説明

車両の制動装置

【課題】摩擦制動手段による摩擦ブレーキ力と油圧モータによる油圧ブレーキ力との作動制御を統一して行う。
【解決手段】油圧ポンプ32と、油圧ポンプ32からの油圧供給を受けて駆動される油圧モータ21L,21Rと、これら油圧モータの回転駆動力を受けて回転する鉄輪4L,4Rとを備えて軌陸式高所作業車1が構成される。この高所作業車1において、油圧力を用いて鉄輪を機械的に制動する油圧作動式の摩擦ブレーキ装置(41L,41R&43L,43R)と、入口ポートが油圧モータの吐出ポートに繋がって配設され、出口ポート側の油圧に応じて入口ポート側の油圧を調圧して油圧モータの吐出油圧を制御するカウンターバランスバルブ35と、出口ポート側の油圧を調圧するブレーキ制御バルブ36と、ブレーキ制御バルブにより調圧された出口ポート側の油圧をブレーキキャリパ43L,43Rに導くブレーキ油路55a,55bとを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧モータの回転駆動力を受けて回転する駆動輪を備え、この駆動輪の回転を機械的に制動する摩擦ブレーキ装置を備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
このような油圧モータにより回転される駆動輪を備えた車両は従来から知られており、比較的低速で走行する作業用車両に用いられることが多い。例えば、特許文献1にこのような作業用車両が開示されており、この作業用車両は可変容量型の油圧モータにより車輪が回転駆動されて走行するように構成され、さらにこの車輪を制動する摩擦制動手段が設けられている。摩擦制動手段はブレーキペダルの操作に応答して作動されるのであるが、この摩擦制動手段の作動を検出する摩擦制動検出手段が設けられており、摩擦制動検出手段により摩擦制動手段の作動が検出されると、これに応じて油圧モータの容量を小さくする制御が行われるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−316972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1にも記載されているように、ブレーキペダルの踏み込み操作が行われて摩擦制動手段による摩擦ブレーキ力を発生させるときには、アクセルペダルの踏み込みが解除されて油圧モータへの供給油量が減少して油圧モータが制動力を発生する油圧ブレーキ作用が生じる。このため、摩擦制動手段による摩擦ブレーキ力と油圧モータによる油圧ブレーキ力とが同時に車輪に作用するため、制動力を調整するのが難しいという問題がある。なお、特許文献1に開示の装置においては、ブレーキペダルの踏み込みによる摩擦制動手段による制動を行うときに油圧モータの容量を小さくして油圧ブレーキ力を小さくする制御が行われる。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、摩擦制動手段による摩擦ブレーキ力と油圧モータによる油圧ブレーキ力との作動制御を統一して行うことができる構成の制動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る制動装置は、油圧供給源と、前記油圧供給源からの油圧供給を受けて駆動される油圧モータと、前記油圧モータの回転駆動力を受けて回転する駆動輪とを備えた車両において、油圧力を用いて前記駆動輪を機械的に制動する油圧作動式の摩擦ブレーキ装置と、入口ポートが前記油圧モータの吐出ポートに繋がって配設され、出口ポート側の油圧に応じて前記入口ポート側の油圧を調圧して前記油圧モータの吐出油圧を制御するカウンターバランスバルブと、前記カウンターバランスバルブの出口ポートに繋がって配設され、前記出口ポート側の油圧を調圧するブレーキ制御バルブと、前記ブレーキ制御バルブにより調圧された前記出口ポート側の油圧を前記摩擦ブレーキ装置に導くブレーキ油路とを備えて構成される。
【0007】
なお、このように構成される車両の制動装置において、前記車両が、軌道上を回転する軌道走行用車輪を有した軌道走行車両からなり、前記油圧モータにより前記軌道走行用車輪が回転駆動されて軌道上を走行し、前記摩擦ブレーキ装置により前記軌道走行用車輪の回転を制動するように構成されており、ブレーキ操作手段の操作に基づいて前記ブレーキ制御バルブの作動を制御し、前記ブレーキ油路を介して前記摩擦ブレーキ装置に作用させるブレーキ油圧を調整して制動力調整を行うとともに、前記カウンターバランスバルブの前記出口ポートの油圧を調整して前記入口ポートの油圧を調整することにより前記油圧モータの吐出油圧を調整して前記油圧モータによる前記軌道走行用車輪の回転制動力を調整するように構成されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成された本発明に係る制動装置によれば、カウンターバランスバルブの入口ポートに油圧モータの吐出ポートが繋がっており、出口ポートがブレーキ油路を介して摩擦ブレーキ装置に繋がっている。そして、カウンターバランスバルブの出口ポートからブレーキ油路を介して摩擦ブレーキ装置に至る油路内の油圧(すなわちブレーキ油圧)がブレーキ制御バルブにより調圧され、且つカウンターバランスバルブの入口ポート側の油圧(すなわち油圧モータの吐出ポートの油圧)は出口ポート側の油圧に応じて調圧される構成であるため、ブレーキ制御バルブによりブレーキ油圧を制御するだけでこれに応じて油圧モータの吐出ポート側油圧も制御できる。この結果、摩擦ブレーキ装置により駆動輪を機械的に制動する摩擦ブレーキ力と油圧モータの吐出油圧制御による生じる油圧ブレーキ力を統一して制御することができ、制動力調整を適切且つ簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図2には、本発明に係る制動装置を備えた軌陸式高所作業車1の構成を示している。軌陸式高所作業車1は、車体2に設けられた運転キャビン2aを有するトラック車両をベースとして構成されており、車体2の前後左右の4箇所に取り付けられたタイヤ車輪(道路走行用車輪)3によって道路上を走行することができる。さらに、車体2の前後左右の4箇所には、鉄輪(軌道走行用車輪)4が、車体2に揺動自在に支持された鉄輪支持部材4aに回転自在に取り付けられている。
【0010】
鉄輪支持部材4aは鉄輪張出格納シリンダ5の伸縮作動により揺動作動するようになっており、この鉄輪支持部材4aを揺動作動させることにより鉄輪4を下方に張り出したり上方に格納したりできるようになっている。軌陸式高所作業車1は、鉄輪4を張り出した状態で車体2をレール(軌道)R上に載置し、前側の鉄輪4(図1に示すように、右鉄輪4Rと左鉄輪4Lとから構成される)に接続された左および右側鉄輪駆動用の油圧モータ21L、21Rにより鉄輪4R,4Lを駆動してレールR上を自走可能となっている(図1においては、左側鉄輪4Lに接続された左側鉄輪駆動用の油圧モータ21Lのみを図示しているが、左側鉄輪駆動用の油圧モータ21Rは右側鉄輪4Rに接続されている)。
【0011】
車体2の下部中央には、軌陸式高所作業車1をレールR上へ乗せ換え移動するための転車台6が取り付けられている。転車台6は、転車台張出格納シリンダ7の伸縮作動により下方に張り出したり上方に格納したりできるようになっており、さらに車体旋回モータ8により、もしくは作業者の手作業により車体2を転車台6に対して水平旋回することができるようになっている。
【0012】
車体2上には、高所作業装置10が設けられている。この高所作業装置10は、車体2に対して水平旋回自在に取り付けられた旋回台11と、この旋回台11の上部に起伏自在に取り付けられ、入れ子式に伸縮作動が自在なブーム12と、このブーム12の先端に取り付けられた作業者搭乗用の作業台13とから構成されている。また、車体2の前後左右の4カ所に下方に伸縮自在なアウトリガジャッキ14が設けられており、高所作業を行うときには、このアウトリガジャッキ14を下方に張り出して車体2を持ち上げ支持できるようになっている。
【0013】
この軌陸式高所作業車1は、鉄輪張出格納シリンダ5の伸縮作動により鉄輪支持部材4aを上方に揺動させて格納させた状態では、前後左右のタイヤ車輪3が接地して車体2を支持し、道路上を走行することができる。また、鉄輪張出格納シリンダ5の伸縮作動により鉄輪支持部材4aを下方に揺動させて左右の鉄輪4L,4RをレールR上に張り出させることにより、レールR上を走行することができる。
【0014】
軌陸式高所作業車1による軌道上での高所作業に際しては、軌陸式高所作業車1をレールR上で走行させて作業場所まで移動し、その位置において車両を停車させる。そして、高所作業装置10を構成するブーム12の旋回、起伏、伸縮等の作動を行って作業台13を所望高所に移動し、作業台13に搭乗した作業者(図示せず)が軌陸式高所作業車1上の張架線やトロリ線等の鉄道設備の工事等を行う。この高所作業は、軌陸式高所作業車1をレールR上で停止させた状態もしくは低速で走行させながら行われる。なお、一般道路走行時の運転は運転キャビン2a内より行うが、レールR上を走行する際の運転は運転キャビン2a内のほか、作業台13上からも行うことができる。
【0015】
このようにレールR上を走行させるために前述のように左右の鉄輪駆動用の油圧モータ21Lおよび21Rが設けられている。これら左右の油圧モータ21Lおよび21Rを回転駆動するための回転駆動&制動制御装置構成を図1に示しており、以下に、この装置の構成および作動について説明する。
【0016】
この装置は、車載のバッテリ(図示せず)により駆動される電気モータ31(なお、これに代えて車載のエンジンを用いても良い)と、この電気モータ31により駆動される油圧ポンプ32と、油圧ポンプ32の吸入ポートに繋がる作動油タンクTと、油圧ポンプ32の吐出ポートに繋がる第1油路51と、第1油路51から分岐した第1分岐油路51aに繋がるリリーフバルブ33と、Pポートに第1油路51が繋がる3ポジション4ポートタイプの前後進切換バルブ34と、前後進切換バルブ34のAおよびBポートにそれぞれ繋がる第2油路52および第3油路53と、前後進切換バルブ34のTポートに繋がる第4油路54と、第4油路54が入口ポートに繋がって設けられたカウンターバランスバルブ35と、カウンターバランスバルブ35の出口ポートに繋がる第5油路55と、第5油路55から分岐した第6油路56に繋がるブレーキ制御バルブ36と、ブレーキ制御バルブ36の排出ポートに繋がって作動油タンクTに延びた第7油路57とを備える。なお、リリーフバルブ33の排出側に繋がる排出油路51cは第7油路57と合流して作動油タンクTに繋がる。
【0017】
上述の左右の油圧モータ21L,21Rは、吸入ポートが左右の吸入側油路52a,52bを介して第2油路52に繋がり、吐出ポートが左右の吐出側油路53a,53bを介して第3油路53に繋がる。また、これら左右油圧モータ21L,21Rにより回転駆動される左右の鉄輪4L,4Rには、ブレーキディスク41L,41Rが一体に結合して取り付けられており、このブレーキディスク41L,41Rを挟持してその回転を制動するブレーキキャリパ43L,43Rが車体に取り付けられている。これら左右のブレーキキャリパ43L,43Rには第5油路55から分岐した左右ブレーキ油路55a,55bが繋がり、左右のブレーキ油路55a,55bを介してブレーキ油圧が供給されて、その制動力(ブレーキディスク41L,41Rの挟持力)が制御される。
【0018】
ここで、リリーフバルブ33は、第1油路51の作動油圧が所定のリリーフ圧を超えるときに開放されて第1油路51内の作動油を排出油路51cから作動油タンクTに排出させ、第1油路51内の作動油圧がリリーフ圧を超えることを防止するものである。
【0019】
前後進切換バルブ34は電磁作動式の3ポジション切換バルブであり、図1に左右ソレノイド34a,34bが非励磁で中立位置にあるときの状態を示している。この状態では、4つのポート、すなわち、Pポート、Tポート、Aポート、Bポートが全て閉止されている。この状態から左ソレノイド34aが励磁されてバルブスプールが右方向に押圧移動すると、PポートがAポートと繋がり、BポートがTポートと繋がる。また、中立状態から右ソレノイド34bが励磁されてバルブスプールが左方向に押圧移動すると、PポートがBポートに繋がり、AポートがTポートに繋がる。
【0020】
カウンターバランスバルブ35は、パイロット油路51bを介して第1油路51内の油圧を受けて開放作動される構成であり、第1油路51内の油圧が所定圧以上となると開放されて第4油路54と第5油路55とが連通する。第1油路51内の油圧が低圧(所定圧未満)のときには、パイロット油路54aを介して第4油路54内の油圧が開放方向に作用し、且つパイロット油路55cを介して第5油路55内の油圧が閉止方向に作用する。さらに、バルブスプリング35aが閉止方向に付勢している。このため、第5油路55内の油圧P5を図3に示すように調圧制御すると、第4油路54内の油圧P4がこれに対応して図3に示すように調圧設定される。この第5油路55内の油圧P5を調圧制御するためにブレーキ制御バルブ36が設けられており、ソレノイド36aの通電制御により、第5油路55内の油圧を、図3で線P5で示すように調圧設定することができる。
【0021】
以上のように構成された回転駆動&制動制御装置を用いた軌陸式高所作業車1のレールR上での走行および制動制御について説明する。
【0022】
まず、レールR上を前進走行するときには、例えば、作業台13上に搭乗した作業者が走行操作レバー(図示せず)を前進側に操作すると、前後進切換バルブ34の左ソレノイド34aが励磁され、バルブスプールが右動される。同時に電気モータ31により油圧ポンプ32が回転駆動され、タンクT内の作動油が第1油路51に吐出される。バルブスプールが右動されているため、第1油路51内の作動油は第2油路52に送られ、吸入側油路52a,52bを通って左右の油圧モータ21L,21Rを前進側に回転駆動し、高所作業車1は前進走行する。
【0023】
このとき第1油路51内の油圧は高圧(所定圧以上)となるため、この油圧がパイロット油路51bを介してカウンターバランスバルブ35に作用し、これを開放させる。このため、左右の油圧モータ21L,21Rから吐出側油路53a,53bに吐出された作動油は第3油路53から前後進切換バルブ34を通って第4油路54に流れ、さらに開放状態のカウンターバランスバルブ35を通って排出油路51cからタンクTに戻る。
【0024】
走行操作レバー(図示せず)を後進側に操作したときには、第1油路51内の作動油は第3油路53に流れ、吐出側油路53a,53bから左右の油圧モータ21L,21Rに流入してこれらを後進側に回転駆動する。そして、左右の油圧モータ21L,21Rから吸入側油路52a,52bに作動油が吐出され、第2油路52から前後進切換バルブ34を通って第4油路54に流れ、さらに開放状態のカウンターバランスバルブ35を通って排出油路51cからタンクTに戻る。
【0025】
このようにして軌陸式高所作業車1がレールR上を前進走行しているときに、ブレーキ操作がなされたとき(なお、走行操作レバーを中立に戻したときにブレーキ作動させるような制御を行う構成の軌陸式高所作業車もあり、この場合には走行操作レバーを中立に戻したとき)の作動を例にして以下に説明する。
【0026】
ブレーキ操作がなされると、電気モータ31による油圧ポンプ32の駆動が低減もしくは停止され、同時にブレーキ制御バルブ36のソレノイドの通電制御値が徐々に増加するように制御される。なお、前後進切換バルブ34は、以下に述べるブレーキ作用が生じている間は前進側に保持され、所定時間後に中立位置に戻される制御がなされる。これによりまず、第1油路51内の油圧が低下してパイロット油路51bからの作動油圧が低下し、カウンターバランスバルブ35は閉止方向に作動される。但し左右の鉄輪4L,4Rは車体の慣性走行に応じて回転駆動されるため、油圧モータ21L,21Rが回転駆動されて吐出側油路53a,53bに作動油が吐出され、第3油路53および第4油路54に流れる。このため、第4油路54の油圧がパイロット油路54aを介してカウンターバランスバルブ35を開弁方向に作用する。
【0027】
一方、ブレーキ制御バルブ36はソレノイドの通電制御値が徐々に増加するように制御されるため、第5油路55内の油圧P5は徐々に増加する。この結果、このように徐々に増加する油圧P5が左右ブレーキ油路55a,55bを介してブレーキキャリパ43L,43Rに送られ、この油圧P5に応じた挟持力でブレーキディスク41L,41Rが挟持されて鉄輪4L,4Rの回転制動がなされる。
【0028】
また、第5油路55内の油圧P5はパイロット油路55cを介してカウンターバランスバルブ35に閉弁方向に作用し、この結果、第4油路54の油圧P4は図3に示す関係を保って徐々に増加する。第4油路54は前進位置にある前後進切換バルブ34を介して第3油路53と連通しているため、第3油路53の油圧、すなわち油圧モータ21L,21Rの吐出側の油圧が油圧P4となる。この結果、油圧モータ21L,21Rによる油圧ブレーキ力はこの油圧P4に応じた値となる。
【0029】
以上のように、ブレーキ操作がなされると、ブレーキキャリパ43L,43Rによりブレーキディスク41L,41Rを挟持することによる摩擦ブレーキ力と、油圧モータ21L,21Rによる油圧ブレーキ力とが互いに一定の関係を有して、ブレーキ制御バルブ36により徐々に増加するように制御される。すなわち、ブレーキ制御バルブ36の制御のみにより、摩擦ブレーキ力と油圧ブレーキ力とを一定の関係を有して適切に且つ簡単に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る制動装置を構成する回転駆動&制動制御装置の構成を示す油圧回路図である。
【図2】本発明に係る制動装置を備えた軌陸式高所作業車の側面図である。
【図3】上記制動装置を構成するカウンターバランスバルブの入口側油圧と出口側油圧との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0031】
1 軌陸式高所作業車 2 車体
4(4L,4R) 鉄輪 13 作業台
21L,21R 油圧モータ 32 油圧ポンプ
34 前後進切換バルブ 35 カウンターバランスバルブ
36 ブレーキ制御バルブ 41L,41R ブレーキディスク
43L,43R ブレーキキャリパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧供給源と、前記油圧供給源からの油圧供給を受けて駆動される油圧モータと、前記油圧モータの回転駆動力を受けて回転する駆動輪とを備えた車両において、
油圧力を用いて前記駆動輪を機械的に制動する油圧作動式の摩擦ブレーキ装置と、
入口ポートが前記油圧モータの吐出ポートに繋がって配設され、出口ポート側の油圧に応じて前記入口ポート側の油圧を調圧して前記油圧モータの吐出油圧を制御するカウンターバランスバルブと、
前記カウンターバランスバルブの出口ポートに繋がって配設され、前記出口ポート側の油圧を調圧するブレーキ制御バルブと、
前記ブレーキ制御バルブにより調圧された前記出口ポート側の油圧を前記摩擦ブレーキ装置に導くブレーキ油路とを備えて構成されたことを特徴とする車両の制動装置。
【請求項2】
前記車両が、軌道上を回転する軌道走行用車輪を有した軌道走行車両からなり、
前記油圧モータにより前記軌道走行用車輪が回転駆動されて軌道上を走行し、前記摩擦ブレーキ装置により前記軌道走行用車輪の回転を制動するように構成されており、
ブレーキ操作手段の操作に基づいて前記ブレーキ制御バルブの作動を制御し、前記ブレーキ油路を介して前記摩擦ブレーキ装置に作用させるブレーキ油圧を調整して制動力調整を行うとともに、前記カウンターバランスバルブの前記出口ポートの油圧を調整して前記入口ポートの油圧を調整することにより前記油圧モータの吐出油圧を調整して前記油圧モータによる前記軌道走行用車輪の回転制動力を調整するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の制動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−137361(P2009−137361A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313847(P2007−313847)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000116644)株式会社アイチコーポレーション (168)
【Fターム(参考)】