車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法
本発明は、光学測定装置を用いた車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法に関する。ここでは、場合により基準指標およびボディ指標を考慮して、複数のディジタル画像を形成する少なくとも2つの撮像装置を含む画像記録装置により少なくとも2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化を行い、種々のパースペクティブから測定すべき車輪を含む対象セクタを検出し、3D測定空間における車輪指標の位置を評価する。本発明によれば、少なくとも2つの撮像装置によって検出された対象セクタから、画像相関処理により、対象セクタの3D表面を表す3Dピクセル群を求め、そこから車輪指標および/または基準指標および/またはボディ指標を取得することにより、迅速かつ正確な測定を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、場合により基準指標およびボディ指標を考慮して、複数のディジタル画像を形成する少なくとも2つの撮像装置を含む画像記録装置により少なくとも2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化を行い、種々のパースペクティブから測定すべき車輪を含む対象セクタを検出し、3D測定空間における車輪指標の位置を評価する、光学測定装置を用いた車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法に関する。
【0002】
従来技術
こうした手法は独国公開第19757763号明細書および欧州特許第1042643号明細書に紹介されている。これら公知の手法では、検査場の基準指標と車輪およびボディの光学指標とが撮像装置(例えばカメラ)により撮影され、車輪および/または車軸のジオメトリデータが求められる。独国公開第19757763号明細書の手法では車両を停止させた状態で測定が行われるが、欧州特許第1042643号明細書の手法では車両が撮像装置の側方を通過する際に測定が行われる。検査場の基準指標と車両の光学指標とが撮影され、測定装置が測定空間に対して基準化される。より詳細に云えば、これらの方法では、測定装置の基準化のために、測定すべき1つまたは複数の車輪ないしはボディに専用マークが基準指標として貼付されるか、またはそこに予め存在する指標の利用が指示される。車輪ないしはボディに専用マークを貼付したり指標を探して利用したりすることには手間がかかるが、指標を一義的に検出できるので高い精度が達成され、有利である。こうした手法は、位置調整を要さず重量の大きくないマークを貼付することができるのであれば特に都合がよい。
【0003】
車輪および/または車軸のジオメトリを高精度で検出するため、車両メーカでの技術の向上がますます重要となってきている。測定装置の精度を上げるには個々の車輪のトレッドおよびキャンバを精細に調整する新たな手段が必要である。前述した手法に比べて車輪に対する設置および調整の複雑な測定装置も多い。
【0004】
前述の文献を基礎として、独国公開第19934864号明細書および独国公開第10050653号明細書などに見られる他の手法も開発されている。独国公開第19934864号明細書の手法では車軸が少なくとも1つのボディ指標の運動経路から求められており、独国公開第10050653号明細書の手法では測定装置の複数の記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化(撮像装置の配向状態の定義および検査場に対する撮像装置の基準化)が行われている。
【0005】
欧州公開第0895056号明細書には、既存の構造の車輪において、車軸の検出にホイールリムのエッジが利用されている。車輪平面の3D位置を求めるために、2つのカメラの画像からリムエッジ平面の位置が導出される。これは、跳躍的なグレー値遷移の最大値の処理に基づいて画像対の個々の画像における複数の有意な指標からリムエッジを識別し、そこからリムエッジの5つの点を通る楕円を計算することにより行われる。跳躍的なグレー値の遷移に基づくエッジ検出は画像処理プロセスにおいては公知の手法であるが、ジオメトリデータの正確な測定は困難であり、照明状況が変化すると障害影響を回避する措置を導入しなければならないという問題が生じる。
【0006】
したがって本発明の基礎とする課題は、冒頭に言及した形式の車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法において、できるだけ小さな調整コストで付加的な指標の導入を要することなく正確な測定結果を得られるようにすることである。
【0007】
本発明の利点
この課題は、本発明の請求項1に記載された、場合により基準指標およびボディ指標を考慮して、複数のディジタル画像を形成する少なくとも2つの撮像装置を含む画像記録装置により少なくとも2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化を行い、種々のパースペクティブから測定すべき車輪を含む対象セクタを検出し、3D測定空間における車輪指標の位置を評価する、光学測定装置を用いた車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法において、少なくとも2つの撮像装置によって種々のパースペクティブで検出された2D画像の対象セクタから、複数の3Dピクセルによって3D表面を表す3Dピクセル群を求め、そこから点・線・平面・曲面すなわち1次関数、2次関数、3次関数としての車輪指標および/または基準指標および/またはボディ指標を取得することにより解決される。
【0008】
3Dピクセル群から個別に求められた3D表面ピクセルは測定のために専用に貼付されるマークよりも検出の信頼性が一般に低いという事実は甘受しなければならないが、本発明では、付加的な手段なしで相応のアルゴリズムにより多数の3D表面ピクセルを取得し、評価に利用できる。個々の精度の低さは適切な平均、補償関数または表面モデルを用いることにより補償可能であり、特にコンピュータおよびこれに集積されているプロセッサを画像処理に利用できるのであれば有利である。単純な構造で簡単に操作可能な測定装置が得られる。なぜなら金属薄板、アルミニウムまたはプラスティックなどのボディ材料による制限もホイールキャップを外す必要もなく、付加的な手間がかからないからである。車輪指標さえ取得すれば、冒頭に挙げた刊行物に詳細に説明されているような手段により、評価装置を介して車輪および/または車軸ジオメトリを求めることができる。車輪指標は個別の3D表面ピクセルから得ることもできるし、複数のローカルな3D表面ピクセルの平均、複数の3D表面ピクセルに補償関数(例えば最大値または弦など)を適用して得られた関数パラメータ、または、複数のローカルな3D表面ピクセルから成る表面モデルなどから得ることもできる。車輪指標はここでは位置の特定された基準点に関する3D表面ピクセルの分析から、基準点または基準点を中心とした局所平面を通る交線として得られる。基準点は評価の基礎となる。各基準点は、そのつどの測定要求および車輪指標の評価特性(点・線・面・曲面)を考慮して、車両タイプまたは車輪タイプに依存する車輪指標の個数および位置に関して最適に設定される。
【0009】
この方法を実行するための有利な手段は、3Dピクセル群から直接に車輪指標を抽出するか、または、中間ステップで3Dピクセル群から表面モデルを導出し、続いて表面モデルから車輪指標を抽出することにより得られる。ここで表面モデルは例えば線モデル(Hoehenlinienmodell)、規則的な格子パターンまたは三角形パターンにより形成される。
【0010】
冒頭に挙げた刊行物に説明されているように、車輪および/または車軸ジオメトリを求めるにはボディ指標の検出を行うと有利である。こうした観点から、本発明の方法では、車輪指標に加えて、画像相関処理により、少なくとも1つの特徴的なボディ指標が取得される。このときにも相応の数の指標により、請求項1に記載した特徴に関連して、測定精度を向上させることができる。
【0011】
特に、車両が撮像装置の側方を通過する際に車輪および/または車軸ジオメトリを求めることに関連して、本発明の有利な実施形態によれば、少なくとも1つのボディ指標および測定すべき車輪の車輪指標が検出された画像の対象セクタの3D表面構造から抽出され、撮像装置に対する車両の相対運動ひいては車軸の検出に用いられる。より詳細に云えば、車両が撮像装置の側方を通過する際に車輪および/または車軸ジオメトリを求めるには、撮像装置および基準指標に対する車両の相対運動が少なくとも1つのボディ指標に基づいて求められ、測定すべき車輪の少なくとも1つの車輪指標が複数のまたは全ての撮像時点で検出された画像の対象セクタの表面構造から抽出されるのである。
【0012】
また、少なくとも1つの有意な車輪指標を含む少なくとも3つの車輪指標から測定すべき車輪のリムタイプを検査し、これを場合により後の評価の際に考慮すると、測定精度および信頼性が向上する。有意な車輪指標は上述した特徴抽出方法により得られる。有意な車輪指標(例えばバルブ)から、測定時点において少なくとも2つの他の車輪指標の角度位置が求められる。当該の角度位置は対応する車輪指標の基準点に正確に関連する。
【0013】
簡単な操作および中断されない測定のために、測定空間に導入された付加的な基準マークに基づいて、および/または、前述した画像処理プロセスによって測定空間内に存在する特徴的構造から得られた基準指標に基づいて、少なくとも2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化が行われる。
【0014】
基準化の過程は車両での本来の測定に時間的に先行して行うことも測定中に行うこともできるが、ここで、車両を光学的に被覆することにより基準指標の視認性の点で或る程度の制限が発生する。測定中に基準化を行うと視認性は制限されるものの、視認しやすい基準指標を用いて基準化を監視することができる。
【0015】
光量または照明が制限されていてコントラストが充分に得られなかったり障害的反射が生じたりする場所では、指標を取得する方法の実行が困難であるので、車輪指標および/または少なくとも1つのボディ指標および/または基準指標を取得するために、少なくとも1つのプロジェクタを用いてパターンを車輪および/またはボディおよび/または測定空間へ投影する。ここで、プロジェクタでは、円や十字などの定義されたパターンまたは確率的分散によるグレー値などのランダムパターンが区別される。このときプロジェクタは1つまたは複数のカメラに定義された状態で割り当てられていても割り当てられていなくてもよい。この手段により、コントラストの乏しい表面および/または照明が制限されている場合のコントラスト比の小さい表面での検出が改善される。
【0016】
2Dピクセルから3Dピクセル群を求める前または3Dピクセルから3Dピクセル群を求めた後に、関心の低い画像領域のピクセルを除去して評価の際に考慮すべきデータを低減することにより、データ量を低減した簡単な評価が達成される。
【0017】
本発明の有利な実施形態によれば、3Dピクセル群および/または3D表面モデルにおいて、車輪指標および/またはボディ指標の抽出前に、部分的に異なる密度および/または部分的に異なるパターンが形成される。この場合、測定すべき車輪の予備情報、例えばタイヤ径、リム径および/またはバルブ位置などを画像処理装置へ供給することができる。
【0018】
図面
以下に本発明を図示の実施例に則して詳細に説明する。
【0019】
図1には車輪および/または車軸ジオメトリの測定装置を車両長手方向から見た図が示されている。図2には図1の車輪および/または車軸ジオメトリの測定装置を横方向から見た図が示されている。図3には図1の車輪および/または車軸ジオメトリの測定装置を上から見た図が示されている。図4のAには第1のディジタル画像のパターンマトリクスAを求める様子が、Bには第2のディジタル画像を種々の位置(1,1),(n,m)に位置決めする様子が示されている。図5には規則的な格子パターンを有する3D表面モデルの例が示されている。図6A,図6B,図6C,図6Dには車輪位置角度を求めるケースにおける本発明の方法の4つの実施例のフローチャートが示されている。図7のA〜Fには3Dピクセル群から車輪指標を取得し、車輪平面または車輪回転軸線を求める様子が示されている。
【0020】
実施例の説明
図1には車両の車輪および/または車軸ジオメトリを求める装置が示されている。ここでは車両の長手方向から記録を行う三脚上に配置された測定ヘッド1が設けられており、この測定ヘッドは例えば図3に示されているようなカメラの形態の2つの撮像装置2と1つの評価装置3とを有する。カメラの視野は車輪5を少なくとも部分的に含む対象セクタ6へ配向されており、その際に2つのカメラの視野の少なくとも大部分が重なっている。操舵軸9に結合された車輪5は検査場に配置された回転プレート7上に位置する。図2には当該の装置の側面図が示されている。図3には、2つのカメラの対象セクタ6が種々のパースペクティブから記録されることが示されている。
【0021】
種々のパースペクティブから記録された画像のうち、測定すべき車輪5および車両の周囲領域を含む対象セクタ6において、3次元の対象物のジオメトリを測定するために、2つの記録位置の相互の対応関係すなわち撮像装置の配向状態(カメラの位置および方向)が既知となっていなければならない。2つ以上の固定に対応づけられた記録位置を有する測定装置を用いる場合、当該の対応づけはメーカで求めてもよいし、基準マークを検出することにより検査場で求めてもよい。
【0022】
基準マークの役割は、検査場に対して測定装置を一義的に基準化することである。これにより車両の停止走行平面またはこの停止走行平面に対して垂直な平面が一義的に示され、これに関連して、冒頭に挙げた刊行物に説明されているような手法によって車輪および/または車軸ジオメトリを求めることができる。
【0023】
2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化は、本来の車両測定から独立に、特に測定過程に先行して行うことができる。対応づけまたは基準化のために特に基準マークが用いられる場合、対応づけまたは基準化が終了すると当該の基準マークないし基準マーク付与装置を検査場から除去することができる。これにより、本来の測定中に車両の一部が覆い隠されることなく、対象セクタのシャープネスおよび結像度の点で測定装置が最適化されるので、車輪および/または車軸ジオメトリの検出が有利になる。また当該のフェーズにおける検出および評価は車両の指標についてのみに制限される。
【0024】
測定装置の記録領域において相応に周囲環境がパターン化される場合、基準マークの貼付および除去を部分的にまたは完全に省略することができる。これは、周囲環境を撮像装置によって検出し、画像相関プロセスによりその表面ジオメトリを検出し、そこから特徴的な基準指標を取得することにより行われ、対応づけまたは基準化が行われる。
【0025】
個別に記憶されたディジタル2D画像における同一のピクセルに基づいて3D表面ジオメトリを求める手法が画像相関プロセスとしての写真測量技術から公知である。図4によれば、画像相関プロセスでは、まず、第1の2D画像すなわち部分画像A内にパターンマトリクスAが定義され、第2の2D画像すなわち部分画像B内に一般にパターンマトリクスAよりも大きなサーチマトリクスBが定義される。次に、パターンマトリクスAの可能な全ての位置(n,m)に対してサーチマトリクスB内部で相関係数rが求められる。相関係数の最大値から、サーチマトリクスBの該当位置におけるパターンマトリクスAの可能位置が得られる。このようにして求められた2つの個別画像内のパターンマトリクスの位置から公知の写真測量技術のプロセスにより3D表面ピクセルが求められる。取得された3D表面ピクセルを全て合わせたものが3Dピクセル群と称される。
【0026】
また、3Dピクセル群から、前述した手段により、設定された格子パターンbを備えた3D表面モデルを導出することもできる。これは、図5に示されているように、空間座標系(x,y,z)において表される。ここでは2次補償関数KLが太線で、また車輪指標を表す基準点BPが丸印で示されている。
【0027】
所望または必要な精度によっては指標の取得に計算コストがかかり、3Dピクセル群の密度が高くなるにつれて、および/または、表面モデルの格子パターンが細かくなるにつれて正確な検出が部分的に制限されるようになる。したがって、車輪指標、基準指標および/またはボディ指標の取得にとってあまり重要でない対象セクタでは3Dピクセル群の密度を低減したり表面モデルの格子パターンを粗くしたりすると有利である。
【0028】
図6A〜図6Dには本発明の画像処理法、特に車輪位置角度を求めるために指標を抽出する方法の種々のバリエーションのフローチャートが示されている。以下の説明から明らかとなるはずであるが、本発明の画像処理法は、評価プロセスに関して、個々に記録された2D画像における跳躍的なグレー値の遷移に基づいて輪郭またはエッジを取得する周知の画像処理法とは大きく異なる。
【0029】
前述した画像相関法にしたがって、関連する指標の抽出は、欧州公開第0895056号明細書に記載されているような2D画像からではなく、3D対象空間から抽出される。これにより照明特性または光特性が変化しても障害影響が小さく、工場の通常条件のもとで達成可能な精度の点で著しい利点が得られる。
【0030】
図6Aには第1の実施例が示されている。最初に、ステップS11で第1のカメラにより第1のディジタル2D画像が、またステップS12で第2のカメラにより第2のディジタル2D画像が記録される。次にステップS2で画像相関が行われ、続いてステップS3で3Dピクセル群が求められる。ついでステップS4で評価装置3において3D表面モデルを形成すべきか否かが問い合わされる。表面モデルを形成する場合、ステップS52で3D表面モデルが求められ、ステップS53で3D対象空間内の3D表面モデルから車輪指標が抽出される。ステップS4で表面モデルを形成しなくてよいと判別された場合には、ステップS51で3D対象空間内の3Dピクセル群から車輪指標が抽出される。ステップS53またはステップS51で指標が抽出された後、次のステップS6において車輪平面が定められ、さらにそこからステップS7で車輪位置角度すなわち車輪平面と車両基準平面とのなす角度が求められる。
【0031】
図6Bには第2の実施例が示されている。図6Aに示されているフローと異なるのは、ステップS3で3Dピクセル群が求められた後、付加的に、ステップS31で有意な車輪指標が定められ、ステップS32で車輪指標の特性すなわち点・線・平面・曲面すなわち1次関数・2次関数・3次関数などが定義されるところである。有意な車輪指標は一義的に識別可能な指標、例えばバルブVであり、これに基づいて残りの車輪指標の位置が一義的に検出される。車輪指標の特性は最適な識別および評価に適するように定義される。
【0032】
図6Cには第3の実施例が示されている。ここでは、図6Bに示されているフローに加え、ステップS31の後、ステップS33で全ての3Dピクセルを評価すべきか否かの問い合わせが行われる。全ての3Dピクセルを評価しなければならない場合、ステップS32へ移行し、車輪指標の特性が図6Bの実施例に相応に定義される。全ての3Dピクセルを評価しなくてよい場合、ステップS34で評価をラジアル方向に制限すべきか否かが問い合わされる。ラジアル方向での制限を行う場合には、ステップS35でラジアル方向の境界により3Dピクセル数が低減され、続いて車輪指標の特性を定義するステップS32へ移行する。ラジアル方向での制限を行わない場合には、ステップS36で基準点BPの数および位置が定義され、続いてステップS37で3Dピクセル数が基準点周囲の局所的境界により低減され、車輪指標の特性を定義するステップS32へ移行する。その後のフローは図6Bの実施例と同様である。ラジアル方向での制限または基準点周囲の局所的境界による制限は3Dピクセルを低減する手段の一例にすぎず、図7に示されているようなセクタごとの制限も可能である。
【0033】
図6Dには第4の実施例が示されている。ここでは、ピクセル数の低減が2D画像をベースとした前処理において行われる。このためにステップS11で第1のカメラ1により第1の2D画像、ステップS12で第2のカメラ2により第2の2D画像が記録され、ステップS13で2つの2D画像内の有意な車輪指標が求められ、続いてステップS14で全ての2Dピクセルを評価すべきか否かの問い合わせが行われる。全ての2Dピクセルを評価しなければならない場合、ステップS2へ移行し、その後のフローは図6Bの実施例と同様である。全ての2Dピクセルを評価しなくてよい場合には、ステップS15で評価をラジアル方向に制限すべきか否かが問い合わされる。ラジアル方向での制限を行う場合には、ステップS18でラジアル方向の境界により2Dピクセル数が低減され、そこから画像相関のステップS2へ移行し、その後のフローは図6Bと同様である。ラジアル方向での制限を行わない場合には、ステップS16で基準点の数および位置が定義され、さらにステップS17で基準点周囲の局所的境界により2Dピクセル数が低減され、そこから画像相関のステップS2へ移行し、その後のフローは図6Bの実施例と同様である。この実施例においてもラジアル方向での制限は3Dピクセルを低減する手段の一例にすぎず、他の手段による制限も可能である。
【0034】
図7のA〜Fには車輪指標を取得して車輪平面Eおよびこれに垂直な車輪回転軸線Dを求め、画像出力する様子が示されている。図7のAでは車輪のディジタル2D画像にはタイヤ5.1およびバルブVが存在している。図7のBでは車輪5の3Dピクセル群が取得され、ここでもバルブVが見て取れる。3Dピクセル群から複数の車輪指標が抽出され、そのうちバルブVが一義的に識別可能な有意な車輪指標とされる。図7のC,Dでは3Dピクセル群の評価すべき領域がラジアル方向にまたはセクタごとに制限され、車輪指標が存在せずあまり重要でない領域、つまり図7のCの中央付近の領域、図7のDの個々のセクタ以外の領域が排除されている。有意な指標としてバルブVが存在する。図7のE,Fでは、車輪回転軸線Dの方向(法線ベクトル)およびこれに垂直な車輪平面Eを3D対象空間内で求める様子が示されている。このとき例えばタイヤの側壁の外輪も車輪指標として用いられる。他の車輪指標および複数の車輪指標の組み合わせも使用可能である。図7のEでは取得された車輪5が表示平面に対して斜めに示されているが、もちろん、車輪回転軸線Dひいては車輪平面Eが表示平面に対して垂直となるように回転して表示することもできる。
【0035】
車両の車輪および/または車軸ジオメトリを求める際には、冒頭に挙げた刊行物に説明されているように、次の手段が行われる。すなわち、車両の測定前に、測定装置の基準化のための基準指標から基準平面が求められる。車両での測定中には、覆い隠されていない基準指標に基づいて測定装置の基準化が自己監視される。さらに車輪平面Eが検出された車輪指標から求められ、この車輪平面Eと基準平面との関係から車輪位置角度が求められる。有利には、車輪平面Eは、車両が撮像装置の側方を通過する際に撮影された複数の画像から検出された少なくとも1つの車輪指標と少なくとも1つのボディ指標との和から求められる。
【0036】
高い測定精度を保証するのにカメラの分解能が充分でなくとも、周知の画像処理法をサブピクセル領域における評価のために用いて分解能を向上させることができる。
【0037】
車輪および車軸ジオメトリを測定するために車輪5の3D表面構造が用いられる。この3D表面構造は車輪の特徴的要素、例えばタイヤ、ホイールリム、ホイールキャップまたはバルブなどに基づいて表される。表面ジオメトリの検出は、前述したように、画像相関を用いた画像処理により、少なくとも2つのカメラで種々の位置から撮影した対象セクタから、複数の3Dピクセルによって対象セクタに存在する対象構造の3D表面を表現する3Dピクセル群を求めることにより行われる。3Dピクセル群から、種々の手法により、線モデル、三角形パターン、規則的格子パターンなどの3D表面モデルを描画することができる。3Dピクセル群および/または少なくとも1つの3D表面モデルに基づいて、特徴的な車輪指標、ボディ指標および基準指標が取得される。
【0038】
車輪5が対称であり、回転軸線を中心として各点を回転させることにより、トレッドおよびキャンバを求めるのに必要な車輪平面Eおよび/または車輪回転軸線Dが容易に定められる。バルブ、ホール、ラベルなどの車輪の有意な表面指標または汚れや傷などの他の指標が検出される。これによりリムタイプが検出され考慮される。
【0039】
車両が測定装置の側方を通過する際に測定を行う場合、付加的にボディの運動が測定装置および基準指標に対して相対的に定められる。このとき3Dピクセル群または3D表面モデルは車輪を包囲するボディすなわちホイールハウジングへ拡張される。これは、本発明の方法では僅かな変更にすぎない。一般には、対象セクタ全体が少なくとも測定の開始時に3次元で検出され、車両タイプおよびリムサイズが種々に異なるため、測定すべき車輪を対象空間内の既知の位置には対応させることができず、記録されたシーン全体の3D構造から抽出しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】車輪および/または車軸ジオメトリの測定装置を車両長手方向から見た図である。
【図2】図1の測定装置を横方向から見た図である。
【図3】図1の測定装置を上から見た図である。
【図4】第1のディジタル画像のパターンマトリクスAを求める様子、および、第2のディジタル画像を種々の位置に位置決めする様子を示す図である。
【図5】規則的な格子パターンを有する3D表面モデルを示す図である。
【図6A】本発明の方法の第1の実施例のフローチャートである。
【図6B】本発明の方法の第2の実施例のフローチャートである。
【図6C】本発明の方法の第3の実施例のフローチャートである。
【図6D】本発明の方法の第4の実施例のフローチャートである。
【図7】3Dピクセル群から車輪指標を取得し、車輪平面または車輪回転軸線を求める様子を示した図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、場合により基準指標およびボディ指標を考慮して、複数のディジタル画像を形成する少なくとも2つの撮像装置を含む画像記録装置により少なくとも2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化を行い、種々のパースペクティブから測定すべき車輪を含む対象セクタを検出し、3D測定空間における車輪指標の位置を評価する、光学測定装置を用いた車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法に関する。
【0002】
従来技術
こうした手法は独国公開第19757763号明細書および欧州特許第1042643号明細書に紹介されている。これら公知の手法では、検査場の基準指標と車輪およびボディの光学指標とが撮像装置(例えばカメラ)により撮影され、車輪および/または車軸のジオメトリデータが求められる。独国公開第19757763号明細書の手法では車両を停止させた状態で測定が行われるが、欧州特許第1042643号明細書の手法では車両が撮像装置の側方を通過する際に測定が行われる。検査場の基準指標と車両の光学指標とが撮影され、測定装置が測定空間に対して基準化される。より詳細に云えば、これらの方法では、測定装置の基準化のために、測定すべき1つまたは複数の車輪ないしはボディに専用マークが基準指標として貼付されるか、またはそこに予め存在する指標の利用が指示される。車輪ないしはボディに専用マークを貼付したり指標を探して利用したりすることには手間がかかるが、指標を一義的に検出できるので高い精度が達成され、有利である。こうした手法は、位置調整を要さず重量の大きくないマークを貼付することができるのであれば特に都合がよい。
【0003】
車輪および/または車軸のジオメトリを高精度で検出するため、車両メーカでの技術の向上がますます重要となってきている。測定装置の精度を上げるには個々の車輪のトレッドおよびキャンバを精細に調整する新たな手段が必要である。前述した手法に比べて車輪に対する設置および調整の複雑な測定装置も多い。
【0004】
前述の文献を基礎として、独国公開第19934864号明細書および独国公開第10050653号明細書などに見られる他の手法も開発されている。独国公開第19934864号明細書の手法では車軸が少なくとも1つのボディ指標の運動経路から求められており、独国公開第10050653号明細書の手法では測定装置の複数の記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化(撮像装置の配向状態の定義および検査場に対する撮像装置の基準化)が行われている。
【0005】
欧州公開第0895056号明細書には、既存の構造の車輪において、車軸の検出にホイールリムのエッジが利用されている。車輪平面の3D位置を求めるために、2つのカメラの画像からリムエッジ平面の位置が導出される。これは、跳躍的なグレー値遷移の最大値の処理に基づいて画像対の個々の画像における複数の有意な指標からリムエッジを識別し、そこからリムエッジの5つの点を通る楕円を計算することにより行われる。跳躍的なグレー値の遷移に基づくエッジ検出は画像処理プロセスにおいては公知の手法であるが、ジオメトリデータの正確な測定は困難であり、照明状況が変化すると障害影響を回避する措置を導入しなければならないという問題が生じる。
【0006】
したがって本発明の基礎とする課題は、冒頭に言及した形式の車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法において、できるだけ小さな調整コストで付加的な指標の導入を要することなく正確な測定結果を得られるようにすることである。
【0007】
本発明の利点
この課題は、本発明の請求項1に記載された、場合により基準指標およびボディ指標を考慮して、複数のディジタル画像を形成する少なくとも2つの撮像装置を含む画像記録装置により少なくとも2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化を行い、種々のパースペクティブから測定すべき車輪を含む対象セクタを検出し、3D測定空間における車輪指標の位置を評価する、光学測定装置を用いた車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法において、少なくとも2つの撮像装置によって種々のパースペクティブで検出された2D画像の対象セクタから、複数の3Dピクセルによって3D表面を表す3Dピクセル群を求め、そこから点・線・平面・曲面すなわち1次関数、2次関数、3次関数としての車輪指標および/または基準指標および/またはボディ指標を取得することにより解決される。
【0008】
3Dピクセル群から個別に求められた3D表面ピクセルは測定のために専用に貼付されるマークよりも検出の信頼性が一般に低いという事実は甘受しなければならないが、本発明では、付加的な手段なしで相応のアルゴリズムにより多数の3D表面ピクセルを取得し、評価に利用できる。個々の精度の低さは適切な平均、補償関数または表面モデルを用いることにより補償可能であり、特にコンピュータおよびこれに集積されているプロセッサを画像処理に利用できるのであれば有利である。単純な構造で簡単に操作可能な測定装置が得られる。なぜなら金属薄板、アルミニウムまたはプラスティックなどのボディ材料による制限もホイールキャップを外す必要もなく、付加的な手間がかからないからである。車輪指標さえ取得すれば、冒頭に挙げた刊行物に詳細に説明されているような手段により、評価装置を介して車輪および/または車軸ジオメトリを求めることができる。車輪指標は個別の3D表面ピクセルから得ることもできるし、複数のローカルな3D表面ピクセルの平均、複数の3D表面ピクセルに補償関数(例えば最大値または弦など)を適用して得られた関数パラメータ、または、複数のローカルな3D表面ピクセルから成る表面モデルなどから得ることもできる。車輪指標はここでは位置の特定された基準点に関する3D表面ピクセルの分析から、基準点または基準点を中心とした局所平面を通る交線として得られる。基準点は評価の基礎となる。各基準点は、そのつどの測定要求および車輪指標の評価特性(点・線・面・曲面)を考慮して、車両タイプまたは車輪タイプに依存する車輪指標の個数および位置に関して最適に設定される。
【0009】
この方法を実行するための有利な手段は、3Dピクセル群から直接に車輪指標を抽出するか、または、中間ステップで3Dピクセル群から表面モデルを導出し、続いて表面モデルから車輪指標を抽出することにより得られる。ここで表面モデルは例えば線モデル(Hoehenlinienmodell)、規則的な格子パターンまたは三角形パターンにより形成される。
【0010】
冒頭に挙げた刊行物に説明されているように、車輪および/または車軸ジオメトリを求めるにはボディ指標の検出を行うと有利である。こうした観点から、本発明の方法では、車輪指標に加えて、画像相関処理により、少なくとも1つの特徴的なボディ指標が取得される。このときにも相応の数の指標により、請求項1に記載した特徴に関連して、測定精度を向上させることができる。
【0011】
特に、車両が撮像装置の側方を通過する際に車輪および/または車軸ジオメトリを求めることに関連して、本発明の有利な実施形態によれば、少なくとも1つのボディ指標および測定すべき車輪の車輪指標が検出された画像の対象セクタの3D表面構造から抽出され、撮像装置に対する車両の相対運動ひいては車軸の検出に用いられる。より詳細に云えば、車両が撮像装置の側方を通過する際に車輪および/または車軸ジオメトリを求めるには、撮像装置および基準指標に対する車両の相対運動が少なくとも1つのボディ指標に基づいて求められ、測定すべき車輪の少なくとも1つの車輪指標が複数のまたは全ての撮像時点で検出された画像の対象セクタの表面構造から抽出されるのである。
【0012】
また、少なくとも1つの有意な車輪指標を含む少なくとも3つの車輪指標から測定すべき車輪のリムタイプを検査し、これを場合により後の評価の際に考慮すると、測定精度および信頼性が向上する。有意な車輪指標は上述した特徴抽出方法により得られる。有意な車輪指標(例えばバルブ)から、測定時点において少なくとも2つの他の車輪指標の角度位置が求められる。当該の角度位置は対応する車輪指標の基準点に正確に関連する。
【0013】
簡単な操作および中断されない測定のために、測定空間に導入された付加的な基準マークに基づいて、および/または、前述した画像処理プロセスによって測定空間内に存在する特徴的構造から得られた基準指標に基づいて、少なくとも2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化が行われる。
【0014】
基準化の過程は車両での本来の測定に時間的に先行して行うことも測定中に行うこともできるが、ここで、車両を光学的に被覆することにより基準指標の視認性の点で或る程度の制限が発生する。測定中に基準化を行うと視認性は制限されるものの、視認しやすい基準指標を用いて基準化を監視することができる。
【0015】
光量または照明が制限されていてコントラストが充分に得られなかったり障害的反射が生じたりする場所では、指標を取得する方法の実行が困難であるので、車輪指標および/または少なくとも1つのボディ指標および/または基準指標を取得するために、少なくとも1つのプロジェクタを用いてパターンを車輪および/またはボディおよび/または測定空間へ投影する。ここで、プロジェクタでは、円や十字などの定義されたパターンまたは確率的分散によるグレー値などのランダムパターンが区別される。このときプロジェクタは1つまたは複数のカメラに定義された状態で割り当てられていても割り当てられていなくてもよい。この手段により、コントラストの乏しい表面および/または照明が制限されている場合のコントラスト比の小さい表面での検出が改善される。
【0016】
2Dピクセルから3Dピクセル群を求める前または3Dピクセルから3Dピクセル群を求めた後に、関心の低い画像領域のピクセルを除去して評価の際に考慮すべきデータを低減することにより、データ量を低減した簡単な評価が達成される。
【0017】
本発明の有利な実施形態によれば、3Dピクセル群および/または3D表面モデルにおいて、車輪指標および/またはボディ指標の抽出前に、部分的に異なる密度および/または部分的に異なるパターンが形成される。この場合、測定すべき車輪の予備情報、例えばタイヤ径、リム径および/またはバルブ位置などを画像処理装置へ供給することができる。
【0018】
図面
以下に本発明を図示の実施例に則して詳細に説明する。
【0019】
図1には車輪および/または車軸ジオメトリの測定装置を車両長手方向から見た図が示されている。図2には図1の車輪および/または車軸ジオメトリの測定装置を横方向から見た図が示されている。図3には図1の車輪および/または車軸ジオメトリの測定装置を上から見た図が示されている。図4のAには第1のディジタル画像のパターンマトリクスAを求める様子が、Bには第2のディジタル画像を種々の位置(1,1),(n,m)に位置決めする様子が示されている。図5には規則的な格子パターンを有する3D表面モデルの例が示されている。図6A,図6B,図6C,図6Dには車輪位置角度を求めるケースにおける本発明の方法の4つの実施例のフローチャートが示されている。図7のA〜Fには3Dピクセル群から車輪指標を取得し、車輪平面または車輪回転軸線を求める様子が示されている。
【0020】
実施例の説明
図1には車両の車輪および/または車軸ジオメトリを求める装置が示されている。ここでは車両の長手方向から記録を行う三脚上に配置された測定ヘッド1が設けられており、この測定ヘッドは例えば図3に示されているようなカメラの形態の2つの撮像装置2と1つの評価装置3とを有する。カメラの視野は車輪5を少なくとも部分的に含む対象セクタ6へ配向されており、その際に2つのカメラの視野の少なくとも大部分が重なっている。操舵軸9に結合された車輪5は検査場に配置された回転プレート7上に位置する。図2には当該の装置の側面図が示されている。図3には、2つのカメラの対象セクタ6が種々のパースペクティブから記録されることが示されている。
【0021】
種々のパースペクティブから記録された画像のうち、測定すべき車輪5および車両の周囲領域を含む対象セクタ6において、3次元の対象物のジオメトリを測定するために、2つの記録位置の相互の対応関係すなわち撮像装置の配向状態(カメラの位置および方向)が既知となっていなければならない。2つ以上の固定に対応づけられた記録位置を有する測定装置を用いる場合、当該の対応づけはメーカで求めてもよいし、基準マークを検出することにより検査場で求めてもよい。
【0022】
基準マークの役割は、検査場に対して測定装置を一義的に基準化することである。これにより車両の停止走行平面またはこの停止走行平面に対して垂直な平面が一義的に示され、これに関連して、冒頭に挙げた刊行物に説明されているような手法によって車輪および/または車軸ジオメトリを求めることができる。
【0023】
2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化は、本来の車両測定から独立に、特に測定過程に先行して行うことができる。対応づけまたは基準化のために特に基準マークが用いられる場合、対応づけまたは基準化が終了すると当該の基準マークないし基準マーク付与装置を検査場から除去することができる。これにより、本来の測定中に車両の一部が覆い隠されることなく、対象セクタのシャープネスおよび結像度の点で測定装置が最適化されるので、車輪および/または車軸ジオメトリの検出が有利になる。また当該のフェーズにおける検出および評価は車両の指標についてのみに制限される。
【0024】
測定装置の記録領域において相応に周囲環境がパターン化される場合、基準マークの貼付および除去を部分的にまたは完全に省略することができる。これは、周囲環境を撮像装置によって検出し、画像相関プロセスによりその表面ジオメトリを検出し、そこから特徴的な基準指標を取得することにより行われ、対応づけまたは基準化が行われる。
【0025】
個別に記憶されたディジタル2D画像における同一のピクセルに基づいて3D表面ジオメトリを求める手法が画像相関プロセスとしての写真測量技術から公知である。図4によれば、画像相関プロセスでは、まず、第1の2D画像すなわち部分画像A内にパターンマトリクスAが定義され、第2の2D画像すなわち部分画像B内に一般にパターンマトリクスAよりも大きなサーチマトリクスBが定義される。次に、パターンマトリクスAの可能な全ての位置(n,m)に対してサーチマトリクスB内部で相関係数rが求められる。相関係数の最大値から、サーチマトリクスBの該当位置におけるパターンマトリクスAの可能位置が得られる。このようにして求められた2つの個別画像内のパターンマトリクスの位置から公知の写真測量技術のプロセスにより3D表面ピクセルが求められる。取得された3D表面ピクセルを全て合わせたものが3Dピクセル群と称される。
【0026】
また、3Dピクセル群から、前述した手段により、設定された格子パターンbを備えた3D表面モデルを導出することもできる。これは、図5に示されているように、空間座標系(x,y,z)において表される。ここでは2次補償関数KLが太線で、また車輪指標を表す基準点BPが丸印で示されている。
【0027】
所望または必要な精度によっては指標の取得に計算コストがかかり、3Dピクセル群の密度が高くなるにつれて、および/または、表面モデルの格子パターンが細かくなるにつれて正確な検出が部分的に制限されるようになる。したがって、車輪指標、基準指標および/またはボディ指標の取得にとってあまり重要でない対象セクタでは3Dピクセル群の密度を低減したり表面モデルの格子パターンを粗くしたりすると有利である。
【0028】
図6A〜図6Dには本発明の画像処理法、特に車輪位置角度を求めるために指標を抽出する方法の種々のバリエーションのフローチャートが示されている。以下の説明から明らかとなるはずであるが、本発明の画像処理法は、評価プロセスに関して、個々に記録された2D画像における跳躍的なグレー値の遷移に基づいて輪郭またはエッジを取得する周知の画像処理法とは大きく異なる。
【0029】
前述した画像相関法にしたがって、関連する指標の抽出は、欧州公開第0895056号明細書に記載されているような2D画像からではなく、3D対象空間から抽出される。これにより照明特性または光特性が変化しても障害影響が小さく、工場の通常条件のもとで達成可能な精度の点で著しい利点が得られる。
【0030】
図6Aには第1の実施例が示されている。最初に、ステップS11で第1のカメラにより第1のディジタル2D画像が、またステップS12で第2のカメラにより第2のディジタル2D画像が記録される。次にステップS2で画像相関が行われ、続いてステップS3で3Dピクセル群が求められる。ついでステップS4で評価装置3において3D表面モデルを形成すべきか否かが問い合わされる。表面モデルを形成する場合、ステップS52で3D表面モデルが求められ、ステップS53で3D対象空間内の3D表面モデルから車輪指標が抽出される。ステップS4で表面モデルを形成しなくてよいと判別された場合には、ステップS51で3D対象空間内の3Dピクセル群から車輪指標が抽出される。ステップS53またはステップS51で指標が抽出された後、次のステップS6において車輪平面が定められ、さらにそこからステップS7で車輪位置角度すなわち車輪平面と車両基準平面とのなす角度が求められる。
【0031】
図6Bには第2の実施例が示されている。図6Aに示されているフローと異なるのは、ステップS3で3Dピクセル群が求められた後、付加的に、ステップS31で有意な車輪指標が定められ、ステップS32で車輪指標の特性すなわち点・線・平面・曲面すなわち1次関数・2次関数・3次関数などが定義されるところである。有意な車輪指標は一義的に識別可能な指標、例えばバルブVであり、これに基づいて残りの車輪指標の位置が一義的に検出される。車輪指標の特性は最適な識別および評価に適するように定義される。
【0032】
図6Cには第3の実施例が示されている。ここでは、図6Bに示されているフローに加え、ステップS31の後、ステップS33で全ての3Dピクセルを評価すべきか否かの問い合わせが行われる。全ての3Dピクセルを評価しなければならない場合、ステップS32へ移行し、車輪指標の特性が図6Bの実施例に相応に定義される。全ての3Dピクセルを評価しなくてよい場合、ステップS34で評価をラジアル方向に制限すべきか否かが問い合わされる。ラジアル方向での制限を行う場合には、ステップS35でラジアル方向の境界により3Dピクセル数が低減され、続いて車輪指標の特性を定義するステップS32へ移行する。ラジアル方向での制限を行わない場合には、ステップS36で基準点BPの数および位置が定義され、続いてステップS37で3Dピクセル数が基準点周囲の局所的境界により低減され、車輪指標の特性を定義するステップS32へ移行する。その後のフローは図6Bの実施例と同様である。ラジアル方向での制限または基準点周囲の局所的境界による制限は3Dピクセルを低減する手段の一例にすぎず、図7に示されているようなセクタごとの制限も可能である。
【0033】
図6Dには第4の実施例が示されている。ここでは、ピクセル数の低減が2D画像をベースとした前処理において行われる。このためにステップS11で第1のカメラ1により第1の2D画像、ステップS12で第2のカメラ2により第2の2D画像が記録され、ステップS13で2つの2D画像内の有意な車輪指標が求められ、続いてステップS14で全ての2Dピクセルを評価すべきか否かの問い合わせが行われる。全ての2Dピクセルを評価しなければならない場合、ステップS2へ移行し、その後のフローは図6Bの実施例と同様である。全ての2Dピクセルを評価しなくてよい場合には、ステップS15で評価をラジアル方向に制限すべきか否かが問い合わされる。ラジアル方向での制限を行う場合には、ステップS18でラジアル方向の境界により2Dピクセル数が低減され、そこから画像相関のステップS2へ移行し、その後のフローは図6Bと同様である。ラジアル方向での制限を行わない場合には、ステップS16で基準点の数および位置が定義され、さらにステップS17で基準点周囲の局所的境界により2Dピクセル数が低減され、そこから画像相関のステップS2へ移行し、その後のフローは図6Bの実施例と同様である。この実施例においてもラジアル方向での制限は3Dピクセルを低減する手段の一例にすぎず、他の手段による制限も可能である。
【0034】
図7のA〜Fには車輪指標を取得して車輪平面Eおよびこれに垂直な車輪回転軸線Dを求め、画像出力する様子が示されている。図7のAでは車輪のディジタル2D画像にはタイヤ5.1およびバルブVが存在している。図7のBでは車輪5の3Dピクセル群が取得され、ここでもバルブVが見て取れる。3Dピクセル群から複数の車輪指標が抽出され、そのうちバルブVが一義的に識別可能な有意な車輪指標とされる。図7のC,Dでは3Dピクセル群の評価すべき領域がラジアル方向にまたはセクタごとに制限され、車輪指標が存在せずあまり重要でない領域、つまり図7のCの中央付近の領域、図7のDの個々のセクタ以外の領域が排除されている。有意な指標としてバルブVが存在する。図7のE,Fでは、車輪回転軸線Dの方向(法線ベクトル)およびこれに垂直な車輪平面Eを3D対象空間内で求める様子が示されている。このとき例えばタイヤの側壁の外輪も車輪指標として用いられる。他の車輪指標および複数の車輪指標の組み合わせも使用可能である。図7のEでは取得された車輪5が表示平面に対して斜めに示されているが、もちろん、車輪回転軸線Dひいては車輪平面Eが表示平面に対して垂直となるように回転して表示することもできる。
【0035】
車両の車輪および/または車軸ジオメトリを求める際には、冒頭に挙げた刊行物に説明されているように、次の手段が行われる。すなわち、車両の測定前に、測定装置の基準化のための基準指標から基準平面が求められる。車両での測定中には、覆い隠されていない基準指標に基づいて測定装置の基準化が自己監視される。さらに車輪平面Eが検出された車輪指標から求められ、この車輪平面Eと基準平面との関係から車輪位置角度が求められる。有利には、車輪平面Eは、車両が撮像装置の側方を通過する際に撮影された複数の画像から検出された少なくとも1つの車輪指標と少なくとも1つのボディ指標との和から求められる。
【0036】
高い測定精度を保証するのにカメラの分解能が充分でなくとも、周知の画像処理法をサブピクセル領域における評価のために用いて分解能を向上させることができる。
【0037】
車輪および車軸ジオメトリを測定するために車輪5の3D表面構造が用いられる。この3D表面構造は車輪の特徴的要素、例えばタイヤ、ホイールリム、ホイールキャップまたはバルブなどに基づいて表される。表面ジオメトリの検出は、前述したように、画像相関を用いた画像処理により、少なくとも2つのカメラで種々の位置から撮影した対象セクタから、複数の3Dピクセルによって対象セクタに存在する対象構造の3D表面を表現する3Dピクセル群を求めることにより行われる。3Dピクセル群から、種々の手法により、線モデル、三角形パターン、規則的格子パターンなどの3D表面モデルを描画することができる。3Dピクセル群および/または少なくとも1つの3D表面モデルに基づいて、特徴的な車輪指標、ボディ指標および基準指標が取得される。
【0038】
車輪5が対称であり、回転軸線を中心として各点を回転させることにより、トレッドおよびキャンバを求めるのに必要な車輪平面Eおよび/または車輪回転軸線Dが容易に定められる。バルブ、ホール、ラベルなどの車輪の有意な表面指標または汚れや傷などの他の指標が検出される。これによりリムタイプが検出され考慮される。
【0039】
車両が測定装置の側方を通過する際に測定を行う場合、付加的にボディの運動が測定装置および基準指標に対して相対的に定められる。このとき3Dピクセル群または3D表面モデルは車輪を包囲するボディすなわちホイールハウジングへ拡張される。これは、本発明の方法では僅かな変更にすぎない。一般には、対象セクタ全体が少なくとも測定の開始時に3次元で検出され、車両タイプおよびリムサイズが種々に異なるため、測定すべき車輪を対象空間内の既知の位置には対応させることができず、記録されたシーン全体の3D構造から抽出しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】車輪および/または車軸ジオメトリの測定装置を車両長手方向から見た図である。
【図2】図1の測定装置を横方向から見た図である。
【図3】図1の測定装置を上から見た図である。
【図4】第1のディジタル画像のパターンマトリクスAを求める様子、および、第2のディジタル画像を種々の位置に位置決めする様子を示す図である。
【図5】規則的な格子パターンを有する3D表面モデルを示す図である。
【図6A】本発明の方法の第1の実施例のフローチャートである。
【図6B】本発明の方法の第2の実施例のフローチャートである。
【図6C】本発明の方法の第3の実施例のフローチャートである。
【図6D】本発明の方法の第4の実施例のフローチャートである。
【図7】3Dピクセル群から車輪指標を取得し、車輪平面または車輪回転軸線を求める様子を示した図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
場合により基準指標およびボディ指標を考慮して、複数のディジタル画像を形成する少なくとも2つの撮像装置(2)を含む画像記録装置により少なくとも2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化を行い、種々のパースペクティブから測定すべき車輪(5)を含む対象セクタ(6)を検出し、3D測定空間における車輪指標の位置を評価する、
光学測定装置を用いた車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法において、
少なくとも2つの撮像装置によって種々のパースペクティブで検出された2D画像の対象セクタから、画像相関処理により、3D対象空間において複数の個々の3Dピクセルによって3D表面を表す3Dピクセル群を求め、そこから点・線・平面・曲面すなわち1次関数、2次関数、3次関数としての車輪指標および/または基準指標および/またはボディ指標を取得する
ことを特徴とする光学測定装置を用いた車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法。
【請求項2】
3Dピクセル群の情報を車輪指標の抽出に直接に用いるか、または、中間ステップにおいて3Dピクセル群から表面モデルを導出し、後いて当該の表面モデルから車輪指標を抽出する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
3Dピクセル群に基づいて3D表面モデルを線モデル、規則的な格子パターンまたは三角形パターンとして求める、請求項2記載の方法。
【請求項4】
車輪指標に加えて相応に少なくとも1つの特徴的なボディ指標を取得する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
車輪および/または車軸ジオメトリの測定を車両が撮像装置の側方を通過する際に行い、撮像装置に対する車両の相対運動を少なくとも1つのボディ指標に基づいて求め、測定すべき車輪の少なくとも1つの車輪指標を側方通過中の複数または全ての撮像時点で検出された対象セクタの表面構造から抽出する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
抽出された少なくとも1つの有意な車輪指標および少なくとも2つの別の車輪指標に基づいて測定すべき車輪のリムタイプを評価装置内で検査し、場合により当該の評価結果を他の評価において考慮する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
測定空間内に導入された付加的な基準マークおよび/または請求項1から3までのいずれか1項記載の方法により測定空間内に存在する特徴的な構造から取得された基準指標に基づいて、少なくとも2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化を行う、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
車輪上、ボディ上および/または測定空間内のパターンが少なくとも1つのプロジェクタにより投影される、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
3Dピクセル群および/または3D表面モデルにおいて、車輪指標および/またはボディ指標の抽出前に、部分的に異なる密度および/または部分的に異なるパターンが形成される、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
評価の際に考慮されるデータを低減するために、関心の低い画像領域のピクセルは、2Dピクセルから3Dピクセル群を求める前または3Dピクセルから3Dピクセル群を求めた後に取り除かれる、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
測定すべき車両および/または車輪の予備情報、例えばタイヤ径、リム径および/またはリム形状が、画像処理装置へ供給される、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項1】
場合により基準指標およびボディ指標を考慮して、複数のディジタル画像を形成する少なくとも2つの撮像装置(2)を含む画像記録装置により少なくとも2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化を行い、種々のパースペクティブから測定すべき車輪(5)を含む対象セクタ(6)を検出し、3D測定空間における車輪指標の位置を評価する、
光学測定装置を用いた車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法において、
少なくとも2つの撮像装置によって種々のパースペクティブで検出された2D画像の対象セクタから、画像相関処理により、3D対象空間において複数の個々の3Dピクセルによって3D表面を表す3Dピクセル群を求め、そこから点・線・平面・曲面すなわち1次関数、2次関数、3次関数としての車輪指標および/または基準指標および/またはボディ指標を取得する
ことを特徴とする光学測定装置を用いた車両の車輪および/または車軸ジオメトリの測定方法。
【請求項2】
3Dピクセル群の情報を車輪指標の抽出に直接に用いるか、または、中間ステップにおいて3Dピクセル群から表面モデルを導出し、後いて当該の表面モデルから車輪指標を抽出する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
3Dピクセル群に基づいて3D表面モデルを線モデル、規則的な格子パターンまたは三角形パターンとして求める、請求項2記載の方法。
【請求項4】
車輪指標に加えて相応に少なくとも1つの特徴的なボディ指標を取得する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
車輪および/または車軸ジオメトリの測定を車両が撮像装置の側方を通過する際に行い、撮像装置に対する車両の相対運動を少なくとも1つのボディ指標に基づいて求め、測定すべき車輪の少なくとも1つの車輪指標を側方通過中の複数または全ての撮像時点で検出された対象セクタの表面構造から抽出する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
抽出された少なくとも1つの有意な車輪指標および少なくとも2つの別の車輪指標に基づいて測定すべき車輪のリムタイプを評価装置内で検査し、場合により当該の評価結果を他の評価において考慮する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
測定空間内に導入された付加的な基準マークおよび/または請求項1から3までのいずれか1項記載の方法により測定空間内に存在する特徴的な構造から取得された基準指標に基づいて、少なくとも2つの記録位置の相互の対応づけおよび測定空間に対する基準化を行う、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
車輪上、ボディ上および/または測定空間内のパターンが少なくとも1つのプロジェクタにより投影される、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
3Dピクセル群および/または3D表面モデルにおいて、車輪指標および/またはボディ指標の抽出前に、部分的に異なる密度および/または部分的に異なるパターンが形成される、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
評価の際に考慮されるデータを低減するために、関心の低い画像領域のピクセルは、2Dピクセルから3Dピクセル群を求める前または3Dピクセルから3Dピクセル群を求めた後に取り除かれる、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
測定すべき車両および/または車輪の予備情報、例えばタイヤ径、リム径および/またはリム形状が、画像処理装置へ供給される、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【公表番号】特表2008−536134(P2008−536134A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505889(P2008−505889)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061521
【国際公開番号】WO2006/133982
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061521
【国際公開番号】WO2006/133982
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】
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