説明

車両の制御装置

【課題】エンジンをアイドルストップさせる車両において車両の移動を迅速に精度良く検知してアイドルストップを中止するようにした車両の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、CVT(自動変速機)の出力軸の回転数と回転方向とを示す前進側パルスまたは後進側パルスを出力する回転数センサを備え、所定の許可条件が成立してエンジンのアイドルストップが許可されたとき、エンジンが停止したか否か判定し(S200,S202)、エンジンが停止したと判定される前は所定の複数個(4個)のパルスが出力されたとき車両が移動したと判定する一方(S204,S206)、エンジンが停止したと判定された後はそれより少ない少なくとも1個のパルスが出力されたとき車両が移動したと判定し(S210からS214)、アイドルストップを中止してエンジンを始動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は車両の制御装置に関し、より具体的には信号待ちするときなどにエンジンをアイドルストップさせるようにした車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
信号待ちするときなどにエンジンをアイドルストップさせる場合、登降坂路で停車すると、運転者のブレーキ踏み込みが緩んで車両が移動することがある。降坂路では移動が前進となるためにそれほど支障ないが、登坂路では移動が後退となることから、運転者に不安感を与えることがある。
【0003】
車両の停止中の移動検知の例として特許文献1記載の技術を挙げることができる。特許文献1記載の技術にあっては、CVTの出力軸の所定回転ごとに位相の異なる2種のパルスを出力する2個の磁電変換素子から出力された2種のパルスに基づいて出力軸の回転方向を検出して車両の進行方向を意味する前進側パルスと後進側パルスとして出力する回転数センサを備え、その出力パルスから車両の移動を検知している。
【0004】
即ち、特許文献1記載の技術はノンクリープ制御に関し、車両停止時にNからDレンジに切り替えられるときトルク変化によってパワープラントが揺動して回転数センサからパルスが出力されるが、そのパルス数はCVTの変位分に相当する複数個になるとの知見に基づき、通常はパルスが1個出力された時点で後退と判定する一方、ノンクリープ制御中であればその複数個以上のパルスが出力された時点で後退と判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−92211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の技術は上記のように構成することでノンクリープ制御中の車両の移動を検知しているが、それに止まり、車両の移動検知に伴うアイドルストップ中止判定についてはなんら提案するものではなかった。
【0007】
アイドルストップにおいては可能な限り長時間エンジンを停止して燃費性能を向上させるのが望ましいが、例えば登降坂路で停止したときなどは車両の移動を迅速に精度良く検知してアイドルストップを中止するのが望ましい。
【0008】
従って、この発明の目的は上記した不都合を解消し、エンジンをアイドルストップさせる車両において車両の移動を迅速に精度良く検知してアイドルストップを中止するようにした車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1にあっては、車両に搭載されるエンジンと、前記エンジンで駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される油圧で動作して入力軸から入力される前記エンジンの出力を変速して出力軸から駆動輪に伝達する自動変速機と、所定の許可条件が成立したときに前記エンジンのアイドルストップを実行する車両の制御装置において、前記自動変速機の出力軸または入力軸の回転数を示すパルスを出力する回転数センサと、前記所定の許可条件が成立して前記エンジンのアイドルストップが許可されたとき、前記エンジンが停止したか否か判定するエンジン停止判定手段と、前記回転数センサから出力されるパルスによって前記車両が移動したと判定する移動判定手段と、前記移動判定手段によって前記車両が移動したと判定された場合には前記エンジンを始動するエンジン始動手段とを備えると共に、前記移動判定手段は、前記エンジン停止判定手段によって前記エンジンが停止したと判定される前は前記回転数センサから所定の複数個のパルスが出力されたとき前記車両が移動したと判定する一方、前記エンジンが停止したと判定された後は前記回転数センサから前記所定の複数個より少ない個数のパルスが出力されたとき前記車両が移動したと判定する如く構成した。
【0010】
請求項2に係る車両の制御装置にあっては、前記回転数センサは前記パルスとして前記自動変速機の出力軸または入力軸の回転数と回転方向とを示す前進側パルスまたは後進側パルスを出力すると共に、前記移動判定手段は、前記エンジン停止判定手段によって前記エンジンが停止したと判定される前は、前記回転数センサから前記前進側パルスと後進側パルスのうちのいずれかからなる所定の複数個のパルスが出力されたとき、前記車両が移動したと判定する如く構成した。
【0011】
請求項3に係る車両の制御装置にあっては、前記移動判定手段は、前記エンジン停止判定手段によって前記エンジンが停止したと判定される前は、前記回転数センサから前記前進側パルスと後進側パルスのうちのいずれかからなる所定の複数個のパルスが所定時間内に連続して出力されたとき、前記車両が移動したと判定する如く構成した。
【0012】
請求項4に係る車両の制御装置にあっては、前記移動判定手段は、前記エンジンが停止したと判定された後は前記回転数センサから少なくとも1個のパルスが出力されたとき前記車両が移動したと判定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両の制御装置。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る車両の制御装置にあっては、自動変速機の出力軸または入力軸の回転数を示すパルスを出力する回転数センサと、所定の許可条件が成立してエンジンのアイドルストップが許可されたとき、エンジンが停止したか否か判定するエンジン停止判定手段と、回転数センサから出力されるパルスによって車両が移動したと判定する移動判定手段と、移動判定手段によって車両が移動したと判定された場合にはエンジンを始動するエンジン始動手段とを備えると共に、移動判定手段は、エンジン停止判定手段によってエンジンが停止したと判定される前は回転数センサから所定の複数個のパルスが出力されたとき車両が移動したと判定する一方、エンジンが停止したと判定された後は回転数センサから所定の複数個より少ない個数のパルスが出力されたとき車両が移動したと判定する如く構成したので、車両の移動を迅速に精度良く検知してアイドルストップを中止することができる。従って、例えば登降坂路で停止したときなども早期にアイドルストップを停止してエンジンを再び始動させることが可能となって運転者に不安感を与えるのを回避することができる。
【0014】
請求項2に係る車両の制御装置にあっては、回転数センサはパルスとして自動変速機の出力軸または入力軸の回転数と回転方向とを示す前進側パルスまたは後進側パルスを出力すると共に、移動判定手段は、エンジン停止判定手段によってエンジンが停止したと判定される前は、回転数センサから前進側パルスと後進側パルスのうちのいずれかからなる所定の複数個のパルスが出力されたとき、車両が移動したと判定する如く構成したので、車両の移動を一層精度良く検知することができる。
【0015】
請求項3に係る車両の制御装置にあっては、移動判定手段は、エンジン停止判定手段によってエンジンが停止したと判定される前は、回転数センサから前進側パルスと後進側パルスのうちのいずれかからなる所定の複数個のパルスが所定時間内に連続して出力されたとき、車両が移動したと判定する如く構成したので、車両の移動を尚一層精度良く検知することができる。
【0016】
請求項4に係る車両の制御装置にあっては、移動判定手段は、エンジンが停止したと判定された後は回転数センサから少なくとも1個のパルスが出力されたとき車両が移動したと判定する如く構成したので、車両の移動を一層迅速に精度良く検知してアイドルストップを中止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施例に係る車両の制御装置を全体的に示す概略図である。
【図2】図1に示す変速機油圧供給機構の油圧回路図である。
【図3】図1に示す回転数センサの構造をより詳細に示すブロック図である。
【図4】図1に示す装置の動作のうちのアイドルストップ許可判定を示すフロー・チャートである。
【図5】図1に示す装置の動作のうちのアイドルストップ時のアイドルストップ中止(復帰)判定を示すフロー・チャートである。
【図6】図5フロー・チャートの移動判定フラグのビット設定処理を示すフロー・チャートである。
【図7】図6フロー・チャートの処理を説明するタイム・チャートである。
【図8】図3に示す回転数センサの出力パルスを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に即してこの発明に係る車両の制御装置を実施するための形態を説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、この発明の実施例に係る車両の制御装置を全体的に示す概略図、図2は図1に示す変速機油圧供給機構の油圧回路図である。
【0020】
図1において、符号10はエンジン(内燃機関)を示す。エンジン10は駆動輪12を備えた車両14に搭載される(車両14は駆動輪12などで部分的に示す)。
【0021】
エンジン10の吸気系に配置されたスロットルバルブ(図示せず)は車両運転席床面に配置されるアクセルペダルとの機械的な接続が絶たれ電動モータなどのアクチュエータからなるDBW(Drive By Wire)機構16に接続され、DBW機構16で開閉される。
【0022】
スロットルバルブで調量された吸気はインテークマニホルド(図示せず)を通って流れ、各気筒の吸気ポート付近でインジェクタ20から噴射された燃料と混合して混合気を形成し、吸気バルブ(図示せず)が開弁されたとき、当該気筒の燃焼室(図示せず)に流入する。燃焼室において混合気は点火されて燃焼し、ピストンを駆動してクランクシャフト22を回転させた後、排気となってエンジン10の外部に放出される。
【0023】
クランクシャフト22の回転はトルクコンバータ24を介して自動変速機26に入力される。自動変速機26は無段変速機(Continuous Variable Transmission。以下「CVT」という)26からなる。
【0024】
即ち、クランクシャフト22はトルクコンバータ24のポンプ・インペラ24aに接続される一方、それに対向配置されて流体(作動油)を収受するタービン・ランナ24bはメインシャフト(入力軸)MSに接続される。
【0025】
CVT26はメインシャフトMS、より正確にはその外周側シャフトに配置されたドライブプーリ26aと、メインシャフトMSに平行なカウンタシャフト(出力軸)CS、より正確にはその外周側シャフトに配置されたドリブンプーリ26bと、その間に掛け回される無端可撓部材、例えば金属製のベルト26cからなる。
【0026】
ドライブプーリ26aは、メインシャフトMSの外周側シャフトに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26a1と、メインシャフトMSの外周側シャフトに相対回転不能で固定プーリ半体26a1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26a2からなる。
【0027】
ドリブンプーリ26bは、カウンタシャフトCSの外周側シャフトに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26b1と、カウンタシャフトCSに相対回転不能で固定プーリ半体26b1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26b2からなる。
【0028】
CVT26は前後進切換機構28を介してエンジン10に接続される。前後進切換機構28は、車両14の前進方向への走行を可能にする前進クラッチ28aと、後進方向への走行を可能にする後進ブレーキクラッチ28bと、その間に配置されるプラネタリギヤ機構28cからなる。CVT26はエンジン10に前進クラッチ28aを介して接続される。
【0029】
プラネタリギヤ機構28cにおいて、サンギヤ28c1はメインシャフトMSに固定されると共に、リングギヤ28c2は前進クラッチ28aを介してドライブプーリ26aの固定プーリ半体26a1に固定される。
【0030】
サンギヤ28c1とリングギヤ28c2の間には、ピニオン28c3が配置される。ピニオン28c3は、キャリア28c4でサンギヤ28c1に連結される。キャリア28c4は、後進ブレーキクラッチ28bが作動させられると、それによって固定(ロック)される。
【0031】
カウンタシャフトCSの回転はギヤを介してセカンダリシャフト(中間軸)SSから駆動輪12に伝えられる。即ち、カウンタシャフトCSの回転はギヤ30a,30bを介してセカンダリシャフトSSに伝えられ、その回転はギヤ30cを介してディファレンシャル32から左右の駆動輪(右側のみ示す)12に伝えられる。
【0032】
駆動輪(前輪)12と従動輪(後輪。図示せず)の付近にはディスクブレーキ(制動装置)34が配置される。ディスクブレーキ34はキャリパ34aとディスク34bなどを備える。
【0033】
車両運転席床面にはブレーキペダル36が配置される。ブレーキペダル36はマスタバック38とマスタシリンダ40を介して接続されるディスクブレーキ34に接続される。マスタシリンダ40は、ブレーキ液を貯留するリザーバ40aとリザーバ40aに貯留されるブレーキ液が充満される油室内を摺動自在なピストン(図示せず)を備える。
【0034】
運転者がブレーキペダル36を踏み込むと、その踏み込み力はマスタバック38で増力されてマスタシリンダ40に伝えられる。マスタシリンダ40のピストンは増力された踏み込み力に相当する距離だけストロークする。ピストンのストロークによって生成された液圧(ブレーキ液の圧力)は駆動輪12のディスクブレーキ34に送られ、ディスクブレーキ34を動作させ、車両14を制動(減速)させる。
【0035】
前後進切換機構28において前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bの切換は、車両運転席に設けられたレンジセレクタ44を運転者が操作して例えばP,R,N,Dなどのレンジのいずれかを選択することで行われる。運転者のレンジセレクタ44の操作によるレンジ選択は変速機油圧供給機構46(後述)のマニュアルバルブに伝えられる。
【0036】
レンジセレクタ44を介して例えばD,S,Lレンジが選択されると、それに応じてマニュアルバルブのスプールが移動し、後進ブレーキクラッチ28bのピストン室から作動油(油圧)が排出される一方、前進クラッチ28aのピストン室に油圧が供給されて前進クラッチ28aが締結される。
【0037】
前進クラッチ28aが締結されると、全ギヤがメインシャフトMSと一体に回転し、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSと同方向(前進方向)に駆動され、よって車両14は前進方向に走行する。
【0038】
Rレンジが選択されると、前進クラッチ28aのピストン室から作動油が排出される一方、後進ブレーキクラッチ28bのピストン室に油圧が供給されて後進ブレーキクラッチ28bが作動する。従ってキャリア28c4が固定されてリングギヤ28c2はサンギヤ28c1とは逆方向に駆動され、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSとは逆方向(後進方向)に駆動され、車両14は後進方向に走行する。
【0039】
PあるいはNレンジが選択されると、両方のピストン室から作動油が排出されて前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bが共に開放され、前後進切換装置28を介しての動力伝達が断たれ、エンジン10とCVT26のドライブプーリ26aとの間の動力伝達が遮断される。
【0040】
図2は変速機油圧供給機構46の油圧回路図である。
【0041】
図示の如く、変速機油圧供給機構46には油圧ポンプ46aが設けられる。油圧ポンプ46aはギヤポンプからなり、エンジン(E)10によって駆動され、リザーバ46bに貯留された作動油を汲み上げてPH制御バルブ(PH REG VLV)46cに圧送する。
【0042】
PH制御バルブ46cの出力(PH圧(ライン圧))は、一方では油路46dから第1、第2のレギュレータバルブ(DR REG VLV, DN REG VLV)46e,46fを介してCVT26のドライブプーリ26aの可動プーリ半体26a2のピストン室(DR)26a21とドリブンプーリ26bの可動プーリ半体26b2のピストン室(DN)26b21に接続されると共に、他方では油路46gを介してCRバルブ(CR VLV)46hに接続される。
【0043】
CRバルブ46hはPH圧を減圧してCR圧(制御圧)を生成し、油路46iから第1、第2、第3の(電磁)リニアソレノイドバルブ46j,46k,46l(LS-DR, LS-DN, LS-CPC)に供給する。
【0044】
第1、第2のリニアソレノイドバルブ46j,46kはそのソレノイドの励磁に応じて決定される出力圧を第1、第2のレギュレータバルブ46e,46fに作用させ、よって油路46dから送られるPH圧の作動油を可動プーリ半体26a2,26b2のピストン室26a21,26b21に供給し、それに応じてプーリ側圧を発生させる。
【0045】
従って、可動プーリ半体26a2,26b2を軸方向に移動させるプーリ側圧が発生させられてドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bのプーリ幅が変化し、ベルト26cの巻掛け半径が変化する。このように、プーリの側圧を調整することで、エンジン10の出力を駆動輪12に伝達するレシオ(変速比)を無段階に変化させることができる。
【0046】
CRバルブ46hの出力(CR圧)は油路46mを介してCRシフトバルブ(CR SFT VLV)46nにも接続され、そこから前記したマニュアルバルブ(MAN VLV。符号46oで示す)を介して前後進切換装置28の前進クラッチ28aのピストン室(FWD)28a1と後進ブレーキクラッチ28bのピストン室(RVS)28b1に接続される。
【0047】
マニュアルバルブ46oは、前記した如く、運転者によって操作(選択)されたレンジセレクタ44の位置に応じてCRシフトバルブ46nの出力を前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bのピストン室28a1,28b1のいずれかに接続する。
【0048】
また、PH制御バルブ46cの出力は、油路46pを介してTCレギュレータバルブ(TC REG VLV)46qに送られ、TCレギュレータバルブ46qの出力はLCコントロールバルブ(LC CTL VLV)46rを介してLCシフトバルブ(LC SFT VLV)46sに接続される。
【0049】
LCシフトバルブ46sの出力は一方ではトルクコンバータ24のロックアップクラッチ24cのピストン室24c1に接続されると共に、他方ではその背面側の室24c2に接続される。
【0050】
LCシフトバルブ46sを介して作動油がピストン室24c1に供給される一方、背面側の室24c2から排出されると、ロックアップクラッチ24cが係合(オン)され、背面側の室24c2に供給される一方、ピストン室24c1から排出されると、解放(オフ)される。ロックアップクラッチ24cのスリップ量は、ピストン室24c1と背面側の室24c2に供給される作動油の量によって決定される。
【0051】
CRバルブ46hの出力は油路46tを介してLCコントロールバルブ46rとLCシフトバルブ46sに接続されると共に、油路46tには第4のリニアソレノイドバルブ(LS−LC)46uが介挿される。ロックアップクラッチ24cのスリップ量は、第4のリニアソレノイドバルブ46uのソレノイドの励磁・非励磁によって調整(制御)される。
【0052】
さらに、油圧ポンプ46aの下流でPH制御バルブ46cの上流に相当する位置には電動モータ46vに接続されるEOP(Electric Oil Pump。電動油圧ポンプ)46wがチェックバルブ46xを介して接続される。
【0053】
EOP46wも油圧ポンプ46aと同様にギヤポンプからなり、電動モータ46vで駆動され、リザーバ46bに貯留された作動油を汲み上げてPH制御バルブ(PH REG VLV)46cに圧送する。
【0054】
この明細書において自動変速機はトルクコンバータ24とCVT26と前後進切換機構28(より具体的にはその前進クラッチ28a(あるいは後進ブレーキクラッチ28b))からなる。
【0055】
図1の説明に戻ると、エンジン10のカム軸(図示せず)付近などの適宜位置にはクランク角センサ50が設けられ、ピストンの所定クランク角度位置ごとにエンジン回転数NEを示す信号を出力する。吸気系においてスロットルバルブの下流の適宜位置には絶対圧センサ52が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAに比例した信号を出力する。
【0056】
DBW機構16のアクチュエータにはスロットル開度センサ54が設けられ、アクチュエータの回転量を通じてスロットルバルブの開度THに比例した信号を出力する。
【0057】
また前記したアクセルペダル(符号56で示す)の付近にはアクセル開度センサ56aが設けられて運転者のアクセルペダル操作量に相当するアクセル開度APに比例する信号を出力すると共に、ブレーキペダル36の付近にはブレーキスイッチ36aが設けられて運転者のブレーキペダル36の操作に応じてオン信号を出力する。
【0058】
さらに、エンジン10の冷却水通路(図示せず)の付近には水温センサ60が設けられ、エンジン冷却水温TW、換言すればエンジン10の温度に応じた出力を生じる。
【0059】
上記したクランク角センサ50などの出力は、エンジンコントローラ66に送られる。エンジンコントローラ66はマイクロコンピュータを備え、それらセンサ出力に基づいて目標スロットル開度を決定してDBW機構16の動作を制御すると共に、燃料噴射量を決定してインジェクタ20を駆動する。
【0060】
メインシャフトMSにはNTセンサ(回転数センサ)70が設けられ、タービン・ランナ24bの回転数、具体的にはメインシャフトMSの回転数NT、具体的には変速機入力軸回転数、より具体的には前進クラッチ28aの入力軸回転数を示すパルス信号を出力する。
【0061】
CVT26のドライブプーリ26aの付近の適宜位置にはNDRセンサ(回転数センサ)72が設けられてドライブプーリ26aの回転数NDR、換言すれば前進クラッチ28aの出力軸回転数に応じたパルス信号を出力する。
【0062】
ドリブンプーリ26bの付近の適宜位置にはNDNセンサ(回転数センサ)74が設けられてドリブンプーリ26bの回転数NDN、具体的にはカウンタシャフトCSの回転数、より具体的には変速機出力軸回転数を示すパルス信号を出力する。
【0063】
またセカンダリシャフトSSのギヤ30bの付近にはVセンサ(回転数センサ)76が設けられてセカンダリシャフトSSの回転数と回転方向を示すパルス信号(具体的には車速Vを示すパルス信号)を出力する。この実施例に係るCVT26にあっては、ギヤ30bの円周には複数個、より具体的には12個の突起が形成される。
【0064】
Vセンサ76は、図3に示す如く、ギヤ30b(CVT26のカウンタシャフト(出力軸)CSを通じてカウンタシャフトCS)の所定回転角ごとに位相の異なる2種のパルスをそれぞれ出力する2個の磁電変換素子(MRE素子)76aと、出力された2種のパルスを整形回路A,Bを介して入力し、それらから回転方向を検出して車両14の進行方向を意味する前進パルスと後退(後進)パルスとして出力するパルス出力回路(パルス出力手段)76bとを備える。
【0065】
このように、Vセンサ76は、CVT26の出力軸(カウンタシャフト)CSまたは入力軸(メインシャフト)MS、より具体的にはギヤ30cを通じて出力軸(カウンタシャフト)CSの回転数を示すパルスを出力、より具体的には出力軸の回転数と回転方向(換言すれば車両14の進行方向)とを示す前進側パルスまたは後進側パルスを出力する。
【0066】
図1の説明に戻ると、前記したレンジセレクタ44の付近にはレンジセレクタスイッチ44aが設けられ、運転者によって選択されたR,N,Dなどのレンジに応じた信号を出力する。
【0067】
図2に示す如く、変速機油圧供給機構46においてCVT26のドリブンプーリ26bに通じる油路には油圧センサ82が配置されてドリブンプーリ26bの可動プーリ半体26b2のピストン室26b21に供給される油圧に応じた信号を出力する。リザーバ46bには油温センサ84が配置されて油温(作動油ATFの温度TATF)に応じた信号を出力する。
【0068】
尚、油圧センサ82は図2に想像線で示す如く、前進クラッチ28aのピストン室28a1とマニュアルバルブ46oの間の油路、あるいはトルクコンバータ24のロックアップクラッチ24cに通じる油路に配置してその部位の油圧を検出するようにしても良い。
【0069】
上記したNTセンサ70などの出力は、図示しないその他のセンサの出力も含め、シフトコントローラ90に送られる。シフトコントローラ90もマイクロコンピュータを備えると共に、エンジンコントローラ66と通信自在に構成される。
【0070】
シフトコントローラ90は、それら検出値に基づき、ブレーキ液圧供給機構42のリニアソレノイドバルブ42bと変速機油圧供給機構46の第1、第4のオン・オフソレノイド46uなどの電磁ソレノイドを励磁・非励磁して前後進切換装置28とCVT26とトルクコンバータ24の動作を制御する。
【0071】
さらにシフトコントローラ90は、それら検出値に基づき、変速機油圧供給機構46の電動モータ46vの通電量を決定し、駆動回路(図示せず)を介して電動モータ46vに通電してEOP46wを駆動する。
【0072】
また、エンジンコントローラ66は燃料噴射制御などに加え、車両14のアイドルストップ制御を実行する。
【0073】
図4はこの実施例に係る装置の動作、具体的にはエンジンコントローラ66のアイドルストップ(IS)制御、より具体的にはアイドルストップの許可判定を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは所定時間、例えば10msecごとに実行される。
【0074】
以下説明すると、S10においてBRK ON、即ち、ブレーキペダル36が運転者によって操作されているか(踏まれているか)否かブレーキスイッチ36aの出力から判断し、否定されるときはS12に進み、IS(アイドルストップ)不許可、即ち、ISを禁止する。
【0075】
一方、S10で肯定されるときはS14に進み、AP OFF、即ち、アクセルペダル56が操作されていないか(踏まれていないか)否かアクセル開度センサ56aの出力から判断し、否定されるときはS12に進む。
【0076】
一方、S14で肯定されるときはS16に進み、車速Vが零か否かをVセンサ76の出力から判断し、否定されるときはS12に進む。車速Vの検出は具体的には、図4(b)に示すようなパルス列のパルス間隔を時間計測することで行なう。
【0077】
一方、S16で肯定されるときはS18に進み、CVT26のレシオ(変速比)がロー(Low)か否かをシフトコントローラ90に通信して得た情報から判断し、否定されるときはS12に進む。
【0078】
一方、S18で肯定されるときはS20に進み、IS(アイドルストップ)を許可する(アイドルストップを開始する)。S10からS18までがIS(アイドルストップ)の所定の許可条件に相当する。
【0079】
図5はこの実施例に係る装置の動作、具体的にはエンジンコントローラ66のアイドルストップ時のアイドルストップ終了(復帰)判定を示すフロー・チャートである。図示のプログラムも所定時間、例えば10msecごとに実行される。
【0080】
以下説明すると、S100においてBRK OFF、即ち、ブレーキペダル36が運転者によって操作されていないか(踏まれていないか)否かブレーキスイッチ36aの出力から判断し、肯定されるときはS102に進み、IS(アイドルストップ)から復帰(ISを終了)してエンジン10を始動する。
【0081】
一方、S100で否定されるときはS104に進み、AP ON、即ち、アクセルペダル56が操作されているか(踏まれているか)否かアクセル開度センサ56aの出力から判断し、肯定されるときはS102に進む。
【0082】
図5フロー・チャートにおいてS100またはS104がIS(アイドルストップ)の既定の復帰条件に相当し、それらの条件が成立したときはS102に進み、ISを終了する。
【0083】
一方、S104でも否定されるときはS106に進み、移動判定フラグFのビットが1にセットされているか否か判断する。これについては後述する。
【0084】
S106で肯定されるときはS102に進み、ISを中止する。即ち、S106で肯定されるときは、アイドルストップの既定の復帰条件が成立していない場合でもアイドルストップを中止してエンジン10を始動する。
【0085】
一方、S106で否定されるときはS108に進み、IS継続、即ち、アイドルストップを継続する。
【0086】
図6は図5フロー・チャートのS106の移動判定フラグFのビット処理を示すフロー・チャートである。
【0087】
以下説明すると、S200においてIS許可、即ち、図5フロー・チャートのS20でIS(アイドルストップ)が許可されたか否か判断し、否定されるときは以降の処理をスキップする。
【0088】
一方、S200で肯定されるときはS202に進み、ENGストップ過渡状態、具体的にはエンジン10が停止されつつある過渡状態にあるか、より具体的にはエンジン10が完全に停止されているか否か判断する。
【0089】
エンジン10が完全に停止されているか否かは、IS許可がなされてからの経過時間を計測し、計測値が所定時間に到達したか否か判定することで判断する。尚、それに代え、前記したクランク角センサ50の出力(パルス)から判断(判定)しても良い。
【0090】
図7は図6フロー・チャートの処理を説明するタイム・チャートである。
【0091】
図示の如く、アイドル許可判断がなされてからエンジン(パワープラント)10が完全に停止するまで若干の時間がかかるが、その間にエンジン10の揺動に起因する変位によってVセンサ76からパルスが出力されることがある。
【0092】
図8は図3に示すVセンサ76のパルス出力回路76bから出力されるパルスを示す説明図である。
【0093】
CVT26のギヤ30bの円周に12個の突起が形成される結果、最初に述べた如く、車両14の移動ではなく、エンジン(パワープラント)10の揺動に起因するCVT26の変位によってパルスが出力されるとき、その変位分に相当するパルス数は3個となる。
【0094】
従って、エンジン10の揺動に起因するCVT26の変位によってパルスが出力される可能性がある状態では、出力パルスについて例えば後進側を正、前進側を負として合計することで、パルス出力がエンジン10の揺動に起因するのか、車両14の実際の移動に起因するのかを判別することができる。
【0095】
具体的に説明すると、同図(a)に示すパルス出力例の場合、パルスの合計は後進側パルス3−前進側パルス2=後進側パルス1となり、合計3個未満であることから、パルス出力は車両14の実際の移動ではなく、パワープラントの揺動に起因するものと判定することができる。
【0096】
従って、同図(b)に示すようなパルス出力例の場合、エンジン10の揺動に起因するCVT26の変位によってパルスが出力される可能性のある状態にあるか否か判定することで、車両14が実際に移動したか否かを判定することができる。
【0097】
この実施例にあっては、S202のENGストップ過渡状態判断が、そのエンジン10の揺動に起因するCVT26の変位によってパルスが出力される可能性のある状態にあるか否かの判定に相当する。図7タイム・チャートに示す如く、そのような過渡状態(NE=0が安定しない状態)にあるときは、パルスマスクをかけることになる。
【0098】
図6フロー・チャートの説明に戻ると、S202で肯定されてエンジン10が完全には停止されていないと判定されるときはS204に進み、Vセンサ76から所定の複数個のパルスが出力されたか、具体的には前進側パルスと後進側パルスのうちのいずれかからなる(換言すれば同一方向の)所定の複数個のパルスが出力されたか、より具体的には過去500msec中(所定時間内に)同一方向連続4パルス(所定の複数個のパルス)が連続して出力されたか否か判断する。
【0099】
S204で肯定されるときはS206に進み、前記したフラグFのビットを1にセットする一方、否定されるときはS208に進み、フラグFのビットを0にリセットする。このフラグFのビットを1にセットすることは車両14の実際の移動を検知したこと、0にリセットすることは検知しないことを意味する。
【0100】
他方、S202で否定されて前記エンジン10が(完全に)停止したと判断(判定)されるときはS210に進み、前進側パルスが前記所定の複数個より少ない個数、より具体的には少なくとも1個出力されたか否か判断し、肯定されるときはS212に進み、フラグFのビットを1にセットする。
【0101】
また、S210で否定されるときはS214に進み、後進側パルスが同様に前記所定の複数個より少ない個数、より具体的には少なくとも1個出力されたか否か判断し、肯定されるときはS212に進む一方、否定されるときはS208に進む。
【0102】
即ち、エンジン10が(完全には)停止されていないと判定される前はVセンサ76から所定の複数個のパルスが出力されたとき車両14が移動したと判定する一方、エンジン10が(完全に)停止したと判定された後はVセンサ76から前記所定の複数個より少ない個数、正確には少なくとも1個、より正確には1個のパルスが出力されたとき車両14が移動したと判定する。
【0103】
これにより、図5フロー・チャートにあってはS106で肯定されてS102に進み、ISが中止されてエンジン10が始動される。即ち、S106で肯定されるときは、アイドルストップの既定の復帰条件が成立していない場合でもアイドルストップが中止される。
【0104】
上記した如く、この実施例にあっては、車両14に搭載されるエンジン10と、前記エンジン10で駆動される油圧ポンプ46aと、前記油圧ポンプ46aから供給される油圧で動作して入力軸(メインシャフト)MSから入力される前記エンジン10の出力を変速して出力軸(カウンタシャフト)CSから駆動輪12に伝達するCVT(自動変速機)26と、所定の許可条件が成立したときに前記エンジンのアイドルストップ(IS)を実行する(S10,S14からS20)車両の制御装置(エンジンコントローラ)66において、前記CVT(自動変速機)26の出力軸または入力軸の回転数を示す、より具体的には出力軸に連結するギヤ30cを通じて出力軸の回転数を示すパルスを出力する回転数センサ(Vセンサ)76と、前記所定の許可条件が成立して前記エンジン10のアイドルストップが許可されたとき、前記エンジンが停止したか否か判定するエンジン停止判定手段(S200,S202)と、前記自動変速機の出力軸または入力軸の回転数を示すパルスを出力する回転数センサと、前記所定の許可条件が成立して前記エンジンのアイドルストップが許可されたとき、前記エンジンが停止したか否か判定するエンジン停止判定手段と、前記回転数センサ76から出力されるパルスによって前記車両14が移動したと判定する移動判定手段(S202からS212)と、前記移動判定手段によって前記車両が移動したと判定された場合には前記エンジンを始動するエンジン始動手段(S106,S102)とを備えると共に、前記移動判定手段は、前記エンジン停止判定手段によって前記エンジンが停止したと判定される前は前記回転数センサから所定の複数個(4個)のパルスが出力されたとき前記車両が移動したと判定する一方(S204,S206)、前記エンジンが停止したと判定された後は前記回転数センサから前記所定の複数個より少ない個数(1個)のパルスが出力されたとき前記車両14が移動したと判定する(S210からS214)如く構成したので、車両14の移動を迅速に精度良く検知してアイドルストップを中止することができる。
【0105】
従って、例えば車両14が登降坂路で停止したときなども早期にアイドルストップを停止してエンジン10を再び始動させることが可能となって運転者に不安感を与えるのを回避することができる。
【0106】
また、前記回転数センサ76は前記パルスとしてCVT(自動変速機)26の出力軸または入力軸の回転数、より具体的には出力軸に連結するギヤ30cを通じて出力軸の回転数と回転方向とを示す前進側パルスまたは後進側パルスを出力すると共に、前記移動判定手段は、前記エンジン停止判定手段によって前記エンジン10が停止したと判定される前は、前記回転数センサ76から前記前進側パルスと後進側パルスのうちのいずれかからなる所定の複数個(具体的には4個)のパルスが出力されたとき、前記車両14が移動したと判定する(S202からS206)如く構成したので、車両14の移動を一層精度良く検知することができる。
【0107】
また、前記移動判定手段は、前記エンジン停止判定手段によって前記エンジン10が停止したと判定される前は、前記回転数センサ76から前記前進側パルスと後進側パルスのうちのいずれかからなる所定の複数個(4個)のパルスが所定時間内(500msec中)に連続して出力されたとき、前記車両が移動したと判定する(S202からS206)如く構成したので、車両14の移動を尚一層精度良く検知することができる。
【0108】
また、前記移動判定手段は、前記エンジンが停止したと判定された後は前記回転数センサ76から少なくとも1個のパルスが出力されたとき前記車両14が移動したと判定する(S210からS214)如く構成したので、車両14の移動を一層迅速に精度良く検知してアイドルストップを中止することができる。
【0109】
尚、上記においてエンジン(パワープラント)10の揺動に起因するCVT26の変位によってパルスが出力されるとき、その変位分に相当するパルス数は3個としたが、これはCVT26のギヤ30bの円周に12個の突起が形成される場合であり、ギヤ30bなどに形成される突起の個数が相違すれば、異なるものである。
【0110】
また、無端可撓部材がベルトからなるCVT26を開示したが、それに限られるものではなく、無端可撓部材はチェーンであっても良い。さらに、自動変速機としてCVTを図示したが、それに限られるものではなく、有段変速機であっても良い。
【符号の説明】
【0111】
10 エンジン(内燃機関)、12 駆動輪、14 車両、16 DBW機構、24 トルクコンバータ、26 自動変速機(CVT)、28 前後進切換装置、34 ディスクブレーキ(制動装置)、36 ブレーキペダル、38 マスタバック、40 マスタシリンダ、46 変速機油圧供給機構、46a 油圧ポンプ、46w EOP(電動油圧ポンプ)、66 エンジンコントローラ、76 Vセンサ(回転数センサ)、82 油圧センサ、90 シフトコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるエンジンと、前記エンジンで駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される油圧で動作して入力軸から入力される前記エンジンの出力を変速して出力軸から駆動輪に伝達する自動変速機と、所定の許可条件が成立したときに前記エンジンのアイドルストップを実行する車両の制御装置において、前記自動変速機の出力軸または入力軸の回転数を示すパルスを出力する回転数センサと、前記所定の許可条件が成立して前記エンジンのアイドルストップが許可されたとき、前記エンジンが停止したか否か判定するエンジン停止判定手段と、前記回転数センサから出力されるパルスによって前記車両が移動したと判定する移動判定手段と、前記移動判定手段によって前記車両が移動したと判定された場合には前記エンジンを始動するエンジン始動手段とを備えると共に、前記移動判定手段は、前記エンジン停止判定手段によって前記エンジンが停止したと判定される前は前記回転数センサから所定の複数個のパルスが出力されたとき前記車両が移動したと判定する一方、前記エンジンが停止したと判定された後は前記回転数センサから前記所定の複数個より少ない個数のパルスが出力されたとき前記車両が移動したと判定することを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
前記回転数センサは前記パルスとして前記自動変速機の出力軸または入力軸の回転数と回転方向とを示す前進側パルスまたは後進側パルスを出力すると共に、前記移動判定手段は、前記エンジン停止判定手段によって前記エンジンが停止したと判定される前は、前記回転数センサから前記前進側パルスと後進側パルスのうちのいずれかからなる所定の複数個のパルスが出力されたとき、前記車両が移動したと判定することを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記移動判定手段は、前記エンジン停止判定手段によって前記エンジンが停止したと判定される前は、前記回転数センサから前記前進側パルスと後進側パルスのうちのいずれかからなる所定の複数個のパルスが所定時間内に連続して出力されたとき、前記車両が移動したと判定することを特徴とする請求項2記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記移動判定手段は、前記エンジンが停止したと判定された後は前記回転数センサから少なくとも1個のパルスが出力されたとき前記車両が移動したと判定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両の制御装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−24249(P2013−24249A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156092(P2011−156092)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】