説明

超音波試験方法及びこれを用いた超音波試験装置

【課題】 送信子及び受信子の配置の自由度が高く、試験対象部の範囲が限定されにくく自由度の高い試験を実施することの可能な超音波試験方法及びこれを用いた超音波試験装置を提供することにある。
【解決手段】送信子20から超音波を試験体100に送信することにより試験体に板波を発生させ、試験体を伝搬する板波を受信子30で受信することにより板波の伝搬経路における試験体を試験する。
前記送信子20と受信子30との間に他の受信子20又は送信子30である他の探触子を配置する。試験体表面上に接触する支持脚46を有すると共に試験体表面に対するこの他の探触子の角度を一定に保持する探触子保持機構40に他の探触子を保持させる。そして、前記他の探触子を前記支持脚46により前記送信子から受信子に至る板波の伝搬経路に対し非接触で跨がせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信子から超音波を試験体に送信することにより試験体に板波を発生させ、試験体を伝搬する板波を受信子で受信することにより板波の伝搬経路における試験体を試験する超音波試験方法及びこれを用いた超音波試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の如き超音波試験装置としては、中心点を挟み送信子と受信子とを複数配置してセンサヘッドを構成し、このセンサヘッドと試験体との角度(入射角)を一定に維持しながら試験体表面を非接触でスキャニングする構成のものが知られている(特許文献1参照)。入射角を一定に維持するのは、周波数×試験体厚さと入射角との関係が超音波のモード毎に一定の特性曲線に合致しなければならないからである。
【特許文献1】特開2005-055197
【0003】
しかし、表面に凹凸が存在する場合や試験体が波打っている場合には、上記センサヘッドにより非接触でスキャニングを行っても、試験体表面と送受信子との間の入射角を一定に維持することができず、板波による検査を行うことが不能となる。
【0004】
一方、送受信子を試験体に接触させて、試験体を探傷する試験方法も知られている。しかし、同試験では、超音波の経路上に送受信子を接触させるとそれ以降の受信子に信号が十分伝達しないため、複数の受信子を用いた試験が行われることはなかった。
【0005】
すなわち、上記従来技術によれば、板波の漏洩波又は反射波を利用して試験を行うには、試験対象部を通過する板波の経路に受信子又は送信子を配置することができなかった。その結果、試験対象部の範囲が限定されて試験の自由度が制限され、また、受信子又は送信子を複数配置できないため、試験の効率を向上させることも困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明の第一の目的は、送信子及び受信子の配置の自由度が高く、試験対象部の範囲が限定されにくく自由度の高い試験を実施することの可能な超音波試験方法及びこれを用いた超音波試験装置を提供することにある。
【0007】
また、本発明の第二の目的は、受信子を複数配置できて、試験の効率を向上させることの可能な超音波試験方法及びこれを用いた超音波試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る超音波試験方法の特徴は、送信子から超音波を試験体に送信することにより試験体に板波を発生させ、試験体を伝搬する板波を受信子で受信することにより板波の伝搬経路における試験体を試験する方法において、
前記送信子と受信子との間に他の受信子又は送信子である他の探触子を配置し、試験体表面上に接触する支持脚を有すると共に試験体表面に対するこの他の探触子の角度を一定に保持する探触子保持機構に他の探触子を保持させ、前記他の探触子を前記支持脚により前記送信子から受信子に至る板波の伝搬経路に対し非接触で跨がせてあることにある。
【0009】
また、本発明に係る超音波試験方法の他の特徴は、送信子から超音波を試験体に送信することにより試験体に板波を発生させ、試験体を伝搬する板波を受信子で受信することにより板波の伝搬経路における試験体を試験する方法において、
前記送信子から送信された往路板波は試験対象部で反射し、その反射による反射板波を前記受信子により受信し、試験体表面上に接触する支持脚を有すると共に試験体表面に対する送信子の角度を一定に保持する探触子保持機構に前記探触子を保持させ、前記送信子を前記支持脚により前記往路板波の伝搬経路に対し非接触で跨がせたことにある。
【0010】
上記各特徴方法において、前記試験体を分岐させ、分岐させた各試験体部分に前記受信子をそれぞれ配置することができる。
【0011】
前記板波の伝搬経路方向に直交する方向に対し前記試験体と送信子及び受信子とを相対移動させて試験を行ってもよい。また、前記板波の伝搬経路方向に沿う方向に対し前記試験体と送信子及び受信子とを相対移動させて試験を行ってもよい。
【0012】
一方、上記いずれかの特徴方法に用いる超音波試験装置の特徴構成は、前記探触子保持機構を前記送信子及び受信子毎に設け、各探触子保持機構を支持フレームに取り付け、各探触子保持機構の支持脚を前記試験体表面に接触させるように支持フレームに対し押圧する押圧体を備えたことにある。
【0013】
上記いずれかの特徴方法に用いる超音波試験装置の他の特徴構成は、前記探触子保持機構を前記送信子及び受信子毎に設け、前記支持脚を前記各探触子保持機構毎に少なくとも板波の伝搬方向に対して隔てて配置し、前記各探触子保持機構を支持フレームに取り付け、前記支持フレームと前記各探触子保持機構との間に前記支持フレームに対して前記伝搬方向に直交する軸周りで前記送信子及び受信子を揺動させる揺動機構を設け、各探触子保持機構の支持脚を前記試験体表面に接触させるように支持フレームに対し押圧する押圧体を備えたことにある。
【0014】
上記いずれかの特徴方法に用いる超音波試験装置のさらに他の特徴構成は、前記支持脚が前記試験体と前記各送信子及び受信子との相対移動方向に対する転動を許容する車輪を有していることにある。
【0015】
なお、送信子から超音波を試験体に送信することにより試験体に板波を発生させ、試験体を伝搬する板波を受信子で受信することにより板波の伝搬経路における試験体を試験する超音波試験装置において、試験体表面上に接触する支持脚を有すると共に試験体表面に対する送信子及び受信子の角度を一定に保持する探触子保持機構に送信子及び受信子を保持させ、前記支持脚を前記各探触子保持機構毎に少なくとも板波の伝搬方向に対して隔てて配置し、前記各探触子保持機構を支持フレームに取り付け、前記支持フレームと前記各探触子保持機構との間に前記支持フレームに対して少なくとも前記伝搬方向に直交する軸周りで前記送信子及び受信子を揺動させる揺動機構を設け、各探触子保持機構の支持脚を前記試験体表面に接触させるように支持フレームに対し押圧する押圧体を備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
上記本発明に係る超音波試験方法及びこれを用いた超音波試験装置の特徴によれば、「探触子保持機構に前記探触子を保持させ、前記送信子を前記支持脚により前記往路板波の伝搬経路に対し非接触で跨がせてある」ので、板波が妨げられることなく、送信子及び受信子の配置の自由度が高く、試験対象部の範囲が限定されにくく自由度の高い試験を実施することが可能となった。
【0017】
また、前記送信子と受信子との間に他の受信子又は送信子である他の探触子を配置することで、信号を複数箇所で受信でき、又は、複数種の信号を送信できて、試験の効率を向上させることが可能となった。
【0018】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
まず、添付図面1〜7を参照しながら、本発明の第一実施形態を説明する。
図5及び図1(a)〜(c)に示すように、超音波試験装置1は、パーソナルコンピュータ(以下PCと略す)2により制御される板波送受信機3を用いてスキャンヘッド10の送信子20から超音波を送信する。そして、送信子20を含む探触子保持機構40aの支持脚46と、受信子30を含む探触子保持機構40bの支持脚46との間を通って、試験体100に板波Wsを発生させ、送受信を行う。受信された漏洩波Wiをプリアンプ4、フィルタ5、A/D変換機6を介してPC2にて受信し、演算処理を行う。また、PC2はドライバ7を介してスキャナ8を起動させ、スキャンヘッド10を走査させることにより、試験体100の探傷を行う。スキャンヘッド10と試験体100との間に設けたセンサ10xにより、スキャンヘッド10の走査位置の情報を獲得している。
【0020】
上述のスキャンヘッド10は、図2、図3に示すように、複数の探触子保持機構40を支持する支持フレーム11、送信子20又は受信子30、探触子保持機構40により構成されている。探触子保持機構40は、直動ベアリング42、押圧体43、揺動機構44、筐体45、支持脚46、締付用摘み47、遮蔽体49により構成されている。
【0021】
探触子保持機構40は、支持フレーム11に直動ベアリング42を介して接続され、軸41が支持フレーム11に対して垂直方向に移動可能となっている。そして、軸41は圧縮捻りコイルばね等の押圧体43により支持フレーム11に対して試験体100方向に付勢される。揺動機構44は、軸41の端部に設けた凸円弧面44aと、筐体45側に設けた凹円弧面44bで構成され、筐体45を少なくともY軸方向に沿ったY’軸周りで揺動可能である。その結果、各支持脚46が試験体100の表面に均等接触することとなり、送信子20,受信子30の試験体100表面に対する角度が一定に保たれる。なお、揺動機構44はY’軸周り以外の軸で更に揺動可能に構成してもよい。
【0022】
支持脚46は筐体45の四隅に設けられた脚部46aと、該脚部46aの端部に設けられた、Y軸方向に転動する車輪46bにより構成され、車輪46bは試験体100の表面を滑らかに転動している。締付用摘み47は、筐体45に設けた窓45aに挿通された探触子支持軸47aを締付固定している。これにより、送信子20又は受信子30における試験体100との入射(受信)角θを調整後に固定している。
【0023】
図6は、鋼板を試験体100とする場合、各板波Wsのモード(符号A0〜5、S0〜7)についての超音波の周波数及び試験体100の板厚Tの積FTと、入射角θとの関係を示すグラフである。このような各曲線に示される関係を満たす場合のみ、特定のモードの板波Wsが試験体100内部に発生し、図1における各試験対象部Oの試験が可能となる。
【0024】
図7は試験対象部を通過し受信子30で受信した漏洩波Wiの波形である。試験体100の試験対象部を透過した波形は、まず最初に観測され、その後時間を隔てて空気中を伝播した超音波が観測される。試験対象部OにきずDが存在しない場合は、同図上側(a)の上側の波形の如く先の波形は大きく観測される。これに対し、試験対象部Oに剥離欠陥等のきずDが存在したならば、同図下側(b)の波形のように、試験体100中を伝搬した第一波である漏洩波Wiはより小さく表示されることになる。筐体45の側面に位置する先の遮蔽体49はこの空気中伝播波の出現時刻を遅延させる機能を有している。 遮蔽体49は紙、又は合成樹脂等で構成される。
【0025】
ここで、図1を参照しながら、試験体100の基本的な試験方法のバリエーションを説明する。同図(a)〜(c)の試験方法では、送信子20から送信波Woを試験体100に送信することにより、試験体100に往路板波Wsを発生させ、試験体100を通過した漏洩波Wiを受信子30で受信することにより試験を実施する。
【0026】
本試験方法において使用される送信子20、第一受信子30a、第二受信子30bは、上述の通り筐体45の外端部に試験体100の表面上に接する四本の支持脚46を有する。この支持脚46は、図1(b)、(c)に示されるように、試験体100を伝搬する往路板波Wsに対して跨いで設けられ、送信子20、第一受信子30aを試験体100と非接触で跨がせている。
【0027】
図1(a)の方法は、送信子20と第二受信子30bとの間に第一受信子30aを有する。これにより、試験対象部Oを送信子20と第一受信子30aとの間と、第一受信子30aと第二受信子30bとの間に設定することが可能となる。支持脚46が往路板波Wsの伝送経路を阻害しないために第一受信子30aを配置でき、これにより、複数の箇所で漏洩波Wiを受信することが可能となり、より広範な部分の試験を位置精度高く行うことが可能となる。
【0028】
また、図1(d)に示すように、第一受信子30a、第二受信子30bの間に送信子20を配置してもよい。これにより、第一受信子30aでは透過波による漏洩波Wiを、第二受信子30bでは反射板波Wrによる漏洩波Wiをそれぞれ受信することが可能となる。
【0029】
更に、図1(e)に示すように、送信子20と第一受信子30aとの間に位置する第二受信子30bにより、きずDの反射波Wrによる漏洩波Wiを第二受信子30bで受信することも可能となる。この点は、第二受信子30bの向きに拘わらず受信可能であり、図1(a)も同様である。
【0030】
上述の図1の各バリエーションを具体例に適用させた形を図4に示す。本例でのI型の試験体100は、第一フランジ100a、第二フランジ100b、ウェブ100d、第三フランジ100f、第四フランジ100gを備え、紙面前後方向(Y方向)に連続する。送信子20及び受信子30a〜30dはそれぞれ探触子保持機構40a〜40eに保持されてチャンネル型の支持フレーム11に支持される。また、探触子保持機構40a〜40eを含むセンサーヘッド10はそれぞれ車輪によりY軸方向に転動走査が可能である。
【0031】
第一フランジ100aに配置された送信子20から送信された往路板波Wsが、第二フランジ100bと、第一分岐100cを介してウェブ100dとに分岐される。その後、第二分岐100eを介して第三フランジ100f、第四フランジ100gへ伝搬し、それぞれの受信子30で漏洩波Wiを受信する。これにより、複数の箇所で同時に試験することが可能となるので、超音波試験の実施効率が高くなる。
【0032】
次に、本発明のさらに他の実施形態の可能性について以下説明する。なお、上記実施形態と同様の部材には同じ符号を附してあり、以下同様とする。
【0033】
図8の第二実施形態では、送信子20及び受信子30が異なり、振動子として湾曲した焦点型探触子S2を用いている。これにより、入射角θをθ1からθ2までの広い範囲で設定することが可能となる。よって、探触子保持機構40では対応できない試験体100表面の小さな凹凸や、支持脚46と試験体100とのフィッティング不良にも対応することが可能となる。
【0034】
図9に示す第三実施形態では、支持脚46の車輪46bの方向が、第一実施形態と90度異ならせている。これらの向きの異なる車輪46bを有し、送信子30を備える探触子保持機構40Lと、同じく方向を異ならせた車輪46bを有する受信子40を備える探触子保持機構40Mにより構成される。これにより、図中X方向への走査が可能となり、揺動機構44の作用と相まって、試験体100のXY平面の凹凸に対応することが可能となる。
【0035】
図10に示す第四実施形態(請求項には記載されていない参考実施形態)では、第二受信子30bを備える探触子保持機構40cと、送信子20を備える探触子保持機構40aとを図上Y軸方向に並べて配置している。第一受信子30aを備える探触子保持機構40bは往路板波WsのきずDの透過波を受信し、第二受信子30bを備える探触子保持機構40cは反射板波Wrを受信する。
【0036】
図11に示す第五実施形態では、探触子保持機構40を構成する支持脚46が三本で構成される点が異なる。本実施形態の場合は、二本の支持脚46を有する側から送信波Wo、漏洩波Wiの送受信を行うことにより、支持脚46が板波Wsの伝搬を阻害せず、試験を円滑に行うことが可能となる。なお、本実施形態は探触子20,30が試験対象部Oの端部に位置する場合に有効であり、試験対象部Oを試験体保持機構40が跨ぐ場合は、上述の他の実施形態の構成が適切である。
【0037】
本発明の試験方法及び試験装置の構成は上記実施例に限られるものではなく、本発明の趣旨に合致する限り種々の改変が可能である。なお、本発明は、探触子(送信子及び受信子)と、板波Wsを伝搬させる試験体100との間で空気のみならず、あらゆる気体を介して超音波を伝搬させる超音波伝搬方法、並びにこれを用いた超音波伝播装置及び超音波試験装置に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る試験方法及び試験装置は、飛行機の羽根等、航空宇宙機器、複合材料の剥離検査、長尺部材の連続検査等において、安定で迅速な試験を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の試験方法を示し、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A方向側面図、(c)は(a)のB−B方向側面図、(d)は他の試験方法を示す側面図、は(e)他の試験方法を示す側面図である。
【図2】本発明の第一実施形態の一部断面部を有する側面図である。
【図3】図2のC−C方向の一部断面部を有する側面図である。
【図4】第一実施形態の他の試験方法を説明する側面図である。
【図5】本発明の試験装置の概略図である。
【図6】本発明の試験装置における、各板波のモード(符号A0〜5、S0〜7)についての超音波の周波数と試験体の厚さとの積と、入射角度との関係を示すグラフである。
【図7】受信した漏洩波の波形を示すグラフで、上段がきずなし、下段がきずありの状態を試験したグラフである。
【図8】第二実施形態の試験装置の部分断面図である。
【図9】第三実施形態の試験装置の部分側面図である。
【図10】第四実施形態を示し、(a)は側面図、(b)は(a)のD−D方向側面図、(c)は(a)の平面図である。
【図11】第五実施形態の部分底面図である。
【符号の説明】
【0040】
1:超音波試験装置、2:PC、3:板波送受信機、4:プリアンプ、5:フィルタ、6:A/D変換機、7:ドライバ、8:スキャナ、10:スキャンヘッド、11:支持フレーム、20:送信子、30:受信子(30a:第一受信子、30b:第二受信子、30c:第三受信子、30d:第四受信子)、40:探触子保持機構、41:軸、42:直動ベアリング、43:押圧体(ばね)、44:揺動機構、44a:凸円弧面、44b:凹円弧面、45:筐体、45a:窓、46:支持脚、46a:脚部、46b:車輪、47:締付用摘み、47a:探触子支持軸、49:遮蔽体、100:試験体、100a:第一フランジ、100b:第二フランジ、100c:第一分岐、100d:ウェブ、100e:第二分岐、100f:第三フランジ、100g:第四フランジ、D:きず、O:試験対象部、F:探触子面、Wo:送信波、Ws:板波(往路板波)、Wi:漏洩波、Wr:反射板波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信子から超音波を試験体に送信することにより試験体に板波を発生させ、試験体を伝搬する板波を受信子で受信することにより板波の伝搬経路における試験体を試験する超音波試験方法であって、
前記送信子と受信子との間に他の受信子又は送信子である他の探触子を配置し、試験体表面上に接触する支持脚を有すると共に試験体表面に対するこの他の探触子の角度を一定に保持する探触子保持機構に他の探触子を保持させ、前記他の探触子を前記支持脚により前記送信子から受信子に至る板波の伝搬経路に対し非接触で跨がせてあることを特徴とする超音試験方法。
【請求項2】
送信子から超音波を試験体に送信することにより試験体に板波を発生させ、試験体を伝搬する板波を受信子で受信することにより板波の伝搬経路における試験体を試験する超音波試験方法であって、
前記送信子から送信された往路板波は試験対象部で反射し、その反射による反射板波を前記受信子により受信し、試験体表面上に接触する支持脚を有すると共に試験体表面に対する送信子の角度を一定に保持する探触子保持機構に前記探触子を保持させ、前記送信子を前記支持脚により前記往路板波の伝搬経路に対し非接触で跨がせてあることを特徴とする超音試験方法。
【請求項3】
前記試験体を分岐させ、分岐させた各試験体部分に前記受信子をそれぞれ配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の超音波試験方法。
【請求項4】
前記板波の伝搬経路方向に直交する方向に対し前記試験体と送信子及び受信子とを相対移動させて試験を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の超音波試験方法。
【請求項5】
前記板波の伝搬経路方向に沿う方向に対し前記試験体と送信子及び受信子とを相対移動させて試験を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の超音波試験方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の超音波伝搬方法に用いる超音波試験装置であって、前記探触子保持機構を前記送信子及び受信子毎に設け、各探触子保持機構を支持フレームに取り付け、各探触子保持機構の支持脚を前記試験体表面に接触させるように支持フレームに対し押圧する押圧体を備えた超音波試験装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の超音波伝搬方法に用いる超音波試験装置であって、前記探触子保持機構を前記送信子及び受信子毎に設け、前記支持脚を前記各探触子保持機構毎に少なくとも板波の伝搬方向に対して隔てて配置し、前記各探触子保持機構を支持フレームに取り付け、前記支持フレームと前記各探触子保持機構との間に前記支持フレームに対して少なくとも前記伝搬方向に直交する軸周りで前記送信子及び受信子を揺動させる揺動機構を設け、各探触子保持機構の支持脚を前記試験体表面に接触させるように支持フレームに対し押圧する押圧体を備えた超音波試験装置。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の超音波伝搬方法に用いる超音波試験装置であって、前記支持脚が前記試験体と前記各送信子及び受信子との相対移動方向に対する転動を許容する車輪を有していることを特徴とする超音波試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−10638(P2007−10638A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195600(P2005−195600)
【出願日】平成17年7月4日(2005.7.4)
【出願人】(503361400)独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 (453)
【出願人】(000235532)非破壊検査株式会社 (49)
【Fターム(参考)】