説明

超音波計測方法および超音波工作物径測定装置

【課題】簡便な信号処理により高速で高精度に距離および工作物の外径を計測可能とする超音波計測方法及び超音波工作物径測定装置を提供する。
【解決手段】超音波のバースト波の出力を反射波がセンサ3に到達する前に終了する。測定した反射波の離散データに所定値を乗算した離散データとの差が最小となるように参照波の波形を時間軸方向に移動して求めた合成反射波と、バースト波の出力である参照波との位相差と超音波の波長から距離を算出する。さらに、超音波の波長を測定距離の上限と下限の差である距離幅の2倍より大きくし、参照波を所定の波数延長し反射波と重なるようにした基準参照波と反射波の1波長内での位相差から算出する距離と基準距離を加算して距離Lを計測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波測定装置に関するものであり、詳しくは参照波と反射波の位相差を用いて距離を測定する超音波計測方法および工作物の外径を計測する超音波工作物径測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作物の外径の測定方法として、接触式の定寸装置を用いて工作物の外径を測定する方法が一般的であるが、工作物測定面が連続でなく溝がある場合は接触子が溝に落ち込む衝撃による振動が発生し、正確な測定が困難な場合がある。これを解消するため超音波を用いて工作物の厚さを測定する従来技術1(例えば、特許文献1参照)がある。
超音波を用いた距離測定方法の精度向上を目的として参照波のパルス状のチャープ信号のピーク位置と反射波のパルス状のチャープ信号のピーク位置の差をもとに距離を測定する従来技術2(例えば、特許文献2参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−162154号公報
【特許文献2】特開2009−156694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術1では、1パルスの超音波を出力し工作物の表面からの反射波と工作物底面からの反射波の波形のピーク値を比較することで測定した検出器への到達時間差から工作物の厚さを検出し、複数の検出厚さを平均して工作物の厚さとしている。ピーク値の測定値を平均しているがピーク値測定誤差のばらつきを持ち測定精度が高くない。
従来技術2では、チャープバースト波のパルス信号全体を用いて到達時間差を検出するため従来技術1よりばらつきの小さな高精度な測定が可能であるが、信号処理が複雑で処理時間を要する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡便な信号処理により高速で高精度に測定物までの距離および工作物の外径を計測可能とする超音波計測機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、センサから出力された超音波の測定物表面からの反射波を前記センサで受信し、測定物表面の距離を計測する超音波計測方法において、前記超音波をバースト波とし、前記バースト波の出力を前記反射波が前記センサに到達する前に終了し、前記バースト波の出力を測定した参照波離散データをフーリエ変換して求めた連続参照波と前記反射波を測定した反射波離散データをフーリエ変換して求めた連続反射波との位相差と、前記超音波の波長から前記距離を算出することである。
【0006】
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1に係る発明において、前記連続反射波を合成反射波とし、前記合成反射波を正規化反射波離散データとの差が最小となるように前記連続参照波の波形を時間軸方向に移動して求め、前記正規化反射波離散データが前記反射波離散データに所定値を乗算したデータであり、前記所定値が前記連続参照波の振幅を前記連続反射波の振幅で除した値もしくは前記参照波離散データの振幅を前記反射波離散データの振幅で除した値であることである。
【0007】
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または請求項2に係る発明において、前記波長が測定距離の上限と下限の差である距離幅より大きく、前記位相差を基準参照波と前記連続反射波の位相差とし、前記基準参照波が前記連続参照波を前記連続反射波の受信開始時刻以降の時刻まで延長した波の前記連続反射波と重なる1波長であることである。
【0008】
請求項4に係る発明の特徴は、センサから出力された超音波の工作物表面からの反射波を前記センサで受信して工作物の径を計測する超音波式工作物径測定装置において、
波長が測定距離の上限と下限の差である距離幅より大きな前記超音波をバースト波として出力し、前記バースト波の出力を前記反射波が前記センサに到達する前に終了する信号発生装置と、
前記バースト波の出力を参照波とし受信し、前記センサに到達した前記反射波を受信する信号受信装置と
前記工作物表面と前記センサの距離を基準参照波と合成反射波の位相差と前記超音波の波長から算出し、前記基準参照波が連続参照波を連続反射波の受信開始時刻以降の時刻まで延長した波の前記連続反射波と重なる1波長であり、前記連続参照波を前記バースト波の出力を測定した離散データをフーリエ変換して求め、前記連続反射波を前記反射波を測定した離散データをフーリエ変換して求め、前記合成反射波を前記反射波を測定した反射波の離散データに所定値を乗算した正規化反射波離散データとの差が最小となるように前記連続参照波の波形を時間軸方向に移動して求める、距離演算装置と、
前記センサを2個備え、
第1のセンサと第2センサを前記工作物の外周の中心線上に対向して保持するブラケットと、
前記第1のセンサと前記第2センサ間の距離と、前記工作物表面と前記第1のセンサの距離と、前記工作物表面と前記第2センサの距離から工作物径を算出する工作物径演算装置と、
前記工作物径を出力・表示する出力表示装置を備えたことである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、超音波の参照波と反射波との位相差と超音波の波長から距離を算出し、位相は多数の測定データをフーリエ変換して算出された波形から決定されるので、誤差の少ない距離測定が可能である。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、参照波の波形を実測データと最も良くフィティングするように時間軸方向に移動させて作成した合成反射波を反射波として使用するので、反射波の測定誤差やノイズの影響が最小となり、誤差の小さな位相差の算出ができるので、正確な距離の測定が可能となる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、1波長内の位相差だけを算出し基準距離との和を算出する簡易な操作で距離を正確に算出できるので、簡単な演算装置で高速に測定ができる。このため、高速の測定装置を安価に実現できる。
【0012】
請求項4に係る発明によれば、工作物表面との機械的接触が無いので、表面に凹凸のある工作物の測定時に従来の接触子を備えた測定装置で発生した接触子の振動による測定誤差が発生しない。
測定誤差やノイズの影響が最小の合成反射波を使用するので誤差の小さな位相差の算出ができ、正確な距離の測定が可能である。また、簡単な演算処理で高速に測定ができるので研削中に変動する工作物の外径を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の測定装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】受信信号の離散データを示すグラフである。
【図3】離散データをフーリエ変換し連続波とみなす概念図である。
【図4】反射波離散データを正規化した正規化反射波離散データを示すグラフである。
【図5】連続参照波と合成反射波を示すグラフである。
【図6】基準参照波と合成反射波の位相差を示すグラフである。
【図7】本実施形態の距離測定工程を示すフローチャート図である。
【図8】本実施形態の超音波工作物径測定装置を示す図である。
【図9】本実施形態の超音波工作物径測定工程を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の超音波計測方法による距離測定方法を図1〜図7を参照しつつ説明する。
図1に示すように、超音波計測装置1は、信号発生装置2と、信号発生装置2の電気信号に基づき超音波を出力し、反射してくる超音波を受信して電気信号に変換するセンサ3と、電気信号を受信する信号受信装置4と、受信した信号を演算してセンサ3と測定物Mの距離を算出する距離演算装置5と、算出された距離を表示・出力する出力表示装置6から構成されている。距離演算装置5の機能的構成として、フーリエ変換部51、合成反射波演算部52、位相差演算部53、距離演算部54を備えている。
【0015】
上記の超音波計測装置1で測定物Mとセンサ3間の距離を測定する方法について図1〜図6に基づき以下に説明する。
信号発生装置2は所定の周波数の正弦波の電気信号を所定の時間出力する。その電気信号の一部は分岐し信号受信装置4に参照波として記録される。電気信号に基づきセンサ3は超音波を出力する。超音波は媒体中を進み測定物Mの表面で一部が反射してセンサ3に戻って来る。センサ3は受信した超音波を電気信号に変換する。その電気信号は反射波として信号受信装置4に記録される。このとき、超音波は一定の周期と振幅を持ち所定の時間継続するバースト波として出力される、この継続時間は超音波がセンサ3から測定物Mの表面までを往復する時間より短い時間に設定される。所定のサンプリング周期の離散データとして時系列に記録された信号を記録したグラフを図2に示す。
【0016】
記録された離散データを距離演算装置5内部のフーリエ変換部51により演算することで図3に示す参照波と反射波の連続波形を得る。その連続参照波の振幅をaとし、連続反射波の振幅をaとしたとき、反射波の離散データをa/a倍することで図4に示すような正規化反射波離散データを作成する。次に、連続参照波を正規化反射波離散データに対して相互差が最小でとなる位置へ時間軸方向で移動した波形を合成反射波とする。図5に連続参照波と合成反射波を図示したグラフを示す。
この合成反射波は実際の反射波の離散データから位相情報のみ使用し波形は誤差の小さな連続参照波の波形を用いるため、超音波の伝達中の減衰やノイズによる誤差が小さくなる。このため正確な位相差計算が可能で、結果として正確な距離計測が可能となる。
【0017】
次に、図5の参照波を所定の波数延長し最後の1波長が合成反射波の最初の1波長と重なるようにし、この最後の1波長を基準参照波とする。ここで、所定の波数とは連続反射波の受信開始時刻から連続参照波の受信終了時刻を差し引いた時間を連続参照波の周期で除した値の整数部に1を加算した波数である。図6に、横軸を位相に置き換え2波長延長し太線で表した最後の1波長を基準参照波としたグラフを示す。ここで、波長λは超音波の音速Vと発振周期Tの積で表されλ=V・Tとなる。音速Vは超音波を伝達する媒体により異なる、たとえば、センサ3と測定物Mの間に水を充満して水を媒体とすることは好適である。
【0018】
図6において、参照波の基準参照波までの波数と波長の積は所定の距離を持つ基準距離Lであり、基準参照波に対する合成反射波の開始位置の差を基準距離Lに加算することでセンサ3から測定物Mの表面までの距離の2倍の値を求めることができる。
ここで、測定距離変動がある範囲以内の値であるならば、測定距離変動の最大値の2倍より超音波の波長を長くしておけば、基準参照波に対する合成反射波の位相差は1波長内となる。このため合成反射波と基準参照波の位相差ΔFと波長λの積が測定距離変動の1/2に相当する。つまり、測定距離LはL=(L+ΔF・λ)/2で算出できる。
基準距離Lをあらかじめ定めておくと演算が容易な1波長内での位相差ΔFから測定距離Lを算出できるので、計測時間が短く高速の距離測定が可能となる。
【0019】
実際の計測処理工程を図7のフローチャートに基づき説明する。
最初に初期値として超音波の音速V、バーストパルスの周期Tと継続時間t、基準距離L、λ=V・Tを入力して距離演算装置内に記録する。その後以下の処理を行う。信号発生装置2が周期Tの正弦波のバーストパルス信号を時間tの間出力する(STP1)。信号受信装置4でバーストパルス信号を参照波として離散データで記録する(STP2)。STP2と平行してセンサ3によりバーストパルス信号を超音波に変換し出力する(STP3)。測定物表面からの超音波反射波をセンサ3で電気信号に変換し、信号受信装置4で反射波として離散データで記録する(STP4)。参照波と反射波の離散データをフーリエ変換し連続参照波(振幅a)と連続反射波(振幅a)を算出する(STP5)。反射波離散データの値をa/a倍して連続参照波と同倍率の振幅を持つ正規化反射波離散データを作成する(STP6)。連続参照波を時間軸方向に移動して正規化反射波離散データとの差が最小となるようにフィティングする。フィティングした連続参照波を合成反射波とする(STP7)。合成反射波と重なる位置まで連続参照波をあらかじめ定められた所定の波数だけ時間軸方向に延長し、合成反射波と重なる最後の1波長を基準参照波とする(STP8)。基準参照波と合成反射波の重なった部分で基準参照波と合成反射波の位相差ΔFを算出する(STP9)。センサ3と測定物Mの距離LをL=(L+ΔF・λ)/2で演算する(STP10)。距離Lの値を表示部に表示または出力する(STP11)。
【0020】
本事例では反射波に合成反射波を用いて距離を算出したが、正規化した連続反射波を用いてもよい。
【0021】
本超音波計測方法を応用した超音波工作物径測定装置について以下に説明する。
図8に示すように、超音波工作物径測定装置60は、信号発生装置72の電気信号に基づき超音波を出力し、反射してくる超音波を受信して電気信号に変換するセンサ8aと8bを備えている。センサ8aと8bはブラケット9により工作物Wの外周の中心線上に対向して保持され、センサ8aと工作物Wの表面の距離はLでセンサ8bと工作物Wの表面の距離はLである。センサ8aと8bは切換えスイッチSを介して制御装置7と交互に接続する。制御装置7は信号発生装置72と、電気信号を受信する信号受信装置74と、受信した信号を演算して工作物Wの径を算出する工作物径演算装置75と、算出された工作物径を表示・出力する出力表示装置76から構成されている。工作物径演算装置75の機能的構成として、フーリエ変換部751、合成反射波演算部752、位相差演算部753、工作物径演算部754を備えている。
【0022】
上記の超音波工作物径測定装置60で工作物Wの径を測定する方法について図9のフローチャートに基づき以下に説明する。
最初に初期値として超音波の音速V、バーストパルスの周期Tと継続時間t、基準距離L、λ=V・T、センサ距離Kを入力し工作物径演算装置内に記録する。その後以下の処理を行う。スイッチSをセンサ8aに接続する(STP1)。信号発生装置2が周期Tの正弦波のバーストパルス信号を時間tの間出力する(STP2)。信号受信装置4でバーストパルス信号を参照波として離散データで記録する(STP3)。STP3と平行してセンサ3によりバーストパルス信号を超音波に変換し出力する(STP4)。測定物表面からの超音波反射波をセンサ3で電気信号に変換し、信号受信装置4で反射波として離散データで記録する(STP5)。参照波と反射波の離散データをフーリエ変換し連続参照波(振幅a)と連続反射波(振幅a)を算出する(STP6)。反射波離散データの値をa/a倍して連続参照波と同倍率の振幅を持つ正規化反射波離散データを作成する(STP7)。連続参照波を時間軸方向に移動して正規化反射波離散データとの差が最小となるようにフィティングする。フィティングした連続参照波を合成反射波とする(STP8)。合成反射波と重なる位置まで連続参照波をあらかじめ定められた所定の波数だけ時間軸方向に延長し、合成反射波と重なる最後の1波長を基準参照波とする(STP9)。基準参照波と合成反射波の重なった部分で基準参照波と合成反射波の位相差ΔFを算出する(STP10)。センサ3と測定物Mの距離LをL=(L+ΔF・λ)/2で演算する(STP11)。スイッチSがセンサ8aに接続していればSTP13へ移動、そうでなければSTP15へ移動(STP12)。Lの値をLに格納する(STP13)。スイッチSをセンサ8bに接続し、STP3へ移動する(STP14)。以下STP2〜STP12を繰り返す。Lの値をLに格納する(STP15)。工作物径DをD=L+L+Kとして演算する(STP16)。工作物径Dの値を表示部に表示または出力する(STP17)。
【0023】
超音波工作物径測定装置60は、超音波の伝達中の減衰やノイズによる誤差が小さな合成反射波を用いるため正確な位相差計算が可能で、結果として正確な工作物径測定が可能となる。また、測定距離をあらかじめ定めた基準距離と1波長内での位相差から演算できる距離差の和で算出できるので、演算処理時間が短い。このため、計測時間が短く高速の工作物径測定が可能となる。
【0024】
上記の事例では、制御装置を1式備えてセンサ8a、8bに切換えながら接続して計測処理を実施したが、夫々のセンサに専用の制御装置を備えた構成としてもよい。
センサ部に研削液供給手段を備え研削液を超音波伝達媒体に用いてもよい。
センサを1式のみとして、工作物回転中心とセンサ間の基準距離と、計測したセンサからの工作物表面距離を加算して工作物半径を測定してもよい。
【符号の説明】
【0025】
M:測定物 1:超音波計測装置 2、72:信号発生装置 3、8a、8b:センサ 4、74:信号受信装置 5、75:距離演算装置 6、76:出力表示装置 W:工作物 7:制御装置 9:ブラケット 60:超音波工作物径測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサから出力された超音波の測定物表面からの反射波を前記センサで受信し、測定物表面の距離を計測する超音波計測方法において、前記超音波をバースト波とし、前記バースト波の出力を前記反射波が前記センサに到達する前に終了し、前記バースト波の出力を測定した参照波離散データをフーリエ変換して求めた連続参照波と前記反射波を測定した反射波離散データをフーリエ変換して求めた連続反射波との位相差と、前記超音波の波長から前記距離を算出する、超音波計測方法。
【請求項2】
前記連続反射波を合成反射波とし、前記合成反射波を正規化反射波離散データとの差が最小となるように前記連続参照波の波形を時間軸方向に移動して求め、前記正規化反射波離散データが前記反射波離散データに所定値を乗算したデータであり、前記所定値が前記連続参照波の振幅を前記連続反射波の振幅で除した値もしくは前記参照波離散データの振幅を前記反射波離散データの振幅で除した値である、請求項1に記載の超音波計測方法。
【請求項3】
前記波長が測定距離の上限と下限の差である距離幅より大きく、前記位相差を基準参照波と前記連続反射波の位相差とし、前記基準参照波が前記連続参照波を前記連続反射波の受信開始時刻以降の時刻まで延長した波の前記連続反射波と重なる1波長である、請求項1または請求項2に記載の超音波計測方法。
【請求項4】
センサから出力された超音波の工作物表面からの反射波を前記センサで受信して工作物の径を計測する超音波式工作物径測定装置において、
波長が測定距離の上限と下限の差である距離幅より大きな前記超音波をバースト波として出力し、前記バースト波の出力を前記反射波が前記センサに到達する前に終了する信号発生装置と、
前記バースト波の出力を参照波とし受信し、前記センサに到達した前記反射波を受信する信号受信装置と
前記工作物表面と前記センサの距離を基準参照波と合成反射波の位相差と前記超音波の波長から算出し、前記基準参照波が連続参照波を連続反射波の受信開始時刻以降の時刻まで延長した波の前記連続反射波と重なる1波長であり、前記連続参照波を前記バースト波の出力を測定した離散データをフーリエ変換して求め、前記連続反射波を前記反射波を測定した離散データをフーリエ変換して求め、前記合成反射波を前記反射波を測定した反射波の離散データに所定値を乗算した正規化反射波離散データとの差が最小となるように前記連続参照波の波形を時間軸方向に移動して求める、距離演算装置と、
前記センサを2個備え、
第1のセンサと第2センサを前記工作物の外周の中心線上に対向して保持するブラケットと、
前記第1のセンサと前記第2センサ間の距離と、前記工作物表面と前記第1のセンサの距離と、前記工作物表面と前記第2センサの距離から工作物径を算出する工作物径演算装置と、
前記工作物径を出力・表示する出力表示装置を備えた超音波工作物径測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−37294(P2012−37294A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175838(P2010−175838)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】