説明

車両の危険回避支援装置

【課題】自車両の前方の他車両における急ブレーキ操作を早期に検出し、車両の運転者による危険回避操作の支援を行なうことができるようにした、車両の危険回避支援装置を提供する。
【解決手段】
他車両2の位置情報と、他車両2のブレーキ操作情報とを含む他車両2の情報を検出する他車両情報検出手段14と、車両1の運転者による危険回避操作を支援する危険回避支援手段18,19とを備え、自車位置情報検出手段13及び他車両情報検出手段14からの情報に基づいて、車両1の前方に他車両2がいることが検出された場合、少なくとも他車両2において急ブレーキ操作がされていることを含む危険回避支援条件が成立したら、危険回避支援手段18,19により危険回避操作を支援する危険回避支援制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転者による危険回避操作を支援する危険回避支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車(以下、車両ともいう)に装備されたセンサや通信装置により取得された他車両の情報を用いて、事故を未然に防ぐための種々の技術が開発されている。かかる技術としては特許文献1の技術が挙げられる。
【0003】
特許文献1の技術は、急ブレーキ操作時にストップランプを点滅させるESS(Emergency Stop lamp System)を装備した先行車両を自車両のカメラにより撮影し、この撮像情報に基づいて先行車両における急ブレーキ操作を検出し、又は、車車間通信により検出される先行車両と自車両との車間距離に基づいて先行車両の急ブレーキ操作を検出し、先行車両が急ブレーキ操作を行なった際に、自車両の運転者による危険回避操作の支援を行なう。この危険回避操作の支援としてブレーキアシストの作動閾値の変更やパワーステアリングのトルク変更が行なわれ、これにより自車両の制動や旋回操作を支援する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−190686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の技術は先行車両への追突を回避しようとするものであるが、自車両の前方で対向車両がスリップや横転する場合にも、自車両と対向車両とが衝突するおそれがある。このため、先行車両だけでなく対向車両に対してもこれらの車両(以下、対向車両と先行車両とを含めて他車両と称する)において急ブレーキ操作がされ、他車両が横転やスリップしそうな場合には、これらの他車両への自車両の衝突を未然に防ぎたい。特に、対向車両に対する衝突を防ぐには、自車両と対向車両との相対速度が高いことを考えると、対向車両がスリップ等を発生する状況を可能な限り早期に把握することが必要である。もちろん、先行車両に対してもスリップ等のおそれを早期に把握することができれば、より確実に衝突を防ぐことができる。このため、先行車両や対向車両の他車両におけるブレーキ操作を早期に検出したい。
【0006】
特許文献1の技術では、車車間通信により自車両と他車両との車間距離を取得し、他車両におけるブレーキ操作の結果として急激に狭まる車間距離を検出し、他車両において急ブレーキ操作がされていると判定するため、急ブレーキ操作を早期に検出することができない。また、ブレーキ操作の結果として作動するESSを撮像した画像情報に基づいてESSの点滅を確認して他車両において急ブレーキ操作がされていると判定するため、急ブレーキ操作を早期に検出することができず、また、他車両にESSが装備されていない場合には、他車両における急ブレーキ操作を検出することができない。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑み創案されたものであり、自車両の前方の他車両における急ブレーキ操作を早期に検出し、車両の運転者による危険回避操作の支援を行なうことができるようにした、車両の危険回避支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記の目的を達成するために、本発明の車両の危険回避支援装置は、車両の位置情報を検出する自車位置情報検出手段と、前記車両の周辺における他車両の情報を通信により検出する他車両情報検出手段と、前記車両の運転者による危険回避操作を支援(アシスト)する危険回避支援手段と、を備え、前記他車両情報検出手段により検出される前記他車両の情報には、前記他車両の位置情報と、前記他車両のブレーキ操作情報とが含まれ、前記自車位置情報検出手段及び前記他車両情報検出手段からの情報に基づいて、前記車両の前方に前記他車両がいることが検出された場合、少なくとも前記他車両において急ブレーキ操作がされていることを含む危険回避支援条件が成立したら、前記危険回避支援手段により危険回避操作を支援する危険回避支援制御手段を備えることを特徴としている。
【0009】
(2)また、前記車両の周辺における道路の情報を検出する周辺道路情報検出手段を備え、前記周辺道路情報検出手段は、前記車両の前方のカーブ路を検出し、前記危険回避支援条件は、前記他車両が前記車両の前方のカーブ路にいることを含むことが好ましい。
【0010】
(3)また、前記危険回避支援手段は、前記車両の運転者によるブレーキ操作をアシストするブレーキアシスト手段を含むことが好ましい。
(4)また、前記ブレーキアシスト手段は、前記車両の重量又は前記車両と前記他車両との車間距離に応じて、前記車両の運転者によるブレーキ操作のアシスト量を補正することが好ましい。
【0011】
(5)また、前記危険回避支援手段は、前記車両の運転者によるステアリング操作をアシストするステアリングアシスト手段を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
(1)本発明の車両の危険回避支援装置は、他車両情報検出手段による通信により他車両のブレーキ操作情報を取得し、他車両情報検出手段により車両の前方に他車両がいることが検出された場合、少なくとも他車両において急ブレーキ操作がされていることを含む危険回避支援条件が成立したら、危険回避支援手段により危険回避操作を支援する危険回避支援制御手段を備えるため、早期に車両前方の他車両における急ブレーキ操作を検出し、車両の運転者による危険回避操作を支援することができる。また、急ブレーキ操作の後に他車両の横転やスリップが発生しうるが、早期に急ブレーキ操作を検出することができるため、車両の衝突にかかる危険を抑制することができる。
【0013】
(2)また、危険回避支援条件は、他車両が車両前方のカーブ路にいることを含むように構成すれば、カーブ路において急ブレーキ操作をしている他車両を検出することにより、車両前方において他車両が横転やスリップの蓋然性が高いことを確実に特定することができ、他車両の走行状況に応じて適切な状況下で車両の運転者による危険回避操作を支援することができる。
【0014】
(3)また、危険回避支援手段は、車両の運転者によるブレーキ操作をアシストするブレーキアシスト手段を含むように構成すれば、車両の運転者が危険回避操作としてブレーキ操作を行なう場合にブレーキ操作をアシストするため、運転者によるブレーキ操作量が不足している場合であっても適切に車両を制動することができる。
(4)また、ブレーキアシスト手段は、車両の重量又は車間距離に応じてブレーキ操作のアシスト量を補正するように構成すれば、車両の重量や走行状況に応じて適切に車両を制動することができる。
【0015】
(5)また、危険回避支援手段は、車両の運転者によるステアリング操作をアシストするステアリングアシスト手段を含むように構成すれば、車両の運転者が危険回避操作としてステアリング操作を行なう場合にステアリング操作をアシストするため、適切に車両を操舵することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態にかかる車両の危険回避支援装置を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる自車両と他車両との位置関係を例示する図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる車両の危険回避支援装置に適用される車車間通信を用いた情報の取得ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態にかかる車両の危険回避支援装置による他車両の判定を示すフローチャートである。
【図5】図4のサブルーチンである第1危険回避支援制御を示すフローチャートである。
【図6】図4のサブルーチンである第2危険回避支援制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
〈一実施形態〉
[構成]
まず、一実施形態にかかる車両の危険回避支援装置のシステム構成を説明する。本実施形態にかかる車両は、例えばトラック又はバスといったいわゆる大型又は中型の自動車である。
【0018】
図1に示すように、車両(以下、自車両ともいう)1は、車速センサ10と、運転者と車両設備とのインターフェイスであるHMI(Human Machine Interface)11と、車両1の先行車両を検出するレーダセンサ12と、車両1の位置情報を検出するGPS(自車位置情報検出手段)13と、アンテナ14aに接続され、車両1の周辺における他車両の情報を通信により検出する車車間通信装置(他車両情報検出手段)14と、危険回避支援にかかる制御を実施する危険回避支援制御ECU(危険回避支援制御手段)15と、図示しないブレーキ機構及びブレーキペダルに接続されるブレーキECU(ブレーキアシスト手段,危険回避支援手段)18と、図示しないステアリング機構に接続されるステアリングECU(ステアリングアシスト手段,危険回避支援手段)19とを有する。
なお、各ECU15,18,19は、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される電子制御装置である。
また、図1中の各構成要素間を接続する矢印は、主要な情報の伝達方向を示す。
【0019】
車速センサ10は、車両1の車速を検出するものである。この車速センサ10としては、従動輪の回転速度を検出するものやエンジンのクランクシャフトの回転速度を検出するものを適用することができる。
車速センサ10により検出された車速の情報は、危険回避支援制御ECU15に伝達される。
【0020】
HMI11は、ここでは車両1の運転者に警報する装置である。このHMI11としては、モニターやスピーカ等を用いることができる。
HMI11は、危険回避支援制御ECU15に接続される。この危険回避支援制御ECU15により危険回避支援制御が実施されると、HMI11に危険回避支援制御ECU15から警報指示がされ、HMI11は車両1の運転者に警報する。例えば、HMI11は警報指示がされると、モニターに警報内容を表示し、スピーカにより警報音や警報内容にかかるメッセージを鳴らすことにより、自車両1の運転者に警報する。
【0021】
レーダセンサ12は、車両1の先行車両の情報を検出するものである。このレーダセンサ12としては、ミリ波レーダやレーザレーダを用いることができる。
レーダセンサ12により検出される先行車両の情報としては、先行車両の有無の情報や、自車両1と先行車両との車間距離の情報や、自車両1と先行車両との相対速度の情報等が挙げられる。
レーダセンサ12は危険回避支援制御ECU15に接続され、レーダセンサ12により検出された先行車両の情報は危険回避支援制御ECU15に伝達される。
【0022】
GPS13は、車両1の位置情報を検出するものである。このGPS13は、図示しないGPSアンテナを介して自車両1の緯度・経度の情報を、自車両1の位置情報として検出する。なお、この緯度・経度の情報を、自車両1の走行速度を検出する車速センサ10や自車両1のステアリング角を求めるセンサ等により検出された情報を累積するいわゆる自律航法により補完して、自車両1の位置情報として扱うことができる。
GPS13は車車間通信装置14を介して危険回避支援制御ECU15に接続され、GPS13により検出された自車両1の位置情報は危険回避支援制御ECU15に伝達される。なお、GPS13は危険回避支援制御ECU15に直接接続され、GPS13により検出された自車両1の位置情報は危険回避支援制御ECU15に伝達される構成を用いてもよい。
【0023】
ブレーキECU18は、車両1のブレーキにかかる制御全般を実施するものである。また、ブレーキECU18は、図示しないブレーキペダルに接続され、このブレーキペダルの操作量の情報(ブレーキ操作情報)を取得する。なお、本車両1に装備されるブレーキ機構として、エアタンクに貯めた圧縮空気によりホイールブレーキを作動させて制動するフルエア式のブレーキ機構を用いることができる。
【0024】
ブレーキECU18により実施されるブレーキ制御としては、ABS(Antilock Brake System)制御や衝突被害軽減ブレーキ(AEBS,Advanced Emergency Brake System)制御やブレーキアシスト制御が挙げられる。
ABS制御とは、急ブレーキ操作時等における車輪のロックによる滑走を防止する制御であり、車輪のロック状態が継続しないように例えば車輪をロックさせる制動を断続的に繰返すことで行なわれる。
【0025】
また、ブレーキECU18は、運転者によるブレーキ操作と車両1の制動状況とを監視することにより、車両1の重量を推定する。例えば、同じブレーキ操作量であれば、車両1の重量が重くなるに連れて車速の減速度が小さく制動距離が長くなり、また、車両1の重量が軽くなるに連れて車速の減速度が大きく制動距離が短くなる。かかる特性を利用して、ブレーキECU18は、これの有する運転者によるブレーキ操作と車両1の制動状況とが対応付けられたデータベースから車両1の重量を読出又は演算して推定する。
【0026】
次に、ブレーキECU18により実施される衝突被害軽減ブレーキ制御及びブレーキアシスト制御について説明する。
衝突被害軽減ブレーキ制御は、車両1が先行車両や落下物といった車両1の前方のものに衝突するおそれがある場合に、ブレーキを作動させて車両1を制動し減速させるものである。この衝突被害軽減ブレーキ制御は、車間距離や衝突余裕時間(TTC,Time To Collision)に基づいて実施され、例えば、自車両1と先行車両との相対速度や車間距離に基づいて推定される衝突余裕時間が所定時間以下になった場合には、車両1が衝突するおそれがあるため、車両1を制動し減速させる。なお、所定時間とは、自車両1においてブレーキ操作やステアリング操作を行なっても先行車両等への衝突を回避することが困難な時間として予め実験的又は経験的に設定される。これにより、車両1とその前方のものとの衝突による被害を軽減させることができる。なお、衝突被害軽減ブレーキ制御の実施中には、HMI11は車両1の運転者に警報する。
【0027】
また、ブレーキECU18は、衝突被害軽減ブレーキ制御の準備も行なう。
例えば、フルエア式のブレーキ機構を装備する車両1では、エアタンク内の圧縮空気の圧力がホイールブレーキに十分に作用するまでのタイムラグを短縮又は解消するため、車輪に制動力を付与する直前に与圧を与えることにより、衝突被害軽減ブレーキ制御の準備を行なう。これにより、制動力の立ち上がりのタイムラグを短縮又は解消することができる。
或いは、衝突余裕時間の判定に用いる所定時間を安全側に補正して、即ち通常の衝突被害軽減ブレーキの作動閾値である所定時間を長めにすることにより、衝突被害軽減ブレーキ制御の準備を行なう。これにより、より確実に自車両1の衝突被害を軽減させることができる。
【0028】
ブレーキアシスト制御とは、運転者による急ブレーキ操作時等において十分な制動力を確保するものである。つまり、ブレーキアシスト制御は、運転者のブレーキ操作では十分な制動力が確保できない場合にブレーキ操作量を増加するようにアシストするものである。このブレーキアシスト制御は、例えば高車速中にブレーキ操作が継続している場合やブレーキペダルの踏込み速度が所定の踏込み速度以上の場合のブレーキ操作時といった十分な制動力を確保すべき状況において実施される。なお、所定の踏込み速度とは、車両1の平常運転時におけるブレーキペダルの踏込み速度よりも大きく、ブレーキペダルが強く踏込まれる際の速度として予め実験的又は経験的に設定される。
【0029】
ブレーキアシスト制御においてアシストされるブレーキ操作量(アシスト量ともいう)は、車両1と先行車両との車間距離や車両1の重量に応じて補正される。ブレーキECU18は、例えば、車間距離が短くなるに連れてアシスト量を大きく、又、車両1の重量が重くなるに連れてアシスト量は大きくなるようにアシスト量を補正する。これにより、車両1が貨物等を載置していない空車時と同等の制動力を確保することができる。
【0030】
このブレーキECU18は、制御線を介して危険回避支援制御ECU15に接続され、ブレーキECU18により取得された自車両1のブレーキ操作情報は危険回避支援制御ECU15に伝達される。また、ブレーキECU18は、危険回避支援制御ECU15からの制御指示がされて上記のABS制御,衝突被害軽減ブレーキ制御及びブレーキアシスト制御を実施する。
【0031】
ステアリングECU19は、ステアリングにかかる制御を実施する。ここでは、ステアリングECU19により実施されるステアリング制御のうち、ステアリングアシスト制御について説明する。
ステアリングアシスト制御とは、運転者によるステアリング操作をアシストするものである。このステアリングアシスト制御は、例えばステアリングギヤ比の変更やステアリング操作力をアシストすることにより実施される。なお、車両1に電動パワーステアリングが装備されればPWM(Pulse Width Modulation)制御を用いてステアリング操作力をアシストすることができる。
このステアリングECU19は、制御線を介して危険回避支援制御ECU15に接続される。
【0032】
車車間通信装置14は、車両1の周辺における他車両と情報を通信し、通信により他車両の情報を車両1において検出する。この車車間通信装置14には、周辺の他車両と通信するためのアンテナ14aが接続され、通信により検出した他車両の情報を伝達すべく危険回避支援制御ECU15に接続される。
ここで、車両1の車車間通信による通信対象である他車両2の構成を説明する。なお、他車両2は、自車両1の先行車両にも対向車両にもなり得る。
【0033】
図1に示すように、他車両2は、他車両2の位置情報を検出するGPS23と、アンテナ24aに接続され、他車両2の周辺における車両と情報を通信する車車間通信装置24と、図示しないブレーキペダルの操作量を検出するブレーキポジションセンサ25と、他車両2の車速を検出する車速センサ26とを有する。
【0034】
GPS23は、他車両1の位置情報を検出するものであり、その他の構成はGPS13の構成と同様である。このGPS23は車車間通信装置24に接続され、GPS23により検出された他車両1の位置情報は車車間通信装置24に伝達される。
【0035】
ブレーキポジションセンサ25は、ブレーキペダルの操作量θBKを検出するものである。このブレーキポジションセンサ25は車車間通信装置24に接続され、ブレーキポジションセンサ25により検出されたブレーキペダルの操作量θBKの情報(以下、ブレーキ操作情報ともいう)は車車間通信装置24に伝達される。
車速センサ26は、他車両2の車速を検出するものである。その他の車速センサ26の構成は、車速センサ10と同様である。この車速センサ26により検出された車速の情報は、車車間通信装置24に伝達される。
車車間通信装置24には、周辺の車両と通信するためのアンテナ24aが接続される。
【0036】
また、他車両2において車車間通信装置24に伝達される種々の情報は、通信により他車両2の周辺の車両に発信される。車車間通信装置24に伝達される種々の情報としては、上述のように他車両2の位置情報,ブレーキ操作情報及び車速情報が挙げられる。
他車両2は車車間通信装置24を有し、車両1は車車間通信装置14を有することにより、他車両2の種々の情報を車両1に発信することができ、車両1は他車両2の種々の情報を受信(検出)することができる。
【0037】
以下、車両1の構成を説明する。
車車間通信装置14による通信により検出された他車両2にかかる種々の情報は、危険回避支援制御ECU15に伝達される。
危険回避支援制御ECU15は、地図情報データベース16と、車両1の周辺における道路情報を検出する周辺道路情報検出部(周辺道路情報検出手段)17とを有する。
【0038】
地図情報データベース16は、緯度・経度情報と対応付けされた道路データが記録されたものである。この道路データは、カーブ路とその曲率とが対応付けられて記憶され、例えば直線路からカーブ路への変化点,カーブ路から直線路への変化点,交差点等の複数のノードをリンクにより接続して地図を構成したものであって、ノードの座標に対応するリンクの始点と終点との座標,ノード間の距離に対応するリンクの長さを示すリンク長,リンクの道路種別(有料道路等),リンクの車線情報等を記録されたものを用いることができる。
【0039】
この道路データについて、図2に例示される道路を用いて説明する。
図2には、片側一車線が互いに対向する対向二車線の道路Rを示す。この道路Rは、直線道路Rsとカーブ路Rcとから構成されている。
一方の直線道路Rs(図2中左下側)からカーブ路Rcへの変化点を地点P1として示し、カーブ路Rcから他方の直線道路Rs(図2中右上側)への変化点を地点P2として示す。これらの地点P1及びP2は、カーブ路Rcから一方の直線道路Rsへ、他方の直線道路Rsからカーブ路Rcへの変化点でもある。
地図情報データベース16には、地点P1及びP2に例示される地点が記録されている。
【0040】
周辺道路情報検出部17は、GPS13により検出された車両1の位置情報と地図情報データベース16とに基づいて、車両1の周辺における道路情報を検出し、車両1が位置し走行する道路を検出するものである。
【0041】
また、周辺道路情報検出部17は、車両1が走行する道路の前方のカーブ路を検出する。ここで検出されるカーブ路は、一定以上の曲率(一定以下の曲率半径)を有するものを検出する。一定以上の曲率とは、このカーブ路において急ブレーキ操作を行なうと車両の横転又はスリップが発生するカーブ路の曲率の下限値として、予め実験的又は経験的に設定される。なお、このカーブ路の検出は、自車両1から所定前方距離以下のものを検出する。この所定前方距離とは、例えば自車両1の車速や重量等に基づいて自車両1が前方のカーブ路に至るまでに停止することのできる距離として予め設定される。
【0042】
危険回避支援制御ECU15は、これに伝達される種々の情報,周辺道路情報検出部17により検出される自車両1前方のカーブ路の情報に基づいて、危険回避支援にかかる制御を実施する。なお、危険回避支援制御ECU15に伝達される種々の情報とは、他車両2の位置情報やブレーキ操作情報,他車両2の車速情報,自車両1の位置情報やブレーキ操作情報,レーダセンサ12により検出される先行車両(他車両)2の情報等である。
【0043】
詳細には、危険回避支援制御ECU15は、自車両1の前方に他車両2がいることが検出された場合、危険回避支援条件が成立したら、ブレーキECU18及びステアリングECU19の少なくとも何れかにより車両1の運転者による危険回避操作を支援する。
【0044】
自車両1の前方に他車両2がいることは、車車間通信装置14により検出される。この車車間通信装置14は、他車両2が先行車両であっても対向車両であっても検出する。
例えば、危険回避支援制御ECU15は、GPS13により検出された車両1の位置情報と車車間通信装置14により検出された他車両2の位置情報と周辺道路情報検出部17により検出される周辺道路情報とに基づいて、先行車両である他車両2と対向車両である他車両2とを判別して検出することができる。
【0045】
危険回避支援制御ECU15による危険回避支援制御における危険回避支援条件は、少なくとも第1条件を含んでいる。この第1条件は、他車両2において急ブレーキ操作がされていることである。
他車両2において急ブレーキ操作がされていること(第1条件)は、車車間通信装置14により伝達された他車両2のブレーキ操作情報に基づいて、危険回避支援制御ECU15により判定される。
【0046】
危険回避支援制御ECU15は、他車両2のブレーキ操作情報からブレーキペダルの操作量θBKを取得し、このブレーキペダルの操作量θBKが予め設定された急ブレーキ操作量θTH(閾値)よりも大きければ、他車両2において急ブレーキ操作がされていると判定する。なお、急ブレーキ操作量θTHとは、急ブレーキ操作時にブレーキペダルが踏込まれる量として予め実験的又は経験的に設定される。
【0047】
また、危険回避支援条件には、以下の第2条件が含まれている。
第2条件は、走行中の他車両2が自車両1の前方のカーブ路にいることである。
走行中の他車両2が自車両1の前方のカーブ路にいること(第2条件)は、その成否を車車間通信装置14により伝達された他車両2の位置情報に基づいて危険回避支援制御ECU15により判定される。他車両2の位置が自車両1前方のカーブ路上にあれば、第2条件は成立する。
【0048】
危険回避支援制御ECU15は、ブレーキECU18によるブレーキアシスト制御と衝突被害軽減ブレーキ制御と衝突被害軽減ブレーキ制御の準備との少なくとも何れかを実施することにより、或いは、ステアリングECU19によるステアリングアシスト制御を実施することにより車両1の運転者による危険回避操作を支援する。なお、この危険回避操作の支援として、ブレーキECU18によるABS制御等をさらに実施してもよい。これによれば、車両1の運転者による危険回避操作をより確実に支援することができる。
また、危険回避支援制御ECU15は、危険回避支援条件が成立するとHMI11により自車両1の運転者に警報する。
【0049】
[作用・効果]
本発明の一実施形態に係る車両の危険回避支援装置は、上述のように構成される。
以下、図3を用いて危険回避支援制御ECU15による情報の取得ルーチンを説明する。なお、この取得ルーチンは、車車間通信を行なっている際、即ち自車両1の始動中には常時周期的に実施される。
【0050】
ステップS1では、GPS13により検出された自車両1の位置情報を取得する。そして、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、周辺道路情報検出部17により検出された自車両1の周辺道路情報を取得する。そして、ステップS3へ移行する。
【0051】
ステップS3では、車車間通信装置14により検出された他車両2の種々の情報を取得する。そして、リターンする。
なお、この情報取得ルーチンのステップS1〜S3は、自車両1の位置情報,周辺道路情報及び他車両2の情報が取得することができればよいため、順不同に行なってもよい。
【0052】
次に、図4を用いて危険回避支援制御ECU15による他車両2の判定フローを説明する。なお、この制御フローは、自車両1の走行中に周期的に行なわれる。
ステップS10では、自車両1の前方に他車両2がいるか否かを判定する。自車両1の前方に他車両2がいればステップS20へ移行し、自車両1の前方に他車両2がいなければ本制御周期を終了(エンド)する。
【0053】
ステップS20では、他車両2は先行車両であるか対向車両であるかを判定する。他車両2は先行車両であればステップS100へ移行し、他車両2は対向車両であればステップS200へ移行する。
ステップS100では、第1危険回避支援制御を実施する。そして本制御周期を終了(エンド)する。
また、ステップS200では、第2危険回避支援制御を実施する。そして本制御周期を終了(エンド)する。
【0054】
次に、上記のステップS100において実施される第1危険回避支援制御について、図5を用いて説明する。この第1危険回避支援制御が開始(スタート)されると、ステップS110へ移行する。
【0055】
ステップS110では、先行車両である他車両2のブレーキ操作量θBKが急ブレーキ操作量θTHよりも大きいか否かを判定する。ブレーキ操作量θBKが急ブレーキ操作量θTHよりも大きければステップS120へ移行し、ブレーキ操作量θBKが急ブレーキ操作量θTH以下であればリターンする。
ステップS120では、自車両1においてブレーキ操作がされているかを判定する。ブレーキ操作がされていればステップS130へ移行し、ブレーキ操作がされていなければステップS150へ移行する。
【0056】
ステップS130では、ブレーキECU18よるブレーキアシスト制御を実施する。そしてリターンする。
また、ステップS150では、HMI11により自車両1の運転者に衝突(追突)するおそれがあることを警報する。そして、ステップS160へ移行する。
【0057】
ステップS160では、衝突被害軽減ブレーキ制御を準備する。衝突被害軽減ブレーキ制御は、車両1が衝突するおそれがあれば実施されるが、本ステップでは、例えば、一般に大型バスやトラック等のフルエアブレーキを搭載した車両では、エアタンク内の圧縮空気の圧力がホイールブレーキに十分に作用するまでに若干のタイムラグが生じてしまうため、車輪に制動力を付与する直前に予圧を与えることで、制動力の立ち上がりの遅れを解消する。或いは、衝突余裕時間の判定に用いる所定時間等を安全側に補正して、即ち通常の衝突被害軽減ブレーキの作動閾値である所定時間を長めにして、より確実に自車両1の衝突被害を軽減させるように衝突被害軽減ブレーキ制御の準備を行なってもよい。そしてリターンする。
【0058】
また、上記のステップS200において実施される第2危険回避支援制御について、図6を用いて説明する。この第2危険回避支援制御が開始(スタート)されると、ステップS210へ移行する。
ステップS210では、自車両1の前方にカーブ路があるか否かを判定する。前方にカーブ路があればステップS220へ移行し、カーブ路がなければリターンする。
【0059】
ステップS220では、このカーブ路に対向車両としての他車両2がいるか否かを判定する。カーブ路に対向車両がいればステップS230へ移行し、カーブ路に対向車両がいなければリターンする。
【0060】
ステップS230では、対向車両である他車両2のブレーキ操作量θBKが急ブレーキ操作量θTHよりも大きいか否かを判定する。ブレーキ操作量θBKが急ブレーキ操作量θTHよりも大きければステップS240へ移行し、ブレーキ操作量θBKが急ブレーキ操作量θTH以下であればリターンする。
ステップS240では、HMI11により自車両1の運転者に対向車両である他車両2が横転又はスリップして衝突するおそれがあることを警報する。そして、ステップS250へ移行する。
【0061】
ステップS250では、ステアリングECU19よりステアリングギヤ比の変更等を行なってステアリングアシスト制御を実施する。そしてステップS260へ移行する。
ステップS260では、自車両1においてブレーキ操作がされているかを判定する。ブレーキ操作がされていればステップS270へ移行し、ブレーキ操作がされていなければリターンする。
ステップS270では、ブレーキECU18よるブレーキアシスト制御を実施する。そしてリターンする。
【0062】
なお、上述のフローでは、対向車両よりも優先して先行車両に対する第1危険回避支援制御を実施するものを示すが、これは、対向車両の横転又はスリップが発生すれば自車両にもその先行車両にも対向車両と衝突するおそれがあり、一方、先行車両の横転又はスリップが発生しても自車両と対向車両とが衝突するおそれはない。このため、対向車両よりも優先して先行車両に対して危険回避制御を実施することとしている。
【0063】
したがって、本発明の車両の危険回避支援装置によれば、車車間通信装置14により他車両のブレーキ操作情報を取得し、車車間通信装置14により車両1の前方に他車両2がいることが検出された場合、少なくとも他車両2において急ブレーキ操作がされていることを含む危険回避支援条件が成立したら、ブレーキECU18及びステアリングECU19の少なくとも何れかにより車両1の運転者による危険回避操作を支援する危険回避支援制御ECU15を備えるため、早期に車両1前方の他車両2における急ブレーキ操作を検出し、自車両1の運転者による危険回避操作を支援することができる。また、急ブレーキ操作の後に他車両2の横転やスリップが発生しうるが、早期に急ブレーキ操作を検出することができるため、衝突にかかる危険を抑制することができる。
【0064】
また、危険回避支援条件は、他車両2が車両1前方のカーブ路にいることを含むため、カーブ路において急ブレーキ操作をしている他車両2を検出することにより、車両1前方において他車両2が横転やスリップの蓋然性が高いことを確実に特定することができ、他車両2の走行状況に応じて適切な状況下で車両1の運転者による危険回避操作を支援することができる。
【0065】
また、ブレーキアシストECU18によるブレーキアシスト制御では、車両1の運転者が危険回避操作としてブレーキ操作を行なう場合にブレーキ操作をアシストするため、運転者によるブレーキ操作量が不足している場合であっても適切に車両1を制動することができる。
また、ブレーキアシストECU18は、車両1の重量又は車両1と他車両2との車間距離に応じてブレーキ操作のアシスト量を補正するため、車両1の重量や走行状況に応じて適切に車両1を制動することができる。
【0066】
また、ステアリングアシストECU19によるステアリングアシスト制御では、車両1の運転者が危険回避操作としてステアリング操作を行なう場合にステアリング操作をアシストするため、適切に車両を操舵することができる。
【0067】
図2に示す例では、自車両1の前方に先行車両として他車両2’と、自車両1の前方のカーブ路Rcに対向車両として他車両2’’がいるものを示す。なお、先行車両として他車両2’は直線道路Rs上にいる。
他車両2’において急ブレーキ操作がされている場合には、自車両1は他車両2に追突するおそれがあるが、危険回避支援制御ECU15は車両1の運転者によるブレーキ操作をアシストするため、運転者によるブレーキ操作量が不足している場合であっても適切に車両1を制動することができる。
【0068】
他車両2’’において急ブレーキ操作がされている場合には、他車両2’’が横転又はスリップして自車両1に衝突するおそれがあるが、危険回避支援制御ECU15は車両1の運転者によるステアリング操作をアシストし、ブレーキ操作があればこのブレーキ操作をアシストするため、適切に車両を操舵し、適切に車両1を制動することができる。
【0069】
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0070】
上述の実施形態では、車両前方のカーブ路上に対向車両が急ブレーキ操作をしている場合に、車両の運転者による危険回避操作を支援するものを示したが、これに限らず、急ブレーキ操作をしている対向車両が車両前方の直線道路等の道路上にいれば、車両の運転者による危険回避操作を支援してもよい。
【0071】
また、対向車両よりも優先して先行車両に対する第1危険回避支援制御を実施するものを示したが、第1危険回避支援制御及び第2危険回避支援制御を並列して実施してもよい。これによれば、自車両と先行車両との間に横転又はスリップした対向車両がいる場合に、自車両の運転者による危険回避操作を支援することができ、種々の状況に応じて衝突にかかる危険を抑制することができる。
【0072】
また、危険回避制御条件として、第1条件及び第2条件の他に条件を加えてもよく、かかる条件としては、例えば他車両の車速がカーブ路において車線のはみ出し又は横転のおそれのある車速以上であること等が挙げられる。これによれば、より確実に衝突にかかる危険を抑制することができる。
【0073】
また、他車両における急ブレーキ操作を、他車両におけるブレーキペダルの操作量に基づいて検出するものを示したが、これに加えて又は替えて、他車両におけるブレーキペダルの踏込み速度に基づいて他車両における急ブレーキ操作を検出してもよい。この場合、ブレーキペダルの踏込み速度の閾値を設定し、検出した又は算出した踏込み速度の値がこの閾値を超えたら急ブレーキ操作がされたものと判定する。なお、この踏込み速度の閾値は、平常運転時におけるブレーキペダルの踏込み速度よりも大きく、ブレーキペダルが強く踏込まれる際の速度を予め経験的又は実験的に設定されたものを用いることができる。
【0074】
ブレーキペダルの操作量と踏込み速度とを共用する場合、両者の何れかが各閾値を超えたら急ブレーキ操作ありと判定するか、又は、両者の何れも各閾値を超えたら急ブレーキ操作ありと判定する。前者の場合には各閾値は高めに設定し、後者の場合には各閾値を低めに設定する。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の車両の走行制御装置は、トラック又はバスといった大型又は中型の自動車のみならず乗用車等の小型自動車にも適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 自車両
2 他車両
10 車速センサ
11 HMI
12 レーダセンサ
13 GPS(自車位置情報検出手段)
14 車車間通信装置(他車両情報検出手段)
15 危険回避支援制御ECU(危険回避支援制御手段)
16 地図情報データベース
17 周辺道路情報検出(周辺道路情報検出手段)
18 ブレーキECU(ブレーキアシスト手段,危険回避支援手段)
19 ステアリングECU(ステアリングアシスト手段,危険回避支援手段)
23 GPS
24 車車間通信装置
25 ブレーキポジションセンサ
26 車速センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置情報を検出する自車位置情報検出手段と、
前記車両の周辺における他車両の情報を通信により検出する他車両情報検出手段と、
前記車両の運転者による危険回避操作を支援する危険回避支援手段と、を備え、
前記他車両情報検出手段により検出される前記他車両の情報には、前記他車両の位置情報と、前記他車両のブレーキ操作情報とが含まれ、
前記自車位置情報検出手段及び前記他車両情報検出手段からの情報に基づいて、前記車両の前方に前記他車両がいることが検出された場合、少なくとも前記他車両において急ブレーキ操作がされていることを含む危険回避支援条件が成立したら、前記危険回避支援手段により危険回避操作を支援する危険回避支援制御手段を備える
ことを特徴とする、車両の危険回避支援装置。
【請求項2】
前記車両の周辺における道路の情報を検出する周辺道路情報検出手段を備え、
前記周辺道路情報検出手段は、前記車両の前方のカーブ路を検出し、
前記危険回避支援条件は、前記他車両が前記車両の前方のカーブ路にいることを含む
ことを特徴とする、請求項1記載の車両の危険回避支援装置。
【請求項3】
前記危険回避支援手段は、前記車両の運転者によるブレーキ操作をアシストするブレーキアシスト手段を含む
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両の危険回避支援装置。
【請求項4】
前記ブレーキアシスト手段は、前記車両の重量又は前記車両と前記他車両との車間距離に応じて、前記車両の運転者によるブレーキ操作のアシスト量を補正する
ことを特徴とする、請求項3記載の車両の危険回避支援装置。
【請求項5】
前記危険回避支援手段は、前記車両の運転者によるステアリング操作をアシストするステアリングアシスト手段を含む
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の危険回避支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−82382(P2013−82382A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224790(P2011−224790)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】