説明

貯留価値貸出システム

【課題】遊技者が遊技店に預け入れている貯玉から遊技玉の貸出を行えるようにした貯留価値貸出システムに関し、セキュリティ性を十分に確保しながらも、貯玉からの玉貸を簡単に受けることができるようにする。
【解決手段】この発明の貯留価値貸出システムでは、遊技者は、先ず貯玉数申請精算装置7において、情報処理装置9でのカードCの認証を受けた上でカードCに申請貯玉数を登録し、その後貯玉からの玉貸を受けるべく玉貸装置1にカードCを装着したとき、そのカードCの認証を経ずしてカードCに登録した申請貯玉数から貸玉を受け取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技者が遊技店に預け入れている貯留遊技価値(例えば貯玉)から遊技価値(例えば遊技玉)の貸出を行えるようにした貯留価値貸出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、遊技者が遊技店に預け入れた遊技玉(貯玉)から遊技玉の貸出を行えるようにした貯玉貸出システムが普及しつつある。
【0003】
この貯玉貸出システムでは、先ず遊技店が、予め、遊技者本人を特定する証明書(免許証等)により信用を確保した上で、暗証番号を登録して会員カードとしての貯玉カードを発行し、遊技者は、獲得した遊技球の数量を下記(1)または(2)のやり方で貯玉カードを用いて遊技店に預け入れる。
(1)玉計数装置に貯玉カードを挿入し、獲得玉を計数して貯玉カードに対応させて記憶させることで遊技店に預ける。
(2)玉計数装置で獲得玉を計数し、例えば、計数結果が印字されたレシート(磁気カードでもよい)を持って、カウンタに行き、レシートに記録された玉数以内で、所望の景品に交換するとともに、その時に発生した端数玉を、店員により貯玉カードを用いて遊技店に預け入れる。この場合、景品に交換せず、全部貯玉してもかまわない。
【0004】
そして、遊技者が遊技を行うときには、遊技機に隣接した貯玉貸出可能な玉貸装置に貯玉カードを挿入するとともに、暗証番号を入力して認証を受け、認証完了後、玉貸装置による貯玉の引き出し(貸し出し)を行い、その引き出した貯玉で遊技を行う(下記の特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−137844号公報
【0005】
このように、貯玉貸出システムでの玉貸装置には暗証番号入力器が備えてあり、遊技者はその玉貸装置から玉貸を受けるときは、貯玉カードを挿入して暗証番号を入力する必要がある。暗証番号の入力により、貯玉情報を管理している情報処理装置がその貯玉カードの正当性を判定し正当性が認められた場合に、それ以降の貯玉による玉貸しを可能とする。
【0006】
しかし、遊技者は、その日の気分や、遊技状態によって、例えば負けが込んでいれば一発逆転が行える遊技機を選択するといったように、幾度も遊技機を変えるものであり、また、試し打ちで始動口への玉の流れをチェックしてから遊技機を選択することも多々あり、一方遊技機を変えることは玉貸装置を変えることになり、このことはすなわち玉貸装置に貯玉カードを挿入する度に暗証番号も入力するということである。したがって、貯玉からの玉貸しに関するセキュリティは十分に確保できるものの、極めて煩雑な手順を幾度も遊技者に強いることとなり、このような状況を改善してほしいという要請も強くなりつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は上記に鑑み提案されたもので、セキュリティ性を十分に確保しながらも、貯玉からの玉貸を簡単に受けることができる貯留価値貸出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、貯玉カードの各種情報をその貯玉カードに対応して記憶するカードファイルを管理する情報管理装置と、貯玉カードを介して貯玉の預け入れ引き出しを行う端末装置と、を備え、遊技者が獲得した遊技玉を貯玉として遊技店に預け入れ、該貯玉から貸玉を受けたり景品に交換したりすることができる遊技店の貯留価値貸出システムにおいて、前記カードファイルは、前記貯玉カードを特定する貯玉カード番号と、前記貯玉カードの所有者を確認するための暗証番号と、前記貯玉カード番号により特定される貯玉数のうち、認証を経て引出可能となる第1の貯玉数と、前記貯玉カード番号により特定される貯玉数のうち、認証無しに引出可能な第2の貯玉数と、を少なくとも備え、前記情報管理装置は、前記カードファイルを記憶する記憶手段と、前記端末装置から送られてきた貯玉カード番号および暗証番号と、前記カードファイルに対応して記録された貯玉カード番号および暗証番号との照合により認証を行う認証手段と、前記認証を経た後、前記端末装置で入力されて送られてきた前記第2の貯玉数の申請を受け付ける申請受付手段と、前記貯玉カード番号により特定される第1の貯玉数の範囲内で、前記申請された第2の貯玉数に基づく貯玉数の移動を前記第1の貯玉数から行う貯玉移動手段と、前記端末装置から前記第2の貯玉数の範囲内での貯玉引出要求があったとき、認証無しにその貯玉引出を許可するとともに、前記カードファイルの第2の貯玉数について該貯玉引出結果の更新を行う更新手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明の貯留価値貸出システムでは、遊技者は、貯留遊技価値の貸出を受ける際に、先ず情報媒体の認証を受けた上でその日に使用する所望の遊技価値分を申請し、その後は情報媒体の装着に基づくその遊技価値分からの貸出要求を行っても情報媒体の認証を経ずして貸出を受けることができるようにしたので、情報媒体を装着する度に行っていた認証操作を省くことができ、したがって貯留遊技価値からの貸出を簡単に受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下にこの発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は遊技店内の情報処理システムの構成を概略的に示す図である。図において、ネットワーク回線4には、島設備3…、玉計数装置5、景品交換装置6、貯玉数申請精算装置7、カード発行装置8および情報処理装置9が接続してあり、これらにより遊技店の情報処理システムが構築されている。
【0012】
この情報処理システムでは、情報処理装置9を中心として情報の送受信が行われる。すなわち、情報処理装置9は、ネットワーク回線4を介して、各島設備3、玉計数装置5、景品交換装置6、貯玉数申請精算装置7、およびカード発行装置8に対して情報を送信し、また逆にこれらの各島設備3や各装置5,6,7,8からの情報を受信する。なお、情報の送受信には、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)の代表的な接続方式であるトークン・リング方式あるいはイーサネット(登録商標)方式等が用いられる。
【0013】
上記の島設備3は、貯玉貸出機能付玉貸装置(以下、「玉貸装置」という)1を併設したパチンコ機2を複数対並べて構成したものであり、遊技店内に複数、列設される。これらの島設備3…は、島設備3毎に配置した中継装置3a…を介してそれぞれネットワーク回線4に接続されている。
【0014】
玉貸装置1の情報は、中継装置3a経由で情報処理装置9に送信され、情報処理装置9の情報は、その逆の経路で玉貸装置1に送信される。中継装置3aは、玉貸装置1…に対しては、ポーリング処理によって情報を中継している。
【0015】
カード発行装置8は、遊技店のカウンタ20に配置してあり、貯玉カード(以下、単に「カード」という)Cを発行するための装置である。このカードCは、例えば情報を電気的に記憶可能なICカードから成る会員カードであり、玉貸装置1、玉計数装置5、景品交換装置6および貯玉数申請精算装置7に装着して使用される。
【0016】
カード発行装置8でカードCを発行する際に、カウンタ20の店員は、遊技者の身元を運転免許証等で確認し、また所有者を確認するための暗証番号を遊技者によりキー入力してもらう。そして、カードCに予め書き込まれている貯玉カードNo.、遊技者により入力してもらった暗証番号、また店員がキー入力した所有者の住所・氏名・誕生日等は、カード発行装置8から情報処理装置9に送信され、情報処理装置9により管理される。そして、カード発行装置8よりカードCが発行される。
【0017】
なお、カードCの発行に際しては、所定の補償金を徴収してもよい。また、カードCは、記憶する情報量が多い点及びセキュリティの確実性等の点で、ICカードを用いる。また、情報処理装置9がカード情報を一元的に管理しているので、磁気カード等でもよい。
【0018】
情報処理装置9は、カード発行装置8からの情報に基づいて、図2に示すような貯玉カードファイルFを作成する。この貯玉カードファイルFは、暗証番号、貯玉カードNo.(貯玉カード番号)、申請貯玉数、使用日、貯玉数、氏名・住所、来店回数、および使用端末の各欄から構成されている。
【0019】
ここで、申請貯玉数とは、詳細は後述するように、遊技者がその日に使用すべく貯玉数申請精算装置7を用いて申請し、カードCに記録される貯玉数をいう。なお、作成当初は、申請貯玉数、貯玉数、来店回数の各欄の数値は「0」である。
【0020】
玉計数装置5は、遊技者が獲得したパチンコ玉を計数するための装置であり、計数したパチンコ玉数は、玉計数装置5に装着したカードCに対応する、情報処理装置9側の貯玉カードファイルFの中の該当貯玉情報に加算される。あるいは単に、レシートRに景品交換玉数として印字される。
【0021】
ここで、貯玉とは、遊技者が獲得した遊技玉のうち、景品に交換しない分を遊技店に預け入れることをいい、遊技者は、この貯玉から貸玉を受けたり、景品に交換したりすることができる。
【0022】
景品交換装置6は、景品交換装置6に装着したカードCに対応する、貯玉カードファイルFの中の該当貯玉情報に基づいて、パチンコ玉を景品に変換する操作を、遊技者の希望に応じて行うものである。このときの変換分は、上記の貯玉カードファイルFの中のカードCに対応する貯玉情報から減算される。
【0023】
貯玉数申請精算装置7は、カードCに申請貯玉数を記録したり、その記録した申請貯玉数の精算を行うための装置であり、その詳細は後述する。
【0024】
上記構成の情報処理システムにおいて、この発明の貯留価値貸出システムは主に、貯玉数申請精算装置7と情報処理装置9と玉貸装置1とを用いて行われる。そこで、以下に、貯玉数申請精算装置7、情報処理装置9および玉貸装置1の各構成を図を用いて順に説明する。
【0025】
図3は貯玉数申請精算装置の外観を示す図、図4は貯玉数申請精算装置の内部構成を示すブロック図である。この貯玉数申請精算装置7は、箱状の筐体79の内部に後述する各種主要機器が収納されている。
【0026】
筐体79の上部には、その前に立つ操作者にとって手前側が低く奥側が高くなるような段差が形成してあり、さらにその段差部分手前側の底面7aは手前側が少し下がるように傾斜させてあり、その底面7aに設けた表示装置72が操作者に見やすいようになっている。この表示装置72の画面には、操作者の指等の接触により、所望の指示を与えるタッチパネル(タッチ入力装置)72aを取り付けてあり、操作者が表示装置72に表示された画面の指示に従って、容易に操作を行えるようになっている。また、この底面7aには、操作を音声で案内するためのスピーカ73が設けてある。
【0027】
筐体79の段差を形成する立上がり面7bに、カードCが挿入されるカード挿入口71aが設けてあり、操作者によるカード挿入動作が容易に行えるようになっている。カード挿入口71aの内部には、カード挿入口71aに挿入されたカードCに対する情報の読み取り書き込みを行うカードリーダライタ制御装置71が設けてある。
【0028】
筐体79の内部には、貯玉数申請精算装置7の全体動作を制御する主制御部70(図4)と、主制御部70と外部の情報処理装置9との間の通信制御を行う通信制御装置75(図4)とが配置してある。
【0029】
上記の主制御部70は、図4に示すように、CPU701を中心に構成されており、CPU701は、クロック704からのクロック信号の入力タイミングに基づいて、ROM702に記憶してある所定のプログラムを順次実行する。そのプログラム実行時には、必要に応じてワークエリアとしてのRAM703に対して情報の書き込みや読み取りを行っている。
【0030】
上記のCPU701には、インターフェイス705を介して、外部記憶装置709とサウンドジェネレータ706とが接続してある。外部記憶装置709は必要な情報の記憶・保存を行い、サウンドジェネレータ706は、CPU701からの信号を受けて音声信号に変換し、アンプ707を用いて増幅し、スピーカ73から案内用音声として出力する。
【0031】
また、CPU701には、インターフェイス705を介して、表示装置72、タッチ入力装置72a、カードリーダライタ制御装置71、通信制御装置75、およびLEDランプ76がそれぞれ接続してあり、CPU701は、これらの周辺装置との間で、情報の授受を行い、貯玉数申請精算装置7の動作全体を制御している。
【0032】
図5は情報処置装置の構成を示すブロック図である。図において、情報処理装置9は、主制御部90と、表示装置91等の周辺装置とから構成されている。
【0033】
主制御部90は、CPU901を中心に構成されており、CPU901は、クロック904からのクロック信号の入力タイミングに基づいて、ROM902に記憶してある所定のプログラムを順次実行する。そのプログラム実行時には、必要に応じてワークエリアとしてのRAM903に対して情報の書き込みや読み取りを行う。またCPU901は、時計IC711がクロック904からのクロック信号に基づいて計算した日付情報を用いて、当日であるかどうかの判別を行っている。
【0034】
上記のCPU901には、インターフェイス905を介して、大容量の外部記憶装置909が接続してあり、この外部記憶装置909は必要な情報の記憶・保存を行う。
【0035】
また、上記のCPU901には、インターフェイス905を介して、表示装置91、入力装置92、通信制御装置93、およびプリンタ94が周辺装置として接続してあり、CPU901は、これらの周辺装置との間で、情報の送受を行い、情報処理装置9の動作を制御する。通信制御装置93は、主制御部90と、外部の中継装置3aや貯玉数申請精算装置7等との間の通信制御を行っている。
【0036】
図6は玉貸装置およびパチンコ機の正面図である。上述したように、パチンコ機2にはその一側端に玉貸装置1が併設してある。
【0037】
パチンコ機2は、その前面に遊技盤21を設けてあり、その遊技盤21の下方には、賞玉や玉貸装置1による貸玉を貯留するための上皿22を設けてあり、その上皿22の下方には、上皿22がパチンコ玉で一杯のときに、賞玉を受けたり、上皿22からパチンコ玉を移動させて一時的に貯留したりする下皿23と、上皿22から誘導されたパチンコ玉を所望の発射勢で打球するための発射操作ハンドル24とが設けてある。
【0038】
玉貸装置1には、その前面の上部に硬貨投入口11aを設けてあり、その下方には、後述のカード挿入口15aに挿入したカードCから玉を貸し出すための、1回押すと所定個数の貸玉を受けることができる玉貸スイッチ12と、後述のカード挿入口15aに挿入したカードCを取り出すためのカード返却スイッチ13とが上下に設けてあり、その下方には貸玉を上皿22に案内する玉貸出樋14aが回動可能に取り付けてあり、さらにその下方にはカードCを挿入するカード挿入口15aが設けてある。
【0039】
図7は玉貸装置の内部構成を示すブロック図である。玉貸装置1の内部には、CPU101を中心に構成した主制御部10が設けてあり、CPU101は、クロック104からのクロック信号の入力タイミングに基づいて、ROM102に記憶してある所定のプログラムを順次実行する。そのプログラム実行時には、必要に応じてワークエリアとしてのRAM103に対して情報の書き込みや読み取りを行っている。
【0040】
上記のCPU101には、インターフェイス105を介して、上記の玉貸スイッチ12、返却スイッチ13、およびLEDランプ16が接続されている。また、上記CPU101には、各種装置が周辺装置として接続されている。すなわち、カード挿入口15aに装着のカードCから情報を読み取るとともにカードCに対して情報を書き込むカードリーダライタ制御装置15、硬貨投入口11aに投入された硬貨の真偽および金額を鑑定する貨幣装置11、玉貸出樋14aへの貸玉払い出しを行うための玉払出装置14、および中継装置3aとの間での通信制御を行う通信制御装置17が、インターフェイス105を介してそれぞれ接続されており、CPU101は、これらの周辺装置との間で、情報の送受を行い、玉貸装置1全体の動作を制御している。
【0041】
この発明の貯留価値貸出システムは、詳細は後述するように、貯玉数申請精算装置7と情報処理装置9と玉貸装置1とによって実現するものであり、貯玉数申請精算装置7側のCPU701がROM702のプログラムに従って、また情報処理装置9側のCPU901がROM902のプログラムに従って、さらに玉貸装置1側のCPU101がROM102のプログラムに従ってそれぞれ実行することによるソフトウェアの機能を含めて構成されている。
【0042】
図8および図9は貯玉数申請精算装置にカードCを装着したときの表示装置での案内画面を示す図である。
【0043】
上記構成の貯玉数申請精算装置7において、遊技者がカードCをカード挿入口71aに挿入すると、表示装置72の画面には、先ず図8(A)に示すような、「いらっしゃいませ。貯玉カードを挿入して暗証番号を入力して下さい。」という案内表示と、暗証番号を入力するための0〜9の数字キーおよび確定キーの表示がなされる。
【0044】
その案内に従って遊技者がタッチ入力により暗証番号を入力し確定キーを押すと、画面が切り替わり、図8(B)に示すような、「照合中。しばらくお待ち下さい」の表示がなされる。この待機期間中に、暗証番号等に基づくカードCの認証が行われ、認証が正常に完了すると、再び画面が切り替わって、図8(C)に示すような、「精算か、申請か、どちらかを選択して下さい。」の案内と、「精算」と「申請」の表示がなされる。
【0045】
ここで、遊技者が、本日申請予定の貯玉数(貸玉数)を現在遊技店側に預け入れている貯玉からカードCに登録したいときは、「申請」を押し、また、その段階でカードCに残っている当日の残貯玉数を再度遊技店側に貯玉として預け入れ、精算したいときは、「精算」を押すことになる。
【0046】
遊技者が「申請」を押してタッチ入力すると、画面が切り替わって、図8(D)に示すような、「○○様、現在の貯玉数は、△△△△△個です。本日の申請予定の貯玉数を入力して下さい。」の案内と、申請貯玉数を入力するための0〜9の数字キー、キャンセルキーおよび確定キーの表示がなされる。
【0047】
その案内に従って遊技者がタッチ入力により、本日申請予定の貯玉数を入力し、確定キーを押すと、画面が切り替わり、図8(E)に示すような、「登録中。しばらくお待ち下さい。」の表示がなされる。この待機期間中に、申請のあった貯玉数が現在預け入れられている貯玉数を越えていないかどうかの確認が行われ、越えていなければ、装着されているカードCにその申請貯玉数を書き込んで登録する。
【0048】
登録が完了すると、画面が切り替わり、図8(F)に示すような、「カードをお取り下さい。登録した貯玉数は本日のみ有効ですので、残がある場合は、精算して下さい。」の案内表示がなされる。遊技者は、その案内に従ってカード挿入口71aから排出されたカードCを取り出し、その後パチンコ機2の前に座って隣の玉貸装置1のカード挿入口15aにカードCを装着し、カードCに登録した貯玉数から貸玉を受け取り、その貸玉でパチンコ機2での遊技を行う。
【0049】
一方、図9(A)(図8(C))の「精算」か「申請」かの選択で、遊技者が「精算」を押してタッチ入力すると、画面が切り替わって、図9(B)に示すような、「申請貯玉数は、△△△△△個です。精算中です。しばらくお待ち下さい。」の表示がなされる。この待機期間中に、カードCに残っている残貯玉数を再度遊技店側に預け入れ、カードCに登録されている貯玉数を「0」にする精算処理がなされる。
【0050】
精算処理が完了すると、画面が切り替わり、図9(C)に示すような、「○○様 申請残貯玉数△△△△△個を貯玉しました。現在の総貯玉数は□□□□□個です。」の表示がなされる。この表示によって、遊技者はカードCに残っていた残貯玉のすべてが再度預け入れられ、カードCに登録された貯玉は「0」すなわち精算されたことを知ることができる。
【0051】
その後さらに画面が切り替わり、図9(D)に示すような、「カードをお取り下さい。ありがとうございました。」の案内表示がなされるので、遊技者は、その案内に従ってカード挿入口71aから排出されたカードCを取り出し、一連の操作を完了する。
【0052】
次に、貯玉数申請精算装置7にカードCの装着があったときに貯玉数申請精算装置7のCPU701が行う、貯玉数申請精算制御の手順を図10〜図13を用いて詳細に説明する。CPU701による制御は、貯玉数申請精算装置7の電源投入と同時に開始され、電源が投入されている限り繰り返してその処理が実行される。
【0053】
なお、貯玉数申請精算装置7は、情報処理装置9からの情報を受信すると、その受信情報をメモリに記憶する受信処理(図10の割込処理ルーチンでのステップS201)を割込処理として行い、必要に応じてその情報を取り出し各処理を実行している。
【0054】
図11、図12および図13は貯玉数申請精算装置での貯玉数申請精算制御のメインルーチンを示すフローチャートである。メインルーチンが起動すると、まずステップS1で初期化処理を行う。これにより、RAM103のワーキングエリアがクリアされたり、貯玉数申請精算装置7を構成する各機器のイニシャライズが行われる。
【0055】
次のステップS2では、ネットワークの回線テスト、例えば通信制御装置75を経由しての情報処理装置9との間での回線テストを行う。
【0056】
続いてステップS3では、情報処理装置9から開店指令が送信されてくるまで待機し、開店指令を受信すると、次のステップS4に進む。
【0057】
ステップS4では、カード挿入口71aにカードCの挿入(装着)があるまで待機し、カードCの挿入があれば、次のステップS5に進む。
【0058】
ステップS5では、カードリーダライタ制御装置71が読み取った、予めカードCに記憶されているセキュリティ情報が正常であるか否かの判別を行い、正常であればステップS6に進み、異常であればステップS12に分岐する。
【0059】
ステップS12では、カードCが異常であるとしてカードCの排出を行い、続いてステップS13で、異常情報を情報処理装置9に送信し、その後ステップS4に戻って、次のカードCの挿入があるまで待機する。
【0060】
一方、ステップS6では、カードCが正常であるとして、上記した図8(A)に示すような暗証番号の入力を案内する画面を表示する処理を行い、暗証番号がタッチ入力されるのを待機し、次のステップS7に進む。
【0061】
ステップS7では、タッチ入力による暗証番号の入力処理を行い、次のステップS8に進む。
【0062】
ステップS8では、案内画面の「確定」が押されて暗証番号の入力が終了したか否かの判別を行い、押されていなければ、ステップS7,S8を繰り返し実行して待機し、押されていれば、暗証番号が確定したとして、次のステップS9に進む。
【0063】
ステップS9では、入力された暗証番号と、カードCから読み込んだカード情報(カード番号等)とを情報処理装置9に送信し、次のステップS10に進む。
【0064】
このとき、情報処理装置9では、後述するように、暗証番号とカード情報とを受信し、貯玉カードファイルFから、受信したカード番号と同一のものを検索し、貯玉カードファイルFの当該カード番号に対応する暗証番号が、受信した暗証番号に一致するかどうかを判別し、一致したとき、カードCの確認(認証)が取れたとして「確認OK(カード正常)」情報を、貯玉数申請精算装置7に送信する。一致しないときは「確認不可(カード異常)」を貯玉数申請精算装置7に送信する。
【0065】
ステップS10では、情報処理装置9から「確認OK」を受信したか否かを判別し、「確認OK」の受信であれば次のステップS11に進み、「確認不可」の受信であればステップS14に分岐する。なお、この「確認OK」「確認不可」を受信するまでは、表示装置72には、「照合中」(図8(B))の画面を表示する。
【0066】
ステップS14では、カードCの確認が取れないとしてカードCを排出し、ステップS4に戻って、次のカードCが挿入されるまで待機する。
【0067】
ステップS11では、カードCの確認が取れたとして、表示装置72の画面を「精算」・「申請」の選択画面(図8(C))に切り替え、その画面で「申請」が押されたか否かの判別を行い、「申請」が押されていれば、次のステップS21(図12)に進み、そうではなく「精算」が押されていれば、ステップS31(図13)に分岐する。
【0068】
図12のステップS21では、上記した図8(D)に示すような案内画面を表示するとともに、申請貯玉数入力処理を行い、次のステップS22に進む。
【0069】
ステップS22では、案内画面の「確定」が押されて申請貯玉数の入力が終了したか否かの判別を行い、押されていなければ、ステップS21,S22を繰り返し実行して待機し、押されていれば、申請貯玉数の入力が確定したとして、次のステップS23に進む。
【0070】
ステップS23では、「申請」情報および申請貯玉数情報等を情報処理装置9に送信し、次のステップS24に進む。
【0071】
このとき、情報処理装置9では、後述するように、「申請」情報と申請貯玉数情報とを受信し、申請貯玉数が、カードCに対応する、貯玉カードファイルFの中の該当貯玉数を越えていないかどうかを判定し、越えていなければ「確認OK(申請OK)」を貯玉数申請精算装置7に送信する。一致しないときは「確認不可(申請不可)」を貯玉数申請精算装置7に送信する。
【0072】
ステップS24では、情報処理装置9から「確認OK」を受信したか否かを判別し、「確認OK」の受信であれば次のステップS25に進み、「確認不可」の受信であればステップS26に分岐する。
【0073】
ステップS25では、申請分の確認OKが取れたとして、表示装置72の画面を「登録中」の画面(図8(E))に切り替えその申請貯玉数をカードCに書き込んで登録するとともに、そのカードCをカード挿入口71aから排出する処理を行い、その後ステップS4に戻って、次のカードCが挿入されるまで待機する。なお、カードC排出時には、画面を図8(F)に示すような、申請貯玉数は本日のみ有効であり、残がある場合は精算する旨を知らせるメッセージ画面に切り換えている。
【0074】
ステップS26では、申請分の確認不可であるとして、そのままカードCを排出する処理を行い、その後ステップS4に戻って、次のカードCが挿入されるまで待機する。
【0075】
図13のステップS31では、「精算」情報および残貯玉数情報等を情報処理装置9に送信し、次のステップS32に進む。
【0076】
このとき、情報処理装置9では、後述するように、「精算」情報と残貯玉数情報とを受信し、残貯玉数が当日申請され付加されたものであるかどうかの判定を行い、当日のものであれば、カードCに対応する、貯玉カードファイルFの中の該当貯玉数にその残貯玉数を加算し、「精算OK」を貯玉数申請精算装置7に送信する。当日のものでないときは「精算不可」を貯玉数申請精算装置7に送信する。
【0077】
ステップS32では、情報処理装置9から「精算OK」を受信したか否かを判別し、「精算OK」の受信であれば次のステップS33に進み、「精算不可」の受信であればステップS34に分岐する。
【0078】
ステップS34では、精算不可、すなわち残貯玉数が当日申請され付加されたものでないため、異常である旨を報知する処理を行い、ステップS33に進む。
【0079】
ステップS33では、カードCから残貯玉数を消去し精算する処理を行い、またカードCをカード挿入口71aから排出する処理を行う。その後ステップS4に戻って、次のカードCが挿入されるまで待機する。
【0080】
このとき、表示装置72の画面には、「精算中」の画面(図9(B))、遊技店側に預け入れた総貯玉数を知らせる画面(図9(C))、そしてカードCをカード挿入口71aから抜き取るように案内する画面(図9(D)が、順次表示される。
【0081】
次に、上記情報処理装置9のCPU901によって行われる制御の手順を図14〜図17を用いて詳細に説明する。CPU901による制御は、情報処理装置9の電源投入と同時に開始され、電源が投入されている限り繰り返してその処理が実行される。
【0082】
なお、情報処理装置9は、貯玉数申請精算装置7、玉計数装置5、景品交換装置6等の各装置(端末)からの情報を受信すると、その受信情報をメモリに記憶する受信処理(図14の割込処理ルーチンでのステップS211)を割込処理として行い、必要に応じてその情報を取り出し各処理を実行している。
【0083】
図15は情報処理装置による制御のメインルーチンを示すフローチャートである。メインルーチンが起動すると、まずステップS41で初期化処理を行う。これにより、RAM903のワーキングエリアがクリアされたり、情報処理装置9を構成する各機器のイニシャライズが行われる。
【0084】
次のステップS42では、ネットワークで接続されている貯玉数申請精算装置7や玉貸装置1等の各装置との間での回線をつなぐための回線テストの開始指令が、例えばキーボード操作によってなされるまで待機し、その回線テスト指令が有れば、次のステップS43に進む。
【0085】
ステップS43では、各装置との間での回線テスト処理を行い、次のステップS44に進む。
【0086】
ステップS44では、回線テストが正常に完了したか否か、すなわち各装置との回線が正常につながったかどうかを判別し、回線テストの結果が正常であればステップS45に進み、異常であればステップS52に分岐して回線異常処理が完了するまで待機する。
【0087】
ステップS45では、各装置に対して開店を指令する入力が、例えばキーボード操作によってなされるまで待機し、その開店を指令する入力が有れば、次のステップS46に進む。
【0088】
ステップS46では、各装置に対する開店指令信号を送信する開店処理を行い、次のステップS47に進む。
【0089】
ステップS47では、貯玉数申請精算装置7との間での情報処理を行う貯玉数申請精算処理サブルーチン(図16、図17)を実行し、次のステップS48に進む。
【0090】
ステップS48では、貯玉カードファイルの管理等を行う貯玉カードファイル管理処理を実行し、次のステップS49に進む。
【0091】
ステップS49では、情報処理装置9の表示装置91でのディスプレイ表示を行う情報表示処理を実行し、次のステップS50に進む。
【0092】
ステップS50では、玉計数装置5との間での情報処理を行う玉計数装置処理を実行し、次のステップS51に進む。
【0093】
ステップS51では、景品交換装置6との間での情報処理を行う景品交換装置処理を実行し、その後ステップS47に戻り、ステップS47〜ステップS51を繰り返し実行する。
【0094】
図16および図17は貯玉数申請精算処理サブルーチンを示すフローチャートである。貯玉数申請精算処理では、先ずステップS61において、貯玉数申請精算装置7から送信されてきた情報が有るか否かの判別を行い、該当する情報が無ければ、メインルーチンに復帰し、該当する情報が有れば、次のステップS62に進む。
【0095】
ステップS62では、貯玉数申請精算装置7からの情報が、貯玉カードファイルFをチェックするための情報、すなわち暗証番号とカード情報(図11のステップS9で送信された情報)であるかどうかの判別を行い、暗証番号とカード情報であればステップS64に分岐し、暗証番号とカード情報でなければ次のステップS63に進む。なお、カード情報はカードCに記憶されているカード番号等から成る。
【0096】
ステップS64では、受信したカード番号と同一のものを貯玉カードファイルFから検索し、次のステップS65に進む。
【0097】
ステップS65では、貯玉カードファイルFから検索した当該カード番号に付与されている暗証番号が、受信した暗証番号に一致するかどうかの比較を行い、暗証番号が一致すればカードCの確認が取れたとしてステップS68に分岐し、一致しなければカードCの確認が取れなかったとしてステップS66に進む。
【0098】
ステップS66では、異常来歴ファイルに今回の確認不可の結果を記録し、次のステップS67に進む。
【0099】
ステップS67では、「カード異常(確認不可)」を貯玉数申請精算装置7に送信し、その後メインルーチンに復帰する。
【0100】
一方、ステップS68では、「確認OK」を貯玉数申請精算装置7に送信し、次のステップS69に進む。
【0101】
ステップS69では、今回送信してきたカード情報を記憶し、次のステップS70に進む。
【0102】
ステップS70では、フラグAをセットし、その後メインルーチンに復帰する。
【0103】
ステップS63では、フラグAがあるか否かの判別を行い、フラグAが有ればステップS71に分岐し、フラグAが無ければそのままメインルーチンに復帰する。
【0104】
ステップS71では、「申請」情報が送られてきているか否かの判別を行い、「申請」情報が送られてきていればステップS72に進み、送られてきていなければステップS76(図17)に分岐する。
【0105】
ステップS72では、申請貯玉数が、カードCに対応する、貯玉カードファイルFの中の該当貯玉数を越えていないか否か、すなわち申請分の貯玉数が有るか否かの判別を行い、申請分の貯玉数が有れば次のステップS73に進み、申請分の貯玉数が無ければステップS75に分岐する。
【0106】
ステップS73では、カードCに対応する、貯玉カードファイルFの中の該当貯玉数情報から申請分を減算してその貯玉数情報を更新し、次のステップS74に進む。
【0107】
ステップS74では、「確認OK(申請OK)」を貯玉数申請精算装置7に送信し、その後メインルーチンに復帰する。
【0108】
ステップS75では、「確認不可(申請不可)」を貯玉数申請精算装置7に送信し、その後メインルーチンに復帰する。
【0109】
ステップS76では、「精算」情報が送られてきているので、カードCに付加されている貯玉数がその日に付加されたものであるか否かの判別を行い、その日に付加されたものであればステップS77に進み、その日に付加されたものでなければ、ステップS79に分岐する。
【0110】
ステップS77では、カードCに対応する、貯玉カードファイルFの中の該当貯玉数情報に、今回精算のために送られてきている貯玉数情報を加算して更新し、次のステップS78に進む。
【0111】
ステップS78では、「精算OK」を貯玉数申請精算装置7に送信し、その後メインルーチンに復帰する。
【0112】
ステップS79では、「精算不可」を貯玉数申請精算装置7に送信し、その後メインルーチンに復帰する。
【0113】
図18および図19は玉貸装置による貯玉に基づく玉貸制御のメインルーチンを示すフローチャートである。メインルーチンが起動すると、まずステップS91で初期化処理を行う。これにより、RAM103のワーキングエリアがクリアされたり、玉貸装置1を構成する各機器のイニシャライズが行われる。
【0114】
次のステップS92では、ネットワークの回線テスト、例えば通信制御装置17を経由しての情報処理装置9との間での回線テストを行い、次のステップS93に進む。
【0115】
ステップS93では、情報処理装置9から開店指令が送信されてくるまで待機し、開店指令を受信すると、次のステップS94に進む。
【0116】
ステップS94では、カード挿入口15aにカードCの挿入があるまで待機し、カードCの挿入があれば、次のステップS95に進む。
【0117】
ステップS95では、カードリーダライタ制御装置15が読み取った、予めカードCに記憶されているセキュリティ情報が正常であるか否かの判別を行い、正常であればステップS96に進み、異常であればステップS99に分岐する。
【0118】
ステップS96では、申請によって書き込まれた貯玉数情報がカードCに有るか否かの判別を行い、貯玉数情報がカードCに有れば次のステップS97に進み、無ければステップS100に分岐する。
【0119】
ステップS97では、カードCに書き込まれている貯玉数情報をメモリに記憶し、次のステップS98に進む。
【0120】
一方、ステップS99では、異常情報を情報処理装置9に送信し、次のステップS100に進む。
【0121】
ステップS100では、カードCの排出を行い、その後ステップS94に戻って、次のカードCの挿入があるまで待機する。
【0122】
ステップS98では、返却スイッチ13がオンされたか否かの判別を行い、オンされていればステップS101に分岐し、オンされていなければ次のステップS103(図19)に進む。
【0123】
ステップS101では、返却スイッチ13がオンされたため貯玉からの玉貸を終了することを示す終了情報と、カード情報とを情報処理装置9に送信し、次のステップS102に進む。情報処理装置9では、これらの情報を受信し、例えばカード番号からカードC使用の端末装置を特定し、来歴管理を行っている。
【0124】
ステップS102では、メモリに記憶している貯玉数情報をカードCに書き込んでカードCの貯玉数情報を更新し、続いてそのカードCを排出し、その後ステップS94に戻って、次のカードCが挿入されるまで待機する。
【0125】
図19のステップS103では、玉貸スイッチ12がオンされたか否かの判別を行い、オンされていれば次のステップS104に進む。玉貸スイッチ12がオンされていなければステップS98に戻る。
【0126】
ステップS104では、玉貸スイッチ12の1回のオンで所定個数、例えば50個の玉貸を行うので、その単位分(50個)の貯玉数が有るか否かの判別を、メモリに記憶した貯玉数情報に基づいて判別し、単位分の貯玉数が有れば次のステップS105に進み、単位分の貯玉数が無ければステップS107に分岐する。
【0127】
ステップS105では、玉払出装置14に対して単位分の玉払出を指示し、次のステップS106に進む。
【0128】
ステップS106では、メモリの貯玉数情報から、今回払い出した単位分を減算して更新し、その後ステップS98に戻る。
【0129】
ステップS98に戻ると、ステップS98とステップS103とを繰り返し実行し、返却スイッチ13のオンか玉貸スイッチ12のオンがあるまで待機する。
【0130】
ステップS107では、メモリに記憶した貯玉数情報が「0」であるか否かの判別を行い、「0」でなければ次のステップS108に進み、「0」であればステップS108をスキップしてステップS109に進む。
【0131】
ステップS108では、玉払出装置14に対して、メモリに残っている貯玉数情報のすべてを払い出すように指示し、次のステップS109に進む。
【0132】
ステップS109では、メモリに記憶している貯玉数情報、この場合は「0」をカードCに書き込んでカードCの貯玉数情報を更新し、続いてそのカードCを排出し、次のステップS110に進む。
【0133】
ステップS110では、貯玉からの玉貸を終了することを示す終了情報と、カード情報とを情報処理装置9に送信する処理を行い、その後ステップS94に戻って、次のカードCが挿入されるまで待機する。
【0134】
図20は玉貸装置での割込処理ルーチンを示すフローチャートである。玉貸装置1は、貨幣投入があれば、ステップS221の貨幣による玉貸処理サブルーチン(玉払出装置14への払い出しの指示)を割り込みで実行し、また、情報処理装置9からの送信情報があれば、ステップS222の受信処理サブルーチンを割り込みで実行し、その送信情報をメモリに記憶する。
【0135】
以上述べたように、この実施形態では、遊技者は、先ず貯玉数申請精算装置7において、カードCの認証を受けた上でカードCに申請貯玉数を登録(記録)し、その後貯玉からの玉貸を受けるべく玉貸装置1にカードCを装着したとき、そのカードCの認証を経ずしてカードCに登録した申請貯玉数から玉貸を受けることができるようにしたので、玉貸装置1を変える度に暗証番号を入力する手間を省くことができ、したがって貯玉からの玉貸を簡単に受けることができる。
【0136】
また、カードCは、セキュリティ性が確実なICカードを用いているので、玉貸装置1を変えたときの暗証番号による認証を省略しても、セキュリティを十分に確保することができる。
【0137】
また、貯玉数申請精算装置7を用いてカードCに登録した申請貯玉数が、遊技で大当たりが発生した等によって、使用しきれずに残ったとしても、そのカードCを再度貯玉数申請精算装置7に装着することで、精算できるようにしたので、遊技者は、その日に使用するであろう貯玉数を気楽に申請することができる。
【0138】
さらに、カードCに登録する申請貯玉数やその残貯玉数は、当日限り有効としたので、その申請貯玉数や残貯玉数の改竄等は不可能であり、この点からもセキュリティを十分に確保することができる。
【0139】
上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機2を例として挙げて説明したが、遊技玉を使用する他の遊技機、例えばアレンジボール式遊技機や、雀球遊技機、遊技メダル・遊技コインを使用するパチスロ遊技機等にも同様に適用することができる。また、予め封入されているパチンコ球を循環使用する封入球式遊技機にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】遊技店内の情報処理システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】貯玉カードファイルを示す図である。
【図3】貯玉数申請精算装置の外観を示す図である。
【図4】貯玉数申請精算装置の構成を示すブロック図である。
【図5】情報処置装置の構成を示すブロック図である。
【図6】玉貸装置およびパチンコ機の正面図である。
【図7】玉貸装置の構成を示すブロック図である。
【図8】貯玉数申請精算装置にカードCを装着したときの表示装置での案内画面を示す図である。
【図9】貯玉数申請精算装置にカードCを装着したときの表示装置での案内画面を示す図である。
【図10】貯玉数申請精算装置での割込処理ルーチンを示す図である。
【図11】貯玉数申請精算装置での貯玉数申請精算制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図12】貯玉数申請精算装置での貯玉数申請精算制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図13】貯玉数申請精算装置での貯玉数申請精算制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図14】情報処理装置での割込処理ルーチンを示す図である。
【図15】情報処理装置による制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図16】貯玉数申請精算処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図17】貯玉数申請精算処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】玉貸装置による貯玉に基づく玉貸制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図19】玉貸装置による貯玉に基づく玉貸制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図20】玉貸装置での割込処理ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0141】
1 貯玉貸出機能付玉貸装置
12 玉貸スイッチ
13 返却スイッチ
14 玉払出装置
15 カードリーダライタ制御装置
15a カード挿入口
17 通信制御装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
105 インターフェイス
2 パチンコ機
3 島設備
3a 中継装置
4 ネットワーク回線
5 玉計数装置
6 景品交換装置
7 貯玉数申請精算装置
70 主制御部
71 カードリーダライタ制御装置
71a カード挿入口
72 表示装置
72a タッチ入力装置
75 通信制御装置
79 筐体
701 CPU
702 ROM
703 RAM
705 インターフェイス
8 カード発行装置
9 情報処理装置
91 表示装置
92 入力装置
93 通信制御装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
905 インターフェイス
C 貯玉カード
F 貯玉カードファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯玉カードの各種情報をその貯玉カードに対応して記憶するカードファイルを管理する情報管理装置と、貯玉カードを介して貯玉の預け入れ引き出しを行う端末装置と、を備え、
遊技者が獲得した遊技玉を貯玉として遊技店に預け入れ、該貯玉から貸玉を受けたり景品に交換したりすることができる遊技店の貯留価値貸出システムにおいて、
前記カードファイルは、
前記貯玉カードを特定する貯玉カード番号と、
前記貯玉カードの所有者を確認するための暗証番号と、
前記貯玉カード番号により特定される貯玉数のうち、認証を経て引出可能となる第1の貯玉数と、
前記貯玉カード番号により特定される貯玉数のうち、認証無しに引出可能な第2の貯玉数と、を少なくとも備え、
前記情報管理装置は、
前記カードファイルを記憶する記憶手段と、
前記端末装置から送られてきた貯玉カード番号および暗証番号と、前記カードファイルに対応して記録された貯玉カード番号および暗証番号との照合により認証を行う認証手段と、
前記認証を経た後、前記端末装置で入力されて送られてきた前記第2の貯玉数の申請を受け付ける申請受付手段と、
前記貯玉カード番号により特定される第1の貯玉数の範囲内で、前記申請された第2の貯玉数に基づく貯玉数の移動を前記第1の貯玉数から行う貯玉移動手段と、
前記端末装置から前記第2の貯玉数の範囲内での貯玉引出要求があったとき、認証無しにその貯玉引出を許可するとともに、前記カードファイルの第2の貯玉数について該貯玉引出結果の更新を行う更新手段と、
を備えることを特徴とする貯留価値貸出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−167489(P2006−167489A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−63448(P2006−63448)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【分割の表示】特願平8−274591の分割
【原出願日】平成8年10月17日(1996.10.17)
【出願人】(000132747)株式会社ソフィア (2,465)
【Fターム(参考)】