貨幣処理装置
【課題】この発明は、処理の最適化を図ることができ、処理効率を向上できる貨幣処理装置を提供することを課題とする。
【解決手段】現金管理システムのテラーズマシンには、オペレータに対する各種操作案内を表示するCRT表示部が設けられている。例えば、現金管理システムの施封・小束支払機において、金庫内に収容されている小束の数を精査したとき、この精査結果がテラーズマシンで管理している装置在高と異なる場合、テラーズマシンのCRT表示部を介して、■再精査処理、■装置在高を有効とする処理、■精査結果を有効とする処理、のうちいずれかを選択させるための選択画面が表示される。オペレータは、この選択画面に従っていずれかの処理を選択し、テラーズマシンのキーボードを介して指示入力をする。
【解決手段】現金管理システムのテラーズマシンには、オペレータに対する各種操作案内を表示するCRT表示部が設けられている。例えば、現金管理システムの施封・小束支払機において、金庫内に収容されている小束の数を精査したとき、この精査結果がテラーズマシンで管理している装置在高と異なる場合、テラーズマシンのCRT表示部を介して、
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、銀行などの金融機関に設置された貨幣処理装置に係り、特に、複数金種の硬貨や紙幣(以下、総称して貨幣とする場合もある)を一括して管理するとともにオペレータとの間で貨幣の入出金取引をする貨幣処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、銀行などの金融機関の各営業所には、全ての金種の硬貨および紙幣を一括して管理するとともに、オペレータによる入金取引およびオペレータに対する出金取引を受付ける貨幣処理装置が設置されている。
【0003】この種の貨幣処理装置は、バラ硬貨の入出金処理をする硬貨処理ユニット、50枚の同一金種の硬貨を包装した棒金の入出金処理をする棒金処理ユニット、バラ紙幣の入出金処理をする紙幣処理ユニット、所定枚数の同一金種の紙幣を束ねた紙幣束(以下、小束と称する場合もある)の処理をする小束処理ユニット、および各ユニットに対する各種指示入力を受付けるとともに各ユニットの作動状態や各種操作案内を表示するテラーズマシンを備えている。
【0004】各ユニットには、テラーズマシンからの精査要求に従って、各ユニットに収容されている貨幣の在高を自動的に精査する精査機構が設けられている。尚、各ユニットに収容されている貨幣の在高は、テラーズマシンの集計データメモリに金種毎の装置在高として記憶されている。
【0005】例えば、テラーズマシンからの精査要求に従って、小束処理ユニット内に収容されている特定金種の小束を精査する場合、精査機構により当該小束が精査され、メモリに記憶されている当該小束の装置在高と比較される。このとき、精査結果が装置在高と異なることが判断された場合、エラー表示とともに貨幣処理装置が停止され、当該金種の小束を収容した金庫の処理が待たれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この場合、小束処理ユニットの金庫を開けて小束を処理することが許されるオペレータは限られており、所定の処理ランクを有するオペレータにのみ処理が許される。このため、精査結果が一致しない場合には、エラー処理により装置を停止した状態で、所定の処理ランクを有するオペレータによる処理を待たなければならない。
【0007】このように、従来の装置では、精査結果が装置在高と異なる場合には装置を一旦ストップさせて特定の処理ランクを有するオペレータによる処理を待つ必要があり、装置の稼働率が低下されて処理効率が悪くなるといった問題があった。
【0008】この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、処理の最適化を図ることができ、処理効率を向上できる貨幣処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の貨幣処理装置は、貨幣を管理するとともに、利用者との間で貨幣の入出金取引をするものであって、装置内にある貨幣の在高を装置在高として記憶した記憶手段と、装置内にある貨幣の在高を精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して装置内にある貨幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、装置内の貨幣の在高を再精査する第1の処理、上記装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えている。
【0010】また、この発明のうち請求項2記載の貨幣処理装置によると、上記制御手段は、上記精査結果が上記装置在高と一致している場合、そのまま処理を終了することを特徴とする。
【0011】また、この発明のうち請求項3記載の貨幣処理装置によると、上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第1の処理が選択されたことを条件に、上記精査手段を制御して装置内にある貨幣の在高を再精査することを特徴とする。
【0012】また、この発明のうち請求項4記載の貨幣処理装置によると、上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第2の処理が選択されたことを条件に、そのまま処理を終了することを特徴とする。
【0013】また、この発明のうち請求項5記載の貨幣処理装置によると、上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第3の処理が選択されたことを条件に、上記精査結果に基づく在高を上記記憶手段により記憶されている装置在高と置き換えて記憶させることを特徴とする。
【0014】また、この発明のうち請求項6記載の貨幣処理装置によると、上記表示手段は、上記選択画面の他に、上記記憶手段により記憶している装置在高と、上記精査手段による精査結果と、を金種別に表示することを特徴とする。
【0015】また、この発明のうち請求項7記載の貨幣処理装置は、複数金種の貨幣を管理するとともに、利用者との間で貨幣の入出金取引をするものであって、複数金種の貨幣を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された貨幣の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された貨幣の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている貨幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の貨幣の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該貨幣の在高を再精査する第1の処理、当該貨幣の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えている。
【0016】また、この発明のうち請求項8記載の貨幣処理装置は、複数金種の紙幣を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された紙幣の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された紙幣の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている紙幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の紙幣の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該紙幣の在高を再精査する第1の処理、当該紙幣の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えている。
【0017】また、この発明のうち請求項9記載の貨幣処理装置は、所定枚数の紙幣を金種毎に把束した紙幣束を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された紙幣束の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された紙幣束の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている紙幣束の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の紙幣束の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該紙幣束の在高を再精査する第1の処理、当該紙幣束の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えている。
【0018】更に、この発明のうち請求項10記載の貨幣処理装置は、所定枚数の硬貨を金種毎に包装した棒金を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された棒金の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された棒金の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている棒金の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の棒金の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該棒金の在高を再精査する第1の処理、当該棒金の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】図1には、この発明の貨幣処理装置として、銀行などの金融機関の各営業店で用いられる現金管理システム1(以下、単にシステム1と称する場合もある)を示してある。
【0021】システム1は、システム全体の操作およびデータ処理を行う2台のテラーズマシン1a,1bを備えている。また、システム1は、バラ紙幣の入出金処理をする紙幣入出金機2、およびこの紙幣入出金機2の余剰現金を施封して機体内に保管し、小束での紙幣の払い出しを行う施封・小束支払機3を備える。さらに、システム1は、バラ硬貨の入金処理をする硬貨入金機4、バラ硬貨の出金処理をする硬貨出金機5、50枚毎に包装された硬貨(棒金)の入出金処理をする棒金支払機6、およびテラーズマシン置き台7を備える。
【0022】紙幣入出金機2は、紙幣入金用の投入口11と、入金時のリジェクト紙幣を集積する入金リジェクトボックス12を備える。また、紙幣入出金機2は、出金時のリジェクト紙幣を集積する出金リジェクトボックス13と、出金される紙幣が集積される出金口14を備えている。
【0023】投入口11、入金リジェクトボックス12、出金リジェクトボックス13、および出金口14は、紙幣入出金機2の機体前面に縦一列の状態で配置されている。また、紙幣入出金機2の上面部には、各取引の内容を印字するジャーナルプリンター15が配置されている。
【0024】投入口11、出金口14、およびジャーナルプリンター15の近傍にはそれぞれ、前述した2台のテラーズマシン1a,1bのうち、どちらのテラーズマシン1a,1bに占有されているかを示すそれぞれ一対の占有ランプ16,17,18が配設されている。
【0025】また、紙幣入出金機2の前面には、機体内部にある後述する紙幣収納庫の紙幣残量を表示する残量表示19が配設されている。さらに、紙幣入出金機2の上面には、後述する施封端数を返却する施封一時庫返却扉20があり、紙幣返却時には機体の上方部にホップアップする機構になっている。
【0026】紙幣入出金機2の前面には、上から入金搬送路引出扉21、入金時に紙幣返却を行う一時集積扉22、および紙幣収納庫を引き出す収納庫扉23が配設されている。
【0027】一方、施封・小束支払機3は、上部に小束支払用の出金扉24を有し、この出金扉24が開くことにより出金された小束の取り出しが可能となっている。出金扉24の近傍には、紙幣入出金機2の占有ランプと同様の一対の占有ランプ25が配されている。
【0028】出金扉24の上部には、施封帯交換用の帯セット扉26があり、施封帯の交換はこの扉26を開けて行われる。上記出金扉24の下方には、損金庫取り出し扉27が配され、後述する損金庫を取り出し可能となっている。
【0029】システム1の硬貨入金機4、および硬貨出金機5については、ここでは詳細な説明を省略する。また、棒金支払機6については、後に詳述する。
【0030】次に、紙幣入出金機2と施封・小束支払機3の内部構成について詳述する。
【0031】図2は、紙幣入出金機2の内部を側面から示す構成図で、図3は、その背面図である。この紙幣入出金機2において、紙幣を入金しようとするときは投入口11に紙幣を置き、テラーズマシン1a(1b)から入金開始命令を送ると、これにより、投入口11から紙幣は1枚づつ内部に取り込まれる。
【0032】上記投入口11から取り込まれた紙幣は、鑑査前搬送路101を通過し、鑑査部34に導かれる。この鑑査部34内に取り込まれた紙幣は、その金種、形状、表裏、真偽、正損等が鑑別される。
【0033】この鑑別結果に基づき、あとで示すCPUなどで構成される制御部が搬送路内に設置された振り分けゲート群35a〜35kを使用して各集積部に紙幣を振り分ける。
【0034】鑑査部34から出た紙幣は、最初の入金リジェクトゲート35aにより、判定不能券の場合には入金リジェクトボックス12に振り分けられて集積される。この判定不能券は再度、投入口11にセットし直して再取り込みするか、手入力で計数データに算入する。
【0035】また、判定された紙幣は、次に表裏ゲート35bにより表裏取りそろえ機構に送られて全ての紙幣の向きを表向きに揃えられる。
【0036】表裏を取り揃えられた紙幣は、次に整理ゲート35cにより、下段収納庫部に搬送されるか、出金搬送路に導かれるかを選択される。出金搬送路に導かれる場合は後述するが、一般的な入金業務では下段収納庫部に搬送される。下段に搬送された紙幣は、金庫ゲート35dを通過し振り分け搬送路40に入る。金庫ゲート35d以降の処理についてはここでは記述しない。振り分け搬送路40に入った紙幣は、一時庫ゲート35e〜35gにより金種、正損によって一時集積庫41a〜41dに集積される。
【0037】一時集積庫41a〜41dに集積された紙幣は、図示しない整位機構によって整位されながら、一時集積庫41a〜41d内に設置されているフラッパー群45a〜45d上に集積される。このフラッパー45a〜45dは、集積開始時には、進入してくる全ての紙幣がフラッパー45a、45b上に集積するように切換えられる。
【0038】また、フラッパー45a〜45dは、それぞれ図示しないフラッパー駆動ソレノイドにリンクされており、これらの駆動ソレノイドを駆動することによりフラッパー45a〜45dは下側に約90゜回転するように構成されている。
【0039】フラッパー45a,45b上に集積する紙幣の枚数が増えてくると、集積紙幣の上面が順次上方に上がってくるが、所定の位置でこの最上部の紙幣上面を図示しない集積満杯センサで検知するようになっている。
【0040】この集積満杯センサで紙幣の集積が満杯であることが検知されると、フラッパー45a,45bは約90゜下側に回転して紙幣を落下させ、集積した紙幣は、こんどは下側のフラッパー45c、45dによって支えられることになる。
【0041】このまま紙幣の集積を続けると、集積紙幣上面は再度、集積満杯センサにより検知されるようになり、検知されるとフラッパー45c,45dも同様に下側に約90゜回転する。この結果、紙幣束は下方に落下し、集積部の底部に取り付けられているシャッター47a〜47d上に集積されることになる。
【0042】さらに、紙幣の集積を続けると再度、満杯センサにより集積紙幣上面が検知されるが、ここではじめて制御部は、集積部満杯をテラーズマシン1aまたは1bに対して報知することになる。
【0043】このように一時集積庫を構成することにより、常に適正な集積深さで紙幣を集積できるようになり、集積部で起こりがちな不具合、すなわち、集積部の深さが大きいことによって発生する立ち券等を防止することができ、さらに大容量のスムーズな集積が可能になる。
【0044】集積された紙幣は取り出しに適した位置でシャッター47上に保管される形になっており、シャッター47が図示しない駆動機構により左右に開放されると、集積した紙幣群は収納庫48a〜48d内に落下する。収納庫48a〜48d内にはセパレータ49,49が収納庫の上端に近い位置で待機しており、落下した紙幣はこのセパレータ49,49上に落ちることになる。
【0045】シャッター47が開くと一時集積部41a〜41d上部に待機していたプッシャー機構52が駆動され、一時集積庫41a〜41d内に残っている紙幣をすべて収納庫48a〜48d内に移動させる。
【0046】この移動が完了するとプッシャー52は上昇し、シャッター47は閉じられる。この状態で次の入金が待機される。
【0047】また、セパレータ49,49は、既に収納されている紙幣(既収納紙幣)の高さによって、下回転と上回転を選択できるようになっており、図示しないセンサにより、収納紙幣の高さを検知し、制御部により選択的に最善の方法が取られるようになっている。
【0048】収納庫48a〜48d内の紙幣が多い場合は、再度セパレータ49,49を紙幣の上に差し込むときに、上方から下方に回転させる方がスペースを有効に利用できるため、このような方法を採ることが望ましい。上記の一連の動作により、入金が完了することになる。
【0049】次に、出金動作について説明する。
【0050】出金動作は収納庫48a〜48dに集積されている紙幣を、出金口14に送ることで成立する。出金開始命令が例えばテラーズマシン1aから紙幣入出金機2に送信されると、紙幣入出金機2の制御部は出金すべき金種の紙幣が集積されている収納庫48a〜48dの取出機構56a〜56dを駆動する。この取出機構56a〜56dは投入口11に取り付けられている取込機構と同じものである。この取出機構56a〜56dを回転させることにより1枚づつ取り出された紙幣は、取出口直後に設置された取出計数センサ57a〜57dによりカウントされる。カウントが出金枚数に達すると、取出機構56a〜56dは駆動を停止し、取り出しが終了する。
【0051】取り出された紙幣は収納庫下搬送路58を通って出金鑑査部59に搬送される。出金鑑査部59では、紙幣の2枚取り、金種確認を行い、問題が無ければ上段出金搬送路に送り込む。このとき取り出された紙幣に問題があれば、取り出し機構に追加の取り出しを指示することになる。出金鑑査部59を通過した紙幣は、精査ゲート35hを通過した後、上段出金搬送路に入り、施封ゲート35iにより、出金口14へ搬送される。
【0052】ゲート35h、35iを介して別の方向へ搬送される紙幣の処理に関しては後述する。
【0053】施封ゲート35iで出金口14側に搬送された紙幣は出金リジェクトゲート35jにより、出金鑑査で問題ありと判定された紙幣を出金リジェクト庫13へ、出金対象となる紙幣を出金口14へそれぞれ集積する。
【0054】出金口14内に指定された金種と枚数の紙幣の集積が終わると、図示しない電磁ロックが解除され、出金口が2点鎖線で示すように開き、紙幣を取り出すことが可能になる。これで出金処理が完了となる。
【0055】また、収納庫48a〜48d内の紙幣は通常は紙幣の重さで、取出機構56a〜56dの送り込みローラに押し付けられ、安定的な取り出しが行われるが、紙幣残量が少なくなると、収納庫48a〜48d内にバックアップ機構60a〜60dが回転駆動され、収納庫48a〜48d内の紙幣を上から押すことにより、取出しを円滑に行うことができる。この紙幣残量は図示しないセンサにより、収納庫48a〜48d内の紙幣上面の位置を検知することによって行っている。
【0056】次に、金庫内精査業務について説明する。
【0057】金庫内精査業務は収納庫48a〜48dに入っている紙幣の枚数を計数する業務で、出金により確定できなくなった収納庫48a〜48d内の紙幣枚数を計数して確認することを目的とする。
【0058】テラーズマシン1aまたは1bから精査要求があったときは、まず、収納庫48a〜48dのうちの一つの収納庫内の紙幣の取り出しが開始される。収納庫48a〜48dから取り出された紙幣は、取出計数センサ57a〜57dを介してカウントされて出金鑑査部59により金種を判別され、収納庫48a〜48dの上方に位置する一時集積庫41a〜41dのいずれかに集積される。
【0059】このとき、判定不能であった紙幣は、出金リジェクト庫13に集積されるが、例えば、取出し対象の収納庫が48aであったとすると、これ以外の収納庫48b〜48dの上方の一時集積庫41b〜41dをリジェクト庫として用いても問題はない。
【0060】一時集積庫41a〜41dに集積された紙幣はこれらの集積庫が満杯になると、入金時と同様の過程で収納庫48a〜48d内に収納されるが、今回はセパレータ49,49は収納後も回転せず、精査済み紙幣と精査前紙幣とを分離している。
【0061】この状態で、精査前紙幣が無くなるまで紙幣の取り出しを続け、すべての紙幣が取り出されると、収納庫48a〜48d内のすべての紙幣の枚数、金種が確定することになる。このとき、収納庫48a〜48d内の紙幣残量が多いと、シャッター47が閉められなくなるが、シャッター47を開けたままでも紙幣の精査はできる。このようにシャッター47を開けたまま精査を行うと一時集積庫41a〜41dがセパレータ49,49の動作により、大きな容量を持てるので、収納庫48a〜48dからの取り出しを途中で停止することなく、精査ができるというメリットが生ずる。
【0062】次に、紙幣入出金機2に対する入金紙幣が多く、収納庫48a〜48d内の紙幣が一定量以上に多くなったとき、自動的に施封・小束支払機3に紙幣を回す収納庫自動整理動作について説明する。
【0063】収納庫自動整理は、収納庫48a〜48d内の紙幣枚数が一定枚数以上になると、自動的に開始される。収納庫自動整理を開始するトリガーとなる“一定枚数”は、テラーズマシン1aまたは1bから設定が可能で、この設定をすることにより、収納庫48a〜48d内の紙幣枚数が常に一定に保たれるようになる。
【0064】収納庫48a〜48d内の紙幣枚数が設定値以上になると、自動的に収納庫自動整理のプログラムが起動され、収納庫48a〜48d内からの紙幣取り出しが開始される。取り出された紙幣は出金鑑査部59により、金種確認等の判別が行われ、施封に適した紙幣のみが施封ゲート35iにより施封集積部61側へ搬送される。施封集積部61に100枚の紙幣が搬送されると、後述する機構/処理により施封部へ送られる。
【0065】一方、紙幣入出金機2の制御部は、紙幣を100枚取り出す毎に、当該収納庫に格納されている紙幣の残量をチェックし、残量が設定値以下になると取り出しを停止する。このように制御することにより収納庫48a〜48d内の紙幣枚数は常に一定に保たれる。
【0066】次に、施封集積部61について説明する。施封集積部61は図2に示されるように上下2段の集積部61a,61bを有している。この2段の集積部61a,61bの切り替えは集積切り替えゲート35kによりなされる。
【0067】最初に収納庫48a〜48dから取り出された紙幣は、上段施封集積部61aに集積される。集積された紙幣は施封集積バックアップ62a上に集積され、集積出口からある程度の高さが確保されている。集積が進み、紙幣上面が集積出口に近づいてくると、図示しない施封集積満杯センサにて満杯が検知される。
【0068】満杯が検知されると、施封集積バックアップ62aはその駆動機構により下端まで下がり、施封横キャリア63a上に紙幣を移動する。さらに集積が進み、上段施封集積部61aに100枚の紙幣が集積完了すると、集積切り替えゲート35kにより、それ以降の紙幣は下段施封集積部61bに集積される。
【0069】一方、上段施封集積部61aに集積した100枚の紙幣は施封集積クランプ64aにより、上方から押しつけられながら、施封横キャリア63aにより、施封機3側に移動される。このとき、施封集積クランプ64aは施封横キャリア63a上に固定されているため、一緒に移動する。
【0070】この移動された100枚の紙幣は後述する施封・小束支払機3の機構により、施封横キャリア63aからまとめて引き抜かれる。紙幣が引き抜かれたことを検知すると、施封横キャリア63aは元の位置に戻る。このとき、施封集積バックアップ62aと施封集積クランプ64aも元の位置に戻る。
【0071】以上の動作で1周期が完了し、次は下段施封集積部61bが同様の動作で100枚の紙幣を施封・小束支払機3に送る。このように上/下段の施封集積部61a,61bが順番に施封・小束支払機3に100枚づつの紙幣を送ることにより、連続的に施封を行うことができる。
【0072】また、施封時に端数が残ったときは、図2にAで示すように施封集積部61a,61b全体が、その前段搬送路とともに上方へホップアップし、集積部61a,61bに残っている紙幣を取り出せるようになっている。
【0073】次に、施封・小束支払機3について図4を用いて説明する。図4は施封・小束支払機3を側面側から見た断面図である。
【0074】施封・小束支払機3に対しては、紙幣入出金機2の施封集積部61a,61bを介して紙幣が送り込まれる。施封集積部61a,61bが紙幣入出金機2から施封・小束支払機3に挿入されると、小束ハンド部71が紙幣を受け取りに移動する。小束ハンド部71は、上段ハンド部71aと下段ハンド部71bの2段構成になっており、施封集積部61の上段61aから紙幣束が供給されても下段61bから紙幣束が供給されても、いずれの紙幣束をも保持することができるようになっている。
【0075】また、小束ハンド部71a,71bは同一ベース上に構成されており、移動は上下一緒に行うようになっている。
【0076】小束ハンド部71a,71bは図示しないハンド位置検出センサにより、紙幣クランプ位置、紙幣リリース位置、待機位置の3ポジションが検知できるようになっている。
【0077】紙幣入出金機2からの紙幣受け取り動作は、施封集積部61上に紙幣が指定枚数集積すると、紙幣入出金機2から施封・小束支払機3に受け渡しOKと上段か下段かの信号が送られる。信号を受けた施封・小束支払機3は後述するバックアップ機構を上段または下段に紙幣入出金機2からの信号に従ってセットする。
【0078】その後、待機位置で待機していた小束ハンド部71a,71bが紙幣クランプ位置まで移動し、図示しない紙幣クランプ機構により紙幣束をクランプする。クランプが完了すると小束ハンド機構71a,71bは紙幣束を引きづりながら紙幣リリース位置まで移動し、バックアップ機構72が紙幣束をクランプするのを待つ。バックアップ機構72が紙幣束をクランプすると、小束ハンド機構71a,71bは紙幣束をリリースし、待機位置へ戻る。以上の動作で小束ハンド機構の1周期が完了し、紙幣束の引き込みが完了する。
【0079】次に、バックアップ機構72について説明する。バックアップ機構72はその機構内に紙幣受け台74とその上方にバックアップクランプ機構73を持っている。また、バックアップ機構72は図示しないセンサ群によって、上段紙幣受け取り位置、下段紙幣受け取り位置、キャリア受け渡し位置の3ポジションが検知できるようになっている。
【0080】小束ハンド機構71から紙幣を受け取ったバックアップ機構72は、小束ハンド機構71が待機位置に戻るのを待って、上段紙幣受け取り位置または下段紙幣受け取り位置から移動を開始し、キャリア受け渡し位置まで移動する。このとき、バックアップクランプ機構73はクランプ状態にあり、バックアップ機構72上の紙幣が落下しないように押さえている。
【0081】バックアップ機構72がキャリア受け渡し位置まで移動すると、紙幣はキャリア75上と同じ高さになるように設定されている。この状態でキャリア75が前方へ移動すると紙幣はキャリア75の背板で押されて、バックアップ機構72上から抜き取られる。上記の動作によりバックアップ機構72からキャリア75への紙幣束の受け渡しが完了する。
【0082】キャリア75が前方へ移動を開始すると、図示しないキャリアクランプにより、紙幣はキャリア75上から落ちないようにクランプされるようになっている。また、キャリア75の前方に配された施封シャッター76は、キャリア75上の紙幣束に押されてキャリア移動方向に回転しながら、紙幣束を通過させるような構造になっている。
【0083】また、キャリア75は図示しないセンサ群により、紙幣受け取り位置、把束位置、縦キャリア受け渡し位置の3ポジションが検知できるようになっている。
【0084】キャリア75に乗った紙幣は、キャリア75によって把束機構91に移動されて施封帯にて把束される。上記把束機構91は、施封帯92の供給部93、この供給部93から供給される施封帯92を送る送りローラ94、紙幣束に施封帯92を巻き付ける巻付機構95、紙幣束に施封帯92を巻き付けたのち施封帯92をカットするカッタ96とを備えている。
【0085】把束された紙幣束はキャリア75に乗って把束位置から縦キャリア受け渡し位置まで移動し、その場でキャリア75は停止する。このとき紙幣束は施封シャッター76の外側側面に当たって一定の位置で停止するようになっている。このとき縦キャリア77はキャリア75の下方の待機位置から上昇し、縦キャリアクランプ機構78によりキャリア75上の紙幣束をつかめる位置まで移動する。
【0086】移動を完了した縦キャリア77は併設されている縦キャリアクランプ機構78によりキャリア75上の紙幣束を保持する。縦キャリアクランプ78が紙幣束を掴むとキャリア75はさらに移動を開始し、紙幣受け取り位置まで戻る。このとき施封された紙幣束は施封シャッター76に押されてキャリア75上からはずれることになる。
【0087】完全に縦キャリア77上にのった100枚の紙幣束、即ち小束は縦キャリア77とともに下降し、小束搬送路79内に進入する。
【0088】小束搬送機構は搬送路上面に小束プッシャー機構80a〜80d、図5に示したピッカー機構81a〜81dを持ち、夫々の下面には搬送路上の小束を小束金庫83a〜83d内に導く搬送シャッター機構82a,82bを具備している。搬送路下方には4個の小束金庫83a〜83dが配されており、小束の金種によってそれぞれの金庫83a〜83dに収納できるようになっている。
【0089】また、金庫83a〜83d内にそれぞれ配されたストッパー機構84a〜84dおよび小束金庫バックアップ機構85a〜85dにより、金庫83a〜83d内の小束を搬送路内に戻すことも可能になっている。
【0090】次に、縦キャリア77によって移動してきた小束が搬送路を通って小束金庫83a〜83dに収納されるまでを詳細に説明する。
【0091】縦キャリア77が小束をクランプした状態で搬送路内に近づくと、搬送路開閉機構86が図示しない駆動モータにより開く。
【0092】ここから搬送路内に進入した縦キャリア77は、搬送路内の定位置に移動し、搬送路開閉機構86が閉じるのを待つ。搬送路開閉機構86が閉じると、縦キャリア77と入れ子に配された図示しない駆動ローラにより、小束は搬送路内を搬送される。
【0093】次に、小束は、その小束が収納されるべき小束金庫、例えば金庫83dの上で停止し、収納可能な状態で待機する。このとき、小束は図5のピッカー機構81により、その停止位置が調整されるようになっている。
【0094】小束収納庫83dの真上で小束が待機すると、図示しない駆動機構により、左右の搬送シャッター82aおよび82bが下方に回転するように駆動され、小束は金庫83d内へ落下する。このとき、搬送シャッター82a,82bの駆動に合わせて、小束プッシャー機構80dも同時に下方の押し込み方向に駆動され小束が途中に引っかからないように押し込む。
【0095】落下した小束は最初は一対のストッパー機構84dの上に乗り、小束プッシャー機構80dにより、さらに金庫83d内に押し込まれる。ストッパー機構84dは小束と一緒に金庫83d内に回転するように押し込まれ、小束の端がストッパー機構84dから外れる一定の位置に達すると、自力で元の位置に戻るようにスプリング等で付勢されている。
【0096】図4では、このストッパー機構84dが閉じた状態と開いた状態の両方を示している。他のストッパー機構84a〜84cはいずれも閉じた状態を示してある。ストッパー機構84dが戻る位置まで小束プッシャー80dが押し込まれると、小束プッシャー機構80dは定位置まで戻り、搬送シャッター82a,82bが閉じて、小束の金庫83dへの収納が終了する。
【0097】金庫83d内に収納された小束は、金庫83d内の小束金庫バックアップ機構85dにより常に上向きに付勢されており、小束は閉じた状態のストッパー機構84dで押さえられている状態になっている。尚、他の金庫83a〜83cも上述した金庫83dと同様に構成されており、同様に作用する。
【0098】次に、小束の出金動作を説明する。
【0099】小束を出金する場合、まず出金したい金庫、たとえば金庫83dの搬送シャッター82a,82bを開き、小束プッシャー機構80dを金庫83d内へ押し込む。このとき、金庫83d内の小束は小束プッシャー機構80dにより下方へ押し込まれ、ストッパー機構84dが回動可能となる。
【0100】回動可能となったストッパー機構84dは図示しない駆動機構により金庫83d内へ回動し、固定される。その後、小束プッシャー機構80dを上方へ引き上げると、金庫83d内の小束は小束金庫バックアップ機構85dによって押し上げられ、小束プッシャー機構80dの上端位置まで上昇する。
【0101】上端まで移動した小束は、図5に示すピッカー機構81を駆動することにより、最上部に位置する小束のみがピッカー機構に引っかけられ、小束搬送路79A内に導入される。導入された小束は、搬送路79A上のドライブローラによって駆動されて、搬送路79A内を移動することになる。また、連続的に出金するときは、そのまま再度ピッカー機構81を駆動すれば次の小束が出金されることになる。小束の出金が終了したら、入金時と同時に小束プッシャー機構80dを押し込み、余った小束を金庫83d内に再び収納して出金処理が完了する。
【0102】小束搬送路79Aに取出された小束は、搬送路79A内を移動して、金種検知部133で金種を判別した後、搬送路79A出口からエレベータ87内に落下する。エレベータ87内に出金するべき小束がすべて入ると、エレベータ87は上昇を開始し、出金位置まで移動する。エレベータ87が出金位置に停止すると小束出金扉24が図示の位置まで開き、小束が取り出せるようになる。
【0103】エレベータ87内から小束が取り出されると図示しないセンサにより、小束無しが検知され、出金扉24を閉めて取引が終了する。
【0104】また、紙幣整理等で連続的に小束を機体3の外へ放出したいときは、小束シュート扉89を開き、エレベータ87を小束搬送路79Aより上方へ移動させることによって、小束搬送路79Aから落下してくる小束を、以下に説明するようにして、そのまま放出することも可能となっている。これはエレベータ87の容量が有限であるのに対して、連続的に所望の束数だけ出金できるというメリットを持っている。
【0105】即ち、エレベータ87の下方には損券金庫90が設置されており、通常は出金に適さない小束、たとえば損券小束や小束姿不良のものを収納できるようになっている。紙幣整理等で小束を連続的に排出するときにこの損券金庫90に収納する場合は、小束搬送路79Aから小束を落下させるときにエレベータ87を上昇させて、直接損券金庫90に収納するようにする。
【0106】以下、小束精査動作について説明する。
【0107】この精査とは、施封・小束支払機3にて管理している小束の装置在高、即ち束数と計数結果が等しいか否かの確認動作を意味する。小束の精査は小束金庫83a〜83dに入っている小束の束数を計数する動作で、例えば係員が小束を手で装填したり、エラーが発生した後など、確定できなくなった小束金庫83a〜83d内の小束の束数を計数して確認することである。
【0108】また、小束の計数とは別に出金時に小束の金種判別も行うが、これは図4の金種センサ133で行う。これについては後述する。
【0109】以下、小束金庫83dを例にとって、小束精査機構について図6および図7を参照して説明する。図6は小束金庫83dの斜視図であり、図7は小束金庫83dを上方から見た上面図である。尚、他の小束金庫83a〜83cにも、同じ機構が設けられている。
【0110】小束金庫83dは箱形状の金庫本体111を有し、その本体正面側に小束計数ユニット112が取り付けられている。
【0111】小束計数ユニット112は、2個のセンサ113a,113bが水平方向に併設された2連の計数センサ113(図7参照)と、この計数センサ113を上下させるためのレール114と、タイミングベルト115およびタイミングプーリ116,117とを有する。計数センサ113はこのタイミングベルト115と直結されていて、後述する駆動部118から駆動力を得てレール114に沿って上下する構造になっている。
【0112】このレール114の上端下端にはそれぞれ上端センサー119、下端センサー120が設けてあり、計数センサー113の上端、下端位置を検知することができる。
【0113】駆動部118はモーター121と減速ギア122から構成され、これがタイミングベルト123でタイミングプーリ117と連結されて、タイミングベルト115を駆動するようになっている。
【0114】また、駆動部118の減速ギア122には、エンコーダー124のギアが噛み合っていて、モーター121の回転によりエンコーダー124が回転するようになっている。このエンコーダー124が回転すると、そのスリットを通って光電変換素子に至る光が断続され、この断続の回数をカウントすることにより、モーター121の回転の検知、即ち計数センサー113の移動距離を測定することが可能となっている。なお、このエンコーダ124は光電式のほかたとえば磁石とコイルと組み合わせた電磁式のものでもよい。
【0115】計数センサー113のセンサー素子113a,113bの上端位置は、図7に示すようにストッパー機構84dの下側近傍に配置され、小束金庫83d内に集積されている小束Pの最上端の束の帯Sが検知できる位置となっている。
【0116】下端位置は、計数センサー113が小束金庫バックアップ機構のバックアップ85dの最下端位置より下になるように配置され、バックアップ85dの計数センサー113側の端面には図示しないエンドマークが記されていて、計数センサー113でこのエンドマークを読みとることによって、バックアップ85dの位置、即ち集積された複数の小束群の最下端の小束Pの位置を認識することができる。
【0117】施封・小束支払機3の4つの小束金庫83a〜83dはそれぞれ同様に構成された小束計数ユニット112を具備していて、この小束計数ユニット112を動かすための電源及び図9の小束精査部170とCPU162との信号、データの受け渡しは、それぞれの小束金庫83a〜83dの下部に設けられたフロートコネクタ134を介して行われる。
【0118】また、計数センサー113は、2つの反射センサー113a,113bで構成され、図7に示したように小束Pの帯Sに対向する位置に配置されている。この計数センサ113をレール114に沿って上下させることにより小束金庫83d内に集積された小束Pの帯Sと帯Sの切れ目の明暗を読みとり小束Pの束数を確定する。計数センサー113の2つの反射センサー113a,113bはそれぞれ小束Pの帯Sを検知するが、帯位置がばらついて片方のセンサーで検知できなくなっても片方のセンサーが検知できれば、たとえば両方のセンサーの出力の論理和をとることにより束数を確定できる。
【0119】なお、この帯位置は金種に関係なく、たとえば紙幣小束Pの一方の端部から30mmの位置に帯封Sの中心が来るように設定される。従って、2つの反射センサー113a,113bの丁度中間の位置がこの帯封Sの中心と一致するように設定すれば、帯封Sの位置が若干ずれたとしても、2つの反射センサー113a,113bのいずれか一方で帯封Sを検知できる範囲が広くできる。
【0120】また、帯封Sの位置を種々の理由で意識的に異ならせて小束Pを施封する場合がある。たとえば一万円紙幣の小束を端部から30mmの位置で施封し、それ以外の金種の小束を端部から40mmの位置で施封する。このように施封位置が10mmずれている複数の小束が混在していても正確に小束の帯封を検知するためには、40mmの位置に対応して一方の反射センサー113aを設置し、30mmの位置に対応して他方の反射センサー113bを設置すればよい。
【0121】この場合、反射センサー113a,113bは夫々、40mmの位置および30mmの位置からの反射光を受光するように設定されれば、夫々の位置の帯封のみを検知できる。また、反射センサー113aは40mmの位置からの反射光のみ受光し、反射センサー113bは40mmの位置および30mmの位置からの両方の反射光を受光するように設定すれば、反射センサー113aは40mmの位置の帯封のみ検知し、反射センサー113bは40mmの位置および30mmの位置の帯封を両方検知できるように設定できる。
【0122】このようにすれば、たとえ一方の反射センサー113aが40mmの位置の帯封を検知できなくても、残りの反射センサー113bで40mmの位置および30mmの位置の帯封を両方検知できることになり、検知エラーを少なくできる。
【0123】さらに、帯封Sと計算センサー113の位置を合わせないで金庫83dに小束Pが収納されたり、あるいは帯封Sの位置が大きくずれてしまったような場合には、計数センサー113の2つの反射センサー113a、113bのいずれもが、あるいは一方が帯を読みとれないことになる。この場合には、エンコーダー124で検知した計数センサー113の移動距離から、読みとれない部分の小束の厚みを判断して束数を確定することができる。これについては以下に詳細に説明する。
【0124】次に、計数センサー113が金庫83d内で小束P群の側面に沿って上昇移動するときのセンサー113の揺動機構について、図8を参照して説明する。図8は計数センサー113の揺動機構と小束金庫83d内に集積された小束Pを横方向から見た側面図である。
【0125】計数センサー113はセンサーブラケット126に固定されていて、センサーブラケット126はセンサーベース127に取り付けられた回動軸128により回動可能に設けられている。また、センサーブラケット126には縦方向に回転可能なコロ129が設けられ、コロ129の小束Pに対向した先端部は計数センサー113のレンズ先端よりわずかに突出した位置に配置されている。
【0126】センサーブラケット126はセンサーベース127に取り付けられた弾性部材、例えば圧縮コイルばね130により、コロ129及び計数センサー113が小束金庫83d内の小束Pの側面に押しつけられるように付勢されている。
【0127】小束金庫83d内の小束Pは、リブ131及び側面内壁132の範囲内で前後左右にばらつくが、センサー113に面する側の前後方向のばらつきに対し、揺動機構のコロ129が集積された小束Pの形状に合わせて小束Pに密着して動くので、計数センサー113と小束Pの帯封表面あるいは小束側面は常に最適なレンズ焦点距離に保たれる。
【0128】小束金庫83dの側面内壁132は各金種のそれぞれの長手幅に合わせた位置に固定可能に設けられていて、左右幅を規制することにより、各金種の左右方向のばらつきが一定の範囲内になるようにしている。
【0129】次に、システム1の一方のテラーズマシン1a、紙幣入出金機2、および施封・小束支払機3の制御系の概略構成について、図9に示すブロック図を参照して説明する。尚、ここでは図示していないが、後述する棒金支払機6の制御系もテラーズマシンに接続されている。また、他方のテラーズマシン1bについても同様に構成され、紙幣入出金機2、施封・小束支払機3、棒金支払機6の制御系と接続されている。
【0130】図9に示すように、一方のテラーズマシン1aはメモリ140aを有するMPU140(制御手段)を具備し、このMPU140にはバスを介してPROM141、プログラムメモリ142、集計データメモリ143、キーボード144、CRT表示部145、HDD148、ジャーナルプリンタ149が接続されている。
【0131】MPU140は、PROM141に記憶されている制御プログラムに従って現金管理システム1を制御する。集計データメモリ143は、システム1内に収容されている貨幣(硬貨や紙幣)の装置在高を記憶する記憶部143a、143bを有している。キーボード144は、オペレータによる各種操作入力を受付ける。CRT表示部145は、オペレータに対する各種操作案内を表示する。
【0132】MPU140にはさらにI/F147が接続され、このI/F147を介してテラーズマシン1aは紙幣入出金機2のI/F151および施封・小束支払機3のI/F161に接続される。また、ここでは図示していないが、棒金支払機6の制御系も、テラーズマシン1aのI/F147を介して接続される。
【0133】紙幣入出金機2は、CPU152,ROM153,RAM154、カット機構155、施封集積部61に集積された紙幣を施封・小束支払機3へ押し出す押出し機構156、搬送路の動作を制御するための搬送制御部157、収納庫48a〜48dへの紙幣の収納を制御するための収納制御部158、鑑査部34を含む入金鑑査部159および出金鑑査部160が、インターフェース(I/F)151に接続されて構成されている。
【0134】上記CPU152は紙幣入出金機2の全体を制御するものであり、ROM153にはCPU152の制御プログラム等が記憶されている。RAM154は紙幣入出金機2で鑑査処理された紙幣等に関する各種情報の記憶に用いられている。
【0135】搬送制御部157では、入金鑑査部159または出金鑑査部160の判別信号に基づいて送り込みローラ29に続く搬送路が駆動制御され、紙幣が搬送されるようになっている。
【0136】収納制御部158は図示しない振分けゲートを駆動制御することにより、搬送路により搬送される紙幣を鑑査部34の判別信号に従って各一時集積庫41a〜41dへ振分けるようになっている。また、収納制御部158は、シャッター47a〜47dの移動制御により各一時集積庫41a〜41dの集積紙幣の各収納庫48a〜48dへの収納を制御し、また、繰出ローラを含む取出し機構56を駆動制御することにより、各収納庫48a〜48dから搬送路への紙幣の繰り出しが行われるようになっている。
【0137】I/F151は、テラーズマシン1aのユニットインターフェース147に接続されている。
【0138】また、施封・小束支払機3では、CPU162,ROM163,RAM164、小束ハンド部71から施封機構91へ紙幣束を押し出す押出し機構165、搬送路79,79Aの動作を制御する搬送制御部166、金庫83への小束の収納を制御する収納制御部167、施封機構91の動作を制御する施封制御部168、エレベータ87を制御するエレベータ部169、金庫83内に構成される後述する小束精査部170が、I/F161に接続されて構成されている。
【0139】上記CPU162は、施封・小束支払機3の全体を制御するものであり、ROM163にはCPU162の制御プログラム等が記憶されている。RAM164は施封・小束支払機3で施封処理された紙幣等に関する各種情報の記憶に用いられる。
【0140】搬送制御部166は、図4に示した搬送路79,79Aを含む搬送路を駆動制御することにより、施封部71からの紙幣の小束が搬送されるようになっている。施封制御部168の制御により、一時施封庫72から施封部91へ落とし込まれた集積紙幣に対して帯封を巻くことにより、紙幣束としての小束が作成されるようになっている。
【0141】搬送制御部166は図示しない振分けゲートを駆動制御することにより、搬送路79Aにより搬送される施封指定された金種に基づいて対応した小束収納庫、たとえば83dに振り分けられるようになっている。また、搬送制御部166は、図示しない取出し機構を駆動制御することにより、各収納庫83から搬送路79Aの小束の取出しが行われるようになっている。
【0142】小束精査部170は収納庫83a〜83d夫々に収納された小束Pの数を計数し、入力された金額と合致するか否かを確認する。
【0143】なお、図9では紙幣入出金機2および施封・小束支払機3がテラーズマシン1aに接続されている状態を示したが、同様にしてそれぞれインターフェース151,161を介して他のテラーズマシン1bにも接続される。
【0144】以下、図6に示す小束金庫83dにおける小束の精査動作について、図10乃至図14を参照して説明する。
【0145】金庫83d内の小束を精査するための計数センサー113は、小束精査を行わないときはバックアップ85d上に載置されている小束Pに触れないように金庫83dの下端位置で待機している。この状態で、例えばオペレータにより小束が手装填されたとき、テラーズマシン1aからの精査要求に応じて小束が計数されて精査される。
【0146】すなわち、精査要求のあった小束金庫83dのモータ121が駆動され、図10のステップ1にてエンコーダ124が駆動されるとともに計数センサ113が上昇され、センサデータ取り込みが開始される。取り込まれたセンサデータは図9のCPU162の制御のもとにRAM164に順次格納される。
【0147】次のステップ2において開始位置の小束部分の検出が開始され、計数センサ113は上昇しながらその前方からの反射光の検知を始める。例えば、図8の例では、計数センサー113が上昇してその前方にバックアップ85dの支持板850が来たときに小束検知がスタートされ、ステップ3にて図12、13に示す計数センサ113a,113bの出力A,Bおよびエンコーダ124の出力データCがRAM164に読み込まれる。
【0148】図12、図13は、計数センサー113を上昇させながら小束金庫83d内の複数の小束Pを計数させたときの、センサー出力波形A、Bとその時のエンコーダ124の出力波形Cをグラフに表したものである。
【0149】計数センサ113の2個のセンサ113a,113bの出力レベルA,Bは、夫々このセンサ113が金庫83d内を下から上へ移動するときに、バックアップ85dの位置へ到達するまでは図12、図13のレベルA1,B1に示す低い値に保たれる。
【0150】ステップ4でバックアップ85dに付けられている図示しないエンドマーク即ち束開始マークを検知すると、夫々この束開始マークに対応して図12、図13のレベルA2,B2のように高い値となる。これらのレベルA2,B2は、それぞれ後で説明するが、センサー113a,113b夫々の出力に対して設定される小束検知のためのスライスレベルより高い値を有するものである。
【0151】この束開始マークが検知されると、ステップ5において小束開始位置がたとえばRAM164上でフラグを立てる形でセットされる。
【0152】この小束開始位置セットが終わると、終了位置、即ち集積小束の最上部の小束Pの検出処理がステップ6で開始される。この処理の開始により、ステップ7にて計数センサー113a,113b、エンコーダ124の出力データA,B,CのRAM164への読み込み処理が引き続き行なわれる。
【0153】センサー113が引き続いて上昇して行くにつれて、2個のセンサー113a,113bからは図12,13に示すようにレベル変化する出力データA,Bが得られ、同時にエンコーダ124からはほぼ一定振幅の連続したパルス出力Cが得られる。
【0154】即ち、計数センサー113の2つのセンサー113a,113bは反射型のセンサーであるので、小束金庫83d内の小束Pが無い部分では発光した光が反射しないため、図12のA1,B1部のようにセンサー113a,113bの出力電圧が低いが、エンドマークが付されたバックアップ85dの所にくると反射光が強くなるので、A2,B2のように高い値を示すようになる。
【0155】バックアップ85dを外れると反射光がなくなるので、A3,B3のように一旦出力電圧が低下するが、さらに最初の小束Psの位置まで移動すると、帯封Sによって反射光が強くなるため、A4,B4部のようにセンサーの出力電圧が上がる。さらに計数センサー113が移動して帯と帯の切れ目に達すると、帯の切れ目で反射光が弱くなるためセンサー113a,113b共に出力電圧がA5,B5部のように低くなる。
【0156】さらに計数センサー113が移動して次の小束Pの帯Sに達すると、帯Sによって再び反射光が強まるので、センサー113の出力電圧は再び図12のA6,B6部のように高くなる。
【0157】この状態で、たとえば図12の右端に示したようにエンコーダ124の出力が低いレベルC1で一定となると、ステップ8にてエンコーダ124が停止したことが検知される。なお、このエンコーダ124がスリット透過型の物で或る場合は、出力が高いレベルで一定となった状態で停止することもある。
【0158】この時、センサー113は、図6において上端検知センサー119を遮る位置で停止していることになる。
【0159】ステップ8でエンコーダ124が停止したことが検知されると、センサー113が小束群の最上部小束Peに対応する位置に来ており、この位置でステップ9にて小束終了位置セットが行われ、ステップ10にて終了の処理が行われる。
【0160】この状態でRAM164に記憶されたセンサー113a,113bの出力レベルがステップ11にて検証され、小束Pに付けられている帯封S部分のセンサ出力レベル、例えば図12のレベルA3,B3を確実に検知できるレベルAs,Bsをスライス値として決定してRAM164に格納する。
【0161】続いて、RAM164に格納されたデータを読み出して、この間に検知したバックアップ85dのエンドマーク、小束Pと小束Pの帯の切れ目の明暗の回数、およびエンコーダ124で測定したパルス数に基づいて集積小束Pの束数を確定する処理をステップ12にて行い、小束計数処理が終了する。
【0162】なお、施封・小束支払機3の4つの小束金庫83a〜83dはそれぞれ、同様の機構を有しているので、テラーズマシン1aまたは1bからの精査要求により必要な金庫のみ小束精査することも、全金庫同時に小束精査することも可能である。
【0163】次に、ステップ12における小束計数処理、即ち、センサー113およびエンコーダ124の出力データより束数を確定する方法について図11ないし図14を参照して説明する。
【0164】図11による以下の説明では、RAM164に格納されているセンサー113からの出力データを書き込みとは逆の順序で読み出して束数の計数を行うが、勿論書き込みの順に読み出して処理を行ってもよい。
【0165】小束精査部170は、CPU162の制御下で、ステップ21の束数カウント開始処理を行い、ステップ22においてRAM164に格納されているセンサー113のセンサー値A,Bならびにエンコーダ124のエンコーダ値Cを読み込む。
【0166】この場合、データをRAM164から逆に読出すので、たとえば図12において、最初にA6,B6のレベルのセンサーデータが読出されたものとする。このとき同時に、図10の処理で、格納されているスライス値As,Bsならびに新券100枚の紙幣小束Pの平均厚さデータも読み出される。
【0167】これらのレベルA6,B6はステップ23でチェックされ、エンドマークレベルA2,B2よりもそれぞれ低いことを条件にステップ25に進む。もしエンドマークレベルA2,B2が検知された場合にはステップ24に移行して「終り」処理が行われる。
【0168】ステップ25でセンサ値A6,B6とスライス値As,Bsとが比較され、この場合はセンサ値の方が大きいのでステップ22に戻る。
【0169】次に、センサレベルA5,B5が読み出されると、スライス値As,Bsの方が大きくなるのでステップ26に移行し、エンコーダ値によって表されるセンサ移動距離データと読み出された小束Pの厚さデータとの比較が行われる。
【0170】厚さデータの方が大きければステップ22に戻り、厚さデータに対してセンサ移動距離を示すセンサ値データの方が大きければステップ27に移行して、このセンサ値データが1束の厚さに対して何倍になるかを検知するための割り算が行われる。
【0171】センサ値が2倍以下であれば、ステップ28に移行してそれまでに検知されている小束の総束数に1を加えて新しい総束数として記憶し、それまでのセンサ移動距離を示すエンコーダ値をクリヤしてステップ22に戻る。
【0172】同様に、センサ値が2倍以上、3倍以下であれば、ステップ27から30を経て31に移行し、それまでに検知されている小束の総束数に2を加えて新しい総束数として記憶し、それまでのセンサ移動距離を示すエンコーダ値をクリヤしてステップ22に戻る。
【0173】さらに、センサ値が3倍以上、4倍以下であれば、ステップ30から32を経て33に移行し、それまでに検知されている小束の総束数に3を加えて新しい総束数として記憶し、それまでのセンサ移動距離を示すエンコーダ値をクリヤしてステップ22に戻る。
【0174】ステップ32において、センサ値が小束厚さの4倍以上であることが検知されると、新券の4小束分の厚さと流通券の4小束分の厚さとの差が大きくなって誤計数のおそれが出てくるので、ステップ34でエラー処理を行い、ステップ24で束数カウント処理の終り処理を行う。
【0175】図12においてセンサ値A5,B5が読み出されてからセンサ値A4,B4を経て低いセンサ値A3,B3が得られたときは、この間のセンサ移動距離が丁度小束1束分の厚さを示すので、ステップ27から28,29へ進む。しかし、例えば小束帯封の側面に何かの汚れが付いていると、図13に示すように、センサ値A5,B5が読み出されてからすぐに低い値A7,B7が読み出されることがある。
【0176】このようなときには、A5,A7間、およびB5,B7間のセンサー移動距離が1束分より短いので、ステップ26から22に戻ることになり、この部分を誤って小束として認識するようなことはない。
【0177】図12、図13において、バックアップ85d上のエンドマークに対応するセンサ値A2,B2が読み出されると、ステップ23にて小束読出がすべて終了したことを検知し、ステップ24に移行して処理を終了する。
【0178】このようにして小束金庫83d内の小束Pを全て検知すると、帯S部分の出力電圧の高い部分と帯Sと帯Sの切れ目の出力電圧の低い部分の波形が小束Pの数分得られたときは、小束Pの束数を確定することができる。
【0179】また、小束計数の途中において、図14のセンサ値A8部は、センサー113aにより帯と帯の切れ目を読みとって出力電圧が下がっているが、対応するセンサー113bのセンサ値B8は帯と帯の切れ目が読みとれず出力電圧に変化が無い。
【0180】このような場合は、センサ113aの出力A8を用いてエンコーダー124で検知したセンサー移動距離からセンサー113aの出力低下部分A8を帯と帯の切れ目であると判断することができるほか、図11のステップ27,28で説明した方法でも1束として計数できる。
【0181】尚、図14において、センサ値A8,A9の間のスライス値Asより高い部分A10、およびA9とA1との間のA11の部分は夫々1束として計数できるが、この時他方のセンサー113bのサンサー値B8〜B11も参照値として用いて計数結果の確認をすることができる。
【0182】ここで、小束の金種判別機能について図4を用いてさらに説明する。
【0183】小束搬送路79Aの出口付近に反射型の金種判別センサー133が配されていて、出金、及びその他業務での小束Pの放出時に、小束搬送路79Aの出口を通過する小束Pの表面の複数箇所を金種判別センサー133によって検知する。その反射パターンを鑑別することにより出金、及び放出束の金種を判別する。
【0184】次に、上記のように構成された紙幣入出金機2および施封・小束支払機3による取引の例を説明する。
【0185】まず、入金取引をする場合は、入金する現金を図2の紙幣入出金機2の投入口11にセットする。次に、例えばテラーズマシン1aから取り込み開始操作を行う。これにより、セットされた紙幣が紙幣入出金機2内に取り込まれ、紙幣の計数が開始され、計数終了後、その計数結果がテラーズマシン1aに送信される。
【0186】入金操作をしているオペレータは、紙幣計数中にテラーズマシン1aのキーボード144に含まれる操作キーを使用して伝票金額、口座番号等の入金データを入力する。紙幣入出金機2からの計数結果と伝票金額が合致すれば、オペレータは完了ボタンを押下して入金取引を完了する。また、その取引内容はテラーズマシン1a内の集計データメモリ143に記憶されるとともに、取り付けられているジャーナルプリンター149により記録される。
【0187】次に出金操作の場合、オペレータはテラーズマシン1aのキーボード144から出金金額、口座番号等の出金データを入力し開始キーを押下する。紙幣入出金機2は、テラーズマシン1aからの出金要求に従って金庫48a〜48dから紙幣を取り出して出金口11に搬送する。また、出金要求が小束の場合は施封・小束支払機3の出金扉24から1ないし複数の小束で出金することになる。
【0188】紙幣出金処理中に機体内でジャム等が発生した場合、搬送路中にある紙幣はまだ機体管理紙幣であるため、テラーズマシン1aは挿入されているオペレータのIDカードなどからオペレータのランクを判断し、機体内紙幣にさわれるランクのオペレータなら出金機構の電磁ロックを解除し、オペレータがジャム処理を行うのを待つ。オペレータのランクが低く、機体内現金にふれることができない場合は、ランクの高いオペレータを要求し、別のIDカード待ちの状態となる。
【0189】このような制御をすることにより、機体内の現金に対してセキュリティーが守られ、誰が現金の操作をしたかがわかるようになる。
【0190】また、入金処理が重なり収納庫48a〜48d内に紙幣が溜まってくると、紙幣入出金機2は自動的に収納庫48a〜48d内の紙幣を施封に回すような処理を行う。この処理により、収納庫48a〜48d内の紙幣量は常に概略一定量に保たれ、余剰紙幣は小束金庫83a〜83d内に溜めるようになる。
【0191】次に、棒金支払機6について説明する。
【0192】図15には棒金支払機6の外観図を示してある。棒金支払機6は、筐体202を有し、この筐体202の前面には扉203が設けられている。この扉203は開閉自在であり、図17に示すごとく扉203を開放することによって、オペレータは、棒金支払機6内に設置されている各種の動作機構(後述する)に対してアプローチすることができる。
【0193】また、図15に示すように、筐体202の上面部には、棒金を棒金支払機6内に対して出し入れするための入出金口204と、この入出金口204を開閉するためのシャッタ205と、棒金支払機6の内部の棒金の残量や棒金支払機6の正常・異常等を表示するための表示部206とが設けられている。
【0194】シャッタ205は棒金支払機6の奥側に対して開閉し、その開かれた状態が図16に示されている。このようにシャッタ205が開かれた状態では、棒金の搬送を行なう箱型のエレベータ207(図17参照)のホッパ265の上面開口部が入出金口204と対向し、入出金口204を通じてホッパ265内に棒金をセットしたり、ホッパ265から棒金を取り出すことが可能となる。また、シャッタ205には図示しないロック機構が設けられており、シャッタ205を閉じた状態で電源を切ると、前記ロック機構によってシャッタ205が開かないようになっている。
【0195】次に、棒金の搬送を行なうエレベータ機構について図17を参照しながら説明する。
【0196】棒金支払機6の内部前面側には棒金を搬送するためのエレベータ207が上下方向に移動可能に設けられている。すなわち、エレベータ207は、棒金支払機6内に立設された2本のシャフト208,209に対してスライド自在に取り付けられており、これらシャフト208,209によってその動作方向が上下方向のみに規制されている。また、エレベータ207は、モータ211に取り付けられて駆動される1つの駆動プーリ213と複数の被駆動プーリ212とに巻装されたベルト210に対して固定されており、モータ211を駆動させてベルト210を正転・逆転させると、ベルト210の動きに追従してエレベータ207が上下方向に移動するようになっている。なお、ベルト210にはエレベータ207と逆の位相で動作するバランスウェイト214が取り付けられている。したがって、エレベータ207が上方に向かう場合にはバランスウェイト214が下方に向かって動作するため、モータ211に加わる負荷を軽減することができる。
【0197】エレベータ207にはラッチ215が取り付けられており、このラッチ215を多数のラッチ溝を有するラッチ板216に掛合することによって、エレベータ207を任意の位置に保持できるようになっている。この場合、ラッチ215とラッチ板216との掛合状態はラッチソレノイド217を励磁することによって解除される。したがって、所定の位置に保持されたエレベータ207を上下に移動させるには、ラッチソレノイド217を励磁してラッチ215とラッチ板216との掛合を解除すれば良い。なお、エレベータ207の位置を検出する検出手段が所定の位置に取り付けられている。
【0198】図18に示すように、エレベータ207よりも奥側の棒金支払機6内には、棒金をセットするための複数のカセット220が、棚形状のカセット台225(図20及び図21参照)に保持された状態で、エレベータ207に隣接して設けられている(図18及び図19にはカセット台225が図示されていない)。これらのカセット220は、エレベータ207の移動路に沿って上下に配列されており、棒金を出し入れ可能な構成になっている。各カセット220は金種に応じて内側の高さや幅が異なっており、現在日本には6金種あるため、最低でも6個のカセット220が設けられる必要がある。したがって、本実施例では、6個以上のカセット220が上下方向に配列され、且つ、これらのカセット220によって棒金を金種毎にセットすることができるようになっている。
【0199】なお、図19に示すように、カセット220の列の下側には金種判別不可能な棒金を保管するリジェクト部260が設けられている。
【0200】図20に示すように、カセット220は、その上面がほぼ開口しており、カセット台225に対して挿脱可能にセットされるようになっている。すなわち、カセット台225にはカセット220を保持するカセットラッチ(図示せず)が取り付けられており、このカセットラッチを解除することによりカセット220がカセット台225から取り外しできるようになっている。また、前記カセットラッチにはセンサが取り付けられており、カセット220が正常にセットされているかどうかを検出することができるようになっている。
【0201】また、カセット220の前面には、カセット220にセットされた棒金を保持する棒金シャッタ221が取り付けられている。
【0202】ここで、エレベータ207が所定のカセット220に隣接して配置された状態を図21に、また、エレベータ207とカセット220のシャッタ221側部分とを拡大した図を図22に示す。これらの図面に示されるように、棒金シャッタ221は、軸224を中心としてカセット220の内側方向に回転可能であり、ばね223によって立ち上がる方向(外側方向)に付勢されている。したがって、棒金シャッタ221は、他の外力が作用しない限り、ばね223の付勢力により立ち上がった状態を保持しており、カセット220内の棒金Pと当接して棒金Pをカセット220内に保持することができる。
【0203】このような構成で、オペレータが直接に棒金Pをカセット220にセットする場合には、棒金Pをカセット220の開口部からカセット220内部に揃えて入れることにより、約20本の棒金Pを1つのカセット220にセットすることが可能である。一方、これとは異なり、棒金Pを機械的にカセット220にセットする場合には、後述するように、セットすべき棒金Pを棒金シャッタ221の前面からカセット220内に押し込む。つまり、棒金シャッタ221の前面に棒金Pを押し当ててばね223の付勢力に抗して棒金シャッタ221を内側に回転させながら、棒金Pをカセット220内に押し込む。
【0204】カセット台225には、ここにセットされたカセット220内の棒金Pをエレベータ207側方向に付勢し得るバックアップ226が設けられている。この付勢力はバックアップ226をエレベータ207側方向に付勢するばね230によって生起される。したがって、棒金Pが収容されたカセット220をカセット台225にセットすると、バックアップ226によって棒金Pが棒金シャッタ221に押し付けられる。つまり、カセット220をカセット台225に挿入していくと、カセット220の最奥端に位置する棒金Pがバックアップ226の押付板226aに当接し、バックアップ226がばね230の付勢力に抗して奥方に押し込まれる。この場合、ばね230は、その付勢力によって、バックアップ226の押付板226aをカセット220の最奥端に位置する棒金Pに押し付けた状態でカセット220の最先端の棒金Pを棒金シャッタ221に押し付ける。すなわち、カセット220内の棒金Pが全てカセット220から押し出される方向に付勢された状態となる。この状態のまま、さらにカセット220をカセット台225内に押し込んでいくと、前述したカセットラッチによってカセット220がカセット台225内に保持される。
【0205】また、図23に示すように、カセット台225にはカセット220内の棒金の満杯状態を検出するためのカセットフルセンサ301が設けられている。このカセットフルセンサ301は例えばバックアップ226の位置を検出することにより、カセット220内の満杯状態を検出することができる。すなわち、カセット220が満杯でない状態では図23(b)のようにバックアップ226によってカセットフルセンサ301のフォトインタラプタが遮られておらず、一方、カセット220が満杯の状態では図23(c)のようにバックアップ226の後端がカセットフルセンサ301のフォトインタラプタを遮り、満杯状態であることが検出される。
【0206】次に、エレベータ207の構造について図22及び図24を参照しながら説明する。エレベータ207は、エレベータ207の上部で開口して棒金を受け入れるホッパ265と、ホッパ265の下側に設けられた棒金搬送部270とから主に構成されている。このうち、ホッパ265は、カセット220から取り出された棒金や、カセット220にセットすべき棒金を保持することができる。また、棒金搬送部270は、ホッパ265内の棒金を受けとってその金種を判別するとともに、この判別した棒金を所定のカセット220へと搬送することができる。
【0207】エレベータ207のカセット220側には棒金をカセット220から取り出す取り出しレバー227が取り付けられている。この取り出しレバー227は、図示しないモータ等によって図中矢印方向に回転し、カセット220内の最先端の棒金1本を押し上げてこれをホッパ265内に落とし込ませることができるようになっている。エレベータ207にはカセット220から取り出された棒金を検知するための出金確認センサ228が設けられている。この出金確認センサ228は、例えばLED228aとフォトダイオード228bとからなり、棒金が取り出しレバー227によってカセット220側からエレベータ207側に移送されたかどうかを検知することができる。また、ホッパ265の下部には、ホッパ265内における棒金の有無を検出する残留検出センサ266が設けられている。この残留検出センサ266も、例えばLED266aとフォトダイオード266bとからなる。
【0208】ホッパ265は、上端開口部から下部に向かって徐々にその内径が小さくなっている。つまり、ホッパ265の内面は段差部を有するテーパ面に形成されている。ホッパ265の最下部には棒金搬送部270に開口する搬出口272が設けられている。この搬出口272を通じてホッパ265内の棒金が棒金搬送部270へと搬出される。搬出口272は2つの分離シャッタ244,245によって開閉自在である。この場合、分離シャッタ244,245は、左右に分かれて開くようになっている。また、搬出口272の下方には分離エレベータ246が上下に移動可能に設けられている。この分離エレベータ246は、駆動機構によって搬出口272の位置まで上昇させられた状態つまりその移動路の上端位置で、ホッパ265内から搬出口272を通じて落下する棒金を受けとることができる。そして、この分離エレベータ246と前記分離シャッタ244,245は、互いに連動して動作することにより、後述するようにホッパ265内の棒金を1本ずつ分離する。
【0209】図24(b)に示すように、棒金を受けとる分離エレベータ246の受取面246aは円弧状に形成されている。この場合、受取面246aの径は、最も径の大きい500円硬貨Aの径(26.5mm)よりも小さく、次に径の大きい10円硬貨Bの径(23.6mm)よりも大きくなっている。したがって、受取面246aに500円硬貨Aが置かれた場合には、図中に実線で示すように受取面246aの下面から500円硬貨Aが浮いた状態になる。また、受取面246aに500円硬貨A以外の硬貨が置かれた場合には、図中に点線で示すように受取面246aの下面に硬貨(図では10円硬貨B)が接触した状態となる。
【0210】また、分離エレベータ246には、受取面246aの形状を利用して硬貨を判別する硬貨判別センサ282が設けられている。図24(b)にはマイクロスイッチからなるセンサ282が示されている。この場合、スイッチの開閉によって硬貨の判別ができるようになっている。つまり、硬貨が受取面246aの下面から浮いた状態にあると、スイッチが閉じないようになっており、この場合は、その硬貨が500円硬貨Aであると認識できる。また、硬貨が受取面246aの下面に接触すると、スイッチが閉じるようになっており、この場合は、その硬貨が500円硬貨A以外の硬貨であると認識できる。無論、このようなセンサ282はマイクロスイッチに限らず、LEDとフォトダイオードとからなるものであってもよい。この場合は、光が遮断されるか否かによって硬貨を判別することができる。
【0211】一方、分離エレベータ246の移動路の下端位置には、分離エレベータ246の受取面246a上の棒金を受けとってこれを搬送する棒金搬送ブロック247が待機して配置されている。棒金を受け取る棒金搬送ブロック247の受取面は例えばV字形状に形成されており、分離エレベータ246がその移動路の下端位置まで下降すると、受取面246a上の棒金が棒金搬送ブロック247の受取面上に載置されるようになっている。なお、棒金搬送ブロック247は、例えばベルト駆動の移動機構250によって図中右側に向けて移動される。
【0212】棒金搬送ブロック247の移動路の終端位置(図中右端位置)にはリフト248が待機して配置されている。このリフト248は上下に移動可能であり、棒金搬送ブロック247の移動路終端位置で棒金搬送ブロック247の受取面上の棒金を押し上げてこれを上方に向けて搬送することができる。なお、棒金を受け取るリフト248の受取面も例えばV字形状に形成されており、棒金搬送ブロック247からリフト248への棒金の受け渡しが確実に行なえるようになっている。
【0213】リフト248の移動路の上端位置には棒金プッシャ252が設けられている。この棒金プッシャ252は、リフト248の移動路に対して垂直な方向に進退移動可能であり、リフト248に載置された棒金を図中右側に位置するカセット220内に押し込むことができる。
【0214】また、棒金プッシャ252の棒金押し込み方向(図中右方向)と逆方向の側には、棒金プッシャ252と対向して、棒金俵崩しカム278が設けられている。この棒金俵崩しカム278は、棒金プッシャ252によってホッパ265内に押し出されることにより、ホッパ265内に積み重ねられた棒金(図25参照)の配置状態を崩すことができる。これは、ホッパ265内における棒金の積み重なり状態によっては、棒金が搬出口272まで落ちてこないことがあるため、この状態を解消するために、棒金俵崩しカム278をホッパ265内で前後(図中左右方向)に移動させることで、ホッパ265内における棒金の配置状態を変化させ、ホッパ265内の最下部に位置する棒金を常に搬出口272に位置させるようにするためである。
【0215】本構成では、棒金プッシャ252を棒金押し込み方向と逆方向に後退させると、棒金プッシャ252が棒金俵崩しカム278の背面に当接して、棒金俵崩しカム278がホッパ265内に向けて押し出される。また、この状態から棒金プッシャ252を逆方向つまり棒金押し込み方向に前進させると、その動作に追従して棒金俵崩しカム278が元の初期位置に戻される。
【0216】なお、棒金プッシャ252のこのようなカム押出し動作は、棒金をカセット220内に押し出した後もしくは押し出す前に必ず行なうようにしても良いし、また、ある一定時間毎に定期的に行なうようにしても良い。
【0217】ところで、ホッパ265内における棒金の配置状態を変化させて棒金を確実に搬出口272に位置させるようにするためには、前記棒金俵崩しカム278とともに、ホッパ265の内面の形状が重要な要素となる。そこで、本構成では、搬出口272の近傍に位置するホッパ265の内面に段差部279を設け、この段差部279によって、棒金俵崩しカム278が駆動した際に最下部の棒金が容易に搬出口272へ落ちることができるようにしている。
【0218】一方、リフト248の移動路の途中には棒金の金種を判別するための鑑査部249(図26参照)が設けられている。この鑑査部249は、棒金の材質や外径を検知することによって、その金種を判別するようになっている。
【0219】図26に示すように、鑑査部249は、移動可能に設けられ、正弦波電圧が印加される鑑査用コイル241と、この鑑査用コイル241と対向して配置され且つ鑑査用コイル241の移動と同期して移動する幅寄せ板242とを備えている。リフト248に載置された棒金Pが鑑査用コイル241と幅寄せ板242との間に位置すると、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近して(図26(a)参照)、棒金Pを挟持し、鑑査対象となる棒金Pの端部を鑑査用コイル241内に挿入させる(図26(b)参照)。
【0220】ここで、図26(d)、図26(e)に示すように鑑査用コイル241の内部にはマイクロスイッチからなるセンサ302及び検知板303が設けられている。そして鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが棒金Pを挟持したとき、棒金Pが検知板303を介してセンサ302をONしたときは棒金Pの端部が鑑査用コイル241内に確実に挿入されていることが検出できる。一方鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近したにも関わらず、センサ302がONしなかった場合には棒金が正しい位置にないことが検出される。これによって棒金の金種判別時に棒金が正しい位置に整位されているか否かの検知を行っている。なお、センサ302はマイクロスイッチに限らずフォトインタラプタでも良い。
【0221】鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近したとき、同時に棒金Pのセンタリングも行なう。この構成では、金種によらず全ての棒金Pを共通のセンタに揃えることができるようになっている。なお、鑑査が終了すると、監査用コイル241と幅寄せ板242は互いに離間する方向に移動し(図26(c)参照)、リフト248のその後の移動(上昇)が可能となる。
【0222】図27に鑑査部249の電気回路のブロック図が示されている。正弦波発信器310がドライバ311を介して鑑査用コイル241に接続されている。鑑査用コイル241の出力端がアンプ312を介して減算器313に接続されている。さらに、減算器313がアンプ314及びA/Dコンバータ315を介して図示しない制御装置(CPU)に電気的に接続されている。
【0223】次に、上記構成の棒金支払機6の出金動作及び入金動作について説明する。
【0224】まず、出金動作について図28を参照しながら説明する。
【0225】図28(a)に示すように、エレベータ207は初期的に装置1内の最下部に待機している。テラーズマシン1a(1b)からの出金要求に応じて、エレベータ207がモータ211(図17参照)の駆動により出金命令に対応した所定のカセット220の位置まで上昇して停止する(図28(b)参照)。この段階で、エレベータ207のラッチ215がラッチ板216(図17参照)に掛合し、停止位置確認用のセンサ(図示しない)によってエレベータ207の停止位置が確認された後、図22に示す取り出しレバー227が回転動作する。取り出しレバー227が回転すると(図28(c)参照)、カセット220の最先端の棒金1本が押し上げられる。押し上げられた棒金は、棒金シャッタ221(図22参照)を乗り越えて、エレベータ207のホッパ265内に転がり落ちる。この時、棒金が取り出されたカセット220内では、残りの棒金がバックアップ226(図21及び図22参照)の力によって棒金シャッタ221に押し付けられ、次の棒金を取り出し可能な待機状態となる。棒金が取り出されたことを出金確認センサ228が検知すると、取り出しレバー227は逆回転してその初期位置に戻る(図28(d)参照)。例えば、2本の棒金を取り出す場合には、この状態から再び取り出しレバー227が回転し、次の棒金がエレベータ207のホッパ265内に落とし込まれる。
【0226】対象カセット220での取り出しが終了したら、ラッチソレノイド217(図17参照)が励磁される。これによって、ラッチ215とラッチ板216との掛合状態が解除され、エレベータ207が動作可能状態となる。
【0227】その後、エレベータ207は、テラーズマシン1a(1b)からの要求金額・本数に応じて順次所定のカセット220の位置に停止して取り出しを行ない、全ての取り出しが終了した時点で、その移動経路の最上端に停止して入出金口204の直下に位置する(図28(e)参照)。
【0228】エレベータ207が入出金口204の直下に位置すると、シャッタ205が開き、オペレータはエレベータ207によって運ばれた棒金を取り出すことが可能となる。
【0229】残留センサ266(図24参照)によってエレベータ207内に棒金が残留していないことを確認した段階で、シャッタ205が閉じられ、エレベータ207が最下部の初期位置に戻される(図28(f)参照)。
【0230】以上の一連の動作を行なうことにより、必要な金種・本数の棒金を出金することができる。
【0231】次に、入金動作について説明する。
【0232】棒金支払機6内のカセット220に対する棒金のセットをオペレータ自身で行なう場合は、扉203を開放してカセット220を取出し、棒金Pをカセット220の開口部からカセット220内部に揃えて入れれば良い。
【0233】以下、カセット220に対する棒金のセットを自動的に行なう場合について図29及び図30を参照しつつ説明する。
【0234】図29(a)に示すように、エレベータ207は初期的に棒金支払機6内の最下部に待機している。テラーズマシン1a(1b)からの入金供給に従って、エレベータ207がモータ211(図17参照)の駆動によって棒金支払機6の最上部に上昇して停止する(図29(b)参照)(ステップ41)。そして、この状態で、シャッタ205が開けられる(ステップ42)。この時、棒金支払機6は、オペレータが棒金をエレベータ207のホッパ265内に投入するのを待つ待機状態となる。
【0235】その後、オペレータが所定本数の棒金をホッパ265内に入れて(ステップ43)シャッタ205を閉じる(ステップ44)と、エレベータ207による棒金セット作業が開始される。或いは、オペレータがホッパ265内への棒金のセットが完了したことをテラーズマシン1a(1b)のキーボード144(図9参照)を介して入力すると、シャッタ205が閉じ、エレベータ207による棒金セット作業が開始される。
【0236】シャッタ205が閉じると、エレベータ207のホッパ265内にセットされた棒金が分離シャッタ244,245と分離エレベータ246とによって1本づつ分離され(ステップ45)、棒金の金種に対応したカセット220の位置までエレベータ207が移動する。以下、これについて詳細に説明する。
【0237】棒金の分離を行なう場合には、分離エレベータ246をその移動路の上端位置に上昇させた状態で分離シャッタ244,245を開く。これによって1本の棒金のみが分離エレベータ246に落下する。その後、分離エレベータ246を下方へ移動させることと連動させて分離シャッタ244,245を閉じることにより1本の棒金のみを分離エレベータ246上に分離させることができる。
【0238】このとき、ある一定の場合に、分離シャッタ244,245を完全に閉じることなく、分離シャッタ244,245が閉じられた状態で分離シャッタ244,245同志の間に若干の隙間を形成するようにしてある。これは、棒金の巻紙が剥がれていた場合に、この剥がれた部分が分離シャッタ244,245を閉じた際にシャッタ244,245間に挟まってしまい、棒金が分離エレベータ246に落下しなくなる虞があるからである。
【0239】したがって、ホッパ265内に装填された複数の棒金を連続して分離する場合には、分離シャッタ244,245を完全に閉じないようにしている。つまり、残留検出センサ266によってホッパ265内に棒金がないことが検知された場合には分離シャッタ244,245を完全に閉じるが、残留検出センサ266によってホッパ265内にまだ棒金が残っていることが検知された場合には、分離シャッタ244,245を閉じた際に、棒金の巻紙の剥がれ部分が通過できるだけの隙間を分離シャッタ244,245間に形成するようにしている。
【0240】また、こうした分離工程において、分離エレベータ246側のセンサ282により分離エレベータ246上の棒金が500円硬貨であると判断された場合には、分離エレベータ246を5mm程度下げた後にシャッタ244,245を閉じるようにする。これは、前述したように分離エレベータ246の受取面246aの径が500円硬貨の径よりも小さいため、受取面246a上に500円硬貨が浮いた状態で載置されるからである。したがって、もし、分離シャッタ244,245を閉じる前に分離エレベータ246を下げておかないと、棒金の重心位置よりも下を分離シャッタ244,245が通過することとなり、分離作業が行なえない。なお、センサ282によって分離エレベータ246上の棒金が500円硬貨以外であると判断された場合には、分離エレベータ246の下降とほぼ同時に分離シャッタ244,245を閉じれば良い。この場合は、棒金の重心位置よりも上を分離シャッタ244,245が通過するため、棒金を確実に分離できる。
【0241】以上のようにして分離された棒金は、図24に示すように、分離エレベータ246の移動路の下端位置で棒金搬送ブロック247に受け渡されて搬送される。その後、棒金は、棒金搬送ブロック247からリフト248に受け渡され、このリフト248によって鑑査部249まで搬送される(ステップ46)。
【0242】リフト248が上昇し、リフト248に載置された棒金Pが鑑査部249の鑑査用コイル241と幅寄せ板242との間に位置すると、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近して棒金を挟持することにより、鑑査対象となる棒金の端部が鑑査用コイル241内に挿入される(図26参照)。
【0243】このとき鑑査対象の棒金が正しい位置に整位されているか否かが鑑査コイル241内のセンサ302によって検知される。この検知動作を図31を参照して説明する。すなわち、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近して(ステップ71)、センサ302がONになったとき(ステップ72;YES)は、棒金が正しい位置にあるので鑑査部249によって棒金の金種判別が行われる(ステップ73)。一方、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近したにも関わらず、センサ302がONしなかったとき(ステップ72;NO)は、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とを互いに離間する方向に一旦移動し(ステップ74)、再度接近する方向に移動するというやり直し動作を行う。このやり直し動作を所定の回数繰り返し実施してもセンサ302によって棒金Pが正しい位置にあることが検出できなかった場合(ステップ75;YES)は、金種判別のベースとなる棒金の材質や外形を確実に測定できないので、金種判別不能としてリジェクト棒金と判定する(ステップ76)。
【0244】次に、鑑査部249によって棒金の金種判別を行なう方法について説明する。
【0245】金種を判別する方法としては、例えば、正弦波電圧を印加したコイルに棒金を挿入して硬貨の材質に伴う固有の出力変動を測定したり、光学的なセンサを移動させて棒金の直径を測定したりするなど、種々の方法がある。
【0246】ここでは、前者の方法を採用しており、鑑査用コイル241に正弦波電圧を印加して磁界を発生させて、コイル241の中に挿入された棒金の材質や外形に応じて磁界が乱される度合いを検出し、この検出値を基準データと比較することにより金種判別を行なうものである。具体的には、図27に示すように、正弦波発信器310から正弦波を発信して、ドライバ311を介して鑑査用コイル241を励磁する。そして、コイル241からの出力値をアンプ312、減算器313、アンプ314を介してA/Dコンバータ315に取り込んでこれをデジタル化し、その信号をCPUに取り込む。そして、このCPUに取り込まれたデータを金種に応じて設定された絶対値と比較することにより、金種の判別を行なうものである。
【0247】ところで、鑑査用コイル241に印加する正弦波の周波数は、棒金のように金種によって材質が異なるものの場合には、5KHz以下が適している。これは、5KHz以上の周波数では、棒金の表皮の影響が大きく現れ、棒金の傷や曲がりなどの影響を拾ってしまうことがあるためである。したがって、周波数を5KHz以下とすることによって、棒金内部まで磁束が進入するため、金種を正確に判別できる。
【0248】しかしながら、5KHz以下の周波数の正弦波を使用した場合でも、この正弦波等が鑑査用コイル241からの出力値に影響を与えてしまうことがあり、こうした場合、6金種を確実に判別することができない。つまり、十分な分解能を得ることができない虞がある。また、5KHz以下の周波数であっても、周波数が高い場合には材質の影響が小さく外形の影響が大きいが、周波数が低い場合には材質の影響が大きくなるといった特性があるため、1種類の周波数の正弦波を使用しただけでは正確な鑑査を行なえない虞がある。つまり、こうした2つの問題は2種類以上の周波数の正弦波を使用することによって解決される。
【0249】そこで、金種によって材質や外形が異なり且つコイル241に印加される正弦波の周波数に応じて出力の変化量が異なるという特徴を利用して、2種類以上の周波数の正弦波を使用する。例えば、2種類の周波数の正弦波を使用する場合には、コイル241に棒金を挿入した状態で周波数Aを印加して第1回目のデータを取得し、次に、周波数Aと異なる周波数Bを印加した状態で第2回目のデータを取得し、その変化量によって金種判別を行なう。つまり、2つのデータの相対比較を行なって棒金の金種判別を行なう。
【0250】なお、これとは異なり、各データを金種に応じて設定された絶対値と比較することにより、金種の判別を行なっても良い。
【0251】このように、1個の棒金に対して2種類以上の周波数の正弦波を印加すれば、相対的な変化量を測定することが可能となり、測定系の故障などによって発生する不具合を少なくできる。
【0252】なお、コイル241の内側には棒金の穴を検出するセンサ(図示せず)が設けられており、これによって、穴のある棒金を選別可能である。
【0253】以上のようにして鑑査部249による金種判別(ステップ47)が終了したら、その金種に対応したカセット220の満杯状態がセンサ301(図23参照)の状態を読み取ることにより検出される(ステップ48)。対応するカセット220が満杯状態でなかった場合(ステップ48;NO)は、その金種に対応したカセット220の位置までエレベータ207が移動する(図29(c)参照)(ステップ49)とともに、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに離間する方向に移動し(図26(c)参照)、リフト248が棒金プッシャ252に向けて上昇する。
【0254】金種に対応したカセット220までエレベータ207が移動し、リフト248がその移動経路の上端位置つまり棒金プッシャ252の位置まで移動したら、棒金プッシャ252が駆動してリフト248上の棒金をカセット220内に装填する(図29(d)参照)(ステップ50)。この装填動作について詳しく説明すると、まず、棒金プッシャ252は、リフト248によって棒金プッシャ252の位置まで上昇された棒金をカセット220側に押し出す。この時、棒金は、カセット220の前面に位置する棒金シャッタ221とカセット内の棒金を押し込みながら搬送される。棒金プッシャ252は、装填される棒金が棒金シャッタ221を完全に越えた位置(センサによって検出される)で停止し、その後、エレベータ207側に戻る。この時、棒金シャッタ221は、ばね223の付勢力によって起き上がり、これによって、装填された棒金がカセット220内にセットされる。
【0255】以上の動作をエレベータ207内に入れられた棒金がなくなるまで(ステップ51;NO)繰り返すことにより入金動作が完了する。入金動作が完了したら、エレベータ207は初期位置に戻る(図29(e)参照)(ステップ52)。
【0256】カセット220の満杯検出ステップ48で判別された金種に対応するカセット220が満杯状態であった場合(ステップ48;YES)は、エレベータ207を対応するカセット220の出金位置まで移動させ(ステップ53)、カセット220から棒金を1本取り出し、ホッパ265へ払い出す(ステップ54)。具体的にはエレベータ207がカセット220の出金位置へ移動し、停止位置確認用のセンサ(図示しない)によってエレベータ207の停止位置が確認された後、図22に示す取り出しレバー227が回転動作する。取り出しレバー227が回転すると、カセット220の最先端の棒金1本が押し上げられる。押し上げられた棒金は、棒金シャッタ221を乗り越えて、エレベータ207のホッパ265内に転がり落ちる。このとき、棒金が取り出されたカセット220内では、残りの棒金がバックアップ226の力によって棒金シャッタ221に押しつけられ、次の棒金を取り出し可能な待機状態となる。棒金Pが取り出されたことを出金確認センサ228が検知すると、取り出しレバー227は逆回転してその初期位置に戻る。
【0257】棒金の取り出しが終了したら、次にエレベータ207を対応するカセット220の入金位置まで移動させる(ステップ55)とともに、鑑査部249に残された棒金の装填(収納)を行なう(ステップ56)。すなわち、その金種に対応したカセット220の入金位置までエレベータ207が移動する(図29(c)参照)(ステップ55)とともに、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに離間する方向に移動し(図26(c)参照)、リフト248が棒金プッシャ252に向けて上昇する。
【0258】金種に対応したカセット220までエレベータ207が移動し、リフト248がその移動経路の上端位置つまり棒金プッシャ252の位置まで移動したら、棒金プッシャ252が駆動してリフト248上の棒金をカセット220内に装填する(図29(d)参照)。この装填動作はまず、棒金プッシャ252は、リフト248によって棒金プッシャ252の位置まで上昇された棒金をカセット220側に押し出す。この時、棒金は、カセット220の前面に位置する棒金シャッタ221とカセット内の棒金を押し込みながら搬送される。棒金プッシャ252は、装填される棒金が棒金シャッタ221を完全に越えた位置(センサによって検出される)で停止し、その後、エレベータ207側に戻る。この時、棒金シャッタ221は、ばね223の付勢力によって起き上がり、これによって、装填された棒金がカセット220内にセットされる。
【0259】装填が終了すると、エレベータ207は最上部へ移動し(ステップ57)、シャッタ205が開く(ステップ58)ことにより、ホッパ265内の棒金を取り出し可能に解放する。これにより、オペレータはエレベータ207のホッパ265内の棒金を取り出すことが可能となる。
【0260】その後、オペレータによりホッパ265内の棒金が取り出され(ステップ59)、残留センサ266によってホッパ265内に棒金が残留していないことを確認した段階で、シャッタ205が閉じられ(ステップ60)、エレベータ207が初期位置に戻る(ステップ61)。
【0261】なお、カセット220が満杯で返却された場合に、満杯であったカセットの金種を表示器206に表示することにより、オペレータはホッパ265に返却された棒金の内、満杯になっている金種の棒金を取り除き、他の金種の棒金を再度ホッパ265に投入して入金処理を行なうようにしても良い。
【0262】また、鑑査部249によって金種判別が不可能であった棒金は、前述したと同様の動作によって最下部のリジェクト部260(図19参照)内に装填されてここで保管される。
【0263】次に、上述した現金管理システム1の紙幣入出金機2、施封・小束支払機3、および棒金支払機6において精査業務をしたとき、その精査結果がテラーズマシン1a(1b)で記憶している装置在高と異なる場合の処理について、特に、施封・小束支払機3の小束精査を代表して説明する。
【0264】図32にはテラーズマシン1a(1b)の集計データメモリ143の記憶部143a、143bに記憶されている装置在高のデータテーブルを示してある。装置在高は、貨幣(硬貨および紙幣)の金種および種別(バラ、小束、または棒金)毎に記憶されている。
【0265】図34に示すように、例えば、テラーズマシン1a(1b)のキーボード144を介して、オペレータにより小束の精査要求が入力されると、テラーズマシン1a(1b)から施封・小束支払機3に対して精査開始コマンドが指示され、施封・小束支払機3において精査要求有りが判断されて(ステップ81;YES)、小束精査が開始される(ステップ82)。
【0266】小束精査では、上述したように、各小束金庫83a〜83d内に設けられた小束計数ユニット112により各金庫内の小束の数が計数され、この計数結果、すなわち精査結果が図32のデータテーブルに照合されて比較される(ステップ83)。このとき、精査結果とデータテーブルの該当する金種/種別の貨幣の装置在高とが一致していることが判断されると(ステップ83;YES)、小束精査がそのまま終了される。
【0267】一方、ステップ83で精査結果と装置在高とが一致しないことが判断されると(ステップ83;NO)、図33に示すような選択画面がテラーズマシン1a(1b)のCRT表示部145を介して表示される(ステップ84)。
【0268】オペレータは、この選択画面を見て、テラーズマシン1a(1b)のキーボード144を介して、■再精査処理、■装置在高を有効とする処理、■精査結果を有効とする処理、のうちいずれかを選択することになる(ステップ85、86、87)。
【0269】選択画面を表示した後、オペレータにより■再精査処理が選択されると(ステップ85;YES)、ステップ82の処理に戻って小束計数ユニット112により再度小束精査が実行される。この場合、ステップ83で再び精査結果の不一致が判断されると、ステップ84の選択画面が再度表示されることになるが、オペレータの判断により精査が何度か繰り返された後、金庫処理に移行される。金庫処理では、所定のランクを有するオペレータにより小束金庫が開けられて、金庫内に収容されている小束が処理される。
【0270】一方、ステップ84で選択画面を表示した後、オペレータにより■装置在高を有効とする処理が選択されると(ステップ86;YES)、ステップ82における精査結果が無効にされて精査処理がそのまま終了される。
【0271】また、選択画面を表示した後、オペレータにより■精査結果を有効とする処理が選択されると(ステップ87;YES)、テラーズマシン1a(1b)の集計データメモリ143に記憶されている装置在高が精査結果に基づく在高に書き換えられて更新される(ステップ88)。
【0272】尚、ここでは、小束精査について代表して説明したが、紙幣入出金機2における精査業務、および棒金支払機6にける精査業務においても同様に処理され、精査結果と装置在高が異なる場合には、図33に示すような選択画面が表示され、オペレータによる処理形態の選択が可能となっている。
【0273】以上のように、本発明によると、システム内に収容している貨幣(硬貨および紙幣)の在高を精査したとき、この精査結果が、元々テラーズマシン1a(1b)の集計データメモリ143に記憶されている装置在高と比較され、精査結果が装置在高と異なる場合、図33に示すような選択画面をテラーズマシン1a(1b)のCRT表示部145を介して表示し、オペレータによる処理形態の選択を受付けるようにしている。
【0274】このため、精査結果が装置在高と異なる場合であっても、単にエラー処理としてシステムを停止するのではなく、精査業務を続行でき、システムの処理効率を向上でき、処理の最適化を図ることができる。
【0275】尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。
【0276】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の貨幣処理装置は、上記のような構成および作用を有しているので、処理の最適化を図ることができ、処理効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る現金管理システムを示す外観斜視図。
【図2】図1のシステムに組込まれた紙幣入出金機の内部構造を概略的に示す断面図。
【図3】図2の紙幣入出金機の背面図。
【図4】図1のシステムに組込まれた施封・小束支払機の内部構造を概略的に示す断面図。
【図5】図4の施封・小束支払機のピッカー部を示す斜視図。
【図6】図4の施封・小束支払機の1つの小束金庫の内部構造を部分的に透視して示す斜視図。
【図7】図6の小束金庫の平面図。
【図8】図6の小束金庫の小束計数センサの揺動機構を説明するための側面図。
【図9】図1のシステムの制御系の概略構成を示すブロック図。
【図10】図6の小束金庫内に設けられた小束計数センサの動作を説明するためのフローチャート。
【図11】図6の小束金庫内に設けられた小束計数センサの動作を説明するためのフローチャート。
【図12】図6の小束金庫内に設けられた小束計数センサの出力波形を示すグラフ。
【図13】図6の小束金庫内に設けられた小束計数センサの出力波形を示すグラフ。
【図14】図6の小束金庫内に設けられた小束計数センサの出力波形を示すグラフ。
【図15】図1のシステムに組込まれた棒金支払機の外観を示す斜視図。
【図16】図15の棒金支払機の入出金口のシャッタを開放した状態を示す斜視図。
【図17】図15の棒金支払機の扉を開いた状態を示す斜視図。
【図18】図15の棒金支払機の内部にセットされたカセットの状態を示す斜視図。
【図19】図15の棒金支払機を側面側から見た透視図。
【図20】図18のカセットをカセット台にセットする動作を説明するための動作説明図。
【図21】所定のカセットに隣接して位置させたエレベータ、およびカセットの内部構造を示す側面図。
【図22】図21の要部を部分的に拡大して示す部分拡大図。
【図23】カセット部の満杯状態を検知するセンサによる検知動作を説明するための動作説明図。
【図24】図22のエレベータの内部構造を説明するための図。
【図25】図24のエレベータのホッパ内に複数本の棒金を収容した状態を示す図。
【図26】鑑査部を構成する鑑査用コイルと幅寄せ板の動作を説明するための動作説明図。
【図27】図26の鑑査部の電気回路のブロック図。
【図28】図15の棒金支払機による出金動作の手順を説明するための動作説明図。
【図29】図15の棒金支払機による入金動作の手順を説明するための動作説明図。
【図30】図29とともに入金動作を説明するためのフローチャート。
【図31】図26の鑑査部の鑑査用コイルと幅寄せ板による棒金の位置決め動作を説明するためのフローチャート。
【図32】図9のテラーズマシンの集計データメモリに記憶されている装置在高のデータテーブルを示す図。
【図33】図9のテラーズマシンのCRT表示部を介して表示される選択画面を示す図。
【図34】精査結果と装置在高が異なる場合の処理動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…現金管理システム、
1a、1b…テラーズマシン、
2…紙幣入出金機、
3…施封・小束支払機、
4…硬貨入金機、
5…硬貨出金機、
6…棒金支払機、
83a〜83d…小束金庫、
112…小束計数ユニット、
113…計数センサ、
124…エンコーダ、
140…MPU、
143…集計データメモリ、
143a、143b…記憶部、
144…キーボード、
145…CRT表示部、
207…エレベータ、
265…ホッパ、
220…カセット、
249…鑑査部。
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、銀行などの金融機関に設置された貨幣処理装置に係り、特に、複数金種の硬貨や紙幣(以下、総称して貨幣とする場合もある)を一括して管理するとともにオペレータとの間で貨幣の入出金取引をする貨幣処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、銀行などの金融機関の各営業所には、全ての金種の硬貨および紙幣を一括して管理するとともに、オペレータによる入金取引およびオペレータに対する出金取引を受付ける貨幣処理装置が設置されている。
【0003】この種の貨幣処理装置は、バラ硬貨の入出金処理をする硬貨処理ユニット、50枚の同一金種の硬貨を包装した棒金の入出金処理をする棒金処理ユニット、バラ紙幣の入出金処理をする紙幣処理ユニット、所定枚数の同一金種の紙幣を束ねた紙幣束(以下、小束と称する場合もある)の処理をする小束処理ユニット、および各ユニットに対する各種指示入力を受付けるとともに各ユニットの作動状態や各種操作案内を表示するテラーズマシンを備えている。
【0004】各ユニットには、テラーズマシンからの精査要求に従って、各ユニットに収容されている貨幣の在高を自動的に精査する精査機構が設けられている。尚、各ユニットに収容されている貨幣の在高は、テラーズマシンの集計データメモリに金種毎の装置在高として記憶されている。
【0005】例えば、テラーズマシンからの精査要求に従って、小束処理ユニット内に収容されている特定金種の小束を精査する場合、精査機構により当該小束が精査され、メモリに記憶されている当該小束の装置在高と比較される。このとき、精査結果が装置在高と異なることが判断された場合、エラー表示とともに貨幣処理装置が停止され、当該金種の小束を収容した金庫の処理が待たれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この場合、小束処理ユニットの金庫を開けて小束を処理することが許されるオペレータは限られており、所定の処理ランクを有するオペレータにのみ処理が許される。このため、精査結果が一致しない場合には、エラー処理により装置を停止した状態で、所定の処理ランクを有するオペレータによる処理を待たなければならない。
【0007】このように、従来の装置では、精査結果が装置在高と異なる場合には装置を一旦ストップさせて特定の処理ランクを有するオペレータによる処理を待つ必要があり、装置の稼働率が低下されて処理効率が悪くなるといった問題があった。
【0008】この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、処理の最適化を図ることができ、処理効率を向上できる貨幣処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の貨幣処理装置は、貨幣を管理するとともに、利用者との間で貨幣の入出金取引をするものであって、装置内にある貨幣の在高を装置在高として記憶した記憶手段と、装置内にある貨幣の在高を精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して装置内にある貨幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、装置内の貨幣の在高を再精査する第1の処理、上記装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えている。
【0010】また、この発明のうち請求項2記載の貨幣処理装置によると、上記制御手段は、上記精査結果が上記装置在高と一致している場合、そのまま処理を終了することを特徴とする。
【0011】また、この発明のうち請求項3記載の貨幣処理装置によると、上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第1の処理が選択されたことを条件に、上記精査手段を制御して装置内にある貨幣の在高を再精査することを特徴とする。
【0012】また、この発明のうち請求項4記載の貨幣処理装置によると、上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第2の処理が選択されたことを条件に、そのまま処理を終了することを特徴とする。
【0013】また、この発明のうち請求項5記載の貨幣処理装置によると、上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第3の処理が選択されたことを条件に、上記精査結果に基づく在高を上記記憶手段により記憶されている装置在高と置き換えて記憶させることを特徴とする。
【0014】また、この発明のうち請求項6記載の貨幣処理装置によると、上記表示手段は、上記選択画面の他に、上記記憶手段により記憶している装置在高と、上記精査手段による精査結果と、を金種別に表示することを特徴とする。
【0015】また、この発明のうち請求項7記載の貨幣処理装置は、複数金種の貨幣を管理するとともに、利用者との間で貨幣の入出金取引をするものであって、複数金種の貨幣を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された貨幣の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された貨幣の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている貨幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の貨幣の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該貨幣の在高を再精査する第1の処理、当該貨幣の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えている。
【0016】また、この発明のうち請求項8記載の貨幣処理装置は、複数金種の紙幣を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された紙幣の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された紙幣の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている紙幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の紙幣の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該紙幣の在高を再精査する第1の処理、当該紙幣の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えている。
【0017】また、この発明のうち請求項9記載の貨幣処理装置は、所定枚数の紙幣を金種毎に把束した紙幣束を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された紙幣束の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された紙幣束の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている紙幣束の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の紙幣束の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該紙幣束の在高を再精査する第1の処理、当該紙幣束の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えている。
【0018】更に、この発明のうち請求項10記載の貨幣処理装置は、所定枚数の硬貨を金種毎に包装した棒金を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された棒金の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された棒金の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている棒金の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の棒金の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該棒金の在高を再精査する第1の処理、当該棒金の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えている。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】図1には、この発明の貨幣処理装置として、銀行などの金融機関の各営業店で用いられる現金管理システム1(以下、単にシステム1と称する場合もある)を示してある。
【0021】システム1は、システム全体の操作およびデータ処理を行う2台のテラーズマシン1a,1bを備えている。また、システム1は、バラ紙幣の入出金処理をする紙幣入出金機2、およびこの紙幣入出金機2の余剰現金を施封して機体内に保管し、小束での紙幣の払い出しを行う施封・小束支払機3を備える。さらに、システム1は、バラ硬貨の入金処理をする硬貨入金機4、バラ硬貨の出金処理をする硬貨出金機5、50枚毎に包装された硬貨(棒金)の入出金処理をする棒金支払機6、およびテラーズマシン置き台7を備える。
【0022】紙幣入出金機2は、紙幣入金用の投入口11と、入金時のリジェクト紙幣を集積する入金リジェクトボックス12を備える。また、紙幣入出金機2は、出金時のリジェクト紙幣を集積する出金リジェクトボックス13と、出金される紙幣が集積される出金口14を備えている。
【0023】投入口11、入金リジェクトボックス12、出金リジェクトボックス13、および出金口14は、紙幣入出金機2の機体前面に縦一列の状態で配置されている。また、紙幣入出金機2の上面部には、各取引の内容を印字するジャーナルプリンター15が配置されている。
【0024】投入口11、出金口14、およびジャーナルプリンター15の近傍にはそれぞれ、前述した2台のテラーズマシン1a,1bのうち、どちらのテラーズマシン1a,1bに占有されているかを示すそれぞれ一対の占有ランプ16,17,18が配設されている。
【0025】また、紙幣入出金機2の前面には、機体内部にある後述する紙幣収納庫の紙幣残量を表示する残量表示19が配設されている。さらに、紙幣入出金機2の上面には、後述する施封端数を返却する施封一時庫返却扉20があり、紙幣返却時には機体の上方部にホップアップする機構になっている。
【0026】紙幣入出金機2の前面には、上から入金搬送路引出扉21、入金時に紙幣返却を行う一時集積扉22、および紙幣収納庫を引き出す収納庫扉23が配設されている。
【0027】一方、施封・小束支払機3は、上部に小束支払用の出金扉24を有し、この出金扉24が開くことにより出金された小束の取り出しが可能となっている。出金扉24の近傍には、紙幣入出金機2の占有ランプと同様の一対の占有ランプ25が配されている。
【0028】出金扉24の上部には、施封帯交換用の帯セット扉26があり、施封帯の交換はこの扉26を開けて行われる。上記出金扉24の下方には、損金庫取り出し扉27が配され、後述する損金庫を取り出し可能となっている。
【0029】システム1の硬貨入金機4、および硬貨出金機5については、ここでは詳細な説明を省略する。また、棒金支払機6については、後に詳述する。
【0030】次に、紙幣入出金機2と施封・小束支払機3の内部構成について詳述する。
【0031】図2は、紙幣入出金機2の内部を側面から示す構成図で、図3は、その背面図である。この紙幣入出金機2において、紙幣を入金しようとするときは投入口11に紙幣を置き、テラーズマシン1a(1b)から入金開始命令を送ると、これにより、投入口11から紙幣は1枚づつ内部に取り込まれる。
【0032】上記投入口11から取り込まれた紙幣は、鑑査前搬送路101を通過し、鑑査部34に導かれる。この鑑査部34内に取り込まれた紙幣は、その金種、形状、表裏、真偽、正損等が鑑別される。
【0033】この鑑別結果に基づき、あとで示すCPUなどで構成される制御部が搬送路内に設置された振り分けゲート群35a〜35kを使用して各集積部に紙幣を振り分ける。
【0034】鑑査部34から出た紙幣は、最初の入金リジェクトゲート35aにより、判定不能券の場合には入金リジェクトボックス12に振り分けられて集積される。この判定不能券は再度、投入口11にセットし直して再取り込みするか、手入力で計数データに算入する。
【0035】また、判定された紙幣は、次に表裏ゲート35bにより表裏取りそろえ機構に送られて全ての紙幣の向きを表向きに揃えられる。
【0036】表裏を取り揃えられた紙幣は、次に整理ゲート35cにより、下段収納庫部に搬送されるか、出金搬送路に導かれるかを選択される。出金搬送路に導かれる場合は後述するが、一般的な入金業務では下段収納庫部に搬送される。下段に搬送された紙幣は、金庫ゲート35dを通過し振り分け搬送路40に入る。金庫ゲート35d以降の処理についてはここでは記述しない。振り分け搬送路40に入った紙幣は、一時庫ゲート35e〜35gにより金種、正損によって一時集積庫41a〜41dに集積される。
【0037】一時集積庫41a〜41dに集積された紙幣は、図示しない整位機構によって整位されながら、一時集積庫41a〜41d内に設置されているフラッパー群45a〜45d上に集積される。このフラッパー45a〜45dは、集積開始時には、進入してくる全ての紙幣がフラッパー45a、45b上に集積するように切換えられる。
【0038】また、フラッパー45a〜45dは、それぞれ図示しないフラッパー駆動ソレノイドにリンクされており、これらの駆動ソレノイドを駆動することによりフラッパー45a〜45dは下側に約90゜回転するように構成されている。
【0039】フラッパー45a,45b上に集積する紙幣の枚数が増えてくると、集積紙幣の上面が順次上方に上がってくるが、所定の位置でこの最上部の紙幣上面を図示しない集積満杯センサで検知するようになっている。
【0040】この集積満杯センサで紙幣の集積が満杯であることが検知されると、フラッパー45a,45bは約90゜下側に回転して紙幣を落下させ、集積した紙幣は、こんどは下側のフラッパー45c、45dによって支えられることになる。
【0041】このまま紙幣の集積を続けると、集積紙幣上面は再度、集積満杯センサにより検知されるようになり、検知されるとフラッパー45c,45dも同様に下側に約90゜回転する。この結果、紙幣束は下方に落下し、集積部の底部に取り付けられているシャッター47a〜47d上に集積されることになる。
【0042】さらに、紙幣の集積を続けると再度、満杯センサにより集積紙幣上面が検知されるが、ここではじめて制御部は、集積部満杯をテラーズマシン1aまたは1bに対して報知することになる。
【0043】このように一時集積庫を構成することにより、常に適正な集積深さで紙幣を集積できるようになり、集積部で起こりがちな不具合、すなわち、集積部の深さが大きいことによって発生する立ち券等を防止することができ、さらに大容量のスムーズな集積が可能になる。
【0044】集積された紙幣は取り出しに適した位置でシャッター47上に保管される形になっており、シャッター47が図示しない駆動機構により左右に開放されると、集積した紙幣群は収納庫48a〜48d内に落下する。収納庫48a〜48d内にはセパレータ49,49が収納庫の上端に近い位置で待機しており、落下した紙幣はこのセパレータ49,49上に落ちることになる。
【0045】シャッター47が開くと一時集積部41a〜41d上部に待機していたプッシャー機構52が駆動され、一時集積庫41a〜41d内に残っている紙幣をすべて収納庫48a〜48d内に移動させる。
【0046】この移動が完了するとプッシャー52は上昇し、シャッター47は閉じられる。この状態で次の入金が待機される。
【0047】また、セパレータ49,49は、既に収納されている紙幣(既収納紙幣)の高さによって、下回転と上回転を選択できるようになっており、図示しないセンサにより、収納紙幣の高さを検知し、制御部により選択的に最善の方法が取られるようになっている。
【0048】収納庫48a〜48d内の紙幣が多い場合は、再度セパレータ49,49を紙幣の上に差し込むときに、上方から下方に回転させる方がスペースを有効に利用できるため、このような方法を採ることが望ましい。上記の一連の動作により、入金が完了することになる。
【0049】次に、出金動作について説明する。
【0050】出金動作は収納庫48a〜48dに集積されている紙幣を、出金口14に送ることで成立する。出金開始命令が例えばテラーズマシン1aから紙幣入出金機2に送信されると、紙幣入出金機2の制御部は出金すべき金種の紙幣が集積されている収納庫48a〜48dの取出機構56a〜56dを駆動する。この取出機構56a〜56dは投入口11に取り付けられている取込機構と同じものである。この取出機構56a〜56dを回転させることにより1枚づつ取り出された紙幣は、取出口直後に設置された取出計数センサ57a〜57dによりカウントされる。カウントが出金枚数に達すると、取出機構56a〜56dは駆動を停止し、取り出しが終了する。
【0051】取り出された紙幣は収納庫下搬送路58を通って出金鑑査部59に搬送される。出金鑑査部59では、紙幣の2枚取り、金種確認を行い、問題が無ければ上段出金搬送路に送り込む。このとき取り出された紙幣に問題があれば、取り出し機構に追加の取り出しを指示することになる。出金鑑査部59を通過した紙幣は、精査ゲート35hを通過した後、上段出金搬送路に入り、施封ゲート35iにより、出金口14へ搬送される。
【0052】ゲート35h、35iを介して別の方向へ搬送される紙幣の処理に関しては後述する。
【0053】施封ゲート35iで出金口14側に搬送された紙幣は出金リジェクトゲート35jにより、出金鑑査で問題ありと判定された紙幣を出金リジェクト庫13へ、出金対象となる紙幣を出金口14へそれぞれ集積する。
【0054】出金口14内に指定された金種と枚数の紙幣の集積が終わると、図示しない電磁ロックが解除され、出金口が2点鎖線で示すように開き、紙幣を取り出すことが可能になる。これで出金処理が完了となる。
【0055】また、収納庫48a〜48d内の紙幣は通常は紙幣の重さで、取出機構56a〜56dの送り込みローラに押し付けられ、安定的な取り出しが行われるが、紙幣残量が少なくなると、収納庫48a〜48d内にバックアップ機構60a〜60dが回転駆動され、収納庫48a〜48d内の紙幣を上から押すことにより、取出しを円滑に行うことができる。この紙幣残量は図示しないセンサにより、収納庫48a〜48d内の紙幣上面の位置を検知することによって行っている。
【0056】次に、金庫内精査業務について説明する。
【0057】金庫内精査業務は収納庫48a〜48dに入っている紙幣の枚数を計数する業務で、出金により確定できなくなった収納庫48a〜48d内の紙幣枚数を計数して確認することを目的とする。
【0058】テラーズマシン1aまたは1bから精査要求があったときは、まず、収納庫48a〜48dのうちの一つの収納庫内の紙幣の取り出しが開始される。収納庫48a〜48dから取り出された紙幣は、取出計数センサ57a〜57dを介してカウントされて出金鑑査部59により金種を判別され、収納庫48a〜48dの上方に位置する一時集積庫41a〜41dのいずれかに集積される。
【0059】このとき、判定不能であった紙幣は、出金リジェクト庫13に集積されるが、例えば、取出し対象の収納庫が48aであったとすると、これ以外の収納庫48b〜48dの上方の一時集積庫41b〜41dをリジェクト庫として用いても問題はない。
【0060】一時集積庫41a〜41dに集積された紙幣はこれらの集積庫が満杯になると、入金時と同様の過程で収納庫48a〜48d内に収納されるが、今回はセパレータ49,49は収納後も回転せず、精査済み紙幣と精査前紙幣とを分離している。
【0061】この状態で、精査前紙幣が無くなるまで紙幣の取り出しを続け、すべての紙幣が取り出されると、収納庫48a〜48d内のすべての紙幣の枚数、金種が確定することになる。このとき、収納庫48a〜48d内の紙幣残量が多いと、シャッター47が閉められなくなるが、シャッター47を開けたままでも紙幣の精査はできる。このようにシャッター47を開けたまま精査を行うと一時集積庫41a〜41dがセパレータ49,49の動作により、大きな容量を持てるので、収納庫48a〜48dからの取り出しを途中で停止することなく、精査ができるというメリットが生ずる。
【0062】次に、紙幣入出金機2に対する入金紙幣が多く、収納庫48a〜48d内の紙幣が一定量以上に多くなったとき、自動的に施封・小束支払機3に紙幣を回す収納庫自動整理動作について説明する。
【0063】収納庫自動整理は、収納庫48a〜48d内の紙幣枚数が一定枚数以上になると、自動的に開始される。収納庫自動整理を開始するトリガーとなる“一定枚数”は、テラーズマシン1aまたは1bから設定が可能で、この設定をすることにより、収納庫48a〜48d内の紙幣枚数が常に一定に保たれるようになる。
【0064】収納庫48a〜48d内の紙幣枚数が設定値以上になると、自動的に収納庫自動整理のプログラムが起動され、収納庫48a〜48d内からの紙幣取り出しが開始される。取り出された紙幣は出金鑑査部59により、金種確認等の判別が行われ、施封に適した紙幣のみが施封ゲート35iにより施封集積部61側へ搬送される。施封集積部61に100枚の紙幣が搬送されると、後述する機構/処理により施封部へ送られる。
【0065】一方、紙幣入出金機2の制御部は、紙幣を100枚取り出す毎に、当該収納庫に格納されている紙幣の残量をチェックし、残量が設定値以下になると取り出しを停止する。このように制御することにより収納庫48a〜48d内の紙幣枚数は常に一定に保たれる。
【0066】次に、施封集積部61について説明する。施封集積部61は図2に示されるように上下2段の集積部61a,61bを有している。この2段の集積部61a,61bの切り替えは集積切り替えゲート35kによりなされる。
【0067】最初に収納庫48a〜48dから取り出された紙幣は、上段施封集積部61aに集積される。集積された紙幣は施封集積バックアップ62a上に集積され、集積出口からある程度の高さが確保されている。集積が進み、紙幣上面が集積出口に近づいてくると、図示しない施封集積満杯センサにて満杯が検知される。
【0068】満杯が検知されると、施封集積バックアップ62aはその駆動機構により下端まで下がり、施封横キャリア63a上に紙幣を移動する。さらに集積が進み、上段施封集積部61aに100枚の紙幣が集積完了すると、集積切り替えゲート35kにより、それ以降の紙幣は下段施封集積部61bに集積される。
【0069】一方、上段施封集積部61aに集積した100枚の紙幣は施封集積クランプ64aにより、上方から押しつけられながら、施封横キャリア63aにより、施封機3側に移動される。このとき、施封集積クランプ64aは施封横キャリア63a上に固定されているため、一緒に移動する。
【0070】この移動された100枚の紙幣は後述する施封・小束支払機3の機構により、施封横キャリア63aからまとめて引き抜かれる。紙幣が引き抜かれたことを検知すると、施封横キャリア63aは元の位置に戻る。このとき、施封集積バックアップ62aと施封集積クランプ64aも元の位置に戻る。
【0071】以上の動作で1周期が完了し、次は下段施封集積部61bが同様の動作で100枚の紙幣を施封・小束支払機3に送る。このように上/下段の施封集積部61a,61bが順番に施封・小束支払機3に100枚づつの紙幣を送ることにより、連続的に施封を行うことができる。
【0072】また、施封時に端数が残ったときは、図2にAで示すように施封集積部61a,61b全体が、その前段搬送路とともに上方へホップアップし、集積部61a,61bに残っている紙幣を取り出せるようになっている。
【0073】次に、施封・小束支払機3について図4を用いて説明する。図4は施封・小束支払機3を側面側から見た断面図である。
【0074】施封・小束支払機3に対しては、紙幣入出金機2の施封集積部61a,61bを介して紙幣が送り込まれる。施封集積部61a,61bが紙幣入出金機2から施封・小束支払機3に挿入されると、小束ハンド部71が紙幣を受け取りに移動する。小束ハンド部71は、上段ハンド部71aと下段ハンド部71bの2段構成になっており、施封集積部61の上段61aから紙幣束が供給されても下段61bから紙幣束が供給されても、いずれの紙幣束をも保持することができるようになっている。
【0075】また、小束ハンド部71a,71bは同一ベース上に構成されており、移動は上下一緒に行うようになっている。
【0076】小束ハンド部71a,71bは図示しないハンド位置検出センサにより、紙幣クランプ位置、紙幣リリース位置、待機位置の3ポジションが検知できるようになっている。
【0077】紙幣入出金機2からの紙幣受け取り動作は、施封集積部61上に紙幣が指定枚数集積すると、紙幣入出金機2から施封・小束支払機3に受け渡しOKと上段か下段かの信号が送られる。信号を受けた施封・小束支払機3は後述するバックアップ機構を上段または下段に紙幣入出金機2からの信号に従ってセットする。
【0078】その後、待機位置で待機していた小束ハンド部71a,71bが紙幣クランプ位置まで移動し、図示しない紙幣クランプ機構により紙幣束をクランプする。クランプが完了すると小束ハンド機構71a,71bは紙幣束を引きづりながら紙幣リリース位置まで移動し、バックアップ機構72が紙幣束をクランプするのを待つ。バックアップ機構72が紙幣束をクランプすると、小束ハンド機構71a,71bは紙幣束をリリースし、待機位置へ戻る。以上の動作で小束ハンド機構の1周期が完了し、紙幣束の引き込みが完了する。
【0079】次に、バックアップ機構72について説明する。バックアップ機構72はその機構内に紙幣受け台74とその上方にバックアップクランプ機構73を持っている。また、バックアップ機構72は図示しないセンサ群によって、上段紙幣受け取り位置、下段紙幣受け取り位置、キャリア受け渡し位置の3ポジションが検知できるようになっている。
【0080】小束ハンド機構71から紙幣を受け取ったバックアップ機構72は、小束ハンド機構71が待機位置に戻るのを待って、上段紙幣受け取り位置または下段紙幣受け取り位置から移動を開始し、キャリア受け渡し位置まで移動する。このとき、バックアップクランプ機構73はクランプ状態にあり、バックアップ機構72上の紙幣が落下しないように押さえている。
【0081】バックアップ機構72がキャリア受け渡し位置まで移動すると、紙幣はキャリア75上と同じ高さになるように設定されている。この状態でキャリア75が前方へ移動すると紙幣はキャリア75の背板で押されて、バックアップ機構72上から抜き取られる。上記の動作によりバックアップ機構72からキャリア75への紙幣束の受け渡しが完了する。
【0082】キャリア75が前方へ移動を開始すると、図示しないキャリアクランプにより、紙幣はキャリア75上から落ちないようにクランプされるようになっている。また、キャリア75の前方に配された施封シャッター76は、キャリア75上の紙幣束に押されてキャリア移動方向に回転しながら、紙幣束を通過させるような構造になっている。
【0083】また、キャリア75は図示しないセンサ群により、紙幣受け取り位置、把束位置、縦キャリア受け渡し位置の3ポジションが検知できるようになっている。
【0084】キャリア75に乗った紙幣は、キャリア75によって把束機構91に移動されて施封帯にて把束される。上記把束機構91は、施封帯92の供給部93、この供給部93から供給される施封帯92を送る送りローラ94、紙幣束に施封帯92を巻き付ける巻付機構95、紙幣束に施封帯92を巻き付けたのち施封帯92をカットするカッタ96とを備えている。
【0085】把束された紙幣束はキャリア75に乗って把束位置から縦キャリア受け渡し位置まで移動し、その場でキャリア75は停止する。このとき紙幣束は施封シャッター76の外側側面に当たって一定の位置で停止するようになっている。このとき縦キャリア77はキャリア75の下方の待機位置から上昇し、縦キャリアクランプ機構78によりキャリア75上の紙幣束をつかめる位置まで移動する。
【0086】移動を完了した縦キャリア77は併設されている縦キャリアクランプ機構78によりキャリア75上の紙幣束を保持する。縦キャリアクランプ78が紙幣束を掴むとキャリア75はさらに移動を開始し、紙幣受け取り位置まで戻る。このとき施封された紙幣束は施封シャッター76に押されてキャリア75上からはずれることになる。
【0087】完全に縦キャリア77上にのった100枚の紙幣束、即ち小束は縦キャリア77とともに下降し、小束搬送路79内に進入する。
【0088】小束搬送機構は搬送路上面に小束プッシャー機構80a〜80d、図5に示したピッカー機構81a〜81dを持ち、夫々の下面には搬送路上の小束を小束金庫83a〜83d内に導く搬送シャッター機構82a,82bを具備している。搬送路下方には4個の小束金庫83a〜83dが配されており、小束の金種によってそれぞれの金庫83a〜83dに収納できるようになっている。
【0089】また、金庫83a〜83d内にそれぞれ配されたストッパー機構84a〜84dおよび小束金庫バックアップ機構85a〜85dにより、金庫83a〜83d内の小束を搬送路内に戻すことも可能になっている。
【0090】次に、縦キャリア77によって移動してきた小束が搬送路を通って小束金庫83a〜83dに収納されるまでを詳細に説明する。
【0091】縦キャリア77が小束をクランプした状態で搬送路内に近づくと、搬送路開閉機構86が図示しない駆動モータにより開く。
【0092】ここから搬送路内に進入した縦キャリア77は、搬送路内の定位置に移動し、搬送路開閉機構86が閉じるのを待つ。搬送路開閉機構86が閉じると、縦キャリア77と入れ子に配された図示しない駆動ローラにより、小束は搬送路内を搬送される。
【0093】次に、小束は、その小束が収納されるべき小束金庫、例えば金庫83dの上で停止し、収納可能な状態で待機する。このとき、小束は図5のピッカー機構81により、その停止位置が調整されるようになっている。
【0094】小束収納庫83dの真上で小束が待機すると、図示しない駆動機構により、左右の搬送シャッター82aおよび82bが下方に回転するように駆動され、小束は金庫83d内へ落下する。このとき、搬送シャッター82a,82bの駆動に合わせて、小束プッシャー機構80dも同時に下方の押し込み方向に駆動され小束が途中に引っかからないように押し込む。
【0095】落下した小束は最初は一対のストッパー機構84dの上に乗り、小束プッシャー機構80dにより、さらに金庫83d内に押し込まれる。ストッパー機構84dは小束と一緒に金庫83d内に回転するように押し込まれ、小束の端がストッパー機構84dから外れる一定の位置に達すると、自力で元の位置に戻るようにスプリング等で付勢されている。
【0096】図4では、このストッパー機構84dが閉じた状態と開いた状態の両方を示している。他のストッパー機構84a〜84cはいずれも閉じた状態を示してある。ストッパー機構84dが戻る位置まで小束プッシャー80dが押し込まれると、小束プッシャー機構80dは定位置まで戻り、搬送シャッター82a,82bが閉じて、小束の金庫83dへの収納が終了する。
【0097】金庫83d内に収納された小束は、金庫83d内の小束金庫バックアップ機構85dにより常に上向きに付勢されており、小束は閉じた状態のストッパー機構84dで押さえられている状態になっている。尚、他の金庫83a〜83cも上述した金庫83dと同様に構成されており、同様に作用する。
【0098】次に、小束の出金動作を説明する。
【0099】小束を出金する場合、まず出金したい金庫、たとえば金庫83dの搬送シャッター82a,82bを開き、小束プッシャー機構80dを金庫83d内へ押し込む。このとき、金庫83d内の小束は小束プッシャー機構80dにより下方へ押し込まれ、ストッパー機構84dが回動可能となる。
【0100】回動可能となったストッパー機構84dは図示しない駆動機構により金庫83d内へ回動し、固定される。その後、小束プッシャー機構80dを上方へ引き上げると、金庫83d内の小束は小束金庫バックアップ機構85dによって押し上げられ、小束プッシャー機構80dの上端位置まで上昇する。
【0101】上端まで移動した小束は、図5に示すピッカー機構81を駆動することにより、最上部に位置する小束のみがピッカー機構に引っかけられ、小束搬送路79A内に導入される。導入された小束は、搬送路79A上のドライブローラによって駆動されて、搬送路79A内を移動することになる。また、連続的に出金するときは、そのまま再度ピッカー機構81を駆動すれば次の小束が出金されることになる。小束の出金が終了したら、入金時と同時に小束プッシャー機構80dを押し込み、余った小束を金庫83d内に再び収納して出金処理が完了する。
【0102】小束搬送路79Aに取出された小束は、搬送路79A内を移動して、金種検知部133で金種を判別した後、搬送路79A出口からエレベータ87内に落下する。エレベータ87内に出金するべき小束がすべて入ると、エレベータ87は上昇を開始し、出金位置まで移動する。エレベータ87が出金位置に停止すると小束出金扉24が図示の位置まで開き、小束が取り出せるようになる。
【0103】エレベータ87内から小束が取り出されると図示しないセンサにより、小束無しが検知され、出金扉24を閉めて取引が終了する。
【0104】また、紙幣整理等で連続的に小束を機体3の外へ放出したいときは、小束シュート扉89を開き、エレベータ87を小束搬送路79Aより上方へ移動させることによって、小束搬送路79Aから落下してくる小束を、以下に説明するようにして、そのまま放出することも可能となっている。これはエレベータ87の容量が有限であるのに対して、連続的に所望の束数だけ出金できるというメリットを持っている。
【0105】即ち、エレベータ87の下方には損券金庫90が設置されており、通常は出金に適さない小束、たとえば損券小束や小束姿不良のものを収納できるようになっている。紙幣整理等で小束を連続的に排出するときにこの損券金庫90に収納する場合は、小束搬送路79Aから小束を落下させるときにエレベータ87を上昇させて、直接損券金庫90に収納するようにする。
【0106】以下、小束精査動作について説明する。
【0107】この精査とは、施封・小束支払機3にて管理している小束の装置在高、即ち束数と計数結果が等しいか否かの確認動作を意味する。小束の精査は小束金庫83a〜83dに入っている小束の束数を計数する動作で、例えば係員が小束を手で装填したり、エラーが発生した後など、確定できなくなった小束金庫83a〜83d内の小束の束数を計数して確認することである。
【0108】また、小束の計数とは別に出金時に小束の金種判別も行うが、これは図4の金種センサ133で行う。これについては後述する。
【0109】以下、小束金庫83dを例にとって、小束精査機構について図6および図7を参照して説明する。図6は小束金庫83dの斜視図であり、図7は小束金庫83dを上方から見た上面図である。尚、他の小束金庫83a〜83cにも、同じ機構が設けられている。
【0110】小束金庫83dは箱形状の金庫本体111を有し、その本体正面側に小束計数ユニット112が取り付けられている。
【0111】小束計数ユニット112は、2個のセンサ113a,113bが水平方向に併設された2連の計数センサ113(図7参照)と、この計数センサ113を上下させるためのレール114と、タイミングベルト115およびタイミングプーリ116,117とを有する。計数センサ113はこのタイミングベルト115と直結されていて、後述する駆動部118から駆動力を得てレール114に沿って上下する構造になっている。
【0112】このレール114の上端下端にはそれぞれ上端センサー119、下端センサー120が設けてあり、計数センサー113の上端、下端位置を検知することができる。
【0113】駆動部118はモーター121と減速ギア122から構成され、これがタイミングベルト123でタイミングプーリ117と連結されて、タイミングベルト115を駆動するようになっている。
【0114】また、駆動部118の減速ギア122には、エンコーダー124のギアが噛み合っていて、モーター121の回転によりエンコーダー124が回転するようになっている。このエンコーダー124が回転すると、そのスリットを通って光電変換素子に至る光が断続され、この断続の回数をカウントすることにより、モーター121の回転の検知、即ち計数センサー113の移動距離を測定することが可能となっている。なお、このエンコーダ124は光電式のほかたとえば磁石とコイルと組み合わせた電磁式のものでもよい。
【0115】計数センサー113のセンサー素子113a,113bの上端位置は、図7に示すようにストッパー機構84dの下側近傍に配置され、小束金庫83d内に集積されている小束Pの最上端の束の帯Sが検知できる位置となっている。
【0116】下端位置は、計数センサー113が小束金庫バックアップ機構のバックアップ85dの最下端位置より下になるように配置され、バックアップ85dの計数センサー113側の端面には図示しないエンドマークが記されていて、計数センサー113でこのエンドマークを読みとることによって、バックアップ85dの位置、即ち集積された複数の小束群の最下端の小束Pの位置を認識することができる。
【0117】施封・小束支払機3の4つの小束金庫83a〜83dはそれぞれ同様に構成された小束計数ユニット112を具備していて、この小束計数ユニット112を動かすための電源及び図9の小束精査部170とCPU162との信号、データの受け渡しは、それぞれの小束金庫83a〜83dの下部に設けられたフロートコネクタ134を介して行われる。
【0118】また、計数センサー113は、2つの反射センサー113a,113bで構成され、図7に示したように小束Pの帯Sに対向する位置に配置されている。この計数センサ113をレール114に沿って上下させることにより小束金庫83d内に集積された小束Pの帯Sと帯Sの切れ目の明暗を読みとり小束Pの束数を確定する。計数センサー113の2つの反射センサー113a,113bはそれぞれ小束Pの帯Sを検知するが、帯位置がばらついて片方のセンサーで検知できなくなっても片方のセンサーが検知できれば、たとえば両方のセンサーの出力の論理和をとることにより束数を確定できる。
【0119】なお、この帯位置は金種に関係なく、たとえば紙幣小束Pの一方の端部から30mmの位置に帯封Sの中心が来るように設定される。従って、2つの反射センサー113a,113bの丁度中間の位置がこの帯封Sの中心と一致するように設定すれば、帯封Sの位置が若干ずれたとしても、2つの反射センサー113a,113bのいずれか一方で帯封Sを検知できる範囲が広くできる。
【0120】また、帯封Sの位置を種々の理由で意識的に異ならせて小束Pを施封する場合がある。たとえば一万円紙幣の小束を端部から30mmの位置で施封し、それ以外の金種の小束を端部から40mmの位置で施封する。このように施封位置が10mmずれている複数の小束が混在していても正確に小束の帯封を検知するためには、40mmの位置に対応して一方の反射センサー113aを設置し、30mmの位置に対応して他方の反射センサー113bを設置すればよい。
【0121】この場合、反射センサー113a,113bは夫々、40mmの位置および30mmの位置からの反射光を受光するように設定されれば、夫々の位置の帯封のみを検知できる。また、反射センサー113aは40mmの位置からの反射光のみ受光し、反射センサー113bは40mmの位置および30mmの位置からの両方の反射光を受光するように設定すれば、反射センサー113aは40mmの位置の帯封のみ検知し、反射センサー113bは40mmの位置および30mmの位置の帯封を両方検知できるように設定できる。
【0122】このようにすれば、たとえ一方の反射センサー113aが40mmの位置の帯封を検知できなくても、残りの反射センサー113bで40mmの位置および30mmの位置の帯封を両方検知できることになり、検知エラーを少なくできる。
【0123】さらに、帯封Sと計算センサー113の位置を合わせないで金庫83dに小束Pが収納されたり、あるいは帯封Sの位置が大きくずれてしまったような場合には、計数センサー113の2つの反射センサー113a、113bのいずれもが、あるいは一方が帯を読みとれないことになる。この場合には、エンコーダー124で検知した計数センサー113の移動距離から、読みとれない部分の小束の厚みを判断して束数を確定することができる。これについては以下に詳細に説明する。
【0124】次に、計数センサー113が金庫83d内で小束P群の側面に沿って上昇移動するときのセンサー113の揺動機構について、図8を参照して説明する。図8は計数センサー113の揺動機構と小束金庫83d内に集積された小束Pを横方向から見た側面図である。
【0125】計数センサー113はセンサーブラケット126に固定されていて、センサーブラケット126はセンサーベース127に取り付けられた回動軸128により回動可能に設けられている。また、センサーブラケット126には縦方向に回転可能なコロ129が設けられ、コロ129の小束Pに対向した先端部は計数センサー113のレンズ先端よりわずかに突出した位置に配置されている。
【0126】センサーブラケット126はセンサーベース127に取り付けられた弾性部材、例えば圧縮コイルばね130により、コロ129及び計数センサー113が小束金庫83d内の小束Pの側面に押しつけられるように付勢されている。
【0127】小束金庫83d内の小束Pは、リブ131及び側面内壁132の範囲内で前後左右にばらつくが、センサー113に面する側の前後方向のばらつきに対し、揺動機構のコロ129が集積された小束Pの形状に合わせて小束Pに密着して動くので、計数センサー113と小束Pの帯封表面あるいは小束側面は常に最適なレンズ焦点距離に保たれる。
【0128】小束金庫83dの側面内壁132は各金種のそれぞれの長手幅に合わせた位置に固定可能に設けられていて、左右幅を規制することにより、各金種の左右方向のばらつきが一定の範囲内になるようにしている。
【0129】次に、システム1の一方のテラーズマシン1a、紙幣入出金機2、および施封・小束支払機3の制御系の概略構成について、図9に示すブロック図を参照して説明する。尚、ここでは図示していないが、後述する棒金支払機6の制御系もテラーズマシンに接続されている。また、他方のテラーズマシン1bについても同様に構成され、紙幣入出金機2、施封・小束支払機3、棒金支払機6の制御系と接続されている。
【0130】図9に示すように、一方のテラーズマシン1aはメモリ140aを有するMPU140(制御手段)を具備し、このMPU140にはバスを介してPROM141、プログラムメモリ142、集計データメモリ143、キーボード144、CRT表示部145、HDD148、ジャーナルプリンタ149が接続されている。
【0131】MPU140は、PROM141に記憶されている制御プログラムに従って現金管理システム1を制御する。集計データメモリ143は、システム1内に収容されている貨幣(硬貨や紙幣)の装置在高を記憶する記憶部143a、143bを有している。キーボード144は、オペレータによる各種操作入力を受付ける。CRT表示部145は、オペレータに対する各種操作案内を表示する。
【0132】MPU140にはさらにI/F147が接続され、このI/F147を介してテラーズマシン1aは紙幣入出金機2のI/F151および施封・小束支払機3のI/F161に接続される。また、ここでは図示していないが、棒金支払機6の制御系も、テラーズマシン1aのI/F147を介して接続される。
【0133】紙幣入出金機2は、CPU152,ROM153,RAM154、カット機構155、施封集積部61に集積された紙幣を施封・小束支払機3へ押し出す押出し機構156、搬送路の動作を制御するための搬送制御部157、収納庫48a〜48dへの紙幣の収納を制御するための収納制御部158、鑑査部34を含む入金鑑査部159および出金鑑査部160が、インターフェース(I/F)151に接続されて構成されている。
【0134】上記CPU152は紙幣入出金機2の全体を制御するものであり、ROM153にはCPU152の制御プログラム等が記憶されている。RAM154は紙幣入出金機2で鑑査処理された紙幣等に関する各種情報の記憶に用いられている。
【0135】搬送制御部157では、入金鑑査部159または出金鑑査部160の判別信号に基づいて送り込みローラ29に続く搬送路が駆動制御され、紙幣が搬送されるようになっている。
【0136】収納制御部158は図示しない振分けゲートを駆動制御することにより、搬送路により搬送される紙幣を鑑査部34の判別信号に従って各一時集積庫41a〜41dへ振分けるようになっている。また、収納制御部158は、シャッター47a〜47dの移動制御により各一時集積庫41a〜41dの集積紙幣の各収納庫48a〜48dへの収納を制御し、また、繰出ローラを含む取出し機構56を駆動制御することにより、各収納庫48a〜48dから搬送路への紙幣の繰り出しが行われるようになっている。
【0137】I/F151は、テラーズマシン1aのユニットインターフェース147に接続されている。
【0138】また、施封・小束支払機3では、CPU162,ROM163,RAM164、小束ハンド部71から施封機構91へ紙幣束を押し出す押出し機構165、搬送路79,79Aの動作を制御する搬送制御部166、金庫83への小束の収納を制御する収納制御部167、施封機構91の動作を制御する施封制御部168、エレベータ87を制御するエレベータ部169、金庫83内に構成される後述する小束精査部170が、I/F161に接続されて構成されている。
【0139】上記CPU162は、施封・小束支払機3の全体を制御するものであり、ROM163にはCPU162の制御プログラム等が記憶されている。RAM164は施封・小束支払機3で施封処理された紙幣等に関する各種情報の記憶に用いられる。
【0140】搬送制御部166は、図4に示した搬送路79,79Aを含む搬送路を駆動制御することにより、施封部71からの紙幣の小束が搬送されるようになっている。施封制御部168の制御により、一時施封庫72から施封部91へ落とし込まれた集積紙幣に対して帯封を巻くことにより、紙幣束としての小束が作成されるようになっている。
【0141】搬送制御部166は図示しない振分けゲートを駆動制御することにより、搬送路79Aにより搬送される施封指定された金種に基づいて対応した小束収納庫、たとえば83dに振り分けられるようになっている。また、搬送制御部166は、図示しない取出し機構を駆動制御することにより、各収納庫83から搬送路79Aの小束の取出しが行われるようになっている。
【0142】小束精査部170は収納庫83a〜83d夫々に収納された小束Pの数を計数し、入力された金額と合致するか否かを確認する。
【0143】なお、図9では紙幣入出金機2および施封・小束支払機3がテラーズマシン1aに接続されている状態を示したが、同様にしてそれぞれインターフェース151,161を介して他のテラーズマシン1bにも接続される。
【0144】以下、図6に示す小束金庫83dにおける小束の精査動作について、図10乃至図14を参照して説明する。
【0145】金庫83d内の小束を精査するための計数センサー113は、小束精査を行わないときはバックアップ85d上に載置されている小束Pに触れないように金庫83dの下端位置で待機している。この状態で、例えばオペレータにより小束が手装填されたとき、テラーズマシン1aからの精査要求に応じて小束が計数されて精査される。
【0146】すなわち、精査要求のあった小束金庫83dのモータ121が駆動され、図10のステップ1にてエンコーダ124が駆動されるとともに計数センサ113が上昇され、センサデータ取り込みが開始される。取り込まれたセンサデータは図9のCPU162の制御のもとにRAM164に順次格納される。
【0147】次のステップ2において開始位置の小束部分の検出が開始され、計数センサ113は上昇しながらその前方からの反射光の検知を始める。例えば、図8の例では、計数センサー113が上昇してその前方にバックアップ85dの支持板850が来たときに小束検知がスタートされ、ステップ3にて図12、13に示す計数センサ113a,113bの出力A,Bおよびエンコーダ124の出力データCがRAM164に読み込まれる。
【0148】図12、図13は、計数センサー113を上昇させながら小束金庫83d内の複数の小束Pを計数させたときの、センサー出力波形A、Bとその時のエンコーダ124の出力波形Cをグラフに表したものである。
【0149】計数センサ113の2個のセンサ113a,113bの出力レベルA,Bは、夫々このセンサ113が金庫83d内を下から上へ移動するときに、バックアップ85dの位置へ到達するまでは図12、図13のレベルA1,B1に示す低い値に保たれる。
【0150】ステップ4でバックアップ85dに付けられている図示しないエンドマーク即ち束開始マークを検知すると、夫々この束開始マークに対応して図12、図13のレベルA2,B2のように高い値となる。これらのレベルA2,B2は、それぞれ後で説明するが、センサー113a,113b夫々の出力に対して設定される小束検知のためのスライスレベルより高い値を有するものである。
【0151】この束開始マークが検知されると、ステップ5において小束開始位置がたとえばRAM164上でフラグを立てる形でセットされる。
【0152】この小束開始位置セットが終わると、終了位置、即ち集積小束の最上部の小束Pの検出処理がステップ6で開始される。この処理の開始により、ステップ7にて計数センサー113a,113b、エンコーダ124の出力データA,B,CのRAM164への読み込み処理が引き続き行なわれる。
【0153】センサー113が引き続いて上昇して行くにつれて、2個のセンサー113a,113bからは図12,13に示すようにレベル変化する出力データA,Bが得られ、同時にエンコーダ124からはほぼ一定振幅の連続したパルス出力Cが得られる。
【0154】即ち、計数センサー113の2つのセンサー113a,113bは反射型のセンサーであるので、小束金庫83d内の小束Pが無い部分では発光した光が反射しないため、図12のA1,B1部のようにセンサー113a,113bの出力電圧が低いが、エンドマークが付されたバックアップ85dの所にくると反射光が強くなるので、A2,B2のように高い値を示すようになる。
【0155】バックアップ85dを外れると反射光がなくなるので、A3,B3のように一旦出力電圧が低下するが、さらに最初の小束Psの位置まで移動すると、帯封Sによって反射光が強くなるため、A4,B4部のようにセンサーの出力電圧が上がる。さらに計数センサー113が移動して帯と帯の切れ目に達すると、帯の切れ目で反射光が弱くなるためセンサー113a,113b共に出力電圧がA5,B5部のように低くなる。
【0156】さらに計数センサー113が移動して次の小束Pの帯Sに達すると、帯Sによって再び反射光が強まるので、センサー113の出力電圧は再び図12のA6,B6部のように高くなる。
【0157】この状態で、たとえば図12の右端に示したようにエンコーダ124の出力が低いレベルC1で一定となると、ステップ8にてエンコーダ124が停止したことが検知される。なお、このエンコーダ124がスリット透過型の物で或る場合は、出力が高いレベルで一定となった状態で停止することもある。
【0158】この時、センサー113は、図6において上端検知センサー119を遮る位置で停止していることになる。
【0159】ステップ8でエンコーダ124が停止したことが検知されると、センサー113が小束群の最上部小束Peに対応する位置に来ており、この位置でステップ9にて小束終了位置セットが行われ、ステップ10にて終了の処理が行われる。
【0160】この状態でRAM164に記憶されたセンサー113a,113bの出力レベルがステップ11にて検証され、小束Pに付けられている帯封S部分のセンサ出力レベル、例えば図12のレベルA3,B3を確実に検知できるレベルAs,Bsをスライス値として決定してRAM164に格納する。
【0161】続いて、RAM164に格納されたデータを読み出して、この間に検知したバックアップ85dのエンドマーク、小束Pと小束Pの帯の切れ目の明暗の回数、およびエンコーダ124で測定したパルス数に基づいて集積小束Pの束数を確定する処理をステップ12にて行い、小束計数処理が終了する。
【0162】なお、施封・小束支払機3の4つの小束金庫83a〜83dはそれぞれ、同様の機構を有しているので、テラーズマシン1aまたは1bからの精査要求により必要な金庫のみ小束精査することも、全金庫同時に小束精査することも可能である。
【0163】次に、ステップ12における小束計数処理、即ち、センサー113およびエンコーダ124の出力データより束数を確定する方法について図11ないし図14を参照して説明する。
【0164】図11による以下の説明では、RAM164に格納されているセンサー113からの出力データを書き込みとは逆の順序で読み出して束数の計数を行うが、勿論書き込みの順に読み出して処理を行ってもよい。
【0165】小束精査部170は、CPU162の制御下で、ステップ21の束数カウント開始処理を行い、ステップ22においてRAM164に格納されているセンサー113のセンサー値A,Bならびにエンコーダ124のエンコーダ値Cを読み込む。
【0166】この場合、データをRAM164から逆に読出すので、たとえば図12において、最初にA6,B6のレベルのセンサーデータが読出されたものとする。このとき同時に、図10の処理で、格納されているスライス値As,Bsならびに新券100枚の紙幣小束Pの平均厚さデータも読み出される。
【0167】これらのレベルA6,B6はステップ23でチェックされ、エンドマークレベルA2,B2よりもそれぞれ低いことを条件にステップ25に進む。もしエンドマークレベルA2,B2が検知された場合にはステップ24に移行して「終り」処理が行われる。
【0168】ステップ25でセンサ値A6,B6とスライス値As,Bsとが比較され、この場合はセンサ値の方が大きいのでステップ22に戻る。
【0169】次に、センサレベルA5,B5が読み出されると、スライス値As,Bsの方が大きくなるのでステップ26に移行し、エンコーダ値によって表されるセンサ移動距離データと読み出された小束Pの厚さデータとの比較が行われる。
【0170】厚さデータの方が大きければステップ22に戻り、厚さデータに対してセンサ移動距離を示すセンサ値データの方が大きければステップ27に移行して、このセンサ値データが1束の厚さに対して何倍になるかを検知するための割り算が行われる。
【0171】センサ値が2倍以下であれば、ステップ28に移行してそれまでに検知されている小束の総束数に1を加えて新しい総束数として記憶し、それまでのセンサ移動距離を示すエンコーダ値をクリヤしてステップ22に戻る。
【0172】同様に、センサ値が2倍以上、3倍以下であれば、ステップ27から30を経て31に移行し、それまでに検知されている小束の総束数に2を加えて新しい総束数として記憶し、それまでのセンサ移動距離を示すエンコーダ値をクリヤしてステップ22に戻る。
【0173】さらに、センサ値が3倍以上、4倍以下であれば、ステップ30から32を経て33に移行し、それまでに検知されている小束の総束数に3を加えて新しい総束数として記憶し、それまでのセンサ移動距離を示すエンコーダ値をクリヤしてステップ22に戻る。
【0174】ステップ32において、センサ値が小束厚さの4倍以上であることが検知されると、新券の4小束分の厚さと流通券の4小束分の厚さとの差が大きくなって誤計数のおそれが出てくるので、ステップ34でエラー処理を行い、ステップ24で束数カウント処理の終り処理を行う。
【0175】図12においてセンサ値A5,B5が読み出されてからセンサ値A4,B4を経て低いセンサ値A3,B3が得られたときは、この間のセンサ移動距離が丁度小束1束分の厚さを示すので、ステップ27から28,29へ進む。しかし、例えば小束帯封の側面に何かの汚れが付いていると、図13に示すように、センサ値A5,B5が読み出されてからすぐに低い値A7,B7が読み出されることがある。
【0176】このようなときには、A5,A7間、およびB5,B7間のセンサー移動距離が1束分より短いので、ステップ26から22に戻ることになり、この部分を誤って小束として認識するようなことはない。
【0177】図12、図13において、バックアップ85d上のエンドマークに対応するセンサ値A2,B2が読み出されると、ステップ23にて小束読出がすべて終了したことを検知し、ステップ24に移行して処理を終了する。
【0178】このようにして小束金庫83d内の小束Pを全て検知すると、帯S部分の出力電圧の高い部分と帯Sと帯Sの切れ目の出力電圧の低い部分の波形が小束Pの数分得られたときは、小束Pの束数を確定することができる。
【0179】また、小束計数の途中において、図14のセンサ値A8部は、センサー113aにより帯と帯の切れ目を読みとって出力電圧が下がっているが、対応するセンサー113bのセンサ値B8は帯と帯の切れ目が読みとれず出力電圧に変化が無い。
【0180】このような場合は、センサ113aの出力A8を用いてエンコーダー124で検知したセンサー移動距離からセンサー113aの出力低下部分A8を帯と帯の切れ目であると判断することができるほか、図11のステップ27,28で説明した方法でも1束として計数できる。
【0181】尚、図14において、センサ値A8,A9の間のスライス値Asより高い部分A10、およびA9とA1との間のA11の部分は夫々1束として計数できるが、この時他方のセンサー113bのサンサー値B8〜B11も参照値として用いて計数結果の確認をすることができる。
【0182】ここで、小束の金種判別機能について図4を用いてさらに説明する。
【0183】小束搬送路79Aの出口付近に反射型の金種判別センサー133が配されていて、出金、及びその他業務での小束Pの放出時に、小束搬送路79Aの出口を通過する小束Pの表面の複数箇所を金種判別センサー133によって検知する。その反射パターンを鑑別することにより出金、及び放出束の金種を判別する。
【0184】次に、上記のように構成された紙幣入出金機2および施封・小束支払機3による取引の例を説明する。
【0185】まず、入金取引をする場合は、入金する現金を図2の紙幣入出金機2の投入口11にセットする。次に、例えばテラーズマシン1aから取り込み開始操作を行う。これにより、セットされた紙幣が紙幣入出金機2内に取り込まれ、紙幣の計数が開始され、計数終了後、その計数結果がテラーズマシン1aに送信される。
【0186】入金操作をしているオペレータは、紙幣計数中にテラーズマシン1aのキーボード144に含まれる操作キーを使用して伝票金額、口座番号等の入金データを入力する。紙幣入出金機2からの計数結果と伝票金額が合致すれば、オペレータは完了ボタンを押下して入金取引を完了する。また、その取引内容はテラーズマシン1a内の集計データメモリ143に記憶されるとともに、取り付けられているジャーナルプリンター149により記録される。
【0187】次に出金操作の場合、オペレータはテラーズマシン1aのキーボード144から出金金額、口座番号等の出金データを入力し開始キーを押下する。紙幣入出金機2は、テラーズマシン1aからの出金要求に従って金庫48a〜48dから紙幣を取り出して出金口11に搬送する。また、出金要求が小束の場合は施封・小束支払機3の出金扉24から1ないし複数の小束で出金することになる。
【0188】紙幣出金処理中に機体内でジャム等が発生した場合、搬送路中にある紙幣はまだ機体管理紙幣であるため、テラーズマシン1aは挿入されているオペレータのIDカードなどからオペレータのランクを判断し、機体内紙幣にさわれるランクのオペレータなら出金機構の電磁ロックを解除し、オペレータがジャム処理を行うのを待つ。オペレータのランクが低く、機体内現金にふれることができない場合は、ランクの高いオペレータを要求し、別のIDカード待ちの状態となる。
【0189】このような制御をすることにより、機体内の現金に対してセキュリティーが守られ、誰が現金の操作をしたかがわかるようになる。
【0190】また、入金処理が重なり収納庫48a〜48d内に紙幣が溜まってくると、紙幣入出金機2は自動的に収納庫48a〜48d内の紙幣を施封に回すような処理を行う。この処理により、収納庫48a〜48d内の紙幣量は常に概略一定量に保たれ、余剰紙幣は小束金庫83a〜83d内に溜めるようになる。
【0191】次に、棒金支払機6について説明する。
【0192】図15には棒金支払機6の外観図を示してある。棒金支払機6は、筐体202を有し、この筐体202の前面には扉203が設けられている。この扉203は開閉自在であり、図17に示すごとく扉203を開放することによって、オペレータは、棒金支払機6内に設置されている各種の動作機構(後述する)に対してアプローチすることができる。
【0193】また、図15に示すように、筐体202の上面部には、棒金を棒金支払機6内に対して出し入れするための入出金口204と、この入出金口204を開閉するためのシャッタ205と、棒金支払機6の内部の棒金の残量や棒金支払機6の正常・異常等を表示するための表示部206とが設けられている。
【0194】シャッタ205は棒金支払機6の奥側に対して開閉し、その開かれた状態が図16に示されている。このようにシャッタ205が開かれた状態では、棒金の搬送を行なう箱型のエレベータ207(図17参照)のホッパ265の上面開口部が入出金口204と対向し、入出金口204を通じてホッパ265内に棒金をセットしたり、ホッパ265から棒金を取り出すことが可能となる。また、シャッタ205には図示しないロック機構が設けられており、シャッタ205を閉じた状態で電源を切ると、前記ロック機構によってシャッタ205が開かないようになっている。
【0195】次に、棒金の搬送を行なうエレベータ機構について図17を参照しながら説明する。
【0196】棒金支払機6の内部前面側には棒金を搬送するためのエレベータ207が上下方向に移動可能に設けられている。すなわち、エレベータ207は、棒金支払機6内に立設された2本のシャフト208,209に対してスライド自在に取り付けられており、これらシャフト208,209によってその動作方向が上下方向のみに規制されている。また、エレベータ207は、モータ211に取り付けられて駆動される1つの駆動プーリ213と複数の被駆動プーリ212とに巻装されたベルト210に対して固定されており、モータ211を駆動させてベルト210を正転・逆転させると、ベルト210の動きに追従してエレベータ207が上下方向に移動するようになっている。なお、ベルト210にはエレベータ207と逆の位相で動作するバランスウェイト214が取り付けられている。したがって、エレベータ207が上方に向かう場合にはバランスウェイト214が下方に向かって動作するため、モータ211に加わる負荷を軽減することができる。
【0197】エレベータ207にはラッチ215が取り付けられており、このラッチ215を多数のラッチ溝を有するラッチ板216に掛合することによって、エレベータ207を任意の位置に保持できるようになっている。この場合、ラッチ215とラッチ板216との掛合状態はラッチソレノイド217を励磁することによって解除される。したがって、所定の位置に保持されたエレベータ207を上下に移動させるには、ラッチソレノイド217を励磁してラッチ215とラッチ板216との掛合を解除すれば良い。なお、エレベータ207の位置を検出する検出手段が所定の位置に取り付けられている。
【0198】図18に示すように、エレベータ207よりも奥側の棒金支払機6内には、棒金をセットするための複数のカセット220が、棚形状のカセット台225(図20及び図21参照)に保持された状態で、エレベータ207に隣接して設けられている(図18及び図19にはカセット台225が図示されていない)。これらのカセット220は、エレベータ207の移動路に沿って上下に配列されており、棒金を出し入れ可能な構成になっている。各カセット220は金種に応じて内側の高さや幅が異なっており、現在日本には6金種あるため、最低でも6個のカセット220が設けられる必要がある。したがって、本実施例では、6個以上のカセット220が上下方向に配列され、且つ、これらのカセット220によって棒金を金種毎にセットすることができるようになっている。
【0199】なお、図19に示すように、カセット220の列の下側には金種判別不可能な棒金を保管するリジェクト部260が設けられている。
【0200】図20に示すように、カセット220は、その上面がほぼ開口しており、カセット台225に対して挿脱可能にセットされるようになっている。すなわち、カセット台225にはカセット220を保持するカセットラッチ(図示せず)が取り付けられており、このカセットラッチを解除することによりカセット220がカセット台225から取り外しできるようになっている。また、前記カセットラッチにはセンサが取り付けられており、カセット220が正常にセットされているかどうかを検出することができるようになっている。
【0201】また、カセット220の前面には、カセット220にセットされた棒金を保持する棒金シャッタ221が取り付けられている。
【0202】ここで、エレベータ207が所定のカセット220に隣接して配置された状態を図21に、また、エレベータ207とカセット220のシャッタ221側部分とを拡大した図を図22に示す。これらの図面に示されるように、棒金シャッタ221は、軸224を中心としてカセット220の内側方向に回転可能であり、ばね223によって立ち上がる方向(外側方向)に付勢されている。したがって、棒金シャッタ221は、他の外力が作用しない限り、ばね223の付勢力により立ち上がった状態を保持しており、カセット220内の棒金Pと当接して棒金Pをカセット220内に保持することができる。
【0203】このような構成で、オペレータが直接に棒金Pをカセット220にセットする場合には、棒金Pをカセット220の開口部からカセット220内部に揃えて入れることにより、約20本の棒金Pを1つのカセット220にセットすることが可能である。一方、これとは異なり、棒金Pを機械的にカセット220にセットする場合には、後述するように、セットすべき棒金Pを棒金シャッタ221の前面からカセット220内に押し込む。つまり、棒金シャッタ221の前面に棒金Pを押し当ててばね223の付勢力に抗して棒金シャッタ221を内側に回転させながら、棒金Pをカセット220内に押し込む。
【0204】カセット台225には、ここにセットされたカセット220内の棒金Pをエレベータ207側方向に付勢し得るバックアップ226が設けられている。この付勢力はバックアップ226をエレベータ207側方向に付勢するばね230によって生起される。したがって、棒金Pが収容されたカセット220をカセット台225にセットすると、バックアップ226によって棒金Pが棒金シャッタ221に押し付けられる。つまり、カセット220をカセット台225に挿入していくと、カセット220の最奥端に位置する棒金Pがバックアップ226の押付板226aに当接し、バックアップ226がばね230の付勢力に抗して奥方に押し込まれる。この場合、ばね230は、その付勢力によって、バックアップ226の押付板226aをカセット220の最奥端に位置する棒金Pに押し付けた状態でカセット220の最先端の棒金Pを棒金シャッタ221に押し付ける。すなわち、カセット220内の棒金Pが全てカセット220から押し出される方向に付勢された状態となる。この状態のまま、さらにカセット220をカセット台225内に押し込んでいくと、前述したカセットラッチによってカセット220がカセット台225内に保持される。
【0205】また、図23に示すように、カセット台225にはカセット220内の棒金の満杯状態を検出するためのカセットフルセンサ301が設けられている。このカセットフルセンサ301は例えばバックアップ226の位置を検出することにより、カセット220内の満杯状態を検出することができる。すなわち、カセット220が満杯でない状態では図23(b)のようにバックアップ226によってカセットフルセンサ301のフォトインタラプタが遮られておらず、一方、カセット220が満杯の状態では図23(c)のようにバックアップ226の後端がカセットフルセンサ301のフォトインタラプタを遮り、満杯状態であることが検出される。
【0206】次に、エレベータ207の構造について図22及び図24を参照しながら説明する。エレベータ207は、エレベータ207の上部で開口して棒金を受け入れるホッパ265と、ホッパ265の下側に設けられた棒金搬送部270とから主に構成されている。このうち、ホッパ265は、カセット220から取り出された棒金や、カセット220にセットすべき棒金を保持することができる。また、棒金搬送部270は、ホッパ265内の棒金を受けとってその金種を判別するとともに、この判別した棒金を所定のカセット220へと搬送することができる。
【0207】エレベータ207のカセット220側には棒金をカセット220から取り出す取り出しレバー227が取り付けられている。この取り出しレバー227は、図示しないモータ等によって図中矢印方向に回転し、カセット220内の最先端の棒金1本を押し上げてこれをホッパ265内に落とし込ませることができるようになっている。エレベータ207にはカセット220から取り出された棒金を検知するための出金確認センサ228が設けられている。この出金確認センサ228は、例えばLED228aとフォトダイオード228bとからなり、棒金が取り出しレバー227によってカセット220側からエレベータ207側に移送されたかどうかを検知することができる。また、ホッパ265の下部には、ホッパ265内における棒金の有無を検出する残留検出センサ266が設けられている。この残留検出センサ266も、例えばLED266aとフォトダイオード266bとからなる。
【0208】ホッパ265は、上端開口部から下部に向かって徐々にその内径が小さくなっている。つまり、ホッパ265の内面は段差部を有するテーパ面に形成されている。ホッパ265の最下部には棒金搬送部270に開口する搬出口272が設けられている。この搬出口272を通じてホッパ265内の棒金が棒金搬送部270へと搬出される。搬出口272は2つの分離シャッタ244,245によって開閉自在である。この場合、分離シャッタ244,245は、左右に分かれて開くようになっている。また、搬出口272の下方には分離エレベータ246が上下に移動可能に設けられている。この分離エレベータ246は、駆動機構によって搬出口272の位置まで上昇させられた状態つまりその移動路の上端位置で、ホッパ265内から搬出口272を通じて落下する棒金を受けとることができる。そして、この分離エレベータ246と前記分離シャッタ244,245は、互いに連動して動作することにより、後述するようにホッパ265内の棒金を1本ずつ分離する。
【0209】図24(b)に示すように、棒金を受けとる分離エレベータ246の受取面246aは円弧状に形成されている。この場合、受取面246aの径は、最も径の大きい500円硬貨Aの径(26.5mm)よりも小さく、次に径の大きい10円硬貨Bの径(23.6mm)よりも大きくなっている。したがって、受取面246aに500円硬貨Aが置かれた場合には、図中に実線で示すように受取面246aの下面から500円硬貨Aが浮いた状態になる。また、受取面246aに500円硬貨A以外の硬貨が置かれた場合には、図中に点線で示すように受取面246aの下面に硬貨(図では10円硬貨B)が接触した状態となる。
【0210】また、分離エレベータ246には、受取面246aの形状を利用して硬貨を判別する硬貨判別センサ282が設けられている。図24(b)にはマイクロスイッチからなるセンサ282が示されている。この場合、スイッチの開閉によって硬貨の判別ができるようになっている。つまり、硬貨が受取面246aの下面から浮いた状態にあると、スイッチが閉じないようになっており、この場合は、その硬貨が500円硬貨Aであると認識できる。また、硬貨が受取面246aの下面に接触すると、スイッチが閉じるようになっており、この場合は、その硬貨が500円硬貨A以外の硬貨であると認識できる。無論、このようなセンサ282はマイクロスイッチに限らず、LEDとフォトダイオードとからなるものであってもよい。この場合は、光が遮断されるか否かによって硬貨を判別することができる。
【0211】一方、分離エレベータ246の移動路の下端位置には、分離エレベータ246の受取面246a上の棒金を受けとってこれを搬送する棒金搬送ブロック247が待機して配置されている。棒金を受け取る棒金搬送ブロック247の受取面は例えばV字形状に形成されており、分離エレベータ246がその移動路の下端位置まで下降すると、受取面246a上の棒金が棒金搬送ブロック247の受取面上に載置されるようになっている。なお、棒金搬送ブロック247は、例えばベルト駆動の移動機構250によって図中右側に向けて移動される。
【0212】棒金搬送ブロック247の移動路の終端位置(図中右端位置)にはリフト248が待機して配置されている。このリフト248は上下に移動可能であり、棒金搬送ブロック247の移動路終端位置で棒金搬送ブロック247の受取面上の棒金を押し上げてこれを上方に向けて搬送することができる。なお、棒金を受け取るリフト248の受取面も例えばV字形状に形成されており、棒金搬送ブロック247からリフト248への棒金の受け渡しが確実に行なえるようになっている。
【0213】リフト248の移動路の上端位置には棒金プッシャ252が設けられている。この棒金プッシャ252は、リフト248の移動路に対して垂直な方向に進退移動可能であり、リフト248に載置された棒金を図中右側に位置するカセット220内に押し込むことができる。
【0214】また、棒金プッシャ252の棒金押し込み方向(図中右方向)と逆方向の側には、棒金プッシャ252と対向して、棒金俵崩しカム278が設けられている。この棒金俵崩しカム278は、棒金プッシャ252によってホッパ265内に押し出されることにより、ホッパ265内に積み重ねられた棒金(図25参照)の配置状態を崩すことができる。これは、ホッパ265内における棒金の積み重なり状態によっては、棒金が搬出口272まで落ちてこないことがあるため、この状態を解消するために、棒金俵崩しカム278をホッパ265内で前後(図中左右方向)に移動させることで、ホッパ265内における棒金の配置状態を変化させ、ホッパ265内の最下部に位置する棒金を常に搬出口272に位置させるようにするためである。
【0215】本構成では、棒金プッシャ252を棒金押し込み方向と逆方向に後退させると、棒金プッシャ252が棒金俵崩しカム278の背面に当接して、棒金俵崩しカム278がホッパ265内に向けて押し出される。また、この状態から棒金プッシャ252を逆方向つまり棒金押し込み方向に前進させると、その動作に追従して棒金俵崩しカム278が元の初期位置に戻される。
【0216】なお、棒金プッシャ252のこのようなカム押出し動作は、棒金をカセット220内に押し出した後もしくは押し出す前に必ず行なうようにしても良いし、また、ある一定時間毎に定期的に行なうようにしても良い。
【0217】ところで、ホッパ265内における棒金の配置状態を変化させて棒金を確実に搬出口272に位置させるようにするためには、前記棒金俵崩しカム278とともに、ホッパ265の内面の形状が重要な要素となる。そこで、本構成では、搬出口272の近傍に位置するホッパ265の内面に段差部279を設け、この段差部279によって、棒金俵崩しカム278が駆動した際に最下部の棒金が容易に搬出口272へ落ちることができるようにしている。
【0218】一方、リフト248の移動路の途中には棒金の金種を判別するための鑑査部249(図26参照)が設けられている。この鑑査部249は、棒金の材質や外径を検知することによって、その金種を判別するようになっている。
【0219】図26に示すように、鑑査部249は、移動可能に設けられ、正弦波電圧が印加される鑑査用コイル241と、この鑑査用コイル241と対向して配置され且つ鑑査用コイル241の移動と同期して移動する幅寄せ板242とを備えている。リフト248に載置された棒金Pが鑑査用コイル241と幅寄せ板242との間に位置すると、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近して(図26(a)参照)、棒金Pを挟持し、鑑査対象となる棒金Pの端部を鑑査用コイル241内に挿入させる(図26(b)参照)。
【0220】ここで、図26(d)、図26(e)に示すように鑑査用コイル241の内部にはマイクロスイッチからなるセンサ302及び検知板303が設けられている。そして鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが棒金Pを挟持したとき、棒金Pが検知板303を介してセンサ302をONしたときは棒金Pの端部が鑑査用コイル241内に確実に挿入されていることが検出できる。一方鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近したにも関わらず、センサ302がONしなかった場合には棒金が正しい位置にないことが検出される。これによって棒金の金種判別時に棒金が正しい位置に整位されているか否かの検知を行っている。なお、センサ302はマイクロスイッチに限らずフォトインタラプタでも良い。
【0221】鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近したとき、同時に棒金Pのセンタリングも行なう。この構成では、金種によらず全ての棒金Pを共通のセンタに揃えることができるようになっている。なお、鑑査が終了すると、監査用コイル241と幅寄せ板242は互いに離間する方向に移動し(図26(c)参照)、リフト248のその後の移動(上昇)が可能となる。
【0222】図27に鑑査部249の電気回路のブロック図が示されている。正弦波発信器310がドライバ311を介して鑑査用コイル241に接続されている。鑑査用コイル241の出力端がアンプ312を介して減算器313に接続されている。さらに、減算器313がアンプ314及びA/Dコンバータ315を介して図示しない制御装置(CPU)に電気的に接続されている。
【0223】次に、上記構成の棒金支払機6の出金動作及び入金動作について説明する。
【0224】まず、出金動作について図28を参照しながら説明する。
【0225】図28(a)に示すように、エレベータ207は初期的に装置1内の最下部に待機している。テラーズマシン1a(1b)からの出金要求に応じて、エレベータ207がモータ211(図17参照)の駆動により出金命令に対応した所定のカセット220の位置まで上昇して停止する(図28(b)参照)。この段階で、エレベータ207のラッチ215がラッチ板216(図17参照)に掛合し、停止位置確認用のセンサ(図示しない)によってエレベータ207の停止位置が確認された後、図22に示す取り出しレバー227が回転動作する。取り出しレバー227が回転すると(図28(c)参照)、カセット220の最先端の棒金1本が押し上げられる。押し上げられた棒金は、棒金シャッタ221(図22参照)を乗り越えて、エレベータ207のホッパ265内に転がり落ちる。この時、棒金が取り出されたカセット220内では、残りの棒金がバックアップ226(図21及び図22参照)の力によって棒金シャッタ221に押し付けられ、次の棒金を取り出し可能な待機状態となる。棒金が取り出されたことを出金確認センサ228が検知すると、取り出しレバー227は逆回転してその初期位置に戻る(図28(d)参照)。例えば、2本の棒金を取り出す場合には、この状態から再び取り出しレバー227が回転し、次の棒金がエレベータ207のホッパ265内に落とし込まれる。
【0226】対象カセット220での取り出しが終了したら、ラッチソレノイド217(図17参照)が励磁される。これによって、ラッチ215とラッチ板216との掛合状態が解除され、エレベータ207が動作可能状態となる。
【0227】その後、エレベータ207は、テラーズマシン1a(1b)からの要求金額・本数に応じて順次所定のカセット220の位置に停止して取り出しを行ない、全ての取り出しが終了した時点で、その移動経路の最上端に停止して入出金口204の直下に位置する(図28(e)参照)。
【0228】エレベータ207が入出金口204の直下に位置すると、シャッタ205が開き、オペレータはエレベータ207によって運ばれた棒金を取り出すことが可能となる。
【0229】残留センサ266(図24参照)によってエレベータ207内に棒金が残留していないことを確認した段階で、シャッタ205が閉じられ、エレベータ207が最下部の初期位置に戻される(図28(f)参照)。
【0230】以上の一連の動作を行なうことにより、必要な金種・本数の棒金を出金することができる。
【0231】次に、入金動作について説明する。
【0232】棒金支払機6内のカセット220に対する棒金のセットをオペレータ自身で行なう場合は、扉203を開放してカセット220を取出し、棒金Pをカセット220の開口部からカセット220内部に揃えて入れれば良い。
【0233】以下、カセット220に対する棒金のセットを自動的に行なう場合について図29及び図30を参照しつつ説明する。
【0234】図29(a)に示すように、エレベータ207は初期的に棒金支払機6内の最下部に待機している。テラーズマシン1a(1b)からの入金供給に従って、エレベータ207がモータ211(図17参照)の駆動によって棒金支払機6の最上部に上昇して停止する(図29(b)参照)(ステップ41)。そして、この状態で、シャッタ205が開けられる(ステップ42)。この時、棒金支払機6は、オペレータが棒金をエレベータ207のホッパ265内に投入するのを待つ待機状態となる。
【0235】その後、オペレータが所定本数の棒金をホッパ265内に入れて(ステップ43)シャッタ205を閉じる(ステップ44)と、エレベータ207による棒金セット作業が開始される。或いは、オペレータがホッパ265内への棒金のセットが完了したことをテラーズマシン1a(1b)のキーボード144(図9参照)を介して入力すると、シャッタ205が閉じ、エレベータ207による棒金セット作業が開始される。
【0236】シャッタ205が閉じると、エレベータ207のホッパ265内にセットされた棒金が分離シャッタ244,245と分離エレベータ246とによって1本づつ分離され(ステップ45)、棒金の金種に対応したカセット220の位置までエレベータ207が移動する。以下、これについて詳細に説明する。
【0237】棒金の分離を行なう場合には、分離エレベータ246をその移動路の上端位置に上昇させた状態で分離シャッタ244,245を開く。これによって1本の棒金のみが分離エレベータ246に落下する。その後、分離エレベータ246を下方へ移動させることと連動させて分離シャッタ244,245を閉じることにより1本の棒金のみを分離エレベータ246上に分離させることができる。
【0238】このとき、ある一定の場合に、分離シャッタ244,245を完全に閉じることなく、分離シャッタ244,245が閉じられた状態で分離シャッタ244,245同志の間に若干の隙間を形成するようにしてある。これは、棒金の巻紙が剥がれていた場合に、この剥がれた部分が分離シャッタ244,245を閉じた際にシャッタ244,245間に挟まってしまい、棒金が分離エレベータ246に落下しなくなる虞があるからである。
【0239】したがって、ホッパ265内に装填された複数の棒金を連続して分離する場合には、分離シャッタ244,245を完全に閉じないようにしている。つまり、残留検出センサ266によってホッパ265内に棒金がないことが検知された場合には分離シャッタ244,245を完全に閉じるが、残留検出センサ266によってホッパ265内にまだ棒金が残っていることが検知された場合には、分離シャッタ244,245を閉じた際に、棒金の巻紙の剥がれ部分が通過できるだけの隙間を分離シャッタ244,245間に形成するようにしている。
【0240】また、こうした分離工程において、分離エレベータ246側のセンサ282により分離エレベータ246上の棒金が500円硬貨であると判断された場合には、分離エレベータ246を5mm程度下げた後にシャッタ244,245を閉じるようにする。これは、前述したように分離エレベータ246の受取面246aの径が500円硬貨の径よりも小さいため、受取面246a上に500円硬貨が浮いた状態で載置されるからである。したがって、もし、分離シャッタ244,245を閉じる前に分離エレベータ246を下げておかないと、棒金の重心位置よりも下を分離シャッタ244,245が通過することとなり、分離作業が行なえない。なお、センサ282によって分離エレベータ246上の棒金が500円硬貨以外であると判断された場合には、分離エレベータ246の下降とほぼ同時に分離シャッタ244,245を閉じれば良い。この場合は、棒金の重心位置よりも上を分離シャッタ244,245が通過するため、棒金を確実に分離できる。
【0241】以上のようにして分離された棒金は、図24に示すように、分離エレベータ246の移動路の下端位置で棒金搬送ブロック247に受け渡されて搬送される。その後、棒金は、棒金搬送ブロック247からリフト248に受け渡され、このリフト248によって鑑査部249まで搬送される(ステップ46)。
【0242】リフト248が上昇し、リフト248に載置された棒金Pが鑑査部249の鑑査用コイル241と幅寄せ板242との間に位置すると、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近して棒金を挟持することにより、鑑査対象となる棒金の端部が鑑査用コイル241内に挿入される(図26参照)。
【0243】このとき鑑査対象の棒金が正しい位置に整位されているか否かが鑑査コイル241内のセンサ302によって検知される。この検知動作を図31を参照して説明する。すなわち、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近して(ステップ71)、センサ302がONになったとき(ステップ72;YES)は、棒金が正しい位置にあるので鑑査部249によって棒金の金種判別が行われる(ステップ73)。一方、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに接近したにも関わらず、センサ302がONしなかったとき(ステップ72;NO)は、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とを互いに離間する方向に一旦移動し(ステップ74)、再度接近する方向に移動するというやり直し動作を行う。このやり直し動作を所定の回数繰り返し実施してもセンサ302によって棒金Pが正しい位置にあることが検出できなかった場合(ステップ75;YES)は、金種判別のベースとなる棒金の材質や外形を確実に測定できないので、金種判別不能としてリジェクト棒金と判定する(ステップ76)。
【0244】次に、鑑査部249によって棒金の金種判別を行なう方法について説明する。
【0245】金種を判別する方法としては、例えば、正弦波電圧を印加したコイルに棒金を挿入して硬貨の材質に伴う固有の出力変動を測定したり、光学的なセンサを移動させて棒金の直径を測定したりするなど、種々の方法がある。
【0246】ここでは、前者の方法を採用しており、鑑査用コイル241に正弦波電圧を印加して磁界を発生させて、コイル241の中に挿入された棒金の材質や外形に応じて磁界が乱される度合いを検出し、この検出値を基準データと比較することにより金種判別を行なうものである。具体的には、図27に示すように、正弦波発信器310から正弦波を発信して、ドライバ311を介して鑑査用コイル241を励磁する。そして、コイル241からの出力値をアンプ312、減算器313、アンプ314を介してA/Dコンバータ315に取り込んでこれをデジタル化し、その信号をCPUに取り込む。そして、このCPUに取り込まれたデータを金種に応じて設定された絶対値と比較することにより、金種の判別を行なうものである。
【0247】ところで、鑑査用コイル241に印加する正弦波の周波数は、棒金のように金種によって材質が異なるものの場合には、5KHz以下が適している。これは、5KHz以上の周波数では、棒金の表皮の影響が大きく現れ、棒金の傷や曲がりなどの影響を拾ってしまうことがあるためである。したがって、周波数を5KHz以下とすることによって、棒金内部まで磁束が進入するため、金種を正確に判別できる。
【0248】しかしながら、5KHz以下の周波数の正弦波を使用した場合でも、この正弦波等が鑑査用コイル241からの出力値に影響を与えてしまうことがあり、こうした場合、6金種を確実に判別することができない。つまり、十分な分解能を得ることができない虞がある。また、5KHz以下の周波数であっても、周波数が高い場合には材質の影響が小さく外形の影響が大きいが、周波数が低い場合には材質の影響が大きくなるといった特性があるため、1種類の周波数の正弦波を使用しただけでは正確な鑑査を行なえない虞がある。つまり、こうした2つの問題は2種類以上の周波数の正弦波を使用することによって解決される。
【0249】そこで、金種によって材質や外形が異なり且つコイル241に印加される正弦波の周波数に応じて出力の変化量が異なるという特徴を利用して、2種類以上の周波数の正弦波を使用する。例えば、2種類の周波数の正弦波を使用する場合には、コイル241に棒金を挿入した状態で周波数Aを印加して第1回目のデータを取得し、次に、周波数Aと異なる周波数Bを印加した状態で第2回目のデータを取得し、その変化量によって金種判別を行なう。つまり、2つのデータの相対比較を行なって棒金の金種判別を行なう。
【0250】なお、これとは異なり、各データを金種に応じて設定された絶対値と比較することにより、金種の判別を行なっても良い。
【0251】このように、1個の棒金に対して2種類以上の周波数の正弦波を印加すれば、相対的な変化量を測定することが可能となり、測定系の故障などによって発生する不具合を少なくできる。
【0252】なお、コイル241の内側には棒金の穴を検出するセンサ(図示せず)が設けられており、これによって、穴のある棒金を選別可能である。
【0253】以上のようにして鑑査部249による金種判別(ステップ47)が終了したら、その金種に対応したカセット220の満杯状態がセンサ301(図23参照)の状態を読み取ることにより検出される(ステップ48)。対応するカセット220が満杯状態でなかった場合(ステップ48;NO)は、その金種に対応したカセット220の位置までエレベータ207が移動する(図29(c)参照)(ステップ49)とともに、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに離間する方向に移動し(図26(c)参照)、リフト248が棒金プッシャ252に向けて上昇する。
【0254】金種に対応したカセット220までエレベータ207が移動し、リフト248がその移動経路の上端位置つまり棒金プッシャ252の位置まで移動したら、棒金プッシャ252が駆動してリフト248上の棒金をカセット220内に装填する(図29(d)参照)(ステップ50)。この装填動作について詳しく説明すると、まず、棒金プッシャ252は、リフト248によって棒金プッシャ252の位置まで上昇された棒金をカセット220側に押し出す。この時、棒金は、カセット220の前面に位置する棒金シャッタ221とカセット内の棒金を押し込みながら搬送される。棒金プッシャ252は、装填される棒金が棒金シャッタ221を完全に越えた位置(センサによって検出される)で停止し、その後、エレベータ207側に戻る。この時、棒金シャッタ221は、ばね223の付勢力によって起き上がり、これによって、装填された棒金がカセット220内にセットされる。
【0255】以上の動作をエレベータ207内に入れられた棒金がなくなるまで(ステップ51;NO)繰り返すことにより入金動作が完了する。入金動作が完了したら、エレベータ207は初期位置に戻る(図29(e)参照)(ステップ52)。
【0256】カセット220の満杯検出ステップ48で判別された金種に対応するカセット220が満杯状態であった場合(ステップ48;YES)は、エレベータ207を対応するカセット220の出金位置まで移動させ(ステップ53)、カセット220から棒金を1本取り出し、ホッパ265へ払い出す(ステップ54)。具体的にはエレベータ207がカセット220の出金位置へ移動し、停止位置確認用のセンサ(図示しない)によってエレベータ207の停止位置が確認された後、図22に示す取り出しレバー227が回転動作する。取り出しレバー227が回転すると、カセット220の最先端の棒金1本が押し上げられる。押し上げられた棒金は、棒金シャッタ221を乗り越えて、エレベータ207のホッパ265内に転がり落ちる。このとき、棒金が取り出されたカセット220内では、残りの棒金がバックアップ226の力によって棒金シャッタ221に押しつけられ、次の棒金を取り出し可能な待機状態となる。棒金Pが取り出されたことを出金確認センサ228が検知すると、取り出しレバー227は逆回転してその初期位置に戻る。
【0257】棒金の取り出しが終了したら、次にエレベータ207を対応するカセット220の入金位置まで移動させる(ステップ55)とともに、鑑査部249に残された棒金の装填(収納)を行なう(ステップ56)。すなわち、その金種に対応したカセット220の入金位置までエレベータ207が移動する(図29(c)参照)(ステップ55)とともに、鑑査用コイル241と幅寄せ板242とが互いに離間する方向に移動し(図26(c)参照)、リフト248が棒金プッシャ252に向けて上昇する。
【0258】金種に対応したカセット220までエレベータ207が移動し、リフト248がその移動経路の上端位置つまり棒金プッシャ252の位置まで移動したら、棒金プッシャ252が駆動してリフト248上の棒金をカセット220内に装填する(図29(d)参照)。この装填動作はまず、棒金プッシャ252は、リフト248によって棒金プッシャ252の位置まで上昇された棒金をカセット220側に押し出す。この時、棒金は、カセット220の前面に位置する棒金シャッタ221とカセット内の棒金を押し込みながら搬送される。棒金プッシャ252は、装填される棒金が棒金シャッタ221を完全に越えた位置(センサによって検出される)で停止し、その後、エレベータ207側に戻る。この時、棒金シャッタ221は、ばね223の付勢力によって起き上がり、これによって、装填された棒金がカセット220内にセットされる。
【0259】装填が終了すると、エレベータ207は最上部へ移動し(ステップ57)、シャッタ205が開く(ステップ58)ことにより、ホッパ265内の棒金を取り出し可能に解放する。これにより、オペレータはエレベータ207のホッパ265内の棒金を取り出すことが可能となる。
【0260】その後、オペレータによりホッパ265内の棒金が取り出され(ステップ59)、残留センサ266によってホッパ265内に棒金が残留していないことを確認した段階で、シャッタ205が閉じられ(ステップ60)、エレベータ207が初期位置に戻る(ステップ61)。
【0261】なお、カセット220が満杯で返却された場合に、満杯であったカセットの金種を表示器206に表示することにより、オペレータはホッパ265に返却された棒金の内、満杯になっている金種の棒金を取り除き、他の金種の棒金を再度ホッパ265に投入して入金処理を行なうようにしても良い。
【0262】また、鑑査部249によって金種判別が不可能であった棒金は、前述したと同様の動作によって最下部のリジェクト部260(図19参照)内に装填されてここで保管される。
【0263】次に、上述した現金管理システム1の紙幣入出金機2、施封・小束支払機3、および棒金支払機6において精査業務をしたとき、その精査結果がテラーズマシン1a(1b)で記憶している装置在高と異なる場合の処理について、特に、施封・小束支払機3の小束精査を代表して説明する。
【0264】図32にはテラーズマシン1a(1b)の集計データメモリ143の記憶部143a、143bに記憶されている装置在高のデータテーブルを示してある。装置在高は、貨幣(硬貨および紙幣)の金種および種別(バラ、小束、または棒金)毎に記憶されている。
【0265】図34に示すように、例えば、テラーズマシン1a(1b)のキーボード144を介して、オペレータにより小束の精査要求が入力されると、テラーズマシン1a(1b)から施封・小束支払機3に対して精査開始コマンドが指示され、施封・小束支払機3において精査要求有りが判断されて(ステップ81;YES)、小束精査が開始される(ステップ82)。
【0266】小束精査では、上述したように、各小束金庫83a〜83d内に設けられた小束計数ユニット112により各金庫内の小束の数が計数され、この計数結果、すなわち精査結果が図32のデータテーブルに照合されて比較される(ステップ83)。このとき、精査結果とデータテーブルの該当する金種/種別の貨幣の装置在高とが一致していることが判断されると(ステップ83;YES)、小束精査がそのまま終了される。
【0267】一方、ステップ83で精査結果と装置在高とが一致しないことが判断されると(ステップ83;NO)、図33に示すような選択画面がテラーズマシン1a(1b)のCRT表示部145を介して表示される(ステップ84)。
【0268】オペレータは、この選択画面を見て、テラーズマシン1a(1b)のキーボード144を介して、
【0269】選択画面を表示した後、オペレータにより
【0270】一方、ステップ84で選択画面を表示した後、オペレータにより
【0271】また、選択画面を表示した後、オペレータにより
【0272】尚、ここでは、小束精査について代表して説明したが、紙幣入出金機2における精査業務、および棒金支払機6にける精査業務においても同様に処理され、精査結果と装置在高が異なる場合には、図33に示すような選択画面が表示され、オペレータによる処理形態の選択が可能となっている。
【0273】以上のように、本発明によると、システム内に収容している貨幣(硬貨および紙幣)の在高を精査したとき、この精査結果が、元々テラーズマシン1a(1b)の集計データメモリ143に記憶されている装置在高と比較され、精査結果が装置在高と異なる場合、図33に示すような選択画面をテラーズマシン1a(1b)のCRT表示部145を介して表示し、オペレータによる処理形態の選択を受付けるようにしている。
【0274】このため、精査結果が装置在高と異なる場合であっても、単にエラー処理としてシステムを停止するのではなく、精査業務を続行でき、システムの処理効率を向上でき、処理の最適化を図ることができる。
【0275】尚、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。
【0276】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の貨幣処理装置は、上記のような構成および作用を有しているので、処理の最適化を図ることができ、処理効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る現金管理システムを示す外観斜視図。
【図2】図1のシステムに組込まれた紙幣入出金機の内部構造を概略的に示す断面図。
【図3】図2の紙幣入出金機の背面図。
【図4】図1のシステムに組込まれた施封・小束支払機の内部構造を概略的に示す断面図。
【図5】図4の施封・小束支払機のピッカー部を示す斜視図。
【図6】図4の施封・小束支払機の1つの小束金庫の内部構造を部分的に透視して示す斜視図。
【図7】図6の小束金庫の平面図。
【図8】図6の小束金庫の小束計数センサの揺動機構を説明するための側面図。
【図9】図1のシステムの制御系の概略構成を示すブロック図。
【図10】図6の小束金庫内に設けられた小束計数センサの動作を説明するためのフローチャート。
【図11】図6の小束金庫内に設けられた小束計数センサの動作を説明するためのフローチャート。
【図12】図6の小束金庫内に設けられた小束計数センサの出力波形を示すグラフ。
【図13】図6の小束金庫内に設けられた小束計数センサの出力波形を示すグラフ。
【図14】図6の小束金庫内に設けられた小束計数センサの出力波形を示すグラフ。
【図15】図1のシステムに組込まれた棒金支払機の外観を示す斜視図。
【図16】図15の棒金支払機の入出金口のシャッタを開放した状態を示す斜視図。
【図17】図15の棒金支払機の扉を開いた状態を示す斜視図。
【図18】図15の棒金支払機の内部にセットされたカセットの状態を示す斜視図。
【図19】図15の棒金支払機を側面側から見た透視図。
【図20】図18のカセットをカセット台にセットする動作を説明するための動作説明図。
【図21】所定のカセットに隣接して位置させたエレベータ、およびカセットの内部構造を示す側面図。
【図22】図21の要部を部分的に拡大して示す部分拡大図。
【図23】カセット部の満杯状態を検知するセンサによる検知動作を説明するための動作説明図。
【図24】図22のエレベータの内部構造を説明するための図。
【図25】図24のエレベータのホッパ内に複数本の棒金を収容した状態を示す図。
【図26】鑑査部を構成する鑑査用コイルと幅寄せ板の動作を説明するための動作説明図。
【図27】図26の鑑査部の電気回路のブロック図。
【図28】図15の棒金支払機による出金動作の手順を説明するための動作説明図。
【図29】図15の棒金支払機による入金動作の手順を説明するための動作説明図。
【図30】図29とともに入金動作を説明するためのフローチャート。
【図31】図26の鑑査部の鑑査用コイルと幅寄せ板による棒金の位置決め動作を説明するためのフローチャート。
【図32】図9のテラーズマシンの集計データメモリに記憶されている装置在高のデータテーブルを示す図。
【図33】図9のテラーズマシンのCRT表示部を介して表示される選択画面を示す図。
【図34】精査結果と装置在高が異なる場合の処理動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…現金管理システム、
1a、1b…テラーズマシン、
2…紙幣入出金機、
3…施封・小束支払機、
4…硬貨入金機、
5…硬貨出金機、
6…棒金支払機、
83a〜83d…小束金庫、
112…小束計数ユニット、
113…計数センサ、
124…エンコーダ、
140…MPU、
143…集計データメモリ、
143a、143b…記憶部、
144…キーボード、
145…CRT表示部、
207…エレベータ、
265…ホッパ、
220…カセット、
249…鑑査部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 貨幣を管理するとともに、利用者との間で貨幣の入出金取引をする貨幣処理装置において、装置内にある貨幣の在高を装置在高として記憶した記憶手段と、装置内にある貨幣の在高を精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して装置内にある貨幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、装置内の貨幣の在高を再精査する第1の処理、上記装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えていることを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項2】 上記制御手段は、上記精査結果が上記装置在高と一致している場合、そのまま処理を終了することを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項3】 上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第1の処理が選択されたことを条件に、上記精査手段を制御して装置内にある貨幣の在高を再精査することを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項4】 上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第2の処理が選択されたことを条件に、そのまま処理を終了することを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項5】 上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第3の処理が選択されたことを条件に、上記精査結果に基づく在高を上記記憶手段により記憶されている装置在高と置き換えて記憶させることを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項6】 上記表示手段は、上記選択画面の他に、上記記憶手段により記憶している装置在高と、上記精査手段による精査結果と、を金種別に表示することを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項7】 複数金種の貨幣を管理するとともに、利用者との間で貨幣の入出金取引をする貨幣処理装置において、複数金種の貨幣を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された貨幣の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された貨幣の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている貨幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の貨幣の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該貨幣の在高を再精査する第1の処理、当該貨幣の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えていることを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項8】 複数金種の紙幣を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された紙幣の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された紙幣の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている紙幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の紙幣の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該紙幣の在高を再精査する第1の処理、当該紙幣の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えていることを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項9】 所定枚数の紙幣を金種毎に把束した紙幣束を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された紙幣束の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された紙幣束の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている紙幣束の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の紙幣束の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該紙幣束の在高を再精査する第1の処理、当該紙幣束の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えていることを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項10】 所定枚数の硬貨を金種毎に包装した棒金を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された棒金の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された棒金の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている棒金の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の棒金の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該棒金の在高を再精査する第1の処理、当該棒金の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えていることを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項1】 貨幣を管理するとともに、利用者との間で貨幣の入出金取引をする貨幣処理装置において、装置内にある貨幣の在高を装置在高として記憶した記憶手段と、装置内にある貨幣の在高を精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して装置内にある貨幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、装置内の貨幣の在高を再精査する第1の処理、上記装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えていることを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項2】 上記制御手段は、上記精査結果が上記装置在高と一致している場合、そのまま処理を終了することを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項3】 上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第1の処理が選択されたことを条件に、上記精査手段を制御して装置内にある貨幣の在高を再精査することを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項4】 上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第2の処理が選択されたことを条件に、そのまま処理を終了することを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項5】 上記制御手段は、上記表示手段を介して選択画面を表示した後、上記入力手段を介して利用者により上記第3の処理が選択されたことを条件に、上記精査結果に基づく在高を上記記憶手段により記憶されている装置在高と置き換えて記憶させることを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項6】 上記表示手段は、上記選択画面の他に、上記記憶手段により記憶している装置在高と、上記精査手段による精査結果と、を金種別に表示することを特徴とする請求項1記載の貨幣処理装置。
【請求項7】 複数金種の貨幣を管理するとともに、利用者との間で貨幣の入出金取引をする貨幣処理装置において、複数金種の貨幣を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された貨幣の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された貨幣の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている貨幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の貨幣の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該貨幣の在高を再精査する第1の処理、当該貨幣の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えていることを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項8】 複数金種の紙幣を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された紙幣の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された紙幣の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている紙幣の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の紙幣の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該紙幣の在高を再精査する第1の処理、当該紙幣の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えていることを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項9】 所定枚数の紙幣を金種毎に把束した紙幣束を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された紙幣束の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された紙幣束の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている紙幣束の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の紙幣束の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該紙幣束の在高を再精査する第1の処理、当該紙幣束の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えていることを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項10】 所定枚数の硬貨を金種毎に包装した棒金を金種別に収容した複数の収容部と、上記複数の収容部に収容された棒金の在高を金種毎の装置在高として記憶した記憶手段と、上記複数の収容部に収容された棒金の在高を金種毎に精査する精査手段と、利用者に対する各種操作案内を表示する表示手段と、利用者による各種指示入力を受付ける入力手段と、上記精査手段を制御して上記複数の収容部のうち特定の収容部に収容されている棒金の在高を精査し、この精査結果が上記記憶手段に記憶されている当該金種の棒金の装置在高と異なる場合、上記表示手段を介して、当該棒金の在高を再精査する第1の処理、当該棒金の装置在高を有効とする第2の処理、および上記精査結果を有効とする第3の処理のうちいずれかの処理を利用者に選択させるための選択画面を表示する制御手段と、を備えていることを特徴とする貨幣処理装置。
【図32】
【図33】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図12】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図22】
【図20】
【図21】
【図25】
【図23】
【図24】
【図27】
【図26】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図34】
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【図29】
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【図31】
【図34】
【公開番号】特開2000−251124(P2000−251124A)
【公開日】平成12年9月14日(2000.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−49943
【出願日】平成11年2月26日(1999.2.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成12年9月14日(2000.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年2月26日(1999.2.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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