説明

走行軌跡生成方法及び走行軌跡生成装置

【課題】運転者の要求する通過時間及びその他の運転条件を満足した走行軌跡を導出することができる走行軌跡生成方法及び走行軌跡生成装置を提供する。
【解決手段】目標通過時間tと道路Dの道路境界線とに基づいた第1拘束条件を達成するように収束演算して走行軌跡を導出する第1収束演算部25と、第1拘束条件を達成している状態において、所定の運転条件を優先させるための評価関数J3を収束演算して走行軌跡を導出する走行軌跡導出部26とを備え、目標通過時間tと道路Dの道路境界線とに基づいて設定した第1拘束条件を満たすように走行軌跡を収束演算させて、当該第1拘束条件を満たす状態で、所定の運転条件を優先させるための評価関数J3を収束演算して走行軌跡を導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行軌跡生成方法及び走行軌跡生成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行軌跡を生成する方法は、例えば、予測される走行軌跡を運転者にディスプレイ等を通じて提供する装置に採用されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の装置は、道路形状と自車両の走行速度とに基づいて走行軌跡を導出し、導出した走行軌跡をフロントガラス等に投影して運転者に提供する装置である。
【特許文献1】特開2005−228139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の走行軌跡生成装置にあっては、道路形状と自車両の走行速度とに基づいて走行軌跡を導出しているため、最速で到達又は通過する走行軌跡を導出することはできても、その他の要求を同時に取り入れた走行軌跡、例えば通過時間と共に、運転者の要求する燃費を考慮した走行軌跡を導出することは困難である。
【0004】
そこで、本発明はこのような技術課題を解決するためになされたものであって、運転者の要求する通過時間及びその他の運転条件を満足した走行軌跡を導出することができる走行軌跡生成方法及び走行軌跡生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明に係る走行軌跡生成方法は、所定の目標通過時間と道路境界線とに基づいた第1拘束条件を達成するように収束演算して走行軌跡を導出する第1収束演算ステップと、第1拘束条件を達成している状態において、所定の運転条件を優先させるための評価関数を収束演算して走行軌跡を導出する走行軌跡導出ステップとを備えて構成される。
【0006】
この発明によれば、所定の目標通過時間と道路境界線とに基づいた第1拘束条件を達成するように収束演算して走行軌跡を導出し、第1拘束条件を達成している状態において、所定の運転条件を優先させるための評価関数を収束演算して走行軌跡を導出する。これにより、目標通過時間を満たしながら、その条件が満たされる範囲内で、評価関数で定めた所定の運転条件を最も満たすことができる走行軌跡を導出することができる。よって、運転者の要求する通過時間及びその他の運転条件を満足した走行軌跡を導出することが可能となる。
【0007】
なお、目標通過時間及びその他の運転条件を満足した走行軌跡を導出するために、最速となる走行軌跡と、その他の運転条件を最も満たすことができる走行軌跡とを導出し、両者の走行軌跡を運転者の要求に応じて重み付けして合算し、走行軌跡を導出する方法も考えられるが、この方法によって導出した走行軌跡は、運転者の要求するその他の運転条件をある程度考慮した走行軌跡にはなるものの、幾何学的な折衷案となる傾向があり、設定した重み付けが十分に反映された走行軌跡にならない場合もある。そこで、本発明では目標通過時間を拘束条件の一つとし、運転条件を評価関数として最適化を行う。これにより、幾何学的な折衷案とならずに理想的な走行軌跡を生成できる。
【0008】
また、走行軌跡生成方法において、走行軌跡導出ステップは、評価関数として、低燃費走行を優先させるための評価関数を用いることが好適であり、このように構成することで、運転者の要求する通過時間及び燃費を反映させた走行軌跡を導出することができる。
【0009】
さらに、運転条件として燃費を指定する場合において、道路境界線に基づいた第2拘束条件を達成するように収束演算して走行軌跡を導出する第2収束演算ステップと、第2拘束条件を達成している状態において、所定区間の通過時間を優先させるための評価関数を収束演算して最速走行軌跡を導出する最速走行軌跡導出ステップと、第2拘束条件を達成している状態において、低燃費走行を優先させるための評価関数を収束演算して低燃費走行軌跡を導出する低燃費走行軌跡導出ステップと、最速走行軌跡から求められた最速通過時間と低燃費走行軌跡から求められた低燃費通過時間とに対して重み付けをして目標通過時間を算出する目標通過時間算出ステップと、を備え、第1収束演算ステップは、所定の目標通過時間として、目標通過時間算出ステップによって算出された目標通過時間を採用することが好適である。
【0010】
このように構成することで、最速走行軌跡と低燃費走行軌跡とに基づいて、それぞれの通過時間(最速通過時間、低燃費通過時間)を算出し、算出した両者の通過時間を運転者の要求に応じて重み付けすることで、目標通過時間を算出することができる。このため、算出した目標通過時間に基づいて走行軌跡を導出することで、運転者の要求する条件をより正確に反映させることが可能となる。
【0011】
また、本発明に係る走行軌跡生成装置は、所定の目標通過時間と道路境界線とに基づいた第1拘束条件を達成するように収束演算して走行軌跡を導出する第1収束演算部と、第1拘束条件を達成している状態において、所定の運転条件を優先させるための評価関数を収束演算して走行軌跡を導出する走行軌跡導出部と備えて構成される。
【0012】
ここで、走行軌跡生成装置において、走行軌跡導出部は、評価関数として、低燃費走行を優先させるための評価関数を用いることが好適である。
【0013】
さらに、運転条件として燃費を指定する場合において、走行軌跡生成装置は、道路境界線に基づいた第2拘束条件を達成するように収束演算して走行軌跡を導出する第2収束演算部と、第2拘束条件を達成している状態において、所定区間の通過時間を優先させるための評価関数を収束演算して最速走行軌跡を導出する最速走行軌跡導出部と、第2拘束条件を達成している状態において、低燃費走行を優先させるための評価関数を収束演算して低燃費走行軌跡を導出する低燃費走行軌跡導出部と、最速走行軌跡から求められた最速通過時間と低燃費走行軌跡から求められた低燃費通過時間とに対して重み付けをして目標通過時間を算出する目標通過時間算出部と、を備え、第1拘束演算部は、所定の目標通過時間として、目標通過時間算出部によって算出された目標通過時間を採用することが好適である。
【0014】
この各走行軌跡生成装置では、上記した各走行軌跡生成方法と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、運転者の要求する通過時間及びその他の運転条件を満足した走行軌跡を導出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
本実施形態に係る走行軌跡生成装置は、車両の走行軌跡を生成する装置であって、例えば、追従運転や車線維持運転などの自動運転機能を備えた車両や、走行安全性を向上させる運転者支援システムを搭載した車両に好適に採用されるものである。
【0018】
最初に、本実施形態に係る走行軌跡生成装置の構成を説明する。図1は本発明の実施形態に係る走行軌跡生成装置を備えた車両の構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示す車両5は、自動運転機能を備えた車両であって、GPS受信機30、センサ31、操作部32、ナビゲーションシステム33、ECU2、操舵アクチュエータ40、スロットルアクチュエータ41及びブレーキアクチュエータ42を備えている。ここで、ECU(Electronic Control Unit)とは、電子制御する自動車デバイスのコンピュータであり、CPU(CentralProcessing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および入出力インターフェイスなどを備えて構成されている。
【0020】
GPS受信機30は、例えば、運転者の位置情報を受信する機能を有している。ここで、GPS(Global Positioning System)とは、衛星を用いた計測システムのことであり、自車両の現在位置の把握に好適に用いられるものである。また、GPS受信機30は、位置情報をECU2へ出力する機能を有している。
【0021】
センサ31は、車両5の周囲の走行環境や、自車両の走行状態を取得する機能を有している。センサ31としては、例えば、車両5が走行する道路のレーンを認識するためのレーン認識センサや画像センサ、車両5の前方障害物を検知する電磁波センサやミリ波センサ、車両5のヨーレートを計測するヨーレートセンサ、車両5の車輪速を計測する車輪速センサ等が用いられる。また、センサ31は、取得した情報をECU2へ出力する機能を有している。
【0022】
操作部32は、運転者の要求する条件を入力する機能を有している。操作部32としては、例えば、目標通過時間や目標燃費等を入力する操作パネル等が用いられる。また、操作部32は、入力した情報をECU2へ出力する機能を有している。
【0023】
ナビゲーションシステム33は、主に目的地までの経路案内等を行う機能を有している。また、ナビゲーションシステム33は、例えば地図データベースから現在走行中の道路の形状情報を読み出し、その道路形状情報をナビ信号としてECU2へ出力する機能を有している。車両5は、ナビゲーションシステムの代わりとして、少なくとも道路形状情報を格納したデータベースを備え、そのデータベースに格納された道路形状情報をECU2へ出力する機能を有する構成としてもよい。また、通信を介して道路形状情報を参照し、参照した道路形状情報をECU2へ出力する機能を有する構成としてもよい。
【0024】
ECU2は、走行軌跡生成装置1、車両運動制御部27、操舵制御部28及び加減速制御部29を備えている。
【0025】
走行軌跡生成装置1は、車両5の走行軌跡を最適化して生成する機能を有している。本実施形態においては、走行軌跡生成装置1が実行する最適化手法の一例として、SCGRA[Sequential Conjugate Gradient Restoration Algorithm]を用いた例を説明する。SCGRAは、拘束条件を満たすまで最急降下法に基づいて収束演算し、評価関数の評価値が最小となるまで共役勾配法に基づいて収束演算して走行軌跡を生成する最適化手法である。ここで、拘束条件とは、走行軌跡が満たさなければならない必須条件であり、評価関数とは、走行において重視する条件を評価するためのものである。
【0026】
そして、走行軌跡生成装置1が生成する走行軌跡は、位置、速度パターン、加速度パターン、ヨー角、ヨーレートなどの車両の走行に必要な多数のパラメータから構成されている。このような走行軌跡の生成手法の一例として、本実施形態では、一つのカーブ路などをブロック単位とし、各ブロックでの走行軌跡を、走行路を分割した区間であるメッシュ単位で生成する例を説明する。
【0027】
走行軌跡生成装置1は、第2収束演算部21、最速走行軌跡導出部22、低燃費走行軌跡導出部23、目標通過時間算出部24、第1収束演算部25及び走行軌跡導出部26を備えている。
【0028】
第2収束演算部21は、ナビゲーションシステム33から道路境界線等の道路環境情報を入力し、入力した情報に基づいて第2拘束条件を設定する機能を有している。第2拘束条件は、例えば、道路上を走行する等の交通上の要求や、摩擦円、加減速限界、操舵限界等の車両性能から生じる要求に基づいて設定される。また、第2収束演算部21は、例えば最急降下法を用いて、設定した第2拘束条件を満たすまで収束演算して、第2拘束条件を満たす走行軌跡を生成する機能を有している。さらに、第2収束演算部21は、生成した第2拘束条件を満たす走行軌跡を第2拘束条件達成状態として保存すると共に、第2拘束条件達成状態を最速走行軌跡導出部22及び低燃費走行軌跡導出部23へ出力する機能を有している。
【0029】
最速走行軌跡導出部22は、第2収束演算部21から第2拘束条件及び第2拘束条件達成状態を入力し、入力した第2拘束条件を達成している状態で第2拘束条件達成状態を初期値として、最も短時間で所定のブロック(例えば、図3に示す出発地点Aから目標地点Bまでの区間)を通過する走行軌跡(最速走行軌跡)を導出する機能を有している。具体的には、ブロックの通過時間を評価関数として、例えば共役勾配法に基づいて収束演算を実施し、最速走行軌跡を生成する機能である。また、最速走行軌跡導出部22は、算出した最速走行軌跡を目標通過時間算出部24へ出力する機能を有している。
【0030】
低燃費走行軌跡導出部23は、第2収束演算部21から第2拘束条件及び第2拘束条件達成状態を入力し、入力した第2拘束条件を達成している状態で第2拘束条件達成状態を初期値として、最も低燃費で所定のブロックを通過する走行軌跡(低燃費走行軌跡)を導出する機能を有している。具体的には、ブロックの燃費を評価関数として、例えば共役勾配法に基づいて収束演算を実施し、低燃費走行軌跡を生成する機能である。また、低燃費走行軌跡導出部23は、算出した低燃費走行軌跡を目標通過時間算出部24へ出力する機能を有している。
【0031】
目標通過時間算出部24は、最速走行軌跡導出部22から最速走行軌跡を入力すると共に、低燃費走行軌跡導出部23から低燃費走行軌跡を入力し、最速走行軌跡で走行した場合のブロックの通過時間(最速通過時間)と、最燃費走行軌跡で走行した場合のブロックの通過時間(最燃費通過時間)とを算出する機能を有している。また、操作部32によって入力した目標通過時間や、目標燃費等に基づいて、最速通過時間と最燃費通過時間とを重み付けして合算し、ブロックの目標通過時間を算出する機能を有している。目標通過時間算出部24は、算出した目標塚時間を第1収束演算部25へ出力する機能を有している。
【0032】
第1収束演算部25は、ナビゲーションシステム33から道路境界線等の道路環境情報を入力すると共に、目標通過時間算出部24から入力した目標通過時間に基づいて、第1拘束条件を設定する機能を有している。第1拘束条件は、走行軌跡を生成する上で前提となる必須条件である点は第2拘束条件と同様であるが、目標通過時間の条件を含んでいる点が第2拘束条件と相違する。
【0033】
また、第1収束演算部25は、例えば最急降下法を用いて、設定した第1拘束条件を満たすまで収束演算して、第1拘束条件を満たす走行軌跡を生成する機能を有している。第1収束演算部25は、第2収束演算部21と同様にメッシュ単位で演算して走行軌跡を算出する。さらに、第1収束演算部25は、生成した第1拘束条件を満たす走行軌跡を第1拘束条件達成状態として保存すると共に、第1拘束条件達成状態を走行軌跡導出部26へ出力する機能を有している。
【0034】
走行軌跡導出部26は、入力した第1拘束条件を達成している状態で、第1拘束条件達成状態を初期値として所定の運転条件を満足する走行軌跡を導出する機能を有している。所定の運転条件とは、通過時間以外の条件であって、例えば、運転者の要求する燃費や、運転者の要求する走行の安全性や快適性を示す条件である。走行軌跡導出部26は、導出した走行軌跡を車両運動制御部27へ出力する機能を有している。
【0035】
車両運動制御部27は、走行軌跡導出部26から入力した走行軌跡及びセンサ31からの周囲の走行環境や自車両の走行状態に基づいて、操舵制御情報や加減速制御情報を算出する機能を有している。また、車両運動制御部27は、算出した操舵制御情報を操舵制御部28へ、算出した加減速制御情報を加減速制御部29へ出力する機能を有している。
【0036】
操舵制御部28は、車両運動制御部27から入力した操舵制御情報に基づいて操舵アクチュエータ40を制御するための信号を生成し、生成した制御信号を操舵アクチュエータ40へ出力する機能を有している。なお、操舵アクチュエータ40は、車両の走行を制御する機械的な構成要素であり、例えば、操舵角制御モータ等である。
【0037】
加減速制御部29は、車両運動制御部27から入力した加減速制御情報に基づいてスロットルアクチュエータ41及びブレーキアクチュエータ42を制御するための信号を生成し、生成した制御信号をスロットルアクチュエータ41及びブレーキアクチュエータ42へ出力する機能を有している。スロットルアクチュエータ41は、車両の走行を制御する機械的な構成要素であり、例えば電子スロットル等である。また、ブレーキアクチュエータ42は、例えば油圧式ブレーキの場合には、各車輪のブレーキ油圧の調整を行う機能を有したものである。
【0038】
次に、本実施形態に係る走行軌跡生成装置1の動作について説明する。図2は、本実施形態に係る走行軌跡生成装置1の動作を示すフローチャートである。また、図3は本実施形態に係る走行軌跡生成装置1の動作を説明するための概要図であり、走行軌跡を模式的に示すものである。なお、以下では、走行軌跡生成装置1が搭載された車両5をHV(Hybrid Vehicle)車として説明する。
【0039】
図2に示す制御処理は、例えばイグニッションオンされてから所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0040】
図2に示す制御処理が開始されると、走行軌跡生成装置1は、走行軌跡生成処理から開始する(S10)。S10の処理は、第2収束演算部21で実行され、ブロックの走行軌跡を、拘束条件を満足するように算出する処理である。最初に、第2収束演算部21は、道路境界線及び車両性能限界に基づいた拘束条件である第2拘束条件を設定する。第2収束演算部21は、例えば、ナビゲーションシステム33から道路境界線を含む道路環境情報を入力して、第2拘束条件を設定する。例えば、図3に示すように、出発地点Aから目標地点Bまで(ブロック)を走行する軌跡を生成する場合、第2収束演算部21は、出発地点Aと目標地点Bとを結ぶ道路Dの幅、傾斜、カーブ半径等を入力して、第2拘束条件を設定する。これにより、車両は、ブロックにおいては道路D上を走行しなければならないという、最も基本的な拘束条件が設定される。次に、第2収束演算部21は、前回求めた走行軌跡(初回の収束演算の場合には初期軌跡)を用いて、第2拘束条件を満たすべく今回の走行軌跡を生成する。具体的には、例えば最急降下法で用いられる補正式に基づいて、前回求めた走行軌跡(初回の収束演算の場合には初期軌跡)を構成するパラメータに対して変更を加え、第2拘束条件を達成する走行軌跡に近い走行軌跡を生成する。S10の処理が終了すると、第2拘束条件判定処理へ移行する(S12)。
【0041】
S12の処理は、第2収束演算部21で実行され、S10の処理で生成した走行軌跡が、第2拘束条件を満足するか否かを判定する処理である。S12の処理において、算出した走行軌跡が第2拘束条件を満たさないと判定した場合には、走行軌跡生成処理へ再度移行する(S10)。これにより、第2収束演算部21は、第2拘束条件を満たす走行軌跡を生成できるまで、S10に示す収束演算とS12に示す判定とを繰り返し行い(収束演算)、第2拘束条件を満たす走行軌跡を生成する(第2収束演算ステップ)。なお、S10及びS12の処理は、例えばブロックを所定距離で分割したメッシュごとにおいて行われる。
【0042】
一方、S12の処理において、生成した走行軌跡が第2拘束条件を満たすと判定した場合には、最速走行軌跡生成処理へ移行する(S14)。S14の処理は、最速走行軌跡導出部22で実行され、通過時間に関する評価関数を設定し、最速走行軌跡を導出する処理である。最速走行軌跡導出部22は、第2収束演算部21から第2拘束条件を入力し、入力した第2拘束条件を達成している状態で、例えば共役勾配法で用いられる補正式に基づいて、前回求められた走行軌跡(初回の収束演算ではS10で算出した第2収束条件を満たした走行軌跡)の通過時間に関する評価値が小さくなるように、前回求められた走行軌跡のパラメータを変更して今回の走行軌跡を生成する。通過時間に関する評価値を決定する評価関数J1は、例えば、ブロックがn(n:自然数)個のメッシュに分割されているとし、出発地点Aからn番目のメッシュを走行する時間をtとすると、以下式のように表される。
【数1】

【0043】
S14の処理が終了すると、最速評価条件判定処理へ移行する(S16)。
【0044】
S16の処理は、最速走行軌跡導出部22で実行され、S14の処理で生成した走行軌跡を用いて、評価条件を満足しているか否かを判定する処理である。具体的には、最速走行軌跡導出部22は、S14の処理で生成した走行軌跡を用いて評価関数J1から評価値を算出し、算出した評価値が最小となった場合には、評価条件を満足していると判定する。評価値が最小となったか否かの判定は、今回の処理までに算出した評価値の変動、すなわち評価値の微分値が0あるいは略0になった場合に、評価値が最小であると判定する。S16の処理において、S14の処理で生成した走行軌跡が評価条件を満足していないと判定した場合には、最速走行軌跡生成処理へ再度移行する(S14)。これにより、最速走行軌跡導出部22は、走行時間に関する評価条件を満たす走行軌跡を生成できるまで、S14に示す収束演算とS16に示す判定とを繰り返し行い(収束演算)、最速の走行軌跡を生成する(最速走行軌跡導出ステップ)。上述したS14及びS16の処理によって、最速走行軌跡導出部22は、例えば図3に示すアウト・イン・アウトの最速走行軌跡L1を導出する。
【0045】
そして、S16の処理において、S14の処理で生成した走行軌跡が最速評価条件を満足していると判定した場合には、低燃費走行軌跡生成処理へ移行する(S18)。S18の処理は、低燃費走行軌跡導出部23で実行され、低燃費に関する評価関数を設定し、低燃費走行軌跡を導出する処理である。低燃費走行軌跡導出部23は、第2収束演算部21から第2拘束条件を入力し、入力した第2拘束条件を達成している状態で、例えば共役勾配法で用いられる補正式に基づいて、前回求められた走行軌跡(初回の収束演算ではS10で算出した第2収束条件を満たした走行軌跡)の低燃費に関する評価値が小さくなるように、前回求められた走行軌跡のパラメータを変更して今回の走行軌跡を生成する。低燃費に関する評価値を決定する評価関数J2は、例えば、所定のメッシュを通過するまでに放出した油圧ブレーキ放熱量と、当該メッシュを通過するまでに回生や再出力の際に損失したエネルギー損失量とを含んで構成され、例えば、S14の処理と同様に、ブロックがn(n:自然数)個のメッシュに分割されているとし、出発地点Aからn番目のメッシュを走行する時間をt、前後(n−1番目とn番目)のメッシュ間の車速をそれぞれv,v、車両5の重量をm、油圧減速加速度をG、減速加速度をG、回生加速度をG、回生によるエネルギー損失率を20%とすると、以下式のように表される。
【数2】

【0046】
ここで、式2において、回生加速度Gは、ハイブリットシステムに依存して上限値を決定する(例えば0.2G)。また、減速加速度Gは、前後のメッシュ間の車速の微分値から算出する。また、式2では、無限ループ等の計算処理の破綻を回避するために、全体の評価に影響を与えない程度(ここでは1%)の範囲内において、通過時間に関する条件を加えている。これにより、例えば、0km/hで走行(停止)することが最適な走行軌跡であるという、実用性に欠いた解を導出することを回避することができる。また、油圧減速加速度G、減速加速度G及び回生加速度Gは以下関係を満たすように設定される。
【数3】

【0047】
ここで、減速加速度Gが回生加速度Gの上限を超えない場合には、油圧減速加速度Gは0となる。低燃費走行軌跡導出部23は、式2で示す評価関数J2が小さくなるように、前回求められた走行軌跡(初回の収束演算ではS10で算出した第2収束条件を満たした走行軌跡)を用いて今回の走行軌跡を演算する。なお、式2において、通過時間に関する条件は、個々の車両5に要求される性能等を勘案し、個々の走行軌跡生成装置において必要に応じて追加すればよい。S18の処理が終了すると、低燃費評価条件判定処理へ移行する(S20)。
【0048】
S20の処理は、低燃費走行軌跡導出部23で実行され、S18の処理で生成した走行軌跡を用いて、低燃費走行を優先させる評価条件を満足しているか否かを判定する処理である。具体的には、低燃費走行軌跡導出部23は、S18の処理で生成した走行軌跡を用いて評価関数J2から評価値を算出し、算出した評価値が最小となった場合には、評価条件を満足していると判定する。評価値が最小となったか否かの判定は、今回の処理までに算出した評価値の変動、すなわち評価値の微分値が0あるいは略0になった場合に、評価値が最小であると判定する。S20の処理において、評価条件を満足していないと判定した場合には、低燃費走行軌跡生成処理へ再度移行する(S18)。これにより、低燃費走行軌跡導出部23は、低燃費走行を優先させる評価条件を満たす走行軌跡を生成できるまでS18に示す収束演算とS20に示す判定とを繰り返し行い(収束演算)、低燃費走行を優先させる走行軌跡を生成する(低燃費走行軌跡導出ステップ)。上述したS18及びS20の処理によって、低燃費走行軌跡導出部23は、例えば図3に示す低燃費走行軌跡L2を導出する。
【0049】
そして、S20の処理において、S18の処理で生成した走行軌跡が低燃費評価条件を満足していると判定した場合には、目標通過時間算出処理へ移行する(S22)。S22の処理は、目標通過時間算出部24で実行され、ブロックを通過する目標時間を算出する処理である。まず、目標通過時間算出部24は、S14及びS16の処理によって生成した最速走行軌跡に基づいて、最速走行軌跡で走行した場合の最速通過時間tを算出すると共に、S18及びS20の処理によって生成した低燃費走行軌跡に基づいて、低燃費走行軌跡で走行した場合の低燃費通過時間tを算出する。次に、目標通過時間算出部24は、算出した最速通過時間t及び低燃費通過時間tを用いて目標通過時間tを算出する。ここで、例えば最速優先度をkとすると、速度と燃費は背反事項であるので、燃費優先度は(1−k)で表すことができる。これにより、目標通過時間tは、以下式のように表される。
【数4】

【0050】
目標通過時間算出部24は、式4を用いて、目標走行時間を算出する(目標通過時間算出ステップ)。なお、式4で用いる最速優先度kは、運転者が操作部32から入力した値に基づいて設定すればよい。S22の処理が終了すると、第1拘束条件設定処理へ移行する(S24)。
【0051】
S24の処理は、第1収束演算部25で実行され、ブロックの走行軌跡を、拘束条件を満足するように算出する処理である。最初に、第1収束演算部25は、道路境界線、車両性能限界、及び目標走行時間に基づいた拘束条件である第1拘束条件を設定する。第1収束演算部25は、例えば、ナビゲーションシステム33から道路境界線を含む道路環境情報を入力し、さらにS22の処理で生成した目標通過時間tを用いて、第1拘束条件を設定する。道路境界線を入力する場合の具体例は、S10の処理と同様である。すなわち、第1拘束条件は、車両は、ブロックにおいては道路D上を走行しなければならないという最も基本的な拘束条件と、目標通過時間t内に走行しなければならないという拘束条件とを含むものである。次に、第1収束演算部25は、前回求めた走行軌跡(初回の収束演算の場合には初期軌跡)を用いて、第1拘束条件を満たすべく今回の走行軌跡を生成する。具体的には、例えば最急降下法で用いられる補正式に基づいて、前回求めた走行軌跡(初回の収束演算の場合には初期軌跡)を構成するパラメータに対して変更を加え、第1拘束条件を達成する走行軌跡に近い走行軌跡を生成する。S24の処理が終了すると、第1拘束条件判定処理へ移行する(S26)。
【0052】
S26の処理は、第1収束演算部25で実行され、S24の処理で生成した走行軌跡が、第1拘束条件を満足するか否かを判定する処理である。S26の処理において、算出した走行軌跡が第1拘束条件を満たさないと判定した場合には、第1拘束条件設定処理へ再度移行する(S24)。これにより、第1収束演算部25は、第1拘束条件を満たす走行軌跡を生成できるまでS24に示す収束演算とS26に示す判定とを繰り返し行い(収束演算)、第1拘束条件を満たす走行軌跡を生成する(第1収束演算ステップ)。なお、S24及びS26の処理は、例えばブロックを所定距離で分割し、分割したメッシュごとにおいて行われる。
【0053】
そして、S26の処理において、生成した走行軌跡が第1拘束条件を満たすと判定した場合には、走行軌跡生成処理へ移行する(S28)。S28の処理は、走行軌跡導出部26で実行され、低燃費に関する評価関数を設定し、低燃費走行軌跡を導出する処理である。走行軌跡導出部26は、第1収束演算部25から第1拘束条件を入力し、入力した第1拘束条件を達成している状態で、例えば共役勾配法で用いられる補正式に基づいて、前回求められた走行軌跡(初回の収束演算ではS24で算出した第1収束条件を満たした走行軌跡)の低燃費に関する評価値が小さくなるように、前回求められた走行軌跡のパラメータを変更して今回の走行軌跡を生成する。低燃費に関する評価値を決定する評価関数J3は、例えば、所定のメッシュを通過するまでに放出した油圧ブレーキ放熱量と、当該メッシュを通過するまでに回生や再出力の際に損失したエネルギー損失量とを含んで構成され、例えば、S18の処理と同様に、ブロックがn(n:自然数)個のメッシュに分割されているとし、前後(n−1番目とn番目)のメッシュ間の速度をそれぞれv,v、車両5の重量をm、油圧減速加速度をG、減速加速度をG、回生加速度をG、回生によるエネルギー損失率を20%とすると、以下式のように表される。
【数5】

【0054】
S24及びS26の処理で通過時間を拘束条件としているため、式5に示す評価関数には通過時間の項は不要である。また、S18の処理と同様に、油圧減速加速度G、減速加速度G及び回生加速度Gは式4に示す関係を満足し、減速加速度Gが回生加速度Gの上限を超えない場合には、油圧減速加速度Gが0となる。
【0055】
S28の処理が終了すると、低燃費評価条件判定処理へ移行する(S30)。
【0056】
S30の処理は、走行軌跡導出部26で実行され、S28の処理で生成した走行軌跡を用いて、低燃費走行を優先させる評価条件を満足しているか否かを判定する処理である。具体的には、走行軌跡導出部26は、S28の処理で生成した走行軌跡を用いて評価関数J3から評価値を算出し、算出した評価値が最小となった場合には、評価条件を満足していると判定する。評価値が最小となったか否かの判定は、今回の処理までに算出した評価値の変動、すなわち評価値の微分値が0あるいは略0になった場合に、評価値が最小であると判定する。S30の処理において、評価条件を満足していないと判定した場合には、低燃費走行軌跡生成処理へ再度移行する(S28)。これにより、走行軌跡導出部26は、低燃費走行を優先させる評価条件を満たす走行軌跡を生成できるまで、S28に示す収束演算とS30に示す判定とを繰り返し行い(収束演算)、低燃費走行を優先させる走行軌跡を生成する(走行軌跡導出ステップ)。上述したS28及びS30の処理によって、走行軌跡導出部26は、例えば図3に示す最適走行軌跡L3を導出する。S30の処理において、S28の処理で生成した走行軌跡が低燃費評価条件を満足していると判定した場合には、図2に示す制御処理を終了する。
【0057】
以上で図2の制御処理が終了する。図2に示すように、走行軌跡生成装置1は、拘束条件の中に通過時間を含めることで、通過時間について評価関数で最適化する必要がなくなり、燃費のことのみを評価して最適化をすることが可能となる。
【0058】
従来、運転者が要求する通過時間と燃費とを適切に反映させた走行軌跡を生成することは困難であり、例えば、最速走行軌跡L1と低燃費走行軌跡L2とを運転者の要求に応じて重み付けして合算して走行軌跡を導出している。このような場合には、図4の走行軌跡L4のように、幾何学的な折衷案となる傾向があり、実用性に乏しく、設定した重み付けが十分に反映された走行軌跡にならない場合もある。
【0059】
これに対して、本実施形態に係る走行軌跡生成方法及び走行軌跡生成装置1によれば、目標通過時間tと道路Dの道路境界線等とに基づいて設定した第1拘束条件を達成するように収束演算して走行軌跡を導出し、第1拘束条件を達成している状態において、低燃費を優先させるための評価関数を収束演算して走行軌跡を導出するので、目標通過時間内で走行することを必須条件とした上で、燃費に優れた走行軌跡を作成することができる。これにより、運転者の要求する通過時間及び低燃費条件を満足した実用上問題の無い走行軌跡を導出することができる。このように最適化した走行軌跡L3に基づいて、車両運動制御部27は操舵制御部28及び加減速制御部29に車両制御情報を出力し、操舵制御部28及び加減速制御部29が、操舵アクチュエータ40、スロットルアクチュエータ41及びブレーキアクチュエータ42を制御することで、車両5は通過時間と燃費とを最適化した走行を行うことができる。
【0060】
また、本実施形態に係る走行軌跡生成方法及び走行軌跡生成装置1によれば、最速走行軌跡L1と低燃費走行軌跡L2とに基づいて、最速通過時間t、低燃費通過時間tを算出し、算出した通過時間t、tを運転者の要求に応じて重み付けすることで、目標通過時間tを算出することができる。このため、算出した目標通過時間tを用いて走行軌跡を導出することで、運転者の要求する条件をより正確に反映させることができる。
【0061】
なお、上述した実施形態は本発明に係る走行軌跡生成装置の一例を示すものである。本発明に係る走行軌跡生成装置は、実施形態に係る走行軌跡生成装置に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係る走行軌跡生成装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0062】
例えば、上記実施形態では、第1拘束条件を設定するための目標通過時間は、目標通過時間算出部24が算出する例を説明したが、例えば運転者が操作部32を介して入力した目標通過時間を採用してもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、車両5がHV車である場合を説明したが、車両5は回生機構を有さない車両であってもよい。このような場合には、上記実施形態で説明した評価関数J2、J3のうち、回生及び再出力の際のエネルギー損失の項を除いたものを用いて低燃費走行軌跡を評価、算出すればよい。
【0064】
また、上記実施形態では、車両5が自動運転機能を備えた車両である場合を説明したが、手動運転と自動運転とを協調させた車両やシステムにも適用可能である。
【0065】
また、上記実施形態では、通過時間を拘束条件として、低燃費を優先させた走行軌跡を導出する例を説明したが、例えば、乗心地を優先させた走行軌跡や安全性を優先させた走行軌跡を導出する場合であってもよく、要は、通過時間を拘束条件とさえすれば、優先させる事項に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】第1実施形態に係る走行軌跡生成装置を備える車両の構成概要を示すブロック図である。
【図2】図1の走行軌跡生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1の走行軌跡生成装置の動作を説明する概要図である。
【図4】従来の走行軌跡生成装置の動作を説明する概要図である。
【符号の説明】
【0067】
1…走行軌跡生成装置、2…ECU、21…第2収束演算部(第2収束演算ステップ)、22…最速走行軌跡導出部(最速走行軌跡導出ステップ)、23…低燃費走行軌跡導出部(低燃費走行軌跡導出ステップ)、24…目標通過時間算出部(目標通過時間算出ステップ)、25…第1収束演算部(第1収束演算ステップ)、26…走行軌跡導出部(走行軌跡導出ステップ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の目標通過時間と道路境界線とに基づいた第1拘束条件を達成するように収束演算して走行軌跡を導出する第1収束演算ステップと、
前記第1拘束条件を達成している状態において、所定の運転条件を優先させるための評価関数を収束演算して走行軌跡を導出する走行軌跡導出ステップと、
を備える走行軌跡生成方法。
【請求項2】
前記走行軌跡導出ステップは、前記評価関数として、低燃費走行を優先させるための評価関数を用いることを特徴とする請求項1に記載の走行軌跡生成方法。
【請求項3】
道路境界線に基づいた第2拘束条件を達成するように収束演算して走行軌跡を導出する第2収束演算ステップと、
前記第2拘束条件を達成している状態において、所定区間の通過時間を優先させるための評価関数を収束演算して最速走行軌跡を導出する最速走行軌跡導出ステップと、
前記第2拘束条件を達成している状態において、低燃費走行を優先させるための評価関数を収束演算して低燃費走行軌跡を導出する低燃費走行軌跡導出ステップと、
前記最速走行軌跡から求められた最速通過時間と前記低燃費走行軌跡から求められた低燃費通過時間とに対して重み付けをして目標通過時間を算出する目標通過時間算出ステップと、
を備え、
前記第1収束演算ステップは、前記所定の目標通過時間として、前記目標通過時間算出ステップによって算出された前記目標通過時間を採用すること、
を特徴とする請求項2に記載の走行軌跡生成方法。
【請求項4】
所定の目標通過時間と道路境界線とに基づいた第1拘束条件を達成するように収束演算して走行軌跡を導出する第1収束演算部と、
前記第1拘束条件を達成している状態において、所定の運転条件を優先させるための評価関数を収束演算して走行軌跡を導出する走行軌跡導出部と、
を備える走行軌跡生成装置。
【請求項5】
前記走行軌跡導出部は、前記評価関数として、低燃費走行を優先させるための評価関数を用いることを特徴とする請求項4に記載の走行軌跡生成装置。
【請求項6】
道路境界線に基づいた第2拘束条件を達成するように収束演算して走行軌跡を導出する第2収束演算部と、
前記第2拘束条件を達成している状態において、所定区間の通過時間を優先させるための評価関数を収束演算して最速走行軌跡を導出する最速走行軌跡導出部と、
前記第2拘束条件を達成している状態において、低燃費走行を優先させるための評価関数を収束演算して低燃費走行軌跡を導出する低燃費走行軌跡導出部と、
前記最速走行軌跡から求められた最速通過時間と前記低燃費走行軌跡から求められた低燃費通過時間とに対して重み付けをして目標通過時間を算出する目標通過時間算出部と、
を備え、
前記第1拘束演算部は、前記所定の目標通過時間として、前記目標通過時間算出部によって算出された前記目標通過時間を採用すること、
を特徴とする請求項5に記載の走行軌跡生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−115464(P2009−115464A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285412(P2007−285412)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】