車両のサブフレーム
【課題】 井桁形状のダイカスト製サブフレームを2分割で構成しても、分割接合部の形状の自由度を高めることができる車両のサブフレームを提供する。
【解決手段】 車体13の前部下部14に取付ける井桁状のダイカスト製サブフレーム11を、前後に分割したコ字状の前部サブフレーム15と後部サブフレーム16とで構成するとともに、前部サブフレーム15を構成する前ビーム部材47の左右端に成形した左右ビーム分割前部65,67と後部サブフレーム16を構成する後ビーム部材53の左右端に成形した左右ビーム分割後部88,91とを接合した構成とし、左右ビーム分割前部65,67に扁平部113,114を、サブフレーム11に前後方向からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形した。
【解決手段】 車体13の前部下部14に取付ける井桁状のダイカスト製サブフレーム11を、前後に分割したコ字状の前部サブフレーム15と後部サブフレーム16とで構成するとともに、前部サブフレーム15を構成する前ビーム部材47の左右端に成形した左右ビーム分割前部65,67と後部サブフレーム16を構成する後ビーム部材53の左右端に成形した左右ビーム分割後部88,91とを接合した構成とし、左右ビーム分割前部65,67に扁平部113,114を、サブフレーム11に前後方向からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の前部下部に取付ける井桁状の車両のサブフレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
井桁状のダイカスト製サブフレームとし、車両用中空フレーム及び車両が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−210013公報(第11頁、図3)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図13は、従来の技術(特許文献1)の基本構成を説明する図であり、従来の車両用中空フレーム(サブフレーム)201は、アルミニウム合金鋳物製フレーム本体202にアルミニウム合金製蓋体203を接合して中空部を構成したもので、軽量で、容易にかつ低コストで製作することができるというものである。
【0004】
しかし、特許文献1の車両用中空フレーム(サブフレーム)201では、アルミニウム合金鋳物製フレーム本体202を大きくした場合、既存の鋳造設備など設備の制約で、大型の鋳物製フレーム本体を鋳造できない場合がある。
既存のダイカスト機に対応させて、例えば、鋳物製フレーム本体202を2分割することも考えられる。2分割した場合は、当然、分割した部位を一体的に接合して井桁形状を得るが、その際の接合に手間がかかる。2分割した場合でも形状(開先)設定など接合に手間のかからない構造が望まれていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、井桁形状のダイカスト製サブフレームを2分割で構成しても、分割接合部の形状の自由度を高めることができる車両のサブフレームを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、車体の前部下部に取付ける井桁状のダイカスト製サブフレームを、前後に分割したコ字状の前部サブフレームと後部サブフレームとで構成するとともに、前部サブフレームを構成する前ビーム部材の左右端に成形した左右ビーム分割前部と後部サブフレームを構成する後ビーム部材の左右端に成形した左右ビーム分割後部とを接合した構成とし、左右ビーム分割前部若しくは左右ビーム分割後部に扁平部を、サブフレームに前後方向からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形したことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、左右ビーム分割前部および左右ビーム分割後部は一側が開いた中空断面で形成され、少なくとも扁平部において展伸製板材を接合して開口を閉じたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明では、ダイカスト製サブフレームを前部サブフレームの左右ビーム分割前部に左右ビーム分割後部を接合した構成とし、左右ビーム分割前部若しくは左右ビーム分割後部に扁平部を、サブフレームに前後方向からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形したので、左右の分割接合部の強度を左右ビーム部材の母材側の形状の強度と同等若しくはそれ以上にすれば、分割接合部から塑性変形する心配はなく、分割接合部の形状の自由度を高めることができるという利点がある。
【0009】
また、分割接合部の形状の自由度を高めることで、溶接の自由度は高まり、接合作業時間の削減を図ることができるという利点がある。
【0010】
請求項2に係る発明では、左右ビーム分割前部および左右ビーム分割後部は一側が開いた中空断面で形成され、少なくとも扁平部において展伸製板材を接合して開口を閉じたので、展伸製板材(左底板、右底板)によって扁平部を破断ではなく曲げて、後部の後取付け部への荷重伝達を確実にコントロールできる。その結果、後取付け部は車体から抜けて後方にスライドし、クラッシャブルストロークを確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の車両のサブフレームの概要を説明する概要説明図である。
サブフレーム11は、例えば、車両12の車体13の下部14に取付けるもので、前後に2分割した前部サブフレーム15と、後部サブフレーム16と、からなり、分割接合部17,18で接合したものである。具体的には後述する。
【0012】
車体13は、前部21であるフロントボデー22を備える。
フロントボデー22は、FF用で、左右のフロントサイドメンバ23,23と、フロントサイドメンバ23,23の前端に接合したフロントクロスメンバ24と、フロントサイドメンバ23,23の後端に接合したフロアメンバ25,25と、フロントサイドメンバ23,23に取付けたダンパハウジング26,26と、エンジンルームを隔てる隔壁27と、フロントサイドメンバ23,23の下部及びフロアメンバ25,25に連結したサブフレーム11と、を備え、エンジン31(図2参照)や前懸架装置32を支持する。33はエンジン31(図2参照)の前部を載せる前マウント装置、34(図2参照)はエンジン31の後部を載せる後マウント装置、37は前懸架装置32の下部リンクを示す。
【0013】
図2は、本発明の車両のサブフレームにエンジンを載せた状態を説明する図である。図1を併用して説明する。
サブフレーム11は、車体13の下部14に4隅をマウント部材41・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)で取付け、左右に前懸架装置32を支持し、前後にエンジン31を前・後マウント装置33,34を介して支持する。
マウント装置33は、エンジン31の荷重を受けるとともに、エンジン31で発生した振動を吸収してサブフレーム11に伝わるのを抑制する。
エンジン31は、例えば、直列4気筒で、横置きしたものである。44は変速機を示す。
【0014】
図3は、本発明の車両のサブフレームの平面図である。
図4は、本発明の車両のサブフレームの分解図である。
サブフレーム11は、具体的には、前に配置する前部サブフレーム15に後部サブフレーム16を分割接合部17,18で溶接することで、前ビーム部材47、左右ビーム部材51,52、後ビーム部材53とで井桁状とし、前ビーム部材47の両端に前取付け部54,55を形成し、前ビーム部材47の中央に支持部56を形成し、左右ビーム部材51,52にそれぞれ前懸架装置32を連結する連結部57,58を形成し、左右ビーム部材51,52の後端に後取付け部61,62を形成し、後ビーム部材53に操舵装置(図に示していない)を取付ける操舵取付け部63,64を形成した。
支持部56は、前マウント装置33(図2参照)を介してエンジン31(図2参照)を支持するとともに、エンジン31の荷重を前ビーム部材47(前箱本体75)に伝える。
【0015】
次に、2分割状態の前部サブフレーム15と後部サブフレーム16を主体にして説明する。
前部サブフレーム15は、上方から見てコ字形で、前ビーム部材47の左端に左ビーム分割前部65を形成し、右端に右ビーム分割前部67を形成した。
また、前部サブフレーム15は、箱形状のダイカスト製箱部材であるところの前部箱部材71を鋳造し、前部箱部材71の開口72に金属製蓋部材であるところの底板73を接合したものである。
【0016】
前部箱部材(箱部材)71は、前箱本体75を横断面でU状に成形し、前箱本体75の左端に左前箱本体76を一体にU状に成形し、端に前取付け部54を成形し、前箱本体75の右端に右前箱本体77を一体にU状に成形し、端に前取付け部55を成形し、開口72を構成する開口81〜83を前箱本体75、左右前箱本体76,77に成形し、前の開口81にフランジ部84,84を成形し、左の開口82に左フランジ部85,85を成形し、右の開口83に右フランジ部86,86を成形した。
【0017】
後部サブフレーム16は、上方から見てコ字形で、後ビーム部材53の左端に左ビーム分割後部66を形成し、右端に右ビーム分割後部68を形成した。
また、後部サブフレーム16は、箱形状のダイカスト製箱部材であるところの後部箱部材92を鋳造し、後部箱部材92の開口93の一部に金属製蓋部材であるところの底板73を接合したものである。
【0018】
後部箱部材92は、後箱本体95を横断面でU状に成形し、後箱本体95の左端に左後箱本体96を一体にU状に成形し、後箱本体95の右端に右後箱本体97を一体にU状に成形し、それぞれに開口93を構成する開口101〜103を成形し、左の開口102に左フランジ部104を成形し、右の開口103に右フランジ部105を成形した。
【0019】
蓋部材(底板)73は、展伸製板材であり、前箱本体75の開口81に接合する前底板107と、主に左前箱本体76の開口82及び左後箱本体96の開口102に接合する左底板108と、主に右前箱本体77の開口83及び右後箱本体97の開口103に接合する右底板111と、からなる。
なお、蓋部材(底板)73は、3分割したもであるが、分割数は任意であり、また、分割位置も任意である。
【0020】
左ビーム分割前部65には、扁平部113(図7も参照)を分割接合部17から前に距離Lhだけ離して形成した。
右ビーム分割前部67には、扁平部114を分割接合部18から前に距離Lmだけ離して形成した。
なお、左右ビーム分割前部65,67にそれぞれ扁平部113,114を形成したが、前分割左右部材81,82に扁平部113,114を形成しないで、左右ビーム分割後部66,68に扁平部を扁平部113,114のように形成することも可能である。
【0021】
図5は、本発明の車両のサブフレームの斜視図であり、サブフレーム11の底を上にした状態で示す。図3、図4を併用して説明する。
前部サブフレーム15は、より具体的には、前箱本体75のフランジ部84,84に蓋部材(底板)73の前底板107を溶接(点模様で示す)で接合するとともに、前箱本体75内に立てた押出しボス部116(図9参照)に前底板107を溶接(点模様で示す)で接合(溶接部119)した。
また、前箱本体75の残りの左側のフランジ部84,84及び押出しボス部116(図9参照)に左底板108を溶接で接合するとともに、左前箱本体76の左フランジ部85,85に左底板108を溶接(点模様で示す)で接合し、左前箱本体76内に立てた押出しボス部117(図9参照)に左底板108を溶接で接合した。
【0022】
同様に、前箱本体75の残りの右側のフランジ部84,84及び押出しボス部116(図9参照)に右底板111を溶接で接合するとともに、右前箱本体77の右フランジ部86,86並びに右前箱本体77内に立てた押出しボス部118(図9参照)に右底板111を溶接(点模様で示す)で接合した。
【0023】
次に、ビーム部材の断面を示す。前ビーム部材47、左ビーム部材51及び左ビーム部材51の分割接合部17を示す。
図6は、図3の6−6線断面図である。
前ビーム部材47は、横断面がU状の前箱本体75の開口81を前底板107で閉じた構造管である。
前箱本体75は、箱形状のダイカスト製箱部材で、開口81と押出しボス部116を有する。
前ビーム部材47は、前述したように、フランジ部84,84に蓋部材(底板)73の前底板107を溶接で接合するとともに、押出しボス部116に前底板107を溶接で接合した。119・・・は押出しボス部116との溶接部、121・・・はフランジ部84との溶接部を模式的に示す。
溶接部119,121を施す溶接方法は任意であり、例えば、FSW装置122を用いて施工する。また、フランジ部84,84を溶接ロボット(スポット溶接機)で溶接してもよい。
【0024】
図7は、図3の7−7線断面図である。
左ビーム部材51の左ビーム分割前部65は、左右方向の横断面がU状の左前箱本体76の開口82を左底板108で閉じた構造管である。
左前箱本体76は、箱形状のダイカスト製箱部材で、開口82と押出しボス部117を有する。
左ビーム部材51は、前述したように、左フランジ部85,85並びに押出しボス部117(図9も参照)に左底板108を溶接で接合した。123・・・は溶接部を模式的に示す。
溶接部123を施す溶接方法は任意であり、例えば、FSW装置122を用いて施工する。また、フランジ部85,85を溶接ロボット(スポット溶接機)で溶接してもよい。
【0025】
右ビーム部材52(図3参照)は、左ビーム部材51とほぼ同様である。
右ビーム分割前部67(図3参照)は、左ビーム分割前部65とほぼ同様である。
【0026】
扁平部113は、左ビーム分割前部65の平均高さHbを小さくした部位で、左ビーム分割前部65の幅Wbに対する比(Hb/Wb)で、約0.15と小さく、サブフレーム11に前後方向(図1の矢印a1の方向)からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形した部位である。
扁平部114(図3、図4参照)は、扁平部113とほぼ同様であり、説明を省略する。
【0027】
図8は、図3の8−8線断面図である。
分割接合部17は、前部箱部材71の左前箱本体76に形成した開先部124と、後部箱部材92の左後箱本体96に形成した開先部125と、開先部125に開先部124を重ね、開先部124,125にすみ肉溶接を施すことで形成した溶接部126(図3参照)とからなる。
分割接合部18(図3参照)は、分割接合部17とほぼ同様である。
【0028】
図9は、本発明の車両のサブフレームが備える前部箱部材の下面図である。
図10は、図9の10−10線断面図である。図5を併用して説明する。
ダイカスト製の前部箱部材71は、前箱本体75を備え、前箱本体(箱部材)75は、内面127に前箱本体75の長手方向(矢印a2の方向)に配列して立てた押出しボス部116を複数(第1〜第6押出しボス部131〜136)備える。
【0029】
押出しボス部116は、先端に蓋部材(底板)73の前底板107、左底板108、右底板111を取付ける支柱であり、かつ、ダイカスト鋳型137(図11参照)から離型させる際に押す座を兼ねる。
具体的には、中央の第3・第4押出しボス部133,134を前箱本体75の長手方向の中心部138からピッチP/2で成形し、第2・第5押出しボス部132,135をピッチPで成形し、第1・第6押出しボス部131,136をピッチP1で成形するとともに、両端の前取付け部54,55から距離P2で成形した。第3押出しボス部133と第4押出しボス部134のピッチはPである。
【0030】
押出しボス部116は、より具体的には、ほぼ水平断面が長円で、長円の長径をDwとし、短径をDfとした。
【0031】
次に、本発明の車両のサブフレーム11の作用を説明する。
図11は、本発明のサブフレームの第1作用図である。図1、図3を併用して説明する。
車両12の正面に通常の力より大きな力が加わると、力Fhはサブフレーム11の左ビーム部材51に伝わる。力Fhが左ビーム部材51に加わると、左ビーム分割前部65に成形した扁平部113から塑性変形が始まるとともに、扁平部113が塑性変形するので、分割接合部17の強度を母材側の形状の強度と同等若しくはそれ以上にすれば、分割接合部17から塑性変形する心配はなく、その結果、分割接合部17の開先形状の自由度を高めることができる。
【0032】
また、力Fm(力Fhとほぼ同等)が右ビーム部材52に加わると、右ビーム分割前部67に成形した扁平部114から塑性変形が始まるとともに、扁平部114が塑性変形するので、分割接合部18の強度を母材側の形状の強度と同等若しくはそれ以上にすれば、分割接合部18から塑性変形する心配はなく、その結果、分割接合部18の開先形状の自由度を高めることができる。
【0033】
このように、車両のサブフレーム11では、車体13の前部下部14に取付ける井桁状のダイカスト製サブフレーム11を、前後に分割したコ字状の前部サブフレーム15と後部サブフレーム16とで構成するとともに、前部サブフレーム15を構成する前ビーム部材47の左右端に成形した左右ビーム分割前部65,67と後部サブフレーム16を構成する後ビーム部材53の左右端に成形した左右ビーム分割後部88,91とを接合した構成とし、左右ビーム分割前部65,67に扁平部113,114を、サブフレーム11に前後方向からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形したので、左右の分割接合部17,18の強度を左右ビーム部材51,52の母材側の形状の強度と同等若しくはそれ以上にすれば、分割接合部から塑性変形する心配はなく、分割接合部17,18の形状の自由度を高めることができる。
【0034】
また、分割接合部17,18の形状の自由度を高めることで、溶接の自由度は高まり、接合作業時間の削減を図ることができる。
【0035】
図12は、本発明のサブフレームの第2作用図である。図1、図3を併用して説明する。
車両12の正面に通常の力より大きな力が加わり、力Ftがサブフレーム11の左ビーム部材51に伝わると、左ビーム部材51は破壊することなく、曲がりながら、サブフレーム11の後部の後取付け部61まで荷重を伝える。その際、扁平部113において、展伸製板材であるところの左底板108を接合しているので、左底板108によって破断ではなく曲げて、後部の後取付け部61への荷重伝達を確実にコントロールできる。その結果、後取付け部61は車体13のフロアメンバ25から抜けて後方に矢印a3のようにスライドし、衝撃を吸収するための領域を大きくすることができる。つまり、クラッシャブルストロークを確保することができる。
一方、右ビーム部材52でも、同様の作用、効果を発揮する。
【0036】
このように、車両のサブフレーム11では、左右ビーム分割前部65,67および左右ビーム分割後部66,68は一側(左右の開口82,83側)が開いた中空断面で形成され、少なくとも扁平部113,114において展伸製板材(左底板、右底板)108,111を接合して左の開口82、右の開口83を閉じたので、展伸製板材(左底板、右底板)108,111によって扁平部113,114を破断ではなく曲げて、後部の後取付け部61,62への荷重伝達を確実にコントロールできる。その結果、後取付け部61,62は車体13のフロアメンバ25,25から抜けて後方に矢印a3のようにスライドし、クラッシャブルストロークを確保することができる。
【0037】
尚、本発明の車両のサブフレームは、一般の車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の車両のサブフレームは、四輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の車両のサブフレームの概要を説明する概要説明図
【図2】本発明の車両のサブフレームにエンジンを載せた状態を説明する図
【図3】本発明の車両のサブフレームの平面図
【図4】本発明の車両のサブフレームの分解図
【図5】本発明の車両のサブフレームの斜視図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】図3の7−7線断面図
【図8】図3の8−8線断面図
【図9】本発明の車両のサブフレームが備える前部箱部材の下面図
【図10】図9の10−10線断面図
【図11】本発明のサブフレームの第1作用図
【図12】本発明のサブフレームの第2作用図
【図13】従来の技術(特許文献1)の基本構成を説明する図
【符号の説明】
【0040】
11…サブフレーム、13…車体、14…前部下部、15…前部サブフレーム、16…後部サブフレーム、47…前ビーム部材、53…後ビーム部材、65…左ビーム分割前部、67…右ビーム分割前部、82…左の開口、83…右の開口、88…左ビーム分割後部、91…右ビーム分割後部、108…展伸製板材(左底板)、111…展伸製板材(右底板)、113,114…扁平部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の前部下部に取付ける井桁状の車両のサブフレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
井桁状のダイカスト製サブフレームとし、車両用中空フレーム及び車両が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−210013公報(第11頁、図3)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図13は、従来の技術(特許文献1)の基本構成を説明する図であり、従来の車両用中空フレーム(サブフレーム)201は、アルミニウム合金鋳物製フレーム本体202にアルミニウム合金製蓋体203を接合して中空部を構成したもので、軽量で、容易にかつ低コストで製作することができるというものである。
【0004】
しかし、特許文献1の車両用中空フレーム(サブフレーム)201では、アルミニウム合金鋳物製フレーム本体202を大きくした場合、既存の鋳造設備など設備の制約で、大型の鋳物製フレーム本体を鋳造できない場合がある。
既存のダイカスト機に対応させて、例えば、鋳物製フレーム本体202を2分割することも考えられる。2分割した場合は、当然、分割した部位を一体的に接合して井桁形状を得るが、その際の接合に手間がかかる。2分割した場合でも形状(開先)設定など接合に手間のかからない構造が望まれていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、井桁形状のダイカスト製サブフレームを2分割で構成しても、分割接合部の形状の自由度を高めることができる車両のサブフレームを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、車体の前部下部に取付ける井桁状のダイカスト製サブフレームを、前後に分割したコ字状の前部サブフレームと後部サブフレームとで構成するとともに、前部サブフレームを構成する前ビーム部材の左右端に成形した左右ビーム分割前部と後部サブフレームを構成する後ビーム部材の左右端に成形した左右ビーム分割後部とを接合した構成とし、左右ビーム分割前部若しくは左右ビーム分割後部に扁平部を、サブフレームに前後方向からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形したことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、左右ビーム分割前部および左右ビーム分割後部は一側が開いた中空断面で形成され、少なくとも扁平部において展伸製板材を接合して開口を閉じたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明では、ダイカスト製サブフレームを前部サブフレームの左右ビーム分割前部に左右ビーム分割後部を接合した構成とし、左右ビーム分割前部若しくは左右ビーム分割後部に扁平部を、サブフレームに前後方向からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形したので、左右の分割接合部の強度を左右ビーム部材の母材側の形状の強度と同等若しくはそれ以上にすれば、分割接合部から塑性変形する心配はなく、分割接合部の形状の自由度を高めることができるという利点がある。
【0009】
また、分割接合部の形状の自由度を高めることで、溶接の自由度は高まり、接合作業時間の削減を図ることができるという利点がある。
【0010】
請求項2に係る発明では、左右ビーム分割前部および左右ビーム分割後部は一側が開いた中空断面で形成され、少なくとも扁平部において展伸製板材を接合して開口を閉じたので、展伸製板材(左底板、右底板)によって扁平部を破断ではなく曲げて、後部の後取付け部への荷重伝達を確実にコントロールできる。その結果、後取付け部は車体から抜けて後方にスライドし、クラッシャブルストロークを確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の車両のサブフレームの概要を説明する概要説明図である。
サブフレーム11は、例えば、車両12の車体13の下部14に取付けるもので、前後に2分割した前部サブフレーム15と、後部サブフレーム16と、からなり、分割接合部17,18で接合したものである。具体的には後述する。
【0012】
車体13は、前部21であるフロントボデー22を備える。
フロントボデー22は、FF用で、左右のフロントサイドメンバ23,23と、フロントサイドメンバ23,23の前端に接合したフロントクロスメンバ24と、フロントサイドメンバ23,23の後端に接合したフロアメンバ25,25と、フロントサイドメンバ23,23に取付けたダンパハウジング26,26と、エンジンルームを隔てる隔壁27と、フロントサイドメンバ23,23の下部及びフロアメンバ25,25に連結したサブフレーム11と、を備え、エンジン31(図2参照)や前懸架装置32を支持する。33はエンジン31(図2参照)の前部を載せる前マウント装置、34(図2参照)はエンジン31の後部を載せる後マウント装置、37は前懸架装置32の下部リンクを示す。
【0013】
図2は、本発明の車両のサブフレームにエンジンを載せた状態を説明する図である。図1を併用して説明する。
サブフレーム11は、車体13の下部14に4隅をマウント部材41・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)で取付け、左右に前懸架装置32を支持し、前後にエンジン31を前・後マウント装置33,34を介して支持する。
マウント装置33は、エンジン31の荷重を受けるとともに、エンジン31で発生した振動を吸収してサブフレーム11に伝わるのを抑制する。
エンジン31は、例えば、直列4気筒で、横置きしたものである。44は変速機を示す。
【0014】
図3は、本発明の車両のサブフレームの平面図である。
図4は、本発明の車両のサブフレームの分解図である。
サブフレーム11は、具体的には、前に配置する前部サブフレーム15に後部サブフレーム16を分割接合部17,18で溶接することで、前ビーム部材47、左右ビーム部材51,52、後ビーム部材53とで井桁状とし、前ビーム部材47の両端に前取付け部54,55を形成し、前ビーム部材47の中央に支持部56を形成し、左右ビーム部材51,52にそれぞれ前懸架装置32を連結する連結部57,58を形成し、左右ビーム部材51,52の後端に後取付け部61,62を形成し、後ビーム部材53に操舵装置(図に示していない)を取付ける操舵取付け部63,64を形成した。
支持部56は、前マウント装置33(図2参照)を介してエンジン31(図2参照)を支持するとともに、エンジン31の荷重を前ビーム部材47(前箱本体75)に伝える。
【0015】
次に、2分割状態の前部サブフレーム15と後部サブフレーム16を主体にして説明する。
前部サブフレーム15は、上方から見てコ字形で、前ビーム部材47の左端に左ビーム分割前部65を形成し、右端に右ビーム分割前部67を形成した。
また、前部サブフレーム15は、箱形状のダイカスト製箱部材であるところの前部箱部材71を鋳造し、前部箱部材71の開口72に金属製蓋部材であるところの底板73を接合したものである。
【0016】
前部箱部材(箱部材)71は、前箱本体75を横断面でU状に成形し、前箱本体75の左端に左前箱本体76を一体にU状に成形し、端に前取付け部54を成形し、前箱本体75の右端に右前箱本体77を一体にU状に成形し、端に前取付け部55を成形し、開口72を構成する開口81〜83を前箱本体75、左右前箱本体76,77に成形し、前の開口81にフランジ部84,84を成形し、左の開口82に左フランジ部85,85を成形し、右の開口83に右フランジ部86,86を成形した。
【0017】
後部サブフレーム16は、上方から見てコ字形で、後ビーム部材53の左端に左ビーム分割後部66を形成し、右端に右ビーム分割後部68を形成した。
また、後部サブフレーム16は、箱形状のダイカスト製箱部材であるところの後部箱部材92を鋳造し、後部箱部材92の開口93の一部に金属製蓋部材であるところの底板73を接合したものである。
【0018】
後部箱部材92は、後箱本体95を横断面でU状に成形し、後箱本体95の左端に左後箱本体96を一体にU状に成形し、後箱本体95の右端に右後箱本体97を一体にU状に成形し、それぞれに開口93を構成する開口101〜103を成形し、左の開口102に左フランジ部104を成形し、右の開口103に右フランジ部105を成形した。
【0019】
蓋部材(底板)73は、展伸製板材であり、前箱本体75の開口81に接合する前底板107と、主に左前箱本体76の開口82及び左後箱本体96の開口102に接合する左底板108と、主に右前箱本体77の開口83及び右後箱本体97の開口103に接合する右底板111と、からなる。
なお、蓋部材(底板)73は、3分割したもであるが、分割数は任意であり、また、分割位置も任意である。
【0020】
左ビーム分割前部65には、扁平部113(図7も参照)を分割接合部17から前に距離Lhだけ離して形成した。
右ビーム分割前部67には、扁平部114を分割接合部18から前に距離Lmだけ離して形成した。
なお、左右ビーム分割前部65,67にそれぞれ扁平部113,114を形成したが、前分割左右部材81,82に扁平部113,114を形成しないで、左右ビーム分割後部66,68に扁平部を扁平部113,114のように形成することも可能である。
【0021】
図5は、本発明の車両のサブフレームの斜視図であり、サブフレーム11の底を上にした状態で示す。図3、図4を併用して説明する。
前部サブフレーム15は、より具体的には、前箱本体75のフランジ部84,84に蓋部材(底板)73の前底板107を溶接(点模様で示す)で接合するとともに、前箱本体75内に立てた押出しボス部116(図9参照)に前底板107を溶接(点模様で示す)で接合(溶接部119)した。
また、前箱本体75の残りの左側のフランジ部84,84及び押出しボス部116(図9参照)に左底板108を溶接で接合するとともに、左前箱本体76の左フランジ部85,85に左底板108を溶接(点模様で示す)で接合し、左前箱本体76内に立てた押出しボス部117(図9参照)に左底板108を溶接で接合した。
【0022】
同様に、前箱本体75の残りの右側のフランジ部84,84及び押出しボス部116(図9参照)に右底板111を溶接で接合するとともに、右前箱本体77の右フランジ部86,86並びに右前箱本体77内に立てた押出しボス部118(図9参照)に右底板111を溶接(点模様で示す)で接合した。
【0023】
次に、ビーム部材の断面を示す。前ビーム部材47、左ビーム部材51及び左ビーム部材51の分割接合部17を示す。
図6は、図3の6−6線断面図である。
前ビーム部材47は、横断面がU状の前箱本体75の開口81を前底板107で閉じた構造管である。
前箱本体75は、箱形状のダイカスト製箱部材で、開口81と押出しボス部116を有する。
前ビーム部材47は、前述したように、フランジ部84,84に蓋部材(底板)73の前底板107を溶接で接合するとともに、押出しボス部116に前底板107を溶接で接合した。119・・・は押出しボス部116との溶接部、121・・・はフランジ部84との溶接部を模式的に示す。
溶接部119,121を施す溶接方法は任意であり、例えば、FSW装置122を用いて施工する。また、フランジ部84,84を溶接ロボット(スポット溶接機)で溶接してもよい。
【0024】
図7は、図3の7−7線断面図である。
左ビーム部材51の左ビーム分割前部65は、左右方向の横断面がU状の左前箱本体76の開口82を左底板108で閉じた構造管である。
左前箱本体76は、箱形状のダイカスト製箱部材で、開口82と押出しボス部117を有する。
左ビーム部材51は、前述したように、左フランジ部85,85並びに押出しボス部117(図9も参照)に左底板108を溶接で接合した。123・・・は溶接部を模式的に示す。
溶接部123を施す溶接方法は任意であり、例えば、FSW装置122を用いて施工する。また、フランジ部85,85を溶接ロボット(スポット溶接機)で溶接してもよい。
【0025】
右ビーム部材52(図3参照)は、左ビーム部材51とほぼ同様である。
右ビーム分割前部67(図3参照)は、左ビーム分割前部65とほぼ同様である。
【0026】
扁平部113は、左ビーム分割前部65の平均高さHbを小さくした部位で、左ビーム分割前部65の幅Wbに対する比(Hb/Wb)で、約0.15と小さく、サブフレーム11に前後方向(図1の矢印a1の方向)からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形した部位である。
扁平部114(図3、図4参照)は、扁平部113とほぼ同様であり、説明を省略する。
【0027】
図8は、図3の8−8線断面図である。
分割接合部17は、前部箱部材71の左前箱本体76に形成した開先部124と、後部箱部材92の左後箱本体96に形成した開先部125と、開先部125に開先部124を重ね、開先部124,125にすみ肉溶接を施すことで形成した溶接部126(図3参照)とからなる。
分割接合部18(図3参照)は、分割接合部17とほぼ同様である。
【0028】
図9は、本発明の車両のサブフレームが備える前部箱部材の下面図である。
図10は、図9の10−10線断面図である。図5を併用して説明する。
ダイカスト製の前部箱部材71は、前箱本体75を備え、前箱本体(箱部材)75は、内面127に前箱本体75の長手方向(矢印a2の方向)に配列して立てた押出しボス部116を複数(第1〜第6押出しボス部131〜136)備える。
【0029】
押出しボス部116は、先端に蓋部材(底板)73の前底板107、左底板108、右底板111を取付ける支柱であり、かつ、ダイカスト鋳型137(図11参照)から離型させる際に押す座を兼ねる。
具体的には、中央の第3・第4押出しボス部133,134を前箱本体75の長手方向の中心部138からピッチP/2で成形し、第2・第5押出しボス部132,135をピッチPで成形し、第1・第6押出しボス部131,136をピッチP1で成形するとともに、両端の前取付け部54,55から距離P2で成形した。第3押出しボス部133と第4押出しボス部134のピッチはPである。
【0030】
押出しボス部116は、より具体的には、ほぼ水平断面が長円で、長円の長径をDwとし、短径をDfとした。
【0031】
次に、本発明の車両のサブフレーム11の作用を説明する。
図11は、本発明のサブフレームの第1作用図である。図1、図3を併用して説明する。
車両12の正面に通常の力より大きな力が加わると、力Fhはサブフレーム11の左ビーム部材51に伝わる。力Fhが左ビーム部材51に加わると、左ビーム分割前部65に成形した扁平部113から塑性変形が始まるとともに、扁平部113が塑性変形するので、分割接合部17の強度を母材側の形状の強度と同等若しくはそれ以上にすれば、分割接合部17から塑性変形する心配はなく、その結果、分割接合部17の開先形状の自由度を高めることができる。
【0032】
また、力Fm(力Fhとほぼ同等)が右ビーム部材52に加わると、右ビーム分割前部67に成形した扁平部114から塑性変形が始まるとともに、扁平部114が塑性変形するので、分割接合部18の強度を母材側の形状の強度と同等若しくはそれ以上にすれば、分割接合部18から塑性変形する心配はなく、その結果、分割接合部18の開先形状の自由度を高めることができる。
【0033】
このように、車両のサブフレーム11では、車体13の前部下部14に取付ける井桁状のダイカスト製サブフレーム11を、前後に分割したコ字状の前部サブフレーム15と後部サブフレーム16とで構成するとともに、前部サブフレーム15を構成する前ビーム部材47の左右端に成形した左右ビーム分割前部65,67と後部サブフレーム16を構成する後ビーム部材53の左右端に成形した左右ビーム分割後部88,91とを接合した構成とし、左右ビーム分割前部65,67に扁平部113,114を、サブフレーム11に前後方向からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形したので、左右の分割接合部17,18の強度を左右ビーム部材51,52の母材側の形状の強度と同等若しくはそれ以上にすれば、分割接合部から塑性変形する心配はなく、分割接合部17,18の形状の自由度を高めることができる。
【0034】
また、分割接合部17,18の形状の自由度を高めることで、溶接の自由度は高まり、接合作業時間の削減を図ることができる。
【0035】
図12は、本発明のサブフレームの第2作用図である。図1、図3を併用して説明する。
車両12の正面に通常の力より大きな力が加わり、力Ftがサブフレーム11の左ビーム部材51に伝わると、左ビーム部材51は破壊することなく、曲がりながら、サブフレーム11の後部の後取付け部61まで荷重を伝える。その際、扁平部113において、展伸製板材であるところの左底板108を接合しているので、左底板108によって破断ではなく曲げて、後部の後取付け部61への荷重伝達を確実にコントロールできる。その結果、後取付け部61は車体13のフロアメンバ25から抜けて後方に矢印a3のようにスライドし、衝撃を吸収するための領域を大きくすることができる。つまり、クラッシャブルストロークを確保することができる。
一方、右ビーム部材52でも、同様の作用、効果を発揮する。
【0036】
このように、車両のサブフレーム11では、左右ビーム分割前部65,67および左右ビーム分割後部66,68は一側(左右の開口82,83側)が開いた中空断面で形成され、少なくとも扁平部113,114において展伸製板材(左底板、右底板)108,111を接合して左の開口82、右の開口83を閉じたので、展伸製板材(左底板、右底板)108,111によって扁平部113,114を破断ではなく曲げて、後部の後取付け部61,62への荷重伝達を確実にコントロールできる。その結果、後取付け部61,62は車体13のフロアメンバ25,25から抜けて後方に矢印a3のようにスライドし、クラッシャブルストロークを確保することができる。
【0037】
尚、本発明の車両のサブフレームは、一般の車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の車両のサブフレームは、四輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の車両のサブフレームの概要を説明する概要説明図
【図2】本発明の車両のサブフレームにエンジンを載せた状態を説明する図
【図3】本発明の車両のサブフレームの平面図
【図4】本発明の車両のサブフレームの分解図
【図5】本発明の車両のサブフレームの斜視図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】図3の7−7線断面図
【図8】図3の8−8線断面図
【図9】本発明の車両のサブフレームが備える前部箱部材の下面図
【図10】図9の10−10線断面図
【図11】本発明のサブフレームの第1作用図
【図12】本発明のサブフレームの第2作用図
【図13】従来の技術(特許文献1)の基本構成を説明する図
【符号の説明】
【0040】
11…サブフレーム、13…車体、14…前部下部、15…前部サブフレーム、16…後部サブフレーム、47…前ビーム部材、53…後ビーム部材、65…左ビーム分割前部、67…右ビーム分割前部、82…左の開口、83…右の開口、88…左ビーム分割後部、91…右ビーム分割後部、108…展伸製板材(左底板)、111…展伸製板材(右底板)、113,114…扁平部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の前部下部に取付ける井桁状のダイカスト製サブフレームを、前後に分割したコ字状の前部サブフレームと後部サブフレームとで構成するとともに、前部サブフレームを構成する前ビーム部材の左右端に成形した左右ビーム分割前部と後部サブフレームを構成する後ビーム部材の左右端に成形した左右ビーム分割後部とを接合した構成とし、
前記左右ビーム分割前部若しくは左右ビーム分割後部に扁平部を、サブフレームに前後方向からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形したことを特徴とする車両のサブフレーム。
【請求項2】
前記左右ビーム分割前部および左右ビーム分割後部は一側が開いた中空断面で形成され、少なくとも前記扁平部において展伸製板材を接合して開口を閉じたことを特徴とする請求項1記載の車両のサブフレーム。
【請求項1】
車体の前部下部に取付ける井桁状のダイカスト製サブフレームを、前後に分割したコ字状の前部サブフレームと後部サブフレームとで構成するとともに、前部サブフレームを構成する前ビーム部材の左右端に成形した左右ビーム分割前部と後部サブフレームを構成する後ビーム部材の左右端に成形した左右ビーム分割後部とを接合した構成とし、
前記左右ビーム分割前部若しくは左右ビーム分割後部に扁平部を、サブフレームに前後方向からの荷重が通常の荷重より大きく加わったときに塑性変形の起点となるように成形したことを特徴とする車両のサブフレーム。
【請求項2】
前記左右ビーム分割前部および左右ビーム分割後部は一側が開いた中空断面で形成され、少なくとも前記扁平部において展伸製板材を接合して開口を閉じたことを特徴とする請求項1記載の車両のサブフレーム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−347464(P2006−347464A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−178408(P2005−178408)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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