貫通配線基板、多層貫通配線基板、貫通配線基板の製造方法および多層貫通配線基板の製造方法
【課題】細い貫通配線を有する貫通配線基板、多層貫通配線基板、その基板の製造方法およびその多層基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の貫通配線基板の製造方法は、シリコンまたは金属からなる平板部と、平板部の一方の面から平板部の厚さ方向に立設したシリコンまたは金属からなる複数の柱部と、を有する柱形成体を作製する柱形成体作製工程と、柱形成体の柱部間を樹脂またはガラスで充填する充填工程と、充填工程によって樹脂またはガラスを充填した柱形成体の両面を厚さ方向に研磨して、樹脂またはガラスによって柱部が封止され、両面に柱部の研磨面が露出した封止体を作製する封止体作製工程と、封止体の柱部の研磨面に重ねて電極を形成する電極形成工程とを備える。本発明の貫通配線基板は、この製造方法によって作製される。
【解決手段】本発明の貫通配線基板の製造方法は、シリコンまたは金属からなる平板部と、平板部の一方の面から平板部の厚さ方向に立設したシリコンまたは金属からなる複数の柱部と、を有する柱形成体を作製する柱形成体作製工程と、柱形成体の柱部間を樹脂またはガラスで充填する充填工程と、充填工程によって樹脂またはガラスを充填した柱形成体の両面を厚さ方向に研磨して、樹脂またはガラスによって柱部が封止され、両面に柱部の研磨面が露出した封止体を作製する封止体作製工程と、封止体の柱部の研磨面に重ねて電極を形成する電極形成工程とを備える。本発明の貫通配線基板は、この製造方法によって作製される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通配線を備える貫通配線基板およびその貫通配線基板を積層した多層貫通配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に設けられた貫通孔に金属をめっきによって充填することにより貫通配線を形成する貫通配線基板の製造方法が従来技術として知られている(特許文献1)。
【特許文献1】WO2005/093827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載されている貫通配線基板の製造方法では、貫通孔が細いとめっきによって貫通孔を金属でうまく充填できないので、細い貫通配線を形成できない場合がある。また、めっき工程が必要でコストと時間がかかっていた。さらに、歩留まりが悪かった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によると、貫通配線基板の製造方法は、シリコンからなる平板部と、平板部の一方の面から平板部の厚さ方向に立設したシリコンからなる複数の柱部と、を有する柱形成体を作製する柱形成体作製工程と、柱形成体の柱部間を樹脂またはガラスで充填する充填工程と、充填工程によって樹脂またはガラスを充填した柱形成体の両面を厚さ方向に研磨して、樹脂またはガラスによって柱部が封止され、両面に柱部の研磨面が露出した封止体を作製する封止体作製工程と、封止体の柱部の研磨面の上に電極を形成する電極形成工程とを備える。
本発明の第2の態様によると、貫通配線基板の製造方法は、金属からなる平板部と、平板部の一方の面から平板部の厚さ方向に立設した金属からなる複数の柱部と、を有する柱形成体を作製する柱形成体作製工程と、柱形成体の柱部間を樹脂またはガラスで充填する充填工程と、充填工程によって樹脂またはガラスを充填した柱形成体の両面を厚さ方向に研磨して、樹脂またはガラスによって柱部が封止され、両面に柱部の研磨面が露出した封止体を作製する封止体作製工程と、封止体の柱部の研磨面の上に電極を形成する電極形成工程とを備える。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、細い貫通配線を有する貫通配線基板を作製することができる。また、めっき工程が不要となり、低コスト、短時間、高歩留まりで作製できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
−第1の実施形態−
本発明の第1の実施形態の多層貫通配線基板1の構造について図1を参照して説明する。図1は多層貫通配線基板1の断面図である。多層貫通配線基板1は2つの貫通配線基板1A,1Bを積層して作製される。貫通配線基板1A,1Bは、貫通配線11、樹脂部12および電極13,14を有する。貫通配線11は、シリコンからなり、貫通配線基板1A,1Bの一方の面に形成された電極13と他方の面に形成された電極14とを電気的に接続する配線である。貫通配線基板1Aの電極14と貫通配線基板1Bの電極13とを接続することにより、貫通配線基板1Aと貫通配線基板1Bとが電気的に接続する。樹脂部12は樹脂からなる貫通配線基板1A,1Bの母相で絶縁体である。
【0007】
次に本発明の第1の実施形態の多層貫通配線基板1の製造方法について、図2〜図7を参照して説明する。本発明の第1の実施形態の多層貫通配線基板1の製造方法は、柱形成工程と、樹脂充填工程と、研磨工程と、電極形成工程と、分割工程と、積層工程とを有する。
【0008】
(A)柱形成工程
柱形成工程について、図2〜図6を参照して説明する。
柱形成工程は、アライメント用凹部形成工程、第1次結晶異方性エッチング工程および第2次結晶異方性エッチング工程を有する。アライメント用凹部形成工程では、第1次結晶異方性エッチング工程および第2次結晶異方性エッチング工程においてシリコンウエハの表面に形成するレジストパターンの方向を決定する目印をその表面に形成する。第1次結晶異方性エッチング工程では、シリコンウエハの表面にレジストパターンに沿った複数の凸条を形成する。第2次結晶異方性エッチング工程では、シリコンウエハの表面の凸条をレジストパターンが形成された部分だけ残して柱を形成する。
【0009】
(i)アライメント用凹部形成工程
図2(a)に示すように、(110)面で切り出した単結晶のシリコンウエハ2を用意する。次に公知のCVDなどを用いてシリコンウエハ2の表面にSi3N4からなる第1保護膜21を形成する。なお、SiO2からなる保護膜を形成してもよい。
【0010】
図2(b)に示すように、保護膜21にシリコン面が露出したアライメント用開口部22を形成する。たとえば、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)をシリコン面が表出するまで行うことによりアライメント用開口部22を形成する。
【0011】
結晶異方性エッチングにより、図2(c)に示すように、アライメント用開口部22のシリコン面にアライメント用凹部23を形成する。ここで、結晶異方性エッチングとは、結晶方向によってエッチング速度が変わる性質を利用した異方性エッチングである。ここでは、シリコンの(110)面のエッチング速度は、(111)面のエッチング速度に比べてかなり大きいことを利用する。たとえば、結晶異方性エッチングは以下のように行う。TMAH(Tetramethyl Ammonium Hydroxide, (CH3)4NOH)溶液を60〜80℃に加熱し、シリコンウエハ2をその溶液に浸す。その結果、図2(c)に示すように、面方向から見ると6角形形状であるアライメント用凹部23が形成される。
【0012】
図3を参照して、アライメント用凹部23について詳細に説明する。シリコンウエハ2の結晶構造は、(110)面に垂直な(111)面の結晶面を有する。図3(a)に示すアライメント用凹部23の6辺23a〜23fのうち、2辺23a,23dを有する凹部側面は一方の(111)面であり、2辺23c,23fを有する凹部側面は他方の(111)面である。図3(b)は、図3(a)のDD断面図であり、辺23bを有する凹部側面23baと辺23eを有する凹部側面23eaとでシリコン面にV字型の凹部を形成する。
【0013】
(ii)第1次結晶異方性エッチング工程
スピンコータやスプレーコータを用いて、保護膜21を形成済みのシリコンウエハ2の全面にレジストを塗布する。そして、露光現像することで、図4(a)に示すように、アライメント用凹部23の辺23c,23fに平行なレジスト24のラインパターンを形成する。次に、RIEを用いて、図4(b)に示すように、レジスト24に覆われていない第1保護膜21をエッチングし、シリコン面を表出させる。そして、熱硫酸過水で洗浄してレジスト24を剥離する。その結果、図4(c)に示すように、シリコンウエハ2の表面にアライメント用凹部23の辺23c,23fに平行な第1保護膜21のラインパターンが形成される。
【0014】
図4(c)に示すシリコンウエハ2に上述の結晶異方性エッチングを行うと、シリコン面が露出している部分がエッチングされ、第1保護膜21を上面とする凸条が形成される。凸条はアライメント用凹部23の辺23c,23fに平行であるので、凸条の側面はシリコンウエハ2の(111)面となる。したがって、凸条の側面はシリコンウエハ2の(110)面に対して垂直面となる。
【0015】
(iii)第2次結晶異方性エッチング工程
シリコンウエハ2を酸素雰囲気で約1000℃に加熱することにより、図5(a)に示すように、シリコンウエハ2の全面にSiO2の第2保護膜25を形成する。なお、第2保護膜としてSi3N4を形成するようにしてもよい。次にスピンコータやスプレーコータを用いてシリコンウエハ2の全面にレジストを塗布する。第1次結晶異方性エッチング工程で形成した凸条の側面についてもレジストを塗布する必要があるので、厚膜レジストを塗布するのが好ましい。そして、露光現像することで、アライメント用凹部23の辺23a,23dに平行なレジスト24のラインパターンを形成する(図5(b)参照)。
【0016】
次に、フッ酸溶液にシリコンウエハ2を浸して、レジスト24に覆われていない第2保護膜25をエッチングし、シリコン面を表出させる(図5(c)参照)。そして、熱硫酸過水で洗浄してレジスト24を剥離する。その結果、シリコンウエハ2の表面にアライメント用凹部23の辺23a,23dに平行な第2保護膜25のラインパターンが形成される(図6(a)参照)。
【0017】
シリコンウエハ2に上述の結晶異方性エッチングを行うと、図6(b)に示すように凸条のシリコン面が露出している部分がエッチングされ、第2保護膜25を上面とする柱部26が形成される。なお、柱部26の新たに形成された側面は、アライメント用凹部23の辺23a,23dに平行であるので、シリコンウエハ2の(111)面となる。したがって、柱部26の新たに形成された側面はシリコンウエハ2の(110)面に対して垂直面となる。また、柱部26の第1次結晶異方性エッチング工程で形成された側面は、第2保護膜25によって保護されているのでエッチングされない。
【0018】
フッ酸溶液またはRIEを用いて第2保護膜25を除去すると、図6(c)に示すように、平板部27と、平板部27の一方の面から平板部27の厚さ方向に立設したシリコンからなる複数の柱部26と、から構成されるシリコンウエハ2が作製される。以下、このシリコンウエハ2を柱形成体3と呼ぶ。
【0019】
(B)樹脂充填工程
図7(a)に示すように、ノズル7からエポキシ樹脂31を吐出させ、柱形成体3の柱部26間にエポキシ樹脂31を流し込む。そして、図7(b)に示すように、柱部26間をエポキシ樹脂31で充填し、充填した樹脂31を硬化させる。なお、図7(b)では、柱部26の上端がエポキシ樹脂31によって覆われるまでエポキシ樹脂31を流し込んでいるが、柱部26の上端部がエポキシ樹脂31に覆われない程度にエポキシ樹脂31を流し込むようにしてもよい。
【0020】
(C)研磨工程
図7(c)に示すように、樹脂充填工程によってエポキシ樹脂31を充填した柱形成体3の一方の面を厚さ方向に研磨して、柱形成体3の平板部27を削除し、柱部26の一方の研磨面を露出させる。また、柱形成体3の他方の面を研磨して、平坦化するとともに、柱部26の他方の研磨面を露出させる。以上のようにして、エポキシ樹脂によって柱部26が封止され、両面に柱部26の研磨面が露出した柱形成体3を、以下、樹脂封止体4と呼ぶ。研磨方法は、柱形成体3の平板部27を削除することができ、また、樹脂封止体4の表面を平坦化できるものであれば、特に限定されない。たとえば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)でもよい。
【0021】
(D)電極形成工程
公知のスパッタリングまたはエッチングによって、図7(d)に示すように、柱部26の研磨面の上に樹脂封止体4の表面に電極13,14を形成する。なお、樹脂封止体4の表面に電極を形成できる方法であれば、スパッタリングやエッチングに限定されず、真空蒸着などでもよい。
【0022】
(E)分割工程
電極13,14を形成した樹脂封止体4を図7(d)に示す2点鎖線32に沿ってダイヤモンドブレード・ダイシング法などで分割する。以上のように樹脂封止体4を分割したものが、貫通配線基板1A,1Bとなる。なお、樹脂封止体4を分割できる方法であれば、ダイヤモンドブレード・ダイシング法に限定されない。
【0023】
(F)積層工程
ガラエポ基板と同じように熱圧着によって複数の貫通配線基板1A,1Bを張り合わせて、図1に示す多層貫通配線基板1を完成させる。なお、複数の貫通配線基板積層を1A,1Bを張り合わせることができる方法であれば、熱圧着に限定されない。ここで、柱部26が貫通配線11となり、エポキシ樹脂31が樹脂部12となる。
【0024】
以上の第1の実施形態による多層貫通配線基板1の製造方法は次のような作用効果を奏する。
(1)シリコンからなる平板部27と、平板部27の一方の面から平板部27の厚さ方向に立設したシリコンからなる複数の柱部26と、を有する柱形成体3を作製した。次に、この柱形成体3の柱部26間をエポキシ樹脂31で充填し、エポキシ樹脂31を充填した柱形成体3の両面を厚さ方向に研磨して、エポキシ樹脂31によって柱部26が封止され、両面に柱部26の研磨面が露出した樹脂封止体4を作製した。そして、この樹脂封止体4の柱部26の研磨面に重ねて電極13,14を形成して作製した貫通配線基板1A,1Bを作製し、作製した貫通配線基板1A,1Bを積層して多層貫通配線基板1を製造するようにした。これにより、細い貫通配線を有する多層貫通配線基板1を製造することができる。また、積層をしなければ、細い貫通配線を有する貫通配線基板1A,1Bを製造することができる。
【0025】
(2)結晶異方性エッチングによって柱部26を形成するようにしたので、シリコンウエハ2の表面に対して垂直面を有する柱部26を形成することができる。したがって、アスペクト比(柱部26の高さを柱部26の上面の辺の長さで割り算したもの)の高い柱部26を形成することができるので、細くて長い貫通配線を形成することができる。これにより、ピッチのつまった高密度の貫通配線ができる。
【0026】
(3)(110)面のシリコンウエハ2を用い、このシリコンウエハ2の(110)面に垂直な(111)面に沿った面を有するアライメント用凹部23を形成し、アライメント用凹部23によって2つの(111)面のうちの一方の(111)面にアライメントしてシリコンウエハ2の(110)面に垂直な側面を有する凸条を形成し、アライメント用凹部23によって2つの(111)面のうちの他方の(111)面にアライメントしてシリコンウエハ2の(110)面に垂直な側面を有する柱部26を形成するようにした。これにより、アスペクト比の高い柱部26を形成することができ、細い貫通配線を形成することができる。
【0027】
(4)(110)面のシリコンウエハ2を用い、このシリコンウエハ2の(110)面に垂直な(111)面に沿った面を有するアライメント用凹部23を形成し、アライメント用凹部23によってアライメントしたレジストパターンニングを形成して、シリコンウエハ2に結晶異方性エッチングをおこなって2つの(111)面のうちの一方の(111)面の側面を有する凸条を形成し、凸条の側面を含めてシリコンウエハ2の表面に第2保護膜25を形成し、アライメント用凹部23によってアライメントしたレジストパターンニングを形成して、シリコンウエハ2に結晶異方性エッチングをおこなって2つの(111)面のうちの他方の(111)面の側面を有する柱部26を形成するようにした。これにより、アスペクト比の高い柱部26を形成することができ、細い貫通配線を形成することができる。
【0028】
−第2の実施形態−
本発明の第2の実施形態における多層貫通配線基板について説明する。第2の実施形態の多層貫通配線基板も結晶異方性エッチングにより柱部26を形成する。第2の実施形態における多層貫通配線基板の構造は、第1の実施形態の多層貫通配線基板の構造と変わらない(図1参照)ので、多層貫通配線基板の構造の説明は省略する。
【0029】
次に本発明の第2の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法について、図8〜図10を参照して説明する。本発明の第2の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法は、柱形成工程と、樹脂充填工程と、研磨工程と、電極形成工程と、分割工程と、積層工程とを有する。このうち、樹脂充填工程、研磨工程、電極形成工程、分割工程および積層工程については、第1の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法と変わらないので、説明は省略する。
【0030】
(A)柱形成工程
第2の実施形態における柱形成工程は、第1の実施形態における第1次結晶異方性エッチング工程の、レジスト24を剥離したところまで同じ工程である(図4(c)参照)。レジスト24を剥離した後、結晶異方性イオンエッチングを行わずに、シリコンウエハ2を酸素雰囲気で約1000℃に加熱する。その結果、図8(a)に示すように、第1保護膜21の形成部分には第2保護膜25が形成されず、シリコン面のみに第2保護膜25が形成される。このとき、第1の実施形態とは異なり、第1保護膜21は残る。そして、図8(b)に示すように、露光現像することで、アライメント用凹部23の辺23a,23dに平行なレジスト24のラインパターンを形成する。
【0031】
イオンエッチングなどによって、図8(c)示すように、レジスト24に覆われていない第1保護膜21および第2保護膜25をエッチングし、シリコン面を表出させる。そして、レジスト24を除去した後、結晶異方性エッチングを行う。その結果、図9(a)に示すように、第1保護膜21と第2保護膜25とが交互に並んだ保護膜面を上面とする凸条が形成される。
【0032】
シリコンウエハ2を酸素雰囲気で約1000℃に加熱し、図9(b)に示すように、シリコン面に第2保護膜25を形成する。このとき、凸条の側面にも第2保護膜が形成される。次に、RIEを行って、図9(c)に示すように、第1保護膜21を除去し、その部分にシリコン面を露出させる。そして、ダイシングソーやレーザを用いて、図10(a)に示すように、凸条のシリコン面が露出した部分を(111)面の方向(アライメント用凹部23の辺23c,23fに平行な方向)に切断し、切れ目28を形成する。この切れ目28により、別の斜めの(111)面でエッチストップせずに、(110)面に垂直な(111)面でエッチストップするようになる。
【0033】
図10(b)に示すように、結晶異方性エッチングを行って、露出したシリコン面をエッチングし、柱部26を形成する。(110)面に垂直な(111)面でエッチストップするので、新たに形成された柱部26の側面はシリコンウエハ2の(110)面に対して垂直面となる。そして、第2保護膜25を除去すると、図10(c)に示すシリコンウエハ2が得られる。
【0034】
以上の第2の実施形態による多層貫通配線基板の製造方法は次のような作用効果を奏する。
(1)第1の実施形態と同様に、細い貫通配線を有する多層貫通配線基板を製造することができる。また、積層をしなければ、細い貫通配線を有する貫通配線基板を製造することができる。
【0035】
(2)(110)面のシリコンウエハ2を用い、このシリコンウエハ2の(110)面に垂直な(111)面に沿った面を有するアライメント用凹部23を形成し、アライメント用凹部23によってアライメントしたレジストパターンニングを形成して、シリコンウエハ2に結晶異方性エッチングをおこなって2つの(111)面のうちの一方の(111)面の側面を有する凸条を形成し、凸条の側面を含めてシリコンウエハ2の表面に保護膜21,25を形成し、凸条の上面の保護膜の一部を除去してその保護膜を除去した部分を(111)面の方向に切断し、シリコンウエハ2に結晶異方性エッチングをおこなって2つの(111)面のうちの他方の(111)面の側面を有する柱部26を形成するようにした。これにより、アスペクト比の高い柱部26を形成することができ、細い貫通配線を形成することができる。
【0036】
−第3の実施形態−
本発明の第3の実施形態における多層貫通配線基板について説明する。第3の実施形態の多層貫通配線基板は、ダイシングマシンなどの切断機を使用して柱部を形成する。第3の実施形態における多層貫通配線基板の構造は、第1の実施形態の多層貫通配線基板の構造と変わらない(図1参照)ので、多層貫通配線基板の構造の説明は省略する。
【0037】
次に本発明の第3の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法について、図11を参照して説明する。本発明の第3の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法は、柱形成工程と、樹脂充填工程と、研磨工程と、電極形成工程と、分割工程と、積層工程とを有する。このうち、樹脂充填工程、研磨工程、電極形成工程、分割工程および積層工程については、第1の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法と変わらないので、説明は省略する。
【0038】
(A)柱形成工程
シリコンウエハ2の表面にダイシングマシンなどの切断機を使用して、図11(a)に示すように、所定の方向に沿ってシリコンウエハ2の表面に複数の溝を形成する。次に図11(b)に示すように所定の方向と異なる他方の方向に沿ってシリコンウエハ2の表面に複数の溝を形成する。その結果、所定の方向の2つの溝と、他方の方向の2つの溝とによって柱部26Aが形成される。なお、シリコンウエハ2は、(110)面のシリコンウエハである必要はない。
【0039】
以上の第3の実施形態による多層貫通配線基板の製造方法は次のような作用効果を奏する。
(1)第1の実施形態と同様に、細い貫通配線を有する多層貫通配線基板を製造することができる。また、積層をしなければ、細い貫通配線を有する貫通配線基板を製造することができる。
【0040】
(2)シリコンウエハ2の表面にダイシングマシンなどの切断機で複数の溝を形成するという簡単な工程で柱部26Aを形成することができる。
【0041】
以上の第1〜3の実施形態の多層貫通配線基板を次のように変形することができる。
RIEなどのドライエッチングによって柱部26を形成するようにしてもよい。この場合、シリコンウエハ2の表面における柱部26を形成する部分にフォトレジスト膜やアルミニウム膜などの保護膜を形成し、RIEあるいはICP−RIEを行う。その結果、アンダーカットがほとんどない細く長い柱部を形成できるので、細い貫通配線を形成することができる。なお、シリコンウエハ2は、(110)面のシリコンウエハである必要はない。
【0042】
−第4の実施形態−
本発明の第4の実施形態における多層貫通配線基板について説明する。第4の実施形態の多層貫通配線基板では、貫通配線11の材料としてCuなどの金属を使用する。また、放電加工法により柱部を形成する。第4の実施形態における多層貫通配線基板の構造は、第1の実施形態の多層貫通配線基板の構造と変わらない(図1参照)ので、多層貫通配線基板の構造の説明は省略する。
【0043】
次に本発明の第4の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法について、図12を参照して説明する。本発明の第4の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法は、柱形成工程と、樹脂充填工程と、研磨工程と、電極形成工程と、分割工程と、積層工程とを有する。このうち、樹脂充填工程、研磨工程、電極形成工程、分割工程および積層工程については、第1の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法と変わらないので、説明は省略する。
【0044】
(A)柱形成工程
図12に示すように、放電加工法によって金属の平板6から柱部を形成する。図12(a)に示すように、柱部に相当する孔部を多数備えたメタルマスク5を板電極として用いる。このメタルマスク5を使用して金属の平板6を放電加工すると、図12(b)に示すようにメタルマスク5の孔部の部分だけ平板6が柱部26Bとして残り、他の部分は除去される。
【0045】
以上の第4の実施形態による多層貫通配線基板の製造方法は次のような作用効果を奏する。
(1)第1の実施形態と同様に、細い貫通配線を有する多層貫通配線基板を製造することができる。また、積層をしなければ、細い貫通配線を有する貫通配線基板を製造することができる。
【0046】
(2)放電加工法により、一括して微細な柱部26Bを形成することができる。
【0047】
以上の第4の実施形態の多層貫通配線基板を次のように変形することができる。
貫通配線の材料がシリコンの場合と同様に、金属の平板6の表面にダイシングマシンなどの切断機で複数の溝を形成することによって柱部26を形成するようにしてもよい。
【0048】
以上の実施形態の多層貫通配線基板を次のように変形することができる。
(1)樹脂封止体4の母相をエポキシ樹脂31としたが、絶縁体の樹脂であればエポキシ樹脂31に限定されない。たとえば、シリコン樹脂、プリプレグ、セラミックのグリーンシートでもよい。また、樹脂封止体4の母相は絶縁体であれば樹脂に限定されない。たとえば、ガラスでもよい。
【0049】
(2)柱部26の材料は導電性を有する材料であれば、半導体のシリコンやCuなどの金属に限定されない。
【0050】
(3)シリコンの柱部から作製された貫通配線基板と金属の柱部から作製された貫通配線基板とを積層して多層貫通配線基板を作製するようにしてもよい。シリコンの柱部は、金属の柱部に比べて細く加工できる反面、抵抗が高い。したがって、微細な配線を有する貫通配線基板にはシリコンを使用し、その他の貫通配線基板には抵抗の低い金属を使用し、これらの貫通配線基板を積層して多層貫通配線基板を作製するようにしてもよい。
【0051】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0052】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態における多層貫通配線基板の構造を示す図である。
【図2】図2(a)はシリコンウエハの平面図および平面図のAA断面における一部の断面図であり、図2(b)はアライメント用開口部を形成したシリコンウエハの平面図および平面図のBB断面における一部の断面図であり、図2(c)はアライメント用凹部を形成したシリコンウエハの平面図および平面図のCC断面における一部の断面図である。
【図3】図3(a)はアライメント用凹部の平面図であり、図3(b)は図3(a)のDD断面図である。
【図4】図4(a)はレジストのラインパターンを形成したシリコンウエハの平面図および平面図のEE断面における一部の断面図であり、図4(b)は第1保護膜をエッチングしたシリコンウエハの平面図および平面図のFF断面における一部の断面図であり、図4(c)はレジストを除去したシリコンウエハの平面図および平面図のGG断面における一部の断面図である。
【図5】図5(a)は第2保護膜を形成したシリコンウエハの平面図および平面図のHH断面における一部の断面図であり、図5(b)はレジストのラインパターンを形成したシリコンウエハの平面図および斜視図であり、図5(c)は第2保護膜をエッチングしたシリコンウエハの平面図および斜視図である。
【図6】図6(a)はレジストを除去したシリコンウエハの平面図および斜視図であり、図6(b)は結晶異方性エッチングを行ったシリコンウエハの平面図および斜視図であり、図6(c)は柱部を形成したシリコンウエハの平面図および斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における樹脂充填工程と、研磨工程と、電極形成工程とを面説明するための図である。
【図8】図8(a)は第1保護膜および第2保護膜を形成したシリコンウエハの平面図および平面図のII断面における一部の断面図であり、図8(b)はレジストのラインパターンを形成したシリコンウエハの平面図および平面図のJJ断面における一部の断面図であり、図8(c)はレジストから露出している保護膜を除去したシリコンウエハの平面図および平面図のKK断面における一部の断面図である。
【図9】図9(a)は結晶異方性エッチングを行ったシリコンウエハの平面図および平面図のLL断面における一部の断面図であり、図9(b)は第2保護膜を形成したシリコンウエハの平面図および平面図のMM断面における一部の断面図であり、図8(c)は第1保護膜を除去したシリコンウエハの平面図および平面図のNN断面における一部の断面図である。
【図10】図10(a)は切れ目を形成したシリコンウエハの平面図および斜視図であり、図10(b)は結晶異方性エッチングを行ったシリコンウエハの平面図および斜視図であり、図10(c)は柱部を形成したシリコンウエハの平面図および斜視図である。
【図11】図11(a)は一方の方向における複数の溝を形成したシリコンウエハの平面図であり、図11(b)は他方の方向における複数の溝を形成したシリコンウエハの平面図である。
【図12】図12(a)は放電加工を説明するための図であり、図12(b)は放電か項により形成された柱部を説明するための図である。
【符号の説明】
【0054】
1 多層貫通配線基板
1A,1B 貫通配線基板
2 シリコンウエハ
3 柱形成体
4 樹脂封止体
5 メタルマスク
6 金属の平板
7 ノズル
11 貫通配線
12 樹脂
13,14 電極
21 第1保護膜
22 アライメント用開口部
23 アライメント用凹部
24 レジスト
25 第2保護膜
26,26A,26B 柱部
27 平板部
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通配線を備える貫通配線基板およびその貫通配線基板を積層した多層貫通配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に設けられた貫通孔に金属をめっきによって充填することにより貫通配線を形成する貫通配線基板の製造方法が従来技術として知られている(特許文献1)。
【特許文献1】WO2005/093827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載されている貫通配線基板の製造方法では、貫通孔が細いとめっきによって貫通孔を金属でうまく充填できないので、細い貫通配線を形成できない場合がある。また、めっき工程が必要でコストと時間がかかっていた。さらに、歩留まりが悪かった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によると、貫通配線基板の製造方法は、シリコンからなる平板部と、平板部の一方の面から平板部の厚さ方向に立設したシリコンからなる複数の柱部と、を有する柱形成体を作製する柱形成体作製工程と、柱形成体の柱部間を樹脂またはガラスで充填する充填工程と、充填工程によって樹脂またはガラスを充填した柱形成体の両面を厚さ方向に研磨して、樹脂またはガラスによって柱部が封止され、両面に柱部の研磨面が露出した封止体を作製する封止体作製工程と、封止体の柱部の研磨面の上に電極を形成する電極形成工程とを備える。
本発明の第2の態様によると、貫通配線基板の製造方法は、金属からなる平板部と、平板部の一方の面から平板部の厚さ方向に立設した金属からなる複数の柱部と、を有する柱形成体を作製する柱形成体作製工程と、柱形成体の柱部間を樹脂またはガラスで充填する充填工程と、充填工程によって樹脂またはガラスを充填した柱形成体の両面を厚さ方向に研磨して、樹脂またはガラスによって柱部が封止され、両面に柱部の研磨面が露出した封止体を作製する封止体作製工程と、封止体の柱部の研磨面の上に電極を形成する電極形成工程とを備える。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、細い貫通配線を有する貫通配線基板を作製することができる。また、めっき工程が不要となり、低コスト、短時間、高歩留まりで作製できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
−第1の実施形態−
本発明の第1の実施形態の多層貫通配線基板1の構造について図1を参照して説明する。図1は多層貫通配線基板1の断面図である。多層貫通配線基板1は2つの貫通配線基板1A,1Bを積層して作製される。貫通配線基板1A,1Bは、貫通配線11、樹脂部12および電極13,14を有する。貫通配線11は、シリコンからなり、貫通配線基板1A,1Bの一方の面に形成された電極13と他方の面に形成された電極14とを電気的に接続する配線である。貫通配線基板1Aの電極14と貫通配線基板1Bの電極13とを接続することにより、貫通配線基板1Aと貫通配線基板1Bとが電気的に接続する。樹脂部12は樹脂からなる貫通配線基板1A,1Bの母相で絶縁体である。
【0007】
次に本発明の第1の実施形態の多層貫通配線基板1の製造方法について、図2〜図7を参照して説明する。本発明の第1の実施形態の多層貫通配線基板1の製造方法は、柱形成工程と、樹脂充填工程と、研磨工程と、電極形成工程と、分割工程と、積層工程とを有する。
【0008】
(A)柱形成工程
柱形成工程について、図2〜図6を参照して説明する。
柱形成工程は、アライメント用凹部形成工程、第1次結晶異方性エッチング工程および第2次結晶異方性エッチング工程を有する。アライメント用凹部形成工程では、第1次結晶異方性エッチング工程および第2次結晶異方性エッチング工程においてシリコンウエハの表面に形成するレジストパターンの方向を決定する目印をその表面に形成する。第1次結晶異方性エッチング工程では、シリコンウエハの表面にレジストパターンに沿った複数の凸条を形成する。第2次結晶異方性エッチング工程では、シリコンウエハの表面の凸条をレジストパターンが形成された部分だけ残して柱を形成する。
【0009】
(i)アライメント用凹部形成工程
図2(a)に示すように、(110)面で切り出した単結晶のシリコンウエハ2を用意する。次に公知のCVDなどを用いてシリコンウエハ2の表面にSi3N4からなる第1保護膜21を形成する。なお、SiO2からなる保護膜を形成してもよい。
【0010】
図2(b)に示すように、保護膜21にシリコン面が露出したアライメント用開口部22を形成する。たとえば、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)をシリコン面が表出するまで行うことによりアライメント用開口部22を形成する。
【0011】
結晶異方性エッチングにより、図2(c)に示すように、アライメント用開口部22のシリコン面にアライメント用凹部23を形成する。ここで、結晶異方性エッチングとは、結晶方向によってエッチング速度が変わる性質を利用した異方性エッチングである。ここでは、シリコンの(110)面のエッチング速度は、(111)面のエッチング速度に比べてかなり大きいことを利用する。たとえば、結晶異方性エッチングは以下のように行う。TMAH(Tetramethyl Ammonium Hydroxide, (CH3)4NOH)溶液を60〜80℃に加熱し、シリコンウエハ2をその溶液に浸す。その結果、図2(c)に示すように、面方向から見ると6角形形状であるアライメント用凹部23が形成される。
【0012】
図3を参照して、アライメント用凹部23について詳細に説明する。シリコンウエハ2の結晶構造は、(110)面に垂直な(111)面の結晶面を有する。図3(a)に示すアライメント用凹部23の6辺23a〜23fのうち、2辺23a,23dを有する凹部側面は一方の(111)面であり、2辺23c,23fを有する凹部側面は他方の(111)面である。図3(b)は、図3(a)のDD断面図であり、辺23bを有する凹部側面23baと辺23eを有する凹部側面23eaとでシリコン面にV字型の凹部を形成する。
【0013】
(ii)第1次結晶異方性エッチング工程
スピンコータやスプレーコータを用いて、保護膜21を形成済みのシリコンウエハ2の全面にレジストを塗布する。そして、露光現像することで、図4(a)に示すように、アライメント用凹部23の辺23c,23fに平行なレジスト24のラインパターンを形成する。次に、RIEを用いて、図4(b)に示すように、レジスト24に覆われていない第1保護膜21をエッチングし、シリコン面を表出させる。そして、熱硫酸過水で洗浄してレジスト24を剥離する。その結果、図4(c)に示すように、シリコンウエハ2の表面にアライメント用凹部23の辺23c,23fに平行な第1保護膜21のラインパターンが形成される。
【0014】
図4(c)に示すシリコンウエハ2に上述の結晶異方性エッチングを行うと、シリコン面が露出している部分がエッチングされ、第1保護膜21を上面とする凸条が形成される。凸条はアライメント用凹部23の辺23c,23fに平行であるので、凸条の側面はシリコンウエハ2の(111)面となる。したがって、凸条の側面はシリコンウエハ2の(110)面に対して垂直面となる。
【0015】
(iii)第2次結晶異方性エッチング工程
シリコンウエハ2を酸素雰囲気で約1000℃に加熱することにより、図5(a)に示すように、シリコンウエハ2の全面にSiO2の第2保護膜25を形成する。なお、第2保護膜としてSi3N4を形成するようにしてもよい。次にスピンコータやスプレーコータを用いてシリコンウエハ2の全面にレジストを塗布する。第1次結晶異方性エッチング工程で形成した凸条の側面についてもレジストを塗布する必要があるので、厚膜レジストを塗布するのが好ましい。そして、露光現像することで、アライメント用凹部23の辺23a,23dに平行なレジスト24のラインパターンを形成する(図5(b)参照)。
【0016】
次に、フッ酸溶液にシリコンウエハ2を浸して、レジスト24に覆われていない第2保護膜25をエッチングし、シリコン面を表出させる(図5(c)参照)。そして、熱硫酸過水で洗浄してレジスト24を剥離する。その結果、シリコンウエハ2の表面にアライメント用凹部23の辺23a,23dに平行な第2保護膜25のラインパターンが形成される(図6(a)参照)。
【0017】
シリコンウエハ2に上述の結晶異方性エッチングを行うと、図6(b)に示すように凸条のシリコン面が露出している部分がエッチングされ、第2保護膜25を上面とする柱部26が形成される。なお、柱部26の新たに形成された側面は、アライメント用凹部23の辺23a,23dに平行であるので、シリコンウエハ2の(111)面となる。したがって、柱部26の新たに形成された側面はシリコンウエハ2の(110)面に対して垂直面となる。また、柱部26の第1次結晶異方性エッチング工程で形成された側面は、第2保護膜25によって保護されているのでエッチングされない。
【0018】
フッ酸溶液またはRIEを用いて第2保護膜25を除去すると、図6(c)に示すように、平板部27と、平板部27の一方の面から平板部27の厚さ方向に立設したシリコンからなる複数の柱部26と、から構成されるシリコンウエハ2が作製される。以下、このシリコンウエハ2を柱形成体3と呼ぶ。
【0019】
(B)樹脂充填工程
図7(a)に示すように、ノズル7からエポキシ樹脂31を吐出させ、柱形成体3の柱部26間にエポキシ樹脂31を流し込む。そして、図7(b)に示すように、柱部26間をエポキシ樹脂31で充填し、充填した樹脂31を硬化させる。なお、図7(b)では、柱部26の上端がエポキシ樹脂31によって覆われるまでエポキシ樹脂31を流し込んでいるが、柱部26の上端部がエポキシ樹脂31に覆われない程度にエポキシ樹脂31を流し込むようにしてもよい。
【0020】
(C)研磨工程
図7(c)に示すように、樹脂充填工程によってエポキシ樹脂31を充填した柱形成体3の一方の面を厚さ方向に研磨して、柱形成体3の平板部27を削除し、柱部26の一方の研磨面を露出させる。また、柱形成体3の他方の面を研磨して、平坦化するとともに、柱部26の他方の研磨面を露出させる。以上のようにして、エポキシ樹脂によって柱部26が封止され、両面に柱部26の研磨面が露出した柱形成体3を、以下、樹脂封止体4と呼ぶ。研磨方法は、柱形成体3の平板部27を削除することができ、また、樹脂封止体4の表面を平坦化できるものであれば、特に限定されない。たとえば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)でもよい。
【0021】
(D)電極形成工程
公知のスパッタリングまたはエッチングによって、図7(d)に示すように、柱部26の研磨面の上に樹脂封止体4の表面に電極13,14を形成する。なお、樹脂封止体4の表面に電極を形成できる方法であれば、スパッタリングやエッチングに限定されず、真空蒸着などでもよい。
【0022】
(E)分割工程
電極13,14を形成した樹脂封止体4を図7(d)に示す2点鎖線32に沿ってダイヤモンドブレード・ダイシング法などで分割する。以上のように樹脂封止体4を分割したものが、貫通配線基板1A,1Bとなる。なお、樹脂封止体4を分割できる方法であれば、ダイヤモンドブレード・ダイシング法に限定されない。
【0023】
(F)積層工程
ガラエポ基板と同じように熱圧着によって複数の貫通配線基板1A,1Bを張り合わせて、図1に示す多層貫通配線基板1を完成させる。なお、複数の貫通配線基板積層を1A,1Bを張り合わせることができる方法であれば、熱圧着に限定されない。ここで、柱部26が貫通配線11となり、エポキシ樹脂31が樹脂部12となる。
【0024】
以上の第1の実施形態による多層貫通配線基板1の製造方法は次のような作用効果を奏する。
(1)シリコンからなる平板部27と、平板部27の一方の面から平板部27の厚さ方向に立設したシリコンからなる複数の柱部26と、を有する柱形成体3を作製した。次に、この柱形成体3の柱部26間をエポキシ樹脂31で充填し、エポキシ樹脂31を充填した柱形成体3の両面を厚さ方向に研磨して、エポキシ樹脂31によって柱部26が封止され、両面に柱部26の研磨面が露出した樹脂封止体4を作製した。そして、この樹脂封止体4の柱部26の研磨面に重ねて電極13,14を形成して作製した貫通配線基板1A,1Bを作製し、作製した貫通配線基板1A,1Bを積層して多層貫通配線基板1を製造するようにした。これにより、細い貫通配線を有する多層貫通配線基板1を製造することができる。また、積層をしなければ、細い貫通配線を有する貫通配線基板1A,1Bを製造することができる。
【0025】
(2)結晶異方性エッチングによって柱部26を形成するようにしたので、シリコンウエハ2の表面に対して垂直面を有する柱部26を形成することができる。したがって、アスペクト比(柱部26の高さを柱部26の上面の辺の長さで割り算したもの)の高い柱部26を形成することができるので、細くて長い貫通配線を形成することができる。これにより、ピッチのつまった高密度の貫通配線ができる。
【0026】
(3)(110)面のシリコンウエハ2を用い、このシリコンウエハ2の(110)面に垂直な(111)面に沿った面を有するアライメント用凹部23を形成し、アライメント用凹部23によって2つの(111)面のうちの一方の(111)面にアライメントしてシリコンウエハ2の(110)面に垂直な側面を有する凸条を形成し、アライメント用凹部23によって2つの(111)面のうちの他方の(111)面にアライメントしてシリコンウエハ2の(110)面に垂直な側面を有する柱部26を形成するようにした。これにより、アスペクト比の高い柱部26を形成することができ、細い貫通配線を形成することができる。
【0027】
(4)(110)面のシリコンウエハ2を用い、このシリコンウエハ2の(110)面に垂直な(111)面に沿った面を有するアライメント用凹部23を形成し、アライメント用凹部23によってアライメントしたレジストパターンニングを形成して、シリコンウエハ2に結晶異方性エッチングをおこなって2つの(111)面のうちの一方の(111)面の側面を有する凸条を形成し、凸条の側面を含めてシリコンウエハ2の表面に第2保護膜25を形成し、アライメント用凹部23によってアライメントしたレジストパターンニングを形成して、シリコンウエハ2に結晶異方性エッチングをおこなって2つの(111)面のうちの他方の(111)面の側面を有する柱部26を形成するようにした。これにより、アスペクト比の高い柱部26を形成することができ、細い貫通配線を形成することができる。
【0028】
−第2の実施形態−
本発明の第2の実施形態における多層貫通配線基板について説明する。第2の実施形態の多層貫通配線基板も結晶異方性エッチングにより柱部26を形成する。第2の実施形態における多層貫通配線基板の構造は、第1の実施形態の多層貫通配線基板の構造と変わらない(図1参照)ので、多層貫通配線基板の構造の説明は省略する。
【0029】
次に本発明の第2の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法について、図8〜図10を参照して説明する。本発明の第2の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法は、柱形成工程と、樹脂充填工程と、研磨工程と、電極形成工程と、分割工程と、積層工程とを有する。このうち、樹脂充填工程、研磨工程、電極形成工程、分割工程および積層工程については、第1の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法と変わらないので、説明は省略する。
【0030】
(A)柱形成工程
第2の実施形態における柱形成工程は、第1の実施形態における第1次結晶異方性エッチング工程の、レジスト24を剥離したところまで同じ工程である(図4(c)参照)。レジスト24を剥離した後、結晶異方性イオンエッチングを行わずに、シリコンウエハ2を酸素雰囲気で約1000℃に加熱する。その結果、図8(a)に示すように、第1保護膜21の形成部分には第2保護膜25が形成されず、シリコン面のみに第2保護膜25が形成される。このとき、第1の実施形態とは異なり、第1保護膜21は残る。そして、図8(b)に示すように、露光現像することで、アライメント用凹部23の辺23a,23dに平行なレジスト24のラインパターンを形成する。
【0031】
イオンエッチングなどによって、図8(c)示すように、レジスト24に覆われていない第1保護膜21および第2保護膜25をエッチングし、シリコン面を表出させる。そして、レジスト24を除去した後、結晶異方性エッチングを行う。その結果、図9(a)に示すように、第1保護膜21と第2保護膜25とが交互に並んだ保護膜面を上面とする凸条が形成される。
【0032】
シリコンウエハ2を酸素雰囲気で約1000℃に加熱し、図9(b)に示すように、シリコン面に第2保護膜25を形成する。このとき、凸条の側面にも第2保護膜が形成される。次に、RIEを行って、図9(c)に示すように、第1保護膜21を除去し、その部分にシリコン面を露出させる。そして、ダイシングソーやレーザを用いて、図10(a)に示すように、凸条のシリコン面が露出した部分を(111)面の方向(アライメント用凹部23の辺23c,23fに平行な方向)に切断し、切れ目28を形成する。この切れ目28により、別の斜めの(111)面でエッチストップせずに、(110)面に垂直な(111)面でエッチストップするようになる。
【0033】
図10(b)に示すように、結晶異方性エッチングを行って、露出したシリコン面をエッチングし、柱部26を形成する。(110)面に垂直な(111)面でエッチストップするので、新たに形成された柱部26の側面はシリコンウエハ2の(110)面に対して垂直面となる。そして、第2保護膜25を除去すると、図10(c)に示すシリコンウエハ2が得られる。
【0034】
以上の第2の実施形態による多層貫通配線基板の製造方法は次のような作用効果を奏する。
(1)第1の実施形態と同様に、細い貫通配線を有する多層貫通配線基板を製造することができる。また、積層をしなければ、細い貫通配線を有する貫通配線基板を製造することができる。
【0035】
(2)(110)面のシリコンウエハ2を用い、このシリコンウエハ2の(110)面に垂直な(111)面に沿った面を有するアライメント用凹部23を形成し、アライメント用凹部23によってアライメントしたレジストパターンニングを形成して、シリコンウエハ2に結晶異方性エッチングをおこなって2つの(111)面のうちの一方の(111)面の側面を有する凸条を形成し、凸条の側面を含めてシリコンウエハ2の表面に保護膜21,25を形成し、凸条の上面の保護膜の一部を除去してその保護膜を除去した部分を(111)面の方向に切断し、シリコンウエハ2に結晶異方性エッチングをおこなって2つの(111)面のうちの他方の(111)面の側面を有する柱部26を形成するようにした。これにより、アスペクト比の高い柱部26を形成することができ、細い貫通配線を形成することができる。
【0036】
−第3の実施形態−
本発明の第3の実施形態における多層貫通配線基板について説明する。第3の実施形態の多層貫通配線基板は、ダイシングマシンなどの切断機を使用して柱部を形成する。第3の実施形態における多層貫通配線基板の構造は、第1の実施形態の多層貫通配線基板の構造と変わらない(図1参照)ので、多層貫通配線基板の構造の説明は省略する。
【0037】
次に本発明の第3の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法について、図11を参照して説明する。本発明の第3の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法は、柱形成工程と、樹脂充填工程と、研磨工程と、電極形成工程と、分割工程と、積層工程とを有する。このうち、樹脂充填工程、研磨工程、電極形成工程、分割工程および積層工程については、第1の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法と変わらないので、説明は省略する。
【0038】
(A)柱形成工程
シリコンウエハ2の表面にダイシングマシンなどの切断機を使用して、図11(a)に示すように、所定の方向に沿ってシリコンウエハ2の表面に複数の溝を形成する。次に図11(b)に示すように所定の方向と異なる他方の方向に沿ってシリコンウエハ2の表面に複数の溝を形成する。その結果、所定の方向の2つの溝と、他方の方向の2つの溝とによって柱部26Aが形成される。なお、シリコンウエハ2は、(110)面のシリコンウエハである必要はない。
【0039】
以上の第3の実施形態による多層貫通配線基板の製造方法は次のような作用効果を奏する。
(1)第1の実施形態と同様に、細い貫通配線を有する多層貫通配線基板を製造することができる。また、積層をしなければ、細い貫通配線を有する貫通配線基板を製造することができる。
【0040】
(2)シリコンウエハ2の表面にダイシングマシンなどの切断機で複数の溝を形成するという簡単な工程で柱部26Aを形成することができる。
【0041】
以上の第1〜3の実施形態の多層貫通配線基板を次のように変形することができる。
RIEなどのドライエッチングによって柱部26を形成するようにしてもよい。この場合、シリコンウエハ2の表面における柱部26を形成する部分にフォトレジスト膜やアルミニウム膜などの保護膜を形成し、RIEあるいはICP−RIEを行う。その結果、アンダーカットがほとんどない細く長い柱部を形成できるので、細い貫通配線を形成することができる。なお、シリコンウエハ2は、(110)面のシリコンウエハである必要はない。
【0042】
−第4の実施形態−
本発明の第4の実施形態における多層貫通配線基板について説明する。第4の実施形態の多層貫通配線基板では、貫通配線11の材料としてCuなどの金属を使用する。また、放電加工法により柱部を形成する。第4の実施形態における多層貫通配線基板の構造は、第1の実施形態の多層貫通配線基板の構造と変わらない(図1参照)ので、多層貫通配線基板の構造の説明は省略する。
【0043】
次に本発明の第4の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法について、図12を参照して説明する。本発明の第4の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法は、柱形成工程と、樹脂充填工程と、研磨工程と、電極形成工程と、分割工程と、積層工程とを有する。このうち、樹脂充填工程、研磨工程、電極形成工程、分割工程および積層工程については、第1の実施形態の多層貫通配線基板の製造方法と変わらないので、説明は省略する。
【0044】
(A)柱形成工程
図12に示すように、放電加工法によって金属の平板6から柱部を形成する。図12(a)に示すように、柱部に相当する孔部を多数備えたメタルマスク5を板電極として用いる。このメタルマスク5を使用して金属の平板6を放電加工すると、図12(b)に示すようにメタルマスク5の孔部の部分だけ平板6が柱部26Bとして残り、他の部分は除去される。
【0045】
以上の第4の実施形態による多層貫通配線基板の製造方法は次のような作用効果を奏する。
(1)第1の実施形態と同様に、細い貫通配線を有する多層貫通配線基板を製造することができる。また、積層をしなければ、細い貫通配線を有する貫通配線基板を製造することができる。
【0046】
(2)放電加工法により、一括して微細な柱部26Bを形成することができる。
【0047】
以上の第4の実施形態の多層貫通配線基板を次のように変形することができる。
貫通配線の材料がシリコンの場合と同様に、金属の平板6の表面にダイシングマシンなどの切断機で複数の溝を形成することによって柱部26を形成するようにしてもよい。
【0048】
以上の実施形態の多層貫通配線基板を次のように変形することができる。
(1)樹脂封止体4の母相をエポキシ樹脂31としたが、絶縁体の樹脂であればエポキシ樹脂31に限定されない。たとえば、シリコン樹脂、プリプレグ、セラミックのグリーンシートでもよい。また、樹脂封止体4の母相は絶縁体であれば樹脂に限定されない。たとえば、ガラスでもよい。
【0049】
(2)柱部26の材料は導電性を有する材料であれば、半導体のシリコンやCuなどの金属に限定されない。
【0050】
(3)シリコンの柱部から作製された貫通配線基板と金属の柱部から作製された貫通配線基板とを積層して多層貫通配線基板を作製するようにしてもよい。シリコンの柱部は、金属の柱部に比べて細く加工できる反面、抵抗が高い。したがって、微細な配線を有する貫通配線基板にはシリコンを使用し、その他の貫通配線基板には抵抗の低い金属を使用し、これらの貫通配線基板を積層して多層貫通配線基板を作製するようにしてもよい。
【0051】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0052】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態における多層貫通配線基板の構造を示す図である。
【図2】図2(a)はシリコンウエハの平面図および平面図のAA断面における一部の断面図であり、図2(b)はアライメント用開口部を形成したシリコンウエハの平面図および平面図のBB断面における一部の断面図であり、図2(c)はアライメント用凹部を形成したシリコンウエハの平面図および平面図のCC断面における一部の断面図である。
【図3】図3(a)はアライメント用凹部の平面図であり、図3(b)は図3(a)のDD断面図である。
【図4】図4(a)はレジストのラインパターンを形成したシリコンウエハの平面図および平面図のEE断面における一部の断面図であり、図4(b)は第1保護膜をエッチングしたシリコンウエハの平面図および平面図のFF断面における一部の断面図であり、図4(c)はレジストを除去したシリコンウエハの平面図および平面図のGG断面における一部の断面図である。
【図5】図5(a)は第2保護膜を形成したシリコンウエハの平面図および平面図のHH断面における一部の断面図であり、図5(b)はレジストのラインパターンを形成したシリコンウエハの平面図および斜視図であり、図5(c)は第2保護膜をエッチングしたシリコンウエハの平面図および斜視図である。
【図6】図6(a)はレジストを除去したシリコンウエハの平面図および斜視図であり、図6(b)は結晶異方性エッチングを行ったシリコンウエハの平面図および斜視図であり、図6(c)は柱部を形成したシリコンウエハの平面図および斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における樹脂充填工程と、研磨工程と、電極形成工程とを面説明するための図である。
【図8】図8(a)は第1保護膜および第2保護膜を形成したシリコンウエハの平面図および平面図のII断面における一部の断面図であり、図8(b)はレジストのラインパターンを形成したシリコンウエハの平面図および平面図のJJ断面における一部の断面図であり、図8(c)はレジストから露出している保護膜を除去したシリコンウエハの平面図および平面図のKK断面における一部の断面図である。
【図9】図9(a)は結晶異方性エッチングを行ったシリコンウエハの平面図および平面図のLL断面における一部の断面図であり、図9(b)は第2保護膜を形成したシリコンウエハの平面図および平面図のMM断面における一部の断面図であり、図8(c)は第1保護膜を除去したシリコンウエハの平面図および平面図のNN断面における一部の断面図である。
【図10】図10(a)は切れ目を形成したシリコンウエハの平面図および斜視図であり、図10(b)は結晶異方性エッチングを行ったシリコンウエハの平面図および斜視図であり、図10(c)は柱部を形成したシリコンウエハの平面図および斜視図である。
【図11】図11(a)は一方の方向における複数の溝を形成したシリコンウエハの平面図であり、図11(b)は他方の方向における複数の溝を形成したシリコンウエハの平面図である。
【図12】図12(a)は放電加工を説明するための図であり、図12(b)は放電か項により形成された柱部を説明するための図である。
【符号の説明】
【0054】
1 多層貫通配線基板
1A,1B 貫通配線基板
2 シリコンウエハ
3 柱形成体
4 樹脂封止体
5 メタルマスク
6 金属の平板
7 ノズル
11 貫通配線
12 樹脂
13,14 電極
21 第1保護膜
22 アライメント用開口部
23 アライメント用凹部
24 レジスト
25 第2保護膜
26,26A,26B 柱部
27 平板部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンからなる平板部と、前記平板部の一方の面から前記平板部の厚さ方向に立設した前記シリコンからなる複数の柱部と、を有する柱形成体を作製する柱形成体作製工程と、
前記柱形成体の柱部間を樹脂またはガラスで充填する充填工程と、
前記充填工程によって前記樹脂またはガラスを充填した前記柱形成体の両面を厚さ方向に研磨して、前記樹脂またはガラスによって前記柱部が封止され、両面に前記柱部の研磨面が露出した封止体を作製する封止体作製工程と、
前記封止体の前記柱部の研磨面上に電極を形成する電極形成工程とを備えることを特徴とする貫通配線基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の貫通配線基板の製造方法において、
前記柱形成体作製工程は、シリコンからなる平板にダイシングソーによる溝を形成することにより、またはシリコンからなる平板をドライエッチングすることにより、またはシリコンからなる平板を結晶異方性エッチングすることにより前記柱部を形成することを特徴とする貫通配線基板の製造方法。
【請求項3】
金属からなる平板部と、前記平板部の一方の面から前記平板部の厚さ方向に立設した前記金属からなる複数の柱部と、を有する柱形成体を作製する柱形成体作製工程と、
前記柱形成体の柱部間を樹脂またはガラスで充填する充填工程と、
前記充填工程によって前記樹脂またはガラスを充填した前記柱形成体の両面を厚さ方向に研磨して、前記樹脂またはガラスによって前記柱部が封止され、両面に前記柱部の研磨面が露出した封止体を作製する封止体作製工程と、
前記封止体の前記柱部の研磨面上に電極を形成する電極形成工程とを備えることを特徴とする貫通配線基板の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の貫通配線基板の製造方法において、
前記柱形成体作製工程は、前記金属からなる平板にダイシングソーによる溝を形成することにより、または前記金属からなる平板を放電加工することにより前記柱部を形成することを特徴とする貫通配線基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の貫通配線形成基板の製造方法によって作製した複数の貫通配線形成基板を積層する積層工程を備えることを特徴とする多層貫通配線基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の貫通配線基板の製造方法によって作製されることを特徴とする貫通配線基板。
【請求項7】
請求項5に記載の多層貫通配線基板の製造方法によって作製されることを特徴とする多層貫通配線基板。
【請求項1】
シリコンからなる平板部と、前記平板部の一方の面から前記平板部の厚さ方向に立設した前記シリコンからなる複数の柱部と、を有する柱形成体を作製する柱形成体作製工程と、
前記柱形成体の柱部間を樹脂またはガラスで充填する充填工程と、
前記充填工程によって前記樹脂またはガラスを充填した前記柱形成体の両面を厚さ方向に研磨して、前記樹脂またはガラスによって前記柱部が封止され、両面に前記柱部の研磨面が露出した封止体を作製する封止体作製工程と、
前記封止体の前記柱部の研磨面上に電極を形成する電極形成工程とを備えることを特徴とする貫通配線基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の貫通配線基板の製造方法において、
前記柱形成体作製工程は、シリコンからなる平板にダイシングソーによる溝を形成することにより、またはシリコンからなる平板をドライエッチングすることにより、またはシリコンからなる平板を結晶異方性エッチングすることにより前記柱部を形成することを特徴とする貫通配線基板の製造方法。
【請求項3】
金属からなる平板部と、前記平板部の一方の面から前記平板部の厚さ方向に立設した前記金属からなる複数の柱部と、を有する柱形成体を作製する柱形成体作製工程と、
前記柱形成体の柱部間を樹脂またはガラスで充填する充填工程と、
前記充填工程によって前記樹脂またはガラスを充填した前記柱形成体の両面を厚さ方向に研磨して、前記樹脂またはガラスによって前記柱部が封止され、両面に前記柱部の研磨面が露出した封止体を作製する封止体作製工程と、
前記封止体の前記柱部の研磨面上に電極を形成する電極形成工程とを備えることを特徴とする貫通配線基板の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の貫通配線基板の製造方法において、
前記柱形成体作製工程は、前記金属からなる平板にダイシングソーによる溝を形成することにより、または前記金属からなる平板を放電加工することにより前記柱部を形成することを特徴とする貫通配線基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の貫通配線形成基板の製造方法によって作製した複数の貫通配線形成基板を積層する積層工程を備えることを特徴とする多層貫通配線基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の貫通配線基板の製造方法によって作製されることを特徴とする貫通配線基板。
【請求項7】
請求項5に記載の多層貫通配線基板の製造方法によって作製されることを特徴とする多層貫通配線基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−289964(P2009−289964A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−140786(P2008−140786)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(390022471)アオイ電子株式会社 (85)
【出願人】(304028346)国立大学法人 香川大学 (285)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(390022471)アオイ電子株式会社 (85)
【出願人】(304028346)国立大学法人 香川大学 (285)
【Fターム(参考)】
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