説明

警報器

【課題】火災をはじめとする異常警報時と同じ条件を再現する電池負荷試験を行って電池切れ予告をより正確に報知可能とする。
【解決手段】警報器は、電池34を電源として動作する。警報処理部70はセンサ部26の検出信号から異常を検出した場合に報知部32のスピーカ36から異常を示す警報音を出力させる。電池試験部74は定期的に電池負荷試験を行う場合に、利得制御部64に異常警報時と同じ設定状態となる利得制御を指示し、音声増幅部62で試験信号を増幅してスピーカ36に異常警報出力時に相当する駆動電流を流した状態で電池から供給される電源電圧を検出する。電池容量監視部76は電池試験部74が実施制御する電池負荷試験により検出した電池からの供給電源電圧が所定以下に低下した場合にローバッテリー障害と判断し、報知部36から電池切れ予告警報を間欠的に出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般住宅等に設置され電池駆動により火災を監視して警報する警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異常を検出して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用災警報器を住警器と言う。
【0003】
このような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、火災を検出すると火災警報を出すようにしており、住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0004】
従来の住警器で火災を検出した時の警報としては、例えば「ウーウー 火事です 火事です」といった警報音を出力するようにしている。ここで前半の「ウーウー」はスイープ音と呼ばれ、2〜3KHzといった聞き取りやすい範囲で周波数を時間に対し直線的に変化させている。
【0005】
このようなスイープ音と音声メッセージから構成された警報音の出力は、1チップCPUとして知られたプロセッサのROMに音声データを記憶して準備し、ROMから読み出した音声データをPWMパルスに変換し、PWMパルス(パルス幅変調パルス)を外部回路として設けたローパスフィルタを通すことで音声信号波形に変換し、同じく外部回路として設けた音声アンプで増幅した後にスピーカから出力させている。
【0006】
このように音声データをPWMパルスに変換して警報音を出力するPWM変換方法は、音声データをアナログ変換する高価なAD変換器を必要とせず、低コストで音声出力を行うことができる。
【0007】
また、近年、住警器の低消費電力化が推し進められた結果、電池寿命が例えば10年以上といった長寿命が保証されており、その間、電池交換は不要である。長期間使用して電池寿命に近づき、電池電圧の低下が検出されると、電池切れ(電池容量低下)を報知する警報を出すようにしている。(ここではこれを電池切れ予告警報と呼ぶ。)
【0008】
このような電池切れ予告警報としては、従来、夜間から早朝にかけての電池切れ予告警報を低減するために電池電圧の低下を検出してから所定時間経過後に電池切れ予告警報をスピーカから出力させる火災警報器(特許文献3)や、電池電圧が所定の電圧以下に低下している場合、電池の低下を報知するために電源ランプを点灯又は点滅させ、この状態でスイッチ操作を行うと、電池交換を促す内容を含んだ音声メッセージをスピーカから出力させる電池式警報器(特許文献4)が知られている。
【0009】
また、ユーザが長期間不在中に電池電圧の低下が検出された場合には、電池切れ予告警報を必要最小限の電力消費で可能な限り長期間継続して出力し続け、ユーザが帰宅した際に、確実に気付いてスイッチ操作で電池切れが分かるようにした警報器も提案されている(特許文献5)。
【0010】
更に、電池電圧の検出は、トランジスタ駆動により定期的に火災警報時の電流に近い値の試験電流をダミーの負荷抵抗に流す電池負荷試験を行い、電池負荷試験でドロップした電池電圧を測定して電池電圧低下の有無を判断するようしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2005−44317号公報
【特許文献2】特開2004−54356号公報
【特許文献3】特開2005−44317号公報
【特許文献4】特開2004−54356号公報
【特許文献5】特開2007−11828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、このような従来の住警器にあっては、トランジスタ駆動によりダミー抵抗に試験電流を流す電池負荷試験を行って電池電圧を検出していたため、トランジスタやダミー抵抗の特性ばらつきにより火災警報時の電流と試験電流の相違が大きくなる場合があった。
【0013】
例えば火災警報に要する電流に対し試験電流がプラス側にずれていた場合、電池負荷試験での電圧ドロップが大きくなり、火災警報を行う場合の電池電圧は正常であるにも関らず、早めに電池切れ予告警報が報知出力される問題がある。
【0014】
また火災警報に要する電流に対し試験電流がマイナス側にずれていた場合、電池負荷試験での電圧ドロップが小さくなり、火災警報を行うと電池電圧が閾値電圧以下になってしまう状況であるにも関らず電池容量低下が判定されず、その報知が遅れるという問題がある。
【0015】
本発明は、電池容量低下をより正確に検出して報知可能とする警報器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、電池電源によって動作し、監視エリアの異常を検出して報知音を音響出力する警報器に於いて、
前記電池から供給される電源電圧に応じて、前記報知音の音量を制御することを特徴とする。
【0017】
また本発明は、電池電源によって動作し、監視エリアの異常を検出して報知音を音響出力する警報器に於いて、
電池から供給される電源電圧の段階的な低下に応じて、前記報知音の音量を制御することを特徴とする。
【0018】
また本発明は、電池電源によって動作し、監視エリアの異常を検出して報知音を音響出力する警報器に於いて、
報知音を音響出力する音響出力器に直流パルスによる駆動電流を流し、そのときの電池から供給される電源電圧に応じて、前記報知音の音量を制御することを特徴とする。
【0019】
また本発明は、電池電源によって動作し、監視エリアの異常を検出して報知音を音響出力する警報器に於いて、
報知音の音量制御は、音量が所定レベル以上を維持するように行うことを特徴とする。
【0020】
また本発明は、電池電源によって動作し、監視エリアの異常を検出して報知音を音響出力する警報器に於いて、
報知音の音量制御は、電源電圧の低下に応じて音響増幅部の利得を増加させることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、
電池電源によって動作し、
監視エリアの現象を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
報知音を音響出力する音響出力器と、
センサ部の検出信号に基づいて異常を検出した場合に音響出力器から異常を示す警報音を出力させる警報処理部と、
を備えた警報器に於いて、
音響信号を増幅して音響出力器に出力する音響増幅部と、
音響増幅部の利得を制御する利得制御部と、
電池から供給される電源電圧を検出する電池電圧検出部と、
所定周期で電池負荷試験を行う場合に、利得制御部に、異常時を示す報知音出力時と同じ利得とする利得制御を指示し、音響増幅部で試験信号を増幅して音響出力器に異常を示す警報の報知時に相当する駆動電流を流しつつ、可聴音を出力しない状態で、電池電圧検出部で検出した電圧に基づいて電池電圧の段階的な低下を検出する電池試験部と、
電池負荷試験により検出した電池から供給される電源電圧が所定のレベル以下に低下した場合にローバッテリー障害と判断し、音響出力器から電池切れ予告警報を間欠的に出力させる電池容量監視部と、
を設ける。
【0022】
警報処理部は、異常を検出した場合、記憶部から読み出した音響データをPWM信号に変換し、PWM信号をローパスフィルタにより音響信号に変換した後に音響増幅部で増幅して音響出力器を駆動し、
電池試験部は電池負荷試験を行う場合、試験信号としてPWM信号に代えて直流パルス信号を出力させる。
【0023】
更に、電池の電圧低下した場合に異常を示す警報音量を略一定に保つように、利得制御部に利得制御を指示する警報音量制御部を設け、
電池試験部は、電池負荷試験を行う場合、警報音量制御部による異常を示す警報音の出力時と同じ利得制御を利得制御部に指示する。
【0024】
更に、電池試験部は電池負荷試験を行った場合、電池電圧に、負荷に伴う変動がなかった時、音響出力器の断線を検出して音響出力器に障害警報音を出力させる断線監視部を設ける。
【0025】
警報処理部と警報音量制御部はプロセッサに設けたCPUによるプログラムの実行で実現される機能であり、音響増幅部及び利得制御部はプロセッサに内蔵されたアナログ回路で構成する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、定期または不定期に電池負荷試験を行う場合、音声増幅部の利得を、火災をはじめとする異常警報時と同じ利得に制御した状態でスピーカに駆動電流を流すことにより、試験時に、スピーカから警報音を出力する異常警報時と同じ負荷状態を作り出すことができ、電池負荷試験で電池電圧を正確に検出し、これに基づいて電池容量低下を正確に判断して報知することができる。
【0027】
また、音声増幅部によるスピーカからの警報音の出力は、ROMから読み出した音声データをPWM信号に変換し、ローパスフィルタを通して音声信号に変換しており、電池負荷試験を行う場合には、直流パルス信号を使用することで、スピーカから音を出すことなく正確な電池負荷試験ができる。
【0028】
また、実際にスピーカに電流を流すことから、電池負荷試験を行った場合に電池電圧に変動が無かった場合にはスピーカの断線として検出判断し報知できる。
【0029】
また、電池の電圧が低下した場合にスピーカからの警報音量を略一定に保つように、利得制御部に利得制御を指示して音声増幅部の増幅利得を増加させ、この利得制御を、電池負荷試験を行う場合の音声増幅部の利得制御にも反映させることで、電池電圧の低下があっても警報音量を略一定に保つことを意図した電池負荷試験ができ、より正確に電池容量低下を検出して電池切れ予告報知することができる。
【0030】
更に、本発明は、音声増幅部及び利得制御部はプロセッサに内蔵されたアナログ回路で構成することにより次の効果が得られる。
【0031】
従来の住警器で音量の異なる警報音を出力しようとする場合、音量の異なる複数の音声データをROMやRAMに記憶して、必要に応じて対応するデータを読み出して出力するか、また単一の音声データを同様に記憶し、この単一の音声データに基づきPWMパルスのオンデューティ幅を異ならせることで都度所望のデータをマイクロプロセッサ内で生成する必要がある。しかし前者では音声データのデータ量が多いため記憶容量の大きなROMやRAMを使用しなければならずコストアップになり、また後者では音量調整のためのPWMパルスの生成についてプロセッサの処理負担が増加するという問題がある。
【0032】
これらの問題を解決するためには、外部回路として設けている音声増幅部の音声アンプを利得制御回路付きとしてプロセッサで利得を制御するAGCを行えば良いが、この方法には、利得制御付きの音声アンプは回路構成が複雑でコストアップとなり、また回路部品の配置スペースも増加するので回路基板の小型化が困難になり、更に、プロセッサには利得制御信号を外部出力するポートレジスタ及びDA変換ポートなどの外部インタフェースが必要となるという別の問題があり、充分な解決とはならない。
【0033】
これに対し本発明にあっては、音声増幅部及び利得制御部を構成するアナログ回路をプロセッサに内蔵したため、利得制御機能付きの音声増幅回路をプロセッサの外部回路として設ける必要がなく、コスト及び配置スペースの低減を図ることができる。また音声増幅部及び利得制御部がプロセッサに内蔵されているため、外部インタフェースを使用した伝送コマンド実行によらず、CPUによる内部命令実行で直接的な利得制御が簡単且つ容易にでき、その結果、CPUの処理負担を増加させることなく、前述したような様々な決め細かな音量制御が実現でき、警報器のトータル的な性能向上に大きく寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による住警器の外観を示した説明図
【図2】本発明による住警器の実施形態を示したブロック図
【図3】図2の住警器における電池電圧の低下に対する利得制御による音量変化を示したタイムチャート
【図4】電池電圧の低下に対し音声増幅の利得が一定の場合の音量変化を示したタイムチャート
【図5】図2の実施形態における監視処理を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は本発明による、所定の監視エリアの火災を監視して警報する住警器を例にとってその外観を示した説明図であり、図1(A)に正面図を、図1(B)に側面図を示している。
【0036】
図1において、本実施形態の住警器10の筐体はカバー12と本体14で構成されている。カバー12は中央に突出部を設け、その周囲に複数の煙流入口を開口し、更にその内部には検煙部16が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検出するようにしている。
【0037】
カバー12に設けた検煙部16の左下側には音響穴18が設けられ、この背後にブザーやスピーカ等の音響出力器を内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。検煙部16の下側には警報停止スイッチ20が設けられている。
【0038】
警報停止スイッチ20は、半透明部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたタクトスイッチ(図示せず)とで構成されている。スイッチカバー内部のタクトスイッチ近傍には、点線で示すように警報表示を行うLED22が配置されており、LED22が点灯、点滅、明滅作動すると、警報停止スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過してLED22の作動状態が外部から分かるようにしている。
【0039】
警報停止スイッチ20は、スイッチ操作時の住警器10の動作状態に応じて警報停止スイッチ及び点検スイッチとして機能する。
【0040】
例えば住警器10が火災を検出している状態又は火災警報中に警報停止スイッチ20を操作すると当該警報を停止する警報停止スイッチとして機能する。また、住警器10の通常状態で警報停止スイッチ20を操作すると、所定の点検動作を実行して点検結果を音声メッセージにより出力する点検スイッチとして機能する。
【0041】
また本体14の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック15が設けられており、設置する部屋の壁面等にビスなどをねじ込み、この取付フック15の挿通孔にビスを通すことで、壁面等に住警器10を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【0042】
なお図1の住警器10にあっては、検煙部16を備え、火災による煙を検出する住警器を例に取っているが、これ以外に火災による熱を検出するサーミスタ等の温度検出素子を備えた住警器や火災に伴うその他の物理現象を検出する住警器、火災以外にガス漏れを検出する警報器、侵入者や地震その他の異常を検出する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、本発明の対象に含まれる。
【0043】
図2は図1に示した住警器の実施形態を示したブロック図である。図2において、住警器10はワンチップCPUとして知られたプロセッサ24を備え、プロセッサ24に対してはセンサ部26、操作部28、電池電圧検出部30、報知部32及び電池34を設けている。各部は、電池34からの電源供給を受けて動作する。
【0044】
センサ部26には、煙を検出して信号を出力する検煙部16を設けている。上述の通り、センサ部26には検煙部16に代えて、火災による温度を検出するサーミスタ等の温度検出素子や、火災に伴うその他の現象を検出する各種素子を設けてもよい。
【0045】
操作部28には警報停止スイッチ20が設けられている。警報停止スイッチ20は、その時の住警器10の動作状態に応じて、警報停止スイッチ又は点検スイッチとして機能する。
【0046】
電池電圧検出部30は後の説明で明らかにする電池負荷試験を行った場合に電池34から供給される電源電圧を検出する。
【0047】
報知部32には警報音等を出力するスピーカ36と警報等表示を行うLED22が設けられている。スピーカ36は、プロセッサ24のスピース出力端子60a,60bに接続されており、音声増幅は後の説明で明らかにするプロセッサ内蔵回路により行われる。LED22は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異常発生、その他を表示する。なお、スピーカ36に代えて、ブザー等を用いても良い。またLED22に代え、2色LEDや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、LEDと液晶表示器等を併設しても良い。
【0048】
電池電源34は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10における回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の電池寿命を保証している。
【0049】
なお、プロセッサ24に対しては図示しない移報回路部も設けられており、移報回路部は火災検出時に、信号線接続により他の機器に火災検出時へ移報信号を出力して連動動作を行わせるもので、移報信号は例えば無電圧接点開閉信号等である。
【0050】
プロセッサ24には住警器の各種処理をプログラム制御により実行するためのデジタル回路部と音声増幅を行うためのアナログ回路部が設けられている。
【0051】
デジタル回路部としてはCPU38が設けられ、CPU38からのバス40に、制御ロジック42、ROM44、RAM46、AD変換ポート48,52、入力ポート50、PWM出力ポート54、出力ポート56を接続している。なお、制御ロジック42はCPU38の制御処理に伴うバス制御などの各種のハードウェア機能を実現する。
【0052】
AD変換ポート48にはセンサ部26が接続され、AD変換ポート52には電池電圧検出部30が接続され、入力ポート50には操作部28が接続され、PWM出力ポート54には外部回路としてローパスフィルタ66が接続され、出力ポート56には報知部32のLED22が接続されている。
【0053】
アナログ回路部としては、音響信号として音声信号を増幅する音響増幅部である音声増幅部62とその利得を制御する利得制御部64が設けられる。音声増幅部62および利得制御部64はCPU38の制御によるAGC(自動利得制御)機能を備えた適宜の回路を使用することができる。
【0054】
音声増幅部62の入力は音声入力端子58に接続されている。スピーカ36から出力される報知音の音声データはROM44に記憶されている。ROM44に記憶した音声データは所定の音声メッセージに対応する音声信号の振幅を所定周期でサンプリングしてAD変換した振幅データであり、CPU38は音声データをROM44から読み出した後に振幅値に応じてオンデューティが変化するPWMパルスに変換し、PWM出力ポート54から外部回路として設けたローパスフィルタ66に出力し、連続的なアナログ音声信号に変換し、音声入力端子58を経由して音声増幅部62で増幅した後、スピーカ36の駆動により出力する。
【0055】
CPU38にはプログラムの実行により実現される機能として、警報処理部70、音量制御部72、電池試験部74、電池容量監視部76及びスピーカ断線監視部78の機能が設けられている。
【0056】
警報処理部70は、センサ部26からの煙検出信号から火災を検出した場合に、スピーカ36から火災を示す警報音を出力させると共に、LED22を駆動させて警報表示を行う。
【0057】
具体的に説明すると、警報処理部70は、センサ部26に設けた検煙部16の煙検出信号を所定の閾値と比較し、閾値を超えた場合に火災を検出し、報知部32のスピーカ36から警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」を繰り返し出力させると共に、LED22を点灯させて警報表示を行う。
【0058】
また、警報処理部70は、火災警報の出力中に、警報停止スイッチ20の操作を検出した場合、スピーカ36からの音声メッセージ出力とLED22からの警報表示出力とによる火災警報の出力を停止(消灯)する。この場合、LED22による警報表示出力については、音声警報出力の停止から所定時間継続した後に停止しても良い。
【0059】
また、警報処理部70は、通常監視状態で操作部28に設けた警報停止スイッチ20の操作を検出した場合には所定の内部点検を実行して報知部32から点検結果を出力させる。点検結果の出力は、正常であれば、例えば「正常です」といった警報メッセージを含む点検メッセージを出力し、もし故障を検出していれば「ピッ 故障です」といった点検メッセージを出力する。点検処理で点検する内容としては、検煙部16(センサ)故障の有無、回路故障の有無、感度異常の有無、その他障害の有無等がある。
【0060】
なお、電池(電源)電圧(残り電池容量)が低下するローバッテリー障害については、次に説明するように通常監視状態でも内部で定期的に点検しているが、点検操作による点検時にも行うようにすることができる。
【0061】
音量制御部72は、警報処理部70で予め多段階に設定した閾値電圧との比較で段階的な電池の電圧(電源電圧)低下を検出した場合に、利得制御部64に音声増幅部62の利得制御を指示し、スピーカ36からの出力音量を略一定に保つように制御する。
【0062】
図3は図2の音量制御部72による電池電圧の低下に対する音声増幅部の利得制御と出力音量の変化を示したタイムチャートである。
【0063】
図3(A)は時間tに対する電池電圧の変化であり、使用期間の経過に伴い電池電圧は緩やかに低下し、閾値電圧Vdを下回るとローバッテリー障害が判定されて障害警報(電池切れ予告警報)が報知される。このように変化する電池電圧に対しては出力音量制御のため、閾値Vth1〜Vth5が段階的に設定されている。音量制御の対象は、火災警報の音声出力のみとしても良いし、その他の報知音を含めても良い。
【0064】
図3(B)は利得制御部64の利得であり、初期利得はG1である。このときの電池電圧により火災警報音につき規格上定められたピーク70dB/m以上の所定音量VLoがスピーカ36から出力される。電池電圧が閾値Vth1〜Vth5を順次下回ると、これが検出されて利得G1はG2〜G5に示すように段階的に切り替えられて増加される。
【0065】
このような電池電圧の低下に伴う利得の増加により、スピーカ36からの出力音量は図3(C)に示すように、利得切替が行われた時点で回復し、その後、電池電圧の低下に伴って低下する変化を繰返し、その結果、ピーク所定音量VLo以上の所定音量幅に維持されるように制御される。ローバッテリー障害となる、電池電圧Vd以下の領域では上記の規格音量を下回っても良いものとされているが、この領域においても、適宜同様の音量制御を行うようにしても良い。
【0066】
なお、一般的にはローバッテリー障害中であっても、電池切れ(住警器10の動作停止)に至るまでの間は引き続き火災監視、警報機能を有効としており、この状態で所定期間、例えば72時間の継続動作ができるようにしている。即ち、ローバッテリー障害警報である電池切れ予告警報の出力開始から72時間以内に電池交換を行えば良いものとしている。
【0067】
また、本実施形態ではピーク出力音量がVLoを超えるように制御しているが、これを満たすことを条件に、例えば最低音量や平均音量が所定レベルを超えるように制御しても良い。
【0068】
図4は比較例として電池電圧の低下に対し利得を制御せずに一定利得Gとした場合を示している。この場合には、電池電圧の低下に伴って利得は一定であることから、例えば電池電圧がVth1以下に低下するとピーク音量が規定音量VLoを下回り、電池電圧の低下が進むと、規格レベルの例えば70dB/mを下回る恐れもある。
【0069】
再び図2を参照するに、音量制御部72は、警報処理部70で火災を検出した場合に出力される火災警報音量に対し、電池電圧の低下、センサ部の故障をはじめとする障害を検出した場合に出力される障害警報音量を小さくするように利得制御部64に利得制御を指示することもできる。この点は点検結果の報知音の音量についても同様である。
【0070】
電池試験部74は、定期的、例えば4時間毎に電池負荷試験を行い、試験結果に応じて利得制御部64に火災警報時と同じピーク70dB/mを超える所定の出力音量を得るための利得制御を指示し(電池電圧がVLoを下回った場合にはこの限りでない)、音声増幅部62で試験用の音声データに基づく信号を増幅してスピーカ36に異常(火災)警報時に相当する駆動電流を流した状態で、電池電圧検出部30で検出している電源電圧をAD変換ポート52から読み込んで検出する。
【0071】
ここで、警報処理部70は、火災を検出した場合に警報音の出力は、ROM44から読み出した火災警報に対応する音声データをPWM信号に変換し、このPWM信号をローパスフィルタ66により音声信号に変換した後に音声増幅部62で増幅してスピーカ36を駆動しているが、電池試験部74により電池負荷試験を行う場合には、PWM信号に代えて試験用の直流パルス信号を出力させ、この直流パルス信号を、ローパスフィルタ66を介して音声増幅部62に入力し、そのとき利得制御部64に指示して切替え設定されている利得で増幅してスピーカ36に駆動電流を流し、スピーカ36からの可聴音を出力することなく電池負荷試験を行う。
【0072】
なお、完全に排除しきれない場合でも、利用する上で実質的な差し障りの無い範囲であれば良いものとする。即ち若干の可聴音が出力されたとしても、実質的な問題とならない程度に排除されていれば良い。
【0073】
また直流パルス信号をそのままスピーカ36に流すと、立ち上がり及び立ち下がり部分でノイズ音が瞬時的に出力されるが、ローパスフィルタ66を通すことで立ち上がり及び立ち下がりが滑らかに変化し、スピーカ36からノイズ音が出力されることを抑制している。
【0074】
更に、音量制御部72は、図3に示したように、電池電圧が低下した場合にスピーカ36からの警報音量を略一定範囲に保つように、利得制御部64に利得制御を指示しているが、これに対応して電池試験部74は、電池負荷試験を行う場合、音量制御部72による利得制御を利得制御部64に指示しており、電池電圧が低下した場合の電池負荷試験についてもこの利得制御による利得設定状態を反映しており、現状に則した正確な電池負荷試験ができる。
【0075】
電池容量監視部76は、電池試験部74による電池負荷試験で検出した電池電圧が所定の閾値Vd以下に低下したときに電池容量低下と判断し、報知部32から電池切れ予告警報を間欠的に出力させると共に、その後、定期的な電池試験部38による電池負荷試験実施を禁止する。
【0076】
本実施形態にあっては、電池34の定格電圧である例えば5.0ボルトに対し、電池試験部74により、現在の利得設定におけるスピーカ36の駆動で電池負荷試験を行った時の電池電圧が、例えば2回連続して閾値電圧Vd=2.35ボルト以下に低下した時に、電池(残り)容量低下、即ちローバッテリー障害状態と判断して電池切れ予告警報を出すようにしている。これは例えば温度環境の変化により電池容量が一時的に低下した場合の誤検出を防止するためである。
【0077】
更に、電池容量監視部76は、報知部32から出力させる電池切れ予告警報の出力音量を、火災警報の出力音量より小さくなるように利得制御部64に利得制御を指示して警報させる。
【0078】
電池容量監視部76による電池切れ予告警報は、ローバッテリーを断定した時に、例えば「ピッ 電池切れです」を3回繰り返して出力し、同時に、警報音に同期してLED22を点滅させる。その後は、定期鳴動として例えば1分毎に「ピッ 電池切れです」といった警報音を1回出力する。また警報停止スイッチ20による点検操作検出したとき「ピッ 電池切れです」を1回出力すると共にLED22を点滅させる。
【0079】
なお、一度ローバッテリー障害が判断されて電池切れ予告警報の出力が開始された後は、電池負荷試験の実施は禁止され、時間の経過に伴って電池容量が更に低下し、プロセッサ24が動作を停止する所定のリセット電圧、例えば2.0ボルトに低下するまで、報知部32から上述のように電池切れ予告警報を定期出力させることになる。
【0080】
スピーカ断線監視部78は、電池試験部74で電池負荷試験を行った場合に、電池電圧に変動(負荷の変動に伴う電圧変動)がなかった場合、これはスピーカ36への出力線断線が原因である可能性が高いことから、スピーカ36の断線障害を検出して報知部32に障害警報を出力させる。この場合の障害警報はスピーカ36が使えないことから、LED22の点滅などによる表示により報知出力する。
【0081】
図5は図2の住警器10における処理動作を例示したフローチャートである。図5において、住警器10の電池34による電源供給が開始されると、ステップS1で初期化および自己診断を実行し、異常がなければステップS2に進み、火災検出の有無を判別し、火災検出ありを判別するとステップS3に進み、スピーカ36からの音声メッセージ出力とLED22の点灯による警報表示出力とによる火災警報を出力する。
【0082】
続いてステップS4でセンサ部26からの煙検出信号が低下して火災状態が解消する火災復旧の有無を判別しており、火災復旧ありを判別するとステップS6に進んでスピーカ36からの警報音出力を停止し、LED22の点灯による警報表示を消灯することにより、火災警報出力を停止する。なお、LED22は警報音出力の停止から所定時間経過後に消灯しても良い。
【0083】
ステップS4で火災復旧ありが判別されない場合はステップS5で警報停止スイッチ20の操作有無を判別し、スイッチ操作ありが判別されるとステップS6で上記同様に火災警報出力を停止する。つまり、このとき警報停止スイッチ20は火災警報を停止する警報停止スイッチとして機能する。
【0084】
続いてステップS7で定期的にスピーカ36に直流パルス信号により火災警報音量に相当する電流を流して実施する電池負荷試験で検出された電池電圧に基づいて判断されるローバッテリー障害の有無が判別されており、ローバッテリー障害ありが判別されるとステップS8に進み、スピーカ36からの音声メッセージ出力とLED22の点滅出力により電池切れ予告警報を出力した後、ステップS9に進んでRAM46の所定領域にローバッテリーフラグをセットする。なお、ローバッテリーフラグのセット状態では、例えば1分毎に定期鳴動として例えば「ピッ 電池切れです」といった警報音を1回出力すると共にLED22を点滅作動する。
【0085】
続いてステップS10に進み、通常状態における警報停止スイッチ20の操作有無を判別しており、スイッチ操作ありを判別するとステップS11に進み、検煙部16の故障有無、回路故障の有無、感度異常の有無、その他障害の有無等について点検処理を実行して結果を報知する。なお、通常状態で警報停止スイッチ20を操作すると、「ピッ」といった操作受付音が出力される。
【0086】
なお、上記の「通常状態」はどのように定義しても良いが、少なくとも火災が検出されていない状態、即ち火災警報が出力されていない状態とする。
【0087】
続いてステップS12でRAM46のローバッテリーフラグのセット有無を判別し、セットなし(リセット)を判別した場合はステップS13に進んで点検結果、即ち正常か障害、故障か、また障害や故障の内容等をスピーカ36の音声メッセージにより出力する。
【0088】
即ち、点検結果に異常がなければ例えば「正常です」の音声メッセージによって結果を報知し、異常がある場合には「異常です」や「故障です」等の音声メッセージ又は異常や故障の内容を示す音声メッセージ等によって結果を報知する。もちろん、これに加えてLED22を適宜に作動させて報知しても良い。
【0089】
また、点検処理にはスピーカ断線検出も含まれ、スピーカ断線検出の場合はLED22による障害表示のみとなる。
【0090】
ステップS12でローバッテリーフラグのセットありを判別した場合はステップS14に進み、ステップS8と同様に電池切れ予告警報を出力する。
【0091】
なおステップS9でローバッテリーフラグがセットされた後に警報停止スイッチ20が操作された場合には、点検処理を行わず直ちにステップS14に移行しても良い。また、ステップS9でセットされたローバッテリーフラグは、電池交換が行われた後、ステップS1でリセットされるが、次回以降ステップS7でローバッテリーが判断されなかった場合にリセットしても良い。
【0092】
一方、ステップS10でスイッチ操作がない場合はステップS15に進み、その時、検出されている電池電圧を図3(A)のように多段階に設定した閾値Vth1〜Vth5と比較し、いずれかの閾値を下回る電池電圧低下検出を判別するとステップS16に進み、利得制御部64に対応する利得切替制御を指示し、音声増幅部62の利得を増加させる。もちろん、電池電圧が前回に比べ高い閾値範囲に変化している場合には、利得制御部64は利得を、対応する利得に減少させる利得切替制御を行う。
【0093】
ここでステップS3の火災警報の設定出力音量に対し、ステップS8,S13、S14の各報知出力音量を小さくするように利得制御している。
【0094】
なお、上記の実施形態は、プロセッサにアナログ回路として音声増幅部と利得制御部を内蔵した場合を例にとっているが、音声増幅部と利得制御部の両方またはいずれか一方をプロセッサの外部回路として設けた場合にも適用できる。また、ブザー音等、音声以外の音響出力であっても、同様に適用できる。また、必ずしもPWMパルスを利用して出力するものでなくても良い。
【0095】
また、上記の実施形態は、ROMに記憶した音声データをPMWパルスに変換した後にローパスフィルタで音声信号に変換する場合を例にとっているが、音声データはRAMに記憶しても良い。
【0096】
また、電池(から供給される電源)電圧の検出と低下判断は、電池から供給される電圧を直接検出して低下判断も良いし、間接的に、即ち回路中適宜のポイントの電圧を検出して、これに基づき代替的に低下判断しても良い。
【0097】
また、上記の実施形態は火災を検出して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、防犯用警報器等、各種の警報器についても適用できる。また、複数の住警器や警報器を配置して警報等を連動させる警報システムの住警器や警報器についても同様に適用できる。
【0098】
複数の住警器や警報器で警報等を連動させる場合は、各住警器、警報器に無線通信部を備え、他の住警器、警報器との間で連動信号を送受信するようにする。
【0099】
また、上記の実施形態で警報停止スイッチ20として示した操作手段は、必ずしもスイッチである必要は無く、リモコン装置等を使用して外部からの通信によって指示入力するもの等、どのような手段や方法を適用しても良い。
【0100】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等ができる。
【0101】
また、警報器の規格等によっては、上記実施形態のLEDによる表示が「警報」と認められない場合があるが、本発明では規格上「警報」に含まれるか否かに関わらず、警報表示、警報に伴う表示、または単に表示として記載している。ここで、本発明の目的を達成できるものであれば、どのような表示手段を用いても構わない。そして、表示部をはじめとする報知部は警報器と別体に設けられていても良い。
【0102】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
【0103】
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と他の処理部、制御部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と他の処理部および制御部を別体とした警報器であっても良い。
【0104】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0105】
10:住警器
12:カバー
14:本体
15:取付フック
16:検煙部
18:音響孔
20:警報停止スイッチ
22:LED
24:プロセッサ
26:センサ部
28:操作部
30:電池電圧検出部
32:報知部
34:電池
36:スピーカ
38:CPU
40:制御ロジック
44:ROM
46:RAM
48,52:AD変換ポート
50:入力ポート
54,56:出力ポート
58:PWM出力端子
60a,60b:スピーカ出力端子
62:音声増幅部
64:利得制御部
66:ローパスフィルタ
70:警報処理部
72:音量制御部
74:電池試験部
76:電池容量監視部
78:スピーカ断線監視部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池電源によって動作し、
監視エリアの異常を検出して報知音を音響出力する警報器に於いて、
前記電池から供給される電源電圧に応じて、前記報知音の音量を制御することを特徴とする警報器。
【請求項2】
電池電源によって動作し、
監視エリアの異常を検出して報知音を音響出力する警報器に於いて、
前記電池から供給される電源電圧の段階的な低下に応じて、前記報知音の音量を制御することを特徴とする警報器。
【請求項3】
電池電源によって動作し、
監視エリアの異常を検出して報知音を音響出力する警報器に於いて、
前記報知音を音響出力する音響出力器に直流パルスによる駆動電流を流し、そのときの前記電池から供給される電源電圧に応じて、前記報知音の音量を制御することを特徴とする警報器。
【請求項4】
電池電源によって動作し、
監視エリアの異常を検出して報知音を音響出力する警報器に於いて、
前記報知音の音量制御は、音量が所定レベル以上を維持するように行うことを特徴とする警報器。
【請求項5】
電池電源によって動作し、
監視エリアの異常を検出して報知音を音響出力する警報器に於いて、
前記報知音の音量制御は、前記電源電圧の低下に応じて音響増幅部の利得を増加させることを特徴とする警報器。
【請求項6】
電池電源によって動作し、
監視エリアの現象を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
報知音を音響出力する音響出力器と、
前記センサ部の検出信号に基づいて異常を検出した場合に前記音響出力器から異常を示す警報音を出力させる警報処理部と、
を備えた警報器に於いて、
前記音響信号を増幅して前記音響出力器に出力する音響増幅部と、
前記音響増幅部の利得を制御する利得制御部と、
前記電池から供給される電源電圧を検出する電池電圧検出部と、
所定周期で電池負荷試験を行う場合に、前記利得制御部に、前記異常時を示す報知音出力時と同じ利得とする利得制御を指示し、前記音響増幅部で試験信号を増幅して前記音響出力器に前記異常を示す警報の報知時に相当する駆動電流を流しつつ、可聴音を出力しない状態で、前記電池電圧検出部で検出した電圧に基づいて電池電圧の段階的な低下を検出する電池試験部と、
前記電池負荷試験により検出した、前記電池から供給される電源電圧が所定のレベル以下に低下した場合にローバッテリー障害と判断し、前記音響出力器から電池切れ予告警報を間欠的に出力させる電池容量監視部と、
を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項7】
請求項6記載の警報器に於いて、
前記警報処理部は、異常を検出した場合、記憶部から読み出した音響データをPWM信号に変換し、該PWM信号をローパスフィルタにより音響信号に変換した後に前記音響増幅部で増幅して前記音響出力器を駆動し、
前記電池試験部は電池負荷試験を行う場合、前記試験信号として前記PWM信号に代えて直流パルス信号を出力させることを特徴とする警報器。
【請求項8】
請求項6又は7記載の警報器に於いて、
更に、前記電池の電圧低下した場合に前記異常を示す警報音量を略一定に保つように、前記利得制御部に利得制御を指示する警報音量制御部を設け、
前記電池試験部は、電池負荷試験を行う場合、前記警報音量制御部による異常を示す警報音の出力時と同じ利得制御を前記利得制御部に指示することを特徴とする警報器。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載の警報器に於いて、更に、前記電池試験部は電池負荷試験を行った場合、電池電圧に、負荷に伴う変動がなかった時、前記音響出力器の断線を検出して前記音響出力器に障害警報音を出力させる断線監視部を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれかに記載の警報器に於いて、前記警報処理部と警報音量制御部はプロセッサに設けたCPUによるプログラムの実行で実現される機能であり、前記音響増幅部及び利得制御部は前記プロセッサに内蔵されたアナログ回路で構成したことを特徴とする警報器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−243104(P2011−243104A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116302(P2010−116302)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】