説明

超音波プローブ、及び超音波診断装置

【課題】超音波検査に関するワークフローの改善。
【解決手段】送信部100Aは、被検体の関心領域へ向けて超音波を送信する。受信部100Bは、被検体の関心領域から反射された超音波を受信する。不揮発性記憶媒体60Aは、受信された超音波に対応するデータを記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、超音波プローブ、及び超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示されるように、一般的に、超音波診断装置は、処理部1、表示部2、ケーブル3、及びプローブ4を含む。プローブ4は、圧電振動子部を有している。プローブ4は、ケーブル3を介して処理部1に接続される。処理部1は、圧電振動子部を制御する。圧電振動子部は、被検体の関心領域へ向けて超音波を送信し、また、被検体から反射された超音波を受信する。処理部1は、表示部2に関心領域の画像を表示するため、反射された超音波に基づくデータを圧電振動子部からリアルタイムで受信する。
【0003】
圧電振動子部は、複数の圧電素子を含む。既定の複数の圧電素子は、超音波の送受信のため、複数のチャネルに区分される。チャネルの数は、2次元画像データにおいては、64から256に及ぶ。必要なチャネルの数は、3次元画像データにおいては、通常1000を超える。圧電振動子部は、超音波診断装置において、リアルタイムで画像を表示するため、ケーブル3を経由して処理部1へ大量の超音波受信データを送信する。
【0004】
ケーブル3のサイズは、独立した電線路を数多く収容するため、大きくなる。例えば、3次元画像表示の性能を劣化させないためには、ケーブルサイズは、直径で約40mm程度である必要があり、42アメリカンワイヤーゲージ(AWG:American wire gage)を用いた場合、6000もの送受信チャネルを収容することになる。このような厚いケーブルは、重く、容易に操れないので、臨床治療における設置の場合においては非現実的である。超音波技術者または超音波診断技師は、被検体のある領域に渡ってプローブを繰り返し動かさなければならない。そのため、超音波技術者または超音波診断技師は、大重量のケーブルを用いると、プローブを正確な位置に当てることができないばかりでなく、怪我をする恐れもある。
【0005】
3次元画像データや4次元画像データの処理を向上させるため、物理的なケーブルサイズを減少するため、2次元アレイ超音波プローブを用いる場合がある。プローブから処理部へデータを送信する前段にデータを多重化する技術は、良くない結果を生む。また、圧電振動子部におけるビームフォーミング技術は、実現が困難である。処理部との間で送受信される多数の送受信信号を削減することができない技術は、現実的ではない。最後に、圧電振動子部と処理部との間の無線通信が考えられているが、最も高い伝送レートを用いた場合でも伝送レートが遅すぎ、多くの3次元画像データまたは4次元画像データを保存できない。また、ケーブルサイズの減少が望まれている。
【0006】
上記のケーブルサイズに関する問題に加えて、臨床治療における超音波診断装置の利用をさらに促進させるため、4次元超音波検査の検査時間を短縮することが望ましい。しかし、超音波診断装置の操作パネルとプローブとの操作に長けた超音波診断技師であっても、他のモダリティと比較して、超音波診断装置は、被検体にとって比較的長い拘束時間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
目的は、超音波検査に関するワークフローを改善することが可能な超音波プローブ、及び超音波診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態に係る超音波プローブは、被検体の関心領域へ向けて超音波を送信する送信部と、前記被検体の関心領域から反射された超音波を受信する受信部と、前記受信された超音波に対応するデータを記憶する不揮発性記憶媒体と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】超音波診断装置に関する典型的な技術を示す図。
【図2】第1実施形態に係るプローブの構成を示す図。
【図3】第2実施形態に係るプローブの構成を示す図。
【図4】第3実施形態に係るプローブの構成を示す図。
【図5】第4実施形態に係るプローブの構成を示す図。
【図6A】本実施形態に係るプローブの外観図。
【図6B】図6Aのプローブを底面から見た外観図。
【図7A】本実施形態に係るプローブの外観図。
【図7B】図7Aのプローブを底面から見た外観図。
【図8】本実施形態に係るプローブにより行われる処理の典型的な流れを示す図。
【図9】本実施形態に係るプローブにより行われる他の処理の典型的な流れを示す図。
【図10】本実施形態に係るプローブの圧電素子の2次元配列に関する実施形態を示す図。
【図11】本実施形態に係るプローブにより行われる他の処理の典型的な流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る超音波プローブ、及び超音波診断装置を説明する。
【0011】
本実施形態に係る超音波診断装置は、プローブ(圧電振動子部)、処理部、及びプローブを処理部へ接続するケーブルを有する。本実施形態に係るプローブは、超音波を発生し、被検体のある領域へ向かって超音波を送信する。本実施形態に係るプローブは、被検体から反射された超音波を受信する。多くの実施形態に係るプローブは、携帯用の大きさを有する。しかし、本実施形態に係るプローブは、これに限定されず、携帯用の大きさを有さなくても良い。
【0012】
本実施形態に係るプローブは、プローブで受信される2次元画像データ、3次元画像データ、及び4次元画像データを記憶する不揮発性局部記憶媒体を少なくとも1つ有する。“不揮発性”記憶媒体という単語は、消滅の早い電気信号を保持するランダムアクセスメモリー(RAM:random access memory)または、バッファーメモリー(BF:buffer memory)のような揮発性電子装置から単語を区別するために用いられる。同様に、“局部”記憶媒体は、プローブに言及する場合において用いられ、プローブに接続されている処理装置に設けられた“中央”記憶媒体から単語を区別するために用いられる。不揮発性局部記憶媒体は、臨床セッションの期間、リアルタイムで利用されるために画像データを記憶する。あるいは、不揮発性局部記憶媒体は、データ収集セッションの後に画像データを利用するために、この画像データを記憶する。
【0013】
不揮発性局部記憶媒体は、様々な形態、方法で実装される。不揮発性局部記憶媒体は、特定の種類の記憶媒体に限定されない。例えば、不揮発性局部記憶媒体は、プローブの内部、または、プローブの表面に設けられるSD(secure digital)カードのような高性能で着脱可能な記憶媒体を含む。あるいは、不揮発性局部記憶媒体は、プローブに接続されているハードディスクを含む。ハードディスクは、プローブの内部、または、プローブの表面に設けられている。いずれにせよ、不揮発性局部記憶媒体は、処理部への接続とは独立して直接的に結合、または、接続される。
【0014】
図2は、第1実施形態に係るプローブ100の構成を示す図である。第1実施形態に係るプローブ100は、送信部100A、受信部100B、及び圧電振動子部70Aを有する。送信部100Aは、圧電振動子部70Aから発生する超音波を被検体の関心領域へ向けて送信するために制御部10Aと送信回路20Aとを有する。送信回路20Aは、制御部10Aや外部電力供給装置から、図2において矢印によって示されるような制御情報を受信する。上述の処理部は、外部電力供給装置の一例である。
【0015】
受信部100Bは、さらに圧電振動子部70Aからのアナログ信号(エコー信号)を受信する受信回路30Aを有する。また、圧電振動子部70Aは、被検体の関心領域から反射される超音波を受信する。受信回路30Aは、処理部のような外部電力供給装置へ向けて矢印で示されるようにアナログ信号を送信する。さらに、受信部100Bは、A/D変換器40とビームフォーミング部50とを有する。A/D変換器40は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。その後、デジタル信号は、ビームフォーミング部50Aにより処理される。ビームフォーミング部50Aは、デジタル信号に基づいてビームデータを生成する。生成されたビームデータは、不揮発性局部記憶媒体60Aに記憶される。制御部10Aは、また、ビームフォーミング部50Aと不揮発性局部記憶媒体60Aとの間における応答確認のための信号を出力する。また、当業者には良く知られていることだが、第1実施形態の実施のため、第1実施形態に係るプローブは、バッファーメモリーを必要とする。
【0016】
第1実施形態に係るプローブ100は、少なくとも1つの不揮発性局部記憶媒体60Aを有する。不揮発性局部記憶媒体60Aは、データを記憶するために磁気的特性、または、光学的特性を有する。不揮発性局部記憶媒体60Aに記憶されたデータは、消去可能であり、書き換え可能である。不揮発性局部記憶媒体60Aは、また、予め決められた2次元画像、3次元画像、及び4次元画像のデータを保存可能な十分な記憶容量を有する。例えば、不揮発性局部記憶媒体60Aは、2次元画像データを記録する場合における約12.5メガバイトから、3次元画像データを10秒の動画で記録する場合における約1.25ギガバイトまでの範囲の記憶容量を必要とする。なお、不揮発性局部記憶部60Aの記憶容量は、上記の範囲に限定されず、画像データの種類、データ分解能、圧電素子配列、圧縮技術などの様々な要素に基づいて大幅に変更可能である。
【0017】
第1実施形態に係る不揮発性局部記憶媒体60Aは、プローブ100に内蔵されている。図2には示されていないが、不揮発性局部記憶媒体60Aは、プローブ100に対して着脱可能である。保存された画像データは、画像データの収集後、SDカードのような着脱可能な記憶媒体にさらなる分析のために送信される。あるいは、ハードディスクのような不揮発性局部記憶媒体60Aは、必ずしもプローブに内蔵されていなくてもよい。不揮発性局部記憶媒体60Aには、保存された画像データを送受信するため、USB(universal serial bus)ポートのような入出力ポートを介してアクセス可能である。
【0018】
第1実施形態において、圧電振動子部70Aは、受信回路30Aに対して特定の大きさ又は特定の配列に構成される複数の圧電素子を有する。例えば、複数の圧電素子は、2次元状に配列される。複数の圧電素子のうちの少なくとも1列以上の部分は、主に2次元画像データを受信するために構成される。複数の圧電素子のうちの残りの部分は、主に3次元画像データまたは4次元画像データを受信するために構成される。受信回路30Aは、操作者がリアルタイムの2次元画像により関心領域を確認するために、アナログの2次元画像データをディスプレイに出力する。一方で、受信回路30Aは、後の画像再構成または分析のために、不揮発性局部記憶媒体60Aに、対応する3次元画像データまたは4次元画像データを同時に記憶する。
【0019】
第1実施形態において、プローブ100と外部電力供給装置との間における上記の入出力用の接続は、有線または無線接続の組み合わせにより実施され得る。
【0020】
図3は、第2実施形態に係るプローブ200の構成を示す。第2実施形態に係るプローブ200は、送信部200A、受信部200B、及び圧電振動子部70Bを有する。送信部200Aは、さらに制御部10Bと送信回路20Bとを有する。送信回路20Bは、制御部10Bからの制御に従って、超音波を圧電振動子部70Bから被検体の関心領域に向けて送信する。送信回路20Bは、処理部のような外部電力供給装置または制御部10Bから、図3において矢印により示される制御情報を受信する。
【0021】
受信部200Bは、さらに圧電振動子部70Bからアナログ信号を受信する受信回路30Bを有する。また、受信部200Bは、被検体の関心領域において反射された超音波を受信する。受信部200Bは、さらにA/D変換器40Bを有する。また、A/D変換器40Bは、アナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号は、ビームフォーミング部50Bによって処理される。ビームフォーミング部50Bは、デジタル信号に基づいてビームデータを生成する。生成されたビームデータは、不揮発性局部記憶媒体60Bに記憶される。また、ビームフォーミング部50Bはまた、処理部のような外部電力供給装置に、図3において矢印で示されるように、デジタル信号を送信する。制御部10Bは、ビームフォーミング部50Bと不揮発性局部記憶媒体60Bとの間のデータの送受信のために、信号を出力する。また、当業者には良く知られていることだが、第2実施形態の実施のため、第2実施形態に係るプローブは、バッファーメモリーを必要とする。
【0022】
第2実施形態に係るプローブ200は、1つ以上の不揮発性局部記憶媒体60Bを有する。不揮発性局部記憶媒体60Bは、磁気的特性または光学的特性を有する記憶媒体を備え、半永久的にデータを記憶できる。保存されたデータは、書き換え可能であり、また消去可能である。不揮発性記憶媒体60Bは、予め決められた量の2次元画像データや3次元画像データ、4次元画像データを記憶するための十分な記憶容量を有する。画像表示における2次元画像データの記憶のために、記憶容量は、約12.5メガバイトを必要とする。また、3次元画像データの10秒間の動画のために、記憶容量は、約1.25ギガバイトを必要とする。従って、記憶容量は、約12.5メガバイトから約1.25ギガバイトまでの範囲を有する。不揮発性局部記憶媒体60Bの記憶容量は、画像データの種類、データ分解能、圧電素子の配列、圧縮技術などの様々な要素に応じて大きく変更可能である。
【0023】
第2実施形態に係るプローブにおいて、不揮発性局部記憶媒体60Bは、プローブ200の内部に設けられる。また、不揮発性局部記憶媒体60Bは、プローブ200に着脱可能に設けられる。また、画像データは、収集後、分析のため、SDカードのような着脱可能な記憶媒体に転送される。不揮発性局部記憶媒体60Bがハードディスクの場合、不揮発性局部記憶媒体60Bは、プローブ200の内部に固定される。不揮発性局部記憶媒体60Bには、保存された画像データを送受信するため、USBポートのような所定の入出力ポートを介してアクセス可能である。
【0024】
第2実施形態において、圧電振動子部70Bは、複数の方法により電気的に構成される。例えば、複数の圧電素子は、2次元状に配列される。複数の圧電素子のうちの少なくとも1列は、電気的に接続され、2次元画像データを受信するように電気的に構成される。その後、複数の圧電素子は、3次元画像データまたは4次元画像データを受信するように電気的に構成される。2次元画像データは、データ処理や表示のため、処理部に送信される。また、複数の圧電素子は、複数の3次元ボリュームまたは複数の4次元ボリュームを収集するために、2次元配列として電気的に構成されてもよい。
【0025】
リアルタイム画像に基づいて関心領域を確認するため、ビームフォーミング部50Bは、2次元画像データのようなデジタル信号をディスプレイに出力する。圧電素子配列は、その後、2次元配列として構成される。画像再構成または分析のため、不揮発性局部記憶媒体60Bにおいて対応する3次元画像データまたは4次元画像データを保存する。さらに、不揮発性局部記憶媒体60Bは、図3の点線のように、保存された3次元画像データまたは4次元画像データの残りと組み合わせて、保存された3次元画像データまたは4次元画像データのちの2次元画像データあるいは1次元画像データのような特定部分データを出力することができる。
【0026】
第2実施形態において、プローブ200と外部電力供給装置との間の入出力のための接続は、有線接続、無線接続、あるいは、有線接続及び無線接続の組み合わせにより実現される。
【0027】
図4は、第3実施形態に係るプローブ300の構成を示す図である。第3実施形態に係るプローブ300は、送信部300A、受信部300B、回路基板上に実装された表示部300C、及び圧電振動子部70Cを有する。送信部300A、さらに圧電振動子部70Cから患者または被検体の関心領域へ向かう超音波パルスの発生と送信とを制御する制御部10Cと送信回路20Cとを有する。送信回路20Cは、矢印によって示されるように制御情報を制御部10Cから受信する。
【0028】
受信部300Bは、圧電振動子部70Cからアナログ信号を受信するための受信回路30Cを有する。受信回路30Cは、被検体の関心領域から反射された超音波を受信する。受信部300Bは、さらにA/D変換器40Cとビームフォーミング部50Cとを有する。A/D変換器40Cは、アナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号は、ビームフォーミング部50Cにより処理される。ビームフォーミング部50Cは、デジタル信号に基づいてビームデータを生成する。このビームデータは、その後、不揮発性局部記憶媒体60Cに保存される。制御部10Cは、またビームフォーミング部50Cと不揮発性局部記憶媒体60Cとの間のデータ送受信のための信号を出力する。さらに、制御部10Cは、300B、300C、70、72、74、及び60Cを制御する。あるいは、300B、300C、70、72、74、及び60Cの各部に制御部が組み込まれていてもよい。また、当業者には良く知られていることだが、第3実施形態の実施のため、第3実施形態に係るプローブは、バッファーメモリーを必要とする。
【0029】
ビームフォーミング部50Cは、表示のために、データ処理部70Aや回路基板上に実装された動画処理部300Cのような内部源へ、矢印によって示されるビームデータを出力する。表示部300Cは、あるモードに対応する画像を表示するため、動画処理部80と動画表示部90とを有する。ビームフォーミング部50Cは、ビームデータをデータ処理部70Aへ出力する。データ処理部70Aは、Bモード処理部70、Cモード処理部72、及びDモード処理部74を有する。Bモード処理部70は、モノクロを基礎とするBモード処理に従ってビームデータを処理し、Bモード画像データを生成する。Cモード処理部72は、カラードプラモード処理に従ってビームデータを処理し、青や赤のような色付きの血流を表現するカラードプラモード画像データを生成する。Dモード処理部74は、ドップラー処理モードに従ってビームデータを処理し、血流や被検体の動きを時系列で示す波形情報を生成する。例えば、動画処理部80は、Cモード処理部72からの画像データを処理し、プローブ300上に設けられたビデオディスプレイ90へ出力する。ここで、「部」という単語は、モジュールまたはユニットなどの素子が、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現される場合に用いられる。
【0030】
本実施形態に係るプローブ300は、少なくとも1つの不揮発性記憶媒体60Cを有する。不揮発性記憶媒体60Cは、磁気的特性または光学的特性を有する記憶媒体である。従って、不揮発性記憶媒体60Cは、半永久的にデータを記憶することができる。保存されたデータは消去可能で、また上書き可能である。不揮発性局部記憶媒体60Cは、2次元画像データ、3次元画像データ、または4次元画像データの予め決定されたデータ量を保存するための十分な記憶容量を有する。例えば、記憶容量は、2次元画像データのための12.5メガバイトから、3次元画像データの10秒間の動画のための1.25ギガバイトまでを必要とする。不揮発性局部記憶媒体60Cの記憶容量は、上記の範囲に限定されない。不揮発性局部記憶媒体60Cの記憶容量は、画像データの種類、データ分解能、圧電素子配列、圧縮技術などにより適宜変更可能である。
【0031】
本実施形態に係るプローブにおいて、不揮発性局部記憶媒体60Cは、プローブに内蔵されている。不揮発性局部記憶媒体60Cは、プローブ300に着脱可能に設けられている。保存されたデータは、画像データが収集された後、さらなる分析のため、SDカードのような着脱可能な記憶媒体へ転送される。不揮発性局部記憶媒体60Cがハードディスクの場合、プローブ200の内部に固定される。また、不揮発性局部記憶媒体60Cには、保存された画像データを送受信するため、USBポートのような入出力ポートを介してアクセス可能である。
【0032】
第3実施形態に係る圧電振動子部70Cは、2次元撮像、3次元撮像、または4次元撮像のために電気的に構成される。例えば、複数の圧電素子は、2次元アレイに構成される。複数の圧電素子のうちの中央列のような特定部分は、2次元画像データの送受信に利用される。その後、複数の圧電素子は、3次元画像データまたは4次元画像データの送受信のために電気的に構成される。ビームフォーミング部50Cは、操作者がリアルタイム画像により関心領域を確認するために、2次元画像データのような変換されたデジタル信号の一部分を、データ処理部70Aや表示部300Cへ出力する。同定された場合、複数の圧電素子は、3次元画像データまたは4次元画像データを収集するため、2次元アレイとして電気的に構成される。このモードにおいて、ビームフォーミング部50Cは、画像再構成や事後分析のため、対応する3次元画像データまたは4次元画像データを不揮発性局部記憶媒体60Cに記憶する。
【0033】
第3実施形態において、プローブ300は、プローブ300と外部電力供給装置との間に入出力結合部を有する。入出力結合部は、有線接続、無線接続、あるいは、有線接続と無線接続との組み合わせにより実装される。
【0034】
図5は、第4実施形態に係るプローブ400の構成を示す図である。第4実施形態に係るプローブは、送信部400A、受信部400B、及び圧電振動子部70Dを有する。送信部400Bは、制御部10Dと送信回路20Dとを有する。制御部10Dと送信回路20Dとは、超音波を発生し、圧電振動子部70Dから被検体の関心領域へ超音波を送信する。送信回路20Dは、制御部10Dや処理部のような外部電力供給装置から矢印で示されるように制御情報を受信する。
【0035】
受信部400Bは、受信回路30Dを有する。受信回路30Dは、圧電振動子部70Dからアナログ信号を受信する。受信回路30Dは、被検体の関心領域から反射される超音波を受信する。受信回路30Dは、処理部のような外部電力供給装置へ矢印で示されるようなアナログ信号を送信する。受信部400Bは、A/D変換器40Dを有する。A/D変換器40Dは、アナログ信号をデジタル信号へ変換する。デジタル信号は、ビームフォーミング部50Dにより処理される。ビームフォーミング部50Dは、デジタル信号に基づいてビームデータを生成する。生成されたビームデータは、不揮発性局部記憶媒体60Dに記憶される。制御部10Dは、400B内のモジュールまたはユニットを制御する。あるいは、受信部400Bは、30D、40D、及び50Dの各サブユニットに埋め込まれている制御部により制御されてもよい。また、当業者には良く知られていることだが、第4実施形態の実施のため、第4実施形態に係るプローブは、バッファーメモリーを必要とする。
【0036】
第4実施形態に係るプローブ400は、少なくとも1つ以上の不揮発性局部記憶媒体60Dを有する。不揮発性局部記憶媒体60Dは、磁気的特性または光学的特性を有する記憶媒体である。不揮発性局部記憶媒体60Dは、半永久的にデータを記憶する。記憶されるデータは、消去可能で、また書き換え可能である。不揮発性局部記憶媒体60Dは、2次元画像データ、3次元画像データ、または4次元画像データを予め決定された記憶容量だけ記憶する。記憶容量は、2次元画像のための12.5メガバイトから、3次元画像データの10秒間の動画のための1.25ギガバイトまでを必要とする。不揮発性局部記憶媒体60Cの記憶容量は、上記の範囲に限定されない。不揮発性局部記憶媒体60Cの記憶容量は、画像データの種類、データ分解能、圧電素子配列、圧縮技術などにより適宜変更可能である。
【0037】
第4実施形態に係る不揮発性局部記憶媒体60Dは、プローブ400の表面またはプローブの外部に設けられる。不揮発性局部記憶媒体60Dがハードディスクの場合、プローブ400の表面または外部に設けられる。ハードディスクには、保存された画像データの送受信のため、予め決められた入出力ポートを介してアクセス可能である。プローブ400と不揮発性局部記憶媒部60Dとの間は、直接的に接続され、外部処理部への接続から独立している。さらにプローブ400と不揮発性局部記憶媒体60Dとの接続は、有線または無線であり得る。
【0038】
第4実施形態に係る圧電振動子部70Dは、2次元アレイを有している。少なくとも1列以上に配列された複数の圧電素子は、複数列のうちの1列から2画像データを受信するように電気的に接続される。次に、複数の圧電素子は、複数列から3次元画像データや4次元画像データを受信するように電気的に接続される。受信回路30Dは、操作者がリアルタイム2次元画像により関心領域を確認するために、ディスプレイに画像データを出力する。2次元撮像の後、後の画像再構成または分析のため、受信回路30Dは、不揮発性局部記憶媒体60Dに、対応する画像データを保存する。1列からの画像データは、さらなる処理や観察のためシステム送信される。複数の圧電素子は、2次元アレイとして電気的に結合され、3次元画像データや4次元画像データを収集する。
【0039】
第4実施形態に係るプローブ400と外部電力供給装置との間の入出力は、無線接続、有線接続、あるいは、無線接続と有線接続との組み合わせにより実現される。
【0040】
図6Aは、本実施形態に係るプローブ500の外観図である。本実施形態に係るプローブ500は、プローブ先端部510、プローブハンドル部520、及び接続ケーブル530を有する。接続ケーブル530は、プローブ500と超音波診断装置本体に組み込まれた処理部とを接続する。操作者は、プローブ先端部510を被検体の関心領域の体表に当てるためプローブハンドル部520によりプローブを操作する。プローブ500は、超音波をプローブ前部510から被検体の関心領域へ送信する。プローブ500は、超音波を発生するための制御情報を、接続ケーブル530を介して処理部から受信する。
【0041】
プローブ先端部510は、被検体の関心領域から反射された超音波を受信する。プローブ500は、反射された超音波に応じた2次元画像データ、3次元画像データ、または4次元画像データを発生する。プローブ500は、SDHC(Secure Digital High Capacity)カードのような少なくとも1つの不揮発性局部記憶媒体を有する。プローブ500は、接続ケーブルを介して、発生された画像データの一部分を処理部のような外部電力供給装置へ出力する。
【0042】
図6Bは、本実施形態に係るプローブ500の底面を示す図である。プローブハンドル部520は、プローブ500の底面である。底面部は、SDHCカード接続部540、マイクロSDHCカード541、SDHC取り出しボタン542、USBポート550、及び接続ケーブル530を有する。接続ケーブル530は、プローブ500と処理部とを接続する。マイクロSDHCカード541は、SDHCカード接続部540に挿入される。SDHCカード接続部540に挿入された状態においてマイクロSDHCカード541は、画像データを保存できる。マイクロSDHCカード541は、SDHCカード接続部540に対して着脱可能である。具体的には、マイクロSDHCカード541は、SDHC取り出しボタン542が押されることにより、SDHCカード接続部540から取り外される。後の分析のため、マイクロSDHCカード541に保存されたデータは、マイクロSDHCカード541から取り出され、他のシステムへ転送される。あるいは、マイクロSDHCカード541に保存される画像データは、プローブ500からマイクロSDHCカード541を取り出すことなしにUSBポート550を経由して送受信されてもよい。
【0043】
上述のプローブ500の構成は、1例であり、本実施形態に係るプローブの構成はこれに限定されない。例えば、プローブ500は、マイクロSDHCカードとUSBポートとを必ずしも実装する必要はない。また、プローブ500は、マイクロSDHCカード以外の不揮発性局部記憶媒体を有してもよい。さらに、プローブ500は、USBポート以外の他の入出力ポートを有してもよい。また、プローブ500は、不揮発性局部記憶媒体として、ミニハードディスクドライブ有してもよい。また、プローブ500は、接続ケーブル530とは独立に、プローブ500に直接的に接続され、プローブ500の外側に隣接して設けられるハードディスクを有してもよい。直接的かつ独立した接続は、無線接続または有線接続により実現される。
【0044】
図7Aは、本実施形態に係るプローブ600の外観図である。本実施形態に係るプローブ600は、プローブ前部610、プローブハンドル部620、回路基板上に実装された表示部630、表示制御ボタン640、及び動作制御ボタン650を有する。操作者は、データ収集セッションの期間、プローブ先端部610を被検体の関心領域の体表に当てるためプローブハンドル部620によりプローブ600を操作する。プローブ600は、超音波パルスを発生させる。プローブ600は、超音波をプローブ前部610から被検体の関心領域へ送信する。超音波パルスを制御するため操作者は、動作制御ボタン650を操作して制御情報を入力する。さらに、プローブ600は、無線接続により外部処理部からある制御情報を受信する。
【0045】
プローブ先端部610は、被検体の関心領域から反射される超音波を受信する。プローブ600は、受信された超音波に応じた2次元画像データ、3次元画像データ、または4次元画像データを発生する。プローブ600は、2次元画像データ、3次元画像データ、または4次元画像データを保存するための、少なくとも1つのSDHCカードのような不揮発性局部記憶媒体を有する。プローブ600は、無線接続を介して処理部のような外部電力供給装置へ、発生された画像データの一部分を出力する。
【0046】
プローブ600は、画像データを表示するため、回路基板上に実装された表示部630を有する。表示される画像データは、不揮発性局部記憶媒体から受信する。受信される画像データは、プローブ前部610から発生される。表示部630は、リアルタイム画像または保存された画像を、操作者による表示制御ボタン640の操作に従って表示する。表示制御ボタン640は、表示部630上の表示画像を操作するために設けられる。例えば、表示制御ボタン640は、図7Aに示すように、様々な表示制御を行うための、例えば、三角形形状を有するボタンや円形状を有するボタンを有する。
【0047】
本実施形態に係る図7Bは、プローブ600の底面を示す図である。本実施形態に係るプローブ600は、プローブハンドル部620の底面を有する。プローブ600の底面は、ドッキングポート660、SDHCカード接続部670、マイクロSDHCカード671、SDHC取り出しボタン672、USBポート680、及び電源コード690を有する。プローブハンドル部620は、バッテリーを搭載している。バッテリーは、電源コード690やドッキングポート660を介してプローブ600へ電力を供給する。マイクロSDHCカード671は、SDHCカード接続部670に挿入可能、また、取外可能である。その結果、マイクロSDHCカード671は、画像データを記録できる。マイクロSDHCカード671は、SDHC取り出しボタン672が押されることにより、SDHCカード接続部670から取り出される。その結果、保存されたデータは、さらなる分析のため、取り出されたマイクロSDHCカード671から、他のシステムへ移転される。あるいは、マイクロSDHCカード671に保存される画像データは、プローブ600からマイクロSDHCカード671を取り外すことなしに、プローブUSBポート680を介してアクセス可能であってもよい。
【0048】
上記の本実施形態に係るプローブ600は、1例であって、本実施形態はこれに限定されない。マイクロSDHCカードとUSBポートとは、必ずしもプローブ600に設けられなくても良い。例えば、プローブは、マイクロSDHCカード以外の不揮発性局部記憶媒体または、USBポート以外の他の入出力ポートを有していてもよい。また、プローブは、ミニハードディスクのような不揮発性局部記憶部を有していてもよい。このミニハードディスクは、プローブ600に内蔵される。また、プローブ600の表面には、ハードディスクが設けられていてもよい。ハードディスクは、無線接続とは独立し、プローブ600に直接的に接続される。直接的または独立的な接続は、有線接続または無線接続により実現される。
【0049】
図8は、第1実施形態に係るプローブにより行われる処理の典型的な流れを示す。図8のプローブによる処理は、ステップS10から始まる。ステップS10において、超音波は、プローブから関心領域へ向けて送信される。ステップS20において、被検体の関心領域により反射された超音波は、プローブにより受信される。ステップS30において、受信された超音波に基づく画像データは、プローブに設けられた不揮発性記憶媒体に記憶される。ステップS10とステップS20とは、ステップS30において画像データが、不揮発性局部記憶媒体に記憶される間、繰り返される。より詳細には、圧電振動子部からのアナログ信号は、A/D変換器によりデジタル信号に変換される。デジタル信号に基づいて、ビームフォーミングによりデジタルの画像データが生成される。そして、生成された画像データは、不揮発性局部記憶媒体に記憶される。さらなる処理や表示のため、アナログ信号は、ポットまたはシステムへ送信されてもよい。
【0050】
図8のステップS30において、プローブで受信された超音波に応じた2次元画像データ、3次元画像データ、または4次元画像データは、少なくとも1つの不揮発性局部記憶媒体に記憶される。
【0051】
図9は、本実施形態に係るプローブにより行われる他の処理の典型的な流れを示す図である。図9に示す他の処理は、ステップS40から始まる。ステップS40において超音波は、プローブから被検体の関心領域へ送信される。ステップS60において、被検体の関心領域により反射された超音波は、プローブにより受信される。ステップS80において、受信された超音波に応じた画像データは、表示される。ステップS40とステップS60とは、受信された超音波に応じた画像データがステップS80において表示される間、繰り返される。画像データは、ステップS80における表示と同時に、ステップS100において不揮発性局部記憶媒体に記憶される。あるいは、画像データは、表示ステップS80において表示された後、ステップS100において不揮発性局部記憶媒体に記憶されてもよい。どちらの処理においても操作者がステップS120において終了指示を入力するまで、ステップS40、S60、S80、及びS100は順番に繰り返される。ステップS60において受信された超音波に応じた画像データは、ステップS100において記憶される前にさらに処理されてもよい。あるいは、受信されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0052】
図9のステップS100において、プローブで受信された超音波に応じた2次元画像データ、3次元画像データ、または4次元画像データは、少なくとも1つの不揮発性局部記憶媒体に記憶される。
【0053】
ステップS80とステップS100とについてより詳細に説明する。ステップS80において画像データは、プローブの操作者が望ましい位置に望ましい角度でプローブを当てるために表示される。表示後、画像データは、不揮発性局部記憶媒体に記憶される。例えば、ステップS80においては、臓器などの被検体の関心領域のリアルタイム2次元画像が表示される。その結果、操作者は、さらに正確に望ましい位置に望ましい角度でプローブを当てることができる。ステップS80において操作者は、被検体の関心領域を視覚的に確認し、例えば、表示制御ボタン等の操作により保存指示をプローブに入力する。保存指示が入力されることでステップS80からステップS100へ移行される。ステップS100において、表示された画像データが不揮発性局部記憶媒体に記憶される。ステップS80からステップS100への移行方法はこれに限定されない。例えば、表示ステップS80において操作者は、表示されている2次元画像データ、3次元画像データ、または4次元画像データを表示制御ボタン等の操作により選択する。画像データが選択されることによりステップS80からステップS100へ移行される。選択された画像データは、ステップS100において不揮発性局部記憶媒体に記憶される。
【0054】
図10は、本実施形態に係るプローブに含まれる2次元アレイの複数の圧電素子を示す図である。図10においてプローブは、2次元状に配列された複数の圧電素子を有する。2次元アレイの複数の圧電素子は、1次元アレイとして駆動される、電気的に構成された1つの列を有する。複数の圧電素子のうちのC部分の複数の圧電素子は、1次元アレイを形成している。1次元アレイは、2次元画像データの生成のために構成される。2次元画像データは、上述の表示部に表示される。また、2次元状に配列された複数の圧電素子は、2次元アレイとして全ての圧電素子を独立に駆動するために、電気的に構成される。この方法により、2次元アレイは、3次元画像データまたは4次元画像データを生成する。3次元画像データまたは4次元画像データは、初期的に、不揮発性局部記憶媒体に記憶される。例えば、図9の処理の流れにおいて、操作者は、被検体の臓器のような関心領域に関するリアルタイム2次元画像を観察する。その結果、操作者は、臓器に対してさらに正確にプローブを当てることができる。操作者は、表示部において注目部位を視覚的に確認することで、不揮発性局部記憶媒体に2次元画像データ、3次元画像データ、または4次元画像データを記憶する。さらに、表示部は、図1に示されるように処理部、あるいは、図7Aに示されるようにプローブに設けられる。なお、図10の複数の圧電素子の略図は、一例であり、本実施形態に実行するのに必要な事柄を図示しているわけではない。
【0055】
図11は、本実施形態に係るプローブにより行われる他の処理の典型的な流れを示す図である。例えば、操作者により表示制御ボタン等の操作によりアクセス指示がなされることを契機として、ステップS140において、プローブに設けられた不揮発性局部記憶媒体に記憶されているデータがアクセスされる。関連する画像データが保存された後、不揮発性局部記憶媒体が着脱可能又は固定してプローブに設けられている場合、ステップS140は、プローブの予め決められた入出力ポートを介して、不揮発性局部記憶媒体にアクセスすることにより選択的に実行される。一方、不揮発性局部記憶媒体がプローブの表面または外部に設けられている場合、ステップS140は、プローブまたは不揮発性局部記憶媒体のうちのいずれか一方に設けられている入出力ポートを介して、不揮発性局部記憶媒体にアクセスすることにより選択的に実行される。着脱可能にプローブの内部に不揮発性局部記憶媒体が設けられている場合、不揮発性局部記憶媒体は、ステップS140においてプローブから取り外されてもよい。ステップS140において不揮発性局部記憶媒体がアクセスされた後、関連するデータは、ステップS160において、不揮発性局部記憶媒体から読み出される。入出力ポートを用いる場合、所望のデータは、入出力ポートを介して選択的に転送される。ステップS140において不揮発性局部記憶媒体がプローブから取り外された場合、取り出された不揮発性局部記憶媒体は、ステップS160のために、装置または結合部に配置される。読み出されたデータは、ステップS180において事後分析され、処理される。例えば、3次元画像データまたは4次元画像データは、不揮発性局部記憶媒体から読み出すために、まず、最初に不揮発性記憶媒体に記憶される。読み出された3次元画像データまたは4次元画像データは、データサンプリングセッションとは独立したさらなる分析や診断のための表示のために、処理される。
【0056】
上述の説明によれば、本実施形態は、局所的に記憶された画像データに基づいて超音波診断のワークフローを向上させたり効率化したりすることができる。改善されたワークフローは、X線診断装置、X線コンピュータ断層撮影装置(X線CT装置)、または磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)のような他のモダリティと同様に、次のようなワークフローを提供できる。まず、被検体は、データ収集のために超音波画像装置により迅速に検査される。記憶された診断画像は、典型的には、被検体が既に検査を終えた後に処理され分析される。特に、ボリューム撮像(音響トモグラフィーとも呼ばれる)の登場により、2次元アレイプローブを利用した撮像領域の一回の走査により、事後分析のために必要な全てのデータを収集できる。診断に関連する3次元撮像領域を走査するためにプローブが適切に配置されることを保証するため、適切に意味のあるデータにシステムパラメータが設定されることを保証するため、また、電力を削減させるため、2次元画像は、診断上関連する3次元画像データまたは4次元画像データの収集前に、音響ウィンドウとしての操作者に選択的に提供される。究極的に、改善されたワークフローは、画像装置の有用性を向上することができる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
10A…制御部、20A…送信回路、30A…受信回路、40A…A/D変換器、50A…ビームフォーミング部、60A…不揮発性局部記憶媒体、100…プローブ、100A…送信部、100B…受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の関心領域へ向けて超音波を送信する送信部と、
前記被検体の関心領域から反射された超音波を受信する受信部と、
前記受信された超音波に対応するデータを記憶する不揮発性記憶媒体と、
を具備する超音波プローブ。
【請求項2】
前記不揮発性記憶媒体に保存されている前記データにアクセスするため、前記不揮発性媒体に接続された入出力ポート、をさらに具備する請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記超音波プローブの外部の電力供給装置に接続するための結合ポート、をさらに具備する請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記超音波プローブの外部の処理装置に接続するための接続ケーブル、をさらに具備する請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記超音波プローブの外部の処理装置に無線接続するための接続部、をさらに具備する請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項6】
前記データにアクセスするための、前記受信部に接続される入出力ポート、をさらに具備する請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項7】
前記データを処理するための、回路基板上に実装された処理部と、
前記プローブに内蔵され、前記処理部に接続された、前記データを表示する表示部と、
をさらに具備する請求項1記載の超音波プローブ。
【請求項8】
前記表示部は、前記不揮発性記憶媒体が前記受信された超音波に基づく2次元画像のための前記データを記憶する前に、前記受信された超音波に基づく前記3次元画像または4次元画像を表示する表示部、をさらに具備する請求項7記載の超音波プローブ。
【請求項9】
前記表示部は、前記不揮発性記憶媒体が前記受信された超音波に基づく2次元画像のための前記データを保存する前に、前記受信された超音波に基づく前記3次元画像または4次元画像を表示する表示部、をさらに具備する請求項7記載の超音波プローブ。
【請求項10】
被検体の関心領域へ向けて超音波を送信する送信部と、前記被検体の関心領域から反射された超音波を受信する受信部と、前記受信された超音波に対応するデータを記憶する不揮発性記憶媒体と、を有する超音波プローブと、
前記超音波プローブに接続され、前記超音波プローブを制御し、前記超音波プローブからの前記データを受信する処理部と、
を具備する超音波診断装置。
【請求項11】
前記処理部は、接続媒体を介して前記超音波プローブに接続される、請求項10記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記接続媒体は、有線接続である、請求項11記載の超音波診断装置。
【請求項13】
前記接続媒体は、無線接続である、請求項11記載の超音波診断装置。
【請求項14】
前記不揮発性記憶媒体は、前記接続媒体とは独立して、前記受信部に接続される、請求項10記載の超音波診断装置。
【請求項15】
前記受信された超音波に基づく2次元画像を表示する表示部、をさらに具備する請求項10記載の超音波診断装置。
【請求項16】
前記受信された超音波に基づく3次元画像を表示する表示部、をさらに具備する請求項10記載の超音波診断装置。
【請求項17】
前記不揮発性記憶媒体が前記受信された超音波に基づく2次元画像のための前記データを記憶する前に、前記受信された超音波に基づく前記3次元画像または4次元画像を表示する表示部、をさらに具備する請求項10記載の超音波診断装置。
【請求項18】
前記不揮発性記憶媒体が前記受信された超音波に基づく2次元画像のための前記データを保存する前に、前記受信された超音波に基づく3次元画像または4次元画像を表示する表示部、をさらに具備する請求項10記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−16586(P2012−16586A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128464(P2011−128464)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】