説明

車両のブレーキ制御装置

【課題】コストアップを招くことなく簡単な構成でイニシャルチェック時のポンプモータの騒音低減、ポンプモータの耐久性向上と省電力等を図ることができる車両のブレーキ制御装置を提供すること。
【解決手段】外気温センサ18が備えられた車両の運転が開始されて車速が設定値に達した初回時に液圧制御ユニット12のポンプモータ15のイニシャルチェックを行う車両のECU(ブレーキ制御装置)16において、イニシャルチェック時の前記ポンプモータ15の駆動電圧を前記外気温センサ18によって検出される外気温に応じて変更する駆動電圧制御手段を設ける。具体的には、前記外気温センサ18によって検出される温度が設定値以下の低温時の駆動電圧よりもそれ以外の駆動電圧を低く設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転が開始されて車速が設定値に達した初回時に液圧制御ユニットのポンプモータのイニシャルチェックを行うブレーキ制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には、ブレーキング時の各車輪のスリップ(ロック傾向)に応じて各車輪のブレーキ液圧を独立して制御するABS(アンチロック・ブレーキング・システム)や旋回時の車輪の浮き上がりを検出すると、該当する駆動輪にポンプで発生するブレーキ液圧を作用(アクティブブレーキ)させることによって車体の姿勢変化を抑制するスタビリティ制御システムが設けられているが、これらのシステムの制御はブレーキ制御装置によって実行される。
【0003】
ところで、ブレーキ制御装置においては、液圧回路に設けられたバルブや液圧を発生させるポンプの作動を確実に行う必要があり、これらのバルブやポンプに不具合が発生した場合にはその不具合を早期に検出して運転者に速やかに知らせることが法規上も義務付けられている。このため、イグニッションスイッチをONして車両の運転が開始されて車速が初めて設定値に達したときに液圧回路のバルブやポンプモータのイニシャルチェック(動作確認)を行っている。
【0004】
而して、現在のイニシャルチェックでは、ブレーキ液の粘度が大きな低温時での作動を考慮してバルブやポンプモータを大きな駆動電圧で動かしてそれらの作動を確認するようにしている。このため、低温時以外のブレーキ液の粘度が小さい場合には、バルブやポンプから比較的大きな音が発生するという問題があった。この音は、運転者のブレーキ操作によって発生するものではないため、運転者には違和感のある音となり、車両の商品性を高めるために遮音部材を設けたり、バルブやポンプを音が伝播しにくい位置に配置する等の対策が必要となっていた。
【0005】
特許文献1には、ポンプモータの出力を制御するモータ出力制御手段と、ポンプモータの温度を検出する温度検出手段を設け、温度検出手段によって検出されるポンプモータの温度が第1設定値よりも高く第2設定値よりも低い所定の温度領域にあるときにポンプモータの駆動電圧として低電圧を設定し、ポンプモータの温度がそれ以外の温度領域(第1設定値よりも低い低温域又は第2設定値よりも高い高温域)にあるときにはポンプモータの駆動電圧として高電圧を設定する提案がなされている。これによれば、ポンプモータの温度が第1設定値と第2設定値との間の所定の温度領域にあるときにモータ出力が低減されるため、ブレーキ液の低温時における粘度の増大や高温時におけるポンプモータの電気抵抗の増大に起因するモータ出力の低下を補償した上で、通常運転時におけるポンプモータの過剰トルクに起因する騒音を低く抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−207726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1での提案は、ブレーキ操作がなされたときのABS制御中の処理に関するものであり、ブレーキ操作を行わないときのポンプモータ等のイニシャルチェックに対する処理は適用対象に含まれていない。
【0008】
又、特許文献1において提案された構成では、ポンプモータの温度を直接検出する温度センサ等の温度検出手段が必要になり、コストアップを免れないという問題がある。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、コストアップを招くことなく簡単な構成でイニシャルチェック時のポンプモータの騒音低減、ポンプモータの耐久性向上と省電力等を図ることができる車両のブレーキ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、外気温センサが備えられた車両の運転が開始されて車速が設定値に達した初回時に液圧制御ユニットのポンプモータのイニシャルチェックを行う車両のブレーキ制御装置において、イニシャルチェック時の前記ポンプモータの駆動電圧を前記外気温センサによって検出される外気温に応じて変更する駆動電圧制御手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記駆動電圧制御手段は、前記外気温センサによって検出される温度が設定値以下の低温時の駆動電圧よりもそれ以外の駆動電圧を低く設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ブレーキ液の粘度が高い低温時以外はブレーキ液の粘度が低く、液圧制御ユニットのポンプモータの駆動に必要な動力は低温時のそれよりも小さくて済むため、ポンプモータを低温時よりも低い駆動電圧で駆動することができ、イニシャルチェック時のポンプモータの騒音低減、ポンプモータの耐久性向上と省電力等を実現することができる。イニシャルチェック時は運転者によるブレーキ操作を伴わないため、ポンプモータの騒音は運転者には違和感のある不快な音として感じられるが、低温時以外はポンプモータを低い駆動電圧で駆動することによって静粛性が高められるために車両の商品性が高められる。
【0013】
又、ポンプモータの騒音を低く抑えるための遮音部材の設置が不要となるとともに、ポンプモータの駆動電圧の変更制御には車両に既存の外気温センサが使用されるため、コストアップを伴うことなく簡単な構成で前記効果を得ることができる。
【0014】
他方、低温時にはブレーキ液の粘度が高いため、イニシャルチェック時にポンプモータを高い駆動電圧で駆動しても、該ポンプモータの騒音が低く抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るブレーキ制御装置を含む車両のブレーキ系の構成図である。
【図2】本発明に係るブレーキ制御装置によって制御される液圧調整ユニットの回路図である。
【図3】モータ駆動電圧と外気温との関係を示す図である。
【図4】本発明に係るブレーキ制御装置によるイニシャルチェックの手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明に係るブレーキ制御装置を含む車両のブレーキ系の構成図であり、図示のブレーキ装置1は、上端を中心として車両前後方向に揺動するブレーキペダル2を備えており、このブレーキペダル2は、ブレーキ操作時の運転者の踏力を軽減するためのブレーキブースタ3を介してマスタシリンダ4に連結されており、マスタシリンダ4は、運転者によるブレーキペダル2の踏み込み量に応じたブレーキ液圧を発生する。
【0018】
ところで、本実施の形態に係る車両は前輪駆動車(FF車)であって、左右の前輪5L,5Rが駆動輪、左右の後輪6L,6Rが非駆動輪(従動輪)であって、各前輪5L,5Rと各後輪6L,6Rにはディスクブレーキ7がそれぞれ設けられており、各ディスクブレーキ7は、ディスクロータ7aと該ディスクロータ7aの両面を挟持可能なキャリパ7bによって構成されている。そして、それぞれのディスクブレーキ7の各キャリパ7bはブレーキ配管ライン8,9,10,11と液圧制御ユニット12及び該液圧制御ユニット12から延びるブレーキ配管13,14を介して前記マスタシリンダ4に接続されている。
【0019】
上記液圧制御ユニット12は、運転者によるブレーキペダル2の踏み込みによるブレーキ操作とは無関係にブレーキ液圧を発生させるものであって、これには後述の各種バルブv1〜v12や油圧を発生させるポンプ23,24(図2参照)が設けられており、各種バルブv1〜v12及びポンプ23,24を駆動するポンプモータ15はコントロールユニット(以下、「ECU」と称する)16によって制御される。尚、液圧調整ユニット12の構成の詳細は後述する。
【0020】
上記ECU16は、本発明に係るブレーキ制御装置を構成するものであって、これにはポンプモータ15の駆動電圧を変更する駆動電圧制御手段が設けられている。そして、このECU16には、前輪5L,5Rと後輪6L,6Rにそれぞれ設けられた車輪速センサ17、外気温を検出する外気温センサ18、車体に作用する横Gを検出する横Gセンサ19、車体のヨーレートを検出するヨーレートセンサ20、不図示のステアリングホイールの操舵角(舵角)を検出する舵角センサ21、マスタシリンダ4の圧力を検出する圧力センサ22等が電気的に接続されている。
【0021】
次に、前記液圧制御ユニット12の構成の詳細を図2に基づいて説明する。
【0022】
図2は液圧調整ユニット12の回路図であり、図示の液圧制御ユニット12は、前記ポンプモータ15によって駆動される2つのポンプ23,24を備えており、一方のポンプ23の吸入側にはリザーバ25から延びる液圧ライン26が接続され、前記マスタシリンダ4から延びる一方のブレーキ配管13はポンプ23の吐出側に接続されている。そして、液圧ライン26にはチェックバルブ27が設けられており、ブレーキ配管13にはチェックバルブ28と第1カットバルブv1が設けられている。又、ブレーキ配管13に第1カットバルブv1をバイパスして接続されたバイパスライン29にはリターンチェックバルブ30が設けられている。
【0023】
そして、ブレーキ配管13から分岐する液圧ライン31には前記圧力センサ22が接続されており、液圧ライン31から分岐する液圧ライン32は液圧ライン26のチェックバルブ27とリザーバ25の間に接続されており、この液圧ライン32には第1蓄圧バルブv2が設けられている。
【0024】
更に、ブレーキ配管13の第1カットバルブv1とチェックバルブ28の間から分岐して前記リザーバ25に接続された液圧ライン33にはFL保持バルブv3とFL減圧バルブv4が直列に設けられており、液圧ライン33に並列に接続された液圧ライン34にはRR保持バルブv5とRR減圧バルブv6が直列に設けられている。そして、液圧ライン33のFL保持バルブv3とFL減圧バルブv4の間からは前記ブレーキ配管8(図1参照)が分岐しており、このブレーキ配管8は左前輪(FL)5Lのディスクブレーキ7のキャリパ7bに接続されている(図1参照)。又、液圧ライン34のRR保持バルブv5とRR減圧バルブv6の間からは前記ブレーキ配管11(図1参照)が分岐しており、このブレーキ配管11は右後輪(RR)6Rのディスクブレーキ7のキャリパ7bに接続されている(図1参照)。
【0025】
他方、他方のポンプ24の吸入側にはリザーバから延びる液圧ライン36が接続され、前記マスタシリンダ4から延びる他方のブレーキ配管14はポンプ24の吐出側に接続されている。そして、液圧ライン36にはチェックバルブ37が設けられており、ブレーキ配管14にはチェックバルブ38と第2カットバルブv7が設けられている。又、ブレーキ配管14に第2カットバルブv7をバイパスして接続されたバイパスライン39にはリターンチェックバルブ40が設けられている。
【0026】
そして、ブレーキ配管14から分岐する液圧ライン41は前記液圧ライン36のチェックバルブ37とリザーバ35の間に接続されており、該液圧ライン41には第2蓄圧バルブv8が設けられている。
【0027】
更に、ブレーキ配管14の第2カットバルブv7とチェックバルブ38の間から分岐して前記リザーバ35に接続された液圧ライン42にはFR保持バルブv9とFR減圧バルブv10が直列に設けられており、液圧ライン42に並列に接続された液圧ライン43にはRL保持バルブv11とRL減圧バルブv12が直列に設けられている。そして、液圧ライン42のFR保持バルブv9とFR減圧バルブv10の間からは前記ブレーキ配管9(図1参照)が分岐しており、このブレーキ配管9は右前輪(FR)5Rのディスクブレーキ7のキャリパ7bに接続されている(図1参照)。又、液圧ライン43のRL保持バルブv11とRL減圧バルブv12の間からは前記ブレーキ配管10(図1参照)が分岐しており、このブレーキ配管10は左後輪(RL)6Lのディスクブレーキ7のキャリパ7bに接続されている(図1参照)。
【0028】
而して、以上のような回路構成を備えた液圧制御ユニット12はECU16によって制御されるが、以下、その制御の一例としてスタビリティ制御について説明する。
【0029】
運転者が例えば左カーブを曲がるためにステアリングハンドルを左に操舵すると、ECU16は、各車輪速センサ17によって検出される前輪5L,5Rと後輪6L,6Rの各回転速度と舵角センサ21によって検出されるステアリングハンドルの舵角から運転者が意図する目標ヨーレート(回転方向の加速度)を算出する。そして、ECU16は、ヨーレートセンサ20によって検出される実ヨーレートと目標ヨーレートとを比較するが、左カーブで車両のフロントが外側(右側)に大きく膨らんだ場合には、実ヨーレート<目標ヨーレートの関係が成立するため、このような関係が成立すると車両が左旋回アンダステアの状態にあると判断して以下のスタビリティ制御を行う。
【0030】
即ち、ECU16は、図2に示すように第2カットバルブv7とFR保持バルブv9を閉じるとともに、第2蓄圧バルブv8とRL保持バルブv11を開く。するとポンプモータ15によるポンプ24の駆動によって発生した液圧は、図2に太線にて示す経路を経て左後輪6Lのディスクブレーキ7のキャリパ7bに供給されるため、この左後輪6Lにアクティブブレーキが掛かり、車両に内向きのモーメントが発生するため、車両のフロントが外側に大きく膨らむような軌道が修正され、車両が大きな姿勢変化を起こすことなく左カーブを安定して旋回することができる。
【0031】
ところで、以上に一例として示したスタビリティ制御や他の制御を安定的に行うためには各種バルブv1〜v12及びポンプモータ15の安定した作動が不可欠であり、そのため、イグニッションスイッチをONして車両の運転が開始されて車速が初めて設定値に達したときに各種バルブv1〜v12やポンプモータ15のイニシャルチェック(動作確認)を行っている。このイニシャルチェックによって発生するポンプモータ15の音は運転者のブレーキ操作によって発生するものではないため、運転者には違和感のある音となることは前述の通りである。
【0032】
そこで、本発明では、ECU16は、イニシャルチェック時のポンプモータ15の駆動電圧を外気温センサ18によって検出される外気温に応じて変更するようにしている。具体的には、ECUは、外気温センサ18によって検出される温度が設定値以下の低温時の駆動電圧よりもそれ以外(中間及び常温時)の駆動電圧を低く設定するようにしている。
【0033】
図3に本実施の形態におけるモータ駆動電圧と外気温との関係を示すが、本実施の形態では、外気温がt1以下の極寒領域ではモータ駆動電圧を高い値V1に設定し、外気温がt2(t2>t1)以上の常温領域ではモータ駆動電圧を低い値V2(V1>V2)に設定し、外気温がt1〜t2の中間領域ではモータ駆動電圧をV1からV2まで直線的に変化する中間の値Vm(そのときの外気温に応じた値)に設定するようにしている。
【0034】
次に、本実施の形態におけるイニシャルチェックの手順を図4に示すフローチャートに従って説明する。
【0035】
イグニッションスイッチがONされてエンジンが始動し(ステップS1)、車両が走行を開始すると車速が初めて設定値に達したか否かが判定され(ステップS2)、車速が初めて設定値に達すると(ステップS2での判定結果がYesである場合)には、外気温センサ18によって検出される外気温がt1以下であるか否かが判定される(ステップS3)。尚、車速が初めて設定値に達するまでの間はステップS2の判定が繰り返される。
【0036】
外気温センサ18によって検出される外気温がt1以下の極寒領域にある場合(ステップS3での判定結果がYesである場合)にはモータ駆動電圧を高い値V1に設定し(ステップS4)、この高いモータ駆動電圧V1でポンプモータ15を駆動しながら該ポンプモータ15のイニシャルチェックを行い(ステップS5)、処理を終了する(ステップS6)。
【0037】
他方、外気温センサ18によって検出される外気温がt1以上である場合(ステッププS3での判定結果がNoである場合)には、外気温がt2以上であるか否かが判定される(ステップS7)、外気温がt2以上の常温領域にある場合(ステップS7での判定結果がYesである場合)には、モータ駆動電圧を低い値V2に設定し(ステップS8)、この低いモータ駆動電圧V2でポンプモータ15を駆動しながら該ポンプモータ15のイニシャルチェックを行い(ステップS5)、処理を終了する(ステップS6)。
【0038】
又、外気温がt1〜t2の中間領域にあるとき(ステップS7での判定結果がNoである場合)には、モータ駆動電圧は、そのときの外気温に応じたV1〜V2の中間の値Vm(図3参照)に設定され(ステップS9)、このモータ駆動電圧Vmでポンプモータ15を駆動しながら該ポンプモータ15のイニシャルチェックを行い(ステップS5)、処理を終了する(ステップS6)。
【0039】
以上のように、本実施の形態では、ブレーキ液の粘度が高い極寒領域(外気温がt1以下)では高いモータ駆動電圧V1でポンプモータ15を駆動してそのイニシャルチェックを行うが、それ以外の中間領域(外気温度がt1〜t2)及び常温領域(外気温度がt2以上)ではブレーキ液の粘度が低く、ポンプモータ15の駆動に必要な動力は極寒時のそれよりも小さくて済むため、ポンプモータ15を低温時よりも低い駆動電圧Vm又はV2で駆動するようにしたため、イニシャルチェック時のポンプモータ15の騒音低減、ポンプモータ15の耐久性向上と省電力等を実現することができる。イニシャルチェック時は運転者によるブレーキ操作を伴わないため、ポンプモータ15の騒音は運転者には違和感のある不快な音として感じられるが、低温時以外はポンプモータ15を低い駆動電圧で駆動することによって静粛性が高められるために車両の商品性が高められる。
【0040】
又、以上のようにポンプモータ15の騒音を低く抑えることができる結果、遮音部材の設置が不要となるとともに、ポンプモータ15の駆動電圧の変更制御には車両に既存の外気温センサ18が使用されるため、コストアップを伴うことなく簡単な構成で前記効果を得ることができる。
【0041】
他方、極寒時にはブレーキ液の粘度が高いため、イニシャルチェック時にポンプモータ15を高い駆動電圧で駆動しても、該ポンプモータ15の騒音が低く抑えられるために特に問題は生じない。更に、外気温がt1〜t2の中間領域にあるときには、モータ駆動電圧はそのときの外気温に応じたV1〜V2の中間の値Vmに設定するため、特定の温度(駆動電圧が変更される温度)での急変が発生せず、運転者に違和感(同様な外気温であるにも関わらず大きな音がしたりしなかったりする不安感)を与える可能性を低減することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 ブレーキ装置
2 ブレーキペダル
3 ブレーキブースタ
4 マスタシリンダ
7 ディスクブレーキ
12 液圧制御ユニット
15 ポンプモータ
16 ECU(ブレーキ制御装置)
18 外気温センサ
23,24 ポンプ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気温センサが備えられた車両の運転が開始されて車速が設定値に達した初回時に液圧制御ユニットのポンプモータのイニシャルチェックを行う車両のブレーキ制御装置において、
イニシャルチェック時の前記ポンプモータの駆動電圧を前記外気温センサによって検出される外気温に応じて変更する駆動電圧制御手段を設けたことを特徴とする車両のブレーキ制御装置。
【請求項2】
前記駆動電圧制御手段は、前記外気温センサによって検出される温度が設定値以下の低温時の駆動電圧よりもそれ以外の駆動電圧を低く設定することを特徴とする請求項1記載の車両のブレーキ制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−224105(P2012−224105A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90582(P2011−90582)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】