説明

超音波センサ

【課題】センサ機能を損なうことなく、様々なニーズに合せて外観を構成する意匠を変更できる超音波センサを提供する。
【解決手段】センサ本体3およびベゼル4をバンパー2に固定したのち、ベゼル4のフランジ部4aとバンパー2との間にブラケット61を固定し、さらにこのブラケット61に対して意匠カバー62を取り付けることで、意匠ベゼル6を固定する。これにより、後付けできる意匠ベゼル6を外観として視認できるようにすることができるため、様々なニーズに合せて外観を構成する意匠を変更できる。特に、意匠カバー62が脱着可能で交換できれる構成とすれば、何度も変更可能である。また、意匠ベゼル6の意匠カバー62に貫通孔62aを形成することで、貫通孔62aを通じて超音波が出力されるようにする。これにより、センサ機能を損なわないようにできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子を有して構成される超音波振動子(マイク)が備えられた超音波センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
超音波センサは、例えば車両のバンパーに超音波振動子が備えられたセンサ本体が取り付けられ、超音波振動子から超音波を発生させると共に、この超音波の反射波を受け取ることで、バンパーの近傍に存在する障害物の検出を行う。
【0003】
このような超音波センサとして、例えば、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された超音波センサは、中空部を有する円筒状のベゼルと、超音波振動子が備えられたセンサ本体とを有した構成とされている。この超音波センサは、車両バンパー部の表面側にベゼルを嵌め込んだのち、車両バンパー部の裏面側から超音波振動子およびそれを囲む筒状弾性体をベゼルの中空部内に挿入し、ベゼルの外周に設けた係止部とセンサ本体の外側面に設けた係止部とを係合させることにより、車両バンパー部に固定される。このため、超音波センサの外観は、車両バンパー部の外側に露出しているベゼルの外形と、ベゼル内の超音波振動子および超音波振動子を囲む筒状弾性体によって構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−251534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の超音波センサでは、車両バンパー部の外側に露出しているベゼルのフランジ部を円環状にすると共に車両バンパー部と同色にするなどにより、できるだけ目立たない意匠構造とされている。このため、超音波センサの意匠性が乏しい。その反面、超音波センサの意匠性についてはユーザの嗜好に応じて要求される内容が異なっており、センサ機能を損なうことなく、様々なニーズに合せて超音波センサの意匠を変更できるようにすることが望ましい。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、センサ機能を損なうことなく、様々なニーズに合せて外観を構成する意匠を変更できる超音波センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ベゼル(4)には、車体部品(2)への挿入方向の後端に、車体部品(2)の穴部(2a)よりも寸法が拡大されたフランジ部(4a)が備えられ、該フランジ部(4a)によって穴部(2a)内へのベゼル(4)の挿入が止められるようになっている、そして、挿入部(10、32)が挿入される開口部(61a)が形成され、該開口部(61a)側からベゼル(4)におけるフランジ部(4a)と車体部品(2)との間に嵌め込まれることで、フランジ部(4a)と車体部品(2)との間に挟持されるブラケット(61)と、挿入部(10、32)の先端に設けられる超音波振動子(10)の振動面(11a)から出力される超音波を通過する通過部(62a)が形成されていると共に、該通過部(62a)の周囲においてブラケット(61)に対して固定される意匠カバー(62)と、を有する意匠ベゼル(6)を備えていることを特徴としている。
【0008】
このように、センサ本体(3)およびベゼル(4)を車体部品(2)に固定したのち、ベゼル(4)のフランジ部(4a)と車体部品(2)との間にブラケット(61)を固定し、さらにこのブラケット(61)に対して意匠カバー(62)を取り付けることで、意匠ベゼル(6)を固定することができる。これにより、後付けできる意匠ベゼル(6)が外観として視認できるようにすることができるため、様々なニーズに合せて外観を構成する意匠を変更できる。そして、意匠ベゼル(6)の意匠カバー(62)に通過部(62a)を形成することで、通過部(62a)を通じて超音波を出力できるようにしている。このため、センサ機能を損なうこともない。
【0009】
したがって、センサ機能を損なうことなく、様々なニーズに合せて外観を構成する意匠を変更できる超音波センサとすることが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、意匠カバー(62)は、ブラケット(61)に対して脱着可能に構成されることを特徴としている。
【0011】
このように、意匠カバー(62)が脱着可能で交換できれば、何度も変更可能である。このため、より様々なニーズに合せて外観を構成する意匠を変更できる超音波センサとすることが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、通過部は、意匠カバー(62)の形成した貫通孔(62a)であり、該貫通孔(62a)を構成する意匠カバー(62)の内周面は、振動面(11a)から離れるに連れて広がるテーパ面(62b)とされており、振動面(11b)の法線とテーパ面(62b)とが成す角度が60°以上とされていることを特徴としている。
【0013】
このような構造とすることで、振動面(11b)から出力された超音波が拡散しても意匠カバー(62)の内周面に衝突することが防止され、意匠カバー(62)の内周面によって反射した超音波によってセンサ機能が損なわれないようにできる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、ブラケット(61)の外縁部には、該ブラケット(61)のうちのフランジ部(4a)側となる表面から法線方向および径方向外側に突き出した複数の鍔部(61b)が備えられており、意匠カバー(62)のうちブラケット(61)の複数の鍔部(61b)と対向する部位には、複数のスリット(62e)が形成されていると共に、該複数のスリット(62e)それぞれを部分的に覆う止め部(62f)が備えられており、複数のスリット(62e)それぞれに複数の鍔部(61b)を嵌め込み、複数の鍔部(61b)を複数のスリット(62e)内でスライドさせ、複数の鍔部(61b)を止め部(62f)に引掛けることで、意匠カバー(62)がブラケット(61)に固定されることを特徴としている。
【0015】
このように、ブラケット(61)に複数の鍔部(61b)を設けると共に、意匠カバー(62)にスリット(62e)および止め部(62f)を備え、複数の鍔部(61b)を止め部(62f)に引掛けることで、意匠カバー(62)がブラケット(61)に固定される構造とすることができる。
【0016】
例えば、請求項5に記載したように、意匠カバー(62)を通過部(62a)の中心を中心軸として回転させることで、複数の鍔部(61b)を複数のスリット(62e)内でスライドさせ、複数の鍔部(61b)を止め部(62f)に引掛ける構造とすることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、ブラケット(61)は、一方向が開口させられることで開口部(61a)が形成されたU字形状とされ、ブラケット(61)のうち開口部(61a)の開口端側の端部は、徐々に肉厚が薄くされたテーパ形状もしくは面取り形状とされていることを特徴としている。
【0018】
このように、ブラケット(61)のうち開口部(61a)の開口端側の端部をテーパ形状もしくは面取り形状とすることで、ベゼル(4)と車体部品(2)の間の隙間に入り込ませ易くなる構造とすることができる。
【0019】
上記請求項1ないし6のいずれか1つに記載した超音波センサは、既に、車体部品(2)に対してベゼル(4)およびセンサ本体(3)が取り付けられているものに対して、ブラケット(61)および意匠カバー(62)を有する意匠ベゼル(4)を取り付けることによって構成することも可能である。したがって、請求項7に記載したように、意匠ベゼル(4)の単体を既存のベゼル(4)およびセンサ本体(3)に対して取り付けるようにしても、上記各請求項と同様の効果を得ることができる。
【0020】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる超音波センサ1をバンパー2に取り付けたときの状態を示した図であり、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図2】センサ本体3を示した図であり、(a)はセンサ本体3の正面図、(b)はセンサ本体3の右側面図、(c)はセンサ本体3の上面図、(d)はセンサ本体3の背面図である。
【図3】図2(a)のA−A断面図である。
【図4】超音波振動子10の断面図である。
【図5】ベゼル4を示した図であり、(a)はベゼル4の正面図、(b)はベゼル4の左側面図、(c)はベゼル4の背面図、(d)はベゼル4の上面図、(e)はベゼル4の底面図である。
【図6】図5(c)のB−B断面に相当するベゼル4の一部拡大断面図である。
【図7】ブラケット61を示した図であり、(a)はブラケット61の正面図、(b)はブラケット61の右側面図、(c)はブラケット61の左側面図、(d)はブラケット61の上面図、(e)はブラケット61の底面図である。
【図8】意匠カバー62を示した図であり、(a)は意匠カバー62の正面図、(b)は意匠カバー62の背面図、(c)は(a)のC−C線上における意匠カバー62の断面図、(d)は意匠カバー62の斜視図である。
【図9】超音波センサ1をバンパー2に取り付けている様子を示した図であり、(a)はベゼル4およびセンサ本体3の取り付けの様子を示す図、(b)は意匠ベゼル6の取り付けの様子を示す図である。
【図10】ベゼル4をバンパー2の穴部2aに挿入したときの様子を示した部分断面側面図である。
【図11】ベゼル4の中空部にセンサ本体3の開口面32を挿入したときの様子を示した部分断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0023】
(第1実施形態)
本実施形態の第1実施形態にかかる超音波センサについて説明する。本実施形態の超音波センサは、例えば、車両のバンパーに取り付けられ、バックソナー又はコーナーソナーとして用いられる。
【0024】
図1(a)、(b)は、本実施形態の超音波センサ1をバンパー2に取り付けたときの状態を示した側面図と正面図である。なお、図1中、バンパー2のみ断面が示してある。
【0025】
この図に示されるように、超音波センサ1は、バンパー2の穴部2a内に固定される。超音波センサ1は、センサ本体3とベゼル4とを有した構成とされ、ベゼル4をバンパー2の穴部2a内にバンパー2の外側(紙面左側)から挿入したのち、センサ本体3をベゼル4の中空部内にバンパー2の内側(紙面右側)から挿入することで、センサ本体3とベゼル4とが係合すると共に、ベゼル4の外周に設けられた金属バネ5の弾性力に基づいてバンパー2に固定される。また、超音波センサ1には、意匠ベゼル6が備えられており、この意匠ベゼル6をバンパー2に取り付けられたベゼル4に固定することで、超音波センサ1の意匠性を向上させられるようにしている。
【0026】
以下、センサ本体3と金属バネ5が備えられたベゼル4および意匠ベゼル6の詳細構造について説明する。
【0027】
図2は、センサ本体3を示した図であり、図2(a)は、センサ本体3の正面図、図2(b)は、センサ本体3の右側面図、図2(c)は、センサ本体3の上面図、図2(d)は、センサ本体3の背面図である。また、図3は、センサ本体3の断面図であり、図2(a)のA−A断面に相当する図である。
【0028】
センサ本体3は、図2、図3に示すように、超音波振動子10や回路基板20が一体的にケース30内に収容されたものである。図4は、センサ本体3に備えられる超音波振動子10の断面図を示したものである。図4に示すように、超音波振動子10は、ハウジング11、圧電素子12と、スペーサ13、ベース14および接続ピン15を有して構成されている。
【0029】
ハウジング11は、導電性材料(金属材料や表面に導電膜を形成した絶縁材料)で構成され、有底円筒状とされることでハウジング11の内部に内部空間16が形成されている。ハウジング11の底部11aの内面に圧電素子12が貼着されており、この底部11aの外側表面が振動面11bとなっている。本実施形態では、導電性材料としてアルミニウムを用いており、振動面11bを円形状としている。
【0030】
圧電素子12は、圧電セラミックス(例えばチタン酸ジルコン酸鉛系)で構成され、その表裏両面に電極(図示せず)を備えている。圧電素子12の一方の電極は、リード17aによって一対の接続ピン15の一方に電気的に接続されている。圧電素子12の他方の電極は、ハウジング11の底部11aに例えば導電性接着剤により貼着され、導電性材料で構成されたハウジング11を介してリード17bに接続されたのち、一対の接続ピン15の他方に電気的に接続されている。なお、ハウジング11の内部空間16には、フェルト、シリコンが充填されており、振動面から接続ピン15に伝達される不要振動が抑制されている。
【0031】
スペーサ13は、ハウジング11の開口部とベース14との間に配置されている。スペーサ13は、ハウジング11の底部11aの振動に伴ってハウジング11の筒部11cに生じる不要振動が接続ピン15の固定されているベース14に伝達されるのを抑制するための弾性体であり、例えばシリコンゴムから構成されている。なお、ここではスペーサ13を配置する構成としたが、スペーサ13を無くした構成とすることもできる。
【0032】
ベース14は、ハウジング11の開口部側の外周面にスペーサ13を介して嵌め込まれることで、ハウジング11に固定されている。このベース14は、絶縁材料、例えば合成樹脂(例えばABS樹脂)で構成されている。ベース14には、接続ピン15を被覆するための保護部18が回路基板20側に突出するように設けられ、接続ピン15が保護部18を貫通するように配置されている。ベース14を成形する際に、接続ピン15をインサート成形することで、接続ピン15の一部がベース14に埋設固定されるようにしている。
【0033】
接続ピン15は、例えば銅を主成分とする導電性材料からなり、例えば太さ0.5mmφの棒状部材で構成される。
【0034】
さらに、超音波振動子10には、例えば発泡シリコン等で構成された発泡弾性体19が備えられている。この発泡弾性体19は、ベース14への振動の伝達を抑制するためのもので、接続ピン15は発泡弾性体19も貫通するように配置されている。
【0035】
そして、ハウジング11、スペーサ13、ベース14、発泡弾性体19が、それぞれ接着剤(例えばシリコン系接着剤)等で接着されることで、一体構造とされた超音波振動子10が構成されている。
【0036】
このように構成された超音波振動子10を、図3に示すように回路基板20と共に合成樹脂からなる中空状のケース30内に組み付けることで、超音波センサ1のセンサ本体3が構成されている。
【0037】
ケース30は、中空状の略長方体で構成されている。ケース30には、回路基板20の接続位置に対して接続ピン15を位置決めするためのガイド部31が設けられている。このガイド部31は、ケース30の内部空間を超音波振動子10の配置空間と回路基板20の配置空間とに区画する板状部によって構成され、接続ピン15および保護部18が挿入される位置決め用穴31aが備えられた構成とされている。
【0038】
また、ケース30の一面(図3における紙面上方の面)には、上面形状が円形状を為した開口面32があり、この開口面32内に、外周面に筒状弾性体33が被着させられると共に、ベース14の下側に振動を抑制する弾性体となる発泡弾性体34が配置された超音波振動子10が挿入されることで、ケース30に組み付けられている。このように超音波振動子10をケース30に組み付けた状態において、接続ピン15がガイド部31の位置決め用穴31aに挿入され、接続ピン15の先端部が回路基板20に形成されたスルーホール21に挿入されている。そして、接続ピン15の先端部およびスルーホール21の電気的な接続がはんだ付け等によって為されている。
【0039】
ケース30の開口面32からは、超音波振動子10の振動面11bが露出しており、超音波振動子10が発する超音波がケース30の外部に伝えられるような構成とされている。
【0040】
筒状弾性体33はシリコンゴムからなり、超音波振動子10からケース30への不要振動の伝達を抑制するために、超音波振動子10の外周面(ハウジング11の筒部11c面)および底面に被着されている。
【0041】
発泡弾性体34は、超音波振動子10のハウジング11内に配置された発泡弾性体19と同様、発泡シリコンからなり、接続ピン15及び保護部18が貫通配置されている。発泡弾性体34には切り込みが設けられ、その切り込み内に保護部18が挿入可能な構成としている。なお、超音波振動子10(ベース14)、筒状弾性体33、及び発泡弾性体34は、シリコン系接着剤により相互に接着固定されている。
【0042】
また、ガイド部31により区画されたケース30のうち回路基板20が配置される中空部には、防湿性部材35が充填されている。防湿性部材35としては、例えばシリコン樹脂やウレタン樹脂を適用することができる。本実施形態においてはシリコン樹脂を適用している。なお、図3に示すように、回路基板20から外部に出力するための外部出力端子36が備えられ、ケース30の一面に形成されたコネクタ37から外部出力端子36の一端側が露出させられた構成とされている。
【0043】
さらに、図2(a)〜(d)に示すように、ケース30の上面(図2(a)の紙面上方の面)にはランス38が設けられており、底面(図2(a)の紙面下方の面)には受止部39が設けられている。
【0044】
ランス38は、ケース30の上面から開口面32と同方向に突出するように形成された爪状の係止部を構成するものであり、ベゼル4との固定のために用いられる。具体的には、ランス38は、棒状部38aおよび爪部38bとを有した構成とされている。棒状部38aがケース30の上面から開口面32と同方向に突出させられ、この棒状部38aの先端位置における開口面32側に爪部38bが形成されている。
【0045】
また、受止部39は、ケース30の底面からさらに下方に突出するように設けられた枠状の係止部を構成するものであり、これもベゼル4との固定のために用いられる。具体的には、図2(a)、(d)に示されるように、受止部39は、開口面32の突出方向から見て四角形の枠形状を成しており、受止部39の穴内に後述するベゼル4に設けられたスナップフィット4bが挿入できるようになっている。
【0046】
このように構成されるセンサ本体3のうち、超音波振動子10および開口面32の部分、つまりケース30のうち円筒形状に突出する部分がベゼル4に挿入される挿入部となる。このため、開口面32の突出方向がベゼル4へのセンサ本体3の挿入方向となる。
【0047】
図5は、ベゼル4を示した図であり、図5(a)は、ベゼル4の正面図、図5(b)は、ベゼル4の右側面図、図5(c)は、ベゼル4の背面図、図5(d)は、ベゼル4の上面図、図5(e)は、ベゼル4の底面図である。また、図6は、図5(c)のB−B断面に相当するベゼル4の一部拡大断面図である。
【0048】
図5(a)〜(d)に示されるように、ベゼル4は、例えば樹脂等によって構成された略円筒状の部材によって構成され、一方の端部に部分的に拡径したフランジ部4aが形成されている。このベゼル4の中空部の形状およびサイズは、センサ本体3における開口面32の形状と対応したものとなっており、この中空部内に開口面32および超音波振動子10が挿入される。
【0049】
ベゼル4の下面には、円筒状部分から突出させられたスナップフィット4bが備えられている。スナップフィット4bは、爪状の係止部として機能するもので、図1に示すように、スナップフィット4bの先端に形成された爪部4cが上述したケース30の受止部39の穴内に挿入されることで、受止部39に引っ掛けられている。これにより、ベゼル4とセンサ本体3との固定がより強固なものとされている。
【0050】
また、図5(e)に示すように、爪部4cを囲むようにコの字状のスリット4jが形成されており、このスリット4jの間に配置される爪部4cが弾性変形し易くなっている。スリット4jは、爪部4cの両側および爪部4cよりも後方、つまりセンサ本体3の受止部39の穴内への挿入方向後方に形成され、スナップフィット4bの先端部が受止部39の穴内に挿入される際に、弾性変形により爪部4cが挿入方向前方を支点として撓み、穴内に容易に挿入できるようにされている。このため、スナップフィット4bの先端部が受止部39の穴内に挿入された後に爪部4cが元の形状に戻ると、スナップフィット4bの先端部における爪部4cよりも後方位置において、スナップフィット4bの先端部の壁面が受止部39の内壁とほぼ接するような隙間無い状態となるようにすることができる(後述する図10参照)。
【0051】
ベゼル4の上面には、係止穴4dが形成されている。係止穴4dは、正面から見ると四角形状を為した穴であり、上述したケース30に備えられたランス38の爪部38bを挿入するためのものである。図1(a)に示すように、ランス38の爪部38bが係止穴4dに挿入されると、係止穴4dの内壁に爪部38bが引っ掛かるようになっている。これにより、ベゼル4とセンサ本体3との固定がより強固なものとされている。
【0052】
また、ベゼル4の外周面のうちベゼル4の左右両側の位置に抜け防止爪4eが備えられている。抜け防止爪4eは、バンパー2の厚み分、好ましくは意匠ベゼル6におけるベゼル4のフランジ部4aとバンパー2との感に挟まれる部分(後述するブラケット61)の厚みを考慮した位置に形成されており、フランジ部4aの端面からバンパー2の厚み分もしくはそれより若干大きな間隔を空けた位置に備えられている。この抜け防止爪4eは、ベゼル4のバンパー2からの抜けを防止するために設けられている。ベゼル4をバンパー2に取り付けた後、ベゼル4にセンサ本体3におけるケース30の開口面32を挿入するに当たり、ベゼル4がバンパー2から抜ける方向に力が加えられることになる。このため、ベゼル4をバンパー2に挿入すると、抜け防止爪4eがバンパー2の端面に引っ掛かり、ベゼル4バンパー2からの抜けが防止できるようになっている。なお、図5(b)に示すように各抜け防止爪4eの両側にはスリット4fが設けられており、このスリット4fの間の棒状部分が応力変形し易くなっているため、バンパー2への取り付け時に抜け防止爪4eが挿入の邪魔になることはない。
【0053】
さらに、ベゼル4には、ベゼル4の中心に対して等間隔に複数(ここでは4つ)の溝4gが形成されている。各溝4g内には、図6に示すように、ベゼル4の中心軸方向に並べられた2箇所の貫通穴4h、4iが形成されている。そして、各溝4gに沿って金属バネ5が配置されている。なお、貫通穴4h、4iは1つの貫通穴としても良いが、これらの間に壁面を形成しておくことで、金属バネ5のバネ荷重を大きくすることが可能となる。つまり、金属バネ5の先端位置が貫通穴4hの壁面と接することで、金属バネ5が貫通穴4hに入り込むことを規制するように働くため、金属バネ5が発生させる弾性反力を高めることが可能となる。
【0054】
具体的には、金属バネ5は、薄い棒状金属を曲げ加工することによって構成され、棒状金属の一端が爪状に曲げられた爪部5aと、ベゼル4の開口部の端部形状に合せてU字状に曲げられたU字状部5bと、ベゼル4の外周面から径方向に突出させた凸部5cと、棒状金属の他端を爪部5a側に折り返した折り返し部5dとを有して構成されている。金属バネ5の爪部5aをベゼル4の開口端から挿入させ、U字状部5bがベゼル4の開口端と接するまで挿入すると、爪部5aが貫通穴4i内に入り込み、貫通穴4iの端面に引っ掛かることで金属バネ5がベゼル4に固定されている。このため、金属バネ5のうちベゼル4に固定される側、つまりU字状部5bが固定端となり、折り返し部5dが自由端となってバネ機能を果たす。
【0055】
すなわち、金属バネ5の自由端において、バンパー2およびセンサ本体3における開口面32の側面が共に金属バネ5に接し、バンパー2に関してはベゼル4の径方向の広がる向きに金属バネ5の弾性力が加えられ、センサ本体3における開口面32に関してはベゼル4の径方向の縮まる向きに金属バネ5の弾性力が加えられる。
【0056】
このため、ベゼル4を介してバンパー2にセンサ本体3を固定する構造において、バンパー2にベゼル4を強固に固定することが可能となり、かつ、ベゼル4にセンサ本体3を強固に固定することが可能となる。これにより、超音波センサ1をバンパー2に強固に固定することが可能となっている。
【0057】
また、図1(a)に示すように、意匠ベゼル6は、ブラケット(リテーナ)61と意匠カバー62とを有した構成とされている。図7および図8は、意匠ベゼル6を構成するブラケット61および意匠カバー62を示した図である。図7(a)は、ブラケット61の正面図、図7(b)は、ブラケット61の右側面図、図7(c)は、ブラケット61の左側面図、図7(d)は、ブラケット61の上面図、図7(e)は、ブラケット61の底面図である。また、図8(a)は、意匠カバー62の正面図、図8(b)は、意匠カバー62の背面図、図8(c)は、図8(a)のC−C線上における意匠カバー62の断面図、図8(d)は、意匠カバー62の斜視図である。
【0058】
図1(a)に示すように、ブラケット61は、ベゼル4のフランジ部4aとバンパー2との間に挟持される部材である。ブラケット61は、例えば薄板金属、もしくは樹脂材料や柔軟性を有する材料によって構成され、図7(a)に示すように、一方向(下方)が開口させられた開口部61aを有するU字形状にて構成されている。ブラケット61は、開口部61a側よりフランジ部4aとバンパー2との間に押し込まれることでベゼル4とバンパー2との間の隙間を押し広げ、フランジ部4aとバンパー2との間の隙間が押し縮まろうとする復元力によりフランジ部4aとバンパー2との間に挟持される。ブラケット61の開口部61aの寸法はケース30の開口面32よりも大きくされており、ブラケット61をフランジ部4aとバンパー2との間に嵌め込むことで、開口部61a内に開口面32や筒状弾性体33と共に超音波振動子10が挿入された状態となる。また、ブラケット61のうち開口部61aの開口端側の端部は、図7(b)、(c)に示すように徐々に肉厚が薄くされたテーパ形状もしくは面取り形状とされており、ベゼル4とバンパー2との間の隙間に入り込ませ易くなる構造とされている。
【0059】
ブラケット61の外縁部には、複数箇所(本実施形態では3箇所)に、鍔部61bが備えられている。この鍔部61bは、ブラケット61の表面、つまりフランジ部4a側の面からその法線方向および径方向外側に突き出す構造とされ、ブラケット61をフランジ部4aとバンパー2との間に押し込んだ時に、フランジ部4aの外周よりも外側に位置するよう配置されている。この鍔部61bが後述する意匠カバー62の止め部62fと係合することで、ブラケット61へ意匠カバー62を固定できるようになっている。
【0060】
さらに、ブラケット61の外縁部には、ブラケット61の表面と垂直方向および径方向外側に突き出した回転防止部61cが備えられている。この回転防止部61cが後述する意匠カバー62の突起部62gに引っ掛けられることで、車両走行に伴う振動によりブラケット61に対して意匠カバー62が相対回転させられることで意匠カバー62が脱落することが防止できる構造とされている。
【0061】
一方、意匠カバー62は、バンパー2の表面において外部に露出させられて外観を構成する部分であり、意匠性を持たせた形状とされている。本実施形態では、意匠カバー62は、外形が円形となる円板形状とされているが、その他の形状、例えば外形がハート型、キャラクターを模った形状など、様々な形状とすることが可能である。意匠カバー62の材質は問わないが、例えば樹脂材料などで構成される。
【0062】
図8(a)〜(d)に示すように、意匠カバー62の中央部には、通過部に相当する貫通孔62aが形成されている。この貫通孔62aは、少なくともセンサ本体3における超音波振動子10のハウジング11の振動面11bよりも大きくされている。この貫通孔62aから振動面11bが露出させられることで、振動面11bから出力される超音波が意匠カバー62によって遮られることなく通過し、外部に出力可能な構成とされている。また、図8(a)、(c)に示すように、貫通孔62aを構成する意匠カバー62の内周面は、振動面11bから離れるに連れて内径が広がるテーパ面62bとされている。図8(c)に示すように、振動面11bの法線とテーパ面62bとの成す角度は60°以上とされている。このため、振動面11bから出力された超音波が拡散しても意匠カバー62の内周面に衝突することが防止され、意匠カバー62の内周面によって反射した超音波によってセンサ機能が損なわれないようにできる。
【0063】
また、図8(b)〜(d)に示すように、意匠カバー62の裏面の中央部には凹部62cが形成されており、この凹部62cの中央に貫通孔62aが形成されている。この凹部62cは、ベゼル4のフランジ部4aが収容されるように、フランジ部4aよりも大きな寸法とされている。また、意匠カバー62のうち凹部62cの周囲を囲んでいる周壁62dは、段付き形状とされており、最も外周側がそれよりも内側と比べてバンパー2側に突き出した構造とされている。この段付き部分において、周壁62dのうちブラケット61の鍔部61bと対応する複数箇所にスリット62eが形成されている。そして、各スリット62eの一部、具体的には貫通孔62aの中心を軸とした回転方向の同方向の部位を覆うように周壁62dが残されており、この部分によって止め部62fが構成されている。つまり、意匠カバー62の周壁62dに設けられた各スリット62e内にブラケット61の鍔部61bを挿入したのち、貫通孔62aの中心を中心軸として意匠カバー62を回転させることで鍔部61bがスリット62e内でスライドさせられて止め部62fに引っ掛かり、意匠カバー62がブラケット61に固定できるようにしている。
【0064】
さらに、意匠カバー62の周壁62dには、段付き部分を径方向外側に凹ませると共に、その中央部を径方向内側に突出させた突起部62gが形成されている。この突起部62gは、ブラケットの回転防止部61cと対応する場所に形成されている。そして、意匠カバー62をブラケット61に取り付ける際に、スリット62e内に鍔部61bを挿入すると、回転防止部61cが突起部62gの両側の凹みの一方に嵌り込み、その後、貫通孔62aの中心を中心軸として意匠カバー62を回転させると鍔部61bがスリット62e内をスライドさせられると同時に、回転防止部61cが突起部62gを乗り越えて、突起部62gの両側の凹みの他方に移動させられる。これにより、回転防止部61cが突起部62gに引っ掛かり、車両走行に伴う振動によりブラケット61に対して意匠カバー62が相対回転させられることで意匠カバー62が脱落することが防止できる構造とされている。
【0065】
次に、超音波センサ1のバンパー2への取り付けの様子について説明する。図9は、超音波センサ1をバンパー2に取り付けている様子を示した図であり、(a)は、ベゼル4およびセンサ本体3の取り付けの様子を示す図、(b)は、意匠ベゼル6の取り付けの様子を示す図である。
【0066】
図9(a)に示されるように、まず、ベゼル4をバンパー2の一方、つまりバンパー2の外側からバンパー2の穴部2aに挿入する。このとき、抜け防止爪4eがバンパー2の内側に入り込むまで挿入する。これにより、バンパー2の穴部2aの開口端と金属バネ5における凸部5cの傾斜部分が接触する。図10は、このときの様子を示した部分拡大断面図である。
【0067】
この図に示されるように、ベゼル4をバンパー2の穴部2aに挿入すると、バンパー2の穴部2aの開口端によって金属バネ5が弾性変形させられて撓み、金属バネ5の自由端となる折り返し部5dが貫通穴4h内に入り込み、ベゼル4の内壁面から突き出される。
【0068】
この後、図9(a)の矢印で示すように、バンパー2の反対側、つまりバンパー2の内側からベゼル4の中空部内にセンサ本体3における開口面32および超音波振動子10を挿入する。
【0069】
これにより、スナップフィット4bの先端部が受止部39の穴内に入り込み、スリット4jの間に形成された爪部4cが受止部39の内壁と接して弾性変形させられ、受止部39内に挿入されると、その後、弾性変形した部分が元に戻ることで爪部4cと受止部39とが係合する。また、ランス38の爪部38bがベゼル4の外壁面と接し、棒状部38aが弾性変形する。そして、爪部38bが係止穴4d内に入り込むことで、弾性変形した部分が元に戻り、ランス38が係止穴4dと係合する。したがって、図1に示した形態となってベゼル4およびセンサ本体3のバンパー2への組み付けが完了する。
【0070】
このとき、開口面32の外壁面が金属バネ5の自由端のうちベゼル4の貫通穴4hに入り込んでベゼル4の内壁面に突き出した部分と接触する。図11は、このときの様子を示した部分拡大図である。
【0071】
この図に示されるように、金属バネ5の自由端が開口面32の外壁面と接触するため、ベゼル4の径方向の広がる向きに押し戻される。このため、金属バネ5の自由端において、バンパー2およびセンサ本体3における開口面32の側面が共に金属バネ5に接し、バンパー2に関してはベゼル4の径方向の広がる向きに金属バネ5の弾性力が加えられ、センサ本体3における開口面32に関してはベゼル4の径方向の縮まる向きに金属バネ5の弾性力が加えられる。つまり、開口面32の外壁面とバンパー2の穴部2aの壁面との間で金属バネ5の自由端が弾性的に圧縮変形し、この圧縮変形に伴う弾性反力によってセンサ本体3およびベゼル4が穴部2aの壁面に対して固定される。
【0072】
これにより、ベゼル4を介してバンパー2にセンサ本体3を固定する構造において、バンパー2にベゼル4を強固に固定することが可能となり、かつ、ベゼル4にセンサ本体3を強固に固定することが可能となる。したがって、センサ本体3およびベゼル4をバンパー2に強固に固定することが可能となる。
【0073】
さらに、図9(b)に示すように、ベゼル4のフランジ部4aとバンパー2との間に上方からブラケット61を嵌め込む。これにより、フランジ部4aとバンパー2とによってブラケット61が挟持される。また、ブラケット61をフランジ部4aとバンパー2との間に嵌め込むことで、開口部61a内に開口面32や筒状弾性体33と共に超音波振動子10が挿入された状態となる。
【0074】
そして、ベゼル4とバンパー2とによって挟持されたブラケット61に対して、意匠カバー62を取り付ける。すなわち、意匠カバー62の各スリット62e内にブラケット61の鍔部61bを嵌め込むと共に、突起部62gの両側の凹みの一方に回転防止部61cを嵌め込む。そして、貫通孔62aの中心を中心軸として意匠カバー62を回転させることで、鍔部61bをスリット62e内でスライドさせて止め部62fに引掛けると共に、回転防止部61cが突起部62gを乗り越えるようにすることで、突起部62gに回転防止部61cが引掛けられるようにする。これにより、図1(a)に示したように、外観として意匠ベゼル6が視認できるようにして、超音波センサ1をバンパー2に固定することが可能となる。
【0075】
以上説明した本実施形態の超音波センサ1では、センサ本体3およびベゼル4をバンパー2に固定したのち、ベゼル4のフランジ部4aとバンパー2との間にブラケット61を固定し、さらにこのブラケット61に対して意匠カバー62を取り付けることで、意匠ベゼル6を固定している。これにより、後付けできる意匠ベゼル6を外観として視認できるようにすることができるため、様々なニーズに合せて外観を構成する意匠を変更できる。特に、本実施形態のように、意匠カバー62を取り付けるときと反対側に回転させることでバンパー2から脱着可能で交換できる構成であれば、何度も変更可能である。そして、意匠ベゼル6の意匠カバー62に貫通孔62aを形成することで、貫通孔62aを通じて超音波を出力できるようにしている。このため、センサ機能を損なうこともない。
【0076】
したがって、センサ機能を損なうことなく、様々なニーズに合せて外観を構成する意匠を変更できる超音波センサ1とすることが可能となる。
【0077】
(他の実施形態)
上記実施形態では、意匠カバー62の材料について、樹脂材料を例に挙げた。しかしながら、意匠カバー62の外縁部がバンパー2の表面に密着させられるようにすることが好ましいため、例えばブラケット61への固定部を樹脂材料で構成し、外縁部に柔軟性を有する材料(例えばエラストマー)を用いた二色成形部材によって意匠カバー62を構成することもできる。
【0078】
また、上記実施形態では、意匠カバー62に貫通孔62aを形成するようにしたが、貫通孔62aと対応する部分を超音波が通過(透過)する材料で埋めるようにすれば、より意匠カバー62の意匠性を向上させることができる。つまり、超音波が通過する通過部は、貫通孔62aであっても良いし、材質的に超音波を通過させる材料が配置されていても構わない。
【0079】
さらに、上記実施形態では、脱着可能な意匠ベゼル6を前提としているが、意匠ベゼル6を固定型とすることもできる。例えば、意匠カバー62の裏面に接着層を備え、この接着層を介してベゼル4のフランジ部4aに意匠カバー62を直接貼り付けるようにすることもできる。この場合、意匠カバー62の外縁部がバンパー2の表面に密着させられるように、意匠カバー62の少なくとも外縁部に柔軟性を有する材料を用いると好ましい。
【符号の説明】
【0080】
1 超音波センサ
2 バンパー
3 センサ本体
4 ベゼル
4a フランジ部
6 意匠ベゼル
10 超音波振動子
11 ハウジング
11b 振動面
12 圧電素子
32 開口面
33 筒状弾性体
61 ブラケット
61a 開口部
61b 鍔部
61c 回転防止部
62 意匠カバー
62a 貫通孔
62b テーパ面
62c 凹部
62d 周壁
62e スリット
62f 止め部
62g 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に開口部が形成され、中空部を有する筒状部分を備えたベゼル(4)と、
超音波振動子(10)を備えたセンサ本体(3)と、
前記センサ本体(3)のうち前記超音波振動子(10)を含む一部を挿入部(10、32)として前記開口部から前記ベゼル(4)の中空部内に前記挿入部(10、32)が挿入されるようになっており、前記ベゼル(4)を車体部品(2)に形成された穴部(2a)に対して該車体部品(2)の外部から挿入したのち、前記車体部品(2)の内側から前記ベゼル(4)の前記中空部内に前記挿入部(10、32)を挿入することで、前記車体部品(2)に対して前記ベゼル(4)を介して前記センサ本体(3)が組み付けられるように構成される超音波センサであって、
前記ベゼル(4)には、前記車体部品(2)への挿入方向の後端に、前記穴部(2a)よりも寸法が拡大されたフランジ部(4a)が備えられ、該フランジ部(4a)によって前記穴部(2a)内への前記ベゼル(4)の挿入が止められるようになっており、
前記挿入部(10、32)が挿入される開口部(61a)が形成され、該開口部(61a)側から前記ベゼル(4)における前記フランジ部(4a)と前記車体部品(2)との間に嵌め込まれることで、前記フランジ部(4a)と前記車体部品(2)との間に挟持されるブラケット(61)と、
前記挿入部(10、32)の先端に設けられる前記超音波振動子(10)の振動面(11a)から出力される超音波を通過する通過部(62a)が形成されていると共に、該通過部(62a)の周囲において前記ブラケット(61)に対して固定される意匠カバー(62)と、を有する意匠ベゼル(6)を備えていることを特徴とする超音波センサ。
【請求項2】
前記意匠カバー(62)は、前記ブラケット(61)に対して脱着可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項3】
前記通過部は、前記意匠カバー(62)の形成した貫通孔(62a)であり、該貫通孔(62a)を構成する前記意匠カバー(62)の内周面は、前記振動面(11a)から離れるに連れて広がるテーパ面(62b)とされており、前記振動面(11b)の法線と前記テーパ面(62b)とが成す角度が60°以上とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波センサ。
【請求項4】
前記ブラケット(61)の外縁部には、該ブラケット(61)のうちの前記フランジ部(4a)側となる表面から法線方向および径方向外側に突き出した複数の鍔部(61b)が備えられており、
前記意匠カバー(62)のうち前記ブラケット(61)の前記複数の鍔部(61b)と対向する部位には、複数のスリット(62e)が形成されていると共に、該複数のスリット(62e)それぞれを部分的に覆う止め部(62f)が備えられており、
前記複数のスリット(62e)それぞれに前記複数の鍔部(61b)を嵌め込み、前記複数の鍔部(61b)を前記複数のスリット(62e)内でスライドさせ、前記複数の鍔部(61b)を前記止め部(62f)に引掛けることで、前記意匠カバー(62)が前記ブラケット(61)に固定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項5】
前記意匠カバー(62)は、前記通過部(62a)の中心を中心軸として回転させられることで、前記前記複数の鍔部(61b)を前記複数のスリット(62e)内でスライドさせ、前記複数の鍔部(61b)を前記止め部(62f)に引掛ける構造とされていることを特徴とする請求項4に記載の超音波センサ。
【請求項6】
前記ブラケット(61)は、一方向が開口させられることで前記開口部(61a)が形成されたU字形状とされ、前記ブラケット(61)のうち前記開口部(61a)の開口端側の端部は、徐々に肉厚が薄くされたテーパ形状もしくは面取り形状とされていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の超音波センサ。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1つに記載の超音波センサに用いられ、
前記ブラケット(61)および前記意匠カバー(62)を有して構成された意匠ベゼル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−181147(P2012−181147A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45296(P2011−45296)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】