説明

路車間無線通信システム、制御方法及びプログラム

【課題】路側装置15とITS車載器17はDSRCにより通信自在である。ITS車載器17のユーザは嗜好データテーブルの各項目について自分の嗜好の有無を入力し、その入力情報は路側装置15へ返される。これにより、路側装置15はユーザ嗜好を反映したコンテンツを送ることができる。ユーザが行う嗜好データテーブルの各項目について嗜好の有無の入力の手間を軽減する。
【解決手段】エリアインした自動車13のITS車載器17からそのIDと共に嗜好データテーブルのバージョンを取得する(S52)。該バージョンが最新のものでなければ(S53否)、車載器IDに対応するインターネットユーザについてインターネットショップ35における購入履歴を調べ、購入実績有りの商品に対応する嗜好データテーブルの項目にはユーザ嗜好有りのデフォルト値を設定してから(S55)、嗜好データテーブルを送信する(S56)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)等の路車間通信を利用する路車間無線通信システム、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はDSRCを利用する路車間通信システムを開示する(特許文献1の図1)。該路車間通信システムでは、路側機の通信エリア内に進入した自動車の車載器は、路側機から広告情報を電波で受信して、ナビ部のディスプレイに表示するようにしている(特許文献1の段落0024)。また、車載器では、広告情報に含まれる位置情報、URL及び電話番号に基づき自動的に目的地設定、HP接続及びダイヤルが実施されるようになっている(特許文献1の図4のS12,S14,S16)。
【0003】
特許文献2は、車載情報端末装置が情報センタから広告情報と共に、該広告情報に対応付けられた地域情報及び時間帯情報を電波で受信し(特許文献2の図1)、該広告情報(特許文献2の図4)を該地域情報に係る地域及び該時間帯情報に係る時間帯に表示することを開示する(特許文献2の図5のS14〜S16)。
【0004】
特許文献3はDSRCを利用した広告配信システムを開示する(特許文献3の図1)。該広告配信システムでは、嗜好情報が車載器から路側装置へ通知され(特許文献3の段落0017)、路側装置は該嗜好情報に基づき選別した広告情報を車載器へ送信し、車載器がこれを再生するようになっている(特許文献3の段落0028,0029)。
【特許文献1】特開2001−101578号公報
【特許文献2】特開2004−279509号公報
【特許文献3】特開2005−134707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
路車間の所定のデータ伝送形式のデータは、基本的には5.8GHz帯DSRC通信における個別通信によるプッシュ型情報配信方式で配信され、これにより、路側機は通信エリア内のITS(Intelligent Transport System:高度道路交通システム) 車載器に対して、ITS車載器の特性やユーザ(乗員)の嗜好に合わせた様々なコンテンツを配信することが可能となっている。
【0006】
具体的には、データ転送における嗜好データテーブルから路側機へのダウンリンクでは、嗜好データテーブルの情報が含められ、また、アップリンクでは、該嗜好データテーブルに対するユーザの回答結果としてのユーザ嗜好の有無情報が含められる。嗜好データテーブルは、ユーザ嗜好情報に基づきユーザごとに適切なコンテンツを選別し、これを車載器へ送信する。
【0007】
嗜好データテーブルにおいて、ユーザが自分の嗜好の有無を入力しなければならない項目は計96個あり、ユーザは嗜好データテーブルの多数の項目について自分の嗜好の有無を入力するのに時間と手間がかかる。そこで、ユーザ入力の能率化のために、路側装置又は車載器が嗜好データテーブルの各項目について適当なデフォルト値を付加することにより、ユーザはそれら項目については入力無しで済ませることができるようにしておくことが望まれる。
【0008】
特許文献1〜3は、嗜好データテーブルに対するユーザ入力の手間を改善する技術についてはなんら示唆していない。
【0009】
本発明の目的は、嗜好データテーブルにおける各項目のユーザ嗜好の有無入力の手間を省けるようにした路車間無線通信システム、制御方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、車載器ユーザが、嗜好データテーブルを送信する路車間通信とは別途に利用しているインターネットショッピング等のインターネット利用情報や電話ショッピング等のショッピング情報に基づき該車載器ユーザの嗜好を判断する。そして、その判断結果に基づき嗜好データテーブルの項目のデフォルト値を設定した嗜好データテーブルの情報を路側装置から車載器ユーザの車載器へ送信する。
【0011】
本発明の路車間無線通信システムは、無線により相互にデータを送受自在になっている車載器と路側装置とを含む。
前記車載器は、
前記路側装置へ該車載器のユーザの識別情報を無線送信する識別情報送信手段、
前記路側装置から嗜好データテーブルの情報を受信する嗜好データテーブル情報受信手段、及び
前記嗜好データテーブルの項目について前記ユーザの嗜好の有無に係る情報を前記路側装置へ無線送信する嗜好情報送信手段、
を備える。
前記路側装置は、
各インターネットユーザに対してそのインターネット利用情報を蓄積する利用情報データベース、
前記車載器から受信した該車載器のユーザ識別情報に係るユーザと同一人であるインターネットユーザを特定するインターネットユーザ特定手段、
前記特定したインターネットユーザの嗜好を前記インターネット利用情報に基づき判断するユーザ嗜好判断手段、
嗜好データテーブルの項目に対する前記ユーザ識別情報に係るユーザの嗜好の有無についてのデフォルト値を前記ユーザ嗜好判断手段の判断結果に基づき設定するデフォルト値設定手段、及び
前記デフォルト値設定手段が設定したデフォルト値を含む嗜好データテーブルの情報を前記車載器へ無線送信する嗜好データテーブル情報送信手段、
を備える。
【0012】
本発明の別の路車間無線通信システムは、無線により相互にデータを送受自在になっている車載器と路側装置とを含む。
前記車載器は、
前記路側装置へ該車載器のユーザの識別情報を無線送信する識別情報送信手段、
前記路側装置から嗜好データテーブルの情報を受信する嗜好データテーブル情報受信手段、及び
前記嗜好データテーブルの項目について前記ユーザの嗜好の有無に係る情報を前記路側装置へ無線送信する嗜好情報送信手段、
を備える。
前記路側装置は、
顧客のショッピング情報を蓄積するショッピング情報データベース、
ショッピング情報データベースにショッピング情報を蓄積してある顧客であって前記車載器から受信した該車載器のユーザ識別情報に係るユーザと同一人である顧客を特定する顧客特定手段、
特定した顧客の嗜好を前記ショッピング情報に基づき判断するユーザ嗜好判断手段、
嗜好データテーブルの項目に対する前記ユーザ識別情報に係るユーザの嗜好の有無についてのデフォルト値を前記ユーザ嗜好判断手段の判断結果に基づき設定するデフォルト値設定手段、及び
前記デフォルト値設定手段が設定したデフォルト値を含む嗜好データテーブルの情報を前記車載器へ無線送信する嗜好データテーブル情報送信手段、
を備える。
【0013】
本発明の制御方法は、無線により相互にデータを送受自在になっている車載器と路側装置とを含む路車間無線通信システムに適用される。
該制御方法は、車載器側において、
前記路側装置へ該車載器のユーザの識別情報を無線送信する識別情報送信ステップ、
前記路側装置から嗜好データテーブルの情報を受信する嗜好データテーブル情報受信ステップ、及び
前記嗜好データテーブルの項目について前記ユーザの嗜好の有無に係る情報を前記路側装置へ無線送信する嗜好情報送信ステップ、
を備える。
路側装置側において、
前記車載器から受信した該車載器のユーザ識別情報に係るユーザと同一人であるインターネットユーザを特定するインターネットユーザ特定ステップ、
各インターネットユーザに対してそのインターネット利用情報を蓄積する利用情報データベースにおける前記特定したインターネットユーザの利用情報に基づき該特定したインターネットユーザの嗜好を判断するユーザ嗜好判断ステップ、
嗜好データテーブルの項目に対する前記ユーザ識別情報に係るユーザの嗜好の有無についてのデフォルト値を前記ユーザ嗜好判断ステップにおける判断結果に基づき設定するデフォルト値設定ステップ、及び
前記デフォルト値設定ステップが設定したデフォルト値を含む嗜好データテーブルの情報を前記車載器へ無線送信する嗜好データテーブル情報送信ステップ、
を備える。
【0014】
本発明のプログラムは、本発明の前述の路側間無線通信システムの各手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車載器ユーザが、嗜好データテーブルを送信する路車間通信とは別途に利用しているインターネットショッピング等のインターネット利用情報や電話ショッピング等のショッピング情報に基づき嗜好データテーブルの項目のデフォルト値を設定し、該デフォルト値付き嗜好データテーブルの情報を車載器ユーザの車載器へ送信するので、ユーザは嗜好データテーブルの項目について入力する手間を省略することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は所定の路車間データ伝送形式のデータに基づく路車間DSRCシステム10の概略図である。路側機11は、サーバ12と共に路側装置15を構成し、有線又は無線でサーバ12へ接続されている。サーバ12は、さらに、インターネット等のネットワークを介して別のサーバとデータを送受自在になっている。路側機11は、直径がほぼ数m〜30mのエリアに存在する自動車13に搭載されているITS車載器17とは5.8GHz 帯の電波を使ってデータを送受する。ITS車載器17はDSRC部18及びナビ部19を有している。
【0017】
図2は所定の路車間データ伝送形式におけるデータ伝送態様の説明図である。マルチコンテンツ形式のダウンリンクでは、データをその種類に応じて分類し、分類ごとにIDコード"00","01","02",〜を割り振っている。マルチコンテンツ形式のデータ伝送では、データが情報グループを単位に括られ、各情報グループは先頭にID="00"の分類データをもつ。ID="00"の分類データは、その情報グループに含まれているIDにはどのようなものがあるかを示す構成情報となっている。
【0018】
図3は情報グループの構成について各IDが必須か任意かを示す図である。ID=00,01,02は、各情報グループに必ず含めなければならない。ID=03,04,05は、ID=60のみの情報提供の場合には情報グループに含める必要はないが、その他の情報提供の場合には、情報グループに必ず含める必要がある。その他のIDは情報グループに含めるか否かは任意である。
【0019】
図4〜図7はダウンリンクで使用する各IDに割り当てる分類表である。ID=00は構成ID情報(各情報グループがどのようなIDを格納しているかを記述する領域)の分類となっている。ID=01は、事業者の分類となっており、サービス事業者コード(サービス事業者を特定できる事業者コード)、サービス事業者表示テキスト(ナビ表示用サービス事業社名(サービス名)テキスト情報)、及びサービス事業者表音文字列(ナビ発話用サービス事業社名(サービス名)表音文字列情報)を含む。
【0020】
ID=02はコンテンツの分類となっており、企業コード(コンテンツの情報提供元を特定できるコード)、企業表示テキスト(ナビ表示用情報提供企業名テキスト情報)、企業表音文字列(ナビ発話用情報提供企業名表音文字列情報)、情報コード(コンテンツを特定できる情報コード)、情報表示テキスト(ナビ表示用コンテンツ内容テキスト情報)、情報表音文字列(ナビ発話用コンテンツ内容表音文字列情報)、及び嗜好データカテゴリー(情報が該当する情報カテゴリーを示すカテゴリーコード)を含む。
【0021】
ID=03は、ID=02と同様に、コンテンツの分類となっており、即時再生/蓄積コード(受信後のコンテンツ再生動作を表すコード)、及び再生条件コード(情報提供エリアでのコンテンツ再生条件を示すコード)を含む。
【0022】
ID=04は、有効期限の分類となっており、開始年月日時分秒(コンテンツの有効期限)、及び終了年月日時分秒(コンテンツの有効期限)を含む。ID=05は、提供時間の分類となっており、営業時間(コンテンツ提供元の営業時間)、及び情報提供時間(コンテンツ提供時間)を含む。
【0023】
ID=10は、対象地点の分類となっており、対象地点座標(サービス提供可能な地点の緯度経度情報)、対象地点表示用テキスト(サービス名称(店舗名称等))、提携駐車場情報(対象地点以外の提携駐車場情報)、アイコン表示画像データ(サービス提供可能な場所を表すアイコンのデータ)、表示用文字データ(サービスの説明用テキスト情報)、表示画像データ(サービスを表す静止画情報)、表音文字列データ(サービスを表す表音文字列情報)、圧縮音声データ(圧縮音声データ情報)、音声再生順(表音文字列と圧縮音声の再生順序を表す)、ビデオデータ(ビデオデータ情報)、及びURL(サービスを表すURL情報)を含む。
【0024】
ID=20は、情報提供地点の分類となっており、計5個の情報提供地点について、情報提供中心座標(ポップアップ情報を再生する緯度経度情報)、情報提供エリア(ポップアップ情報を再生するエリアを定義する中心座標からの半径情報)、情報提供方向コード(ポップアップ情報を再生する情報提供方向情報)、情報提供道路種別(ポップアップ情報を再生する道路種別情報)、表示画像データ(ポップアップ再生する静止画のデータ)、表音文字列データ(ポップアップ再生する表音文字列情報、圧縮音声データポップアップ再生する圧縮音声のデータ)、及び音声再生順(ポップアップ再生する音声データの再生順番を表すコード)を含む。
【0025】
ID=30は、遷移情報の分類となっており、計8個の次再生情報コード( 画面遷移情報)を含む。ID=40は、詳細情報の分類となっており、計8個の各詳細情報について、表示用文字データ(ナビ表示用詳細情報テキスト情報)、及び発話用表音文字列(ナビ発話用詳細情報表音文字列情報)を含む。
【0026】
ID=50は、駐車場情報の分類となっており、15個の各駐車場について、駐車場ID(駐車場を特定できるID)、詳細情報(駐車場の動的詳細情報)、及び特記事項(駐車場の特記事項)を含む。
【0027】
ID=51は、ナビ部19に格納されている駐車場の静的情報を3次メッシュ単位で最大4メッシュ分更新することが可能になる。ID=51は、3 次メッシュ数(更新する駐車場静的情報を含む3 次メッシュ数を通知するもの)、1〜4の各メッシュについて、3 次メッシュコード(更新する駐車場静的情報を含む3 次メッシュコード)、3 次メッシュバージョン情報(更新する駐車場静的情報が含まれる3 次メッシュのバージョン情報)、3 次メッシュ駐車場数(更新するメッシュに含まれる駐車場静的情報数)、3 次メッシュ駐車場静的情報(更新する駐車場の静的情報)を含む。
【0028】
ID=52は削除駐車場ID情報である。メッシュ単位で駐車場情報をすべて(新設/削除)更新する場合はこの情報は用いない。ID=52は、3次メッシュ数(削除する駐車場ID情報を含む3次メッシュ数を通知するもの)、3次メッシュコード(削除する駐車場ID情報を含む3次メッシュコード)、3次メッシュバージョン情報(削除する駐車場ID情報が含まれる3次メッシュのバージョン情報;ID=51で同時に通知される静的情報のバージョンと同一のものとする)、3次メッシュ駐車場数(更新するメッシュに含まれる駐車場静的情報数)、及び3次メッシュ削除駐車場ID情報(削除する駐車場ID情報)を含む。
【0029】
ID=60は、運転支援の分類であり、運転支援画像データ(運転支援画像情報)、運転支援表音文字列(データ運転支援表音文字列情報)、運転支援圧縮音声(データ運転支援圧縮音声情報)、及び音声再生順(表音文字列と圧縮音声の再生順序を表す)が含まれる。
【0030】
ID=80は、嗜好データの分類であり、計127個の各嗜好データのテーブルについて、嗜好データバージョン(嗜好データのテーブルのバージョン情報)、嗜好データテーブル( 嗜好データのテーブルの表示用テキスト情報)、表音文字列(嗜好データのテーブルの発話用表音文字列情報)、及び詳細情報(嗜好データのテーブルの詳細情報)が含まれる。
【0031】
図8は路側装置15−ITS車載器17間のトランザクションで実施される各機器間の通信及び処理を示している。路側機11及びサーバ12は路側装置15を構成する。ITS車載器17はDSRC部18及びナビ部19を有している。時間順に説明する。なお、路側機11−DSRC部18間の通信はDSRCの電波で行われ、路側機11−サーバ12間及びDSRC部18−ナビ部19間の通信は通常、ケーブルで行われる。
【0032】
ITS車載器17において電源が投入されるのに伴い、S10では、ナビ部19からDSRC部18へクライアントインフォメーションデータが書き込まれる。ITS車載器17を搭載する自動車13が路側機11との通信可能な距離(例:約30m)の電波到達エリアに進入するのに伴い、S11では、路側機11−DSRC部18間でDSRC接続処理が実施される。
【0033】
S11のDSRC接続処理が終了すると、S12,S13でDSRC接続通知が行われる。S12の接続通知は路側機11からサーバ12へのものであり、S13の接続通知はDSRC部18からナビ部19へのものである。S14では、クライアントインフォメーションがDSRC部18から路側機11を経てサーバ12へ通知される。
【0034】
サーバ12は、DSRC部18からのクライアントインフォメーション通知に基づきITS車載器17のユーザが会員か非会員かを判別したり、ITS車載器17でコンテンツを適正に再生するためのITS車載器17のハードウェア情報を知得する。S18では、サーバ12から路側機11及びDSRC部18を経てナビ部19へWelcome画面等のコンテンツを送信する。該コンテンツはマルチコンテンツフォーマットで編成されている。ナビ部19は、マルチコンテンツフォーマットからサービス事業者を判断する。
【0035】
サーバ12は、S18後、ナビ部19がアップリンク情報をDSRC部18に書き込むまで、S19でDSRC部18に対して定期的にポーリングを行う。S20では、ナビ部19は、該サービス事業者の会員であれば、アップリンク情報をDSRC部18に書き込むのに対し、会員でなければ、何もしない。
【0036】
S24では、サーバ12は、路側機11及びDSRC部18を経由してデフォルトのコンテンツ(例:Welcome画面)をナビ部19へ送る。S29では、サーバ12は、DSRC部18に対してメモリアクセスポーリングを実施する。これに対して、S30では、DSRC部18は、ユーザが会員であれば、アップリンク情報をサーバ12へ通知する。
【0037】
S33では、サーバ12は、アップリンク情報から取得した会員情報に基づき会員趣向に適した蓄積型コンテンツをマルチコンテンツフォーマット(図2)で編成してITS車載器17へ配信する。後述するように、路側装置15は、S33の期間中、蓄積型コンテンツの配信を1回以上、中断して、即時再生型コンテンツの配信を割込ませる。S34では、蓄積型コンテンツの配信終了を通知する。ITS車載器17を搭載する自動車13は、配信終了に伴い路側機11との通信エリアから退出する。
【0038】
図9はITS車載器17から路側装置15へ送られるアップリンク情報のデータ説明図である。アップリンク情報は、複数のタグで送られる。タグ1には、サービス事業者コード、目的地(緯度経度)、経由地(緯度経度)1〜5、累計走行距離、嗜好ジャンルデータバージョン、嗜好ジャンルデータ、会員情報1〜8が含められる。タグ2には、サービス事業者コード、過去立寄り地(緯度経度)1〜41が含められる。タグ3には、サービス事業者コード、過去立寄り地(緯度経度)42〜82が含められる。
【0039】
タグ4には、サービス事業者コード、受信/再生履歴(受信情報コード及び再生識別フラグ)1〜123が含められる。タグ5には、サービス事業者コード、受信/再生履歴(受信情報コード及び再生識別フラグ)124〜246が含められる。
【0040】
図10はID=80の嗜好データの一例をテーブル表現した説明図である。嗜好データは、嗜好データ番号、嗜好データ表示用テキスト、嗜好データ表示用ネスト、嗜好データ対象識別子、嗜好データデフォルト値、表音文字列により構成される。嗜好データ番号は、0〜127 の最大、計128個存在し、サービス業者が各データ番号の項目を自由に設定することができる。128の項目の内、最大96項目がS30(図4)でITS車載器17から路側装置15へアップリンク情報として通知される。
【0041】
アップリンク情報として通知される96項目中、12 項目は、公共情報提供サービス目的に利用され、DSRC通信において情報提供を行う際にはデフォルトで配信する情報項目となっている。図10の嗜好データテーブルにおいて、表示用ネストは、各項目(図10のデータ番号に対応する。)の階層を意味し、大きい数値ほど、下の階層を意味している。対象識別子は、それが"0"となっている項目は、ナビ部19における嗜好データのチェック付け画面(後述の図11)においてチェック対象となっていないことを意味し、それが"1"となっている項目は、該チェック付け画面においてチェック対象となっていることを意味する。デフォルト値は、それが"0"となっている項目は、チェック付けの初期画面にチェック無しで表示することを意味し、それが"1"となっている項目は、チェック付けの初期画面にチェック有りで表示することを意味する。
【0042】
図11は路側装置15から嗜好データを受信したITS車載器17がナビ部19の表示器に表示するチェック付けの画面の一例である。ユーザはスクロールバー23をドラッグすることにより画面を上下方向へスクロールすることができる。図11において、ユーザがオンボタンをクリックすると、チェックを付けたことになり、オフボタンをクリックすると、チェックを外したことになる。各項目において、"オン"及び"オフ"の内、が斜体になっている方をユーザが選択したことを意味している。
【0043】
図11は、路側装置15から嗜好データを受信したITS車載器17がナビ部19の表示器に最初に表示するチェック付けの画面であり、受信した嗜好データのデフォルト値が"0"(例:図10のバーゲン情報及びクーポン情報)である項目はオフ(チェック無し)となっており、また、受信した嗜好データのデフォルト値が"1"(例:図10の駐車場情報)である項目はオン(チェック有り)となっている。なお、チェック有りは、ユーザがその項目について嗜好が有ることを意味し、チェック無しは、ユーザがその項目について嗜好が無いことを意味する。
【0044】
図12は嗜好データテーブルの項目のデフォルト値を設定する説明図である。路側装置15及びインターネットショップ35の情報は共通の業者の所有となっている。該業者は、例えば、CDやDVD、書籍、家電若しくは衣料、又は旅行等の販売業者又はサービス業者であったりする。例えば、DVDレンタル及び販売業者が、インターネットショップ35を運営するとともに、店舗も運営し、該店舗に訪れる顧客に対してタウンカーライフナビマルチコンテンツ形式の広告提供を行うことが考えられる。
【0045】
路側装置15のサーバ12は嗜好データテーブルデータベース30を装備し、嗜好データテーブルデータベース30には、車載器に対する各会員の嗜好情報が格納されている。路側装置15は、エリアインした自動車13からの車載器ID情報、並びに嗜好データテーブルのバージョン情報及び嗜好情報等を無線で路側機11において受信し、嗜好情報に適合したコンテンツを選択して、該コンテンツの情報を路側機11からITS車載器17へ送信する。
【0046】
インターネットショップ35にはサーバ36及び購入/参照履歴データベース37が配備される。インターネットユーザは、インターネット43を利用して、インターネットショップ35の商品やサービスを購入する場合には、自宅のパソコン39や携帯電話機40からインターネット43を介してインターネットショップ35のWeb頁へアクセスして、注文を行う。この時の購入履歴や、ユーザがどの商品又はサービスのWeb頁を参照(閲覧)したかの参照履歴は購入/参照履歴データベース37にユーザ別に保存される。
【0047】
サーバ12は、嗜好データテーブルのバージョンアップを行う時は、新バージョンの嗜好データテーブルの項目のデフォルト値を車載器ID別、すなわちユーザ別に設定する。具体的には、車載器IDに対応付けられるユーザについて、購入/参照履歴データベース37における購入及び参照情報を参照する。そして、新バージョンの嗜好データテーブルの項目に例えば洋画、旅行、パソコン、子供服又は欧州の項目があり、今回の車載器IDのユーザについて、サーバ36の購入/参照履歴データベース37に洋画のDVD、旅行ガイドブック、デジタルオーディオプレーヤ、子供服、欧州宛ての航空券の購入実績が存在すれば、新バージョンの洋画、旅行、パソコン、子供服又は欧州の項目には、ユーザ嗜好有りのデフォルト値を設定する。
【0048】
なお、購入情報に代えて購入/参照履歴データベース37における参照情報(Web頁閲覧情報)に基づき嗜好データテーブルの項目のデフォルト値を設定することもできる。例えば、インターネットユーザは、商品やサービスの購入に先立ち、それらの内容を紹介するWeb頁を閲覧する。そして、購入には至らないものの、十分に所定のジャンル(例:洋画、旅行、パソコン、子供服又は欧州)のWeb頁にアクセスしている実績(例:現在より過去所定期間内における閲覧回数が所定の閾値以上であること。)があるとする。そういう場合には、該ユーザは、該ジャンルに関心又は興味があると判断して、該ジャンルに対応する嗜好データテーブルの項目のデフォルト値はユーザ嗜好有りに設定する。
【0049】
図13は嗜好データテーブル配信方法50のフローチャートである。嗜好データテーブル配信方法50は、路側機11の無線エリアに自動車13が新規に進入するごとに実行される。すなわち、S51では、新規にエリアインした自動車13が有るか否かを判定し、判定が正になりしだい、S52へ進む。
【0050】
S52では、ITS車載器17からのアップリンクにより車載器ID及び嗜好データテーブルのバージョンの情報を取得する。S53では、S52での取得情報における嗜好データテーブルのバージョンが最新のものか否かを判定し、最新のものであれば、嗜好データテーブル配信方法50を終了し、古いバージョンであれば、S54へ進む。
【0051】
S54では、車載器IDに対応するユーザのデータがインターネットショップ35の購入/参照履歴データベース37に存在するか否かを判定し、判定が正であれば、S55へ進み、否であれば、S56へ進む。S55では、インターネットショップ35の購入/参照の履歴に基づき購入/参照の実績のある商品、サービス又はそれらのジャンルに対応する嗜好データテーブルの項目のデフォルト値をユーザ嗜好有りに設定する。S56では、最新バージョンの嗜好データテーブルを路側機11からITS車載器17へ送信する。
【0052】
こうして、今回エリアインした自動車13に対して、そのITS車載器17の嗜好データテーブルのバージョンが旧バージョンとなっており(S53否)、ITS車載器17のユーザがインターネットショップ35の会員になっていて、かつインターネットショップ35の商品等の購入実績やWeb頁の参照実績がある(S54正)場合には、新バージョンの嗜好データテーブルの幾つかの項目についてはインターネットショップ35における購入/参照の実績に基づきデフォルト値を設定し(S55)、こうしてデフォルト値を設定された新バージョンの嗜好データテーブルの情報がITS車載器17へダウンリンクで送信されることになる(S56)。
【0053】
これに対して、ITS車載器17のユーザは、新バージョンの嗜好データテーブルの所定の項目についてはデフォルト値付きであって、自分嗜好の有無を入力する手間を省いて、嗜好データテーブルへの嗜好の有無入力を済ませることができる。ITS車載器17のユーザが新バージョンの嗜好データテーブルに対して入力終了した嗜好情報は、入力終了時になおエリアイン中であれば、直ちに路側装置15へ送信され、また、入力終了時に自動車13がすでにエリアアウトしていれば、次回のエリアイン時にITS車載器17へ送信される。
【0054】
図14は路車間無線通信システム130のブロック図である。路車間無線通信システム130は、無線により相互にデータを送受自在になっている車載器140と路側装置160とを含む。車載器140の具体例は図12のITS車載器17であり、路側装置160の具体例は、図12における路側装置15とインターネットショップ35における配備機器とを含む装置である。
【0055】
車載器140は、識別情報送信手段141、嗜好データテーブル情報受信手段142、及び嗜好情報送信手段143を備える。 識別情報送信手段141は、路側装置へ該車載器140のユーザの識別情報を無線送信する。嗜好データテーブル情報受信手段142は、路側装置から嗜好データテーブルの情報を受信する。嗜好情報送信手段143は、嗜好データテーブルの項目についてユーザの嗜好の有無に係る情報を路側装置へ無線送信する。
【0056】
路側装置160は、利用情報データベース161、インターネットユーザ特定手段162、ユーザ嗜好判断手段163、デフォルト値設定手段164及び送信手段165を備える。利用情報データベース161はインターネットショップ35の購入/参照履歴データベース37に対応する。インターネットユーザ特定手段162は例えば路側装置15のサーバ12又はインターネットショップ35のサーバ36に実装される。ユーザ嗜好判断手段163、デフォルト値設定手段164及び送信手段165は例えば路側装置15のサーバ12に実装される。
【0057】
利用情報データベース161は、各インターネットユーザに対してそのインターネット利用情報を蓄積する。インターネットユーザ特定手段162は、車載器ユーザと同一人であるインターネットユーザを特定する。ユーザ嗜好判断手段163は、特定したインターネットユーザの嗜好をインターネット利用情報に基づき判断する。
【0058】
デフォルト値設定手段164は、車載器ユーザの嗜好データテーブルの項目の嗜好有無についてのデフォルト値をユーザ嗜好判断手段163の判断結果に基づき設定する。送信手段165は、デフォルト値設定手段164が設定したデフォルト値を含む嗜好データテーブルの情報を車載器ユーザの車載器140へ無線送信する。
【0059】
インターネット利用情報とは、例えばインターネットユーザのショッピング情報又はWeb頁閲覧情報である。説明の便宜上、ここで、インターネットユーザ特定手段162が特定したインターネットユーザを「対象ユーザ」と呼ぶことにする。対象ユーザは、今回エリアインした自動車の車載器ユーザでもある。
【0060】
典型的には、デフォルト値設定手段164によるデフォルト値設定は、車載器ユーザの車載器140の嗜好データテーブルのバージョンが旧バージョンであると判明した場合に、新バージョンの嗜好データテーブルを該車載器ユーザの該車載器140へ送信する前である。典型的には、デフォルト値設定手段164は、対象ユーザについて、その嗜好データテーブルの項目とショッピング情報における購入品や購入サービスとの同一性や類似性を調べる。そして、購入実績の有る商品やサービスと内容的に関連のある(商品又はサービスと同一及び類似する)嗜好データテーブルの項目については、ユーザ嗜好有りのデフォルト値を設定する。
【0061】
別の例では、デフォルト値設定手段164は、対象ユーザについて、その嗜好データテーブルの項目と閲覧したWeb頁との関連性の有無を調べる。例えば、該対象ユーザが購入には至らなかったものの、近時、頻繁に所定のジャンルのWeb頁を閲覧している実績が有れば、該ジャンルに対応する商品又はサービスと内容的に関連のある(商品又はサービスと同一及び類似する)嗜好データテーブルの項目については、ユーザ嗜好有りのデフォルト値を設定する。
【0062】
典型的には、利用情報データベース161の情報所有者と嗜好データテーブルの提供者とは同一者であるが、これに限定されない。また、嗜好データテーブルの項目のユーザ嗜好のデフォルト値設定の基にする対象ユーザによる閲覧Web頁は、インターネットショップのものに限定されない。例えばポータルサイトの閲覧Web頁であってもよいとする。該対象ユーザがポータルサイトにおいて所定のジャンル(例:金融、グルメ、映画、音楽)のWeb頁を頻繁に閲覧する実績が有る場合には、該ジャンルと内容的に関連のある嗜好データテーブルの項目については、ユーザ嗜好有りのデフォルト値を設定する。
【0063】
好ましくは、インターネット利用情報は、特定したインターネットユーザが購入した商品又はサービスと同一のものを購入した他のインターネットユーザのショッピング情報も含む。例えば、書籍等のインターネットショップでは、この本を購入した人は、その他にこういう本も購入しているとの情報をWeb頁で紹介することがある(例:「この商品を買った人はこんな商品も買っています。」)。このように、対象ユーザと同じ商品やサービスを購入した人が購入した別の商品やサービスは、該対象ユーザには購入実績がなくても、該対象ユーザにとり関心は高いと考えられるので、該別の商品やサービスに内容的に関連する嗜好データテーブルの項目については、該対象ユーザの嗜好有りのデフォルト値を設定することは有利である。
【0064】
こうして、車載器ユーザの車載器140は、項目にデフォルト値が付けられた嗜好データテーブルを受信して、それをユーザに提示することができ、ユーザは嗜好データテーブルの項目への自分の嗜好の有無の入力の手間を省くことができる。
【0065】
図15は別の路車間無線通信システム168のブロック図である。路車間無線通信システム168は、無線により相互にデータを送受自在になっている車載器140と路側装置170とを含む。路車間無線通信システム168の車載器140は路車間無線通信システム130の車載器140と同一であるので、説明を省略する。
【0066】
図14の路側装置160はインターネットを利用するものに限定されているのに対し、図15の路側装置170は、インターネットを利用するものでなくても、電話ショッピングやfaxショッピングを利用するものであってもよい。路側装置170は、ショッピング情報データベース171、顧客特定手段172、ユーザ嗜好判断手段173、デフォルト値設定手段174及び送信手段175を備える。顧客特定手段172は例えば路側装置15のサーバ12又はインターネットショップ35のサーバ36に実装される。ユーザ嗜好判断手段173、デフォルト値設定手段174及び送信手段175は例えば路側装置15のサーバ12に実装される。
【0067】
ショッピング情報データベース171は、顧客のショッピング情報を蓄積する。顧客特定手段172は、ショッピング情報データベース171にショッピング情報を蓄積してある顧客であって車載器ユーザと同一人である顧客を特定する。ユーザ嗜好判断手段173は、特定した顧客の嗜好をショッピング情報に基づき判断する。デフォルト値設定手段174は、車載器ユーザの嗜好データテーブルの項目の嗜好有無についてのデフォルト値をユーザ嗜好判断手段163の判断結果に基づき設定する。送信手段175は、デフォルト値設定手段164が設定したデフォルト値を含む嗜好データテーブルの情報を車載器ユーザの車載器140へ無線送信する。
【0068】
路側装置170においても、路側装置160(図14)と同様に、車載器ユーザの嗜好データテーブルの項目であって、購入実績のある商品やサービスに関連する項目に対して、ユーザ嗜好有りのデフォルト値を設定することができる。
【0069】
図16は路車間無線通信システム制御方法178のフローチャートである。路車間無線通信システム制御方法178は、前述の路車間無線通信システム130に適用され、車載器140において実施される方法部分180と、路側装置160において実施される方法部分190とを備える。
【0070】
方法部分180はS181〜S183を備える。方法部分190はS191〜S194を備える。
【0071】
S181では、路側装置160へ該車載器140のユーザの識別情報を無線送信する。S182では、路側装置160から嗜好データテーブルの情報を受信する。S183では、嗜好データテーブルの項目についてユーザの嗜好の有無に係る情報を路側装置160へ無線送信する。
【0072】
S191では、各インターネットユーザに対してそのインターネット利用情報を蓄積している利用情報データベース161のインターネットユーザであって車載器ユーザと同一人であるインターネットユーザを特定する。
【0073】
S192では、特定したインターネットユーザの嗜好をインターネット利用情報に基づき判断する。S193では、車載器ユーザの嗜好データテーブルの項目の嗜好有無についてのデフォルト値をS192における判断結果に基づき設定する。S194では、S193において設定したデフォルト値を含む嗜好データテーブルの情報を車載器ユーザの車載器140へ無線送信する。
【0074】
S181〜S183の処理は、車載器140(図14)の識別情報送信手段141、嗜好データテーブル情報受信手段142、及び嗜好情報送信手段143の機能にそれぞれ対応している。したがって、識別情報送信手段141、嗜好データテーブル情報受信手段142、及び嗜好情報送信手段143の機能について述べた具体的態様はS181〜S183の処理についての具体的態様としても適用可能である。
【0075】
S191〜S194の処理は、路側装置160(図14)のインターネットユーザ特定手段162〜送信手段165の機能にそれぞれ対応している。したがって、インターネットユーザ特定手段162〜送信手段165の機能について述べた具体的態様はS191〜S194の処理についての具体的態様としても適用可能である。
【0076】
本発明を適用したプログラムは、コンピュータを路車間無線通信システム130又は168の各手段として機能させる。本発明を適用した別のプログラムは、路車間無線通信システム制御方法178の各ステップをコンピュータに実行させる。
【0077】
本明細書は様々な範囲及びレベルの発明を開示している。それら発明は、本明細書で説明した様々な技術的範囲及び具体的レベルの各装置及び各方法だけでなく、拡張ないし一般化の範囲で、各装置及び各方法から独立の作用、効果を奏する1つ又は複数の要素を抽出したものや、1つ又は複数の要素を拡張ないし一般化の範囲で変更したものや、さらに、各装置間及び各方法間で1つ又は複数の要素の組合せを入れ換えたものを含む。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】所定の路車間データ伝送形式のデータに基づく路車間DSRCシステムの概略図である。
【図2】所定の路車間データ伝送形式におけるデータ伝送態様の説明図である。
【図3】情報グループの構成について各IDが必須か任意かを示す図である。
【図4】ダウンリンクで使用する各IDに割り当てる分類表の第1の部分である。
【図5】ダウンリンクで使用する各IDに割り当てる分類表の第2の部分である。
【図6】ダウンリンクで使用する各IDに割り当てる分類表の第3の部分である。
【図7】ダウンリンクで使用する各IDに割り当てる分類表の第4の部分である。
【図8】路側装置路側装置−ITS車載器間のトランザクションで実施される各機器間の通信及び処理を示す図である。
【図9】ITS車載器から路側装置路側装置へ送られるアップリンク情報のデータ説明図である。
【図10】嗜好データの一例をテーブル表現した説明図である。
【0079】
【図11】路側装置路側装置から嗜好データを受信したITS車載器がナビ部の表示器に表示するチェック付けの画面の一例である。
【図12】嗜好データテーブルの項目のデフォルト値を設定する説明図である。
【図13】嗜好データテーブル配信方法のフローチャートである。
【図14】路車間無線通信システムのブロック図である。
【図15】別の路車間無線通信システムのブロック図である。
【図16】路車間無線通信システム制御方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0080】
130:路車間無線通信システム、140:車載器、141:識別情報送信手段、142:嗜好データテーブル情報受信手段、143:嗜好情報送信手段、160:路側装置、161:利用情報データベース、162:インターネットユーザ特定手段、163:ユーザ嗜好判断手段、164:デフォルト値設定手段、165:送信手段、168:路車間無線通信システム、170:路側装置、171:ショッピング情報データベース、172:顧客特定手段、173:ユーザ嗜好判断手段、174:デフォルト値設定手段、175:送信手段、178:路車間無線通信システム制御方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線により相互にデータを送受自在になっている車載器と路側装置とを含む路車間無線通信システムであって、
前記車載器は、
前記路側装置へ該車載器のユーザの識別情報を無線送信する識別情報送信手段、
前記路側装置から嗜好データテーブルの情報を受信する嗜好データテーブル情報受信手段、及び
前記嗜好データテーブルの項目について前記ユーザの嗜好の有無に係る情報を前記路側装置へ無線送信する嗜好情報送信手段、
を備え、
前記路側装置は、
各インターネットユーザに対してそのインターネット利用情報を蓄積する利用情報データベース、
前記車載器から受信した該車載器のユーザ識別情報に係るユーザと同一人であるインターネットユーザを特定するインターネットユーザ特定手段、
前記特定したインターネットユーザの嗜好を前記インターネット利用情報に基づき判断するユーザ嗜好判断手段、
嗜好データテーブルの項目に対する前記ユーザ識別情報に係るユーザの嗜好の有無についてのデフォルト値を前記ユーザ嗜好判断手段の判断結果に基づき設定するデフォルト値設定手段、及び
前記デフォルト値設定手段が設定したデフォルト値を含む嗜好データテーブルの情報を前記車載器へ無線送信する嗜好データテーブル情報送信手段、
を備えることを特徴とする路車間無線通信システム。
【請求項2】
前記インターネット利用情報とは、インターネットユーザのショッピング情報又は閲覧情報であることを特徴とする請求項1記載の路車間無線通信システム。
【請求項3】
前記インターネット利用情報は、前記特定したインターネットユーザが購入した商品又はサービスと同一のものを購入した他のインターネットユーザのショッピング情報も含むことを特徴とする請求項2記載の路車間無線通信システム。
【請求項4】
前記利用情報データベースの情報所有者と前記嗜好データテーブルの提供者とは同一者であることを特徴とする請求項1〜3記載の路車間無線通信システム。
【請求項5】
無線により相互にデータを送受自在になっている車載器と路側装置とを含む路車間無線通信システムであって、
前記車載器は、
前記路側装置へ該車載器のユーザの識別情報を無線送信する識別情報送信手段、
前記路側装置から嗜好データテーブルの情報を受信する嗜好データテーブル情報受信手段、及び
前記嗜好データテーブルの項目について前記ユーザの嗜好の有無に係る情報を前記路側装置へ無線送信する嗜好情報送信手段、
を備え、
前記路側装置は、
顧客のショッピング情報を蓄積するショッピング情報データベース、
ショッピング情報データベースにショッピング情報を蓄積してある顧客であって前記車載器から受信した該車載器のユーザ識別情報に係るユーザと同一人である顧客を特定する顧客特定手段、
特定した顧客の嗜好を前記ショッピング情報に基づき判断するユーザ嗜好判断手段、
嗜好データテーブルの項目に対する前記ユーザ識別情報に係るユーザの嗜好の有無についてのデフォルト値を前記ユーザ嗜好判断手段の判断結果に基づき設定するデフォルト値設定手段、及び
前記デフォルト値設定手段が設定したデフォルト値を含む嗜好データテーブルの情報を前記車載器へ無線送信する嗜好データテーブル情報送信手段、
を備えることを特徴とする路車間無線通信システム。
【請求項6】
無線により相互にデータを送受自在になっている車載器と路側装置とを含む路車間無線通信システムの制御方法であって、
車載器側において、
前記路側装置へ該車載器のユーザの識別情報を無線送信する識別情報送信ステップ、
前記路側装置から嗜好データテーブルの情報を受信する嗜好データテーブル情報受信ステップ、及び
前記嗜好データテーブルの項目について前記ユーザの嗜好の有無に係る情報を前記路側装置へ無線送信する嗜好情報送信ステップ、
を備え、
路側装置側において、
前記車載器から受信した該車載器のユーザ識別情報に係るユーザと同一人であるインターネットユーザを特定するインターネットユーザ特定ステップ、
各インターネットユーザに対してそのインターネット利用情報を蓄積する利用情報データベースにおける前記特定したインターネットユーザの利用情報に基づき該特定したインターネットユーザの嗜好を判断するユーザ嗜好判断ステップ、
嗜好データテーブルの項目に対する前記ユーザ識別情報に係るユーザの嗜好の有無についてのデフォルト値を前記ユーザ嗜好判断ステップにおける判断結果に基づき設定するデフォルト値設定ステップ、及び
前記デフォルト値設定ステップが設定したデフォルト値を含む嗜好データテーブルの情報を前記車載器へ無線送信する嗜好データテーブル情報送信ステップ、
を備えることを特徴とする路車間無線通信システム制御方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の路側間無線通信システムの各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−87992(P2010−87992A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256725(P2008−256725)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】