車両の後部車体構造
【課題】 比較的簡単な構成で、車両後方から加わる大きな荷重により車両が大きく変形した場合にも、スペアタイヤの離脱及び前進をより好適に防止し得る後部車体構造を提供する。
【解決手段】 車両の後部荷室にてスペアタイヤをほぼ水平に収納するように構成された車両の後部車体構造において、該後部荷室の床面をなすフロアパネルに、上記スペアタイヤを固定して保持するためのタイヤ受け部を形成するとともに、該フロアパネルの下面側には、少なくとも該タイヤ受け部に対するスペアタイヤの固定部位からスペアタイヤの後端部までの範囲に対応して車両の前後方向に延びる補強部材を取り付ける。補強部材は、車幅方向において上記スペアタイヤの略中心に対応する部位に位置するとともに、車両前後方向において水平に対して前方上向きに傾斜するように配設する。更に、上記フロアパネルを介してスペアタイヤと補強部材とを連結する連結手段を設ける。
【解決手段】 車両の後部荷室にてスペアタイヤをほぼ水平に収納するように構成された車両の後部車体構造において、該後部荷室の床面をなすフロアパネルに、上記スペアタイヤを固定して保持するためのタイヤ受け部を形成するとともに、該フロアパネルの下面側には、少なくとも該タイヤ受け部に対するスペアタイヤの固定部位からスペアタイヤの後端部までの範囲に対応して車両の前後方向に延びる補強部材を取り付ける。補強部材は、車幅方向において上記スペアタイヤの略中心に対応する部位に位置するとともに、車両前後方向において水平に対して前方上向きに傾斜するように配設する。更に、上記フロアパネルを介してスペアタイヤと補強部材とを連結する連結手段を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、後部荷室においてスペアタイヤが格納されるように構成された車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、後部荷室においてスペアタイヤが格納されるように構成された車両の後部車体構造としては、後突荷重などの後方からの大きな荷重を受けた場合に、シートが設置されたエリアへのスペアタイヤの進入を回避すべく、スペアタイヤの離脱を防止し得るものが種々提案されている。例えば特開平１１−１１３５９号公報には、スペアタイヤパンの下面に沿って、車両の前後方向に延びる荷重伝達部材を設け、該荷重伝達部材の前方に取り付けられたフランジによりスペアタイヤを固定する後部車体構造が開示されている。
【０００３】
【特許文献１】特開平１１−１１３５９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記特許文献１に開示される後部車体構造では、フロアパネルの下面に沿って延びる荷重伝達部材の後端に取り付けられたけん引フックに入力された後突荷重が、荷重伝達部材によりスペアタイヤのホイール部に伝達されることにより、スペアタイヤが、その前端がタイヤパンの前端の側壁に接触するまで前方へ移動するに伴い発生する反力を利用し、スペアタイヤを立ち上げるようにして、スペアタイヤの離脱を回避しつつ、車両の前方に後突荷重を伝達しないようにする。ところで、かかる荷重伝達部材がスペアタイヤの車幅方向中心からずれていると、後突荷重が加わった場合にも、荷重伝達部材はスペアタイヤの中心に対応する部位を最も高く上昇させる効果が得られず、また、スペアタイヤには車幅方向において荷重伝達部材が設けられた側で持ち上げられるモーメントが加わるため、その分、荷重伝達部材が促進するスペアタイヤを車両前後方向において前方上向きに傾斜させるモーメントが減少することとなる。このため、スペアタイヤの前端部を最も上昇させるために、荷重伝達部材を改良する余地があった。
【０００５】
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、比較的簡単な構成で車両後方から大きな荷重が加わるに伴い車両が大きく変形した場合にも、スペアタイヤの離脱及び前方への移動をより好適に防止し得る後部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
そこで、本願の請求項１に係る発明は、車両の後部荷室にてスペアタイヤをほぼ水平に収納するように構成された車両の後部車体構造において、上記後部荷室の床面をなすフロアパネルに、上記スペアタイヤを固定して保持するためのタイヤ受け部が形成されるとともに、該フロアパネルの下面側には、少なくとも該タイヤ受け部に対するスペアタイヤの固定部位からスペアタイヤの後端部までの範囲に対応して車両の前後方向に延びる補強部材が取り付けられており、上記補強部材は、車幅方向において上記スペアタイヤの略中心に対応する部位に位置するとともに、車両前後方向において水平に対して前方上向きに傾斜するように配設され、更に、上記フロアパネルを介してスペアタイヤと補強部材とを連結する連結手段が設けられていることを特徴としたものである。
【０００７】
また、本願の請求項２に係る発明は、請求項１に係る発明において、上記連結手段は、上記スペアタイヤをタイヤ受け部内に取り外し可能に固定するための連結部材であり、該連結部材は、上記フロアパネルの下面側に突出して、上記補強部材に対して直接に連結されることを特徴としたものである。
【０００８】
更に、本願の請求項３に係る発明は、請求項１に係る発明において、上記連結手段は、上記フロアパネルの上面側にスペアタイヤの固定部位に対応して配置されるブラケットと、該ブラケットに対してスペアタイヤを取り外し可能に固定する第１の連結部材と、上記フロアパネルを介してブラケットと上記補強部材とを連結する第２の連結部材とを備えていることを特徴としたものである。
【０００９】
また、更に、本願の請求項４に係る発明は、請求項３に係る発明において、上記第２の連結部材は、上記補強部材とブラケットの前部とを連結することを特徴としたものである。
【００１０】
また、更に、本願の請求項５に係る発明は、請求項１に係る発明において、上記連結手段は、上記スペアタイヤと補強部材とを車両上下方向において挟み込む部材を備えていることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【００１１】
本願の請求項１に係る発明によれば、後方衝突時など、車両後方から荷重が加わり、タイヤ受け部が前方へ大きく変形する場合にも、補強部材とスペアタイヤとが連結手段により堅固に連結された状態で、補強部材が、スペアタイヤ受け部を、スペアタイヤの車幅方向中心に対応する部位で最も高く上昇させるように作用する。これにより、スペアタイヤの補強部材に対する前方移動が一層確実に防止され、また、スペアタイヤの前端部が上方へ最大限に移動させられるよう傾斜が促進されることになるので、スペアタイヤの車室前方への進入を抑制することができる。
【００１２】
また、本願の請求項２に係る発明によれば、上記スペアタイヤと補強部材とを、１つの連結部材により、フロアパネルに対して固定しつつ、フロアパネルを介して互いに連結することで、スペアタイヤの離脱を防止することができる。更に、この場合には、スペアタイヤを締結固定するためのブラケットが必要なく、部品点数を削減することができる。
【００１３】
更に、本願の請求項３に係る発明によれば、上記スペアタイヤと補強部材とを、ブラケット，第１及び第２の連結部材により、フロアパネルに対して固定しつつ、フロアパネルを介して互いに連結することで、スペアタイヤの離脱を防止することができる。また、この場合には、ブラケット及び補強部材がフロアパネルに常時固定される部材であるため、第２の連結部材がフロアパネルに貫通する部分での防水対策が実行可能である。
【００１４】
また、更に、本願の請求項４に係る発明によれば、後方衝突時に補強部材からブラケットを介してスペアタイヤに伝達される荷重がブラケットを引っ張る方向に作用するため、ブラケットの強度を高めることなく連結強度を高めることができる。
【００１５】
また、更に、本願の請求項５に係る発明によれば、例えば補強部材がフロアパネルに溶接されるのみの形態に比べて、溶接部分の剥離方向や揃断方向に対する接合強度に依らず、安定してスペアタイヤと補強部材との間の連結強度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
実施形態１．
図１は、スペアタイヤが収納されるように構成された後部車体構造を車両後方から見た図である。この車両１では、後部シート２の後側に、車両後方に向かって開口する後部荷室４が規定されている。後部荷室４の開口３は、伸縮可能なダンパー２９を含む各種の部材を介して該開口３の縁部近傍に取り付けられたリフトゲート（不図示）により、開閉自在に覆われる。開口３の下方には、リヤバンパー１４が、車両１の最も後方側に位置しつつ、車幅方向に延びるように設けられている。また、後部荷室４は、その下側で、取外し可能なフロアボード７により仕切られ、該フロアボード７の下方側には、スペアタイヤ５用の収納スペース６（図２及び３参照）が構成されている。
【００１７】
図２は、フロアボード７が取り外され、スペアタイヤ５が収納された状態にある収納スペース６、図３は、更に、スペアタイヤ５が取り外された状態にある収納スペース６を車両側方から見た図である。収納スペース６は、車両１の後方側において、後部荷室４の開口３の周縁部をなすリヤエンドパネル１２（図５参照）の内壁部１２Ａにより規定され、車両１の前方側において、車幅方向に延びるクロスメンバ１８により規定されている。フロアボード７が取り外された状態では、後部車室４を含む車室の床面をなすフロアパネル１０がその後端側で露出する。このフロアパネル１０には、スペアタイヤ５を受け入れる凹状のスペアタイヤパン（以下、タイヤパンという）９が形成され、そのタイヤパン９の中央には、スペアタイヤ５を締結固定するためのブラケット１１が溶接により取り付けられている。このブラケット１１は、車両前後方向における断面が縁付き帽子状をなすもので、その上段部分及び下段部分には、それぞれ、ボルトを挿通させるボルト挿通孔１１ａ及び１１ｂが形成されている。そして、上段部分の下面側には、ボルト挿通孔１１ａに対応して、ナット３２（図５参照）が溶接されている。
【００１８】
また、本実施形態１では、フロアパネル１０の下面側に、タイヤパン９に対応して、車両１の前後方向に延びる補強部材（以下、レインフォースメントという）２０が取り付けられている。このレインフォースメント２０は、その前端側で、タイヤパン９に対するスペアタイヤ５の固定部位、すなわちブラケット１１が設けられる部位に対応して位置する一方、その後端側で、フロアパネル１０の後方に構成されるリヤエンドパネル１２（図５参照）から所定間隔離間して位置するように取り付けられている。レインフォースメント２０がフロアパネル１０に対して取り付けられる態様については、図５を参照して詳細に説明する。
【００１９】
図４は、レインフォースメント２０の斜視図である。このレインフォースメント２０は、車両１の前後方向に沿って、図中左下の端部が前方に向く一方、図中右上の端部が後方に向くように取り付けられるもので、車幅方向における断面が略コ字状をなすように形成された本体２１と、該本体２１の上端部から車幅方向外方に延びるフランジ２３と、を有している。本体２１には、一対のボルト挿通孔２１ａが車両前後方向において隔てられ形成されている。フランジ２３は、フロアパネル１０の下面に対向する部分で、フロアパネル１０に対して溶接され、これにより、レインフォースメント２０がフロアパネル１０に取り付けられる。なお、本実施形態において、レインフォースメント２０は金属プレート材から製作され、本体２１の車幅方向及び上下方向における寸法は、それぞれ、９０ミリメートル及び１２ミリメートルに設定されている。また、本体２１及びフランジ２３の肉厚は、約１．０〜１．４ミリメートルである。
【００２０】
図５は、レインフォースメント２０がフロアパネル１０に取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。図中の左側が車両前側に対応し、右側が車両後側に対応する。図５に示す状態では、後部荷室４の床面をなすフロアボード７の下側に形成された収納スペース６において、ホイール５Ａとタイヤ５Ｂとからなるスペアタイヤ５が、タイヤパン９内に位置決めされ、ボルト３０がホイール５Ａ及び押さえ板３４を介しつつブラケット１１の上段部下面側に溶接されたナット３２に螺合させられることで、フロアパネル１０に対して締め付けられるように固定されている。図６は、ブラケット１１に対するスペアタイヤ５の締結固定部分を拡大して示す、図５中のＸ−Ｘ線に沿った（すなわちボルト３０を通過しつつ車幅方向に広がる平面で切断された）縦断面説明図であり、この図から、スペアタイヤ５がブラケット１１に対して締結固定される状態がよく分かる。
【００２１】
また、図５を参照すれば分かるように、本実施形態では、フロアパネル１０が、車両前後方向において、前方上向きに傾斜するように構成されており、そのフロアパネル１０の下面側に取り付けられたレインフォースメント２０は、同様に、前方上向きに傾斜している。図５中の符号Ｓを付した破線は、水平線をあらわす。そして、レインフォースメント２０の後端部は、リヤエンドパネル１２の縦壁部１２Ｂから所定間隔離間して位置している。
【００２２】
更に、収納スペース６の後方には、後部荷室４の開口３の周縁部をなしつつ該収納スペース６を規定する内壁部１２Ａと、該内壁部１２Ａと一体的に成形され、該内壁部１２Ａの後方側に位置する縦壁部１２Ｂとからなるリヤエンドパネル１２が構成されている。リヤエンドパネル１２の内壁部１２Ａは、タイヤパン９の上端部近傍まで下方に延び、他方、縦壁部１２Ｂは、内壁部１２Ａより後方にて、内壁部１２Ａに対向し、更に、タイヤパン９やレインフォースメント２０が存在する領域に対応するように下方へ延びている。また、リヤエンドパネル１２の後方側には、車幅方向に延びるバンパーレインフォースメント１３が取り付けられている。更に、車幅方向に延び、バンパーレインフォースメント１３をその後方から取り囲むリヤバンパー１４が車両１の最も後方側に位置するように取り付けられている。
【００２３】
また、更に、収納スペース６を構成するフロアパネル１０の下方には、エンジン排気系を構成する断面略円形のサイレンサ１６が車幅方向に延びるように配設されている。そして、収納スペース６内に収納されるスペアタイヤ５等の収納物に対するサイレンサ１６からの放熱の影響を抑制すべく、レインフォースメント２０の下面側には、サイレンサ１６をその上方側で囲うような形状をなすインシュレータ１５が取り付けられている。インシュレータ１５は、レインフォースメント２０の下面側にて、ボルト３６及び３７により締結固定されている。
【００２４】
前述したように、スペアタイヤ５が締結固定されるブラケット１１がフロアパネル１０の上面側に溶接により取り付けられる一方、レインフォースメント２０がフロアパネル１０の下面側に溶接により取り付けられるが、本実施形態１では、更に、ブラケット１１とレインフォースメント２０とが、フロアパネル１０を貫通するボルト３６により、フロアパネル１０に対して固定され、フロアパネル１０を介して連結されるようになっている。ブラケット１１にはスペアタイヤ５がボルト３０により締結固定されるため、これにより、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０とが、ブラケット１１及びボルト３０，３６を用いて、フロアパネル１０を介して連結されることとなる。引き続き、図７を参照して、フロアパネル１０を介したブラケット１１とレインフォースメント２０との連結構造について説明する。
【００２５】
図７は、ブラケット１１とレインフォースメントとの連結部分を示す、図５中のＹ−Ｙ線に沿った（すなわちボルト３６を通過しつつ車幅方向に広がる平面で切断された）縦断面説明図である。この図から分かるように、ボルト３６が、互いに位置合わせされたブラケット１１におけるボルト挿通孔１１ｂ，フロアパネル１０におけるボルト挿通孔１０ａ，レインフォースメント２０におけるボルト挿通孔２１ａ，インシュレータ１５におけるボルト挿通孔１５ａに対して、フロアパネル１０の下面側から挿通させられた上で、ブラケット１１の下段部上面側に位置するナット３８に螺合させられ、これにより、ブラケット１１とレインフォースメント２０とがフロアパネル１０に対して締め付けられるように固定され、フロアパネル１０を介して互いに連結されることとなる。
【００２６】
また、かかる作用と合わせて、ボルト３６は、ボルト３７（図５参照）と同様に、レインフォースメント２０に対してインシュレータ１５を締結固定する。なお、特に図示しないが、ボルト３７は、車両前後方向における後方側のボルト挿通孔２１ａに挿通させられた上で、そのボルト挿通孔２１ａに対応してレインフォースメント２０の本体２１の上面側に配置されたナットに螺合させられ、これにより、車両前後方向における後方側で、レインフォースメント２０に対してインシュレータ１５を締結固定する。
【００２７】
かかる後部車体構造によれば、車両後方から荷重が加わり、バンパー１４，バンパーレインフォースメント１３及びリヤエンドパネル１２が前方へ大きく変形するに伴い、タイヤパン９が車両前方へ付勢され変形する場合にも、車両前後方向におけるタイヤパン９の剛性が、レインフォースメント２０が取り付けられたスペアタイヤ５の固定部位から後端部までの範囲で十分に確保されるため、タイヤパン９の変形に伴うスペアタイヤ５の離脱を防止することができる。更に、本実施形態では、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０とが、ブラケット１１及びボルト３０，３６により、フロアパネル１０に対して固定されつつ、フロアパネル１０を介して連結されるため、スペアタイヤ５の離脱を一層確実に防止することができる。また、この場合には、ボルト３６が、ブラケット１１及びインシュレータ１５の両方を固定するものであるため、部品点数や組付け工数の低減が可能である。
【００２８】
また、その上、レインフォースメント２０が、フロアパネル１０に対して、前方上向き（後方下向き）に傾斜するように、また、その後端側で、フロアパネル１０の後方に構成されるリヤエンドパネル１２の縦壁部１２Ｂから所定間隔離間して位置するように取り付けられているため、車両後方から荷重が加わるに伴い、リヤエンドパネル１２の縦壁部１２Ｂが、レインフォースメント２０の後端側に付勢されると、レインフォースメント２０には、その傾斜によって、該レインフォースメント２０の前端部が上方へ移動させられるような回転モーメントがもたらされることとなる。そして、レインフォースメント２０が取り付けられたフロアパネル１０にも同様の回転モーメントがもたらされ、かかる回転モーメントにより、レインフォースメント２０及びタイヤパン９が回転させられる。これにより、タイヤパン９内に固定されたスペアタイヤ５がその前端部が上方へ移動させられるように回転させられ、その結果、スペアタイヤ５は、後部シート２が配置されたエリアに進入することなく、後部荷室４内で効率的に回転し傾斜することができる。更に、この場合には、レインフォースメント２０が、車幅方向においてスペアタイヤ５の略中心に対応する部位に位置するように配設されることからも、タイヤパン９は、スペアタイヤ５の車幅方向中心に対応する部位で最も高く上昇させられ、これにより、スペアタイヤ５のレインフォースメント２０に対する前方移動が一層確実に防止され、また、スペアタイヤ５の前端部が上方へ最大限に移動させられるよう傾斜が促進されることになるため、スペアタイヤ５の車室前方への進入をより確実に抑制することができる。
【００２９】
実施形態２．
以下、上記実施形態１と異なる実施形態２について説明する。なお、以下では、上記実施形態１における場合と同じ構成については同一の符号を付し、それ以上の説明を省略する。図８は、本実施形態２に係るレインフォースメント２０’の斜視図である。このレインフォースメントの本体２１には、インシュレータ１５をレインフォースメント２０’の下面側に固定するためのボルト３６及び３７を挿通させるボルト挿通孔２１ａに加え、スペアタイヤ５を固定するためのボルト（不図示）を挿通させる挿通孔２１ｂが形成されている。レインフォースメント２０’は、上記実施形態１における場合と同様に、フランジ２３がフロアパネル１０に溶接されることにより、フロアパネル１０に取り付けられる。
【００３０】
図９は、レインフォースメント２０’がフロアパネル１０に取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。この図から分かるように、本実施形態２では、スペアタイヤ５を締結固定するためのブラケットが採用されず、フロアパネル１０の上面側及び下面側におけるスペアタイヤ５及びレインフォースメント２０’が、フロアパネル１０を貫通するボルト４０により、フロアパネル１０に対して固定されつつ、フロアパネル１０を介して互いに連結されるようになっている。また、図１０は、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０’との連結部分を拡大して示す、ボルト４０を通過しつつ車幅方向に広がる平面で切断されてなる縦断面説明図である。この図から分かるように、ボルト４０は、ホイール５Ａ及び押さえ板３４を介して、互いに位置合わせされたフロアパネル１０におけるボルト挿通孔１０ｂ，レインフォースメント２０’におけるボルト挿通孔２１ｂ，インシュレータ１５におけるボルト挿通孔１５ｂに対して、フロアパネル１０の上面側から挿通させられた上で、インシュレータ１５の下面側に配置されたナット４２に螺合させられる。これにより、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０’とが、フロアパネル１０に対して締め付けられるように固定されつつ、フロアパネル１０を介して互いに連結される。
【００３１】
なお、特に図示しないが、この実施形態２において、インシュレータ１５を締結固定するためのボルト３６は、車両前後方向における後方側のボルト挿通孔２１ａに対応したボルト３７と同様に、車両前後方向における前方側のボルト挿通孔２１ａに挿通させられた上で、そのボルト挿通孔２１ａに対応してレインフォースメント２０の本体２１の上面側に配置されたナットに螺合させられるもので、フロアパネル１０の上面側に貫通するものでない。
【００３２】
かかる後部車体構造によれば、レインフォースメント２０’がフロアパネル１０の下面側に溶接のみで取り付けられる場合に比べて、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０’との間の連結強度を向上させることができ、更に、その上、スペアタイヤ５を締結固定するためのブラケットが必要なく、部品点数を削減することができる。
【００３３】
なお、本発明は、例示された実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
前述した実施形態では、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０，２０’とをフロアパネル１０に対して固定しつつ、フロアパネル１０を介して互いに連結するために、ブラケット１１，ボルト３０，３６，４０及びナット３２，３８，４２が用いられたが、これに限定されることなく、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０，２０’とをフロアパネル１０に対して固定しつつ、フロアパネル１０を介して互いに連結し得るものであれば、ブラケット１１又はスペアタイヤ５とレインフォースメント２０，２０’とを車両上下方向において挟み込む部材若しくはフックやリベット等、いかなる手段を用いてもよい。
【００３４】
例えば、前述した実施形態１において、スペアタイヤ５とブラケット１１とを連結するには、ボルト３０及びナット３２の代わりに、フック及び該フックを受ける構造を備えたブラケットを用いるようにしてもよい。図１１は、かかるフック及びブラケットの一例を示す斜視図である。ここでは、フック５０が、雄ネジの切られた軸部５１と、該軸部５１の先端側で軸部５１に対して直交するように取り付けられた係合部５２とから構成される略Ｔ字形状の部材であり、軸部５１に対しては、押さえ板３４を介してナットねじ５３が取り付けられる。また、かかるフック５０に対応して、ブラケット６０の上段部分には、フック５０をその係合部５２から挿通させる長孔６１ａが形成されている。なお、ブラケット６０の下段部分には、前述したブラケット１１のボルト挿通孔１１ｂに対応するボルト挿通孔６１ｂが形成されている。更に、ブラケット６０の上段部分には、その裏面側に、車幅方向に沿って延びる係止溝６２が形成されている。この係止溝６２は、スペアタイヤ５とブラケット６０とを連結するに際して、長孔６１ａに挿通させられた後に軸部５１を中心として９０度回転させられた係合部５２を受け入れ係止させるべく形成されたものである。係合部５２が係止溝６２に対して係止させられた状態で、ナットねじ５３を締め付けることにより、スペアタイヤ５がブラケット６０に対して取り付けられる。図１２には、かかるフック５０及びナットねじ５３を通過し車幅方向に広がる平面で切断した縦断面を示す。この図から、フック５０の係合部５２が、車幅方向に沿って形成された係止溝６２に対して受け入れられ係止させられることが分かる。かかるフック５０，ナットねじ５３及びブラケット６０を用いた場合には、係合部５０が車幅方向に延びつつブラケット６０の係止溝６２に係止されることで、上記実施形態１における場合に比べて、スペアタイヤ５をブラケット６０に対してより堅固に連結されることとなり、スペアタイヤ５の離脱をより確実に防止することができる。
【００３５】
また、前述した実施形態１において、ブラケット１１とレインフォースメント２０とを連結するには、ボルト３６及びナット３８の代わりに、リベットを用いるようにしてもよい。図１３は、リベットを用いて連結されたブラケット１１及びレインフォースメント２０を示す縦断面説明図である。リベット７０は、レインフォースメント２０の下面側から挿通させられ、ブラケット１１の下段部分の上面側に突出した先端部７２を変形させることで、リベット７０の抜けが防止され、ブラケット１１とレインフォースメント２０とが連結される。かかるリベット７０を用いた場合には、リベット７０の変形によりブラケット１１とレインフォースメント２０とが連結されるので締結力が必要でなく、また、部品点数が少ない利点がある。また、緩みが発生せず高い安全性を確保することができる。
【００３６】
更に、前述した実施形態では、レインフォースメントが、その前端側で、ブラケット１１に対応する部位まで延びるように設けられたが、これに限定されることなく、例えば、車両１の前後方向において、ブラケット１１に対応しつつタイヤパン９の直径にわたり延びるように設けられてもよい。
【００３７】
また、更に、前述した実施形態では、レインフォースメントを前方上向きに傾斜させるために、フロアパネルが予め傾斜するように構成されたが、これに限定されることなく、例えば、水平に設定されたフロアパネルに、車両の前後方向において厚さの異なる部材を介在させつつレインフォースメントを取り付けることにより、レインフォースメント本体を傾斜させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】スペアタイヤが収納されるように構成された後部車体構造を車両後方から見た図である。
【図２】スペアタイヤが収納されるように構成された後部車体構造を車両側方から見た図である。
【図３】スペアタイヤを取り外した状態にある後部車体構造を車両側方から見た図である。
【図４】本発明の実施形態１に係るレインフォースメントの斜視図である。
【図５】上記実施形態１に係るレインフォースメントが取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。
【図６】図５中のＸ−Ｘ線に沿った縦断面説明図である。
【図７】図５中のＹ−Ｙ線に沿った縦断面説明図である。
【図８】本発明の実施形態２に係るレインフォースメントの斜視図である。
【図９】上記実施形態２に係るレインフォースメントが取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。
【図１０】上記実施形態２に係るレインフォースメントが取り付けられた後部車体構造についての、図７に対応した縦断面説明図である。
【図１１】スペアタイヤとブラケットを連結するためのフック及びそれを受ける構造を備えたブラケットを示す斜視図である。
【図１２】上記フックを通過し車幅方向に広がる平面で切断した縦断面説明図である。
【図１３】リベットを用いて連結されたブラケット及びレインフォースメントを示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
【００３９】
１…車両，４…後部荷室，５…スペアタイヤ，６…収納スペース，９…スペアタイヤパン，１０…フロアパネル，１０ａ…ボルト挿通孔，１１…ブラケット，１１ａ，１１ｂ…ボルト挿通孔，１２…リヤエンドパネル，１２Ｂ…縦壁部，１３…バンパーレインフォースメント，１５…インシュレータ，１５ａ…ボルト挿通孔，２０，２０’…レインフォースメント，２１…本体，２１ａ，２１ｂ…ボルト挿通孔，２３…フランジ，３０，３６，４０…ボルト，３２，３８，４２…ナット，３４…押さえ板，５０…フック，７０…リベット。
【技術分野】
【０００１】
この発明は、後部荷室においてスペアタイヤが格納されるように構成された車両の後部車体構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、後部荷室においてスペアタイヤが格納されるように構成された車両の後部車体構造としては、後突荷重などの後方からの大きな荷重を受けた場合に、シートが設置されたエリアへのスペアタイヤの進入を回避すべく、スペアタイヤの離脱を防止し得るものが種々提案されている。例えば特開平１１−１１３５９号公報には、スペアタイヤパンの下面に沿って、車両の前後方向に延びる荷重伝達部材を設け、該荷重伝達部材の前方に取り付けられたフランジによりスペアタイヤを固定する後部車体構造が開示されている。
【０００３】
【特許文献１】特開平１１−１１３５９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記特許文献１に開示される後部車体構造では、フロアパネルの下面に沿って延びる荷重伝達部材の後端に取り付けられたけん引フックに入力された後突荷重が、荷重伝達部材によりスペアタイヤのホイール部に伝達されることにより、スペアタイヤが、その前端がタイヤパンの前端の側壁に接触するまで前方へ移動するに伴い発生する反力を利用し、スペアタイヤを立ち上げるようにして、スペアタイヤの離脱を回避しつつ、車両の前方に後突荷重を伝達しないようにする。ところで、かかる荷重伝達部材がスペアタイヤの車幅方向中心からずれていると、後突荷重が加わった場合にも、荷重伝達部材はスペアタイヤの中心に対応する部位を最も高く上昇させる効果が得られず、また、スペアタイヤには車幅方向において荷重伝達部材が設けられた側で持ち上げられるモーメントが加わるため、その分、荷重伝達部材が促進するスペアタイヤを車両前後方向において前方上向きに傾斜させるモーメントが減少することとなる。このため、スペアタイヤの前端部を最も上昇させるために、荷重伝達部材を改良する余地があった。
【０００５】
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、比較的簡単な構成で車両後方から大きな荷重が加わるに伴い車両が大きく変形した場合にも、スペアタイヤの離脱及び前方への移動をより好適に防止し得る後部車体構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
そこで、本願の請求項１に係る発明は、車両の後部荷室にてスペアタイヤをほぼ水平に収納するように構成された車両の後部車体構造において、上記後部荷室の床面をなすフロアパネルに、上記スペアタイヤを固定して保持するためのタイヤ受け部が形成されるとともに、該フロアパネルの下面側には、少なくとも該タイヤ受け部に対するスペアタイヤの固定部位からスペアタイヤの後端部までの範囲に対応して車両の前後方向に延びる補強部材が取り付けられており、上記補強部材は、車幅方向において上記スペアタイヤの略中心に対応する部位に位置するとともに、車両前後方向において水平に対して前方上向きに傾斜するように配設され、更に、上記フロアパネルを介してスペアタイヤと補強部材とを連結する連結手段が設けられていることを特徴としたものである。
【０００７】
また、本願の請求項２に係る発明は、請求項１に係る発明において、上記連結手段は、上記スペアタイヤをタイヤ受け部内に取り外し可能に固定するための連結部材であり、該連結部材は、上記フロアパネルの下面側に突出して、上記補強部材に対して直接に連結されることを特徴としたものである。
【０００８】
更に、本願の請求項３に係る発明は、請求項１に係る発明において、上記連結手段は、上記フロアパネルの上面側にスペアタイヤの固定部位に対応して配置されるブラケットと、該ブラケットに対してスペアタイヤを取り外し可能に固定する第１の連結部材と、上記フロアパネルを介してブラケットと上記補強部材とを連結する第２の連結部材とを備えていることを特徴としたものである。
【０００９】
また、更に、本願の請求項４に係る発明は、請求項３に係る発明において、上記第２の連結部材は、上記補強部材とブラケットの前部とを連結することを特徴としたものである。
【００１０】
また、更に、本願の請求項５に係る発明は、請求項１に係る発明において、上記連結手段は、上記スペアタイヤと補強部材とを車両上下方向において挟み込む部材を備えていることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【００１１】
本願の請求項１に係る発明によれば、後方衝突時など、車両後方から荷重が加わり、タイヤ受け部が前方へ大きく変形する場合にも、補強部材とスペアタイヤとが連結手段により堅固に連結された状態で、補強部材が、スペアタイヤ受け部を、スペアタイヤの車幅方向中心に対応する部位で最も高く上昇させるように作用する。これにより、スペアタイヤの補強部材に対する前方移動が一層確実に防止され、また、スペアタイヤの前端部が上方へ最大限に移動させられるよう傾斜が促進されることになるので、スペアタイヤの車室前方への進入を抑制することができる。
【００１２】
また、本願の請求項２に係る発明によれば、上記スペアタイヤと補強部材とを、１つの連結部材により、フロアパネルに対して固定しつつ、フロアパネルを介して互いに連結することで、スペアタイヤの離脱を防止することができる。更に、この場合には、スペアタイヤを締結固定するためのブラケットが必要なく、部品点数を削減することができる。
【００１３】
更に、本願の請求項３に係る発明によれば、上記スペアタイヤと補強部材とを、ブラケット，第１及び第２の連結部材により、フロアパネルに対して固定しつつ、フロアパネルを介して互いに連結することで、スペアタイヤの離脱を防止することができる。また、この場合には、ブラケット及び補強部材がフロアパネルに常時固定される部材であるため、第２の連結部材がフロアパネルに貫通する部分での防水対策が実行可能である。
【００１４】
また、更に、本願の請求項４に係る発明によれば、後方衝突時に補強部材からブラケットを介してスペアタイヤに伝達される荷重がブラケットを引っ張る方向に作用するため、ブラケットの強度を高めることなく連結強度を高めることができる。
【００１５】
また、更に、本願の請求項５に係る発明によれば、例えば補強部材がフロアパネルに溶接されるのみの形態に比べて、溶接部分の剥離方向や揃断方向に対する接合強度に依らず、安定してスペアタイヤと補強部材との間の連結強度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
実施形態１．
図１は、スペアタイヤが収納されるように構成された後部車体構造を車両後方から見た図である。この車両１では、後部シート２の後側に、車両後方に向かって開口する後部荷室４が規定されている。後部荷室４の開口３は、伸縮可能なダンパー２９を含む各種の部材を介して該開口３の縁部近傍に取り付けられたリフトゲート（不図示）により、開閉自在に覆われる。開口３の下方には、リヤバンパー１４が、車両１の最も後方側に位置しつつ、車幅方向に延びるように設けられている。また、後部荷室４は、その下側で、取外し可能なフロアボード７により仕切られ、該フロアボード７の下方側には、スペアタイヤ５用の収納スペース６（図２及び３参照）が構成されている。
【００１７】
図２は、フロアボード７が取り外され、スペアタイヤ５が収納された状態にある収納スペース６、図３は、更に、スペアタイヤ５が取り外された状態にある収納スペース６を車両側方から見た図である。収納スペース６は、車両１の後方側において、後部荷室４の開口３の周縁部をなすリヤエンドパネル１２（図５参照）の内壁部１２Ａにより規定され、車両１の前方側において、車幅方向に延びるクロスメンバ１８により規定されている。フロアボード７が取り外された状態では、後部車室４を含む車室の床面をなすフロアパネル１０がその後端側で露出する。このフロアパネル１０には、スペアタイヤ５を受け入れる凹状のスペアタイヤパン（以下、タイヤパンという）９が形成され、そのタイヤパン９の中央には、スペアタイヤ５を締結固定するためのブラケット１１が溶接により取り付けられている。このブラケット１１は、車両前後方向における断面が縁付き帽子状をなすもので、その上段部分及び下段部分には、それぞれ、ボルトを挿通させるボルト挿通孔１１ａ及び１１ｂが形成されている。そして、上段部分の下面側には、ボルト挿通孔１１ａに対応して、ナット３２（図５参照）が溶接されている。
【００１８】
また、本実施形態１では、フロアパネル１０の下面側に、タイヤパン９に対応して、車両１の前後方向に延びる補強部材（以下、レインフォースメントという）２０が取り付けられている。このレインフォースメント２０は、その前端側で、タイヤパン９に対するスペアタイヤ５の固定部位、すなわちブラケット１１が設けられる部位に対応して位置する一方、その後端側で、フロアパネル１０の後方に構成されるリヤエンドパネル１２（図５参照）から所定間隔離間して位置するように取り付けられている。レインフォースメント２０がフロアパネル１０に対して取り付けられる態様については、図５を参照して詳細に説明する。
【００１９】
図４は、レインフォースメント２０の斜視図である。このレインフォースメント２０は、車両１の前後方向に沿って、図中左下の端部が前方に向く一方、図中右上の端部が後方に向くように取り付けられるもので、車幅方向における断面が略コ字状をなすように形成された本体２１と、該本体２１の上端部から車幅方向外方に延びるフランジ２３と、を有している。本体２１には、一対のボルト挿通孔２１ａが車両前後方向において隔てられ形成されている。フランジ２３は、フロアパネル１０の下面に対向する部分で、フロアパネル１０に対して溶接され、これにより、レインフォースメント２０がフロアパネル１０に取り付けられる。なお、本実施形態において、レインフォースメント２０は金属プレート材から製作され、本体２１の車幅方向及び上下方向における寸法は、それぞれ、９０ミリメートル及び１２ミリメートルに設定されている。また、本体２１及びフランジ２３の肉厚は、約１．０〜１．４ミリメートルである。
【００２０】
図５は、レインフォースメント２０がフロアパネル１０に取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。図中の左側が車両前側に対応し、右側が車両後側に対応する。図５に示す状態では、後部荷室４の床面をなすフロアボード７の下側に形成された収納スペース６において、ホイール５Ａとタイヤ５Ｂとからなるスペアタイヤ５が、タイヤパン９内に位置決めされ、ボルト３０がホイール５Ａ及び押さえ板３４を介しつつブラケット１１の上段部下面側に溶接されたナット３２に螺合させられることで、フロアパネル１０に対して締め付けられるように固定されている。図６は、ブラケット１１に対するスペアタイヤ５の締結固定部分を拡大して示す、図５中のＸ−Ｘ線に沿った（すなわちボルト３０を通過しつつ車幅方向に広がる平面で切断された）縦断面説明図であり、この図から、スペアタイヤ５がブラケット１１に対して締結固定される状態がよく分かる。
【００２１】
また、図５を参照すれば分かるように、本実施形態では、フロアパネル１０が、車両前後方向において、前方上向きに傾斜するように構成されており、そのフロアパネル１０の下面側に取り付けられたレインフォースメント２０は、同様に、前方上向きに傾斜している。図５中の符号Ｓを付した破線は、水平線をあらわす。そして、レインフォースメント２０の後端部は、リヤエンドパネル１２の縦壁部１２Ｂから所定間隔離間して位置している。
【００２２】
更に、収納スペース６の後方には、後部荷室４の開口３の周縁部をなしつつ該収納スペース６を規定する内壁部１２Ａと、該内壁部１２Ａと一体的に成形され、該内壁部１２Ａの後方側に位置する縦壁部１２Ｂとからなるリヤエンドパネル１２が構成されている。リヤエンドパネル１２の内壁部１２Ａは、タイヤパン９の上端部近傍まで下方に延び、他方、縦壁部１２Ｂは、内壁部１２Ａより後方にて、内壁部１２Ａに対向し、更に、タイヤパン９やレインフォースメント２０が存在する領域に対応するように下方へ延びている。また、リヤエンドパネル１２の後方側には、車幅方向に延びるバンパーレインフォースメント１３が取り付けられている。更に、車幅方向に延び、バンパーレインフォースメント１３をその後方から取り囲むリヤバンパー１４が車両１の最も後方側に位置するように取り付けられている。
【００２３】
また、更に、収納スペース６を構成するフロアパネル１０の下方には、エンジン排気系を構成する断面略円形のサイレンサ１６が車幅方向に延びるように配設されている。そして、収納スペース６内に収納されるスペアタイヤ５等の収納物に対するサイレンサ１６からの放熱の影響を抑制すべく、レインフォースメント２０の下面側には、サイレンサ１６をその上方側で囲うような形状をなすインシュレータ１５が取り付けられている。インシュレータ１５は、レインフォースメント２０の下面側にて、ボルト３６及び３７により締結固定されている。
【００２４】
前述したように、スペアタイヤ５が締結固定されるブラケット１１がフロアパネル１０の上面側に溶接により取り付けられる一方、レインフォースメント２０がフロアパネル１０の下面側に溶接により取り付けられるが、本実施形態１では、更に、ブラケット１１とレインフォースメント２０とが、フロアパネル１０を貫通するボルト３６により、フロアパネル１０に対して固定され、フロアパネル１０を介して連結されるようになっている。ブラケット１１にはスペアタイヤ５がボルト３０により締結固定されるため、これにより、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０とが、ブラケット１１及びボルト３０，３６を用いて、フロアパネル１０を介して連結されることとなる。引き続き、図７を参照して、フロアパネル１０を介したブラケット１１とレインフォースメント２０との連結構造について説明する。
【００２５】
図７は、ブラケット１１とレインフォースメントとの連結部分を示す、図５中のＹ−Ｙ線に沿った（すなわちボルト３６を通過しつつ車幅方向に広がる平面で切断された）縦断面説明図である。この図から分かるように、ボルト３６が、互いに位置合わせされたブラケット１１におけるボルト挿通孔１１ｂ，フロアパネル１０におけるボルト挿通孔１０ａ，レインフォースメント２０におけるボルト挿通孔２１ａ，インシュレータ１５におけるボルト挿通孔１５ａに対して、フロアパネル１０の下面側から挿通させられた上で、ブラケット１１の下段部上面側に位置するナット３８に螺合させられ、これにより、ブラケット１１とレインフォースメント２０とがフロアパネル１０に対して締め付けられるように固定され、フロアパネル１０を介して互いに連結されることとなる。
【００２６】
また、かかる作用と合わせて、ボルト３６は、ボルト３７（図５参照）と同様に、レインフォースメント２０に対してインシュレータ１５を締結固定する。なお、特に図示しないが、ボルト３７は、車両前後方向における後方側のボルト挿通孔２１ａに挿通させられた上で、そのボルト挿通孔２１ａに対応してレインフォースメント２０の本体２１の上面側に配置されたナットに螺合させられ、これにより、車両前後方向における後方側で、レインフォースメント２０に対してインシュレータ１５を締結固定する。
【００２７】
かかる後部車体構造によれば、車両後方から荷重が加わり、バンパー１４，バンパーレインフォースメント１３及びリヤエンドパネル１２が前方へ大きく変形するに伴い、タイヤパン９が車両前方へ付勢され変形する場合にも、車両前後方向におけるタイヤパン９の剛性が、レインフォースメント２０が取り付けられたスペアタイヤ５の固定部位から後端部までの範囲で十分に確保されるため、タイヤパン９の変形に伴うスペアタイヤ５の離脱を防止することができる。更に、本実施形態では、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０とが、ブラケット１１及びボルト３０，３６により、フロアパネル１０に対して固定されつつ、フロアパネル１０を介して連結されるため、スペアタイヤ５の離脱を一層確実に防止することができる。また、この場合には、ボルト３６が、ブラケット１１及びインシュレータ１５の両方を固定するものであるため、部品点数や組付け工数の低減が可能である。
【００２８】
また、その上、レインフォースメント２０が、フロアパネル１０に対して、前方上向き（後方下向き）に傾斜するように、また、その後端側で、フロアパネル１０の後方に構成されるリヤエンドパネル１２の縦壁部１２Ｂから所定間隔離間して位置するように取り付けられているため、車両後方から荷重が加わるに伴い、リヤエンドパネル１２の縦壁部１２Ｂが、レインフォースメント２０の後端側に付勢されると、レインフォースメント２０には、その傾斜によって、該レインフォースメント２０の前端部が上方へ移動させられるような回転モーメントがもたらされることとなる。そして、レインフォースメント２０が取り付けられたフロアパネル１０にも同様の回転モーメントがもたらされ、かかる回転モーメントにより、レインフォースメント２０及びタイヤパン９が回転させられる。これにより、タイヤパン９内に固定されたスペアタイヤ５がその前端部が上方へ移動させられるように回転させられ、その結果、スペアタイヤ５は、後部シート２が配置されたエリアに進入することなく、後部荷室４内で効率的に回転し傾斜することができる。更に、この場合には、レインフォースメント２０が、車幅方向においてスペアタイヤ５の略中心に対応する部位に位置するように配設されることからも、タイヤパン９は、スペアタイヤ５の車幅方向中心に対応する部位で最も高く上昇させられ、これにより、スペアタイヤ５のレインフォースメント２０に対する前方移動が一層確実に防止され、また、スペアタイヤ５の前端部が上方へ最大限に移動させられるよう傾斜が促進されることになるため、スペアタイヤ５の車室前方への進入をより確実に抑制することができる。
【００２９】
実施形態２．
以下、上記実施形態１と異なる実施形態２について説明する。なお、以下では、上記実施形態１における場合と同じ構成については同一の符号を付し、それ以上の説明を省略する。図８は、本実施形態２に係るレインフォースメント２０’の斜視図である。このレインフォースメントの本体２１には、インシュレータ１５をレインフォースメント２０’の下面側に固定するためのボルト３６及び３７を挿通させるボルト挿通孔２１ａに加え、スペアタイヤ５を固定するためのボルト（不図示）を挿通させる挿通孔２１ｂが形成されている。レインフォースメント２０’は、上記実施形態１における場合と同様に、フランジ２３がフロアパネル１０に溶接されることにより、フロアパネル１０に取り付けられる。
【００３０】
図９は、レインフォースメント２０’がフロアパネル１０に取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。この図から分かるように、本実施形態２では、スペアタイヤ５を締結固定するためのブラケットが採用されず、フロアパネル１０の上面側及び下面側におけるスペアタイヤ５及びレインフォースメント２０’が、フロアパネル１０を貫通するボルト４０により、フロアパネル１０に対して固定されつつ、フロアパネル１０を介して互いに連結されるようになっている。また、図１０は、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０’との連結部分を拡大して示す、ボルト４０を通過しつつ車幅方向に広がる平面で切断されてなる縦断面説明図である。この図から分かるように、ボルト４０は、ホイール５Ａ及び押さえ板３４を介して、互いに位置合わせされたフロアパネル１０におけるボルト挿通孔１０ｂ，レインフォースメント２０’におけるボルト挿通孔２１ｂ，インシュレータ１５におけるボルト挿通孔１５ｂに対して、フロアパネル１０の上面側から挿通させられた上で、インシュレータ１５の下面側に配置されたナット４２に螺合させられる。これにより、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０’とが、フロアパネル１０に対して締め付けられるように固定されつつ、フロアパネル１０を介して互いに連結される。
【００３１】
なお、特に図示しないが、この実施形態２において、インシュレータ１５を締結固定するためのボルト３６は、車両前後方向における後方側のボルト挿通孔２１ａに対応したボルト３７と同様に、車両前後方向における前方側のボルト挿通孔２１ａに挿通させられた上で、そのボルト挿通孔２１ａに対応してレインフォースメント２０の本体２１の上面側に配置されたナットに螺合させられるもので、フロアパネル１０の上面側に貫通するものでない。
【００３２】
かかる後部車体構造によれば、レインフォースメント２０’がフロアパネル１０の下面側に溶接のみで取り付けられる場合に比べて、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０’との間の連結強度を向上させることができ、更に、その上、スペアタイヤ５を締結固定するためのブラケットが必要なく、部品点数を削減することができる。
【００３３】
なお、本発明は、例示された実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
前述した実施形態では、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０，２０’とをフロアパネル１０に対して固定しつつ、フロアパネル１０を介して互いに連結するために、ブラケット１１，ボルト３０，３６，４０及びナット３２，３８，４２が用いられたが、これに限定されることなく、スペアタイヤ５とレインフォースメント２０，２０’とをフロアパネル１０に対して固定しつつ、フロアパネル１０を介して互いに連結し得るものであれば、ブラケット１１又はスペアタイヤ５とレインフォースメント２０，２０’とを車両上下方向において挟み込む部材若しくはフックやリベット等、いかなる手段を用いてもよい。
【００３４】
例えば、前述した実施形態１において、スペアタイヤ５とブラケット１１とを連結するには、ボルト３０及びナット３２の代わりに、フック及び該フックを受ける構造を備えたブラケットを用いるようにしてもよい。図１１は、かかるフック及びブラケットの一例を示す斜視図である。ここでは、フック５０が、雄ネジの切られた軸部５１と、該軸部５１の先端側で軸部５１に対して直交するように取り付けられた係合部５２とから構成される略Ｔ字形状の部材であり、軸部５１に対しては、押さえ板３４を介してナットねじ５３が取り付けられる。また、かかるフック５０に対応して、ブラケット６０の上段部分には、フック５０をその係合部５２から挿通させる長孔６１ａが形成されている。なお、ブラケット６０の下段部分には、前述したブラケット１１のボルト挿通孔１１ｂに対応するボルト挿通孔６１ｂが形成されている。更に、ブラケット６０の上段部分には、その裏面側に、車幅方向に沿って延びる係止溝６２が形成されている。この係止溝６２は、スペアタイヤ５とブラケット６０とを連結するに際して、長孔６１ａに挿通させられた後に軸部５１を中心として９０度回転させられた係合部５２を受け入れ係止させるべく形成されたものである。係合部５２が係止溝６２に対して係止させられた状態で、ナットねじ５３を締め付けることにより、スペアタイヤ５がブラケット６０に対して取り付けられる。図１２には、かかるフック５０及びナットねじ５３を通過し車幅方向に広がる平面で切断した縦断面を示す。この図から、フック５０の係合部５２が、車幅方向に沿って形成された係止溝６２に対して受け入れられ係止させられることが分かる。かかるフック５０，ナットねじ５３及びブラケット６０を用いた場合には、係合部５０が車幅方向に延びつつブラケット６０の係止溝６２に係止されることで、上記実施形態１における場合に比べて、スペアタイヤ５をブラケット６０に対してより堅固に連結されることとなり、スペアタイヤ５の離脱をより確実に防止することができる。
【００３５】
また、前述した実施形態１において、ブラケット１１とレインフォースメント２０とを連結するには、ボルト３６及びナット３８の代わりに、リベットを用いるようにしてもよい。図１３は、リベットを用いて連結されたブラケット１１及びレインフォースメント２０を示す縦断面説明図である。リベット７０は、レインフォースメント２０の下面側から挿通させられ、ブラケット１１の下段部分の上面側に突出した先端部７２を変形させることで、リベット７０の抜けが防止され、ブラケット１１とレインフォースメント２０とが連結される。かかるリベット７０を用いた場合には、リベット７０の変形によりブラケット１１とレインフォースメント２０とが連結されるので締結力が必要でなく、また、部品点数が少ない利点がある。また、緩みが発生せず高い安全性を確保することができる。
【００３６】
更に、前述した実施形態では、レインフォースメントが、その前端側で、ブラケット１１に対応する部位まで延びるように設けられたが、これに限定されることなく、例えば、車両１の前後方向において、ブラケット１１に対応しつつタイヤパン９の直径にわたり延びるように設けられてもよい。
【００３７】
また、更に、前述した実施形態では、レインフォースメントを前方上向きに傾斜させるために、フロアパネルが予め傾斜するように構成されたが、これに限定されることなく、例えば、水平に設定されたフロアパネルに、車両の前後方向において厚さの異なる部材を介在させつつレインフォースメントを取り付けることにより、レインフォースメント本体を傾斜させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】スペアタイヤが収納されるように構成された後部車体構造を車両後方から見た図である。
【図２】スペアタイヤが収納されるように構成された後部車体構造を車両側方から見た図である。
【図３】スペアタイヤを取り外した状態にある後部車体構造を車両側方から見た図である。
【図４】本発明の実施形態１に係るレインフォースメントの斜視図である。
【図５】上記実施形態１に係るレインフォースメントが取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。
【図６】図５中のＸ−Ｘ線に沿った縦断面説明図である。
【図７】図５中のＹ−Ｙ線に沿った縦断面説明図である。
【図８】本発明の実施形態２に係るレインフォースメントの斜視図である。
【図９】上記実施形態２に係るレインフォースメントが取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。
【図１０】上記実施形態２に係るレインフォースメントが取り付けられた後部車体構造についての、図７に対応した縦断面説明図である。
【図１１】スペアタイヤとブラケットを連結するためのフック及びそれを受ける構造を備えたブラケットを示す斜視図である。
【図１２】上記フックを通過し車幅方向に広がる平面で切断した縦断面説明図である。
【図１３】リベットを用いて連結されたブラケット及びレインフォースメントを示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
【００３９】
１…車両，４…後部荷室，５…スペアタイヤ，６…収納スペース，９…スペアタイヤパン，１０…フロアパネル，１０ａ…ボルト挿通孔，１１…ブラケット，１１ａ，１１ｂ…ボルト挿通孔，１２…リヤエンドパネル，１２Ｂ…縦壁部，１３…バンパーレインフォースメント，１５…インシュレータ，１５ａ…ボルト挿通孔，２０，２０’…レインフォースメント，２１…本体，２１ａ，２１ｂ…ボルト挿通孔，２３…フランジ，３０，３６，４０…ボルト，３２，３８，４２…ナット，３４…押さえ板，５０…フック，７０…リベット。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
車両の後部荷室にてスペアタイヤをほぼ水平に収納するように構成された車両の後部車体構造において、
上記後部荷室の床面をなすフロアパネルに、上記スペアタイヤを固定して保持するためのタイヤ受け部が形成されるとともに、該フロアパネルの下面側には、少なくとも該タイヤ受け部に対するスペアタイヤの固定部位からスペアタイヤの後端部までの範囲に対応して車両の前後方向に延びる補強部材が取り付けられており、
上記補強部材は、車幅方向において上記スペアタイヤの略中心に対応する部位に位置するとともに、車両前後方向において水平に対して前方上向きに傾斜するように配設され、
更に、上記フロアパネルを介してスペアタイヤと補強部材とを連結する連結手段が設けられていることを特徴とする車両の後部車体構造。
【請求項２】
上記連結手段は、上記スペアタイヤをタイヤ受け部内に取り外し可能に固定するための連結部材であり、該連結部材は、上記フロアパネルの下面側に突出して、上記補強部材に対して直接に連結されることを特徴とする請求項１記載の車両の後部車体構造。
【請求項３】
上記連結手段は、上記フロアパネルの上面側にスペアタイヤの固定部位に対応して配置されるブラケットと、該ブラケットに対してスペアタイヤを取り外し可能に固定する第１の連結部材と、上記フロアパネルを介してブラケットと上記補強部材とを連結する第２の連結部材とを備えていることを特徴とする請求項１記載の車両の後部車体構造。
【請求項４】
上記第２の連結部材は、上記補強部材とブラケットの前部とを連結することを特徴とする請求項３に記載の車両の後部車体構造。
【請求項５】
上記連結手段は、上記スペアタイヤと補強部材とを車両上下方向において挟み込む部材を備えていることを特徴とする請求項１記載の車両の後部車体構造。
【請求項１】
車両の後部荷室にてスペアタイヤをほぼ水平に収納するように構成された車両の後部車体構造において、
上記後部荷室の床面をなすフロアパネルに、上記スペアタイヤを固定して保持するためのタイヤ受け部が形成されるとともに、該フロアパネルの下面側には、少なくとも該タイヤ受け部に対するスペアタイヤの固定部位からスペアタイヤの後端部までの範囲に対応して車両の前後方向に延びる補強部材が取り付けられており、
上記補強部材は、車幅方向において上記スペアタイヤの略中心に対応する部位に位置するとともに、車両前後方向において水平に対して前方上向きに傾斜するように配設され、
更に、上記フロアパネルを介してスペアタイヤと補強部材とを連結する連結手段が設けられていることを特徴とする車両の後部車体構造。
【請求項２】
上記連結手段は、上記スペアタイヤをタイヤ受け部内に取り外し可能に固定するための連結部材であり、該連結部材は、上記フロアパネルの下面側に突出して、上記補強部材に対して直接に連結されることを特徴とする請求項１記載の車両の後部車体構造。
【請求項３】
上記連結手段は、上記フロアパネルの上面側にスペアタイヤの固定部位に対応して配置されるブラケットと、該ブラケットに対してスペアタイヤを取り外し可能に固定する第１の連結部材と、上記フロアパネルを介してブラケットと上記補強部材とを連結する第２の連結部材とを備えていることを特徴とする請求項１記載の車両の後部車体構造。
【請求項４】
上記第２の連結部材は、上記補強部材とブラケットの前部とを連結することを特徴とする請求項３に記載の車両の後部車体構造。
【請求項５】
上記連結手段は、上記スペアタイヤと補強部材とを車両上下方向において挟み込む部材を備えていることを特徴とする請求項１記載の車両の後部車体構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【公開番号】特開２００６−２０５８６９（Ｐ２００６−２０５８６９Ａ）
【公開日】平成１８年８月１０日（２００６．８．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−１９７９２（Ｐ２００５−１９７９２）
【出願日】平成１７年１月２７日（２００５．１．２７）
【出願人】（０００００３１３７）マツダ株式会社 (6,115)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年８月１０日（２００６．８．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１月２７日（２００５．１．２７）
【出願人】（０００００３１３７）マツダ株式会社 (6,115)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]