に付着し、非常に良好な耐転写性を有する調製品がご指摘の通り得られるが、それらのにおいは、心地よいものとは考えられていない。
【0006】
多くのマスカラに関する問題は、特別なパッケージを必要とすることである。溶媒含有マスカラは、溶媒に対して不活性な容器内にしかパッケージできない。使用される溶媒が高揮発性であるまたは不動にされていない場合、容器は、溶媒がそこから蒸発できないように、密閉されなければならない。さらに、化粧用物質の容器との適合性は、異なる種類のマスカラのために異なるパッケージを提供しなければならないように、使用されるそれぞれの溶媒に依存している。このことは、特に、大量生産にとって非常に不都合である。
【非特許文献1】W Umbach, "Kosmetik", Geog Thieme Verlag, Stuttgart, 1988, page 101
【非特許文献2】H Janistyn, "Handbuch der Kosmetika und Riechstoffe", volume 3, Huethig-Verlag, 2nd edition, 1973, on pages 855-860
【非特許文献3】G A Nowak, "Die kosmetischen Praeparate", Verlag Ziolkowsky, 3rd edition, 1984, pages 748-751
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、例えば、「ウエット・ルック」と称されるものを製造するために、艶があり、乾燥後でさえまだ艶のある層を形成できる、特に、肌および肌の付属物を着色するため、その外観を改善するため、およびケアーするための調製品を提供することにあった。本発明のさらに別の課題は、肌、半粘膜、粘膜、毛髪および睫毛に容易にかつ均一に塗布でき、カバー力が良好であり、ユーザに適当と考えられる時間内に乾燥し、その結果、拭き取り耐性となり、長時間に亘り付着し、肌の細かい皺中に移行せず、塗布した場所から、例えば、カップ、グラス、金属、繊維製品、または肌の他の区域などの他の媒体に転移しない調製品を提供することにあった。そうでなけば、魅力的ではない色の印象または油脂の膜が生じることがあり、より具体的には、肌上にうまく広がる油性成分が、少量の顔料と共に移行し、肌に魅了的ではない痕が後に残ることがある。そのため、肌、半粘膜、粘膜、毛髪および睫毛に適切に付着しない製品は、度々、塗布し直さなければならなくなってしまう。
【0008】
本発明のさらに別の課題は、化粧用物質のための全ての種類の容器中に、その種類の容器に用いられるプラスチック材料に適合しているので、充填目的で導入できる調製品を提供することにあった。本発明はさらに、溶媒がそこから逃げ出せず、または容易には逃げ出せず、したがって、パッケージのために特別な対策を必要としない調製品を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
その課題を達成するために、請求項に定義されたような調製品が提案されている。本発明による調製品には、水を含まず、O/WまたはW/O型乳化剤を含まず、それにもかかわらず、毛髪、睫毛または肌に容易に塗布できるようにペースト状の粘稠度のものであるという利点がある。意外なことに、以下に定義されるようなワックス成分、および可溶化剤としてのシリコーン流体の組合せにより、従来技術において公知の物質の問題を被らず、崩れ落ちず、非常に耐久性で艶のある美的コーティングを与える、調製品が提供される。
【0010】
本発明による調製品の必須成分は、調製品にきめを与えるワックス成分である。このワックス成分は、一種類以上のワックスおよびワックスの粘度ときめに影響を与える成分から形成される。少なくとも一種類のワックスが、60℃より高い滴点を持つワックスであり、ワックス混合物が用いられる場合、全てのワックスが60℃より高い滴点を有することが好ましい。その滴点が70℃より高いことが好ましい。
【0011】
ワックス成分に関して、少なくとも一種類のワックスが、動物、植物、鉱物または合成由来のワックスもしくはその混合物および混成物から選択される。使用されるワックスは、2と40の間の硬度のものであり、ここで、この硬度値は、針貫通法を用いて決定される。硬度値を決定するための操作は、米国基準ASTMにしたがって行われる。これは、25℃の温度で、47.5gの錘が装着される、所定の円錐を備え、2.5gの重さの針を、試験体の平らな表面に貫通させるものである。5秒後に、貫通の深さがミリメートルの十分の一の単位で決定される。
【0012】
蜜蝋、改質蜜蝋またはいわゆる「セラ・ベリナ(cera bellina)」、ラノリンワックス、日本蝋、カンデリラ蝋、ウーリクリ(ouricuri)蝋、カルナウバ蝋、ライスワックス、オレンジフラワーワックス、オレンジワックス、ジャスミンワックスまたはアップルワックスなどのフラワーワックスまたはフルーツワックス、モンタン蝋、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン蝋、地蝋、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュ法を用いて製造されたワックス、シリコーンワックス、例えば、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、水和ホホバ油などの長鎖エステルまたはそれらの混合物およびその混成物を使用することが好ましい。使用されるそのようなワックスまたはその混合物および/またはそれらの混成物の量は、完成した調製品に関して、一般に3および35質量%の間、好ましくは5および25質量%の間の範囲にあり、8および20質量%の間にあるのが特に好ましい。
【0013】
ワックス成分はさらに、少なくとも一種類の不揮発性油、少なくとも一種類の固体の長鎖アルコールおよび少なくとも一種類の膜形成軟質ポリマーまたはコポリマーを含み得ることが好ましい。添加剤および充填剤、着色剤、UVAおよびUVB範囲において動作する光保護フィルタ、保存料、酸化防止剤、沈降防止剤、香料混合物などのさらに別の成分を添加しても差し支えなく、ここで、それぞれ成分のための保存料は一般に必要ない。本発明による調製品は、液体または周囲温度で固体であるトリグリセリドおよび揮発性鉱油、並びに従来の乳化剤および水を含まないことが好ましい。
【0014】
ワックス成分をさらにより加工し易くするために、不揮発性油を加えても差し支えない。不揮発性油という用語は、炭化水素またはシロキサン単位に基づく高分子化合物を意味するために用いられる。好ましい不揮発性油は、ポリシロキサンジメチル(ジメチコーン)、フェニルトリメチコーン、ジフェニルジメチコーンおよび/またはポリブテンおよびポリイソブテンなどの高分子シリコーンである。ホホバ油、エルカ酸オレイル、オレイン酸オレイル、セバシン酸ジエチル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジブチル、イソステアリン酸イソステアリルまたはそれらの混合物などの中鎖または長鎖カルボン酸エステルを加えることもできる。使用されるそれらの不揮発性油の量は、一般に1および30質量%の間、好ましくは5および15質量%の間である。
【0015】
ワックス成分にはさらに、14から48の、好ましくは20から40の炭素原子を有する長鎖アルコールが補われていても差し支えない。適切な長鎖アルコールは、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セリルアルコール、ミリシルアルコールまたはそれらの混合物などの、周囲温度で固体である飽和した、直鎖または分岐鎖脂肪アルコールから選択される。20および40の炭素原子の長鎖を持つアルコールの混合物を使用することが好ましい。その点に関して、使用される長鎖アルコールの量は、0.5および20質量%、好ましくは1.5および15質量%、特に好ましくは2および12質量%の間である。
【0016】
結合剤として働くことのできるさらに別の成分として、送達を改善するために、ワックス成分は、ステロイド含有物質を含んでも差し支えない。コロホニーおよびその誘導体、ロジン誘導体、並びにステロールとスタノールおよびそれらの誘導体が、ステロイド含有物質として考えられる。未荷電の誘導体、特に、一価および多価のアルコールとコポリマーに関するエステルが、誘導体であると考えられ、ここでは塩は排除される。この点に関して適したエステルは、例えば、ロジン酸のエステルまたはグリセリンおよびペンタエリトリトールなどの多価アルコールを持つコロホニーおよび多価アルコール、例えば、グリセリル単位、マレイン酸単位およびロジン酸から構成されたコポリマーである。オリザノールなどのステロールおよびステロール誘導体またはそれらの成分を含有する生成物を使用しても差し支えない。一例として、ジペンタエリトリチルヘキサヒドロキシステアリン酸エステル/ヘキサステアリン酸エステル/六水素化ロジン酸エステル、ジペンタエリトリチルヘキサヒドロキシステアリン酸エステル/ヘキサステアリン酸エステル/ヘキサロジン酸エステル、グリセリルジベン酸エステル/水素化ロジン酸エステル、グリセリルジミリスチン酸エステル/水素化ロジン酸エステル、グリセリル水素化ロジン酸エステル、ロジン酸グリセリル、三水素化ロジン酸グリセリル、ロジン酸グリセリル、三水素化ロジン酸グリセリル、ロジン酸グリコール、水素化ロジン酸メチル、ロジン酸メチル、ジロジン酸PEG−3、水素化ロジン酸ペンタエリトリチル、ロジン酸ペンタエリトリチル、ロジン酸TEA、水素化ロジン酸トリエチレングリコール、および/またはロジン酸トリエチレングリコール、またはそれらの混合物に言及してもよい。ステロール状化合物、例えば、米糠蝋を含有する植物抽出物も適している。ステロイド誘導体は、所望の効果を達成するような量で含まれる。好ましくは0.1から10質量%の、特に好ましくは0.5から4質量%の量が用いられる。前記化合物は、さらなる有益な性質に寄与できる、例えば、膜形成を促進し、肌の心地よい感触を高めることができる。
【0017】
ワックス成分を可塑化するまたはそれをペースト状にするために、1および20の間のシロキサン単位、好ましくは3および8の間のシロキサン単位を持つ直鎖、分岐鎖または環状シリコーンであって差し支えないシリコーン油を可溶化剤として使用する。そのシリコーン油は、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサンおよび/またはドデカメチルペンタシロキサンなどの2および8の間、好ましくは2および6の間のシロキサン単位を持つ短い直鎖ジメチルシロキサン、または例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの4および7の間のシロキサン単位を持つ環状シリコーン油、もしくはそれらの混合物から選択されることが特に好ましい。使用されるそれらの低分子シリコーン油は、10および80質量%の間、好ましくは15および65質量%の間、極めて特に好ましくは25および50質量%の間の範囲にある。
【0018】
それゆえ、本発明による調製品は、ワックス成分とシリコーン流体との組合せである。それらの必須成分を加工して均質な組成物を得るために、好ましい実施の形態は、相溶化剤の添加を含む。この相溶化剤は、疎水性ワックス成分と、疎水疎油性シリコーン流体との間を媒介する化合物である。アルキルポリシロキサン、特に、末端基および/または側鎖として長鎖アルキル残基を有するジメチルシロキサンがその目的に適している。好ましいアルキルポリシロキサンは、異なる鎖長のアルキル残基を有して差し支えないアルキルジメチコーンから選択される。そのアルキル残基は10および36の間の炭素原子を有していて差し支えない。さらに、それら残基は、ヒドロキシル基を有していてもおよび/またはエーテル橋によって、より短いアルキル鎖に連結されていても差し支えない。ジメチコノールのエステルは、最も広い意味で、アルキルジメチコーンとすべきである。ここで、一例として、ラウリルジメチコーン、セチルジメチコーン、セテアリルジメチコーン、ベヘニルジメチコーン、C24−28アルキルジメチコーン、ビスヒドロキシエトキシプロピルジメチコーン、フェニルプロピルシルセスキシロキサン、ステアリン酸ジメチコノール、ベヘン酸ヒドロキシプロピルジメチコーンおよびそれらの混合物などの物質に言及しておく。その点に関して、使用される量は、0.5および35質量%の間、好ましくは1.5および25質量%の間、極めて特に好ましくは3および12質量%の間にある。
【0019】
本発明による調製品は、塗布後、塗布した場所に適切に留まっており、そこから移動しないことになっている。付着力を改善するために、本発明による調製品に不揮発性油またはカルボン酸エステルを加えても差し支えない。適切な不揮発性油の例は、50,000および1,000,000の間、好ましくは200,000および800,000の間、特に好ましくは300,000および500,000の間の分子量を持つ、フェニル基により置換されていても差し支えないジメチルポリシロキサンである。例えば、特定の範囲の分子量を持つ、ジメチコーン、フェニルトリメチコーンまたはジフェニルジメチコーンを使用することもできる。結合剤として適しているカルボン酸エステルの例は、ホホバ油、エルカ酸オレイル、オレイン酸オレイル、セバシン酸ジエチル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジブチル、イソステアリン酸イソステアリルまたはそれらの混合物である。使用されるそれらの不揮発性油の量は、一般に1および30質量%の間、好ましくは7および25質量%の間にある。
【0020】
塗布性、耐久性および耐転写性を改善するために、少なくとも30℃の滴点を有する、膜形成軟質ポリマーまたはコポリマーを使用することが好ましい。そのポリマーまたはコポリマーは、オレフィンマレイン酸コポリマーから選択されることが好ましく、長鎖のマレイン酸アルキル/イソアルキルMAターポリマーを使用することが特に好ましい。C30−38オレフィン/マレイン酸イソプロピル/MAコポリマー、セテアリルジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー、オクタデセン/MAコポリマー、メトキシアミノジメチコーンシルセスキオキサンコポリマーまたはそれらの混合物が、特に適していると実証されている。それに関して、0.1および20質量%の間、好ましくは0.5および12質量%の間、極めて特に好ましくは2および8質量%の間の量が用いられる。
【0021】
本発明による調製品は、化粧組成物に関して通例の成分をさらに含有しても差し支えない。それらの成分は、粘度、きめ、流動性および粘稠度、塗布の付着性並びに色および美的パラメータなどの性質を調節するように働く。
【0022】
好ましい実施の形態において、本発明による調製品は、粘稠度を調節するために、二酸化ケイ素すなわちシリカ、特に、シリコーン流体を吸収し、それによって、相溶化および相分離の回避に寄与できる、大表面積を持つ高分散ケイ酸を含有する。
【0023】
前記調製品はまた、例えば、タルカム、カオリン、治療土、スメクタイト、デンプンおよび加工デンプン、非膨潤デンプン、セルロース、ポリテトラフルオロエチレン粉末(テフロン(登録商標))、ポリアミド粉末(ナイロン)、マイカなどの充填剤、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Ca、ステアリン酸Srまたはステアリン酸Znなどの不溶性金属石鹸および/または無機または有機顔料および有機着色剤のレーキを含有してもよい。以下は、後者の例として挙げてもよい:二酸化チタン、酸化亜鉛、黄、赤または黒の酸化鉄、酸化クロムグリーン、水酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー、ベルリンブルー(第2鉄ブルー(Ferric Blue))、マンガンバイオレット、カルミン、真珠光沢顔料、例えば、二酸化チタンで被覆されたマイカおよび二酸化チタンと金属酸化物で被覆された着色マイカ、酸塩化ビスマス、金属酸化物で被覆された酸塩化ビスマス、アルミニウム、青銅、真鍮、銅、銀および金の薄片状の金属粉末、並びにアルミニウム、バリウム、カルシウム、ストロンチウムまたはジルコニウムを含む有機染料のレーキまたは特定の物質の混合物。このリストは、一例としてのみであり、定義の意味ではない。この点に関して、使用される量は、通常の制限内であり、それぞれの化粧品の規則により規制された最大量によることが好ましい。その点に関して、充填剤および着色剤の量の比率は、0.01および70質量%の間の範囲、好ましくは1および55質量%の間の範囲、極めて特に好ましくは2および25質量%の間の範囲にある。
【0024】
使用されるシリコーンの屈折率により生じる、達成できる高レベルの光沢および高レベルの色の彩度は、水を含まない調製品において、一例として先に述べた着色剤を用いた場合、都合がよい。この調製品は、pH値により生じるどのような影響にも関係しない。例えば、ウルトラマリーンブルーを用いたときの硫化水素の生成または金属粉末を用いたときに起こり得る水素の単体分離も、反応相手として水が存在しないために、予測されていない。シリカを用いた場合、表面被覆された、好ましくは疎水化された生成物を使用することが都合よい。
【0025】
日焼け防止剤、特にいわゆる「日焼け止め」において、例えば、イソアミルまたはエチルヘキシルp−メトキシシンナメート、もしくは4−メチルベンジリデンカンファーなどの油溶性光フィルター物質の他に、5および25nmの間の範囲にある平均粒径を持つ、いわゆる「ナノ顔料」の形態にある、例えば、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛および酸化ジルコニウムなどの金属酸化物との組合せを使用することもできる。
【0026】
本発明による調製品の粘度の調節および安定化の目的で、ことによると、当業者に公知の適切な様式で、作動させなければならない、ベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイトまたはそれらの添加剤の有機修飾された誘導体およびそれらの組合せなどのそれ自体公知の添加剤を使用することも確実にできる。少量の炭酸ジエチル、炭酸プロピレンまたはα−ヒドロキシ酸のアルコール溶液がその目的に適していることが知られている。当然、12−ヒドロキシステアリン酸およびベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘンアミドプロピルジメチルアミンを用いてオレオゲルを製造することもできる。これに相当するプロセスが、例えば、独国特許発明第10201370C2号明細書から、当業者には知られている。
【0027】
本発明による調製品は水を含んでいないので、一般に、保存料を使用せずに済ませることもできる。酸化防止剤を使用する場合、一般に用いられているものが適している。ビタミンE酢酸エステルなどの化粧品に許容されている物質を使用することが好ましい。
【0028】
本発明による調製品は、粘性形態または加工可能なペーストの形態で存在し、肌に、半粘膜に、粘膜に、および毛髪や睫毛に、容易にかつ均一に分布させることができる。本発明による調製品の粘度は、所望の使用目的にしたがって調節され、液体から粘性調製品の場合には、50および1500mPa・sの範囲にあり、ペースト状調製品の場合には、1.5および500Pa・sの範囲にある。その点において、粘度は、プレート/ボールまたはプレート/プレートの測定装置により、1rpmの回転速度で、市販の粘度計により従来の様式で決定される。プレート/プレートの測定装置の場合には、間隙幅は0.4mmである。
【0029】
本発明による調製品は、乾燥後、それらが塗布された箇所に、心地よいと感じられ、移動せず、流れず、移行せず、一日中塗布された箇所に留まることのできる弾性層を形成する。この調製品は、適切なメークアップリムーバーまたはクロスにより、洗浄ローションにより、上質の石鹸で洗い流すことにより、相当する穏やかな界面活性剤調製品により、ユーザに公知の様式で、再び除去することができる。本発明による調製品の利点は、それら調製品は、どのような種類の容器中にも、その種の容器に用いられる通常のポリマーに適合しているので、すなわち、本発明の調製品は、それらのポリマーと反応せず、それによって、かえられないので、充填できることである。これらの調製品は、通常の条件下で貯蔵中に放出されるような溶媒は全く含まないので、溶媒が逃げるのを防ぐための特別な対策を講じる必要がない。したがって、本発明による調製品は、その中にアプリケータ(スパチュラ、微細なブラシ、粗いブラシなど)を収容したボトル、ジャー、チューブ、ポットまたはカップ(ボウル)などの、所望の使用目的に適した容器中に公知の様式で充填することができ、ユーザにより、再度そこから取り出すことができる。しかしながら、これに伴う改善された衛生条件のために、それらの調製品は、「ディスペンサ機構」と称される適切なアプリケータ装置中に導入し、そこから塗布することができる。後で物質と共に移動する牽引ピストン(trailing piston)を備えた、いわゆる圧力動作計量ディスペンサが基本的に知られている。調製品を二重チャンバエアゾール噴霧器の形態にある容器内に充填できることも知られている。例えば、米国特許第6238117号明細書または同第6309128号明細書から知られているようなアプリケータ装置が、非常に魅力的な微細な計量が可能であるので、例えば、リップおよび目の領域に要求されるような少量の塗布にとって適している。
【0030】
本発明による調製品が、睫毛を着色するための「マスカラ調製品」として製造される場合、睫毛が視覚的に太くしっかりと見えるようにし、カールを与えるために、それら調製品は、睫毛に色を与えるだけでなく、それらを補強することも意図されている。そのとき、それら調製品は、通常、黒、茶、青およびダークグレーに着色されている。その意図が、睫毛の自然色をより強く、より印象的にすることだけである場合、マスカラ調製品を、充填剤および着色剤を含まずに、透明形態に製造することが推奨される。その意図が、例えば、ディスコの照明の下で特定の効果を達成するために、長波紫外線(いわゆる、「ブラックライト」)の下で特定の色効果を達成することである場合、化粧品用途に認可されているスチルベン誘導体またはナノ顔料の形態の二酸化チタンをそのようなマスカラ調製品に添加することもできる。最新のファッションは、睫毛の先端を、対照的な色、例えば、薄緑、モスグリーン、黄、オレンジまたは赤で強調するものである。目の領域に許された上述した無機顔料は、着色剤としてその目的に適しているが、例えば、FD&Cブルー1(C.I.−No42090)、FD&Cレッド40(C.I.−No16035)、またはFD&Cイエロー50(C.I.−No19140)などの有機染料のレーキも適している。本発明による調製品をヘアマスカラとして使用すべき場合、当然、色の選択はより多様になる。その場合、外部用途にしか許されていない有機染料のレーキを使用することもできる。ディスコの照明の下で特定の色効果を与える調製品が望まれる場合、その目的に適しており、当業者に十分に知られた蛍光染料を使用することもできる。その点に関して、例えば、国際公開第2004/108108号パンフレットを参照のこと。ポリエステル、ポリカーボネートなど物質着色ポリマーキャリヤの微細な輝く粒子をそのイフェクト調製品に使用することもできる。微細な繊維、例えば、ナイロン、絹、セルロース、ポリエステル、テフロン(登録商標)、レーヨンなどを含有するマスカラ調製品は既に、睫毛を補強し、長くするために、長い間、通例となっている。
【0031】
マスカラ用の容器は、市販されており、当業者にも十分に公知である。当業者は、ここでは、選択したブラシが睫毛を十分に濡らし、そのようにすることによって、睫毛を分離し、ブラシとスクレーパの部分が互いにうまく適合していることを考慮するだけでよい。マスカラ調製品とイフェクトマスカラが一緒に提供される場合、2つの別個のユニットから組み合わせられるパッケージが推奨される。その一方で、片方のユニットが小さな容積と小さなブラシを備え得る組合せパッケージも市販されるようになってきた。通常、人間は睫毛よりも毛髪のほうが多いので、ヘアマスカラには、より大きな容器が適応されるのは当然である。
【実施例】
【0032】
ここで、本発明による調製品を、以下の実施例によって、より詳しく説明する。しかしながら、それらの実施例は、本発明の調製品を限定的に説明するものではない。その点に関して、その量は、各場合において、それぞれの調製品の総質量に対して、質量パーセントで表されている。個々の場合、含まれる量は、特定の量よりもわずかに多いか少なくても差し支えなく、その場合、それにもかかわらず、本発明による調製品が製造される。それは、そのような調製品の幅広く得られる様々な適切な成分を考慮すると、当業者にとって予測できないことでは決してなく、よって、当業者には、使用した量がそのように特定の量より多いか少ない場合、これは、本発明の範囲から逸脱するものではないことが分かっている。当業者に公知のINCI名称が、含まれる原料を同定するのに用いられる。
【0033】
実施例1(ペースト状マスカラ調製品)

製造目的のために、2〜6品目の原料を約80℃で溶融し、次いで、着色剤(黒酸化鉄)およびシリカを加え、次いで、混合物を3本ロール練り機に3回通過させる。ここで、混合物を真空加工設備に移し、オクタメチルトリシロキサン、トコフェロール酢酸エステルおよび香料の混合物をそこに加え、混合物を完全に混合し、わずかな真空下で脱気し、約28〜30℃まで冷却し、貯蔵容器に移す。
【0034】
さらに別の色を製造するために、黒酸化鉄だけの代わりに、黒、赤および黄の酸化鉄の混合物を用いて、茶色のマスカラ調製品を製造し、黒酸化鉄の二酸化チタンとの混合物を用いて、グレーのマスカラ調製品を製造し、ウルトラマリンブルーを、ことによると二酸化チタンと共に用いて、青色のマスカラ調製品を製造する。イフェクトカラーは、黄および/または赤の酸化鉄(黄、オレンジ、赤のマスカラ調製品)、酸化クロムグリーン(モスグリーンのマスカラ調製品)、水酸化クロムグリーン(ターコイズのマスカラ調製品)を、ことによると、各場合、二酸化チタンと混合して、使用することによって製造できる。この点に関して、色合いおよび色彩度の点で所望の要件に応じて、以下の実施例において変更例を実施するのは、当業者の裁量事項である。その点に関して、顔料の量の減少は、未被覆マイカまたはタルカムの添加により、または揮発油の比率を増加させることにより、補うことができる。
【0035】
実施例2(ペースト状の無色マスカラ調製品)

実施例2の製造は、実施例1と同様の様式で行われる。このマスカラ調製品は、睫毛を太くし、わずかに長くするほぼ無色透明のコーティングを睫毛に形成する。長波紫外線下で、その調製品は、強力な薄青の照明効果を示す。紫外線下でさえ完全に無色の製品を得るために、二酸化チタンのナノ顔料は、対応する量のデカメチルテトラシロキサンにより置換される。
【0036】
実施例3(ペースト状ヘアマスカラ)

実施例3の製造は実施例1と同様である。このマスカラ調製品は、個々の編んだ髪を一時的に着色するのに特に適しており、髪に、長波紫外線下で明るい赤の蛍光を示すオレンジ−イエローの着色を生じる。
【0037】
実施例4(ペースト状、サーファーのための日焼け止め効果)

実施例4の製造は実施例1と同様に行われる。得られた結果は、日焼け止め効果のある輝く青色ペーストである。カラーバリエーションが望ましい場合、ウルトラマリンブルーを、黄または赤の酸化鉄、水酸化クロムグリーン、酸化クロムグリーン、マンガンバイオレット、二酸化チタンまたはそれらの混合物により置換することもできる。ロールオン式アプリケータで塗布すると、肌に線や絵を描くことができる。
【0038】
実施例5(ペースト状の無色日焼け止め)

実施例5の製造は実施例1と同様に行われる。得られた結果は、チューブに充填するのに適した無色透明のペーストである。これは、SF25〜30辺りの領域で高レベルの日焼け防止を提供する。
【0039】
実施例6(ペースト状アイシャドー)

実施例6の製造は、実施例1と同様に行われるが、3本ロール練り機に二回通した後に、パール顔料が加えられる。明るいパール状の光沢を持つ強力なターコイズ物質は、小さなポット中、または、取扱いおよび製品の衛生を改善するための、ホルダとして、密閉キャップに連結される柄に固定されたアプリケータ、いわゆる、「鹿の足形アプリケータ」を備えた細長い容器中に充填するのに適している。
【0040】
実施例7(耐水性の液体ファンデーション)

実施例7の製造は実施例1と同様に行われる。得られた結果は、良好なカバー力を有し、良好な耐転写性により長持ちし、非常に耐湿性である、例えば、耐汗性である、ライトブラウンのペースト状調製品である。この調製品は、チューブに充填するのに非常に適している。
【0041】
実施例8(液体リップライナー)

実施例8の製造は、実施例1と同様に行われ、その点に関して、3本ロール練り機で処理できる材料を得るために、約20〜25%の揮発性シリコーン油を熱い材料に加える。得られた結果は、良好なカバー力を付与し、密閉キャップに組み込まれた繊維チップによって、小さな容器内で塗布できる、強烈に赤色のまだ液体の調製品である。この調製品は、耐転写性であり、肌の微細な皺中に移行しない。
【0042】
実施例9(液体アイライナー)

実施例8の製造は実施例8と同様に行われる。得られた結果は、濃い黒色であり、耐久性と耐転写性が良好な液体調製品である。取り扱い易くするために、この調製品は、実施例8に記載された容器中に充填される。
【0043】
実施例10(耐水性の、お肌の赤みのためのペースト状のカバーリングクリーム)

実施例10の製造は実施例1と同様に行われる。得られた結果は、肌に容易に均一に分布させられる、カバー力が良好で、耐転写性が非常に良好な薄いターコイズの調製品である。この調製品は、チューブに充填するのに適している。この調製品は、補完的な色によって、顔料スポットおよび小さな目に見える血管などの肌の異常(赤みおよび赤鼻)を隠すように働く。この調製品は耐水性であり、W/O型エマルジョンにより溶解しないので、肌上で乾燥した後、それぞれの使用者の嗜好にしたがって、適切なメークアップを塗布できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワックス成分および可溶化剤としての液体シリコーン化合物を含有する、液体またはペースト形態にある、水を含まない調製品であって、前記ワックス成分が、60℃より高い滴点を持つ少なくとも一種類のワックス、少なくとも一種類の不揮発性油および/または長鎖アルコールおよび/または相溶化剤および/または少なくとも30℃の滴点を持つ膜形成ポリマーまたはコポリマーから形成されることを特徴とする調製品。
【請求項2】
液体または周囲温度で固体であるトリグリセリドおよび揮発性鉱油を含まないことを特徴とする請求項1記載の調製品。
【請求項3】
前記ワックスが、25℃の温度で測定され、5秒の貫通時間で、50gの試験体の総質量で、2および40の間のASTM D5にしたがう針貫通値を有することを特徴とする請求項1記載の調製品。
【請求項4】
前記ワックスが、蜜蝋、改質蜜蝋、カンデリラ蝋、カルナウバ蝋、ウーリクリ蝋、ライスワックス、モンタン蝋、マイクロクリスタリンワックス、パラフィン蝋、地蝋、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュ法を用いて製造されたワックス、シリコーンワックス、またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の調製品。
【請求項5】
ラノリンワックス、日本蝋、オレンジフラワーワックス、オレンジワックス、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、水和ホホバ油、またはそれらの混合物および/またはそれらの混成物から選択されるさらに別のワックスおよび/または長鎖エステルも含有することを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の調製品。
【請求項6】
使用される前記ワックス、それらの混合物および/またはそれらの混成物の量が3および35質量%の間の範囲にあることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の調製品。
【請求項7】
前記液体シリコーン化合物が、直鎖、分岐鎖または環状シリコーン油またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の調製品。
【請求項8】
前記シリコーン油が、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項7記載の調製品。
【請求項9】
使用される前記液体シリコーン化合物の量が10および80質量%の間であることを特徴とする請求項7または8記載の調製品。
【請求項10】
前記ワックス成分が、炭化水素またはシロキサン単位に基づく高分子化合物、中鎖および長鎖カルボン酸エステルまたはそれらの混合物から選択される不揮発性油を含有することを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載の調製品。
【請求項11】
前記不揮発性油が、高分子ジメチルポリシロキサン、フェニルトリメチルポリシロキサン、ジフェニルジメチルポリシロキサンまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項10記載の調製品。
【請求項12】
前記ジメチルポリシロキサンが、100,000ダルトンより大きい分子量を持つ直鎖長鎖状ジメチルポリシロキサンから選択されることを特徴とする請求項11記載の調製品。
【請求項13】
前記中鎖および長鎖カルボン酸エステルが、ホホバ油、エルカ酸オレイル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、イソステアリン酸イソステアリルまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項10記載の調製品。
【請求項14】
前記不揮発性油の使用される量が1および30質量%の間であることを特徴とする請求項1から13いずれか1項記載の調製品。
【請求項15】
ラウリルジメチコーン、セチルジメチコーン、セテアリルジメチコーン、ベヘニルジメチコーン、C24−28アルキルジメチコーン、ビスヒドロキシエトキシプロピルジメチコーン、フェニルプロピルシルセスキシロキサン、ステアリン酸ジメチコノール、ベヘン酸ヒドロキシプロピルジメチコーンおよびそれらの混合物から選択されるアルキルジメチコーンを少なくとも一種類含有することを特徴とする請求項1から14いずれか1項記載の調製品。
【請求項16】
使用される前記アルキルジメチコーンの量が0.5および35質量%の間であることを特徴とする請求項15記載の調製品。
【請求項17】
14および48の間の炭素原子の鎖長を持つ飽和した直鎖または分岐鎖アルコールから選択される、周囲温度で固体である長鎖アルコールを少なくとも一種類含有することを特徴とする請求項1から16いずれか1項記載の調製品。
【請求項18】
周囲温度で固体である前記長鎖アルコールが、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セリルアルコール、ミリシルアルコールまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項17記載の調製品。
【請求項19】
使用される前記アルコールの量が0.5および20質量%の間であることを特徴とする請求項1記載の調製品。
【請求項20】
少なくとも30℃の滴点を有する膜形成軟質ポリマーまたはコポリマーを含有することを特徴とする請求項1から19いずれか1項記載の調製品。
【請求項21】
前記膜形成軟質ポリマーまたはコポリマーが、C30−38オレフィン/マレイン酸イソプロピル/MAコポリマー、セテアリルジメチコーン/ビニルジメチコーンクロスポリマー、オクタデセン/MAコポリマー、メトキシアミノジメチコーンシルセスキオキサンコポリマーまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項30記載の調製品。
【請求項22】
使用される前記ポリマーまたはコポリマーの量が0.1および20質量%の間であることを特徴とする請求項20または21記載の調製品。
【請求項23】
メイクアップ、コンシーラー、カムフラージュ、アイシャドー、アイライナー、リップライナー、ルージュ、リップルージュ、リップグロス、日焼け防止剤、日焼け止め、一時的なタトゥー、マスカラ、ヘアマスカラ、サーファーのための日焼け効果のある日焼け止め、および肌の赤らみと赤鼻に関するカバーリングクリームの形態にあることを特徴とする請求項1から22いずれか1項記載の調製品。

【公表番号】特表2008−528655(P2008−528655A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553559(P2007−553559)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001031
【国際公開番号】WO2006/082102
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(597139631)シュヴァン−スタビロ コスメティクス ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー (15)
【Fターム(参考)】